IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 第一精工株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図1
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図2
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図3
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図4
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図5
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図6
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図7
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図8
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図9
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図10
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図11
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図12
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図13
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図14
  • 特許-コネクタカバー、および電気コネクタ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】コネクタカバー、および電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
H01R13/56
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019107681
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020202066
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】栗田 浩幸
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-250974(JP,A)
【文献】特開2009-064571(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0228938(US,A1)
【文献】特開2003-45556(JP,A)
【文献】特開2001-203028(JP,A)
【文献】特開2016-207414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体に取り付けられるカバー本体と、
前記コネクタ本体に設けられた第1の被係止部に係止する第1の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第1の係止アームと、
前記コネクタ本体に設けられた第2の被係止部に係止する第2の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第2の係止アームと、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の係止アームが延びる第1の方向に直交する第2の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第1の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の壁部と向かい合い、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第2の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第3の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第3の方向から見て、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第4の壁部と、
前記第3の方向の逆方向から見て、前記第1の係止部と前記第2の係止部とを目視可能な切欠部と、
を備え、
前記第1の被係止部は、前記第1の係止部と前記第1の壁部との間に配置され、前記第2の被係止部は、前記第2の係止部と前記第2の壁部との間に配置される、
コネクタカバー。
【請求項2】
コネクタ本体に取り付けられるカバー本体と、
前記コネクタ本体に設けられた第1の被係止部に係止する第1の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第1の係止アームと、
前記コネクタ本体に設けられた第2の被係止部に係止する第2の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第2の係止アームと、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の係止アームが延びる第1の方向に直交する第2の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第1の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の壁部と向かい合い、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第2の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第3の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第3の方向から見て、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第4の壁部と、
前記第3の壁部と前記第4の壁部との間にリード線が配置される開口部と、
を備え、
前記第1の被係止部は、前記第1の係止部と前記第1の壁部との間に配置され、前記第2の被係止部は、前記第2の係止部と前記第2の壁部との間に配置される、
コネクタカバー。
【請求項3】
