(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20231129BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231129BHJP
【FI】
H04L67/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019069933
(22)【出願日】2019-04-01
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楓 育美
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-260343(JP,A)
【文献】特表2010-518533(JP,A)
【文献】特開2012-123598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0253771(US,A1)
【文献】米国特許第07240077(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示情報の特定の部分に第2の表示情報へのリンクに加えて、前記第1の表示情報を変更する処理
を実行させるための条件となる前記第2の表示情報又は前記第2の表示情報により表示される第2のページの変化の内容と、当該処理と、を組にしてユーザに設定させる設定手段と、
前記第2の表示情報の変化を検出するリンク先監視手段と、
前記リンク先監視手段により前記条件に合致する変化が検出されると、前記第1の表示情報に対して検出された変化の内容に対応する処理を実行する処理手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処理手段は、
前記第1の表示情報にアクセスできないようにする処理、
前記リンクが設定された特定の部分とそれ以外の部分を、前記第1の表示情報から削除する処理、
前記リンクが設定された特定の部分のみを、前記第1の表示情報から削除する処理、
のうち1つ以上を含む複数の処理の中から実行する処理を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の部分は、編集者によって予め指定された部分又は前記第1の表示情報を解析することによって抽出された部分であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記特定の部分を削除する処理を実行する場合、前記第1の表示情報により表示される第1のページにおいて削除した部分以降の表示を繰り上げて表示させるよう処理することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記第2の表示情報で提供される情報に相当する内容の情報を提供する第3の表示情報を提示する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記リンクの設定に代わる表現を提示する処理として、前記第2の表示情報で提供される情報を前記第1の表示情報に含める処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記変化が前記第2の表示情報に関わる情報の変化の場合、その変化の内容に対応させて前記第1の表示情報により表示される第1ページの表示の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理手段は、前記第2の表示情報に関わる情報の変化が予見される場合にも前記第1ページの表示の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2の表示情報に関わる情報は、前記第2の表示情報により表示される第2ページの使用条件であり、
前記処理手段は、前記使用条件に変化がある場合に前記第1ページの表示を制御することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2の表示情報に関わる情報は、前記第2の表示情報により表示される第2ページの使用許可期限であり、
前記処理手段は、前記使用許可期限が到来した場合又は前記使用許可期限に接近した場合に前記第1ページの表示を制御することを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2の表示情報により表示される第2ページに前記変化が生じた後、前記処理手段が処理を実行する前に、前記処理を実行することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信する送信手段と、
前記ユーザからの前記リクエストに対する承認を受信する受信手段と、
を有し、
前記処理手段は、前記ユーザによる承認に応じて処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記処理手段が処理を実行した後の前記第1の表示情報により表示される第1ページのプレビューを前記端末装置に表示させるよう制御する表示制御手段を有することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記処理手段が処理を実行した後の前記第1の表示情報により表示される第1ページで前記第2の表示情報を使用しなくなった旨を前記第2の表示情報の管理者に通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記処理手段が処理を実行した後、前記通知手段が通知する前に、前記通知手段が通知することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信する送信手段と、
前記ユーザからの前記リクエストに対する承認を受信する受信手段と、
を有し、
前記通知手段は、前記ユーザによる承認に応じて通知することを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記処理手段は、前記第2の表示情報に前記変化が生じた場合、複数の処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記処理手段は、前記第1の表示情報を変更する処理に付加的な処理を含めることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
コンピュータを、
第1の表示情報の特定の部分に第2の表示情報へのリンクに加えて、前記第1の表示情報を変更する処理
を実行させるための条件となる前記第2の表示情報又は前記第2の表示情報により表示される第2のページの変化の内容と、当該処理と、を組にしてユーザに設定させる設定手段、
前記第2の表示情報の変化を検出するリンク先監視手段、
