IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 王子ホールディングス株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】透明感熱記録体
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/42 20060101AFI20231129BHJP
   B41M 5/44 20060101ALI20231129BHJP
   B41M 5/41 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B41M5/42 221
B41M5/44 220
B41M5/41 200
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020217731
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102782
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋元 真也
(72)【発明者】
【氏名】梅本 卓史
(72)【発明者】
【氏名】中島 聡
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-037189(JP,A)
【文献】特開2002-326456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/42
B41M 5/44
B41M 5/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体の一方の面に、ロイコ染料及び呈色剤を含有する少なくとも1層の感熱記録層、並びに接着剤及び滑剤を含有する保護層をこの順に有する透明感熱記録体であって、
前記接着剤の含有割合が保護層の全固形量中60質量%以上であり、
前記滑剤としてアルキルリン酸エステル塩、ステアリン酸塩及びN置換脂肪酸アミドを含有し、
前記ステアリン酸塩の含有割合が保護層の全固形量中1.0~10質量%であり、
前記N置換脂肪酸アミドの含有割合が保護層の全固形量中1.0~10質量%である
透明感熱記録体。
【請求項2】
前記アルキルリン酸エステル塩の含有割合が、保護層の全固形量中0.5~20質量%である、請求項1に記載の透明感熱記録体。
【請求項3】
前記保護層中に顔料を含有しない、請求項1又は2に記載の透明感熱記録体。
【請求項4】
前記保護層に含有される前記接着剤が、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の透明感熱記録体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した透明感熱記録体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体は比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易であるため、ファクシミリ、各種計算機、CAD用プロッター等の記録媒体としてのみならず、超音波画像診断用、X線画像診断用、NMR断層画像診断用等の医療用機器の記録媒体としても使用されている。
【0003】
中でも、医療診断用途であるシャウカステン用の感熱記録体は、高い透明性と記録濃度が必要とされている。
【0004】
そのため、医療用機器の記録媒体として使用される感熱記録体は、サーマルヘッドで印加する熱エネルギーが大きくなり、記録時にスティッキングや騒音が発生し易くなる。このような問題を改善する観点から、感熱記録層上には一般的に保護層が設けられる。
【0005】
一般に、スティッキングを効果的に抑制させるために、感熱記録体の最上層中に5質量%以上の炭酸カルシウムを配合することが提案されている(特許文献1)。また、透明な感熱記録体について、透明性を向上させるために、感熱記録層上のトップコート層中に、充填剤として粒子径の小さいコロイダルシリカを配合することが提案されている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、このような無機顔料を透明感熱記録体の保護層(オーバーコート層)に用いた場合には、サーマルヘッドの摩耗が生じるという問題がある。そのため、スティッキングの抑制に加えて、サーマルヘッドの摩耗が起き難い透明感熱記録体が強く求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-4746号公報
【文献】特開2016-93950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、サーマルヘッドの摩耗を抑制し、耐スティッキング性にも優れる透明感熱記録体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、保護層中に接着剤を保護層の全固形量中60質量%以上の割合で含有させ、滑剤としてアルキルリン酸エステル塩を配合することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を解決するに至った。すなわち、本発明は、下記の透明感熱記録体に係る。
【0010】
項1.透明支持体の一方の面に、ロイコ染料及び呈色剤を含有する少なくとも1層の感熱記録層、並びに接着剤及び滑剤を含有する保護層をこの順に有する透明感熱記録体であって、
前記接着剤の含有割合が保護層の全固形量中60質量%以上であり、
前記滑剤として少なくともアルキルリン酸エステル塩を含有する
透明感熱記録体。
項2.前記アルキルリン酸エステル塩の含有割合が、保護層の全固形量中0.5~20質量%である、項1に記載の透明感熱記録体。
項3.前記保護層中に顔料を含有しない、項1又は2に記載の透明感熱記録体。
項4.前記滑剤としてステアリン酸塩を更に含有し、前記ステアリン酸塩の含有割合が保護層の全固形量中1.0~10質量%である、項1~3のいずれか一項に記載の透明感熱記録体。
項5.前記滑剤としてN置換脂肪酸アミドを更に含有し、前記N置換脂肪酸アミドの含有割合が保護層の全固形量中1.0~10質量%である、項4に記載の透明感熱記録体。
項6.前記保護層に含有される前記接着剤が、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1~5のいずれか一項に記載の透明感熱記録体。
【発明の効果】
【0011】
本発明の透明感熱記録体は、サーマルヘッドの摩耗を抑制し、耐スティッキング性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中において、「含む、含有する」なる表現については、「含む」、「実質のみからなる」、及び「のみからなる」旨の概念を含む。
【0013】
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0014】
また、本発明では「平均粒子径」は、レーザー回析法によって測定される体積基準のメジアン径をいう。より簡単には、電子顕微鏡を使用し、粒子画像(SEM画像)から粒子径をそれぞれ測定し、10個の平均値で示しても構わない。
【0015】
本発明は、透明支持体の一方の面に、ロイコ染料及び呈色剤を含有する少なくとも1層の感熱記録層、並びに接着剤及び滑剤を含有する保護層をこの順に有する透明感熱記録体であって、
前記接着剤の含有割合が保護層の全固形量中60質量%以上であり、
前記滑剤として少なくともアルキルリン酸エステル塩を含有する
ことを特徴とする。
【0016】
[透明支持体]
透明支持体としては、限定的でないが、例えば厚さ30~300μm程度の二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム等が挙げられる。
【0017】
