(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】制御装置、システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20231129BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2020185437
(22)【出願日】2020-11-05
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100217113
【氏名又は名称】高坂 晶子
(72)【発明者】
【氏名】杉村 多恵
(72)【発明者】
【氏名】宮原 謙太
(72)【発明者】
【氏名】竹下 文菜
(72)【発明者】
【氏名】羅 章奕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐平
(72)【発明者】
【氏名】アヒール サチン
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-067509(JP,A)
【文献】特開2019-180549(JP,A)
【文献】特開2020-148378(JP,A)
【文献】国際公開第2020/171097(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが宿泊施設にチェックインした第1時刻から前記第1ユーザが前記宿泊施設からチェックアウトする第2時刻までの期間中に前記宿泊施設が前記第1ユーザにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定する制御部と、
前記制御部により推定された空き時間帯を示す空きデータを、前記第1ユーザとは異なる少なくとも1人の第2ユーザの端末装置に対して送信する通信部とを備える、制御装置
であって、
前記通信部は、前記端末装置から、前記空きデータに対する応答として、前記空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを受信し、
前記制御部は、前記宿泊施設の管理者に向けて、前記通信部により受信された申込みデータの内容を提示する、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1ユーザの位置を示す第1位置データを取得し、取得した第1位置データに基づいて、前記空き時間帯を推定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記期間中に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出た後の前記第1ユーザの位置を示すデータを前記第1位置データとして取得し、前記第1位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記第1ユーザが前記宿泊施設へ戻る戻り時刻を予測し、予測した戻り時刻までの時間帯を前記空き時間帯と推定する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1位置データで示される位置の属性に更に応じて、前記戻り時刻を予測する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1ユーザのスケジュールを示すスケジュールデータを取得し、取得したスケジュールデータに基づいて、前記空き時間帯を推定する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記スケジュールデータには、前記第1ユーザの参加する行事の開催場所及び開催時間帯を示すデータが含まれ、
前記制御部は、前記行事の開催場所から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記スケジュールデータで示される開催時間帯の後に前記第1ユーザが前記宿泊施設へ戻る戻り時刻を予測し、予測した戻り時刻までの時間帯を前記空き時間帯と推定する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記行事の開催場所から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記スケジュールデータで示される開催時間帯の前に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出る出発時刻を予測し、予測した出発時刻からの時間帯を前記空き時間帯と推定する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1ユーザとは異なる1人以上のユーザの位置を示す第2位置データを取得し、取得した第2位置データ
により示される位置から前記宿泊施設までの距離を算出し、前記第2位置データを取得した時刻と、算出した距離とに基づいて、
当該1人以上のユーザの前記宿泊施設への到着可能時刻を予測し、当該1人以上のユーザの中から
、予測した到着可能時刻が前記空きデータで示される空き時間帯の終了時刻よりも前であるユーザを前記第2ユーザ
として選択する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1ユーザとは異なる1人以上のユーザの位置を示す第2位置データを取得するとともに、前記期間中に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出た後の前記第1ユーザの位置を示す第1位置データを取得し、取得した第1位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離
が、前記第2位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離
よりも長い場合に、
前記第2位置データで示される位置のユーザを前記第2ユーザ
として選択する、請求項
1に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記制御装置から、前記空きデータを受信し、前記第2ユーザに向けて、前記空きデータの内容を提示する端末装置と
