(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20231129BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G21/00 370
(21)【出願番号】P 2020022345
(22)【出願日】2020-02-13
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】陸 琳
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-072476(JP,A)
【文献】特開2012-002879(JP,A)
【文献】特開2010-054684(JP,A)
【文献】特開平11-038850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/12
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにトナー像を形成するプリント処理を実行し、粉状の廃現像剤を排出するプリント装置と、
長手方向の第1端に開口が形成された容器であり、前記長手方向が横向きの状態で配置され、回転駆動されることにより、前記プリント装置から前記開口へ搬送される前記廃現像剤を内部へ収容するとともに内部の前記廃現像剤を前記長手方向の第2端側へ搬送するボトルと、
前記ボトルを回転駆動する駆動装置と、
前記ボトル内の前記廃現像剤の量を検出する現像剤センサーと、
前記プリント装置および前記駆動装置を制御する制御装置と、を備える画像形成装置であって、
前記ボトルは、
前記長手方向における前記第1端から前記第1端寄りの位置に形成された段差部に至る範囲を占める中空の小径部と、
前記段差部から前記長手方向の前記第2端側へ延びて形成され、前記小径部よりも太い中空の大径部と、を有し、
前記現像剤センサーは、
前記小径部内に存在する前記廃現像剤の量を検出する第1現像剤センサーと、
前記大径部内に存在する前記廃現像剤の量を検出する第2現像剤センサーと、を含み、
前記制御装置は、前記第1現像剤センサーおよび前記第2現像剤センサーがそれぞれ予め定められた上限量を超える前記廃現像剤を検出している第1の場合において、前記プリント装置による前記プリント処理を禁止し、その他の第2の場合において、予め定められた作動条件の成立に応じて前記駆動装置を作動させるときに、少なくとも前記第1現像剤センサーの検出量に応じて前記ボトルの回転速度を制御する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第2の場合において、前記作動条件の成立に応じて前記駆動装置を作動させるときに、前記第1現像剤センサーの検出量および前記第2現像剤センサーの検出量の組合せに応じて前記ボトルの回転速度を予め定められた3段階以上の速度から選択する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の設置環境の湿度を検出する湿度センサーをさらに備え、
前記制御装置は、前記作動条件の成立に応じて前記駆動装置を作動させるときに、前記第1現像剤センサーの検出量および前記第1現像剤センサーの検出量の組合せに応じて設定される前記ボトルの回転速度を前記湿度センサーの検出湿度に応じて補正する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記作動条件は、前記プリント装置が前記プリント処理を実行する条件である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1現像剤センサーおよび前記第2現像剤センサーは、それぞれ静電容量センサーである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃現像剤を収容する回転式のボトルを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、シートに画像を形成するプリント装置から回収される粉状の廃現像剤を収容する回転式のボトルを備える。前記ボトルは、長手方向の一端に開口が形成された容器である。なお、前記ボトルが、例えば廃トナーボトルなどと称される場合がある。
【0003】
前記ボトルは、内面において長手方向に沿って螺旋状に突出した螺旋凸部を有する。前記ボトルは、前記長手方向が横向きの状態で配置され、回転駆動される。回転する前記ボトルは、前記開口へ搬送される前記廃現像剤を内部へ収容するとともに前記ボトルの奥へ前記廃現像剤を搬送する。
【0004】
前記画像形成装置は、前記ボトル内の前記廃現像剤の量を検出する現像剤センサーをさらに備える。前記現像剤センサーが、前記ボトル内の前記廃現像剤が上限量に達したことを検出したときに、前記プリント装置によるプリント処理が禁止される。
【0005】
例えば、前記画像形成装置が、前記ボトル内の複数箇所それぞれにおける前記廃現像剤の量を検出する複数の静電容量センサーを備えることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記ボトルは、前記開口から一部の範囲を占める中空の小径部と、前記小径部よりも太い中空の大径部とを有する。前記小径部および前記大径部は、段差部を介して連なっている。
