(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】システム、プログラム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231129BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06F3/12 359
B41J29/38
B41J29/38 201
H04N1/00 127B
H04N1/00 002C
G06F3/12 307
G06F3/12 331
G06F3/12 374
(21)【出願番号】P 2020025626
(22)【出願日】2020-02-18
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 紀彦
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-189693(JP,A)
【文献】特開2007-226755(JP,A)
【文献】特開2009-059116(JP,A)
【文献】特開2014-041526(JP,A)
【文献】特開2006-072568(JP,A)
【文献】特開2015-155190(JP,A)
【文献】特開2016-053862(JP,A)
【文献】特開2014-134861(JP,A)
【文献】特開平11-353131(JP,A)
【文献】特開2007-286732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送信し、前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、
前記情報処理装置には、第1のプログラム
と、前記第1のプログラムとは異なる第2のプログラムと、を含むプログラムセットがインストールされており、
前記第1のプログラムは、前記情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置の前記通信インタフェースに、前記画像形成装置から送信される完了通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行させ、
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から送信された画像形成ジョブと前記画像形成ジョブと共に前記情報処理装置から送信された装置識別情報を受信した場合に、前記画像形成ジョブに基づく画像形成を実行し、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の完了後、前記画像形成ジョブと共に前記画像形成装置に受信された前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
前記第2のプログラムは、前記情報処理装置の前記コンピュータに、
定期的に前記画像形成装置から前記通信インタフェースを介して前記画像形成装置の状態を示す状態通知を取得する状態通知取得処理と
前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知に基づいて、前記画像形成装置の状態を示す状態情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースであるディスプレイに表示させる状態情報表示処理と、を実行させ、前記状態情報表示処理では、前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知が前記画像形成装置の異常状態を示す場合に、前記異常状態を示す前記状態情報を第1の態様で前記ディスプレイに表示させ、前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知が前記画像形成装置の異常状態とは異なる状態を示す場合に、前記異常状態とは異なる状態を示す前記状態情報を前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記ディスプレイに表示させ、
前記第1のプログラムは、
前記情報処理装置が前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後に、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記情報処理装置あての前記完了通知を前記画像形成ジョブの送信先である前記画像形成装置から受信した場合に、前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す完了情報を、
前記ディスプレイに前記第1の態様で表示させる完了情報報知処理を実行させる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載するシステムにおいて、
前記第1のプログラムは、
前記完了情報報知処理において、前記完了情報を、前記ディスプレイの第1領域に第1サイズで表示させ、前記第1領域は、前記第2のプログラムが前記状態情報表示処理において前記画像形成装置の異常情報を表示する領域であり、かつ前記第2のプログラムが前記状態情報表示処理において前記画像形成装置の異常情報ではない情報を表示する領域とは異なる領域であって、前記第1サイズは、前記第2のプログラムが前記状態情報表示処理において前記画像形成装置の異常情報を表示するサイズであり、かつ前記第2のプログラムが前記状態情報表示処理において前記画像形成装置の異常情報ではない情報を表示するサイズとは異なるサイズである、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置が備える前記通信インタフェースに、前記画像形成装置から送信される通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行させ、
前記完了検知処理では、
前記情報処理装置が前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後に、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記実行情報の1つである完了通知であって前記情報処理装置あての前記画像形成ジョブの前記完了通知を受信することで、前記画像形成ジョブの実行完了を検知し、前記情報処理装置から送信される前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を完了した場合に、前記画像形成ジョブと共に受信した前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブの実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータに、
前記完了情報を表示するか否かを示す表示可否情報に表示可を示す情報が設定されている場合、前記完了検知処理および前記完了情報報知処理を実行させ、前記表示可否情報は、表示可か表示不可かのいずれか一方を示す情報が設定される情報であり、
さらに前記コンピュータに、
前記表示可否情報に表示不可を示す情報が設定されている場合、前記画像形成装置に対して前記完了通知の前記情報処理装置への送信を制限する制限信号を出力する制限処理を実行させ、前記制限信号を受信した前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を完了した場合であっても前記完了通知を前記情報処理装置に送信しない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置が備える前記通信インタフェースに、前記画像形成装置から送信される通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行させ、
前記完了検知処理では、
前記情報処理装置が前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後に、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記実行情報の1つである完了通知であって前記情報処理装置あての前記画像形成ジョブの前記完了通知を受信することで、前記画像形成ジョブの実行完了を検知し、前記情報処理装置から送信される前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を完了した場合に、前記画像形成ジョブと共に受信した前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブの実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータに、
前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースを介して、前記画像形成ジョブの一部完了通知を受信する一部完了受信処理を実行させ、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を所定ページについて完了する度に、前記画像形成ジョブの前記所定ページの画像形成の完了を示す前記一部完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータに、
前記一部完了受信処理にて前記一部完了通知を受信した場合に、前記画像形成ジョブの一部の実行完了を示す一部完了情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる一部完了報知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置が備える前記通信インタフェースに、前記画像形成装置から送信される通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行させ、