前記リンク先監視手段により前記条件に合致する変化が検出されると、前記第1の表示情報に対して検出された変化の内容に対応する処理を実行する処理手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ作成者は、あるコンテンツ(例えば、コンテンツA)を作成する際に他のコンテンツ(例えば、コンテンツB)を引用したりリンクしたりする場合がある。コンテンツAの閲覧者は、コンテンツA内のコンテンツBへのリンクの設定を選択することで、コンテンツBの内容を参照することが可能となる。ただ、コンテンツBは、コンテンツAを作成した時点と同じ状態で存在し続けるとは限らない。例えば、コンテンツBの内容が変更されることのみならず、コンテンツBが期間限定で公開されていたり、会員限定のコンテンツに変更されたりすることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-280974号公報
【文献】特開2009-169788号公報
【文献】特開2010-257203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の表示情報に設定された第2の表示情報へのリンクを介して、当該リンクを設定したときの第2の表示情報の内容を表示できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、第1の表示情報の特定の部分に第2の表示情報へのリンクに加えて、前記第1の表示情報を変更する処理を実行させるための条件となる前記第2の表示情報又は前記第2の表示情報により表示される第2のページの変化の内容と、当該処理と、を組にしてユーザに設定させる設定手段と、前記第2の表示情報の変化を検出するリンク先監視手段と、前記リンク先監視手段により前記条件に合致する変化が検出されると、前記第1の表示情報に対して検出された変化の内容に対応する処理を実行する処理手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、前記処理手段は、前記第1の表示情報にアクセスできないようにする処理、前記リンクが設定された特定の部分とそれ以外の部分を、前記第1の表示情報から削除する処理、前記リンクが設定された特定の部分のみを、前記第1の表示情報から削除する処理、のうち1つ以上を含む複数の処理の中から実行する処理を決定することを特徴とする。
【0007】
また、前記特定の部分は、編集者によって予め指定された部分又は前記第1の表示情報を解析することによって抽出された部分であることを特徴とする。
【0008】
また、前記処理手段は、前記特定の部分を削除する処理を実行する場合、前記第1の表示情報により表示される第1のページにおいて削除した部分以降の表示を繰り上げて表示させるよう処理することを特徴とする。
【0009】
また、前記処理手段は、前記第2の表示情報で提供される情報に相当する内容の情報を提供する第3の表示情報を提示する処理を実行することを特徴とする。
【0010】
また、前記処理手段は、前記リンクの設定に代わる表現を提示する処理として、前記第2の表示情報で提供される情報を前記第1の表示情報に含める処理を実行することを特徴とする。
【0011】
また、前記処理手段は、前記変化が前記第2の表示情報に関わる情報の変化の場合、その変化の内容に対応させて前記第1ページの表示の制御を行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記処理手段は、前記第2の表示情報に関わる情報の変化が予見される場合にも前記第1の表示情報により表示される第1ページの表示の制御を行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記第2の表示情報に関わる情報は、前記第2の表示情報により表示される第2ページの使用条件であり、前記処理手段は、前記使用条件に変化がある場合に前記第1ページの表示を制御することを特徴とする。
【0014】
また、前記第2の表示情報に関わる情報は、前記第2の表示情報により表示される第2ページの使用許可期限であり、前記処理手段は、前記使用許可期限が到来した場合又は前記使用許可期限に接近した場合に前記第1ページの表示を制御することを特徴とする。
【0015】
また、前記第2の表示情報により表示される第2ページに前記変化が生じた後、前記処理手段が処理を実行する前に、前記処理を実行することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信する送信手段と、前記ユーザからの前記リクエストに対する承認を受信する受信手段と、を有し、前記処理手段は、前記ユーザによる承認に応じて処理を実行することを特徴とする。
【0016】
また、前記処理手段が処理を実行した後の前記第1の表示情報により表示される第1ページのプレビューを前記端末装置に表示させるよう制御する表示制御手段を有することを特徴とする。
【0017】
また、前記処理手段が処理を実行した後の前記第1の表示情報により表示される第1ページで前記第2の表示情報を使用しなくなった旨を前記第2の表示情報の管理者に通知する通知手段を有することを特徴とする。
【0018】
また、前記処理手段が処理を実行した後、前記通知手段が通知する前に、前記通知手段が通知することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信する送信手段と、前記ユーザからの前記リクエストに対する承認を受信する受信手段と、を有し、前記通知手段は、前記ユーザによる承認に応じて通知することを特徴とする。
【0019】
また、前記処理手段は、前記第2の表示情報に前記変化が生じた場合、複数の処理を実行することを特徴とする。
【0020】
また、前記処理手段は、前記第1の表示情報を変更する処理に付加的な処理を含めることを特徴とする。
【0021】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、第1の表示情報の特定の部分に第2の表示情報へのリンクに加えて、前記第1の表示情報を変更する処理を実行させるための条件となる前記第2の表示情報又は前記第2の表示情報により表示される第2のページの変化の内容と、当該処理と、を組にしてユーザに設定させる設定手段、前記第2の表示情報の変化を検出するリンク先監視手段、前記リンク先監視手段により前記条件に合致する変化が検出されると、前記第1の表示情報に対して検出された変化の内容に対応する処理を実行する処理手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の発明によれば、第1の表示情報に設定された第2の表示情報へのリンクを介して、当該リンクを設定したときの第2の表示情報の内容を表示することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、用意されている処理の中から第1の表示情報を変更する処理を選択して実行することができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、特定の部分をユーザに指定させるか、あるいは解析することで特定することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、表示される第1ページにおいて削除した部分が空白領域とならないようにすることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、第1ページを閲覧するユーザに第2の表示情報で提供する情報と同じ内容の第3の表示情報を提示することができる。
