(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B65H 20/04 20060101AFI20231129BHJP
B41J 15/04 20060101ALI20231129BHJP
B65H 27/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B65H20/04
B41J15/04
B65H27/00 Z
(21)【出願番号】P 2019155524
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】伴 遼介
(72)【発明者】
【氏名】蛭間 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小室 清人
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-025353(JP,U)
【文献】特開平10-100394(JP,A)
【文献】特開2015-182866(JP,A)
【文献】特開2013-022870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0273889(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104943411(CN,A)
【文献】米国特許第05800076(US,A)
【文献】特開2016-155670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/06
B65H 20/02-20/04
B65H 27/00
B65H 29/20
B41J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷媒体に搬送力を付与する駆動ローラーと、
前記駆動ローラーによって搬送される前記印刷媒体に対して押圧され、前記印刷媒体の移動に伴い回転する複数の従動ローラーと、
前記複数の従動ローラーそれぞれの回転軸であるローラー軸をそれぞれ支持する複数の支持部材と、
前記複数の支持部材が取り付けられる基体と、
前記複数の支持部材を前記基体に対して個別に着脱可能にする着脱機構と、を備え
、
前記着脱機構は、嵌合孔が形成された一対の軸受けと一対の誘い板を有し、前記基体に設けられた基部と、前記ローラー軸の軸方向に突出する支持軸と弾性部材とを有し、前記支持部材に設けられ、前記嵌合孔に嵌合することにより前記基部に嵌合する嵌合部と、を備え、前記弾性部材の弾性力により、前記基部に前記嵌合部が嵌合する嵌合状態を保持し、
前記支持軸は、前記支持部材に対して、前記弾性部材を介して前記軸方向に変位可能に設けられており、
前記一対の誘い板の間隔は、前記一対の軸受けの間隔に対して、前記軸受けから前記誘い板に向かう方向に徐々に広くなっていることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体を搬送するローラーを備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、印刷部へ印刷媒体の搬送を行う駆動ローラーと、ローラー軸に回転可能に支持され、搬送される印刷媒体を駆動ローラーに押し付けながらローラー軸を中心に回転する従動ローラーと、ローラー軸が支持される軸支持部を有する軸支持体と、を備える印刷装置が記載されている。この印刷装置は、軸支持体が1つの部材で形成されており、軸支持部において、ローラー軸を軸支持体に対して着脱可能に支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の印刷装置では、従動ローラーの摩耗や破損に対して、ローラー軸を軸支持体から取り外すことによって該当の従動ローラーを交換することが可能であるが、ローラー軸が支持される軸支持部を有する軸支持体が破損した場合に、容易に軸支持体を交換することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記印刷媒体に搬送力を付与する駆動ローラーと、前記駆動ローラーによって搬送される前記印刷媒体に対して押圧され、前記印刷媒体の移動に伴い回転する複数の従動ローラーと、前記複数の従動ローラーそれぞれの回転軸であるローラー軸をそれぞれ支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材が取り付けられる基体と、前記複数の支持部材を前記基体に対して個別に着脱可能にする着脱機構と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態1に係る印刷装置の構成を模式的に示す側面図である。
【
図2】実施形態1に係る印刷装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】搬送部の要部およびその周辺部の構成を示す平面図である。
【
図6】変形例1に係る着脱機構を示す模式図である。
【
図7】変形例1に係るもう一つの着脱機構を示す模式図である。
【
