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特許7392439情報処理装置、印刷システム及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、印刷システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
G06F3/12 362
G06F3/12 303
G06F3/12 375
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019220542
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2021089663
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大川 和宏
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-271931(JP,A)
【文献】特開2016-124255(JP,A)
【文献】特開2016-057932(JP,A)
【文献】特開2012-181775(JP,A)
【文献】特開2017-015975(JP,A)
【文献】特開2018-111294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、
前記ジョブの実行に利用する資材に関する情報であって、前記資材が前記グループの作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該グループの作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、
前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する
情報処理装置。
【請求項2】
前記時間帯とは、
前記実行計画の設定可能な他の時間帯と比較して、前記資材が前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯とは、
前記資材を利用できる状態であって、前記ジョブの実行により生じた結果物の納期を満たす時間帯である
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯とは、
前記資材を利用できる状態であって、前記ジョブの実行により生じた結果物の納期を満たす時間帯のうち、もっとも遅い時間帯である
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記時間帯とは、
前記ジョブを実行する機器又は当該機器の操作者ごとに管理される前記機器の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記時間帯とは、
前記稼働時間帯であって、前記資材を利用ができる状態になった以降の時間帯である
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記時間帯とは、
前記稼働時間帯であって、前記資材を利用ができる状態になった後の時間帯である
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記ジョブの実行により生じた結果物が異なる前記グループよりも遅い時間帯に、同じ前記結果物についての前記グループのジョブを実行する実行計画を作成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
もっとも遅い時間帯に、前記同じ結果物についての前記グループのジョブを実行する実行計画を作成する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ジョブの有する属性でまとめたグループの該ジョブを実行する実行計画を作成可能なプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記ジョブの実行に利用する資材に関する情報であって、前記資材が、前記実行計画の作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該実行計画の作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、
前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置が作成した実行計画に沿って、前記ジョブとしての印刷ジョブを実行する印刷装置と、
を備えた印刷システム。
【請求項12】
コンピュータに、
実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、
前記ジョブの実行に利用する資材に関する情報であって、前記資材が前記グループの作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該グループの作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、
前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、印刷システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷データの印刷先の備えている被記録媒体等の印刷資材の保有情報を保有印刷資材情報として取得する保有印刷資材情報取得手段と、印刷データから該印刷データの実行に際して被記録媒体等の印刷資材の必要情報を要求印刷資材情報として取得する要求印刷資材情報取得手段と、印刷データを受け付けて所定順序に印刷キューに登録して該印刷データの印刷順序を該印刷キューの順序で管理する印刷データ管理手段と、前記印刷キューに登録された印刷データの前記要求印刷資材情報と該印刷データの該印刷キューへの登録位置より前の印刷データの該要求印刷資材情報及び前記保有印刷資材情報に基づいて印刷可否判定を行う印刷可否判定手段と、前記印刷可否判定手段が印刷不可と判定した前記印刷データを、前記印刷キューから外して保留データ記憶手段に保留印刷データとして保留させる保留手段と、少なくとも前記保留データ記憶手段に保留されている前記保留印刷データに対して要求されている印刷完了期限情報を要求印刷完了期限情報として取得する要求印刷完了期限情報取得手段と、現在時間と前記保留印刷データの前記要求印刷完了期限情報に基づいて、現在時間が該要求印刷完了期限情報に対して所定の印刷完了残時間になると、該保留印刷データを前記印刷キューに戻す復帰手段と、を備えていることを特徴とする印刷データ管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-252675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、複数のジョブをジョブの有する属性でまとめて、グループを作成してグループ単位で処理を実行する場合において、当該属性およびその作成時における資材又は保管場所等、グループの作成時から処理を実行する時までに変化する情報に基づき、グループのジョブを実行する実行計画を作成したい場合に、グループの作成時において資材又は保管場所がジョブの実行に適さない状態となっていると、該グループを作成したよりも後に該ジョブが実行に適した状態になる場合でも、該ジョブが実行可能になる時間帯に対する実行計画を作成できなかった。
【0005】
本発明は、資材又は保管場所がグループの作成時にジョブの実行に適さない状態となっている場合でも、ジョブの実行に適した状態になる時間帯にジョブの属性でまとめたグループ単位で処理を実行するジョブの実行計画を作成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、前記ジョブの実行に利用する資材、又は、該ジョブの実行により生じた結果物を保管する保管場所に関する情報であって、前記資材又は前記保管場所が前記グループの作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該グループの作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する情報処理装置である。
【0007】
第2態様は、前記時間帯とは、前記実行計画の設定可能な他の時間帯と比較して、前記資材又は前記保管場所が前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯である第1態様に係る情報処理装置である。
【0008】
