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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ドロワ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20231129BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G21/16 120
G03G21/16 176
G03G21/18 142
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020005406
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021113858
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179130(JP,A)
【文献】特開2013-125149(JP,A)
【文献】特開2007-072422(JP,A)
【文献】特開2011-059510(JP,A)
【文献】特開2009-003054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、
前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラを有する現像カートリッジが装着可能なフレームであって、
第1サイドフレームと、
前記第1サイドフレームから前記第1方向に離れて位置する第2サイドフレームと、
前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとを前記第1方向に繋ぐドラムフレームと、
を有するフレームと、
前記感光体ドラムの表面を帯電する帯電装置であって、前記ドラムフレームに支持される帯電装置と、
前記帯電装置と電気的に接続可能な帯電電極であって、前記第1サイドフレームの外表面に位置する帯電電極と、
前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が前記フレームに対して前記第1方向に移動した場合に、前記現像ローラの外表面が前記感光体ドラムの外表面から離間するように前記現像カートリッジを離間方向に移動させる第1ガイドローラであって、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1軸について回転可能である第1ガイドローラであり、前記第1サイドフレームの内表面に位置する第1ガイドローラであり、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極よりも前記感光体ドラムから離れて位置する第1ガイドローラと、
前記ドラムフレームに前記第1サイドフレームを固定する第1ネジであって、前記現像カートリッジの装着方向において、前記感光体ドラムと前記帯電電極との間に位置する第1ネジと、
前記ドラムフレームに前記第1サイドフレームを固定する第2ネジであって、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極よりも前記第1ガイドローラの近くに位置する第2ネジと、
を有することを特徴とする、ドロワ。
【請求項2】
請求項1に記載のドロワであって、
前記第2ネジは、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極と前記第1ガイドローラとの間に位置することを特徴とする、ドロワ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のドロワであって、
前記第1ネジは、前記第1方向に延び、
前記第2ネジは、前記第2方向に延びることを特徴とする、ドロワ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴とする、ドロワ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記帯電装置は、スコロトロン型であることを特徴とする、ドロワ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記離間方向は、前記第1方向と交差することを特徴とする、ドロワ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1ガイドローラは、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が、前記第2サイドフレームから前記第1サイドフレームへ向けて移動した場合に、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向に移動させることを特徴とする、ドロワ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1ガイドローラは、前記現像カートリッジの一部と接触しつつ回転することにより、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向にガイドすることを特徴とする、ドロワ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1ガイドローラは金属製であることを特徴とする、ドロワ。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1ネジは、前記第1方向において、前記第1ガイドローラよりも、前記第2サイドフレームから離れて位置し、
前記第2ネジは、前記第1方向において、前記第1ガイドローラよりも、前記第2サイドフレームの近くに位置することを特徴とする、ドロワ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1ネジは、前記ドラムフレームに対して前記第1サイドフレームを、前記第1方向に固定し、
前記第2ネジは、前記ドラムフレームに対して前記第1サイドフレームを、前記第2方向に固定することを特徴とする、ドロワ。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が前記フレームに対して前記第1方向に移動した場合に、前記現像カートリッジを前記離間方向に移動させる第2ガイドローラであって、前記第2方向に延びる第2軸について回転可能である第2ガイドローラであり、前記第2サイドフレームに位置する第2ガイドローラ
をさらに有することを特徴とする、ドロワ。
【請求項13】
請求項12に記載のドロワであって、
前記第2ガイドローラは、前記現像カートリッジの一部と接触しつつ回転することにより、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向にガイドすることを特徴とする、ドロワ。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のドロワであって、
前記第2ガイドローラは金属製であることを特徴とする、ドロワ。
【請求項15】
請求項12から請求項14のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記ドラムフレームに前記第2サイドフレームを固定する第3ネジ
をさらに有し、
前記ドラムフレームは、
前記現像カートリッジの装着方向において、前記第3ネジよりも前記第2ガイドローラに近い位置において、前記第2サイドフレームの前記第1サイドフレームに向かい合う面に接触可能な壁部
を有することを特徴とする、ドロワ。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとの間に、前記現像カートリッジが装着され、
前記第2サイドフレームは、
前記第1方向に貫通する孔であって、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの前記一部を前記フレームの外部に露出させる孔
を有し、
前記現像カートリッジの前記一部は、前記孔を介して、前記第1方向の押圧力を受け、
前記現像カートリッジは、前記押圧力を受けると、フレームに対して、前記離間方向に移動することを特徴とする、ドロワ。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記ドロワは、複数の前記感光体ドラムを備え、
前記フレームは、前記複数の感光体ドラムそれぞれに対して、前記現像カートリッジを装着可能であることを特徴とする、ドロワ。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のドロワであって、
前記現像ローラの表面と、前記感光体ドラムの表面とが接触した状態で、前記フレームに前記現像カートリッジが装着されることを特徴とする、ドロワ。
【請求項19】
請求項18に記載のドロワであって、
前記フレームは、
