(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】プログラム、インストーラ、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231129BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 351
G06F3/12 353
B41J29/38 202
(21)【出願番号】P 2020034680
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 裕詞
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-191538(JP,A)
【文献】特開2020-019279(JP,A)
【文献】特開2012-078914(JP,A)
【文献】特開2007-156630(JP,A)
【文献】特開2011-141771(JP,A)
【文献】特開2015-001829(JP,A)
【文献】特開2009-122745(JP,A)
【文献】特開2012-216166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0146763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 5/00- 5/52
B41J 11/00-11/70
B41J 15/00-15/24
B41J 21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能な第1のプログラムであって、
前記コンピュータに、
プリンタでの印刷に用いる印刷パラメータの入力を第1設定画面によって受け付ける第1受付処理を実行させ、前記第1設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、第1項目と第2項目とが含まれ、前記第1項目は、標準印刷とは異なる特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第1設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、
さらに前記第1受付処理にて前記印刷パラメータのうち前記第1項目を受け付けた場合、前記コンピュータに、
第2のプログラムが前記情報処理装置にインストールされているか否かを判断する第2プログラム判断処理を実行させ、前記第2のプログラムは、前記コンピュータによって実行可能であり、前記印刷パラメータの入力を第2設定画面によって受け付け、前記第2設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、前記第1項目が含まれ、前記第2項目が含まれず、
さらに前記第2プログラム判断処理にて前記第2のプログラムがインストールされていないと判断した場合、前記コンピュータに、前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための第1処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載するプログラムにおいて、
前記第1受付処理では、
前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記第1項目と、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記第2項目と、を含む前記印刷パラメータの入力を、前記第1設定画面によって受け付け、前記特別印刷は、長尺紙への印刷であり、前記標準印刷は、定型サイズ紙への印刷である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2に記載するプログラムにおいて、
前記第1受付処理では、
前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記第1項目と、前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記第2項目と、を含む前記印刷パラメータの入力を、前記第1設定画面によって受け付け、前記定型サイズ紙は、あらかじめ前記プログラムに設定されている選択肢であって、規定サイズにプレカットされた用紙であるプレカット紙の前記選択肢の中からの、選択によって特定される用紙であり、前記長尺紙は、前記プレカット紙の前記選択肢の中からの選択とは異なる方法で特定される用紙である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記第1受付処理では、
前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記第1項目と、前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記第2項目と、を含む前記印刷パラメータの入力を、前記第1設定画面によって受け付け、前記長尺紙には、ロール紙が含まれる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記第1受付処理では、
前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記第1項目と、前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記第2項目と、を含む前記印刷パラメータの入力を、前記第1設定画面によって受け付け、前記定型サイズ紙は、国際規格A判を少なくとも含む前記選択肢の中からの、選択によって特定される用紙である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項3に記載するプログラムにおいて、
前記第1受付処理では、
前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記第1項目と、前記長尺紙への印刷である前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記定型サイズ紙への印刷である前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記第2項目と、を含む前記印刷パラメータの入力を、前記第1設定画面によって受け付け、前記定型サイズ紙は、米国規格レターを少なくとも含む前記選択肢の中からの、選択によって特定される用紙である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載する第1のプログラムにおいて、
前記第2プログラム判断処理では、
前記第1設定画面には含まれない第3項目が含まれる前記第2設定画面によって印刷パラメータの入力を受け付ける前記第2のプログラムが、前記情報処理装置にインストールされているか否かを判断し、前記第3項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であって前記第1項目とは異なる設定項目である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載する第1のプログラムにおいて、
前記第2プログラム判断処理にて前記第2のプログラムがインストールされていないと判断した場合、前記コンピュータに、
前記第2のプログラムでは前記第3項目が設定可能であることを、前記情報処理装置のユーザインタフェースに通知させる項目通知処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載する第1のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1設定画面の給紙トレイの設定で、前記プリンタにて前記特別印刷が実行可能な給紙トレイとしてあらかじめ決められている特定の給紙トレイが選択された場合、前記第1受付処理にて前記印刷パラメータのうち前記第1項目を受け付けたとして前記第2プログラム判断処理を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載する第1のプログラムにおいて、
前記第1処理では、
前記第2のプログラムのインストーラを取得し、取得した前記インストーラを起動する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載する第1のプログラムにおいて、
前記第2プログラム判断処理にて前記第2のプログラムがインストールされていないと判断した場合、前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための前記第1処理を実行する前に、前記コンピュータに、