前記完了検知処理では、
前記情報処理装置が前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後に、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記実行情報の1つである完了通知であって前記情報処理装置あての前記画像形成ジョブの前記完了通知を受信することで、前記画像形成ジョブの実行完了を検知し、前記情報処理装置から送信される前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を完了した場合に、前記画像形成ジョブと共に受信した前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブの実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータに、
前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースを介して、前記画像形成ジョブの開始通知を受信する開始受信処理を実行させ、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から受信した前記画像形成ジョブに基づく画像形成を開始した場合に、前記画像形成ジョブの実行開始を示す前記開始通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータに、
前記開始受信処理にて前記開始通知を受信した場合に、前記画像形成ジョブの実行開始を示す開始情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる開始情報報知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載するプログラムにおいて、
前記開始情報報知処理では、
前記画像形成ジョブが送信されてからの経過時間が第1の閾値時間を超える場合、前記開始情報を前記ユーザインタフェースに報知させ、前記経過時間が前記第1の閾値時間を超えない場合、前記開始情報を前記ユーザインタフェースに報知させない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記開始情報報知処理にて前記開始情報を前記ユーザインタフェースに報知させている期間中、画像形成中の前記画像形成ジョブをキャンセルする第1キャンセル指示を受け付け、前記第1キャンセル指示を受け付けたことに応じて、前記画像形成ジョブをキャンセルする第1キャンセル処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブが印刷ジョブであり、前記第1キャンセル処理にて前記印刷ジョブをキャンセルした場合、印刷物があることを示す印刷物情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる第1印刷物報知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
さらに前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブが前記情報処理装置のオペレーティングシステムに登録されてから前記画像形成ジョブの前記画像形成装置への送信が完了するまでの期間に、前記画像形成ジョブの送信中を示す送信情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる送信報知処理と、
前記送信報知処理にて前記送信情報を前記ユーザインタフェースに報知させている期間中、送信中の前記画像形成ジョブをキャンセルする第2キャンセル指示を受け付け、前記第2キャンセル指示を受け付けたことに応じて、前記画像形成ジョブをキャンセルする第2キャンセル処理と、
を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載するプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブが印刷ジョブであり、前記第2キャンセル処理にて前記印刷ジョブをキャンセルした場合であって、かつ前記印刷ジョブの実行が開始されている場合に、印刷物があることを示す印刷物情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる第2印刷物報知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
前記完了情報報知処理では、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成装置に前記情報処理装置から送信された他の画像形成ジョブが残っておらず、かつ前記情報処理装置のオペレーティングシステムにも前記画像形成装置に送信する他の画像形成ジョブが残っていない場合に、前記完了情報を前記ユーザインタフェースに報知させ、前記画像形成装置に前記情報処理装置から送信された他の画像形成ジョブが残っている、もしくは前記情報処理装置の前記オペレーティングシステムに前記画像形成装置に送信する他の画像形成ジョブが残っている場合、前記完了情報を前記ユーザインタフェースに報知させない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載するプログラムにおいて、
前記完了情報報知処理では、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、
前記完了情報の表示頻度を示す表示頻度情報に最後を示す情報が設定されている場合、前記画像形成装置に前記情報処理装置から送信された他の画像形成ジョブが残っておらず、かつ前記情報処理装置の前記オペレーティングシステムにも前記画像形成装置に送信する他の画像形成ジョブが残っていない場合に、前記完了情報を前記ユーザインタフェースに報知させ、前記画像形成装置に前記情報処理装置から送信された他の画像形成ジョブが残っている、もしくは前記情報処理装置の前記オペレーティングシステムに前記画像形成装置に送信する他の画像形成ジョブが残っている場合、前記完了情報を前記ユーザインタフェースに報知させず、
前記表示頻度情報に毎回を示す情報が設定されている場合、前記画像形成装置および前記情報処理装置に前記画像形成装置に送信する他の画像形成ジョブが残っているか否かにかかわらず、前記完了情報を前記ユーザインタフェースに報知させ、前記表示頻度情報は、最後か毎回かのいずれか一方を示す情報が設定される情報である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、画像形成装置から画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を取得し、取得した前記実行情報に基づいて、前記画像形成装置に送信した前記画像形成ジョブの実行完了を検知する完了検知処理を実行させ、前記画像形成ジョブは、前記通信インタフェースを介して、前記情報処理装置から前記画像形成装置に送信されたジョブであり、
さらに前記コンピュータに、
前記完了検知処理にて前記画像形成ジョブの実行完了を検知した場合に、前記画像形成ジョブの実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行さ
せ、
さらに前記コンピュータに、
前記画像形成ジョブが送信されてからの経過時間が第2の閾値時間を超える場合、未完了の画像形成ジョブがあることを示す未完了情報を、前記ユーザインタフェースに報知させる未完了報知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載するプログラムにおいて、
前記未完了報知処理では、
前記画像形成ジョブが送信されてからの経過時間が前記第2の閾値時間を超える場合、前記画像形成装置の状態を示す状態情報を取得し、取得した前記状態情報を前記未完了情報とともに前記ユーザインタフェースに報知させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
通信インタフェースと、
ユーザインタフェースと、
コンピュータと、
を備える情報処理装置であって、
前記コンピュータは、
前記通信インタフェースに、画像形成装置から送信される完了通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行し、前記情報処理装置は、前記通信インタフェースを介して、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送信し、前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送信された画像形成ジョブと前記画像形成ジョブと共に前記情報処理装置から送信された装置識別情報を受信した場合に、前記画像形成ジョブに基づく画像形成を実行し、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の完了後、前記画像形成ジョブと共に前記画像形成装置に受信された前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、
さらに前記コンピュータは、
定期的に前記画像形成装置から前記通信インタフェースを介して前記画像形成装置の状態を示す状態通知を取得する状態通知取得処理と