図8】変形例2に係る着脱機構を示す模式図である。
【
図9】変形例2に係るもう一つの着脱機構を示す模式図である。
【
図10】変形例3に係る着脱機構を示す模式図である。
【
図11】変形例4に係る着脱機構を示す模式図である。
【
図12】その他の変形例における着脱機構の構成を示す平面図である。
【
図13】その他の変形例における支持軸の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.実施形態1
図1は、実施形態1に係る印刷装置100の構成を模式的に示す側面図である。また、
図2は、印刷装置100のブロック図である。
図面に付記する座標においては、Z軸方向が上下方向、Z方向が上方向、Y軸方向が前後方向、+Y方向が手前方向、X軸方向が左右方向、+X方向が左方向、X-Y平面が水平面としている。
印刷装置100は、ロール状に巻かれた状態で供給される長尺状の印刷媒体1に画像を印刷するインクジェット式プリンターである。
印刷装置100は、印刷部10、搬送部20、巻出部30、巻取部40、搬送支持部60、制御部70などを備えている。
【0008】
印刷部10は、印刷ヘッド11、キャリッジ12、ガイド軸13、キャリッジモーター14を含む。印刷ヘッド11は、インクを吐出する複数のノズルを備えたインクジェットヘッドである。複数のノズルがY軸方向に並ぶことで、一つのノズル列を構成する。ガイド軸13は、印刷媒体1が搬送される搬送方向Aに対して交差する印刷媒体1の幅方向に延在している。搬送方向Aは、印刷媒体1が巻出部30から印刷部10を経て巻取部40まで搬送される搬送経路を移動する方向である。以降の説明では、印刷媒体1の幅方向がX軸方向であり、印刷部10が印刷を行う印刷領域において印刷媒体1が搬送される方向がY軸方向である。
キャリッジ12は印刷ヘッド11を搭載し、制御部70によって駆動制御されるキャリッジモーター14によりガイド軸13に沿って往復移動する。
制御部70は、キャリッジ12をX軸方向に移動させながら印刷ヘッド11からインク滴を吐出する吐出動作と、搬送部20により印刷媒体1を搬送方向Aに移動させる搬送動作とを交互に繰り返すことにより、印刷媒体1に所望の画像を印刷する。
【0009】
なお、印刷部10は、上記のようにX軸方向に往復移動するシリアルヘッドによる構成となっているが、ノズルを搬送方向Aと交差する方向に、印刷媒体1の幅に亘って並べたラインヘッドによる構成であってもよい。更に、上記のような所謂インクジェット式の印刷ヘッド以外の印刷部を有する印刷装置であってもよい。
【0010】
搬送部20は、印刷媒体1に搬送力を付与し、印刷媒体1を搬送する搬送機構であり、搬送方向Aにおいて印刷部10の上流側に設けられている。搬送部20は、駆動ローラー21、従動ローラー22、搬送モーター23、支持台24、押圧力設定部25、支持部材26、などを備えている。
【0011】
駆動ローラー21は、従動ローラー22との間に印刷媒体1を挟んだ状態で駆動することにより、印刷媒体1に搬送力を付与し、印刷媒体1を搬送する。
押圧力設定部25は、従動ローラー22と駆動ローラー21とが印刷媒体1を挟持する際に必要な従動ローラー22の押付力を設定する。
【0012】
巻出部30は、印刷が行われる前の印刷媒体1を収容する収容部であり、搬送方向Aにおいて、印刷部10、搬送部20の上流側に位置し、巻出リール31などを備えている。
巻出リール31は、制御部70によって駆動制御される巻出モーター32により回転して、印刷媒体1を巻出部30の下流側に配置される搬送部20、印刷部10に向けて巻き出す。
【0013】
巻取部40は、印刷部10から搬送された印刷媒体1を巻き取り、ロール状に巻かれた状態で回収する回収部であり、印刷媒体1の搬送方向Aにおいて印刷部10の下流側に位置し、巻取リール41などを備えている。
巻取リール41は、制御部70によって駆動制御される巻取モーター42により回転する回転軸を有し、回転軸を軸心として印刷部10の印刷領域を経て送られてきた印刷媒体1を巻き取る。
【0014】
搬送支持部60は、印刷ヘッド11と対向して印刷媒体1を支持するプラテン61や、印刷媒体1を、巻出部30から、印刷部10を経由して巻取部40まで搬送する搬送経路を構成する媒体支持部62などを含む。プラテン61に支持される印刷媒体1に対して印刷が行われる領域が、印刷領域である。すなわち、プラテン61は、印刷領域のうち少なくとも印刷ヘッド11と対向する部分を支持する。なお、プラテン61は、搬送方向Aにおいて従動ローラー22及び駆動ローラー21の下流側に設けられている。
印刷媒体1は、巻出部30から巻き出され、印刷動作に伴い搬送支持部60によって印刷部10を経由し、巻取部40に巻き取られる。
【0015】
制御部70は、
図2に示すように、入出力部71、CPU72、メモリー73、ヘッド駆動部75、モーター駆動部76、システムバス77などを備え、印刷装置100全体の集中制御を行う。
入出力部71は、例えば、パーソナルコンピューターなどの外部機器PCと印刷装置100との間でデータの送受信を行う。
