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特許7392460画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム
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  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図1
  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図2
  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図3
  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図4
  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図5
  • 特許-画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および、当該制御方法をコンピューターに実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20231129BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231129BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B65H7/14
G03G21/00 510
G03G15/00 303
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019233029
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021100882
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 明洋
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 宏明
(72)【発明者】
【氏名】辻本 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】玉田 武司
(72)【発明者】
【氏名】生田 克行
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-311369(JP,A)
【文献】特開2007-070064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/14
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、
前記第1検知手段による検知結果と、前記第2検知手段による検知結果とに基づいて、前記画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、前記第2検知手段が前記先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断し、
前記第2検知手段は、記録媒体の搬送経路を遮るように配置されたアクチュエーターを有するセンサーを含み、
前記制御装置は、前記記録媒体の先端が前記アクチュエーターに接したことを検知すると、前記記録媒体が透明のシートであると判断し、
レジストローラーをさらに備え、
前記アクチュエーターを有するセンサーは前記レジストローラーの上流に配置されており、
前記レジストローラーの動作タイミングは、前記アクチュエーターを有するセンサーによる検知結果に応じて制御される、画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置であって、
記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、
前記第1検知手段による検知結果と、前記第2検知手段による検知結果とに基づいて、前記画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、前記第2検知手段が前記先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断し、
前記第2検知手段は、超音波式のセンサーを含み、
超音波の減衰が検知されたことに基づいて、前記制御装置は、前記記録媒体が透明のシートであると判断する、画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置であって、
記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、
前記第1検知手段による検知結果と、前記第2検知手段による検知結果とに基づいて、前記画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、前記第2検知手段が前記先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断し、
前記第1検知手段は、
受光素子と、
前記受光素子に対向するように配置された第1発光素子とを含み、記録媒体の搬送経路は、前記受光素子と前記第1発光素子との間に位置しており、
前記第1検知手段は、搬送経路に発光し、記録媒体からの反射光が前記受光素子に入射するように配置された第2発光素子をさらに含み、
前記制御装置は、
前記反射光に基づいて記録媒体の有無を判断し、
前記有無の判断の後、複数の前記反射光および前記記録媒体の透過光の検知に基づいて、記録媒体の種類、特性および厚さの少なくともいずれかを判別する、画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置であって、
記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、
