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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231129BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231129BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06F3/12 361
H04N1/00 350
H04N1/00 127A
B41J29/00 T
B41J29/42 F
G06F3/12 310
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020015710
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021124780
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩下 秀晴
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-118931(JP,A)
【文献】特開2006-330576(JP,A)
【文献】特開2017-068603(JP,A)
【文献】特開2012-056114(JP,A)
【文献】特開2005-167637(JP,A)
【文献】特開2010-136335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入力機能を有する制御対象装置に対する前記サービスの実行指示を取得し、
実行指示を取得した前記サービスを前記制御対象装置が実行した場合の動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合で、かつ、前記サービスの少なくとも一部の処理を実行可能な他の装置が存在し、かつ、前記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合に、当該処理を前記他の装置に実行させる制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記制御対象装置の前記音声入力機能により前記サービスの実行指示を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記他の装置に実行させる処理は、前記音声入力機能により実行指示が入力された第1サービス、及び、当該第1サービスの実行指示が入力される前に前記音声入力機能の使用の如何に関わらず実行指示が入力された第2サービスの少なくとも一方の処理である、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記他の装置が複数存在する場合、実行指示を取得した前記サービスの内容に応じて、当該複数の前記他の装置から前記処理を実行させる装置を選択する、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記サービスの実行によって得られる成果物が存在する場合は、より近い装置を選択し、前記成果物が存在しない場合は、より遠い装置を選択する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記処理を前記他の装置に実行させる制御を行う場合、その旨を示す情報を前記制御対象装置に対して提示させる制御を更に行う、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示は、前記制御対象装置が音声出力機能を有する場合における音声による提示である、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記処理を前記他の装置に実行させる制御を行う場合、当該他の装置による前記処理の実行状態を示す情報を前記制御対象装置に対して提示させる制御を更に行う、
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記処理の実行状態を示す情報を、当該処理を含む前記サービスの実行を指示した使用者が所持する携帯型端末装置に対して提示させる制御を更に行う、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記他の装置が複数存在する場合、前記制御対象装置の周囲で生じている音が大きいほど、より遠い前記他の装置を選択する、
請求項1~請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御対象装置は、画像形成装置である、
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入力機能を有する制御対象装置に対する前記サービスの実行指示を取得し、
実行指示を取得した前記サービスを前記制御対象装置が実行した場合の動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合で、かつ、前記サービスの少なくとも一部の処理を実行可能な他の装置が存在し、かつ、前記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合に、当該処理を前記他の装置に実行させる制御を行う、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置であって、前記画像形成装置の周辺の音を集音する音声入力部と、集音した音から、ユーザによる操作の発話音声を認識する音声認識部と、前記発話音声が認識された場合に、前記画像形成装置の動作状態を変更する動作制御部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザに対する通知音を出力する通知状態と通知音を出力しない非通知状態とを持つ通知音出力手段と、受け付けたジョブを記憶部に記録するジョブ記録手段と、前記記憶部に記録されたジョブが実行される際に自装置から発せられる音である稼動音の音量を判定する稼動音判定手段と、前記通知音出力手段が通知状態である場合に、前記記憶部に記録された実行前のジョブのうち、稼動音の音量が小さいジョブから優先して実行するジョブ制御手段とを有する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-136335号公報