前記現像ローラの表面と、前記感光体ドラムの表面とが接触した状態で、前記現像カートリッジの前記一部が前記第1方向に移動すると、前記現像ローラを前記離間方向に移動させることを特徴とする、ドロワ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ドロワに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。画像形成装置には、現像カートリッジが用いられる。現像カートリッジは、トナーを供給するための現像ローラを有する。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1,2に記載されている。
【0003】
特許文献1の画像形成装置は、ドロアユニットを有する。ドロアユニットは、感光体ドラムを有する。現像カートリッジは、ドロアユニットに対して装着される。ドロアユニットに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。
【0004】
また、特許文献2の現像カートリッジは、ドラムカートリッジに対して装着される。ドラムカートリッジは、感光体ドラムを有する。ドラムカートリッジに現像カートリッジが装着されると、感光体ドラムと現像ローラとが接触する。そして、現像カートリッジが装着されたドラムカートリッジが、画像形成装置に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-59510号公報
【文献】特開2013-54058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2の画像形成装置では、現像ローラと感光体ドラムとが接触した状態と、現像ローラと感光体ドラムとが離間した状態とで切り替わる。特許文献1、2では、現像ローラと感光体ドラムとを離間させるために現像カートリッジを移動させる部品が、ドロアユニットまたはドラムカートリッジの両側に設けられており、両側の部品それぞれが、画像形成装置からの駆動力を受ける必要がある。
【0007】
また、ドロワは、2つのサイドフレームと、2つのサイドフレームを繋ぐドラムフレームと、帯電装置と、帯電装置と電気的に接続される帯電電極と、を有する。従来のドロワは、帯電電極と感光体ドラムとの間に配置されたネジにより、ドラムフレームに対してサイドフレームが固定されていた。
【0008】
しかしながら、従来の構造では、ドロワに装着された現像カートリッジを移動させるときに、画像形成装置から受ける駆動力により、サイドフレームが撓む場合がある。ドロワに対して現像カートリッジを精度良く移動させるためには、サイドフレームの撓みを抑制する必要がある。
【0009】
本開示の目的は、ドロワの片側からの駆動力で、現像カートリッジを移動させることができ、かつ、サイドフレームの撓みを抑制して、現像カートリッジを精度良く移動させることができるドロワを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本願の第1開示は、第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、前記第1方向に延びる現像軸について回転可能な現像ローラを有する現像カートリッジが装着可能なフレームであって、第1サイドフレームと、前記第1サイドフレームから前記第1方向に離れて位置する第2サイドフレームと、前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとを前記第1方向に繋ぐドラムフレームと、を有するフレームと、前記感光体ドラムの表面を帯電する帯電装置であって、前記ドラムフレームに支持される帯電装置と、前記帯電装置と電気的に接続可能な帯電電極であって、前記第1サイドフレームの外表面に位置する帯電電極と、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が前記フレームに対して前記第1方向に移動した場合に、前記現像ローラの外表面が前記感光体ドラムの外表面から離間するように前記現像カートリッジを離間方向に移動させる第1ガイドローラであって、前記第1方向と交差する第2方向に延びる第1軸について回転可能である第1ガイドローラであり、前記第1サイドフレームの内表面に位置する第1ガイドローラであり、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極よりも前記感光体ドラムから離れて位置する第1ガイドローラと、前記ドラムフレームに前記第1サイドフレームを固定する第1ネジであって、前記現像カートリッジの装着方向において、前記感光体ドラムと前記帯電電極との間に位置する第1ネジと、前記ドラムフレームに前記第1サイドフレームを固定する第2ネジであって、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極よりも前記第1ガイドローラの近くに位置する第2ネジと、を有することを特徴とする。
【0011】
本願の第2開示は、第1開示のドロワであって、前記第2ネジは、前記現像カートリッジの装着方向において、前記帯電電極と前記第1ガイドローラとの間に位置することを特徴とする。
【0012】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示のドロワであって、前記第1ネジは、前記第1方向に延び、前記第2ネジは、前記第2方向に延びることを特徴とする。
【0013】
本願の第4開示は、第1開示から第3開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴とする。
【0014】
本願の第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか1開示のドロワであって、前記帯電装置は、スコロトロン型であることを特徴とする。
【0015】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか1開示のドロワであって、前記離間方向は、前記第1方向と交差することを特徴とする。
【0016】
本願の第7開示は、第1開示から第6開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1ガイドローラは、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が、前記第2サイドフレームから前記第1サイドフレームへ向けて移動した場合に、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向に移動させることを特徴とする。
【0017】
本願の第8開示は、第1開示から第7開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1ガイドローラは、前記現像カートリッジの一部と接触しつつ回転することにより、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向にガイドすることを特徴とする。
【0018】
本願の第9開示は、第1開示から第8開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1ガイドローラは金属製であることを特徴とする。
【0019】
本願の第10開示は、第1開示から第9開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1ネジは、前記第1方向において、前記第1ガイドローラよりも、前記第2サイドフレームから離れて位置し、前記第2ネジは、前記第1方向において、前記第1ガイドローラよりも、前記第2サイドフレームの近くに位置することを特徴とする。
【0020】
本願の第11開示は、第1開示から第10開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1ネジは、前記ドラムフレームに対して前記第1サイドフレームを、前記第1方向に固定し、前記第2ネジは、前記ドラムフレームに対して前記第1サイドフレームを、前記第2方向に固定することを特徴とする。
【0021】
本願の第12開示は、第1開示から第11開示のいずれか1開示のドロワであって、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの一部が前記フレームに対して前記第1方向に移動した場合に、前記現像カートリッジを前記離間方向に移動させる第2ガイドローラであって、前記第2方向に延びる第2軸について回転可能である第2ガイドローラであり、前記第2サイドフレームに位置する第2ガイドローラをさらに有することを特徴とする。
【0022】
本願の第13開示は、第12開示のドロワであって、前記第2ガイドローラは、前記現像カートリッジの一部と接触しつつ回転することにより、前記現像カートリッジを、前記フレームに対して前記離間方向にガイドすることを特徴とする。