前記第1検知手段による検知結果と、前記第2検知手段による検知結果とに基づいて、前記画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、前記第2検知手段が前記先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断し、
前記第1検知手段は、発光素子と、受光素子と、超音波式のセンサーを含む、画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置であって、
記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、
前記第1検知手段による検知結果と、前記第2検知手段による検知結果とに基づいて、前記画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、前記第2検知手段が前記先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断し、
前記第2検知手段は、静電容量型センサー、または、圧電センサーのいずれかである、画像形成装置。
【請求項6】
前記第2検知手段は、前記第1検知手段よりも、記録媒体の搬送方向の下流に配置されている、請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2検知手段は、前記第1検知手段よりも、記録媒体の搬送方向の上流に配置されている、請求項1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1検知手段は、
搬送経路に向かって発光するように配置された発光ダイオードと、
記録媒体による反射光を受信する受光素子とを含む、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記記録媒体が透明のシートであるとの判断に基づいて、前記画像形成装置の動作を規定するパラメーターを、前記透明のシートに応じたパラメーターに設定する、請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
画像形成装置の制御方法であって、
記録媒体を搬送するステップと、
前記記録媒体に光を照射するステップと、
前記記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別するステップと、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するステップと、
前記判別するステップにおいて記録媒体が検知されず、かつ、前記先端が検知されたことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断するステップとを含み、
前記先端を検知するステップは、記録媒体の搬送経路を遮るように配置されたアクチュエーターへの接触の有無に基づいて先端を検知することを含み、
前記判断するステップは、前記記録媒体の先端が前記アクチュエーターに接したことに基づいて、前記記録媒体が透明のシートであると判断することを含み、前記制御方法は、
前記アクチュエーターへの接触に基づく検知結果に応じて、レジストローラーの動作タイミングを制御するステップをさらに含む、制御方法。
【請求項11】
画像形成装置の制御方法であって、
記録媒体を搬送するステップと、
前記記録媒体に光を照射するステップと、
前記記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別するステップと、
前記記録媒体に光を照射することなく、前記記録媒体の先端を検出するステップと、
前記判別するステップにおいて記録媒体が検知されず、かつ、前記先端が検知されたことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断するステップとを含み、
前記検出するステップは、
超音波式のセンサーが超音波を発信するステップと、
前記超音波の減衰が検知されたことに基づいて、前記記録媒体が透明のシートであると判断するステップとを含む、制御方法。
【請求項12】
前記記録媒体が透明のシートであるとの判断に基づいて、前記画像形成装置の動作を規定するパラメーターを、前記透明のシートに応じたパラメーターに設定するステップをさらに含む、請求項10または11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記先端を検出するステップは、前記記録媒体の種類を判別するステップの後に行なわれる、請求項10~12のいずれかに記載の制御方法。
【請求項14】
前記記録媒体の種類を判別するステップは、前記先端を検出するステップの後に行なわれる、請求項10~13のいずれかに記載の制御方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれかに記載の制御方法をコンピューターに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像形成装置の制御に関し、より特定的には、画像が形成される記録媒体の判別に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、ユーザーが設定する紙種は用紙の坪量毎に振り分けられており、ユーザーがどの坪量を選択したら良いか判りにくく、用紙種が不適切に選択されることで、実質の紙種設定とは異なる印字モードで印刷が行なわる。その結果、紙詰まりや画質不良等の不具合が発生している。その発生を無くすために、ユーザーが紙種の設定を行なうことなく、パネル操作レスで印刷を行える様に、紙種を検知する必要性が高まっている。
【0003】
また、近年、OHP(Over Head Projector)シートその他の透明な記録媒体に対して画像形成を行いたいという要望が高まっている。そして、パネル操作レスのために、通紙中の記録媒体の坪量を測定することで通紙中の記録媒体の種類を判別し、その判別結果から画像形成のパラメーターを決定するメディアセンサーという技術もある。