前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするか否かの選択を、前記情報処理装置のユーザインタフェースを介して受け付ける選択処理を実行させ、前記選択処理にて前記第2のプログラムをインストールすることが選択された場合、前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための前記第1処理を実行させ、前記選択処理にて前記第2のプログラムをインストールすることが選択されなかった場合、前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための前記第1処理を実行させない、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能なインストーラであって、
前記コンピュータに、
第1のプログラムが前記情報処理装置にインストールされているか否かを判断する第1プログラム判断処理を実行させ、前記第1のプログラムは、印刷パラメータの入力を第1設定画面によって受け付け、前記第1設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、第1項目と第2項目とが含まれ、前記第1項目は、標準印刷とは異なる特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第1設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、
さらに前記第1プログラム判断処理にて前記第1のプログラムがインストールされていると判断した場合、前記コンピュータに、
第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするインストール処理を実行させ、前記第2のプログラムは、前記コンピュータによって実行可能であり、前記印刷パラメータの入力を第2設定画面によって受け付け、前記第2設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、前記第1項目が含まれ、前記第2項目が含まれず、前記第2設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、
さらに前記インストール処理では、前記情報処理装置のオペレーティングシステムに登録されているプリンタの中から前記第1のプログラムと対応付けられたプリンタであって前記特別印刷が可能なプリンタを抽出し、抽出されたプリンタに対応する前記第1のプログラムが用いるプリントキューの情報に基づいて、前記抽出されたプリンタに対応する前記第2のプログラムが用いるプリントキューを生成する、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項13】
請求項12に記載するインストーラにおいて、
前記第1プログラム判断処理にて前記第1のプログラムがインストールされていないと判断した場合、前記コンピュータに、前記第1のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための第2処理を実行させる、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載するインストーラにおいて、
前記インストール処理にて前記第2のプログラムをインストールした場合、前記コンピュータに、
前記特別印刷に用いる前記印刷パラメータの設定手順を、前記情報処理装置のユーザインタフェースに通知させる手順通知処理を実行させる、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項15】
請求項12から請求項14のいずれか1つに記載するインストーラにおいて、
前記インストール処理では、
前記抽出されたプリンタに対応する前記第2のプログラムの前記プリントキューを生成する際、前記抽出されたプリンタに対応する前記第1のプログラムの前記プリントキューの名称と異なる名称を付ける、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項16】
請求項12から請求項15のいずれか1つに記載するインストーラにおいて、
前記インストール処理では、
前記第2のプログラムの前記プリントキューを生成した場合、生成した前記第2のプログラムのプリントキューを、デフォルトのプリントキューに設定する、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項17】
請求項12から請求項16のいずれか1つに記載するインストーラにおいて、
前記インストール処理では、
前記第1設定画面には含まれない第3項目が含まれる前記第2設定画面によって印刷パラメータの入力を受け付ける前記第2のプログラムを、前記情報処理装置にインストールし、前記第3項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であって前記第1項目とは異なる設定項目である、
ことを特徴とするインストーラ。
【請求項18】
コンピュータと、
メモリと、
を備える情報処理装置であって、
前記メモリには、第1のプログラムと第2のプログラムとがインストールされており、
前記第1のプログラムは、
前記コンピュータによって実行可能であり、プリンタでの印刷に用いる印刷パラメータの入力を第1設定画面によって受け付け、前記第1設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、第1項目と第2項目とが含まれ、前記第1項目は、標準印刷とは異なる特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第1設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、前記プリンタに対応する前記第1のプログラムが用いるプリントキューが前記情報処理装置のオペレーティングシステムに登録され、
前記第2のプログラムは、
前記コンピュータによって実行可能であり、前記プリンタでの印刷に用いる前記印刷パラメータの入力を第2設定画面によって受け付け、前記第2設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、前記第1項目が含まれ、前記第2項目が含まれず、前記プリンタに対応する前記第2のプログラムが用いるプリントキューが前記オペレーティングシステムに登録されている、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
請求項18に記載する情報処理装置において、
前記第2のプログラムが用いる前記プリントキューの名称には、前記プリンタのモデル名と、長尺を示す情報と、が含まれ、
前記第1のプログラムが用いる前記プリントキューの名称には、前記プリンタのモデル名が含まれ、前記長尺を示す情報が含まれない、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
情報処理装置のコンピュータによって実行可能な第2のプログラムであって、
前記コンピュータに、
プリンタでの印刷に用いる印刷パラメータの入力を、第2設定画面によって受け付ける第2受付処理を実行させ、前記第2設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、第1項目が含まれ、第2項目が含まれず、前記第1項目は、標準印刷とは異なる特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、さらに前記情報処理装置に前記第2のプログラムがインストールされていない状態で第1のプログラムが前記第1項目を受け付けた場合に前記第2のプログラムをインストールするための第1処理が実行され、前記第1のプログラムは、前記プリンタでの印刷に用いる前記印刷パラメータの入力を第1設定画面によって受け付け、前記第1設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、前記第1項目と前記第2項目とが含まれる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、印刷パラメータの入力を受け付けるプログラム、プログラムのインストーラ、およびプログラムがインストールされた情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、印刷パラメータの入力を受け付ける設定画面を表示し、受け付けた印刷パラメータに基づいてそのプリンタに印刷を指示する技術が知られている。例えば、特許文献1に開示されているように、ロール紙プリンタを制御するプリンタドライバであって、用紙サイズを含む印刷パラメータを受け付けるダイアログボックスを情報処理装置に表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
