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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】空調コントローラ
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20231129BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20231129BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20231129BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231129BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F24F11/52
G06F3/14 A
G06F3/0484
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 361
H04Q9/00 331A
G09G5/00 510H
G09G5/00 530T
G09G5/00 530D
G09G5/00 550B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020068596
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165603
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】福田 悠太
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170747(JP,A)
【文献】特開2014-222299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/52
G06F 3/14
G06F 3/0484
H04Q 9/00
G09G 5/00
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に基づいて空調機を制御可能な空調コントローラであって、
電子ペーパを表示媒体とし、空調に関する情報を画像表示可能な表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える画像書替モードとして、第1書替モードと、当該第1書替モードよりも書替前の画像が残像として残りにくい第2書替モードとが設けられており、
前記表示制御部は、
ユーザにより所定の操作が行われたか否かを判定する操作判定手段と、
前記操作判定手段により前記所定の操作が行われたと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第1書替モードにて他の画像に書き替える第1書替手段と、
所定の自動書替条件が成立したか否かを判定する自動書替条件判定手段と、
前記自動書替条件判定手段により前記所定の自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第2書替モードにて他の画像に書き替える第2書替手段と
を有している空調コントローラ。
【請求項2】
前記第2書替モードは、前記表示部に表示されている画像を残像除去用の所定のリフレッシュ表示を経て次の画像に書き替える画像書替モードであり、
前記第1書替モードは、前記表示部に表示されている画像を前記所定のリフレッシュ表示を経由することなく次の画像に書き替える画像書替モードである請求項1に記載の空調コントローラ。
【請求項3】
前記所定のリフレッシュ表示は、前記表示部に表示されている画像の印字パターンを反転させる反転表示及び前記表示部に表示されている画像を消去する消去表示の少なくとも何れかを含む請求項2に記載の空調コントローラ。
【請求項4】
前記自動書替条件判定手段は、予め設定された所定の待機画像以外の画像が前記表示部に表示されている状況下にてユーザによる操作が行われることなく所定時間が経過した場合に、前記所定の自動書替条件である第1自動書替条件が成立したと判定する構成となっており、
前記第2書替手段は、前記自動書替条件判定手段により前記第1自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第2書替モードにて前記所定の待機画像に書き替える手段を有している請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項5】
室内環境に相関のある環境情報を取得する環境情報取得手段を備え、
前記自動書替条件判定手段は、前記室内環境に所定の変化が生じた場合に前記所定の自動書替条件である第2自動書替条件が成立したと判定する構成となっており、
前記第2書替手段は、前記自動書替条件判定手段により前記第2自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を現在の室内環境に対応する画像に前記第2書替モードにて書き替える手段を有している請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項6】
室内環境に相関のある環境情報を取得する環境情報取得手段を備え、
前記第1書替手段は、ユーザの操作に基づいて空調機の駆動用パラメータが変更される場合には、前記表示部に表示されている画像であって変更前の駆動用パラメータに相関のある画像を変更後の駆動用パラメータに相関のある画像に前記第1書替モードにて書き替える手段を有し、
前記第2書替手段は、操作に基づいて変更された前記駆動用パラメータが前記環境情報取得手段により取得された環境情報に基づいて変更される場合には、前記表示部に表示されている画像であって変更前の駆動用パラメータに相関のある画像を変更後の駆動用パラメータに対応する画像に前記第2書替モードにて書き替える手段を有している請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項7】
前記所定の自動書替条件が成立したタイミングで前記所定の操作が行われた場合には、当該所定の操作に基づいた前記第1書替手段による画像の書き替えが優先されるように構成されている請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項8】
前記第1書替手段による画像の書替後は、所定の規制期間が経過するまで前記第2書替手段による画像の書き替えを規制する規制手段を備えている請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項9】
前記所定の操作として、空調制御用のパラメータの調整操作である第1操作と操作メニューの切替操作である第2操作とを含み、
前記第2書替モードによる画像の書き替え中に前記第1操作が行われた場合には、当該第2書替モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該第1操作に対応する画像を表示させるようにして前記第1書替モードによる画像の書き替えを行う一方、前記第2書替モードによる画像の書き替え中に前記第2操作が行われた場合には当該第2書替モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該第2操作に対応する画像を表示させるようにして前記第2書替モードによる画像の書き替えを行うように構成されている請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項10】
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコンが含まれており、
前記表示部における画像の書替態様として、書替前後で前記表示部における同じ位置に前記操作アイコンが表示される第1態様と、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化する第2態様とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部における画像の書替態様が前記第1態様となる場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記表示部における画像の書替態様が前記第2態様となる場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【請求項11】
ユーザの操作に基づいて空調機を制御可能な空調コントローラであって、
電子ペーパを表示媒体とし、空調に関する情報を画像表示可能な表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える画像書替モードとして、第1書替モードと、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、書替前の画像が残像として残りにくい第2書替モードとが設けられており、
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコンが含まれており、
前記表示部における画像の書替態様として、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化しない第1態様と、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化する第2態様とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部における画像の書替態様が前記第1態様となる場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記表示部における画像の書替態様が前記第2態様となる場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している空調コントローラ。
【請求項12】
ユーザにより操作される操作部、前記表示部及び前記表示制御部が設けられたコントローラユニットと、
前記コントローラユニットを着脱可能に保持するホルダと
を備え、
前記コントローラユニットの前記表示部及び前記表示制御部には、当該コントローラユニットの内部電源から電力が供給される構成となっている請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置には、ユーザによって設定温度の変更操作等が行われる空調コントローラと、空調コントローラからの指示に基づいて空調を行う空調機とを備えているものがある。この種の空調装置においては、空調コントローラに空調に関する情報、例えば運転モード(冷房、暖房、除湿、送風)、空調用の調整パラメータ(設定温度、設定風量)等の制御情報や居室の温度、湿度等の環境情報を表示する表示部が設けられていることが多い(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-159922
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば上記各種情報を空調コントローラの操作待ちの期間(待機中)においても表示させたまま維持する構成とすることは、空調状況の確認等を行う際のユーザの利便性を向上させる上で有利である。しかしながら、上述の如く待機中も情報の表示を続けることによりユーザの利便性の向上を図った場合には、空調装置の消費電力が嵩みやすくなり、例えば空調装置の省エネを実現する上で妨げになると想定される。このように、空調装置における消費電力の低減と利便性の向上との両立を図る上で、空調コントローラに係る構成に未だ改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、空調装置における消費電力の低減と利便性の向上とを好適に両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
手段1.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、空調に関する情報を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える画像書替モードとして、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも書替前の画像が残像として残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示制御部は、
ユーザにより所定の操作(例えばメニュー切替操作、温度調整操作、風量調整操作)が行われたか否かを判定する操作判定手段(CPU51においてステップS202,S403等の処理を実行する機能)と、
前記操作判定手段により前記所定の操作が行われたと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第1書替モードにて他の画像に書き替える第1書替手段(CPU51においてステップS203,S207,S404,S406等の処理を実行する機能)と、
所定の自動書替条件(例えばメインメニューへの自動復帰条件、室温変化、風量変化)が成立したか否かを判定する自動書替条件判定手段(CPU51においてステップS208,S303,S309等の処理を実行する機能)と、
前記自動書替条件判定手段により前記所定の自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第2書替モードにて他の画像に書き替える第2書替手段(CPU51においてステップS209,S211,S304,S306,S310,S312等の処理を実行する機能)と
を有している空調コントローラ。
【0008】
空調機は運転開始時に設定された条件で運転が継続されることが多く、空調コントローラが操作される期間は操作待ちの期間と比較して極めて短い。そこで、上述の如く空調コントローラの表示部を電子ペーパにより構成すれば、操作に伴って画像を書き替える際にある程度の電力が必要にはなるものの、空調に関する情報を表示させたまま維持する場合の消費電力を極めて小さくすることができる。例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等によって表示部を構成する場合と比較して、利便性の向上に伴う消費電力の増大を好適に抑制できる。
【0009】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作だけではなく、制御状態(風量)や環境(室温や湿度)の変化を契機として書き替えることがユーザへの情報提供の機能を好適に発揮させる上で好ましい。ここで、上記手段1に示した構成によれば、画像書替モードとして書替速度重視の第1書替モードと、見た目重視の第2書替モードとが書替契機によって使い分けられる。具体的には、ユーザにより所定の操作が行われた場合には画像が第1書替モードにて書き替えられ、室温や風量等の変化等の所定の自動書替条件が成立した場合には画像が第2書替モードにて書き替えられる。ユーザによって空調コントローラが操作される場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くすることができ、所定の自動書替条件が成立した場合にはある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0010】
なお、利便性の向上を図りつつそれに起因した消費電力の増大を抑えることは以下の点においても好ましい。すなわち、電源内蔵による空調コントローラのポータブル化によって更なる利便性の向上を図った場合であっても空調コントローラの電池交換や充電等の頻度が高くなることを回避して、利便性の向上効果を一層好適に発揮させることができる。
【0011】
手段2.前記第2書替モードは、前記表示部に表示されている画像を残像除去用の所定のリフレッシュ表示(反転表示、全明転表示、全暗転表示)を経て次の画像に書き替える画像書替モードであり、
前記第1書替モードは、前記表示部に表示されている画像を前記所定のリフレッシュ表示を経由することなく次の画像に書き替える画像書替モードである手段1に記載の空調コントローラ。