【0027】
請求項6に記載の発明によれば、第1の表示情報に第2の表示情報で提供する情報を含めることができる。
【0028】
請求項7に記載の発明によれば、第2の表示情報の内容ではなく第2の表示情報に関わる情報に対する変化にも対応することができる。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、第2の表示情報に関わる情報に変化が起こる前から第1ページの表示を制御することができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、第2ページの使用条件の変更に応じて第1ページを表示させないようにすることができる。
【0031】
請求項10に記載の発明によれば、前記第2ページの使用許可期限の到来又は接近に応じて第1ページを表示させないようにすることができる。
【0032】
請求項11に記載の発明によれば、ユーザによる承認を受けてはじめて処理を実行することができる。
【0033】
請求項12に記載の発明によれば、処理の実行結果をユーザに確認させることができる。
【0034】
請求項13に記載の発明によれば、第2の表示情報を使用しなくなった旨を第2の表示情報の管理者に知らせることができる。
【0035】
請求項14に記載の発明によれば、ユーザによる承認を受けてはじめて第2の表示情報の管理者に通知することができる。
【0036】
請求項15に記載の発明によれば、複数の処理を実行することができる。
【0037】
請求項16に記載の発明によれば、第1の表示情報を変更する処理に付加的な処理を含めて実行することができる。
【0038】
請求項17に記載の発明によれば、第1の表示情報に設定された第2の表示情報へのリンクを介して、当該リンクを設定したときの第2の表示情報の内容を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明に係る情報処理装置の一実施の形態を示すブロック構成図である。
【
図2】本実施の形態においてリンクが設定される第1の表示情報とリンク先となる第2の表示情報の各表示例を示す図である。
【
図3】本実施の形態においてコンテンツにリンクを設定するときの処理を示すフローチャートである。
【
図4】本実施の形態において第1の表示情報にリンクに関する情報を設定する際の画面表示の一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態において、指定部位をコンテンツ作成者に指定させるためのリンク設定画面の表示例を示す図である。
【
図6】本実施の形態において、処理が実行される前と後の第1の表示情報の表示例を示す図である。
【
図7】本実施の形態において、リンク先の変化を検出する範囲を指定するための画面表示例を示す図である。
【
図8】本実施の形態において、表示される情報の差し替え処理を実行する前と後の各第1の表示情報の一例を示す図である。
【
図9】本実施の形態において、第1の表示情報が動画データ又は音声データの場合のリンクの設定を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る情報処理装置の一実施の形態を示すブロック構成図である。本実施の形態における情報処理装置10は、コンテンツを表示可能なウェブブラウザやアプリケーションを搭載する。コンテンツの例には、ウェブページ、Word、Excel、PDFなど様々な形式の文書、画像、ビデオ、音声が含まれる。表示されるコンテンツの元となる情報を「表示情報」と呼ぶ。「表示情報」の「表示」とは、表にして示すことであり、情報を視認可能に示すことに限定されるものではなく、前述した音声のように視覚以外の感覚にてユーザに示すことを含む。コンテンツがウェブページの場合、典型的な表示情報はHTML(HyperText Markup Language)で記述されたページデータである。表示情報にはその他にも文書を表示するための文書データ、画像を表示するための画像データ、動画を表示するための動画データ、音声を再生するための音声データなどが含まれる。
【0042】
ブラウザやアプリケーションは、表示情報に基づいてコンテンツを画面に表示する。ウェブページは、HTMLで記述されたページデータをブラウザが読み込んで表示される。コンテンツの表示情報にはリンクが設定されている場合がある。例えば、ページデータのテキストの一部にハイパーリンクが設定されており、ハイパーリンクが設定されている文字列は、ハイパーリンク(以下、単に「リンク」ともいう)が設定されていることがわかるように、リンクが設定されていない文字列とは異なる色で表示されたり、下線部付きで表示されたりすることが多い。多くの場合、閲覧者がリンクを有する部分にカーソルを合わせると、視覚的なフィードバックが行われ、リンク先のウェブページのhttpアドレスがポップアップで表示されたり、カーソルの見た目が変化したりする。リンクは必ずしも文字列に設定される必要はなく、スニペットや画像、動画などに設定されてもよい。また、リンクは視認可能なものでなくてもよい。例えば、音声などが挙げられる。リンク先を開くには、画面上でリンクに関する情報を操作する必要はない。例えば、音声やジェスチャー操作が挙げられる。第1の表示情報の再生と関連してリンク先が自動的に開くようなものも含む。
【0043】
第1の表示情報(例えば、ページデータA)に設定されているハイパーリンクが第2の表示情報(例えば、ページデータB)へのリンクである場合、閲覧者がページデータAに対応するコンテンツ(例えば、ウェブページA)のページデータBへのリンク(例えば、文字列に設定されている)を選択すると、ページデータBに対応するコンテンツ(例えば、ウェブページB)が表示される。
【0044】
このように、第1の表示情報は1のリンクのリンク元の表示情報である。第2の表示情報は、該1のリンクのリンク先の表示情報である。第1の表示情報と第2の表示情報の種類は同じであっても異なっていてもよい。また、種類の組み合わせも自由である。例えば、第1の表示情報と第2の表示情報がともにウェブページのページデータの場合もあれば、ともに動画データの場合もある。また、第1の表示情報が動画データで第2の表示情報がウェブページのページデータである場合もあれば、第1の表示情報がウェブページのページデータで、第2の情報がPDFの文書データの場合もある。
