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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】光受信モジュール用パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/02 20060101AFI20231129BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01L23/02 H
H01L23/02 F
H01L31/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020019073
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021125604
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大森 寛康
(72)【発明者】
【氏名】原 弘
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186455(JP,A)
【文献】特開2008-236027(JP,A)
【文献】特開平11-127014(JP,A)
【文献】特開2019-062114(JP,A)
【文献】特開2019-129287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/02
H01L 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に沿って光信号を導入する導入口が設けられた第1側壁と、前記光軸方向において前記第1側壁と対向する第2側壁と、前記第1側壁および前記第2側壁によって画成され、前記光信号を高周波信号に変換する受光素子を収容する内部空間と、を有する導電性の筐体と、
前記筐体の外側に位置し互いに対向する第1面及び第2面を有し、前記第2側壁を貫通するとともに誘電体材料を含んで構成されるフィードスルーと、
前記内部空間に面して設けられ、モニタ配線および電源配線の少なくともいずれかを含む複数の第1電気配線と、
前記内部空間に面して設けられ、前記高周波信号を伝送する伝送線路である第2電気配線と、
前記第1面に設けられ、前記複数の第1電気配線とそれぞれ電気的に接続されるとともに前記第2側壁に沿って並ぶ複数の第3電気配線と、
前記第2面に設けられ、前記第2電気配線と電気的に接続され、前記第2電気配線によって伝送された前記高周波信号を伝送する第4電気配線と、
前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に設けられたグランド配線と、
前記第1面と前記第2面との間の第3面に設けられ、互いに一定の間隔をあけて前記第1面及び前記第2側壁に沿って並ぶ複数の第1導電パッドと、
を備え、
前記複数の第1導電パッドは前記グランド配線と電気的に接続されている、光受信モジュール用パッケージ。
【請求項2】
前記フィードスルーは、前記筐体の外側への前記フィードスルーの突出方向と交差する面に沿って延在し前記第1面及び前記第2面を繋ぐ端面を更に有し、
当該光受信モジュール用パッケージは、
前記端面上において前記第1面から離れて設けられ、前記グランド配線と電気的に接続された電磁シールド膜と、
前記複数の第1導電パッドそれぞれから前記電磁シールド膜に向けて延び、各第1導電パッドと前記電磁シールド膜とを電気的に接続する複数の配線部と、
を更に備える、請求項1に記載の光受信モジュール用パッケージ。
【請求項3】
前記第2面と前記第3面との間の第4面に設けられ、互いに一定の間隔をあけて前記第1面及び前記第2側壁に沿って並ぶ複数の第2導電パッドを更に備え、
前記複数の第2導電パッドは前記グランド配線と電気的に接続されている、請求項1または請求項2に記載の光受信モジュール用パッケージ。
【請求項4】
前記第3面に設けられ、前記筐体の外側への前記フィードスルーの突出方向と交差する方向に延在するとともに、前記グランド配線と電気的に接続された導電パターンと、
前記複数の第1導電パッドそれぞれから前記導電パターンに向けて延び、各第1導電パッドと前記導電パターンとを電気的に接続する複数の配線部と、
を更に備える、請求項1に記載の光受信モジュール用パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光受信モジュール用パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品収納用パッケージが開示されている。このパッケージは、基体と、枠体と、入出力端子とを備えている。基体の底面には電子部品が載置される載置部が設けられる。枠体は、載置部を囲むようにして基体の底面上に配置される。枠体の上面には、蓋体が取り付けられる。入出力端子は、枠体の内部と外部とを電気的に接続する線路導体を有する。線路導体は、ストリップ線路又はマイクロストリップ線路である。基体、枠体、及び蓋体は、金属材料により構成され、入出力端子は、絶縁材料により構成される。
【0003】
特許文献2には、光半導体素子収納用パッケージが開示されている。このパッケージは、基体と、枠体と、蓋体とを備えており、光半導体素子を収納する。基体の底面には、光半導体素子が搭載される取付部が設けられる。光半導体素子は、外部リード端子を介して、基体の底面の外側に位置する電気回路と電気的に接続される。枠体は、取付部を囲むように基体に取り付けられる。枠体には、光ファイバを固定する貫通孔が形成されている。蓋体は、枠体の上面に取り付けられる。基体、枠体、及び蓋体は、金属材料により構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第2005/0207092号公報
【文献】米国特許第6036375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光通信における伝送速度の高速化とともに、光トランシーバの小型化が進行している。光トランシーバは、例えば、レーザダイオードといった発光素子を内蔵する光送信モジュールと、フォトダイオードといった受光素子を内蔵する光受信モジュールと、これらのモジュールと電気的に接続される回路基板とが1つの筐体内に収容されて成る。更に、光送信モジュール及び光受信モジュールは、それぞれ光送信モジュール用パッケージ及び光受信モジュール用パッケージを有する。光送信モジュールは、光信号を出力し、光受信モジュールには、光信号が入力される。それぞれのパッケージから光信号が入出力される方向を光軸方向とするとき、これらのパッケージは、回路基板の前方において、光軸と交差する方向に隣接して配置される。光受信モジュール用パッケージは、受光素子を収容する導電性の筐体と、筐体の内側から外側にわたって設けられる誘電体のフィードスルーとを有する。フィードスルーには、筐体の内側と外側とを導通する複数の配線が設けられる。また、光送信モジュールの発光素子を駆動する回路は、光送信モジュールの外部(例えば上記の回路基板上)に配置される。
【0006】
このような構成を備える光トランシーバにおいて、光通信の伝送速度が速くなるほど、駆動回路と光送信モジュールとの間の配線から発生する電磁ノイズが大きくなる。この電磁ノイズは、光送信モジュールに隣接して配置される光受信モジュール内の受信信号に対して電磁波干渉によるクロストークを生じさせる。上述したように、光受信モジュール用パッケージでは導電性の筐体の一部に誘電体のフィードスルーが貫通して設けられる。このフィードスルーを通じて、光受信モジュールの筐体内に電磁ノイズが侵入しやすいという問題がある。
