(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】表示システム、表示処理装置、表示処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2021566750
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2019051545
(87)【国際公開番号】W WO2021131050
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大輝
(72)【発明者】
【氏名】若草 龍司
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-310208(JP,A)
【文献】特開2015-041820(JP,A)
【文献】特開2003-317168(JP,A)
【文献】特開2017-138678(JP,A)
【文献】特開2004-272507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の道路に設置された
複数の表示手段と、
前記第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段と
、
前記撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得
し、前記画像を処理することにより、当該画像内に追跡対象となる人物を検出した場合、当該人物の移動方向を特定し、前記複数の表示手段のうち当該移動方向にある前記表示手段に、当該人物を撮像している前記撮像手段の前記画像または当該画像を用いた表示データを表示させる表示制御手段と、を備える、表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、前記第1の道路と交差している前記第2の道路を撮像する、表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、第3の道路を介して前記第1の道路とつながっている前記第2の道路を撮像する、表示システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、
前記第2の道路の入口に設置された第1カメラと、
前記第2の道路の途中に設置された第2カメラと、を含み、
前記表示制御手段は、さらに、
前記第1カメラの画像を処理し、前記第2の道路に人の侵入を検出した時に、前記第2カメラの画像を、前記表示手段に表示させる
、表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の表示システムにおいて、
前記第1カメラの画像を処理し、人の属性を特定する特定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、
さらに、前記属性が基準を満たしたときに、前記第2カメラの画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
【請求項6】
請求項
4または5に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
さらに、特定の時刻の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
【請求項7】
請求項
4から6のいずれか一項に記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、
さらに、周囲の明るさが基準以下の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
【請求項8】
複数のディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して前記ディスプレイに表示させる表示制御手段を備え
、
前記表示制御手段は、
前記画像を処理することにより、当該画像内に追跡対象となる人物を検出した場合、当該人物の移動方向を特定し、前記複数のディスプレイのうち当該移動方向にある前記ディスプレイに、当該人物を撮像している前記撮像手段の前記画像または当該画像を用いた表示データを表示させる、表示処理装置。
【請求項9】
表示処理装置が、
複数のディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得し、
前記画像を処理することにより、当該画像内に追跡対象となる人物を検出した場合、当該人物の移動方向を特定し、前記複数のディスプレイのうち当該移動方向にある前記ディスプレイに
、当該人物を撮像している前記撮像手段の前記画像または当該画像を用いた表示データを表示させる、表示処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数のディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得する手順、
前記画像を処理することにより、当該画像内に追跡対象となる人物を検出した場合、当該人物の移動方向を特定し、前記複数のディスプレイのうち当該移動方向にある前記ディスプレイに
、当該人物を撮像している前記撮像手段の前記画像または当該画像を用いた表示データを表示させる手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示処理装置、表示処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、街中への監視カメラの設置が進んでおり、防犯カメラを活用した犯罪抑止力を高める方法が求められている。