また、透明支持体は着色体又は無着色体のいずれであってもよい。支持体が無着色フィルムである場合、感熱記録層及び保護層の少なくとも1層を着色してもよい。
【0018】
透明支持体は、コロナ放電処理や導電剤による導電処理を施したものであってもよい。
【0019】
[感熱記録層]
本発明の感熱記録体における感熱記録層には、無色又は淡色の各種公知のロイコ染料を含有させることができる。そのようなロイコ染料の具体例を以下に挙げる。
【0020】
ロイコ染料の具体例としては、例えば、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)-3-(4-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3-(N-エチル-N-p-トリル)アミノ-7-N-メチルアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-ジベンジルアミノフルオラン、ローダミンB-アニリノラクタム等の緑発色性染料、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-アニリノラクタム、3-シクロヘキシルアミノ-6-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン等の赤発色性染料、3-(N-エチル-N-イソアミル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-シクロヘキシル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジ(n-ペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)-6-メチル-7-アリニノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-(N-イソアミル-N-エチルアミノ)-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-2-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-n-ヘキシル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-〔N-(3-エトキシプロピル)-N-エチルアミノ〕-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-〔N-(3-エトキシプロピル)-N-メチルアミノ〕-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジ(n-ブチルアミノ)-7-(2-クロロアニリノ)フルオラン、4,4’-ビス-ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N-2,4,5-トリクロロフェニルロイコオーラミン、3-ジエチルアミノ-7-ブチルアミノフルオラン、3-エチル-トリルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-シクロヘキシル-メチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-(β-エトキシエチル)アミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-(γ-クロロプロピル)アミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-イソアミル-N-エチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-クロロアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロフェニルアミノ)フルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-p-トルイジノ)-6-メチル-7-(p-トルイジノ)フルオラン、3-(N-エチル-N-テトラヒドロフルフリルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-クロロ-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、2,2-ビス{4-〔6’-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-3’-メチルスピロ〔フタリド-3,9’-キサンテン〕-2’-イルアミノ〕フェニル}プロパン、3-ジエチルアミノ-7-(3’-トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3-ビス〔1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ジメチルアミノフェニル)エチレン-2-イル〕-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3,3-ビス〔1-(4-メトキシフェニル)-1-(4-ピロリジノフェニル)エチレン-2-イル〕-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-p-(p-ジメチルアミノアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-p-(p-クロロアニリノ)アニリノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3,6-ビス(ジメチルアミノ)フルオレン-9-スピロ-3’-(6’-ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
【0021】
かかるロイコ染料の含有割合は、特に制限されず、感熱記録層の全固形量中、3~30質量%程度が好ましく、5~25質量%程度がより好ましく、7~25質量%程度が更に好ましい。3質量%以上とすることにより発色能力を高めて、印字濃度を向上できる。30質量%以下とすることにより、耐熱性を向上できる。
【0022】
呈色剤の具体例としては、例えば、4-tert-ブチルフェノール、4-アセチルフェノール、4-tert-オクチルフェノール、4,4’-sec-ブチリデンジフェノール、4-フェニルフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-イソプロピリデンジフェノール、4,4’-シクロヘキシリデンジフェニル、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、4,4’-ビス(p-トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’-ビス〔4-(4-ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-アリルオキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4’-ベンジルオキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p-ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-ヒドロキシ-4’-メチルジフェニルスルホン、4-アリルオキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-4’-メチルフェニルスルホン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシフタル酸ジメチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、4