(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20231129BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G15/16 103
G03G21/16 180
(21)【出願番号】P 2019172526
(22)【出願日】2019-09-24
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】白井 雅憲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘一
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 和俊
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 響
(72)【発明者】
【氏名】松下 薫
(72)【発明者】
【氏名】金山 清俊
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-212748(JP,A)
【文献】特開2017-129826(JP,A)
【文献】特開2010-271472(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0296832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0129385(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受に回転軸が支持されるロールと、
前記軸受とその付属部品であるカバーを前記ロールの使用位置と前記使用位置から離間した退避位置の間で移動可能に支持する支持手段と、
を備え、
前記軸受は、前記回転軸の端部を受ける本体部と、前記本体部の端部から前記回転軸の端面と間隔をおいて対峙するように立ち上がる側壁面部を有し、
前記支持手段は、前記回転軸の下方側において前記軸受およびカバーを移動可能に支持する基板部と、前記基板部の端部から前記回転軸の端面の少なくとも一部に前記軸受の前記側壁面部を介在させた状態で対向するように立ち上がる側板部を有し、
前記カバーは、前記軸受と前記回転軸の端部とをその上方および側方から覆うカバーであって、前記回転軸の端部の上方で向き合って配置される天板部と、前記天板部の端部から前記軸受の前記側壁面部と前記支持手段の前記側板部の間に隙間をあけて存在するよう垂下して向き合うように配置される端面板部を有し、
前記軸受およびカバーと前記支持手段の一方又は双方
に、前記ロールが前記軸受およびカバーと一緒に前記退避位置に移動したときに前記軸受
の前記側壁面部と前記カバー
の前記端面板部が対向する前記支持手段
の前記側板部又は
前記カバーの
前記端面板部に接触する接触部
が設けられている画像形成装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記軸受およびカバーが前記退避位置に移動したときに前記支持手段の
前記側板部に接触する第1の接触部を有している請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記軸受
の前記側壁面部は、前記回転軸
が変位するときの端部の位置を制限する位置決め部分
として機能し、
前記接触部は、前記
軸受の前記側壁面部と前記カバーの
前記端面板部の一方に前記カバー
の前記端面板部又は
前記軸受の前記側壁面部の一部に接触する第2の接触部を有している請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の接触部は、前記軸受およびカバーが前記使用位置に移動したときに前記支持手段に接触しないよう設けられている請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の接触部は、前記軸受およびカバーが前記退避位置に移動したときに対向して接触する前記支持手段の
前記側板部に徐々に接近する斜面を有した形状で構成されている請求項2又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の接触部は、前記回転軸の端面と向き合う位置に存在する部分を有した形状で構成されている請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記
軸受の前記位置決め部分
として機能する前記側壁面部は、前記軸受から前記回転軸の端面と向き合うように曲げられた形状で構成されており、
前記第2の接触部は、前記
側壁面部の曲げられた少なくとも終端部に設けられている請求項3又は6に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、像担持体との間に転写ニップ部を形成する転写ベルトを有する転写ベルト装置を備えた画像形成装置において、転写ベルト装置の画像形成装置本体に対する位置決めとなる駆動ローラ軸受が2方取り形状であり、かつ、その駆動ローラ軸受を受ける画像形成装置本体側の受け部は、その上方が駆動ローラ軸受の2方取り部とかん合する大きさの溝形状であり、その下方が駆動ローラ軸受の軸受外径がかん合できる大きさの穴形状であるように構成された画像形成装置が記載されている。
【0003】
また特許文献1には、上記構成からなる転写ベルト装置により、その転写ベルト装置の画像形成装置に対する着脱や交換に際しては、一般ユーザでも特別な作業なしにスムーズに作業ができることも示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-161038号公報(請求項2、