【0003】
監視カメラの活用方法として、特許文献1には、画像処理技術を有効活用して危険領域への人物進入の監視や避難ルートの決定を行う避難誘導支援装置が記載されている。また、特許文献2には、ワンセグ放送で防災情報が放送される場合に街中などに設置された大型ディスプレイに表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-296068号公報
【文献】特開2011-29754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献には、既に災害が発生した状態において危険領域への進入を監視したり、災害が発生した場所の撮像画像を大型ディスプレイに表示したりする技術が記載されている。これにより、災害が発生した危険な場所には近づかないようにしたり、危険な場所を避けて避難したりできる。
【0006】
しかしながら、上記はいずれも犯罪行為の抑止する技術については開示されていない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人通りの少ない路地裏を監視して犯罪の発生を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0009】
第一の側面は、表示システムに関する。
第一の側面に係る表示システムは、
第1の道路に設置された表示手段と、
前記第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段と、を有し、
前記表示手段は、前記撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して表示する。
【0010】
第二の側面は、表示処理装置に関する。
第二の側面に係る表示処理装置は、
ディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して前記ディスプレイに表示させる表示制御手段を有する。
【0011】
第三の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される表示処理方法に関する。
第三の側面に係る表示処理方法は、
表示処理装置が、
ディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得し、
前記ディスプレイに表示させる、ことを含む。
【0012】
なお、本発明の他の側面としては、上記第三の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、表示処理装置上で、その表示処理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0014】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0015】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0016】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記各側面によれば、人通りの少ない路地裏を監視して犯罪の発生を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0019】
【
図1】実施形態に係る表示システムの概要を模式的に示す図である。
【
図3】表示システムの論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示す表示システムの撮像部および表示部をそれぞれ実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図5】本実施形態の表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図6】表示システムの構成例を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態の表示処理装置の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図8】表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態の表示処理装置の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図10】表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態の表示処理装置の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
【
図12】表示システムの監視対象の第2道路に設置されるディスプレイとカメラの配置例を模式的に示す図である。
【
図13】表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図14】カメラ情報および画像情報のデー
タ構造の一例を示す図である。
【
図15】ディスプレイの表示画面の例を示す図である。
【
図16】表示システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図17】他の実施形態の表示システムの構成例を示す図である。
【
図18】画像処理装置を備える表示システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0021】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0022】
