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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】物品仕分け設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021086997
(22)【出願日】2021-05-24
(65)【公開番号】P2022180084
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】植田 智昭
(72)【発明者】
【氏名】味生 淳
(72)【発明者】
【氏名】加藤 研司
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-175484(JP,A)
【文献】特開2018-104126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/270197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける物品仕分け設備であって、
前記物品を支持可能な物品支持体を搬送する搬送装置と、
前記物品支持体の搬送経路の途中に設けられ、前記物品支持体から別の前記物品支持体へ前記物品を移載する移載動作を行う移載装置と、
前記搬送装置及び前記移載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記物品支持体には、前記移載装置の前記移載動作によって取り出される前記物品を支持するための移載元支持体と、前記移載装置の前記移載動作によって引き渡された前記物品を支持するための移載先支持体と、が含まれ、
前記搬送装置は、前記移載元支持体を搬送する基準搬送装置と、前記移載先支持体を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置とは別に前記移載先支持体を搬送する第2搬送装置と、を備え、
前記移載装置の周囲に設定され、当該移載装置が前記物品を移載可能な範囲を移載可能範囲として、
前記基準搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された基準位置を通過する経路に沿って前記移載元支持体を搬送するように構成され、
前記第1搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第1位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記第2搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第2位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記移載装置は、前記基準位置に配置された前記移載元支持体から、前記第1位置に配置された前記移載先支持体及び前記第2位置にされた前記移載先支持体のそれぞれへ前記物品を移載するように構成され、
前記基準位置と前記第1位置との距離は、前記基準位置と前記第2位置との距離よりも短く設定され、
前記オーダー情報には、前記移載動作によって前記移載装置からそれぞれの前記移載先支持体に引き渡される前記物品の個数を示す個数情報が含まれ、
複数の前記移載先支持体のそれぞれと個別の前記オーダー情報とを関連付ける関連付け処理が前記制御装置により実行され、
複数の前記移載先支持体のそれぞれに関連付けられた前記オーダー情報に含まれる前記個数情報に示された個数を、それぞれの前記移載先支持体の物品移載個数とし、
同時期に前記第1位置と前記第2位置とに配置される2つの前記移載先支持体のうち、前記第1位置に配置される前記移載先支持体を第1支持体とし、前記第2位置に配置される前記移載先支持体を第2支持体として、
前記制御装置は、前記第1支持体の前記物品移載個数が、前記第2支持体の前記物品移載個数以上となるように、前記関連付け処理及び前記搬送装置を制御する搬送制御処理の少なくとも一方を行う、物品仕分け設備。
【請求項2】
前記制御装置は、同じ前記移載元支持体に支持された複数の前記物品を、前記オーダー情報に基づいて複数の前記移載先支持体に振り分けて移載する場合に、同じ前記移載元支持体から前記物品が振り分けられる複数の前記移載先支持体を、前記第1搬送装置による搬送対象となる第1グループと前記第2搬送装置による搬送対象となる第2グループとにグループ分けするグループ分け処理を実行し、
前記グループ分け処理では、前記第1グループに属する前記移載先支持体の前記物品移載個数が、前記第2グループに属する前記移載先支持体の前記物品移載個数以上となるように、前記グループ分けが行われる、請求項1に記載の物品仕分け設備。
【請求項3】
前記移載可能範囲において、前記基準搬送装置と前記第1搬送装置と前記第2搬送装置とが互いに平行な搬送方向に沿って前記物品支持体を搬送するように構成されると共に、前記搬送方向に直交する方向における前記基準搬送装置と前記第2搬送装置との間に前記第1搬送装置が配置されている、請求項1又は2に記載の物品仕分け設備。
【請求項4】
前記基準搬送装置、前記第1搬送装置、及び前記第2搬送装置のそれぞれが、コンベヤである、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品仕分け設備。
【請求項5】
1つの前記移載先支持体には、単一種類の前記物品が支持される、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品仕分け設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける物品仕分け設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような設備の一例が、例えば特開2004-175484号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された設備では、納品先や注文個数に応じて、物品(W)の仕分けが行われている。具体的には、特許文献1に開示された設備には、物品(W)を支持するための物品支持体(パレットP)を搬送するパレット搬送装置(11A~11C)と、物品(W)を搬送する物品搬送装置(21A~21C)と、物品(W)を物品支持体(P)へ移載する移載装置(7)と、が備えられている。
【0004】