図1、
図5など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、使用位置と退避位置との間を移動可能に設けられているロールが退避位置に移動している状態で運搬されるときに、ロールの回転軸の端部がその周囲に間隔をおいて存在する部品に衝突して衝撃を与えることを、ロールの軸受およびその付属部品であるカバーとそれらを移動可能に支持する支持手段の一方又は双方にその軸受およびカバーが退避位置に移動したときに対向する支持手段又はカバーの一部に接触する接触部を設けない場合に比べて、抑制できる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(A1)の画像形成装置は、
軸受に回転軸が支持されるロールと、
前記軸受とその付属部品であるカバーを前記ロールの使用位置と前記使用位置から離間した退避位置の間で移動可能に支持する支持手段と、
を備え、
前記軸受は、前記回転軸の端部を受ける本体部と、前記本体部の端部から前記回転軸の端面と間隔をおいて対峙するように立ち上がる側壁面部を有し、
前記支持手段は、前記回転軸の下方側において前記軸受およびカバーを移動可能に支持する基板部と、前記基板部の端部から前記回転軸の端面の少なくとも一部に前記軸受の前記側壁面部を介在させた状態で対向するように立ち上がる側板部を有し、
前記カバーは、前記軸受と前記回転軸の端部とをその上方および側方から覆うカバーであって、前記回転軸の端部の上方で向き合って配置される天板部と、前記天板部の端部から前記軸受の前記側壁面部と前記支持手段の前記側板部の間に隙間をあけて存在するよう垂下して向き合うように配置される端面板部を有し、
前記軸受およびカバーと前記支持手段の一方又は双方に、前記ロールが前記軸受およびカバーと一緒に前記退避位置に移動したときに前記軸受の前記側壁面部と前記カバーの前記端面板部が対向する前記支持手段の前記側板部又は前記カバーの前記端面板部に接触する接触部が設けられているものである。
【0007】
この発明(2)の画像形成装置は、上記発明(1)の画像形成装置において、前記接触部は、前記軸受およびカバーが前記退避位置に移動したときに前記支持手段の前記側板部に接触する第1の接触部を有しているものである。
この発明(3)の画像形成装置は、上記発明(1)又は(2)の画像形成装置において、前記軸受の前記側壁面部は、前記回転軸が変位するときの端部の位置を制限する位置決め部分として機能し、前記接触部は、前記軸受の前記側壁面部と前記カバーの前記端面板部の一方に前記カバーの前記端面板部又は前記軸受の前記側壁面部の一部に接触する第2の接触部を有しているものである。
【0008】
この発明(4)の画像形成装置は、上記発明(2)の画像形成装置において、前記第1の接触部は、前記軸受およびカバーが前記使用位置に移動したときに前記支持手段に接触しないよう設けられているものである。
この発明(5)の画像形成装置は、上記発明(2)又は(4)の画像形成装置において、前記第1の接触部は、前記軸受およびカバーが前記退避位置に移動したときに対向して接触する前記支持手段の前記側板部に徐々に接近する斜面を有した形状で構成されているものである。
この発明(6)の画像形成装置は、上記発明(3)の画像形成装置において、前記第2の接触部は、前記回転軸の端面と向き合う位置に存在する部分を有した形状で構成されているものである。
この発明(7)の画像形成装置は、上記発明(3)又は(6)の画像形成装置において、前記軸受の前記位置決め部分として機能する前記側壁面部は、前記軸受から前記回転軸の端面と向き合うように曲げられた形状で構成されており、前記第2の接触部は、前記側壁面部の曲げられた少なくとも終端部に設けられているものである。
【発明の効果】
【0009】
上記発明(1)の画像形成装置によれば、使用位置と退避位置との間を移動可能に設けられているロールが退避位置に移動している状態で運搬されるときに、ロールの回転軸の端部がその周囲に間隔をおいて存在する部品(軸受の側壁面部をはじめカバーの端面板部や支持手段の側板部)に衝突して衝撃を与えることを、ロールの軸受およびカバーとそれらを移動可能に支持する支持手段の一方又は双方にその軸受およびカバーが退避位置に移動したときに対向する支持手段又はカバーの一部(支持手段の側板部、又はカバーの端面板部)に接触する接触部を設けない場合に比べて、抑制できる。
【0010】
上記発明(2)によれば、接触部が支持手段の側板部に接触する第1の接触部を有していない場合に比べて、ロールの回転軸の端部が支持手段の一部に衝突して衝撃を与えることを確実に抑制できる。
上記発明(3)によれば、接触部がカバーの端面板部又は軸受の位置決め部分として機能する側壁面部に接触する第2の接触部を有していない場合に比べて、ロールの回転軸の端部が軸受の端面板部に衝突して衝撃を与えることを確実に抑制できる。
【0011】
上記発明(4)によれば、第1の接触部について軸受およびカバーが使用位置に移動したときに支持手段に接触しないよう設けていない場合に比べて、軸受およびカバーが使用位置に移動してロールが回転するときの動作が、第1の接触部の接触により制限されて阻害されるおそれがない。
上記発明(5)によれば、第1の接触部が支持手段の側板部に徐々に接近する斜面を有した形状で構成されていない場合に比べて、軸受およびカバーが退避位置に移動するときの動作が阻害されることなく円滑に行われる。