(第1実施形態)
<システム概要>
図1は、実施形態に係る表示システム1の概要を模式的に示す図である。以下の各図では、道路は破線で示している。本実施形態の表示システム1は、大通り(第1道路R1)と、第1道路R1より狭い路地(第2道路R2)がある場所において、第2道路R2を監視カメラC1で撮像し、第1道路R1に設置されるディスプレイD1に表示する。表示システム1は、人通りの少ない、つまり人目の少ない路地裏の撮像画像を、人通りの多い、つまり人目の多い大通りに設置されるディスプレイD1に表示することで、大通りを行き交う人々に路地裏の様子を自然に監視させることができる。
【0023】
図2は、第2道路R2の他の例を示す図である。
図2(a)の例では、第2道路R2は、第1道路R1と交差している。
図2(a)の例では、カメラC1は1つであるが、他の例では、第1道路R1との交差点の反対側の第2道路R2にもカメラを設置してもよい。
図2(b)の例では、第2道路R2は、さらに別の第3道路R3を介して第1道路R1と繋がっている。
【0024】
言い換えると、
図2(a)の例では、撮像部102は、第1の道路R1と交差している第2の道路R2を撮像する。
図2(b)の例では、撮像部102は、第3の道路R3を介して第1の道路R1とつながっている第2の道路R2を撮像する。このようにカメラC1が設置される第2道路R2は様々な形態が考えられ、これらの例に限定されない。
【0025】
<機能構成例>
図3は、表示システム1の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。表示システム1は、撮像部102と、表示部104とを備える。
撮像部102は、第1道路R1より狭い第2道路R2を撮像する。
表示部104は、第1道路R1に設置され、撮像部102が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して表示する。
【0026】
撮像部102は、例えば、監視カメラC1である。カメラC1は、表示システム1に特化したものであってもよいし、例えば、以前から第2道路R2に設置されている監視カメラを流用してもよい。カメラC1は、レンズとCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサといった撮像素子を備える。
【0027】
カメラC1は、画角に入る人物の動きに合わせて追従してカメラ本体やレンズの向きの制御、ズーム制御、焦点合わせ等を行う機構を備えてもよい。カメラC1は、少なくとも入口から第2道路R2を撮影する方向にレンズを向けて設置される。
【0028】
カメラC1により生成される画像は、リアルタイムに撮影され、ディスプレイD1に送信されるのが好ましい。ただし、ディスプレイD1に送信される画像は、カメラC1から直接送信されなくてもよく、所定の時間遅延した画像であってもよい。カメラC1で撮像された画像は、一旦他の記憶装置に格納され、ディスプレイD1が記憶装置から逐次または所定間隔毎に読み出してもよい。さらに、ディスプレイD1に送信される画像は、動画像であるのが好ましいが、所定間隔毎のフレーム画像であってもよいし、静止画であってもよい。
【0029】
表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイD1である。あるいは、プロジェクションマッピング技術を用いて第1道路R1に沿って立っている建物や構造物、あるいは、空間に映像を表示する映写機器であってもよい。ディスプレイD1は、表示システム1に特化したものであってもよいし、例えば、以前から第1道路R1に設置されている広告や通知情報などのコンテンツを表示するためのディスプレイを流用してもよい。
【0030】
ディスプレイD1の設置場所は第1道路R1を通る人が見える場所であれば特に限定されない。例えば、ディスプレイD1は第1道路R1の中央分離帯や歩道と第1道路R1の間の分離帯などに設けられた支柱に設置されてもよい。あるいは、ディスプレイD1は、第1道路R1に沿って建てられている構造物の歩道側の外壁や店舗のショーウインドウの中に取り付けられてもよい。
【0031】
ディスプレイD1は、第1道路R1の通行方向に画面が略平行になるように、かつ、歩道側に画面が向くように、つまり、第1道路R1沿いを歩いている人からディスプレイD1の画面が見えるように、設置されるのが好ましい。
図1では一つのカメラC1と一つのディスプレイD1が図示されているが、複数のカメラと複数のディスプレイが設けられてもよい。
【0032】
本実施形態では、カメラC1とディスプレイD1は直接接続されている。カメラC1で撮像された画像が直接ディスプレイD1に表示される。ただし、カメラC1とディスプレイD1の間は中継器(不図示)を介して接続してもよい。あるいは、後述する実施形態で説明するように、ネットワークを介してセンタの管理装置を介して接続されてもよい。
【0033】
カメラC1とディスプレイD1の間の接続方式は、無線でも有線でもよい。無線接続の場合は、カメラC1とディスプレイD1はそれぞれ無線通信機能を有しているものとする。カメラC1は、例えばIP(Internet Protocol)カメラ等のネットワークカメラであってもよい。
【0034】
さらに、ディスプレイD1に表示される画像は、カメラC1が生成した画像を用いた表示データであってもよい。表示データとは、例えば、撮像画像に写っている状況を示す文字情報、記号、画像、アニメーション、あるいは、撮像画像から推定される状況から必要な措置を示す文字情報、記号、画像、アニメーションなどであってもよい。
【0035】
