(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】車両用監視装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231129BHJP
B60W 30/00 20060101ALI20231129BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/00
G07C5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020124456
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】依藤 大和
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-069861(JP,A)
【文献】特開2020-106874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
G07C 5/00
B60W 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の後方側に荷台を備えかつ前記荷台の後端部にテールゲートが設けられ
ると共に前記テールゲートがその下端部に設けられた車両幅方向に沿う回動軸回りに回動可能とされた車両に搭載された車両用監視装置であって、
前記テールゲートの後面部に搭載されて前記車両の後方を撮像する第一撮像部と、
前記車両の上部において車室後端部側に搭載され、前記荷台と前記車両の後方とを撮像する第二撮像部と、
前記テールゲートの開閉状態を取得する開閉状態取得部と、
前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を利用して前記車両の後方の監視支援を行い、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を利用して前記車両の後方の監視支援を行う監視支援部と、
を備える車両用監視装置。
【請求項2】
前記監視支援部は、
前記車両の車室内に設けられて画像を表示する表示部と、
前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を前記表示部に表示させ、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を含む、請求項1記載の車両用監視装置。
【請求項3】
前記監視支援部は、
画像を記録する記録部と、
前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を前記記録部に記録させ、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を前記記録部に記録させる記録制御部と、
を含む、請求項1又は請求項2に記載の車両用監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両に搭載されたドライブレコーダに関する技術が開示されている。簡単に説明すると、この先行技術では、車両にはカメラが搭載されており、ドライブレコーダは、カメラにより撮像された画像を記録するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車室の後方側に荷台を備えかつその荷台の後端部にテールゲートが設けられている車両が知られており、そのような車両においてはテールゲートを開状態にして積載物を荷台に積載し、その状態で走行する場合がある。この場合、テールゲートの後面部(テールゲート閉状態で車両後方側を向く面部)にカメラが搭載されている構成では、当該カメラは路面を撮影してしまい車両の後方の撮影ができなくなるので、車両の後方の監視支援の点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、テールゲートを開状態にして車両を走行させても、車両の後方の画像を取得して車両の後方の監視支援を良好に行うことができる車両用監視装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明の車両用監視装置は、車室の後方側に荷台を備えかつ前記荷台の後端部にテールゲートが設けられると共に前記テールゲートがその下端部に設けられた車両幅方向に沿う回動軸回りに回動可能とされた車両に搭載された車両用監視装置であって、前記テールゲートの後面部に搭載されて前記車両の後方を撮像する第一撮像部と、前記車両の上部において車室後端部側に搭載され、前記荷台と前記車両の後方とを撮像する第二撮像部と、前記テールゲートの開閉状態を取得する開閉状態取得部と、前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を利用して前記車両の後方の監視支援を行い、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を利用して前記車両の後方の監視支援を行う監視支援部と、を備える。なお、「テールゲートの後面部」とは、テールゲートにおいてその閉状態で車両後方側を向く面部をいう。
【0007】