CPU72は、印刷装置100全体の制御を行うための演算処理装置であり、システムバス77を介して、入出力部71、メモリー73、ヘッド駆動部75、モーター駆動部76と接続されている。
メモリー73は、CPU72が動作するプログラムを格納したり、必要な情報を記憶したりする領域であり、RAM、ROM、フラッシュメモリーなどの記憶素子で構成される。
CPU72は、メモリー73に格納されているプログラムや外部機器から受信する印刷指示に従って、ヘッド駆動部75、モーター駆動部76を制御する。
ここで、CPUは、Central Processing Unit、RAMは、Random access memory、ROMは、Read-Only Memoryを意味する。CPU72は、一つのCPUのみで構成されていてもよいし、複数のCPUで構成されるとともに複数のCPUそれぞれにヘッド駆動部75、モーター駆動部76が接続されていてもよい。
【0016】
図3は、搬送部20の要部およびその周辺部の構成を示す平面図である。また、
図4は、搬送部20の要部の構成を示す側面図である。
図4は、
図3のB-B面から見た側面を示している。
駆動ローラー21は、
図3に示すように、印刷装置100で用いられる最大幅の印刷媒体1の幅を超える長さを有する1本のローラーである。駆動ローラー21は、支持台24に支持されたX軸方向に延在する回転軸211を有し、制御部70によって駆動制御される搬送モーター23により駆動する。支持台24、制御部70、搬送モーター23は
図1に示している。
【0017】
複数の従動ローラー22は、駆動ローラー21に向かって印刷媒体1を押圧するとともに、複数の支持部材26に支持され、X軸方向に並んで設けられている。それぞれの従動ローラー22は、支持部材26に支持されたX軸方向に延在するローラー軸としての回転軸221を有し、印刷媒体1を駆動ローラー21に押圧し、印刷媒体1の移動に伴って回転する。
【0018】
複数の支持部材26は、基体50に支持されてX軸方向に並んで設けられ、1つの支持部材26が1つの従動ローラー22を回転自在に支持する。
より具体的には、支持部材26は、樹脂で構成され、基体50に取り付けられた際に、Y軸方向に延在する部材であり、+Y方向の端部において、それぞれの従動ローラー22の回転軸221を個別に支持し、-Y方向の端部には、従動ローラー22の押付力を設定するために個別に設けられた押圧力設定部25が接続されている。また、支持部材26は、延在方向、つまり長手方向の中央部に、回転軸221が延在する軸方向と同じ方向に突出する一対の支持軸281を有しており、支持軸281を含む着脱機構80を介して、支持フレーム50bに個別に着脱可能に取り付けられている。
【0019】
基体50は、一対の支持板50aと支持フレーム50bによって構成されている。
一対の支持板50aは、印刷媒体1の搬送経路のX軸方向における両外側に設けられ、支持フレーム50b、および後述するカムバー回転軸255、カム回転軸253を支持している。
支持フレーム50bは、印刷装置100で用いられる最大幅の印刷媒体1の幅を超える長さの角棒状の金属フレームであり、X軸方向に架設されるように、その両端部が支持板50aに支持されている。
なお、搬送支持部60、支持台24、支持板50aは、印刷装置100を1つの装置として構成するためのメインフレームに固定支持されている。メインフレームの図示は省略している。
【0020】
図5は、着脱機構80の構成を示す平面図である。
図5は、-Z方向から見た、支持フレーム50b、および、支持フレーム50bに取り付ける前の支持部材26の状態を示している。
着脱機構80は、基体50に設けられた基部を構成する金具27と、支持部材26に設けられた嵌合部28と、により構成されている。
嵌合部28は、一対の支持軸281、および、それぞれの支持軸281を支持する一対の弾性部材282を有し、金具27は、一対の支持軸281のそれぞれが嵌合する嵌合孔271が形成された2つの軸受け272を有している。
【0021】
一対の支持軸281のうち一方の支持軸281aは、支持部材26の延在方向の中央部において、回転軸221の軸方向と平行な+X方向に突出するように設けられている。一対の支持軸281のうち他方の支持軸281bは、支持部材26の延在方向の中央部において、回転軸221の軸方向と平行な-X方向に突出するように設けられている。
一対の弾性部材282のそれぞれは、弾性を有する樹脂で構成される支持部材26の延在方向の両側面中央部に設けられたスリット283により、支持部材26に支持される樹脂梁として構成されている。
また、支持軸281は、弾性部材282と一体成型され、弾性部材282の中央部から支持部材26の幅方向の外側に向かうように突出して形成されている。具体的には、一対の支持軸281のうち一方の支持軸281aは、一対の弾性部材282のうち一方の弾性部材282aと一体成型されている。同様に、一対の支持軸281のうち他方の支持軸281bは、一対の弾性部材282のうち他方の弾性部材282bと一体成型されている。一対の支持軸281のそれぞれは、それぞれを支持する弾性部材282により、回転軸221が延在する軸方向と平行な+X方向または-X方向に変位可能に設けられている。
【0022】