前記第1の係止部は、第1の係止爪を有し、
前記第1の係止爪と前記第1の壁部とは、互いに向かい合い、
前記第2の係止部は、第2の係止爪を有し、
前記第2の係止爪と前記第2の壁部とは、互いに向かい合う、
請求項1または2に記載のコネクタカバー。
【請求項4】
前記第1の壁部には、前記コネクタ本体に装着する際に前記第1の係止部を前記コネクタ本体の前記第1の被係止部に案内する第1のガイド部が形成され、
前記第2の壁部には、前記コネクタ本体に装着する際に前記第2の係止部を前記コネクタ本体の前記第2の被係止部に案内する第2のガイド部が形成されている、
請求項1から3の何れか1項に記載のコネクタカバー。
【請求項5】
前記カバー本体は、前記コネクタ本体から延出したリード線の一部を収容する収容室を有する、
請求項1からの何れか1項に記載のコネクタカバー。
【請求項6】
前記コネクタ本体が相手コネクタに押し込まれる際に押圧される押圧部を有する、
請求項1からの何れか1項に記載のコネクタカバー。
【請求項7】
請求項1からの何れか1項に記載のコネクタカバーと、
前記コネクタカバーが取り付けられたコネクタ本体と、
を備える電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタカバー、および電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタに取り付けられ、電気コネクタから延出したワイヤハーネスを収容するコネクタカバーが知られている。
【0003】
特許文献1は、ワイヤハーネスを収容するコネクタカバー(インナースリーブ)であって、コネクタと係止してコネクタカバーとコネクタとの固定を行うロック爪を有し、ロック爪が外方に向かって突出しているコネクタカバーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-271949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示するコネクタカバーでは、ロック爪がコネクタカバーより外方に露出し保護されていない。このため、複数のコネクタカバーが袋などで梱包されると、コネクタカバー同士が接触し、ロック爪が破損する虞があるという問題がある。また、ロック爪がコネクタカバーから露出しているため、作業者が取り付け作業中などにロック爪を破損する虞があるという問題がある。また、電気コネクタを外力から保護するためのコネクタカバーなど、ワイヤハーネスを収容するコネクタカバー以外のコネクタカバーにも同様の問題がある。
【0006】
本発明は、上述の事情の下になされたものであり、破損しにくいコネクタカバー、および電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るコネクタカバーは、
コネクタ本体に取り付けられるカバー本体と、
前記コネクタ本体に設けられた第1の被係止部に係止する第1の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第1の係止アームと、
前記コネクタ本体に設けられた第2の被係止部に係止する第2の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第2の係止アームと、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の係止アームが延びる第1の方向に直交する第2の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第1の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の壁部と向かい合い、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第2の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第3の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第3の方向から見て、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第4の壁部と、
前記第3の方向の逆方向から見て、前記第1の係止部と前記第2の係止部とを目視可能な切欠部と、
を備え、
前記第1の被係止部は、前記第1の係止部と前記第1の壁部との間に配置され、前記第2の被係止部は、前記第2の係止部と前記第2の壁部との間に配置される。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るコネクタカバーは、
コネクタ本体に取り付けられるカバー本体と、
前記コネクタ本体に設けられた第1の被係止部に係止する第1の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第1の係止アームと、
前記コネクタ本体に設けられた第2の被係止部に係止する第2の係止部を有し、前記カバー本体に突設された第2の係止アームと、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の係止アームが延びる第1の方向に直交する第2の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第1の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の壁部と向かい合い、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第2の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第1の方向および前記第2の方向に直交する第3の方向から見て、前記第1の係止部が露出しないように前記第1の係止部を覆う第3の壁部と、
前記カバー本体に取り付けられ、前記第3の方向から見て、前記第2の係止部が露出しないように前記第2の係止部を覆う第4の壁部と、
前記第3の壁部と前記第4の壁部との間にリード線が配置される開口部と、
を備え、
前記第1の被係止部は、前記第1の係止部と前記第1の壁部との間に配置され、前記第2の被係止部は、前記第2の係止部と前記第2の壁部との間に配置される。
【0008】
前記第1の係止部は、第1の係止爪を有し、
前記第1の係止爪と前記第1の壁部とは、互いに向かい合い、
前記第2の係止部は、第2の係止爪を有し、
前記第2の係止爪と前記第2の壁部とは、互いに向かい合うようにしてもよい。
【0011】
前記第1の壁部には、前記コネクタ本体に装着する際に前記第1の係止部を前記コネクタ本体の前記第1の被係止部に案内する第1のガイド部が形成され
