(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】画像診断装置
(51)【国際特許分類】
G01T 1/161 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
G01T1/161 A
(21)【出願番号】P 2020094122
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】竹ノ内 志帆
(72)【発明者】
【氏名】大谷 篤
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 晴英
(72)【発明者】
【氏名】山川 善之
(72)【発明者】
【氏名】北本 博之
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-024313(JP,A)
【文献】特開2015-198769(JP,A)
【文献】特開2018-031656(JP,A)
【文献】特開平09-220219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0086758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161-1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者が横たわるための寝台と、
前記寝台に横たわった前記被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、
前記寝台に対して前記撮像部を移動させる駆動部と、
前記撮像部を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部と、
前記撮像部の移動経路において、前記撮像部により前記診断対象部位を撮像する際に
、前記診断対象部位を支持するように取り付けられる
とともに、前記撮像部が配置される撮像位置において、前記寝台と前記撮像部との間に跨って配置されている支持部材と、前記被検者の部位と、前記被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在を検知する検知部と、
前記操作部が、前記撮像部が前記撮像位置に配置されている状態において、前記支持部材が前記寝台と前記撮像部との間に跨る方向とは異なる方向に前記撮像部を移動させるための前記所定の操作を受け付けた際に、前記検知部により前記支持部
材の存在が検知されている場合に、前記駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、前記移動経路において前記支持部
材が存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える、画像診断装置。
【請求項2】
被検者が横たわるための寝台と、
前記寝台に横たわった前記被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、
前記寝台に対して前記撮像部を移動させる駆動部と、
前記撮像部により前記診断対象部位を撮像する際に前記診断対象部位を支持するように取り付けられるとともに前記撮像部が配置される撮像位置において所定の位置に配置されるように構成されている支持部材が、前記所定の位置に配置されているか否かを検知する検知部と、
前記検知部により前記支持部材が前記所定の位置に配置されていることが検知されている場合に、前記駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、前記支持部材が前記所定の位置に配置されていることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える、画像診断装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記撮像部により第1の前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される第1撮像位置において、所定の第1位置に配置される第1支持部材と、前記撮像部により第2の前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される第2撮像位置において、所定の第2位置に配置される第2支持部材と、を含み、
前記検知部は、前記第1支持部材が前記第1位置に配置されているか否かを検知する第1検知部と、前記第2支持部材が前記第2位置に配置されているか否かを検知する第2検知部と、を含み、
前記制御部は、前記第1検知部により前記第1支持部材が前記第1位置に配置されていることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記第1支持部材が前記第1位置に配置されていることを報知する第1報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うとともに、前記第2検知部により前記第2支持部材が前記第2位置に配置されていることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記第2支持部材が前記第2位置に配置されていることを報知する第2報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、請求項
2に記載の画像診断装置。
【請求項4】
被検者が横たわるための寝台と、
前記寝台に横たわった前記被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、
前記寝台に対して前記撮像部を移動させる駆動部と、
前記寝台と前記撮像部との間に隙間が存在するように構成されている前記撮像部の移動経路において、前記隙間に、前記被検者の部位と、前記被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知する検知部と、
前記検知部により前記隙間に前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、前記駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、前記隙間に前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える、画像診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断装置に関し、特に、寝台に横たわった被検者の診断対象部位を撮像する画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寝台に横たわった被検者の診断対象部位を撮像する画像診断装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、被検者の頭部および乳房を撮影するPET(Positron Emission Tomography)装置(画像診断装置)が開示されている。上記特許文献1に記載のPET装置では、被検者の撮影対象部位(頭部および乳房)を撮影するための撮影ユニット(撮像部)を、天板部に仰臥位に配置された被検者の頭部を撮影するための位置と、天板部に伏臥位に配置された被検者の乳房を撮影するための位置との間で移動することが可能に構成されている。上記特許文献1に記載のPET装置では、被検者の頭部を撮影する際には、撮影ユニットが頭部を撮影するための位置に移動した後、被検者の頭部を支持するためのヘッドレスト(支持部材)が、被検者の撮影を行う作業者によって天板部に取り付けられる。また、撮影ユニットを頭部を撮影するための位置から乳房を撮影するための位置に移動させる場合には、ヘッドレストが作業者によって天板から取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に明記されていないが、上記特許文献1のようなPET装置(画像診断装置)では、被検者を撮影する作業者が撮影ユニット(撮像部)を移動させるための操作を行うことによって、撮影ユニットの移動が行われると考えられる。しかしながら、上記特許文献1に記載のPET装置では、撮影ユニットを頭部(診断対象部位)を撮影するための位置から乳房(診断対象部位)を撮影するための位置に移動させる際に、ヘッドレスト(支持部材)の取外しが作業者によって行われるので、ヘッドレストに被検者の頭部が配置されている状態やヘッドレストを取り外していない状態で、作業者が、撮影ユニットを移動させるための操作を誤って行ってしまう場合がある。この場合、被検者の頭部やヘッドレストが撮影ユニットに巻き込まれたり衝突することよって、被検者の安全性が低下したり、ヘッドレストや撮影ユニット等の装置の破損や故障が生じてしまう可能性がある。また、上記特許文献1のようなPET装置では、撮影ユニットを頭部を撮影するための位置と乳房を撮影するための位置との間で移動させるので、被検者の部位(たとえば、手)や被検者を撮影する作業者の部位(たとえば、手)が撮影ユニットの移動経路に存在している状態で、作業者が、撮影ユニットを移動させるための操作を誤って行ってしまう場合がある。この場合、被検者の部位や作業者の部位が、撮影ユニットに巻き込まれたり衝突することよって、被検者および作業者の安全性が低下したり、撮影ユニット等の装置の破損や故障が生じてしまう可能性がある。