【0012】
本手段2に示すように、第2書替モードによる表示制御においては残像除去用の所定のリフレッシュ表示を組み込んで残像による情報の識別力の低下を抑制し、第1書替モードによる表示制御においては当該所定のリフレッシュ表示を省略して速やかに画像を書き替えることで応答性の低下を抑制する構成とすれば、上記手段1に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0013】
なお、本手段2に示す構成を「前記第1書替モードは、前記表示部に表示されている画像を目標画像に直接書き替える画像書替モードであり、前記第2書替モードは、前記表示部に表示されている画像をリフレッシュ用の画像への書き替えを経由して目標画像に書き替える画像書替モードである手段1に記載の空調コントローラ。」とすることも可能である。
【0014】
手段3.前記所定のリフレッシュ表示は、前記表示部に表示されている画像の印字パターン(例えば白黒)を反転させる反転表示及び前記表示部に表示されている画像を消去する消去表示(全明転表示又は全暗転表示)の少なくとも何れかを含む手段2に記載の空調コントローラ。
【0015】
空調コントローラの表示部を電子ペーパによって構成する場合には、本手段3に示すように、所定のリフレッシュ表示として印字パターン(明暗パターン)の反転表示や画像の消去表示を行う構成とすることで残像を好適に減らすことができる。
【0016】
手段4.前記自動書替条件判定手段は、予め設定された所定の待機画像(メインメニュー用の画像)以外の画像が前記表示部に表示されている状況下にてユーザによる操作が行われることなく所定時間(例えば第1基準時間)が経過した場合に、前記所定の自動書替条件である第1自動書替条件(メインメニューへの復帰条件)が成立したと判定する構成となっており、
前記第2書替手段は、前記自動書替条件判定手段により前記第1自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第2書替モードにて前記所定の待機画像に書き替える手段を有している手段1乃至手段3のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0017】
上記構成によれば、ユーザが操作完了後に空調コントローラを放置等した場合には、空調コントローラが次の操作に備えて所定の待機画像に自動的に書き替えられることとなる。この際、見た目を重視する第2書替モードにて画像の書き替えを行う構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの満足度の向上に好適に寄与できる。
【0018】
手段5.室内環境に相関のある環境情報(例えば温度や湿度)を取得する環境情報取得手段(温度・湿度センサ57)を備え、
前記自動書替条件判定手段は、前記室内環境に所定の変化が生じた場合に前記所定の自動書替条件である第2自動書替条件(画像書替の契機となる温度や湿度の変化)が成立したと判定する構成となっており、
前記第2書替手段は、前記自動書替条件判定手段により前記第2自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を現在の室内環境に対応する画像に前記第2書替モードにて書き替える手段を有している手段1乃至手段4のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0019】
空調コントローラにおいてユーザが空調操作を行う際の目安となる環境情報(室温や湿度)を表示することは、ユーザの満足度の向上を図る上で好ましい。室内環境については時間経過に伴って変化し得るが、このような事象の多くはユーザが空調コントローラに注視していない状況下にて発生すると想定される。そこで、上記事象が発生した場合には、見た目を重視した第2書替モードによる書き替えを行い、ユーザによる空調操作に備える構成とすることでユーザの満足度を好適に向上させることができる。
【0020】
手段6.室内環境に相関のある環境情報(例えば温度や湿度)を取得する環境情報取得手段(温度・湿度センサ57)を備え、
前記第1書替手段は、ユーザの操作(設定温度の変更操作)に基づいて空調機の駆動用パラメータ(風量調整用のパラメータ)が変更される場合には、前記表示部に表示されている画像であって変更前の駆動用パラメータに相関のある画像を変更後の駆動用パラメータに相関のある画像に前記第1書替モードにて書き替える手段を有し、
前記第2書替手段は、操作に基づいて変更された前記駆動用パラメータが前記環境情報取得手段により取得された環境情報に基づいて変更される場合には、前記表示部に表示されている画像であって変更前の駆動用パラメータに相関のある画像を変更後の駆動用パラメータに対応する画像に前記第2書替モードにて書き替える手段を有している手段1乃至手段5のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0021】
本手段6に示す構成によれば、ユーザの操作に基づいて駆動用パラメータが変更される場合には、表示部に表示されている駆動用パラメータに相関のある画像が速度重視の第1書替モードにて書き替えられる。このようにして操作時の画像書替の応答性を高めることでユーザの満足度を向上させることができる。室内環境については時間経過に伴って変化し得るが、このような事象の多くはユーザが空調コントローラに注視していない状況下にて発生すると想定される。そこで、上記事象が発生した場合には、見た目を重視した第2書替モードによる書き替えを行い、ユーザによる空調操作に備える構成とすることでユーザの満足度を好適に向上させることができる。
【0022】
なお、上記手段5及び手段6については、ユーザによる操作から特定の期間を経過するまでに室内環境が変化した場合と、当該特定の期間を経過した後に室内環境が変化した場合とで書替モードを相違させる構成とすることも可能である。例えば、前者の場合には第1書替モードによる書き替えにより応答性を重視し、後者の場合には第2書替モードによる書き替えにより見た目を重視するとよい。
【0023】
手段7.前記所定の自動書替条件が成立したタイミングで前記所定の操作が行われた場合には、当該所定の操作に基づいた前記第1書替手段による画像の書き替え(第1書替モードでの書き替え)が優先されるように構成されている手段1乃至手段6のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0024】
所定の自動書替条件の成立と所定の操作とが重なる場合には、後者を優先して操作→画像書替を速やかに行うことで、自動書替機能が操作時の応答性を低下させる要因になることを好適に回避できる。
【0025】
手段8.前記第1書替手段による画像の書替後は、所定の規制期間が経過するまで前記第2書替手段による画像の書き替えを規制する規制手段を備えている手段1乃至手段7のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0026】
空調コントローラの操作については、設定完了までに複数回の操作が連続して実行される場合がある。そこで、本手段8に示すように、第1書替手段による画像の書き替え後は、第2書替手段による画像の書き替えを一時的に規制する構成とすることで、ユーザの意図に関係なく待ち時間が長い第2書替モードが割り込むことを抑制できる。
【0027】
なお、「前記規制手段により規制されている最中に前記所定の自動書替条件が成立した場合には、前記所定の規制期間が経過するまで前記第2書替手段による書替が遅延される構成となっている手段8に記載の空調コントローラ。」とすることも可能である。
【0028】
手段9.前記所定の操作として、空調制御用のパラメータの調整操作である第1操作(例えば温度調整操作)と操作メニューの切替操作である第2操作(例えばメニュー切替操作)とを含み、
前記第2書替モードによる画像の書き替え中に前記第1操作が行われた場合には、当該第2書替モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該第1操作に対応する画像を表示させるようにして前記第1書替モードによる画像の書き替えを行う一方、前記第2書替モードによる画像の書き替え中に前記第2操作が行われた場合には当該第2書替モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該第2操作に対応する画像を表示させるようにして前記第2書替モードによる画像の書き替えを行うように構成されている手段1乃至手段8のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0029】
パラメータの調整操作である第1操作と比べて操作メニューの切替操作である第2操作については書替前後の画像の違いが顕著になると想定される。そこで、第2書替モードによる画像の書き替え中に第1操作が行われた場合には第1書替モードにて速やかに新たな画像を表示し、第2書替モードによる画像の書き替え中に第2操作が行われた場合には第2書替モードにて残像の影響を抑えた画像を表示することで、実用上好ましい構成を実現できる。
【0030】
手段10.前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコンが含まれており、
前記表示部における画像の書替態様として、書替前後で前記表示部における同じ位置に前記操作アイコンが表示される第1態様(例えば温度設定画面においてUPアイコン83、DOWNアイコン84が操作された場合の書替態様)と、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化する第2態様(例えばメインメニューにおいて運転切替アイコン75、温度設定アイコン77等が操作された場合の書替態様)とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部における画像の書替態様が前記第1態様となる場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記表示部における画像の書替態様が前記第2態様となる場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している手段1乃至手段9のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0031】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作に基づいて書き替えられることとなる。ここで、本手段10に示す構成によれば、書替前後で操作アイコンの配置が変化しない場合には、第1書替モードにて速やかに画像を書き替えることにより、操作待ちとなる時間を短くすることができる。一方、書替前後で操作アイコンの配置が変化する場合には、第2書替モードにてある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替えることにより、残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制できる。これにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0032】
手段11.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、空調に関する情報を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える画像書替モードとして、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、書替前の画像が残像として残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコン(例えば運転切替アイコン75、温度設定アイコン77、UPアイコン83、DOWNアイコン84等)が含まれており、
前記表示部における画像の書替態様として、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化しない第1態様(例えば温度設定画面においてUPアイコン83、DOWNアイコン84が操作された場合の書替態様)と、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化する第2態様(例えばメインメニューにおいて運転切替アイコン75、温度設定アイコン77等が操作された場合の書替態様)とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部における画像の書替態様が前記第1態様となる場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記表示部における画像の書替態様が前記第2態様となる場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している空調コントローラ。
【0033】
空調機は運転開始時に設定された条件で運転が継続されることが多く、空調コントローラが操作される期間は操作待ちの期間と比較して極めて短い。そこで、上述の如く空調コントローラの表示部を電子ペーパにより構成すれば、操作に伴って画像を書き替える際にある程度の電力が必要にはなるものの、空調に関する情報を表示させたまま維持する場合の消費電力を極めて小さくすることができる。例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等によって表示部を構成する場合と比較して、利便性の向上の影響(消費電力の増大)を好適に抑制できる。
【0034】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作に基づいて書き替えられることとなる。ここで、本手段11に示す構成によれば、書替前後で操作アイコンの配置が変化しない場合には、第1書替モードにて速やかに画像を書き替えることにより、操作待ちとなる時間を短くすることができる。一方、書替前後で操作アイコンの配置が変化する場合には、第2書替モードにてある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替えることにより、残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制できる。これにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0035】
手段12.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、前記空調に関する情報を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モードとして、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、書替前の画像が残像となりにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部の画像を第1画像(例えば運転メニュー)から第2画像(例えばメインメニュー)に書き替える書替手段(CPU51においてステップS203,S208,S212,S214等の処理を実行する機能)と、
ユーザにより所定の操作(例えばホームアイコン96の操作)が行われたか否かを判定する操作判定手段(CPU51においてステップS203の処理を実行する機能)と、
所定の自動書替条件(例えばメインメニューへの自動復帰条件)が成立したか否かを判定する条件判定手段(CPU51においてステップS211の処理を実行する機能)と
を有し、
前記書替手段は、前記表示部に前記第1画像が表示されている状況下にて前記操作判定手段により前記所定の操作が行われたと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第1書替モードにて前記第1画像から前記第2画像に書き替える一方、前記表示部に前記第1画像が表示されている状況下にて前記条件判定手段により前記所定の自動書替条件が成立したと判定された場合に、前記表示部に表示されている画像を前記第2書替モードにて前記第1画像から前記第2画像への書き替えるように構成されている空調コントローラ。