【0004】
メディアセンサーに関し、特開2018-008827号公報(特許文献1)は、「記録材を検知できないことによるジャムの原因を判別可能な画像形成装置」を開示している([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-008827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、第1の光学センサー(反射型)とその下流に配置された第2の光学センサー構成(プリズム反射型)があり、それぞれの光学センサーの検知結果の組み合わせから、普通紙が通紙されたか、あるいは、OHPシートが通紙されたかが判断される。しかし、OHPシートは透明であるため、光学の波を透過し、通過したであろうとの判断はできても、どのタイミングで、OHPシートの先端が通過したかを精度よく判別できない。当該タイミングが精度よく判別できないと、下流側での画像形成のタイミングが正確に把握できず、画像がずれて印刷されたり、定着に余計な温度制御を実行させる恐れがある。したがって、OHPシートのような透明な記録媒体の先端が通過したタイミングを精度良く判別する技術が必要とされている。
【0007】
本開示は上述のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、搬送される記録媒体の種類を精度良く判別する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う画像形成装置は、記録媒体の種類を判別するを搬送する搬送部と、記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別する第1検知手段と、記録媒体に光を照射することなく、記録媒体の先端を検出するための第2検知手段と、第1検知手段による検知結果と、第2検知手段による検知結果とに基づいて、画像形成装置の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、第1検知手段が記録媒体を検知せず、かつ、第2検知手段が先端を検知したことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断する。
【0009】
ある局面において、第2検知手段は、記録媒体の搬送経路を遮るように配置されたアクチュエーターを有するセンサーを含む。制御装置は、記録媒体の先端がアクチュエーターに接したことを検知すると、記録媒体が透明のシートであると判断する。
【0010】
ある局面において、画像形成装置は、レジストローラーをさらに備える。アクチュエーターを有するセンサーはレジストローラーの上流に配置されている。レジストローラーの動作タイミングは、アクチュエーターを有するセンサーによる検知結果に応じて制御される。
【0011】
ある局面において、第2検知手段は、超音波式のセンサーを含む。超音波の減衰が検知されたことに基づいて、制御装置は、記録媒体が透明のシートであると判断する。
【0012】
ある局面において、第2検知手段は、第1検知手段よりも、記録媒体の搬送方向の下流に配置されている。
【0013】
ある局面において、第2検知手段は、第1検知手段よりも、記録媒体の搬送方向の上流に配置されている。
【0014】
ある局面において、第1検知手段は、受光素子と、受光素子に対向するように配置された第1発光素子とを含む。記録媒体の搬送経路は、受光素子と発光素子との間に位置している。第1検知手段は、搬送経路に発光し、記録媒体からの反射光が受光素子に入射するように配置された第2発光素子をさらに含む。制御装置は、反射光に基づいて記録媒体の有無を判断し、有無の判断の後、複数の反射光および記録媒体の透過光の検知に基づいて、記録媒体の種類、特性および厚さの少なくともいずれかを判別する。
【0015】
ある局面において、第1検知手段は、発光素子と、受光素子と、超音波式のセンサーを含む。
【0016】
ある局面において、第1検知手段は、搬送経路に向かって発光するように配置された発光ダイオードと、記録媒体による反射光を受信する受光素子とを含む。
【0017】
ある局面において、第2検知手段は、静電容量型センサー、または、圧電センサーのいずれかである。
【0018】
ある局面において、制御装置は、記録媒体が透明のシートであるとの判断に基づいて、画像形成装置の動作を規定するパラメーターを、透明のシートに応じたパラメーターに設定する。
【0019】
他の実施の形態に従うと、画像形成装置の制御方法が提供される。この制御方法は、記録媒体を搬送するステップと、記録媒体に光を照射するステップと、記録媒体に照射された光に基づいて記録媒体の種類を判別するステップと、記録媒体に光を照射することなく、記録媒体の先端を検出するステップと、判別するステップにおいて記録媒体が検知されず、かつ、先端が検知されたことに基づいて、当該記録媒体が透明のシートであると判断するステップとを含む。
【0020】
ある局面において、先端を検知するステップは、記録媒体の搬送経路を遮るように配置されたアクチュエーターへの接触の有無に基づいて先端を検知することを含む。判断するステップは、記録媒体の先端がアクチュエーターに接したことに基づいて、記録媒体が透明のシートであると判断することを含む。
【0021】
ある局面において、制御方法は、アクチュエーターへの接触に基づく検知結果に応じて、レジストローラーの動作タイミングを制御するステップをさらに含む。
【0022】
ある局面において、検出するステップは、超音波式のセンサーが超音波を発信するステップと、超音波の減衰が検知されたことに基づいて、記録媒体が透明のシートであると判断するステップとを含む。
【0023】
ある局面において、制御方法は、記録媒体が透明のシートであるとの判断に基づいて、画像形成装置の動作を規定するパラメーターを、透明のシートに応じたパラメーターに設定するステップをさらに含む。
