(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、表示制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20231129BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20231129BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231129BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G21/00 386
G03G21/00 388
G06F3/16 650
G06F3/16 630
B41J29/42 F
B41J29/38
H04N1/00 350
(21)【出願番号】P 2020006161
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 高資
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-049432(JP,A)
【文献】特開2013-222229(JP,A)
【文献】特開2019-153146(JP,A)
【文献】特開2002-123239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G06F 3/16
B41J 29/42
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面である場合には、前記条件に関わらず、前記第1の画面を前記表示手段に表示させる、画像形成装置。
【請求項2】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段
と、
タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、前記第2の画面を表示した後に前記タッチ入力受付手段が入力を受け付けていない場合に、前記第1の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する、画像形成装置。
【請求項3】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段
と、
タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、前記第2の画面を表示した後に前記タッチ入力受付手段が入力を受け付けた場合、前記条件に関わらず、前記第1の画面を前記表示手段に表示させる、画像形成装置。
【請求項4】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記音声情報に基づいて複数の前記第1の画面が特定された場合、前記複数の第1の画面のうち、前記第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、前記表示手段に表示させる、画像形成装置。
【請求項5】
前記解析手段は、前記画像形成装置が前記音声情報として予め定められた用語の入力を受け付けると、前記複数の画面から、前記用語を含む第1の画面を複数抽出し、
前記表示制御手段は、抽出された前記複数の第1の画面のうち、前記第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、前記表示手段に表示させる、請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用語は、両面またはとじ代である、請求項
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記第2の画面は、設定値を段階的に変化させるソフトウェアキーを含み、
前記表示制御手段は、前記ソフトウェアキーが操作されたことを条件に、前記第1の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する、画像形成装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記第1の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面でないと判断された場合、前記ソフトウェアキーが操作されてから予め定められた時間が経過すると、前記条件に関わらず、前記第1の画面を前記表示手段に表示させる、請求項
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ソフトウェアキーは、コピー時の濃度、明度、彩度、およびコントラストの少なくとも1つの設定値を変化させるためのキーである、請求項
7または
8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示手段と、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
入力された音声情報に基づいて前記表示手段に表示させる画面を特定する解析手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記表示手段に表示さ
せ、
前記複数の画面は、第1の設定を行う画面と、第2の設定を行う画面とを含み、
前記第2の設定を行う画面は、前記第1の設定を行う画面よりも下位の階層の画面であり、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示させる画面を、前記第1の設定を行う画面から前記第2の設定を行う画面に直接遷移させた直後に、前記第1の画面として前記第1の設定を行う画面が前記音声情報に基づいて特定された場合には、前記第1の設定を行う画面を前記表示手段に表示させない、画像形成装置。
【請求項11】
タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段をさらに備え、
前記第2の設定を行う画面は、予め定められた機能を設定する画面を表示させるためのソフトウェアキーを含み、
前記表示制御手段は、
前記タッチ入力受付手段に対する入力によって前記ソフトウェアキーが選択されると、前記予め定められた機能を設定する画面を前記表示手段に表示させ、
前記表示手段に表示させる画面を、前記第1の設定を行う画面から前記第2の設定を行う画面に直接遷移させた直後に、前記第1の画面として前記予め定められた機能を設定する画面が前記音声情報に基づいて特定された場合には、前記予め定められた機能を設定する画面を前記表示手段に表示させる、請求項
10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記予め定められた機能は、とじ代機能またはイレース機能である、請求項
11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示させ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面である場合には、前記条件に関わらず、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示させる、表示制御方法。
【請求項14】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示さ
せ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、前記第2の画面を表示した後に前記画像形成装置のコントローラがタッチ操作に基づく入力を受け付けていない場合に、前記第1の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定するステップをさらに備える、表示制御方法。
【請求項15】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示さ
せ、
前記第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、前記第2の画面を表示した後に前記画像形成装置のコントローラがタッチ操作に基づく入力を受け付けた場合、前記条件に関わらず、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示させる、表示制御方法。
【請求項16】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、
前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示さ
せ、
前記音声情報に基づいて複数の前記第1の画面が特定された場合、前記複数の第1の画面のうち、前記第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、前記ディスプレイに表示させる、表示制御方法。
【請求項17】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示さ
せ、
前記第2の画面は、設定値を段階的に変化させるソフトウェアキーを含み、
