(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20231129BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20231129BHJP
G06F 111/04 20200101ALN20231129BHJP
【FI】
G06F30/10 200
G06F30/12
G06F111:04
(21)【出願番号】P 2020000870
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 正登
(72)【発明者】
【氏名】向井 博和
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 朋之
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205908(JP,A)
【文献】特開2019-219769(JP,A)
【文献】特開2019-219768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数の項目について、関係を有する前記項目の間が前記関係に応じて接続されることで系統立てられて作成された連関図に対し、前記項目の変更を検出し、
変更を検出した前記連関図に関連付けられた他の連関図であって、変更を検出した前記項目と同一とみなした項目を有する前記他の連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する
処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記他の連関図における変更箇所に対応する箇所を明示する情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記他の連関図における変更箇所に対応する箇所で変更があった旨の情報を、連関図のリストに表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、変更を検出した前記連関図と、前記他の連関図とを合成した連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
変更を検出した前記連関図は、2以上の連関図を合成して生成された連関図である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、合成した前記連関図に対して前記項目の変更を検出すると、合成元となる前記連関図の各々に対して検出した変更に関する情報を出力する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、通知した変更を反映する指示の入力を受け付けた場合に、前記他の連関図に対して変更を反映する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記入力は、通知した変更の少なくとも一部に対して行われる、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、名称が同一の場合に、前記連関図における変更を検出した前記項目と、前記他の連関図における項目とを同一とみなす、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、さらに、関係のある項目の名称に同一のものがある場合に、前記連関図における変更を検出した前記項目と、前記他の連関図における項目とを同一とみなす、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
複数の項目について、関係を有する前記項目の間が前記関係に応じて接続されることで系統立てられて作成された連関図に対し、前記項目の変更を検出し、
変更を検出した前記連関図に関連付けられた他の連関図であって、変更を検出した前記項目と同一とみなした項目を有する前記他の連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、各々が品質機能展開に係る機能を示す複数の機能項目について、依存関係を有する前記機能項目の間が依存関係に応じて接続されることで系統立てられ、かつ前記複数の機能項目のうち前記品質機能展開の複数のプロセスの何れかに属する機能を示す機能項目に、該機能項目が属する前記プロセスを特定する属性情報が付与されて作成された連関図が入力されることで、前記連関図から、前記機能項目を特定する情報、前記機能項目に付与された前記属性情報、及び前記機能項目ごとの前記依存関係を特定する依存情報を抽出して、原情報として受け付ける受付手段と、前記原情報の前記属性情報から前記機能項目を前記プロセスごとに分類し、分類した前記機能項目を前記プロセスごとに展開するための展開情報を作成し、前記原情報を前記展開情報から前記プロセスを軸として前記機能項目を展開した展開表に展開する展開手段と、前記展開手段により展開された前記展開表を出力する出力手段と、を含む情報処理装置の発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
要素間の論理的な関係を表示する連関図は、複数の各連関図の要素単位で他の連関図と同じ部分と、異なる部分とから構成される。同じ要素が複数の連関図に存在する場合に、それぞれの連関図を表示した場合、又は編集する場合に、連関図が大きくなる程、連関図同士で整合を取っての表示又は編集が困難になることが想定される。