上記発明(6)によれば、第2の接触部が回転軸の端面部と向き合う位置に存在する部分を有した形状で構成されていない場合に比べて、ロールの回転軸の端部が軸受における位置決め部分の一部に衝突して衝撃を与えることを確実に抑制できる。
上記発明(7)によれば、第2の接触部が軸受の位置決め部分として機能する側壁面部の曲げられた少なくとも終端部に設けられていない場合に比べて、ロールの回転軸の端部が軸受の側壁面部に衝突して衝撃を与えることをより確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る画像形成装置の全体を示す概要図である。
【
図2】
図1の画像形成装置における一次転写ロールの支持構造を示す図面であり、(A)は使用位置に移動しているときの状態を示す断面概要図、(B)は退避位置に移動しているときの状態を示す断面概要図である。
【
図3】(A)は
図2(A)の使用位置に移動しているときの状態の一部を拡大して示す断面概要図、(B)は
図2(B)の退避位置に移動しているときの状態の一部を拡大して示す断面概要図である。
【
図4】一次転写ロールの支持構造の一部を透視して示す正面図である。
【
図6】(A)は一次転写ロールの軸受を示す正面図、(B)は(A)の軸受を示す側面図である。
【
図7】(A)は使用位置に移動しているときの一次転写ロールの端部付近の状態を拡大して示す概要図、(B)は退避位置に移動しているときの一次転写ロールの端部付近の状態を拡大して示す概要図である。
【
図8】(A)は比較例(接触部を設けない構成例)における使用位置に移動しているときの一次転写ロールの端部付近の状態を拡大して示す概要図、(B)は比較例における退避位置に移動しているときの一次転写ロールの端部付近の状態を拡大して示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0014】
[実施の形態1]
図1と
図2は、この発明の実施の形態1に係る画像形成装置1を示すものである。
図1はその画像形成装置1の全体の構成を示し、
図2はその画像形成装置1の一部(主に二次転写装置とその周辺部)の構成を示している。
図1等の各図面中に符号X,Y,Zで示す矢印は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さおよび奥行の各方向を示す。また各図面においてX,Y(又はY,Z)の方向の矢印が交わる部分の丸印は、Z(又はX)の方向が図面の鉛直下方に向いていることを示している。
【0015】
画像形成装置1は、現像剤としてのトナーで構成される画像を記録媒体の一例である用紙9に形成する装置である。実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えば、情報端末機等の外部接続機器から入力される画像情報に対応した画像の形成を行うプリンタとして構成されている。
【0016】
この画像形成装置1は、
図1に示されるように、所要の外観形状からなる筐体10を有しており、その筐体10の内部空間に、画像情報に基づくトナー像を形成する像形成装置2と、像形成装置2で形成されるトナー像を一時的に保持して搬送した後に用紙9に二次転写させる中間転写装置3と、中間転写装置3の二次転写を行う位置に供給すべき用紙9を収容して送り出す給紙装置4と、中間転写装置3で二次転写されたトナー像を用紙9に定着させる定着装置5等を備えている。
【0017】
ここで、画像情報は、例えば、文字、図形、写真、模様等の画像に関係する情報である。また筐体10は、各種の支持部材、外装材等で所要の形状に形成された構造物である。
図1等における矢付きの一点鎖線は、筐体10内で用紙9が搬送されるときの主な搬送経路を示している。
【0018】
像形成装置2は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの像形成装置2Y,2M,2C,2Kにて構成されている。
【0019】
4つの像形成装置2(Y,M,C,K)はいずれも、矢印Aで示す方向に回転する像保持手段の一例である感光ドラム21を有し、その感光ドラム21の周囲に、帯電装置22、露光装置23、現像装置24(Y,M,C,K)、一次転写装置25、ドラム清掃装置26等の機器を配置して構成されている。
図1では、符号21から26をブラック(K)の像形成装置2Kのみに全部記載し、他の色の像形成装置2(Y,M,C)にはその一部を記載している。
【0020】
このうち、帯電装置22は、感光ドラム21の外周面(像形成可能面)を所要の表面電位に帯電させる装置である。露光装置23は、感光ドラム21の外周面に画像情報に基づく露光をして所要の色成分(Y,M,C,K)の静電潜像を形成する装置である。また、現像装置24(Y,M,C,K)は、感光ドラム21の外周面に形成された静電潜像を対応する所定の色(Y,M,C,K)の現像剤(トナー)により現像して所定の4色のトナー像をそれぞれ形成する装置である。一次転写装置25は、感光ドラム21の外周面に形成された各色のトナー像を中間転写装置3(中間転写ベルト31)に静電的に転写させる装置である。ドラム清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着する不要なトナー、紙粉等の不要物をかき取るように除去して感光ドラム21の外周面を清掃する装置である。
【0021】
これらの像形成装置2(Y,M,C,K)では、感光ドラム21(厳密には中間転写装置3の中間転写ベルト31)と一次転写装置25が対向する各部位がトナー像の一次転写を行う一次転写位置TP1になる。
【0022】