このため、被検者の頭部(診断対象部位)を支持するヘッドレスト(支持部材)の取付けおよび取外しが作業者によって行われるとともに、撮影ユニット(撮像部)が移動する構成において、被検者および作業者の安全性が低下したり装置の破損や故障が生じてしまうのを抑制することが可能な画像診断装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被検者の診断対象部位を支持する支持部材の取付けおよび取り外しが作業者によって行われるとともに撮像部が移動する構成において、被検者および作業者の安全性が低下したり装置の破損や故障が生じてしまうのを抑制することが可能な画像診断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における画像診断装置は、被検者が横たわるための寝台と、寝台に横たわった被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、撮像部を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部と、寝台に対して撮像部を移動させる駆動部と、撮像部の移動経路において、撮像部により診断対象部位を撮像する際に、診断対象部位を支持するように取り付けられるとともに、撮像部が配置される撮像位置において、寝台と撮像部との間に跨って配置されている支持部材と、被検者の部位と、被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在を検知する検知部と、操作部が、撮像部が撮像位置に配置されている状態において、支持部材が寝台と撮像部との間に跨る方向とは異なる方向に撮像部を移動させるための所定の操作を受け付けた際に、検知部により支持部材の存在が検知されている場合に、駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、移動経路において支持部材が存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、この発明の第2の局面における画像診断装置は、被検者が横たわるための寝台と、寝台に横たわった被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、寝台に対して撮像部を移動させる駆動部と、撮像部により診断対象部位を撮像する際に診断対象部位を支持するように取り付けられるとともに撮像部が配置される撮像位置において所定の位置に配置されるように構成されている支持部材が、所定の位置に配置されているか否かを検知する検知部と、検知部により支持部材が所定の位置に配置されていることが検知されている場合に、駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、支持部材が所定の位置に配置されていることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、この発明の第3の局面における画像診断装置は、被検者が横たわるための寝台と、寝台に横たわった被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、寝台に対して撮像部を移動させる駆動部と、寝台と撮像部との間に隙間が存在するように構成されている撮像部の移動経路において、隙間に、被検者の部位と、被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知する検知部と、検知部により隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記第1の局面における画像診断装置は、上記のように、撮像部を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部を備え、制御部は、撮像部が撮像位置に配置されている状態において、支持部材が寝台と撮像部との間に跨る方向とは異なる方向に撮像部を移動させるための所定の操作を操作部が受け付けた際に、検知部により支持部材の存在が検知されている場合に、非駆動制御と、移動経路において支持部材が存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。これにより、撮像部が配置される撮像位置において、支持部材が、寝台と撮像部との間に跨って配置されている状態において、撮像部が寝台と撮像部との間に跨る方向とは異なる方向に移動することに起因して、撮像部の支持部材に対する衝突や巻き込み、および、支持部材に支持された診断対象部位に対する衝突や巻き込みが生じるのを防止することができる。
また、上記第2の局面における画像診断装置は、上記のように、支持部材は、撮像部により診断対象部位を撮像する際に、撮像部が配置される撮像位置において、所定の位置に配置されるように構成され、検知部は、支持部材が所定の位置に配置されているか否かを検知するように構成され、制御部は、検知部により支持部材が所定の位置に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、支持部材が所定の位置に配置されていることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。これにより、制御部は、支持部材が所定の位置に配置された状態において、撮像部の支持部材に対する衝突や巻き込み、および、支持部材に支持された診断対象部位に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
また、上記第3の局面における画像診断装置は、上記のように、移動経路において、寝台と撮像部との間に隙間が存在するように構成されており、検知部は、隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知し、制御部は、経路上物体検知部により隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、非駆動制御と、隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。これにより、制御部は、隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在することにより、撮像部の被検者の部位に対する衝突や巻き込み、および、作業者の部位に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による画像診断装置を示した斜視図である。
【
図2】一実施形態による画像診断装置の制御に関するブロック図である。
【
図3】一実施形態による画像診断装置における被検者の頭部の撮像を説明するための図である。
【
図4】一実施形態による画像診断装置における被検者の乳房の撮像を説明するための図である。
【
図5】一実施形態による画像診断装置における撮像部の移動に関する制御フローを示した第1の図である。
【
図6】一実施形態による画像診断装置における撮像部の移動に関する制御フローを示した第2の図である。
【
図7】一実施形態による画像診断装置における撮像部の移動に関する制御フローを示した第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
(画像診断装置の構成)
図1~
図4を参照して、本実施形態による画像診断装置100の構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、画像診断装置100は、被検者200(
図3参照)の診断対象部位210(
図3参照)における疾患(たとえば、がん)について診断を行うための装置である。画像診断装置100は、被検者200の頭部211(
図3参照)と被検者200の乳房212(
図4参照)との2種類の診断対象部位210の診断を行うことが可能に構成されている。なお、被検者200の頭部211および被検者200の乳房212は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の診断対象部位」および「第2の診断対象部位」の一例である。
【0013】
画像診断装置100は、被検者200(
図3参照)に予め投与された放射性薬剤に起因して被検者200の診断対象部位210(
図3参照)において発生した放射線(ガンマ線)を検出することによって、被検者200の診断対象部位210を撮像するPET装置である。放射線(ガンマ線)は、被検者200の体内において、放射性薬剤から発生した陽電子と、この陽電子の近傍に位置する原子が有する電子との対消滅によって発生する。画像診断装置100は、被検者200の診断対象部位210において検出された放射線(ガンマ線)に基づいて、撮像画像を生成する。そして、生成された撮像画像に基づいて、被検者200の診断対象部位210の疾患に対する診断が行われる。
【0014】
画像診断装置100は、被検者200(
図3参照)が横たわるための寝台10を備える。寝台10は、被検者200を載置可能なように水平方向に延びる天板11と、天板11を下側(Z2側)から支持する基台12と、を含む。天板11には、被検者200の乳房212(