【文献】特開2010-68026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、静音モードで動作させる場合、及び動作音が小さい順に処理を実行させる場合に比較して、音声入力の誤検出の頻度を低減することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入力機能を有する制御対象装置に対する前記サービスの実行指示を取得し、実行指示を取得した前記サービスを前記制御対象装置が実行した場合の動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合で、かつ、前記サービスの少なくとも一部の処理を実行可能な他の装置が存在し、かつ、前記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合に、当該処理を前記他の装置に実行させる制御を行う。
【0007】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記制御対象装置の前記音声入力機能により前記サービスの実行指示を取得する。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記他の装置に実行させる処理が、前記音声入力機能により実行指示が入力された第1サービス、及び、当該第1サービスの実行指示が入力される前に前記音声入力機能の使用の如何に関わらず実行指示が入力された第2サービスの少なくとも一方の処理であるものである。
【0009】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記他の装置が複数存在する場合、実行指示を取得した前記サービスの内容に応じて、当該複数の前記他の装置から前記処理を実行させる装置を選択する。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記サービスの実行によって得られる成果物が存在する場合は、より近い装置を選択し、前記成果物が存在しない場合は、より遠い装置を選択する。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記処理を前記他の装置に実行させる制御を行う場合、その旨を示す情報を前記制御対象装置に対して提示させる制御を更に行う。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記提示が、前記制御対象装置が音声出力機能を有する場合における音声による提示であるものである。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様~第7態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記処理を前記他の装置に実行させる制御を行う場合、当該他の装置による前記処理の実行状態を示す情報を前記制御対象装置に対して提示させる制御を更に行う。
【0014】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記処理の実行状態を示す情報を、当該処理を含む前記サービスの実行を指示した使用者が所持する携帯型端末装置に対して提示させる制御を更に行う。
【0016】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第1態様~第態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記他の装置が複数存在する場合、前記制御対象装置の周囲で生じている音が大きいほど、より遠い前記他の装置を選択する。
【0017】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第1態様~第10態様の何れか1態様に係る情報処理装置において、前記制御対象装置が、画像形成装置であるものである。
【0018】
更に、上記目的を達成するために、第12態様に係る情報処理プログラムは、サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入力機能を有する制御対象装置に対する前記サービスの実行指示を取得し、実行指示を取得した前記サービスを前記制御対象装置が実行した場合の動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合で、かつ、前記サービスの少なくとも一部の処理を実行可能な他の装置が存在し、かつ、前記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合に、当該処理を前記他の装置に実行させる制御を行う、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1態様及び第12態様によれば、静音モードで動作させる場合、及び動作音が小さい順に処理を実行させる場合に比較して、音声入力の誤検出の頻度を低減することができる。
【0020】
第2態様によれば、音声入力を妨げないサービスの処理まで不要に他の装置に実行させてしまうことを防止することができる。
【0021】
第3態様によれば、他の装置に実行させる処理を含むサービスとして、第1サービス及び第2サービスの双方に対応することができる。
【0022】
第4態様によれば、実行指示を取得したサービスの内容を考慮せずに上記処理を実行させる装置を選択する場合に比較して、より的確な装置を選択することができる。
【0023】
第5態様によれば、成果物を受け取る場合の利便性と、動作音による影響の低減と、を両立することができる。
【0024】
第6態様によれば、使用者が実行を指示したサービスの処理が他の装置で実行されることを把握することができる。
【0025】
第7態様によれば、音声入力機能と音声出力機能との双方の機能を有する制御対象装置の当該機能を有効利用することができる。
【0026】
第8態様によれば、他の装置に処理を実行させる場合の当該処理の実行状態を使用者が把握することができる。
【0027】
第9態様によれば、処理の実行状態を示す情報を、実行を指示した使用者が所持する携帯型端末装置に対して提示させない場合に比較して、使用者に対し、より効果的に実行状態を把握させることができる。
【0029】
10態様によれば、制御対象装置の周囲の音の影響を低減することができる。