【0024】
ある局面において、先端を検出するステップは、記録媒体の種類を判別するステップの後に行なわれる。
【0025】
ある局面において、記録媒体の種類を判別するステップは、先端を検出するステップの後に行なわれる。
【0026】
さらに他の実施の形態に従うと、上記のいずれかに記載の制御方法をコンピューターに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0027】
ある実施の形態に従うと、搬送される記録媒体の種類が精度良く判別され得る。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ある実施の形態に従う画像形成装置100の構成の概要を表わす図である。
図2】ある実施の形態に従って記録媒体の種類を判別する機構の一例を表わす図である。
図3】画像形成装置100の構成のうち、記録媒体130が搬送される経路の一例の概要を表わす図である。
図4】ある実施の形態に従う画像形成装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
図5】記録媒体130の先端を検知する構成の他の例を表わす図である。
図6】画像形成装置100の制御装置110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
図1を参照して、画像形成装置100の構成について説明する。図1は、ある実施の形態に従う画像形成装置100の構成の概要を表わす図である。画像形成装置100は、例えば、複写機、プリンタまたはファクシミリ、もしくは、これらの機能を備えた複合機として実現される。画像形成装置100は、画像をシート状の記録媒体130に印刷する。記録媒体130は、PPC(Plain Paper Copier)用紙その他の不透明な記録媒体と、OHPシートのような透明な記録媒体とを含む。
【0031】
画像形成装置100は、給紙部102と、レジストローラー対103と、画像形成部104と、定着部105と、操作/入力部106と、媒体検知部108と、先端検知部109と、制御装置110と、メモリー120とを備える。ある局面において、媒体検知部108と先端検知部109とは、給紙部102と、レジストローラー対103との間に配置されている。
【0032】
給紙部102は、記録媒体130を収容し、記録媒体130を一枚ずつ、搬送経路140に送り出す。レジストローラー対103は、搬送経路140上の、給紙部102の下流側に設けられる。レジストローラー対103は、給紙部102から送り出された記録媒体130を一旦停止させた後、予め定められたタイミングで二次転写領域に記録媒体130を送り出す。
【0033】
画像形成部104は、例えば、周知の電子写真方式およびタンデム方式により、トナー画像を中間転写ベルト上に生成する。生成されたトナー画像は、中間転写ベルトにより担持され、二次転写領域に向けて搬送される。
【0034】
二次転写領域には、レジストローラー対103から記録媒体130が送り込まれ、また、画像形成部104からトナー画像が搬送されてくる。二次転写領域において、トナー画像は中間転写ベルトから記録媒体130に転写される。
【0035】
定着部105において、加熱ローラーおよび加圧ローラーは当接してニップを形成する。また、加熱ローラーは、筒状の芯金内にヒーターを内蔵する。ヒーターは、例えばハロゲンヒーターであって、電源部から供給される電流により駆動される。加圧ローラーは、制御装置110の制御下で回転する。加熱ローラーは加圧ローラーの回転に従動して回転する。記録媒体130がニップに送り込まれると、記録媒体130は、加圧ローラーにより加圧され、また、加熱ローラーにより加熱される。その結果、記録媒体130にトナーが定着する。その後、記録媒体130は排紙トレイに向けて送り出される。
【0036】
定着部105は、サーミスター(図示しない)を含む。サーミスターは、ヒーターの温度を検出し、検出結果を制御装置110に出力する。
【0037】
操作/入力部106は、テンキーやタッチパネル等を含む。ユーザーは、操作/入力部106を操作して、各種情報を画像形成装置100に入力する。
【0038】
媒体検知部108は、複数の発光素子と受光素子とを含む。第1の発光素子は受光素子に向けて発光するように配置されている。すなわち、記録媒体の搬送経路は、第1の発光素子と受光素子との間に設けられている。第1の発光素子は、記録媒体に向けて発光して、当該記録媒体の透過光は、受光素子によって受信される。第2の発光素子は、記録媒体に向けて発光し、その反射光が受光素子によって受信される位置に配置されている。
【0039】
先端検知部109は、搬送される記録媒体の先端を検知する。先端検知部109は、例えば、レジストセンサー、超音波セナー、圧電センサーまたは静電センサーによって実現される。圧電センサーが使用される場合、搬送されてくる記録媒体130の先端が圧電センサーに接触することで、記録媒体130の先端が検知され得る。静電センサーは、例えば、静電容量型の近接センサーである。
【0040】
制御装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)その他の演算処理装置によって実現される。制御装置110は、メモリー120に格納されたプログラムを実行する。
【0041】
メモリー120は、ROM(Read-Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含む。メモリー120は、操作/入力部106でユーザーにより入力された命令を格納する。当該命令は、画像形成装置100の動作を規定するために選択された設定項目を含む。また、メモリー120は、画像が形成される対象の記録媒体130(例えば、コピー用紙)の坪量に対して、適切なプロセスのパラメーター(印字速度、定着温度、ポリゴンモーターの回転速度など)を予め記憶している。
【0042】
ある局面において、CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して、当該プログラムに含まれる各命令を実行する。