【0036】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作だけではなく、制御状態(風量)や環境(室温や湿度)の変化を契機として書き替えることがユーザへの情報提供の機能を好適に発揮させる上で好ましい。ここで、上記手段12に示した構成によれば、画像書替モードとして書替速度重視の第1書替モードと、見た目重視の第2書替モードとが書替契機によって使い分けられる。具体的には、ユーザにより所定の操作が行われた場合には第1書替モードにて第1画像→第2画像に書き替えられ、室温や風量等の変化等の所定の自動書替条件が成立した場合には第2書替モードにて第1画像→第2画像に書き替えられる。ユーザによって空調コントローラが操作される場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くすることができ、所定の自動書替条件が成立した場合にはある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0037】
手段13.ユーザにより操作される操作部、前記表示部及び前記表示制御部が設けられたコントローラユニット(コントローラユニット20)と、
前記コントローラユニットを着脱可能に保持するホルダ(ホルダ30)と
を備え、
前記コントローラユニットの前記表示部及び前記表示制御部には、当該コントローラユニットの内部電源から電力が供給される構成となっている手段1乃至手段12のいずれか1つに記載の空調コントローラ。
【0038】
本手段13に示す構成に手段1等に示した技術的思想を適用すれば、電池交換や充電が頻繁に必要になることを回避して、空調コントローラのポータブル化による利便性の向上効果を好適に発揮させることができる。
【0039】
手段14.手段1乃至手段13のいずれかに記載された空調コントローラと、前記空調コントローラからの指令情報に基づいて動作する空調機(空調機11)とを備えている空調装置。
【0040】
上記構成によれば、空調装置の利便性を好適に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】第1の実施形態における空調装置を示すブロック図。
図2】空調コントローラを正面側から見た概略図。
図3】(a)表示内容を示す概略図、(b)階層の遷移を示す概略図。
図4】操作の流れを例示した概略図。
図5】操作の流れを例示した概略図。
図6】ディスプレイの構造を示す断面図。
図7】残像発生の様子を例示した概略図。
図8】表示制御モードを対比した概略図。
図9】(a)第1表示制御モードにおける表示切替の流れを示す概略図、(b)第2表示制御モードにおける表示切替の流れを示す概略図。
図10】CPUにより実行される表示制御処理を示すフローチャート。
図11】メニュー表示制御処理を示すフローチャート。
図12】室温・風量表示制御処理を示すフローチャート。
図13】パラメータ表示制御処理を示すフローチャート。
図14】各種契機と表示制御モードとの関係を示す概略図。
図15】第2の実施形態におけるパラメータ表示制御処理を示すフローチャート。
図16】リフレッシュ用処理を示すフローチャート。
図17】基本的なリフレッシュの流れを示すタイミングチャート。
図18】更新パターンを示す概略図。
図19】第3の実施の形態における各種契機と表示制御モードとの関係を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<第1の実施形態>
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、住宅等の建物に適用される空調装置に具体化している。
【0043】
図1に示すように、空調装置10は冷暖房及び除湿機能を有する空調機11(空気調和機)と、空調機11用の無線コントローラである空調コントローラ12とを有している。空調コントローラ12では、空調機11の運転モード(冷房モード、暖房モード、除湿モード、送風モード)の切り替え、温度設定、風量や風向きの設定等の各種操作が可能であり、当該操作によって設定が変更された場合にはその旨を示す指令情報を空調機11に送信する。空調機11では受信した指令情報に基づいて運転モード等の切り替えを行う。
【0044】
空調コントローラ12は、ポータブルタイプの操作手段としてのコントローラユニット20と居室の壁面40等に固定されるホルダ30とで構成されており、ホルダ30によってコントローラユニット20が着脱可能に保持されている(図2参照)。コントローラユニット20は、コントローラ本体21と当該コントローラ本体21を表示面21aを露出させるようにして収容するケース体22とで構成されており、この表示面21aに後述する空調情報や操作アイコン等が表示される。
【0045】
コントローラユニット20には、空調コントローラ12における主たる制御を行うCPU51(「表示制御部」に相当)が設けられている。CPU51には、グラフィックIC52を経由してディスプレイ53(「表示部」に相当)が接続されている。グラフィックIC52は、CPU51からの指令情報に基づいてディスプレイ53の表示を制御する。また、CPU51には、タッチIC54を介して静電容量方式のタッチパネル55が接続されている。タッチパネル55はディスプレイ53の正面側に位置するようにして当該ディスプレイ53に積層されており、当該タッチパネル55を通じてディスプレイ53の表示内容を視認可能となるように構成されている。タッチIC54は、タッチパネル55が操作される場合にユーザの指が触れた部分の電流の変化(静電容量の変化)を検出する機能を有しており、その検出情報がタッチIC54からCPU51に出力される。CPU51では、入力された検出情報に基づいて操作の有無や操作の位置の判定を行う。なお、タッチパネル55における操作の検出方式については静電容量方式に限定されるものではなく、抵抗膜方式、電磁誘導方式、超音波方式等の他の方式としてもよい。
【0046】
また、コントローラユニット20には、室内の温度及び湿度を検出する温度・湿度センサ57(「環境情報取得手段」に相当)が設けられている。温度・湿度センサ57はCPU51に接続されており、温度及び湿度の検出情報がCPU51にて把握され、現在の室温等の情報がディスプレイ53に表示される。
【0047】
コントローラユニット20には、電源スイッチ58と、一次電池である内部電源62と、電力供給回路61とが設けられている。電源スイッチ58がON操作されることで電力供給回路61を通じて内部電源62からCPU51、グラフィックIC52、タッチIC54等に電力が供給され、電源スイッチ58がOFF操作されることでCPU51等への電力の供給が遮断される。本実施形態に示すコントローラユニット20においては、電源スイッチ58がONになっている状態ではコントローラ本体21の表示面21a(ディスプレイ53)に空調に関する各種情報(空調情報)、具体的には運転モードや空調用の調整パラメータを示す制御情報及び居室の温度や湿度を示す環境情報等が常時表示される構成となっており(図3(a)参照)、ユーザの利便性の向上が図られている。
【0048】
図3(b)に示すように、表示面21aに表示される画面は、メニュー選択用のメインメニュー画面(第1層)と、運転メニューを切り替えるための運転メニュー画面(第2層)と、設定温度や設定風量等の調整パラメータ(以下、単にパラメータともいう)を個別に設定するための詳細設定画面(第3層)とに切替可能(遷移可能)となっている。これらの画面については、ユーザによる画面切替用の操作やメインニュー画面への復帰条件の成立を契機として切り替わる構成となっている。
【0049】
先ず、図3(a)を参照してメインメニュー画面について説明する。メインメニュー画面においては、上記空調情報と、設定変更用の操作手段としての操作アイコンとが表示される。具体的には、空調情報として、現在の運転モードを示す運転モード表示用画像71と、現在の室内温度を示す室内温度表示用画像72と、現在の設定温度を示す設定温度表示用画像73と、現在の風量(送風量)を示す風量表示用画像74とが表示される。詳細については後述するが、室内温度が変化した場合や風量が変化した場合には、室内温度表示用画像72及び風量表示用画像74が最新の室内温度及び風量に対応する画像となるように随時更新される(切り替えられる)。また、操作アイコンとして、運転モードを切り替えるための運転切替アイコン75と、風量及び風向きを切り替えるためのファン切替アイコン76と、温度設定を変更するための温度設定アイコン77とが表示される。
【0050】
図4に示すように、メインメニュー画面の表示中に運転切替アイコン75が操作(押圧)された場合には、メインメニュー画面から運転メニュー画面に切り替わる。運転メニュー画面においては、運転メニュー画面であることを示す教示画像91と、運転モード選択用の操作アイコンである冷房モード用アイコン92、暖房モード用アイコン93、除湿モード用アイコン94、送風モード用アイコン95と、メインメニュー画面への復帰用操作アイコンである復帰アイコン96とが表示される。つまり、表示される操作アイコンの種類や配置がメインメニュー画面から大きく変更される。
【0051】
図4においては、運転メニュー画面が表示されている状況下にてユーザにより冷房モード用アイコン92が操作された場合について例示している。この場合には、運転モードが冷房モードに切り替わるとともに上記詳細設定画面の1つである温度調整画面に切り替わる。また、メインメニュー画面における温度設定アイコン77については詳細設定画面へのショートカットアイコンとして機能しており、当該温度設定アイコン77がユーザにより操作された場合にも温度調整画面に切り替わる。
【0052】
温度調整画面においては、温度調整画面であることを示す教示画像81と、現在の設定温度を示す設定温度表示用画像82と、温度調整用の操作アイコンであるUPアイコン83及びDOWNアイコン84とが表示される。DOWNアイコン84が操作された場合には設定温度が1°C引き下げられるとともに設定温度表示用画像82が最新の設定温度に対応する画像に更新される(図5参照)。また、UPアイコン83が操作された場合には設定温度が1°C引き上げられるとともに設定温度表示用画像82が最新の設定温度に対応する画像に更新される。なお、設定温度の調整により画像が書き替えられた場合には、設定温度表示用画像82が変更される一方、UPアイコン83等の操作アイコンの種類や位置については変更されない。
【0053】
また、運転メニュー画面が表示されている状況下にて暖房モード用アイコン93が操作された場合についても同様に、温度調整画面に切り替わることで設定温度の調整が可能となる。運転メニュー画面が表示されている状況下にて除湿モード用アイコン94が操作された場合には、運転モードが除湿モードに切り替わるとともに上記詳細設定画面の1つである湿度調整画面に切り替わる。湿度調整画面においては、湿度調整画面であることを示す教示画像と、現在の設定湿度を示す設定湿度表示用画像と、湿度調整用の操作アイコンであるUPアイコン及びDOWNアイコンとが表示される。UPアイコンが操作された場合には設定湿度が1%引き上げられるとともに設定湿度表示用画像が最新の設定湿度に対応する画像に更新され(切り替えられ)、DOWNアイコンが操作された場合には設定湿度が1%引き下げられるとともに設定湿度表示用画像が最新の設定湿度に対応する画像に更新される(切り替えられる)。なお、設定湿度の調整により画像が書き替えられた場合には、設定湿度表示用画像は変更される一方、UPアイコン等の操作アイコンの種類や位置については変更されない。
【0054】
メインメニュー画面の説明に戻り、メインメニュー画面が表示されている最中にファン切替アイコン76が操作された場合には、上記詳細設定画面の1つである風量・風向き調整画面に切り替わることとなる。この風量・風向き調整画面においては、風量・風向き調整画面であることを示す教示画像と、現在の風量を示す設定風量表示用画像と、風向きを示す設定風向き表示用画像と、風量調整用の操作アイコンである風量調整アイコン(UPアイコン、DOWNアイコン、AUTOアイコン)と、風向き調整用の操作アイコンである風向き調整アイコンとが表示される。例えばUPアイコンが操作された場合には設定風量が1レベル引き上げられるとともに設定風量表示用画像が最新の設定風量に対応する画像に更新され(切り替えられ)、DOWNアイコンが操作された場合には設定風量が1レベル引き下げられるとともに設定風量表示用画像が最新の設定風量に対応する画像に更新され(切り替えられ)、AUTOアイコンが操作された場合には設定風量が自動で変更される自動モードとなるとともに設定風量表示画像が自動モードに対応する画像に変更される。なお、設定風量や風向きの調整により画像が書き替えられた場合には、設定風量表示用画像や設定風向き表示用画像は変更される一方、UPアイコン等の操作アイコンの種類や位置については変更されない。
【0055】
上述したように、ユーザによる操作が行われていない操作待ちの期間(待機中)においても上記空調情報を表示させたまま維持する構成とすることは、空調状況の確認等を行う際のユーザの利便性を向上させる上で有利である。しかしながら、上述の如く待機中も情報の表示を続けることでユーザの利便性の向上を図った場合には、空調装置10(特に空調コントローラ12)の消費電力が嵩みやすくなり、例えば空調装置10の省エネを実現する上で妨げになると想定される。ここで、本実施形態においては電気泳動方式の電子ペーパによってディスプレイ53を構築していることを特徴の1つとしている。電気泳動方式の電子ペーパについては、画像を書き替える際にある程度の電力が必要にはなるものの、同じ画像を表示させたまま維持する場合の消費電力を極めて小さくすることができる。これにより、空調コントローラ12の利便性の向上に起因した消費電力の増大を抑制できる。以下、図6を参照してディスプレイ53の具体的に構造について説明する。図6はコントローラユニット20の部分断面図である。
【0056】
ディスプレイ53は、ディスプレイの背面部を構成するフィルム状のベース層101と、ディスプレイの前面部を構成するフィルム状の表面層102と、それらベース層101及び表面層102の間に設けられた中間層103とを有してなる。ベース層101は絶縁性を有しており、その前面側には微小な金属板が当該ベース層101に沿うようにして縦横に配列されてなる電極106が配設されている。表面層102についても絶縁性を有しており、その背面側には透明な導電膜である電極107が配設されている。電極106,107はグラフィックIC52に接続されており、当該グラフィックIC52はCPU51からの指示に基づいて電極106に印加する電圧を制御する。電圧が印加されていない状態では電極106,107は同位となっており、電圧が印加されることにより電極106,107間に電位差が発生する。
【0057】
電極106と電極107との間には各画像のドット(画素)を構成する電気泳動素子としてのマイクロカプセル105が設けられている。マイクロカプセル105は、電極106毎に配設されており、ベース層101と表面層102の間には2次元的に配列された多数のマイクロカプセル105からなる表示層が形成されている。なお、上記中間層103は、電極106,107及びマイクロカプセル105により構成されている。
【0058】
マイクロカプセル105は、無色透明な分散液110(オイル)が充填された球状の透明カプセルと、当該透明カプセル内に封入された多数の白色粒子111及び多数の黒色粒子112とで構成されている。黒色粒子112は負の電荷を帯び且つ白色粒子111は正の電荷を帯びており、電極106,107間に電位差に応じて白色粒子111及び黒色粒子112が変位する。具体的には、電極106が電極107よりも高電位となっている場合には、正に帯電した白色粒子111が電極107側に引き寄せられるとともに、負に帯電した黒色粒子112が電極106側に引き寄せられる。これにより、ディスプレイ53を前面側から見たドットの色は白色となる。これに対して、電極106が電極107よりも低電位となっている場合には、正に帯電した白色粒子111が電極106側に引き寄せられるとともに、負に帯電した黒色粒子112が電極107側に引き寄せられる。これにより、ディスプレイ53を前面側から見たドットの色は黒色となる。