中間転写装置3は、像形成装置2(Y,M,C,K)で形成される各色のトナー像を一次転写により保持した後に用紙9に二次転写させる位置まで搬送するよう構成された装置である。この中間転写装置3は、筐体10の内部で像形成装置2(Y,M,C,K)の上方側に配置されている。
また、中間転写装置3は、その像形成装置2(Y,M,C,K)における各感光ドラム21からトナー像が一次転写されて保持する中間転写ベルト31を備えており、その中間転写ベルト31の周囲に以下の機器を配置して構成されている。
【0023】
中間転写ベルト31は、その内側に配置される複数の支持ロール32a~32fにより、像形成装置2(Y,M,C,K)の各一次転写位置を順次通過して矢印Bで示す方向に回転(周回移動)するよう支持されている。
支持ロール32aは図示しない駆動装置から回転動力を受けて回転駆動する駆動ロールとして、支持ロール32bは支持ロール32aと協働して中間転写ベルト31の一次転写位置を通過する際のベルト位置(面)を保持する面出しロールとして、支持ロール32cはテンションロールとして、それぞれ構成されている。また、支持ロール32dは中間転写ベルト31の二次転写前における面出しロールとして、支持ロール32eは二次転写バックアップロールとして、支持ロール32fは中間転写ベルト31の二次転写位置を通過した後の面出しロールとして、それぞれ構成されている。支持ロール32eは二次転写用電圧が供給されるロールとして構成される場合は、図示しない給電装置から二次転写用電圧が供給される。
【0024】
また、中間転写ベルト31の内側には、各像形成装置2(Y,M,C,K)における一次転写装置25が配置されている。一次転写装置25は、中間転写装置3の一部を構成するものでもある。実施の形態1における一次転写装置25は、
図1や
図2に示されるように、中間転写ベルト31を一次転写位置TP1で感光ドラム21に押し付けて追従回転するロール形態等の一次転写ロール250により構成されている。この一次転写ロール250には、図示しない給電装置から一次転写電流が供給される。
また、中間転写ベルト31の支持ロール32eに支持される部分の外周面には、用紙9を通過させるとともにその用紙9に中間転写ベルト31上のトナー像を二次転写させる二次転写装置35が配置されている。二次転写装置35は、2本の支持ロールと転写搬送ベルトを組み合わせた形態の装置として構成されている。
【0025】
さらに、中間転写ベルト31の支持ロール32aに支持される部分の外周面には、二次転写後の中間転写ベルト31の外周面に残留する不要なトナー等の不要物を除去して中間転写ベルト31の外周面を清掃するベルト清掃装置36が配置されている。
この中間転写装置3では、中間転写ベルト31の外周面に二次転写装置35が接触している部位がトナー像の二次転写を行う二次転写位置TP2になる。
【0026】
給紙装置4は、中間転写装置3の二次転写位置TP2に供給すべき用紙9を収容して送り出すよう構成された装置である。給紙装置4は、筐体10の内部で像形成装置2(Y,M,C,K)よりも下方側の位置に配置されている。
また、給紙装置4は、用紙の収容体41と、送出装置43等の機器を配置して構成されている。
【0027】
収容体41は、複数枚の用紙9を所要の向きで積載して収容する積載板42を有し、筐体10の外部に引き出して用紙9の補充等の作業ができるよう取り付けられた収容部材である。送出装置43は、収容体41の積載板42上に積載されている用紙9を、複数のロール等の送り出し機器により1枚ずつ繰り出す装置である。
用紙9は、筐体10内での搬送が可能であってトナー像の転写および定着が可能な普通紙、コート紙、厚紙等の記録媒体であればよく、その材質、形態等については特に制約されるものでない。
【0028】
定着装置5は、中間転写装置3で二次転写されたトナー像を用紙9に定着させるよう構成された装置である。定着装置5は、筐体10の内部で中間転写装置3の二次転写位置TP2から用紙9の搬送方向下流側になる下方の位置に配置されている。
また、定着装置5は、用紙9の導入口や排出口が設けられた筐体50の内部空間に、加熱用回転体51、加圧用回転体52等の機器を配置して構成されている。
【0029】
加熱用回転体51は、矢印で示す方向に回転するロール形態、ベルト-パット形態等からなる回転体であり、図示しない加熱手段により外表面が所要の温度に保たれるよう加熱されるものである。加圧用回転体52は、加熱用回転体51に所要の加圧下で接触して追従するよう回転するロール形態、ベルト-パット形態等からなる回転体である。加圧用回転体52は、加熱手段により加熱されるものでもよい。
この定着装置5では、加熱用回転体51と加圧用回転体52が接触する部位が、未定着像のトナー像を用紙9に定着するための加熱、加圧等の処理をするニップ部(定着処理部)FNとして構成されている。
【0030】
図1における符号Rt1で示す一点鎖線の部分は、給紙装置4にある用紙9を二次転写位置TP2まで搬送して供給する給紙搬送路である。この給紙搬送路Rt1は、用紙9を挟持して搬送する複数の搬送ロール44a~44cや、用紙9の搬送空間を確保して用紙9の搬送を案内する図示しない複数の案内部材等を配置して構成されている。
また
図1における符号Rt2で示す一点鎖線の部分は、中間転写装置3の二次転写位置TP2において二次転写が終了した後の用紙9を定着装置5に達するよう中継して搬送する中継搬送路である。この中継搬送路Rt2は、例えば吸引式のベルト搬送装置46等を配置して構成されている。
さらに
図1における符号Rt3で示す一点鎖線の部分は、定着装置5と排出口13との間に、定着終了後の用紙9を筐体10における用紙9の排出口13まで搬送して図示しない排紙収容部に排出させる排出搬送路である。この排出搬送路Rt3は、図示しない一対の搬送ロールや排出ロール、用紙9の搬送を案内する図示しない複数の案内部材等を配置して構成されている。
