IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許7392521画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法
<>
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図1
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図2
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図3
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図4
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図5
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図6
  • 特許-画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像表示装置、画像表示プログラム及び画像表示装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20231129BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A61B1/045 622
A61B5/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020036978
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021137273
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 千恵子
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-288612(JP,A)
【文献】特開2006-061469(JP,A)
【文献】国際公開第2012/042966(WO,A1)
【文献】特開2007-075155(JP,A)
【文献】特開2004-321603(JP,A)
【文献】特開2007-260061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して撮影された一連の医用画像の表示画面上への表示を制御する制御部と、
ユーザーによる操作指示を受け付ける操作部と、を備え、
前記制御部は、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御し、
同時に、前記一連の医用画像のサムネイル画像を表示画面上に所定の配列順で表示する制御を行い、
前記サムネイル画像に対する元画像に相当する前記一連の医用画像に関する表示順を、前記サムネイル画像の配列順から独立して非連動で制御する画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像のうち、最後に撮影された医用画像を前記表示画面上へ初期表示させる請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記操作部は、
前記特定操作部に対する特定の操作を、表示画面上のポインタを特定領域上に配置した上での1クリック若しくはダブルクリック、又はタッチスクリーン上の特定領域へのタッチとするか、或いは、特定の1つのハードウエアキーの押下又は特定の複数のハードウエアキーの同時押下としている請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示順を、1ページ内に複数の医用画像を表示する場合には1ページ内の所定の配列順とする請求項1請求項2又は請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示順を、前記一連の医用画像を複数ページに亘り表示する場合にはページ順とする請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記表示順を、撮影した順序と逆の順序とは異なる順序に変更する操作指示を受け付け可能にされ、
前記表示順が、撮影した順序と逆の順序とは異なる順序にあるとき、前記制御部は、前記操作部により前記特定操作部に対する特定の操作による操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する請求項1から請求項のうちいずれか一に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記操作部は、前記サムネイル画像の配列順を変更する操作指示を受け付け可能にされている請求項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像が特定種類の医用画像である場合にのみ、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する請求項1から請求項7のうちいずれか一に記載の画像表示装置。
【請求項9】
連続して撮影された一連の医用画像の表示画面上への表示を制御する制御部と、ユーザーによる操作指示を受け付ける操作部として、コンピューターを動作させるプログラムであって、
前記制御部は、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御し、
同時に、前記一連の医用画像のサムネイル画像を表示画面上に所定の配列順で表示する制御を行い、
前記サムネイル画像に対する元画像に相当する前記一連の医用画像に関する表示順を、前記サムネイル画像の配列順から独立して非連動で制御する画像表示プログラム。
【請求項10】
連続して撮影された一連の医用画像の表示画面上への表示を制御する制御部と、
ユーザーによる操作指示を受け付ける操作部と、を備える画像表示装置の作動方法であって、
前記制御部が、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示の入力を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記操作指示の入力を受け付けると、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御し、