前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知に基づいて、前記画像形成装置の状態を示す状態情報を、前記情報処理装置の前記ユーザインタフェースであるディスプレイに表示させる状態情報表示処理と、を実行し、前記状態情報表示処理では、前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知が前記画像形成装置の異常状態を示す場合に、前記異常状態を示す前記状態情報を第1の態様で前記ディスプレイに表示させ、前記状態通知取得処理によって取得された前記状態通知が前記画像形成装置の異常状態とは異なる状態を示す場合に、前記異常状態とは異なる状態を示す前記状態情報を前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記ディスプレイに表示させ、
さらに前記コンピュータは、
前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記情報処理装置あての前記完了通知を前記画像形成ジョブの送信先である前記画像形成装置から受信した場合に、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す完了情報を、
前記ディスプレイに前記第1の態様で表示させる完了情報報知処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラム、および情報処理装置に関する。さらに詳細には、画像形成装置に入力された画像形成ジョブに関する情報を、情報処理装置で報知する報知技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置と接続する情報処理装置では、画像形成ジョブに関する情報を報知する技術が知られている。例えば、特許文献1には、エラー情報を報知する技術として、1台のデジタル複合機に少なくとも1台のホストPCが接続されている画像形成システムであって、デジタル複合機にエラーが発生した場合、そのエラーを回復させるための情報をデジタル複合機からホストPCに送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置は、画像形成装置に画像形成ジョブを送信した後、その画像形成ジョブが完了したか否かを知ることができない。そのため、利用者は自身の画像形成ジョブが完了するタイミングが分からず、例えば画像形成装置がプリンタであれば、プリンタに移動した際に印刷ジョブが完了しておらず、完了するまで待たされる、印刷物を取りに行くことを忘れてしまう、といった問題が生じる。引用文献1のように、エラーが発生したときの報知については知られているが、エラーが発生していないときの報知については改善の余地がある。
【0005】
本明細書は、画像形成装置に入力された画像形成ジョブに関する情報の、情報処理装置での報知を改善させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題の解決を目的としてなされたシステムは、画像形成装置と、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送信する情報処理装置と、を備えるシステムであって、前記情報処理装置は、前記情報処理装置が備える通信インタフェースを介して、前記画像形成装置に画像形成ジョブを送信し、前記画像形成ジョブは、前記情報処理装置を識別する装置識別情報と共に前記画像形成装置に送信され、前記情報処理装置には、第1のプログラムがインストールされており、前記第1のプログラムは、前記情報処理装置のコンピュータに、前記情報処理装置の前記通信インタフェースに、前記画像形成装置から送信される完了通知を受信するための受信ポートを開放させる開放処理を実行させ、前記画像形成装置は、前記情報処理装置から送信された画像形成ジョブと前記画像形成ジョブと共に前記情報処理装置から送信された装置識別情報を受信した場合に、前記画像形成ジョブに基づく画像形成を実行し、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の完了後、前記画像形成ジョブと共に前記画像形成装置に受信された前記装置識別情報を用いて、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す前記完了通知を、前記画像形成ジョブの送信元である前記情報処理装置に送信し、前記第1のプログラムは、前記情報処理装置が前記画像形成ジョブを前記画像形成装置に送信した後に、前記受信ポートを開放された前記通信インタフェースが、前記情報処理装置あての前記完了通知を前記画像形成ジョブの送信先である前記画像形成装置から受信した場合に、前記情報処理装置の前記コンピュータに、前記画像形成ジョブに基づく前記画像形成の実行完了を示す完了情報を、前記情報処理装置が備えるユーザインタフェースに報知させる完了情報報知処理を実行させる、ことを特徴とする。
【0007】
上記構成を有するシステムでは、画像形成ジョブを情報処理装置から画像形成装置に投入する。その後、情報処理装置が、画像形成の完了通知を画像形成装置から受信し、情報処理装置にインストールされた第1のプログラムによって、その画像形成ジョブの完了を示す情報を情報処理装置のユーザインタフェースを介して報知する。これにより、利用者は画像形成ジョブに基づく画像形成が完了したことを知ることができることから、情報処理装置での報知が改善される。
【0008】
上記装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、装置、および当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、画像形成装置に入力された画像形成ジョブに関する情報の、情報処理装置での報知を改善させる技術が、実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る画像処理システムの印刷手順を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る報知プログラムの準備処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】監視処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】完了情報報知処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】第1キャンセル処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2キャンセル処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】ジョブ送信監視処理の手順を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態に係る完了情報の報知手順の別態様を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明にかかる装置を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、複合機(以下「MFP」と略す)と、そのMFP用のデバイスドライバが組み込まれたパーソナルコンピュータ(以下「PC」と略す)とを有する画像処理システムに本発明を適用したものである。
【0012】
本形態の画像処理システム100(システムの一例)は、
図1に示すように、MFP20(画像形成装置の一例),21,22と、これらMFPを制御するPC10(情報処理装置の一例)、11、12とを備えている。画像処理システム100では、PC10,11,12とMFP20,21,22とが有線LANケーブルを介して通信可能に接続されている。
【0013】
なお、画像処理システム100を構成する画像処理装置および情報処理装置は図示されたものに限るものではない。また、PC10等とMFP20等との接続は、有線LANケーブルやUSBケーブルに限らず、無線LAN等の無線通信であってもよい。
【0014】
PC10は、各種処理を実行するCPU11(コンピュータの一例)と、BIOS等を記憶したROM12と、CPU11が各種処理を行う際に一時的な記憶領域として利用されるRAM13と、各種のプログラムやデータを記憶した不揮発性メモリ14とを有するコントローラ30(コンピュータの一例)を備えている。
【0015】
メモリの一例はいずれも、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0016】
また、PC10は、キーボードやマウス等からなるユーザインタフェース15(以下「UI」と略す)と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ16と、通信インタフェース18(以下「通信IF」と略す)とを有し、これらがコントローラ30と電気的に接続され、これらがコントローラ30によって制御される。UI15とディスプレイ16はユーザインタフェースの一例である。通信IF18は通信インタフェースの一例である。なお、スピーカや、アレクサなどのPCと接続したスマートスピーカを、ユーザインタフェースの一例にしてもよい。
【0017】
PC10には、オペレーティングシステム(以下「OS」と略す)と、アプリケーションプログラム(例えば、文書作成ソフト、作図ソフト、表計算ソフト、写真データ編集ソフト等)と、MFP20、21、22を制御するデバイスドライバと、MFPからの通知に応じて情報を報知する報知プログラム(第1のプログラム、プログラムの一例)と、各MFP20の状態を監視するステータスモニタ(第2のプログラムの一例)が記憶されている。なお、各種プログラムは、CD-ROMなどの記憶媒体に記憶されているものをインストールしてもよいし、ネットワーク上のサーバに記憶されているものをダウンロードしてインストールしてもよい。PC11、12についてもPC10と同様である。
【0018】