第3態様は、前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯とは、前記資材又は前記保管場所を利用できる状態であって、前記結果物の納期を満たす時間帯である第2態様に係る情報処理装置である。
【0009】
第4態様は、前記ジョブの実行に適した状態にある時間帯とは、前記資材又は前記保管場所を利用できる状態であって、前記結果物の納期を満たす時間帯のうち、もっとも遅い時間帯である第3態様に係る情報処理装置である。
【0010】
第5態様は、前記時間帯とは、前記ジョブを実行する機器又は当該機器の操作者ごとに管理される前記機器の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯である第1態様に係る情報処理装置である。
【0011】
第6態様は、前記時間帯とは、前記稼働時間帯であって、前記資材又は前記保管場所を利用ができる状態になった以降の時間帯である第5態様に係る情報処理装置である。
【0012】
第7態様は、前記時間帯とは、前記稼働時間帯であって、前記資材又は前記保管場所を利用ができる状態になった後の時間帯である第6態様に係る情報処理装置である。
【0013】
第8態様は、前記プロセッサは、異なる前記結果物についての前記グループよりも遅い時間帯に、同じ前記結果物についての前記グループのジョブを実行する実行計画を作成する第1態様に係る情報処理装置である。
【0014】
第9態様は、前記プロセッサは、もっとも遅い時間帯に、前記同じ結果物についての前記グループのジョブを実行する実行計画を作成する第8態様に係る情報処理装置である。
【0015】
第10態様は、ジョブの有する属性でまとめたグループの該ジョブを実行する実行計画を作成可能なプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記ジョブの実行に利用する資材、又は、該ジョブの実行により生じた結果物を保管する保管場所に関する情報であって、前記資材又は前記保管場所が、前記実行計画の作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該実行計画の作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する情報処理装置である。
【0016】
第11態様は、第1態様~第10態様のいずれか1つの態様に係る情報処理装置と、前記情報処理装置が作成した実行計画に沿って、前記ジョブとしての印刷ジョブを実行する印刷装置と、を備えた印刷システムである。
【0017】
第12態様は、コンピュータに、実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、前記ジョブの実行に利用する資材、又は、該ジョブの実行により生じた結果物を保管する保管場所に関する情報であって、前記資材又は前記保管場所が前記グループの作成時には前記ジョブの実行に適さないものの該グループの作成後に該実行に適した状態になることを示す前記情報を、該ジョブの処理の実行前に取得し、前記情報を用いて、該実行に適した状態になる時間帯に、前記グループのジョブの処理を前記グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
第1態様の構成、第11態様の構成及び第12態様の構成によれば、資材又は保管場所がグループの作成時にジョブの実行に適さない状態となっている場合でも、ジョブの実行に適した状態になる時間帯にジョブの属性でまとめたグループ単位で処理を実行するジョブの実行計画を作成できる。
【0019】
第2態様の構成によれば、他の時間帯よりも、ジョブの実行に適した時間帯に実行するように、ジョブの実行計画を作成できる。
【0020】
第3態様の構成によれば、結果物の納期に間に合う時間帯に実行するように、ジョブの実行計画を作成できる。
【0021】
第4態様の構成によれば、ジョブの実行に適した状態にある時間帯が結果物の納期を満たす時間帯のうち、もっとも遅い時間帯よりも早い時間帯である場合に比べ、保管場所のコストを抑えることができる。
【0022】
第5態様の構成によれば、機器又は操作者の稼働時間帯ごとにジョブを割り当てることで、機器又は操作者ごとに実行計画を作成できる。
【0023】
第6態様の構成によれば、資材又は保管場所を利用できるようになった以降の時間帯にジョブを割り当てることができる。
【0024】
第7態様の構成によれば、資材又は保管場所を利用できるようになった時間帯より後に、ジョブを割り当てることができる。
【0025】
第8態様の構成によれば、異なる結果物についてのグループと、同じ結果物についてのグループとが、同じ時間帯でジョブを実行する実行計画を作成する場合に比べ、同じ結果物の品質をそろえることができる。
【0026】
第9態様の構成によれば、もっとも遅い時間帯よりも早い時間帯に、同じ結果物についてのグループのジョブを実行する実行計画を作成する場合に比べ、保管場所のコストを抑えることができる。
【0027】
第10態様の構成によれば、資材又は保管場所が実行計画の作成時にジョブの実行に適さない状態となっている場合でも、ジョブの実行に適した状態になる時間帯にジョブの属性でまとめたグループ単位で処理を実行するジョブの実行計画を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る印刷装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る情報処理装置に格納される、ジョブ情報に関するデータベースを示す図である。
図6】第1実施形態に係る情報処理装置に格納される、資材情報に関するデータベースを示す図である。
図7】第1実施形態に係る情報処理装置に格納される、印刷装置の稼働時間帯の情報に関するデータベースを示す図である。
図8】第1実施形態に係る情報処理装置によって実行される実行計画作成処理の流れを示すフローチャートである。
図9図5に示すデータベースに対して、グループを作成した状態を示す図である。
図10図9に示すデータベースに対して、実行計画を作成した状態を示す図である。
図11図10に示すデータベースに対して、さらにグループを作成した状態を示す図である。
図12図11に示すデータベースに対して、さらに実行計画を作成した状態を示す図である。
図13】第1実施形態に係る情報処理装置に格納される、保管場所情報に関するデータベースを示す図である。
図14】第2実施形態に係る情報処理装置によって実行される実行計画作成処理の流れを示すフローチャートである。
図15】第2実施形態に係るデータベースに対して、グループを作成した状態を示す図である。
図16図15に示すデータベースに対して、実行計画を作成した状態を示す図である。
図17】第2変形例に係るデータベースに対して、実行計画を作成した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
《第1実施形態》
図1に示される印刷システム10は、記録媒体に印刷を行うシステムである。換言すれば、印刷システム10は、ジョブを実行する実行システムである。本実施形態では、ジョブとは、印刷ジョブを指し、一回の印刷指示によって指示される印刷動作の処理単位をいう。
【0030】
印刷システム10は、具体的には、図1に示されるように、複数(具体的には2つ)の印刷装置20と、情報処理装置50と、を備えている。情報処理装置50と印刷装置20の各々とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信回線19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
以下、印刷システム10の各部(具体的には、印刷装置20及び情報処理装置50)について説明する。
【0032】
(印刷装置20)
図2に示される印刷装置20は、記録媒体に印刷を行う装置である。換言すれば、印刷装置20は、ジョブを実行する実行装置である。印刷装置20は、具体的には、図2に示されるように、例えば、媒体収容部22と、媒体搬送部24と、印刷部26と、を有している。
【0033】
媒体収容部22は、記録媒体を収容する。媒体収容部22は、例えば、印刷装置20の装置本体21に対して引出及び収納が可能とされている。媒体収容部22には、例えば、印刷装置20を操作する操作者によって、装置本体21から引き出された状態で記録媒体が収容され、当該媒体収容部22が装置本体21に対して収納される。
【0034】
媒体搬送部24は、媒体収容部22に収容された記録媒体を印刷部26へ搬送する。印刷部26は、媒体搬送部24によって搬送された記録媒体に印刷を行う。換言すれば、印刷部26は、ジョブを実行する実行部である。具体的には、印刷部26は、例えば、帯電、露光、現像、転写、及び定着の各工程を経て、記録媒体に対して印刷を行う。
【0035】
(情報処理装置50)