【0023】
本願の第14開示は、第12開示または第13開示のドロワであって、前記第2ガイドローラは金属製であることを特徴とする。
【0024】
本願の第15開示は、第12開示から第14開示のいずれか1開示のドロワであって、前記ドラムフレームに前記第2サイドフレームを固定する第3ネジをさらに有し、前記ドラムフレームは、前記現像カートリッジの装着方向において、前記第3ネジよりも前記第2ガイドローラに近い位置において、前記第2サイドフレームの前記第1サイドフレームに向かい合う面に接触可能な壁部を有することを特徴とする。
【0025】
本願の第16開示は、第1開示から第15開示のいずれか1開示のドロワであって、前記第1サイドフレームと前記第2サイドフレームとの間に、前記現像カートリッジが装着され、前記第2サイドフレームは、前記第1方向に貫通する孔であって、前記現像カートリッジが前記フレームに装着された状態で、前記現像カートリッジの前記一部を前記フレームの外部に露出させる孔を有し、前記現像カートリッジの前記一部は、前記孔を介して、前記第1方向の押圧力を受け、前記現像カートリッジは、前記押圧力を受けると、フレームに対して、前記離間方向に移動することを特徴とする。
【0026】
本願の第17開示は、第1開示から第16開示のいずれか1開示のドロワであって、前記ドロワは、複数の前記感光体ドラムを備え、前記フレームは、前記複数の感光体ドラムそれぞれに対して、前記現像カートリッジを装着可能であることを特徴とする。
【0027】
本願の第18開示は、第1開示から第17開示のいずれか1開示のドロワであって、前記現像ローラの表面と、前記感光体ドラムの表面とが接触した状態で、前記フレームに前記現像カートリッジが装着されることを特徴とする。
【0028】
本願の第19開示は、第18開示のドロワであって、前記フレームは、前記現像ローラの表面と、前記感光体ドラムの表面とが接触した状態で、前記現像カートリッジの前記一部が前記第1方向に移動すると、前記現像ローラを前記離間方向に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本願の第1開示~第19開示によれば、現像カートリッジの一部を1方向に移動させると、第1ガイドローラにより、現像カートリッジが離間方向に移動する。これにより、第1方向におけるフレームの両側に駆動力をかける必要がなく、片側からの駆動力によって、現像カートリッジを離間方向へ移動させることができる。また、第1ネジだけではなく、第1ネジと、第1ガイドローラの近くに位置する第2ネジとにより、ドラムフレームに第1サイドフレームを固定する。これにより、第1サイドフレームの撓みを抑制できる。その結果、ドロワに対して現像カートリッジを、精度良く移動させることができる。
【0030】
また、本願の第15開示によれば、第2ガイドローラの近くに位置する壁部により、第2サイドフレームの撓みを抑制できる。その結果、ドロワに対して現像カートリッジを、より精度良く移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】画像形成装置の概念図である。
図2】現像カートリッジの斜視図である。
図3】現像カートリッジの斜視図である。
図4】第1方向から視た現像カートリッジの平面図である。
図5】第1方向から視た現像カートリッジの平面図である。
図6】ドロワの斜視図である。
図7】ドロワの斜視図である。
図8】ドロワの1つのスロットに現像カートリッジを装着した状態の斜視図である。
図9図6において一点鎖線Aで囲んだ部分の拡大図である。
図10図7において一点鎖線Bで囲んだ部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
なお、以下の説明では、感光体ドラムのドラム軸が延びる方向を「第1方向」とする。また、第1ガイドローラの回転軸が延びる方向を「第2方向」とする。第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0034】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概念図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置100の例としては、レーザプリンタまたはLEDプリンタが挙げられる。
【0035】
画像形成装置100は、4つの現像カートリッジ1と、ドロワ2と、本体フレーム101と、制御部102とを備える。
【0036】
現像カートリッジ1は、ドロワ2に対して装着される。ドロワ2は、現像カートリッジ1が装着されるドラムカートリッジであって、4つのスロット2Aを備える。複数の現像カートリッジ1は、それぞれ、ドロワ2のスロット2Aに装着される。そして、現像カートリッジ1は、ドロワ2のスロット2Aに装着された状態で本体フレーム101内に装着される。4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤(例えば、トナー)を収容する。ただし、複数の現像カートリッジ1は、同じ色の現像剤を収容してもよい。また、現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
【0037】
画像形成装置100は、4つの現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙に画像を形成する。
【0038】
4つの現像カートリッジ1は、それぞれ、ICチップ51を有する。ICチップ51は、情報の読み出しおよび書き込みが可能な記憶媒体である。記憶媒体としては、例えば、フラッシュROMまたはEPPROMが挙げられる。現像カートリッジ1がドロワ2のスロット2Aに装着された状態で、本体フレーム101に装着されると、各現像カートリッジ1のICチップ51と、制御部102とが、それぞれ電気的に接続される。制御部102は、例えば、回路基板により構成される。制御部102は、CPU等のプロセッサおよび各種のメモリを有する。制御部102のプロセッサは、プログラムに従って動作することにより、画像形成装置100における諸処理を実行する。
【0039】
<2.現像カートリッジについて>
図2および図3は、現像カートリッジ1の斜視図である。図4および図5は、第1方向から視た現像カートリッジ1の平面図である。ただし、図5においては、ギアカバー46の図示が省略されている。
【0040】
現像カートリッジ1は筐体10を有する。筐体10は、第1方向に離れた第1外表面11と、第2外表面12とを有する。第1外表面11は、筐体10の第1方向における一端部に位置する。第2外表面12は、筐体10の第1方向における他端部に位置する。
【0041】
また、筐体10は、容器10Aと、蓋10Bとを有する。容器10Aは現像剤を収容する。蓋10Bは容器10Aを覆う。容器10Aと、蓋10Bとは、第1方向において第1外表面11と第2外表面12との間に配置される。
【0042】
また、筐体10は第2方向に延びている。筐体10は、開口10Cを有する。開口10Cは、第2方向における筐体10の一端部に位置する。容器10Aと外部とは、開口10Cを介して連通する。
【0043】
現像カートリッジ1はアジテータ20を有する。アジテータ20は、第1方向に延びる軸について回転可能である。アジテータ20は、容器10A内のトナーを攪拌する部材である。アジテータ20は、第1方向に延びるシャフトと、シャフトから径方向外側へ向けて拡がる撹拌羽根とを有する。アジテータ20が、そのシャフトについて回転すると、撹拌羽根により、容器10A内の現像剤が撹拌される。
【0044】
現像カートリッジ1は現像ローラ30を有する。現像ローラ30は、筐体10の第2方向における一端部の開口10Cに位置する。現像ローラ30は、第1方向に延びる現像軸について回転可能に、筐体10に支持されるローラである。
【0045】
現像ローラ30は、現像ローラ本体31と現像ローラシャフト32とを有する。現像ローラ本体31は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を第1方向に貫通する円柱状の部材である。現像ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32に対して、回転不能に固定される。つまり、現像ローラ本体31は、現像ローラシャフト32と共に回転可能である。
【0046】
現像ローラ本体31の周面の一部分は、開口10Cを介して、筐体10の外側に露出する。また、現像ローラ本体31の周面の他の部分は、筐体10の内側に位置する。以下では、現像ローラ30の筐体10の外側へ露出した部分と、筐体10の内側に位置する部分とが並ぶ方向を「第3方向」と称する。第3方向は、現像ローラ本体31の周面の筐体10の外側に露出した部分と交差する方向でもある。また、第3方向は、現像ローラ30が、後述する感光体ドラム21から離間する「離間方向」でもある。第3方向は、第1方向と交差する方向である。