図4参照)を撮像する際に、乳房212が挿入される孔部11aが設けられている。なお、以下の説明では、上下方向、天板11の長手方向および天板11の短手方向を、それぞれ、Z方向、X方向およびY方向とする。そして、Z方向において、上側および下側を、それぞれ、Z1側およびZ2側とする。また、X方向において、被検者200が天板11に載置される際に、被検者200の頭部211(
図3参照)が配置される側および被検者200の足部が配置される側を、それぞれ、X1側およびX2側とする。
【0015】
図2に示すように、画像診断装置100は、寝台10(
図3参照)に横たわった被検者200(
図3参照)の診断対象部位210(
図3参照)を撮像する撮像部20を備える。
図3に示すように、撮像部20は、円環形状を有する筐体21と、筐体21の内部に設けられた検出器22と、を含む。円環形状の筐体21は、円環の中心を円環の軸方向に貫通する貫通孔21aを有している。撮像部20によって被検者200の診断対象部位210の撮像を行う際、被検者200の診断対象部位210は、貫通孔21aの内部に配置される。検出器22は、被検者200の診断対象部位210から放出された放射線(ガンマ線)を検出するように構成されている。そして、検出器22は、検出した放射線(ガンマ線)に応じた電気信号を画像処理部(後述する)に出力するように構成されている。検出器22は、たとえば、シンチレータと光電子増倍管とを含むシンチレーション検出器である。検出器22は、筐体21の貫通孔21aを取り囲むように、円環状に設けられている。
【0016】
図2に示すように、画像診断装置100は、寝台10(
図3参照)に対して撮像部20を移動させる駆動部30を備える。駆動部30は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10に撮像部20を移動させることが可能に構成されている。具体的には、駆動部30は、撮像部20による被検者200の頭部211の撮像を行うための頭部撮像位置P11(
図3参照)と、被検者200の乳房212の撮像を行うための乳房撮像位置P12(
図4参照)との間において、撮像部20を移動させることが可能に構成されている。駆動部30は、駆動源としてのモータ等を含む。
図3に示すように、頭部撮像位置P11では、撮像部20は、貫通孔21aが伸びる方向(貫通孔21aの軸方向)がX方向に沿うように配置される。また、
図4に示すように、乳房撮像位置P12では、撮像部20は、貫通孔21aが伸びる方向(貫通孔21aの軸方向)がZ方向に沿うように配置される。駆動部30は、撮像部20をX方向に移動可能なX方向駆動部と、撮像部20をZ方向に移動可能なZ方向駆動部と、撮像部20をY方向に延びる軸線周りに90度回転させる回動駆動部と、を含む。頭部撮像位置P11は、天板11のX1側に位置する。また、乳房撮像位置P12は、天板11の孔部11aのZ2側の近傍に位置する。なお、頭部撮像位置P11および乳房撮像位置P12は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1撮像位置」および「第2撮像位置」の一例である。
【0017】
図3に示すように、画像診断装置100は、撮像部20の(頭部撮像位置P11と乳房撮像位置P12との間の)移動経路41において、寝台10と撮像部20との間に隙間42が存在するように構成されている。具体的には、
図4に示すように、乳房212を撮影する際には、寝台10のX1側の部分としての可動部10aが、頭部撮像位置P11のX1側、かつ、天板11に配置された状態の被検者200の頭部211のZ2側に配置されている。一方、
図3に示すように、頭部211を撮像する際には、乳房212を撮影する際の可動部10aの位置に、撮像部20の一部が配置される。したがって、画像診断装置100は、撮像部20を乳房撮像位置P12から頭部撮像位置P11へ移動させる前に、可動部10aを、乳房212を撮影する際の可動部10aの位置から退避させるように構成されている。このため、撮像部20が移動経路41上を移動する際に、乳房212を撮影する際の可動部10aの位置において、寝台10と撮像部20との間に隙間42が形成される。なお、本願明細書では、「移動経路41」は、頭部撮像位置P11と乳房撮像位置P12との間の位置と、頭部撮像位置P11および乳房撮像位置P12自体と、を含む広い概念として用いている。
【0018】
図2に示すように、画像診断装置100は、撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部51を備える。操作部51は、X方向駆動部を駆動させるためのX方向移動スイッチと、Z方向駆動部を駆動させるためのZ方向移動スイッチと、を含む。X方向駆動部およびZ方向駆動部は、後述する非駆動制御が行わる場合を除いて、それぞれ、X方向移動スイッチが操作(押下)されている期間およびZ方向移動スイッチが操作(押下)されている期間、駆動するように構成されている。すなわち、画像診断装置100では、撮像部20を移動させるための所定の操作とは、撮像部20をX方向およびZ方向に移動させるために、それぞれ、X方向移動スイッチおよびZ方向移動スイッチを操作(押下)することである。なお、
図1に示すように、操作部51は、寝台10のX1側に配置された制御台50の上部に設けられている。このため、被検者200を撮像する作業者は、隙間42が形成される位置の近傍にいながら、撮像部20を移動させるための所定の操作を行う場合がある。
【0019】
図2に示すように、画像診断装置100は、被検者200に関する情報や撮像部20により撮像された被検者200の診断対象部位210の画像等が表示される表示部52を備える。表示部52は、たとえば、液晶ディスプレイなどにより構成されている。被検者200に関する情報は、寝台10に横たわっている被検者200が撮像対象の被検者200であるか否かを確認するための被検者200の氏名等を含む。表示部52は、撮像部20の移動経路41(
図3参照)と、移動経路41上における撮像部20の現在位置とが表示されるように構成されている。これにより、被検者200を撮像する作業者(画像診断装置100の操作者)は、表示部52に表示された移動経路41上における撮像部20の現在位置を確認しながら、操作部51を操作することができる。
図1に示すように、表示部52は、制御台50の上部に設けられている。
【0020】
図2に示すように、画像診断装置100は、画像診断装置100の動作を制御する制御部53を備える。制御部53は、たとえば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含んで構成された制御基板である。制御部53は、X方向移動スイッチに対する操作に基づいて、撮像部20をX方向に移動させるように駆動部30のX方向駆動部を制御する。また、制御部53は、Z方向移動スイッチに対する操作に基づいて、撮像部20をZ方向に移動させるように駆動部30のZ方向駆動部を制御する。図示しないが、制御部53は、制御台50(
図1参照)の内部に設けられている。
【0021】
図3および
図4に示すように、画像診断装置100は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に診断対象部位210を支持するように取り付けられる支持部材70を備える。支持部材70は、撮像部20により被検者200の頭部211を撮像する際に被検者200の頭部211を支持するように取り付けられるヘッドレスト71と、撮像部20により被検者200の乳房212を撮像する際に被検者200の乳房212を支持するように取り付けられるアタッチメント72と、を含む。なお、ヘッドレスト71およびアタッチメント72は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1支持部材」および「第2支持部材」の一例である。
【0022】
そして、支持部材70は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10において、所定の位置P20に配置されるように構成されている。詳細には、
図3に示すように、ヘッドレスト71は、被検者200の頭部211を撮像する際に、撮像部20が配置される頭部撮像位置P11において、所定のヘッドレスト所定位置P21に配置される。また、
図4に示すように、アタッチメント72は、被検者200の乳房212を撮像する際に、撮像部20が配置される乳房撮像位置P12において、所定のアタッチメント所定位置P22に配置される。なお、ヘッドレスト所定位置P21およびアタッチメント所定位置P22は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1位置」および「第2位置」の一例である。
【0023】
具体的には、
図3に示すように、ヘッドレスト71は、天板11のX1側の端部に取付け可能に構成されている。ヘッドレスト71は、撮像部20が頭部撮像位置P11に配置されている状態(貫通孔21aが伸びる方向がX方向に沿う状態)において、被検者200を撮像する作業者によって、一部が貫通孔21aに挿入されるように天板11に取付けられる。なお、ヘッドレスト71が天板11のX1側の端部に取付けられた状態におけるヘッドレスト71の位置を、ヘッドレスト所定位置P21とする。
【0024】
また、