金具27は、一対の軸受け272と、一対の誘い板273とを含む。金具27は、一対の支持軸281それぞれが2つの嵌合孔271それぞれに嵌合した状態において、一対の支持軸281が延在する軸方向がX軸方向と平行になるように、支持フレーム50bにねじ止めされている。言い換えれば、金具27は、2つの嵌合孔271の並ぶ方向がX軸方向と平行になるように、支持フレーム50bにねじ止めされている。
誘い板273は、軸受け272が有する嵌合孔271に支持軸281を入れ易くするための板金であり、X軸方向の2つの軸受け272の間隔に対して、その間隔が、-Y方向に徐々に広くなるように構成されている。
金具27は、支持部材26を構成する材料よりも剛性(例えば曲げ剛性やねじれ剛性)が高い材料であることが好ましい。これにより、金具27が支持部材26を支持する際の機械強度を向上できる。
【0023】
支持部材26を金具27に、つまり支持フレーム50bに、すなわち基体50に取り付ける場合、一対の支持軸281のうち一方の支持軸281aが-X方向に、一対の支持軸281のうち他方の支持軸281bが+X方向に、それぞれ変位するように、一対の弾性部材282を押圧する。これにより、一対の支持軸281の両端の幅が、X軸方向に向かい合う一対の軸受け272の内壁の間隔より短くなる。この状態で、一対の支持軸281を対応する嵌合孔271に嵌合させながら、弾性部材282から押圧を解放する。X軸方向に働く一対の弾性部材282の弾性力により、軸受け272に支持軸281が嵌合する嵌合状態が保持される。すなわち、一対の支持軸281のうち一方の支持軸281aを、一対の嵌合孔271のうち一方の嵌合孔271aに嵌合させる。同様に、一対の支持軸281のうち他方の支持軸281bを、一対の嵌合孔271のうち他方の嵌合孔271bに嵌合させる。
より簡便な取り付け方法としては、
図5に示すように、一対の支持軸281の両端が、一対の誘い板273の間に入るようにして、支持部材26を+Y方向に移動させることで取り付けても良い。支持部材26を+Y方向に移動させることで支持軸281の両端が、一対の誘い板273に沿って内側に押圧され、やがて、2つの支持軸281が対応する嵌合孔271に嵌合し、弾性部材282から押圧が解放されて、あるいは解放される方向に支持軸281が移動し、軸受け272に支持軸281が嵌合する嵌合状態が保持されるように取り付けられる。
【0024】
以上説明したように、印刷装置100は、印刷媒体1に印刷を行う印刷部10と、印刷媒体1に搬送力を付与する駆動ローラー21と、駆動ローラー21によって搬送される印刷媒体1に対して押圧され、印刷媒体1の移動に伴い回転する複数の従動ローラー22とを備えている。また、印刷装置100は、複数の従動ローラー22それぞれの回転軸である回転軸221をそれぞれ支持する複数の支持部材26と、複数の支持部材26が取り付けられる基体50と、複数の支持部材26を基体50に対して個別に着脱可能にする着脱機構80と、を備えている。
【0025】
また、着脱機構80は、基体50に設けられた金具27と、支持部材26に設けられ、金具27に嵌合する支持軸281と、を備え、支持部材26を基体50に取り付けたときに、嵌合部28が有する弾性部材282の弾性力により、軸受け272に支持軸281が嵌合する嵌合状態を保持する。
【0026】
このような構成により、支持部材26は、X軸方向に延在する支持軸281を軸としてY-Z面で回動可能である。
押圧力設定部25は、支持軸281を支点として、従動ローラー22と駆動ローラー21とが印刷媒体1を挟持する際の従動ローラー22に押圧力を作用させるための押圧力を設定し調節する機構であり、
図4に示すように、それぞれの支持部材26に設けられている。
押圧力設定部25は、カム構造を構成するカム251、カムバー252や、コイルばね254、コイルばねの長さを可変とする調整ねじ256などにより構成されている。カム251の回転位置により、従動ローラー22の押圧力が設定され、調整ねじ256の調整によるコイルばねの長さにより、その押圧力が調整される。
【0027】
カム251は、駆動ローラー21と平行して印刷媒体1の幅方向に亘って設けられたカム回転軸253によりY-Z面で回動し、カム回転軸253からの距離が連続的に変化するカム外周面251aがカムバー252の下面に当接するように構成されている。個々の押圧力設定部25に設けられたそれぞれのカム251は、カム回転軸253の回転に合わせて同相で回転するようにカム回転軸253に取り付けられている。カム回転軸253は、制御部70が制御するカムモーター(図示省略)によってその回転角度が制御される。
【0028】
カムバー252は、カムバー252の+Y方向の端部に設けられたカムバー回転軸255を軸としてY-Z面で回動する構材であり、カム251の上方においてカム外周面251aに当接する当接面252aを有する。当接面252aは、カムバー252の下面と同義である。カムバー回転軸255は、その両端が、支持板50aによって回動可能に支持されている。カムバー252の-Y方向の端部には、コイルばね254の一方の端部254aが連結されている。カムバー252は、カムバー回転軸255とコイルばね254の連結部との間にカム251からの押圧力を受け、カムバー回転軸255を軸として回動することにより、カムバー252の-Y方向の端部に連結されたコイルばね254を伸縮させる。