【0059】
ここで、電気泳動方式の電子ペーパについては画面の切り替え(画像の書き替え)が粒子111,112の変位に依存している。このため、電圧を印加して粒子111,112を変位させようとしても、例えば粒子同士が衝突したり、粒子間に引力が働いたりすることで、電極106,107間の粒子111,112の変位が上手く行われなくなる可能性がある。以下、図7を参照して、このような事情が発生した場合の挙動について補足説明する。図7(a)は画像書替の流れを例示した概略図、図7(b)は図7(a)の特定箇所Sにおける粒子の動きを例示した概略図である。
【0060】
画像Aが表示されている状況下にて、画像Bへの書替条件が成立した場合には、画像Bに対応するパターンで各電極106,107に電圧が印加される。具体的には、画像Bにて黒色表示の対象となるドットにおいては電極106が電極107よりも低電位となるように電圧が印加され、白色表示の対象となるドットにおいては電極106が電極107よりも高電位となるように電圧が印加される。
【0061】
画像Aにて黒色表示の対象であり且つ画像Bにて白色表示の対象となる特定箇所Sのドットにおいては、上述した電圧の印加に伴って黒色粒子112が電極106へ向けた変位を開始し、白色粒子111が電極107に向けた変位を開始する。但し、図7に示す例では電圧の印加が終了して電極106,107の電位差がゼロとなった場合であっても、一部の黒色粒子112が電極107側に残り、一部の白色粒子111が電極106側に残ったままとなっている。この場合、本来であれば黒色から白色に変化すべき特定箇所Sのドットの色は薄い黒色(灰色)となる。つまり、画像Bへの書替後も画像Aの残像が薄く残ることとなる。このような残像が強くなることで、書替後の画像Bの視認性(識別性、明瞭さ)が低下し得る。
【0062】
また、画像Bが表示されている状況下にて、画像Cへの書替条件が成立した場合には、画像Cに対応するパターンで各電極106に電圧が印加される。具体的には、画像Cにて黒色表示の対象となるドットにおいては電極106が電極107よりも低電位となるように電圧が印加され、白色表示の対象となるドットにおいては電極106が電極107よりも高電位となるように電圧が印加される。
【0063】
ここで、上記特定箇所Sのドットにおいては白色表示の対象となっており、上述した電圧の印加に伴って黒色粒子112が電極106へ向けた変位を開始し、白色粒子111が電極107に向けた変位を開始する。但し、図7に示す例では電圧の印加が終了して電極106,107の電位差がゼロとなった場合であっても、一部の黒色粒子112が電極107側に残り、一部の白色粒子111が電極106側に残ったままとなっている。この場合、本来であれば黒色から白色に変化すべき特定箇所Sのドットの色は薄い黒色(灰色)のままとなる。つまり、画像Cへの書替後も画像Aの残像が薄く残ることとなる。白色表示に対応する態様で電圧の印加が繰り返されることで残像の程度は緩和され得るものの、灰色の表示が続くことで、書替後の画像Cの視認性(識別性、明瞭さ)が低下し得る。更には、画像Bが新たな残像として残ることで残像が累積し、画像Cの視認性が大きく低下し得る。
【0064】
このような残像の影響については、画像書替の待ち時間を短くして応答性の向上を図ることで顕著となる一方、画像書替に際して残像除去を試みることで緩和できる。本実施形態においては、CPU51が「表示制御部」として機能しており、当該CPU51によるディスプレイ53の表示制御モード(「画像書替モード」に相当)として画像書替の応答性を重視した第1表示制御モードと残像の影響緩和(書替後の画像の視認性)を重視した第2表示制御モードとが併用されていることを特徴の1つとしている(図8参照)。以下、図9を参照して、第1表示制御モード及び第2表示制御モードによる画像の書替態様の違いについて説明する。なお、図9においては説明の便宜上、表示中の画像Xを目標画像である画像Yに書き替える場合について例示している。
【0065】
図9(a)に示すように、第1表示制御モードにより画像Xから画像Yに書き替える場合には、各電極106,107に画像Yに対応した電位差が生じるようにして電圧を印加する。これにより、画像X→画像Yへダイレクトに書き替えられることとなる。画像Yへの書き替えが完了した後は、電極106,107への電圧の印加を終了することで、それ以上の電力の消費が回避される。このような書替態様(以下、直接書替ともいう)によれば、画像書替の待ち時間を少なくして画像書替の応答性を高めることができる。但し、その反面、上述した残像が残りやすくなる。
【0066】
図9(b)に示すように、第2表示制御モードにより画像Xから画像Yに書き替える場合には、4つのフェーズST1~ST4を経由する構成となっている。
【0067】
第1フェーズST1では、画像Xの印字パターン(明暗パターン、白黒)を反転させる。詳しくは、各電極106,107について、電極106が電極107よりも高電位となっているものについては電極106が電極107よりも低電位となるように電圧を印加し、電極106が電極107よりも低電位となっているものについては電極106が電極107よりも高電位となるように電圧を印加する(以下、反転表示という)。続く第2フェーズST2では、反転表示された画像を消去して画面全体を白色とすべく全ての電極106が電極107よりも高電位となるように電圧を印加する(以下、全明転表示という)。
【0068】
全明転表示を実行した後は第3フェーズST3に進み、画像Yを表示する前の準備表示として、画像Yに対して印字パターンが逆となる準備画像を先行表示させる。具体的には、各電極106,107に画像Yに対して印字パターンが逆となる準備画像に対応した電位差が生じるようにして電圧を印加する。その後の第4フェーズST4では、第3フェーズST3にて表示された準備画像の印字パターンを反転させるようにして画像Yを表示せる。詳しくは、各電極106,107について、電極106が電極107よりも高電位となっているものについては電極106が電極107よりも低電位となるように電圧を印加し、電極106が電極107よりも低電位となっているものについては電極106が電極107よりも高電位となるように電圧を印加する。画像Yへの書き替えが完了した後は、電極106,107への電圧の印加を終了することで、それ以上の電力の消費が回避される。
【0069】
なお、本実施形態では、第2表示制御モードにて画像を書き替える場合には各フェーズST1~ST4にて電圧の印加(約70msec)を各々複数回(例えば3~8回)繰り返す構成となっており、第1表示制御モードにて画像を書き替える場合には電圧の印加が1回(約70msec)のみ実行される構成となっている。
【0070】
第2表示制御モードにおいては、第1フェーズST1の反転表示及び第2フェーズST2の全明転表示(「リフレッシュ表示」に相当)にて画像Xの残像を除去した後に画像Yを表示させることで、第1表示制御モードと比較して残像の影響が大幅に緩和される。つまり、第2表示制御モードでは画像書替の応答性では第1表示制御モードに劣る一方、書替後の画像の視認性(識別性、明瞭さ)については第1表示制御モードに優る。
【0071】
本実施形態においては、画像書替の契機に応じて適用される表示制御モードが異なる構成となっており、第1表示制御モード及び第2表示制御モードの使い分けによって、空調装置10における消費電力の低減と利便性の向上との両立が図られていることを特徴の1つとしている。以下、CPU51により実行される表示制御処理について説明する。表示制御処理は、定期処理の一環として実行される処理であり、メニュー表示制御処理(ステップS101)、室温・風量表示制御処理(ステップS102)、パラメータ表示制御処理(ステップS103)を含む(図10参照)。
【0072】
図11に示すように、メニュー表示制御処理においては先ず、ステップS201にてメニュー表示の切替中であるか否かを判定する。具体的には、メインメニュー画面、運転メニュー画面、詳細設定画面のうち1の画面から他の画面に切り替えている最中であるか否かを判定する。ステップS201にて否定判定をした場合にはステップS202に進む。ステップS202では、ユーザによってメニュー切替用の操作が行われたか否かを判定する。具体的には、メインメニュー画面を表示している場合には、運転切替アイコン75、ファン切替アイコン76、温度設定アイコン77の何れかが操作されたか否かを判定し、運転メニュー画面を表示している場合には、冷房モード用アイコン92、暖房モード用アイコン93、除湿モード用アイコン94、送風モード用アイコン95、復帰アイコン96の何れかが操作されたか否かを判定し、温度調整画面等の詳細設定画面を表示している場合には復帰アイコンが操作されたか否かを判定する。
【0073】
ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS203に進みメニュー表示第1切替開始処理を実行する。この処理では、第1表示制御モードにて画像の書き替え(メニュー表示の切り替え)を開始する。例えば、メインメニュー画面表示中に運転切替アイコン75が操作された場合には第1表示制御モードにて運転メニュー画面を表示し、メインメニュー画面表示中に温度設定アイコン77が操作された場合には第1表示制御モードにて温度設定画面を表示し、運転メニュー画面表示中に冷房モード用アイコン92や暖房モード用アイコン93が操作された場合には第1表示制御モードにて温度設定画面を表示し、運転メニュー画面又は温度設定画面表示中に復帰アイコンが操作された場合にはメインメニュー画面を表示する。
【0074】
続くステップS204ではCPU51のRAMにメニュー表示第1切替フラグをセットし、ステップS205ではRAMの復帰用タイマカウンタをリセットする。詳細については後述するが、CPU51においては復帰用タイマカウンタを参照してメインメニュー画面へ復帰させるか否かを判定する。その後は、ステップS206にてメニュー切替用の操作を禁止するとともに、パラメータの調整操作を禁止して、本メニュー表示制御処理を終了する。
【0075】
ステップS202の説明に戻り、当該ステップS202にて否定判定をした場合、すなわちメニュー切替用の操作が行われていない場合には、ステップS209に進む。ステップS209では、メインメニュー画面が表示されているか否かを判定する。ステップS209にて肯定判定をした場合にはそのまま本メニュー表示制御処理を終了する。ステップS209にて否定判定をした場合、すなわち運転メニュー画面及び詳細設定画面の何れかが表示されている場合には、ステップS210に進む。
【0076】
ステップS210では上記復帰用タイマカウンタの更新処理を行う。具体的には復帰用タイマカウンタの値を1加算する。続くステップS211では復帰用タイマカウンタの値が第1閾値(例えば30secに相当)となっているか否かを判定する。ステップS210にて否定判定をした場合にはそのまま本メニュー表示制御処理を終了する。ステップS210にて肯定判定をした場合には、ステップS212に進みメニュー表示第2切替開始処理を実行する。この処理では、第2表示制御モードにてメインメニュー画面を表示すべくメニュー表示の切り替えを開始する。具体的には、画像の印字パターンを反転させる反転表示(リフレッシュ表示)を開始する(第1フェーズST1)。
【0077】
続くステップS213ではCPU51のRAMにメニュー表示第2切替フラグをセットする。その後は、ステップS206にてメニュー切替用の操作を禁止するとともに、パラメータの調整操作を禁止して、本メニュー表示制御処理を終了する。
【0078】
ステップS201の説明に戻り、当該ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS207に進む。ステップS207では、CPU51のRAMにメニュー表示第1切替フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS207にて肯定判定をした場合には、ステップS208にて直接書替用のメニュー表示第1切替処理を実行した後、本メニュー表示制御処理を終了する。
【0079】
メニュー表示第1切替処理においては先ず、今回の画像書替が開始されてから所定時間(例えば70msec)が経過したか否かを判定する。当該所定時間を経過した場合には、電極106,107への電圧の印加を終了する。これにより、第1表示制御モードによる画像の書き替えが完了することとなる。電圧の印加を終了した後は、メニュー切替操作やパラメータ調整操作の規制を解除するとともにRAMに格納されたメニュー表示第1切替フラグを消去する。
【0080】
ステップS207にて否定判定をした場合、すなわちRAMにメニュー表示第2切替フラグが格納されている場合には、ステップS214にてメニュー表示第2切替処理を実行して本メニュー表示制御処理を終了する。
【0081】
本実施形態においては、CPU51のROMには第2表示制御モードにて画像を書き替える場合の手順を示すマップが記憶されている。このマップは画像書替の開始後の経過時間と電圧の印加パターンとの関係を示すものであり、メニュー表示第2切替処理においては当該マップを参照して電極106,107に印加する電圧を制御する。これにより、第1フェーズST1→第2フェーズST2→第3フェーズST3→第4フェーズST4の順に表示が切り替わる。そして、画像の書き替えが完了した後は、メニュー切替操作やパラメータ調整操作の規制を解除するとともにRAMに格納されたメニュー表示第2切替フラグを消去する。
【0082】
次に、図12を参照してステップS102の室温・風量表示制御処理について説明する。室温・風量表示制御処理については、ステップS301~S306の室温表示用処理と、ステップS307~S312の風量表示用処理とに大別される。
【0083】
室温表示用処理においては先ず、ステップS301にてディスプレイ53における室温表示を更新している最中、すなわちメインメニュー画面における室内温度表示用画像72を書き替えている最中であるか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合には、ステップS302に進む。ステップS302では、メインメニュー画面を表示している最中であるか否かを判定する。ステップS302にて肯定判定をした場合にはステップS303に進む。ステップS303では温度・湿度センサ57からの検出情報を参照して室温に所定の変化(本実施形態においては現在表示中の温度に対して0.5°C以上の変化)が生じたか否かを判定する。ステップS303にて肯定判定をした場合にはステップS304に進み室温表示更新開始処理を実行する。この室温表示更新開始処理は第2表示制御モードに対応しており、現在表示中の画像の印字パターンを反転させる反転表示(リフレッシュ表示)を開始する(第1フェーズST1)。続くステップS305では、CPU51のRAMに室温表示更新中フラグをセットする。室温表示更新中フラグはCPU51にて室温表示を更新している最中であるか否かを判定する際に参照されるフラグである。
【0084】
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて肯定判定をした場合、すなわち室温表示を更新している最中である場合には、ステップS306にて室温表示更新処理を実行する。室温表示更新処理では、ROMに記憶された上記マップを参照して表示を切り替える。これにより、第1フェーズST1→第2フェーズST2→第3フェーズST3→第4フェーズST4の順に表示が切り替わる。そして、画像の書き替えが完了した場合には、RAMに格納された室温表示更新中フラグを消去する。
【0085】
ステップS305,S306の処理を実行した後、又はステップS302,S303にて否定判定をした場合には、ステップS307以降の風量表示用処理を実行する。
【0086】