【0007】
そこで、本開示は、フィードスルーを通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入を低減できる光受信モジュール用パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る光受信モジュール用パッケージは、光軸方向に沿って光信号を導入する導入口が設けられた第1側壁と、光軸方向において第1側壁と対向する第2側壁と、第1側壁および第2側壁によって画成され、光信号を高周波信号に変換する受光素子を収容する内部空間と、を有する導電性の筐体と、筐体の外側に位置し互いに対向する第1面及び第2面を有し、第2側壁を貫通するとともに誘電体材料を含んで構成されるフィードスルーと、内部空間に面して設けられ、モニタ配線および電源配線の少なくともいずれかを含む複数の第1電気配線と、内部空間に面して設けられ、高周波信号を伝送する伝送線路である第2電気配線と、第1面に設けられ、複数の第1電気配線とそれぞれ電気的に接続されるとともに第2側壁に沿って並ぶ複数の第3電気配線と、第2面に設けられ、第2電気配線と電気的に接続され、第2電気配線によって伝送された高周波信号を伝送する第4電気配線と、第1面及び第2面の少なくとも一方に設けられたグランド配線と、第1面と第2面との間の第3面に設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面及び第2側壁に沿って並ぶ複数の第1導電パッドと、を備える。複数の第1導電パッドはグランド配線と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、フィードスルーを通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入を低減できる光受信モジュール用パッケージを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、光通信に用いられる光トランシーバ1Aの構成を概略的に示す平面図である。
図2図2は、光受信モジュール2の構成を概略的に示す平面図である。
図3図3は、パッケージ10Aの外観を示す斜視図である。
図4図4は、図3の一部を拡大して示す斜視図であって、フィードスルー12のうち端壁11bbから突出した部分のみを拡大して示している。
図5図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。
図6図6は、第3面12dをフィードスルー12の厚さ方向から見た平面図である。
図7図7は、第4面12eをフィードスルー12の厚さ方向から見た平面図である。
図8図8は、パッケージ10Aの外観の一部を拡大して示す斜視図であって、フィードスルー12のうち端壁11bbから突出した部分を第2面12b側から見た様子を示す。
図9図9は、誘電体基板50上において複数行及び複数列にわたって二次元状に配置された複数のマッシュルーム構造(導電パッド51)からなる左手系メタマテリアルを示す斜視図である。
図10図10は、複数の導電パッド17によって実現されるメタマテリアルを分布定数回路的に表現した回路図である。図10の(a)は、電磁波の進行方向に沿った通常の伝送線路等価回路を示し、図10の(b)はメタマテリアル構造を途中に配置した場合の伝送線路等価回路を示す。
図11図11は、比較例として、電磁シールド膜44、複数の導電パッド17および複数の導電パッド19が設けられない場合の端面12cを示す。
図12図12は、図11の破線F1によって示される部分の導波管のモデルを示す斜視図である。
図13図13は、図12に示す導波管の挿入損失と周波数との関係を示すグラフである。
図14図14は、別の比較例として、図11に示された端面12cに対して電磁シールド膜44のみを設けた場合を示す。
図15図15は、図14の破線F1によって示される部分の導波管のモデルを示す斜視図である。
図16図16は、図15に示す導波管の挿入損失と周波数との関係を示すグラフである。
図17図17は、図14に示された構成に対して、更に複数の導電パッド17及び配線部18を追加した形態の導波管構造を示す斜視図である。
図18図18は、図17に示す導波管の挿入損失と周波数との関係を示すグラフである。
図19図19は、第1変形例として、フィードスルー12Aの端面12cを示す側面図である。
図20図20は、第1変形例のフィードスルー12Aの第3面12dを示す平面図である。
図21図21は、第1変形例のフィードスルー12Aの第4面12eを示す平面図である。
図22図22は、第2変形例として、フィードスルー12Bの端面12cを示す側面図である。
図23図23は、図21のXXII-XXII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態を列記して説明する。一実施形態に係る光受信モジュール用パッケージは、光軸方向に沿って光信号を導入する導入口が設けられた第1側壁と、光軸方向において第1側壁と対向する第2側壁と、第1側壁および第2側壁によって画成され、光信号を高周波信号に変換する受光素子を収容する内部空間と、を有する導電性の筐体と、筐体の外側に位置し互いに対向する第1面及び第2面を有し、第2側壁を貫通するとともに誘電体材料を含んで構成されるフィードスルーと、内部空間に面して設けられ、モニタ配線および電源配線の少なくともいずれかを含む複数の第1電気配線と、内部空間に面して設けられ、高周波信号を伝送する伝送線路である第2電気配線と、第1面に設けられ、複数の第1電気配線とそれぞれ電気的に接続されるとともに第2側壁に沿って並ぶ複数の第3電気配線と、第2面に設けられ、第2電気配線と電気的に接続され、第2電気配線によって伝送された高周波信号を伝送する第4電気配線と、第1面及び第2面の少なくとも一方に設けられたグランド配線と、第1面と第2面との間の第3面に設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面及び第2側壁に沿って並ぶ複数の第1導電パッドと、を備える。複数の第1導電パッドはグランド配線と電気的に接続されている。
【0012】
この光受信モジュール用パッケージでは、第1面と第2面との間の第3面に、互いに一定の間隔をあけて第1面及び側壁に沿って並ぶ複数の第1導電パッドが設けられている。そして、各第1導電パッドはグランド配線と電気的に接続されている。この場合、複数の第1導電パッドは左手系メタマテリアルを構成することができ、該複数の第1導電パッドの周囲の領域においては、複数の第1導電パッドの形状及び配置(第1導電パッド同士の間隔など)により決定される特定周波数の電磁波が減衰する。すなわち、フィードスルー内部において電磁ノイズが減衰するので、フィードスルーを通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入を低減できる。
【0013】