【0005】
本発明は、一の連関図における要素への変更を行う場合に、連関図をそれぞれ独立して編集する場合と比べて、他の連関図における要素と対応する要素との把握を容易にできる、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の項目について、関係を有する前記項目の間が前記関係に応じて接続されることで系統立てられて作成された連関図に対し、前記項目の変更を検出し、変更を検出した前記連関図に関連付けられた他の連関図であって、変更を検出した前記項目と同一とみなした項目を有する前記他の連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する処理を実行する。
【0007】
本発明の第2態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記他の連関図における変更箇所に対応する箇所を明示する情報を出力する。
【0008】
本発明の第3態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記他の連関図における変更箇所に対応する箇所で変更があった旨の情報を、連関図のリストに表示する。
【0009】
本発明の第4態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、変更を検出した前記連関図と、前記他の連関図とを合成した連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する。
【0010】
本発明の第5態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、変更を検出した前記連関図は、2以上の連関図を合成して生成された連関図である。
【0011】
本発明の第6態様に係る情報処理装置は、本発明の第5態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、合成した前記連関図に対して前記項目の変更を検出すると、合成元となる前記連関図の各々に対して検出した変更に関する情報を出力する。
【0012】
本発明の第7態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、通知した変更を反映する指示の入力を受け付けた場合に、前記他の連関図に対して変更を反映する。
【0013】
本発明の第8態様に係る情報処理装置は、本発明の第7態様に係る情報処理装置であって、前記入力は、通知した変更の少なくとも一部に対して行われる。
【0014】
本発明の第9態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、名称が同一の場合に、前記連関図における変更を検出した前記項目と、前記他の連関図における項目とを同一とみなす。
【0015】
本発明の第10態様に係る情報処理装置は、本発明の第9態様に係る情報処理装置であって、前記プロセッサは、さらに、関係のある項目の名称に同一のものがある場合に、前記連関図における変更を検出した前記項目と、前記他の連関図における項目とを同一とみなす。
【0016】
本発明の第11態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の項目について、関係を有する前記項目の間が前記関係に応じて接続されることで系統立てられて作成された連関図に対し、前記項目の変更を検出し、変更を検出した前記連関図に関連付けられた他の連関図であって、変更を検出した前記項目と同一とみなした項目を有する前記他の連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する処理を実行させる。
【0017】
本発明の第1態様によれば、一の連関図における要素への変更を行う場合に、連関図をそれぞれ独立して編集する場合と比べて、関連付けられた他の連関図における要素と対応する要素との把握が容易となる。
【0018】
本発明の第2態様によれば、関連付けられた他の連関図においてどこが変更されたかを把握することが容易となる。
【0019】
本発明の第3態様によれば、関連付けられた他の連関図に変更があったことを把握することが容易となる。
【0020】
本発明の第4態様によれば、複数の連関図に関連付けられた連関図に変更があったことを把握することが容易となる。
【0021】
本発明の第5態様によれば、関連付けられた連関図同士を合成した連関図に変更があったことを把握することが容易となる。
【0022】
本発明の第6態様によれば、関連付けられた連関図同士を合成した連関図に変更があったことを把握することが容易となる。
【0023】
本発明の第7態様によれば、通知した変更に対する反映の指示があった時点で、関連付けられた他の連関図に対する変更を、連関図に対して反映できる。
【0024】
本発明の第8態様によれば、通知した変更の一部に対する反映の指示があった時点で、関連付けられた他の連関図に対する変更の一部を、連関図に対して反映できる。
【0025】
本発明の第9態様によれば、同一の名称である項目が複数の連関図で存在する場合に、ある連関図において当該項目について検出した変更に関する情報を、別の連関図に対して出力できる。
【0026】
本発明の第10態様によれば、同一の名称である項目が複数の連関図で存在し、さらに関連する項目について同一の名称のものが存在する場合に、ある連関図において当該項目について検出した変更に関する情報を、別の連関図に対して出力できる。