図3に示される情報処理装置50は、情報を処理する装置である。情報処理装置50は、一例として、通信回線19によって印刷装置20の各々と接続されるパーソナル・コンピュータ(PC)とされる。なお、情報処理装置50としては、通信回線19によって印刷装置20の各々と接続されるサーバ装置等であってもよい。
【0036】
情報処理装置50は、具体的には、コンピュータとしての機能を備え、図3に示されるように、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、ストレージ54、通信インタフェース55、入力部56、表示部57及びタイマー58を有している。情報処理装置50の各部は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0037】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、情報処理プログラムを含む各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又はストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。
【0038】
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ54は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0039】
通信インタフェース55は、印刷装置20等の他の機器と通信するためのインタフェースである。入力部56は、例えば、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。表示部57は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。なお、表示部57として、タッチパネル方式のディスプレイを採用してもよい。この場合では、ディスプレイを入力部56として機能させても良い。タイマー58は、現在日時を計時する計時部である。
【0040】
上記のプログラムを実行する際に、情報処理装置50は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置50が実現する機能構成について説明する。図4は、情報処理装置50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0041】
図4に示されるように、情報処理装置50は、機能構成として、グループ作成部12と、取得部14と、計画作成部16と、を有している。各機能構成は、CPU51がROM52又はストレージ54に記憶された情報処理プログラム(具体的には実行計画作成処理プログラム)を読み出し、実行することにより実現される。
【0042】
グループ作成部12は、指示者の指示に応じて、実行する予定のジョブを、該ジョブの有する属性(以下、ジョブ属性という)でまとめたグループを作成する。指示者は操作者と同じである場合も異なっている場合もある。具体的には、グループ作成部12は、ジョブ属性でまとめ、且つ、印刷に利用可能な資材(後述参照)の量に収まるグループを作成する。
【0043】
「実行する予定のジョブ」は、実行の指示を受けて印刷装置20から印刷する内容を示したジョブである。
【0044】
「ジョブ属性」とは、複数のジョブが共通して有している特徴であり、複数のジョブをグループ分けするための基礎となる特徴である。本実施形態では、当該属性として、ジョブで指定された、ジョブの実行で用いられる用紙の種類(具体的には、用紙の材質及びサイズ)が用いられる。
【0045】
したがって、例えば、用紙Aを用いる複数のジョブと、用紙Bを用いる複数のジョブとが存在する場合には、グループ作成部12は、用紙Aを用いるジョブのグループと、用紙Bを用いるジョブのグループと、を作成する。
【0046】
また、前述の「指示者」は、具体的には、ジョブを実行する実行計画の作成を、入力部56を介して指示する者である。
【0047】
なお、当該属性としては、ジョブで指定された印刷枚数、印刷速度、顧客ID、発送予定、色数、実行する予定の印刷装置20などであってよく、これらの属性ごとに、ジョブのグループを作成してもよい。
【0048】
取得部14は、実行する予定のジョブに関する情報(以下、ジョブ情報という)を該ジョブの処理の実行前に取得する。ジョブ情報には、対応するジョブを実行する場合の実行枚数(具体的には印刷枚数)を示す情報と、ジョブの有する属性の情報と、が含まれる。本実施形態では、例えば、取得部14は、印刷装置20A、20Bのいずれかから通信回線19を介してジョブ情報を取得する。なお、ユーザにより入力部56で入力されることで、取得部14は、ジョブ情報を取得してもよい。
【0049】
取得部14が取得したジョブ情報は、データベース54A(図5参照)として、ストレージ54に格納される。具体的には、図5に示されるように、ジョブごとに、印刷枚数と、印刷に用いる用紙の種類との情報が、データベース54Aとして、ストレージ54に格納される。なお、図5に示されるデータベース54Aは、データベースの一例である。
【0050】
なお、ジョブの実行により生じた結果物の納期が指定されている場合、ジョブ情報に、ジョブの実行やジョブの実行を完了する納期など納期に関する情報が含まれることがある。「結果物」とはジョブを実行した結果、資材を材料として生成される成果物のことである。印刷を実行するジョブの場合には印刷物が該当する。
【0051】
また、取得部14は、ジョブの実行に利用する資材に関する情報(以下、資材情報という)を該ジョブの処理の実行前に取得する。資材とは、ジョブの実行に求められる材料である。資材には当該ジョブを実行する際に、実行計画を作成する装置またはジョブを実行する装置とは分離可能な媒体であって、外部から補充又は提供される媒体がある。例えば印刷を実行するジョブに対しては、インクや用紙などの消耗品が資材に含まれる。資材情報には、具体的には、例えば、インク、用紙(ロール紙、連帳紙、カット紙など)等の記録媒体などの印刷に利用する消耗品の情報が含まれる。本実施形態では、一例として、印刷に利用する用紙の情報を、資材情報として取得する。
【0052】
さらに具体的には、取得部14は、資材情報として、グループの作成時に存在する資材の在庫枚数と、グループの作成後に資材が入荷される入荷予定日時及び入荷予定枚数との情報を取得する。また、取得部14は、現在日時を、グループの作成時の情報として取得する。なお、取得部14は、現在日時の情報をタイマー58から取得する。
【0053】
取得部14が取得した資材情報は、データベース54B(図6参照)として、ストレージ54に格納される。具体的には、図6に示されるように、用紙の種類ごとに、用紙の現在の在庫枚数と、入荷予定日時と、入荷予定枚数と、の情報が、データベース54Bとして、ストレージ54に格納される。なお、図6に示されるデータベース54Bは、データベースの一例である。
【0054】
さらに、取得部14は、印刷装置20ごとに管理される印刷装置20の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯の情報をジョブの処理の実行前に取得する。当該情報は、図7に示されるデータベース54Cとして、ストレージ54に格納される。なお、印刷装置20は、機器の一例である。また、図7に示されるデータベース54Cは、データベースの一例である。
【0055】
本実施形態では、資材情報、及び印刷装置20の稼働時間帯の情報がユーザにより入力部56で入力されることで、取得部14は、当該情報を取得する。なお、これらの情報が、外部装置によって生成された後、情報処理装置50へ送信され、当該情報を取得部14が取得する構成であってもよい。
【0056】
本実施形態では、取得部14が取得した資材情報等により、資材がグループの作成時にジョブの実行に適さない状態(以下、不適状態という)にあるものの該グループの作成後に該実行に適した状態(以下、適状態という)になる時間帯を求め、後述のように、計画作成部16が、当該時間帯に、グループのジョブの処理を該グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する。したがって、取得部14が取得した資材情報等は、資材がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になることを示す情報といえる。
【0057】
そして、本実施形態では、計画作成部16は、資材情報を用いて、該適状態になる時間帯(すなわち、資材がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になる時間帯)に、グループのジョブを実行する実行計画を作成する。
【0058】