を備えるシステム。
【請求項11】
制御装置により、第1ユーザが宿泊施設にチェックインした第1時刻から前記第1ユーザが前記宿泊施設からチェックアウトする第2時刻までの期間中に前記宿泊施設が前記第1ユーザにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定することと、
推定された空き時間帯を示す空きデータを、前記制御装置から、前記第1ユーザとは異なる少なくとも1人の第2ユーザの端末装置に対して送信することと
を含む制御方法
であって、
前記制御装置により、前記空きデータに対する応答として前記端末装置から送信された前記空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを受信することと、
前記制御装置により、前記宿泊施設の管理者に向けて、受信された申込みデータの内容を提示することと
を更に含む制御方法。
【請求項12】
前記制御装置により、前記第1ユーザの位置を示す第1位置データを取得することを更に含み、
前記推定することは、前記第1位置データに基づいて行われる、請求項
11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記取得することは、前記期間中に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出た後の前記第1ユーザの位置を示すデータを取得することを含み、
前記推定することは、前記第1位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記第1ユーザが前記宿泊施設へ戻る戻り時刻を予測し、予測した戻り時刻までの時間帯を前記空き時間帯と推定することを含む、請求項
12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記制御装置により、前記第1位置データで示される位置の属性に更に応じて、前記戻り時刻を予測することを更に含む、請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記制御装置により、前記第1ユーザのスケジュールを示すスケジュールデータを取得することを更に含み、
前記推定することは、前記スケジュールデータに基づいて行われる、請求項
11に記載の制御方法。
【請求項16】
前記スケジュールデータには、前記第1ユーザの参加する行事の開催場所及び開催時間帯を示すデータが含まれ、
前記推定することは、前記行事の開催場所から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記スケジュールデータで示される開催時間帯の後に前記第1ユーザが前記宿泊施設へ戻る戻り時刻を予測し、予測した戻り時刻までの時間帯を前記空き時間帯と推定することを含む、請求項15に記載の制御方法。
【請求項17】
前記推定することは、前記行事の開催場所から前記宿泊施設までの距離に応じて、前記スケジュールデータで示される開催時間帯の前に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出る出発時刻を予測し、予測した出発時刻からの時間帯を前記空き時間帯と推定することを更に含む、請求項16に記載の制御方法。
【請求項18】
前記制御装置により、前記第1ユーザとは異なる1人以上のユーザの位置を示す第2位置データを取得することと、
前記制御装置により、取得された第2位置データ
により示される位置から前記宿泊施設までの距離を算出することと、
前記制御装置により、第2位置データを取得した時刻と、算出した距離とに基づいて、
当該1人以上のユーザの前記宿泊施設への到着可能時刻を予測することと、
前記制御装置により、当該1人以上のユーザの中から
、予測した到着可能時刻が前記空きデータで示される空き時間帯の終了時刻よりも前であるユーザを前記第2ユーザ
として選択することと
を更に含む、請求項
11に記載の制御方法。
【請求項19】
前記制御装置により、前記第1ユーザとは異なる1人以上のユーザの位置を示す第2位置データを取得することと、
前記制御装置により、前記期間中に前記第1ユーザが前記宿泊施設を出た後の前記第1ユーザの位置を示す第1位置データを取得すること
と、
前記第1位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離
が、前記第2位置データで示される位置から前記宿泊施設までの距離
よりも長い場合に、
前記制御装置により、前記第2位置データで示される位置のユーザを前記第2ユーザ
として選択すること
と
を
更に含む、請求項
11に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両から施設を予約するのに用いられる車両用ナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、宿泊施設を予約したユーザは、チェックイン時からチェックアウト時までの期間、予約した宿泊施設を利用可能である。しかし、利用可能な期間中であっても、ユーザの外出などにより施設が利用されない空き時間帯が生じる場合がある。特許文献1に記載の技術では、そのような空き時間帯を有効活用することは考慮されていない。
【0005】
本開示の目的は、宿泊施設の空き時間帯の有効活用を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
第1ユーザが宿泊施設にチェックインした第1時刻から前記第1ユーザが前記宿泊施設からチェックアウトする第2時刻までの期間中に前記宿泊施設が前記第1ユーザにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定する制御部と、
前記制御部により推定された空き時間帯を示す空きデータを、前記第1ユーザとは異なる少なくとも1人の第2ユーザの端末装置に対して送信する通信部とを備える。
【0007】
本開示に係る制御方法は、
制御装置により、第1ユーザが宿泊施設にチェックインした第1時刻から前記第1ユーザが前記宿泊施設からチェックアウトする第2時刻までの期間中に前記宿泊施設が前記第1ユーザにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定することと、