前記ソフトウェアキーが操作されたことを条件に、前記第1の画面が前記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定するステップをさらに備える、表示制御方法。
【請求項18】
画像形成装置の表示制御方法であって、
各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に前記画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、
入力された音声情報に基づいて前記ディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備え、
前記ディスプレイに表示させるステップでは、前記複数の画面のうち前記音声情報に基づいて特定された第1の画面が、前記ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、前記第1の画面を前記ディスプレイに表示さ
せ、
前記複数の画面は、第1の設定を行う画面と、第2の設定を行う画面とを含み、
前記第2の設定を行う画面は、前記第1の設定を行う画面よりも下位の階層の画面であり、
前記ディスプレイに表示させる画面を、前記第1の設定を行う画面から前記第2の設定を行う画面に直接遷移させた直後に、前記第1の画面として前記第1の設定を行う画面が前記音声情報に基づいて特定された場合には、前記第1の設定を行う画面を前記ディスプレイに表示させないように制御するステップをさらに備える、表示制御方法。
【請求項19】
請求項13から18のいずれか1項に記載の表示制御方法に含まれるステップを、画像形成装置のプロッセッサに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、表示制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ、およびこれらの複合機(MFP:Multifunction Peripheral)などの画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、ディスプレイを有する操作パネルを備える。
【0003】
また、このような画像形成装置に対して、ユーザーの音声によって操作パネルに表示させる画面を遷移させる技術も提案されている。
【0004】
たとえば特開2010-49432号公報(特許文献1)には、このような技術が搭載された画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、音声認識を行う際に参照する辞書テーブルを、表示部に表示する階層構造の表示画面ごとに設定して記憶している。さらに、当該画像形成装置では、表示画面ごとの辞書テーブルには、階層構造に従って表示部の表示画面を順次下位層の画面に遷移させていくための第1の認識候補群と、階層構造に従わずに表示部の表示画面を特定の画面にダイレクトに遷移させるための第2の認識候補群とが含まれている。画像形成装置は、認識された音声が第2の認識候補群に含まれる音声である場合、表示部における表示画面を特定の画面に遷移させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような音声認識の技術を用いる場合、以下のような問題点が生じうる。たとえば、ユーザーが意図した画面(たとえば、濃度設定の画面)を表示させた後に、当該画面に対して操作をしていないにもかかわらず、音声を誤って発してしまう場合がある。このような場合、ユーザーが意図していない画面(たとえば、レイアウト設定の画面)に遷移してしまう場合がある。
【0007】
本開示は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、入力された音声情報によって画面がユーザーの意図しない画面に遷移してしまうことを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある局面に従うと、画像形成装置は、表示手段と、各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に表示手段に表示させる表示制御手段と、入力された音声情報に基づいて表示手段に表示させる画面を特定する解析手段とを備える。表示制御手段は、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された第1の画面が、表示手段に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、第1の画面を表示手段に表示させる。
【0009】
好ましくは、表示制御手段は、第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が第2の画面の下位の階層の画面である場合には、条件に関わらず、第1の画面を表示手段に表示させる。
【0010】
好ましくは、画像形成装置は、タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段をさらに備える。表示制御手段は、第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、第2の画面を表示した後にタッチ入力受付手段が入力を受け付けていない場合に、第1の画面が第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する。
【0011】
好ましくは、画像形成装置は、タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段をさらに備える。表示制御手段は、第2の画面が表示される直前に表示されていた第3の画面が第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、第2の画面を表示した後にタッチ入力受付手段が入力を受け付けた場合、条件に関わらず、第1の画面を表示手段に表示させる。
【0012】
好ましくは、表示制御手段は、音声情報に基づいて複数の第1の画面が特定された場合、複数の第1の画面のうち、第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、表示手段に表示させる。
【0013】
好ましくは、解析手段は、画像形成装置が音声情報として予め定められた用語の入力を受け付けると、複数の画面から、用語を含む第1の画面を複数抽出する。表示制御手段は、抽出された複数の第1の画面のうち、第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、表示手段に表示させる。
【0014】
好ましくは、用語は、両面またはとじ代である。
好ましくは、第2の画面は、設定値を段階的に変化させるソフトウェアキーを含む。表示制御手段は、ソフトウェアキーが操作されたことを条件に、第1の画面が第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する。
【0015】
好ましくは、表示制御手段は、第1の画面が第2の画面の下位の階層の画面でないと判断された場合、ソフトウェアキーが操作されてから予め定められた時間が経過すると、条件に関わらず、第1の画面を表示手段に表示させる。
【0016】
好ましくは、ソフトウェアキーは、コピー時の濃度、明度、彩度、およびコントラストの少なくとも1つの設定値を変化させるためのキーである。
【0017】
好ましくは、複数の画面は、第1の設定を行う画面と、第2の設定を行う画面とを含む。第2の設定を行う画面は、第1の設定を行う画面よりも下位の階層の画面である。表示制御手段は、表示手段に表示させる画面を、第1の設定を行う画面から第2の設定を行う画面に直接遷移させた直後に、第1の画面として第1の設定を行う画面が音声情報に基づいて特定された場合には、第1の設定を行う画面を表示手段に表示させない。
【0018】
好ましくは、画像形成装置は、タッチ操作に基づく入力を受け付けるタッチ入力受付手段をさらに備える。第2の設定を行う画面は、予め定められた機能を設定する画面を表示させるためのソフトウェアキーを含む。表示制御手段は、タッチ入力受付手段に対する入力によってソフトウェアキーが選択されると、予め定められた機能を設定する画面を表示手段に表示させる。表示制御手段は、表示手段に表示させる画面を、第1の設定を行う画面から第2の設定を行う画面に直接遷移させた直後に、第1の画面として予め定められた機能を設定する画面が音声情報に基づいて特定された場合には、予め定められた機能を設定する画面を表示手段に表示させる。
【0019】
好ましくは、予め定められた機能は、とじ代機能またはイレース機能である。
本開示のある他の局面に従うと、画像形成装置の表示制御方法は、各々が階層的に管理された複数の画面を選択的に画像形成装置のディスプレイに表示させるステップと、入力された音声情報に基づいてディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを備える。ディスプレイに表示させるステップでは、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された第1の画面が、ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、第1の画面をディスプレイに表示させる。