当該時間帯は、実行計画に設定可能な他の時間帯と比較して、資材がジョブの実行に適した時間帯が含まれる。例えば実行計画が複数の時間帯から構成されるときに複数の時間帯の中から、もっとも適した時間帯や、複数の時間帯のうちいずれか一つ以上の時間帯よりも適した時間帯である。
【0059】
「実行計画」とは、どのジョブをどの時間帯に実行するかを示すものである。例えば、実行計画に従って機器がジョブを実行し、操作者や管理者は実行計画を見ることで、ジョブの実行予定であったり、該ジョブの実行についての進捗を把握したりすることができる。
【0060】
「適状態」とは、ジョブの実行に利用する資材が、利用できる状態をいう。具体的には、「適状態」とは、ジョブの実行に利用する資材が、ジョブの実行を完了するのに必要な必要量(具体的には枚数)、そろっている状態をいう。
【0061】
「不適状態」とは、ジョブの実行に利用する資材が、利用できない状態をいう。具体的には、「不適状態」とは、ジョブの実行に用いる資材が、ジョブの実行を完了するのに必要な必要量、そろっていない状態をいう。したがって、ジョブの実行に用いる資材が存在する場合でも、当該資材が必要量ない場合には、「不適状態」である。
【0062】
なお、「適状態」には、ジョブの実行に用いる資材が、ジョブの実行を完了するまでに必要な必要量、そろっている状態であっても、その状態となった後にジョブを実行することが合理的な場合には、当該合理的な状態をもって、「適状態」としてもよい。この場合では、当該合理的な状態になるまでは、「不適状態」となる。
【0063】
当該合理的な状態とは、例えば、印刷物を保管場所で保管する期間を短くするために、ジョブの実行を遅らせる場合が該当する。印刷を出力するジョブの結果物である印刷物の出力が完了した後、保管する印刷物を出荷する期日として指定された納期まで保管場所で印刷物が保管されることがあるが、印刷物を保管する保管期間を短くするために、印刷のジョブの実行を遅らせることがある。資材の場合にも、納品までに印刷のジョブについての要求仕様が変更されることを考慮して、印刷のジョブの実行を遅らせる場合がある。
【0064】
結果物の納期が指定されている場合、ジョブの実行に適した状態にある時間帯は納期を満たす時間帯である。具体的には、印刷を実行するジョブの場合、3月27日が印刷物の出荷の納期として指定されていれば、少なくとも同年の3月27日には印刷物として保管場所で保管される。納期を満たす時間帯として例えば、納期日にジョブの実行またはジョブの実行を完了する時間帯、納期である納期日より前の時間帯にジョブの実行またはジョブの実行を完了する時間帯、納期の日より前の一定期間に含まれ、その期間内において最も納期の日に近い時間帯、納期日より前の時間帯の中でも最も遅くジョブの実行または完了がされる時間帯がある。つまり納期を満たす範囲で更に追加する条件によって、納期の日である3月27日の午前中に印刷物が保管場所に保管される、納期の日の一週間前である3月20日に印刷物が保管場所に保管される、3月26日の稼働終了間際に印刷物が保管場所に保管されるなど、ジョブの実行に適した時間帯が異なっても良い。
【0065】
このように、ジョブの実行に適した状態にある時間帯は、資材を利用できる状態であって、結果物の納期を満たす時間帯のうち、もっとも遅い時間帯であってもよい。
【0066】
(第1実施形態に係る作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。図8は、情報処理装置50によって実行される実行計画作成処理の流れを示すフローチャートである。実行計画作成処理は、ジョブを実行する実行計画を作成する処理であり、情報処理の一例である。この実行計画作成処理は、例えば、ユーザによって入力部56を介して実行計画作成処理の実行が指示されることにより開始される。
【0067】
本実施形態に係る実行計画作成処理は、CPU51がROM52又はストレージ54から実行計画作成処理プログラムを読み出して実行することにより行なわれる。
【0068】
図8に示されるように、実行計画作成処理が開始されると、CPU51は、実行する予定のジョブのジョブ情報を、印刷装置20A、20Bのいずれかから通信回線19を介して取得する(ステップS102)。さらに、CPU51は、該ジョブ情報を、例えば、図5に示されるデータベース54Aとして、ストレージ54に格納する。前述のように、ジョブ情報には、ジョブを実行する場合の実行枚数(具体的には印刷枚数)の情報と、ジョブの有する属性(具体的には、印刷に利用する用紙の種類)の情報と、が含まれる。
【0069】
なお、以下では、印刷装置20Aからジョブ情報を取得したものとして説明する。また、本実施形態では、例えば、図5に示されるように、各ジョブにおいて印刷に利用する用紙の種類として、用紙Aと用紙Bとがあるものとする。さらに、ジョブは、例えば、取得された順に、ジョブ1から並んでいるものとする。
【0070】
次に、CPU51は、資材情報を、ユーザによって入力部56で入力されることにより取得する(ステップS103)。具体的には、CPU51は、資材情報として、資材の現在の在庫枚数、資材の納入予定(具体的には、入荷予定日時及び入荷予定枚数)の情報、及び現在日時の情報を取得する。さらに、CPU51は、該資材情報は、図6に示されるデータベース54Bとして、ストレージ54に格納する。本実施形態では、例えば、現在日時をグループ作成時とする。すなわち、CPU51は、現在日時の情報をグループ作成時の情報として取得する。
【0071】
なお、本実施形態では、一例として、図6に示されるように、現在の資材の在庫枚数は、用紙Aが9000枚とされ、用紙Bが8000枚とされている。また、本実施形態では、一例として、用紙A及び用紙Bが、5000枚ずつ、1月10日の17:00に納入される予定となっている。また、本実施形態では、一例として、現在日時が1月10日の7:00とされている。
【0072】
なお、本実施形態では、現在日時をグループ作成時としたが、これに限られない。例えば、実行計画作成処理が終了する予定時点などをグループ作成時としてもよい。当該予定時点は、例えば、現在日時に予め定められた時間を加算した日時とされる。グループ作成時は、例えば、実行計画作成処理を開始したから終了するまでの期間内で設定することが好ましい。
【0073】
次に、CPU51は、印刷装置20A、20Bの稼働時間の情報を、ユーザ等によって入力部56で入力されることにより取得する(ステップS104)。当該情報は、図7に示されるデータベース54Cとして、ストレージ54に格納される。本実施形態では、図7に示されるように、例えば、印刷装置20Aの稼働時間帯が8:00‐18:00とされ、印刷装置20Bの稼働時間帯が9:00‐19:00とされている。
【0074】
次に、CPU51は、現在日時(本実施形態では1月10日、7:00)の次の印刷装置20A(すなわちジョブ情報を取得した印刷装置20)の稼働時間帯を、判断の対象となる稼働時間帯(以下、対象時間帯という)とする(ステップS105)。具体的には、本実施形態では、CPU51は、例えば、1月10日、8:00‐18:00を対象時間帯とする。
【0075】
次に、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、利用可能な資材が有るか否かを判断する(ステップS106)。CPU51は、ステップS106にて、利用可能な資材が有ると判断した場合は、ステップS108に移行し、利用可能な資材がないと判断した場合は、ステップS114に移行する。
【0076】
本実施形態では、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、現在の在庫である用紙A9000枚及び用紙B8000枚が利用可能であるため、CPU51は、ステップS106にて利用可能な資材が有ると判断し、ステップS108に移行する。
【0077】
ステップS108では、CPU51は、当該利用可能な資材の枚数にて、実行可能なジョブがあるか否かを判断する。CPU51は、ステップS108にて、実行可能なジョブがあると判断した場合は、ステップS110に移行し、実行可能なジョブがないと判断した場合は、ステップS114に移行する。
【0078】
本実施形態では、利用可能な用紙Aが9000枚であるのに対して、ジョブ1は、印刷に利用する用紙種類が用紙Aで、印刷枚数3000枚であるので、CPU51は、ステップS108にて、実行可能なジョブがあると判断し、ステップS110に移行する。
【0079】
ステップS110では、CPU51は、ジョブを、ジョブ属性でまとめ、且つ、当該資材の枚数に収まるグループを作成する。
【0080】