【0047】
現像カートリッジ1は、さらに、現像電極33を有する。現像電極33は、現像ローラシャフト32の第1方向の一方の端部に位置する。現像ローラシャフト32は、筐体10が有する不図示の軸受けに、現像電極33を介して、回転可能に装着される。軸受けは、筐体10と一体であってもよいし、別体であってもよい。現像電極33は、第1外表面11に位置する。現像電極33は、現像ローラシャフト32と電気的に接続される。現像電極33は、現像ローラ30に現像バイアスを印加するための電極である。現像電極33は、第2方向において、後述する離間部材60のシャフト61および第1カム62よりも、現像ローラ30に近い位置に配置されている。本実施形態では、現像電極33は、現像ローラ30の現像ローラシャフト32の端部に設けられる。
【0048】
図2および図5に示すように、現像ローラシャフト32の第1方向の他方の端部には、現像ローラギア42が装着される。現像ローラギア42は、第2外表面12に位置する。現像ローラシャフト32は、現像ローラギア42に対して、回転不能に固定される。現像ローラギア42が回転すると、現像ローラシャフト32も回転し、現像ローラシャフト32と共に現像ローラ本体31も回転する。
【0049】
なお、現像ローラシャフト32は、現像ローラ本体31を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト32が、現像ローラ本体31の第1方向の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0050】
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した供給ローラを有する。供給ローラは、容器10A内に位置し、現像ローラ30と、アジテータ20との間に位置する。また、供給ローラは、第1方向に延びる回転軸について回転可能である。現像カートリッジ1が駆動力を受けると、筐体10内の容器10Aから、供給ローラを介して、現像ローラ30の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラと現像ローラ30との間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ30の現像ローラシャフト32には、現像バイアスがかけられている。このため、現像ローラシャフト32と現像剤との間の静電気力によって、現像ローラ本体31の外周面に、現像剤が引き付けられる。
【0051】
さらに、現像カートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、現像ローラ本体31の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みに成形する。その後、現像ローラ本体31の外周面の現像剤は、ドロワ2が有する後述の感光体ドラム21(図1図7参照)へ供給される。このとき、現像剤は、感光体ドラム21の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ本体31から感光体ドラム21へ移動する。これにより、感光体ドラム21の外周面において、静電潜像が可視像化される。
【0052】
図3図5に示すように、現像カートリッジ1はギア部40およびギアカバー46を有する。ギア部40およびギアカバー46は、筐体10の第2外表面12に位置する。ギア部40は、カップリング41、現像ローラギア42、アイドルギア43、およびアジテータギア44を有する。ギアカバー46は、筐体10の第2外表面12に取り付けられる。ギア部40の少なくとも一部分は、第2外表面12とギアカバー46との間に位置する。
【0053】
カップリング41は、画像形成装置100から供給される駆動力を受けるギアである。カップリング41は、第1方向に延びる回転軸について回転することが可能である。カップリング41は、第2方向において、後述する離間部材60のシャフト61、第1カム62および第2カム63よりも現像ローラ30に近い位置に配置されている。カップリング41は、第1方向に凹む締結穴411を有する。ドロワ2のスロット2Aに装着された現像カートリッジ1が画像形成装置100内に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトが、締結穴411に挿入される。これにより、駆動シャフトとカップリング41とが、相対回転不能に連結される。したがって、駆動シャフトが回転すると、カップリング41が回転する。カップリング41が回転すると、不図示の供給ローラに接続される供給ローラギア、および、現像ローラギア42が回転する。そして、供給ローラギアと共に供給ローラが回転し、また、現像ローラギア42と共に現像ローラ30も回転する。また、カップリング41が回転すると、アイドルギア43およびアジテータギア44も回転する。そして、アジテータギア44と共に、アジテータ20も回転する。
【0054】
現像カートリッジ1は離間部材60を有する。画像形成装置100は、接触状態と離間状態とを有する。接触状態は、現像カートリッジ1がドロワ2のスロット2Aに装着された状態において、現像ローラ30とドロワ2の感光体ドラム21とが接触する状態である。また、離間状態は、現像ローラ30とドロワ2の感光体ドラム21とが互いに離れた状態である。現像カートリッジ1がドロワ2のスロット2Aに装着されると、画像形成装置100は接触状態となる。離間部材60は、画像形成装置100を接触状態または離間状態に切り替えるための部材である。本実施形態では、接触状態から離間状態となる際、現像ローラ30は、離間方向である第3方向において、感光体ドラム21から離間する。
【0055】
離間部材60は、蓋10Bに設けられる。離間部材60は、第1方向において、筐体10および現像ローラ30に対して移動可能である。また、離間部材60は、第3方向において、筐体10および現像ローラ30とともに移動可能である。
【0056】
離間部材60は、第1方向に延びるシャフト軸に沿ったシャフト61を有する。シャフト61は、円柱状である。ただし、シャフト61は、角柱状であってもよい。蓋10Bは、第1方向に貫通した孔10B1を有する。孔10B1の径は、シャフト61の径よりも大きい。シャフト61は、この孔10B1に挿入される。孔10B1に挿入されたシャフト61は、第1方向において、第1位置と第2位置との間で、筐体10の蓋10Bに対して移動可能である。第2位置は、第1方向において、第1位置よりも、第1外表面11に近い位置である。
【0057】
シャフト61は、好ましくは、剛性部材により構成される。例えば、シャフト61は、鉄により作られる。また、シャフト61は、樹脂により作られてもよい。
【0058】
本実施形態では、蓋10Bは、リング10B2、および、リング10B3を有する。リング10B2は、第1方向における蓋10Bの一端部に配置される。リング10B3は、第1方向における蓋10Bの他端部に配置される。また、第1方向に沿った孔10B1は、リング10B2と、リング10B3との間で露出している。つまり、孔10B1に挿入されたシャフト61は、リング10B2と、リング10B3との間で、蓋10Bから露出している。シャフト61は剛性を有するため、露出した部分が、第2方向または第3方向に折れ曲がることはない。
【0059】
ただし、リング10B2と、リング10B3との間に、さらに、追加のリングが設けられるようにしてもよい。また、本実施形態では、第1方向において、リング10B2と、リング10B3との間でシャフト61は露出しているが、露出していなくてもよい。つまり、シャフト61は、蓋10Bの内部に収容されてもよい。
【0060】
蓋10Bでシャフト61を第1方向に移動可能に保持することで、現像カートリッジ1の筐体10に対して、容易にシャフト61を設けることができる。
【0061】
シャフト61の第1方向における一端部には、第1カム62が設けられる。第1カム62は、ゴムまたは樹脂などで構成される。図2に示すように、第1カム62には、第1方向に貫通する孔62Aが設けられる。シャフト61の一端部は、他の部分よりも径が小さく、孔62Aに挿入される。シャフト61の一端部は、孔62Aに挿入されると、第1方向において、一端部の先端が第1カム62から露出する。その露出した一端部の先端に止め輪61Bが嵌められることで、シャフト61の一端部に、第1カム62が固定される。ただし、第1カム62は、接着により、シャフト61に固定されてもよい。
【0062】
第1カム62は、第1傾斜面621を有する。本実施形態では、第1傾斜面621は、シャフト61の周面の一部に設けられる。なお、第1カム62は、蓋10Bと向かい合う接触面(図示省略)を有する。接触面は、第1傾斜面621が設けられるシャフト61の周面の一部とは異なる周面に設けられる。換言すると、接触面は、筐体10、つまり、筐体10の外表面と向かい合っている。接触面と蓋10Bとが向かい合っているため、第1カム62が、シャフト61について回転しようとしても、接触面と蓋10Bとが接触し、第1カム62が回転できない。なお、本実施形態では、第1傾斜面621は、シャフト61の周面の一部に設けられているが、第1傾斜面621は、シャフト61の全周に設けられてもよい。