【0020】
本開示のさらに他の局面に従うと、画像形成装置を制御するプログラムは、各々が階層的に管理された複数の画面を選択的にディスプレイに表示させるステップと、入力された音声情報に基づいてディスプレイに表示させる画面を特定するステップとを、画像形成装置のプロッセッサに実行させる。ディスプレイに表示させるステップでは、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された第1の画面が、ディスプレイに表示中の第2の画面の下位の階層の画面であることを条件に、第1の画面をディスプレイに表示させる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、入力された音声情報によって画面がユーザーの意図しない画面に遷移してしまうことを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を説明するためのブロック図である。
【
図3】画像形成装置の操作パネルを表した模式図である。
【
図4】操作パネルのタッチスクリーンに表示される画面の画面遷移例を表した図である。
【
図5】操作パネルのタッチスクリーンに表示される画面の他の画面遷移例を表した図である。
【
図6】コントローラーにおいて管理されているデーターベースの概略構成を表した図である。
【
図7】画像形成装置の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
【
図8】画像形成装置で実行される処理のフローを表したフロー図である。
【
図9】
図8のステップS9の詳細を表したフロー図である。
【
図10】
図8のステップS6の詳細を表したフロー図である。
【
図11】
図8のステップS11の詳細を表したフロー図である。
【
図12】
図8のステップS11の他の詳細を表したフロー図である。
【
図13】
図8のステップS4の詳細を表したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態における画像形成装置について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本開示の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0024】
図面においては、実際の寸法の比率に従って図示しておらず、構造の理解を容易にするために、構造が明確となるように比率を変更して図示している箇所がある。なお、以下で説明される変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0025】
なお、画像形成装置は、カラープリンターであってもよいし、モノクロプリンターであってもよいし、FAXであってもよいし、あるいは、モノクロプリンター、カラープリンターおよびFAXの複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
【0026】
<A.画像形成装置の全体構成>
図1は、画像形成装置の全体構成を示す図である。
【0027】
図1を参照して、画像形成装置1は、本体部10と、後処理装置20とを備える。本体部10は、給紙ユニット14と、コントローラー31と、操作パネル34とを備える。後処理装置20は、複数の排紙トレイ21,22,23を有する。
【0028】
<B.画像形成装置のハードウェア構成>
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を説明するためのブロック図である。
【0029】
図2を参照して、本体部10は、画像形成ユニット11と、スキャナーユニット12と、給紙ユニット14と、メディアセンサー16と、コントローラー31と、固定記憶装置32と、短距離無線IF(Inter Face)33と、電源スイッチ39と、操作パネル34と、プリンタコントローラー35と、ネットワークIF36と、ワイアレスIF37と、外部機器IF38とを有する。コントローラー31には、各部11,12,14,16,32~39がバス30を介して接続されている。
【0030】
コントローラー31は、画像形成装置1の動作を制御する。コントローラー31は、CPU(Central Processing Unit)311と、制御プログラムの格納されたROM(Read Only Memory)312と、作業用のS-RAM(Static Random Access Memory)313と、画像形成に関わる各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV-RAM(Non-Volatile RAM:不揮発性メモリ)314と、時計IC(Integrated Circuit)315とを有する。各部311~315は、バス30を介して接続されている。また、コントローラー31は、典型的には、制御基盤として本体部10に内蔵される。
【0031】
電源スイッチ39は、画像形成装置1をオンおよびオフさせるためのスイッチである。電源スイッチ39は、主電源のスイッチである。
【0032】
操作パネル34は、典型的には、物理キー(ハードウェアキー)と、タッチスクリーンとで構成される。詳しくは、操作パネル34は、物理キー群50と、タッチスクリーン60と、マイク70とを備える。
【0033】
物理キー群50は、物理キー(ハードウェアキー)として、スタートキー51、ストップキー52、リセットキー53等を有する。タッチスクリーン60は、ディスプレイ61と、タッチパネル62とを有する。典型的には、タッチスクリーン60は、ディスプレイ61の上にタッチパネル62が重畳されたデバイスである。
【0034】
操作パネル34のディスプレイ61は、複数の画面(操作画面)を表示可能である。各画面は、1つ以上のソフトウェアキーを含み得る。ユーザーは、ソフトウェアキーを選択することにより、画像形成装置1に当該ソフトウェアキーに基づく処理を実行させることが可能となる。なお、ソフトウェアキーは、ソフトウェアボタンとも称される。
【0035】
マイク70は、ユーザーの音声を集音する。集音した音声(詳しくは、音声データー)は、コントローラー31に送られる。コントローラー31では、音声認識が実行される。なお、マイク70は、操作パネル34以外に設けられていてもよい。
【0036】
ネットワークIF36は、ネットワークを介して接続されたサーバー(図示せず)、PC(図示せず)および他の画像形成装置(図示せず)をはじめとする外部装置との間で各種の情報を送受信する。
【0037】
プリンタコントローラー35は、ネットワークIF36により受信したプリントデーターから複写画像を生成する。画像形成ユニット11は、複写画像を用紙上に形成する。
【0038】
なお、固定記憶装置32は、典型的には、ハードディスク装置である。固定記憶装置32には、各種のデーターが記憶されている。なお、固定記憶装置32は、フラッシュメモリであってもよい。
【0039】
外部機器IF38は、典型的には、USB用の通信インターフェイスである。外部機器IF38は、本例では、操作パネル34の側面に設けられている。なお、外部機器IFが設けられる場所は、操作パネル34に限定されるものではない。
【0040】
コントローラー31による一連の処理は、典型的には、画像形成装置1に予め記憶されたプログラム(インストールされたプログラム)をCPU311が実行することにより実現される。
【0041】
<C.操作パネル34の概要>
図3は、画像形成装置1の操作パネル34を表した模式図である。
【0042】
図3を参照して、操作パネル34は、タッチスクリーン60と、マイク70と、複数の物理キー(スタートキー51、ストップキー52,リセットキー53等)とを有する。
【0043】
タッチスクリーン60には、コントローラー31からの指示に基づき、デフォルトの画面G0が表示されている。当該画面G0は、複数のソフトウェアキー531~535を含む。
【0044】
ユーザー操作に基づいてソフトウェアキー531が選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60の表示画面を、現在の画面G0から、コピーの設定を行う画面に遷移させる。
【0045】
ソフトウェアキー532が選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60の表示画面を、現在の画面G0から、ファックスおよびスキャンの設定を行う画面に遷移させる。
【0046】
他のソフトウェアキー533~535が選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60の表示画面を、現在の画面G0から、選択されたソフトキーに対応する画面に遷移する。
【0047】
<D.操作パネル34における画面遷移例>
(d1.タッチ操作による画面遷移例)
説明の便宜上、先ずタッチ操作に基づく画面遷移処理を説明する。なお、画面は、「操作画面」、「設定画面」とも称される。
【0048】
図4は、操作パネル34のタッチスクリーン60に表示される画面の画面遷移例を表した図である。
【0049】