移載装置(7)の操作範囲(Z)には、各パレット搬送装置(11A~11C)によって物品支持体(パレットP)が搬送されると共に、各物品搬送装置(21A~21C)によって物品(W)が搬送される。そして、移載装置(7)は、当該操作範囲(Z)内において、物品(W)を物品支持体(パレットP)へ移載する。詳細には、移載装置(7)は、納品先や注文個数に応じて、適切な個数の物品(W)を、各パレット搬送装置(11A~11C)のそれぞれによって搬送された複数の物品支持体(P)のうち適切な物品支持体(P)へ移載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-175484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、このような設備において取り扱われるオーダー情報には、物品の納品先、注文された物品の種類、種類毎の物品の注文個数など、様々なものが含まれる。特許文献1に開示された設備において、複数の物品支持体(P)それぞれへの物品(W)の移載個数は、オーダー情報によって異なることがある。そして、それぞれの物品(W)を移載装置(7)により移載する場合の移載動作に要する時間は、移載動作中における当該物品(W)の移動距離の影響を受ける。従って、同じ個数の物品(W)を移載する場合であっても、移載動作中における移動距離が長い物品(W)の割合が多い場合には、当該割合が少ない場合よりも移載作業の所要時間が長くなる。移載作業の所要時間が長くなると、当然ながら、物品(W)の仕分け作業の効率が低下する。この点について、特許文献1には特に記載が無い。
【0007】
上記実状に鑑みて、物品の移載作業の所要時間の短縮を図り、物品の仕分け作業の効率化を図ることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける物品仕分け設備であって、
前記物品を支持可能な物品支持体を搬送する搬送装置と、
前記物品支持体の搬送経路の途中に設けられ、前記物品支持体から別の前記物品支持体へ前記物品を移載する移載動作を行う移載装置と、
前記搬送装置及び前記移載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記物品支持体には、前記移載装置の前記移載動作によって取り出される前記物品を支持するための移載元支持体と、前記移載装置の前記移載動作によって引き渡された前記物品を支持するための移載先支持体と、が含まれ、
前記搬送装置は、前記移載元支持体を搬送する基準搬送装置と、前記移載先支持体を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置とは別に前記移載先支持体を搬送する第2搬送装置と、を備え、
前記移載装置の周囲に設定され、当該移載装置が前記物品を移載可能な範囲を移載可能範囲として、
前記基準搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された基準位置を通過する経路に沿って前記移載元支持体を搬送するように構成され、
前記第1搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第1位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記第2搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第2位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記移載装置は、前記基準位置に配置された前記移載元支持体から、前記第1位置に配置された前記移載先支持体及び前記第2位置にされた前記移載先支持体のそれぞれへ前記物品を移載するように構成され、
前記基準位置と前記第1位置との距離は、前記基準位置と前記第2位置との距離よりも短く設定され、
前記オーダー情報には、前記移載動作によって前記移載装置からそれぞれの前記移載先支持体に引き渡される前記物品の個数を示す個数情報が含まれ、
複数の前記移載先支持体のそれぞれと個別の前記オーダー情報とを関連付ける関連付け処理が前記制御装置により実行され、
複数の前記移載先支持体のそれぞれに関連付けられた前記オーダー情報に含まれる前記個数情報に示された個数を、それぞれの前記移載先支持体の物品移載個数とし、
同時期に前記第1位置と前記第2位置とに配置される2つの前記移載先支持体のうち、前記第1位置に配置される前記移載先支持体を第1支持体とし、前記第2位置に配置される前記移載先支持体を第2支持体として、
前記制御装置は、前記第1支持体の前記物品移載個数が、前記第2支持体の前記物品移載個数以上となるように、前記関連付け処理及び前記搬送装置を制御する搬送制御処理の少なくとも一方を行う。
【0009】
本構成によれば、基準位置と第1位置との距離は、基準位置と第2位置との距離よりも短く設定されている。そのため、基準位置に配置された移載元支持体から第1位置に配置された第1支持体への物品の移載動作に要する時間は、基準位置に配置された移載元支持体から第2位置に配置された第2支持体への物品の移載動作に要する時間よりも短くなる。そして、制御装置は、第1支持体の物品移載個数が、第2支持体の物品移載個数以上となるように、関連付け処理及び搬送制御処理の少なくとも一方を行う。これにより、移載動作中における物品の移動距離が第2支持体よりも短くて済む第1支持体に対して、当該第2支持体よりも多くの物品が移載されることになる。従って、複数の物品の移載作業を行う場合に、移載動作に要する時間が比較的短い物品の割合を多くして、移載作業の所要時間を短くすることができる。このように、本構成によれば、物品の移載作業の所要時間の短縮を図り、物品の仕分け作業の効率化を図ることが可能となる。
【0010】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品仕分け設備の平面図
図2】移載装置による移載動作を示す説明図
図3】物品仕分け設備の制御ブロック図
図4】物品仕分け設備において行われる制御の処理手順を示すフローチャート
図5】グループ分け処理の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品仕分け設備は、複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける設備である。以下、物品仕分け設備の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、物品仕分け設備100は、物品Wを支持可能な物品支持体Cを搬送する搬送装置2と、物品支持体Cの搬送経路の途中に設けられ、物品支持体Cから別の物品支持体Cへ物品Wを移載する移載動作を行う移載装置3と、搬送装置2及び移載装置3を制御する制御装置4と、を備えている。本実施形態では、物品仕分け設備100は、物品支持体Cの保管及び搬送等を自動で行う自動倉庫1を備えている。複数の物品支持体Cのうち一部が、自動倉庫1から搬送装置2に供給される。制御装置4は、搬送装置2及び移載装置3に加えて、自動倉庫1も制御するように構成されている。