【0063】
第1傾斜面621は、第1方向に延びるシャフト61に対して傾斜する。第1方向に対する第1傾斜面621の角度は、43度以上、47度以下である。より好ましくは、第1方向に対する第1傾斜面621の角度は、約45度である。第1カム62、つまり第1傾斜面621は、筐体10の第1外表面11に位置する。第1傾斜面621は、第1方向における第1外表面11から離れる方向に向かうに従い、第3方向においてシャフト61から離れる。換言すると、第1傾斜面621は、第1方向の一端部から他端部に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けてのシャフト61からの距離が長くなる。また、第1傾斜面621は、シャフト61に対して鋭角に傾斜する。なお、第1カム62は、シャフト軸を中心軸とする円錐形状を2分した形状である。言い換えれば、第1カム62は、円錐面の一部である、第1傾斜面621を有する。
【0064】
なお、第1カム62は、円錐状でなく、多角錐状であってもよい。この場合、第1傾斜面621は、多角錐面の一部である。また、第1傾斜面621は、なだらかに傾斜する面であるが、傾斜途中に段差などの凹凸が設けられてもよい。さらに、第1傾斜面621は、曲面状であってもよい。
【0065】
シャフト61の第1方向における他端部には、第2カム63が設けられる。第2カム63は、ゴムまたは樹脂などで構成される。第2カム63は、第1カム62と同様に、シャフト61の第1方向の他端部に固定されている。
【0066】
第2カム63は、第2傾斜面631を有する。図4に示すように、本実施形態では、第2傾斜面631は、シャフト61の周面の一部に設けられる。なお、本実施形態では、第2傾斜面631は、シャフト61の周面の一部に設けられているが、第2傾斜面631は、シャフト61の周面の全周に設けられてもよい。
【0067】
第2傾斜面631は、第1方向に延びるシャフト61に対して傾斜する。第1方向に対する第2傾斜面631の角度は、43度以上、47度以下である。より好ましくは、第1方向に対する第2傾斜面631の角度は、約45度である。第2傾斜面631は、第1方向のシャフト61の一端部から他端部に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けてのシャフト61からの距離が長くなる。また、第2傾斜面631は、シャフト61に対して鋭角に傾斜する。つまり、第1カム62の第1傾斜面621と、第2カム63の第2傾斜面631とは、第1方向に対して、同方向に傾斜する。なお、第2カム63は、シャフト軸を中心軸とする円錐形状の一部分を含む。換言すれば、第2カム63は、円錐面の一部である第2傾斜面631を有する。
【0068】
なお、第2カム63は、円錐状でなく、多角錐状であってもよい。この場合、第2傾斜面631は、多角錐面の一部である。また、第2傾斜面631は、なだらかに傾斜する面であるが、傾斜途中に段差などの凹凸が設けられてもよい。さらに、第2傾斜面631は、曲面状であってもよい。
【0069】
この第1カム62および第2カム63は、シャフト61とともに、第1方向に移動可能である。シャフト61が、第1方向において、第1位置から第2位置へ移動すると、第2カム63は蓋10Bに近づき、第1カム62は蓋10Bから遠ざかる。シャフト61が、第1方向において、第2位置から第1位置へ移動すると、第2カム63は蓋10Bから遠ざかり、第1カム62は蓋10Bに近づく。換言すれば、シャフト61が、第1方向において、第1位置から第2位置へ移動すると、第2カム63は筐体10に近づき、第1カム62は筐体10から遠ざかる。また、シャフト61が、第1方向において、第2位置から第1位置へ移動すると、第2カム63は筐体10から遠ざかり、第1カム62は筐体10に近づく。
【0070】
また、一対の孔10B1に挿入されたシャフト61は、第1方向に延びるシャフト軸について、筐体10の蓋10Bに対して回転不可である。ただし、シャフト61は、シャフト軸について、蓋10Bに対して回転可能であってもよい。この場合、第1カム62および第2カム63は、筐体10に対して、シャフト軸について回転不可に、シャフト61に設けられる。つまり、シャフト61のみがシャフト軸について回転し、第1カム62および第2カム63は回転しない。
【0071】
離間部材60はコイルばね64を有する。コイルばね64は、第1方向におけるシャフト61の他端部に設けられる。詳しくは、シャフト61は、コイルばね64に挿入される。そして、コイルばね64は、第1方向において、第2カム63と、蓋10Bとの間に位置する。第1方向におけるコイルばね64の一端は、例えばワッシャを介して、蓋10Bに接触する。また、第1方向におけるコイルばね64の他端は、第2カム63に接触する。
【0072】
コイルばね64は、第1長さと、第1長さよりも短い第2長さとの間で、第1方向に伸縮可能な弾性部材(弾性部材)である。後に詳述するが、第2カム63は、第1方向において、シャフト61の他端部から一端部に向かう押圧力で押される。そうすると、シャフト61、第1カム62および第2カム63は、第1位置から第2位置へ移動する。第1位置から第2位置へ移動すると、コイルばね64は、第1長さから第2長さへと収縮する。第2カム63への押圧力がなくなると、第2長さから第1長さへ戻るコイルばね64の復元力により、シャフト61、第1カム62および第2カム63は、第2位置から第1位置へと押し戻される。このように、シャフト61、第1カム62および第2カム63は、第1方向の押圧力、および、コイルばね64の弾性力により、筐体10に対して、第1方向に移動する。
【0073】
以上の構成を有する現像カートリッジ1が、ドロワ2に装着されると、現像カートリッジ1の現像ローラ30は、感光体ドラム21と接触する。この状態では、第1カム62の第1傾斜面621は、後述するドロワ2の第1ガイドローラ24(図9参照)と接触しない。また、第2カム63の第2傾斜面631は、第2ガイドローラ25(図10参照)と接触しない。詳しくは、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときには、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24とは非接触であり、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25とは非接触である。現像カートリッジ1の離間部材60が、第1方向に、一定量移動することで、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24とが接触し、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25とが接触する。なお、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときには、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24とは接触してもよい。また、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときには、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25とは接触してもよい。
【0074】
現像ローラ30を感光体ドラム21から離間させる場合、離間部材60は、第1方向における第2カム63から第1カム62に向かう方向へ、押圧される。これにより、シャフト61、第1カム62および第2カム63は、筐体10および現像ローラ30に対して、第1方向に移動する。
【0075】
このとき、第1カム62の第1傾斜面621は、第1ガイドローラ24と接触しつつ、第1方向に移動する。上述のように、第1傾斜面621は、第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がっている。このため、第1カム62が第1方向に移動すると、第1ガイドローラ24が接触する第1傾斜面621の位置は、シャフト61の径方向において、シャフト61から遠くなる。第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24とは、第3方向に向かい合う。つまり、第1傾斜面621は、第1方向に移動すると、第3方向において、第1ガイドローラ24から離れる方向にも移動する。
【0076】