風量表示用処理においては先ず、ステップS307にてディスプレイ53における風量表示を更新している最中、すなわちメインメニュー画面における風量表示用画像74を書き替えている最中であるか否かを判定する。ステップS307にて否定判定をした場合には、ステップS308に進む。ステップS308では、メインメニュー画面を表示している最中であるか否かを判定する。ステップS308にて肯定判定をした場合にはステップS309に進む。ステップS309ではファンの駆動状況を参照して風量(送風量)に所定の変化(レベル変化)が生じたか否かを判定する。ステップS309にて肯定判定をした場合にはステップS310に進み風量表示更新開始処理を実行する。この風量表示更新開始処理は第2表示制御モードに対応しており、現在表示中の画像の印字パターンを反転させる反転表示(リフレッシュ表示)を開始する(第1フェーズST1)。続くステップS311では、CPU51のRAMに風量表示更新中フラグをセットする。風量表示更新中フラグはCPU51にて風量表示を更新している最中であるか否かを判定する際に参照されるフラグである。
【0087】
ステップS307の説明に戻り、当該ステップS307にて肯定判定をした場合、すなわち風量表示を更新している最中である場合には、ステップS312にて風量表示更新処理を実行する。室温表示更新処理では、ROMに記憶された上記マップを参照して表示を切り替える。これにより、第1フェーズST1→第2フェーズST2→第3フェーズST3→第4フェーズST4の順に表示が切り替わる。そして、画像の書き替えが完了した場合には、RAMに格納された風量表示更新中フラグを消去する。
【0088】
ステップS311,S312の処理を実行した後、又はステップS308,S309にて否定判定をした場合には、本室温・風量表示制御処理を終了する。
【0089】
なお、メインメニュー画面においては、室温表示や風量表示の更新(メインメニュー画面の更新)と、ユーザによるメニュー操作(運転切替アイコン75等の操作)とが偶発的に重なる可能性がある。このような場合には、メニュー操作が優先されユーザによる室温表示や風量表示の更新は回避されることとなる。
【0090】
次に、図13を参照してパラメータ表示制御処理(ステップS103)について説明する。
【0091】
パラメータ表示制御処理においては先ず、ステップS401にて詳細設定画面が表示されている最中であるか否かを判定する。ステップS401にて否定判定をした場合には、そのまま本パラメータ表示制御処理を終了する。ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進む。ステップS402ではパラメータの表示を更新している最中であるか否か、具体的には、温度設定画面においては設定温度表示用画像82が更新されている最中であるか否か、湿度調整画面においては設定湿度表示用画像が更新されている最中であるか否か、風量・風向き調整画面においては設定風量表示用画像や設定風向き表示用画像が更新されている最中であるか否かを判定する。何れのパラメータについても表示を更新している最中ではない場合にはステップS402にて否定判定をしてステップS403に進む。
【0092】
ステップS403ではパラメータ調整操作が行われたか否かを判定する。具体的には、温度設定画面においてはユーザにより温度調整用の操作アイコン(UPアイコン83、DOWNアイコン84)が操作されたか否かを判定し、湿度調整画面においてはユーザにより湿度調整用の操作アイコン(UPアイコン、DOWNアイコン)が操作されたか否かを判定し、風量・風向き調整画面においては風量調整用の操作アイコンや風向き調整用の操作アイコンが操作されたか否かを判定する。ステップS403にて肯定判定をした場合にはステップS404に進む。
【0093】
ステップS404ではパラメータ表示更新開始処理を実行する。この処理では、表示中のパラメータに調整操作の結果を反映すべく第1表示制御モードにて更新を開始する(直接書替)。例えば、温度設定画面において温度調整用の操作アイコンが操作された場合には、当該操作によって変更された新たな設定温度が表示されるように設定温度表示用画像82の書き替えを開始する(温度設定画面の書き替えを開始する)。その後は、ステップS405にてCPU51のRAMにパラメータ表示更新中フラグをセットして、本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0094】
ステップS402の説明に戻り、当該ステップS402にて肯定判定をした場合、すなわちパラメータの表示を更新している最中である場合には、ステップS406にてパラメータ表示更新処理を実行して本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0095】
パラメータ表示更新処理においては先ず、今回の画像書替が開始されてから所定時間(例えば70msec)が経過したか否かを判定する。当該所定時間を経過した場合には、電極106,107への電圧の印加を終了する。これにより、第1表示制御モードによる画像の書き替えが完了することとなる。電圧の印加を終了した後は、RAMに格納されたパラメータ表示更新中フラグを消去する。また、上記所定時間を経過するまでの間に再びパラメータ調整操作が行われた場合には、CPU51のRAMに更新中操作受付フラグをセットする。つまり、本実施形態ではパラメータの表示を更新している最中であっても操作アイコンの操作自体は有効に受け付けられる構成となっている。なお、更新中操作受付フラグは各操作アイコンに個別に対応させて複数設けられており、更新中操作受付フラグの種類から何れの操作アイコンが操作されたかを事後的に特定可能となっている。
【0096】
ステップS403の説明に戻り、当該ステップS403にて否定判定をした場合、すなわちパラメータの調整操作が行われていない場合にはステップS407に進む。ステップS407では、CPU51のRAMに上記更新中操作受付フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS407にて否定判定をした場合には、そのまま本パラメータ表示制御処理を終了する。ステップS407にて肯定判定をした場合にはステップS408に進みRAMに格納されている更新中操作受付フラグを消去する。その後は、ステップS404,S405の各処理を実行した後、本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0097】
ここで、図14の概略図を参照して、画像の書替契機と書替態様との関係について補足説明する。
【0098】
ユーザによるメニュー切替操作を契機として画像を書き替える場合には、第1表示制御モードが適用される。メニュー切替操作を契機としてメインメニュー画面、運転メニュー画面、詳細設定画面の何れかに切り替わる際には、ユーザがディスプレイ53を注視していると想定されるため、第1表示制御モードにて速やかに画面を切り替えることで応答性の向上が実現される。
【0099】
ユーザによるパラメータ調整操作を契機として画像を書き替える場合には、第1表示制御モードが適用され、パラメータが調整操作を反映したものに更新される。この場合、画面全体が調整後のパラメータに対応したものに切り替わるものの、詳細設定画面においてパラメータが表示される部分(パラメータ表示部)以外の部分、例えば操作アイコン等については切り替え前後で種類や配置が同一となる。パラメータの調整操作については、ユーザによって複数回繰り返し行われることが想定されるが、このような繰り返し操作によって第1表示制御モードによる書き替え(直接書替)が連続したとしても操作アイコンの表示が分かりづらくなることを好適に回避できる。
【0100】
室温や風量の変化を契機として画像を書き替える場合には、第2表示制御モードが適用され、空調情報が最新の情報となるように自動更新される。また、運転メニュー画面及び詳細設定画面が表示されている状況下にて操作が行われることなく待機時間を経過した場合には、メインメニュー画面に自動復帰する。これらの自動書替条件については、主としてユーザがディスプレイ53を注視していない状況下にて発生すると想定される。そこで、ある程度の時間をかけて画像をきれいに切り替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0101】
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0102】
空調機11は運転開始時に設定された条件で運転が継続されることが多く、空調コントローラ12が操作される期間は操作待ちの期間と比較して極めて短い。そこで、上述の如く空調コントローラ12のディスプレイ53を電子ペーパにより構成すれば、操作に伴って画像を書き替える際にある程度の電力が必要にはなるものの、空調に関する情報を表示させたまま維持する場合の消費電力を極めて小さくすることができる。例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等によってディスプレイ53を構成する場合と比較して、利便性の向上に伴う消費電力の増大を好適に抑制できる。
【0103】
ディスプレイ53に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作だけではなく、制御状態(風量)や環境(室温や湿度)の変化を契機として切り替えることがユーザへの情報提供の機能を好適に発揮させる上で好ましい。ここで、上記実施形態に示したように、画像書替用(画面切替用)の表示制御モードとして、画像書替の応答性を重視した第1表示制御モードと、残像の影響緩和(書替後の画像の視認性)を重視した第2表示制御モードとを設け、ユーザによる操作が行われた場合には第1表示制御モードにて画像を書き替える一方、室温や風量等の変化等の自動書替条件が成立した場合には第2表示制御モードにて画像を書き替える構成とすれば、ユーザによって空調コントローラ12が操作される場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くすることができ、自動書替条件が成立した場合にはある程度の時間をかけて画像をきれいに切り替える構成として後の情報確認→操作に備えることができる。これにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0104】
なお、利便性の向上を図りつつそれに起因した消費電力の増大を抑えることは以下の点においても好ましい。すなわち、空調コントローラのポータブル化によって更なる利便性の向上を図った場合であっても空調コントローラの電池交換等の頻度が高くなることを回避して、利便性の向上効果を一層好適に発揮させることができる。
【0105】
<第2の実施形態>
既に説明したように、ユーザによって設定温度や設定風量等の各種パラメータが調整される場合にはパラメータ調整用の操作アイコンが複数回繰り返して操作される可能性がある。操作毎の画像の書き替えを第1表示制御モードにて実行し、画像書替の応答性を高めることはユーザの満足度の向上を図る上で好ましい。しかしながら、第1表示制御モードによる画像書替が繰り返された場合には、図7に示したように残像の累積によって画像の視認性が大きく低下し得る。操作中は、ユーザが書替前の画像を記憶しているであろうことからある程度の残像であれば画像の識別が可能であるかもしれないが、時間の経過に伴ってユーザの記憶が薄れた後には当該記憶に頼った識別は困難になると想定される。つまり、上述した残像の累積は目視による事後的なパラメータの確認を困難とする要因になり得る。ここで、例えばメインメニュー画面へ自動復帰するまでの待機時間を短くして直ちにメインメニュー画面に復帰させる構成とすればパラメータの確認が困難になることを回避できる。しかしながら、このような構成では次にパラメータの調整操作を行う際に画面の切り替え操作(例えば温度設定アイコン77等の操作)をユーザに強いることになる。このようにユーザの手間が増えることは利便性の向上を図る上で妨げになると想定される。本実施形態ではこのような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に本実施形態における特徴的な構成について説明する。先ず、図15を参照して、本実施形態におけるパラメータ表示制御処理について説明する。
【0106】
パラメータ表示制御処理においては先ず、ステップS501にて詳細設定画面が表示されている否かを判定する。詳細設定画面以外の画面が表示されている場合には、ステップS501にて否定判定をしてそのまま本パラメータ表示制御処理を終了する。詳細設定画面が表示されている場合にはステップS501にて肯定判定をしてステップS502に進む。
【0107】
詳細については後述するが、本実施形態ではパラメータの調整操作が行われてから規定時間を経過した場合にはリフレッシュ条件成立となり、CPU51により表示中の画像から残像を除去するリフレッシュ用の各種処理、具体的には表示中の画像を上記第2表示制御モードにて再表示するための処理が開始される。ステップS502においては当該リフレッシュを行っている最中であるか否かを判定する。リフレッシュ中である場合には、ステップS502にて否定判定をしてステップS503に進む。
【0108】
ステップS503ではパラメータの表示を更新している最中であるか否かを判定する。具体的には、温度設定画面において設定温度の表示を更新中であるか否か、湿度調整画面において設定湿度の表示を更新中であるか否か、風量・風向き調整画面において設定風量や設定風向きの表示を更新中であるか否かを判定する。パラメータの表示を更新している最中ではない場合にはステップS503にて否定判定をしてステップS504に進む。
【0109】
ステップS504ではパラメータ調整操作が行われたか否かを判定する。具体的には、温度設定画面においてはユーザにより温度調整用の操作アイコン(UPアイコン83、DOWNアイコン84)が操作されたか否かを判定し、湿度調整画面においてユーザにより湿度調整用の操作アイコン(UPアイコン、DOWNアイコン)が操作されたか否かを判定し、風量・風向き調整画面において風量調整用の操作アイコン(UPアイコン、DOWNアイコン)や風向き調整用の操作アイコンが操作されたか否かを判定する。なお、風量調整用の操作アイコンのうちAUTOアイコンが操作された場合には、第2表示制御モードにてメインメニュー画面に切り替わり、風量表示用画像74としてAUTOの文字が追加表示される。
【0110】
ステップS504にて肯定判定をした場合にはステップS505に進む。ステップS505では表示中のパラメータを直ちに更新すべく上記直接書替に係るパラメータ表示更新開始処理を実行する。この処理は第1表示制御モードに対応しており、例えば温度設定画面において温度調整用の操作アイコンが操作された場合には、当該操作によって変更された新たな設定温度が表示されるように設定温度表示用画像82の書き替えを開始する(温度設定画面の書き替えを開始する)。
【0111】
ステップS505にてパラメータ表示更新開始処理を実行した後は、ステップS506にてCPU51のRAMにパラメータの表示を更新している最中であることを示すフラグとしてパラメータ表示更新中フラグをセットし、当該RAMに後述するリフレッシュ完了フラグが格納されている場合にはステップS507にて当該リフレッシュ完了フラグを消去する。リフレッシュ完了フラグは上記リフレッシュが完了した場合にセットされるフラグである。その後は、ステップS508にてRAMに設けられたリフレッシュ用タイマカウンタをリセット(0クリア)して本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0112】
ステップS504の説明に戻り、当該ステップS504にて否定判定をした場合、すなわちパラメータの調整操作が行われていない場合にはステップS509に進む。ステップS509では、CPU51のRAMに上記更新中操作受付フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS509にて肯定判定をした場合にはステップS510に進みRAMに格納されている更新中操作受付フラグを消去する。その後は、ステップS505~S508の各処理を実行した後、本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0113】