MFP20は、用紙に画像を形成する機能を有していればよく、その画像形成方式は、電子写真方式、インクジェット方式、その他の一般的な画像形成方式を採用していればよい。また、カラー画像及びモノクロ画像の画像形成が可能であっても、モノクロ画像のみの画像形成が可能であってもよい。この他、MFP20は、画像読み取り機能、FAX送信機能、FAX受信機能を有している。
【0019】
MFP20は、PC(本形態ではPC10、11、12)から画像形成ジョブを受信した場合に、画像形成ジョブの実行状況を示す実行情報を、画像形成ジョブを送信したPCに通知する通知機能を有する。画像形成ジョブは、例えば、印刷ジョブ、スキャンジョブである。
【0020】
さらに、MFP20は、ページ数が多い印刷ジョブを実行する場合、所定ページ(例えば100ページ)の印刷が完了する度に、所定ページの印刷完了を示す一部完了通知を送信する機能を有する。所定ページの数は、固定値でもよいし、MFP20またはデバイスドライバ40を介して設定される変動値でもよいし、さらには、印刷ジョブに含まれる印刷枚数に応じて設定される可変値でもよい。なお、MFP21、22についてもMFP20と同様に構成されている。
【0021】
続いて、本形態の画像処理システム100において、MFP20に印刷を行わせる際の、PC10の動作について、
図2のブロック図を参照しつつ説明する。なお、
図2中、グラフィックエンジン51、スプーラ52は、OS50の一部として提供される。
【0022】
図2中、デバイスドライバ40は、例えばMFP20用のプリンタドライバであって、印刷対象となる画像データの加工処理や、加工処理が反映された画像データに基づく印刷データの生成処理を行う。加工処理としては、例えば、ウォータマーク、ヘッダー、フッター等の合成、拡大、縮小等の倍率変更、画像回転、2in1、4in1等の集約が該当する。
【0023】
また、ステータスモニタ41は、PC10と通信可能に接続する全てのMFPのうち、PC10にデバイスドライバがインストールされているMFPを監視対象として、状態を監視する。具体的には、ステータスモニタ41は、PC10にインストールされているデバイスドライバに関する情報についてOS50が管理している管理情報を参照し、監視対象とするMFPを特定する。ステータスモニタ41は、UI15を介して、デバイスドライバがインストールされているMFPのうち、監視対象とするMFPを選択する操作を受け付け、そのMFPを監視対象としてもよい。本形態では、ステータスモニタ41は、MFP20,21,22を監視対象とし、これらの状態情報を定期的に取得する。
【0024】
具体的に、ステータスモニタ41は、稼働状況(例えば、実行中、待機状態、スリープ状態等)や、MFPにエラーが発生している場合にはそのエラーの種類(例えば、紙ジャムなど)を、状態情報として取得する。また、ステータスモニタ41は、MFPにワーニングが発生している場合にはそのワーニングの種類(例えば、インク警告など)を、状態情報として取得する。なお、MFPのエラーおよびワーニングは異常状態の一例である。エラーまたはワーニングの種類を含む状態情報は異常情報の一例である。状態情報を取得する処理は「状態通知取得処理」の一例である。状態情報を表示する処理は「状態情報表示処理」の一例である。ステータスモニタ41は、MFP20,21,22から取得した状態情報をユーザに認識させるためにディスプレイ16に表示する。なお、ステータスモニタ41は、PC10と接続する全てのMFPを監視対象としてもよい。
【0025】
また、報知プログラム42は、自身が組み込まれたPCによる画像形成ジョブの送信先であるMFPから実行情報を取得し、取得した実行情報に基づいて情報を表示する。ステータスモニタ41と報知プログラム42の違いは、ステータスモニタ41はPCから定期的にMFPにアクセスして状態情報を表示するのに対し、報知プログラム42は、MFPからの通知を受信した場合に情報を表示することである。報知プログラム42の動作手順については後述する。
【0026】
本形態では、ステータスモニタ41と報知プログラム42とを含むプログラムセットが、MFPのデバイスメーカから提供され、PCにインストールされる。プログラムセットは、OSの一部として提供されてもよい。また例えば、ステータスモニタ41と報知プログラム42とがデバイスメーカから提供されるものではなく、一方がOSの一部として提供され、他方がデバイスメーカから提供されてもよい。
【0027】
なお、報知プログラム42は、ステータスモニタ41と同様に、画像形成ジョブの送信先であるMFPに状態情報を問い合わせ、画像形成ジョブの完了を示す状態情報を受信した場合に、完了情報を表示してもよい。また、これと同様の動作はステータスモニタ41を用いて行ってもよい。この場合、ステータスモニタ41と報知プログラム42の両方が「プログラム」の一例となる。この動作については、後述する別の態様で説明する。
【0028】
グラフィックエンジン51は、デバイスドライバ40の制御を行うモジュールである。グラフィックエンジン51は、アプリケーションプログラム61からの命令を受け付け、その命令をデバイスドライバ40に受け渡す。
【0029】
スプーラ52は、デバイスドライバ40によって生成された印刷データを一時的に格納し、印刷データを順次に指定されたMFPに出力する機能を有するモジュールである。本明細書において「デバイスドライバ40が印刷データをMFP20に送信する」と記載した場合、それは「デバイスドライバ40が印刷データをスプーラ52に格納する」ことを意味し、実際にスプーラ52によってMFP20に印刷データが送信されたことまでは意味しない。
【0030】
PC10からMFP20に印刷を行わせる際には、
図2に示すように、先ず、PC10に組み込まれているアプリケーションプログラム61がユーザからの印刷指示を受け付け、印刷開始通知を出力する。そして、OSの一部であるグラフィックエンジン51がその印刷開始通知を受け付け、アプリケーションプログラム61から印刷対象の画像データの取得を開始する。
【0031】
グラフィックエンジン51は、画像データの取得を開始すると、デバイスドライバ40に対して描画命令を行う。デバイスドライバ40は、描画命令を受け付けると、当該描画命令に基づいてビットマップ画像(BMP画像)を生成し、さらにそのBMP画像に基づいてPDL形式の印刷データを生成する。
【0032】
デバイスドライバ40は、印刷データの生成後、当該印刷データをスプーラ52に格納する。印刷データがスプーラ52に格納されると、スプーラ52は格納されている印刷データをMFP20に送信する。印刷データを受信したMFP20は、その印刷データに基づいて印刷を行う。
【0033】
続いて、本形態の画像処理システム100において、MFP20の印刷完了を、報知プログラム42で報知する際の、報知プログラム42による制御手順について、
図3のフローチャートを参照しつつ説明する。報知プログラム42は、PC10の起動とともに実行される常駐プログラムである。報知プログラム42は、起動時にCPU11によって
図3に示す準備処理を実行する。
【0034】
なお、以下の処理およびフローチャートの各処理ステップは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、PC10のOS50のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS50の記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOSのAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU11がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0035】
CPU11は、まず、MFPから通知機能設定情報を取得する(S11)。報知プログラム42は、S11の処理を実行する前に、ステータスモニタ41が監視対象としているMFPを特定し、特定したMFPと通信を行う。なお、報知プログラム42は、監視対象とするMFPを特定するための情報を、ステータスモニタ41から取得してもよいし、PC10にインストールされているデバイスドライバに関する情報についてOS50が管理している管理情報を参照して、MFPを特定してもよい。通知機能設定情報は、MFPのメモリに記憶されている。CPU11は、監視対象として特定したMFPに対して、MFPのメモリに記憶されている通知機能設定情報をPC10に送信することを要求する。要求を受信したMFPは、メモリから通知機能設定情報を読み出して、PC10に返信する。CPU11は、通信IF18を用いて、各MFPから送信された通知機能設定情報を受信し、RAM13に記憶する。すなわち、報知プログラム42は、MFPに情報を要求するクライアントとして機能し、MFPは、要求された情報を提供するサーバとして機能する。本形態では、報知プログラム42は、ステータスモニタ41の監視対象であるMFP20,21,22から通知機能設定情報を取得する。
【0036】
CPU11は、S10にて取得した通知機能設定情報に基づいて、通知可能なMFPがあるか否かを判断する(S13)。通知機能設定情報には、MFPにおいて通知機能が有効にされているか無効にされているかを示す情報と、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報と、が含まれている。
【0037】
MFPにおいて通知機能が有効にされているか無効にされているかを示す情報については、MFPは工場出荷時には有効にされている。MFPは、MFPの操作パネルを介して、通知機能の有効または無効を指示する操作を受け付けたら、あるいは、MFPの通信IFを介して、通知機能の有効または無効を指示する情報を受け付けたら、メモリ内の情報を更新する。
【0038】
報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報については、MFPは工場出荷時には記憶していない。報知プログラム42は、後述するように、