前記第2の壁部には、前記コネクタ本体に装着する際に前記第2の係止部を前記コネクタ本体の前記第2の被係止部に案内する第2のガイド部が形成されるようにしてもよい。
【0012】
前記カバー本体は、前記コネクタ本体から延出したリード線の一部を収容する収容室を有するようにしてもよい。
【0013】
前記コネクタ本体が相手コネクタに押し込まれる際に押圧される押圧部を有するようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点に係る電気コネクタは、
前記コネクタカバーと、
前記コネクタカバーが取り付けられたコネクタ本体と、
を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コネクタカバーが、係止部を露出させないための係止部を覆う壁部を備えることで、係止部の破損を防ぐことができる。このため、本発明によれば、破損しにくいコネクタカバー、および電気コネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(A)および(B)は、本発明の実施の形態に係る電気コネクタの分解斜視図である。
図2】(A)は、本発明の実施の形態に係る電気コネクタの分解正面図であり、(B)は、本発明の実施の形態に係る電気コネクタの分解側面図であり、(C)は、本発明の実施の形態に係る電気コネクタの分解上面図である。
図3図2(A)のIII-III断面図である。
図4図2(A)のIV-IV断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るコネクタカバーをコネクタ本体に取り付ける方法を説明する断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るコネクタカバーをコネクタ本体に取り付ける方法を説明する断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るコネクタカバーをコネクタ本体に取り付けた断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る電気コネクタの斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係る電気コネクタの側面断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係るコネクタカバーの斜視図である。
図11】本発明の実施の形態に係るコネクタカバーの上面図である。
図12】(A)および(B)は、本発明の変形例に係る電気コネクタの分解斜視図である。
図13】本発明の変形例に係る電気コネクタの側面断面図である。
図14】(A)および(B)は、本発明の変形例に係る電気コネクタの分解斜視図である。
図15】(A)および(B)は、本発明の変形例に係るコネクタカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態に係るコネクタカバー、および電気コネクタを図面を参照しながら説明する。
【0018】
本実施の形態に係る電気コネクタ100は、図1(A)、図1(B)および図2(A)~図2(C)に示すように、コネクタ本体10と、第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bを有するコネクタカバー20と、を備え、例えば、車載用の電子回路を電気的に接続するために用いられる。コネクタカバー20は、コネクタ本体10に取り付けられ、リード線30の一部を収容するものである。
【0019】
理解を容易にするために、電気コネクタ100が相手コネクタに挿入される方向をx軸方向、並んで配置される一対の係止アーム23A、23Bを結ぶ方向をy軸方向、x軸方向およびy軸方向に垂直な方向をz軸方向とする直交座標系を設定し、適宜参照する。
【0020】
コネクタ本体10は、図3に示すように、絶縁性のハウジング12と、ハウジング12の内部に配置された複数の端子13と、を備える。
【0021】
ハウジング12は、樹脂を成形したものであり、第1の被係止部11Aと、第2の被係止部11Bと、第1の当接面14Aと、第2の当接面14Bと、複数の収容室15と、を備える。
【0022】
第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bは、それぞれ後述する第1の係止アーム23Aの端部に設けられた第1の係止部22Aと、第2の係止アーム23Bの端部に設けられた第2の係止部22Bと、を係止するものである。
【0023】
第1の当接面14Aおよび第2の当接面14Bは、それぞれ後述するコネクタカバー20に設けられた第1のガイド部26Aおよび第2のガイド部26Bに当接する面である。
【0024】
収容室15は、図4に示すように、端子13を収容する部分であり、筒状の形状を有し、接続相手の端子を挿入する挿入孔15aを備える。
【0025】
端子13は、金属板などの導電性部材を曲げ加工して形成されたものであり、筒状のサヤ部16と、リード線30の導体部31を圧着固定するための結束部17と、サヤ部16の内壁に設けられた弾性接触部18と、を備える。
【0026】
サヤ部16は、接続相手の端子と接触する部分であり、金属板を筒状に折り曲げて形成されている。
【0027】
結束部17は、一対の弾性を有する片持ち梁から構成され、リード線30の導体部31と端子13とを電気的に接続する部分であり、圧着工具に圧着されてリード線30の導体部31を固定する。
【0028】
弾性接触部18は、板ばねから構成され、サヤ部16の内壁と共に挿入された接続相手の端子を挟持する。
【0029】
図3に示すコネクタカバー20は、カバー本体21と、第1の係止アーム23Aと、第2の係止アーム23Bと、第1の壁部24Aと、第2の壁部24Bと、第3の壁部24Cと、第4の壁部24Dと、第1のガイド部26Aと、第2のガイド部26Bと、収容室27と、押圧部28と、を備える。
【0030】
第1の係止アーム23Aは、カバー本体21に突設され、ハウジング12に設けられた第1の被係止部11Aに係止する第1の係止部22Aを有する。同様に、第2の係止アーム23Bは、カバー本体21に突設され、ハウジング12に設けられた第2の被係止部11Bに係止する第2の係止部22Bを有する。第1の係止アーム23Aと第2の係止アーム23Bとは平行に配置されている。第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bの延びる向きは、x軸方向である。第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bは、y軸方向および-y軸方向に撓むことができる。第1の係止部22Aは、第1の係止アーム23Aの端部に配置され、x軸方向に向かって先鋭に形成され、第1の被係止部11Aに係止する第1の係止爪25Aを有する。第2の係止部22Bは、第2の係止アーム23Bの端部に配置され、x軸方向に向かって先鋭に形成され、第2の被係止部11Bに係止する第2の係止爪25Bを有する。第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bは、第1の壁部24Aと第2の壁部24Bとに挟まれた位置に配置されている。第1の係止爪25Aと第1の壁部24Aとは、互いに向かい合い、第2の係止爪25Bと第2の壁部24Bとは、互いに向かい合う。