【0014】
移載装置3の周囲に設定され、当該移載装置3が物品Wを移載可能な範囲を移載可能範囲Rとして、搬送装置2は、移載可能範囲Rを通過するように物品支持体Cを搬送する。そして、移載装置3は、移載可能範囲R内に配置された複数の物品支持体C同士の間で物品Wを移載する。
【0015】
〔物品支持体〕
物品支持体Cには、移載装置3の移載動作によって取り出される物品Wを支持するための移載元支持体Caと、移載装置3の移載動作によって引き渡された物品Wを支持するための移載先支持体Cbと、が含まれる。
【0016】
移載元支持体Caは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態で、複数の物品Wを支持している。そして、移載元支持体Caが移載可能範囲R内に配置された状態で、移載元支持体Caが支持している複数の物品Wの一部又は全部が、移載装置3によって取り出されて移載先支持体Cbへ引き渡される。
【0017】
移載先支持体Cbは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態では、物品Wを支持していても良いし支持していなくても良い。本例では、移載先支持体Cbは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態で、物品Wを支持していない。そして、移載先支持体Cbが移載可能範囲Rに配置された状態で、移載元支持体Caが支持している物品Wが移載装置3によって取り出されて当該移載先支持体Cbに引き渡される。
【0018】
本実施形態では、物品支持体Cは、物品Wを収容可能な容器として構成されている。詳細には、物品支持体Cとして、上部が開口した直方体状の樹脂製容器が用いられる。本例では、移載元支持体Caは、少なくとも移載可能範囲Rに到達する以前の状態では、複数の物品Wを収容した実容器である。また、移載先支持体Cbは、少なくとも移載可能範囲Rにおいて移載装置3によって物品Wを引き渡された後の状態では、複数又は単数の物品Wを収容した実容器である。なお、移載先支持体Cbは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態では、実容器であっても良いし、物品Wを支持していない空容器であっても良い。本例では、移載先支持体Cbは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態では、空容器である。
【0019】
本実施形態では、1つの移載元支持体Caには、単一種類または複数種類の物品Wが支持される。詳細には、1つの移載元支持体Caは、移載可能範囲Rに到達する以前の状態では、単一種類または複数種類の物品Wを支持している。
【0020】
本実施形態では、1つの移載先支持体Cbには、単一種類の物品Wが支持される。詳細には、1つの移載先支持体Cbは、少なくとも移載可能範囲Rにおいて移載装置3によって物品Wを引き渡された後の状態では、単一種類の物品Wを支持している。なお、1つの移載先支持体Cbは、単数または複数の単一種類の物品Wを支持することが可能となっている。すなわち本実施形態では、1つの移載先支持体Cbが支持する物品Wは、その種類は単一であるが、その個数は任意である。1つの移載先支持体Cbが支持する物品Wの種類は、例えば「種類情報」としてオーダー情報に含まれ、当該種類情報に基づいて決定される。1つの移載先支持体Cbが支持する物品Wの個数は、後述する「個数情報」としてオーダー情報に含まれ、当該個数情報に基づいて決定される。
【0021】
〔自動倉庫〕
自動倉庫1は、物品支持体Cの保管及び搬送等を自動で行うように構成されている。詳細な図示は省略するが、自動倉庫1は、複数の物品支持体Cを収納可能な収納棚と、収納棚への物品支持体Cの入庫および収納棚からの物品支持体Cの出庫を行う各種搬送装置と、を備えている。本実施形態では、自動倉庫1は、物品Wを支持した移載元支持体Caを保管及び搬送するように構成されている。移載元支持体Caは、自動倉庫1によって搬送装置2へ供給され、搬送装置2によって搬送経路を搬送される。
【0022】
〔搬送装置〕
搬送装置2は、物品支持体Cを搬送経路に沿って搬送するように構成されている。図1に示すように、搬送装置2は、移載元支持体Caを搬送する基準搬送装置20と、移載先支持体Cbを搬送する第1搬送装置21と、第1搬送装置21とは別に移載先支持体Cbを搬送する第2搬送装置22と、を備えている。基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22により、1つの搬送ユニット2Uが構成されている。図1には、2つの搬送ユニット2Uが示されている。このように、物品仕分け設備100は、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22により構成される搬送ユニット2Uを、複数備えていても良い。
【0023】
本実施形態では、搬送装置2は、移載装置3による移載動作に関与する物品支持体Cを搬入する搬入装置2Aと、移載装置3による移載動作を終えた物品支持体Cを搬出する搬出装置2Bと、を備えている。搬入装置2Aは、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22(搬送ユニット2U)よりも、搬送経路の上流側に配置されている。搬出装置2Bは、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22(搬送ユニット2U)よりも、搬送経路の下流側に配置されている。図示の例では、2つの搬送ユニット2Uが、搬送経路における搬入装置2Aと搬出装置2Bとの間に配置されている。
【0024】
本実施形態では、移載装置3の移載可能範囲Rにおいて、基準搬送装置20と第1搬送装置21と第2搬送装置22とが互いに平行な搬送方向X(図2参照)に沿って物品支持体Cを搬送するように構成されると共に、搬送方向Xに直交する方向(直交方向Y:図2参照)における基準搬送装置20と第2搬送装置22との間に第1搬送装置21が配置されている。本実施形態では、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22のそれぞれは、搬入装置2Aの搬送経路から分岐して、独自の搬送経路に沿って物品支持体Cを搬送するように構成されている。本例では、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22それぞれの搬送経路は、移載可能範囲Rの外においても、互いに平行に配置されている。