推定された空き時間帯を示す空きデータを、前記制御装置から、前記第1ユーザとは異なる少なくとも1人の第2ユーザの端末装置に対して送信することと
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、宿泊施設の空き時間帯の有効活用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る属性と滞在時間との対応関係を示す表である。
【
図7】本開示の第2実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のいくつかの実施形態について、図を参照して説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
本開示の一実施形態である第1実施形態について説明する。
【0013】
図1を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0014】
システム10は、制御装置20と、少なくとも1台の端末装置30とを備える。
【0015】
制御装置20は、ネットワーク50を介して、端末装置30及び管理装置90と通信可能である。端末装置30は、ネットワーク50を介して、車両40及び管理装置90と通信可能であってもよい。車両40は、ネットワーク50を介して管理装置90と通信可能であってもよい。
【0016】
ネットワーク50は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク50は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0017】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0018】
車両40は、第1ユーザXによって利用される。本実施形態において、車両40は、第1ユーザXの所有する自家用車である。車両40は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV、PHV、EV、又はFCVなどの任意の種類の自動車である。「HV」は、hybrid vehicleの略語である。「PHV」は、plug-in hybrid vehicleの略語である。「EV」は、electric vehicleの略語である。「FCV」は、fuel cell vehicleの略語である。車両40は、本実施形態では運転手である第1ユーザXによって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAEのレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。「SAE」は、Society of Automotive Engineersの略語である。車両40は、MaaS専用車両でもよい。「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略語である。
【0019】
端末装置30は、第2ユーザYによって保持される。第2ユーザYは、第1ユーザXとは異なるユーザである。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。端末装置30は、制御装置20からデータを受信し、受信したデータの内容を第2ユーザYに向けて提示する。
【0020】
本実施形態において、第2ユーザYは、1人以上のユーザの中から選択される。第2ユーザYとして、1人のユーザが選択されてもよいし、又は2人以上のユーザが選択されてもよい。2人以上のユーザが選択された場合は、選択されたユーザによって個別に保持される端末装置の1台1台が端末装置30に相当する。
【0021】
管理装置90は、宿泊施設60に設置される。本実施形態において、管理装置90は、宿泊施設60の利用希望者の予約を管理するサーバ又は端末である。本実施形態の一変形例として、管理装置90を、宿泊施設60に設置されたサーバ又は端末として構成するかわりに、宿泊施設60以外の場所に設置されたサーバとして構成してもよい。あるいは、管理装置90を、宿泊施設60の従業員が保持する端末として構成してもよい。
【0022】
宿泊施設60は、第1ユーザXによって利用される。本実施形態において、宿泊施設60は、第1ユーザXによって予約されたホテルである。宿泊施設60から車両40で行ける場所に会議場70がある。会議場70には、車両40を駐車可能な駐車場80が併設されている。
【0023】
図1及び
図5を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0024】
本実施形態に係るシステム10では、制御装置20が、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインした第1時刻から第1ユーザXが宿泊施設60からチェックアウトする第2時刻までの期間P中に宿泊施設60が第1ユーザXにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定する。制御装置20は、推定された空き時間帯を示す空きデータを、第1ユーザXとは異なる少なくとも1人の第2ユーザYの端末装置30に対して送信する。
【0025】
本実施形態によれば、宿泊施設60の空き時間帯の有効活用が可能である。
【0026】
本実施形態において、第1ユーザXが宿泊施設60に到着して受付を済ませると、「チェックインした」として扱われる。第1ユーザXは、チェックインした時刻である「第1時刻」から宿泊施設60を利用可能となる。
【0027】
本実施形態において、第1ユーザXが宿泊施設60に対して利用料金等の精算手続きを行うと、「チェックアウトした」として扱われる。第1ユーザXは、チェックアウトする時刻である「第2時刻」まで宿泊施設60を利用可能である。「第2時刻」は、第1ユーザXにより予約時若しくはチェックイン時に指定された日時でもよいし、又は第1ユーザXにより予約時若しくはチェックイン時に申告された滞在予定期間の最終日における、宿泊施設60により予め標準のチェックイン時刻として指定された時刻でもよい。