【0031】
この画像形成装置1による画像形成は、例えば以下の動作により行われる。ここでは、上記4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成される多色画像、いわゆるフルカラー画像を形成する場合を例にして説明する。
【0032】
はじめに、4つの像形成装置2Y,2M,2C,2Kでは、フルカラー画像を形成する動作の開始命令を受信すると、矢印Aで示す方向に回転する感光ドラム21に対して帯電装置22による帯電動作、露光装置23による露光動作、現像装置24(Y,M,C,K)による現像動作等が行われる。これにより、像形成装置2Y,2M,2C,2Kにおける各感光ドラム21上には、4色(Y,M,C,K)の成分に分解されてなる4色のトナー像が個別に形成される。
【0033】
続いて、中間転写装置3では、像形成装置2Y,2M,2C,2Kで感光ドラム21上に形成された4色(Y,M,C,K)のトナー像が、矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト31に対して一次転写位置TP1で一次転写装置25による一次転写動作を経てそれぞれ一次転写されて二次転写位置TP2まで搬送される。一方、二次転写位置TP2には、給紙装置4から給紙搬送路Rt1を経由して用紙9が搬送される。これにより、二次転写位置TP2では、中間転写ベルト31上の4色(Y,M,C,K)のトナー像が、二次転写装置35による二次転写動作により用紙9に二次転写される。
【0034】
続いて、二次転写が終了した後の用紙9が、中継搬送路Rt2を経由して定着装置5まで搬送され、定着装置5における定着処理部に導入されて通過させられる。これにより、定着装置5による定着処理を経てトナー像が用紙9に定着される。最後に、定着が終了した後の用紙9が排出搬送路Rt3を経由して図示しない排紙収容部に排出される。
【0035】
以上の動作により、フルカラー画像が形成された1枚の用紙9が出力される。
この画像形成装置1では、複数枚分の用紙9に対してフルカラー画像を形成する動作の命令を受信した場合、その指定された枚数分だけ上記した一連の動作が繰り返される。ちなみに画像形成装置1によれば、モノ黒画像等の単色画像を形成することも可能である。
【0036】
また、画像形成装置1における一次転写装置25の一次転写ロール250は、以下のような支持構造になっている。
【0037】
まず、一次転写ロール250は、
図2、
図3等に示されるように、導電性を有する丸棒状の回転軸251と、回転軸251の軸芯方向における両端の部分(端部)251a,251bを除く範囲に形成される半導電性からなる弾性層252とで構成されている。
【0038】
次に、一次転写ロール250は、
図2、
図3等に示されるように、回転軸251の両端部251a,251bが軸受61によりそれぞれ回転可能に支持されているとともに、その軸受61が支持手段の一例である支持フレーム62により一次転写ロール250の使用位置とその使用位置から離間した退避位置の間で移動可能に支持されている。
【0039】
ここで、一次転写ロール250の使用位置は、一次転写ロール250が一次転写位置TP1で中間転写ベルト31に接して中間転写ベルト31を感光ドラム21に押し付ける状態になって一次転写動作が可能な状態にあるときの位置である。
一方、一次転写ロール250の退避位置は、一次転写ロール250が中間転写ベルト31から所要の距離だけ離れた状態になるときの位置である。この退避位置は、例えば、中間転写装置3が筐体10から引き出し可能なユニットになっている場合の引き出すときや、画像形成装置1を運搬するときに採用される位置である。運搬とは、トラック等の車両による運送作業、画像形成装置1の設置場所への搬入作業などである。
【0040】
実施の形態1における軸受61は、
図3から
図6等に示されるように、本体部611と、バネ受け面部612と、側壁面部615を有する構造になっている。
【0041】
このうち本体部611は、回転軸251の両端部251a,251bを上方から嵌め入れる滑り軸受からなる断面Uの字形状の軸受面と、回転軸251を挟む側壁部の外側において上下方向に直線状に延びるガイド溝613とが設けられた部分である。
バネ受け面部612は、本体部611の下部に設けられた部分であり、本体部611を中間転写ベルト31にむけて上方側に付勢するバネ64(
図3)の上端部を受ける面や凸部612aを有する部分である。
【0042】
側壁面部615は、本体部611の下部から回転軸251の端部251a,251bにおける端面251cとそれぞれ所要の間隔をおいて対峙するよう立ち上げられた状態で設けられた板状の部分である。
この側壁面部615は、回転軸251がその両端の方向へ不要な移動をすることを制限して一次転写ロール250の軸芯方向における位置決めをするための位置決め部分として機能する。また側壁面部615は、
図4、
図6等に示されるように、回転軸251の端面251cと向き合う内側の面部に、その端面251cに接近するよう突出する凸部616が設けられている。
ちなみに、側壁面部615が回転軸251の端面251cと接触しておらず間隔を
おい
ているのは、側壁面部615が回転軸251ひいては一次転写ロール250の回転を阻害しないためである。
【0043】
実施の形態1における支持フレーム62は、
図3から