撮像画像に写っている状況とは、例えば、犯罪が発生している状況、スリやひったくりの発生、暴行や喧嘩の発生、テロの発生、犯人の逃走方向、あるいは、要人、指名手配者、行方不明者、迷子、徘徊者、浮浪者などの存在などである。例えば、
図18に示すように、後述する表示処理装置100は、画像処理装置120を用いて撮像部102(カメラC1)が生成した画像を解析させ、状況を推定することができる。撮像画像から推定される状況から必要な措置とは、警察や警備員への通報、救急車や消防車の出動要請、避難誘導などである。画像処理装置120は、後述する実施形態の表示処理装置100に含まれてもよいし、表示処理装置100とは別体の装置であってもよい。
【0036】
さらに、カメラC1は、画像とともに音声を入力するマイクロフォン(不図示)を有してもよい。ディスプレイD1は音声を出力するスピーカ(不図示)を有してもよい。カメラC1のマイクロフォンで入力した音声をディスプレイD1のスピーカから出力してもよい。さらに、ディスプレイD1のスピーカから、撮像画像に写っている状況を示す音声情報、警告音、あるいは、撮像画像から推定される状況から必要な措置を示す音声情報、警告音などを出力してもよい。
【0037】
<ハードウェア構成例>
図4は、
図1に示す表示システム1の撮像部102および表示部104をそれぞれ実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。さらに、後述する表示処理装置100もコンピュータ1000によって実現される。
【0038】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0039】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0040】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0041】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0042】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は表示システム1の各機能(例えば、撮像部102、表示部104、後述する表示処理装置100の表示制御部106、特定部108、推定部112、決定部114等)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、表示処理装置100が使用する各種情報を記憶する記憶部としても機能する。
【0043】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0044】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0045】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。ただし、ネットワークインタフェース1060は用いられないことも有る。
【0046】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、カメラC1、ディスプレイD1、スピーカ、マイクロフォン、録画機器、画像処理装置120など)に接続する。
【0047】
<動作例>
図5は、本実施形態の表示システム1の動作例を示すフローチャートである。まず、撮像部102は、カメラC1を用いて第1道路R1より狭い第2道路R2を撮像し、画像を生成する(ステップS101)。そして、表示部104は、画像、または当該画像を用いた表示データを取得して表示する(ステップS103)。
【0048】
本実施形態によれば、撮像部102は第1道路R1より狭い第2道路R2を撮像して画像を生成し、表示部104は当該画像または画像を用いた表示データを取得して表示するので、第2道路R2の状況を第1道路R1の人に見せることができる。つまり、人通りの少ない路地裏の画像を大通りに設置したディスプレイD1に表示させることで、大通りに居る人に路地裏の画像を見せることができるので、大通りに居る人に路地裏を監視してもらうことができる。
【0049】
路地裏の画像が大通りに表示させることで、路地裏での犯罪の抑止効果となる。また、犯罪が発生した場合にも直ちに発見でき、速やかに適切に対処することが可能になる。さらに、画像を録画できる構成とすれば、後で犯罪の状況確認や検証、犯人特定の手がかり、証拠として使用することもできる。
【0050】
(第2実施形態)
本実施形態の表示システム1は、ディスプレイD1への撮像画像の表示のタイミングを制御する構成を有する点以外は上記実施形態と同様である。
【0051】
<機能構成例>
図6は、表示システム1の構成例を模式的に示す図である。表示システム1は、表示処理装置100を備える。
図7は、本実施形態の表示処理装置100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。上記したように、表示処理装置100は、コンピュータ1000によって実現される。
【0052】
撮像部102は、第2道路R2の入口に設置された第1カメラC11と、第2道路R2の途中に設置された第2カメラC12と、を含む。そして、表示制御部106は、第1カメラC11の画像を処理し、第2道路R2に人の進入を検出した時に、第2カメラC12の画像を、表示部104に表示させる。
【0053】
第1実施形態では、撮像部102がカメラC1であり、表示部104は、ディスプレイD1であった。そのため、撮像部102(カメラC1)の画像を直接表示部104(ディスプレイD1)に表示していた。つまり、撮像部102(カメラC1)と表示部104(ディスプレイD1)が第2道路R2の撮像、当該撮像画像の送受信、画像の表示を能動的に行っていた。