【0028】
本実施形態において、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインした後、第1ユーザXが宿泊施設60から外出すると、第1ユーザXが宿泊施設60に戻るまでの時間帯が「空き時間帯」として扱われる。第2ユーザYは、宿泊施設60を「空き時間帯」の間だけ利用することができる。本実施形態では、第1ユーザXがホテルの中にいると、第1ユーザXが宿泊施設60を利用しているとみなされ、第1ユーザXがホテルの外にいると、第1ユーザXが宿泊施設60を利用していないとみなされる。本実施形態の一変形例として、第1ユーザXがホテルの中にいても、予約時又はチェックイン時に割り当てられた部屋の外にいる場合は、第1ユーザXが宿泊施設60を利用していないとみなされてもよい。部屋の例としては、客室、ビジネスセンター、宴会場、及びレストランが挙げられる。
【0029】
本実施形態において、空きデータは、空き時間帯の開始時刻及び終了時刻を示すデータのほかに、宿泊施設60の名称及び所在地、所在地までの経路、並びに連絡先を示すデータを含む。空きデータには、空き時間帯の利用料金及び利用可能人数を示すデータが含まれてよい。
【0030】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。
【0031】
制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0032】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0033】
記憶部22は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられるデータと、制御装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0034】
通信部23は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられるデータを受信し、また制御装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0035】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0036】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0037】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0038】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0039】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0040】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21としての専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0041】
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0042】
端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36とを備える。
【0043】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0044】
記憶部32は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられるデータと、端末装置30の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0045】
通信部33は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられるデータを受信し、また端末装置30の動作によって得られるデータを送信する。
【0046】
入力部34は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0047】
出力部35は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られるデータを出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0048】
測位部36は、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSは、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、又はGalileoである。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部36は、端末装置30の位置を測定する。
【0049】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0050】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31としての専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0051】
図4を参照して、本実施形態に係る車両40の構成を説明する。
【0052】
車両40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、測位部46とを備える。
【0053】
制御部41は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部41は、車両40の各機能部品を制御しながら、車両40の動作に関わる処理を実行する。
【0054】
記憶部42は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42には、車両40の動作に用いられるデータと、車両40の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0055】