-ヒドロキシ安息香酸-sec-ブチル、4-ヒドロキシ安息香酸フェニル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4-ヒドロキシ安息香酸トリル、4-ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、又は安息香酸、p-クロロ安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3-tert-ブチルサリチル酸、3-イソプロピルサリチル酸、3-ベンジルサリチル酸、3-(α-メチルベンジル)サリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、4-〔2-(p-メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4-〔3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5-〔p-(2-p-メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸、4-〔3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質、N-p-トルエンスルホニル-N’-3-(p-トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N-p-トルエンスルホニル-N’-p-ブトキシカルボニルフェニルウレア、N-p-トリルスルホニル-N’-フェニルウレア、4,4’-ビス(p-トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン等のウレア化合物、N,N’-ジ-m-クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N-(p-トルエンスルホニル)カルバモイル酸p-クミルフェニルエステル、N-(p-トルエンスルホニル)カルバモイル酸p-ベンジルオキシフェニルエステル、N-[2-(3-フェニルウレイド)フェニル]ベンゼンスルホンアミド、N-(o-トルオイル)-p-トルエンスルホアミド等の分子内に-SONH-結合を有する有機化合物、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質等が挙げられる。
【0023】
さらに、下記一般式(1)で表される4,4’-ビス〔(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’-ビス〔(2-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4-(2-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド-4’-(4-メチル-5-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイドジフェニルスルホン等のウレアウレタン誘導体、下記一般式(2)で表されるジフェニルスルホン誘導体等が挙げられる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
(式中、nは1~6の整数を表す。)
【0026】
かかる呈色剤の含有量は、特に制限されず、使用されるロイコ染料に応じて調整すればよく、一般にロイコ染料1質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、0.8質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましく、1.2質量部以上がより一層好ましく、1.4質量部以上が特に好ましい。また、呈色剤の含有量はロイコ染料1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、4質量部以下が更に好ましく、3.5質量部以下が特に好ましい。0.5質量部以上とすることにより、記録性能を高めることができる。一方、10質量部以下とすることにより、高温環境下での地肌カブリを効果的に抑えることができる。
【0027】
本発明では、感熱記録層中に、主に発色像の保存性をより一層高めるために、保存性改良剤を更に含有させることができる。このような保存性改良剤としては、例えば、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、4,4’-〔1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’-〔1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール化合物;4-ベンジルオキシフェニル-4’-(2-メチル-2,3-エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4-(2-メチル-1,2-エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4-(2-エチル-1,2-エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物;並びに1,3,5-トリス(2,6-ジメチルベンジル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物から選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。もちろん、これらに制限されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
【0028】
保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形量中、1~30質量%程度が好ましく、5~20質量%程度がより好ましい。
【0029】
本発明における感熱記録層中には増感剤を含有させることもできる。これにより、記録感度を高めることができる。増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、メトキシカルボニル-N-ステアリン酸ベンズアミルド、N-ベンゾイルステアリン酸アミド、N-エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、ジフェニルスルホン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル、2-ナフチルベンジルエーテル、m-ターフェニル、p-ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ-p-クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ-p-メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、p-トリルビフェニルエーテル、ジ(p-メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2-ジ(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-メトキシフェノキシ)エタン、1,2-ジ(4-クロロフェノキシ)エタン、1,2-ジフェノキシエタン、1-(4-メトキシフェノキシ)-2-(3-メチルフェノキシ)エタン、p-メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4-ジ(フェニルチオ)ブタン、p-アセトトルイジド、p-アセトフェネチジド、N-アセトアセチル-p-トルイジン、1,2-ジフェノキシメチルベンゼン、ジ(β-ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p-ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1-イソプロピルフェニル-2-フェニルエタン、アジピン酸ジ-o-クロルベンジル、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェニル)エタン、1,3-ビス(2-ナフトキシ)プロパン、ジフェニル、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらは支障のない範囲で併用できる。増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよく、通常は、感熱記録層の全固形量中、2~40質量%程度が好ましく、5~25質量%程度がより好ましい。