【0045】
以下の実施の形態では、
図2で示すページ2Aに対応するHTMLデータを第1の表示情報、ページ2Bに対応するHTMLデータを第2の表示情報として説明する。また、第1の表示情報に基づいて表示されるコンテンツを「ソースコンテンツ」と呼び、第2の表示情報に基づいて表示されるコンテンツを「ターゲットコンテンツ」と呼ぶこともある。
【0046】
本実施の形態における情報処理装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)等の従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、情報処理装置10は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)、入力手段として設けられたマウスとキーボード、及び表示手段として設けられたディスプレイをそれぞれ接続する入出力コントローラ、通信手段として設けられたネットワークインタフェースを内部バスに接続して構成される。
【0047】
情報処理装置10は、
図1に示すようにリンク設定部11、リンク先監視部12、ユーザインタフェース(UI)部13、表示制御部14、承認処理部15、通知部16、処理制御部17及び記憶部18を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については、
図1から省略している。
【0048】
リンク設定部11は、第1の表示情報の特定部分に第2の表示情報へのリンク機能を設定する。リンク先監視部12は、第2の表示情報を監視し、第2の表示情報の変化を検出する。監視は常時おこなってもよいし、特定のタイミング(例:5分に1回、1ヶ月に1回、リンクがクリックされる度、ある期間の中で最初にリンクがクリックされるとき)でおこなってもよい。具体的には、リンク先監視部12は、過去のある時点の状態の第2の表示情報を保存し、最新の状態の第2の表示情報と比較することによって変化を検出してもよいし、第2の表示情報に変化があった場合に通知を受け取れるシステムと連携することによって変化を検出してもよい。その両方を行ってもよい。
【0049】
特定の変化には、例えば次のようなものが含まれる。
・第2の表示情報が丸ごと削除されること(URL自体を削除することを含む)
・第2の表示情報が変更されること(文字、画像、動画、音声などが第2の表示情報に新たに追加されること、および文字、画像、動画、音声などが第2の表示情報から部分的に削除されることを含む)
【0050】
ユーザインタフェース部13は、情報処理装置10のユーザからの入力を受け付け、また、情報を提示する。ユーザインタフェース部13は、ネットワークを介してユーザからの入力を受け付け、また情報を提示するようにしてもよい。表示制御部14は、ディスプレイやネットワークを介して接続されている端末装置、例えばコンテンツ作成者や管理者等が使用する端末装置の表示制御を行う。承認処理部15は、コンテンツ作成者等に第1の表示情報の変更の承認を受けるなどの承認処理を実行する。通知部16は、第1の表示情報を変更する処理を実行した後、第2の表示情報を使用しなくなった旨を第2の表示情報の管理者に通知する。処理制御部17は、前述した情報処理装置10の各構成要素11~16と連携動作し、第1の表示情報を変更する処理等の処理制御を行う。記憶部18には、第1の表示情報の変更処理等に用いる変更の条件や当該条件に対応する処理の内容等第1の表示情報の変更に関する情報が記憶される。
【0051】
情報処理装置10における各構成要素11~17は、情報処理装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPUで動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、記憶部18は、情報処理装置10に搭載されたHDDにて実現される。あるいは、RAM又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
【0052】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROMやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0053】
次に、本実施の形態における動作について説明する。最初に、コンテンツにリンクを設定するときの処理について
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0054】
まず、コンテンツ作成者は、従前からある手法を用いてコンテンツを作成する(ステップ101)。そして、作成したコンテンツの一部にハイパーリンクを設定する場合、本実施の形態においては、以下のように処理する。なお、コンテンツ作成者は、情報処理装置10を使用してリンクの設定処理を行ってもよいが、本実施の形態では、情報処理装置10とネットワークを介して接続されている端末装置からリンクの設定処理を行う場合を想定して説明する。
【0055】
図4は、第1の表示情報にリンクに関する情報を設定する際の画面表示の一例を示す図である。具体的には、ページデータを編集するためのエディタ画面の一例である。編集者はこのエディタ画面からページデータに対して文字、画像、動画の追加や削除を行ったり、特定の文字列や画像にリンクを設定したりすることができる。エディタにはウェブページの見た目に近い状態で編集するエディタ(ビジュアルエディタと呼ばれることが多い)と、HTMLそのままの状態で編集するエディタ(テキストエディタと呼ばれることが多い)がある。リンクの設定はどちらのエディタで行ってもよい。
図4は、ビジュアルエディタの一例である。
【0056】
図4に示すように、コンテンツ作成者はエディタ画面上で閲覧コンテンツにリンクとリンクに関する情報を設定する。具体的には、コンテンツ作成者は、リンクを設定したい文字列(
図4に示す例では「こちらのページ」)21を選択した後、第1の表示情報22の表示画面の上部に配置されているリンク設定ボタン23をクリック選択する。このコンテンツ作成者による選択操作に応じて、リンク設定部11は、リンク設定画面24を表示する(ステップ102)。リンク設定画面24に条件及び処理として表示される選択項目は、記憶部18に予め記憶されている。
【0057】