上記構成によれば、テールゲートは、その下端部に設けられた車両幅方向に沿う回動軸回りに回動可能となっている。テールゲートの後面部には第一撮像部が搭載されており、この第一撮像部は、車両の後方を撮像する。また、車両の上部において車室後端部側には第二撮像部が搭載されており、この第二撮像部は、荷台と車両の後方とを撮像する。一方、テールゲートの開閉状態は、開閉状態取得部によって取得される。ここで、テールゲートが閉状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合、監視支援部は、第一撮像部により撮像された画像を利用して車両の後方の監視支援を行う。また、テールゲートが開状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合、監視支援部は、第二撮像部により撮像された画像を利用して車両の後方の監視支援を行う。これにより、テールゲートの開閉状態がいずれの状態であっても、車両の後方の画像を利用した監視支援を良好に行うことが可能となる。
【0008】
請求項2に記載する本発明の車両用監視装置は、請求項1記載の構成において、前記監視支援部は、前記車両の車室内に設けられて画像を表示する表示部と、前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を前記表示部に表示させ、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を含む。
【0009】
上記構成によれば、監視支援部は、車両の車室内に設けられた表示部と、表示制御部と、を含んでいる。表示制御部は、テールゲートが閉状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合には第一撮像部により撮像された画像を表示部に表示させ、テールゲートが開状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合には第二撮像部により撮像された画像を表示部に表示させる。これにより、テールゲートの開閉状態がいずれの状態であっても、車両の後方の画像を車室内の表示部に表示させることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載する本発明の車両用監視装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記監視支援部は、画像を記録する記録部と、前記テールゲートが閉状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第一撮像部により撮像された画像を前記記録部に記録させ、前記テールゲートが開状態であることが前記開閉状態取得部によって取得された場合に前記第二撮像部により撮像された画像を前記記録部に記録させる記録制御部と、を含む。
【0011】
上記構成によれば、監視支援部は記録部と記録制御部とを含む。記録制御部は、テールゲートが閉状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合には第一撮像部により撮像された画像を記録部に記録させ、テールゲートが開状態であることが開閉状態取得部によって取得された場合には第二撮像部により撮像された画像を記録部に記録させる。これにより、テールゲートの開閉状態がいずれの状態であっても、車両の後方の画像を記録させることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の車両用監視装置によれば、テールゲートを開状態にして車両を走行させても、車両の後方の画像を取得して車両の後方の監視支援を良好に行うことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る車両用監視装置が搭載された車両の概略構成をテールゲートが閉じられた状態で模式的に示す車両側面視の図である。
【
図2】
図1の車両をテールゲートが開かれた状態で模式的に示す車両側面視の図である。
【
図3】車両用監視装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】車両用監視装置のカメラECUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】車両用監視装置のカメラECUによる画像表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】車両用監視装置のカメラECUによる録画制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る車両用監視装置について
図1~
図6を用いて説明する。なお、
図1及び
図2において示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。
【0015】
図1には、実施形態に係る車両用監視装置20が搭載された車両10の概略構成が車両側面視で模式的に示されている。車両10は、車室12の後方側に荷台14を備える。荷台14の車両幅方向の両サイドには、サイドパネル15が設けられ、荷台14の後端部には、テールゲート16が設けられている。テールゲート16の下端部には車両幅方向に沿う回動軸17が設けられ、テールゲート16は、回動軸17回りに回動可能とされている。すなわち、テールゲート16は、左右一対のサイドパネル15の後端部間を閉じる閉位置16Xと、車両後方側に張り出して左右一対のサイドパネル15の後端部間を開放する開位置16Y(
図2参照)と、の間で回動可能とされている。
【0016】
車両10の前面部には、フロントカメラ(「前方カメラ」ともいう)22が設けられている。フロントカメラ22は、グリル(図示省略)に搭載されて車両10の前方を撮像する。車両10の側部には、サイドカメラ(「側方カメラ」ともいう)24が設けられている。サイドカメラ24は、アウタミラー装置25に搭載されて車両10の側方及び後側側方を撮像する。