A4用紙等の定型サイズ紙への印刷に対応するプリンタを制御するプログラムでは、多機能性が確保されることから、その設定画面では設定可能な項目が多い。このプログラムにおいて、さらにロール紙等の特別な用紙への印刷に対応する場合、既存の設定画面にさらにその特別な用紙への印刷用の設定項目を追加することになるため、設定画面が煩雑になり易く、ユーザが直感的に操作することが難しくなる。
【0005】
本明細書は、印刷パラメータを受け付けるプログラムであって、特別な用紙に印刷を行う際の利便性を向上させる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされたプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能な第1のプログラムであって、前記コンピュータに、プリンタでの印刷に用いる印刷パラメータの入力を第1設定画面によって受け付ける第1受付処理を実行させ、前記第1設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、第1項目と第2項目とが含まれ、前記第1項目は、標準印刷とは異なる特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われない前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第2項目は、前記特別印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ前記標準印刷に用いられる印刷データの生成に使われる前記印刷パラメータの設定項目であり、前記第1設定画面によって受け付けられた前記印刷パラメータを使って、印刷データを生成可能であり、さらに前記第1受付処理にて前記印刷パラメータのうち前記第1項目を受け付けた場合、前記コンピュータに、第2のプログラムが前記情報処理装置にインストールされているか否かを判断する第2プログラム判断処理を実行させ、前記第2のプログラムは、前記コンピュータによって実行可能であり、前記印刷パラメータの入力を第2設定画面によって受け付け、前記第2設定画面にて受け付けられる前記印刷パラメータの項目には、前記第1項目が含まれ、前記第2項目が含まれず、さらに前記第2プログラム判断処理にて前記第2のプログラムがインストールされていないと判断した場合、前記コンピュータに、前記第2のプログラムを前記情報処理装置にインストールするための第1処理を実行させる、ことを特徴としている。
【0007】
本明細書に開示されるプログラムを実行することで、情報処理装置は、特別印刷用の第1項目も標準印刷用の第2項目も含まれる設定画面にて第1項目を受け付けた場合、第2のプログラムがインストールされていなければ、第2のプログラムをインストールするための第1処理を実行する。第2のプログラムは、第1項目が含まれ第2項目が含まれない設定画面であって、受け付け項目の数が少ないシンプルな設定画面によって、印刷パラメータの入力を受け付けるプログラムである。第1処理を実行することで、特別な用紙に印刷を行う特別印刷の際に第2のプログラムの利用が期待でき、シンプルな設定画面を表示可能となることから、ユーザが直感的に操作し易く、利便性が向上する。
【0008】
上記プログラムの機能を実現する情報処理装置、プログラムの機能を実現するための制御方法、プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に開示される技術によれば、印刷パラメータを受け付けるプログラムであって、特別な用紙に印刷を行う際の利便性を向上させる技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態にかかるPCの概略構成図である。
【
図2】汎用処理の手順を示すフローチャートである。
【
図3】汎用プリンタドライバによる印刷設定画面の例を示す説明図である。
【
図6】専用インストール処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】専用プリンタドライバによる印刷設定画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、プログラムを具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は、印刷機能を有する装置であるプリンタに接続可能なパーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)にて実行されるプログラムを開示するものである。
【0012】
本形態のPC1は、例えば、
図1に示すように、プリンタ2と互いに通信可能に接続されている。PC1は、プリンタ2に各種の機能を行わせるための各種のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)を実行可能な装置である。さらに、PC1は、インターネット100等を介して、ウェブサーバ3と接続可能である。PC1は、情報処理装置の一例である。PC1に代えて、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータであっても良い。
【0013】
本形態のプリンタ2は、少なくとも印刷媒体への画像の印刷を行う印刷機能と、PC1との通信を行う通信機能と、を有する装置である。なお、印刷媒体は、紙に限らず、布、フィルム等であっても良いが、以下では、印刷媒体のサイズを、単に「用紙サイズ」とする。また、用紙サイズのうち、プリンタ2における印刷媒体の搬送方向のサイズを「用紙高さ」、プリンタ2における印刷媒体の搬送方向に直交する方向のサイズを「用紙幅」とする。
【0014】
本形態のプリンタ2は、定型サイズ(例えば、国際規格A判、米国規格レター)などのカット紙を給紙可能に載置するための常設の給紙トレイを備え、さらに、着脱可能な給紙トレイの装着が可能である。そして、本形態のプリンタ2は、着脱可能な給紙トレイとして、ロール紙を給紙可能に載置するためのロール紙用トレイ、長尺カット紙を給紙可能に載置するための長尺紙用トレイ、が装着可能である。プリンタ2は、ロール紙用トレイまたは長尺紙用トレイが装着されることで、ロール紙または長尺カット紙への印刷が可能な装置である。ロール紙または長尺カット紙への印刷は、特別印刷の一例である。定型サイズのカット紙、すなわち定型サイズ紙への印刷は、標準印刷の一例である。
【0015】
長尺カット紙は、例えば、用紙高さが用紙幅よりも極端に長い、あるいは、定型サイズに比較して用紙幅に対する用紙高さの比が大きい、などの理由で、常設の給紙トレイには、給紙可能に載置することが困難なサイズである。なお、プリンタ2は、長尺カット紙を給紙可能に載置できる多目的トレイをさらに備えていても良い。
【0016】
ロール紙は、ロール状に巻かれた用紙であり、ロール紙用トレイを装着することで、プリンタ2は、ロール紙を巻きだして給紙しつつ印刷することができる。また、本形態のプリンタ2は、ロール紙用トレイのオプションとして、印刷済みの部分を切り離して排出するためのカッターの装着が可能である。以下では、ロール紙と長尺カット紙とをまとめて、「長尺紙」とする。ロール紙用トレイなど、長尺紙を給紙可能に載置できる給紙トレイは、特定の給紙トレイの一例である。
【0017】
PC1は、
図1に示すように、CPU11と、メモリ14と、を含む制御部10を備えている。さらに、PC1は、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)16と、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)18と、を備え、これらが制御部10に電気的に接続されている。なお、
図1中の制御部10は、PC1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
【0018】
CPU11は、メモリ14から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。CPU11は、コンピュータの一例である。メモリ14は、例えば、HDD、フラッシュメモリであり、各種のプログラム、画像データや文書データ等のデータ、各種設定を記憶する領域として利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリの一例である。