なお、リンク設定画面24を表示させるときの情報処理装置10における動作は、厳密には、ユーザインタフェース部13がネットワークを介してコンテンツ作成者による操作を受け付けると、処理制御部17は、受け付けられた操作がリンク設定ボタン23の選択操作と認識し、この認識に応じてリンク設定部11にリンク設定処理の実行を指示する。リンク設定部11は、処理制御部17からの指示に応じてリンク設定画面24の表示を表示制御部14に指示し、表示制御部14は、リンク設定部11からの指示に応じてリンク設定画面24を第1の表示情報22と合わせてユーザインタフェース部13にコンテンツ作成者の端末装置に表示させる。つまり、ユーザインタフェース部13は、ネットワークを介して画面表示に必要な情報を送信する。ただ、以降の説明では、説明の便宜上、リンク設定部11はリンク設定画面24を表示する、などのように端的に記述する。後述する表示に関する他の処理においても同様である。
【0058】
次に、コンテンツ作成者がリンク設定画面24から設定する内容について説明する。
【0059】
コンテンツ作成者は、表示されたリンク設定画面24から、文字列21に対応付ける「リンク先アドレス」を入力する(ステップ103)。「テキスト」には、リンクを設定する第1の表示情報中の文字列21を入力する。なお、コンテンツ作成者が第1のページ上でリンクを設定する文字列21を指定しているので、リンク設定部11がその文字列21を抽出して「テキスト」に自動設定してもよい。コンテンツ作成者が「別タブで開く」のチェックボックスにチェックを入力すると、リンク先ページは、第1の表示情報22が表示されているタブとは異なるタブに表示される。
【0060】
次に、リンク設定画面24におけるリンク自動処理設定の領域では、第2の表示情報の変化が検出された場合に実行する処理について設定する。具体的には、「条件」と「処理」を対応付けて設定する(ステップ104)。「処理」には、第1の表示情報を変更する処理がコンテンツ作成者により選択されて設定される。「条件」は、当該処理を実行させるための条件であり、具体的には、リンク先監視部12によって検出される第2の表示情報又はターゲットコンテンツの変化の内容である。
【0061】
図4には、条件として「リンク先ページが削除された場合」及び「リンク先ページにリダイレクトが設定された場合」の2条件を選択可能な条件として表示されている例が示されている。もちろん、条件として例示したもの以外の条件を設定してもよい。この2条件のいずれかに該当する変化が生じると、リンク先ページは(つまり、ターゲットコンテンツ)は今まで通りに、つまり、第1の表示情報の作成時点におけるリンク先ページの表示内容と同じ内容で表示されない状態になる。「リンク先ページが削除された場合」は、リンク先ページ、つまり、ターゲットコンテンツが削除された場合である。「指定した時期が経過した場合」は、契約等により指定された終期(例えば、使用許可期限)に達した場合である。「リンク先ページにリダイレクトが設定された場合」は、リンク先アドレスが変更された場合等である。
【0062】
また、
図4には、処理として「リンクが設定された部位を削除」、「リンクが設定された部位と該部位を含む段落を削除」、「リンクが設定された部位と指定部位を削除」及び「コンテンツ自体を削除」の4条件を選択可能な条件として表示されている例が示されている。もちろん、処理として例示したもの以外の処理を設定してもよい。「リンクが設定された部位を削除」は、編集者(例えば、上記コンテンツ作成者)が、リンクが設定された部位(
図4に示す文字列21)のみを削除する。「リンクが設定された部位と該部位を含む段落を削除」は、編集者が、第1の表示情報に記述されている文章が段落に分けられている場合、リンクが設定されている部位と、リンクが設定されている部位が位置する段落に含まれるリンクが設定されていない部位との両方を削除する。このように、第1の表示情報が段落等の複数の領域に分けて記述されている場合、リンクが設定されている部位と、リンクが設定されている部位が位置する領域に含まれる、リンクが設定されていない部位との両方を削除する領域単位に削除する。「リンクが設定された部位と指定部位を削除」は、詳細は例を挙げて後述するが、編集者が、リンクが設定されている部位と、リンクが設定されていない部位の中からユーザが指定した部位との両方を削除する。「コンテンツ自体を削除」は、編集者が、第1の表示情報自体を削除することによって閲覧者が第1の表示情報をアクセスできないようにする。なお、閲覧者は、上記削除を行う編集者と別人物でもよいし、同一人物でもよい。
【0063】
本実施の形態では、
図4に示すリンク設定画面から第1の表示情報を変更する処理を実行するための条件及びその変更する処理を組にして設定する。処理に紐付ける条件は、必ずしも1つに限定する必要はなく。条件ボタン25を選択して一の処理に対し複数の条件を設定するようにしてもよい。また、処理ボタン26を選択して、一の条件に対し複数の処理を設定するようにしてもよい。
【0064】
また、一のリンクに対して、複数の条件と処理の組を設定してもよい。例えば、条件としてm(m≧2)個の条件項目及び処理としてn(n≧2)個の処理項目がそれぞれ設けられている場合において、m個の条件項目及びn個の処理項目の中からそれぞれ1つ以上の項目を選択する。複数の項目を選択する場合、選択した項目の並び順によって、あるいは優先順位を指定できるようにするなどして、各項目に優先順位を設定できるようにしてもよい。
【0065】
また、ある条件Cに合致した場合は処理Aを、条件Cに合致しない場合は処理Bを、それぞれ実行するなどのように条件により分岐できるようにしてもよい。あるいは、検出値としてソースコンテンツへの訪問者数が所定の閾値以上の場合は第2の表示情報に代わるコンテンツにリンク先を変更し、訪問者数が閾値に満たない場合には第2の表示情報へのリンクを削除する、などのように値の設定を伴うような複雑な条件を設定できるようにしてもよい。
【0066】
コンテンツ作成者が条件、当該条件に紐付ける処理を設定した後、決定ボタン27を選択すると、リンク設定部11は、設定された条件及び処理に関する情報(以下、「リンク設定情報」)を第1の表示情報に紐付けて記憶部18に保存する(ステップ105)。
【0067】
リンク先監視部12は、第2の表示情報を監視し、第2の表示情報に変化が生じた場合、処理制御部17は、リンク設定情報の設定内容に従って変化の内容(つまり、リンク設定情報に設定されている条件のうち、合致する条件)に応じた処理を実行することで第1の表示情報を更新し、これに応じてソースコンテンツの表示内容も更新される。
【0068】
ここで、第2の表示情報(又はターゲットコンテンツ)において生じる「変化」というのは、第2の表示情報が丸ごと削除されること、第2の表示情報の内容の変更(追加、部分的な削除、またはその両方)が一般的である。ただ、第2の表示情報の記述内容の変更とはいっても、例えば誤字脱字に伴う改訂等は、実質的な変更ではない。従って、リンク先監視部12又は処理制御部17は、第2の表示情報の記述内容の変更が、例えば所定数以下の文字数の変更、あるいは記述量全体に対する変更した量(例えば、文字数等)から算出される変更率が所定数以下の場合、本実施の形態でいう「変化」とみなさない。