コントローラー31は、複数の画面を階層構造にて管理している。コントローラー31は、このように各々が階層的に管理された複数の画面を選択的にタッチスクリーン60(詳しくは、ディスプレイ61)に表示させる。
図4を参照して、
図3においてソフトウェアキー531がユーザーのタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60にコピーの基本設定を行う画面G11を表示する。
【0050】
画面G11は、原稿設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー1101と、レイアウト定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー1102と、濃度設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー1103と、コピー部数を設定するためのソフトウェアキー1104と、応用設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー1105とを含む。なお、ソフトウェアキーは、「ソフトウェアボタン」とも称される。
【0051】
以下では、説明の便宜上、画面G11の階層を「第1階層」と称し、画面G11よりも1つ下位の階層を「第2階層」と称し、第2階層よりも1つ下位の階層を「第3階層」とも称する。また、以下では、
図4に基づき、第1階層と第2階層との間の画面遷移例を説明する。次いで、
図5に基づき、第2階層と第3階層との間の画面遷移例を説明する。
【0052】
(1)第1の例
画面G11においてソフトウェアキー1105がタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、画面G11よりも1つ下位の階層(第2階層)の画面G21をタッチスクリーン60に表示させる。画面G21は、とじ代設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2101と、イレース設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2102と、ネガポジ設定を行う画面を表示させるためのチェックボックス2103と、基本設定の画面G11に戻るためのソフトウェアキー2104とを含む。
【0053】
このように、画面G11から画面G11よりも1つ下位の階層の画面G21への遷移は、ソフトウェアキー1105の選択に基づき行われる。その一方、画面G21から画面G21よりも1つ上位の階層(第1階層)の画面G11への遷移は、ソフトウェアキー2104の選択に基づき行われる。
【0054】
(2)第2の例
画面G11においてソフトウェアキー1103がタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、画面G11よりも1つ下位の階層の画面G22をタッチスクリーン60に表示させる。
【0055】
画面G22は、濃度を低下(ダウン)させるソフトウェアキー2201と、濃度を上昇(アップ)させるソフトウェアキー2202と、明度設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2203と、彩度設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2204と、コントラスト設定を行う画面を標示させるためのソフトウェアキー2205と、濃度設定を中止するためのソフトウェアキー2206と、濃度を確定させるためのソフトウェアキー2207とを含む。ソフトウェアキー2207が選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60に表示させる画面を、画面G22から画面G11に遷移させる。
【0056】
このように、画面G11から画面G11よりも1つ下位の階層の画面G22への遷移は、ソフトウェアキー1103の選択に基づき行われる。その一方、画面G22から画面G22よりも1つ上位の階層の画面G11への遷移は、ソフトウェアキー2207の選択に基づき行われる。
【0057】
(3)第3の例
画面G11においてソフトウェアキー1102がタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、画面G11よりも1つ下位の階層の画面G23をタッチスクリーン60に表示させる。
【0058】
画面G23は、集約設定(たとえば、2in1、4in1)を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2301と、片面または両面印刷の設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2302と、レイアウト設定を中止するためのソフトウェアキー2303と、レイアウト設定を確定させるためのソフトウェアキー2304とを含む。ソフトウェアキー2304が選択されると、コントローラー31は、タッチスクリーン60に表示させる画面を、画面G23から画面G11に遷移させる。
【0059】
このように、画面G11から画面G11よりも1つ下位の階層の画面G23への遷移は、ソフトウェアキー1102の選択に基づき行われる。その一方、画面G23から画面G23よりも1つ上位の階層の画面G11への遷移は、ソフトウェアキー2304の選択に基づき行われる。
【0060】
(4)第4の例
図5は、操作パネル34のタッチスクリーン60に表示される画面の他の画面遷移例を表した図である。
【0061】
図5を参照して、画面G11(
図4参照)においてソフトウェアキー1101がタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、画面G11よりも1つ下位の階層(第2階層)の画面G24をタッチスクリーン60に表示させる。
【0062】
画面G24は、原稿サイズ設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2401と、片面または両面印刷の設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2402と、とじ代設定を行う画面を表示させるためのソフトウェアキー2403と、混載原稿か否かを選択するチェックボックス2404と、白紙原稿を除去するか否かを選択するチェックボックス2405と、原稿設定を中止するためのソフトウェアキー2406と、原稿設定を確定させるためのソフトウェアキー2407とを含む。
【0063】
画面G24においてソフトウェアキー2401がタッチ操作によって選択されると、コントローラー31は、画面G24よりも1つ下位の階層(第3階層)の画面G31をタッチスクリーン60に表示させる。画面G31は、定型の原稿サイズを選択するための6つのソフトウェアキー3101~3106と、サイズを入力する画面を表示させるためのソフトウェアキー3107と、画面G24に戻るためのソフトウェアキー3108とを含む。
【0064】
このように、画面G24から画面G24よりも1つ下位の階層(第3階層)の画面G31への遷移は、ソフトウェアキー2401の選択に基づき行われる。その一方、画面G31から画面G31よりも1つ上位の階層(第2階層)の画面G24への遷移は、ソフトウェアキー3108の選択に基づき行われる。
【0065】
(d2.音声による画面遷移例)
コントローラー31は、画像形成装置1に入力された音声情報に基づき、タッチスクリーン60に表示させる画面を遷移させる。コントローラー31は、音声情報としてのユーザーの音声による指示(音声入力)に基づき、タッチスクリーン60に表示させる画面を遷移させる。
【0066】
詳しくは、コントローラー31は、各々が階層的に管理された複数の画面を選択的にタッチスクリーン60(詳しくは、ディスプレイ61)に表示させる。コントローラー31は、マイク70を介して音声情報の入力を受け付ける。コントローラー31は、入力された音声情報に基づいてタッチスクリーン60に表示させる画面を特定する。
【0067】
コントローラー31は、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された画面が、タッチスクリーン60に表示中の画面の下位の階層の画面であることを条件に、音声情報に基づいて特定された画面をタッチスクリーン60に表示させる。具体例を挙げて説明すると、以下のとおりである。
【0068】
再び
図4を参照して、コントローラー31は、画面G11を表示中に音声情報に基づいて画面G21が特定されると、画面G21は画面G11よりも下位の階層であるため、タッチスクリーン60に表示させる画面を画面G11から画面G21に遷移させる。
【0069】
その一方、コントローラー31は、画面G21を表示中に音声情報に基づいて画面G11が特定されると、画面G11は画面G21よりも上位の階層であるため、タッチスクリーン60に表示させる画面を画面G21から画面G11に遷移させない。
【0070】
再び
図5を参照して、同様に、コントローラー31は、画面G24を表示中に音声情報に基づいて画面G31が特定されると、画面G31は画面G24よりも下位の階層であるため、タッチスクリーン60に表示させる画面を画面G24から画面G31に遷移させる。
【0071】