【0029】
従動ローラー22と駆動ローラー21とが印刷媒体1を挟持するとき、カムバー252がカム251の押圧力を受けてコイルばね254を伸長させることにより、支持部材26の先端部分に支持された従動ローラー22がその下方にある駆動ローラー21に印刷媒体1を押し付ける押付力が発生する。このように、コイルばね254が伸長したときの付勢力が従動ローラー22の押付力となるので、コイルばね254の伸長長さが長くなるにつれて、従動ローラー22の押付力が強くなる。つまり、カム251の回動により、コイルばね254の一方の端部254aの位置が選択的に設定され、カム251の回動位置に対応した押圧力が設定される。
押圧力は、印刷媒体1の厚みや材質に応じて、また、印刷媒体1の搬送やレリースなど、印刷装置100の動作モードに応じて、予め設定された値となるように、制御部70の制御によって、カム回転軸253の回動角が制御されることにより選択される。
【0030】
調整ねじ256により、コイルばね254の選択された1つの長さを調整することで、設定された押圧力を調整することができる。押圧力の調整は、それぞれの従動ローラー22同士の押圧力のばらつきを所定の許容範囲内に調整する場合に行われる。
調整ねじ256の+Z方向の調整端は、コイルばね254の他方の端部254bに着脱可能に接続されており、支持部材26の-Y方向の端部に対するコイルばね254の他方の端部254bの位置、つまり、コイルばね254の長さを調整することができる。
【0031】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
個々の回転軸221を個別に支持する複数の支持部材26が、着脱機構80を介して、基体50に個々に着脱可能に取り付けられているため、複数の支持部材26の内の一部の支持部材26が破損した場合であっても、破損した支持部材26のみを容易に取り外し交換することができる。
【0032】
また、弾性部材282の弾性力により、軸受け272に支持軸281が嵌合する嵌合状態が保持される構成であるため、嵌合状態が維持されると同時に、支持部材26の着脱を容易にすることができる。
【0033】
また、支持部材26は、軸受け272に支持され、支持軸281を回動軸として回動可能に構成される。また、支持軸281が、支持部材26に対して、弾性部材282を介して軸方向に変位可能であるため、支持軸281が嵌合する嵌合孔271が形成された軸受け272から支持軸281の嵌合を容易に外すことができる。その結果、支持部材26を基体50から容易に取り外すことができる。
【0034】
2.変形例1
図6は、変形例1に係る着脱機構80aを示す模式図である。
変形例1の印刷装置100aは、実施形態1における着脱機構80に代わり着脱機構80aを有する。また、変形例1の印刷装置100aは、実施形態1と同様複数の支持部材26aを有する。
着脱機構80aは、基部としての回動軸部材27aと、回動軸部材27aに嵌合する嵌合部としての嵌合部材28aとから構成されている。つまり、本変形例の支持部材26aは、嵌合部28に代わり嵌合部材28aを有している。
【0035】
回動軸部材27aは、X軸方向に延在する円柱状の金属部材であり、X軸方向に沿った回動軸271vを軸心として、支持フレーム50bに回動可能に支持されている。X軸方向において、回動軸部材27aの長さは支持フレーム50bの長さと同程度であるとともに、1本の部材から構成されているが、これに限定されない。例えば、それぞれの支持部材26aに対応するように、X軸方向において、回動軸部材27aの長さが支持フレーム50bの長さより短く、複数の回動軸部材27aがX軸方向に並んで設けられても良い。
嵌合部材28aは、支持部材26aが支持フレーム50bに取り付けられた状態において、その+Z方向の天部に開口形成されたX軸方向に延在する樹脂製の管状体である。また、嵌合部材28aは、支持部材26aの長手方向の中央部の上部に固定されている。嵌合部材28aに形成された開口のY軸方向における幅(ギャップ)は、回動軸部材27aの直径よりもわずかに小さい。
嵌合部材28aを、回動軸部材27aの下方から押し当てることにより、嵌合部材28aの開放された天部が回動軸部材27aの側面に沿って開き、回動軸部材27aが嵌合部材28aに嵌合する。嵌合部材28aの側面部が、弾性部材として回動軸部材27aを挟持し嵌合状態が保持される。
支持部材26aは、このような構成の着脱機構80aによって支持フレーム50bに取り付けられると、回動軸271vを軸としてY-Z面で回動可能に支持される。
【0036】
本変形例の印刷装置100aにおいても、個々の回転軸221を個別に支持する複数の支持部材26aが、着脱機構80aを介して、基体50に個別に着脱可能に取り付けられる構成であるため、複数の支持部材26aの内の一部の支持部材26aが破損した場合であっても、破損した支持部材26aのみを容易に取り外し交換することができる。
【0037】