【0019】
メモリの一例は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0020】
通信IF16は、プリンタ2やウェブサーバ3等の外部装置との通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF16の通信方式は、無線でも有線でもよく、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、LAN等、どのような規格の方式でもよいし、複数の方式の構成を含んでいても良い。
【0021】
ユーザIF18は、情報を画面に表示するハードウェアと、ユーザによる入力操作を受け付けるハードウェアと、を含む。ユーザIF18は、表示用のディスプレイと、キーボード、マウス等との組み合わせであっても良いし、表示機能と入力受付機能とを備えるタッチパネルであっても良い。
【0022】
本形態のPC1のメモリ14には、
図1に示すように、オペレーティングシステム(以下、「OS」とする)41と、印刷アプリ42と、汎用プリンタドライバ43と、が組み込まれている。また、メモリ14には、さらに、専用プリンタドライバ44を組み込むことが可能である。OS41は、例えば、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Linux(登録商標)である。汎用プリンタドライバ43は、第1のプログラムの一例であり、専用プリンタドライバ44は、第2のプログラムの一例である。
【0023】
印刷アプリ42は、印刷に関する各種の指示を受け付けるプログラムである。印刷アプリ42は、例えば、印刷を行わせる装置の指定、印刷対象の画像の指定、印刷パラメータの編集指示、印刷実行の指示、を受け付ける。印刷アプリ42は、さらに、印刷対象の用紙の種類やサイズの指定、コピー部数の指定、両面印刷の指示等を受け付けてもよい。
【0024】
汎用プリンタドライバ43と専用プリンタドライバ44とは、いずれも、プリンタ2のモデルに対応し、プリンタ2と通信を行って、プリンタ2の動作を制御するプログラムである。汎用プリンタドライバ43と専用プリンタドライバ44とは、例えば、プリンタ2のベンダによって用意されて、プリンタ2のベンダが管理するウェブサーバ等に公開されており、ユーザの指示に基づいてPC1に組み込み可能なものである。例えば、ウェブサーバ3には、
図1に示すように、汎用プリンタドライバ43を含むインストーラ31と、専用プリンタドライバ44を含むインストーラ32とが記憶されている。なお、インストーラ31とインストーラ32とは、異なる装置に記憶されていても良い。
【0025】
PC1にてプリンタ2を利用するためには、汎用プリンタドライバ43と専用プリンタドライバ44との少なくとも一方が、PC1にインストールされている必要がある。
図1では、汎用プリンタドライバ43がインストールされ、専用プリンタドライバ44がインストールされていない状態のPC1を示しているが、両方がインストールされていても良いし、専用プリンタドライバ44のみがインストールされていても良い。汎用プリンタドライバ43や専用プリンタドライバ44のインストール時には、プリンタ2に対応するプリントキューが生成され、OS41に登録される。印刷アプリ42等は、プリンタ2に印刷を行わせる場合、プリントキューの選択を受け付け、選択されたプリンタドライバを起動する。
【0026】
汎用プリンタドライバ43と専用プリンタドライバ44とは、いずれも、プリンタ2での印刷に関する印刷パラメータの編集指示、例えば、給紙トレイや排紙トレイの選択、用紙サイズの選択、印刷品質の指定、を受け付ける。また、汎用プリンタドライバ43と専用プリンタドライバ44とは、いずれも、OS41から印刷ジョブを受け付けた場合、印刷ジョブにて指定されている画像データと印刷パラメータとに基づいて、印刷データを生成可能である。
【0027】
汎用プリンタドライバ43や専用プリンタドライバ44が受け付ける印刷パラメータには、複数の設定項目が含まれる。印刷パラメータの項目には、長尺紙への印刷に用いられる印刷データの生成に使われ、かつ定型サイズのカット紙への印刷に用いられる印刷データの生成に使われない項目(以下、「長尺のみ項目」とする)と、長尺紙への印刷に用いられる印刷データの生成に使われず、かつ定型サイズのカット紙への印刷に用いられる印刷データの生成に使われる項目(以下、「定型のみ項目」とする)と、長尺紙への印刷に用いられる印刷データの生成にも定型サイズのカット紙への印刷に用いられる印刷データの生成にも使われる項目(以下、「両用項目」とする)と、がある。長尺のみ項目は、第1項目の一例であり、定型のみ項目は、第2項目の一例である。
【0028】
具体的には、長尺のみ項目としては、例えば、カットオプション、がある。カットオプションは、カッターを自動的に動作させるオートカットの指定を受け付ける項目であり、カットオプションの項目にて選択可能なパラメータには、例えば、オートカット、ハーフカット、なし、がある。定型のみ項目としては、例えば、両面印刷、レイアウト印刷、拡縮印刷、がある。両用項目としては、例えば、印字品質の指定、カラー/グレースケール印刷の指定、給紙トレイ、用紙サイズ、がある。
【0029】
本形態の汎用プリンタドライバ43は、定型サイズのカット紙への印刷にも、長尺紙への印刷にも使用可能なプログラムである。汎用プリンタドライバ43は、印刷パラメータとして、全ての定型のみ項目と、全ての両用項目と、長尺のみ項目の多くと、の指定を受け付ける。一方、本形態の専用プリンタドライバ44は、長尺紙への印刷を行う場合に適したプログラムである。専用プリンタドライバ44は、全ての長尺のみ項目と、両用項目の多くと、の指定は受け付けるが、定型のみ項目の指定は受け付けない。
【0030】
本形態の汎用プリンタドライバ43にて選択を受け付ける用紙サイズの情報には、汎用プリンタドライバ43が予め備える定型サイズの用紙名と、ユーザによって定義されて登録されたユーザ定義サイズの用紙の情報とが含まれる。定型サイズの用紙名は、例えば、A4、10×15cm、A5、A6、Letter、Legal、A3、Ledger、である。これらの用紙名は、用紙サイズの選択肢として、それぞれ対応する用紙サイズの情報と共に汎用プリンタドライバ43に設定されている。定型サイズの用紙名は、規定サイズにプレカットされた用紙であるプレカット紙の選択肢である。ユーザ定義サイズの用紙の情報は、プレカット紙の選択肢には含まれない。本形態では、汎用プリンタドライバ43でも専用プリンタドライバ44でも、用紙サイズとして、ユーザ定義サイズの指定を受け付ける。
【0031】
用紙サイズの項目の選択肢には、さらに、長尺カット紙、ロール紙、のサイズが含まれても良い。長尺カット紙やロール紙の用紙サイズが予めプリンタメーカによって用意されていても良い。また、ロール紙の用紙サイズとして、用紙幅のみ選択可能に用意され、用紙高さは不定長とする選択肢があっても良い。そして、長尺カット紙やロール紙の用紙サイズが選択肢に含まれるのは、専用プリンタドライバ44のみであっても良い。また、定型サイズのカット紙の用紙サイズが選択肢に含まれるのは、汎用プリンタドライバ43のみであっても良い。
【0032】
また、給紙トレイの項目にて選択可能なパラメータは、プリンタ2が有する各トレイである。例えば、プリンタ2にロール紙用トレイが装着されている場合、汎用プリンタドライバ43でも専用プリンタドライバ44でも、給紙トレイとしてロール紙用トレイの選択を受け付ける。なお、給紙トレイの項目にて選択可能な選択肢として、ロール紙用トレイや長尺紙用トレイは、専用プリンタドライバ44のみに含まれても良い。また、定型サイズのカット紙のみを給紙可能な給紙トレイがある場合、そのトレイが選択肢に含まれるのは、汎用プリンタドライバ43のみであっても良い。
【0033】
初期設定では、汎用プリンタドライバ43における用紙サイズのデフォルトとして、定型サイズの用紙名が設定されている。専用プリンタドライバ44では、用紙サイズのデフォルトはユーザ定義サイズであり、さらに、プリンタ2にロール紙用トレイが装着されていれば、給紙トレイのデフォルトはロール紙用トレイである。
【0034】
また、専用プリンタドライバ44は、定型のみ項目の指定を受け付けないことから、印刷パラメータとして指定を受け付ける項目数が汎用プリンタドライバ43より少ない。そのため、専用プリンタドライバ44が印刷パラメータの指定を受け付けるための表示画面の構成は、汎用プリンタドライバ43の表示画面よりシンプルな構成となっている。専用プリンタドライバ44は、指定を受け付けない両用項目については、例えば、予め専用プリンタドライバ44に設定されているデフォルトの設定を使用する。