上記の光受信モジュール用パッケージにおいて、フィードスルーは、筐体の外側へのフィードスルーの突出方向と交差する面に沿って延在し第1面及び第2面を繋ぐ端面を更に有し、当該光受信モジュール用パッケージは、端面上において第1面から離れて設けられ、グランド配線と電気的に接続された電磁シールド膜と、複数の第1導電パッドそれぞれから電磁シールド膜に向けて延び、各第1導電パッドと電磁シールド膜とを電気的に接続する複数の配線部と、を更に備えてもよい。この場合、フィードスルーを通じて筐体内に侵入しようとする電磁ノイズの一部を電磁シールド膜によって遮蔽することができるとともに、電磁シールド膜にて防げなかった電磁ノイズを複数の第1導電パッドの上記作用によって減衰することができる。従って、フィードスルーを通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入をより効果的に低減できる。また、電磁シールド膜と複数の第1導電パッドそれぞれとを複数の配線部によって電気的に接続することにより、複数の第1導電パッドとグランド配線との電気的な接続を容易に実現することができる。
【0014】
上記の光受信モジュール用パッケージは、第2面と第3面との間の第4面に設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面及び第2側壁に沿って並ぶ複数の第2導電パッドを更に備え、複数の第2導電パッドはグランド配線と電気的に接続されてもよい。この場合、複数の第2導電パッドは複数の第1導電パッドと同様に左手系メタマテリアルを構成することができ、該複数の第2導電パッドの周囲の領域においては、複数の第2導電パッドの形状及び配置(第2導電パッド同士の間隔など)により決定される特定周波数の電磁波が減衰する。よって、フィードスルーを通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入をより効果的に低減できる。
【0015】
上記の光受信モジュール用パッケージは、第3面に設けられ、筐体の外側へのフィードスルーの突出方向と交差する方向に延在するとともに、グランド配線と電気的に接続された導電パターンと、複数の第1導電パッドそれぞれから導電パターンに向けて延び、各第1導電パッドと導電パターンとを電気的に接続する複数の配線部と、を更に備えてもよい。このような構成によっても、複数の第1導電パッドとグランド配線との電気的な接続を容易に実現することができる。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の光受信モジュール用パッケージの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
(実施の形態)
図1は、光通信に用いられる光トランシーバ1Aの構成を概略的に示す平面図である。この光トランシーバ1Aは、本発明の一実施形態に係る光受信モジュール用パッケージを備える光受信モジュール2と、光送信モジュール3と、回路基板4と、ハウジング5とを備えている。ハウジング5は、光軸方向である方向A1に沿って延びる直方体状の中空容器であって、光受信モジュール2、光送信モジュール3、及び回路基板4をその内部に収容する。方向A1におけるハウジング5の一端には、受信用ポート5a及び送信用ポート5bが設けられている。受信用ポート5aには、受信用光ファイバ(不図示)の先端に取付けられた光コネクタが挿抜される。送信用ポート5bには、送信用光ファイバ(不図示)の先端に取り付けられた光コネクタが挿抜される。方向A1におけるハウジング5の他端は開口しており、該開口から回路基板4の接続端子4cが露出している。光トランシーバ1Aは、送信用光ファイバおよび受信用光ファイバを用いて2芯双方向にて対向する他の光トランシーバ(不図示)と光信号による通信を行う。
【0018】
光受信モジュール2は、例えばフォトダイオードといった受光素子を内蔵するROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)であって、受信用光ファイバを介して入力した光信号を電気的な受信信号に変換する。光送信モジュール3は、例えばレーザダイオードといった発光素子を内蔵するTOSA(Transceiver Optical Sub-Assembly)であって、電気的な送信信号を光信号に変換して送信用光ファイバに提供する。なお、光送信モジュール3は、光変調器を内蔵して、光変調器を用いて電気信号を光信号に変換するものでもよい。ハウジング5の内部において、光受信モジュール2と光送信モジュール3とは方向A1と交差する(一例では直交する)方向A2において互いに近接して設けられている。なお、光トランシーバ1Aの小型化は、例えばハウジング5の方向A1の外寸および方向A2の外寸をそれぞれ縮小することによって行われる。光トランシーバ1Aの小型化により伝送装置1台当たりに搭載できる光トランシーバの数が増え、それにより伝送装置の伝送容量を増やすことができる。
【0019】
回路基板4は、光送信モジュール3を駆動するための駆動回路4aと、光受信モジュール2から出力された受信信号を処理する信号処理回路4bとを少なくとも搭載する。回路基板4は、フレキシブル配線基板6を介して光送信モジュール3と電気的に接続され、且つ、フレキシブル配線基板7を介して光受信モジュール2と電気的に接続されている。駆動回路4aから出力された送信信号(駆動信号)は、フレキシブル配線基板6を通って光送信モジュール3に送られる。光受信モジュール2から出力された受信信号は、フレキシブル配線基板7を通って信号処理回路4bに送られる。
【0020】
図2は、光受信モジュール2の構成を概略的に示す平面図である。図2に示されるように、この光受信モジュール2は、光受信モジュール用パッケージ(以下、単にパッケージと称する)10Aと、光レセプタクル部21と、分光器(光分波器)22と、N個(Nは1以上の整数、図ではN=4の場合を例示)の受光素子23と、トランスインピーダンスアンプ(TIA)24とを備えている。パッケージ10Aは、方向A1に沿って延びる直方体状の中空容器であって、筐体11と、フィードスルー12とを有する。筐体11は、例えば金属といった導電体により構成されている。筐体11は、長方形状の底板11aと、底板11aの板面を囲む矩形枠状の側壁11bとを有する。側壁11bは、方向A1において互いに対向する一対の端壁11ba及び11bbと、方向A2において互いに対向する一対の側壁11bc及び11bdとを含んでいる。なお、側壁11bの底板11aとは反対側の開口は、蓋板11c(図3を参照)によって閉じられる。底板11a、側壁11b、蓋板11cによって画成される内部の空間(内部空間)は、例えば、機密封止(ハーメチックシール)される。フィードスルー12は、端壁11bb(第2側壁)を貫通して設けられ、筐体11の内部と外部との電気的な導通を図る。フィードスルー12のうち筐体11の外部に位置する部分には、図1に示されたフレキシブル配線基板7の一端が導電接合される。
【0021】
光レセプタクル部21は、光軸方向である方向A1に沿って光信号を導入する導入口である。光レセプタクル部21は、方向A1に沿った光軸を中心とする円筒形状を呈しており、その一端においてパッケージ10Aの端壁11ba(第1側壁)に固着されている。光レセプタクル部21は、円筒状のスリーブを内蔵している。スリーブは、受信用光ファイバの先端に取り付けられた円柱状のフェルールと嵌合する。また、光レセプタクル部21はレンズを更に内蔵しており、該レンズは、光ファイバから出力された光信号をコリメート(平行化)する。コリメートされた光信号(コリメート光)は、端壁11baに形成された開口(導入口)を通じて光軸方向に沿ってパッケージ10A内に導入される。
【0022】