なお、変形例1の回動軸部材27aと嵌合部28とは、
図7に示すように、逆位置の構成で取り付けても良い。つまり、回動軸部材27aを支持部材26aに設け、嵌合部材28aを支持フレーム50bに設ける構成であっても良い。但し、回動軸部材27aは、個々の支持部材26aに独立して設けられる構成である必要がある。
このように、基部に嵌合部が嵌合する嵌合状態を保持する弾性力を発生させる弾性部材は、基部と嵌合部のいずれか一方が有するようにすれば良い。
【0038】
3.変形例2
図8は、変形例2に係る着脱機構80cを示す模式図である。
変形例2の印刷装置100cは、実施形態1における着脱機構80に代わり着脱機構80cを有する。
具体的には、支持部材26cは、スリット283を有さず、従って弾性部材282を有さず、支持軸281に代わる支持軸281cが、支持部材26cの中央部から支持部材26cの幅方向の外側に向かうように突出して形成されている。また、支持軸281cは、金具27cにより支持フレーム50bに回動可能に支持される。
また、着脱機構80に代わる着脱機構80cは、
図8に示すように、支持部材26cに設けられている。支持部材26cは、着脱機構80cによって、支持部材26c1と支持部材26c2とに分離することができる。つまり、実施形態1では、金具27が基部を構成していたが、本変形例では、金具27cを介して支持フレーム50bに支持された支持部材26c2が本願における基部に相当することになる。従って、支持部材26c1が本願における支持部材に相当することになる。
【0039】
支持部材26c1は、支持部材26cが支持フレーム50bに取り付けられた状態における支持部材26cの+Y側を構成しており、+Y方向の端部において、それぞれの従動ローラー22の回転軸221を個別に支持し、-Y方向の端部に、着脱機構80cの一方を構成する嵌合部284を備えている。
支持部材26c2は、支持部材26cが支持フレーム50bに取り付けられた状態における支持部材26cの-Y側を構成しており、+Y方向の端部に、着脱機構80cの他方を構成する嵌合孔285を備えており、-Y方向の端部には、従動ローラー22の押付力を設定するために個別に設けられた押圧力設定部25が接続されている。また、支持部材26c2は、支持部材26c2の延在方向の中央部よりやや+Y側に支持軸281cを備える。支持部材26cは、支持軸281cを軸としてY-Z面で回動可能である。
なお、
図8において、押圧力設定部25が接続される支持部材26cの-Y側の図示は省略している。
【0040】
嵌合部284は、弾性部材で形成された音叉形状に突出するオス型嵌合部材であり、
図8に示すように、先端領域に突出方向と交差する方向に突出する一対の突出部を有している。具体的には、嵌合部284の突出方向を-Y方向と一致させた場合、+Z方向に延びる突出部と-Z方向に延びる突出部とが、嵌合部284の-Y方向の先端領域に設けられている。
嵌合孔285は、メス型嵌合部を構成し、嵌合部284の一対の突出部に合わせた形状の嵌合部284が挿抜可能な形状の内壁を有している。嵌合部284を嵌合孔285に嵌合させた場合に、嵌合部284の突出部が嵌合孔285の内壁を弾性力により押圧し嵌合することで固定される。また、嵌合孔285は、支持部材26c2の+Y側の先端領域に形成されている。
【0041】
本変形例の印刷装置100cにおいても、個々の回転軸221を個別に支持する複数の支持部材26c1が、金具27cおよび着脱可能な着脱機構80cを介して、基体50に個々に着脱可能に取り付けられる構成であるため、複数の支持部材26c1の内の一部の支持部材26c1が破損した場合であっても、破損した支持部材26c1のみを容易に取り外し交換することができる。
【0042】
なお、変形例2の嵌合部284と嵌合孔285とは、
図9に示すように、逆の位置に設けられる構成であっても良い。つまり、嵌合部284を支持部材26c2に設け、嵌合孔285を支持部材26c1に設ける構成であっても良い。
また、支持部材26c1が支持部材26c2に取り付けられた状態において、従動ローラー22が駆動ローラー21に向かって印刷媒体1を押圧できるのであれば、嵌合部284と嵌合孔285とが形成されている位置は適宜設計変更可能である。例えば、嵌合部284が+Z方向に向かって突出する場合、嵌合孔285は支持部材26c2の-Z側に形成される。
【0043】
4.変形例3
図10は、変形例3に係る着脱機構80eを示す模式図である。
変形例3の印刷装置100eは、実施形態1における着脱機構80に代わり着脱機構80eを有している。
支持部材26eは、スリット283を有さず、従って弾性部材282を有さず、支持軸281に代わる支持軸281cが、支持部材26eの中央部から支持部材26eの幅方向の外側に向かうように突出して形成されている。また、支持軸281cは、金具27cにより支持フレーム50bに回動可能に支持される。
また、着脱機構80に代わる着脱機構80eは、
図10に示すように、支持部材26eに設けられている。支持部材26eは、着脱機構80eによって、支持部材26e1と支持部材26e2とに分離することができる。つまり、実施形態1では、金具27が基部を構成していたが、本変形例では、金具27cを介して支持フレーム50bに支持された支持部材26e2が本願における基部に相当することになる。従って、支持部材26e1が本願における支持部材に相当することになる。