【0027】
本発明の第11態様によれば、一の連関図における要素への変更を行う場合に、連関図をそれぞれ独立して編集する場合と比べて、関連付けられた他の連関図における要素と対応する要素との把握が容易となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、関連する連関図をそれぞれ編集する際に、連関図をそれぞれ独立して編集する場合と比べて、一の連関図で行われた項目の変更と他の連関図における対応する項目の関係の把握を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図4】連関図情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図5】項目情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図6】関係線情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図7】サーバによる連関図編集処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図9】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図10】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図11】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図12】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図13】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【
図14】サーバが提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0031】
まず、本件発明者が本発明の実施の形態に至った経緯を説明する。
【0032】
複合的な物理現象を利用したシステムは、例えば製品の最終的な品質などの結果に対して、その結果の要因となる事象が複数あり、それらの事象を結果として生じる要因となる事象が複数あり、さらにその事象を結果として生じる要因となる事象が複数あり、という具合に、多くの事象が連鎖的に繋がっているのが一般的である。また、そのような複雑なシステムにおいては、充足しなければならない品質が数多くあるため、設計群と品質群の因果関係は極めて複雑になる。そのため、所望の品質を満足するための設計項目を見出すのが困難であり、ある品質を満足するための設計値の変更が他の品質に悪影響を及ぼすなどの問題を生じやすい。
【0033】
そのような複雑な因果関係を可視化して整理するための情報として連関情報がある。連関情報は、要因と、要因間の因果関係とが規定された情報のことをいう。連関情報には、例えば、結果とその要因の間を関係線で接続することで因果関係を表現した連関図がある。連関図の一例として、ロジックツリーがある。連関図は、結果とその要因とを漏れなく、かつ重複なく詳細に示すのに適している。
【0034】
また、連関情報には、例えば、互いに直交する複数の軸に列挙した事象間の関係をマトリックス状に配置した記号または数値で示した品質機能展開表がある。品質機能展開表は、多くの事象の中から重要なものを抽出して軸上に配置し、マトリックスで因果関係を表現するため、多数の結果と多数の要因との関係を簡潔に表現することができる。
【0035】
しかし、連関図は対象とする事象が多くなりすぎると、図が過度に複雑化し、肥大化してしまう。また品質機能展開表は、軸上に配置していない事象を含む詳細な因果関係を表現することはできず、その結果、項目の抜け漏れを生じやすい。
【0036】
一般に広く行われている品質機能展開表は横軸と縦軸の2軸に要因と結果を配置するため、そもそも、何故そのような関係となるかに関する情報は持たせることができない。しかし、3つ以上の軸を互いに直交して配置し、因果関係を構成する要因の中で重要なものを抽出して記載することで、概略的な因果関係を表現する多軸の品質機能展開が有効である。
【0037】
以上から、連関図と、多軸の品質機能展開表とを併用することで、因果関係を漏れなく、かつ重複なく詳細に抽出して記述しつつ、多数の要因と結果の関係を簡潔に表示することができる。しかし、連関図と多軸の品質機能展開表との間の変換は煩雑であり、そのためには変換を支援するシステムが必須となる。
【0038】
因果関係を階層化した連関図を描いて、階層を選択することで2軸の品質機能展開表を表示する場合、階層化した状態で連関図を作成するためには、最初から因果関係が階層的に整理されている必要がある。そのため、最初から因果関係が階層的に整理されていなければ、そもそもの目的である、漏れのない、かつ重複のない詳細な因果関係の描画を、階層的に行うのは困難である。また、要因を階層に分けたとしても、選択された階層の要因を全て品質機能展開表に表示すると、表示する情報量が多くなり、重要な要因を抽出して表示するという目的を達することができない。
【0039】
特開2016-081185号公報で開示された発明は、作成した連関図上で品質機能展開表の各軸に対応する事象を選択した上で、品質機能展開表に展開することを提案する。しかし、この技術では連関図の情報を縮約して品質機能展開表を作成するため、連関図が持つ情報よりも品質機能展開表が持つ情報の方が遥かに少なくなる。そのため、連関図から品質機能展開表への展開はできても、品質機能展開表へ行われた変更を逆に連関図に反映することが難しい。