図4に示す編集画面D3のラジオボタンR31にて「OFF」の選択操作を受け付けた場合(S17:NO)、通知は不要であることを示す制限信号をPCの識別情報と関連付けて、監視対象として特定した全てのMFPに送信する(S21)。制限信号を受信したMFPは、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報を、PCの識別情報と対応付けて、メモリに記憶する。
【0039】
なお、S13の処理では、ステータスモニタ41の監視対象であるMFPが、通知機能に対応しているモデルであるか否かに基づいて判断してもよい。また、S13の処理では、S11の処理にて各MFPから取得したモデル名や、ステータスモニタ41から取得したモデル名や、OS50の管理情報を参照して取得したモデル名に基づいて判断してもよい。
【0040】
CPU11は、S11にて取得した通知可能設定情報の中に、MFPにおいて通知機能が有効にされていることを示す情報を含むが、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報を含まない通知機能設定情報がある場合、通知可能なMFPがあると判断する(S13:YES)。この場合、CPU11は、S15の処理に進む。
【0041】
なお、CPU11は、S11にて取得した通知可能設定情報が全て、MFPにおいて通知機能が無効にされていることを示す情報と、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報と、の少なくとも一方を含む通知可能設定情報である場合、通知可能なMFPがないと判断する(S13:NO)。この場合、CPU11は、受信ポートを開放せずに、
図3に示す処理を終了する。
【0042】
報知プログラム42は、
図4に示す設定画面D3を介して、情報を報知する際の設定を受け付けることが可能である。報知プログラム42は、初めて起動したときに設定画面D3を表示してもよい。また、報知プログラム42は、表示を要求する操作をUI15を介して受け付けた場合に、設定画面D3を表示してもよい。報知プログラム42は、起動時に毎回、設定画面D3を表示してもよい。設定画面D3には、ラジオボタンR31~R37が設けられている。ラジオボタンR31は、完了通知を受信した際に完了情報を表示するか否かの設定を受け付ける。ラジオボタンR33は、情報を表示する表示時間の設定を受け付ける。ラジオボタンR35は、表示する情報の種類の設定を受け付ける。ラジオボタンR37は、複数のジョブを投入した場合に完了情報を表示するタイミングの設定を受け付ける。
【0043】
報知プログラム42は、不揮発性メモリ14に設けられた報知プログラム42用の記憶領域に、設定画面D3を介して受け付けた情報を記憶する。例えば、ラジオボタンR31を介して受け付けた情報は表示可否情報として記憶される。また、ラジオボタンR33にて受け付けた情報は報知時間として記憶される。ラジオボタンR35にて受け付けた情報は報知対象として記憶される。ラジオボタンR37にて受け付けた情報は報知タイミングとして記憶される。報知タイミングは表示頻度情報の一例である。
【0044】
図3の説明に戻り、S13にて通知可能と判断したCPU11は、不揮発性メモリ14から表示可否情報を読み出して取得し(S15)、取得した表示可否情報が表示可を示す情報であるか否かを判断する(S17)。
【0045】
すなわち、CPU11は、UI15を用いてラジオボタンR31の「OFF」が選択された場合、不揮発メモリ14に記憶される表示可否情報には、完了情報を表示しない表示不可を示す情報が含まれる。この場合、CPU11は、表示可ではないと判断し(S17:NO)、MFPに対してPC10への通知の送信を制限する制限信号を送信する(S21)。S21の処理は「制限処理」の一例である。制限信号は、PC10に接続するMFPに全て送信されてもよいし、S11にて通知機能を実行することを示す通知機能設定情報を送信したMFPだけに送信されてもよい。
【0046】
例えば、MFP20は、PC10から送信された制限信号を受信した場合、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報を、PC10の識別情報に対応付けて、MFP20のメモリに記憶する。これによりMFP20は、PC10に通知を行わなくなる。その後、CPU11は、
図3に示す処理を終了する。これにより、報知プログラム42が完了情報を報知しないにもかかわらず、MFP20がPC10に完了通知を送信することがなくなり、MFP20とPC10とが無駄な通信を行わなくて済む。
【0047】
なお、例えば、別のタイミングで設定画面D3のラジオボタンR31にて「ON」の選択操作を受け付けた場合、報知プログラム42は、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報を解除することを指示する解除信号を、監視対象のMFPに送信する。解除信号を受信したMFPは、報知プログラム42がインストールされているPCへMFPから通知を行わないことを示す情報をメモリから削除する。これにより、MFPは、PCに通知できるようになる。よって、報知プログラム42は、UI15に入力される指示に応じて、MFP20にPC10への通知を行わせるようにしたり、行わせないようにしたりすることができる。なお、報知プログラム42は、準備処理の最初に、表示可否情報が表示可を設定されているか否か(設定画面D3のラジオボタンR31にて「ON」が選択されているか否か)を判断してもよい。報知プログラム42は、表示可(「ON」を選択済み)である判断した場合、S11の処理を行うときに、監視対象のMFPの全てに解除信号を送信することで、MFPのメモリに記憶されている情報をMFPに削除させるようにしてもよい。
【0048】
一方、CPU11は、UI15を用いてラジオボタンR31の「ON」が選択された場合、不揮発メモリ14に記憶される表示可否情報には、完了情報を表示する表示可を示す情報が含まれる。この場合、CPU11は、表示可であると判断し(S17:YES)、通信IF18の受信ポートを開放する(S19)。S19の処理は「開放処理」の一例である。受信ポートが開放されることにより、CPU11は、通信IF18を介して、各MFPからの自装置宛の通知を受信できるようになる。
【0049】
具体的に説明すると、報知プログラム42とMFPは、所定のポート番号を用いるようにプログラミングされている。報知プログラム42は、表示可と判断した場合、所定のポート番号でデータをTCP(Transmission Control Protocol)受信できるよう、OS50に受信ポートの開放を指示する。例えば、MFP20は、PC10から送信された印刷ジョブの印刷を完了すると、印刷ジョブの送信元(PC10)に、所定のポート番号を指定して、完了通知を送信する。OS50は、所定のポート番号とポート開放を指示したプログラムとを関連付けて記憶している。そのため、OS50は、所定のポート番号へ送信されてきたデータ(例えば完了通知)を通信IF18が受信したとき、OS50は、そのデータを報知プログラム42に渡すことができる。つまり、報知プログラム42は、受信ポートが開放されることにより、各MFPから自装置宛に送信されたデータをOS50を介して受信できるようになる。すなわち、報知プログラム42は、完了通知の報知サービスを提供するサーバとして機能し、MFPは、報知サービスに完了通知を入力するクライアントとして機能する。以下、「報知プログラム42が通知を受信する。」の意味は、「OS50が受信ポートを介して受信した通知を、報知プログラム42がOS50から受け取って受信する。」ことを意味するものとする。受信ポートを開いたCPU11は、処理を終了する。なお、開放された受信ポートは、報知プログラム42が終了される場合に、閉鎖される。
【0050】
続いて、印刷ジョブの実行状況を監視する監視処理について説明する。報知プログラム42は、受信ポートを開放したことを契機に、
図5に示す監視処理を実行する。便宜上、
図5では連続した処理として監視処理を記載しているが、実際には断続的な処理であってもよい。なお、以下の説明では、報知プログラム42は、ディスプレイ16の表示によって各種情報を報知するが、報知方法はこれに限らず、音声出力等を含んでもよい。
【0051】
なお、OS50は、報知プログラム42の処理と並行して、様々な処理を実行している。例えば、OS50は、アプリケーションプログラム61からデバイスドライバ40を介してスプーラ52に格納された印刷ジョブを送信する。印刷ジョブには、印刷を実行するMFP20が指定されている。OS50は、指定されたMFP20に印刷ジョブを送信する。印刷ジョブには、MFP20の指定の他、印刷ジョブの送信元を識別する情報と、印刷ジョブを識別するジョブ識別情報が付されている。送信元を識別する情報は、例えば、IPアドレスや、Macアドレスである。送信元を識別する情報は、他の種類のネットワークアドレスや、PC10のシリアル番号でもよい。送信元を識別する情報は「装置識別情報」の一例である。
【0052】
MFP20は、印刷ジョブを受信すると、印刷を実行する。MFP20は、複数の印刷ジョブを順次受信し、印刷を行う。複数の印刷ジョブには、PC10から送信された複数の印刷ジョブを含んでもよいし、PC11,12などから送信された印刷ジョブを含んでもよい。MFP20は、PC10から受信した印刷ジョブの印刷を行う場合、実行状況に応じた通知を送信する。通知は、印刷を実行した印刷ジョブに付されていた装置識別情報とジョブ識別情報を含んでいる。また、通知は、MFP20にプログラミングされた所定のポート番号を含んでいる。つまり、MFP20は、印刷ジョブを送信したPC10宛に各種通知を送信する。監視処理は、MFP20から通知された各種通知を、報知プログラム42が監視する処理である。
【0053】