【0025】
本実施形態では、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22のそれぞれは、コンベヤである。また、搬入装置2A及び搬出装置2Bのそれぞれも、コンベヤである。このような構成により、搬入装置2A、基準搬送装置20、第1搬送装置21、第2搬送装置22、及び搬出装置2Bのそれぞれによって、複数の物品支持体Cを連続して搬送することができる。従って、物品仕分け設備100における単位時間当たりの物品支持体Cの搬送数を多く確保し易い。なお、上記のようなコンベヤとしては、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤ、及びチェーンコンベヤなどの周知なコンベヤを採用することができる。
【0026】
次に、搬送装置2の各部の構成について説明する。
【0027】
上述のように、搬入装置2Aは、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22(搬送ユニット2U)よりも、搬送経路の上流側に配置されている。搬入装置2Aは、移載元支持体Ca及び移載先支持体Cbの双方を搬送するように構成されている。搬入装置2Aによって搬送される移載元支持体Ca及び移載先支持体Cbは、移載装置3による移載動作に関与する物品支持体Cである。
【0028】
図1に示すように、本実施形態では、搬入装置2Aは、1つの移載元支持体Caと複数の移載先支持体Cbとにより構成される一群の物品支持体Cをまとめて搬送する。ここでは、1つの移載元支持体Caと16個の移載先支持体Cbとが「一群の物品支持体C」を構成している例が示されている。一群の物品支持体Cは、オーダー情報に基づいて決定される。例えば、このようなオーダー情報には、物品Wの種類を示す種類情報や、物品Wの出荷先を示す出荷先情報、後述する個数情報などが含まれ、一群の物品支持体Cは、これらの各情報に基づいて決定される。
【0029】
本実施形態では、搬入装置2Aは、複数の移載先支持体Cbを一時的に保管するためのバッファ2Aaを備えている。本例では、自動倉庫1によって供給される1つの移載元支持体Caと、バッファ2Aaに保管された複数の移載先支持体Cbとが、一群の物品支持体Cを構成し、搬入装置2Aによってまとめて搬送される。本実施形態では、バッファ2Aaは、移載先支持体Cbの保管及び搬送が可能なバッファコンベヤとして構成されおり、搬送経路の本線に合流するように構成されている。
【0030】
搬入装置2Aは、一群の物品支持体Cを構成する移載元支持体Caを基準搬送装置20へ搬送し、一群の物品支持体Cを構成する複数の移載先支持体Cbのうち一部を第1搬送装置21へ搬送し、一群の物品支持体Cを構成する複数の移載先支持体Cbのうち他の一部を第2搬送装置22へ搬送する。
【0031】
基準搬送装置20は、移載装置3の移載可能範囲R内に設定された基準位置P0を通過する経路に沿って移載元支持体Caを搬送するように構成されている。本実施形態では、基準搬送装置20は、一群の物品支持体Cに属する移載元支持体Caを、搬入装置2Aから受け取ると共に基準位置P0まで搬送するように構成されている。基準搬送装置20は、移載元支持体Caを基準位置P0に配置した状態で一時的に搬送を停止し、移載装置3による移載動作が完了するまで移載元支持体Caを基準位置P0において待機させる。移載元支持体Caに対する移載動作が完了すると、基準搬送装置20は、当該移載元支持体Caを基準位置P0から搬出装置2Bへ搬送する。なお、基準搬送装置20は、それぞれが他の群に属する複数の移載元支持体Caを搬送経路に沿って並べて搬送する場合には、複数の移載元支持体Caのそれぞれを、基準位置P0を通過する経路に沿って間欠的に(移動と停止を繰り返しながら)搬送する。
【0032】
第1搬送装置21は、移載装置3の移載可能範囲R内に設定された第1位置P1を通過する経路に沿って移載先支持体Cbを搬送するように構成されている。本実施形態では、第1搬送装置21は、一群の物品支持体Cに属する複数の移載先支持体Cbのうち一部を、搬入装置2Aから受け取ると共に第1位置P1まで搬送するように構成されている。第1搬送装置21は、1つの移載先支持体Cbを第1位置P1に配置した状態で一時的に搬送を停止し、移載装置3による移載動作が完了するまで当該移載先支持体Cbを第1位置P1において待機させる。1つの移載先支持体Cbに対する移載動作が完了すると、第1搬送装置21は、当該移載先支持体Cbを第1位置P1から搬出装置2Bへ搬送する。そして、第1搬送装置21は、次の移載対象となる移載先支持体Cbを第1位置P1まで搬送し、当該移載先支持体Cbを第1位置P1に配置した状態で一時的に搬送を停止する。このように本実施形態では、第1搬送装置21は、移載先支持体Cbを、第1位置P1を通過する経路に沿って間欠的に(移動と停止を繰り返しながら)搬送する。
【0033】
第2搬送装置22は、移載装置3の移載可能範囲R内に設定された第2位置P2を通過する経路に沿って移載先支持体Cbを搬送するように構成されている。本実施形態では、第2搬送装置22は、一群の物品支持体Cに属する複数の移載先支持体Cbのうち第1搬送装置21によって搬送されない移載先支持体Cbを、搬入装置2Aから受け取ると共に第2位置P2まで搬送するように構成されている。第2搬送装置22は、1つの移載先支持体Cbを第2位置P2に配置した状態で一時的に搬送を停止し、移載装置3による移載動作が完了するまで当該移載先支持体Cbを第2位置P2において待機させる。1つの移載先支持体Cbに対する移載動作が完了すると、第2搬送装置22は、当該移載先支持体Cbを第2位置P2から搬出装置2Bへ搬送する。そして、第2搬送装置22は、次の移載対象となる移載先支持体Cbを第2位置P2まで搬送し、当該移載先支持体Cbを第2位置P2に配置した状態で一時的に搬送を停止する。このように本実施形態では、第2搬送装置22は、移載先支持体Cbを、第2位置P2を通過する経路に沿って間欠的に(移動と停止を繰り返しながら)搬送する。
【0034】