図5等に示されるように、回転軸251の軸芯方向にほぼ平行して延びる基板部621と、基板部621のうち回転軸251の端部251a,251bよりも外側になる端部で上方に立ち上がる側板部622と、基板部621のうち側板部622の内側の部分で回転軸251の両端の部分251a,251bを挟むように上方に向き合って立ち上がる一対のガイド支持部623とを有する構造になっている。
【0044】
このうち基板部621は、一次転写ロール250の弾性層252と対向する部分まで延びた部分として構成されている。
また、基板部621は中間転写装置3の図示しない部分に固定されている。また
、基板部621のうち軸受61のバネ受け面部612における凸部612aと向き合う部分には、上記バネ64の下端部を受ける面や凸部が設けられている。上記バネ64は、例えばコイルスプリングが適用され、
図3等に示されるように軸受61のバネ受け面部612と基板部621の間に存在してかつ一対のガイド支持部623の間に存在する状態で配置される。これにより、バネ64は、
図3に白抜き矢印で示されるように軸受61(の本体部611)を中間転写ベルト31にむけて上方側に付勢するよう作用する。
【0045】
側板部622は、
図3,
図4等に示されるように、その上端が、軸受61の側壁面部615を挟んで使用位置にあるときの一次転写ロール250における回転軸251の端面251cの少なくとも一部と対向する程度の高さになるよう構成されている。また側板部622には、
図4等に示されるように、一次転写ロール250を中間転写ベルト31に対して接触および離間させるように変位させる揺動支持板68の支持軸69が
回転可能に嵌め入れられ
る固定される軸取付け孔625が設けられている。
一対のガイド支持部623は、その互いに向き合う内側の側壁部に、軸受61の本体部611におけるガイド溝613に嵌め合わせた状態で軸受61を上下方向にスライド案内するよう直線状に延びるガイド凸条623aが設けられている。
【0046】
軸受61は、
図3,
図4等に示されるように、その本体部611のガイド溝613に支持フレーム62の一対のガイド支持部623におけるガイド凸条623aを嵌め入れた状態でもって上下方向に案内されるよう移動可能に支持されるとともに、バネ64により上方に対して所要の付勢力で付勢された状態に保たれている。
【0047】
また
、揺動支持板68は
、支持フレーム62の側板部622にある軸取付け孔625に嵌め入れられた支持軸69を支点にして所要の方向に揺動することにより、
その揺動支持板68の一部68bが軸受61の本体部611の一部611bに接触して揺動す
る。
このため、支持フレーム62
のガイド支持部623に対して移動可能な軸受61
に取り付けられている一次転写ロール250
は、中間転写ベルト31に対して接触および離間させるように変位させられるようになっている。
図2において一次転写ロール250の右側の端部付近に揺動支持板68が図示されていないが、実際には一次転写ロール250の右側の端部付近にも揺動支持板68が同様に配置されている。
この揺動支持板68の揺動により一次転写ロール250が中間転写ベルト31から離間するのは、例えば、その一次転写ロール250が配置される像形成装置2(Y,M,C,K)によるトナー像の形成が行われないときなどである。
【0048】
また、実施の形態1における一次転写ロール250の支持構造では、
図3や
図5に示されるように、回転軸251の端部251a,251bと軸受61とをその上方および側方から覆い隠す付属部品の一例であるカバー63が設けられている。カバー63は、例えば非導電性の部材で構成されている。
【0049】
実施の形態1におけるカバー63は、天板部631と、天板部631の側端から垂下して回転軸251の端部251a,251bと軸受61の本体部611を挟んで向き合うように配置される一対の側板部632と、天板部631の端部から垂下して回転軸251の端面251cと間隔をおいて向き合うよう配置される端面板部633とを有する構造になっている。
【0050】
このうち天板部631は、
図3や図5に示されるように、回転軸251から離れて軸受61の本体部611よりも外側に位置するまでの幅と、支持フレーム62の側板部622の内側から揺動支持板68の
内側に至るまでの長さを有する板状の部分である。
一対の側板部632は、天板部631の幅方向における両端部からそれぞれ垂下して軸受61の本体部611を外側からそれぞれ覆い隠す程度の高さ寸法からなる板状の部分である。
端面板部633は、天板部631の長さ方向における外側の端部から垂下して軸受61の側壁面部615と支持フレーム62の側板部622との間に存在する状態になって、回転軸251の端面251cを外側から覆い隠す程度の高さ寸法からなる板状の部分である。端面板部633は、軸受61の側壁面部615と支持フレーム62の側板部622との双方に対して所要の間隔をおいて(隙間をあけて)対峙するように配置されている。
【0051】
このカバー63は、その一部(側板部622)が軸受61の本体部611と接合しており、また支持フレーム62のガイド支持部623に対して軸受61と一緒に上方方向に移動可能に支持されている。
【0052】
さらに、一次転写ロール250の支持構造では、
図3に示されるように、回転軸251の端部251a,251bのうち軸受61よりも内側の下面部に、一次転写用電圧を供給するための給電端子65が接触した状態で配置されている。
【0053】
給電端子65は、導電性部材からなるものであり、導電性を有するバネ64で回転軸251の端部251a,251bに対して付勢されて押圧された状態に保たれている。また給電端子65は、支持フレーム62の基板部621に固定して配置された送電板66を介して図示しない給電装置から供給される一次転写用電圧が通電されるようになっている。