【0035】
長尺のみ項目の一部には、専用プリンタドライバ44のみで受け付け可能であって、汎用プリンタドライバ43では受け付け不可能な項目がある。例えば、プリンタ2に、ロール紙用トレイのオプションとしてカッターが装着されている場合、専用プリンタドライバ44は、カットオプションの項目の指定を受け付けるが、汎用プリンタドライバ43は、カットオプションの項目の指定を受け付けない。カットオプションの項目は、第3項目の一例である。
【0036】
続いて、本形態の各プログラムによる処理について説明する。なお、以下の処理およびフローチャートの各処理ステップは、基本的に、各プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU11の処理を表している。CPU11による処理は、PC1のOS41のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS41の記載を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記載は、「プログラムBがOS41のAPIを用いてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。また、プログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を、省略した文言で記載することがある。例えば、「CPU11が行う」、「プログラムが行う」のように記載することがある。
【0037】
なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU11が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU11がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「要求する」、「指示する」とは、要求していることを示す情報や、指示していることを示す情報を相手に出力することを示す概念である。また、要求していることを示す情報や指示していることを示す情報のことを、単に、「要求」、「指示」とも記載する。
【0038】
また、CPU11による、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPU11による、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであることを示しているか、を判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0039】
まず、本形態の汎用プリンタドライバ43による汎用処理の手順について、
図2のフローチャートを参照して説明する。汎用処理は、印刷アプリ42等のアプリにてプリンタ2が選択された状態で印刷パラメータの編集指示を受け付けたことにより、汎用プリンタドライバ43が起動されたことを契機に、PC1のCPU11にて実行される。なお、汎用プリンタドライバ43が予め起動されていれば、印刷パラメータの編集指示を受け付けたアプリが、汎用プリンタドライバ43に指示したことを契機に汎用処理が実行される。
【0040】
汎用処理では、CPU11は、まず、選択されている状態である印刷パラメータを取得する(S101)。汎用プリンタドライバ43の起動時に、CPU11は、メモリ14の汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に記憶されている印刷パラメータを読み出し、所定のデータ構造体に記憶させる。このデータ構造体は、印刷アプリ42等のアプリと汎用プリンタドライバ43とが共用する領域であり、アプリと汎用プリンタドライバ43とのいずれからも編集されることがある。データ構造体は、印刷アプリ42等のアプリの実行中に限って一時的に利用される領域であり、アプリの終了時には破棄される。S101では、CPU11は、このデータ構造体に記憶されている印刷パラメータを読み出す。以後の処理では、CPU11は、読み出した印刷パラメータを参照し、編集する。なお、データ構造体は、専用プリンタドライバ44とも共用される領域であっても良い。
【0041】
一方、汎用プリンタドライバ43用の記憶領域は、汎用プリンタドライバ43がPC1にインストールされた際に設けられる領域であり、例えば、レジストリ、設定ファイルである。汎用プリンタドライバ43用の記憶領域は、汎用プリンタドライバ43や印刷アプリ42等のアプリの実行状況にかかわらず保持される領域であり、恒久的に使用される。汎用プリンタドライバ43のインストール時には、汎用プリンタドライバ43のインストーラ、OS41、インストール直後の汎用プリンタドライバ43、などがその記憶領域に各種の情報を記憶させる。汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に記憶される情報としては、例えば、印刷パラメータ、モデル情報があり、インストール後に編集される情報もある。
【0042】
印刷パラメータは、印刷をプリンタに指示するために用いられるパラメータである。モデル情報は、この汎用プリンタドライバ43が印刷を指示するプリンタのモデルを示す情報である。汎用プリンタドライバ43は、例えば同じ製品シリーズ内の複数のモデルに対応するプログラムであり、汎用プリンタドライバ43のインストール時に、使用するプリンタ(本形態ではプリンタ2)のモデル情報が記憶される。汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に記憶される情報に基づいて、汎用プリンタドライバ43は、制御対象のプリンタのモデルを認識できる。
【0043】
そして、CPU11は、ユーザIF18に印刷設定画面を表示させ(S102)、その印刷設定画面に、S101にて取得した印刷パラメータを表示させる。印刷設定画面の例を
図3に示す。印刷設定画面51には、例えば、用紙種類の選択欄511と、用紙サイズの選択欄512と、給紙トレイの選択欄513と、OKボタン514と、キャンセルボタン515と、が表示される。CPU11は、印刷設定画面51に表示させた各選択欄や各ボタンへの操作を受け付ける。CPU11は、例えば、各選択欄511、512、513へのユーザの操作を受け付けると、選択可能な選択肢の一覧を表示させる。印刷設定画面51は、第1設定画面の一例である。
【0044】
なお、汎用プリンタドライバ43は、専用プリンタドライバ44よりも多数の項目について、印刷パラメータの編集を受け付け可能である。そのため、印刷設定画面51には、
図3に示すように、複数のタブ51A、51B等が設けられており、CPU11は、指定されたタブの設定画面を表示させる。S102では、CPU11は、印刷設定画面51のうち、初期画面として、基本的な印刷パラメータの編集を受け付ける基本タブ画面51Aを表示させる。
【0045】
CPU11は、印刷設定画面51への入力により設定を変更する指示を受け付けたか否かを判断する(S103)。S103は、第1受付処理の一例である。設定変更の指示を受け付けていないと判断した場合(S103:NO)、CPU11は、印刷設定画面51にてOKボタン514への操作を受け付けたか否かを判断する(S104)。OKボタン514への操作を受け付けていないと判断した場合(S104:NO)、CPU11は、キャンセルボタン515への操作を受け付けたか否かを判断する(S105)。キャンセルボタン515への操作を受け付けていないと判断した場合(S105:NO)、CPU11は、S103~S105の判断を繰り返す。
【0046】
設定変更の指示を受け付けたと判断した場合(S103:YES)、CPU11は、受け付けた指示が長尺紙への印刷を指定するものであるか否かを判断する(S106)。CPU11は、例えば、用紙種類の選択欄511にてロール紙または長尺カット紙が選択された場合、用紙サイズの選択欄512にて長尺紙と判定されるサイズやユーザ定義サイズが選択された場合、給紙トレイの選択欄513にてロール紙用トレイまたは長尺紙用トレイが選択された場合に、長尺紙への印刷が指定されたと判断する。なお、長尺紙と判定される用紙サイズは、用紙高さが、汎用プリンタドライバ43に設定されている所定の閾値より大きいサイズである。所定の閾値は、汎用プリンタドライバ43にて選択可能な定型サイズのカット紙の用紙高さのうち、最大の用紙高さであっても良いし、その最大の用紙高さに所定量を加算したサイズであっても良いし、その最大の用紙高さに1より大きい所定の数を積算したサイズであっても良い。
【0047】
受け付けた指示が長尺紙への印刷の指定ではないと判断した場合(S106:NO)、CPU11は、受け付けた指示に基づいて印刷設定画面51を変更し、S103に戻って、S103~S105の判断を繰り返す。