搬出装置2Bは、移載装置3による移載動作を終えた物品支持体Cを搬送する。本実施形態では、搬出装置2Bは、第1搬送装置21と第2搬送装置22とを接続する接続部2Baを備えている。接続部2Baは、移載装置3の移載可能範囲Rに対して搬送経路の下流側に配置されている。そして接続部2Baは、第1搬送装置21によって搬送されると共に移載装置3による移載動作を終えた移載先支持体Cbと、第2搬送装置22によって搬送されると共に移載装置3による移載動作を終えた移載先支持体Cbとを、合流させる。本実施形態では、接続部2Baは、物品支持体Cの搬送方向を90°変更するトランサ付きのコンベヤとして構成されている。搬入装置2Aが、一群の物品支持体Cをまとめて搬送する一方で、搬出装置2Bは、移載装置3による移載動作を終えた物品支持体C(移載元支持体Ca及び移載先支持体Cb)を順次搬送するように構成されている。本実施形態では、移載先支持体Cbは、第1搬送装置21又は第2搬送装置22によって間欠的に搬送され、搬出装置2Bによって連続的に搬送される。また、移載元支持体Caは、基準搬送装置20によって間欠的に搬送され、搬出装置2Bによって連続的に搬送される。なお、「連続的に搬送される」とは、停止することなく搬送されることを意味する。但し、物品支持体Cは、連続的に搬送される場合であっても、搬送経路の本線に合流する場合や本線へ分岐する場合、或いは、他の物品支持体Cが搬送経路で滞留している場合などには、停止することがあっても良い。
【0035】
〔移載装置〕
移載装置3は、移載可能範囲R内に配置された複数の物品支持体C同士の間で物品Wを移載する。詳細には、図1及び図2に示すように、移載装置3は、基準位置P0に配置された移載元支持体Caから、第1位置P1に配置された移載先支持体Cb及び第2位置P2にされた移載先支持体Cbのそれぞれへ物品Wを移載するように構成されている。
【0036】
本実施形態では、移載装置3は、物品Wを保持可能な保持部30aを先端部分に備えたアーム30を備えている。アーム30による保持部30aの動作範囲が、移載可能範囲Rとされる。本例では、保持部30aは物品Wを吸着して保持する吸着装置を備えて構成されている。なお、保持部30aの具体的構成はこれに限定されず、保持部30aが物品Wを把持する把持装置を備えて構成されていても良い。また本実施形態では、移載装置3は、搬送ユニット2Uを構成する基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22を跨ぐように設けられた架台32と、架台32に対してアーム30を固定する固定部31と、を備えている。架台32は、複数の脚部32aと、複数の脚部32aに連結されると共に基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22の上方に配置される台部32bと、を備えている。アーム30は、固定部31によって、台部32bに対して旋回自在に固定されている。本実施形態では、アーム30を固定する固定部31は、上下方向視で第1搬送装置21と重複する位置に配置されている。換言すれば、アーム30の基端部は、上下方向視で第1搬送装置21と重複する位置に配置されている。本例では、移載装置3は、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22の上方に配置されたアーム30により、各物品支持体Cに対して上方から物品Wを移載するように構成されている。なお、図示は省略するが、移載装置3は、物品支持体Cに支持された物品Wの位置を撮像するためのカメラを備え、当該カメラにより撮像された画像に基づいて物品Wの位置を認識し、当該物品Wの移載動作を行うと好適である。
【0037】
図2に示す例では、基準位置P0は、直交方向Yにおける基準搬送装置20の中心位置に基づいて設定されている。第1位置P1は、直交方向Yにおける第1搬送装置21の中心位置に基づいて設定されている。第2位置P2は、直交方向Yにおける第2搬送装置22の中心位置に基づいて設定されている。そして、基準位置P0と第1位置P1との距離L1は、基準位置P0と第2位置P2との距離L2よりも短く設定されている。なお、本実施形態では、基準位置P0、第1位置P1、及び第2位置P2は、同じ高さに設定されている。上記の距離L1,L2は、直交方向Yに沿う直線距離である。本実施形態では、移載装置3は、物品Wを直交方向Y及び上下方向に移動させることで、上述の移載動作を行う。そして、基準位置P0と第1位置P1との距離L1は、基準位置P0と第2位置P2との距離L2よりも短く設定されているため、基準位置P0に配置された移載元支持体Caから第1位置P1に配置された移載先支持体Cbへの物品Wの移載動作に要する時間は、基準位置P0に配置された移載元支持体Caから第2位置P2に配置された移載先支持体Cbへの物品Wの移載動作に要する時間よりも短くなる。
【0038】
〔制御構成〕
次に、物品仕分け設備100の制御構成について説明する。
【0039】
物品仕分け設備100は、制御装置4を備えている。制御装置4は、設備全体を管理するように構成されている。図3に示すように、本実施形態では、制御装置4は、自動倉庫1、搬入装置2A、基準搬送装置20、第1搬送装置21、第2搬送装置22、搬出装置2B、及び移載装置3を制御する。制御装置4は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えている。そして、これらのハードウェアとコンピュータ等のプロセッサ上で実行されるプログラムとの協働により、各機能が実現される。
【0040】
ここで、物品仕分け設備100は、複数の物品Wをオーダー情報に基づいて仕分ける設備である。オーダー情報には、移載動作によって移載装置3からそれぞれの移載先支持体Cbに引き渡される物品Wの個数を示す個数情報が含まれる。そして、複数の移載先支持体Cbのそれぞれと個別のオーダー情報とを関連付ける関連付け処理が、制御装置4により実行される。すなわち、1つの移載先支持体Cbが支持する物品Wの個数は、制御装置4によって関連付けられたオーダー情報に含まれる個数情報に基づいて決定される。なお、オーダー情報には、例えば、物品Wの種類を示す種類情報や、物品Wの出荷先を示す出荷先情報なども含まれ得る。この場合、1つの移載先支持体Cbが支持する物品Wは、出荷先情報、種類情報、及び個数情報に基づいて決定される。
【0041】
複数の移載先支持体Cbのそれぞれに関連付けられたオーダー情報に含まれる個数情報に示された個数を、それぞれの移載先支持体Cbの物品移載個数とする。それぞれに物品移載個数が設定された各移載先支持体Cbは、搬送装置2によって、移載装置3の移載可能範囲Rまで搬送される。そして、各移載先支持体Cbには、それぞれの物品移載個数に応じた数の物品Wが、移載装置3によって、移載元支持体Caから引き渡される。換言すれば、複数の物品Wを支持している移載元支持体Caから、それぞれの物品移載個数が設定された移載先支持体Cbへ、当該物品移載個数に応じた数の物品Wが移載される(図2参照)。