分光器22は、波長多重された光信号を複数の波長成分に分波する光学部品(光分波器)である。分光器22は、筐体11の内部に収容されて光レセプタクル部21と光学的に結合されており、光レセプタクル部21から出力された光信号を受ける。分光器22は、光信号を複数の波長成分に分波し、これらの波長成分を、各々に対応する受光素子23に提供する。複数の波長成分は、それぞれコリメート光となっており、互いに異なるピーク波長を持つ光信号として扱われる。
【0023】
N個の受光素子23は、筐体11の内部に収容されて分光器22と光学的に結合されている。例えば、N個の受光素子23は、底板11a上に搭載され、方向A2に沿って並んで配置される。各受光素子23は、分光器22から対応する波長成分を受光し、該波長成分の光強度に応じた電気信号を生成することにより、光信号を電流信号(高周波信号)に変換する。光学的に結合されているとは、例えば、分光器22から出力される光信号が受光素子23に入射して適切に光信号から電気信号への変換が行われるように、分光器22および受光素子23が配置されていることを意味する。分光器22および受光素子23の間には、光学レンズ、光学フィルタ、およびミラーといった光学部品が配置されていてもよい。例えば、分光器22から出力される光信号がミラーによって反射されて受光素子23の受光面に入射するように、分光器22、受光素子23、およびミラーが配置されていれば、分光器22と受光素子23とは光学的に結合されている。各受光素子23は、TIA24と電気的に接続されており、生成した電流信号(光電流)をTIA24に提供する。TIA24は、各受光素子23から受けた電流信号を電圧信号である受信信号に変換する。TIA24において生成された各受信信号は、フィードスルー12を介して光受信モジュール2の外部に出力される。すなわち、これらの受信信号は、図1に示されたフレキシブル配線基板7を介して、回路基板4上の信号処理回路4bに送られる。
【0024】
図3は、パッケージ10Aの外観を示す斜視図である。前述したように、本実施形態のパッケージ10Aは、筐体11と、フィードスルー12とを備える。筐体11は、導電性の容器であって、底板11a、側壁11b、及び蓋板11cを有する。側壁11bは、一対の端壁11ba,11bbと、一対の側壁11bc,11bdとを含む。端壁11ba,11bbは、方向A1において互いに対向しており、方向A1と交差する平面に沿って(すなわち方向A2に沿って)延びている。端壁11baは方向A1における筐体11の一端に位置し、端壁11bbは方向A1における筐体11の他端に位置する。一対の側壁11bc,11bdは、方向A2において互いに対向しており、方向A2と交差する平面に沿って(すなわち方向A1に沿って)延びている。
【0025】
フィードスルー12は、例えばセラミック等の誘電体材料を含んで構成され、端壁11bbを貫通して設けられている。従って、フィードスルー12は、筐体11の内側に位置する部分と、筐体11の外側に位置する部分とを含む。図2に示されるように、筐体11の内側に位置するフィードスルー12の部分の表面上には、複数のDC配線13(第1電気配線)と、N本の高周波信号配線14(第2電気配線)とが、筐体11の内部空間に面して設けられている。複数のDC配線13は、モニタ配線および電源配線の少なくともいずれかを含む。モニタ配線とは、温度センサや光強度モニタからの信号を伝達する配線である。電源配線とは、受光素子23やTIA24に電源を供給する配線である。電源配線は、基準電位を有するグランド配線(接地配線)を含んでいてもよい。また、N本の高周波信号配線14は、例えば高周波信号である受信信号を伝送するコプレーナ型またはマイクロストリップ線型の伝送線路である。各高周波信号配線14の一端は、図示しないボンディングワイヤを介して、TIA24と電気的に接続されている。なお、図には一例として差動方式の一対の信号配線を含む各高周波信号配線14が示されているが、各高周波信号配線14はそれぞれ単一の信号配線を含んでもよい。各高周波信号配線14の周囲には、グランド配線が設けられている。高周波信号は、受光素子23によって光信号から変換された光電流に基づいて生成される。例えば、TIA24は光電流を増幅するとともに電圧信号に変換する。TIA24から出力された電圧信号は、リミットアンプ(LIA)によってさらに増幅され、クロックデータリカバリ(CDR)回路によって波形整形された後に論理値が識別されてディジタル信号となる。
【0026】
筐体11の外側に位置するフィードスルー12の部分は、方向A1に沿って端壁11bbから突出している。そして、フィードスルー12の該部分は、方向A1及びA2の双方と交差する方向A3において互いに対向する第1面12a及び第2面12bを有する。第1面12a及び第2面12bは共に平坦であり、且つ互いに平行である。第1面12a及び第2面12bは、方向A1及びA2に沿って延びている。第1面12a及び第2面12bは、光軸方向(方向A1)と平行となっている。また、フィードスルー12は、第1面12aと第2面12bとを繋ぐとともに端壁11bbに沿って(すなわち方向A2に沿って)延びる端面12cを有する。端面12cは、筐体11の外側へのフィードスルー12の突出方向(すなわち方向A1)と交差する面に沿って延在している。
【0027】
図4は、図3の一部を拡大して示す斜視図であって、フィードスルー12のうち端壁11bbから突出した部分のみを拡大して示している。図4に示されるように、第1面12aには、M本(Mは2以上の整数であり、図示例ではM=6)のDCパッド15と、J本(Jは1以上の整数であり、図示例ではJ=3)のグランドパッド31とが設けられている。DCパッド15は本実施形態における第3電気配線の例であり、グランドパッド31は本実施形態におけるグランド配線の例である。M本のDCパッド15及びJ本のグランドパッド31は、誘電体であるフィードスルー12上に固着した金属膜である。M本のDCパッド15それぞれは、フィードスルー12の内部に埋め込まれた配線を介して、対応するDC配線13と電気的に接続されている。M本のDCパッド15は、それぞれ方向A1に沿って延びる細長形状を呈しており、端壁11bbに沿って(すなわち方向A2に沿って)並んでいる。また、J本のグランドパッド31は、フレキシブル配線基板7(図1を参照)のグランド端子を介して基準電位に接続される。J本のグランドパッド31は、方向A2に沿って並ぶM本のDCパッド15のうち何れかの隣り合うDCパッド15の間、及びM本のDCパッド15の配列の両端にそれぞれ配置されている。例えば、図4のように、6本のDCパッド15の端から数えて3本目と4本目の間に1本のグランドパッド31が配置されている。従って、3本のグランドパッド31が、間にDCパッド15を3本ずつ挟むように配置されている。一例では、方向A1におけるDCパッド15及びグランドパッド31の長さは0.8mm~1.4mmの範囲内であり、互いに隣り合うDCパッド15の中心間隔(ピッチ)は0.3mm~0.6mmの範囲内である。また、方向A2におけるDCパッド15の幅Waは0.1mm~0.4mmの範囲内である。
【0028】
フィードスルー12は、多数の誘電体層121が積層されて成る。誘電体層121は、例えばアルミナや窒化アルミといったセラミックからなる。そして、フィードスルー12は、グランドパターン42を更に有する。グランドパターン42は、第1面12aと第2面12bとの間に位置する誘電体層121の層間に埋め込まれている。グランドパターン42は、第1面12a及び第2面12bに沿って延びる導電層であり、例えば金属層である。グランドパターン42と第1面12a及び第2面12bとの間には、それぞれ少なくとも1層の誘電体層121が介在している。図4による図示例では、グランドパターン42は1層のみ設けられているが、グランドパターン42は複数層設けられていてもよい。