【0017】
車両10の後面部には、第一撮像部としてのリアカメラ(「後方カメラ」ともいう)26が設けられている。リアカメラ26は、テールゲート16の後面部16Aに搭載されて車両10の後方を撮像する。図中では、リアカメラ26の画角の一例をθ1で示す。車両10の上部には、第二撮像部としてのベッドカメラ(「上部カメラ」ともいう)28が設けられている。ベッドカメラ28は、車両10の上部において車室後端部側に搭載され、センターハイマウントストップランプ装置29に対して上方側に位置しており、荷台14と車両10の後方とを撮像する。図中では、ベッドカメラ28の画角の一例をθ2で示す。
【0018】
なお、フロントカメラ22、サイドカメラ24、リアカメラ26、及びベッドカメラ28は、車両10の周辺の画像(映像)を取得するための周辺監視カメラとして把握することができる。また、リアカメラ26及びベッドカメラ28は、後方監視カメラとして把握することができる。
【0019】
図3には、車両用監視装置20のハードウェア構成の一例がブロック図で示されている。
【0020】
図3に示されるように、車両用監視装置20は、前述したフロントカメラ22、サイドカメラ24、リアカメラ26、及びベッドカメラ28が接続されたカメラECU(Electrical Control Unit)30を備える。詳細説明を省略するが、カメラECU30は、別々のカメラによって撮像された画像を合成することが可能とされる。また、カメラECU30には、開閉状態取得部18及びセンターディスプレイ装置32が接続されている。
【0021】
開閉状態取得部18は、テールゲート16の開閉状態を検出して取得するもの(「開閉状態検出センサ」としても把握できる要素)とされ、一例として回動軸17に設けられてテールゲート16の開閉状態に応じてオン/オフを出力するメカニカルスイッチを含んで構成されている。なお、テールゲート等のような開閉部材の開閉状態を検出して取得するための構成は、公知であるため、詳細説明を省略する。
【0022】
センターディスプレイ装置32は、DCU(Display Control Unit)32Aと、表示部としてのディスプレイパネル32Bと、を備える。ディスプレイパネル32Bは、車両10の車室12内の前部における車両幅方向中央部に設けられて画像を表示する(言い換えれば映像を映す)。DCU32Aは、ユーザによるディスプレイパネル32Bへのタッチ操作に応じて、ディスプレイパネル32B上の表示を、車両周辺で撮像された画像(映像)と、ナビゲーションシステム(図示省略)による情報と、の一方から他方に切り替える機能を有する。前記ナビゲーションシステムについては周知であるため、詳細説明を省略する。
【0023】
カメラECU30は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)30A、記録部としてのROM(Read Only Memory)30B、RAM(Random Access Memory)30C、ストレージ30D、通信I/F(Inter Face)30E及び入出力I/F30Fを含んで構成されている。CPU30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、通信I/F30E及び入出力I/F30Fは、バス30Zを介して相互に通信可能に接続されている。なお、図示を省略するが、前述したDCU32Aも、CPU、ROM、RAM、ストレージ、通信I/F及び入出力I/Fを備え、それらがバスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0024】
CPU30Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU30Aは、ROM30B又はストレージ30Dからプログラムを読み出し、RAM30Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU30Aは、ROM30B又はストレージ30Dに記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0025】
ROM30Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。一例として、ROM30Bには、テールゲート16の開閉状態に応じて画像表示の切り替えを行うための画像表示制御プログラム、及び、テールゲート16の開閉状態に応じて録画の切り替えを行うための録画制御プログラム等が格納されている。また、一例として、ROM30Bには、リアカメラ26及びベッドカメラ28等で撮像された画像が記録される。
【0026】
RAM30Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ30Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。通信I/F30Eは、カメラECU30が他の機器と通信するためのインタフェースである。当該通信には、たとえば、4G、5G、又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0027】