【0030】
11態様によれば、静音モードで動作させる場合、及び動作音が小さい順に処理を実行させる場合に比較して、画像形成装置に対する音声入力の誤検出の頻度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1、第3実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1、第3実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1、第3実施形態に係るサーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】各実施形態に係る動作音データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】各実施形態に係る設置位置データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】各実施形態に係る搭載機能データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】第1実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態に係るジョブ転送提示画面の一例を示す正面図である。
図9】第2実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
図10】第2実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図11】第2実施形態に係るサーバの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態に係るジョブ転送提示画面の一例を示す正面図である。
図14】第3実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を複数の画像形成装置によりサービスを実行する画像形成システムに適用した場合について説明する。また、本実施形態では、本発明の情報処理装置をサーバに適用した場合について説明する。
【0033】
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を説明する。
【0034】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、本システムの中心的な役割を担うサーバ10と、複数の画像形成装置90A、90B、・・・と、を含む。なお、以下では、画像形成装置90A、90B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「画像形成装置90」と総称する。
【0035】
サーバ10と、複数の画像形成装置90とは、ネットワークNを介して接続されており、サーバ10は、各画像形成装置90とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0036】
本実施形態に係る画像形成システム1では、複数の画像形成装置90における一部の画像形成装置90(本実施形態では、画像形成装置90A)に音声入出力装置80が接続されている。本実施形態に係る音声入出力装置80は、使用者による発声を音声データとして入力する機能、及び予め定められた音声データによる音声を出力する機能を有している。
【0037】
なお、本実施形態に係る画像形成システム1では、音声入出力装置80の制御を、サーバ10により画像形成装置90Aを介して間接的に行っているが、これに限定されるものではない。例えば、音声入出力装置80をサーバ10に画像形成装置90Aを介することなく接続し、サーバ10から音声入出力装置80を直接制御する形態としてもよい。また、本実施形態では、音声入出力装置80としてスマートスピーカを適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、スマートフォン及び携帯情報端末装置等の音声の入力及び出力を行うことができる他の装置を音声入出力装置80として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、画像形成装置90として、画像印刷機能、画像読取機能、及び画像送信機能等を有するデジタル複合機を適用しているが、これに限らないことは言うまでもない。更に、本実施形態では、音声入出力装置80を画像形成装置90Aとは別体で構成した場合について説明するが、これに限定されるものではなく、音声入出力装置80を画像形成装置90Aに一体的に組み込む形態としてもよい。
【0038】
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係るサーバ10の構成を説明する。なお、サーバ10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0039】
図2に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0040】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0041】
また、記憶部13には、動作音データベース13B、設置位置データベース13C、及び搭載機能データベース13D等の各種データベースが記憶される。動作音データベース13B、設置位置データベース13C、及び搭載機能データベース13Dについては、詳細を後述する。
【0042】
次に、図3を参照して、本実施形態に係るサーバ10の機能的な構成について説明する。図3に示すように、サーバ10は、取得部11A、選択部11B、及び制御部11Cを含む。サーバ10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することで、取得部11A、選択部11B、及び制御部11Cとして機能する。
【0043】
本実施形態に係る取得部11Aは、サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入出力装置80が設けられることで音声入力機能を有する画像形成装置90Aに対するサービスの実行指示を取得する。ここで、本実施形態に係る取得部11Aでは、サービスの実行指示を、上記音声入力機能により画像形成装置90Aから通信I/F部18を介して取得する。なお、ここでいう「サービス」には、無償で行うサービスに加えて、有償で行うサービスも含まれる。