【0030】
感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のため、白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウム、シリカ等の無機顔料、並びに、尿素-ホルマリン樹脂、スチレン-メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の含有割合は、発色濃度を低下させない程度の量、すなわち、感熱発色層の全固形量中50質量%以下であることが好ましい。
【0031】
感熱記録層を構成する他の成分材料としては接着剤を用い、更に必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、耐水化剤、分散剤、有色染料、蛍光染料等を用いることができる。
【0032】
感熱記録層用塗液に使用される接着剤としては、例えば、水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの水性接着剤も使用できる。水溶性接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体塩、スチレン-アクリル酸共重合体塩、スチレン-無水マレイン酸共重合体塩、エチレン-無水マレイン酸共重合体塩、アクリル酸アミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム等が挙げられる。水分散性接着剤としては、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン、又はスチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等の水不溶性重合体のラテックス等が挙げられる。これらは、1種単独又は2種以上を併用して使用することができる。これらの少なくとも1種を、感熱記録層の全固形量中、好ましくは5~50質量%程度、より好ましくは10~40質量%程度の範囲で配合される。
【0033】
感熱記録層又はその他の層の接着剤を硬化させる架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。これにより、感熱記録層の耐水性を向上させることができる。架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、グリオキシル酸塩、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物;過硫酸アンモニウム、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物;硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー、ヒドラジド化合物、グリオキシル酸塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。架橋剤の使用量は、感熱記録層の全固形量100質量部に対し、1~10質量部程度の範囲が好ましい。これにより、感熱記録層の耐水性を向上させることができる。
【0034】
ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類;例えば、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
【0035】
金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の各種助剤を添加することができる。
【0036】
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、ロイコ染料と呈色剤、必要により増感剤と保存性改良剤を一緒に、又は別々にボールミル、コボールミル、アトライター、縦型及び横型のサンドミル等の各種撹拌・湿式粉砕機によりポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、スチレン-無水マレイン酸共重合体塩等のような水溶性合成高分子化合物、その他界面活性剤と共に分散して分散液とした後、平均粒子径が2μm以下となるように分散して得た分散液を用いて、必要により顔料、接着剤、助剤等を混合することにより調製された感熱記録層用塗液を塗布した後、透明支持体上に形成される。感熱記録層の塗布量は、特に制限されず、乾燥質量で1~12g/m程度が好ましく、2~10g/mがより好ましく、2.5~8g/mが更に好ましく、3~5.5g/mが特に好ましい。なお、感熱記録層は必要に応じて2層以上に分けて形成することができ、各層の組成と塗布量は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。
【0037】
[保護層]
本発明の感熱記録体では、感熱記録層上に接着剤及び滑剤を含有する保護層を有する。接着剤の含有割合は、保護層の全固形量中60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80~95質量%である。60質量%以上とすることにより、サーマルヘッドの摩耗を減少させることができる。保護層は水を媒体とし、接着剤と滑剤を主成分として、必要により添加される各種助剤を混合して得られる保護層用塗液を、感熱記録層上に塗布及び乾燥して得ることができる。
【0038】
保護層用塗液に使用する接着剤としては、特に制限されず、水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの水性接着剤も使用できる。接着剤は、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。中でも、耐熱性に起因する印画焼けが良好であることから、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、及びアクリル樹脂が好ましく用いられる。
【0039】
変性ポリビニルアルコールとしては、例えばアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。変性ポリビニルアルコールの鹸化度については、85モル%から完全鹸化の100モル%程度が好ましく、90~100モル%程度がより好ましい。平均重合度については、300~3000程度が好ましく、400~2000程度がより好ましい。変性度は、耐水性を高める観点から0.5~10モル%程度が好ましく、1~9モル%程度がより好ましい。重合度、鹸化度が高いほど耐水性が良好になるが、塗料濃度、粘度、塗工性又は乾燥性から状況に応じて選択する必要がある。
【0040】
滑剤としては、少なくともアルキルリン酸エステル塩を含有する。これにより、スティッキングを効果的に抑制できる。
【0041】