図4に示すように、アタッチメント72は、天板11の孔部11aに取付け可能に構成されている。アタッチメント72は、撮像部20が乳房撮像位置P12に配置されている状態(貫通孔21aが伸びる方向がZ方向に一致する状態)において、被検者200を撮像する作業者によって、一部が貫通孔21aに挿入されるように天板11に取付けられる。なお、アタッチメント72が天板11の孔部11aに取付けられた状態におけるアタッチメント72の位置を、アタッチメント所定位置P22とする。
【0025】
また、支持部材70は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10において、寝台10と撮像部20との間に跨って配置される。詳細には、
図3に示すように、ヘッドレスト71は、撮像部20により被検者200の頭部211を撮像する際に、頭部撮像位置P11において、寝台10と撮像部20との間にX方向に跨って配置される。また、
図4に示すように、アタッチメント72は、撮像部20により被検者200の乳房212を撮像する際に、乳房撮像位置P12において、寝台10と撮像部20との間にZ方向に跨って配置される。
【0026】
具体的には、
図3に示すように、ヘッドレスト71は、平板状の部分71aを含む。ヘッドレスト71は、ヘッドレスト所定位置P21に配置された状態において、平板状の部分71aがX方向に延びるとともに、平板状の部分71aのX1側の部分およびX2側の部分が、それぞれ、撮像部20の貫通孔21aの内部および天板11のX1側の端部に配置されている。すなわち、ヘッドレスト71は、頭部撮像位置P11において、寝台10と撮像部20との間をX方向に跨って配置されている。なお、ヘッドレスト71は、ヘッドレスト所定位置P21に配置された状態において、撮像部20の貫通孔21aの内部のZ2側に配置されている。そして、被検者200の頭部211を撮像するために、被検者200の頭部211が、撮像部20の貫通孔21aの内部において、ヘッドレスト71にZ2側から支持されるようにヘッドレスト71のZ1側に配置される。
【0027】
また、
図4に示すように、アタッチメント72は、筒状の部分72aと、筒状の部分72aに接続された平板状の部分72bと、を含む。平板状の部分72bは、筒状の部分72aの軸方向の一方側の端部から、筒状の部分72aの周方向の外側に延びるように配置されている。アタッチメント72は、アタッチメント所定位置P22に配置された状態において、筒状の部分72aが、軸方向がZ方向に沿うように配置されているとともに、Z1側の端部およびZ2側の部分が、それぞれ、天板11の孔部11aの内部および撮像部20の貫通孔21aの内部に配置されている。すなわち、アタッチメント72は、乳房撮像位置P12において、寝台10と撮像部20との間をZ方向に跨って配置されている。なお、アタッチメント72は、アタッチメント所定位置P22に配置された状態において、平板状の部分72bが、天板11の孔部11aの周囲の部分にZ2側から支持されるように水平方向(X方向およびY方向)に延びるように配置されている。そして、被検者200の乳房212を撮像するために、被検者200の乳房212が、アタッチメント72の筒状の部分72aの内部に配置される。
【0028】
ここで、本実施形態では、
図2に示すように、画像診断装置100は、撮像部20の移動経路41(
図3参照)において、支持部材70(
図3参照)の存在と、被検者200(
図3参照)の部位の存在と、被検者200を撮像する作業者の部位の存在とを検知する検知部80を備える。詳細には、検知部80は、ヘッドレスト71(
図3参照)がヘッドレスト所定位置P21(
図3参照)に配置されているか否かを検知するヘッドレスト検知部81と、アタッチメント72(
図3参照)がアタッチメント所定位置P22(
図3参照)に配置されているか否かを検知するアタッチメント検知部82と、を含む。すなわち、検知部80は、支持部材70が所定の位置P20(
図3参照)に配置されているか否かを検知するように構成されている。また、検知部80は、隙間42(
図3参照)に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知する経路上物体検知部83を含む。なお、ヘッドレスト検知部81、アタッチメント検知部82および経路上物体検知部83は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1検知部」、「第2検知部」および「第3検知部」の一例である。
【0029】
具体的には、
図3に示すように、ヘッドレスト検知部81は、ヘッドレスト所定位置P21の近傍に配置されている。ヘッドレスト検知部81は、たとえば、透過光または反射光を用いて物体の有無を検知する光学センサである。ヘッドレスト検知部81は、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることを検知した場合、制御部53に対して、ヘッドレスト検知信号を出力するように構成されている。
【0030】
また、
図4に示すように、アタッチメント検知部82は、アタッチメント所定位置P22の近傍に配置されている。アタッチメント検知部82は、たとえば、光学センサである。アタッチメント検知部82は、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることを検知した場合、制御部53に対して、アタッチメント検知信号を出力するように構成されている。
【0031】
また、
図3に示すように、経路上物体検知部83は、寝台10と撮像部20との間の隙間42の近傍に配置されている。経路上物体検知部83は、たとえば、光学センサである。経路上物体検知部83は、寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位(たとえば、手)や撮像部20を撮像する作業者の部位(たとえば、手)が存在していることを検知した場合、制御部53に対して、経路上物体検知信号を出力するように構成されている。
【0032】
そして、本実施形態では、制御部53(
図2参照)は、(撮像部20が移動する際に、)検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、駆動部30の駆動を行わせない非駆動制御と、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御(表示部52(
図2参照)に表示させる制御)との両方の制御を行うように構成されている。詳細には、制御部53は、(撮像部20が撮像位置P10に配置されている状態において、支持部材70が寝台10と撮像部20との間に跨る方向とは異なる方向に)撮像部20を移動させるための所定の操作を操作部51が受け付けた際に、検知部80により支持部材70の存在が検知されている場合に、非駆動制御と、移動経路41において支持部材70が存在していることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成されている。
【0033】
また、制御部53(
図2参照)は、ヘッドレスト検知部81によりヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることを報知する第1報知制御との両方の制御を行うように構成されている。また、
図4に示すように、制御部53(
図2参照)は、アタッチメント検知部82によりアタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることを報知する第2報知制御との両方の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部53は、検知部80により支持部材70が所定の位置P20に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、支持部材70が所定の位置P20に配置されていることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成されている。また、
図3に示すように、制御部53(
図2参照)は、経路上物体検知部83により隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれが存在していることが検知されている場合に、非駆動制御と、隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれが存在していることを報知する第3報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。
【0034】
具体的には、制御部53(
図2参照)は、撮像部20が頭部撮像位置P11に配置されている状態において、ヘッドレスト71が寝台10と撮像部20との間に跨る方向(X方向)とは異なる方向(Z方向)に撮像部20を移動させるための所定の操作(Z方向移動スイッチの操作)を操作部51(
図2参照)が受け付けた際に、ヘッドレスト検知信号が入力されているか否か(ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されているか否か)を判断する。そして、制御部53は、ヘッドレスト検知信号が入力されている場合、撮像部20をZ方向に移動させる制御(Z方向駆動部を駆動させる制御)を行わないとともに、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていること(を示すメッセージ)を表示部52(
図2参照)に表示させる制御を行う。
【0035】