同様に、第2カム63の第2傾斜面631は、第2ガイドローラ25と接触しつつ、第1方向に移動する。上述のように、第2傾斜面631は、第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がっている。このため、第2カム63が第1方向に移動すると、第2ガイドローラ25が接触する第2傾斜面631の位置は、シャフト61の径方向において、シャフト61から遠くなる。第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25とは、第3方向に向かい合う。つまり、第2傾斜面631は、第1方向に移動すると、第3方向において、第2ガイドローラ25から離れる方向にも移動する。
【0077】
第1カム62および第2カム63が、第1方向に移動しつつ、第3方向に移動することで、シャフト61も同様に移動する。シャフト61、第1カム62および第2カム63が第3方向に移動すると、これに伴い、筐体10および現像ローラ30も、第3方向に移動する。これにより、現像ローラ30は、第3方向において、感光体ドラム21から離れる。
【0078】
コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63の第1方向の移動に伴い伸縮する。コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63が第1位置のとき、第1長さである。また、コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63が第2位置のとき、第1長さよりも短い第2長さである。第1長さから第2長さへ収縮したコイルばね64は、離間部材60への押圧力がなくなると、第2長さから第1長さへ伸長する。
【0079】
シャフト61、第1カム62および第2カム63が第2位置から第1位置へ移動すると、上述と逆の作用により、第1カム62の第1傾斜面621は、第3方向において、第1ガイドローラ24に近づく方向に移動する。また、第2カム63の第2傾斜面631は、第3方向において、第2ガイドローラ25に近づく方向に移動する。これに伴い、筐体10および現像ローラ30は、第3方向に移動し、現像ローラ30は、第3方向において、感光体ドラム21に近づく。そして、現像ローラ30の表面は、感光体ドラム21の表面と接触する。
【0080】
<3.ドロワについて>
図6および図7は、ドロワ2の斜視図である。図8は、ドロワ2の1つのスロット2Aに現像カートリッジ1を装着した状態の斜視図である。図9は、図6において一点鎖線Aで囲んだ部分の拡大図である。図10は、図7において一点鎖線Bで囲んだ部分の拡大図である。
【0081】
ドロワ2は、フレーム200を有する。フレーム200は、4つのスロット2Aを有する。4つのスロット2Aそれぞれには、現像カートリッジ1が装着される。ドロワ2は、4つの感光体ドラム21を有する。感光体ドラム21は、4つのスロット2Aそれぞれに対して配置される。感光体ドラム21は、第1方向に延びる回転軸(ドラム軸)について回転可能である。ドロワ2のスロット2Aには、現像ローラ30の表面が、感光体ドラム21の表面に向かい合う状態で、現像カートリッジ1が装着される。すなわち、フレーム200は、4つの感光体ドラム21のそれぞれに対して、現像カートリッジ1を装着可能である。ドロワ2は、スロット2Aに現像カートリッジ1が装着された状態で、本体フレーム101(図1参照)に対して、装着される。
【0082】
ドロワ2のフレーム200は、第1サイドフレーム201と、第2サイドフレーム202とを有する。第2サイドフレーム202は、第1サイドフレーム201から、第1方向の他方側に離れて位置する。第1方向における第1サイドフレーム201と、第2サイドフレーム202との間に感光体ドラム21が設けられる。ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1が装着されると、第1方向における第1サイドフレーム201と第2サイドフレーム202との間に、現像カートリッジ1が装着される。そして、第1方向において、現像カートリッジ1の第1外表面11と、第1サイドフレーム201とが向かい合う。また、ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1が装着されると、第1方向において、現像カートリッジ1の第2外表面12と、第2サイドフレーム202とが向かい合う。
【0083】
第1サイドフレーム201には、第1方向に貫通し、かつ、第2方向に凹む第1凹部201Aが設けられる。第1凹部201Aは、4つのスロット2Aそれぞれに対して設けられる。ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1が装着されると、第1凹部201Aには、現像カートリッジ1のICチップカバー45に覆われるICチップ51が位置する。
【0084】
第2サイドフレーム202には、第1方向に貫通し、現像カートリッジ1の一部を外部に露出させる孔であって、第2方向において、感光体ドラム21から離れる方向に向けて開いた第2凹部202Aが設けられる。第2凹部202Aも、第1凹部201Aと同様に、4つのスロット2Aそれぞれに対して設けられる。ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1が装着されると、第2凹部202Aには、現像カートリッジ1の第2カム63が位置する。これにより、第2カム63がフレーム200の外部に露出する。第2カム63は、第2凹部202Aを介して、画像形成装置100の押圧部材から、第1方向の凹圧力を受ける。
【0085】
また、第2サイドフレーム202は、第1方向に貫通した貫通孔202Bを有する。貫通孔202Bは、4つのスロット2Aそれぞれに対して設けられる。ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1が装着されると、図8に示すように、現像カートリッジ1のカップリング41の締結穴411が、貫通孔202Bから露出する。画像形成装置100の駆動シャフトは、貫通孔202Bを介して、締結穴411に挿入される。そして、駆動シャフトとカップリング41とが、相対回転不能に連結される。
【0086】
また、ドロワ2のフレーム200は、4つのドラムフレーム203を有する。ドラムフレーム203は、第1方向に延びる。また、ドラムフレーム203は、第1サイドフレーム201と第2サイドフレーム202とを、第1方向に繋ぐ。第3方向において、ドラムフレーム203とスロット2Aとは、交互に配列される。ドロワ2に現像カートリッジ1が装着された状態において、ドラムフレーム203と現像カートリッジ1とは、第3方向に隣り合う。感光体ドラム21は、ドラムフレーム203の第2方向における一方側に位置する。また、ドラムフレーム203の第2方向における他方側の端部は、第1サイドフレーム201および第2サイドフレーム202の第2方向における他方側の端部よりも、第2方向の一方側に位置する。
【0087】
また、図1に示すように、ドロワ2は、4つの帯電装置22を有する。帯電装置22は、感光体ドラム21の表面を帯電する。帯電装置22は、ドラムフレーム203に支持される。帯電装置22は、例えば、第1方向に延びる帯電ワイヤとグリッドとを有する、スコロトロン型の帯電器である。ただし、帯電装置22は、他方式の帯電器であってもよい。
【0088】
また、図7に示すように、ドロワ2は、帯電電極23を有する。帯電電極23は、第1サイドフレーム201の外表面に位置する。帯電電極23は、帯電装置22と電気的に接続される。
【0089】
また、図9に示すように、ドロワ2は、第1ガイドローラ24を有する。第1ガイドローラ24は、第1サイドフレーム201の内表面に位置する。すなわち、第1ガイドローラ24は、第1方向におけるフレーム200の一端部に位置する。より具体的には、第1ガイドローラ24は、第1サイドフレーム201の、第2サイドフレーム202と向かい合う面のうち、スロット2Aに装着された現像カートリッジ1の第1カム62と、第3方向において向かい合う位置に配置される。
【0090】
第1ガイドローラ24は、第2方向において、帯電電極23よりも他方側に位置する。すなわち、第1ガイドローラ24は、フレーム200に対する現像カートリッジ1の装着方向において、帯電電極23よりも、感光体ドラム21から離れて位置する。
【0091】
第1ガイドローラ24は、第2方向に延びる円筒状の外周面240を有する。第1ガイドローラ24の外周面240は、後述する離間動作時に第1カム62と接触する受け面となる。また、第1ガイドローラ24の第2方向の両端部は、第1サイドフレーム201に設けられた軸受部に、回転可能に保持される。したがって、第1ガイドローラ24は、第2方向に延びる第1軸について回転可能である。
【0092】
また、図10に示すように、ドロワ2は、第2ガイドローラ25を有する。第2ガイドローラ25は、第2サイドフレーム202の外表面に位置する。すなわち、第2ガイドローラ25は、第1方向におけるフレーム200の他端部に位置する。より具体的には、第2ガイドローラ25は、第2サイドフレーム202の表面のうち、スロット2Aに装着された現像カートリッジ1の第2カム63と、第3方向において向かい合う位置に配置される。