その一方、コントローラー31は、画面G31を表示中に音声情報に基づいて画面G24が特定されると、画面G24は画面G31よりも上位の階層であるため、タッチスクリーン60に表示させる画面を画面G31から画面G24に遷移させない。
【0072】
このように、画像形成装置1は、音声情報に基づいて現在表示中の画面よりも下位の階層の画面が特定されたことを条件に、タッチスクリーン60に表示させる画面を当該特定された画面に遷移させる。このような構成によれば、ユーザーが意図してない画面に遷移してしまうことを低減することができる。
【0073】
詳しくは、現在表示中の画面の上位の階層の画面は、通常、現在表示中の画面に関連しない設定項目を有する。たとえば
図4の例では、画面G21の上位の階層の画面G11は、画面G21に関連しない設定項目(たとえば、原稿設定、レイアウト設定、濃度設定等)を有する。その一方、現在表示中の画面の下位の階層の画面は、現在表示中の画面に関連する設定項目(典型的には、より詳細な設定項目)を有する。たとえば
図5の例では、画面G24の下位の階層の画面G31は、画面G24に関連する設定項目(たとえば、A3設定、A4設定、フリーサイズ設定等)を有する。このため、ユーザーが発話した場合、上位の階層の画面に遷移させることよりも、下位の階層の画面に遷移させることの方が、ユーザーの意図に沿っている場合が多い。
【0074】
それゆえ、画像形成装置1によれば、画面の階層に関係なく音声情報に基づき画面を遷移させる構成に比べて、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことが可能となる。
【0075】
以下、このような処理を実現するための具体的構成について説明する。また、例外処理についても後述する。すなわち、音声情報に基づいて特定された画面がタッチスクリーン60に表示中の画面の下位の階層の画面でない場合であっても、例外的に特定された画面に遷移させる処理についても後述する。
【0076】
<E.データー>
図6は、コントローラー31において管理されているデーターベースD6の概略構成を表した図である。
【0077】
図6を参照して、データーベースD6は、複数のデーターD61,D62,D63,…を含む。
【0078】
各データーD61,D62,D63,…においては、機能が階層的に記載されている。また、各階層に対して、キーワードが予め対応付けられている。コントローラー31は、ユーザーの音声に、これらのキーワードが含まれているか否かを判断する。データーD61,D62,D63,…においては、キーワードとして、各階層の機能に関連した用語が予め設定されている。
【0079】
データーD61は、コピー設定に関するデーターである。データーD62は、ファックスおよびスキャン設定(
図3参照)に関するデーターである。データーD63は、ボックス設定(
図3参照)に関するデーターである。以下、説明の簡略化のため、コピー設定に関するデーターD61のみを参照して説明すると、以下のとおりである。
【0080】
「コピー」と「コピートップ」と「キホン」とが、第1階層の「コピー」に対応付けられている。また、「ゲンコウ」と「ゲンコウセッテイ」とが、第2階層の「原稿」に対応付けられている。さらに、「サイズ」と「ゲンコウサイズ」とが、第3階層の「原稿サイズ」に対応付けられている。
【0081】
たとえば「コピー」というキーワードが音声に含まれていれば、コントローラー31は、コピー設定を行う画面G11への遷移が指定されたものと判断する。詳しくは、コントローラー31は、画面G0(
図3参照)のコピー設定をするためのソフトウェアキー531がユーザーによって指定されたものと判断する。
【0082】
同様に、「ゲンコウ」というキーワードが音声に含まれていれば、コントローラー31は、原稿設定を行う画面G24への遷移が指定されたものと判断する。詳しくは、コントローラー31は、第1階層の画面G11(
図4参照)の原稿設定を行うためのソフトウェアキー1101がユーザーによって指定されたものと判断する。
【0083】
なお、「リョウメン」、「カタメン」、「トジシロ」といったキーワードは、複数の異なる画面にて出現する。たとえば、画面G21(
図4参照)と画面G24(
図5参照)とにおいて、「とじ代」に関するソフトウェアキーが存在しいている。それゆえ、データーベースD6においては、これらのキーワードについては、複数個の表記がなされている。ユーザーの発話によって、このようなキーワードが指定(特定)された場合の処理については、後述する。
【0084】
なお、本例では、説明の便宜上、画面G0(
図3参照)においてソフトウェキ-531が選択されたときに表示させる画面G11(
図4)を第1階層としている。このため、画面G0(
図3参照)においてソフトウェキ-532等の他のキーが選択されたときに表示させる画面も、第1階層となる。換言すれば、画面G0が最上位階層(第1階層のさらに1つ上位の階層(第0階層))となっている。
【0085】
なお、
図7においては、本例では音声認識に基づき認識結果をカタカナで表す観点から、便宜上キーワードをカタカナ表記している。しかしながら、これに限定されず、平仮名であっても漢字であってもよい。
【0086】
<F.機能的構成>
図7は、画像形成装置1の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
【0087】
図7を参照して、画像形成装置1は、操作パネル34と、制御部101とを備える。操作パネル34は、上述したように、タッチスクリーン60と、マイク70とを含む。タッチスクリーン60は、表示部102と、入力部103とを有する。なお、表示部102は、タッチスクリーン60のディスプレイ61に対応する。入力部103は、タッチパネル62に対応する。
【0088】
制御部101は、表示制御部111と、解析部112と、タッチ入力受付部113と、記憶部114とを備える。制御部101は、画像形成装置1の全体的な動作を制御する。制御部101は、コントローラー31に対応する。
【0089】
記憶部114は、タッチスクリーン60に表示される画面のデーターを、画面毎に記憶している。また、記憶部114は、データーベースD6(
図6参照)を記憶している。
【0090】
解析部112は、マイク70を介して入力された音声情報に基づいて、タッチスクリーン60に表示させる画面を特定する。詳しくは、解析部112は、音声認識を行い、かつ、音声認識結果を利用して、タッチスクリーン60に表示させる画面を特定する。解析部112は、特定結果(解析結果)を表示制御部111に通知する。
【0091】
タッチ入力受付部113は、入力部103を介して入力された信号(タッチ位置を示す信号)を受け付ける。タッチ入力受付部113は、タッチされた位置と、現在表示中の画面におけるソフトウェアキーの位置情報とに基づき、どのソフトウェアキーがタッチ操作によって選択されたかを判断する。
【0092】
表示制御部111は、表示部102に各種の画面を表示させる。表示制御部111は、たとえば入力部103に対するタッチ操作によって指定された画面を表示する。また、表示制御部111は、入力された音声情報に基づき、表示する画面を遷移させる。詳しくは、表示制御部111は、解析部112による特定結果に基づき、表示する画面を遷移させる。また、
図4および
図5に示した画面の遷移は、表示制御部111によって実現される。
【0093】
表示制御部111が実行するさらなる制御について、以下の制御構造に基づき説明する。
【0094】
なお、制御部101における各処理は、典型的には、コントローラー31内のCPU311がプログラム(オペレーションプログラム、アプリケーションプログラム)を実行することにより実現される。なお、プログラムは、ROM312、固定記憶装置32等に予め格納されている。なお、制御部101が実行する一部の処理を、ソフトウェアではなく、ハードウェアによって実行してもよい。
【0095】
<G.制御構造>
以下では、音声情報が入力されたときに画像形成装置1で実行される処理(メインルーチン)の概要について説明する。その後、メインルーチンから呼び出されるサブルーチンについて説明する。
【0096】
(g1.メインルーチン)
図8は、画像形成装置1で実行される処理のフローを表したフロー図である。詳しくは、
図8は、メインルーチンを表した図である。
図8に示す各ステップは、コントローラー31によって実行される。詳しくは、各ステップは、プロセッサ(具体的には、CPU311)によって実行される。
【0097】
図8を参照して、コントローラー31は、ステップS1において、音声認識の結果に基づき、データーベースD6において、音声に該当するキーワードが存在するか否かを判断する。
【0098】
キーワードが存在しないと判断され場合(ステップS1においてNO)、コントローラー31は、当該音声に基づく処理を終了する。なお、この場合、コントローラー31は、キーワードが存在しないことを、表示等によりユーザーに対して通知してもよい。
【0099】
キーワードが存在していると判断された場合(ステップS1においてYES)、コントローラー31は、ステップS2において、データーベースD6を参照して、当該キーワードが、現在表示中の画面に関連付けられたキーワードか否かを判断する。現在表示中の画面に関連付けられたキーワードであると判断された場合(ステップS2においてYES)、コントローラー31は、処理をステップS3に進める。現在表示中の画面に関連付けられたキーワードでないと判断された場合(ステップS2においてNO)、コントローラー31は、処理をステップS10に進める。