【0044】
そして、本実施形態に係る制御部11Cは、取得部11Aによって実行指示を取得したサービスを画像形成装置90Aが実行した場合の動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合で、かつ、上記サービスの少なくとも一部の処理を実行可能な他の装置が存在する場合に、当該少なくとも一部の処理を上記他の装置に実行させる制御を行う。また、本実施形態では、上記他の装置に実行させる処理を、上記音声入力機能により実行指示が入力されたサービスの処理としている。なお、本実施形態では、錯綜を回避するため、上記少なくとも一部の処理として全ての処理を適用しているが、これに限定されず、対応するサービスの一部の処理のみを適用する形態としてもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る選択部11Bは、上記他の装置が複数存在する場合、実行指示を取得した上記サービスの内容に応じて、当該複数の他の装置から上記処理を実行させる装置を選択する。特に、本実施形態に係る選択部11Bでは、上記サービスの実行によって得られる成果物が存在する場合は、より近い装置を選択し、上記成果物が存在しない場合は、より遠い装置を選択している。
【0046】
更に、本実施形態に係る制御部11Cは、上記処理を上記他の装置に実行させる制御を行う場合、その旨を示す情報を画像形成装置90Aに対して提示させる制御を更に行う。特に、本実施形態に係る制御部11Cでは、上記提示として、画像形成装置90Aの音声出力機能による音声による提示を適用している。また、本実施形態に係る制御部11Cでは、上記提示として、画像形成装置90Aの表示部による表示による提示も適用している。
【0047】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る動作音データベース13Bについて説明する。図4に示すように、本実施形態に係る動作音データベース13Bは、処理及び動作音の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0048】
上記処理は、画像形成システム1に含まれる各画像形成装置90において実行可能とされているサービスを、対応する画像形成装置90で実行する際に実行する処理の内容を示す情報である。また、上記動作音は、対応する処理を実行する際に画像形成装置90で発生する動作音の大きさを示す情報である。
【0049】
本実施形態に係る画像形成システム1では、上記サービスとして、画像印刷サービス、画像読取サービス、画像複写サービス、及び画像送信サービス等の各種サービスが実行可能とされているが、1つのサービスについて一種類の処理のみが実行されるとは限らない。例えば、画像複写サービスでは、画像読取機能による処理及び画像印刷機能による処理の二種類の処理が実行される。このため、本実施形態に係る動作音データベース13Bでは、サービス毎の動作音ではなく、処理毎の動作音が予め登録されている。
【0050】
なお、本実施形態では、錯綜を回避するために、全ての画像形成装置90において、同一の処理については同一の大きさの動作音が生じるものとしているが、この形態に限定されるものではない。例えば、画像形成装置90の各々毎に同一の処理であっても動作音の大きさが異なる形態としてもよい。この場合、動作音データベース13Bには、画像形成装置90の各々毎に動作音を示す情報を登録しておくことになる。
【0051】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る設置位置データベース13Cについて説明する。図5に示すように、本実施形態に係る設置位置データベース13Cは、装置ID(Identification)及び設置位置の各情報が関連付けられて記憶される。
【0052】
上記装置IDは、各画像形成装置90を識別するために画像形成装置90毎に予め割り振られた識別情報であり、上記設置位置は、対応する画像形成装置90が配置されている位置を示す情報である。本実施形態では、上記設置位置として、平面視の2次元座標系における、対応する画像形成装置90の平面視の中心位置の2次元座標値を適用しているが、これに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0053】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る搭載機能データベース13Dについて説明する。図6に示すように、本実施形態に係る搭載機能データベース13Dは、装置ID、及び搭載機能の各情報が関連付けられて記憶される。
【0054】
上記装置IDは、設置位置データベース13Cの装置IDと同様の情報であり、上記搭載機能は、対応する画像形成装置90に搭載されている機能を示す情報である。図6に示す搭載機能データベース13Dでは、例えば、装置IDとして「D0001」が割り振られた画像形成装置90には、画像印刷機能、画像読取機能等が搭載されていることを表している。
【0055】
次に、図7図8を参照して、本実施形態に係るサーバ10の作用を説明する。サーバ10のユーザによって情報処理プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、サーバ10のCPU11が当該情報処理プログラム13Aを実行することにより、図7に示す情報処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、動作音データベース13B、設置位置データベース13C、及び搭載機能データベース13Dが既に構築されている場合について説明する。
【0056】
図7のステップ200で、取得部11Aは、画像形成装置90Aの使用者による音声入出力装置80に対するサービスの実行指示を示す発話が行われ、当該発話に応じた音声データが音声入出力装置80から画像形成装置90Aを介して入力されるまで待機する。ステップ202で、取得部11Aは、入力された音声データに対して従来既知の音声認識処理を行うことで、使用者によって実行指示が行われたサービスを特定する。以下では、特定したサービスを「特定サービス」という。
【0057】