【0093】
第2ガイドローラ25は、第2方向に延びる円筒状の外周面250を有する。第2ガイドローラ25の外周面250は、後述する離間動作時に第2カム63と接触する受け面となる。また、第2ガイドローラ25の第2方向の両端部は、第2サイドフレーム202に設けられた軸受部に、回転可能に保持される。したがって、第2ガイドローラ25は、第2方向に延びる第2軸について回転可能である。
【0094】
第1ガイドローラ24および第2ガイドローラ25は、金属製であることが好ましい。第1ガイドローラ24および第2ガイドローラ25を金属製とすれば、樹脂製の場合よりも、第1ガイドローラ24および第2ガイドローラ25の摩擦による損耗を低減できる。したがって、第1ガイドローラ24および第2ガイドローラ25により、離間部材60をより精度よくガイドできる。
【0095】
<4.離間部材による離間動作について>
次に、画像形成装置100における接触状態と離間状態との切り替え時の動きについて、説明する。
【0096】
ドロワ2のスロット2Aに現像カートリッジ1を装着すると、現像カートリッジ1の現像ローラ30と、感光体ドラム21とは接触する。この接触状態では、第1カム62の第1傾斜面621は、第1ガイドローラ24の外周面240と接触しない。また、第2カム63の第2傾斜面631は、第2ガイドローラ25の外周面250と接触しない。詳しくは、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときには、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24とは非接触であり、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25とは非接触である。現像カートリッジ1の一部である離間部材60が、第1方向に、一定量移動することで、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24の外周面240とが接触し、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25の外周面250とは接触する。なお、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときに、第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24の外周面240とは接触してもよい。また、現像カートリッジ1がドロワ2に装着されたときに、第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25の外周面250とは接触してもよい。
【0097】
より詳しくは、第1傾斜面621は、第1方向における第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がる。そして、第1ガイドローラ24は、シャフト61の径方向において、シャフト61からの距離が短い、第1傾斜面621の位置に接触する。同様に、第2傾斜面631は、第1方向における第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がる。そして、第2ガイドローラ25は、シャフト61の径方向において、シャフト61からの距離が短い、第2傾斜面631の位置に接触する。
【0098】
画像形成装置100は、図示を省略した駆動部と押圧部材104とを有する。駆動部は、押圧部材104を第1方向に沿って移動させる、例えばモータである。押圧部材104は、第1方向に沿って延びる、円柱または角柱である。押圧部材104は、第1方向において、ドロワ2のスロット2Aに装着された現像カートリッジ1の第2カム63と接触する接触位置と、第2カム63と接触しない非接触位置との間で移動する。
【0099】
現像ローラ30を感光体ドラム21から離間させる場合、駆動部は、第1方向における第2カム63から第1カム62に向かう方向へ、押圧部材104を移動させる。これにより、第2カム63は、押圧部材104により第1方向に押圧される。第2カム63が押圧されると、シャフト61、第1カム62および第2カム63は、筐体10および現像ローラ30に対して、第1方向の一方側へ移動する。
【0100】
このとき、第1カム62の第1傾斜面621は、第1ガイドローラ24と接触しつつ、第1方向の一方側へ移動する。第1ガイドローラ24は、第1傾斜面621と接触しつつ、第2方向に延びる第1軸について回転しながら、第1傾斜面621をガイドする。これにより、離間部材60とフレーム200との間の摩擦抵抗が低減される。その結果、フレーム200に対して離間部材60を、滑らかに移動させることができる。
【0101】
上述のように、第1傾斜面621は、第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がっている。このため、第1カム62が第1方向の一方側へ移動すると、第1ガイドローラ24が接触する第1傾斜面621の位置は、シャフト61の径方向において、シャフト61から遠くなる。第1傾斜面621と、第1ガイドローラ24の外周面240とは、第3方向に向かい合う。つまり、第1傾斜面621は、第1方向の一方側へ移動すると、第3方向において、第1ガイドローラ24から離れる方向(離間方向)にも移動する。
【0102】
同様に、第2カム63の第2傾斜面631は、第2ガイドローラ25と接触しつつ、第1方向の一方側へ移動する。第2ガイドローラ25は、第2傾斜面631と接触しつつ、第2方向に延びる第2軸について回転しながら、第2傾斜面631をガイドする。これにより、離間部材60とフレーム200との間の摩擦抵抗が低減される。その結果、フレーム200に対して離間部材60を、滑らかに移動させることができる。
【0103】
上述のように、第2傾斜面631は、第1カム62から第2カム63に向かうにつれて、シャフト61の径方向の外側に向けて広がっている。このため、第2カム63が第1方向の一方側へ移動すると、第2ガイドローラ25が接触する第2傾斜面631の位置は、シャフト61の径方向において、シャフト61から遠くなる。第2傾斜面631と、第2ガイドローラ25の外周面250とは、第3方向に向かい合う。つまり、第2傾斜面631は、第1方向の一方側へ移動すると、第3方向において、第2ガイドローラ25から離れる方向(離間方向)にも移動する。
【0104】
第1カム62および第2カム63が、フレーム200に対して、第1方向の一方側へ移動しつつ、第3方向に移動することで、シャフト61も同様に移動する。シャフト61、第1カム62および第2カム63が、フレーム200に対して第3方向に移動すると、これに伴い、筐体10および現像ローラ30も、フレーム200に対して第3方向に移動する。これにより、現像ローラ30は、第3方向において、感光体ドラム21から離れる。そして、画像形成装置100は、離間状態となる。
【0105】
コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63の第1方向の移動に伴い伸縮する。コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63が第1位置のとき、第1長さである。また、コイルばね64は、シャフト61、第1カム62および第2カム63が第2位置のとき、第1長さよりも短い第2長さである。第1長さから第2長さへ収縮したコイルばね64は、押圧部材104による押圧力がなくなると、第2長さから第1長さへ伸長する。
【0106】
シャフト61、第1カム62および第2カム63が第2位置から第1位置へ移動すると、上述と逆の作用により、第1カム62の第1傾斜面621は、第3方向において、第1ガイドローラ24に近づく方向に移動する。また、第2カム63の第2傾斜面631は、第3方向において、第2ガイドローラ25に近づく方向に移動する。これに伴い、筐体10および現像ローラ30は、第3方向の一方側へ移動し、現像ローラ30は、第3方向において、感光体ドラム21に近づく。そして、画像形成装置100は、接触状態となる。
【0107】
第1カム62と、第2カム63とが、第1方向におけるシャフト61の両端部に設けられることで、画像形成装置100が離間状態と接触状態との移行時に、筐体10および現像ローラ30の第1方向における両端部が、傾くことを防止できる。
【0108】
以上のように、第1方向における駆動力に従って、シャフト61が、筐体10および現像ローラ30に対して第1方向に移動する。シャフト61の第1方向への移動に伴って、第1傾斜面621が、第1ガイドローラ24と接触した場合に、第1傾斜面621が、第1ガイドローラ24に沿って、第3方向に移動する。第1傾斜面621の第3方向への移動に伴って、筐体10と現像ローラ30も第3方向へ移動する。これにより、両側の駆動力が必要なく、第1方向における片側からの駆動力によって、現像カートリッジ1を第3方向へ移動させることができる。また、現像カートリッジ1が、第1傾斜面621およびシャフト61を備えることで、ドラムカートリッジがシャフトを備えた場合と比較すると、ドラムカートリッジに対して、現像カートリッジ1を着脱する際に、シャフト61が、現像カートリッジ1の着脱を妨げることを防ぐことができる。