【0100】
ステップS2に関して、具体例を挙げて説明すると以下のとおりである。再び
図5の画面G24を参照して、ステップS2においてYESと判定される場合は、音声認識により得られたキーワードが、データーD61(
図7参照)において、原稿サイズに関連付けられたキーワード(具体的には、サイズ、ゲンコウサイズ)である場合と、片面および両面に関連付けられたキーワード(リョウメン、リョウメンゲンコウ、カタメン、カタメンゲンコウ)である場合と、とじ代に関連付けられたキーワード(トジシロ)である場合と、混載原稿に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合と、白紙原稿除去に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合と、中止に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合と、OKに関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合である。それ以外のキーワードは、ステップS2においてNOと判定される。
【0101】
再び
図8を参照して、ステップS3において、コントローラー31は、音声認識により得られたキーワードが、現在表示されている画面において、画面遷移用のソフトウェアキーを示すキーワードか否かを判断する。画面遷移用のソフトウェアキーを示すキーワードであると判断された場合(ステップS3においてYES)、コントローラー31は、処理をステップS4に進める。画面遷移用のソフトウェアキーを示すキーワードでないと判断された場合(ステップS3においてNO)、コントローラー31は、処理をステップS8に進める。
【0102】
ステップS3に関して具体例を挙げて説明すると、以下のとおりである。
図5の画面G24の例では、ステップS3においてYESと判定される場合は、音声認識により得られたキーワードが、データーD61(
図7参照)において、原稿サイズに関連付けられたキーワード(具体的には、サイズ、ゲンコウサイズ)である場合と、片面および両面に関連付けられたキーワード(リョウメン、リョウメンゲンコウ、カタメン、カタメンゲンコウ)である場合と、とじ代に関連付けられたキーワード(トジシロ)である場合と、中止に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合と、OKに関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合である。ステップS3においてNOと判定される場合は、混載原稿に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合と、白紙原稿除去に関連付けられたキーワード(
図6では記載せず)である場合とである。
【0103】
再び
図8を参照して、ステップS8において、コントローラー31は、動作モードを現在の動作モードから該当する動作モードに切り換える。たとえば、音声認識により得られたキーワードが混載原稿に関連付けられたキーワードである場合には、動作モードを混載原稿モードに設定する。コントローラー31は、ステップS8の後は、処理を終了する。
【0104】
ステップS4において、コントローラー31は、画面遷移可否判定Aを実行する。つまり、コントローラー31は、音声情報(音声入力)に基づく画面遷移を許可するか否かを判断する。なお、画面遷移可否判定Aの詳細については、
図13に基づき説明する。
【0105】
画面遷移可否判定Aにより画面遷移が可能と判断された場合(ステップS5においてYES)、コントローラー31は、ステップS6において、該当画面に画面を遷移させる。なお、ステップS6の詳細については、
図10に基づき説明する。
【0106】
画面遷移可否判定Aにより画面遷移が不可能と判断された場合(ステップS5においてNO)、コントローラー31は、ステップS7において、画面遷移ができない旨を通知する。たとえば、コントローラー31は、タッチスクリーン60に警告表示を行わせる。なお、現在の画面に遷移したことが誤りである場合もあるため、ステップS7のように画面遷移できないことを通知する代わりに、本当に当該画面に遷移したいのかをユーザーに確認した後、画面遷移するように、コントローラー31を構成してもよい。
【0107】
ステップS10において、コントローラー31は、現在表示中の画面にステップキーが存在するか否かを判断する。ステップキーとは、設定値を段階的に変化させるソフトウェアキーである。画面G22(
図4参照)の例では、ソフトウェアキー2201,2202が、ステップキーに対応する。ステップキーが存在すると判断された場合(ステップS10においてYES)、コントローラー31は、処理をステップS11に進める。ステップキーが存在しないと判断された場合(ステップS10においてNO)、コントローラー31は、処理をステップS9に進める。
【0108】
ステップS9において、コントローラー31は、画面遷移可否判定Bを実行する。つまり、コントローラー31は、音声情報に基づく画面遷移を許可するか否かを判断する。なお、画面遷移可否判定Bの詳細については、
図9に基づき説明する。その後、コントローラー31は、処理をステップS5に進める。
【0109】
ステップS10において、コントローラー31は、画面遷移可否判定Cを実行する。つまり、コントローラー31は、音声情報に基づく画面遷移を許可するか否かを判断する。なお、画面遷移可否判定Cの詳細については、
図11および
図12に基づき説明する。その後、コントローラー31は、処理をステップS5に進める。
【0110】
(g2.ステップS9)
図9は、
図8のステップS9の詳細を表したフロー図である。すなわち、
図9は、画面遷移可否判定Bを説明するためのサブルーチンを表した図である。
【0111】
図9を参照して、コントローラー31は、ステップS91において、現在表示中の画面が表示される直前に表示されていた画面が、現在表示中の画面の下位の階層の画面か否かを判断する。下位の階層の画面であると判断された場合(ステップS91においてYES)、コントローラー31は、ステップS92において、画面遷移可能と判定する。
【0112】
詳しくは、前の画面が下位の階層の画面であれば、現在表示中の画面および下位の階層の画面で必要な設定が全て完了している可能性が考えられるため(ステップS91)、画面遷移可能と判定する(ステップS92)。なお、ステップS92の後は、コントローラー31は、処理をステップS5(
図8参照)に進める。
【0113】
下位の階層の画面ではないと判断された場合(ステップS91においてNO)、コントローラー31は、ステップS93において、画面遷移した後に何らかのユーザー操作を受け付けたか否かを判断する。詳しくは、コントローラー31は、直前の画面から現在の画面に遷移した後に、操作に関連する入力を受け付けたか否かを判断する。受け付けたと判断された場合(ステップS93においてYES)、コントローラー31は、処理をステップS92に進める。
【0114】
下位の階層以外から遷移してきた場合には、その前画面は上位の階層あるは他から直接遷移してきたことが想定される。このような場合、既に画面遷移してきてから何等かのユーザー操作が実行された後であれば、この画面での操作が完了しているとも考えられるため(ステップS93)、画面遷移可能と判定する(ステップS92)。
【0115】
受け付けていないと判断された場合(ステップS93においてNO)、コントローラー31は、ステップS94において、音声情報により特定された画面(具体的には、解析部112によって特定された画面)が、現在表示中の画面の下位の階層の画面か否かを判断する。下位の階層の画面であると判断された場合(ステップS94においてYES)、コントローラー31は、処理をステップS92に進める。コントローラー31は、下位の階層の画面ではないと判断した場合(ステップS94においてNO)、ステップS95において、画面遷移不可能と判定する。なお、ステップS95の後は、コントローラー31は、処理をステップS5(
図8参照)に進める。
【0116】
何のユーザー操作を受け付けていない場合(ステップS93においてNO)、指示された画面が現在表示中の画面の下位の階層の画面であれば、音声情報に基づくユーザーの画面遷移操作は、設定の流れで必然の操作であるため(ステップS94)、コントローラー31は画面遷移可能と判定する(ステップS92)。その一方、全く関係のない画面が指示された場合は、この画面に遷移してきた目的を達成していない可能性があるため、コントローラー31は画面遷移不可能と判定する(ステップS95)。
【0117】
<小括>
(1)ステップS94からステップS92への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0118】
コントローラー31(詳しくは、