【0040】
以上に述べたように、連関図と品質機能展開表とは、同じ因果関係を異なる役割を持って可視化する仕組みである。従って、一方だけを使ったり、片方からもう一方への一方的な変換ができたりするだけでなく、複雑な因果関係の情報を余すところなく持ちつつ、相互に行き来しながら作成、閲覧できることが求められる。
【0041】
連関図は一人のユーザだけが作成するとは限らず、複数のユーザが異なる連関図を作成する場合もありうる。複数のユーザで作成する連関図は、要素やコネクタの数が膨大になりやすい。すると、担当者の担当箇所や、他の担当者の更新を把握しづらく、複数人で作成した連関図の更新及び管理が困難である。テキストは、複数ユーザに対する同時編集を、差分の管理又は操作単位での変換によって実現している。しかし、物理量の因果関係を表示する連関図は、各連関図の要素単位で他の連関図と同じ部分と、異なる部分とが散らばって表れる。そのため、テキストと同じ方法での、複数ユーザによる編集が困難である。
【0042】
そこで、本実施形態では、関連する連関図がそれぞれ編集された際に、一の連関図で行われた変更をユーザに把握させることが可能な技術について述べる。
【0043】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図1には、情報処理装置としてのサーバ10、及びユーザ端末20A、20Bが示されている。
【0044】
サーバ10は、要因間の依存関係が記述された連関図を出力する装置である。連関図は、機能項目を線で連結することで依存関係を表現した図である。本実施形態では、サーバ10は、ユーザ端末20A、20Bからの連関図の作成に関する入力を受け付け、受け付けた入力に応じて連関図を生成する機能を有する。ユーザ端末20A、20Bは、それぞれ異なる連関図についての作成に関する入力を、ユーザから受け付けることができる。
【0045】
本実施形態は、品質機能展開における連関図を得るための処理を行う連関図作成処理に適用可能である。品質機能展開は、例えば、製品又はサービスの設計において、顧客に満足が得られる設計品質を設定し、設定した設計品質を具現化するように、各機能項目又は構成等との依存関係の確認などに適用される。品質機能展開においては、実際の依存関係を適正に確認する必要があり、このために、品質機能展開においては、多くの設計品質などの機能項目が正確に、かつ漏れなく(見落とし無く)設定される。また、品質機能展開においては、関連する一連のプロセスのうちから一つ又は複数のプロセスを軸として、プロセスの各機能項目(要素)を階層化し系統的に表示することで各機能項目の対応関係が明確化される。
【0046】
本実施形態は、各種の事案の品質機能展開について、関連する2つのプロセスの対応関係(例えば、プロセスを軸とする展開表の対応関係)を組み合わせ、2つのプロセスの間の機能項目の対応関係(依存関係)を示す連関図の作成に適用される。作成した連関図は、品質機能展開における二元表へ展開されうる。品質機能展開における二元表には、要求品質展開表、品質要素(特性)展開表、企画品質設定表、設計品質設定表、機能展開表、機構展開表、ユニット・部品展開表、工法展開表、シーズ展開表、及びコスト展開表などの諸表がある。また、二元表には、原価企画設定表、素材展開表、FT展開表、信頼性企画設定表、計測機器展開表、測定方法展開表、業務機能展開表、技術展開表、QA表、QC工程表、及び保証項目展開表などの諸表があり、本実施形態により作成された連関図は、これらの諸表への展開が可能である。また、これらに限らず、本実施形態により作成された連関図から、所望のプロセスの間の対応関係を示す二元表の作成に用いられる。
【0047】
さらに、本実施形態により作成された連関図は、2つのプロセスに限らず、2つ以上(例えば3又は4)のプロセスの対応関係を組み合わせ、各プロセスの間の機能項目の対応関係を表す品質機能展開に係る図表の作成に用いられる。なお、以下の説明においては、複数のプロセスの対応関係を示す品質機能展開に係る図表を「多元表」と表記して説明する。即ち、以下の説明においては、2つのプロセスの対応関係を示す多元表を二元表とし、3つのプロセスの対応関係を示す多元表を三元表、4つのプロセスの対応関係を示す多元表を四元表として説明する。また、本実施形態において、プロセスは、品質-性能-構造-材料などのように、対象とする事案について、相互に関連するか又は相互に作用する一連の活動を示し、関連するプロセスの間では、一方のアウトプットが他方のインプットとなるように作用する(JIS Q 9000等参照)。
【0048】
ユーザ端末20A、20Bは、インターネット又はイントラネット等のネットワーク30を通じてサーバ10に接続して、連関図の作成に関してユーザからの入力を受け付ける装置である。ユーザ端末20A、20Bは、それぞれ異なるユーザが使用するための端末である。
図1では、2台のユーザ端末を図示しているが、情報処理システムにおいてはユーザ端末の数は問わない。ユーザ端末のそれぞれは、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等のネットワーク30に接続する機能を有するあらゆる装置でありうる。以下の説明では、ユーザ端末20A、20Bを区別して表記する必要が無い場合には、単にユーザ端末20と表記する。
【0049】