【0048】
長尺紙への印刷の指定であると判断した場合(S106:YES)、CPU11は、PC1に専用プリンタドライバ44がインストール済みであるか否かを判断する(S107)。S107は、第2プログラム判断処理の一例である。CPU11は、例えば、メモリ14内の専用プリンタドライバ44が記憶されるフォルダ等の有無、専用プリンタドライバ44用の記憶領域としてのレジストリ等の有無、専用プリンタドライバ44がプリントキューに対応付けられているか否か、に基づいて、S107の判断を行う。PC1に専用プリンタドライバ44がインストール済みであれば、PC1は専用プリンタドライバ44を利用できる。
【0049】
専用プリンタドライバ44がインストール済みであると判断した場合(S107:YES)、CPU11は、専用プリンタドライバ44を利用可能であることを報知するメッセージである報知メッセージを、ユーザIF18に表示させる(S108)。
【0050】
報知メッセージの例を
図4に示す。
図4に示す報知メッセージ52では、専用プリンタドライバ44が利用可能であることを報知するメッセージと、OKボタン521と、が表示される。CPU11は、OKボタン521への入力を受け付けるまで待機する。OKボタン521への入力を受け付けたら、S103に戻って、S103~S105の判断を繰り返す。なお、
図4の例の報知メッセージ52中の「標準ドライバー」は、汎用プリンタドライバ43の具体的な名称である。また、汎用プリンタドライバ43を標準プリンタドライバと呼んだり、汎用処理を標準処理と呼んでも良い。
【0051】
一方、専用プリンタドライバ44がインストール済みではないと判断した場合(S107:NO)、CPU11は、専用プリンタドライバ44のインストールを勧める推奨メッセージを、ユーザIF18に表示させる(S109)。
【0052】
推奨メッセージの例を
図5に示す。
図5に示す推奨メッセージ53では、専用プリンタドライバ44のインストールを推奨するメッセージと、インストールする指示を受け付ける「はい」ボタン531、インストールしない指示を受け付ける「いいえ」ボタン532と、が表示される。そして、CPU11は、「はい」ボタン531または「いいえ」ボタン532のいずれかへの入力を受け付ける。推奨メッセージ53には、専用プリンタドライバ44を利用することで、オートカット機能の指定が可能になる通知も含まれる。S109は、項目通知処理の一例である。
【0053】
CPU11は、「はい」ボタン531への入力を受け付けたか否かを判断する(S110)。受け付けていないと判断した場合(S110:NO)、CPU11は、「いいえ」ボタン532への入力を受け付けたか否かを判断する(S111)。「いいえ」ボタン532への入力も受け付けていないと判断した場合(S111:NO)、CPU11は、いずれかの入力を受け付けるまで待機する。S110およびS111は、選択処理の一例である。
【0054】
「はい」ボタン531への入力を受け付けたと判断した場合(S110:YES)、CPU11は、専用プリンタドライバ44のインストーラをダウンロードする(S112)。専用プリンタドライバ44のインストーラ32は、例えば、デバイスのベンダによって管理されるウェブサーバ3(
図1参照)上に公開されており、汎用プリンタドライバ43はその記憶場所を示す情報を有している。ダウンロードが完了したら、CPU11は、ダウンロードしたインストーラ32を起動する(S113)。S112とS113とは、第1処理の一例である。インストーラ32による処理の詳細については、後述する。
【0055】
インストーラ32を起動した後、CPU11は、汎用処理を終了する。この場合、編集中の印刷パラメータは破棄される。なお、インストーラ32のダウンロードやインストールまで行う代わりに、インストーラ32へのアクセス先を報知する、単にインストールを推奨する、としても良い。また、ダウンロード完了後、インストールを実行するか否かをユーザに問い合わせても良い。また、インストール開始時に、編集中の印刷パラメータを一時的な情報として記憶しても良い。さらに、一時的な情報として記憶した印刷パラメータを、専用プリンタドライバ44のインストーラ32が読み出して、専用プリンタドライバ44の印刷パラメータとして設定可能なもののみ専用プリンタドライバ44に設定しても良い。また、専用プリンタドライバ44が、初回の起動時に、一時的な情報を印刷パラメータとして設定する処理を行っても良い。
【0056】
一方、推奨メッセージ53にて「いいえ」ボタン532への入力を受け付けたと判断した場合(S111:YES)、CPU11は、S103に戻って、S103~S105の判断を繰り返す。
【0057】
そして、印刷設定画面51にてOKボタン514への操作を受け付けたと判断した場合(S104:YES)、CPU11は、表示中の印刷設定画面51の各設定を印刷パラメータとして決定し(S114)、決定した印刷パラメータをデータ構造体に書き込んで、汎用処理を終了する。なお、CPU11は、S114にて決定した印刷パラメータを汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に記憶させても良い。
【0058】
一方、印刷設定画面51にてキャンセルボタン515への操作を受け付けたと判断した場合(S105:YES)、CPU11は、表示中の印刷設定画面51にて受け付けた編集を破棄して(S115)、汎用処理を終了する。すなわち、CPU11は、編集された印刷パラメータをデータ構造体や汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に書き込まず、編集結果を破棄する。
【0059】
なお、汎用プリンタドライバ43は、印刷アプリ42等のアプリからの指示に限らず、例えば、OS41、汎用プリンタドライバ43のメーカが提供する関連ツール、から印刷パラメータの編集指示を受け付けた場合にも、汎用処理を実行する。この場合、CPU11は、S114にて決定した印刷パラメータを汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に記憶させる。つまり、編集後の印刷パラメータは、恒久的なものとなる。なお、OS41または各種の関連ツールやアプリが、汎用プリンタドライバ43用の記憶領域に編集後の印刷パラメータを記憶させても良い。
【0060】
印刷アプリ42等のアプリから汎用プリンタドライバ43が起動されたことにより、CPU11が汎用処理を実行した場合、S114またはS115の後に汎用処理を終了した後も、印刷アプリ42等が終了されるまで、データ構造体は保持される。印刷アプリ42等は、汎用プリンタドライバ43による汎用処理の終了の通知を受け取った後、当該アプリにて受け付け可能な各種の指示を受け付ける。印刷アプリ42等によっては、印刷パラメータとして、ユーザ定義サイズの用紙サイズの指定やトレイの選択を受け付ける場合もある。そして、印刷アプリ42等は、印刷パラメータの編集指示を受け付けることなく、印刷の実行指示を受け付ける場合もある。印刷アプリ42等にてプリンタ2での印刷実行の指示を受け付けた場合にも、汎用プリンタドライバ43は起動される。
【0061】
次に、本形態の専用プリンタドライバ44のインストーラ32による専用インストール処理の手順について、
図6のフローチャートを参照して説明する。専用インストール処理は、インストーラ32がPC1にダウンロードされ、PC1にてインストーラ32が起動されたことを契機に、PC1のCPU11にて実行される。専用プリンタドライバ44のインストーラ32は、前述した汎用処理のS113、あるいは、ユーザによる直接の実行指示を受け付けたことで起動される。
【0062】
専用インストール処理では、CPU11は、まず、PC1に汎用プリンタドライバ43がインストール済みであるか否かを判断する(S203)。S203は、第1プログラム判断処理の一例である。汎用処理のS113にてインストーラ32が起動された場合には、CPU11は、S203にてYESと判断する。一方、インストーラ32が単独で起動された場合には、汎用プリンタドライバ43がインストール済みではない場合もあり、その場合には、CPU11は、S203にてNOと判断する。単独で起動された場合、CPU11は、例えば、汎用処理のS107にて専用プリンタドライバ44について行った判断と同様に、汎用プリンタドライバ43がインストール済みであるか否かを判断する。
【0063】
汎用プリンタドライバ43がインストール済みであると判断した場合(S203:YES)、CPU11は、汎用プリンタドライバ43に登録されているデバイスの情報を取得する(S204)。
【0064】