入出力I/F30Fは、車両10に搭載される各装置(カメラECU30以外のECU(図示省略)を含む)と通信するためのインタフェースである。本実施形態のカメラECU30には、入出力I/F30Fを介して、一例として、開閉状態取得部18、フロントカメラ22、サイドカメラ24、リアカメラ26、ベッドカメラ28及びセンターディスプレイ装置32が接続されている。なお、開閉状態取得部18、フロントカメラ22、サイドカメラ24、リアカメラ26、ベッドカメラ28及びセンターディスプレイ装置32は、バス30Zに対して直接接続されていてもよい。
【0028】
本実施形態では、カメラECU30及びセンターディスプレイ装置32は、監視支援部34を構成している。監視支援部34は、テールゲート16が閉状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にリアカメラ26により撮像された画像を利用して車両10の後方の監視支援を行い、テールゲート16が開状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にベッドカメラ28により撮像された画像を利用して車両10の後方の監視支援を行う。
【0029】
図4には、カメラECU30の機能構成の一例がブロック図で示されている。
図4に示されるように、カメラECU30は、機能構成として、表示制御部301及び記録制御部302を有する。
【0030】
表示制御部301は、CPU30AがROM30Bに記憶された画像表示制御プログラムを読み出し、実行することにより実現される。表示制御部301は、テールゲート16が閉状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にリアカメラ26により撮像された画像をセンターディスプレイ装置32のディスプレイパネル32Bに表示させ、テールゲート16が開状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にベッドカメラ28により撮像された画像をセンターディスプレイ装置32のディスプレイパネル32Bに表示させる。
【0031】
記録制御部302は、CPU30AがROM30Bに記憶されたプ録画制御プログラムを読み出し、実行することにより実現される。記録制御部302は、テールゲート16が閉状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にリアカメラ26により撮像された画像をROM30Bに記録させ、テールゲート16が開状態であることが開閉状態取得部18によって取得された場合にベッドカメラ28により撮像された画像をROM30Bに記録させる。
【0032】
次に、車両用監視装置20の作用について説明する。
【0033】
図5には、カメラECU30による画像表示制御処理の流れの一例がフローチャートで示されている。CPU30AがROM30Bから画像表示制御プログラムを読み出してRAM30Cに展開して実行することにより、カメラECU30による画像表示制御処理が行なわれる。
図5に示す画像表示制御処理は、一例として、車両10のイグニッションスイッチがオンとなった場合でかつユーザによるディスプレイパネル32Bへのタッチ操作によってディスプレイパネル32B上に車両後方の画像を表示するモード(以下、「後方確認モード」という。)となった場合に、実行が開始される。
【0034】
CPU30Aは、開閉状態取得部18からテールゲート16の開閉状態の情報を取得する(ステップS100)。次に、CPU30Aは、開閉状態取得部18から取得した情報に基づいて、テールゲート16が閉状態であるか否かを判定する(ステップS101)。
【0035】
テールゲート16が閉状態でないと判定された場合(ステップS101:N)、CPU30Aは、ベッドカメラ28により撮像された画像をセンターディスプレイ装置32のディスプレイパネル32Bに表示させ(ステップS102)、ステップS104(後述)の処理へ移行する。テールゲート16が閉状態であると判定された場合(ステップS101:Y)、CPU30Aは、リアカメラ26により撮像された画像をセンターディスプレイ装置32のディスプレイパネル32Bに表示させ(ステップS103)、ステップS104の処理へ移行する。
【0036】
ステップS104において、CPU30Aは、例えば車両10のイグニッションスイッチがオフされたか否か等に基づいて、車両10の運転が終了されたか否かを判定する。車両10の運転が終了されたものと判定された場合(ステップS104:Y)、CPU30Aは、
図5に示す画像表示制御処理を終了する。車両10の運転が終了されていないと判定された場合(ステップS104:N)、CPU30Aは、センターディスプレイ装置32が後方確認モード以外であるか否かを判定する(ステップS105)。
【0037】
センターディスプレイ装置32が後方確認モードであると判定された場合(ステップS105:N)、CPU30Aは、ステップS100からの処理を繰り返す。センターディスプレイ装置32が後方確認モード以外であると判定された場合(ステップS105:Y)、CPU30Aは、
図5に示す画像表示制御処理を終了する。
【0038】
このように、
図5に示す画像表示制御処理では、テールゲート16の開閉状態に応じて、リアカメラ26により撮像された画像及びベッドカメラ28により撮像された画像のうちの一方が表示画像として適切に選択される。よって、テールゲート16の開閉状態がいずれの状態であっても、車両10の後方の画像を車室12内のセンターディスプレイ装置32のディスプレイパネル32Bに表示させることが可能となる。
【0039】
図6には、カメラECU30による録画制御処理の流れの一例がフローチャートで示されている。CPU30AがROM30Bから録画制御プログラムを読み出してRAM30Cに展開して実行することにより、カメラECU30による録画制御処理が行なわれる。