本実施形態では、CPU51は、まず、ジョブを、用紙Aを用いるジョブでまとめ、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)における用紙Aの利用可能枚数(9000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図9に示されるように、一例として、ジョブ1(印刷枚数3000枚)及びジョブ3(印刷枚数5000枚)が、グループ1として、グループ分けされる。本実施形態では、ジョブを、例えば、ジョブ1から順番にグループに加えていき、資材の枚数を超えた場合に、当該加えたジョブの1つ前のジョブまでを1つのグループとして、グループを作成する。
【0081】
なお、予め定めた別の基準によってグループに加える順番を決めてもよい。また、公知のアルゴリズム(ナップサック問題)により、利用可能な資材にできるだけ多く使うようにグループを作成してもよい。
【0082】
このように、用いる用紙種類が同じジョブでまとめ、且つ対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)に収まるグループとして、ジョブ1(印刷枚数3000枚)及びジョブ3(印刷枚数5000枚)を含むグループ1が作成される。換言すれば、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、資材としての用紙Aが、ジョブ1及びジョブ3の実行に適した状態にあるといえる。
【0083】
次に、CPU51は、ジョブを、用紙Bを用いるジョブでまとめ、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)における用紙Bの利用可能枚数(8000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図9に示されるように、一例として、ジョブ2(印刷枚数5000枚)が、グループ2として、グループ分けされる。
【0084】
換言すれば、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、資材としての用紙Bが、ジョブ2の実行に適した状態にあるといえる。
【0085】
次に、CPU51は、ステップS110で作成されたグループのジョブを、実行に適した状態になる時間帯に実行する実行計画を作成する(ステップS112)。具体的には、本実施形態では、図10に示されるように、CPU51は、グループ1のジョブ1及びジョブ3と、グループ2のジョブ2とを、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)に実行する実行計画を作成する。
【0086】
次に、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)の後に、用紙の納入予定がないかどうかを判断する(ステップS114)。CPU51は、ステップS114にて用紙の納入予定があると判断した場合は、ステップS116に移行し、用紙の納入予定がないと判断した場合は、実行計画作成処理を終了する。
【0087】
本実施形態では、用紙A及び用紙Bが、5000枚ずつ、1月10日の17:00に納入される予定となっているので(図6参照)、CPU51は、ステップS114にて用紙の納入予定があると判断し、ステップS116に移行する。
【0088】
ステップS116では、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)の次の印刷装置20Aの稼働時間帯を、対象時間帯とし、ステップS106に移行する。具体的には、本実施形態では、1月11日、8:00‐18:00が対象時間帯となる。
【0089】
以下、ステップS114にて用紙の納入予定がないと判断されるまで、各ステップが繰り返される。本実施形態では、さらに、以下のように、各ステップを経て、実行計画作成処理を終了する。
【0090】
CPU51は、ステップS106にて、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において利用可能な資材が有るか否かを判断する。本実施形態では、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)に、用紙A6000枚及び用紙B8000枚が利用可能であるため、CPU51は、ステップS106にて利用可能な資材が有ると判断し、ステップS108に移行する。
【0091】
具体的には、当該利用可能な枚数は、「現在の在庫枚数-前の対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)での利用枚数+納入枚数」により算出される。用紙Aについては、9000-8000+5000=6000枚となり、用紙Bについては、8000-5000+5000=8000枚となる。
【0092】
ステップS108では、CPU51は、当該資材の枚数にて、実行可能なジョブがあるか否かを判断する。本実施形態では、利用可能な用紙Aが6000枚であるのに対して、ジョブ4は、印刷に利用する用紙種類が用紙Aで、印刷枚数5000枚であるので、CPU51は、ステップS108にて、実行可能なジョブがあると判断し、ステップS110に移行する。
【0093】
ステップS110では、CPU51は、ジョブを、ジョブ属性でまとめ、且つ、当該資材の枚数に収まるグループを作成する。
【0094】
本実施形態では、CPU51は、まず、ジョブを、用紙Aを用いるジョブでまとめ、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)における用紙Aの利用可能枚数(6000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図11に示されるように、一例として、ジョブ4(印刷枚数5000枚)が、グループ3として、グループ分けされる。
【0095】
換言すれば、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において、資材としての用紙Aが、ジョブ4の実行に適した状態にあるといえる。
【0096】
次に、CPU51は、ジョブを、用紙Bを用いるジョブでまとめ、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)における用紙Bの利用可能枚数(8000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図11に示されるように、一例として、ジョブ5(印刷枚数4000枚)及びジョブ8(印刷枚数4000枚)が、グループ4として、グループ分けされる。
【0097】
換言すれば、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において、資材としての用紙Bが、ジョブ5及びジョブ8の実行に適した状態にあるといえる。
【0098】
次に、ステップS110で作成されたグループのジョブを、実行に適した状態になる時間帯に実行する実行計画を作成する(ステップS112)。具体的には、本実施形態では、図12に示されるように、CPU51は、グループ3のジョブ4と、グループ4のジョブ5及びジョブ8とを、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)に実行する実行計画を作成する。
【0099】
次に、CPU51は、対象時間帯の後に、用紙の納入予定がないかどうかを判断する(ステップS114)。本実施形態では、納入予定がないので、CPU51は、ステップS114にて用紙の納入予定がないと判断し、実行計画作成処理を終了する。
【0100】
作成された実行計画(図12参照)は、情報処理装置50の表示部57にて表示される。なお、実行計画は、印刷装置20Aにて印刷される構成であってもよい。
【0101】
さらに、情報処理装置50が作成した実行計画に基づき、印刷装置20Aは、駆動が制御される。すなわち、印刷装置20Aは、情報処理装置50が作成した実行計画を、通信回線19を介して読み出し、該実行計画に沿って、印刷ジョブを実行する。
【0102】
以上のように、本実施形態では、資材がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になることを示す情報を用いて、資材がグループの作成後に適状態になる時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このため、資材がグループの作成時に不適状態となっている場合でも、ジョブの実行に適した状態になる時間帯にジョブの属性でまとめたグループ単位で処理を実行するジョブの実行計画を作成できる。
【0103】
具体的には、本実施形態では、印刷装置20ごとに管理される印刷装置20の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このように、印刷装置20の稼働時間帯ごとにジョブを割り当てることで、印刷装置20ごとに実行計画を作成できる。