図7の表示制御部111)は、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された画面(以下、「第1の画面」とも称する)が、ディスプレイ61に表示中の画面(以下、「第2の画面」とも称する)の下位の階層の画面であることを条件に、第1の画面をディスプレイ61に表示させる。
【0119】
このような構成によれば、画像形成装置1は、画面の階層に関係なく音声情報に基づき画面を遷移させる構成に比べて、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことが可能となる。
【0120】
(2)ステップS91からステップS92への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0121】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、上記第2の画面が表示される直前に表示されていた画面(以下、「第3の画面」とも称する)が第2の画面の下位の階層の画面である場合には、上記の条件に関わらず、第1の画面をディスプレイ61に表示させる。なお、上記の条件とは、「複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された第1の画面が、ディスプレイ61に表示中の第2の画面の下位の階層の画面であること」である。
【0122】
直前に表示されていた画面が下位の階層の画面(すなわち、第3の画面)であれば、現在表示中の第2の画面等で必要な設定が全て完了している可能性が考えられる。したがって、画像形成装置1は、画面遷移可能と判定することにより、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことができる。
【0123】
(3)ステップS93からステップS94への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0124】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、上記第3の画面が上記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、上記第2の画面を表示した後にタッチ入力受付部113が入力を受け付けていない場合に、上記第1の画面が上記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する。すなわち、コントローラー31は、上記の条件が成立するか否かを判定する。
【0125】
タッチ入力受付部113が入力を受け付けていない場合には、音声情報に基づいて特定された第1の画面が現在表示中の第2の画面の下位の階層の画面であれば、音声情報に基づくユーザーの画面遷移操作は、設定の流れで必然の操作である。したがって、このような場合には、画像形成装置1は、画面遷移可能と判定することにより、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことができる。
【0126】
(4)ステップS93からステップS92への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0127】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、上記第3の画面が上記第2の画面の下位の階層の画面でなく、かつ、上記第2の画面を表示した後にタッチ入力受付部113が入力を受け付けた場合、上記の条件に関わらず、上記第1の画面をディスプレイ61に表示させる。
【0128】
既に画面遷移してきた後にタッチ入力受付部113が入力を受け付けた場合には、この画面での操作が完了しているとも考えられる。したがって、このような場合には、画像形成装置1は、画面遷移可能と判定することにより、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことができる。
【0129】
(g3.ステップS6)
図10は、
図8のステップS6の詳細を表したフロー図である。
【0130】
図10を参照して、コントローラー31は、ステップS61において、キーワードに対応するソフトウェアキーを含む画面は1つか否かを判断する。画面が1つであると判断された場合(ステップS61においてYES)、コントローラー31は、ステップS62において、ディスプレイ61に表させる画面を、現在表示中の画面からキーワードに対応するソフトウェアキーを含む画面に遷移させる。
【0131】
画面が1つでない(詳しくは、複数)と判断された場合(ステップS61においてNO)、コントローラー31は、ステップS63において、キーワードに対応するソフトウェアキーを含む複数の画面のうち、現在表示中の画面の下位の階層の画面が存在するか否かを判断する。なお、コントローラー31は、画面が1つもない場合には、処理を終了する。
【0132】
存在すると判断された場合(ステップS63においてYES)、コントローラー31は、ステップS64において、ディスプレイ61に表させる画面を、現在表示中の画面から、上記下位の階層の画面に遷移させる。
【0133】
存在しないと判断された場合(ステップS63においてNO)、コントローラー31は、遷移する画面の候補をディスプレイ61に表示し、その後、ディスプレイ61に表させる画面を、現在表示中の画面から、複数の候補の中からユーザー操作に基づき選択された候補(画面)に遷移させる(ステップS65)。なお、画面に対して内部的に優先順位をつけておき、優先順位に従って自動的に遷移先を決定するように、コントローラー31を構成してもよい。
【0134】
なお、ステップS62,S64,S65の後は、コントローラー31は、
図8に示した一連の処理を終了する。
【0135】
<小括>
ステップS61からステップS63、およびステップS63からステップS64への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0136】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、音声情報に基づいて複数の上記第1の画面(すなわち、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された画面)が特定された場合、複数の第1の画面のうち、上記第2の画面(すなわち、ディスプレイ61に表示中の画面)よりも下位の階層の第1の画面を、ディスプレイ61に表示させる。
【0137】
より詳しくは、コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、マイク70を介して上記音声情報として予め定められた用語(すなわち、キーワード)の入力を受け付けると、複数の画面から、当該用語を含む第1の画面を複数抽出する。コントローラー31は、抽出された複数の第1の画面のうち、上記第2の画面よりも下位の階層の第1の画面を、ディスプレイ61に表示させる。上記の用語は、たとえば、両面またはとじ代である。なお、上記抽出は、解析部112によって行われる。
【0138】
このような構成によれば、ユーザーの意図に沿った画面に遷移させることが可能となる。
【0139】
(g4.ステップS11)
図11は、
図8のステップS11の詳細を表したフロー図である。すなわち、
図11は、画面遷移可否判定Cを説明するためのサブルーチンを表した図である。
【0140】
図11を参照して、コントローラー31は、ステップS111において、アップキーまたはダウンキーが選択済みか否かを判断する。なお、アップキーとダウンキーとは、ステップキーの1つである。たとえば、
図4の画面G22において、ソフトウェアキー2201がダウンキーの例であり、ソフトウェアキー2202がアップキーの例である。
【0141】
コントローラー31は、選択済みでないと判断された場合(ステップS111においてNO)、処理をステップS113に進める。コントローラー31は、選択済みであると判断された場合(ステップS111においてYES)、ステップS112において、音声情報により特定された画面が下位の階層の画面であるか否かを判断する。
【0142】
コントローラー31は、下位の階層の画面であると判断された場合(ステップS112においてYES)、ステップS113において、画面遷移可能と判定する。コントローラー31は、下位の階層の画面でないと判断された場合(ステップS112においてNO)、ユーザーが連続して設定(たとえば、濃度の設定)を変更する可能性が考えられるため、ステップS114において、画面遷移不可能と判定する。
【0143】
ステップS113およびステップS114の後、コントローラー31は、処理をステップS5(
図8)に進める。
【0144】
<小括>
(1)ステップS112からステップS113への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0145】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、複数の画面のうち音声情報に基づいて特定された画面(第1の画面)が、ディスプレイ61に表示中の画面(第2の画面)の下位の階層の画面であることを条件に、第1の画面をディスプレイ61に表示させる。
【0146】