アルキルリン酸エステル塩は、リン酸が有する3つのヒドロキシ基のうちの1以上における水素原子がアルキル基に置換した化合物であり、中でも、モノエステル体(モノアルキルリン酸エステル)が好ましい。アルキルリン酸エステルにおけるエステル部分のアルキル基の炭素数は、好ましくは12~36、より好ましくは12~30、更に好ましくは14~22である。当該アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキルリン酸エステル塩としては、例えば、無機塩、有機アミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;亜鉛塩等が挙げられる。有機アミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。塩基性アミノ酸塩としては、例えば、アルギニン塩、リジン塩等が挙げられる。
【0042】
アルキルリン酸エステル塩の含有割合は、保護層の全固形量中0.5~20質量%程度が好ましく、1.0~20質量%程度がより好ましく、1.0~10質量%程度が更に好ましい。0.5質量%以上とすることにより、耐スティッキング性を向上できる。20質量%以下とすることにより、耐可塑剤性の低下を抑えることができる。
【0043】
滑剤として、スティッキングを更に抑制するために、アルキルリン酸エステル塩に加えて、ステアリン酸塩を更に含有させることができる。ステアリン酸塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛等が挙げられ、好ましくはステアリン酸亜鉛である。ステアリン酸塩の含有割合は、保護層の全固形量中、1.0~10質量%程度が好ましく、1.0~5質量%程度がより好ましい。1.0質量%以上とすることにより、耐スティッキング性を向上できる。10質量%以下とすることにより、塗料の泡立ちを抑制することができる。
【0044】
滑剤として、スティッキングを更に抑制するために、アルキルリン酸エステル塩及びステアリン酸塩に加えて、N置換脂肪酸アミドを更に含有させることができる。N置換脂肪酸アミドの含有割合は、保護層の全固形量中、1.0~10質量%程度が好ましく、1.0~5質量%程度がより好ましい。1.0質量%以上とすることにより、耐スティッキング性を向上できる。10質量%以下とすることにより、耐可塑剤性を向上できる。
【0045】
N置換脂肪酸アミドの具体例としては、N,N’-エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’-メチレビスステアリン酸アミド、N,N’-エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’-エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-エチレンベヘン酸アミド、N,N’-エチレンビス-12ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-キシリレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸モノメチロールアミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’-ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’-ジステアリルイソタル酸アミド等が挙げられる。
【0046】
本発明における保護層中には、サーマルヘッドの摩耗を抑制するため、顔料を含有しないことが望ましい。顔料を含有しない場合であっても、保護層中に滑剤として少なくともアルキルリン酸エステル塩を含有することで、スティッキングを効果的に抑制できる。
【0047】
その他、保護層中に公知の助剤、例えば、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
【0048】
保護層用塗液の塗布量は、乾燥質量で0.5~10g/m程度、好ましくは0.5~5g/m程度である。なお、保護層は、必要に応じて2層以上に分けて形成することができ、各層の組成と塗布量は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。
【0049】
[その他の層]
本発明では、必要に応じて、透明支持体と感熱記録層との間に、アンカーコート層を設けることもできる。
【0050】
アンカーコート層は、水分散性接着剤を主成分として含有し、透明支持体上に設けられる。水分散性接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-ブタジエン-アクリル系共重合体等の水不溶性重合体等が挙げられる。なお、水不溶性重合体はラテックスの状態で用いればよい。これらの水分散性接着剤は併用することもできる。
【0051】
透明支持体との密着性及び耐水性が向上する観点から、アンカーコート層が少なくとも一相にウレタン樹脂成分を有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤を含有することが好ましい。
【0052】
水分散性接着剤の含有割合は、アンカーコート層の全固形量に対して75~95質量%であることが好ましい。75質量%以上とすることにより、より一層優れた密着性を得ることができる。一方、95質量%以下とすることにより、塗布適性を付与することができる。
【0053】
アンカーコート層は、本発明の効果を損なわない範囲において、水溶性接着剤を含有することもできる。水溶性接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド-アクリル酸エステル-メタクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0054】
更に、アンカーコート層には助剤として、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム等の顔料、グリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、ケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド-エピクロルヒドリン樹脂、ケトン-アルデヒド樹脂、硼砂、硼酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物等の架橋剤、消泡剤、蛍光染料、有色染料等を必要に応じて使用することができる。
【0055】
アンカーコート層は、水を媒体とし、例えば前述の異相粒子構造のポリマーラテックス、ポリビニルアルコール、助剤等を混合することにより調製されたアンカーコート層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5~5g/m程度となるように、透明支持体上に塗布及び乾燥して得ることができる。
【0056】
本発明では、必要に応じて透明支持体の感熱記録層とは反対面に、透明感熱記録体の走行性を改良するため、樹脂粒子等の顔料と接着剤を含有する裏面層を設けることもできる。
【0057】
さらに、感熱記録層とは反対側の裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等を塗布し、粘着加工を施すことにより、粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙などとして使用することができる。粘着加工を施したものは感熱ラベル等の用途に有用である。
【0058】
[感熱記録体]
感熱記録層、保護層、必要により設けるアンカーコート層及び裏面層の形成方法については特に限定されず、例えば、バーコーティング、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、透明支持体上に感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を塗布及び乾燥する等の方法で形成される。
【0059】