通信部43は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部43は、車両40の動作に用いられるデータを受信し、また車両40の動作によって得られるデータを送信する。
【0056】
測位部46は、少なくとも1つのGNSS受信機を含む。GNSSは、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、又はGalileoである。測位部46は、車両40の位置を測定する。
【0057】
図5を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。
【0058】
以下の説明において、第1ユーザXは宿泊施設60にチェックイン済みであるとする。第1ユーザXは会議場70で開催される会議に出席しているとする。第1ユーザXの車両40は、会議場70に併設された駐車場80に駐車されているとする。
【0059】
ステップS101において、制御装置20の制御部21は、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインした第1時刻及び第1ユーザXが宿泊施設60からチェックアウトする第2時刻を特定する。
【0060】
本実施形態において、第1時刻としてのチェックイン時刻及び第2時刻としてのチェックアウト時刻は、任意の方法で特定されてよい。一つの例として、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインをすると、チェックインが行われた時刻、第1ユーザX、及びチェックアウト時刻を示すチェックインデータが、宿泊施設60に設置された管理装置90から、制御装置20に送信される。制御部21は、通信部23を介して、チェックインデータを受信し、記憶部22にチェックインデータを記憶する。
【0061】
制御装置20の制御部21は、第1ユーザXが宿泊施設60から出て別の場所に滞在中かどうかを判定する。第1ユーザXが宿泊施設60から出て別の場所に滞在中か否かの判定は任意の方法で行われてよい。一つの例として、制御部21は、宿泊施設60にチェックインした第1ユーザXの車両40の位置を監視し、車両40の位置が宿泊施設60の位置と異なり、かつ一定時間変化しない場合に、第1ユーザXが宿泊施設60から出て別の場所に滞在中と判定する。
【0062】
制御装置20の制御部21は、第1ユーザXが宿泊施設60から出て別の場所に滞在中と判定すると、ステップS102において、第1ユーザXの位置を示す第1位置データを取得する。第1位置データは任意の方法で取得されてよい。本実施形態では、制御部21は、第1位置データとして、第1ユーザXの車両40の位置を示すデータを取得する。具体的には、制御部21は、車両40の測位部46により測定された位置を示すデータを、通信部23を介して車両40から受信する。
【0063】
このようにして、制御部21は、第1時刻から第2時刻までの期間P中に第1ユーザXが宿泊施設60を出た後の第1ユーザXの位置を示すデータを第1位置データとして取得する。制御部21は、取得した第1位置データを記憶部22に記憶する。
【0064】
ステップS103において、制御装置20の制御部21は、ステップS102において取得した第1位置データで示される位置から宿泊施設60までの距離に応じて、第1ユーザXが宿泊施設60へ戻る戻り時刻を予測する。具体的には、制御部21は、ステップS102で取得した第1位置データを記憶部22から読み出す。第1位置データで示される位置から宿泊施設60までの距離が[L]kmであるとする。車両40の基準速度が[V]km/時間であるとする。制御部21は、距離[L]kmと車両40の基準速度[V]km/時間とから、会議場70から宿泊施設60まで移動するのに必要な所要時間を{[L]/[V]}時間と算出する。制御部21は、算出した所要時間に基づいて戻り時刻を予測する。例えば、制御部21は、第1位置データを取得した時刻から所要時間である{[L]/[V]}時間を経過した後の時刻を戻り時刻として予測する。
【0065】
ステップS104において、制御装置20の制御部21は、ステップS103において算出した戻り時刻までの時間帯を空き時間帯と推定する。
【0066】
このように、制御装置20の制御部21は、第1ユーザXの位置を示す第1位置データを取得し、取得した第1位置データに基づいて、空き時間帯を推定する。
【0067】
ステップS105において、制御装置20の通信部23は、ステップS104において推定された空き時間帯を示す空きデータを第1ユーザXとは異なる少なくとも1人の第2ユーザYの端末装置30に対して送信する。
【0068】
本実施形態において、制御装置20の制御部21は、第1ユーザXとは異なる1人以上のユーザの位置を示す第2位置データを取得する。制御部21は、取得した第2位置データに基づいて、当該1人以上のユーザの中から第2ユーザYを選択する。第2位置データは任意の方法で取得されてよい。本実施形態では、制御装置20の制御部21は、第2位置データとして、当該1人以上のユーザにより保持された端末装置により測定した位置を示すデータを取得する。制御部21は、第2位置データにより示される位置から宿泊施設60までの距離を算出する。制御部21は、第2位置データを取得した時刻と、算出した距離とに基づいて、当該1人以上のユーザの宿泊施設60への到着可能時刻を予測する。あるユーザの宿泊施設60への到着可能時刻が空き時間帯の終了時刻以降である場合には、そのユーザは空き時間帯を利用することができない。よって、そのユーザには空き時間帯を通知する必要がないと考えられる。したがって、制御部21は、あるユーザについて、予測した到着可能時刻が空きデータで示される空き時間帯の終了時刻よりも前である場合に、当該ユーザを第2ユーザYとして選択する。
【0069】