また、
図4に示すように、制御部53(
図2参照)は、撮像部20が乳房撮像位置P12に配置されている状態において、アタッチメント72が寝台10と撮像部20との間に跨る方向(Z方向)とは異なる方向(X方向)に撮像部20を移動させるための所定の操作(X方向移動スイッチの操作)を操作部51(
図2参照)が受け付けた際に、アタッチメント検知信号が入力されているか否か(アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されているか否か)を判断する。そして、制御部53は、アタッチメント検知信号が入力されている場合、撮像部20をX方向に移動させる制御(X方向駆動部を駆動させる制御)を行わないとともに、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていること(を示すメッセージ)を表示部52(
図2参照)に表示させる制御を行う。
【0036】
また、
図3に示すように、制御部53(
図2参照)は、操作部51(
図2参照)が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けた際に、経路上物体検知知信号が入力されているか否か(撮像部20の移動経路41において寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否か)を判断する。そして、制御部53は、経路上物体検検知信号が入力されている場合、撮像部20を移動させる制御(駆動部30(
図2参照)を駆動させる制御)を行わないとともに、撮像部20の移動経路41において寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していること(を示すメッセージ)を表示部52(
図2参照)に表示させる制御を行う。
【0037】
(制御部による撮像部の移動に関する制御フロー)
次に、
図5~
図7を参照して、制御部53による撮像部20の移動に関する制御フローについて説明する。なお、以下の制御フローは、画像診断装置100の稼働の開始に伴って開始され、画像診断装置100の稼働の終了に伴って終了される。
【0038】
まず、
図5に示すように、ステップ301において、制御部53は、操作部51が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けたか否かを判断する。ステップ301において、制御部53は、操作部51が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けたと判断した場合、ステップ302に進む。なお、制御部53は、操作部51が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けたと判断されるまで、ステップ301を繰り返す。
【0039】
ステップ302において、制御部53は、撮像部20の位置を判断する。ステップ302において、制御部53は、撮像部20が頭部撮像位置P11に位置していると判断した場合、ステップ311に進む。また、ステップ302において、制御部53は、撮像部20が乳房撮像位置P12に位置していると判断した場合、ステップ321(
図6参照)に進む。また、ステップ302において、制御部53は、撮像部20が頭部撮像位置P11および乳房撮像位置P12以外の位置に位置していると判断した場合、ステップ331(
図7参照)に進む。
【0040】
ステップ311において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をZ方向に移動させるための操作であるか否か(操作部51のZ方向移動スイッチが操作されたか否か)を判断する。ステップ311において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をZ方向に移動させるための操作である(操作部51のZ方向移動スイッチが操作された)と判断した場合、ステップ312に進む。また、ステップ311において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をZ方向に移動させるための操作でない(操作部51のZ方向移動スイッチ以外の部分が操作された)と判断した場合、ステップ313に進む。
【0041】
ステップ312において、制御部53は、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されているか否か(ヘッドレスト検知信号が入力されているか否か)を判断する。ステップ312において、制御部53は、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されている(ヘッドレスト検知信号が入力されている)と判断した場合、ステップ314に進む。また、ステップ312において、制御部53は、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていない(ヘッドレスト検知信号が入力されていない)と判断した場合、ステップ315に進む。
【0042】
ステップ313において、制御部53は、撮像部20を移動させる制御(駆動部30を駆動させる制御)を行う。そして、ステップ301に戻る。
【0043】
ステップ314において、制御部53は、撮像部20をZ方向に移動させる制御(Z方向駆動部を駆動させる制御)を行わないとともに、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることを表示部52に表示させる制御を行う。そして、ステップ301に戻る。
【0044】
ステップ315において、制御部53は、撮像部20をZ方向に移動させる制御(Z方向駆動部を駆動させる制御)を行う。そして、ステップ301に戻る。
【0045】
図6に示すように、ステップ321において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をX方向に移動させるための操作であるか否か(操作部51のX方向移動スイッチが操作されたか否か)を判断する。ステップ321において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をX方向に移動させるための操作である(操作部51のX方向移動スイッチが操作された)と判断した場合、ステップ322に進む。また、ステップ321において、制御部53は、操作部51が受け付けた所定の操作が撮像部20をX方向に移動させるための操作でない(操作部51のX方向移動スイッチ以外の部分が操作された)と判断した場合、ステップ323に進む。
【0046】
ステップ322において、制御部53は、アタッチメント72がアタッチメント72に配置されているか否か(アタッチメント検知信号が入力されているか否か)を判断する。ステップ322において、制御部53は、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されている(アタッチメント検知信号が入力されている)と判断した場合、ステップ324に進む。また、ステップ322において、制御部53は、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていない(アタッチメント検知信号が入力されていない)と判断した場合、ステップ325に進む。
【0047】
ステップ323において、制御部53は、撮像部20を移動させる制御(駆動部30を駆動させる制御)を行う。そして、ステップ301(
図5参照)に戻る。
【0048】
ステップ324において、制御部53は、撮像部20をX方向に移動させる制御(X方向駆動部を駆動させる制御)を行わないとともに、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることを表示部52に表示させる制御を行う。そして、ステップ301(
図5参照)に戻る。
【0049】
ステップ325において、制御部53は、撮像部20をX方向に移動させる制御(X方向駆動部を駆動させる制御)を行う。そして、ステップ301(
図5参照)に戻る。
【0050】
図7に示すように、ステップ331において、撮像部20の移動経路41において、寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否か(経路上物体検知信号が入力されているか否か)を判断する。ステップ331において、制御部53は、撮像部20の移動経路41において、寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在している(経路上物体検知信号が入力されている)と判断した場合、ステップ332に進む。また、ステップ331において、制御部53は、撮像部20の移動経路41において、寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのいずれもが存在していない(経路上物体検知信号が入力されていない)と判断した場合、ステップ333に進む。
【0051】
ステップ332において、制御部53は、撮像部20を移動させる制御(駆動部30を駆動させる制御)を行わないとともに、撮像部20の移動経路41において、寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを表示部52に表示させる制御を行う。そして、ステップ301(