【0104】
さらに具体的には、本実施形態では、当該稼働時間帯であって、資材を利用ができる状態になった以降の時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このため、資材を利用できるようになった時間帯にジョブを割り当てることができる。
【0105】
なお、本実施形態において、例えば、ジョブ1及びジョブ3における印刷物の納期が、1月12日、19:00に指定されている場合では、当該納期の直前の稼働時間帯(1月12日、8:00‐18:00)にジョブを実行する実行計画を作成するようにしてもよい。この場合では、印刷物を保管場所で保管する期間が短くなり、保管場所のコストが抑えられる。また、印刷条件の変更に対応可能な期間が長く確保される。
【0106】
《第2実施形態》
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一に構成された部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0107】
前述の第1実施形態では、取得部14が資材情報を取得していたが、これに替えて、本実施形態では、取得部14が、ジョブの実行により生じた結果物を保管する保管場所に関する情報(以下、保管場所情報という)を該ジョブの処理の実行前に取得する。
【0108】
保管場所情報は、印刷が完了した用紙(すなわち、結果物の一例としての印刷物)を納品まで保管する場所の情報である。
【0109】
具体的には、取得部14は、保管場所情報として、グループの作成時に印刷物が保管できる保管可能枚数と、グループの作成後に印刷物の保管枚数が増加する増加予定日時及び増加予定枚数との情報を取得する。また、取得部14は、現在日時を、グループの作成時の情報として取得する。なお、取得部14は、現在日時の情報をタイマー58から取得する。
【0110】
取得部14が取得した保管場所情報は、データベース54D(図13参照)として、ストレージ54に格納される。具体的には、図13に示されるように、印刷物の現在の保管可能枚数と、増加予定日時と、増加予定枚数と、の情報が、データベース54Dとして、ストレージ54に格納される。
【0111】
本実施形態では、保管場所情報、及び印刷装置20の稼働時間帯の情報がユーザにより入力部56で入力されることで、取得部14は、当該情報を取得する。なお、これらの情報が、外部装置によって生成された後、情報処理装置50へ送信され、当該情報を取得部14が取得する構成であってもよい。
【0112】
本実施形態では、取得部14が取得した保管場所情報等により、保管場所がグループの作成時にジョブの実行に適さない状態(以下、不適状態という)にあるものの該グループの作成後に該実行に適した状態(以下、適状態という)になる時間帯を求め、後述のように、計画作成部16が、当該時間帯に、グループのジョブの処理を該グループのグループ単位で実行する実行計画を作成する。したがって、取得部14が取得した保管場所情報等は、保管場所がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になることを示す情報といえる。
【0113】
そして、第2実施形態では、計画作成部16が、保管場所情報を用いて、該適状態になる時間帯(すなわち、保管場所がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になる時間帯)に、グループのジョブを実行する実行計画を作成する。
【0114】
当該時間帯は、実行計画に設定可能な他の時間帯と比較して、結果物の保管場所がジョブの実行に適した時間帯が含まれる。例えば実行計画が複数の時間帯から構成されるときに複数の時間帯の中から、もっとも適した時間帯や、複数の時間帯のうちいずれか一つ以上の時間帯よりも適した時間帯である。
【0115】
ここでの「適状態」とは、保管場所が、利用できる状態をいう。具体的には、「適状態」とは、保管場所が、印刷物の保管に必要な必要量(具体的には必要枚数)分の空間(すなわちスペース)を有している状態をいう。また、前述の「該適状態になる時間帯」には、ジョブの実行時には保管場所に空がない場合であっても、ジョブの実行が完了する、または保管場所に保管する際に空があるような状態が含まれる。
【0116】
ここでの「不適状態」とは、保管場所が、利用できない状態をいう。具体的には、「不適状態」とは、保管場所が、印刷物の保管に必要な必要量(具体的には必要枚数)分の空間を有していない状態をいう。したがって、印刷物を保管する空間が保管場所に存在する場合でも、当該空間が当該必要量を満たしていない場合には、「不適状態」である。
【0117】
なお、「適状態」には、保管場所の空間が必要量を満たしている状態であっても、その状態となった後にジョブを実行することが合理的な場合には、当該合理的な状態をもって、「適状態」としてもよい。この場合では、当該合理的な状態になるまでは、「不適状態」となる。
【0118】
当該合理的な状態とは、例えば、保管場所で保管する期間を短くするために、ジョブの実行を遅らせる場合が該当する。印刷を出力するジョブの結果物である印刷物の出力が完了した後、保管する印刷物を出荷する期日として指定された納期まで保管場所で印刷物が保管されることがあるが、印刷物を保管する保管期間を短くするために、印刷のジョブの実行を遅らせることがある。資材の場合にも、納品までに印刷のジョブについての要求仕様が変更されることを考慮して、印刷のジョブの実行を遅らせる場合がある。
【0119】
結果物の納期が指定されている場合、ジョブの実行に適した状態にある時間帯は納期を満たす時間帯である。具体的には、印刷を実行するジョブの場合、3月27日が印刷物の出荷の納期として指定されていれば、少なくとも同年の3月27日には印刷物として保管場所で保管される。納期を満たす時間帯として例えば、納期日にジョブの実行またはジョブの実行を完了する時間帯、納期である納期日より前の時間帯にジョブの実行またはジョブの実行を完了する時間帯、納期の日より前の一定期間に含まれ、その期間内において最も納期の日に近い時間帯、納期日より前の時間帯の中でも最も遅くジョブの実行または完了がされる時間帯がある。つまり納期を満たす範囲で更に追加する条件によって、納期の日である3月27日の午前中に印刷物が保管場所に保管される、納期の日の一週間前である3月20日に印刷物が保管場所に保管される、3月26日の稼働終了間際に印刷物が保管場所に保管されるなど、ジョブの実行に適した時間帯が異なっても良い。
【0120】
このように、ジョブの実行に適した状態にある時間帯は、保管場所を利用できる状態であって、結果物の納期を満たす時間帯のうち、もっとも遅い時間帯であってもよい。
【0121】
(第2施形態に係る作用)
次に、第2実施形態の作用について説明する。図14は、情報処理装置50によって実行される実行計画作成処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、図8に示される処理と同じ部分については、同一の符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0122】
図8におけるステップS103に替えて、CPU51は、保管場所情報を、ユーザによって入力部56で入力されることにより取得する(ステップS123)。具体的には、CPU51は、保管場所情報として、保管場所の現在の保管可能枚数、増加予定日時、及び増加予定枚数の情報、及び現在日時の情報を取得する。さらに、CPU51は、該保管場所情報は、図13に示されるデータベース54Dとして、ストレージ54に格納する。本実施形態では、例えば、現在日時をグループ作成時とする。すなわち、CPU51は、現在日時の情報をグループ作成時の情報として取得する。
【0123】
なお、本実施形態では、一例として、図13に示されるように、現在の保管可能枚数が17000枚とされている。また、本実施形態では、一例として、1月10日の17:00に、保管枚数が10000枚分増加する予定となっている。また、本実施形態では、一例として、図7に示されるように、例えば、現在日時が1月10日の7:00とされている。
【0124】
図8におけるステップS106に替えて、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、利用可能な保管場所が有るか否かを判断する(ステップS126)。CPU51は、ステップS126にて、利用可能な保管場所が有ると判断した場合は、ステップS128に移行し、利用可能な保管場所がないと判断した場合は、ステップS134に移行する。
【0125】
本実施形態では、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、現在の保管可能枚数17000枚が利用可能であるため、CPU51は、ステップS126にて利用可能な保管場所が有ると判断し、ステップS128に移行する。