【0029】
フィードスルー12は、J個の電磁シールド膜43を更に有する。これらの電磁シールド膜43は、端面12c上に固着した金属膜であって、それぞれグランドパッド31に一対一で対応して設けられ、グランドパッド31と接している。例えば、第1面12aと端面12cとが交差する辺において、電磁シールド膜43はグランドパッド31と接しており、互いに電気的に接続されている。各電磁シールド膜43は、端面12c上において第1面12aから第2面12bまで延びており、その途中でグランドパターン42と接している。すなわち、各グランドパッド31とグランドパターン42とは、電磁シールド膜43を介して互いに電気的に接続されている。これにより、グランドパターン42及び電磁シールド膜43は基準電位に規定される。
【0030】
フィードスルー12は、(J-1)個の電磁シールド膜44を更に有する。電磁シールド膜44は、フィードスルー12の端面12c上に固着した金属膜であって、M本のDCパッド15の並び方向(すなわち方向A2)に沿って延在している。電磁シールド膜44は、端面12cにおけるグランドパターン42と第1面12aとの間の領域において、第1面12a及びグランドパターン42の双方から離れて設けられている。すなわち、端面12cの法線方向(すなわち方向A1)から見たとき、電磁シールド膜44と第1面12aとの間には隙間が設けられており、電磁シールド膜44とグランドパターン42との間にも隙間が設けられている。これらの隙間からは、フィードスルー12を構成する誘電体層121が露出している。方向A2におけるこれらの隙間の長さL1は、例えば6.2mmである。電磁シールド膜44の一端は一の電磁シールド膜43に接続しており、電磁シールド膜44の他端は別の電磁シールド膜43に接続している。従って、電磁シールド膜44は電磁シールド膜43を介してグランドパッド31およびグランドパターン42と電気的に接続され、基準電位に規定される。なお、方向A2と直交する方向における電磁シールド膜44の高さ(方向A1から見たときの幅に相当する)は、例えば誘電体層121の厚さに応じて決定され、一例では0.466mmである。
【0031】
図5は、図4のV-V線に沿った断面図である。図5に示されるように、フィードスルー12は、第3面12d及び第4面12eを内部に有する。第3面12d及び第4面12eは、積層された誘電体層121において隣接する誘電体層121間の領域であって、第1面12aおよび第2面12bと平行な平面に沿って延在している。方向A3において、第3面12dは第1面12aとグランドパターン42との間に位置し、第4面12eは第3面12dとグランドパターン42との間に位置する。図示例では、第1面12aと第3面12dとの間には1層の誘電体層121が介在しており、第3面12dと第4面12eとの間には2層の誘電体層121が介在しており、第4面12eとグランドパターン42との間には1層の誘電体層121が介在している。上述した電磁シールド膜44は、端面12cにおいて、第3面12dから第4面12eに達する領域に設けられている。なお、方向A3において第3面12dに隣接する2層の誘電体層121は、互いに面接触していてもよい。また、方向A3において第4面12eに隣接する2層の誘電体層121は、互いに面接触していてもよい。
【0032】
図6は、第3面12dをフィードスルー12の厚さ方向(誘電体層121の積層方向であり、方向A3に相当する)から見た平面図である。図6に示されるように、フィードスルー12は、複数の導電パッド17(第1導電パッド)を更に有する。複数の導電パッド17は、第3面12dにおいて誘電体層121の層間に埋め込まれている。上述したように、第3面12dの導電パッド17以外の領域では、第3面12dを挟む2層の誘電体層121が互いに接触していてもよい。更に、複数の導電パッド17は、端面12cから離れた領域に設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面12a及び端壁11bbに沿って(すなわち方向A2に)周期的に並んでいる。各導電パッド17の平面形状は、例えば長方形、正方形、多角形、円形など様々な形状であることができる。導電パッド17の平面形状が長方形または正方形である場合、例えば、各導電パッド17の対向する一対の辺は方向A1に沿っており、対向する別の一対の辺は方向A2に沿っている。各導電パッド17の大きさは、電磁ノイズの波長(典型的には、光送信モジュール3の信号波長)よりも十分に小さい。この電磁ノイズは、フィードスルー12を通過して筐体11の内部空間に侵入するのを阻止したい有害な電磁波と考えてもよい。例えば、電磁ノイズの波長が25GHzである(周波数25GHz以上の電磁波を筐体11の内部に侵入させたくない)場合、各導電パッド17の方向A2の幅W1、及び方向A1の長さL2は共に0.5mm以下とされる。一実施例では、各導電パッド17の幅W1及び長さL2は共に0.2745mmである。なお、各導電パッド17の平面形状が長方形である場合、幅W1が長さL2より長くてもよく、長さL2が幅W1より長くてもよい。誘電体層121がセラミックからなる場合、幅W1及び長さL2の製造上の下限値は、いずれも30μm程度である。
【0033】
隣り合う導電パッド17間の容量(キャパシタンス)は、導電パッド17同士の間隔D1、及び方向A1における導電パッド17の長さL2によって定まる。導電パッド17間の容量は、想定される周波数の電磁ノイズを減衰可能な大きさに設定される。電磁ノイズの波長が25GHz、方向A1における導電パッド17の長さが0.2745mmである場合、間隔D1は例えば0.13mmに設定される。導電パッド17が正方形である場合、導電パッド17の配列周期は0.4045mmとなり、隙間の長さL1(6.2mm)に対して複数の導電パッド17を均等に配置することができる。
【0034】
複数の導電パッド17は、グランドパッド31と電気的に接続される。その為に、本実施形態のフィードスルー12は、複数の配線部18を更に有する。複数の配線部18それぞれは、第3面12dにおいて複数の導電パッド17それぞれに一対一で対応して設けられている。各配線部18は、それぞれが接続されている導電パッド17から電磁シールド膜44に向けてフィードスルー12の突出方向(方向A1)に延びており、その平面形状は、該方向を長手方向とする細長形状を呈している。これにより、各配線部18は、対応する導電パッド17と電磁シールド膜44とを電気的に接続する。前述したように電磁シールド膜44はグランドパッド31と電気的に接続されている。従って、各導電パッド17は、各配線部18及び電磁シールド膜44を介してグランドパッド31と電気的に接続され、基準電位に規定される。
【0035】
各配線部18の大きさは、電磁ノイズの波長(典型的には、光送信モジュール3の信号波長)よりも十分に小さい。各配線部18のインダクタンスは、方向A1における各配線部18の長さL3(言い換えると、各導電パッド17と端面12cとの距離)、及び方向A2における各配線部18の幅W2によって定まる。幅W2は、導電パッド17の幅W1よりも十分に小さい。例えば、幅W2は、幅W1の1/2以下である。各配線部18のインダクタンスは、前述した導電パッド17間の容量とともに、所定周波数の電磁ノイズを減衰可能な大きさに設定される。例えば、電磁ノイズの波長が25GHzである場合、長さL3は例えば0.5mm以下(一実施例では0.35mm)、幅W2は例えば0.033mmにそれぞれ設定される。