【0069】
また、第2の表示情報(又はターゲットコンテンツ)における「主要部分」以外の変化は、本実施の形態でいう「変化」とみなさない。「主要部分」というのは、第2の表示情報が提供する情報の主要部分であり、例えば、一般的なウェブページにおける「記事の部分」や、動画サイトにおける「動画再生領域」が相当する。ヘッダー、フッター、サイドバー、サブメニュー、パンくずリスト、コメント入力欄、検索ボックスなど、サイト内の複数のページに対して固定されている要素や、コメント表示欄、パーソナライズド広告欄、関連記事や関連動画を動的に表示させる欄などに表示される情報は、主要部分に相当しない。
【0070】
更に、第2の表示情報が提供する情報の意味にまで踏み込んで変化を検出するようにしてもよい。例えば、第2の表示情報の内容が変更された場合でも、提供する情報の内容に変化がない場合には、変化に該当しないと判断する。あるいは、第1の表示情報と第2の表示情報との類似度を既知の手法にて求めておき、第2の表示情報に変化が生じた場合でも、変化の検出前と検出後の第1の表示情報との各類似度に所定の閾値以上の差異が生じなかった場合、本実施の形態でいう「変化」とみなさないようにしてもよい。
【0071】
ところで、リンクを設定する部位、例えば文中のテキスト(
図4に示す例の文字列21)、サムネイル、写真、動画等によって、リンク先ページを表示させないようにするための適切な処理の内容が変わる場合がある。そのため、リンクを設定する部位の特性に応じて、コンテンツ作成者がリンク設定画面24に選択可能な処理として表示する処理の選択肢の構成を変えてもよい。
【0072】
例えば、リンクを設定する部分が文または段落内の文字である場合、リンクの設定部位だけを削除すると、文法的・意味的に変な記述となってしまう可能性が高い。
図2に示す文字列21のみを削除する場合がこれに該当する。つまり、リンクを設定する部分だけを削除するという処理は不適切である可能性が高い。そのため、「リンクが設定された部位を削除」は、コンテンツ作成者に選択肢として提示せず、「リンクが設定された部位と該部位を含む段落を削除」等、適切と考えられる選択肢のみを、実行する処理の候補として提示するようにしてもよい。なお、段落内の文字であっても箇条書きの場合はこれに該当しない。
【0073】
また、別の例として、リンクを設定する部分が段落を示す<p></p>タグ以外のタグの中にある場合、「リンクが設定された部位と該部位を含む段落を削除」は選択肢として提示せず、「リンクが設定された部位を削除」等、適切と考えられる選択肢のみを選択可能な処理の候補として提示するようにしてもよい。
【0074】
なお、本実施の形態では、リンク設定のためのポップアップ画面(つまり、
図4に示すリンク設定画面24)が開いてコンテンツ作成者がその画面から必要事項を入力若しくは選択して設定しているが、これ以外の方法でリンクが設定されてもよい。例えば、リンクの設定に必要な処理の一部または全部は自動化されてもよい。具体的な他のリンク設定方法の例を挙げると、ウェブサイト作成ツールの中には、Twitter(登録商標)のツイートやYoutube(登録商標)の動画のURL(Uniform Resource Locator)をエディタ内に貼り付けるだけで、クリック可能なリンクを有するツイートや動画を自動的にページに埋め込んでくれる機能を有するものがある。さらに、動画内の人物が話す内容を音声解析して商品名を抽出し、商品データベースに問い合わせ、データベースから返ってきたリンクを、動画内の商品名をしゃべっている辺りの部分に設定する、という一連の処理も、既存の技術を組み合わせて自動化することもできる。
【0075】
図5は、
図4に示すリンク設定画面24から処理として「リンクが設定された部位と指定部位を削除」が選択された場合に指定部位をコンテンツ作成者に指定させるためのリンク設定画面24の表示例を示す図である。
【0076】
「リンクが設定された部位と指定部位を削除」が選択されると、リンク設定部11は、指定部位指定領域28をリンク設定画面24に表示し、更に指定部位指定領域28に第1の表示情報を表示する。そして、指定部位指定領域28の中から指定部位をコンテンツ作成者に指定させる。
図5では、指定された範囲、つまり指定部位を白黒反転させて表示した例を示している。具体的には、リンクが設定された文字列「こちらのページ」を含む範囲「※ABCショッピングの・・・ください。」が指定部位として指定された例が示されている。
【0077】
本実施の形態では、リンクが設定された文字列「こちらのページ」を含む特定の部分をコンテンツ作成者に指定させるようにしたが、例えば、リンク設定部11が第1の表示情報を解析して、リンクが設定された文字列を含む一文を特定の部分として自動抽出し、その抽出した特定の部分を指定部位として自動的に設定するようにしてもよい。
【0078】
図6には、この設定に基づき処理が実行される前と後の第1の表示情報の表示例が示されている。指定部位削除前後の表示例を比較してみると明らかなように、当該処理に対応する条件に合致する変化が生じたとすると、
図5において指定部位として選択された記述29が削除されて表示される。
【0079】
指定部位を削除して第1の表示情報を表示する場合、処理制御部17は、第1の表示情報において削除した部分以降の表示、具体的には、「1.欲しい商品をかごに入れます。」以降の表示を繰り上げて表示させるよう処理する。これにより、特定の部分を削除したことに伴いソースコンテンツの見栄えが悪化することを回避できる。
【0080】
ところで、上記表示例によると、ソースコンテンツの閲覧者は、指定部位を削除する前の第1の表示情報対応するソースコンテンツ上からリンクが設定された文字列21を選択したときにリンク先ページが表示されないという不具合な状態を回避できる。但し、リンク先ページから得られるはずの情報が参照できなくなる。そこで、次のように対処してもよい。
【0081】
コンテンツ作成者がリンク設定画面24のリンク先アドレスに第2の表示情報の格納先のアドレス情報を入力すると、リンク設定部11は、第2の表示情報の記述内容を解析すると共に、インターネット上のページを解析して、第2の表示情報で提供される情報と同じ内容の情報を提供するページに対応するコンテンツ(例えば、第3の表示情報)を事前に選定しておく。そして、リンク先アドレスを第2の表示情報の格納先から第3の表示情報の格納先へ変更するという内容の処理を、リンク設定画面24から選択可能な処理として記憶部18に事前に登録しておく。そして、当該処理が選択されると、リンク設定部11は、当該処理と選択された条件とを関連付けてリンク設定情報を生成する。
【0082】