図2は、サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0050】
図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0051】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、連関図をユーザに編集させる連関図編集プログラムが格納されている。
【0052】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0053】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0054】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0055】
通信インタフェース17は、ユーザ端末20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0056】
上記の連関図編集プログラムを実行する際に、サーバ10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。サーバ10が実現する機能構成について説明する。
【0057】
次に、サーバ10の機能構成について説明する。
【0058】
図3は、サーバ10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0059】
図3に示すように、サーバ10は、機能構成として、入力部101、作成部102、出力部103、検出部104、及び記憶部105を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された連関図生成プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0060】
入力部101は、ユーザ端末20からの、連関図の作成に関するユーザからの入力を受け付ける。連関図の作成に関する入力には、例えば、項目の設定、項目に対する属性情報の設定、項目間の連結、項目に対するプロセスの設定、等の連関図の作成に関する様々な入力が含まれる。サーバ10は、ユーザ端末20の画面上に、連関図を作成させるためのユーザインタフェースを表示させる。ユーザによるキーボードのキー操作及びマウスの操作等によってユーザ端末20のユーザインタフェース上に作成された、連関図、項目、関係線の情報を、入力部101は受け付ける。ユーザによるキーボードのキー操作等からの受付の他に、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている情報を読み出すこと等が含まれる。
【0061】
作成部102は、入力部101が受け付けた入力から連関図を作成する。入力部101が受け付けた情報に基づいて連関図を作成する。例えば、入力部101が受け付けたユーザの編集操作に応じて、項目の編集(追加、削除等を含む)、項目の属性(項目の名称、特性等)の編集、関係線の付け直し(追加、削除等を含む)、関係線の属性(強度、方向等)の編集等を行う。また、出力部103によって表示されている画面に対するユーザの操作に応じて、新たな項目及びこの新たな項目とは異なる連関図上の位置に既に存在する同一又は類似の属性の他の項目を、異なる位置に別々に表示したり、同じ位置で統合して表示したりする。
【0062】
出力部103は、作成部102が作成した連関図を出力する。連関図の出力先は、連関図の作成に関するユーザからの入力を受け付けたユーザ端末20である。また、出力部103は、作成部102が作成した連関図に関する情報を記憶部105に記憶させる。
【0063】
検出部104は、作成部102が作成した連関図に対して、内容の変更を検出する。内容の変更には、項目の名称の変更、項目に対する属性情報の追加、変更又は削除、項目間の連結の変更又は削除、項目に対するプロセスの設定の変更又は削除、等が含まれる。そして、出力部103は、検出部104が検出した変更に関する情報を出力する。
【0064】
例えば、出力部103は、作成部102が作成した連関図であって、検出部104が内容の変更を検出した連関図に関連付けられた他の連関図であって、変更を検出した項目と同一とみなした項目を有する他の連関図に対して、検出した変更に関する情報を出力する。
【0065】
記憶部105は、サーバ10の動作に関する種々の情報を記憶する。本実施形態では、記憶部105は、連関図に関する情報を記憶する。例えば、記憶部105は、連関図情報テーブル、項目情報テーブル、関係線情報テーブルを記憶する。ここで、記憶部105が記憶する連関図に関する情報の例を説明する。
【0066】
図4は、連関図情報テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。連関図情報テーブル900は、連関
図ID欄905、連関図名欄910、作成者欄915、作成日時欄920、項目数欄925、項目ID欄930、関係線数欄935、関係線ID欄940、同期連関
図ID欄945を有している。連関
図ID欄905は、本実施の形態において、連関図を一意に識別するための情報(連関
図ID:IDentification)を記憶している。連関図名欄910は、その連関