【0036】
図7は、第4面12eをフィードスルー12の厚さ方向から見た平面図である。図7に示されるように、フィードスルー12は、複数の導電パッド19(第2導電パッド)を更に有する。複数の導電パッド19は、第4面12eにおいて誘電体層121の層間に埋め込まれている。上述したように、第4面12eの導電パッド19以外の領域では、第4面12eを挟む2層の誘電体層121が互いに接触していてもよい。更に、複数の導電パッド19は、端面12cから離れた領域に設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面12a及び端壁11bbに沿って(すなわち方向A2に)周期的に並んでいる。各導電パッド19の平面形状、大きさ及び配置は、上述した導電パッド17と同様に、想定される周波数の電磁ノイズを減衰可能な大きさに設定される。但し、導電パッド17の平面形状、大きさ及び配置と、導電パッド19の平面形状、大きさ及び配置とは、互いに等しくてもよく、互いに異なってもよい。
【0037】
複数の導電パッド19は、グランドパッド31と電気的に接続されている。その為に、本実施形態のフィードスルー12は、複数の配線部20を更に有する。複数の配線部20それぞれは、第4面12eにおいて複数の導電パッド19それぞれに一対一で対応して設けられている。各配線部20は、対応する導電パッド19から電磁シールド膜44に向けてフィードスルー12の突出方向(方向A1)に延びており、その平面形状は、該方向を長手方向とする細長形状を呈している。これにより、各配線部20は、対応する導電パッド19と電磁シールド膜44とを電気的に接続する。前述したように電磁シールド膜44はグランドパッド31と電気的に接続されている。従って、各導電パッド19は、各配線部20及び電磁シールド膜44を介してグランドパッド31およびグランドパターン42と電気的に接続され、基準電位に規定される。各配線部20の長さ及び幅は、前述した配線部18と同様に、想定される周波数の電磁ノイズを減衰可能な大きさに設定される。但し、配線部18の長さおよび幅と、配線部20の長さおよび幅とは、互いに等しくてもよく、互いに異なってもよい。
【0038】
図8は、パッケージ10Aの外観の一部を拡大して示す斜視断面図であって、フィードスルー12のうち端壁11bbから突出した部分の一部を第2面12b側から見た様子を示す。図8に示されるように、フィードスルー12の第2面12bには、高周波信号配線14によって伝送された高周波信号を伝送する伝送線路であるN本の高周波信号用パッド16(第4電気配線)が設けられている。各高周波信号用パッド16は、例えば、並設された一対の信号用パッド16a,16bと、その一対の信号用パッド16a,16bの両側に配置されたグランドパッド16cとを含んで構成される。なお、互いに隣り合う高周波信号用パッド16において、グランドパッド16cは共用である。信号用パッド16a,16b及びグランドパッド16cは、誘電体であるフィードスルー12上に固着した金属膜である。グランドパッド16cは基準電位に規定され、信号用パッド16a,16b及びグランドパッド16cはコプレーナ線路を構成する。各高周波信号用パッド16は、フィードスルー12の内部に埋め込まれた配線を介して、対応する高周波信号配線14(図2を参照)と電気的に接続されている。第2面12bには、フレキシブル配線基板7と重ねて設けられた別のフレキシブル基板が導電接合される。各高周波信号用パッド16は、該別のフレキシブル基板を介して回路基板4に接続される。なお、図には一例として差動伝送方式の一対の信号用パッド16a,16bを含む各高周波信号用パッド16が示されているが、各高周波信号用パッド16はそれぞれ単一の信号用パッドを含んでもよい。差動伝送方式の場合、正相成分と逆相成分とを有する差動信号の一方(例えば正相成分)が信号用パッド16aに入力され、差動信号の他方(例えば逆相成分)が信号用パッド16bに入力される。正相成分と逆相成分は、一対の相補信号であり、例えば、正相成分が増加するときに逆相成分は減少し、正相成分が減少するときに逆相成分は増加する。正相成分が最大値(ピーク値)に達するときに逆相成分は最小値(ボトム値)に達し、正相成分が最小値(ボトム値)に達するときに逆相成分は最大値(ピーク値)に達する。正相成分の振幅は、逆相成分の振幅と同じであり、それぞれの平均値は一致する。正相成分は、逆相成分の位相と180°異なる位相を有する。
【0039】
グランドパターン42と第2面12bとの間には、少なくとも1層の誘電体層121が介在している。各グランドパッド16cとグランドパターン42とは、端面12cに設けられた電磁シールド膜43及び45を介して電気的に接続されている。本実施形態において、グランドパターン42は高周波信号用パッド16のインピーダンス調整のために設けられる。すなわち、グランドパターン42は、各高周波信号用パッド16とともにマイクロストリップ線路を構成することができる。高周波信号用パッド16のインピーダンスが所望の値に調整可能であれば、グランドパターン42は無くてもよい。
【0040】
以上に説明した本実施形態のパッケージ10Aによって得られる効果を、従来の課題と共に説明する。近年の光トランシーバにおいては、光送信モジュールに内蔵された発光素子を駆動する回路が、光送信モジュールの外部に設けられる場合がある。その場合、駆動回路と光送信モジュールとを繋ぐ配線から電磁ノイズが発生する。特に、光送信モジュールに内蔵される発光素子としてEA変調器集積型半導体レーザ(Electroabsorption Modulator Integrated Laser Diode;EML)が用いられる場合、EMLの駆動電圧は一般的に高く(例えば振幅2V)、電磁ノイズも大きくなる。また、近年の光通信においては、例えば50GBaud、或いは100GBaudといった伝送速度が実現されつつあり、高速化が進んでいる。光通信の伝送速度が速くなるほど、駆動回路と光送信モジュールとの間の配線から発生する電磁ノイズ(電磁波)は更に大きくなる。
【0041】
一方、近年の通信データ量の増大に伴う光トランシーバの小型化により、光送信モジュールと光受信モジュールとは互いに近接して配置されることが多い。上記の電磁ノイズは、光送信モジュールに隣接して配置される光受信モジュール内の受信信号に対して、電磁波干渉によるクロストークを生じさせる。光受信モジュールのパッケージでは導電性の筐体の一部に誘電体のフィードスルーが貫通して設けられる。従来の光受信モジュールにおいては、電磁ノイズが誘電体のフィードスルーを通ってパッケージ内に侵入するおそれがある。
【0042】
なお、端面12cのうちグランドパターン42と第2面12bとの間の領域には、グランドパッド16cに対応して設けられた電磁シールド膜45が多数設けられている。或いは、電磁シールド膜45に代えて、グランドパッド16cとグランドパターン42とを、誘電体層121を貫通するビアを介して互いに接続してもよい。何れの構造であっても、グランドパターン42と第2面12bとの間の領域は、高い電磁ノイズ遮断能力を有する。これに対し、グランドパターン42と第1面12aとの間の領域においては、電磁シールド膜やビアが少ないので、周波数の高い電磁波が容易に侵入してしまう。