同時に、前記一連の医用画像のサムネイル画像を表示画面上に所定の配列順で表示する制御を行うステップと、
を含み、
前記サムネイル画像に対する元画像に相当する前記一連の医用画像に関する表示順は、前記サムネイル画像の配列順から独立して非連動で制御される画像表示装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PACS(Picture Archiving and Communication System:医療用画像保管・転送システム)の普及により、CR(Computed Radiography) 、CT(Computed Tomography) 、MR( Magnetic Resonance) 、MG(Mammography) 等のモダリティーで撮影された医用画像は、デジタル画像として画像サーバーに保存されている。
クライアント端末のビューアーにより、サーバーから提供される医用画像が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-84890号公報
【文献】特開2017-191466号公報
【文献】特開2018-175366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、内視鏡において胃底部から喉へ向けて撮影していく。
しかし、実際の内視鏡の読影において喉から胃底部へ向けた順序で画像を表示させることで読影診断する。
すなわち、読影で表示する医用画像の順序は、撮影した順序と逆の順序となる。そのため診断医は表示順をわざわざ変更する必要があり煩雑だった。
また、従来のビューアーでは、表示順の設定及び操作が煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、連続して撮影された一連の医用画像を表示するにあたり、撮影した順序と逆の順序で表示させる操作性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための本発明の一形態の画像表示装置は、連続して撮影された一連の医用画像の表示画面上への表示を制御する制御部と、ユーザーによる操作指示を受け付ける操作部と、を備え、前記制御部は、前記操作部の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、前記一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御し、同時に、前記一連の医用画像のサムネイル画像を表示画面上に所定の配列順で表示する制御を行い、前記サムネイル画像に対する元画像に相当する前記一連の医用画像に関する表示順を、前記サムネイル画像の配列順から独立して非連動で制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、連続して撮影された一連の医用画像を表示するにあたり、撮影した順序と逆の順序で表示させる操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】医用画像表示システムのシステム構成図である。
図2】画像サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
図3】クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
図4】内視鏡撮影箇所を示す人体模式図である。
図5】クライアント端末の表示部に表示される表示画面例を示す図である。
図6】クライアント端末の表示部に表示される表示画面例を示す図である。
図7】クライアント端末の表示部に表示される表示画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
〔システム概要〕
図1に、医用画像表示システム100のシステム構成を示す。図1に示すように、医用画像表示システム100は、画像サーバー10と、画像表示装置としてのクライアント端末20と、モダリティー30とが、LAN( Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されて構成されている。通信ネットワークN は、DICOM 規格が適用されている。
【0011】
画像サーバー10は、PACSにより構成され、各種モダリティー30により生成された医用画像の画像データのファイル( 以下、画像ファイルという。) 等を保存し、クライアント端末20等の外部機器からの要求に応じて画像ファイル等を提供する。画像ファイルは、DICOM規格に則った形式で生成されており、医用画像の画像データとヘッダーとから構成される。ヘッダーには、医用画像に関する付帯情報が格納されている。
【0012】
図2に、画像サーバー10の機能的構成を示す。図2に示すように、画像サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)11、操作部12、表示部13、通信部14、ROM (Read Only Memory)15、RAM(Random Access Memory)16、記憶部17を備えて構成され、各部はバス18により接続されている。
【0013】
CPU11は、画像サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、C PU11は、操作部12から入力される操作信号又は通信部14により受信される指示信号に応じて、ROM15に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM16内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0014】
操作部12は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。
【0015】
表示部13は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、CPU11から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0016】