第2ユーザYを選択する別の方法として、制御装置20の制御部21は、ステップS102において取得した第1位置データで示される位置から宿泊施設60までの距離D1と、第2位置データで示される位置から宿泊施設60までの距離D2とに応じて、第2ユーザYを選択してもよい。例えば、距離D1があるユーザについての距離D2よりも長い場合には、そのユーザは第1ユーザXが宿泊施設60に戻る前に宿泊施設60に到着できる。よって、そのユーザは第1ユーザXが宿泊施設60に戻るまでの間、宿泊施設60を利用できると考えられる。したがって、制御部21は、距離D1が、あるユーザについて測定された距離D2よりも長い場合に、当該ユーザを第2ユーザYとして選択する。
【0070】
端末装置30の制御部31は、制御装置20から送信された空きデータを通信部33を介して受信し、ディスプレイ等の出力部35に提示させる。空きデータで示される空き時間帯の開始時刻及び終了時刻、宿泊施設60の名称及び所在地、所在地までの経路、並びに連絡先は、例えば、テキストとして出力部35に表示される。
【0071】
端末装置30の制御部31は、第2ユーザYが空きデータで示される空き時間帯の利用の申込みを行う操作を、タッチスクリーンなどの入力部34で受け付ける。第2ユーザYが空き時間帯の利用の申込みを行う操作は、任意の方法で行われてよい。一つの方法として、例えば、第2ユーザYが出力部35にテキストとして表示された空きデータに付随して表示される「申込み」ボタンを押すなどのGUI操作により行われる。「GUI」は、graphical user interfaceの略語である。
【0072】
端末装置30の制御部31は、第2ユーザYにより宿泊施設60の空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを生成する。制御部31は、申込みデータを通信部33に送信させる。通信部33は、申込みデータを制御装置20に送信する。制御装置20の制御部21は、端末装置30の通信部33から送信された申込みデータを、通信部23を介して受信する。このようにして、制御装置20の通信部23は、端末装置30から、空きデータに対する応答として、空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを受信する。
【0073】
制御装置20の制御部21は、申込みデータを取得すると、宿泊施設60の管理者に向けて、通信部23により受信された申込みデータの内容を提示する。具体的には、制御部21は、空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを、通信部23を介して、宿泊施設60に設置された管理装置90に送信する。制御部21は、申込みデータを管理装置90としての予約管理サーバに送信する。宿泊施設60の管理装置90は、受信した申込みデータを記憶し、ディスプレイ等に表示させる。
【0074】
以上のように、制御装置20の制御部21は、ステップS101からステップS104の処理を行うことにより、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインした第1時刻から第1ユーザXが宿泊施設60からチェックアウトする第2時刻までの期間P中に宿泊施設60が第1ユーザXにより利用されない時間帯である空き時間帯を推定する。制御部21は、推定された空き時間帯を示す空きデータを、ステップS105の処理を行うことにより、第1ユーザXとは異なる少なくとも1人の第2ユーザYの端末装置30に対して送信する。
【0075】
本実施形態によれば、宿泊施設60の空き時間帯の有効活用が可能である。
【0076】
制御装置20の制御部21は、申込みデータの内容を宿泊施設60の管理装置90に送信する代わりに、第1ユーザXに提示してもよい。そのような変形例において、制御部21は、空き時間帯の利用を申し込む申込みデータを、通信部23を介して、第1ユーザXの端末装置Tに送信する。端末装置Tは、申込みデータを受信し、ディスプレイ等に表示させる。端末装置Tは、第1ユーザXが、受信した申込みデータで示される第2ユーザYからの申込みを承諾する操作を受け付ける。端末装置Tは、第1ユーザXの承諾を示すデータを、第2ユーザYの端末装置30に送信する。
【0077】
本変形例によれば、宿泊施設60の管理者を介さずに、第1ユーザXから第2ユーザYに空き時間帯の客室を利用させる転貸が可能となる。第1ユーザXが第2ユーザYから利用料金を受け取れば、第1ユーザXは自己の宿泊料金の一部を回収することができる。よって、第1ユーザXの宿泊コストが低減される。
【0078】
戻り時刻を予測する別の方法として、制御装置20の制御部21は、ステップS102において、第1位置データで示される位置の属性に更に応じて、戻り時刻を予測してもよい。そのような変形例において、制御部21は、第1位置データで示される位置での、属性に応じた第1ユーザXの滞在時間を推定する。制御部21は、推定した滞在時間を、算出した所要時間に加算して、戻り時刻を予測する。本変形例において、「属性」とは、第1位置データで示される位置に存在する施設の種類である。施設の種類としては、例えば、会議施設、飲食施設、又は観光名所が挙げられる。属性の特定は、任意の方法で行われてよい。一つの例として、第1位置データに、第1位置データで示される位置に存在する施設の情報がメタ情報として付されているとする。制御部21は、当該メタ情報を参照することで、当該位置に存在する施設の種類を、位置の属性として特定する。
【0079】
制御装置20の制御部21は、ステップS103において、会議場70から宿泊施設60までの移動に必要な所要時間を算出するとともに、施設の種類に応じた滞在時間を推定する。滞在時間は任意の方法で推定されてよい。一つの例として、制御部21は、施設の種類ごとに標準の滞在時間が設定されたデータベースを参照して、滞在時間を推定する。データベースは、例えば、
図6に示すような、属性と滞在時間との対応関係を示すテーブルを有するように構築されている。
図6に示すテーブルにおいて、属性としての会議施設、飲食施設、及び観光名所に対応する滞在時間は、それぞれ、3時間、2時間、及び1時間である。標準の滞在時間は、
図6に示す例に限定されず、任意に設定されてよい。制御部21は、
図6に示すテーブルを参照し、特定した属性に対応する滞在時間を推定する。制御部21は、算出された所要時間に、推定した滞在時間を加算して、戻り時刻を予測する。例えば、属性として特定した施設の種類が観光名所であるとする。制御部21は、