図5参照)に戻る。
【0052】
ステップ333において、制御部53は、撮像部20を移動させる制御(駆動部30を駆動させる制御)を行う。そして、ステップ301(
図5参照)に戻る。
【0053】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
本実施形態の画像診断装置100は、上記のように、検知部80により、撮像部20により被検者200の診断対象部位210を撮像する際に診断対象部位210を支持するように取り付けられる支持部材70と、被検者200の部位と、被検者200を撮像する作業者とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、被検者200が横たわるための寝台10に対して撮像部20を移動させる駆動部30の駆動を行わせない非駆動制御と、撮像部20の移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部53を備える。これにより、撮像部20の移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在している場合に、制御部53の非駆動制御が行われることにより、撮像部20の移動が行われないので、撮像部20の支持部材70、被検者200の部位および作業者の部位に対する衝突や巻き込みを防止することができる。また、撮像部20の移動経路41において、支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在している場合に、制御部53の報知制御が行われることにより、作業者に、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを認識させることができる。これにより、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在している状態において、作業者が、撮像部20を移動させる操作を行ってしまうのを防止することができるので、撮像部20の支持部材70、被検者200の部位および作業者の部位に対する衝突や巻き込みを防止することができる。これらの結果、被検者200の診断対象部位210を支持する支持部材70の取付けおよび取り外しが被検者200を撮像する作業者によって行われるとともに撮像部20が移動する構成において、被検者200および作業者の安全性が低下したり装置の破損や故障が生じてしまうのを抑制することができる。
【0055】
また、上記実施形態では、以下のように構成したことによって、下記の更なる効果が得られる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、制御部53は、撮像部20が移動する際に、検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部53は、撮像部20が移動することによって、撮像部20の支持部材70、被検者200の部位および作業者の部位に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、画像診断装置100は、撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部51をさらに備える。そして、制御部53は、操作部51が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けた際に、検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部53は、操作部51が撮像部20を移動させるための所定の操作を受け付けることによって、撮像部20の支持部材70、被検者200の部位および作業者の部位に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、支持部材70は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10において、寝台10と撮像部20との間に跨って配置されている。そして、制御部53は、撮像部20が撮像位置P10に配置されている状態において、支持部材70が寝台10と撮像部20との間に跨る方向とは異なる方向に撮像部20を移動させるための所定の操作を操作部51が受け付けた際に、検知部80により支持部材70の存在が検知されている場合に、非駆動制御と、移動経路41において支持部材70が存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、撮像部20が配置される撮像位置P10において、支持部材70が、寝台10と撮像部20との間に跨って配置されている状態において、撮像部20が寝台10と撮像部20との間に跨る方向とは異なる方向に移動することに起因して、撮像部20の支持部材70に対する衝突や巻き込み、および、支持部材70に支持された診断対象部位210に対する衝突や巻き込みが生じるのを防止することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、支持部材70は、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10において、所定の位置P20に配置されるように構成されている。また、検知部80は、支持部材70が所定の位置P20に配置されているか否かを検知するように構成されている。そして、制御部53は、検知部80により支持部材70が所定の位置P20に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、支持部材70が所定の位置P20に配置されていることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部53は、支持部材70が所定の位置P20に配置された状態において、撮像部20の支持部材70に対する衝突や巻き込み、および、支持部材70に支持された診断対象部位210に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、支持部材70は、被検者200の頭部211(第1の診断対象部位)を撮像する際に、撮像部20が配置される頭部撮像位置P11(第1撮像位置)において、所定のヘッドレスト所定位置P21(第1位置)に配置されるヘッドレスト71(第1支持部材)と、被検者200の乳房212(第2の診断対象部位)を撮像する際に、撮像部20が配置される乳房撮像位置P12(第2撮像位置)において、所定のアタッチメント所定位置P22(第2位置)に配置されるアタッチメント72(第2支持部材)と、を含む。また、検知部80は、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されているか否かを検知するヘッドレスト検知部81(第1検知部)と、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されているか否かを検知するアタッチメント検知部82(第2検知部)と、を含む。そして、制御部53は、ヘッドレスト検知部81によりヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることを報知する第1報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うとともに、アタッチメント検知部82によりアタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることを報知する第2報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部53は、ヘッドレスト71が所定のヘッドレスト所定位置P21に配置された状態において、撮像部20のヘッドレスト71に対する衝突や巻き込み、および、ヘッドレスト71に支持された被検者200の頭部211に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができるとともに、アタッチメント72が所定のアタッチメント所定位置P22に配置された状態において、撮像部20のアタッチメント72に対する衝突や巻き込み、および、アタッチメント72に支持された被検者200の乳房212に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、画像診断装置100は、移動経路41において、寝台10と撮像部20との間に隙間42が存在するように構成されている。また、検知部80は、隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知する経路上物体検知部83(第3検知部)を含む。そして、制御部53は、経路上物体検知部83により隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、非駆動制御と、隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する第3報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御部53は、隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在することにより、撮像部20の被検者200の部位に対する衝突や巻き込み、および、作業者の部位に対する衝突や巻き込みが生じる可能性がある場合に、非駆動制御と第3報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うことができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、画像診断装置100は、被検者200に関する情報が表示される表示部52をさらに備える。そして、制御部53は、検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを表示部52に表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者に、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを容易に認識させることができる。