【0008】
前記ボトルが回転することにより、前記廃現像剤は、前記開口から前記小径部内を経由して前記大径部内へ流入する。
【0009】
前記廃現像剤が前記ボトルの前記大径部へ円滑に流入するためには、前記廃現像剤が前記ボトルの前記小径部内に滞留することを防ぐ必要がある。また、前記ボトル内の前記廃現像剤が上限量に達したことを極力少ないセンサーで検出できることが望ましい。
【0010】
本発明の目的は、廃現像剤がボトルの小径部内に滞留することを防ぎ、前記ボトル内の前記廃現像剤が上限量に達したことを極力少ないセンサーで検出できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、プリント装置と、ボトルと、駆動装置と、現像剤センサーと、制御装置と、を備える。前記プリント装置は、シートにトナー像を形成するプリント処理を実行し、粉状の廃現像剤を排出する。前記ボトルは、長手方向の第1端に開口が形成された容器であり、前記長手方向が横向きの状態で配置され、回転駆動されることにより、前記プリント装置から前記開口へ搬送される前記廃現像剤を内部へ収容するとともに内部の前記廃現像剤を前記長手方向の第2端側へ搬送する。前記駆動装置は、前記ボトルを回転駆動する。前記現像剤センサーは、前記ボトル内の前記廃現像剤の量を検出する。前記制御装置は、前記駆動装置を制御する。前記ボトルは、中空の小径部と、中空の大径部と、を有する。前記小径部は、前記長手方向における前記第1端から前記第1端寄りの位置に形成された段差部に至る範囲を占める。前記大径部は、前記段差部から前記長手方向の前記第2端側へ延びて形成され、前記小径部よりも太い。前記現像剤センサーは、前記小径部内に存在する前記廃現像剤の量を検出する第1現像剤センサーと、前記大径部内に存在する前記廃現像剤の量を検出する第2現像剤センサーと、を含む。前記制御装置は、前記第1現像剤センサーおよび前記第2現像剤センサーがそれぞれ予め定められた上限量を超える前記廃現像剤を検出している第1の場合において、前記プリント装置による前記プリント処理を禁止し、その他の第2の場合において、予め定められた作動条件の成立に応じて前記駆動装置を作動させるときに、少なくとも前記第1現像剤センサーの検出量に応じて前記ボトルの回転速度を制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、廃現像剤がボトルの小径部内に滞留することを防ぎ、前記ボトル内の前記廃現像剤が上限量に達したことを極力少ないセンサーで検出できる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置におけるボトルおよびその周辺部の構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置における制御関連機器の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置における現像剤センサーの検出量とボトル駆動速度との関係の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でシートに画像を形成する装置である。前記シートは、用紙または樹脂フィルムなどのシート状の画像形成媒体である。
【0016】
画像形成装置10は、本体1内に配置された給紙部30、シート搬送装置3、プリント装置4、1つ以上のトナーコンテナー400、ボトル5および廃現像剤回収装置6を備える。
【0017】
給紙部30は、複数枚のシートを収容し、収容した前記シートを1枚ずつシート搬送路300へ送り出す装置である。シート搬送装置3は、前記シートをシート搬送路300に沿って搬送する。
【0018】
プリント装置4は、給紙部30からシート搬送装置3を通じて供給される前記シートに電子写真方式でトナー像を形成するプリント処理を実行する。
【0019】
プリント装置4は、レーザースキャニングユニット40、1つ以上の作像装置4xと、転写装置44と、定着装置46とを備える。
【0020】
図1に示される例において、プリント装置4は、タンデム方式のカラー画像プリント装置である。そのため、プリント装置4は、4色のトナーに対応する4つのトナーコンテナー400および4つの作像装置4xを備える。作像装置4x各々は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45を備える。
【0021】
作像装置4x各々において、感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の外周面を帯電させる。さらに、作像装置4x各々において、現像装置43が、レーザースキャニングユニット40によって感光体41の外周面に形成される静電潜像をトナー像へ現像する。感光体41は、像担持体の一例である。
【0022】
さらに、転写装置44は、中間転写ベルト440、4つの一次転写装置441、二次転写装置442およびベルトクリーニング装置443を備える。
【0023】
中間転写ベルト440が4つの感光体41に接触しつつ回転し、4つの一次転写装置441が前記トナー像を4つの感光体41から中間転写ベルト440へ転写する。
【0024】