汎用プリンタドライバ43がインストール済みである場合、CPU11は、汎用プリンタドライバ43のインストール時に、PC1に接続されているデバイスを検索し、各デバイスからモデル情報等の情報を得て、プリントキューや接続ポートを生成している。本形態では、汎用プリンタドライバ43と対応付けてプリンタ2がOS41に登録されているので、CPU11は、S204では、汎用プリンタドライバ43からプリンタ2のプリントキューや接続ポートの情報を取得できる。
【0065】
汎用プリンタドライバ43がインストール済みではないと判断した場合(S203:NO)、CPU11は、汎用プリンタドライバ43のインストールを勧める推奨メッセージを、ユーザIF18に表示させる(S205)。S205にて表示させるメッセージは、汎用処理のS109にて表示させる推奨メッセージ53と類似のものであり、汎用プリンタドライバ43を使用することで、専用プリンタドライバ44では指定できない項目への指定か可能となることを通知するメッセージである。このメッセージには、さらに、汎用プリンタドライバ43をインストールする指示を受け付けるボタンと、インストールしない指示を受け付けるボタンと、が含まれる。
【0066】
CPU11は、インストールする指示を受け付けたか否かを判断する(S206)。インストールしない指示を受け付けたと判断した場合(S206:NO)、CPU11は、PC1に接続されているデバイスを検索し(S207)、検索された各デバイスからモデル情報等の情報を取得する。具体的には、CPU11は、プリンタ2からモデル情報等の情報を取得する。
【0067】
S204またはS207の後、CPU11は、PC1に接続されているデバイスに長尺紙への印刷が可能なプリンタが含まれているか否かを判断する(S208)。CPU11は、S204にて取得したデバイスの情報、または、S207にて検索された各デバイスのモデル情報に基づいて、長尺紙への印刷が可能なモデルであるか否かを判断する。また、CPU11は、各デバイスに装着されている給紙トレイの情報をも取得し、長尺紙用のトレイが装着されているデバイスの有無に基づいて、S208の判断を行っても良い。
【0068】
長尺紙への印刷が可能なプリンタが含まれていないと判断した場合(S208:NO)、CPU11は、長尺紙への印刷が可能なプリンタを接続するように促すメッセージをユーザIF18に表示させ(S209)、OKまたはキャンセルのユーザの入力を受け付ける。CPU11は、OKの指示入力を受け付けたか否かを判断する(S210)。OKの指示入力を受け付けたと判断した場合(S210:YES)、CPU11は、S205に戻って、再びデバイス検索を行い、長尺紙用のプリンタが接続されたか否かを判断する。
【0069】
OKではなく、キャンセルの指示入力を受け付けたと判断した場合(S210:NO)、CPU11は、専用インストール処理を終了する。専用プリンタドライバ44は、長尺紙への印刷を行うためのプログラムであり、長尺紙への印刷が可能なプリンタが接続されていない場合には、専用プリンタドライバ44をインストールする必要はない。なお、S209は、汎用プリンタドライバ43がインストール済みであるか、あるいは、S206にてインストールしない選択を受け付けた後に実行される処理であることから、S209にて表示されるメッセージには、汎用プリンタドライバ43のインストールに関する問い合わせは含まれない。
【0070】
長尺紙用のプリンタが含まれていると判断した場合(S208:YES)、CPU11は、長尺紙への印刷が可能なプリンタの一覧をユーザIF18に表示させ(S211)、使用するデバイスの選択を受け付ける。プリンタの一覧の例を
図7に示す。CPU11は、例えば、
図7に示すように、専用プリンタドライバ44のインストール中であることを示すウィンドウ中にプリンタの一覧画面54を表示させ、ユーザの選択を受け付ける。一覧画面54では、S204にて情報が取得できた場合には、汎用プリンタドライバ43に設定されているプリントキューの情報を表示する。
【0071】
そして、CPU11は、プリンタの選択を受け付けたか否かを判断する(S212)。CPU11は、1以上のプリンタが選択された状態で「次へ」ボタンへの入力を受け付けた場合、選択中のプリンタを専用プリンタドライバ44で使用するデバイスに決定する。プリンタの選択を受け付けたと判断した場合(S212:YES)、CPU11は、専用プリンタドライバ44をインストールする(S213)。CPU11は、プログレスバーなどで進捗状況を表示させても良い。S213は、インストール処理の一例である。なお、専用プリンタドライバ44をインストールすることで、メモリ14には、専用プリンタドライバ44用の記憶領域が設けられる。さらに、専用プリンタドライバ44のインストーラ32は、長尺紙用の印刷パラメータを予め備えており、専用プリンタドライバ44用の記憶領域にその印刷パラメータを記憶させる。
【0072】
プリンタの選択を受け付けるのではなく、専用プリンタドライバ44のインストールをキャンセルする指示を受け付けたと判断した場合(S212:NO)、CPU11は、専用インストール処理を終了する。
【0073】
専用プリンタドライバ44をインストールする際に、CPU11は、S212にて選択された各プリンタについて、プリントキューを生成する。汎用プリンタドライバ43がインストール済みであれば、CPU11は、S204にてプリンタ2の情報を取得できるので、取得した情報に基づいて、専用プリンタドライバ44のプリントキューを生成する。例えば、
図7に示した一覧画面54からプリンタ2のデバイス名「MFC-J」が長尺紙用プリンタとして選択された場合、この名称「MFC-J」に、長尺紙用であることを示す情報を加えて、専用プリンタドライバ44のプリントキューの名称とする。このようにすれば、印刷アプリ42等のデバイス選択画面では、例えば
図8に示すように、同じモデル名であって、長尺紙への印刷を示す「(長尺用)」が付加されているデバイス名と付加されていないデバイス名とが併記されることから、ユーザにとって選択し易い。さらに、CPU11は、生成した長尺紙用のプリントキューを、デフォルトのプリントキューとしてOS41に登録する。
【0074】
専用プリンタドライバ44をインストールした後、CPU11は、利用ガイドのリンクを示すガイドメッセージをユーザIF18に表示させる(S214)。S214は、手順通知処理の一例である。専用プリンタドライバ44による印刷設定画面の構成は、汎用プリンタドライバ43とは異なり、少数の項目のみを受け付ける。汎用プリンタドライバ43に慣れたユーザであっても、専用プリンタドライバ44における印刷パラメータの設定手順について、利用ガイドを確認してもらうことが望ましい。CPU11は、利用ガイドを確認済みであるか否かを判断する(S215)。
【0075】
ガイドメッセージの例を
図9に示す。
図9に示すガイドメッセージ56には、利用ガイドのリンク先を示すリンク情報561、確認済み指示を受け付けるチェックボックス562、次へ進む指示を受け付ける次へボタン563、が含まれる。次へボタン563は、チェックボックス562への入力受け付け後に入力可能となる。CPU11は、次へボタン563への入力を受け付けた場合、利用ガイドを確認済みであると判断する。利用ガイドには、例えば、長尺紙用トレイやオートカットユニットなどの長尺紙への印刷に使用可能なオプションハードウェアの装着を促すメッセージ、その装着方法、長尺紙用の印刷パラメータの説明、その設定方法、が含まれる。利用ガイドを通知することで、ユーザは専用プリンタドライバ44を利用しやすい。なお、利用ガイドのリンク先を示す代わりに、利用ガイドを自動的にダウンロードして、テキストや図で表示しても良い。
【0076】
利用ガイドを確認済みではないと判断した場合(S215:NO)、CPU11は、確認済みとなるまで待機する。利用ガイドを確認済みであると判断した場合(S215:YES)、CPU11は、専用インストール処理を終了する。これにより、長尺紙への印刷を行うユーザは、専用プリンタドライバ44を利用して容易に印刷パラメータを決定することができる。
【0077】
一方、汎用プリンタドライバ43がインストール済みではなく、汎用プリンタドライバ43をインストールする指示を受け付けたと判断した場合(S206:YES)、CPU11は、汎用プリンタドライバ43のインストーラ31をダウンロードする(S216)。専用プリンタドライバ44のインストーラ32は、汎用プリンタドライバ43のインストーラ31の記憶場所を示す情報を有しており、CPU11は、通信IF16を介してウェブサーバ3にアクセスして、インストーラ31をダウンロードする。
【0078】