【0043】
上記の課題を解決するために、本実施形態のパッケージ10Aでは、第1面12aとグランドパターン42との間の第3面12dに、互いに一定の間隔をあけて第1面12a及び側壁11b(端壁11bb)に沿って並ぶ複数の導電パッド17が設けられている。そして、各導電パッド17はグランドパッド31と電気的に接続されることによって基準電位に規定されている。この場合、複数の導電パッド17は左手系メタマテリアルを構成することができ、該複数の導電パッド17の周囲の領域においては、複数の導電パッド17の形状及び配置(導電パッド17同士の間隔など)により決定される特定周波数の電磁波が減衰する。すなわち、フィードスルー12内部において電磁ノイズが減衰するので、フィードスルー12を通じた光受信モジュール内への電磁ノイズの侵入を低減できる。
【0044】
ここで、左手系メタマテリアルについて説明する。図9は、誘電体基板50上において複数行及び複数列にわたって二次元状に配置された複数のマッシュルーム構造(導電パッド51)からなる左手系メタマテリアルを示す斜視図である。この左手系メタマテリアルでは、対象とする電磁波の波長以下の間隔で金属片などの微小なユニットセル(図9では導電パッド51)を周期的に配列し、各ユニットセルの形状や配置を、対象とする電磁波の波長に応じて設定する。これにより、自然界の材料では存在しない、誘電率及び透磁率が負となる人工構造物を実現することができる。
【0045】
図9には、進行する電磁波の向きが矢印で示されている。上記の構造物付近の領域では、電磁波は後進波(矢印R1)として伝搬する。従って、電磁波が前進波(矢印R2)として伝搬する導波管などの中にこの構造物を配置すると、この構造物の周囲では特定の周波数領域で電磁波が存在できなくなる。従って、この構造物の周囲を通過しようとする電磁ノイズを遮断することができる。また、この構造物の周囲に設けられるDC配線においても、電磁ノイズに起因する電流が誘起されることはない。
【0046】
本実施形態における複数の導電パッド17は、図9に示された二次元配列の導電パッド51のうち、電磁波の進行方向と交差する一列分の導電パッド51に相当する。一列分すなわち一次元配列であっても、上記の左手系メタマテリアルの作用を得ることができる。なお、複数の導電パッド17は、図9の導電パッド51と同様に、複数行及び複数列にわたって二次元状に配置されてもよい。
【0047】
本実施形態において、上記の特定周波数は、隣り合う導電パッド17間の容量(キャパシタンス)値と、各導電パッド17とグランドパッド31との間のインダクタンスとによって構成される共振回路の共振周波数に相当する。隣り合う導電パッド17間の容量値は、隣り合う導電パッド17同士の間隔D1と、各導電パッド17の長さL2とによって主に定まる。また、各導電パッド17とグランドパッド31との間のインダクタンスは、配線部18の長さL3及び幅W2によって主に定まる。
【0048】
本実施形態のように、パッケージ10Aは、端面12c上において第1面12aから離れて設けられ、グランドパッド31と電気的に接続された電磁シールド膜44と、複数の導電パッド17それぞれから電磁シールド膜44に向けて上記突出方向(方向A1)に延び、各導電パッド17と電磁シールド膜44とを電気的に接続する複数の配線部18と、を備えてもよい。この場合、フィードスルー12を通じて筐体11内に侵入しようとする電磁ノイズの一部を電磁シールド膜44によって遮蔽することができるとともに、電磁シールド膜44にて防げなかった電磁ノイズを複数の導電パッド17の上記作用によって減衰することができる。従って、フィードスルー12を通じた光受信モジュール2内への電磁ノイズの侵入をより効果的に低減できる。また、電磁シールド膜44と複数の導電パッド17それぞれとを複数の配線部18によって電気的に接続することにより、複数の導電パッド17とグランドパッド31との電気的な接続を容易に実現することができる。
【0049】
また、本実施形態のように、パッケージ10Aは、第2面12bと第3面12dとの間の第4面12eに設けられ、互いに一定の間隔をあけて第1面12a及び側壁11b(端壁11bb)に沿って並ぶ複数の導電パッド19を更に備え、複数の導電パッド19はグランドパッド31と電気的に接続されてもよい。この場合、複数の導電パッド19は複数の導電パッド17と同様に左手系メタマテリアルを構成することができ、該複数の導電パッド19の周囲の領域においては、複数の導電パッド19の形状及び配置(導電パッド19同士の間隔など)により決定される特定周波数の電磁波が減衰する。よって、フィードスルー12を通じた光受信モジュール2内への電磁ノイズの侵入をより効果的に低減できる。
【0050】
また、本実施形態においては、前述したように、隣り合う導電パッド17の間隔D1および各導電パッド17の長さL2を調整することによって、電磁ノイズに対する遮断周波数を変更することができる。その際、間隔D1を大きくするとその分だけ導電パッド17の数が減ってしまう。本実施形態のメタマテリアルは分布定数回路なので、導電パッド17の数(より正確には、単位長さあたりの密度)は多いほどよい。
【0051】
図10は、複数の導電パッド17によって実現されるメタマテリアルを分布定数回路によって等価的に表現した回路図である。図10の(a)は、電磁波の進行方向に沿った通常の伝送線路等価回路を示し、図10の(b)はメタマテリアル構造を途中に配置した場合の伝送線路等価回路を示す。図10の(b)では、図10の(a)の回路の一部分E1に対して、メタマテリアル構造に相当する容量61およびインダクタンス62が追加されている。
【0052】
(実施例)
本発明者は、上記実施形態によるパッケージ10Aの上記効果を確かめるため、計算機によるシミュレーションを行った。図11は、比較例として、電磁シールド膜44、複数の導電パッド17および複数の導電パッド19が設けられない場合の端面12cを示す。この場合、図11の破線F1によって示される部分は、誘電体のみから成る導波管と見做される。図12は、この導波管のモデルとして、導波管70を示す斜視図である。本シミュレーションでは、方向A2における導波管70の幅W(図4の長さL1に相当)を6.2mm、高さh1を0.852mmとし、導波管70内はアルミナ(比誘電率εr=9.2、誘電正接tanδ=0.008)で満たされていると仮定した。なお、導波方向(方向A1)における導波管70の長さL4を20mmとした。
【0053】
導波方向のTE10モードのみに着目して計算すると、この導波管70の挿入損失と周波数との関係は、図13に示すグラフのようになった。カットオフ周波数は約9GHzとなり、100GBASE-LR4等で使用される25Gbit/sの伝送レートである、基本周波数25.78125GHzの電磁ノイズはこの導波管内を容易に伝播することができる。なお、この計算結果から、25Gbit/sの伝送レートであれば、基本周波数25.78125GHzの電磁ノイズを遮断(例えば-30dB)する為には、理論上、幅Wを1.9mm以下とすればよいことがわかる。しかし、現実のフィードスルー12においては完全な導波管構造とならないので、電磁ノイズの波長に対して十分に短い大きさ、例えば1.9mmの1/4未満とすることが望まれる。第1面12aにはDCパッド15が複数並んで設けられているので、導波管の幅Wをこのような大きさに設定することは困難である。
【0054】