【0043】
ある局面において、制御装置110は、媒体検知部108による検知結果と、先端検知部109による検知結果とに基づいて、記録媒体130の種類、厚さ等を判別し得る。制御装置110は、搬送される用紙の坪量に応じて、メモリー120に記憶されているパラメーターに基づいて、画像形成装置100の各構成要素の動作を制御する。
【0044】
次に、図2を参照して、記録媒体の種類の判別について説明する。図2は、ある実施の形態に従って記録媒体の種類を判別する機構の一例を表わす図である。
【0045】
媒体検知部108は、反射型センサー210と、透過用発光素子240とを含む。反射型センサー210は、発光素子220と、フォトダイオード230とを含む。発光素子220と、透過用発光素子240とは、各々が発した光がフォトダイオード230によって異なるタイミングで受光されるように、発光のタイミングが制御装置110によって制御される。
【0046】
記録媒体130が透過用発光素子240とフォトダイオード230との間を搬送されるように、搬送経路が構成されている。記録媒体130が普通紙である場合において記録媒体130が媒体検知部108内の搬送経路の所定の範囲内にあるとき、発光素子220から発せられた光は、記録媒体130によって反射されて、反射光は、フォトダイオード230によって受光される。さらに、透過用発光素子240から発せられた光は、記録媒体130を透過して、フォトダイオード230によって受光される。
【0047】
先端検知部109は、アクチュエーター250と、フォトインタラプター260とを含む。アクチュエーター250は、その一部が記録媒体130の搬送経路を遮るように、配置されている。フォトインタラプター260は、発光素子と、発光素子に対抗するように配置された受光素子とを含む。
【0048】
ある局面において、搬送されている記録媒体130の先端がアクチュエーター250の先端に触れると、アクチュエーター250は、記録媒体130の搬送方向に作用する力を受けて、その角度が変わる。アクチュエーター250の角度が変わると、フォトインタラプター260が回動し、光路が遮断され、受光素子の出力が変化する。制御装置110は、受光素子の出力の変化を検知すると、記録媒体130の先端が先端検知部109に到達したことを検知する。先端検知部109からレジストローラー対103までの距離は、画像形成装置100の仕様に基づき既知である。そこで、制御装置110は、この検知に応答して、記録媒体130がレジストローラー対103に到達するまでの時間を算出し、記録媒体130に画像を印刷するために行なわれる各処理のタイミングを制御する。各処理は、例えば、レジストローラー対103が記録媒体130を一旦停止させること、レジストローラー対103が記録媒体130を二次転写領域に送り出すこと、記録媒体130にトナー画像を転写すること等を含む。
【0049】
なお、図2では、先端検知部109が媒体検知部108の下流に配置される構成が例示されているが、媒体検知部108と先端検知部109との配置は、図2に例示される構成に限られない。他の局面において、媒体検知部108は、先端検知部109の上流に配置されていてもよい。
【0050】
[記録媒体130の搬送経路]
図3を参照して、記録媒体130が搬送される経路について説明する。図3は、画像形成装置100の構成のうち、記録媒体130が搬送される搬送経路140の一例を表わす図である。
【0051】
図3に示されるように、画像形成装置100は、反射型センサー210と、透過用発光素子240と、レジストローラー310と、1段目給紙ローラー320と、手差し給紙ローラー330とを備える。
【0052】
ある局面において、1段目給紙ローラー320から給紙される用紙340と、別の局面において手差し給紙ローラー330から給紙される用紙350とは、それぞれ、レジストローラー310に搬送される。1段目給紙ローラー320とレジストローラー310との間には、透過用発光素子240と、反射型センサー210とが配置されている。反射型センサー210は、搬送中の用紙(記録媒体130)からの透過量と、当該用紙による反射光とを検出する。反射型センサー210は、1段目給紙ローラー320側に配置され、透過用発光素子240は、手差し給紙ローラー330側に配置されている。透過用発光素子240と反射型センサー210との間の搬送ガイドには、隙間があり、1段目給紙ローラー320によって送られた用紙は、搬送ガイド内の隙間を搬送され、レジストローラー310に向かって送られる。
【0053】
一般的に、OHPシートその他の透明な記録媒体では、光学センサー(例えば媒体検知部108)の発光部から発信された光が減衰しない。したがって、制御装置110は、光学センサーの受光部の信号を用いても、OHPシートが画像形成装置100の内部を搬送されていても、通紙していない状態(例えば、JAM等による用紙送りの異常)と、OHPシートが正常に搬送されている状態とを区別できない場合がある。
【0054】
一方で、ユーザーによるパネル操作の負荷を軽減するためにメディアセンサーの需要は高まっている。さらに、ユーザーが画像形成装置100にセットする紙種は、普通紙、厚紙または薄紙に留まらず、封筒、OHPシート等、様々なメディア(記録媒体130)がある。
【0055】
光学センサーは、多くのユーザーが使用する普通紙、厚紙または薄紙を検知できても、OHPシートを精度よく検出できない。そのため、OHPシートがメディアセンサーを搭載した画像形成装置に送られた場合に、画像形成装置は、給紙後のOHPシートの位置を正確に把握することができないため、品質を保ちながら画像をOHPシートに形成することができない場合が起こり得る。
【0056】
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置100の制御装置110は、先端検知部109の検知結果と、媒体検知部108の検知結果とを組み合わせて、画像形成装置100の搬送経路に送られる記録媒体130がOHPシートであるか否かを判断する。