図IDの連関図の名称を記憶している。作成者欄915は、その連関図の作成者を記憶している。作成日時欄920は、その連関図の作成または編集した日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。項目数欄925は、その連関図における項目数を記憶している。項目数欄925内の項目数だけ、その後に項目ID欄930が続く。項目ID欄930は、本実施形態において、項目を一意に識別するための情報(項目ID)を記憶している。項目IDが示す情報は、項目情報テーブル1000に記憶されている。関係線数欄935は、その連関図における関係線数を記憶している。関係線数欄935内の関係線数だけ、その後に関係線ID欄940が続く。関係線ID欄940は、本実施形態において、関係線を一意に識別するための情報(関係線ID)を記憶している。関係線IDが示す情報は、関係線情報テーブル1100に記憶されている。同期連関
図ID欄945は、当該連関図と同期している連関図のIDを記憶している。
【0067】
図5は、項目情報テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。項目情報テーブル1000は項目IDごとに用意され、属性として、項目に付属した属性である項目付属属性と、連関図を構成するための属性である連関図構成属性とを有する。項目付属属性は、項目名、特性、属する軸等の属性である。なお、ここでいう特性とは、性質、挙動、及び作用である。連関図構成属性は、接続項目数、接続項目ID、座標等の属性である。連関図構成属性に伴い、項目情報テーブル1000は、項目ID欄1005、項目名欄1010、座標欄1015、特性欄1020、属する軸欄1025、同名項目欄1027、接続項目数欄1030、接続項目ID欄1035を有している。項目ID欄1005は、項目IDを記憶している。項目名欄1010は、その項目IDの項目の名称を記憶している。座標欄1015は、その項目が表示されている連関図上の座標を記憶している。特性欄1020は、その項目の特性を記憶している。属する軸欄1025は、連関図を展開図に変換した場合にその項目に対応する軸項目が属することとなる軸を記憶している。同名項目欄1027は、当該項目と同一の項目とみなす項目の情報を、「連関
図ID;項目ID」の形式で、当該項目と同一の項目とみなす項目の数だけ記憶している。なお、同一の項目とみなす項目は、必ずしも項目の名称が完全に一致している必要はない。ユーザからの入力によって、当該項目と同一の項目が指定されてもよい。接続項目数欄1030は、その項目が接続されている項目数、つまり、その項目が接続元項目である場合の接続先項目数とその項目が接続先項目である場合の接続元項目数との和を記憶している。接続項目数欄1030内の項目数だけ、その後に接続項目ID欄1035が続く。接続項目ID欄1035は、接続先項目ID及び接続元項目IDを記憶している。
【0068】
図6は、関係線情報テーブル1100のデータ構造例を示す説明図である。関係線情報テーブル1100は、関係線ID欄1105、接続元項目ID欄1110、接続先項目ID欄1115、属性欄1120を有している。関係線ID欄1105は、関係線IDを記憶している。接続元項目ID欄1110は、その関係線の接続元である項目の項目IDを記憶している。接続先項目ID欄1115は、その関係線の接続先である項目の項目IDを記憶している。属性欄1120は、その関係線の属性を記憶している。属性として、例えば、その関係線の極性がある。極性とは、接続元である項目の数値が増加すれば、接続先である項目の数値も増加する関係(例えば、正比例等)にあるのか、接続元である項目の数値が増加すれば、接続先である項目の数値は減少する関係(例えば、反比例等)にあるのか、の性質である。属性として、例えば、その関係線の関係度合いの強弱又は関係の方向もある。
【0069】
なお、
図4~6に示したテーブルは例示であって、この他のデータ構造であってもよい。例えば、グラフ構造を示すデータ構造を用いてもよい。
【0070】
作成部102は、
図4~6に示したテーブルに格納されているデータを用いて、項目間の依存関係を視覚的に表現した連関図を作成することができる。
【0071】
また、連関図に関する情報は記憶部105に記憶されていなくてもよい。連関情報はサーバ10と別の装置に記憶されていてもよい。
【0072】
次に、サーバ10の作用について説明する。
【0073】
図7は、サーバ10による連関図編集処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から連関図編集プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、連関図編集処理が行なわれる。
【0074】
CPU11は、ユーザ端末20からの連関図の編集に関する入力を受け付けるまで待機する(ステップS101)。
【0075】
ユーザ端末20からの連関図の編集に関する入力を受け付けると(ステップS101;Yes)、CPU11は、ユーザ端末20からの入力に応じた連関図の作成を実施する(ステップS102)。連関図の作成に関する入力が、例えば、項目の設定であれば、CPU11は、入力に対応する項目を連関図上に表示する。連関図の作成に関する入力が、例えば、項目に対する属性情報の設定であれば、CPU11は、入力に対応する属性情報を連関図上に表示したり、項目情報テーブル1000に格納したりする。連関図の作成に関する入力が、例えば、項目間の連結であれば、CPU11は、項目間を連結した線を連関図上に表示したり、項目間の連結に関する情報を関係線情報テーブル1100に格納したりする。
【0076】
ステップS102に続いて、CPU11は、編集の対象となる連関図での変更箇所を項目単位で検出する(ステップS103)。