本発明では、透明支持体上に形成された少なくとも1層がカーテン塗布法により形成された層であることが好ましい。これにより、均一な厚みを有する層を形成することができ、記録感度を高めたり、油、可塑剤、アルコール等に対するバリア性を高めたりすることができる。カーテン塗布法は、塗液を流下して自由落下させ、透明支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。カーテン塗布法では、同時多層塗布することにより、より均一な厚みを有する層を形成することができる。同時多層塗布では、各塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよいし、下層を形成する塗液を塗布した後、乾燥することなく下層塗布面が湿潤状態のうちに、下層塗布面上に上層を形成する塗液を塗布し、その後、乾燥させて各層を形成してもよい。本発明では、感熱記録層と保護層を同時多層塗布する態様がバリア性向上の観点から好ましい。
【0060】
本発明では、記録感度を高めて、画像均一性を向上させる観点から、各層を形成し終えた後、又は全ての層を形成し終えた後の任意の過程で、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の方法を用いて平滑化処理することが好ましい。
【0061】
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、又は熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、透明支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであって、これらを大別すると消色型と加色型の2種類があり、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
【実施例
【0062】
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
【0063】
実施例1
・A液(ロイコ染料分散液)の調製
3-ジ(n-ブチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL-3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
【0064】
・B液(呈色剤分散液)の調製
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセネックスL-3266、日本合成化学社製)の20%水溶液40部、天然油脂系消泡剤(商品名:ノプコ1407H、サンノプコ社製)の5%エマルジョン1部、及び水80部からなる組成物を、ウルトラビスコミルにより動的光散乱式粒径分布測定装置LB-500(堀場製作所製)によるメジアン径が0.2μmとなるまで粉砕してB液を得た。
【0065】
・感熱記録層用塗液の調製
A液36部、B液47.8部、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスN、平均粒子径10~15nm、日産化学社製、固形分濃度20%)33.5部、スチレン-ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA9281、日本A&L社製、固形分濃度48%)13.9部、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF-17、日本酢ビ・ポバール社製)の10%水溶液38部、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)35部、ポリエステル系ポリウレタン(商品名:メトローズ60SH-03、信越化学社製)の10%水溶液10部、ポリエチレンワックスエマルジョン(商品名:ノプコートPEM17、サンノプコ社製、固形分濃度40%)1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(商品名:SNウェットOT-70、サンノプコ社製)の10%水溶液6部、及び水18部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
【0066】
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部、及び水100.0部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を調製した。
【0067】
・透明感熱記録体の作製
透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、乾燥後の塗布量が4.0g/mとなるように感熱記録層用塗液を塗布及び乾燥して感熱記録層を形成した。更に感熱記録層上に乾燥後の塗布量が3.0g/mとなるように保護層用塗液を塗布及び乾燥して保護層を形成し、透明感熱記録体を得た。
【0068】
実施例2
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を421.0部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を4.3部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を197.8部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0069】
実施例3
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を363.3部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を42.9部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を170.7部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0070】
実施例4
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を256.4部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を114.3部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を120.5部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0071】
実施例5
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を414.6部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を4.3部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を194.8部にそれぞれ変更し、更にステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL-111、中京油脂社製、固形分濃度20%)7.5部を添加した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0072】
実施例6
実施例5の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液414.6部を388.9部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)194.8部を182.7部に、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL-111、中京油脂社製、固形分濃度20%)7.5部を37.5部に変更した以外は実施例5と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0073】