【0057】
より具体的には、図2に示される構成において、媒体検知部108が記録媒体130を検知せず、先端検知部109が記録媒体130を検知する場合がある。すなわち、媒体検知部108は、光学式のセンサーであるため、搬送されたOHPシートが透明であることから、OHPシートを検知できない。しかし、媒体検知部108の下流に設けられる先端検知部109がアクチュエーター型のセンサー、すなわち、接触型センサーであるため、先端検知部109は、記録媒体130との接触により、その先端を検知できる。
【0058】
また、媒体検知部108が記録媒体130を検知せず、かつ、先端検知部109も記録媒体130を検知しないことがある。これは、媒体検知部108および先端検知部109の近傍の搬送経路140には、用紙切れ、紙詰まり等により、記録媒体130が供給されていないことを示す。さらに、媒体検知部108および先端検知部109がいずれも記録媒体130を検知する場合もあり得る。この場合は、光学センサーとしての媒体検知部108の発光部の光が減衰され得る記録媒体130(例えば、普通紙、厚紙、薄紙または封筒等)が画像形成装置100の内部で送られていることを示している。
【0059】
[制御構造]
そこで、図4を参照して、画像形成装置100の制御構造について説明する。図4は、ある実施の形態に従う画像形成装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。ある局面において、当該処理は、制御装置110に含まれるCPUがメモリー120に格納されているプログラムを読み出して当該プログラムに含まれる各命令を実行することにより実現される。他の局面において、当該処理は、各処理を実行するように構成された回路素子その他のハードウェアの組み合わせによっても実現され得る。
【0060】
ステップS410にて、制御装置110は、メディア(例えば、記録媒体130)の搬送を開始する。記録媒体130は、例えば、PPC用紙、OHPシートのいずれであっても良い。
【0061】
ステップS420にて、制御装置110は、第1センサー(メディアセンサー)がメディアを検知したか否かを判断する。第1センサーは、例えば、媒体検知部108に相当する。制御装置110は、第1センサーがメディアを検知したと判断すると(ステップS420にてYES)、制御をステップS430に切り替える。そうでない場合には(ステップS420にてNO)、制御装置110は、制御をステップS450に切り替える。
【0062】
ステップS430にて、制御装置110は、第2センサーが当該メディアの先端を検知したか否かを判断する。第2センサーは、アクチュエーターを含む先端検知部109に相当する。制御装置110は、第2センサーが先端を検知したと判断すると(ステップS430にてYES)、制御をステップS440に切り替える。そうでない場合には(ステップS430にてNO)、制御装置110は、制御をステップS430に戻し、予め定められた時間が経過した後に、再び、ステップS430の判断処理を実行する。
【0063】
ステップS440にて、制御装置110は、当該メディアが紙であると判断し、紙に画像形成を行なう場合に画像形成装置100の動作を制御するパラメーターを印字パラメーターとして設定する。
【0064】
ステップS450にて、制御装置110は、第2センサー(例えば、アクチュエーターを含む先端検知部109)が当該メディアの先端を検知したか否かを判断する。制御装置110は、第2センサーが先端を検知したと判断すると(ステップS450にてYES)、制御をステップS460に切り替える。そうでない場合には(ステップS450にてNO)、制御装置110は、制御をステップS490に切り替える。
【0065】
ステップS460にて、制御装置110は、当該メディアがOHPシートであると判断し、画像形成装置100がOHPシートに印刷する場合に画像形成装置100の動作を制御するパラメーターを印字パラメーターとして設定する。
【0066】
ステップS470にて、制御装置110は、当該印字パラメーターで規定される内容に従って、当該メディアに画像を形成する。
【0067】
ステップS480にて、制御装置110は、ジョブを終了するか否かを判断する。制御装置110はジョブを終了すると判断すると(ステップS480にてYES)、制御を終了する。そうでない場合には(ステップS480にてNO)、制御装置110は、処理をステップS410に戻す。
【0068】
ステップS490にて、制御装置110は、メディアが搬送されていないと判断し、エラー表示をモニター(図示しない)に行ない、画像形成の動作を停止する。
【0069】
図5を参照して、画像形成装置100の他の局面について説明する。図5は、記録媒体130の先端を検知する構成の他の例を表わす図である。記録媒体130の先端を検知するセンサーは、アクチュエーターを用いる構成に限られない。例えば、超音波センサー、圧電センサーまたは静電センサーが使用されてもよい。超音波センサーは、空気層の検知に長けているため、封筒を検知することもできる。
【0070】
図5において、他の局面に従う画像形成装置100は、センサーユニット500と、スキュー補正ローラー540とを備える。ある局面において、記録媒体130は、矢印550の方向に搬送される。
【0071】
センサーユニット500は、光源511,512と、受光器513と、超音波センサーとを含む。超音波センサーは、発信部521と、受信部522とを含む。発信部521から発信される超音波は、受信部522によって受信される。超音波センサーは、媒体検知部108と異なり、超音波の減衰を検知することで、記録媒体130の先端を検知できる。
【0072】
光源511、512は、たとえばLED(Light Emitting Diode)素子により実現される。受光器513は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)センサーにより実現される。スキュー補正ローラー540は、記録媒体130を転写部に搬送する。
【0073】