【0042】
図1及び図2に示すように、同時期に第1位置P1と第2位置P2とに配置される2つの移載先支持体Cbのうち、第1位置P1に配置される移載先支持体Cbを第1支持体Cb1とし、第2位置P2に配置される移載先支持体Cbを第2支持体Cb2とする。制御装置4は、第1支持体Cb1の物品移載個数が、第2支持体Cb2の物品移載個数以上となるように、上述の関連付け処理及び搬送装置2を制御する搬送制御処理の少なくとも一方を行う。これにより、第1支持体Cb1に対して、第2支持体Cb2よりも多くの物品Wが移載されることになる。そして、上述のように、基準位置P0に配置された移載元支持体Caから第1位置P1に配置された移載先支持体Cb(第1支持体Cb1)への物品Wの移載動作に要する時間は、物品Wの移動距離の関係から、基準位置P0に配置された移載元支持体Caから第2位置P2に配置された移載先支持体Cb(第2支持体Cb2)への物品Wの移載動作に要する時間よりも短くなる。従って、上記構成によれば、複数の物品Wの移載作業を行う場合に、移載動作に要する時間が比較的短い物品Wの割合を多くして、移載作業の所要時間を短くすることができ、延いては、物品Wの仕分け作業の効率化を図ることができる。
【0043】
図4に示すように、本実施形態では、制御装置4は、予め関連付け処理を実行することにより、複数の移載先支持体Cbのそれぞれと個別のオーダー情報とを関連付ける(ステップ#1)。その後、制御装置4は、搬送制御処理を実行することにより、関連付け処理が実行された複数の移載先支持体Cbを一群の移載先支持体Cbとして、搬送装置2にまとめて搬送させる(ステップ#3)。本実施形態では、制御装置4は、関連付け処理(ステップ#1)と搬送制御処理(ステップ#3)との間に、グループ分け処理を実行する(ステップ#2)。すなわち本実施形態では、制御装置4は、同じ移載元支持体Caに支持された複数の物品Wを、オーダー情報に基づいて複数の移載先支持体Cbに振り分けて移載する場合に、同じ移載元支持体Caから物品Wが振り分けられる複数の移載先支持体Cbを、第1搬送装置21による搬送対象となる第1グループと第2搬送装置22による搬送対象となる第2グループとにグループ分けするグループ分け処理を実行する。このように、制御装置4は、関連付け処理(ステップ#1)、グループ分け処理(ステップ#2)、搬送制御処理(ステップ#3)の順に、各処理を実行する。
【0044】
本実施形態のグループ分け処理では、第1グループに属する移載先支持体Cbの物品移載個数が、第2グループに属する移載先支持体Cbの物品移載個数以上となるように、グループ分けが行われる。このグループ分け処理について、図5を例示して具体的に説明する。
【0045】
図5では、同じ移載元支持体Caから物品Wが振り分けられる複数の移載先支持体Cbを、一群の移載先支持体Cbとして示している。なお、このように、物品Wの振り分け元となる移載元支持体Caと、物品Wの振り分け先となる複数の移載先支持体Cbとが、一群の物品支持体Cを構成し、搬入装置2Aによって搬入される(図1参照)。
【0046】
図5に示す例では、一群の移載先支持体Cbは、16個の移載先支持体Cbから構成されている。図中において各移載先支持体Cbのそれぞれに付された数字は、各移載先支持体Cbの物品移載個数を示しており、後に移載装置3によって引き渡される物品Wの個数を示している。
【0047】
本実施形態のグループ分け処理では、複数のグループのそれぞれに属する移載先支持体Cbの数がグループ毎に均等になるように、一群の移載先支持体Cbがグループ分けされる。図5に示す例では、一群の移載先支持体Cbを構成する16個の移載先支持体Cbが、それぞれ8個の移載先支持体Cbから成る第1グループと第2グループとにグループ分けされている。なお、グループ分け処理の対象となる移載先支持体Cbの数が奇数である場合には、第1グループに属する移載先支持体Cbの数が第2グループに属する移載先支持体Cbの数よりも1つ多くなるようにグループ分けされると好適である。これにより、第2グループに属する移載先支持体Cbの数を多くするよりも、移載装置3による移載動作時間を短く抑えることができる。なお、上記のとおり、グループ分け処理の対象となる移載先支持体Cbは、オーダー情報に基づいて同じ移載元支持体Caから物品Wが振り分けられる複数の移載先支持体Cbである。
【0048】
本実施形態のグループ分け処理では、一群の移載先支持体Cbが、物品移載個数が多いものから少ないものに順番に、或いは少ないものから多いものに順番に、任意のグループ数に応じてグループ分けされる。図5に示す例では、16個の移載先支持体Cbが、物品移載個数が多いものから少ないものに順番に、第1グループと第2グループとにグループ分けされている。物品移載個数が比較的多く、第1グループにグループ分けされた8個の移載先支持体Cbは、第1搬送装置21によって搬送され、移載装置3による移載動作時間が比較的短くて済む第1位置P1へ配置される。物品移載個数が比較的少なく、第2グループにグループ分けされた8個の移載先支持体Cbは、第2搬送装置22によって搬送され、移載装置3による移載動作時間が比較的長くなり易い第2位置P2へ配置される。なお、物品移載個数が同じである複数の移載先支持体Cbが第1グループと第2グループとに分かれても良い。図5に示す例では、物品移載個数が「3」である3つの移載先支持体Cbのうち、一部が第1グループ、残りが第2グループに属している。
【0049】
以上説明したように、本開示に係る物品仕分け設備100によれば、物品Wの移載作業の所要時間の短縮を図り、物品Wの仕分け作業の効率化を図ることが可能となる。
【0050】
〔その他の実施形態〕
次に、物品仕分け設備のその他の実施形態について説明する。
【0051】
(1)上記の実施形態では、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22により、1つの搬送ユニット2Uが構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、1つの搬送ユニット2Uには、複数の搬送装置が含まれていれば良く、例えば、上記の各搬送装置(20,21,22)に加えて、第3搬送装置、第4搬送装置・・・第N搬送装置(N:2以上の自然数)が含まれていても良い。すなわち、1つの搬送ユニット2Uには、基準搬送装置20とN個の搬送装置とが含まれていても良い。
【0052】