ステップ204で、制御部11Cは、特定サービスを実行する際に実行される処理に関する動作音の大きさを示す情報を動作音データベース13Bから読み出す。ステップ206で、制御部11Cは、読み出した情報により示される動作音の大きさが予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ226に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ208に移行する。なお、上述したように、サービスの種類によっては複数の処理が実行される場合もあるので、この場合は当該複数の処理に関する動作音の情報を読み出し、各動作音のうち、少なくとも1つの動作音が上記閾値以上であるか否かを判定する。また、本実施形態では、上記閾値として、動作音の大きさが当該値以上である場合に上記音声認識処理による認識率が使用に耐えない値になるものとして、実機を用いた実験や画像形成システム1の設計仕様に応じたコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた値を適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、使用者に入力部14等を介して閾値を入力させる形態としてもよい。
【0058】
ステップ208で、制御部11Cは、画像形成装置90Aを除く全ての画像形成装置90の搭載機能を示す情報を搭載機能データベース13Dから読み出す。ステップ210で、制御部11Cは、読み出した搭載機能を示す情報を用いて、上記特定サービスで実行される処理を実行する機能が搭載され、かつ、この時点で用いられていない画像形成装置90が存在するか否かを判定することにより、画像形成装置90Aの代替となる装置(以下、「代替装置」という。)が存在するか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ226に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ212に移行する。
【0059】
ステップ212で、選択部11Bは、ステップ210の処理によって存在するとされた代替装置が複数存在する場合において、上述したように、特定サービスの内容に応じて、当該複数の代替装置から特定サービスの処理を実行させる装置を選択する。
【0060】
より具体的には、選択部11Bは、特定サービスの実行によって得られる成果物が存在する場合は、より近い装置を選択し、当該成果物が存在しない場合は、より遠い装置を選択する。
【0061】
例えば、特定サービスが画像印刷サービスである場合、画像形成後の用紙という成果物が存在するため、選択部11Bは、画像形成装置90Aから最も近い画像形成装置90を代替装置の中から選択する。一方、例えば、特定サービスが画像送信サービスである場合は成果物が存在しないため、選択部11Bは、画像形成装置90Aから最も遠い画像形成装置90を代替装置の中から選択する。ここで、画像形成装置90Aから最も近い画像形成装置90、及び画像形成装置90Aから最も遠い画像形成装置90は、画像形成装置90A及び各代替装置の設置位置データベース13Cに登録されている設置位置を示す情報を参照し、各設置位置間の距離を算出することで特定することができる。以下、ここで選択された代替装置を「対象代替装置」という。なお、ステップ210の処理によって存在するとされた代替装置が1台のみである場合は、当該代替装置が対象代替装置となることは言うまでもない。
【0062】
ステップ214で、制御部11Cは、特定サービスを実行させるジョブを対象代替装置に送信する。このジョブの送信によって、特定サービスは画像形成装置90Aではなく、対象代替装置で実行されることになる。なお、ここでいう「ジョブ」とは、使用者による一回の指示によって実行される動作の処理単位を意味する。
【0063】
ステップ216で、制御部11Cは、特定サービスを実行するジョブが対象代替装置に転送されたことを表示するジョブ転送提示画面を示す情報を作成する。ステップ218で、制御部11Cは、作成したジョブ転送提示画面を示す情報を画像形成装置90Aに送信することで、ジョブ転送提示画面を画像形成装置90Aの表示部によって表示させる。
【0064】
図8には、本実施形態に係るジョブ転送提示画面の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態に係るジョブ転送提示画面では、実行される処理の名称、及び当該処理が実行される画像形成装置90の名称が表示される。従って、画像形成装置90Aの使用者、即ち、特定サービスの実行を発話によって指示した使用者は、ジョブ転送提示画面を参照することで、指示したサービスが実行される画像形成装置90(対象代替装置)を把握することができる。
【0065】
ステップ220で、制御部11Cは、ジョブ転送提示画面で表示した内容と同様の内容を音声(以下、「ジョブ転送提示音声」という。)によって再生する音声データを作成する。ステップ222で、制御部11Cは、作成したジョブ転送提示音声を示す音声データを音声入出力装置80に画像形成装置90Aを介して送信することで、ジョブ転送提示音声を音声入出力装置80によって再生(出力)させる。従って、特定サービスの実行を発話によって指示した使用者は、音声入出力装置80によって再生される音声を聴取することで、指示したサービスが実行される画像形成装置90を把握することができる。
【0066】
ステップ226で、制御部11Cは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ200に戻る一方、肯定判定となった場合は本情報処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、ユーザによって情報処理プログラム13Aの実行を終了する指示入力が入力部14や音声入出力装置80等を介して行われたタイミングを適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、1日の業務が終了する時刻となったタイミング等を終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0067】