CPU11は、まず、開放した受信ポートを介して何らかの通知をMFPから受信したか否かを判断する(S101)。CPU11は、通信IF18を用いて、MFPから送信された何らかの通知を受信ポートを介して受信しない場合(S101:NO)、タイムアウト条件を満たすか否かを判断する(S108)。タイムアウト条件は、OS50からMFPに印刷ジョブの送信を開始してから第2の閾値時間を超えることである。送信開始時刻は、例えば、スプーラ52に問い合わせて取得してもよい。また、報知プログラム42がスプーラ52を監視して印刷ジョブの送信開始時刻を判断してもよい。第2の閾値時間は、固定値でもよいし、利用者により設定される設定値でもよいし、印刷ジョブの総印刷枚数に応じた可変値であってもよい。CPU11は、タイムアウト条件を満たさないと判断する場合(S108:NO)、S101に戻る。
【0054】
CPU11は、通知待ち時間が第2の閾値時間を超えたと判断する場合(S108:YES)、印刷ジョブが完了していないことを示す未完了情報をディスプレイ16を用いて表示する(S109)。例えば、CPU11は、例えば、
図4のラジオボタンR33を介して設定された表示時間に応じて、
図6(A)に示すようにメッセージを表示するダイアログDL11をポップアップ表示する。そして、例えば、CPU11は、そのダイアログDL11に、「未完了のジョブがあります。」のような未完了を報知するメッセージを表示する。これにより、利用者は、メッセージを表示させたり、消去させたりする手間をかけずに、メッセージを確認できる。なお、以下、通知に応じた情報を報知する場合には、同じ大きさのダイアログDL11をディスプレイ16の同じ表示位置に同じ表示時間だけ表示し、ダイアログDL11に表示される情報の内容のみが異なるものとする。例えば、MFP20を指定して印刷を行う利用者は、未完了メッセージを見て、MFP20が印刷していないため、印刷物をMFP20に取りに行く必要がないことを認識できる。
【0055】
その後、
図5に示すように、CPU11は、ジョブの送信先となるMFPの状態情報を取得し(S111)、ディスプレイ16を用いて状態情報を表示する(S113)。例えば、CPU11は、ステータスモニタ41がMFP20から取得したMFP20の状態情報を参照し、ビジーを示す情報が含まれていた場合、「ビジーのため、印刷が完了していません。もうしばらくお待ち下さい。」のようなMFP20の状態を示すメッセージを表示するダイアログDL11をディスプレイ16を用いてポップアップ表示する。なお、これと同時に、ステータスモニタ41が、例えば
図6(C)に示すようなアイコンA21を介して、ビジーであることを表示してもよい。また例えば、CPU11は、紙ジャムなどのエラー情報を取得した場合、「紙ジャムのため、印刷が完了していません。紙を取り除いて下さい。」のようなエラーメッセージを表示するダイアログDL11をディスプレイ16を用いてポップアップ表示する。よって、メッセージを見た利用者は、MFP20の状態を知り、印刷ジョブの実行に適した修繕等の対応を早期にとりやすい。未完了情報と状態情報を表示したCPU11は、S101に戻り、通知を待つ。S108~S113の処理は「未完了報知処理」の一例である。
【0056】
なお、S109とS113の処理をまとめて行い、未完了情報と状態情報をまとめて報知してもよい。また、S109の処理とS111~S113の処理との何れかを省略し、未完了情報と状態情報のいずれか一方のみを表示してもよい。また、未完了情報または状態情報を表示するダイアログDL11にキャンセルボタンを設け、印刷を中止できるようにしてもよい。これにより、例えば、印刷が完了するまでに時間がかかりそうな場合に、利用者が印刷を中止できるようになり、便利である。また、ステータスモニタ41は、S109の未完了情報の報知と同じ態様で状態情報をポップアップ表示してもよい。この場合、報知プログラム42は、S109,S113の処理を省略してもよい。
【0057】
CPU11は、受信ポートを介してMFPから何らかの通知を受信したと判断すると(S101:YES)、報知対象を判断する(S103)。CPU11は、例えば
図4に示す設定画面D3にて、UI15を用いてラジオボタンR35の「完了のみ」が選択された場合、報知対象が完了通知のみであることを示す情報を不揮発性メモリ14に記憶している。この場合、
図5に示すように、CPU11は、報知対象が完了のみであると判断し(S103:YES)、完了通知を受信したか否かを判断する(S105)。S105の処理は「完了検知処理」の一例である。受信した通知が完了通知でない場合、CPU11は、完了通知を受信していないと判断し(S105:NO)、S101の処理に戻る。
【0058】
これに対して、CPU11は、受信した通知が完了通知である場合、完了通知を受信したと判断し(S105:YES)、完了情報を報知した後(S107)、S101の処理に戻る。
【0059】
S107の完了情報報知処理について、
図7を参照して説明する。CPU11は、報知タイミングを判断する(S401)。CPU11は、
図4に示す設定画面D3のラジオボタンR37を介して、「各ジョブ完了時」の選択を受け付けた場合、毎回表示することを示す報知タイミングを不揮発性メモリ14に記憶している。この場合、
図7に示すように、CPU11は、報知タイミングが毎回であると判断する(S401:毎回)。そこで、CPU11は、完了情報を報知し(S403)、処理を終了する。
【0060】
一方、CPU11は、
図4に示す設定画面D3のラジオボタンR37を介して、「全ジョブの完了時」の選択を受け付けた場合、最後だけ表示することを示す報知タイミングを不揮発性メモリ14に記憶している。この場合、
図7に示すように、CPU11は、報知タイミングが最後だけであると判断し(S401:最後だけ)、受信した完了通知が最後の完了通知か否かを判断する(S405)。
【0061】
例えば、CPU11は、ジョブ識別情報が同じ印刷ジョブについて、スプーラ52がMFP20に印刷ジョブを送信した送信回数と、MFP20がスプーラ52から受信した印刷ジョブを完了して送信した完了通知の数とを比較する。送信回数と完了通知の数が一致しない場合には、CPU11は、最後の完了通知でないと判断する(S405:NO)。この場合、CPU11は、完了情報を報知せずに処理を終了する。一方、送信回数と完了通知の数が一致する場合には、CPU11は、最後の完了通知であると判断する(S405:YES)。この場合、CPU11は、完了情報を報知してから(S403)、処理を終了する。
【0062】
ここで、完了情報は、ステータスモニタ41がエラー情報を報知する場合と同じ態様で報知される。例えば、
図6(A)に示すように、CPU11は、完了情報をポップアップ表示する(第1の態様の一例)。具体的には、ディスプレイ16の中央領域(第1領域の一例)に所定サイズ(第1サイズの一例)のダイアログDL11を表示する。ダイアログDL11には、「印刷が完了しました。」のような完了メッセージが表示される。ダイアログDL11は、所定の表示時間表示される。
【0063】
一方、ステータスモニタ41も、異常情報(例えばエラー情報、ワーニング情報)をポップアップ表示する(第1の態様)。つまり、例えば
図6(B)に示すように、ステータスモニタ41は、異常情報を表示する所定サイズのダイアログDL21をディスプレイ16の中央領域に所定の表示時間表示する。なお、ステータスモニタ41は、異常情報以外の情報(例えばインク残量)を表示する場合、例えば、
図6(C)に示すように、ディスプレイ16を用いてタスクバー表示する(第2の態様の一例)。すなわち、タスクバー領域DA11に表示されるアイコンA21を介して情報を報知する。報知プログラム42は、完了情報を異常情報と同じ態様で表示することにより、利用者の注意を異常情報と同様に惹きやすい。
【0064】
なお、S403における完了情報の報知態様は、ダイアログDL11の表示内容を除き、
図5のS109,S113,S119,S123における未完了情報、状態情報、開始情報、進捗情報などの報知態様と同じである。よって、未完了情報、状態情報、開始情報、進捗情報などの情報も、ステータスモニタ41のエラー情報やワーニング情報と同じ報知態様で報知され、プリンタの状態を示す情報として利用者に認識されやすい。
【0065】
本形態では、ダイアログDL21,DL11を同じ大きさで同じ表示位置に同じ表示時間だけポップアップ表示することにより、ステータスモニタ41によるエラー情報等の報知態様と報知プログラム42による完了情報等の報知態様とを同じ態様にしている。これに対して、ステータスモニタ41によるエラー情報等の報知態様と、報知プログラム42による完了情報等の報知態様は、ポップアップ表示に限らず、他の態様で同じであってもよい。例えば、ステータスモニタ41と報知プログラム42は、エラー情報等と完了情報等をそれぞれトースト表示してもよい。また例えば、ダイアログDL11,DL21の大きさと表示位置の何れか一方が同じであれば、ステータスモニタ41によるエラー情報等の報知態様と報知プログラム42による完了情報等の報知態様とが同じ態様であるとしてもよい。
【0066】
印刷ジョブの完了情報が報知されることで、利用者は、印刷ジョブと別の作業を行っている場合でも、ポップアップ表示されるダイアログDL11の完了メッセージを見て、印刷が完了したことを確認し、印刷物をMFP20まで取りに行くことができる。よって、利用者は、MFP20の前で印刷の完了を待つ必要がない。また、利用者は、完了情報により、MFP20に自分の印刷物があることに気付き、印刷物の取り忘れを防止できる。また、ラジオボタンR31を用いて完了情報のみを報知するようにできるので、利用者の好みによって、ポップアップ表示の頻度を完了情報の報知だけに絞り、報知の煩わしさを低減させることが可能である。
【0067】
上記に対して、CPU11は、例えば
図4に示す設定画面D3にて、UI15を用いてラジオボタンR35の「すべて」が選択された場合、報知対象がすべての通知であることを示す情報を不揮発性メモリ14に記憶している。この場合、