【0054】
そして、この画像形成装置1における一次転写ロール250の支持構造においては、画像形成装置1の運搬の際に、
図2(B)に示されるように一次転写ロール250を退避位置に移動させた状態にする。
【0055】
この際、退避位置に移動させられた一次転写ロール250は、その弾性層252が中間転写ベルト31の外周面から所要の距離だけ離間した状態になる。
またこの際、一次転写ロール250の回転軸251の端部251a,251bは、軸受61やその付属部品のカバー63と一緒に、支持フレーム62の基板部621に接近する下方側に所要の距離だけ移動した状態になる。これにより、退避位置に移動した回転軸251の端部251a,251bは、軸受61の側壁面部615やカバー63の端面板部633とともに、支持フレーム62の側板部622に対してより接近して対峙した状態になる(
図8参照)。
【0056】
しかも、一次転写ロール250が退避位置に移動された場合、
図8に示されるように、カバー63の端面板部633は、支持フレーム62の側板部622との間に隙間S1が存在した状態になるとともに、軸受61の側壁面部615との間にも隙間S2が存在する状態になる。またこのとき一次転写ロール250自体も、その軸芯方向に少し変位し得る状態におかれる。
【0057】
このような隙間S1,S2が存在する状態で画像形成装置1の運搬が行われると、その運搬時に不規則な外力を受けた場合、一次転写ロール250が軸芯方向にも不規則に動くため、一次転写ロール250の回転軸251の端面251cが軸受61の側壁面部615に衝突し、さらには軸受61の側壁面部615を介してカバー63の端面板部633にひいては支持フレーム62の側板部622にも衝突して不測の衝撃を与えてしまうことがある。
この場合、その衝突による衝撃が強いと、例えば、軸受61の側壁面部615やカバー63の端面板部633が損傷又は破損してしまうことがある。
【0058】
そこで、この画像形成装置1においては、
図3から
図6等に示されるように、軸受61とそのカバー63に、一次転写ロール250が退避位置に移動したときに軸受61とカバー63が対向する支持フレーム62および軸受61の一部(側板部622や側壁面部615)に接触する接触部7を設けている。
【0059】
接触部7としては、カバー63の端面板部633に設けられて支持フレーム62の一部(側板部622)に接触する第1の接触部71と、軸受61の側壁面部615に設けられてカバー63の一部(端面板部633)に接触する第2の接触部73を採用している。
【0060】
第1の接触部71は、
図3、
図5、
図7等に示されるように、カバー63の端面板部633に、上下方向に直線状に延びる長方体状の隆起部(又は突起部)として設けられている。
この第1の接触部71は、
図7等に示されるように、カバー63の端面板部633と支持フレーム62の側板部622との間に存在する隙間S1に侵入して支持フレーム62の側板部622の内側面に接触した状態に保たれる高さをもって隆起又は突出した状態で形成されている。
【0061】
また第1の接触部71は、カバー63の端面板部633の上端から回転軸251の端面251cの一部と向き合う位置に存在する部分を有する形状で設けられている。これにより、第1の接触部71がその位置に存在する部分を有しない形状である場合に比べると、回転軸251の端面251cがカバー63の端面板部633に対して間接的に衝突したときに、カバー63の端面板部633や支持フレーム62の側板部622に衝撃を与えることが確実に抑制される。
また第1の接触部71は、
図3(A)等に示されるように、一次転写ロール250が使用位置に移動したときに支持フレーム62の側板部622に接触しないよう設けられている。
【0062】
さらに第1の接触部71は、
図7等に示されるように、退避位置に移動したときに対向して接触する支持フレーム62の側板部622に徐々に接近する斜面(テーパー面)71cを有した形状で構成されている。
実施の形態1では、
図7等に示されるように、支持フレーム62の側板部622のうち第1の接触部71が通過する上端部に、カバー63の端面板部633に次第に接近するよう下降する斜面622cを設けている。この斜面622cは、第1の接触部71を円滑に導入するための誘導面として使用される。
【0063】
一方、第2の接触部73は、
図3から
図7等に示されるように、軸受61の側壁面部615に、逆Uの字状の形態からなる隆起部(又は突起部)として設けられている。
この第2の接触部73は、
図7等に示されるように、軸受61の側壁面部615とカバー63の端面板部633との間に存在する隙間S2に介在してカバー63の端面板部633の内側面に接触した状態に保たれる高さをもって隆起又は突出した状態で形成されている。
【0064】
また第2の接触部73は、回転軸251の端面251cと向き合う位置に存在する部分を有した形状で構成されている。実施の形態1における第2の接触部73は、
図6等に示されるように、水平面部731と、水平面部731の左右端部から垂下して延びる一対の側壁面部732を有する形状で構成されている。このため、この場合の第2の接触部73では、その水平面部731と一対の側壁面部732の双方が回転軸251の端面251cと向き合う位置に存在する部分になる。
【0065】
さらに第2の接触部73は、
図6等に示されるように、カバー63の端面板部633における曲げられた少なくとも終端部(実施の形態1では上端部)に存在する状態で設けられている。
【0066】