図6に示す録画制御処理は、例えば、車両10のイグニッションスイッチがオンになった場合に、実行が開始される。
【0040】
CPU30Aは、開閉状態取得部18からテールゲート16の開閉状態の情報を取得する(ステップS110)。次に、CPU30Aは、開閉状態取得部18から取得した情報に基づいて、テールゲート16が閉状態であるか否かを判定する(ステップS111)。
【0041】
テールゲート16が閉状態でないと判定された場合(ステップS111:N)、CPU30Aは、ベッドカメラ28により撮像された画像をROM30Bに記録させ(ステップS112)、ステップS114(後述)の処理へ移行する。テールゲート16が閉状態であると判定された場合(ステップS111:Y)、CPU30Aは、リアカメラ26により撮像された画像をROM30Bに記録させ(ステップS113)、ステップS114の処理へ移行する。
【0042】
ステップS114において、CPU30Aは、例えば車両10のイグニッションスイッチがオフされたか否か等に基づいて、車両10の運転が終了されたか否かを判定する。車両10の運転が終了されていないと判定された場合(ステップS114:N)、CPU30Aは、ステップS110からの処理を繰り返す。車両10の運転が終了されたものと判定された場合(ステップS114:Y)、CPU30Aは、
図6に示す録画制御処理を終了する。
【0043】
このように、
図6に示す録画制御処理では、テールゲート16の開閉状態に応じて、リアカメラ26により撮像された画像及びベッドカメラ28により撮像された画像のうちの一方が記録対象の画像として適切に選択される。よって、テールゲート16の開閉状態がいずれの状態であっても、車両10の後方の画像をROM30Bに記録させることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の車両用監視装置20によれば、
図2に示されるように、テールゲート16を開状態にして車両10を走行させても、車両10の後方の画像を取得して車両10の後方の監視支援を良好に行うことができる。
【0045】
なお、上記実施形態の変形例として、
図5のステップS104及びステップS105を省略し、ステップS102及びステップS103においては、「車両10の運転が終了されたものと判定された場合」及び「センターディスプレイ装置32が後方確認モード以外であると判定された場合」のいずれかに該当するまで当該ステップの処理を継続する、というフローにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態の変形例として、
図6のステップS114を省略し、ステップS112及びステップS113においては車両10の運転が終了されたものと判定されるまで当該ステップの処理を継続する、というフローにしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、
図3に示されるROM30Bに画像表示制御プログラム及び録画制御プログラムが格納されているが、上記実施形態の変形例として、前記画像表示制御プログラム及び前記録画制御プログラムの一方又は両方は、ROM30Bでなくストレージ30Dに格納されてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、ROM30Bに車両10の後方側の画像が記録されるが、上記実施形態の変形例として、ROM30Bでなくストレージ30Dに車両10の後方側の画像が記録される構成も採り得る。
【0049】
また、上記実施形態の変形例として、カメラECU(30)は、開閉状態取得部(18)と直接は接続されず、開閉状態取得部(18)と接続された他のECU(図示省略)からテールゲート(16)の開閉状態に関する情報をCAN(Controller Area Network)通信によって受信するように構成されてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、カメラECU30は、機能構成として、
図4に示される表示制御部301及び記録制御部302の両方を有しているが、上記実施形態の変形例として、カメラECU(30)が機能構成として表示制御部(301)及び記録制御部(302)のうちの一方のみを有する、という構成も採り得る。
【0051】
なお、上記実施形態で
図3に示されるCPU30Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した各処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0052】
また、上記実施形態で説明した各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0053】
なお、上記実施形態及び上述の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0054】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0055】
10 車両
12 車室
14 荷台
16 テールゲート
16A テールゲートの後面部
17 回動軸
18 開閉状態取得部
20 車両用監視装置
26 リアカメラ(第一撮像部)
28 ベッドカメラ(第二撮像部)
30B ROM(記録部)
32B ディスプレイパネル(表示部)
34 監視支援部
301 表示制御部
302 記録制御部