二次転写装置442は、中間転写ベルト440上の前記トナー像を、シート搬送路300を搬送中の前記シートに転写する。ベルトクリーニング装置443は、中間転写ベルト440から廃トナーを除去する。また、作像装置4x各々において、ドラムクリーニング装置45が、感光体41の外周面に残存する廃トナーを除去する。
【0025】
定着装置46は、前記シート上の前記トナー像を加熱しつつ加圧することによって前記シートへ定着させる。シート搬送装置3は、画像が形成された前記シートをシート搬送路300から排出する。
【0026】
トナーコンテナー400各々は、プリント装置4における対応する現像装置43へトナー9を供給する。
【0027】
プリント装置4において、現像装置43は長期間滞留した廃トナーを含む粒状の廃現像剤90を排出する。また、ドラムクリーニング装置45およびベルトクリーニング装置443は、除去物である廃現像剤90を排出する。廃現像剤回収装置6は、プリント装置4から排出される廃現像剤90をボトル5内へ回収する。
【0028】
また、現像装置43がトナー9およびキャリアを含む二成分現像剤を用いて現像を行う場合、前記廃現像剤は、現像装置43内で長期間滞留した廃キャリアも含む。また、前記廃現像剤が、ドラムクリーニング装置45およびベルトクリーニング装置443による前記除去物が、前記廃キャリアを含む場合もある。
【0029】
図2に示されるように、ボトル5は、長手方向の第1端51に開口50が形成された容器である。例えば、ボトル5は合成樹脂製の容器である。ボトル5は、円筒状の外周面53を有する。ボトル5の長手方向に沿う直線が、外周面53の中心線L0である。
【0030】
ボトル5は、内面において長手方向に沿って螺旋状に突出した螺旋凸部54を有する。なお、螺旋凸部54は、ボトル5の外側から見れば、螺旋状の凹部である。
【0031】
ボトル5は、前記長手方向が横向きの状態で配置され、回転駆動される。これにより、ボトル5は、現像装置43およびベルトクリーニング装置443から開口50へ搬送される廃現像剤90を内部へ収容するとともに内部の廃現像剤90を前記長手方向の第2端52側へ搬送する。
【0032】
さらに、画像形成装置10は、制御装置8、操作器8aおよび表示装置8bを備える。操作器8aは、人の操作を受け付けるタッチパネルまたは操作ボタンなどである。表示装置8bは、情報を表示する液晶パネルユニットなどである。
【0033】
図3に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83および画像データ処理装置84などを含む。
【0034】
CPU81は、二次記憶装置83などに記憶されたプログラムを実行することにより、画像形成装置10における電気機器の制御および各種のデータ処理を実行するプロセッサーの一例である。
【0035】
なお、DSP(Digital Signal Processor)などの他のプロセッサーが、CPU81の代わりに各種の制御およびデータ処理を実行することも考えられる。
【0036】
RAM82は、CPU81が実行する前記プログラムおよびCPU81が前記プログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する記憶装置である。
【0037】
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性のデータ記憶装置である。二次記憶装置83は、前記プログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、ハードディスクドライブおよびSSD(Solid State Drive)の一方または両方の組合せが、二次記憶装置83として採用される。
【0038】
画像データ処理装置84は、前記プリント処理に用いられる画像データについての加工処理または変換処理などの画像処理を実行する。例えば、画像データ処理装置84は、印刷ジョブデータを印刷用のラスタデータへ変換する処理などを実行する。
【0039】
例えば、画像データ処理装置84は、DSPなどのプロセッサーおよびASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路の一方または両方によって実現される。
【0040】
[廃現像剤回収装置6]
【0041】
図1,2に示されるように、廃現像剤回収装置6は、廃現像剤搬送機構60と、ボトル支持部61と、搬入中継部62と、ボトル駆動機構63とを備える。
【0042】
ボトル支持部61は、廃現像剤90を収容するボトル5を支持する。ボトル5は、前記長手方向が横向きの状態でボトル支持部61上に配置される。廃現像剤搬送機構60は、現像装置43およびベルトクリーニング装置443から排出される廃現像剤90を、搬入中継部62へ搬送する。
【0043】
搬入中継部62は、案内ダクト62aを形成する部材である。搬入中継部62は、廃現像剤搬送機構60によって案内ダクト62a内へ搬送される廃現像剤90を、ボトル支持部61に支持されたボトル5の開口50へ案内する。
【0044】
ボトル駆動機構63は、ボトル支持部61に支持されたボトル5の第1端51と連結され、ボトル5を回転駆動する。ボトル駆動機構63の駆動源であるモーター6aは、制御装置8によって制御される(
図2参照)。
【0045】
本実施形態において、モーター6aおよびボトル駆動機構63が、ボトル5を回転駆動する駆動装置の一例である。
【0046】