【0054】
本実施形態では、撮像部102は、少なくとも一つのカメラC1に第2道路R2の画像を撮像させる機能、および当該カメラC1から撮像画像を取得する機能を有してよい。表示制御部106は、撮像部102からカメラC1の撮像画像を取得し、表示部104(ディスプレイD1)に表示させる。言い換えると、カメラC1は撮像部102によって制御され、ディスプレイD1は表示制御部106によって制御されて受動的に動作してよい。
【0055】
第2カメラC12は、第2道路R2の途中に設置され、第2道路R2を撮像する。第1カメラC11は常時第2道路R2の入口を撮影している。第1カメラC11の画像は、ディスプレイD1に表示されなくてよい。第1カメラC11の画像は、少なくとも第2道路R2への人の進入の検出に使用される。第2カメラC12は、第2道路R2に人が存在していない場合、撮影を停止していてもよいし、第2道路R2を撮影していてもよい。
【0056】
第1カメラC11は、第2道路R2の入口を撮像範囲とする。第1カメラC11で撮像された画像は、例えば、
図18の画像処理装置120に送信される。画像処理装置120は、画像内に存在する人を検出し、検出された人の、第2道路R2に対する移動方向を特定し、第2道路R2への当該人の進入を検出する。
【0057】
本実施形態では、第2道路R2において人の存在が検出されるまで、第2カメラC12の画像はディスプレイD1に表示されていない。ディスプレイD1には、他の画像、例えば、広告、通知情報などのコンテンツが表示されていてもよい。
【0058】
表示制御部106は、第2道路R2に人が入ったことが検知された時に、第2カメラC12が撮影を停止していれば撮影を開始する。そして、表示制御部106は、第2カメラC12の画像をディスプレイD1に表示させる。
【0059】
<動作例>
図8は、表示システム1の動作例を示すフローチャートである。本図は、
図5のフローチャートと同じステップS101とステップS103を含むとともに、さらに、ステップS101の前にステップS111~ステップS117を含む。ただし、
図5のステップS103では、表示部104(第1道路R1に設置されたディスプレイD1)が主体となって画像を表示していた。本図では、表示制御部106により第1道路R1に設置されたディスプレイD1に画像が表示される点が異なる。
【0060】
まず、撮像部102は、第1カメラC11に第2道路R2を撮像させ、画像を生成する(ステップS111)。第1カメラC11による第2道路R2の撮像は常時行われてもよいし、少なくとも所定の時間行われてもよい。また、表示制御部106は、ディスプレイD1に所定の画像を表示させる(ステップS113)。所定の画像とは、特に限定されないが、第2道路R2の撮像画像以外の画像を含み、例えば、広告映像、通知情報など様々なコンテンツであってよい。ただし、ディスプレイD1に所定の画像を表示せず、ディスプレイD1の画面を消していてもよい。
【0061】
そして、表示制御部106は、第1カメラC11の画像を取得して
図18の画像処理装置120に処理させ、処理結果を用いて第2道路R2への人の進入を判別する(ステップS115)。そして、表示制御部106は、第2道路R2への人の進入を検出すると(ステップS117のYES)、ステップS101に進む。
【0062】
そして、撮像部102は、第2カメラC12に第2道路R2を撮像させ、画像を生成する(ステップS101)。そして、表示制御部106は、第2カメラC12の画像を取得して、当該画像または当該画像を用いた表示データをディスプレイD1に表示させる(ステップS103)。一方、第2道路R2への人の進入が検出されない場合(ステップS117のNO)、ステップS111に戻り、第1カメラC11による第2道路R2の撮影およびステップS113のディスプレイD1への所定の画像の表示が継続される。
【0063】
さらに、第2カメラC12による第2道路R2の画像のディスプレイD1への表示の停止のタイミングは特に限定されないが、以下に例示される。下記(a1)~(a4)の条件は複数を組み合わせてもよい。
(a1)第1カメラC11の撮像画像を処理して第2道路R2からの進入済みの人物の退出が検知されたとき
(a2)第2カメラC12の撮像画像を処理して第2道路R2内に人の存在が検知されなくなったとき
(a3)第2カメラC12の撮影開始から所定時間経過した後
(a4)予め定められた撮影停止時間を過ぎたとき
【0064】
表示制御部106は、第2カメラC12による第2道路R2の画像のディスプレイD1への表示を停止した後、所定の画像をディスプレイD1に表示させる。ただし、ディスプレイD1に所定の画像を表示せず、ディスプレイD1の画面を消してもよい。
【0065】
本実施形態によれば、第2道路R2の入口に設けられた第1カメラC11の画像を処理することで第2道路R2への人の進入を検出し、第2道路R2に人が進入したときに第2カメラC12の撮像画像をディスプレイD1に表示させることができる。これにより、第2道路R2に人が進入したときにディスプレイD1に第2道路R2の撮像画像を表示させ、それ以外の時は他の画像、例えば、広告や通知情報などのコンテンツをディスプレイD1に表示させることができる。よって、広告などのコンテンツを表示させる街中に設置されたディスプレイD1に、監視が必要なときだけ、第2道路R2の撮像画像を表示させることができる。
【0066】
(第3実施形態)
<機能構成例>