(2)上記の実施形態では、制御装置4が、グループ分け処理において、同じ移載元支持体Caから物品Wが振り分けられる複数の移載先支持体Cbを、第1搬送装置21による搬送対象となる第1グループと第2搬送装置22による搬送対象となる第2グループとにグループ分けする例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、グループ分け処理のグループ数は、搬送ユニット2Uを構成する搬送装置の数に応じて設定されると良い。例えば上述のように、搬送ユニット2Uに、基準搬送装置20とは別にN個の搬送装置が含まれる場合には、制御装置4は、グループ分け処理において、同じ移載元支持体Caから物品Wが振り分けられる複数の移載先支持体Cbを、N個のグループにグループ分けすると好適である。この場合、複数の移載先支持体Cbは、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第4グループ、・・・第Nグループにグループ分けされる。そして、第3グループに属する移載先支持体Cbは、第3搬送装置による搬送対象とされる。第4グループに属する移載先支持体Cbは、第4搬送装置による搬送対象とされる。第Nグループに属する移載先支持体Cbは、第N搬送装置による搬送対象とされる。
【0053】
(3)上記の実施形態では、制御装置4が、関連付け処理を実行した後に、搬送制御処理を実行する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置4は、搬送制御処理を実行した後に、関連付け処理を実行するようにしても良い。この場合、制御装置4は、搬送制御処理の実行により、第1搬送装置21の搬送経路に沿って複数の移載先支持体Cbが並べられると共に第2搬送装置22の搬送経路に沿って複数の移載先支持体Cbが並べられた後に、関連付け処理を実行し、上記のように並べられた各移載先支持体Cbに対して個別のオーダー情報(個数情報)を関連付けても良い。その場合、第1搬送装置21により搬送されて第1位置P1に配置される移載先支持体Cbである第1支持体Cb1の物品移載個数が、第2搬送装置22により搬送されて、当該第1支持体Cb1と同時期に第2位置P2に配置される移載先支持体Cbである第2支持体Cb2の物品移載個数以上となるように、関連付け処理が実行される。
【0054】
(4)上記の実施形態では、移載装置3の移載可能範囲Rにおいて、基準搬送装置20と第1搬送装置21と第2搬送装置22とが互いに平行な搬送方向X(図2参照)に沿って物品支持体Cを搬送する例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、基準搬送装置20と第1搬送装置21と第2搬送装置22とは、移載装置3の移載可能範囲Rにおいて、互いに交差する方向に沿って物品支持体Cを搬送するように構成されていても良い。
【0055】
(5)上記の実施形態では、移載装置3の移載可能範囲Rにおいて、直交方向Yにおける基準搬送装置20と第2搬送装置22との間に第1搬送装置21が配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、移載装置3の移載可能範囲Rにおいて、直交方向Yにおける第1搬送装置21と第2搬送装置22との間に基準搬送装置20が配置されていても良い。この場合にも、基準位置P0と第1位置P1との距離L1が、基準位置P0と第2位置P2との距離L2よりも短くなる。すなわち、基準搬送装置20との離間距離が短い搬送装置が第1搬送装置21となり、基準搬送装置20との離間距離が長い搬送装置が第2搬送装置22となる。
【0056】
(6)上記の実施形態では、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22のそれぞれが、コンベヤである例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、基準搬送装置20、第1搬送装置21、及び第2搬送装置22の少なくとも1つは、無人搬送車などの他の形式の搬送装置であっても良い。
【0057】
(7)上記の実施形態では、基準位置P0、第1位置P1、及び第2位置P2が、同じ高さに設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、基準位置P0、第1位置P1、及び第2位置P2は、異なる高さに配置されていても良い。これらの高さが異なっていることで、移載装置3による物品Wの移載動作に要する時間が、移載場所によって異なっていても良い。例えば、上下方向視での基準位置P0から第1位置P1までの距離と基準位置P0から第2位置P2までの距離とが同一であるが、第1位置P1に配置された移載先支持体Cbの高さの方が、第2位置P2に配置された移載先支持体Cbの高さよりも、基準位置P0に配置された移載元支持体Caの高さに近い構成であっても良い。当然ながら、基準位置P0に対する第1位置P1と第2位置P2との関係について、上下方向視での距離と高さの双方が異なっていても良い。
【0058】
(8)上記の実施形態では、1つの移載先支持体Cbには、単一種類の物品Wが支持される例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、1つの移載先支持体Cbに、複数種類の物品Wが支持されても良い。
【0059】
(9)上記の実施形態では、物品支持体Cが、物品Wを収容可能な容器として構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品支持体Cは、搬送中の物品Wを支持可能なものであれば良く、例えば物品Wを下方から支持するパレットやトレイなどであっても良い。
【0060】
(10)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0061】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品仕分け設備について説明する。
【0062】
複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける物品仕分け設備であって、
前記物品を支持可能な物品支持体を搬送する搬送装置と、
前記物品支持体の搬送経路の途中に設けられ、前記物品支持体から別の前記物品支持体へ前記物品を移載する移載動作を行う移載装置と、
前記搬送装置及び前記移載装置を制御する制御装置と、を備え、
前記物品支持体には、前記移載装置の前記移載動作によって取り出される前記物品を支持するための移載元支持体と、前記移載装置の前記移載動作によって引き渡された前記物品を支持するための移載先支持体と、が含まれ、
前記搬送装置は、前記移載元支持体を搬送する基準搬送装置と、前記移載先支持体を搬送する第1搬送装置と、前記第1搬送装置とは別に前記移載先支持体を搬送する第2搬送装置と、を備え、