ステップS509にて否定判定をした場合、すなわちパラメータの調整操作が行われておらず且つパラメータの表示更新中にも操作が行われていなかった場合には、ステップS511に進む。ステップS511では、CPU51のRAMにリフレッシュ完了フラグが格納されているか否かを判定する。リフレッシュ完了フラグが格納されている場合には、ステップS509にて否定判定をしてそのまま本パラメータ表示制御処理を終了する。ステップS511にて否定判定をした場合にはステップS512に進む。ステップS512では上述したリフレッシュ用タイマカウンタを更新する。具体的には、リフレッシュ用タイマカウンタを1加算する。続くステップS513では、リフレッシュ用タイマカウンタの値が上記規定時間に相当する第2閾値(本実施形態では3sec)となっているか否かを判定する。
【0114】
パラメータの調整操作から上記所定時間が経過したタイミングではない場合には、ステップS513にて否定判定をして、本パラメータ表示制御処理を終了する。上記所定時間を経過したタイミングである場合には、ステップS513にて肯定判定をしてステップS514に進み、リフレッシュ開始処理を実行する。なお、規定時間については上記所定時間よりも長く且つ上記待機時間よりも短い時間であれば任意に変更してもよい。例えば、0.5secとしてもよいし、1secとしてもよいし、5secとしてもよいし、10secとしてもよい。
【0115】
ステップS514のリフレッシュ開始処理は、第2表示制御モードに対応しており、画像の印字パターンを反転させる反転表示(リフレッシュ表示)を開始する(第1フェーズST1)。続くステップS515ではメニュー切替操作を禁止し、ステップS516ではCPU51のRAMにリフレッシュ中であることを示すフラグとしてリフレッシュ中フラグをセットする。その後は、ステップS508にてリフレッシュ用タイマカウンタをリセットし、本パラメータ表示制御処理を終了する。
【0116】
ステップS502の説明に戻り、当該ステップS502にて肯定判定をした場合、すなわちRAMにリフレッシュ中フラグが格納されている場合には、ステップS502にてリフレッシュ用処理を実行した後、本パラメータ表示制御処理を終了する。ここで、図16を参照してリフレッシュ用処理について説明する。
【0117】
リフレッシュ用処理においては先ず、ステップS601にてリフレッシュ完了となるタイミングであるか否かを判定する。ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS602に進む。ステップS602ではパラメータの調整操作が行われたか否かを判定する。ステップS602にて否定判定をした場合にはステップS603にてリフレッシュ処理を実行した後、本リフレッシュ用処理を終了する。
【0118】
上記第1の実施形態にて説明したように、CPU51のROMには第2表示制御モードにて画像を書き替える場合の手順を示すマップが記憶されている。このマップは画像書替の開始後の経過時間と電圧の印加パターンとの関係を示すものであり、ステップS603のリフレッシュ処理においては当該マップを参照して電極106,107に印加する電圧を制御する。これにより、第1フェーズST1→第2フェーズST2→第3フェーズST3→第4フェーズST4の順に表示が切り替わる。但し、当該リフレッシュ処理では表示内容等は変更されることはなく実質的に切替前の画像の内容と切替後の画像の内容とが一致することとなる。つまり、残像の程度は相違するものの、リフレッシュ前後では表示がれる画像は同様となる。このようにして残像を除去した上で画像を再表示させることで画像の視認性が担保される。
【0119】
ステップS601の説明に戻り、当該ステップS601にて肯定判定をした場合、すなわちリフレッシュ完了となるタイミングである場合には、ステップS609~S611のリフレッシュ完了用の処理を実行する。具体的には、ステップS609ではRAMに格納されているリフレッシュ中フラグを消去し、続くステップS610ではメニュー切替操作を許可する。その後は、ステップS611にてRAMにリフレッシュが完了したことを示すリフレッシュ完了フラグをセットし、本リフレッシュ用処理を終了する。
【0120】
ここで、図17(a)のタイミングチャートを参照してリフレッシュの流れについて説明する。
【0121】
図17(a)に示す例では、温度設定画面への切り替え後にDOWNアイコン84が3回連続して操作され(ta1~ta3のタイミング)、設定温度が24°C→23°C→22°C→21°Cの順に変更されている。これに合せて、ディスプレイ53に表示されている設定温度についても24°C→23°C→22°C→21°Cの順に更新されている。1回目の操作~2回目の操作までの時間及び2回目の操作~3回目の操作までの時間については何れも上記規定時間よりも短くなっており、第1表示制御モードによる画像の書き替えが速やかに実行されている。なお、以下の説明においては同じ操作が操作間のインターバル時間が上記規定時間よりも短くなるようにして繰り返された場合の操作態様を「連続操作」と称する。
【0122】
3回目の操作が行われてから規定時間が経過したta4のタイミングでは、リフレッシュが開始されている。リフレッシュ中は全明転表示等によって一時的に設定温度が視認困難となるものの、リフレッシュ完了となるta5のタイミングでは、残像が除去された状態で設定温度が再表示されることとなる。その後は、メインメニュー画面への自動復帰条件が成立するまで、当該表示が継続されることとなる。
【0123】
ここで、上述の如くリフレッシュにある程度の時間を要する構成においては、当該リフレッシュ中にパラメータの調整操作が行われる可能性を否定できない。本実施形態ではこのような調整操作が行われた場合には速やかに操作結果を反映したパラメータを表示させるべく特殊更新処理が実行される構成となっている。以下、再び図15,16,18を参照して、当該特殊更新処理について説明する。
【0124】
図16に示すように、リフレッシュ中にパラメータの調整操作が行われた場合には、ステップS602にて肯定判定してステップS604に進む。ステップS604ではリフレッシュの進行状況を把握する。すなわち、第1フェーズST1~第4フェーズST4の何れを実行している最中であるかを把握する。続くステップS605では、ステップS604にて把握した進行状況を参照して、特殊更新パターンを設定する。
【0125】
詳しくは、第1フェーズST1中に調整操作が行われた場合には特殊更新パターンとして第2フェーズST2(全明転表示)→第4フェーズST4(目標画像表示)を設定し、第2フェーズST2中に調整操作が行われた場合には特殊更新パターンとして第4フェーズST4を設定し、第3フェーズST3中又は第4フェーズST4中に調整操作が行われた場合には特殊更新パターンとして第2フェーズST2→第4フェーズST4を設定する(図18参照)。つまり、何れのタイミングで調整操作が行われた場合であっても、第2フェーズST2が介入することで次に表示させる画像への残像の影響を軽減させることが可能となっている。なお、特殊更新パターンにおける第4フェーズST4においては、操作により変更されたパラメータに対応する画像を表示すべく電極106,107に印加する電圧を制御する。以下の説明においては、特殊更新パターンにて画像を書き替える場合の表示制御モードを「特殊表示制御モード」と称し、上記第1表示制御モード及び第2表示制御モードと区別する。
【0126】
因みに、本実施形態では、特殊更新パターンをリフレッシュの進行状況に応じて使い分ける構成としたが、これに限定されるものではない。リフレッシュの進行状況に関係なく所定のフェーズ(例えば第4フェーズST4のみ)が実行される構成とすることも可能である。
【0127】
続くステップS606では、パラメータ表示特殊更新開始処理を実行する。この処理においてはステップS605にて設定された特殊更新パターンに基づいて電極106,107への電圧の印加を開始する。
【0128】
その後は、ステップS607にてCPU51のRAMに特殊更新処理中であることを示すフラグとして特殊更新フラグをセットし、ステップS608にてRAMに格納されているリフレッシュ中フラグを消去して、本リフレッシュ用処理を終了する。
【0129】
図15の説明に戻り、特殊更新が実行されている最中である場合、すなわちステップS503及びステップS517にて肯定判定をした場合には、ステップS519に進む。ステップS519ではパラメータ表示特殊更新処理を実行する。この処理は特殊制御モードに対応しており、ステップS605にて設定された特殊更新パターンに基づいて電極106,107に印加する電圧を制御する。そして、画像の書き替えが完了した後は、メニュー切替操作の規制を解除するとともにRAMに格納された特殊更新フラグを消去する。
【0130】
ここで、図17(b)のタイミングチャートを参照してリフレッシュに操作が行われた場合の画像書替の流れについて説明する。
【0131】
図17(b)に示す例では、3回目の操作が行われてから規定時間が経過したタイミングにてリフレッシュが開始されている点では図17(a)に示した例と同様である。但し、リフレッシュ中のtb5のタイミング、すなわちリフレッシュ完了となるはずであったtb5のタイミングよりも前のタイミングにてDOWNアイコン84が再び操作されており、この4回目の操作に基づいて設定温度が21°C→20°Cに変更されている。リフレッシュについては4回目の操作に基づいて中止され、ディスプレイ53に表示される設定温度が全明転表示を経て20°Cに更新される。
【0132】
そして、4回目の操作が行われてから規定時間が経過したtb6のタイミングでは、リフレッシュが開始されている。リフレッシュ中は一時的に設定温度が視認困難となるものの、リフレッシュ完了となるtb7のタイミングでは、残像が除去された状態で設定温度が再表示されることとなる。その後は、メインメニュー画面への自動復帰条件が成立するまで、当該表示が継続されることとなる。
【0133】
以上詳述した第2の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0134】
詳細設定画面において自動書替条件の成立(規定時間の経過)前にユーザによるパラメータの調整操作が行われた場合にはパラメータの画像が操作結果を反映した画像に第1表示制御モードにて速やかに書き替えられる。このように、操作→画像書替を速やかに実行して操作待ちとなる時間を短くすることにより、画像書替の応答性の向上が図られている。ここで、操作が連続して実行され第1表示制御モードによる書替(直接書替)が繰り返された場合には、先に表示されていた画像が画像の書替後も残像として残ることとなる。このような残像が多くなることで画像の識別が困難になると想定される。この点、本実施形態に示したように、直接書替がなされた場合にはユーザによる操作が行われることなく自動書替条件が成立した場合に、表示中の画像がリフレッシュを経て再表示される。このようにして残像を除去することで、事後的な画像の確認を容易としつつ画像の書替速度を向上させることができる。
【0135】
操作が連続する場合には、その連続回数については様々になり得る。そこで、本実施形態に示したように、画像の書き替えの都度リフレッシュ用タイマカウンタをリセットすることで、連続操作が完了する前にリフレッシュが実行されること、すなわちリフレッシュ機能が操作の妨げになることを好適に抑制できる。また、本実施形態に示したように、リフレッシュ中にユーザによる操作が行われた場合には当該リフレッシュを中止して当該操作に基づく画像の書き替えを行うことでリフレッシュ機能が操作の妨げになることを好適に抑制することが好ましい。
【0136】
<第3の実施形態>
上記第1及び第2の実施形態では、ユーザの操作(リフレッシュ中の操作を除く)を契機として画像を書き替える場合には表示制御モードを第1表示制御モードとし、自動書替条件の成立を契機として画像を書き替える場合には表示制御を第2表示制御モードとすることで、空調装置10における消費電力の低減と利便性の向上とを両立させる構成とした。本実施形態においては、表示制御モードとして第1表示制御モード及び第2表示制御モードを併用している点では第1及び第2の実施形態と同様であり、パラメータ調整後にリフレッシュ表示を行う構成となっている点では第2の実施形態と同様である。但し、画像書替の契機と表示制御モードとの関係が第1及び第2の実施形態と相違している。以下、図19を参照して、第2の実施形態との相違点を中心に本実施形態における画像の書替契機と書替態様との関係について説明する。
【0137】
ユーザによるメニュー切替操作を契機として画像を書き替える場合には、第2表示制御モードが適用される。メインメニュー画面、運転メニュー画面、詳細設定画面の各画面については表示される画像(空調情報、操作アイコン)の種類や配置等が大きく異なる。そこで、視認性を重視した第2表示制御モードによる画面の書き替えによって残像の影響を抑えることにより、画面切り替え後に操作アイコン等が分かりづらくなることを好適に抑制できる。
【0138】
ユーザによるパラメータ調整操作を契機として画像を書き替える場合には、リフレッシュ中であるか否かによって適用される表示制御モードが異なる。リフレッシュ中ではない場合には第1表示制御モードが適用され、第1及び第2の実施形態と同様に、パラメータが調整操作を反映したものに直ちに更新される。リフレッシュ中である場合には特殊表示制御モードが適用され、パラメータが調整操作を反映したものに全明転表示を経て更新される。全明転表示を経ることでリフレッシュ中の表示の乱れによって書き替え後の画像の視認性が低下することを抑制できる。
【0139】
リフレッシュ条件の成立(先の操作から規定時間経過)した場合には第2表示制御モードが適用され、残像を除去した後に画像が再表示される。リフレッシュ条件は、ユーザが一連の操作を完了した場合を想定して定められており、当該リフレッシュ機能がユーザの利便性を低下させる要因になることを抑制している。
【0140】
室温や風量の変化を契機として画像を書き替える場合には、第2表示制御モードが適用される。この点については第1及び第2の実施形態と同様である。
【0141】
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、上記各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
【0142】
・上記各実施形態では、パラメータの調整操作が行われた場合には詳細設定画面の全体を対象として画像を書き替える構成としたが、これに限定されるものではない。書替前後で相違する画像(詳しくはパラメータの表示領域)のみを対象として画像を書き替える構成(部分書替を行う構成)とすることも可能である。
【0143】
・室温や風量の変化によって自動書替条件が成立した場合には、当該自動書替条件の成立タイミングに応じて適用する表示制御モードを相違させることも可能である。例えば、ユーザによる操作から特定の時間を経過するまでに自動書替条件が成立した場合には第1表示制御モードを適用して画像書替の応答性を重視する一方、当該特定の時間を経過した後に自動書替条件が成立した場合には第2表示制御モードを適用して書替後の画像の視認性を重視する構成としてもよい。
【0144】
・上記各実施形態では、第1表示制御モードでは電極106,107への電圧の印加を1回のみ実行する構成としたが、第2表示制御モードにおける各フェーズと同様に電極106,107への電圧の印加を複数回繰り返す構成とすることも可能である。
【0145】
・上記各実施形態では、電気泳動方式の電子ペーパによりディスプレイ53を構築したが、これに代えて電子粉流体方式等の他の方式の電子ペーパによりディスプレイ53を構築することも可能である。
【0146】
・上記各実施形態では、空調コントローラ12をポータブル式としたが固定式とすることも可能である。
【0147】
・上記各実施形態では、内部電源62を一次電池としたが、内部電源62を二次電池とする構成を否定するものではない。また、コントローラユニット20がホルダ30に取り付けられている場合には外部電源(商用電源)からCPU51等のデバイスに電力が供給され、コントローラユニット20がホルダ30から取り外されている場合には内部電源62からCPU51等のデバイスに電力が供給される構成とすることも可能である。
【0148】
・ユーザの操作を契機とした第1表示制御モードによる画像の書替後は、所定の規制時間が経過するまで自動書替条件の成立を契機とした第2表示制御モードによる画像の書き替えを規制する構成とすることも可能である。空調コントローラ12の操作については、設定完了までに複数回の操作が実行される場合がある。そこで、本変形例に示すように、第2書替手段による画像の書き替えを一時的に規制する構成とすることで、ユーザの意図に関係なく待ち時間が長い第2表示制御モードによる画像の書き替えが割り込むことを抑制できる。