図14は、別の比較例として、図11に示された端面12cに対して電磁シールド膜44のみを設けた場合を示す。電磁シールド膜44と導波管の上面及び下面との間には隙間F2,F3が設けられている。図15は、図14の破線F1によって示される部分の導波管のモデルとして、導波管71を示す斜視図である。本シミュレーションでは、方向A2における電磁シールド膜44の幅を導波管71の幅Wと同じ(6.2mm)とし、電磁シールド膜44の高さh2を0.47mmとした。図16は、図15に示す導波管の挿入損失と周波数との関係を示すグラフである。図16を参照すると、電磁シールド膜44を設けたのみでは図13に示されたグラフに対して殆ど変化がなく、電磁ノイズ遮蔽効果が無いことがわかる。
【0055】
図17は、図14に示された構成に対して、更に複数の導電パッド17及び配線部18を追加した形態(すなわち上記実施形態)の導波管72の構造を示す斜視図である。本シミュレーションでは、各導電パッド17の幅W1及び長さL2を共に0.2745mmとし、配線部18の幅W2を0.033mmとし、長さL3を0.35mmとした。また、隣り合う導電パッド17の間隔D1を0.13mmとした。図18は、図17に示す導波管の挿入損失と周波数との関係を示すグラフである。図13及び図16と比較して、周波数25GHz付近に挿入損失のピークP1が発現していることがわかる。すなわち、上記実施形態によれば、所望の周波数付近の電磁ノイズを遮蔽して光受信モジュール2への電磁ノイズの侵入を効果的に阻止することができる。
【0056】
(第1変形例)
図19は、上記実施形態の第1変形例として、フィードスルー12Aを示す斜視図である。また、図20及び図21は、本変形例のフィードスルー12Aの第3面12d及び第4面12eをそれぞれ示す平面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、フィードスルー12Aが電磁シールド膜44を有していない点、及び、フィードスルー12Aが第3面12dに導電パターン46を有し、第4面12eに導電パターン47を有する点である。
【0057】
導電パターン46は、第3面12dにおいて誘電体層121間に埋め込まれた金属膜である。また、導電パターン47は、第4面12eにおいて誘電体層121間に埋め込まれた金属膜である。導電パターン46及び47は、方向A2に沿ってフィードスルー12Aの一方の側面から他方の側面まで延在している。導電パターン46及び47は、例えばフィードスルー12Aの両側面に形成された金属膜を介して互いに電気的に接続されている。導電パターン46及び47は、フィードスルー12Aの端面12cにおいて誘電体層121から露出しており、電磁シールド膜43に接している。従って、導電パターン46及び47は電磁シールド膜43を介してグランドパッド31と電気的に接続され、基準電位に規定される。方向A1における導電パターン46,47の幅W3は、例えば電磁シールド膜44の高さと同じに設定されてよい。幅W3は、例えば0.47mmである。
【0058】
図20に示すように、配線部18は、導電パッド17から導電パターン46に向けて方向A1に延びている。そして、配線部18の導電パッド17とは反対側の端部は、導電パターン46に接続している。これにより、配線部18は、導電パッド17と導電パターン46とを電気的に接続する。故に、導電パッド17は導電パターン46及び電磁シールド膜43を介してグランドパッド31と電気的に接続され、基準電位に規定される。同様に、図21に示すように、配線部20は、導電パッド19から導電パターン47に向けて方向A1に延びている。そして、配線部20の導電パッド19とは反対側の端部は、導電パターン47に接続している。これにより、配線部20は、導電パッド19と導電パターン47とを電気的に接続する。故に、導電パッド19は導電パターン47及び電磁シールド膜43を介してグランドパッド31およびグランドパターン42と電気的に接続され、基準電位に規定される。
【0059】
配線部18,20をグランドパッド31と電気的に接続するための形態は上記実施形態に限られず、例えば本変形例などの様々な形態であってよい。いずれの形態であっても、導電パッド17,19がグランドパッド31と電気的に接続されることによって、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。また、本変形例によれば、複数の導電パッド17,19とグランドパッド31との電気的な接続を容易に実現することができる。
【0060】
(第2変形例)
図22は、上記実施形態の第2変形例として、フィードスルー12Bを示す斜視図である。また、図23は、図22のXXII-XXII線に沿った断面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、フィードスルー12Bの電磁シールド膜44がグランドパターン42まで延びており、グランドパターン42に接続している点である。この場合、グランドパターン42と電磁シールド膜44との間の電磁的な隙間が無くなるので、電磁ノイズについて上記実施形態よりも高い遮蔽効果を得ることができる。この場合、図7に示された複数の導電パッド19及び複数の配線部20は不要である。
【0061】
本発明による光受信モジュール用パッケージは、上述した実施形態及び各変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では第4面12eに複数の導電パッド19が設けられているが、例えば第2変形例のように他の手段によって電磁シールド膜44とグランドパターン42との隙間を遮蔽できる場合、または第1変形例において第1面12aとグランドパターン42との距離が短い場合などにおいて、複数の導電パッド19を省くこともできる。また、上記実施形態では導電パッド17,19をグランドパターン42を介してグランドパッド31と電気的に接続しているが、他の要素(例えば誘電体層121を貫通するビア等)を介して導電パッド17,19をグランドパッド31と電気的に接続してもよい。また、上記実施形態では導電パッド17,19が第1面12a上のグランドパッド31及び第2面12b上のグランドパッド16cと電気的に接続しているが、導電パッド17,19はこれらのうち少なくとも一方に接続していればよい。
【符号の説明】
【0062】
1A…光トランシーバ
2…光受信モジュール
3…光送信モジュール
4…回路基板
4a…駆動回路
4b…信号処理回路
4c…接続端子
5…ハウジング
5a…受信用ポート
5b…送信用ポート
6,7…フレキシブル配線基板
10A…(光受信モジュール用)パッケージ
11…筐体
11a…底板
11b…側壁
11ba,11bb…端壁
11bc,11bd…側壁
11c…蓋板
12,12A,12B…フィードスルー
12a…第1面
12b…第2面
12c…端面
12d…第3面
12e…第4面
13…DC配線(第1電気配線)
14…高周波信号配線(第2電気配線)
15…DCパッド
16…高周波信号用パッド
16a,16b…信号用パッド
16c…グランドパッド
17,19…導電パッド
18,20…配線部
21…光レセプタクル部
22…分光器(光分波器)
23…受光素子
24…トランスインピーダンスアンプ
31…グランドパッド
42…グランドパターン
43~45…電磁シールド膜
46,47…導電パターン
50…誘電体基板
51…導電パッド
61…容量
62…インダクタンス
121…誘電体層
図1
図2
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