前記移載装置の周囲に設定され、当該移載装置が前記物品を移載可能な範囲を移載可能範囲として、
前記基準搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された基準位置を通過する経路に沿って前記移載元支持体を搬送するように構成され、
前記第1搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第1位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記第2搬送装置は、前記移載可能範囲内に設定された第2位置を通過する経路に沿って前記移載先支持体を搬送するように構成され、
前記移載装置は、前記基準位置に配置された前記移載元支持体から、前記第1位置に配置された前記移載先支持体及び前記第2位置にされた前記移載先支持体のそれぞれへ前記物品を移載するように構成され、
前記基準位置と前記第1位置との距離は、前記基準位置と前記第2位置との距離よりも短く設定され、
前記オーダー情報には、前記移載動作によって前記移載装置からそれぞれの前記移載先支持体に引き渡される前記物品の個数を示す個数情報が含まれ、
複数の前記移載先支持体のそれぞれと個別の前記オーダー情報とを関連付ける関連付け処理が前記制御装置により実行され、
複数の前記移載先支持体のそれぞれに関連付けられた前記オーダー情報に含まれる前記個数情報に示された個数を、それぞれの前記移載先支持体の物品移載個数とし、
同時期に前記第1位置と前記第2位置とに配置される2つの前記移載先支持体のうち、前記第1位置に配置される前記移載先支持体を第1支持体とし、前記第2位置に配置される前記移載先支持体を第2支持体として、
前記制御装置は、前記第1支持体の前記物品移載個数が、前記第2支持体の前記物品移載個数以上となるように、前記関連付け処理及び前記搬送装置を制御する搬送制御処理の少なくとも一方を行う。
【0063】
本構成によれば、基準位置と第1位置との距離は、基準位置と第2位置との距離よりも短く設定されている。そのため、基準位置に配置された移載元支持体から第1位置に配置された第1支持体への物品の移載動作に要する時間は、基準位置に配置された移載元支持体から第2位置に配置された第2支持体への物品の移載動作に要する時間よりも短くなる。そして、制御装置は、第1支持体の物品移載個数が、第2支持体の物品移載個数以上となるように、関連付け処理及び搬送制御処理の少なくとも一方を行う。これにより、移載動作中における物品の移動距離が第2支持体よりも短くて済む第1支持体に対して、当該第2支持体よりも多くの物品が移載されることになる。従って、複数の物品の移載作業を行う場合に、移載動作に要する時間が比較的短い物品の割合を多くして、移載作業の所要時間を短くすることができる。このように、本構成によれば、物品の移載作業の所要時間の短縮を図り、物品の仕分け作業の効率化を図ることが可能となる。
【0064】
ここで、
前記制御装置は、同じ前記移載元支持体に支持された複数の前記物品を、前記オーダー情報に基づいて複数の前記移載先支持体に振り分けて移載する場合に、同じ前記移載元支持体から前記物品が振り分けられる複数の前記移載先支持体を、前記第1搬送装置による搬送対象となる第1グループと前記第2搬送装置による搬送対象となる第2グループとにグループ分けするグループ分け処理を実行し、
前記グループ分け処理では、前記第1グループに属する前記移載先支持体の前記物品移載個数が、前記第2グループに属する前記移載先支持体の前記物品移載個数以上となるように、前記グループ分けが行われる、と好適である。
【0065】
本構成によれば、オーダー情報に基づく物品移載個数が比較的多い移載先支持体を、第1グループに属させ、第1搬送装置によって第1位置へ搬送することができる。また、オーダー情報に基づく物品移載個数が比較的少ない移載先支持体を、第2グループに属させ、第2搬送装置によって第2位置へ搬送することができる。これにより、第1位置に配置される移載先支持体である第1支持体の物品移載個数が、第2位置に配置される移載先支持体である第2支持体の物品移載個数以上となるようにすることができる。従って、複数の物品の移載作業を行う場合に、移載動作に要する時間が比較的短い物品の割合を多くして、移載作業の所要時間を短くすることができる。
【0066】
また、
前記移載可能範囲において、前記基準搬送装置と前記第1搬送装置と前記第2搬送装置とが互いに平行な搬送方向に沿って前記物品支持体を搬送するように構成されると共に、前記搬送方向に直交する方向における前記基準搬送装置と前記第2搬送装置との間に前記第1搬送装置が配置されている、と好適である。
【0067】
本構成によれば、基準搬送装置の搬送経路上に設定される基準位置と第1搬送装置の搬送経路上に設定される第1位置と第2搬送装置の搬送経路上に設定される第2位置とを、近接して配置し易い。従って、移載装置による移載動作中における物品の移動距離を短く抑え易くなり、移載作業の所要時間の短縮、延いては、物品の仕分け作業の効率化を図り易い。
【0068】
また、
前記基準搬送装置、前記第1搬送装置、及び前記第2搬送装置のそれぞれが、コンベヤである、と好適である。
【0069】
本構成によれば、基準搬送装置、第1搬送装置、及び第2搬送装置のそれぞれによって、複数の物品支持体を連続して搬送することができる。従って、物品仕分け設備における単位時間当たりの物品支持体の搬送数を多く確保し易い。
【0070】
また、
1つの前記移載先支持体には、単一種類の前記物品が支持される、と好適である。
【0071】
本構成によれば、複数の移載先支持体のそれぞれに関連付けるオーダー情報の簡略化を図り易い。また、これに伴い、制御装置による関連付け処理及び搬送制御処理の簡略化も図り易い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示に係る技術は、複数の物品をオーダー情報に基づいて仕分ける物品仕分け設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
100 :物品仕分け設備
2 :搬送装置
20 :基準搬送装置
21 :第1搬送装置
22 :第2搬送装置
3 :移載装置
4 :制御装置
C :物品支持体
Ca :移載元支持体
Cb :移載先支持体
Cb1 :第1支持体
Cb2 :第2支持体
W :物品
R :移載可能範囲
P0 :基準位置
P1 :第1位置
P2 :第2位置
L1 :基準位置と第1位置との距離
L2 :基準位置と第2位置との距離
X :搬送方向
Y :直交方向
図1
図2
図3
図4
図5