【0149】
・自動書替条件が成立したタイミングで各種操作が行われた場合(契機が重複した場合)には当該操作に基づいた第1表示制御モードによる画像の書き替えが優先される構成とすることにより、自動書替機能が操作時の応答性を低下させる要因になることを好適に回避できる。この場合、例えば自動書替条件の成立に基づいた画像の書き替えを第1表示制御モードによる画像の書き替えが完了した後の所定のタイミングとなるまで遅延される構成とするとよい。
【0150】
・コントローラユニット20をホルダ30に取り付けている場合と、取り外している場合とで第1表示制御モード/第2表示制御モードの適用パターンを相違させることも可能である。例えば、コントローラユニット20がホルダ30に取り付けられている場合には、第1表示制御モード及び第2表示制御モードを併用する一方、コントローラユニット20がホルダ30から取り外れている場合には第1表示制御モードのみが適用される構成としてもよい。但し、第1表示制御モードによる書き替えが連続した場合には上述した理由から残像の影響が強くなりやすい。そこで、操作が行われてから上記規定時間を経過した場合にはリフレッシュを行い、残像を除去することが好ましい。
【0151】
・温度調整時と風量調整時とは、何れも第1表示制御モードによる書き替えを行い、最終操作から上記規定時間が経過した場合にリフレッシュを行う構成としたが、これに限定されるものではない。調整操作の種類に応じて規定時間を相違させることも可能である。例えば、温度調整操作が行われた場合には第1の規定時間が経過した場合にリフレッシュを行い、風量調整操作が行われた場合には上記第1の規定時間よりも短い第2の規定時間が経過した場合にリフレッシュを行う構成としてもよい。また、温度調整操作が行われた場合には第1の規定時間が経過した場合にリフレッシュを行い、風量調整操作が行われた場合には上記第1の規定時間よりも短い第3の規定時間が経過した場合にリフレッシュを行う構成としてもよい。
【0152】
・上記第2及び第3の実施形態では、第1フェーズST1(反転表示)及び第2フェーズST2(全明転表示)によって残像を除去する構成としたが、これら2つのフェーズを必須とするものではなく一方を省略する構成としてもよい。また、第2フェーズST2については全明転表示に代えて全暗転表示を行う構成としてもよい。なお、第2表示制御モードに係る4つのフェーズのうち第3フェーズST3を省略してもよい。
【0153】
・上記第2及び第3の実施形態では、詳細設定画面において最後の調整操作が行われてから規定時間が経過したことを契機としてリフレッシュを行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、詳細設定画面において最初の調整操作が行われてから所定の時間が経過したことを契機としてリフレッシュを行う構成とすることも可能である。また、上記構成に代えて又は加えて、連続操作の操作回数が規定回数に達した場合にリフレッシュを行う構成とすることも可能である。
【0154】
・上記第2及び第3の実施形態では、調整対象となるパラメータが同一となる同種の操作アイコン(例えばUPアイコン83及びDOWNアイコン84)が続けて操作された場合の操作態様を「連続操作」としたが、これに代えて、同一の操作アイコンが繰り返し操作された場合の操作態様を「連続操作」としてもよい。
【0155】
・上記第2及び第3の実施形態については、規定時間の経過前に先の操作と同じ調整操作(例えばUP操作→UP操作)が行われた場合に第1表示制御モードにて画像の書き替えを行う一方、規定時間の経過前に先の操作と異なる調整操作(例えばUP操作→DOWN操作)が行われた場合に、第2表示制御モードにて画像の書き替えを行う構成としてもよい。先の操作と同じ操作が行われた場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くし、先の操作と異なる操作が行われた場合にはそれが最後の調整操作である可能性が高くなると想定されることからある程度の時間をかけて画像をきれいに切り替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0156】
・上記第2及び第3の実施形態では、パラメータの調整操作が行われた際にリフレッシュ用タイマカウンタによる規定時間の計測を開始する構成としたが、パラメータの調整操作を契機とした画像の書き替えが完了した際にリフレッシュ用タイマカウンタによる規定時間の計測を開始する構成としてもよい。
【0157】
・第2表示制御モードによる画像の書き替え中にパラメータの調整操作が行われた場合には、当該第2表示制御モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該調整操作を反映したパラメータを表示させるようにして第1表示制御モードによる画像の書き替えを行う一方、第2表示制御モードによる画像の書き替え中にメニュー切替操作が行われた場合には当該第2表示制御モードによる画像の書き替えを中止し且つ当該メニュー切替操作に対応するメニューを表示させるようにして第2表示制御モードによる画像の書き替えを行う構成とすることも可能である。
【0158】
・上記第3の実施形態では、メニュー切替操作とパラメータ調整操作とで適用される表示制御モードを相違させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、書替前後で操作アイコンの表示位置が変更される場合と、書替前後で操作アイコンの表示位置が変更されない場合とで適用される表示制御モードを相違させる構成とすることも可能である。具体的には、書替前後で操作アイコンの表示位置が変更される場合には第2表示制御モードを適用し、書替前後で操作アイコンの表示位置が変更されない場合には第1表示制御モードを適用する構成としてもよい。このような構成とすれば、操作待ちとなる時間を短くして応答性を向上させる効果と、残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制する効果とを好適に発揮させることができる。
【0159】
<上記各実施形態から抽出される他の発明群>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0160】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「空調装置には、ユーザによって設定温度の変更操作等が行われる空調コントローラと、空調コントローラからの指示に基づいて空調を行う空調機とを備えているものがある。この種の空調装置においては、空調コントローラに空調に関する情報、例えば運転モード(冷房、暖房、除湿、送風)、空調用の調整パラメータ(設定温度、設定風量)等の制御情報を表示する表示部が設けられていることが多い。」という背景技術について、「この種の空調コントローラにおいては、例えば上記各種情報を空調コントローラの操作待ちの期間(待機中)においても表示させたまま維持する構成とすることは、空調状況の確認等を行う際のユーザの利便性を向上させる上で有利である。ここで、空調コントローラの表示部を電子ペーパにより構成すれば、情報が表示される状態を維持して利便性の向上を図った場合であっても空調装置の消費電力が嵩むことを好適に抑制できる。電子ペーパについては、液晶ディスプレイ等の他の表示装置と比較して消費電力を低減できる点では優れているものの、ユーザの操作等に応じて画像を切り替える(変更する)場合の応答性を高くしようとすることで画質が低下したり、画質の低下を抑制しようとすることで応答性が低下したりすると懸念される。このように、消費電力の低減と利便性の向上との両立を図る上で、空調コントローラには未だ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0161】
特徴A1.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、前記空調機の制御情報(運転モード、設定温度、風量等)を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モード(表示制御モード)として、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、画像の書替後に書替前の画像の残像が残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコン(例えば運転切替アイコン75、温度設定アイコン77、UPアイコン83、DOWNアイコン84等)が含まれており、
ユーザによる前記操作アイコンの操作を検出する操作検出手段(タッチパネル55及びタッチIC54)を備え、
前記表示部における画像の書替態様として、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化しない第1態様(例えば温度設定画面においてUPアイコン83、DOWNアイコン84が操作された場合の書替態様)と、書替前後で前記表示部における前記操作アイコンの配置が変化する第2態様(例えばメインメニューにおいて運転切替アイコン75、温度設定アイコン77等が操作された場合の書替態様)とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記表示部における画像の書替態様が前記第1態様となる場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記表示部における画像の書替態様が前記第2態様となる場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している空調コントローラ。
【0162】
空調機は運転開始時に設定された条件で運転が継続されることが多く、空調コントローラが操作される期間は操作待ちの期間と比較して極めて短い。そこで、上述の如く空調コントローラの表示部を電子ペーパにより構成すれば、操作に伴って画像を書き替える際にある程度の電力が必要にはなるものの、空調に関する情報を表示させたまま維持する場合の消費電力を極めて小さくすることができる。例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等によって表示部を構成する場合と比較して、利便性の向上に起因した消費電力の増大を好適に抑制できる。
【0163】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作に基づいて書き替えられることとなる。ここで、本特徴A1に示す構成によれば、書替前後で操作アイコンの配置が変化しない場合には、第1書替モードにて速やかに画像を書き替えることにより、操作待ちとなる時間を短くすることができる。一方、書替前後で操作アイコンの配置が変化する場合には、第2書替モードにてある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替えることにより、残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制できる。これにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0164】
手段A2.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、前記空調機の制御情報(運転モード、設定温度、風量等)を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モード(表示制御モード)として、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、画像の書替後に書替前の画像の残像が残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコン(例えば運転切替アイコン75、温度設定アイコン77、UPアイコン83、DOWNアイコン84等)が含まれており、
ユーザによる前記操作アイコンの操作を検出する操作検出手段(タッチパネル55及びタッチIC54)を備え、
前記操作アイコンとして、メニュー切替用の第1操作アイコン(例えば運転切替アイコン75)と、空調制御パラメータ調整用の第2操作アイコン(例えばUPアイコン83、DOWNアイコン84)とが設けられており、
前記表示制御部は、
前記第1操作アイコンが操作された場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
前記第2操作アイコンが操作された場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している空調コントローラ。
【0165】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作に基づいて書き替えられることとなる。ここで、メニュー切替用の第1操作アイコンが操作された場合と、空調制御パラメータ調整用の第2操作アイコンが操作された場合とを比較した場合、前者は後者よりも表示される画像の変化(書替前後の画像の差違)が顕著になると想定される。本特徴A2に示す構成によれば、空調制御パラメータ調整用の第2操作アイコンが操作された場合、すなわち書替前後の画像の差違が相対的に小さくなる場合には、第1書替モードにて速やかに画像を書き替えることにより操作待ちとなる時間を短くすることができる。一方、メニュー切替用の第1操作アイコンが操作された場合には、すなわち書替前後の画像の差違が相対的に大きくなる場合には、第2書替モードにてある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替えることにより表示される情報の識別が残像の影響で分かりづらくなることを抑制できる。故に、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0166】
手段A3.前記第2操作アイコンは、当該第2操作アイコンの操作を契機として前記表示部における画像が書き替えられる場合に、当該表示部における表示位置が書替前後で一致する操作アイコンである特徴A2に記載の空調コントローラ。
【0167】
上記構成によれば、第1書替モードにて画像の書き替えを行ったとしても残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制できる。
【0168】
特徴A4.前記第1操作アイコンは、当該第1操作アイコンの操作を契機として前記表示部における画像が書き替えられる場合に、非表示となる操作アイコンである特徴A2又は特徴A3に記載の空調コントローラ。
【0169】
操作アイコンが非表示となったにも関わらず残像によってあたかも当該操作アイコンが存在しているかのように見えることはユーザを困惑させる要因になる。故に、本特徴A2に示したように第1操作アイコンが操作された場合には第2書替モードによって残像の影響を抑える構成とすることには技術的意義がある。
【0170】
特徴A5.ユーザの操作に基づいて空調機(空調機11)を制御可能な空調コントローラ(空調コントローラ12)であって、
電子ペーパを表示媒体とし、前記空調機の制御情報(運転モード、設定温度、風量等)を画像表示可能な表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モード(表示制御モード)として、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、画像の書替後に書替前の画像の残像が残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記表示部に表示される画像には、ユーザによる操作対象となる操作アイコン(例えばUPアイコン83、DOWNアイコン84等)が含まれており、
ユーザによる前記操作アイコンの操作を検出する操作検出手段(タッチパネル55)を備え、
前記操作アイコンとして、空調制御パラメータ調整用の操作アイコンが設けられており、