ここで、現在、第2の表示情報において、設定した条件に合致する変化が生じた場合、処理制御部17は、リンク先を第2の表示情報から第3の表示情報に切り替える処理を実行する。このようにして、ソースコンテンツを閲覧するユーザに対して、第2の表示情報が提供していた情報と同じ内容の情報を引き続き提示することが可能となる。
【0083】
なお、上記説明では、コンテンツ作成者がリンク設定画面24のリンク先アドレスに第2の表示情報の格納先のアドレス情報を入力した時点で、第3の表示情報を探し出すとしたが、第2の表示情報の記述内容を取得しておき、第2の表示情報に設定した条件に合致する変化が生じたタイミングで第3の表示情報を選定するようにしてもよい。
【0084】
あるいは、第2の表示情報が提供していた情報を第1の表示情報に組み込むよう第1の表示情報を変更する処理を行ってもよい。すなわち、コンテンツ作成者がリンク設定画面24のリンク先アドレスに第2の表示情報の格納先のアドレス情報を入力すると、リンク設定部11は、第2の表示情報の記述内容を取得して第1の表示情報に組み込む組込情報を生成する。そして、第2の表示情報から得られる情報を第1の表示情報に組み込むという内容の処理を、リンク設定画面24から選択可能な処理として記憶部18に事前に登録しておく。そして、当該処理が選択されると、リンク設定部11は、当該処理と選択された条件とを関連付けてリンク設定情報を生成する。
【0085】
ここで、第2の表示情報において、設定した条件に合致する事象の変化が生じた場合、処理制御部17は、リンクが設定されている部位を削除すると共に、その削除した部分若しくは適当な位置に組込情報を組み込む。このようにして、ソースコンテンツを閲覧するユーザに対して、第2の表示情報が提供していた情報と同じ内容の情報を第1の表示情報において提示することが可能となる。
【0086】
以上説明したように、リンクが設定されている文字列21が表示されなくなった場合でも、第2の表示情報から得られる情報をユーザに提示することが可能となる。
【0087】
ところで、上記説明では、第2の表示情報全体を変化の検出先としていた。ただ、実際には、第2の表示情報全体ではなく一部分の変化に限定してもよい場合がある。例えば、
図2に示す第1の表示情報の表示例をみると、会員登録に関する情報を閲覧者(具体的には、「会員登録がお済みでない方」)に提供するために、リンク先ページを参照させるようにしている。つまり、リンク先ページが提供する情報のうち会員登録に関する情報の変更は検出する必要があるのに対し、会員登録に関する情報以外の情報の変更の有無はそれほど関係ないと考えられる。そこで、リンク先ページにおいて変化の検出対象とする部位を限定できるようにした。変化の検出対象とする情報が記載されている部位は、ユーザに指定させてもよいし、第2の表示情報を自動解析することにより抽出させるようにしてもよい。
【0088】
図7には、リンク設定画面24からコンテンツ作成者に条件として「リンク先の指定部位の内容が変更された場合」が選択された場合の画面表示例が示されている。これは、前述したリンク先ページにおいて変化の検出対象とする部位をユーザに指定させる場合(つまり、リンク先の指定部位に限定させる場合)の具体例に相当する。リンク設定画面24からこの条件が選択されると、リンク設定部11は、指定部位指定領域30をリンク設定画面24に表示し、更に指定部位指定領域30にリンク先ページを表示する。そして、指定部位指定領域30の中から指定部位をコンテンツ作成者に指定させる。
図7では、ドットパターンにてユーザにより指定された範囲を示している。具体的には、会員登録に関連する文字列「ABCショッピングへの会員登録」が指定部位として指定された例が示されている。このように設定することで、リンク先監視部12は、第2の表示情報の該当する部分のみを変化の検出対象の範囲として監視する。
【0089】
変化の検出に関し、上記説明では、リンク先監視部12における変化の検出対象の範囲を第2の表示情報の記述全体又は一部として説明した。ただ、第2の表示情報そのものに変化が生じていなくても、第2の表示情報に関わる情報に変化が生じた場合、この変化を第2の表示情報の変化に含めるようにし、第2の表示情報に関わる情報の変化の内容に対応させて第1の表示情報の表示の制御を行うようにしてもよい。以下、この点について説明する。なお、この場合、リンク先監視部12は、第2の表示情報に関わる情報に対しても変化の検出対象として監視することになる。例えば、インターネット上のコンテンツを管理している企業や団体が、各コンテンツの使用条件や使用料を検索できるサービスを提供している場合、そのサービスに接続してリンク先の第2の表示情報の使用条件や使用料を監視することが考えられる。
【0090】
監視の結果、例えば、第2の表示情報を第1の表示情報にリンクした当初は第2の情報を無償でリンクすることが認められていても、その後、第2の情報をリンクするためには対価を支払うことが必要になったことが検知されことが考えられる。あるいは、対価が月に10ドルから20ドルに値上げされたことが検知されることが考えられる。第2の表示情報自体は削除されなくても(つまり、変化が生じていなくても)、使用条件が変化した後も第2の表示情報を使用したいと思うかもしれないが、これ以上使用したくないと思うこともあるかもしれない。そこで、例えば、第2の表示情報の利用料が一定の金額以上になった場合、又はなることが告知された場合には第2の表示情報へのリンクを削除するという条件と処理の組み合わせを該リンクに対して設定しておくと便利である。
【0091】
また、第2の表示情報にリンクを張ることに関して契約等により許可を得ている場合において、その使用許可期限が到来することによって、第2の表示情報自体は削除されなくても(つまり、変化が生じていなくても)、第2の表示情報へのアクセスをブロックされたり、ブロックされなくても、使用が許可されていない状態で第2の表示情報の使用を継続することによって法的な問題が生じたりする場合が想定できる。この場合も第1の表示情報側で、例えば第2の表示情報へのリンクを削除する処理を実行するなどして対応する。
【0092】
また、使用許可期限が到来していなくても期限満了となることは事前に把握できる。このように、第2の表示情報に関わる情報の変化が予見できる場合、この説明の例によると、使用許可期限の満了は予見できるので、期限満了前に、例えば第2の表示情報へのリンクを削除する処理を実行するなどして対応してもよい。契約が有償の場合、ここで説明したように、事前に対応することができることは有効である。
【0093】