【0063】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0064】
たとえば、上記実施形態では、制御部53を、検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、移動経路41において支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを表示部52に表示させる制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、検知部により支持部材と被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、移動経路において支持部材と被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを音声によって報知する制御を行うように構成してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、制御部53を、撮像部20が撮像位置P10に配置されている状態において、支持部材70が寝台10と撮像部20との間に跨る方向とは異なる方向に撮像部20を移動させるための所定の操作を操作部51が受け付けた際に、検知部80により支持部材70の存在が検知されている場合に、非駆動制御と、移動経路41において支持部材70が存在していることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、撮像部が撮像位置に配置されている状態において、撮像部を移動させるための全ての所定の操作のうちのいずれかの操作を操作部が受け付けた際に、検知部により支持部材の存在が検知されている場合に、非駆動制御と、移動経路において支持部材が存在していることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、支持部材70を、撮像部20により診断対象部位210を撮像する際に、撮像部20が配置される撮像位置P10において、寝台10と撮像部20との間に跨って配置させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、支持部材を、撮像部により診断対象部位を撮像する際に、撮像部が配置される撮像位置において、寝台と撮像部との間に跨らないように配置させてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、制御部53を、ヘッドレスト検知部81(第1検知部)によりヘッドレスト71(第1支持部材)が所定のヘッドレスト所定位置P21(第1位置)に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、ヘッドレスト71がヘッドレスト所定位置P21に配置されていることを報知する第1報知制御との両方の制御を行うとともに、アタッチメント検知部82(第2検知部)によりアタッチメント72(第2支持部材)が所定のアタッチメント所定位置P22(第2位置)に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、アタッチメント72がアタッチメント所定位置P22に配置されていることを報知する第2報知制御との両方の制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、第1検知部により第1支持部材が所定の第1位置に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御および第1支持部材が第1位置に配置されていることを報知する第1報知制御を行わないように構成してもよいし、第2検知部により第2支持部材が所定の第2位置に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御および第2支持部材が第2位置に配置されていることを報知する第2報知制御を行わないように構成してもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、制御部53を、検知部80により支持部材70が所定の位置P20に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御と、支持部材70が所定の位置P20に配置されていることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、検知部により支持部材が所定の位置に配置されていることが検知されている場合に、非駆動制御および支持部材が所定の位置に配置されていることを報知する報知制御を行わないように構成してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、制御部53を、経路上物体検知部83(第3検知部)により隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、非駆動制御と、隙間42に被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する第3報知制御との両方の制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、第3検知部により隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、非駆動制御および隙間に被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する第3報知制御を行わないように構成してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、検知部80を、ヘッドレスト71(第1支持部材)が所定のヘッドレスト所定位置P21(第1位置)に配置されているか否かを検知するヘッドレスト検知部81(第1検知部)と、アタッチメント72(第2支持部材)が所定のアタッチメント所定位置P22(第2位置)に配置されているか否かを検知するアタッチメント検知部82(第2検知部)と、を含むように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像診断装置を、第1検知部または第2検知部のいずれかのみを含むように構成してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、検知部80を、支持部材70が所定の位置P20に配置されているか否かを検知するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、検知部を、支持部材が所定の位置に配置されているか否かを検知しないように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、検知部80を、撮像部20の移動経路41における寝台10と撮像部20との間の隙間42に被検者200の部位と被検者200を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在するか否かを検知するための経路上物体検知部83(第3検知部)を含むように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像診断装置を、撮像部の移動経路における寝台と撮像部との間の隙間に被検者の部位と被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在するか否かを検知するための第3検知部を含まないように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、画像診断装置100を、撮像部20の移動経路41において寝台10と撮像部20との間に隙間42が存在するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像診断装置を、撮像部の移動経路において寝台と撮像部との間に隙間が存在しないように構成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、制御部53を、検知部80により支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、駆動部30の駆動を行わせない非駆動制御と、支持部材70と被検者200の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御との両方の制御を行うように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部を、検知部により支持部材と被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、支持部材と被検者の部位と作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していること報知する報知制御とのいずれか一方の制御を行うように構成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、画像診断装置100を、被検者200の頭部211(第1の診断対象部位)と被検者200の乳房212(第2の診断対象部位)との2種類の診断対象部位210の診断を行うことが可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像診断装置を、被検者の頭部と被検者の乳房との組み合わせ以外の2種類の診断対象部位の診断を行うことが可能に構成してもよい。