このような構成によれば、画像形成装置1は、画面の階層に関係なく音声情報に基づき画面を遷移させる構成に比べて、ユーザーの意図に沿った画面遷移を行うことが可能となる。
【0147】
(2)ステップS111からステップS112への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0148】
上記第2の画面は、設定値を段階的に変化させるソフトウェアキーを含む。コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、当該ソフトウェアキーが操作されたことを条件に、上記第1の画面が上記第2の画面の下位の階層の画面であるか否かを判定する。
【0149】
なお、上記ソフトウェアキーとしては、たとえば、コピー時の濃度、明度、彩度、およびコントラストの少なくとも1つの設定値を変化させるキーが挙げられる。
【0150】
(g5.ステップS11の変形例)
図12は、
図8のステップS11の他の詳細を表したフロー図である。すなわち、
図12は、画面遷移可否判定Cを説明するためのサブルーチンの変形例を表した図である。なお、本変形の場合には、最終的には、画面遷移可能と判定される。
【0151】
図12を参照して、コントローラー31は、ステップS111において、アップキーまたはダウンキーが選択済みか否かを判断する。コントローラー31は、選択済みでないと判断された場合(ステップS111においてNO)、処理をステップS113に進める。
【0152】
選択済みであると判断された場合(ステップS111においてYES)、コントローラー31は、ステップS112において、音声情報に基づいて特定された画面が下位の階層の画面であるか否かを判断する。
【0153】
下位の階層の画面であると判断された場合(ステップS112においてYES)、コントローラー31は、ステップS113において、画面遷移可能と判定する。下位の階層の画面でないと判断された場合(ステップS112においてNO)、コントローラー31は、ステップS115において、アップキーまたはダウンキーが選択された後、所定時間が経過したいか否かを判断する。
【0154】
所定時間以上経過したと判断された場合(ステップS115においてYES)、コントローラー31は、続けてアップキーまたはダウンキーが選択されることはないと判断し、処理をステップS113に進める。所定時間以上経過していないと判断された場合(ステップS115においてNO)、コントローラー31は、ステップS116において、ウェイト処理を実施する。具体的には、コントローラー31は、上記所定時間が経過するまで、ステップS115とステップS116との処理を繰り返す。
【0155】
ステップS113の後、コントローラー31は、処理をステップS5(
図8)に進める。
【0156】
なお、ウェイト実施中にアップキーまたはダウンキーが再度選択された場合には、「音声情報による画面遷移をキャンセルし、かつアップキーまたはダウンキーに基づく処理を実行する」ように、コントローラー31を構成してもよい。
【0157】
<小括>
ステップS115からステップS116への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0158】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、上記第1の画面が上記第2の画面の下位の階層の画面でないと判断された場合、ソフトウェアキー(詳しくは、ステップキー)が操作されてから予め定められた時間が経過すると、上記の条件に関わらず、上記第1の画面をディスプレイ61に表示させる。
【0159】
予め定められた時間が経過した場合、ステップキー(具体的には、アップキーまたはダウンキー)が続いて操作される可能性が低い。このような場合には、画像形成装置1を上記条件に関わらず画面を遷移させる構成とすることにより、ユーザーにとっての利便性を高めることができる。
【0160】
(g6.ステップS4)
図13は、
図8のステップS4の詳細を表したフロー図である。すなわち、
図13は、画面遷移可否判定Aを説明するためのサブルーチンを表した図である。
【0161】
図13を参照して、コントローラー31は、ステップS41において、応用設定画面において、とじ代キー(すなわち、
図4の画面G11のソフトウェアキー2101)が選択されたか否かを判断する。当該選択は、タッチ操作または音声情報の入力に基づき行われる。なお、応用設定画面は、基本設定画面よりも下位の階層の画面である。
【0162】
とじ代キーが選択されたと判断された場合(ステップS41においてYES)、コントローラー31は、ステップS42において、画面遷移可能と判定する。応用設定画面は、その画面内にある設定の変更、下位の階層にある画面への遷移の入り口となるため、コントローラー31は、ここでは無条件に遷移させる。なお、コントローラー31は、その後、処理をステップS5(
図8)に処理を進める。
【0163】
とじ代キーが選択されていないと判断された場合(ステップS41においてNO)、コントローラー31は、ステップS43において、基本設定キー(すなわち、
図4の画面G21のソフトウェアキー2104)が選択された否かを判断する。
【0164】
基本設定キーが選択されたと判断された場合(ステップS43においてYES)、コントローラー31は、ステップS44において、基本設定画面から遷移した直後か否かを判断する。なお、当該判断は、時間に関する閾値に基づき行われる。基本設定キー選択されていないと判断された場合(ステップS43においてNO)、コントローラー31は、処理をステップS5(
図8)に処理を進める。
【0165】
遷移した直後であると判断された場合(ステップS44においてYES)、本来行うべき設定をユーザーが実施していない可能性が高いため、コントローラー31は、ステップS45において画面遷移が不可能と判定する。遷移した直後ではないと判断された場合には(ステップS44においてNO)、応用設定画面での設定が完了したと見なせるので、コントローラー31は、ステップS46において画面遷移が可能と判定する。
【0166】
コントローラー31は、ステップS45およびステップS46の後は、処理をステップS5(
図8)に処理を進める。
【0167】
なお、上記においては、ステップS41においてとじ代キーが選択されたか否かを判断する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、イレースキー等の応用設定画面において設定可能な他のキーであってもよい。
【0168】
<小括>
(1)ステップS43からステップS44およびステップS44からステップS45への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0169】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、ディスプレイ61に表示させる画面を、基本設定画面(第1の設定を行う画面)から応用設定画面(第2の設定を行う画面)に直接遷移させた直後に、基本設定画面が音声情報に基づいて特定された場合には、基本設定画面をディスプレイ61に表示させない。
【0170】
基本設定画面からの遷移直後であれば、本来行うべき設定を実施していない可能性が高い。それゆえ、基本設定画面をディスプレイ61に表示させないようにすることで、ユーザーにとって意図しない画面に遷移してしまうことを防止できる。
【0171】
(2)ステップS41からステップS42への流れに着目すると、以下のとおりである。
【0172】
コントローラー31(詳しくは表示制御部111)は、タッチ入力受付部113に対する入力によってソフトウェアキー2101(
図4の画面G21参照)が選択されると、とじ代機能(予め定められた機能)を設定する画面をディスプレイ61に表示させる。また、コントローラー31は、ディスプレイに表示させる画面を、基本設定画面から応用設定画面に直接遷移させた直後に、とじ代機能を設定する画面が音声情報に基づいて特定された場合には、とじ代機能を設定する画面をディスプレイ61に表示させる。このような構成とすることにより、ユーザーの意図する画面に遷移させることができる。
【0173】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0174】
1 画像形成装置、10 本体部、11 画像形成ユニット、12 スキャナーユニット、14 給紙ユニット、16 メディアセンサー、20 後処理装置、21,22,23 排紙トレイ、31 コントローラー、32 固定記憶装置、34 操作パネル、51 スタートキー、52 ストップキー、60 タッチスクリーン、61 ディスプレイ、62 タッチパネル、70 マイク、101 制御部、102 表示部、103 入力部、111 表示制御部、112 解析部、113 タッチ入力受付部、114 記憶部、531~535,1101~1105,2101,2012,2104,2201~2207,2301~2304,2401~2403,2406,2407,3101,3106,3107,3108 ソフトウェアキー、2103,2404,2405 チェックボックス、D6 データーベース、D61,D62,D63 データー、G0,G11,G21,G22,G23,G24,G31 画面。