図9は、本実施形態の表示処理装置100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の表示システム1は、第2カメラC12の画像をディスプレイD1に表示する条件は上記実施形態とは異なるが、それ以外は上記実施形態と同様である。
【0067】
表示処理装置100は、
図7の表示処理装置100の構成に加え、さらに、特定部108を備える。特定部108は、第1カメラC11の画像を処理し、人の属性を特定する。そして、表示制御部106は、属性が基準を満たしたときに、第2カメラC12の画像をディスプレイD1に表示させる。
【0068】
特定部108が特定する人の属性とは、例えば、性別、年齢層などである。基準は、例えば、性別が女性、年齢
層が子ども(例えば、10歳未満)などである。
あるいは、特定の人物の特徴量を予め登録しておき、
図18の画像処理装置120を用いて特定の人物を撮像画像から検出してもよい。特定の人物とは、例えば、逃走中、追跡中、および指名手配中の人物、および要人など警備対象の人物などのいずれかを含んでもよい。
【0069】
<動作例>
図10は、表示システム1の動作例を示すフローチャートである。本図は、
図5のフローチャートと同じステップS101、
図8のフローチャートと同じステップS103、ステップS111、およびステップS113を含むとともに、さらに、ステップS113とステップS101の間にステップS121とステップS123を含む。
【0070】
まず、撮像部102は、第1カメラC11に第2道路R2を撮像させ、画像を生成する(ステップS111)。表示制御部106は、ディスプレイD1に所定の画像を表示させる(ステップS113)。そして、特定部108は、第1カメラC11の画像を取得して
図18の画像処理装置120に処理させ、処理結果を用いて当該画像中の人物の属性を特定する(ステップS121)。そして、表示制御部106は、当該属性が、予め定められた基準を満たすか否か、例えば、女性、または子どもか否かを判定する(ステップS123)。基準を満たした場合(ステップS123のYES)、ステップS101に進む。
【0071】
そして、撮像部102は、第2カメラC12に第2道路R2を撮像させ、画像を生成する(ステップS101)。そして、表示制御部106は、第2カメラC12の画像を取得して、当該画像または当該画像を用いた表示データをディスプレイD1に表示させる(ステップS103)。一方、当該属性が、予め定められた基準を満たさない場合(ステップS123のNO)、ステップS111に戻り、第1カメラC11による第2道路R2の撮影およびステップS113のディスプレイD1への所定の画像の表示が継続される。
【0072】
第2カメラC12による第2道路R2の画像のディスプレイD1への表示の停止のタイミングは上記実施形態と同様である。表示制御部106は、第2カメラC12による第2道路R2の画像のディスプレイD1への表示を停止した後、所定の画像をディスプレイD1に表示させる。ただし、ディスプレイD1に所定の画像を表示せず、ディスプレイD1の画面を消してもよい。
【0073】
本実施形態によれば、第2道路R2に進入した人物の属性が基準を満たす場合に、カメラの画像をディスプレイに表示させることができるので、犯罪の発生率が高い状況に該当する場所の映像を大通りに表示させることができ、大通りに居る人たちに監視の目を向けさせることができる。常時表示する場合に比べて、特定の場合に表示することでより映像への注目度が高まることが期待できる。
【0074】
(第4実施形態)
図11は、本実施形態の表示処理装置100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図12は、表示システム1の監視対象の第2道路R2に設置されるディスプレイD1とカメラC1の配置例を模式的に示す図である。本実施形態の表示処理装置100は、複数の第2道路R2の撮像画像を一つのディスプレイD1に表示する点以外は、
図7の上記実施形態の表示処理装置100と同様である。本実施形態の表示処理装置100は、
図7の上記実施形態の表示処理装置100と同様な構成を有するとともに、さらに、推定部112と、決定部114と、を備える。ただし、本実施形態の推定部112および決定部114は、
図7の実施形態以外の他の実施形態の表示処理装置100の構成と矛盾のない範囲で組み合わせることもできる。
【0075】
図12に示すように、一つの表示部104(ディスプレイD1)に複数の第2道路、この例では、第2道路R21および第2道路R22が紐づいている。撮像部102は、第2道路R2の入口と出口にそれぞれ設置される複数のカメラ、この例では、第2道路R21に関連付けられたカメラC31およびカメラC32と、第2道路R22に関連付けられたカメラC41およびカメラC42と、を含む。
【0076】
図6の表示システム1のように、本実施形態
においても、各出入口には、人の進入を検出する第1カメラと、第2道路を撮像する第2カメラとが設置されているものとする。これらの2台のカメラを1組として
図12では1つの符号でそれぞれ図示してある。例えば、カメラC31は、第1カメラC11と第2カメラC12とを含んでいる。
【0077】
<機能構成例>
推定部112は、複数のカメラの画像を処理することにより、各第2道路に滞在している人の人数を推定する。決定部114は、推定した人数を用いて、どの道路の画像をディスプレイD1に表示するかを決定する。
【0078】
ディスプレイD1は、少なくとも一つのカメラの画像を表示する。ディスプレイD1の画面を分割して、複数のカメラの画像をそれぞれ表示してもよい。ディスプレイD1は、複数のカメラの画像を所定時間毎に切り替えて順次表示してもよい。
【0079】