なお、本実施形態では、特定サービスの実行によって得られる成果物が存在する場合は最も近い画像形成装置90を対象代替装置として選択し、上記成果物が存在しない場合は最も遠い画像形成装置90を対象代替装置として選択する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上記成果物が存在する場合でも、最も近い画像形成装置90が画像形成装置90Aに予め定められた第1距離(例えば、3m)より近くに存在する場合には、当該第1距離以上に離れており、かつ、最も近い画像形成装置90を対象代替装置として選択する形態としてもよい。また、例えば、上記成果物が存在しない場合でも、最も遠い画像形成装置90が画像形成装置90Aから予め定められた第2距離(例えば、10m)より遠くに存在する場合には、当該第2距離以内に存在し、かつ、最も遠い画像形成装置90を対象代替装置として選択する形態としてもよい。
【0068】
[第2実施形態]
まず、図9を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を説明する。なお、図9における図1と同様の構成要素には図1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図9に示すように、本実施形態に係る画像形成システム1は、画像形成装置90Aの使用者が所持する携帯端末70が新たに含まれている点が、第1実施形態に係る画像形成システム1と異なっている。なお、本実施形態では、携帯端末70としてスマートフォンを適用しているが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話機、ノードブック型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末装置等の他の携帯型の装置を携帯端末70として適用する形態としてもよい。
【0070】
次に、図10及び図11を参照して、本実施形態に係るサーバ10の構成を説明する。なお、図10における図2と同様の構成要素には図2と同様の符号を付し、かつ、図11における図3と同様の構成要素には図3と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
図10に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、無線通信部19が新たに備えられている点が第1実施形態に係るサーバ10と異なっている。本実施形態に係る無線通信部19は、携帯端末70との間で無線にて通信を行う。
【0072】
一方、図11に示すように、本実施形態に係るサーバ10は、制御部11Cが、無線通信部19を介して携帯端末70と通信する制御を行う点が第1実施形態と異なっている。
【0073】
即ち、本実施形態に係る制御部11Cは、上記サービスの少なくとも一部の処理(以下、単に「処理」という。)を上記他の装置(代替装置)に実行させる制御を行う場合、当該他の装置による上記処理の実行状態を示す情報を画像形成装置90Aに対して提示させる制御を更に行う。また、本実施形態に係る制御部11Cは、上記処理の実行状態を示す情報を、当該処理を含むサービスの実行を指示した使用者が所持する携帯端末70に対して提示させる制御を更に行う。
【0074】
特に、本実施形態に係る制御部11Cは、上記動作音の大きさが上記閾値以上、かつ、上記他の装置が存在し、かつ、上記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合、上記処理を上記他の装置に実行させる制御を行う。更に、本実施形態に係る選択部11Bは、上記他の装置が複数存在する場合、画像形成装置90Aの周囲で生じている音が大きいほど、より遠い他の装置を選択する。
【0075】
次に、図12図13を参照して、本実施形態に係るサーバ10の作用を説明する。なお、図12における図7と同様の処理を行うステップには図7と同様のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0076】
図12に示すように、本実施形態に係る情報処理は、ステップ207の処理が新たに含まれ、かつ、ステップ212の処理に代えてステップ213の処理が適用され、かつ、ステップ220及びステップ222の処理に代えて、ステップ219、ステップ221、及びステップ223の処理が適用されている点が第1実施形態に係る情報処理と異なっている。
【0077】
即ち、ステップ207で、制御部11Cは、ステップ200の処理で取得されたサービスの実行指示を行う音声(発話)の大きさが予め定められた大きさ以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ226に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ208に移行する。このステップ207の処理により、上記動作音の大きさが上記閾値以上、かつ、上記他の装置が存在し、かつ、上記サービスの実行指示を行う音声の大きさが予め定められた大きさ以下である場合に、上記処理を上記他の装置に実行させる制御が行われる。
【0078】
また、ステップ213で、選択部11Bは、ステップ210の処理によって存在するとされた代替装置が複数存在する場合において、上述したように、画像形成装置90Aの周囲で生じている音が大きいほど、より遠い代替装置を対象代替装置として選択する。なお、画像形成装置90Aの周囲で生じている音の大きさは、音声入出力装置80の音声入力機能を用いて検出する形態としてもよいし、マイク等の集音装置を画像形成装置90Aの近傍に設けておき、当該集音装置を用いて検出する形態としてもよい。
【0079】
また、ステップ219で、制御部11Cは、上記対象代替装置に対して上記処理の実行状態を問い合わせる旨を示す状態問い合わせ情報を通信I/F部18を介して送信する。対象代替装置では、当該状態問い合わせ情報をサーバ10から受信すると、上記処理の実行状態を示す実行状態情報をサーバ10に送信する。そこで、ステップ219では、対象代替装置から送信された実行状態情報を通信I/F部18を介して受信する。本実施形態では、上記実行状態情報として、上記処理の全体の処理量に対する実行済みの処理量の割合を示す情報を適用しているが、これに限定されるものではない。
【0080】
ステップ221で、制御部11Cは、ステップ219の処理によって受信した実行状態情報を画像形成装置90Aに送信することで、上述したジョブ転送提示画面に対して実行状態情報を重畳させて画像形成装置90Aの表示部に表示させる制御を行う。ステップ223で、制御部11Cは、対象代替装置において上記処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ219に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ226に移行する。