通信部14は、クライアント端末20等の外部機器との間でデータの送受信を行うインターフェースである。
ROM15は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム、当該プ
ログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0017】
RAM16は、CPU11により実行制御される各種処理において、ROM15から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0018】
記憶部17は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。具体的に、記憶部17には、画像DB(Data Base)171が記憶されている。画像DB171には、複数の医用画像の画像ファイルが格納されている。画像ファイルは、各種モダリティー30から送信されたものである。画像ファイルとして、例えば、内視鏡により撮影して得られた消化器官内画像の画像ファイル等が挙げられる。
【0019】
CPU11は、クライアント端末20から医用画像の画像データ又は医用画像の付帯情報の取得要求があった場合に、要求された医用画像の画像データ又は医用画像の付帯情報を記憶部17の画像DB171から読み出し、クライアント端末20に送信する。
【0020】
クライアント端末20は、画像サーバー10から取得した医用画像の画像データに基づいて医用画像を表示させ、当該医用画像の読影を行うための装置であって、PC(Personal Computer)等から構成される。
【0021】
図3に、クライアント端末20の機能的構成を示す。図3に示すように、クライアント端末20は、CPU21、操作部22、表示部23、通信部24、ROM25、RAM26、記憶部27を備え、各部はバス28により接続されている。
【0022】
CPU21は、クライアント端末20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU21は、操作部22から入力される操作信号又は通信部24により受信される指示信号に応じて、ROM25に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM26内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0023】
操作部22は、ユーザーによる操作指示を受け付ける機能部である。操作部22は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU21に出力する。なお、表示画面上のポインタを特定位置に配置して1クリック、ダブルクリックするなどの操作にあっては、操作部22は、表示部23と協働して実現されている。
【0024】
表示部23は、LCDにより構成されるモニター装置であり、CPU21から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。例えば、表示部23は、読影対象となる医用画像を表示する。
【0025】
通信部24は、画像サーバー10等の外部機器との間でデータの送受信を行うインター
フェースである。
【0026】
ROM25は、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、制御プログラム(画像表示プログラムが含まれる)、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0027】
RAM26は、CPU21により実行制御される各種処理において、ROM25から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0028】
記憶部27は、ハードディスク等により構成され、各種データを記憶する。
【0029】
CPU21は、通信部24を介して、画像サーバー10 に対して、記憶部17に記憶されている医用画像の画像データ又は医用画像の付帯情報の取得要求を送信し、画像サーバー10から医用画像の画像データ又は医用画像の付帯情報を取得する。
【0030】
モダリティー30は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する。モダリティー30は、例えば、内視鏡、CR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)、CT(Computed Tomography)、MR(Magnetic Resonance)等によって構成される。モダリティー30は、DICOM規格に則って、患者情報(患者ID、患者名、性別、生年月日、年齢等) 、画像属性情報(UID、撮影日時、検査ID、検査部位、モダリティーLUT、VOI LUT等)等の付帯情報を医用画像の画像ファイルのヘッダーに書き込むことにより、医用画像に付帯情報を付帯させる。
【0031】
〔表示順の制御〕
次に、クライアント端末20における医用画像の表示順の制御につき説明する。
ここではモダリティー30を内視鏡とし、図4に示すように胃底部から喉に向けて医用画像IM01,IM02,IM03,IM04を撮影(検査)したとする(検査IDを「ES01」)とする)。
モダリティー30により医用画像の画像ファイルが生成され、画像サーバー10に格納される。
クライアント端末20からユーザーIDにより画像サーバー10上のPACSにログインする。
クライアント端末20のCPU21は、通信部24を介して、画像サーバー10に対して、記憶部17に記憶されている医用画像の画像ファイルの取得要求を送信し、画像サーバー10から医用画像の画像ファイルを取得する。
【0032】
図5から図7にクライアント端末20の表示部23に表示されるビューアーの表示画面例を示す。表示画面Dには、フォルダのツリー構造D1、サムネイル画像の表示領域D2、サムネイル画像の配列順の変更ボタンD3、選択された医用画像の表示領域D4が含まれる。表示領域D2にサムネイル画像D21,D22が表示されている。図5においては表示領域D4に1画像表示形式が適用されており、選択された医用画像IM04が表示されている。図6においては表示領域D4に2画像表示形式が適用されており、選択された医用画像IM04,IM03が表示されている。図7においては表示領域D4に2×2画像表示形式が適用されており、選択された医用画像IM04,IM03,IM02,IM01が表示されている。