【0109】
また、シャフト61を第1方向に移動させる際、シャフト61の第1方向における両側に駆動力を付与する必要がなく、シャフト61の第1方向の片側から駆動力を付与すれば、現像カートリッジ1を移動させることができる。
【0110】
さらに、画像形成装置100は、第1方向において、現像カートリッジ1およびドロワ2の他方側に、現像ローラ30および感光体ドラム21などを回転駆動する駆動源を有する。この駆動源の近傍に、押圧部材104を第1方向に移動させる駆動源である駆動部を、配置できる。つまり、画像形成装置100が備える駆動源を、第1方向における現像カートリッジ1およびドロワ2の他方側に集約できるため、画像形成装置100の小型化を実現することができる。また、ドロワ2の第1方向における両側に、現像カートリッジ1を移動させるための部品を設ける必要がなく、ドロワ2の簡素化または小型化を行うことができる。
【0111】
<5.固定部について>
ドロワ2は、4つの第1ネジ26と、4つの第2ネジ27と、4つの第3ネジ28とを有する。4つの第1ネジ26および4つの第2ネジ27は、第1方向におけるフレーム200の一端に位置する。第1サイドフレーム201は、4つの第1ネジ26および4つの第2ネジ27により、ドラムフレーム203に固定される。4つの第3ネジ28は、第1方向におけるフレーム200の他端に位置する。第2サイドフレーム202は、4つの第3ネジ28により、ドラムフレーム203に固定される。
【0112】
図7に示すように、第1ネジ26は、ドロワ2に対する現像カートリッジ1の装着方向において、感光体ドラム21と帯電電極23との間に位置する。また、第1ネジ26は、第1方向において、第1ガイドローラ24よりも、第2サイドフレーム202から離れて位置する。第1ネジ26は、第1方向に延びる。
【0113】
第1ネジ26は、第1方向における第1サイドフレーム201の一方側から、第1サイドフレーム201に設けられた貫通孔へ挿入される。そして、第1ネジ26の先端は、ドラムフレーム203の第1方向における一端に設けられたネジ孔に締結される。これにより、第2方向における帯電電極23よりも一方側の位置において、第1サイドフレーム201が、ドラムフレーム203に対して第1方向に固定される。
【0114】
第2ネジ27は、ドロワ2に対する現像カートリッジ1の装着方向において、帯電電極23よりも第1ガイドローラ24の近くに位置する。より具体的には、第2ネジ27は、ドロワ2に対する現像カートリッジ1の装着方向において、帯電電極23と第1ガイドローラ24との間に位置する。また、第2ネジ27は、第1方向において、第1ガイドローラ24よりも、第2サイドフレーム202の近くに位置する。第2ネジ27は、第2方向に延びる。
【0115】
図9に示すように、第1サイドフレーム201は、第2サイドフレーム202へ向けて延びるネジ受け板204を有する。第2ネジ27は、第2方向におけるネジ受け板204の他方側から、ネジ受け板204に設けられた貫通孔へ挿入される。そして、第2ネジ27の先端は、ドラムフレーム203に設けられたネジ孔に締結される。これにより、第2方向における帯電電極23よりも他方側の位置において、第1サイドフレーム201が、ドラムフレーム203に対して第2方向に固定される。
【0116】
現像カートリッジ1の離間部材60が、第1方向の一方側へ移動すると、第1カム62の第1傾斜面621が、第1ガイドローラ24に接触する。これにより、第1ガイドローラ24を介して第1サイドフレーム201に、第1方向の一方側へ向かう圧力が加わる。しかしながら、第1サイドフレーム201は、第1ネジ26だけではなく、第1ネジ26および第2ネジ27の両方で、ドラムフレーム203に対して固定されている。したがって、第1サイドフレーム201が第1方向の一方側へ撓むことを抑制できる。
【0117】
第1サイドフレーム201の撓みを抑制すれば、第1ガイドローラ24の第1方向の位置が安定する。したがって、離間部材60による上述した離間動作を、精度良く行うことができる。特に、第2ネジ27は、第1ネジ26よりも第1ガイドローラ24の近くにおいて、ドラムフレーム203に第1サイドフレーム201を固定する。これにより、第1ガイドローラ24の近傍における第1サイドフレーム201の撓みが抑制される。その結果、第1ガイドローラ24の位置を、より安定させることができる。
【0118】
図6および図8に示すように、第3ネジ28は、第1方向における第2サイドフレーム202の他方側から、第2サイドフレーム202に設けられた貫通孔へ挿入される。そして、第2ネジ27の先端は、ドラムフレーム203の第1方向における他端に設けられたネジ孔に締結される。これにより、第2サイドフレーム202が、ドラムフレーム203に対して第1方向に固定される。
【0119】
また、図10に示すように、ドラムフレーム203は、壁部205を有する。壁部205は、ドラムフレーム203の第1方向における他方側の端部から、第2方向の他方側ヘ向けて突出する。すなわち、壁部205は、第2方向において、感光体ドラム21から離れる方向へ突出する。また、壁部205は、第2サイドフレーム202の第1サイドフレーム201に向かい合う面に沿って延びる。壁部205は、ドロワ2に対する現像カートリッジ1の装着方向において、第3ネジ28よりも第2ガイドローラ25の近くに位置する。
【0120】
現像カートリッジ1の離間部材60が、第1方向の一方側へ移動すると、第2カム63の第2傾斜面631が、第2ガイドローラ25に接触する。これにより、第2ガイドローラ25を介して第2サイドフレーム202に、第1方向の一方側へ向かう圧力が加わる。しかしながら、第2サイドフレーム202の第1サイドフレーム201に向かい合う面は、壁部205に接触する。これにより、第2サイドフレーム202の第1方向の一方側への撓みが抑制される。
【0121】
第2サイドフレーム202の撓みを抑制すれば、第2ガイドローラ25の第1方向の位置が安定する。したがって、離間部材60による上述した離間動作を、より精度良く行うことができる。特に、壁部205は、第3ネジ28よりも第2ガイドローラ25の近くにおいて、第2サイドフレーム202に接触する。これにより、第2ガイドローラ25の近傍における第2サイドフレーム202の撓みが抑制される。その結果、第2ガイドローラ25の位置を、より安定させることができる。
【0122】
<6.変形例>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0123】
上記の実施形態では、ドロワ2は、4つの第1ネジ26と、4つの第2ネジ27と、4つの第3ネジ28とを有していた。しかしながら、ドロワ2が有する第1ネジ26の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、ドロワ2が有する第2ネジ27の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。また、ドロワ2が有する第3ネジ28の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であっておよい。
【0124】
上記の実施形態では、離間部材60は、第1カム62と、第2カム63とを有している。しかしながら、離間部材60は、第1カム62および第2カム63の少なくとも一方を有していればよい。また、離間部材60は、第1傾斜面621および第2傾斜面631の少なくとも一方を有していればよい。また、例えば、第1カム62および第2カム63を設けずに、シャフト61を加工して、シャフト61の端部の周面を第1方向に傾斜させて、第1傾斜面621および第2傾斜面631を構成するようにしてもよい。
【0125】
上記の実施形態では、弾性部材の一例として、コイルばね64を挙げて説明したが、これに限定されない。弾性部材は、板バネ、ねじりバネ、ゴム、スポンジなど、弾性力を有する部材であればよい。
【0126】
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 現像カートリッジ
2 ドロワ
10 筐体
20 アジテータ
21 感光体ドラム
22 帯電装置
23 帯電電極
24 第1ガイドローラ
25 第2ガイドローラ
26 第1ネジ
27 第2ネジ
28 第3ネジ
30 現像ローラ
40 ギア部
60 離間部材
61 シャフト
62 第1カム
63 第2カム
100 画像形成装置
200 フレーム
201 第1サイドフレーム
202 第2サイドフレーム
203 ドラムフレーム
204 ネジ受け板
205 壁部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10