その他にも、第2の表示情報の公開範囲も第2の表示情報に付随する情報として取り扱ってもよい。例えば、ニュースサイトの中には、記事の公開から1週間は誰でも無料で閲覧できるが、1週間経過すると、有料会員にしか閲覧できなくなるサイトもある。また、社内において、管理者の意向である第2の表示情報に相当する文書データへのアクセス権が急に限定される場合がある(例えば、閲覧権限が「全員」から「マネージャーのみ」に変更されるように)。第2の表示情報にこのような変化があった場合、リンクが削除されるよう設定しておくことが望ましいこともあると考えられる。あるいは、「閲覧権限:マネージャーのみ」のような警告をリンク元の第1の表示情報に組み込む処理を行ってもよい。そうすれば、リンクをクリックしてもリンク先の情報に全員がアクセスできるわけではないことが、リンクをクリックする前にリンク元のページ内でわかる。
【0094】
上記説明したように、本実施の形態では、設定した条件に合致する第2の表示情報の変化が検出された場合、対応する処理を実行するようにした。ただ、条件に合致するからといって、第1の表示情報を無条件に変更してよいとは限らない。そこで、第1の表示情報を変更する処理を実行する前に、コンテンツ作成者や管理者(以下、「ユーザ」という)に承認を得るようにするのが好適である。
【0095】
設定した条件に合致する変化が第2の表示情報に生じた場合、処理制御部17は、当該条件に関連付けられた処理を実行する前に、承認処理部15に承認処理を実行させる。承認処理部15は、処理制御部17からの指示に従い、第1の表示情報を変更する処理を実行することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信する。
【0096】
承認処理部15が、ユーザが上記リクエストに対し承認した旨を受信すると、処理制御部17は、承認されたことに応じて該当する処理を実行する。
【0097】
処理制御部17が処理を実行することによって第1の表示情報が変更され、これに伴い第1ページの表示内容も変更されることになるが、表示制御部14は、変更後の第1ページのプレビューを端末装置に表示させるよう制御する。このようにして、変更後の第1ページの表示内容をユーザに確認させることができる。
【0098】
また、以上のようにして第1の表示情報に対する変更処理が実行されることで、第2の表示情報とのリンク関係が解消された場合、通知部16は、第1ページで第2の表示情報を使用しなくなった旨を第2の表示情報の管理者に通知する。このように、管理者への通知機能を設けたことで、例えば、第2の表示情報の利用に代金を支払っていた場合、代金の徴収をより確実に停止させることが可能となる。
【0099】
なお、第1の表示情報の変更後、管理者への通知を行う前に、承認処理部15は、通知部16が通知することに対する承認を要求するリクエストをユーザが使用する端末装置へ送信してもよい。そして、承認処理部15が、ユーザが上記リクエストに対し承認した旨を受信すると、通知部16は、このユーザによる承認に応じて第1の表示情報で第2の表示情報を使用しなくなった旨を第2の表示情報の管理者に通知する。
【0100】
ところで、本実施の形態では、第1の表示情報に第2の表示情報へのリンクを設定しているが、リンクを設定せずに第2の表示情報に関する情報に差し替えるようにしてもよい。この処理について
図8を用いて説明する。
【0101】
図8には、ここで説明する情報の差し替え処理を実行する前と後の各第1の表示情報の一例を示す図である。
図8に示す第1の表示情報は、
図2では第2の表示情報の一例として用いたが、
図8では第1の表示情報の表示例として用いている。
【0102】
リンク設定部11は、第2の表示情報で提供される情報を参照して第1の表示情報に組み込む組込情報を生成する。組込情報には、第2の表示情報の名称、アドレス情報(つまり、URL)、第2の表示情報を最後にアクセスした日時等を含める。
【0103】
そして、処理制御部17は、リンクを設定した特定の部分31を組込情報32に差し替える。このようにして、第1の表示情報に対応するソースコンテンツを閲覧するユーザに対して、リンク先となる第2の表示情報に関する情報を提示することが可能となる。
【0104】
ところで、
図2に例示するようにリンク先となる第2の表示情報に他のコンテンツ(例えば、第3の表示情報)のリンクが設定されている場合がある。リンク先監視部12は、第2の表示情報のみならずリンク先となるターゲットコンテンツ(例えば、第3の表示情報)の変化まで監視し、処理制御部17は、第2の表示情報及び第2の表示情報から関連付けられている各コンテンツ(第nの表示情報、nは3以上の整数)の変化に応じて第1の表示情報を変更する処理を実行するようにしてもよい。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態においては、第2の表示情報に変化が生じたことを検出し、その検出した変化に対応付けした第1の表示情報を変更する処理を実行できる用意した。これにより、第2の表示情報との単なるリンク切れを通知するに留まらず、第1の表示情報に対して種々の変更を施すことで対応することが可能となる。
【0106】
上記説明では、表示情報としてHTMLで記述されたページデータを例にして説明した。そして、第1の表示情報は会員登録を促すページデータであり、第2の表示情報は会員登録に関する情報を提示するページデータである場合を例にして説明した。もちろん、これは一例であって、会員登録以外のサービスにも適用可能である。例えば、第1の表示情報が販売用のページデータであり、第2の表示情報が商品に関する情報を提示する場合など販売サービスに適用してもよい。
【0107】
また、本実施の形態では、第2の表示情報に特定の変化が生じた場合に、第1の表示情報を変更する処理を実行するが、実行する処理に付加的な処理を含めてもよい。例えば、販売サービスに適用する場合において、第2の表示情報で紹介する商品が売り切れになった場合、例えば第1の表示情報における第2の表示情報へのリンクを削除することになるが、このとき、第2の表示情報が情報提供する商品が「売り切れ」になったことを示す情報がソースコンテンツに表示されるようにしてもよい。このように、リンクの削除という第1の表示情報を変更するだけでなく、第2の表示情報に変化が生じた原因や理由を示す情報(上記例の「売り切れ」)を付加する処理を行うようにしてもよい。
【0108】
HTMLで記述されたページデータに対し、時間の経過に伴い提示する情報の内容が動的に変化しうる動画データや音声データの場合、
図9(a)に示すように、第1の表示情報に相当する動作データや音声データ全体ではなく、ある特定の部分(つまり、時間)のみに第2の表示情報のリンクを設定するようにしてもよい。また、
図9(b)に示すように、上記特定の部分を複数設けてもよく、更に、複数の特定の部分を設定する場合、
図9(c)に示すように、各特定の部分に対応づける第2の表示情報を異ならせてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 情報処理装置、11 リンク設定部、12 リンク先監視部、13 ユーザインタフェース(UI)部、14 表示制御部、15 承認処理部、16 通知部、17 処理制御部、18 記憶部。