【0031】
第1の壁部24A、第2の壁部24B、第3の壁部24Cおよび第4の壁部24Dは、カバー本体21に取り付けられ、第1の係止部22Aと第2の係止部22Bを覆うものである。詳細には、図2(B)に示す第1の壁部24Aは、第1の係止アーム23Aが延びる方向(x軸方向)に直交する方向から見て(y軸方向に見て)、第1の係止部22Aが露出しないように第1の係止部22Aを覆う。同様に、第2の壁部24Bは、第2の係止アーム23Bが延びる方向(x軸方向)に直交する方向から見て(-y軸方向に見て)、第2の係止部22Bが露出しないように第2の係止部22Bを覆う。第1の壁部24Aと第2の壁部24Bとは、平行に配置されている。第3の壁部24Cは、z軸方向に見て、第1の係止部22Aが露出しないように第1の係止部22Aを覆う。第4の壁部24Dは、z軸方向に見て、第2の係止部22Bが露出しないように第2の係止部22Bを覆う。
【0032】
第1のガイド部26Aと第2のガイド部26Bは、それぞれ第1の壁部24Aの内面と第2の壁部24Bの内面に形成され、コネクタカバー20がコネクタ本体10に装着される際に、それぞれコネクタ本体10の第1の当接面14Aおよび第2の当接面14Bに当接する。第1のガイド部26Aから第2のガイド部26Bまでの長さL1は、第1の当接面14Aから第2の当接面14Bまでの長さL2より僅かに長い。これにより、第1のガイド部26Aおよび第2のガイド部26Bは、コネクタカバー20がコネクタ本体10に装着される際に、y軸方向に位置合わせでき、第1の係止部22Aと第2の係止部22Bをそれぞれ第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bに案内することができる。
【0033】
図4に示す収容室27は、カバー本体21に設けられ、-z軸方向に開口する開口部27aを有し、コネクタ本体10から延出したリード線30の一部を収容する。これにより、-x軸方向に延出したリード線30を-z軸方向に曲げることができる。これにより、y軸方向に見て、リード線30をL字状に曲げることができる。
【0034】
押圧部28は、カバー本体21に設けられ、コネクタ本体10が相手コネクタに押し込まれる際にユーザや押圧機器に押圧される部分である。
【0035】
つぎに、コネクタ本体10にコネクタカバー20を取り付ける方法について説明する。
【0036】
図3に示すコネクタカバー20をx軸方向に移動すると、図5に示すように、コネクタカバー20に設けられた第1のガイド部26Aと第2のガイド部26Bが、それぞれコネクタ本体10に設けられた第1の当接面14Aおよび第2の当接面14Bに当接する。これにより、y軸方向に位置合わせでき、第1の係止部22Aと第2の係止部22Bは、それぞれ第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bに案内される。
【0037】
つぎに、さらにコネクタカバー20をx軸方向に移動すると、図6に示すように、第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bが、第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bに接触する。第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bが、x軸方向に向かって先鋭に形成されているため、第1の係止アーム23Aがy軸方向に撓み、第1の係止部22Aが第1の被係止部11Aに押し込まれ、第2の係止アーム23Bが-y軸方向に撓み、第2の係止部22Bが第2の被係止部11Bに押し込まれる。
【0038】
さらにコネクタカバー20をx軸方向に移動すると、図7に示すように、第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bの撓みが元に戻り、第1の係止爪25Aと第2の係止爪25Bとが、それぞれ第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bとに引っ掛かり、第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bが、第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bに係止される。これにより、図8および図9に示すように、コネクタカバー20がコネクタ本体10に取り付けられる。
【0039】
以上、説明したように、本実施の形態の電気コネクタ100は、第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bを覆う第1の壁部24Aと第2の壁部24Bを有するコネクタカバー20を備えることで、破損の原因となりやすいy軸方向および-y軸方向からの力が第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bに加わることを防ぎ、第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bの破損が防止される。第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bは、y軸方向および-y軸方向に撓むため、y軸方向および-y軸方向に外力が加わると破損しやすい。第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bが、第1の壁部24Aと第2の壁部24Bによりy軸方向および-y軸方向から外力が加わることを防ぐことができるため、第1の係止アーム23Aおよび第2の係止アーム23Bの破損も防止される。
【0040】
また、本実施の形態では、コネクタカバー20が第1のガイド部26Aと第2のガイド部26Bを備えることで、コネクタカバー20がコネクタ本体10に装着される際に、コネクタ本体10に対してコネクタカバー20を容易に位置合わせでき、第1の係止部22Aと第2の係止部22Bとをそれぞれ第1の被係止部11Aと第2の被係止部11Bとに案内することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、コネクタカバー20に-z軸方向に開口する開口部27aを有する収容室27が設けられることで、-x軸方向に延出したリード線30を-z軸方向に曲げることができる。これにより、y軸方向に見て、リード線30をL字状に曲げることができる。