上記したように、推定部112が人数の推定に用いる画像は、各位置に設置された第1カメラC11の撮像画像を用いる。ディスプレイD1に表示される画像は、各位置に設置された第2カメラC12の撮像画像を用いる。
【0080】
<動作例>
図13は、表示システム1の動作例を示すフローチャートである。本図は、
図8のフローチャートと同じステップS103を含むとともに、さらに、ステップS103の前にステップS131~ステップS135を含む。
【0081】
まず、撮像部102は、複数の第2道路R21およびR22の出入口のカメラC31、C32、C41、C42から画像を各道路に関連付けて取得する(ステップS131)。ここでは、各位置に設置された第1カメラC11の撮像画像を取得する。
【0082】
図14は、カメラ情報および画像情報のデー
タ構造の一例を示す図である。
図14(a)は、カメラ情報130を示し、
図14(b)は、画像情報132を示している。これらの情報は、コンピュータ1000のストレージデバイス1040に記憶されている。
【0083】
複数の第2道路には、それぞれ識別情報が予め定められている。カメラ情報130は、第2道路の道路識別情報に、当該第2道路に設置されているカメラの識別情報と、その設置位置の情報が関連付けられている。設置位置の情報は、単純に当該第2道路の入口か出口かを示す情報でもよいし、経度緯度などの絶対位置を示す情報であってもよい。あるいは、住所を示す情報であってもよいし、設置位置の名称、例えば、建物名、施設名、交差点名などでもよいし、電柱に設置されている場合、当該電柱に割り当てられている識別情報であってもよい。
【0084】
画像情報132は、各カメラが撮像した画像データが、撮像日時と、カメラ識別情報に関連付けられている。各カメラの撮像画像は、各カメラを識別する識別情報が、例えば、各カメラに割り当てられたIP(Internet Protocol)アドレスであってもよい。画像情報132は、画像データファイルが一時的または非一時的に記憶されている場所を示すパスを含むファイル名、または少なくともファイル名を画像データとして保持してよい。画像データファイルの実体は、所定の保存場所に蓄積されてもよい。また、日時情報は、画像データ自体が保持している場合は、なくてもよい。
【0085】
図13に戻り、推定部112は、複数の位置に設置された第1カメラC11の画像を取得して
図18の画像処理装置120に処理させ、処理結果を用いて各第2の道路に滞在している人の人数を推定する(ステップS133)。具体的には、第2道路の出入口を通過する人物を画像処理装置120に画像認識させる。最も単純な方法としては、各出入口の人物の入退場を検知し、進入者を検知したら人数のカウンタをインクリメントし、退出者を検知したら人数のカウンタをデクリメントする。あるいは、第2道路の出入口毎に入場者数と退場者数をそれぞれカウントしておき、差分を求めて、第2道路
に滞在している人の人数としてもよい。
【0086】
別の方法では、まず、第2道路に進入した人物を画像処理装置120に画像認識させ入場者として人物の特徴量を入場者リストに登録する。このとき、人数のカウンタをインクリメントしてもよい。そして、第2道路から退出した人物を画像処理装置120に画像認識させ、入場者として特徴量が登録されているか否かを判別し、登録されている場合は当該人物の特徴量を入場者リストから削除する。このとき、人数のカウンタをデクリメントしてもよい。あるいは、人数は、入場者リストに登録されている人物の人数をカウントすることで取得してもよい。
【0087】
退場者が入場者リストに含まれていない場合は、何もしない。あるいは、入場不明者としてその特徴量と、退場日時、撮像カメラの識別情報などを記録してもよい。
【0088】
そして、決定部114は、ステップS133で推定した人数を用いて、どの道路の画像をディスプレイD1に表示するかを決定する(ステップS135)。そして、表示制御部106は、決定された画像をディスプレイD1に表示させる(ステップS103)。
【0089】
画像の表示方法は、様々考えられ、以下に例示されるがこれらに限定されない。
(b1)ディスプレイD1の画面を複数に分割して、複数のカメラの撮像画像または表示データをそれぞれ各エリアに表示する。
(b2)複数のカメラの撮像画像または表示データを、所定時間ずつ、ディスプレイD1の画面一面、画面分割された各エリア、およびディスプレイD1の画面の少なくとも一部の領域に、順次表示する。
(b3)特定の条件を満たしたときに、ディスプレイD1の画面の少なくとも一部の領域にポップアップ画面として条件を満たした撮像画像または表示データを表示する。
(b4)各画像または表示データの1回の表示時間は、一定または条件に応じて変更する。
(b5)各画面または領域に表示される画像は、カメラの撮像画像または表示データと、それ以外の画像、例えば、広告や通知情報などのコンテンツとを条件に従い選択して切り替えて表示する。
(b6)特定の条件を満たしたとき、特定のカメラの撮像画像または表示データを強調して表示する。
(b7)カメラに優先度を与え、撮像画像または表示データを、優先度の高い順に表示、または表示時間を長くして表示する。
(b8)複数のカメラの撮像画像をランダムに表示する。
【0090】
表示する画像の優先度の決定方法は様々考えられ、以下に例示されるがこれらに限定されない。
(c1)第2道路に滞在している人数が所定人数より多い場合は、優先度を下げる。
(c2)第2道路に滞在している人数が1人の場合は優先度を下げる。
(c3)第2道路に滞在している人数が基準の範囲内の場合(例えば、2~3名)は、優先度を上げる。
【0091】