実施例7
実施例5の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液414.6部を367.6部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)194.8部を172.7部に、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL-111、中京油脂社製、固形分濃度20%)7.5部を62.5部に変更した以外は実施例5と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0074】
実施例8
実施例6の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液388.9部を382.5部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)182.7部を179.7部にそれぞれ変更し、更にエチレンビスステアリン酸アミドエマルジョン(商品名:ハイミクロンG-110、中京油脂社製、固形分濃度27%)5.6部を添加した以外は実施例6と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0075】
実施例9
実施例8の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液382.5部を356.9部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)179.7部を167.7部に、エチレンビスステアリン酸アミドエマルジョン(商品名:ハイミクロンG-110、中京油脂社製、固形分濃度27%)5.6部を27.8部にそれぞれ変更した以外は実施例8と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0076】
実施例10
実施例8の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液382.5部を335.5部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)179.7部を157.6部に、エチレンビスステアリン酸アミドエマルジョン(商品名:ハイミクロンG-110、中京油脂社製、固形分濃度27%)5.6部を46.3部にそれぞれ変更した以外は実施例8と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0077】
実施例11
実施例9の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液356.9部の代わりに、同量のジアセトン変性ポリビニルアルコール(DF-10、日本酢ビ・ポバール社製、重合度1000)の14%水溶液を用いた以外は実施例9と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0078】
比較例1
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を356.9部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を0部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を167.7部にそれぞれ変更し、更にステアリン酸亜鉛(商品名:ハイミクロンL-111、中京油脂社製、固形分濃度20%)82.5部を添加した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0079】
比較例2
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液427.0部を356.9部に、ステアリルリン酸エステルカリウム塩エマルジョン(商品名:ウーポール1800、松本油脂社製、固形分濃度35%)0.3部を0部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)200.6部を167.7部にそれぞれ変更し、更にエチレンビスステアリン酸アミドエマルジョン(商品名:ハイミクロンG-110、中京油脂社製、固形分濃度27%)61.1部を添加した以外は実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0080】
比較例3
実施例9の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液356.9部を235.1部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)167.7部を110.4部にそれぞれ変更し、更にコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO、平均粒子径10~15nm、日産化学社製、固形分濃度20%)142.5部を添加した以外は実施例9と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0081】
比較例4
実施例9の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスZ-200、日本合成化学社製、完全ケン化、重合度1100)の14%水溶液356.9部を149.6部に、ポリエステル系ポリウレタン樹脂(商品名:ハイドランAM-1、DIC社製、固形分濃度20%)167.7部を70.3部にそれぞれ変更し、更にコロイダルシリカ(商品名:スノーテックスO、平均粒子径10~15nm、日産化学社製、固形分濃度20%)242.5部を添加した以外は実施例9と同様にして透明感熱記録体を得た。
【0082】
以上の実施例1~11、及び比較例1~4で作製した透明感熱記録体を下記の評価に供し、その結果を表1に示す。
【0083】
〔ヘッド磨耗性の評価〕
直径0.3175cmの真鍮球に900gの荷重をかけ、各透明感熱記録体の保護層表面を375m走行させたときの真鍮球の磨耗深さをキーエンス社製形状測定装置Profle Measurement unit VHX-S15を用いて測定した。磨耗深さが小さいほど、ヘッド磨耗性が良好であるといえる。
【0084】
〔スティッキングの評価〕
感熱プリンター(商品名:Atlantek400、Global Media Instruments社製)を用い、Pattern4、Energy MidにてDynamic Responseの印字を行い、Step2の印字上部から、Step10の印字下部までの印字長を測定した。実用上、印字長は15.0cm以上必要である。
【0085】
〔印画部の耐可塑剤性評価〕
感熱記録評価機(商品名:TH-PMD、大倉電機社製)を用い、各透明感熱記録体をについて印加エネルギー:0.24mJ/dot、印字速度4ipsにて各透明感熱記録体を記録し、記録部を可塑フィルム(商品名:ハイエスソフトTMH、日本カーバイド社製)に接触させ、40℃24時間処理した後、記録部をX-rite分光濃度計(商品名:X-rite530、X-rite社製)のビジュアルモードで測定した。そして、下記式により、記録部の保存率を求めた。
保存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
【0086】
〔塗料の泡立ち〕
保護層用塗液100mlを250mlのポリ瓶に入れ、試験用分散機(東洋精機社製)で1分間振とうした後、塗料の泡立ちを以下の基準で判定した。
○・・・殆ど泡立ちが見られず、塗料ハンドリングの問題なし。
△・・・やや泡立ちが見られるが、塗料ハンドリングの問題なし。
×・・・相当な泡立ちが見られ、塗料のハンドリングの問題がある。
【0087】
【表1】