【0044】
支持部材26e1は、支持部材26eが支持フレーム50bに取り付けられた状態における支持部材26eの+Y側を構成しており、+Y方向の端部において、個々の従動ローラー22の回転軸221を個別に支持し、-Y方向の端部に、着脱機構80eの一方を構成する嵌合部286を備えている。
支持部材26e2は、支持部材26eが支持フレーム50bに取り付けられた状態における支持部材26eの-Y側を構成しており、+Y方向の端部に、着脱機構80eの他方を構成する嵌合孔287を備えており、-Y方向の端部には、従動ローラー22の押付力を設定するために個々に設けられた押圧力設定部25が接続されている。また、支持部材26e2は、支持部材26e2の延在方向の中央部よりやや+Y側に支持軸281cを備える。支持部材26eは、支持軸281cを軸としてY-Z面で回動可能である。
なお、
図10において、押圧力設定部25が接続される支持部材26eの-Y側の図示は省略している。
【0045】
嵌合部286は、オス型嵌合部材であり、-Y方向の先端部にマグネットM1が貼付されている。
嵌合孔287は、メス型嵌合部を構成し、嵌合部286の形状に沿った嵌合部286が挿抜可能な形状の内壁を有し、-Y方向の奥面に強磁性体M2が取り付けられている。嵌合部286を嵌合孔287に嵌合させた場合に、嵌合部286のマグネットM1と嵌合孔287の強磁性体M2との間の磁力により嵌合部286と嵌合孔287との嵌合状態が保持される。
【0046】
本変形例の印刷装置100eにおいても、個々の回転軸221を個別に支持する複数の支持部材26e1が、金具27cおよび着脱可能な着脱機構80eを介して、基体50に個々に着脱可能に取り付けられる構成であるため、複数の支持部材26e1の内の一部の支持部材26e1が破損した場合であっても、破損した支持部材26e1のみを容易に取り外し交換することができる。
【0047】
なお、マグネットM1と強磁性体M2とは、互いに逆の位置に設けられる構成であっても良い。また、マグネットM1と強磁性体M2とが磁力により引き合う構成であれば、強磁性体M2がマグネットであっても良い。
【0048】
5.変形例4
図11は、変形例4に係る着脱機構80gを示す模式図である。
変形例4の印刷装置100gは、実施形態1における着脱機構80に代わり着脱機構80gを有している。
具体的には、支持部材26gは、スリット283を有さず、従って弾性部材282を有さず、支持軸281に代わる支持軸281cが、支持部材26gの中央部から支持部材26gの幅方向の外側に向かうように突出して形成されている。また、281cは、金具27cにより支持フレーム50bに回動可能に支持される。
また、着脱機構80に代わる着脱機構80gは、
図11に示すように、支持部材26gに設けられている。支持部材26gは、着脱機構80gによって、支持部材26g1と支持部材26g2とに分離することができる。つまり、実施形態1では、金具27が基部を構成していたが、本変形例では、金具27cを介して支持フレーム50bに支持された支持部材26g2が本願における基部に相当することになる。従って、支持部材26g1が本願における支持部材に相当することになる。
【0049】
着脱機構80gは、支持部材26g1と支持部材26g2とを嵌合させるための嵌合部286、嵌合孔287、および嵌合状態を保持するためのねじ288などにより構成されている。また、支持部材26g1、支持部材26g2は、
図11に示すように、それぞれが接合される接合面に、ねじ288で接合させるためのフランジを備えている。
なお、ねじ288の着脱を容易とするため、ねじ288の取り付け位置や角度については、周辺の構成に合わせて適切にすることが望ましい。
【0050】
個々の回転軸221を個別に支持する複数の支持部材26g1が、金具27cおよび着脱可能な着脱機構80gを介して、基体50に個々に着脱可能に取り付けられているため、複数の支持部材26g1の内の一部の支持部材26g1が破損した場合であっても、破損した支持部材26g1のみを容易に取り外し交換することができる。
【0051】
6.その他の変形例
実施形態1では、支持部材26は、一対の支持軸281、および、それぞれの支持軸281を支持する一対の弾性部材282を有すると説明したが、
図12に示すように、一対の支持軸281の内のいずれか一方に弾性部材282を設けるように構成しても良い。
【0052】
また、実施形態1では、
図5に示すように、1つの従動ローラー22が、1つの支持部材26に支持される構成としているが、例えば、1つの回転軸221に2つ以上の従動ローラー22を備え、2つ以上の従動ローラー22が1つの支持部材26に支持される構成であっても良い。
【0053】
また、実施形態1では、支持軸281が、一体に成型された梁状の弾性部材282に支持されていると説明したが、支持軸281は、
図13に示すように、支持部材26fに埋設された弾性部材としての、ばね289に支持される構成であっても良い。