図6に示すテーブルを参照して、滞在時間が1時間と推定する。制御部21は、第1位置データを取得した時刻から、所要時間として算出された[L]/[V]時間に滞在時間として1時間を加算した{[L]/[V]時間+1時間}が経過した後の時刻を、戻り時刻と予測する。
【0080】
本変形例によれば、戻り時刻をより精度よく予測することができる。
【0081】
第1実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、スケジュールを示すスケジュールデータを取得し、取得したスケジュールデータに基づいて、空き時間帯を推定してもよい。そのような変形例である第2実施形態について、
図7を参照して説明する。
【0082】
本実施形態に係るシステム10の動作のうち、
図7に示すステップS201、ステップS204、及びステップS205の処理は、それぞれ
図5に示すステップS101、ステップS104、及びステップS105の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0083】
ステップS202において、制御装置20の制御部21は、第1ユーザXのスケジュールを示すスケジュールデータを取得する。スケジュールデータが取得されるタイミングは任意のタイミングでよいが、本実施形態では、第1ユーザXが宿泊施設60にチェックインしたタイミングで取得される。具体的には、制御部21は、管理装置90からチェックインデータを受信したタイミングで、スケジュールデータを取得する。第1ユーザXのスケジュールデータは任意の方法で取得されてよい。一つの例として、制御装置20の制御部21は、第1ユーザXのスケジュールデータが予め格納されたデータベースを参照して、第1ユーザXのスケジュールを取得する。あるいは、制御部21は、第1ユーザXのスケジュールについて問い合わせるメッセージ生成し、生成したメッセージを第1ユーザXの端末装置Tに通信部23を介して送信する。制御部21は、送信したメッセージに対して第1ユーザXから受信された回答を、スケジュールデータとして取得してもよい。スケジュールデータは、第1ユーザXにより入力されてもよい。制御部21は、取得したスケジュールデータを記憶部22に記憶する。
【0084】
第1ユーザXのスケジュールデータには、第1ユーザXの参加する行事の開催場所及び開催時間帯を示すデータが含まれる。第1ユーザXの参加する行事の例としては、会議、観光、又は会食が挙げられる。以下の説明において、スケジュールデータで示される行事は「会食」であるとする。行事の開催場所は「レストランPP」であるとする。レストランPPから宿泊施設60までの距離は[M]kmであるとする。会食の開催時間帯が19:00~21:00であるとする。
【0085】
ステップS203において、制御装置20の制御部21は、取得したスケジュールデータで示される行事の開催場所から宿泊施設60までの距離に応じて、スケジュールデータで示される開催時間帯の後に第1ユーザXが宿泊施設60へ戻る戻り時刻を予測する。制御部21は、ステップS201で取得したスケジュールデータを記憶部22から読み出す。制御部21は、読み出したスケジュールデータにより、行事の開催場所として示されるレストランPPから宿泊施設60までの距離[M]kmと、車両40の基準速度[V]km/時間とに基づいて、レストランPPから宿泊施設60まで車両40で移動するのに必要な所要時間を{[M]/[V]}時間と算出する。制御部21は、会食の終了時刻である21:00から{[M]/[V]}時間経過した時刻を戻り時刻と推定する。
【0086】
本実施形態によれば、第1ユーザXが宿泊施設60を出る前であっても、空き時間帯を推定することができる。また、戻り時刻をより精度よく予測することができる。
【0087】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、行事の開催場所から宿泊施設60までの距離に応じて、スケジュールデータで示される開催時間帯の前に第1ユーザXが宿泊施設60を出る出発時刻を予測し、予測した出発時刻からの時間帯を空き時間帯と推定してもよい。具体的には、制御部21は、ステップS203において、ステップS202で読み出したスケジュールデータにより行事の開催場所として示されるレストランPPから宿泊施設60までの距離[M]kmと、車両40の基準速度[V]km/時間とから、宿泊施設60からレストランPPまで車両40で移動するのに必要な所要時間を{[M]/[V]}時間と算出する。制御部21は、会食の開始時刻である19:00より{[M]/[V]}時間前の時刻を出発時刻と推定する。
【0088】
ステップS204において、制御装置20の制御部21は、ステップS203において算出した出発時刻からの時間帯を空き時間帯と推定する。
【0089】
本変形例によれば、宿泊施設60の空き時間帯が開始する時刻よりも前に、空きデータを第2ユーザYに提示することができる。よって、第2ユーザYは空き時間帯の利用の予定が立てやすくなる。
【0090】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0091】
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、第1位置データとして、第1ユーザXの車両40の位置データを取得する代わりに、第1ユーザXの端末装置Tの位置データを取得してもよい。本変形例によれば、第1ユーザXが、宿泊施設60としてホテルの客室を予約している場合に、当該客室から外出して客室に戻るまでの時間帯が「空き時間帯」と推定される。よって、第1ユーザXがホテルの客室の外にいるがホテル内の客室とは別の場所にいる場合又は車両40以外の手段により外出した場合でも、空き時間帯を推定することができる。よって、空き時間帯をより精度よく推定することができる。
【符号の説明】
【0092】
10 システム
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
40 車両
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
46 測位部
50 ネットワーク
60 宿泊施設
70 会議場
80 駐車場
90 管理装置
X 第1ユーザ
Y 第2ユーザ