【0126】
ステップS128では、CPU51は、当該利用可能な保管場所の保管可能枚数にて、実行可能なジョブがあるか否かを判断する。CPU51は、ステップS128にて、実行可能なジョブがあると判断した場合は、ステップS130に移行し、実行可能なジョブがないと判断した場合は、ステップS134に移行する。
【0127】
本実施形態では、利用可能な保管可能枚数が17000枚であるのに対して、ジョブ1は、印刷枚数3000枚であるので、CPU51は、ステップS128にて、実行可能なジョブがあると判断し、ステップS130に移行する。
【0128】
ステップS130では、CPU51は、ジョブを、ジョブ属性でまとめ、且つ、当該保管可能枚数に収まるグループを作成する。
【0129】
本実施形態では、CPU51は、ジョブを、用紙Aを用いるジョブと用紙Bを用いるジョブとで、それぞれまとめ、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)における保管可能枚数(17000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図9に示されるように、一例として、ジョブ1(印刷枚数3000枚)及びジョブ3(印刷枚数5000枚)が、グループ1としてグループ分けされ、ジョブ2(印刷枚数5000枚)が、グループ2としてグループ分けされる。
【0130】
換言すれば、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、保管場所が、グループ1のジョブ1及びジョブ3と、グループ2のジョブ2との実行に適した状態にあるといえる。
【0131】
次に、CPU51は、ステップS130で作成されたグループのジョブを、実行に適した状態になる時間帯に実行する実行計画を作成する(ステップS132)。具体的には、本実施形態では、図10に示されるように、CPU51は、グループ1のジョブ1及びジョブ3と、グループ2のジョブ2とを、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)に実行する実行計画を作成する。
【0132】
次に、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)の後に、保管枚数が増加する予定がないかどうかを判断する(ステップS134)。CPU51は、ステップS134にて保管枚数が増加する予定があると判断した場合は、ステップS116に移行し、保管枚数が増加する予定がないと判断した場合は、実行計画作成処理を終了する。
【0133】
本実施形態では、1月10日の17:00に、保管枚数が10000枚分増加する予定とされているので(図13参照)、CPU51は、ステップS134にて、保管枚数が増加する予定があると判断し、ステップS116に移行する。
【0134】
ステップS116では、CPU51は、対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)の次の印刷装置20Aの稼働時間帯を、対象時間帯とし、ステップS126に移行する。具体的には、本実施形態では、1月11日、8:00‐18:00が対象時間帯となる。
【0135】
以下、ステップS134にて保管枚数が増加する予定がないと判断されるまで、各ステップが繰り返される。本実施形態では、さらに、以下のように、各ステップを経て、実行計画作成処理を終了する。
【0136】
CPU51は、ステップS126にて、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において利用可能な保管場所が有るか否かを判断する。本実施形態では、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)に、14000枚が利用可能であるため、CPU51は、ステップS126にて利用可能な保管場所が有ると判断し、ステップS128に移行する。
【0137】
具体的には、当該利用可能な保管枚数は、「現在の保管可能枚数-前の対象時間帯(1月10日、8:00‐18:00)での利用枚数+増加枚数」により算出される。当該保管枚数は、17000-13000+10000=14000枚となる。
【0138】
ステップS128では、CPU51は、当該利用可能な保管枚数にて、実行可能なジョブがあるか否かを判断する。本実施形態では、利用可能な保管枚数14000枚であるのに対して、ジョブ4は、印刷枚数5000枚であるので、CPU51は、ステップS128にて、実行可能なジョブがあると判断し、ステップS130に移行する。
【0139】
ステップS130では、CPU51は、ジョブを、ジョブ属性でまとめ、且つ、当該資材の枚数に収まるグループを作成する。
【0140】
本実施形態では、CPU51は、ジョブを、用紙Aを用いるジョブと用紙Bを用いるジョブとで、それぞれまとめ、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)における保管可能枚数(14000枚)に収まるグループを作成する。本実施形態では、図15に示されるように、一例として、ジョブ4(印刷枚数5000枚)及びジョブ6(印刷枚数3000枚)が、グループ3として、グループ分けされ、ジョブ5(印刷枚数4000枚)が、グループ4として、グループ分けされる。
【0141】
換言すれば、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において、保管場所が、グループ3のジョブ4及びジョブ6と、グループ4のジョブ5との実行に適した状態にあるといえる。
【0142】
次に、ステップS130で作成されたグループのジョブを、実行に適した状態になる時間帯に実行する実行計画を作成する(ステップS132)。具体的には、本実施形態では、図16に示されるように、CPU51は、グループ3のジョブ4及びジョブ6と、グループ4のジョブ5とを、対象時間帯(1月11日、8:00‐18:00)に実行する実行計画を作成する。
【0143】
次に、CPU51は、対象時間帯の後に、保管枚数が増加する予定がないかどうかを判断する(ステップS134)。本実施形態では、保管枚数が増加する予定がないので、CPU51は、ステップS134にて保管枚数が増加する予定がないと判断し、実行計画作成処理を終了する。
【0144】
作成された実行計画(図16参照)は、情報処理装置50の表示部57にて表示される。なお、実行計画は、印刷装置20Aにて印刷される構成であってもよい。
【0145】
さらに、情報処理装置50が作成した実行計画に基づき、印刷装置20Aは、駆動が制御される。すなわち、印刷装置20Aは、情報処理装置50が作成した実行計画を、通信回線19を介して読み出し、該実行計画に沿って、印刷ジョブを実行する。
【0146】
以上のように、本実施形態では、保管場所がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になることを示す情報を用いて、保管場所がグループの作成後に適状態になる時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このため、保管場所がグループの作成時に不適状態となっている場合でも、ジョブの実行に適した状態になる時間帯にジョブの属性でまとめたグループ単位で処理を実行するジョブの実行計画を作成できる。
【0147】
具体的には、本実施形態では、印刷装置20ごとに管理される印刷装置20の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このように、印刷装置20の稼働時間帯ごとにジョブを割り当てることで、印刷装置20ごとに実行計画を作成できる。
【0148】
さらに具体的には、本実施形態では、当該稼働時間帯であって、保管場所を利用ができる状態になった以降の時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画が作成される。このため、保管場所を利用できるようになった時間帯にジョブを割り当てることができる。
【0149】
なお、本実施形態において、例えば、ジョブ1及びジョブ3における印刷物の納期が、1月12日、19:00に指定されている場合では、当該納期の直前の稼働時間帯(1月12日、8:00‐18:00)にジョブを実行する実行計画を作成するようにしてもよい。この場合では、印刷物を保管場所で保管する期間が短くなり、保管場所のコストが抑えられる。また、印刷条件の変更に対応可能な期間が長く確保される。
【0150】