以上のような接触部7(71,73)を設けた画像形成装置1においては、画像形成装置1の運搬の際に、
図2(B)に示されるように一次転写ロール250を退避位置に移動させた状態にした場合、一次転写ロール250の回転軸251の端部251a,251bがその周囲に間隔をおいて存在する軸受61の側壁面部615やカバー63の端面板部633等の部品に衝突して衝撃を与えることを、その接触部7(71,73)を設けない場合に比べて、抑制される。
【0067】
つまり、この画像形成装置1では、一次転写ロール250が退避位置に移動させられると、
図7(B)等に拡大して示されるように、第1の接触部71がカバー63の端面板部633と支持フレーム62の側板部622との間に存在する隙間S1に侵入して支持フレーム62の側板部622の内側面に接触した状態に保たれる。また、第2の接触部73は、使用位置に移動しているときも含めて、軸受61の側壁面部615とカバー63の端面板部633との間に存在する隙間S2に介在してカバー63の端面板部633の内側面に接触した状態に保たれる。
【0068】
これにより、その運搬時に不規則な外力を受けた場合、一次転写ロール250が軸芯方向にも不規則に動いて、その回転軸251の端面251cが軸受61の側壁面部615に衝突したとしても、上記隙間S1およびS2が存在しない状態になっているので、軸受61の側壁面部615に衝突したときの衝撃が軸受61の側壁面部615を含めてカバー63の端面板部633や支持フレーム62の側板部622に及ぶことが防止又は低減される。
この結果、その衝突による衝撃が強い場合であっても、例えば、軸受61の側壁面部615やカバー63の端面板部633が損傷又は破損してしまうおそれも低減される。
【0069】
また、この画像形成装置1では、支持フレーム62の一部である側板部622に接触する第1の接触部71を設けているので、その第1の接触部71を設けていない場合に比べると、一次転写ロール250の回転軸251の端部251a,251bが支持フレーム62の側板部622に衝突して衝撃を与えることが確実に抑制される。
【0070】
また、この画像形成装置1では、カバー63の一部である側板部632に接触する第2の接触部73を設けているので、その第2の接触部73を設けていない場合に比べると、一次転写ロール250の回転軸251の端部251a,251bが軸受61の側壁面部615の一部に衝突して衝撃を与えることが確実に抑制される。
【0071】
この他、画像形成装置1では、第1の接触部71について、一次転写ロール250が使用位置に移動したときに支持フレーム62の側板部622に接触しないよう設けられているので、そのように設けない場合に比べると、使用位置に移動したときに第1の接触部71が不用意に支持フレーム62の側板部622に接触して、一次転写ロール250の回転動作を制限して阻害するおそれがない。
【0072】
また画像形成装置1では、第1の接触部71について、退避位置に移動したときに対向して接触する支持フレーム62の側板部622に徐々に接近する斜面71cを有した形状で構成しているので、その斜面71cを有する形状で構成していない場合に比べると、一次転写ロール250が退避位置に移動する際、一緒に移動する軸受61やカバー63の動作が阻害されることなく円滑に行われるようになる。
【0073】
さらに画像形成装置1では、第2の接触部73について、回転軸251の端面251cと向き合う位置に存在する部分を有した形状で構成されているので、そのような位置に存在する部分を有した形状で構成しない場合に比べると、回転軸251の端面251cがカバー63の端面板部633に直接衝突したときに、カバー63の端面板部633やそれに隣接する支持フレーム62の側板部622に衝撃を与えることが確実に抑制される。
【0074】
また画像形成装置1では、第2の接触部73について、カバー63の端面板部633における曲げられた少なくとも上端部に存在する状態で設けられているので、その上端部に存在する状態で設けていない場合に比べると、回転軸251の端面251cが軸受61の側壁面部615の一部に衝突して衝撃を与えることがより確実に抑制される。
【0075】
[他の実施の形態]
この発明は、上記実施の形態1で例示した内容に何ら限定されるものではなく、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0076】
接触部7については、支持フレーム62の側板部622に設けるようにしてもよい。この場合、第2の接触部73を設けておくとよい。
【0077】
また接触部7については、軸受61の側壁面部615とカバー63の端面板部633に設けることに加えて、支持フレーム62の側板部622に設けるようにしてもよい。この場合、支持フレーム62の側板部622に設ける接触部7は、カバー63の端面板部633に設ける接触部と向き合う位置に設けても、あるいは、向き合わない位置に設けるようにしてもよい。
【0078】
また、接触部7を設けるロールの支持構造は、一次転写ロール250に限らず、画像形成装置1における他のロールの支持構造であっても構わない。
また、画像形成装置1についても、他の形式や種類のものを採用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 …画像形成装置
7 …接触部(接触部の一例)
31…中間転写ベルト
61…軸受
62…支持フレーム(支持手段の一例)
63…カバー(付属部品の一例)
71…第1の接触部
73…第2の接触部
250…一次転写ロール(ロールの一例)
251…回転軸
251a,251b…回転軸の端部
251c…端面
615…側壁面部(位置決め部分の一例)