ボトル駆動機構63は、モーター6aの回転力をボトル5の第1端51へ伝達する。ボトル5は、ボトル駆動機構63から動力を受けて中心線L0の周りに既定回転方向へ回転する。
【0047】
ボトル5が前記既定回転方向へ回転することにより、ボトル5内の廃現像剤90が第2端52側へ搬送されつつ、ボトル5の長手方向に沿って均される。ボトル5が回転することにより、廃現像剤90がボトル5内において開口50側に偏って滞留することが防止される。
【0048】
ボトル5は、ボトル支持部61およびボトル駆動機構63に対して取り外し可能な状態で装着される。ボトル5内の廃現像剤90が上限量に達したときに、ボトル5が交換される。
【0049】
ところで、ボトル5は、開口50から一部の範囲を占める中空の小径部5aと、小径部5aよりも太い中空の大径部5bとを有する。小径部5aおよび大径部5bは、段差部5cを介して連なっている。
【0050】
小径部5aは、ボトル5の長手方向における第1端51から段差部5cに至る範囲を占める。段差部5cは、ボトル5の長手方向における第1端51寄りの位置に形成されている。大径部5bは、段差部5cから長手方向の第2端52側へ延びて形成されている。
【0051】
ボトル5が回転することにより、廃現像剤90は、開口50から小径部5a内を経由して大径部5b内へ流入する。
【0052】
廃現像剤90がボトル5の大径部5bへ円滑に流入するためには、廃現像剤90がボトル5の小径部5a内に滞留することを防ぐ必要がある。また、ボトル5内の廃現像剤90が上限量に達したことを極力少ないセンサーで検出できることが望ましい。
【0053】
以下、廃現像剤90がボトル5の小径部5a内に滞留することを防ぎ、ボトル5内の廃現像剤90が上限量に達したことを極力少ないセンサーで検出するための画像形成装置10の特徴について説明する。
【0054】
図3に示されるように、画像形成装置10は、湿度センサー70および現像剤センサー71,72をさらに備える。現像剤センサー71,72は、第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72を含む。
【0055】
湿度センサー70は、画像形成装置10の設置環境の湿度を検出する。第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72は、ボトル5内の廃現像剤90の量を検出する。
【0056】
本実施形態において、第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72は、それぞれ静電容量センサーである。
【0057】
第1現像剤センサー71は、ボトル5の小径部5aに対向して配置されている。これにより、第1現像剤センサー71は、小径部5a内に存在する廃現像剤90の量を検出する。
【0058】
一方、第2現像剤センサー72は、ボトル5の大径部5bに対向して配置されている。これにより、第2現像剤センサー72は、大径部5b内に存在する廃現像剤90の量を検出する。
【0059】
図2に示される例では、第2現像剤センサー72は、ボトル5の大径部5bにおける第2端52寄りの部分に対向して配置されている。この場合、第2現像剤センサー72は、大径部5b内における第2端52寄りの部分に存在する廃現像剤90の量を検出する。なお、第2現像剤センサー72が、ボトル5の大径部5bにおける段差部5c寄りの部分に対向して配置され、その対向する部分の中に存在する廃現像剤90の量を検出することも考えられる。
【0060】
制御装置8のCPU81は、予め定められた作動条件が成立しているときに、モーター6aを作動させることにより、ボトル駆動機構63を作動させる。
【0061】
具体的には、前記作動条件は、前記プリント処理の開始から終了までの間に成立する条件である。即ち、本実施形態におけるボトル駆動機構63の前記作動条件は、プリント装置4が前記プリント処理を実行する条件である。例えば、前記作動条件は、前記プリント処理の実行要求であるプリントジョブが発生してから前記プリントジョブに対応する前記プリント処理が終了するまで成立する。
【0062】
但し、CPU81は、第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72がボトル5の満杯状態を検出している第1の場合において、プリント装置4による前記プリント処理の実行を禁止する。前記第1の場合において、CPU81は、前記作動条件が成立してもプリント装置4に前記プリント処理を実行させない。
【0063】
前記満杯状態は、第1現像剤センサー71が予め定められた第1上限量を超える廃現像剤90を検出し、かつ、第2現像剤センサー72が予め定められた第2上限量を超える廃現像剤90を検出する状態である。
【0064】
CPU81は、第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72が前記満杯状態を検出している場合に、ボトル5の交換が必要である旨を、表示装置8bを通じて通知する。
【0065】
一方、CPU81は、第1現像剤センサー71および第2現像剤センサー72が前記満杯状態を検出していない第2の場合において、前記作動条件が成立するときに、モーター6aを作動させることにより、ボトル駆動機構63を作動させる。
【0066】