【0077】
ステップS103に続いて、CPU11は、検出した変更箇所の中に、他の連関図において同一とみなす項目が存在しているかどうか判断する(ステップS104)。CPU11は、
図5に示した項目情報テーブル1000を参照し、検出した変更箇所の中に、他の連関図において同一とみなす項目が存在しているかどうか判断する。
【0078】
なお、CPU11は、単に項目の名称が同一であるという条件だけで、ある連関図での変更を別の連関図に通知してもよい。また、CPU11は、項目の名称が同一であり、かつ、当該項目に関係している項目の名称も同一であるという条件を満たした場合に、ある連関図での変更を別の連関図に通知してもよい。
【0079】
ステップS104の判断の結果、検出した変更箇所の中に、他の連関図において同一とみなす項目が存在していれば(ステップS104;Yes)、CPU11は、その項目を有する連関図へ変更を通知する(ステップS105)。CPU11は、
図5に示した項目情報テーブル1000を参照し、検出した変更箇所の中に、他の連関図において同一とみなす項目が存在しているかどうか判断する。このステップS105の通知は、他の連関図において同一とみなす項目が存在していることが判明した時点で即座に行われてもよく、変更箇所と同一とみなす項目を有する連関図が編集される時点で行われてもよい。
【0080】
ステップS105に続いて、CPU11は、変更を通知した他の連関図に対して、ユーザからの当該変更を反映するような操作の入力をユーザ端末20から受け付けたかどうか判断する(ステップS106)。
【0081】
ステップS106の判断の結果、ユーザからの当該変更を反映するような操作の入力をユーザ端末20から受け付けていれば(ステップS106;Yes)、CPU11は、変更を通知した他の連関図に対して変更箇所を反映する(ステップS107)。
【0082】
ステップS104の判断の結果、検出した変更箇所の中に、他の連関図において同一とみなす項目が存在していなければ(ステップS104;No)、CPU11は、ステップS105以降の処理をスキップする。
【0083】
また、ステップS106の判断の結果、ユーザからの当該変更を反映するような操作の入力をユーザ端末20から受け付けていなければ(ステップS106;No)、CPU11は、ステップS107の処理をスキップする。
【0084】
サーバ10は、
図7に示した一連の動作を実行することで、関連する連関図をそれぞれ編集する際に、連関図をそれぞれ独立して編集する場合と比べて、一の連関図で行われた項目の変更と他の連関図における対応する項目の関係の把握を容易にできる。
【0085】
続いて、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を説明する。
【0086】
図8は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図8では、説明の便宜上、2つの連関
図40、50が1つの図で示されているが、連関
図40と連関
図50とは、それぞれ独立して編集される連関図である。連関
図40はユーザ端末20Aで編集されているとし、連関
図50はユーザ端末20Bで編集されているとする。連関
図40の連関
図IDは0001であり、連関
図50の連関
図IDは0002であるとする。そして、連関
図40、50は同期しているというデータが、サーバ10の連関図情報テーブル900に格納されている。
【0087】
連関
図40と、連関
図50とは、それぞれ異なる事象に着目して作成された連関図であるが、連関
図40及び連関
図50には、「デカーラ押し付け力」という共通する項目が存在する。従って、サーバ10は、連関
図40に対する項目情報テーブル1000において、連関
図40の「デカーラ押し付け力」は、連関
図50の「デカーラ押し付け力」と同一の項目であるという情報を保持している。同様に、サーバ10は、連関
図50に対する項目情報テーブル1000において、連関
図50の「デカーラ押し付け力」は、連関
図40の「デカーラ押し付け力」と同一の項目であるという情報を保持している。サーバ10は、連関
図40又は連関
図50の一方の「デカーラ押し付け力」という項目に対してユーザから編集があったことを検出すると、他方に対して、「デカーラ押し付け力」という項目に対してユーザから編集があったことを通知する処理を実行する。
【0088】
図9は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図9でも、
図8と同様に、説明の便宜上、2つの連関
図40、50が1つの図で示されている。ユーザ端末20Aによって連関
図40の編集が行われ、「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加されたとする。サーバ10は、連関
図40において「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加されたことを検出すると、項目の追加があったことを所定の方法で通知する。
【0089】
例えば、ユーザ端末20Bにおいて連関
図50が開かれたとする。サーバ10は、連関
図50に対して連関
図40において「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加されたことを通知する。そして、ユーザ端末20Bにおいて、連関
図50にもその変更を反映させる旨の入力が行われると、サーバ10は、連関