汎用プリンタドライバ43のインストーラ31のダウンロードが完了したら、CPU11は、ダウンロードしたインストーラ31を起動する(S217)。S216とS217とは、第2処理の一例である。CPU11は、汎用プリンタドライバ43のインストール完了後、専用プリンタドライバ44をインストールする処理を続行する。CPU11は、S217の後、S207に進み、デバイス検索を行う。なお、汎用プリンタドライバ43のインストールを開始した場合、専用インストール処理を終了して、専用プリンタドライバ44のインストールを中止しても良い。
【0079】
なお、汎用プリンタドライバ43のインストールにおいても、CPU11は、S207やS211と同様に、デバイス検索とデバイスの一覧表示を行う。汎用プリンタドライバ43のインストールでは、CPU11は、長尺紙への印刷が不可能なデバイスも表示し、長尺紙への印刷が不可能なデバイスの選択をも受け付ける。
【0080】
専用プリンタドライバ44がインストールされれば、
図8に示したように、長尺用のプリントキューの選択が可能となる。長尺用のプリントキューが選択された状態で印刷アプリ42等のアプリにて印刷パラメータの編集指示や印刷の実行指示を受け付けた場合、専用プリンタドライバ44が起動される。
【0081】
次に、本形態の専用プリンタドライバ44による印刷設定画面の例を
図10に示す。この図の印刷設定画面57は、印刷アプリ42等のアプリにて印刷パラメータの編集指示を受け付け、専用プリンタドライバ44が起動されたことによって表示される。専用プリンタドライバ44は、表示させた印刷設定画面57にて設定入力を受け付ける。専用プリンタドライバ44が印刷設定画面57にて設定入力を受け付ける処理は、第2受付処理の一例である。印刷設定画面57は、第2設定画面の一例である。
【0082】
専用プリンタドライバ44は、デフォルトの印刷パラメータとして長尺紙に適した印刷パラメータが選択された状態となっている。例えば、初期状態の印刷設定画面57では、
図10に示すように、用紙種類の選択欄571にロール紙が、用紙サイズの選択欄572にユーザ定義サイズが、給紙トレイの選択欄573にロール紙用トレイが、それぞれ選択されている。印刷設定画面57には、さらに、オートカットの指定を受け付けるチェックボックス574も表示される。印刷設定画面57では、全ての長尺のみ項目の指定を受け付ける一方で、定型のみ項目については指定を受け付けない。
【0083】
専用プリンタドライバ44にて受け付け可能な項目の数は、汎用プリンタドライバ43に比較して少ない。
図10の例の印刷設定画面57には、タブが設けられておらず、1画面で全ての設定を受け付けることから、ユーザは印刷パラメータを選択し易い。
【0084】
以上、詳細に説明したように、本形態のPC1には、長尺紙への印刷用の印刷パラメータの項目も定型サイズ紙への印刷用の印刷パラメータの項目も設定可能な汎用プリンタドライバ43と、長尺紙への印刷用の印刷パラメータの項目が設定可能であって、定型サイズ紙への印刷用の印刷パラメータの項目が設定不可能である専用プリンタドライバ44とが組み込み可能である。本形態のPC1は、汎用プリンタドライバ43において、専用プリンタドライバ44がインストールされていない状態で、長尺紙への印刷用の印刷パラメータの項目が選択された場合、専用プリンタドライバ44のインストールを推奨する。これにより、専用プリンタドライバ44の利用が期待でき、長尺紙への印刷時にシンプルな設定画面を表示可能となることから、ユーザが直感的に操作し易くなる。
【0085】
さらに、本形態では、専用プリンタドライバ44の設定画面に、汎用プリンタドライバ43では設定できないカットオプションの項目が含まれるので、専用プリンタドライバ44の利用価値が高まる。一方で、汎用プリンタドライバ43では、長尺紙用の項目を減らすことができるため、汎用プリンタドライバ43の設定画面の煩雑化を避けることができる。
【0086】
長尺紙への印刷を行う場合、オプションユニットとして提供され、長尺紙を給紙可能に載置できる給紙トレイを用いる場合が多い。本形態では、そのオプションユニットの給紙トレイが選択された場合に長尺紙に印刷すると見做して専用プリンタドライバ44を推奨するので、ユーザの意向に沿った動作となる。さらに、本形態では、専用プリンタドライバ44を推奨するメッセージに汎用プリンタドライバ43では設定できない項目があることを通知するので、専用プリンタドライバ44の利用価値が高まる。
【0087】
さらに、本形態では、専用プリンタドライバ44のインストールまで行うので、ユーザの手間が少ない。専用プリンタドライバ44をインストールする前に、インストールするか否かの選択を受け付けるので、インストールが不要なユーザの不満を解消できる。なお、インストールしないことが選択された場合、その情報を記憶し、次回からは選択させなくしてもよい。例えば、推奨メッセージに、次回から表示しない指示を受け付けるチェックボックスを設けてもよい。
【0088】
さらに、本形態では、専用プリンタドライバ44をインストールする際、汎用プリンタドライバ43がインストールされていれば、そのプリントキューの情報を用いてプリントキューを生成するので、プリントキューを作成する際の手間が少なく、汎用プリンタドライバ43のプリントキューに関連したプリントキューが生成される。従って、ユーザは、プリントキューの名称によって、専用プリンタドライバ44を用いるか汎用プリンタドライバ43を用いるかを選択できることから、直感的に操作し易くなる。
【0089】
さらに、本形態では、同じプリンタに対応するプリントキューの名称について、汎用プリンタドライバ43用と専用プリンタドライバ44用とで一致させないので、ユーザの困惑を避けることができる。さらに、専用プリンタドライバ44用のプリントキューをデフォルトのプリントキューとするので、専用プリンタドライバ44の使用頻度が高まり、操作性が向上する。
【0090】
さらに、本形態では、専用プリンタドライバ44のインストール時に、汎用プリンタドライバ43のインストールが未完了であれば、汎用プリンタドライバ43のインストールも行うことができる。汎用プリンタドライバ43のインストールも行えば、定型サイズ紙への印刷のための印刷パラメータも受け付け可能となる。
【0091】
なお、本形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、プリンタ2は、印刷単機能の装置に限らず、例えば、原稿読取機能やFAX送受信機能を備えている装置であっても良い。本形態は、プリンタ2に代えて、複合機、コピー機、FAX装置等に接続されるPC1にも適用可能である。また、PC1には、2台以上のプリンタが接続されていても良い。
【0092】
また、各図に示した画面の構成は、いずれも一例であり、図示の例に限らない。例えば、印刷設定画面51では、用紙種類と用紙サイズと給紙トレイとの全ての選択を受け付けるとしたが、一部の選択は別の画面で受け付けてもよいし、それぞれ別の画面であっても良い。また、各メッセージは、文字表示に限らず、音声ガイダンスでも良い。
【0093】
また、本形態では、専用プリンタドライバ44を推奨するメッセージにて、カットオプションとしてオートカットの選択が可能であることを通知するとしたが、項目の通知は、専用プリンタドライバ44のインストール中でも良いし、インストール後でも良いし、通知しなくても良い。
【0094】
また、本形態では、専用プリンタドライバ44のプリントキューをデフォルトのプリントキューとするとしたが、汎用プリンタドライバ43のプリントキューをデフォルトとしても良いし、ユーザの意向を確認しても良い。
【0095】
また、本形態では、汎用プリンタドライバ43は、長尺のみ項目の一部を受け付けないとしたが、例えば、新たなタブを設けることで、全ての長尺のみ項目の受け付けを可能にしても良い。また、専用プリンタドライバ44は、両用項目の一部を受け付けないとしたが、全ての両用項目の指定を受け付けるものでも良い。
【0096】
また、本形態では、汎用処理を汎用プリンタドライバ43の処理として説明したが、本発明のプログラムは、プリンタドライバに限らない。プリンタドライバに代えて汎用の印刷プログラムを備えるOSが搭載された、いわゆるドライバレスの構成を有するPCにも適用可能である。本発明は、例えば、OSの印刷プログラムとは別にPCに組み込まれる印刷に関するプログラム、OSの印刷プログラムと協働して印刷パラメータを受け付けるプログラム、にも適用可能である。
【0097】
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
【0098】
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組合せで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 PC
2 プリンタ
11 CPU
14 メモリ
18 ユーザIF
43 汎用プリンタドライバ
44 専用プリンタドライバ