光源511と受光器513とは、搬送経路140を挟むように配置される。領域514は、光源511が発する光を表す。矢印515は、領域514として表された光のうち記録媒体130を透過して受光器513に向かう光を表す。受光器513は、光源511から出力され、搬送経路140を通って受光器513に到達した光を検出する。光源511と受光器513との間に記録媒体130が存在する場合、受光器513は、光源511から出力され、記録媒体130を透過した光を検出することになる。
【0074】
光源512と受光器513とは、搬送経路140の同じ側に配置される。矢印516は、光源512が発する光を表す。記録媒体130が搬送経路140上にある場合、光源512から発せられる光は記録媒体130によって反射され、反射光は、受光器513によって検出される。
【0075】
受光器513は、光源511または光源512によって発信された光の検出結果に応じた信号を制御装置110に出力する。制御装置110は、受光器513から受信した信号に基づいて、記録媒体130の先端がセンサーユニット500内に到達したことを検知し、センサーユニット500内の記録媒体130の坪量を検出し、さらに、センサーユニット500内の記録媒体が特定の種類のシート(たとえば、OHPシート)であることを検出する。
【0076】
例えば、媒体検知部108が記録媒体130を検知し、かつ、超音波センサーが記録媒体130を検知し、空気層も検知した場合には、制御装置110は、封筒が画像形成装置100によって搬送されている、と判断し得る。
【0077】
他の局面において、媒体検知部108が記録媒体130を検知した場合において、超音波センサーが記録媒体130を検知して、空気層を検知しなかったときは、制御装置110は、記録媒体130が普通紙、厚紙または薄紙のいずれかである、と判断し得る。
【0078】
他の局面において、媒体検知部108が記録媒体130を検知せず、かつ、超音波センサーが記録媒体130を検知した場合には、制御装置110は、記録媒体130がOHPシートである、と判断し得る。
【0079】
さらに他の局面において、媒体検知部108が記録媒体130を検知せず、かつ、超音波センサーが記録媒体130を検知しない場合には、制御装置110は、搬送経路には記録媒体130が存在していない、と判断し得る。
【0080】
[他の制御構造]
図6を参照して、ある実施の形態に従う画像形成装置100の制御構造の他の例について説明する。図6は、画像形成装置100の制御装置110が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。なお、前述の処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、同一の処理の詳細な説明は繰り返さないことがある。
【0081】
ステップS410にて、制御装置110は、メディアの搬送を開始する。
ステップS430にて、制御装置110は、第2センサーが当該メディアの先端を検知したか否かを判断する。制御装置110は、第2センサーが先端を検知したと判断すると(ステップS430にてYES)、制御をステップS420に切り替える。そうでない場合には(ステップS430にてNO)、制御装置110は、制御をステップS610に切り替える。
【0082】
ステップS420にて、制御装置110は、第1センサー(メディアセンサー)がメディアを検知したか否かを判断する。制御装置110は、第1センサーがメディアを検知したと判断すると(ステップS420にてYES)、制御をステップS440に切り替える。そうでない場合には(ステップS420にてNO)、制御装置110は、制御をステップS460に切り替える。
【0083】
ステップS610にて、制御装置110は、タイムアウトの判定のため、予め定められた一定時間が経過したか否かを判断する。制御装置110は一定時間が経過したと判断すると(ステップS610にてYES)、制御をステップS490に切り替える。そうでない場合には(ステップS610にてNO)、制御装置110は、制御をステップS430に戻す。
【0084】
以上のようにして、ある実施の形態に従う画像形成装置100は、搬送中の記録媒体130としてのOHPシートのような透明な記録媒体を検出するために、光学センサーに加えて、光学センサー以外のセンサー(例えば、アクチュエーターその他機械式のセンサー、超音波センサー、あるいは、静電容量型の近接センサー等)を備え、両センサーの判断結果の組み合わせにより、搬送された記録媒体130が、透明でない記録媒体(例えば、コピー用紙)であるか、あるいは、OHPシートのような透明な記録媒体シートであるかを判断する。
【0085】
このような構成によれば、画像形成装置100は、どのタイミングで記録媒体130の先端が通過したかを精度よく判別することができる。これにより、画像形成装置100は、記録媒体130の搬送経路の下流側の画像形成タイミングを正確に検知できるので、所定の位置からずれた画像が印刷されることが防止できる。これにより、画像形成装置100は、画像品質を落とすことなく画像を形成できる。また、画像形成の位置がずれなくなるため、定着のための余計な温度制御が不要となる。
【0086】
上記で開示された技術的特徴は、以下のように要約され得る。
[構成1]ある実施の形態に従う画像形成装置100は、記録媒体130に照射された光に基づいて記録媒体130の種類を判別する媒体検知部108と、記録媒体130に光を照射することなく、記録媒体130の先端を検出するための先端検知部109と、媒体検知部108による検知結果と、先端検知部109による検知結果とに基づいて、画像形成装置100の動作を制御する制御装置110とを備える。制御装置110は、媒体検知部108が記録媒体130を検知せず、かつ、先端検知部109が先端を検知したことに基づいて、記録媒体130が透明のシートであると判断する。制御装置110は、CPUその他のプロセッサーによって実現される。
【0087】