以下、前記満杯状態が検出されていない前記第2の場合においてCPU81が前記作動条件の成立に応じてモーター6aを作動させるときにおけるボトル5の回転速度の制御のことを、定常ボトル駆動制御と称する。CPU81は、モーター6aへの給電量を制御することにより、ボトル5の回転速度を制御する。
【0067】
また、第1現像剤センサー71の検出量のことを第1検出量Q1と称し、第2現像剤センサー72の検出量のことを第2検出量Q2と称する(
図3,4参照)。
【0068】
CPU81は、前記定常ボトル駆動制御において、少なくとも第1現像剤センサー71の検出量に応じてボトル5の回転速度を制御する。
【0069】
図4は、前記定常ボトル駆動制御における現像剤センサー71,72の検出量とボトル回転速度V0との関係の一例を表す。
【0070】
図4における破線グラフは、第1検出量Q1が予め定められた第1基準量Q10を超える場合における第2検出量Q2とボトル回転速度V0との関係の一例を示す。
【0071】
また、
図4における実線グラフは、第1検出量Q1が第1基準量Q10以下である場合における第2検出量Q2とボトル回転速度V0との関係の一例を示す。なお、第1基準量Q10は、前記第1上限量よりも少ない量である。
【0072】
図4に示されるように、前記定常ボトル駆動制御において、CPU81は、第1検出量Q1が第1基準量Q10を超える場合に、ボトル回転速度V0を第1速度V1に設定し、そうでない場合に、ボトル回転速度V0をそれぞれ第1速度V1よりも低速の第2速度V2または第3速度V3に設定する。
【0073】
即ち、前記定常ボトル駆動制御において、CPU81は、第1検出量Q1が少ない場合に第1検出量Q1が多い場合よりも低速でボトル5を回転させる。これにより、廃現像剤90がボトル5の小径部5a内に滞留することが防がれる。
【0074】
画像形成装置10において、ボトル5内の廃現像剤90が上限量に達したことを2つの現像剤センサー71,72だけで検出することが可能である。
【0075】
また、
図4に示される例では、CPU81は、第1検出量Q1が第1基準量Q10を超えない場合に、第2検出量Q2が予め定められた第2基準量Q20を超えているときにボトル回転速度V0を第2速度V2に設定し、第2検出量Q2が第2基準量Q20を超えていないときにボトル回転速度V0を第2速度V2よりも遅い第3速度V3に設定する。
【0076】
即ち、CPU81は、第1検出量Q1が第1基準量Q10を下回る場合に、第2検出量Q2が少ない場合に第2検出量Q2が多い場合よりも低速でボトル5を回転させる。この場合、CPU81は、前記定常ボトル駆動制御において、第1検出量Q1および第2検出量Q2の組合せに応じてボトル回転速度V0を予め定められた3段階の速度から選択する。
【0077】
なお、CPU81が、前記定常ボトル駆動制御において、第1検出量Q1および第2検出量Q2の組合せに応じてボトル回転速度V0を予め定められた4段階以上の速度から選択してもよい。
【0078】
上記のような前記定常ボトル駆動制御により、大径部5b内の廃現像剤90が比較的少なくボトル5を低速で回転させても問題ない場合に、モーター6aの消費電力を抑制することができる。
【0079】
また、前記定常ボトル駆動制御において、CPU81が、第1検出量Q1および第2検出量Q2の組合せに応じて設定されるボトル回転速度V0を湿度センサー70の検出湿度に応じて補正することも考えられる。
【0080】
例えば、CPU81が、湿度センサー70の検出湿度が予め定められた基準湿度を上回る場合に、第1検出量Q1および第2検出量Q2の組合せに応じて設定されるボトル回転速度V0を1段階速い速度へ補正することが考えられる。
【0081】
本実施形態において、第3速度V3に対し1段階速い速度は第2速度V2であり、第2速度V2に対し1段階速い速度は第1速度V1である。
【0082】
一般に、湿度が高い場合、廃現像剤90が小径部5a内で滞留しやすい。そのため、CPU81が、湿度が高い場合にボトル回転速度V0を速める側へ補正することにより、廃現像剤90がボトル5の小径部5a内に滞留することがより確実に防がれる。
【符号の説明】
【0083】
1 :本体
3 :シート搬送装置
4 :プリント装置
4x :作像装置
5 :ボトル
5a :小径部
5b :大径部
5c :段差部
6 :廃現像剤回収装置
6a :モーター
8 :制御装置
8a :操作器
8b :表示装置
9 :トナー
10 :画像形成装置
30 :給紙部
40 :レーザースキャニングユニット
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
44 :転写装置
45 :ドラムクリーニング装置
46 :定着装置
50 :ボトルの開口
51 :ボトルの第1端
52 :ボトルの第2端
53 :ボトルの外周面
54 :螺旋凸部
60 :廃現像剤搬送機構
61 :ボトル支持部
62 :搬入中継部
62a :案内ダクト
63 :ボトル駆動機構
70 :湿度センサー
71 :第1現像剤センサー
72 :第2現像剤センサー
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :画像データ処理装置
90 :廃現像剤
300 :シート搬送路
400 :トナーコンテナー
440 :中間転写ベルト
441 :一次転写装置
442 :二次転写装置
443 :ベルトクリーニング装置