【0054】
また、実施形態1では、支持部材26が、X軸方向に延在する支持軸281を軸としてY-Z面で回動可能であると説明したが、必ずしもこのように支持部材が揺動する構成でなくても良い。例えば、支持部材が支持フレーム50bとの間にばねなどの弾性部材を介して印刷媒体1に対して垂直方向に上下する構成であっても良い。
【0055】
また、実施形態1では、
図4に示すように、従動ローラー22は、駆動ローラー21との間に印刷媒体1を挟持するように複数の支持部材26に支持されると説明したが、従動ローラー22は、駆動ローラー21と対になる構成に限定するものではない。例えば、プラテン61との間に印刷媒体1を挟持し、印刷媒体1の浮きを抑える目的で使用される構成や、印刷媒体1の搬送経路を構成するために、単独で使用される構成や、他の従動ローラーとの間で印刷媒体1を挟持する構成であっても良い。
【0056】
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
【0057】
本願の印刷装置は、印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記印刷媒体に搬送力を付与する駆動ローラーと、前記駆動ローラーによって搬送される前記印刷媒体に対して押圧され、前記印刷媒体の移動に伴い回転する複数の従動ローラーと、前記複数の従動ローラーそれぞれの回転軸であるローラー軸をそれぞれ支持する複数の支持部材と、前記複数の支持部材が取り付けられる基体と、前記複数の支持部材を前記基体に対して個別に着脱可能にする着脱機構と、を備えることを特徴とする。
【0058】
この構成によれば、個々のローラー軸を個別に支持する複数の支持部材が、着脱機構を介して、基体に個々に着脱可能に取り付けられているため、複数の支持部材の内の一部の支持部材が破損した場合であっても、破損した支持部材のみを容易に取り外し交換することができる。
【0059】
上記の印刷装置において、前記着脱機構は、前記基体に設けられた基部と、前記支持部材に設けられ、前記基部に嵌合する嵌合部と、を備え、前記支持部材を前記基体に取り付けたときに、前記基部と前記嵌合部のいずれか一方が有する弾性部材の弾性力により、前記基部に前記嵌合部が嵌合する嵌合状態を保持することが好ましい。
【0060】
この構成によれば、弾性部材の弾性力により、基部に嵌合部が嵌合する嵌合状態が保持される構成であるため、嵌合状態が維持されると同時に、支持部材の着脱を容易にすることができる。
【0061】
上記の印刷装置において、前記着脱機構は、前記基体に設けられた基部と、前記支持部材に設けられ、前記基部に嵌合する嵌合部と、を備え、前記支持部材を前記基体に取り付けたときに、前記基部と前記嵌合部の少なくとも一方が有するマグネットの磁力により、前記基部に前記嵌合部が嵌合する嵌合状態を保持することが好ましい。
【0062】
この構成によれば、マグネットの磁力により、基部に嵌合部が嵌合する嵌合状態が保持される構成であるため、嵌合状態が維持されると同時に、支持部材の着脱を容易にすることができる。
【0063】
上記の印刷装置において、前記着脱機構は、前記嵌合部として、前記ローラー軸の軸方向に突出する支持軸を有し、前記基部として、前記支持軸が嵌合する嵌合孔が形成された軸受けを有し、前記支持軸は、前記支持部材に対して、弾性部材を介して前記軸方向に変位可能に設けられていることが好ましい。
【0064】
この構成によれば、支持部材は、基部としての軸受けに支持され、嵌合部としての支持軸を回動軸として回動可能に構成される。また、支持軸が、支持部材に対して、弾性部材を介して軸方向に変位可能であるため、支持軸が嵌合する嵌合孔が形成された軸受けから支持軸の嵌合を容易に外すことができる。その結果、支持部材を基体から容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0065】
1…印刷媒体、10…印刷部、11…印刷ヘッド、12…キャリッジ、13…ガイド軸、14…キャリッジモーター、20…搬送部、21…駆動ローラー、22…従動ローラー、23…搬送モーター、24…支持台、25…押圧力設定部、26…支持部材、27…金具、28…嵌合部、30…巻出部、31…巻出リール、32…巻出モーター、40…巻取部、41…巻取リール、42…巻取モーター、50…基体、50a…支持板、50b…支持フレーム、60…搬送支持部、61…プラテン、62…媒体支持部、70…制御部、71…入出力部、72…CPU、73…メモリー、75…ヘッド駆動部、76…モーター駆動部、77…システムバス、80…着脱機構、100…印刷装置、211…回転軸、221…回転軸、251…カム、251a…カム外周面、252…カムバー、252a…当接面、253…カム回転軸、254a…コイルばね254の一方の端部、254b…コイルばね254の他方の端部、255…カムバー回転軸、256…調整ねじ、271…嵌合孔、271v…回動軸、273…誘い板、281…支持軸、281v…支持軸、282…弾性部材、283…スリット、284…嵌合部、285…嵌合孔、286…嵌合部、287…嵌合孔、M1…マグネット、M2…強磁性体。