[構成2]先端検知部109は、記録媒体130の搬送経路を遮るように配置されたアクチュエーター250を有するセンサー(先端検知部109)を含む。制御装置110は、記録媒体130の先端がアクチュエーター250に接したことを検知すると、記録媒体130が透明のシートであると判断する。
【0088】
[構成3]画像形成装置100は、レジストローラー対103をさらに備える。アクチュエーター250を有するセンサーはレジストローラー対103の上流に配置されている。レジストローラー対103の動作タイミングは、アクチュエーター250を有するセンサーによる検知結果に応じて制御される。
【0089】
[構成4]先端検知部109は、超音波式のセンサーを含む。超音波の減衰が検知されたことに基づいて、制御装置110は、記録媒体130が透明のシートであると判断する。
【0090】
[構成5]先端検知部109は、媒体検知部108よりも、記録媒体130の搬送方向の下流に配置されている。
【0091】
[構成6]先端検知部109は、媒体検知部108よりも、記録媒体130の搬送方向の上流に配置されている。
【0092】
[構成7]媒体検知部108は、受光素子と、受光素子に対向するように配置された第1発光素子とを含む。記録媒体130の搬送経路140は、受光素子と発光素子との間に位置している。媒体検知部108は、搬送経路140に発光し、記録媒体130からの反射光が受光素子に入射するように配置された第2発光素子をさらに含む。制御装置110は、反射光に基づいて記録媒体130の有無を判断し、有無の判断の後、複数の反射光および記録媒体130の透過光の検知に基づいて、記録媒体130の種類、特性および厚さの少なくともいずれかを判別する。
【0093】
[構成8]媒体検知部108は、発光素子と、受光素子と、超音波式のセンサーを含む。
【0094】
[構成9]媒体検知部108は、搬送経路140に向かって発光するように配置された発光ダイオードと、記録媒体130による反射光を受信する受光素子とを含む。
【0095】
[構成10]先端検知部109は、静電容量型センサー、または、圧電センサーのいずれかである。
【0096】
[構成11]制御装置110は、記録媒体130が透明のシートであるとの判断に基づいて、画像形成装置100の動作を規定するパラメーターを、透明のシートに応じたパラメーターに設定する。
【0097】
[構成12]ある実施の形態に従う画像形成装置100の制御方法は、記録媒体130を搬送するステップと、記録媒体130に光を照射するステップと、記録媒体130に照射された光に基づいて記録媒体130の種類を判別するステップと、記録媒体130に光を照射することなく、記録媒体130の先端を検出するステップと、判別するステップにおいて記録媒体130が検知されず、かつ、先端が検知されたことに基づいて、記録媒体130が透明のシートであると判断するステップとを含む。
【0098】
[構成13]先端を検知するステップは、記録媒体130の搬送経路140を遮るように配置されたアクチュエーター250への接触の有無に基づいて先端を検知することを含む。判断するステップは、記録媒体130の先端がアクチュエーター250に接したことに基づいて、記録媒体130が透明のシートであると判断することを含む。
【0099】
[構成14]当該制御方法は、アクチュエーター250を有するセンサーによる検知結果に応じて、レジストローラー対103の動作タイミングを制御するステップをさらに含む。
【0100】
[構成15]検出するステップは、超音波式のセンサーが超音波を発信するステップと、超音波の減衰が検知されたことに基づいて、記録媒体130が透明のシートであると判断するステップとを含む。
【0101】
[構成16]当該制御方法は、記録媒体130が透明のシートであるとの判断に基づいて、画像形成装置100の動作を規定するパラメーターを、透明のシートに応じたパラメーターに設定するステップをさらに含む。
【0102】
[構成17]先端を検出するステップは、記録媒体130の種類を判別するステップの後に行なわれる。
【0103】
[構成18]記録媒体130の種類を判別するステップは、記録媒体130の先端を検出するステップの後に行なわれる。
【0104】
[構成19]ある実施の形態に従うと、上記のいずれかに記載の制御方法をコンピューターに実行させるプログラムが提供される。このプログラムは、メモリー120に格納されている。ある局面において、当該プログラムは、画像形成装置100の製造事業者によって提供される。当該プログラムは、インターネットその他の通信回線によって画像形成装置100にインストールされ得る。他の局面において、当該プログラムは、CD-ROMその他の不揮発性のデータ記録媒体に予め格納されており、当該データ記録媒体から読み出されてメモリー120に書き込まれてもよい。
【0105】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0106】
開示された技術的特徴は、例えば、記録媒体の種類を判別する判別装置および、その判別装置を適用した複写機、プリンター、ファクシミリ装置及びこれらの複合機などの電子写真方式の画像形成装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0107】
100 画像形成装置、102 給紙部、103 レジストローラー対、104 画像形成部、105 定着部、106 入力部、108 媒体検知部、109 先端検知部、110 制御装置、120 メモリー、130 記録媒体、140 搬送経路、210 反射型センサー、220 発光素子、230 フォトダイオード、240 透過用発光素子、250 アクチュエーター、260 フォトインタラプター、310 レジストローラー、320 段目給紙ローラー、330 手差し給紙ローラー、340,350 用紙、500 センサーユニット、511,512 光源、513 受光器、514 領域、515,516,550 矢印、521 発信部、522 受信部、540 スキュー補正ローラー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6