また、画像診断装置を、1種類の診断対象部位の診断のみを行うことが可能に構成してもよいし、3種類以上の診断対象部位の診断を行うことが可能に構成してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、画像診断装置100を、PET装置として構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像診断装置を、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波測定装置等として構成してもよい。
【0077】
[態様]
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0078】
(項目1)
被検者が横たわるための寝台と、
前記寝台に横たわった前記被検者の診断対象部位を撮像する撮像部と、
前記寝台に対して前記撮像部を移動させる駆動部と、
前記撮像部の移動経路において、前記撮像部により前記診断対象部位を撮像する際に前記診断対象部位を支持するように取り付けられる支持部材と、前記被検者の部位と、前記被検者を撮像する作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在を検知する検知部と、
前記検知部により前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、前記駆動部の駆動を行わせない非駆動制御と、前記移動経路において前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行う制御部と、を備える、画像診断装置。
【0079】
(項目2)
前記制御部は、前記撮像部が移動する際に、前記検知部により前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、前記非駆動制御と前記報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目1に記載の画像診断装置。
【0080】
(項目3)
前記撮像部を移動させるための所定の操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部が前記撮像部を移動させるための前記所定の操作を受け付けた際に、前記検知部により前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、前記非駆動制御と前記報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目2に記載の画像診断装置。
【0081】
(項目4)
前記支持部材は、前記撮像部により前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される撮像位置において、前記寝台と前記撮像部との間に跨って配置されており、
前記制御部は、前記撮像部が前記撮像位置に配置されている状態において、前記支持部材が前記寝台と前記撮像部との間に跨る方向とは異なる方向に前記撮像部を移動させるための前記所定の操作を前記操作部が受け付けた際に、前記検知部により前記支持部材の存在が検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記移動経路において前記支持部材が存在していることを報知する前記報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目3に記載の画像診断装置。
【0082】
(項目5)
前記支持部材は、前記撮像部により前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される撮像位置において、所定の位置に配置されるように構成されており、
前記検知部は、前記支持部材が前記所定の位置に配置されているか否かを検知するように構成されており、
前記制御部は、前記検知部により前記支持部材が前記所定の位置に配置されていることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記支持部材が前記所定の位置に配置されていることを報知する報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目1~4のいずれか1項に記載の画像診断装置。
【0083】
(項目6)
前記支持部材は、第1の前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される第1撮像位置において、所定の第1位置に配置される第1支持部材と、第2の前記診断対象部位を撮像する際に、前記撮像部が配置される第2撮像位置において、所定の第2位置に配置される第2支持部材と、を含み、
前記検知部は、前記第1支持部材が前記第1位置に配置されているか否かを検知する第1検知部と、前記第2支持部材が前記第2位置に配置されているか否かを検知する第2検知部と、を含み、
前記制御部は、前記第1検知部により前記第1支持部材が前記第1位置に配置されていることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記第1支持部材が前記第1位置に配置されていることを報知する第1報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うとともに、前記第2検知部により前記第2支持部材が前記第2位置に配置されていることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記第2支持部材が前記第2位置に配置されていることを報知する第2報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目5に記載の画像診断装置。
【0084】
(項目7)
前記移動経路において、前記寝台と前記撮像部との間に隙間が存在するように構成されており、
前記検知部は、前記隙間に前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在しているか否かを検知する第3検知部を含み、
前記制御部は、前記第3検知部により前記隙間に前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることが検知されている場合に、前記非駆動制御と、前記隙間に前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを報知する第3報知制御とのうちの少なくとも一方の制御を行うように構成されている、項目1~6のいずれか1項に記載の画像診断装置。
【0085】
(項目8)
前記被検者に関する情報が表示される表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記検知部により前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかの存在が検知されている場合に、前記移動経路において前記支持部材と前記被検者の部位と前記作業者の部位とのうちの少なくともいずれかが存在していることを前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、項目1~7のいずれか1項に記載の画像診断装置。
【符号の説明】
【0086】
10 寝台
20 撮像部
30 駆動部
41 (撮像部の)移動経路
42 (寝台と撮像部との間に存在する)隙間
51 操作部
52 表示部
53 制御部
70 支持部材
71 ヘッドレスト(第1支持部材)
72 アタッチメント(第2支持部材)
80 検知部
81 ヘッドレスト検知部(第1検知部)
82 アタッチメント検知部(第2検知部)
83 経路上物体検知部(第3検知部)
100 画像診断装置
200 被検者
210 診断対象部位
211 被検者の頭部(第1の診断対象部位)
212 被検者の乳房(第2の診断対象部位)
P10 撮像位置
P11 頭部撮像位置(第1撮像位置)
P12 乳房撮像位置(第2撮像位置)
P20 (所定の)位置
P21 ヘッドレスト所定位置(第1位置)
P22 アタッチメント所定位置(第2位置)