【0042】
また、本実施の形態では、コネクタカバー20に押圧部28が設けられている。これにより、コネクタ本体10が相手コネクタに押し込まれる際にユーザや押圧機器により押圧部28を押圧することで、コネクタ本体10を相手コネクタに容易に押し込むことができる。
【0043】
(変形例)
上述の実施の形態においては、コネクタカバー20が、第1~4の壁部24A~24Dを備える例について説明した。コネクタカバー20は、少なくとも第1の壁部24Aと第2の壁部24Bとを備えればよい。このようにすることで、破損の原因となりやすいy軸方向および-y軸方向からの力が第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bに加わることを防ぎ、第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bの破損が防止される。また、図10および図11に示すように、コネクタカバー20は、第1~4の壁部24A~24Dに加えて、-z軸方向に見て第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bが露出しないように第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bを覆う第5の壁部24Eを備えてもよい。このようにすることで、さらに第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bの破損が防止される。
【0044】
上述の実施の形態においては、コネクタ本体10にコネクタカバー20を取り付けることで、-x軸方向に延出したリード線30を-z軸方向に曲げる例について説明した。コネクタカバー20は、コネクタ本体10に取り付けられるものであればよく、端子13がハウジング12から抜けないように防止するものであってもよく、コネクタ本体10にゴミが混入することを防止するものであってもよく、コネクタ本体10が破損しないようにカバーするものであってもよい。例えば、コネクタカバー20は、図12(A)および図12(B)に示すように、ハウジング12から端子13が抜けないように端子13を押さえる端子押さえ部29を備えてもよい。この例では、図13に示すように、コネクタ本体10は、収容室15の内壁に端子係止部15bを備える。端子13は、突起部13aと、固定部19と、を備える。固定部19は、端子13におけるy軸上の両端のそれぞれから延出した1対の片持ち梁から構成され、塑性変形してリード線30の絶縁部32を固定する。端子13がハウジング12の収容室15に挿入されると、端子係止部15bが突起部13aを係止する。さらに、コネクタカバー20をコネクタ本体10に取り付けると、端子押さえ部29が端子13の固定部19を押さえる。端子押さえ部29が端子13の固定部19を押さえることにより、端子係止部15bが突起部13aを係止するのみの場合より、ハウジング12から端子13が抜けることをより防止できる。
【0045】
上述の実施の形態においては、コネクタカバー20に押圧部28が1つ設けられている例について説明したが、押圧部28は複数設けられてもよい。例えば、コネクタカバー20は、図14(A)および図14(B)に示すように、リード線30を挟んで設けられた第1の押圧部28Aと第2の押圧部28Bとを備えてもよい。このようにすることで、コネクタ本体10が相手コネクタに押し込まれる際に押圧機器により第1の押圧部28Aと第2の押圧部28Bを押圧することで、コネクタ本体10を相手コネクタに容易に押し込むことができる。また、リード線30が-x軸方向に延出する場合であっても、第1の押圧部28Aと第2の押圧部28Bとを設けることができる。
【0046】
上述の実施の形態において、コネクタカバー20が第1の係止部22Aおよび第2の係止部22Bを覆う第1の壁部の24Aと、第2の壁部24Bと、を備える例について説明した。コネクタカバー20は、一対の壁部を有する場合に限定されず、コネクタカバー20は、図15(A)に示すように、1つの係止部22と、係止部22を覆う壁部24を備えてもよい。また、コネクタカバー20は、図15(B)に示すように、第1~3の係止部22F~22Hと、第1~3の係止部22F~22Hを覆う第1~3の壁部24F~24Hを備えてもよい。この場合、第1~3の係止部22F~22Hは、第1~3の壁部24F~24Hに囲まれた位置に配置されている。これにより第1~3の係止部22F~22Hの破損が防止される。
【0047】
上述の実施の形態において、端子13が、筒状のサヤ部16を備える例について説明したが、端子13は、オス端子であってもよく、Yラグ端子、Oラグ端子などの端子であってもよい。
【0048】
上述の実施の形態において、コネクタ本体10が、3つの端子13と、3つの収容室15を有するハウジング12と、を備える例について説明したが、コネクタ本体10が有する端子13の数と収容室15の数は、限定されず、コネクタ本体10は、1または2つの端子13と、1または2つの収容室15を有するハウジング12と、を備えてもよく、4以上の端子13と、4以上の収容室15を有するハウジング12と、を備えてもよい。
【0049】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、電気回路の部品として用いられる電気コネクタおよびコネクタカバーに適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10…コネクタ本体、11A…第1の被係止部、11B…第2の被係止部、12…ハウジング、13…端子、13a…突起部、14A…第1の当接面、14B…第2の当接面、15…収容室、15a…挿入孔、15b…端子係止部、16…サヤ部、17…結束部、18…弾性接触部、19…固定部、20…コネクタカバー、21…カバー本体、22…係止部、22A、22F…第1の係止部、22B、22G…第2の係止部、22H…第3の係止部、23A…第1の係止アーム、23B…第2の係止アーム、24…壁部、24A、24F…第1の壁部、24B、24G…第2の壁部、24C、24H…第3の壁部、24D…第4の壁部、24E…第5の壁部、25A…第1の係止爪、25B…第2の係止爪、26A…第1のガイド部、26B…第2のガイド部、27…収容室、27a…開口部、28…押圧部、28A…第1の押圧部、28B…第2の押圧部、29…端子押さえ部、30…リード線、31…導体部、32…絶縁部、100、200、300…電気コネクタ、L1、L2…長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15