図50において「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目を追加する。
【0090】
図10は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図10でも、
図8及び
図9と同様に、説明の便宜上、2つの連関
図40、50が1つの図で示されている。
図10には、連関
図50においても、「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加された状態が示されている。
【0091】
図11は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図11では、サーバ10による他の連関図での変更の通知例が示されている。
【0092】
サーバ10は、連関
図40において「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加されたことを検出すると、連関
図50がユーザ端末20Bで開かれた際に、「デカーラ押し付け力」、「デカーラバネ弾性」、及び「デカーラバネ変位量」の枠に所定の色を付ける等により、変更を通知する。ユーザがマウスカーソル300を操作し、「デカーラ押し付け力」の枠を選択すると、サーバ10は、変更を反映させるためのメニュー200を連関
図50に重畳して表示する。ユーザがマウスカーソル300を操作し、メニュー200を選択すると、サーバ10は、
図11に示すように、「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目を追加する。サーバ10がこのようなユーザインタフェースを提供することで、ユーザは、連関
図50と関連付けられている連関
図40においてどのような変更が行われたのかを把握できる。
【0093】
サーバ10は、複数の連関図をまとめて編集させてもよい。
図12は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図12では、2つの連関
図40、50を1つにまとめた連関
図60が示されている。従って、連関
図60は、連関
図40と連関
図50の両方に関連付けられている旨の情報が連関図情報テーブル900に登録される。2つの連関
図40、50を1つにまとめたことで、連関
図60では、「デカーラ押し付け力」という項目が2箇所で登場している。
【0094】
ここで、上述したように、連関
図40において「デカーラ押し付け力」に関連する項目として「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加されたとする。サーバ10は、連関
図60に対して、「デカーラ押し付け力」という項目に編集が行われたことを通知する。
図13は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図13では、連関
図40に対して行われた編集を連関
図60にも反映させた状態が示されている。従って、
図13では、2箇所の「デカーラ押し付け力」について「デカーラバネ劣化状態」という項目が追加された状態が示されている。
【0095】
サーバ10は、管理している連関図のリストをユーザ端末20に提示する際に、関連付けられている連関図で編集が行われたことを提示することによって通知を行ってもよい。
図14は、サーバ10が提供するユーザインタフェースの例を示す図である。
図14では、サーバ10が管理している連関図のリスト70が示されている。リスト70は、連関図のタイトル(プロジェクト名)を表示するプロジェクト名欄71、各連関図に対するコメントを表示するコメント欄72、各連関図のキーワードを表示するキーワード欄73、各連関図の状態を表示する状態欄74、各連関図のバージョン番号を表示するバージョン欄75、及び各連関図の更新日時を表示する更新日時欄76を有する。更新日時欄76の日時は、連関図情報テーブル900の作成日時欄920から取得される。
【0096】
ここで、リスト70の上から2行目の「用紙しわ」というプロジェクト名の連関図における状態欄74には「編集中」と表示されている。これは、当該連関図が誰かによって編集中であることを意味する。
【0097】
また、リスト70の上から3行目の「用紙しわ+そり量」というプロジェクト名の連関図における状態欄74には「更新あり」と表示されている。これは、当該連関図と関連する連関図において、同一とみなす項目に対する編集が行われたことを意味する。従って、ユーザは、「用紙しわ+そり量」というプロジェクト名の連関図を開くと、どの項目に対する変更が行われたのかを、サーバ10からの通知によって知ることができる。
【0098】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した連関図編集処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、連関図編集処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0099】
また、上記各実施形態では、連関図編集処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0100】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0101】
10 サーバ
20A、20B ユーザ端末
30 ネットワーク