【0033】
CPU21は、画像サーバー10に格納されているフォルダのツリー構造D1を表示部23に表示する。なお、ツリー構造D1は表示上のものであり、必ずしも画像サーバー10内の保存構造を示すものではない。ツリー構造D1には、図4に示したように連続して撮影された一連の医用画像の格納フォルダES01が表示されている。
ユーザーのポインティングデバイスを用いた操作により、ポインタPがフォルダES01上に配置されてダブルクリックされたとする。
これに応じてCPU21は、格納フォルダES01内の一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する。すなわち、図5の場合であれば、最後に撮影した医用画像IM04を表示領域D4に表示し、次ページ送り操作に応じて医用画像IM03、医用画像IM02、医用画像IM01と順次に表示する。次ページ送り操作の例としては、表示領域D4での1クリック操作、スクロール操作、キーボード上の矢印キー操作などである。
【0034】
図6の場合であれば、左を先とする配列順を適用して、表示領域D4内で左に医用画像IM04を、右に医用画像IM03を表示し、次ページ送り操作に応じて医用画像IM02(左に表示)、医用画像IM01(右に表示)と順次に表示する。
図7の場合であれば、上段が先、同じ段では左が先とする配列順を適用して表示する。次ページがある場合も同様である。
【0035】
以上のようにCPU21は、一連の医用画像の表示順を、1ページ内に複数の医用画像を表示する場合には1ページ内の所定の配列順とする。所定の配列順としては、ユーザーによって先から後と理解しやすい順序を適用することが好ましい。
また、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、一連の医用画像を複数ページに亘り表示する場合にはページ順とする。例えば、図5において1ページ目に医用画像IM04、2ページ目に医用画像IM03、3ページ目に医用画像IM02・・・といった順序である。
1ページ内に複数の医用画像を表示し、かつ、複数ページに亘り表示する場合は、以上の双方のルールを適用する、例えば、図6において、1ページ目に医用画像IM04(左),IM03(右)、2ページ目に医用画像IM02(左),IM01(右)といった順序である。
【0036】
以上の表示制御において、格納フォルダES01上でのダブルクリックは、特定操作部に対する特定の操作に相当する。具体的には、表示画面D上のポインタPを特定領域(格納フォルダES01)上に配置した上でのダブルクリックに相当している。格納フォルダES01が特定操作部で、ダブルクリックが特定の操作に相当する。この操作は、格納フォルダES01内の一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御すべきことを指示する操作指示に割り当てられている。
【0037】
また、操作性向上のため、特定の操作は1ステップの操作とすることが好ましい。最初に1クリックした後、さらに他の領域を選択するために1クリックする操作は、2ステップの操作となり、操作が煩雑となる。
図5から図7に示したように特定操作部は、医用画像の表示領域D4が含まれるウィンドウ(表示画面D)において表示されていることが好ましい。何らかの操作により初めて表示される場合は、操作が煩雑になるからである。
【0038】
なお、格納フォルダES01が1クリックで選択された場合、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、表示領域D2に表示されているサムネイル画像の表示順と同じにする。表示領域D2に表示されているサムネイル画像の表示順は、撮影した順序又は撮影した順序と逆の順序である。
また、一連の医用画像の表示順は、画像受信/取込時には、受信した順/取り込んだ順とされる、サムネイル画像を選択する操作により、その選択した順とされるなど、撮影した順序と逆の順序ではなくなる場合がある。
撮影した順序と逆の順序ではない場合において、格納フォルダES01上でのダブルクリック操作があれば、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序とする。
【0039】
以上の「格納フォルダES01上でのダブルクリック」に代えて以下の操作を割り当ててもよい。
CPU21は、表示画面D上に操作ボタンD5を表示し、操作ボタンD5上にポインタPが配置された上で1クリックされたら、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する。対象のフォルダは、格納フォルダES01を1クリックすることで選択する。
したがって、CPU21は、格納フォルダES01が1クリックで選択されたら、撮影した順序で一連の医用画像を表示する。よって、表示領域D4には、医用画像IM01から表示する。
その後、操作ボタンD5上でのダブルクリック操作があれば、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序とする。
さらに操作ボタンD5上でのダブルクリック操作があれば、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序とする。
【0040】
上記の「操作ボタンD5上での1クリック操作」を、タッチスクリーン上の特定領域(操作ボタン)へのタッチに代えたり、或いは、特定の1つのハードウエアキーの押下又は特定の複数のハードウエアキーの同時押下に代えたりしてもよい。
以上のような操作であれば、操作性が良好である。
【0041】
操作部22は、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序とは異なる順序に変更する操作指示を受け付け可能にされている。具体例としては、図6又は図7の複数画像の表示形式において、医用画像をドラッグ&ドロップすることで、順番を変更できるようにされる。