前記表示制御部は、
先の操作時と同じ操作アイコンが操作された場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う手段と、
先の操作時と異なる操作アイコンが操作された場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う手段と
を有している空調コントローラ。
【0171】
表示部に表示される各種情報(画像)については、ユーザの操作に基づいて書き替えられることとなる。ここで、本特徴A5に示す構成では、先の操作時と同じ操作アイコンが操作された場合と、先の操作時と異なる操作アイコンが操作された場合とで画像書替モードが相違する。先の操作時と同じ操作アイコンが操作された場合には第1書替モードにて速やかに画像を書き替えることにより、操作待ちとなる時間を短くすることができる。この場合、仮に先に表示されていた操作アイコンの残像が残ったとしても当該残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることはない。これに対して、先の操作時と異なる操作アイコンが操作された場合には第2書替モードにてある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替えることにより、残像の影響によって操作アイコンが分かりづらくなることを抑制できる。これにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0172】
なお、特徴A2~特徴A5に示した各技術的思想を特徴A1に適用してもよい。
【0173】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「電子ペーパにより表示画面を構成した画像表示装置によれば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等と比較して画像を表示状態に維持する場合の消費電力を大幅に低減することができる。」という背景技術について、「しかしながら、電子ペーパについては消費電力を低減できる点では優れているものの、着色された粒子の移動等によって画像が書き替わるという構造上の理由から、液晶ディスプレイ等と比較して画像の書き替えに要する所要時間が長くなる傾向にある。また、画像の書替後も先の画像が残像として残る場合があり、このような残像の影響が大きくなることで書替後の画像(情報)の識別力が低下し得る。近年では、画像の識別力の低下を抑えつつ書替速度の向上を図るべく様々な工夫がなされてはいるものの、その構成にはいまだ改善の余地がある。」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
【0174】
特徴B1.電子ペーパを表示媒体とする表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記電子ペーパの電極(電極106,107)に電圧を印加することにより前記表示部に表示される画像を書き替える一方、書替後の画像を前記電極に電圧を印加することなく(電力を消費することなく)維持可能な画像表示装置(コントローラユニット20)であって、
前記表示制御部は、
ユーザによる操作に基づいて前記表示部の画像を、所定のリフレッシュ表示を経由することなく書き替える書替手段(CPU51においてステップS505,S518の処理を実行する機能)と、
前記書替手段による画像の書き替えが実行されてからユーザによる操作が行われることなく所定条件(例えば所定時間の経過)が成立した場合に、前記表示部に表示中の画像を前記所定のリフレッシュ表示を経て再表示させる再表示手段(CPU51においてステップS603の処理を実行する機能)と
を有している画像表示装置。
【0175】
特徴B1に示す構成によれば、操作後に所定条件の成立に先行してユーザによる操作が行われた場合には書替手段によって表示部の画像が所定のリフレッシュ表示を経由することなく書き替えられることとなる。このように、操作→画像書替を速やかに実行して操作待ちとなる時間を短くすることにより、画像書替の応答性の向上が図られている。ここで、操作が連続して実行されることで所定のリフレッシュ表示を経由することのない書替(以下、直接書替ともいう)が連続した場合には、先に表示されていた画像が画像の書替後も残像として残ることとなり、このような残像が多くなることで画像の識別が困難になると想定される。また、操作中は、ユーザが書替前の画像を記憶しているであろうことからある程度の残像であれば画像の識別が可能であるかもしれないが、時間の経過に伴ってユーザの記憶が薄れた後には当該記憶に頼った識別は困難になると想定される。この点、上述の如く、書替手段による画像の書き替えが実行されてからユーザによる操作が行われることなく所定条件が成立した場合に、表示中の画像を所定のリフレッシュ表示を経て再表示させる構成とすれば、事後的な画像の確認であっても識別を容易とすることができる。このような構成とすることで、画像の識別力の低下を抑えつつ書替速度を向上させることができる。
【0176】
特徴B2.前記書替手段による画像の書き替えが実行されてから所定時間(例えば5sec)が経過した場合に前記所定条件成立となり、前記再表示手段による前記再表示が行われる特徴B1に記載の画像表示装置。
【0177】
画像書替(操作完了)から所定時間が経過したことに基づいて画像の再表示を行うことで、当該再表示がユーザに煩わしいとの印象を与えにくくすることができる。これにより、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0178】
特徴B3.前記書替手段による画像の書き替えが実行されてから経過した時間を計測する時間計測手段(リフレッシュ用タイマカウンタ)を備え、
前記再表示手段は、前記時間計測手段による計測された時間が前記所定時間(例えば5sec)となった場合に前記所定条件成立とし、前記再表示を行う構成となっており、
ユーザによる操作に基づいて前記書替手段により画像の書き替えが行われた場合に、前記時間計測手段に初期値を設定する初期値設定手段(CPU51においてステップS508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の画像表示装置。
【0179】
画像書替(操作完了)から所定時間が経過したことに基づいて画像の再表示を行うことで、当該再表示がユーザに煩わしいとの印象を与えにくくすることができる。これにより、特徴B1に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0180】
また、操作が連続する場合には、その連続回数については様々になり得る。そこで、本特徴B3に示すように、画像の書き替えの都度時間計測手段に初期値を設定する構成とすることで、連続操作が完了する前に再表示(所定のリフレッシュ表示)が実行されることを好適に抑制できる。
【0181】
なお、特徴B2及び特徴B3については「前記書替手段による画像の書き替えが実行されてから所定時間が経過した場合に前記所定条件成立」との記載を「ユーザによる操作が行われてから所定時間が経過した場合に前記所定条件成立」とすることも可能である。
【0182】
特徴B4.前記所定のリフレッシュ表示は、表示されている画像を印字パターン(例えば白黒)を反転させる反転表示及び表示されている画像を消去する消去表示(全明転又は全暗転)の少なくとも何れかを含む特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【0183】
電子ペーパによって表示部を構成する場合には、本特徴B4に示すように、所定のリフレッシュ表示として印字パターン(明暗パターン)の反転表示や画像の消去表示を行う構成とすることで残像を好適に減らすことができる。
【0184】
特徴B5.前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モード(表示制御モード)として、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、画像の書替後に書替前の画像の残像が残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、
前記書替手段は、前記所定条件が成立する前に先の操作と同じ操作が行われた場合に、前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う第1書替手段であり、
前記所定条件が成立する前に先の操作と異なる操作が行われた場合に、前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う第2書替手段を備えている特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【0185】
所定条件が成立する前に先の操作と同じ操作が行われた場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くし、所定条件が成立する前に先の操作と異なる操作が行われた場合にはそれが最後の操作である可能性が高くなると想定されることからある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、ユーザの利便性を好適に向上させることができる。
【0186】
なお、本特徴に示す構成を「前記表示制御部により前記表示部の画像を書き替える書替モード(表示制御モード)として、第1書替モード(第1表示制御モード)と、当該第1書替モードよりも画像の書き替えに要する所要時間が長い一方、画像の書替後に書替前の画像の残像が残りにくい第2書替モード(第2表示制御モード)とが設けられており、前記書替手段は、前記所定条件が成立する前に先の操作と同種の操作が行われた場合に、前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う第1書替手段であり、前記所定条件が成立する前に先の操作と異種の操作が行われた場合に、前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う第2書替手段を備えている特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の画像表示装置。」とすることも可能である。この場合、「同種」とは、同一の操作(例えば所定の空調用パラメータを加算させる操作→加算させる操作)だけではなく、所定の空調用パラメータを調整する操作である点では共通の操作であるものの作用が逆となる操作(例えば加算させる操作→減算させる操作、又は減算させる操作→加算させる操作)を含む。
【0187】
特徴B6.ユーザによる操作対象として、第1操作対象(温度調整ボタンアイコン)と、当該第1操作対象とは制御項目(アクション)が異なる第2操作対象(復帰ボタンアイコン)とが設けられており、
前記第1書替手段は、前記第1操作対象の操作に基づいて画像が書き替えられた後に、前記所定条件が成立する前に前記第1操作対象が再操作された場合に前記第1書替モードにて画像の書き替えを行う構成となっており、
前記第2書替手段は、前記第1操作対象の操作に基づいて画像が書き替えられた後に、前記所定条件が成立する前に前記第2操作対象が操作された場合に前記第2書替モードにて画像の書き替えを行う構成となっている特徴B5に記載の画像表示装置。
【0188】
操作が第1操作対象→第1操作対象の順に実行された場合には画像を速やかに書き替える構成として操作待ちとなる時間を短くし、操作が第1操作対象→第2操作対象の順に実行された場合にはある程度の時間をかけて画像をきれいに書き替える構成として後の情報確認→操作に備えることにより、特徴B5に示した効果を好適に発揮させることができる。
【0189】
特徴B7.前記表示制御部は、前記再表示手段による前記リフレッシュ表示の最中にユーザによる操作が行わた場合には、当該リフレッシュ表示を中止して当該操作に基づく画像の書き替えを行う構成となっている特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【0190】
特徴B1に示したように操作完了後に所定条件の成立を待って再表示(リフレッシュ表示)を行う構成においては、操作完了前に所定条件が成立した場合に再表示完了まで操作が不可となることは当該再表示の機能がユーザに煩わしいとの印象を与える要因になると懸念される。そこで、リフレッシュ表示中にユーザによる操作が行われた場合には当該リフレッシュ表示を中止して当該操作に基づく画像の書き替えを行うことで、上記不都合の発生を抑制することが好ましい。
【0191】
特徴B8.前記書替手段は、前記表示部に表示される各画像のうち当該表示部の所定領域に表示される特定の画像のみを対象として画像の書き替えを行う構成となっている特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【0192】
書替手段によって書き替えられる画像が表示画面における所定領域に表示される画像(特定の画像)に限定されている構成においては、操作が連続することで残像が累積した場合の識別性の低下が顕著になると懸念される。このような構成に、特徴B1等に示した技術的思想を適用することで、実用上好ましい構成を実現できる。
【0193】
特徴B9.電子ペーパを表示媒体とする表示部(ディスプレイ53)と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部(CPU51)と
を備え、
前記電子ペーパの電極(電極106,107)に電圧を印加することにより前記表示部に表示される画像を書き替える一方、書替後の画像を前記電極に電圧を印加することなく(電力を消費することなく)維持可能な画像表示装置(コントローラユニット20)であって、
前記表示制御部は、
ユーザによる所定の操作(温度調整操作)に基づいて前記表示部の画像を所定のリフレッシュ表示を経由することなく書き替える書替手段と、
前記所定の操作に基づいて前記書替手段による画像の書き替えが実行されてから当該所定の操作が行われることなく所定条件が成立した場合に、前記表示部に表示中の画像を前記所定のリフレッシュ表示を経て再表示させる再表示手段と
を有している画像表示装置。
【0194】
特徴B9に示す構成によれば、所定の操作後に所定条件の成立に先行してユーザによる当該所定の操作が行われた場合には書替手段によって表示部の画像が直接書き替えられることとなる。このように、所定の操作→画像書替を速やかに実行して操作待ちとなる時間を短くすることにより、画像書替の応答性の向上が図られている。ここで、所定の操作が連続して実行されることで直接書替が連続した場合には、先に表示されていた画像が画像の書替後も残像として残ることとなり、このような残像が多くなることで画像の識別が困難になると想定される。また、操作中はユーザが書替前の画像を記憶しているであろうことからある程度の残像であれば画像の識別が可能であるかもしれないが、時間の経過に伴ってユーザの記憶が薄れた後には当該記憶に頼った識別は困難になると想定される。この点、上述の如く、書替手段による画像の書き替えが実行されてからユーザによる所定の操作が行われることなく所定条件が成立した場合に、表示中の画像を所定のリフレッシュ表示を経て再表示させる構成とすれば、事後的な画像の確認であっても識別を容易とすることができる。このような構成とすることで、画像の識別力の低下を抑えつつ書替速度を向上させることができる。
【0195】
なお、特徴B2乃至特徴B8に示した各技術的思想を本特徴B9に適用してもよい。
【符号の説明】
【0196】
10…空調装置、11…空調機、12…空調コントローラ、20…コントローラユニット、21a…表示面、30…ホルダ、51…CPU、52…グラフィックIC、53…ディスプレイ、54…タッチIC、55…タッチパネル、62…内部電源、75…運転切替アイコン、76…ファン切替アイコン、77…温度設定アイコン、83…UPアイコン、84…DOWNアイコン、85…ホームアイコン、ST1…第1フェーズ、ST2…第2フェーズ、ST3…第3フェーズ、ST4…第4フェーズ。
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