図5に示すように、CPU11は、報知対象がすべてであると判断し(S103:すべて)、開始通知を受信したか否かを判断する(S115)。S115の処理は「開始受信処理」の一例である。
【0068】
CPU11は、開始通知を受信したと判断する場合(S115:YES)、開始情報報知条件を満たすか否かを判断する(S117)。例えば、CPU11は、印刷ジョブの送信を開始した送信開始時刻と現在時刻とを比較し、第1の閾値時間を超えるか否かを判断する。CPU11は、第1の閾値時間を超えないと判断する場合、開始情報報知条件を満たさないと判断し(S117:NO)、後述するS121の処理に進む。第1の閾値時間は、固定値でもよいし、利用者による設定値でもよい。
【0069】
一方、CPU11は、第1の閾値時間を超えると判断する場合、開始情報報知条件を満たすと判断し(S117:YES)、開始情報を報知してから(S119)、S121の処理に進む。S119の処理は「開始情報報知処理」の一例である。例えば、CPU11は、「印刷が開始されました。」のような開始メッセージをポップアップ表示する。印刷ジョブをMFP20に投入した後、直ぐに印刷が開始された場合、開始情報の重要度が高くなく、開始情報を直ぐに表示するとかえって利用者に煩わしさを感じさせる虞がある。そこで、報知プログラム42は、第1の閾値時間を経過してから開始情報を表示することで、利用者に煩わしさを感じさせることを回避できる。また、利用者は、開始情報の報知によりMFP20が印刷を開始したことを知り、印刷が完了する頃合いを予測できる。また、開始情報により、MFP20によって印刷された印刷物の取り忘れを抑制できる。
【0070】
S121の処理にて、CPU11は、一部完了情報を受信したか否かを判断する。S121の処理は「一部完了受信処理」の一例である。CPU11は、受信した通知が進捗を示す通知である場合、一部完了通知を受信したと判断し(S121:YES)、進捗情報を報知する(S123)。S123の処理は「一部完了報知処理」の一例である。例えば、MFP20はページ数が多い印刷ジョブを実行する場合、所定ページ(例えば100ページ)の印刷が完了する度に、100ページの印刷完了を示す一部完了通知を送信する。例えば、CPU11は、100ページ目の印刷が完了したことを示す一部完了通知を受信した場合、「100ページまで印刷が完了しました。」のような進捗メッセージを、キャンセルボタンと共にダイアログDL11に表示する。ダイアログDL11はポップアップ表示される。これにより、利用者は、印刷枚数が多く、印刷に時間がかかる場合でも、進捗情報によって印刷が途中まで完了していることを確認することができる。よって、利用者に対して安心感を与えることができる。なお、キャンセルボタンは開始メッセージと共に表示されてもよい。
【0071】
一方、CPU11は、受信した通知が進捗を示す通知でない場合、一部完了通知を受信しないと判断し(S121:NO)、進捗情報を報知せずに、S125の処理に進む。S125の処理にて、CPU11は、進捗メッセージなどと共に表示されたキャンセルボタンが押下されたか否かを判断する。キャンセルボタンが押下されたと判断する場合(S125:YES)、CPU11は、第1キャンセル処理を実行する(S129)。その後、CPU11は、S101の処理に戻る。
【0072】
第1キャンセル処理について、
図8を参照して説明する。CPU11は、印刷ジョブを実行する本体(MFP)に、印刷キャンセル指示を送信する(S201)。例えば、PC10から送信された印刷ジョブを受信したMFP20は、報知プログラム42を用いて送信された印刷キャンセル指示を受信すると、実行中の印刷を停止し、印刷ジョブを消去する。S201は「第1キャンセル処理」の一例である。よって、CPU11は、MFP20による印刷ジョブの実行途中で、MFP20に印刷をキャンセルさせることができる。
【0073】
CPU11は、印刷キャンセル指示を送信した後、印刷キャンセル情報をディスプレイ16を用いて報知する。例えば、CPU11は、「印刷キャンセル中です。」のような印刷キャンセルメッセージを表示するダイアログDL11を、ディスプレイ16を用いてポップアップ表示する。
【0074】
印刷キャンセル情報を報知したCPU11は、印刷物が本体にあることを示す印刷物情報をディスプレイ16を用いて表示し(S205)、処理を終了する。S205の処理は「第1印刷物報知処理」の一例である。キャンセルボタンは、MFP20による印刷開始後に押下されるため、MFP20には、印刷ジョブの一部を実行した印刷物がある。印刷物情報をディスプレイ16に表示することで、利用者がMFP20に残る印刷物を取り忘れることを抑制できる。
【0075】
このように、PC10側でキャンセルした場合、印刷キャンセル情報が報知されることで、利用者は、MFP20による印刷が中止されたことを確認できる。また、印刷物情報を報知することで、利用者がMFP20に残る印刷物を取り忘れることを抑制できる。
【0076】
図5に戻り、CPU11は、キャンセルボタンが押下されていないと判断する場合(S125:NO)、MFP20がPC10宛に送信したキャンセル通知を受信ポートを介して受信したか否かを判断する(S127)。MFP20は、自装置の操作パネルを用いて印刷ジョブをキャンセルするキャンセル操作を受け付けることが可能である。MFP20は、キャンセル操作を受け付けた場合、その印刷ジョブに付された装置識別情報、ジョブ識別情報などを付したキャンセル通知を送信する。
【0077】
CPU11は、受信した通知がキャンセル通知である場合、キャンセル通知を受信したと判断し(S127:YES)、第2キャンセル処理を実行する(S131)。その後、CPU11は、S101の処理に戻る。
【0078】
第2キャンセル処理について、
図9を参照して説明する。CPU11は、未送信ジョブがあるか否かを判断する(S301)。すなわち、CPU11は、スプーラ52に印刷ジョブが残っており、スプーラ52からMFP20に印刷ジョブを送信している途中であるか否かを判断する。CPU11は、スプーラに51にジョブが残っている場合、未送信ジョブがあると判断する(S301:YES)。この場合、CPU11は、印刷ジョブの送信をキャンセルさせる送信キャンセル指示をスプーラ52に出力する(S303)。送信キャンセル指示を受け付けたスプーラ52は、印刷ジョブの送信を停止し、送信途中の印刷ジョブを消去する。よって、CPU11は、スプーラ52による印刷ジョブの送信途中で、印刷ジョブの送信をキャンセルすることができる。
【0079】
CPU11は、送信キャンセル指示を送信した後、キャンセル情報を報知する(S305)。例えば、CPU11は、「印刷がキャンセルされました。」のようなキャンセルメッセージを表示するダイアログDL11を、ディスプレイ16を用いてポップアップ表示する。
【0080】
それから、CPU11は、印刷物が本体にあることを示す印刷物情報を報知する(S307)。S307の処理は、開始通知を受け付けた後に行う。そのため、MFP20には印刷物が残っている。そこで、CPU11は、「印刷物が残っています。取りに行って下さい。」などのような印刷物メッセージをディスプレイ16を用いてポップアップ表示する
【0081】
なお、CPU11は、スプーラ52に印刷ジョブが残っていない場合、未送信印刷ジョブがないと判断する(S301:NO)。この場合、印刷ジョブの送信をキャンセルできないので、S307の処理に進む。
【0082】
このように、MFP20側で印刷がキャンセルされた場合、キャンセル情報が表示されることで、利用者は、自分の印刷がキャンセルされたことに気付き、印刷のやり直しなどを行える。また、印刷物情報を報知することで、利用者がMFP20に残る印刷物を取り忘れることを抑制できる。
【0083】
図5に戻り、CPU11は、キャンセル通知を受信していないと判断する場合(S127:NO)、完了通知を受信したか否かを判断する(S105)。S105以降の処理については上述したので説明を省略する。
【0084】
このように、完了通知だけでなく、開始情報や進捗情報などが報知されることで、利用者は、自分の印刷の実行状況をこまめに把握できる。この場合でも、開放された受信ポートを介して受信した通知に応じて各情報を報知するので、ポーリングなどと比べ、通信負荷や処理負荷が軽減される。
【0085】
続いて、本形態の画像処理システム100において、スプーラ52からMFP20に印刷ジョブを送信する際のPC10の動作について、
図10のフローチャートを参照しつつ説明する。CPU11は、印刷ジョブの送信を検知すると、
図3に示す通知報知処理と並行して、
図10に示すジョブ送信監視処理を、報知プログラム42あるいは報知プログラム42と別のプログラム(例えばステータスモニタ41)によって実行する。
【0086】
CPU11は、スプーラ52にジョブを問い合わせる(S501)。CPU11は、スプーラ52が全ジョブの送信を完了したか否かを判断する(S503)。CPU11は、全ジョブの送信を完了しない場合(S503:NO)、送信情報をディスプレイ16を用いて表示する(S505)。例えば、CPU11は、「印刷ジョブを送信しています。」などのジョブ送信メッセージを、キャンセルボタンとともに、表示する。S505の処理は「送信報知処理」の一例である。
【0087】
CPU11は、キャンセルボタンが押下されたか否かを判断する(S507)。CPU11は、キャンセルボタンが押下されない場合(S507:NO)、S501の処理に戻る。CPU11は、S501~S507の処理を繰り返し、スプーラ52が全ジョブの送信を完了すると(S503:YES)、処理を終了する。
【0088】