【0042】
この変更操作により、一連の医用画像の表示順が、撮影した順序と逆の順序とは異なる順序にあるとき、CPU21は、上述した特定操作部に対する特定の操作による操作指示が入力されたら、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する。すなわち、CPU21は、撮影した順序と逆の順序に表示順を並べ替える。
特定操作部に対する特定の操作が「格納フォルダES01上でのダブルクリック」の場合は以下の通りである。
一連の医用画像の表示順が、撮影した順序と逆の順序とは異なる順序にあるとき、格納フォルダES01上でのダブルクリック操作があれば、CPU21は、一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序とする。
「操作ボタンD5上での1クリック操作」などでも同様である。
【0043】
CPU21は、一連の医用画像のサムネイル画像D21,D22を表示画面D上に所定の配列順で表示する制御を行う。例えば、表示領域D2においてサムネイル画像D21,D22・・・を撮影した順序で表示する。
その一方でCPU21は、サムネイル画像D21,D22・・・に対する元画像に相当する一連の医用画像IM01,IM02・・・に関する表示順を、サムネイル画像の配列順から独立して非連動で制御する。
すなわち、CPU21は、表示領域D4における医用画像の表示順を制御するとき、これに連動して表示領域D2におけるサムネイル画像D21,D22・・・の表示順を制御することはない。表示領域D4における医用画像の表示順が表示領域D2におけるサムネイル画像の表示順に反映されない。
したがって、サムネイル画像から選択する操作が煩雑になることがない。
【0044】
操作部22は、サムネイル画像の配列順を変更する操作指示を受け付け可能にされている。具体的には、サムネイル画像の配列順の変更ボタンD3上にポインタPを配置して1クリックするたびに、昇順から降順、降順から昇順に切り替えることができる。
この場合も、表示領域D4における表示順は連動しない。表示領域D2におけるサムネイル画像の表示順が表示領域D4における医用画像の表示順に反映されない。
したがって、表示領域D4を通した医用画像の読影が煩雑になることがない。
【0045】
「格納フォルダES01上でのダブルクリック」等の特定操作部に対する特定の操作に、「撮影した順序と逆の順序に表示する」の操作指示を割り当てるか否かは設定可能とされる。この設定は、画像サーバー10において可能とされる。そのためにCPU11は、操作部12を介して設定選択手段(ダイアログボックス上のラジオボタンなど)をシステム管理者に提供し、操作部12を介した設定選択に従って制御する。例えば、「格納フォルダES01上でのダブルクリック」に「撮影した順序と逆の順序に表示する」を割り当てる場合は、上記の通りであるが、これを割り当てない(ラジオボックスをチェックしない)場合は、格納フォルダES01上でダブルクリックしても、なんら表示順は制御されない。
画像サーバー10において設定する場合、ユーザーIDによらず一律に設定を有効にすることとしてもよいし、1又は複数のユーザーIDを指定して設定するようにしてもよい。
【0046】
また、上記設定は、クライアント端末20において可能であってもよい。そのためにCPU21は、操作部22を介して設定選択手段(ダイアログボックス上のラジオボタンなど)をユーザーに提供し、ユーザーからの操作部22を介した設定選択に従って制御する。この場合、設定は、ログインユーザーのユーザーIDに対応した情報として、クライアント端末20から画像サーバー10にアップロードされることとしてもよい。ユーザーIDに基づくログインにより、画像サーバー10からクライアント端末20に同設定に係る情報が送信されて、クライアント端末20において同設定が有効になる。端末が変わってもユーザーIDごとの設定が反映されて利便性が向上する。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、連続して撮影された一連の医用画像を表示するにあたり、撮影した順序と逆の順序で表示させる操作性を向上することができる。
【0048】
以上の撮影した順序と逆の順序にする表示順の制御は、特定種類の医用画像の表示についてのみ適用してもよい。例えば、内視鏡画像についてのみ適用し、その他の種類の画像については当該制御を適用しないこととしてもよい。
この場合、CPU21は、操作部22の特定操作部に対する特定の操作に応じて操作指示が入力されたら、一連の医用画像が特定種類の医用画像である場合にのみ、当該一連の医用画像の表示順を、撮影した順序と逆の順序として表示を制御する。
【0049】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像表示装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0050】
上記実施の形態におけるCPU21の機能の一部は、画像サーバー10のCPUとの共同により実現してもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、医用画像として上部消化器の内視鏡撮影画像を用いた場合について説明したが、撮影部位は上部消化器に限定されず、撮影手段は内視鏡に限定されず、他の部位、他の撮影手段であってもよい。
【0052】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 画像サーバー
11 CPU
12 操作部
13 表示部
14 通信部
17 記憶部
20 クライアント端末
21 CPU
22 操作部
23 表示部
24 通信部
27 記憶部
30 モダリティー
100 医用画像表示システム
D 表示画面
D1 ツリー構造
D2 サムネイル画像の表示領域
D21,D22・・・ サムネイル画像
D3 変更ボタン
D4 医用画像の表示領域
D5 操作ボタン(特定領域)
ES01 医用画像の格納フォルダ(特定領域)
IM01 医用画像
IM02 医用画像
IM03 医用画像
IM04 医用画像
N 通信ネットワーク
P ポインタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7