【0081】
図13には、本実施形態に係るジョブ転送提示画面の一例が示されている。図13に示すように、本実施形態に係るジョブ転送提示画面では、対象代替装置から受信した実行状態情報により示される実行済みの処理量の割合(図13に示す例では、40%)が表示される。従って、画像形成装置90Aの使用者は、当該ジョブ転送提示画面を参照することにより、自身が実行を指示したサービスに関する処理が実際に実行されている装置を把握することができると共に、当該処理の進行状況を容易に把握することができる。なお、ステップ219~ステップ223の処理は対象代替装置に実行させている処理が終了するまで繰り返されるため、ジョブ転送提示画面で表示される実行済みの処理量の割合は逐次更新されることになる。
【0082】
[第3実施形態]
本第3実施形態では、上記他の装置(対象代替装置)に実行させる処理を、音声入力機能によりサービスの実行指示が入力される前に当該音声入力機能の使用の如何に関わらず実行指示が入力されたサービスの処理とする場合の形態例について説明する。なお、本第3実施形態に係る画像形成システム1及びサーバ10の構成については、図1図3に示す第1実施形態の構成と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0083】
以下、図14を参照して、本実施形態に係るサーバ10の作用を説明する。なお、図14における図7と同様の処理を行うステップには図7と同様のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0084】
図14に示すように、本実施形態に係る情報処理は、ステップ202及びステップ204の処理に代えて、ステップ201及びステップ203の処理が適用されている点が第1実施形態に係る情報処理と異なっている。
【0085】
即ち、ステップ201で、制御部11Cは、この時点で画像形成装置90Aにおいて動作音を伴う処理が実行されているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ226に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ203に移行する。
【0086】
ステップ203で、制御部11Cは、画像形成装置90Aにおいて実行されている処理に関する動作音の大きさを示す情報を動作音データベース13Bから読み出し、その後にステップ206に移行する。
【0087】
なお、本第3実施形態では、錯綜を回避するために音声入力機能によって実行指示が入力されたサービスについては言及していないが、上記第1実施形態と同様に、当該サービスについても動作音の大きさが予め定められた閾値以上である場合は当該サービスに関する処理を他の代替装置に実行させる形態としてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態では、音声入出力装置80が1台の画像形成装置90のみに設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の画像形成装置90に音声入出力装置80を設ける形態としてもよい。この場合、対象代替装置を選択する場合に、音声入出力装置80が設けられた画像形成装置90を対象外として選択する形態が好ましい。
【0089】
また、上記各実施形態では特に言及しなかったが、対象代替装置に対して、自身が画像形成装置90Aの代替装置として特定サービスを実行している旨を示す情報を提示させる制御を行う形態としてもよい。この場合の提示としては、対象代替装置に設けられた表示部での表示による提示や、対象代替装置における周囲から視認可能な位置に発光部を設けておき、当該発光部による発光による提示等を例示することができる。
【0090】
また、上記第1、第3実施形態では、特定サービスの実行に伴う成果物の有無に応じて対象代替装置の選択対象を切り替え、上記第2実施形態では、画像形成装置90Aの周囲の音の大きさに応じて対象代替装置の選択を行う場合について説明したが、これらの形態に限定されるものではない。例えば、これらの形態を組み合わせて、上記成果物がある一方、画像形成装置90Aの周囲の音の大きさが予め定められた閾値以上である場合は、予め定められた距離(例えば、5m)以上で、かつ、画像形成装置90Aに最も近い代替装置を対象代替装置として選択する形態としてもよい。
【0091】
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0093】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0094】
また、上記実施形態では、制御対象装置の例として画像形成装置を適用したが、これに限定するものではなく、サービスを実行する際に動作音が生じ、かつ、音声入力機能を有する装置であれば、如何なる装置も制御対象装置として適用することができることは言うまでもない。
【0095】
更に、上記実施形態では、情報処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、情報処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0096】
その他、上記実施形態で説明したサーバ10の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0097】
また、上記実施形態で説明した情報処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
1 画像形成システム
10 サーバ(情報処理装置)
11 CPU
11A 取得部
11B 選択部
11C 制御部
12 メモリ
13 記憶部
13A 情報処理プログラム
13B 動作音データベース
13C 設置位置データベース
13D 搭載機能データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
19 無線通信部
70 携帯端末
80 音声入出力装置
90、90A 画像形成装置(制御対象装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14