一方、CPU11は、キャンセルボタンが押下された場合(S507:YES)、印刷ジョブの送信先となる本体に、印刷をキャンセルする印刷キャンセル指示を送信する(S509)。そして、CPU11は、印刷キャンセル情報をディスプレイ16を用いて表示する(S511)。その後、CPU11は、開始通知を受信したか否かを判断する(S513)。開始通知を受信している場合(S513:YES)、印刷ジョブの一部が実行され、MFP20に印刷物が残っている。そこで、CPU11は、印刷物情報を報知した後(S515)、処理を終了する。一方、CPU11は、開始通知を受信していない場合(S513:NO)、MFP20が印刷を実行する前に印刷をキャンセルしており、MFP20に印刷物がないので、印刷物情報を報知せずに、処理を終了する。S509、S511、S515の処理は、S201、S203、S205の処理と同様なので説明を省略する。S509の処理は「第2キャンセル処理」の一例である。S515の処理は「第2印刷物報知処理」の一例である。
【0089】
以上説明したように、本形態の画像処理システム100では、印刷ジョブをPC10からMFP20に投入する。その後、PC10が、意印刷の完了通知をMFP20から受信、PC10にインストールされた報知プログラム42によって、その印刷ジョブの完了を示す情報をPC10のディスプレイ16を介して報知する。これにより、利用者は印刷ジョブに基づく印刷が完了したことを知ることができることから、PC10での報知が改善される。
【0090】
なお、完了情報を報知する別態様として、ポーリングによりMFPの印刷完了を検知し、完了情報を表示するものがある。その別態様の一例を、
図11のシーケンス図に示す。本形態では、ステータスモニタ41(プログラムの一例)を用いて完了情報を表示する。
【0091】
本形態の画像処理システム100にてMFP20の完了情報をPC10で報知する際には、先ず、ステータスモニタ41の起動時に、ステータスモニタ41がOS50から監視対象のデバイスドライバの情報であるドライバ情報を取得する。
【0092】
さらにステータスモニタ41は、デバイスドライバがあった場合、OS50に対して、監視対象のデバイスドライバを使用するジョブが登録された際にジョブの登録があったことを通知するように設定する。以下、この通知を「ジョブ登録通知」とする。
【0093】
ステータスモニタ41は、OS50に対して通知設定を行った後、ステータスモニタ41の監視対象となる全てのデバイスに対して、定期的な状態の問合せを開始する。すなわち、ステータスモニタ41は、MFPに情報を要求するクライアントとして機能し、MFPは、要求された情報を提供するサーバとして機能する。このようにして、ステータスモニタ41は、MFP20の状態の監視を開始する。
【0094】
その後、PC10に監視対象のデバイスドライバ40を利用する印刷ジョブが登録されると、OS50からステータスモニタ41に対してジョブ登録通知が出力され、情報の報知が可能になる。
【0095】
印刷ジョブが終了すると、OS50はステータスモニタ41に対してジョブ終了通知を出力する。なお、印刷ジョブの終了については、スプーラ52から最終ページの印刷データが出力されたことを意味する。ステータスモニタ41は、ジョブ終了通知を入力すると、完了情報を報知する。
【0096】
このように、ステータスモニタ41は、OS50から印刷ジョブが送信されたMFP20の状態を監視し、印刷が完了したことを検知すると、完了情報を報知する。よって、利用者は完了情報が報知されるタイミングで印刷物を取りにいき、印刷未了によりMFP20の前で待つことが回避される。また、印刷物の取り忘れも抑制される。
【0097】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。上記形態では、印刷ジョブを画像形成ジョブの一例として説明したが、画像形成ジョブはスキャンジョブであってもよい。スキャンジョブは、画像を読み取った後、画像データを生成するまでの処理を含む。
【0098】
例えば、報知プログラム42は、MFPに印刷ジョブの実行状況を問い合わせ、印刷ジョブの完了を示す実況状況を受信した場合に、完了情報を報知してもよい。また、報知プログラム42は、スプーラ52を介してMFPの状態情報を取得し、スプーラ52が印刷ジョブの完了を示す状態情報を取得した場合に、印刷ジョブが完了したことを示す情報をスプーラ52から受け取り、完了情報を報知するようにしてもよい。開始情報等の報知についても同様である。但し、上記形態のように、通知に応じて情報を報知することで、ポーリングにより情報を報知する場合より、処理の負荷や通信の負荷が軽減される。
【0099】
報知プログラム42による完了情報の報知態様は、ステータスモニタ41によるエラー情報の報知態様と異なってもよい。但し、報知態様を同じにすることで、利用者が完了情報を把握し易くなる。また、利用者の完了情報に対する注意をエラー情報と同等に惹くことができる。
【0100】
図3のS15~S17,S21の処理を省略してもよい。但し、これらの処理を実行することで、完了情報を表示しない場合には、MFP20から完了通知を受信しないようにすることができ、無駄な通信を行わなくて済む。
【0101】
図5のS121、S123の処理は省略してもよい。ただし、これらの処理を実行し、印刷ジョブを投入した後、その印刷ジョブの印刷を所定ページについて完了する度に進捗情報が報知されることで、利用者は印刷が所定ページまで完了したことを知ることができる。これによっても、PC10での報知が改善される。
【0102】
図5のS117~S119の処理は省略してもよい。ただし、これらの処理を実行し、印刷ジョブを投入した後、印刷ジョブの開始を示す情報が表示されることで、利用者が印刷を開始されたことを知ることができることから、情報処理装置での報知が改善される。
【0103】
図5のS117の処理は省略してもよい。つまり、第1の閾値時間の経過に関係なく、開始情報を報知してもよい。ただし、印刷ジョブの投入後、直ぐに印刷が開始された場合、開始情報の重要度は高くなく、開始情報の報知によってユーザに煩わしさを感じさせてしまうことがある。S117の処理を実行し、第1の閾値時間が経過していない場合には開始情報報知条件を満たすと判断し、開始情報を報知しないことで、これを回避できる。
【0104】
図5のS125、S129の処理は省略してもよい。ただし、印刷ジョブを投入した後、その印刷ジョブの実行中にキャンセルを受け付けることで、利用者は報知に基づいて印刷ジョブを実行途中でキャンセルできる。また、S127,S131の処理を省略してもよい。ただし、本処理を実行することで、本体のキャンセル操作に対応して、OS50からの印刷ジョブの送信をキャンセルできる。
【0105】
図8のS205及び
図9のS307の処理は省略してもよい。ただし、印刷の開始後のキャンセルでは、ジョブの一部キャンセルとなり、印刷物が残る一方で、利用者はその印刷物を取り忘れる場合がある。そのため、S205,S307の処理を実行し、印刷物があることを報知することで、印刷物の取り忘れを抑制できる。
【0106】
図10の処理は省略してもよい。但し、この処理を実行し、印刷ジョブの送信中にその送信を報知し、さらに送信中にキャンセルを受け付けることで、利用者は報知に基づいてMFP20が印刷ジョブを実行する前にジョブをキャンセルできる。
【0107】
報知タイミングを選択しないようにしてもよい。ただし、最後の完了通知だけ完了情報を報知するか、完了通知を受信する度に完了情報を報知するかを選択できることで、報知の利便性が向上する。
【0108】
図5のS109の処理は省略してもよい。ただし、この処理を実行し、長時間が経過しても印刷が完了しない場合、その旨を報知することで、PC10での報知が改善される。例えば、プリンタ10での紙詰まり等によって印刷が不能になっている場合に、利用者にプリンタの異常を示唆することができ、印刷の早期再開が期待できる。
【0109】
図5のS108~S113の処理は省略してもよい。ただし、この処理を実行し、タイムアウトした際にMFP20の状態も表示することで、MFP20の早期の修繕も期待できる。
【0110】
デバイスドライバ40が、アプリケーションプログラム61から受け付けた印刷データを所定ページずつに分割して複数の印刷ジョブを生成する機能を有する場合には、MFPはその複数の印刷ジョブを受信して、印刷を実行する。そして、MFPは、印刷ジョブが1つ完了する毎に完了通知をPCに通知する。この場合、複数の印刷ジョブ及び複数の完了通知には同じジョブ識別情報が付される。そこで、報知プログラム42は、ジョブ識別情報が同じ印刷ジョブの数と完了通知の数とを比較して、受信した完了通知が最後の完了通知であるか否かを判断してもよい。
【0111】
上記形態において、報知プログラム42は、完了情報等をポンプアップ表示により報知した。これに対して、完了情報等はトースト表示により報知されてもよい。また、上記形態では、完了通知や開始通知等に応じて報知する完了情報や開始情報等を同じ態様(ポップアップ表示)により報知した。これに対して、例えば、完了情報はポップアップ表示し、完了情報以外の開始情報等はタスクバー表示するなど、完了情報と完了情報以外の情報とを異なる態様で報知してもよい。
【0112】
MFPは、進捗度合いを算出する機能を有する場合、所定の進捗度になった時点で進捗度を示す情報を一部完了通知としてPCに送信してもよい。この場合、報知プログラム42は、その一部完了通知に応じて、進捗度合いを進捗情報として報知してもよい。
【0113】
上記形態では、完了メッセージなどを表示するダイアログDL11が表示時間に応じて自動で消去されたが、ダイアログDL11にOKボタンを表示し、OKボタンの操作を受け付けた場合にダイアログDL11を消去してもよい。
【0114】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0115】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0116】
100 画像処理システム
10 PC
11 CPU
18 通信IF
20 MFP
42 報知プログラム