また、前述の第1実施形態では、取得部14が資材情報を取得していたが、これに加えて、取得部14が、保管場所情報をジョブの処理の実行前に取得する構成であってもよい。この構成では、計画作成部16が、資材情報及び保管場所情報を用いて、資材及び保管場所がグループの作成時にジョブの実行に適さない状態(以下、不適状態という)にあるものの該グループの作成後に該実行に適した状態(以下、適状態という)になる時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画を作成する。
【0151】
ここでの「適状態」とは、資材が必要な必要量(具体的には必要枚数)そろっている状態であり、且つ、保管場所が、印刷物の保管に必要な必要量(具体的には必要枚数)分の空間(すなわちスペース)を有している状態をいう。
【0152】
ここでの「不適状態」とは、資材が必要な必要量(具体的には必要枚数)そろっていない状態か、保管場所が、印刷物の保管に必要な必要量(具体的には必要枚数)分の空間を有していない状態をいう。
【0153】
(第1変形例)
前述の第1、第2実施形態では、前述のように、グループの作成後に適状態になる時間帯として、例えば、現在日時(1月10日、7:00)の次の印刷装置20の稼働時間帯(1月10日、8:00‐18:00)に、グループ1のジョブ1及びジョブ3を実行する実行計画を作成していたが、これに限られない。
【0154】
例えば、当該稼働時間帯(1月10日、8:00‐18:00)に実行可能なグループのジョブ(例えばグループ1のジョブ1及びジョブ3)を、その稼働時間帯の後の稼働時間帯(例えば、1月11日、8:00‐18:00)に実行する実行計画を作成してもよい。
【0155】
すなわち、印刷装置20の稼働時間帯であって、資材又は保管場所を利用ができる状態になった後の時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画を作成してもよい。この構成によれば、資材又は保管場所を利用できるようになった時間帯より後にジョブを割り当てることができる。
【0156】
また、本変形例のように、グループのジョブを実行する稼働時間帯を遅らせることで、印刷物を保管場所で保管する期間が短くなり、保管場所のコストが抑えられる。また、印刷条件の変更に対応可能な期間が長く確保される。
【0157】
なお、本変形例では、当該稼働時間帯(1月10日、8:00‐18:00)が「他の時間帯」の一例であり、その稼働時間帯の後の稼働時間帯(例えば、1月11日、8:00‐18:00)が、「他の時間帯と比較して資材又は保管場所がジョブの実行に適した状態になる時間帯」の一例である。
【0158】
さらに、グループのジョブを実行する稼働時間帯を遅らせる場合には、ジョブの実行により生じる印刷物が同じであるグループについて、当該印刷物が異なるグループより優先して遅らせる構成としてもよい。
【0159】
換言すれば、異なる印刷物についてのグループよりも遅い時間帯に、同じ印刷物についてのグループのジョブを実行する実行計画を作成してもよい。これにより、同じ印刷物の品質がそろえられる。
【0160】
なお、「同じ印刷物についてのグループ」とは、例えば、書籍(完成品)の表紙(部品)と本文(部品)とを別々印刷する場合において、同じ部品(表紙又は本文)を印刷するジョブをまとめたグループが該当する。
【0161】
「異なる印刷物についてのグループ」とは、例えば、書籍(完成品)の表紙(部品)と本文(部品)とを別々印刷する場合において、異なる部品(表紙及び本文)を印刷するジョブをまとめたグループが該当する。
【0162】
さらに、もっとも遅い時間帯に、同じ印刷物についてのグループのジョブを実行する実行計画を作成してもよい。これにより、同じ印刷物を保管場所で保管する期間が短くなり、保管場所のコストが抑えられる。また、同じ印刷物についての印刷条件の変更に対応可能な期間が長く確保される。
【0163】
(第2変形例)
前述の第1、第2実施形態では、ジョブの実行に必要な所要時間を考慮して、実行計画を作成していなかったが、ジョブ実行の所要時間を考慮して実行計画を作成してもよい。
【0164】
本変形例では、取得部14は、ジョブ情報として、各ジョブにおける所要時間の情報を取得する(図17の所要時間の欄参照)。そして、計画作成部16は、該適状態になる時間帯(すなわち、資材がグループの作成時に不適状態にあるものの該グループの作成後に適状態になる時間帯)における特定の時間に、グループのジョブを実行する実行計画を作成する。
【0165】
具体的には、図17に示されるように、印刷装置20の稼働時間帯(1月10日、8:00‐18:00)において、例えば、グループ1のジョブ1からグループ1のジョブ3、グループ2のジョブ2の順で、稼働時間の開始時間(8:00)から所要時間ごとに実行計画(すなわちスケジュール)が割り当てられる。さらに、印刷装置20の稼働時間帯(1月11日、8:00‐18:00)において、例えば、グループ3のジョブ4からグループ4のジョブ5、グループ4のジョブ8の順で、稼働時間の開始時間(8:00)から所要時間ごとに実行計画が割り当てられる。なお、図17で示す例は、第1実施形態で示したグループ分け(図12参照)に基づいて、ジョブ実行の所要時間を考慮して実行計画を作成した例である。
【0166】
(他の変形例)
前述の第1、第2実施形態では、ジョブを、ジョブ属性でまとめ、且つ、印刷に利用可能な資材(第2実施形態では保管可能枚数)の枚数に収まるグループを作成していたが、これに限られない。例えば、予め、ジョブをその属性でまとめたグループを作成してから、そのグループにもとに、さらに、印刷に利用可能な資材(第2実施形態では保管可能枚数)の枚数に収まるように、グループを作成してもよい。
【0167】
前述の第1、第2実施形態では、ジョブを実行する場合の一例として、印刷を行う場合について説明したが、これに限られない。たとえば、ジョブを実行する場合としては、特定の物を製造する場合であってもよい。すなわち、ジョブとしては、特定の物を製造する行為であってもよい。
【0168】
前述の第1、第2実施形態では、取得部14は、印刷装置20ごとに管理される印刷装置20の稼働時間帯の情報を取得していたが、これに限られない。例えば、取得部14は、印刷装置20の操作者ごとに管理される印刷装置20の稼働を開始してから終了するまでの稼働時間帯の情報をジョブの処理の実行前に取得し、該稼働時間帯に基づき対象時間帯を設定する構成であってもよい。なお、操作者は、印刷装置20を操作する者である。また、この操作者は、ジョブを実行する実行計画の作成を指示する指示者と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0169】
前述の第1、第2実施形態では、指示者の指示に応じて、実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、実行に適した状態になる時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画を作成していたが、これに限られない。例えば、指示者の指示によらず、予め設定された設定時間に、当該グループを作成し、当該実行計画を作成する構成であってよい。
【0170】
前述の第1、第2実施形態では、情報処理装置50が、実行する予定のジョブを該ジョブの有する属性でまとめたグループを作成し、実行に適した状態になる時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画を作成していたが、これに限られない。例えば、当該実行計画を作成する情報処理装置とは異なる情報処理装置(例えば、上位のシステムの情報処理装置)が、当該グループの作成を行ってもよい。すなわち、当該実行計画の作成と、当該グループの作成とが異なる情報処理装置(システム)で行われてもよい。さらに、資材又は保管場所が、実行計画の作成時に不適状態にあるものの該実行計画の作成後に適状態になることを示す時間帯に、グループのジョブを実行する実行計画を作成してもよい。すなわち、不適状態及び適状態の基準を実行計画の作成時としてもよい。
【0171】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0172】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、前述のCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0173】
また、上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0174】
10 印刷システム
12 グループ作成部
14 取得部
16 計画作成部
20 印刷装置
50 情報処理装置
51 CPU(プロセッサの一例)
54 ストレージ
図1
図2
図3
図4
図5
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