優先度は、例えば、0~1の割合で示されてもよい。優先度とは、当該カメラの撮像画像をディスプレイD1に表示させる優先度合いを示す。つまり、当該カメラが撮像している画像は、犯罪の発生率が高まっている状況を含んでいることを示している。ここでは、優先度の数値が高い程、優先され、つまり、犯罪発生率が高いことを示している。ただし、優先度は0~100であってもよいし、低中高や1~5等の所定のレベルで示されてもよい。
【0092】
閾値以上の優先度を有するカメラの撮像画像を優先的に表示、優先度が高い順に表示あるいは、優先度が高い程、表示時間を長くしてもよい。閾値未満の優先度を有するカメラの撮像画像は表示しなくてもよい。
【0093】
図15は、ディスプレイD1の表示画面の例を示す図である。
図15(a)は、画面150を4分割して、4つのカメラの撮像画像が各エリアにそれぞれ表示されている例を示している。各エリアには、撮像画像とともに、画像の撮影場所を示す情報152が表示されてもよい。
【0094】
図15(b)は、ディスプレイD1の画面150の一部の領域160に優先度が閾値を超えたカメラの画像を表示し、他の領域154には、カメラの撮像画像以外の他
の広告などのコンテンツ画像が表示されている例を示している。領域160には、さらに、注意喚起を促すメッセージを示す文字情報や画像162などが表示されてもよい。または、領域160の枠を強調したりブリンクさせたり、アニメーションを重畳表示するなどして、より注意喚起を促す表示を行ってもよい。
【0095】
本実施形態によれば、複数のカメラの撮像画像をカメラの優先度に応じて選択してディスプレイD1に表示させることができるので、犯罪の発生率が高い状況にある場所に設置されているカメラの撮像画像をディスプレイD1に優先して表示させることができる。よって、より効果的な犯罪の抑制が期待できる。
【0096】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、撮像部102が生成した画像をディスプレイD1に表示する条件は、特定の時刻や、周囲の明るさが基準値以下などとしてもよい。表示制御部106は、所定の条件を満たしたとき、撮像部102が撮像した画像をディスプレイD1に表示する。
【0097】
表示処理装置100は、現在時刻を取得する時刻取得部(不図示)をさらに備えてよい。時刻取得部は、現在時刻を、コンピュータ1000が有する時計(不図示)から取得してもよいし、通信ネットワークを介してNTP(Network Time Protocol)サーバから取得してもよい。
【0098】
表示する時間は予め設定されていてよい。また、表示する時間は、管理者の操作により設定を変更できてもよい。例えば、夕方から明け方までの時間を設定してもよい。第2道路R2の人通りが少なくなる時間帯や、第2道路R2の人通りが多くても、治安が悪い時間帯などを指定してもよい。また、第1道路R1の人通りが少なくなる時間帯は、ディスプレイD1への表示を停止してもよい。つまり、表示部104は、第1道路R1の人通りが少なくなる時間帯以外の時間帯に画像を表示する。
【0099】
周囲の明るさは、撮像部102により生成された画像を処理して推定できる。推定された周囲の明るさが暗い場合、つまり、基準以下の場合、撮像部102の画像をディスプレイD1に表示する。または、周囲の明るさは、カメラC1が撮影時に計測している情報から取得してもよい。
【0100】
これらの条件を上記実施形態と組み合わせた例について説明する。
図16は、表示システム1の動作例を示すフローチャートである。
図16のフローチャートは、
図8のフローチャートのステップS111、ステップS113、およびステップS103を含むとともに、さらに、ステップS141~ステップS145を含む。
【0101】
まず、撮像部102は、第1カメラC11に第2道路R2を撮像させ、画像を生成する(ステップS111)。表示制御部106は、ディスプレイD1に所定の画像を表示させる(ステップS113)。そして、表示制御部106は、カメラ毎に表示のタイミングが否かを判定する(ステップS141)。この判定条件は、例えば、第2道路R2に進入した人物の属性が基準(女性または子どもなど)を満たした場合、特定の時刻になった場合、周囲の明るさが基準以下になった場合、の少なくともいずれか一つである。
【0102】
そして、表示タイミングである場合(ステップS141のYES)、かつ、当該表示タイミングにあるカメラが複数ある場合(ステップS143のYES)に、表示制御部106は、カメラの優先度が高いものを選択して(ステップS145)、ディスプレイD1に表示させる(ステップS103)。
【0103】
表示タイミングにない場合は(ステップS141のNO)、ステップS111に戻る。また、表示タイミングにあるカメラが1つの場合(ステップS143のNO)、ステップS145はバイパスして、表示制御部106は、当該カメラの撮像画像をディスプレイD1に表示させる(ステップS103)。
【0104】
上記実施形態では、カメラとディスプレイが直接接続される構成について説明した。他の実施形態では、監視センタなどの管理装置200を経由してカメラとディスプレイは接続されてもよい。
図17は、他の実施形態の表示システム1の構成例を示す図である。表示システム1は、複数のカメラC1と、ディスプレイD1と、管理装置200を備える。管理装置200は、複数のカメラC1およびディスプレイD1とそれぞれインターネットなどの通信ネットワーク3を介して接続される。上記実施形態で説明した表示処理装置100は、管理装置200に含まれてもよい。
【0105】
図18は、画像処理装置120を備える表示システム1の構成例を示す図である。この例では、表示システム1は、ディスプレイD1と、少なくとも一つのカメラC1と、表示処理装置100と、画像処理装置120とを備える。各装置は、互いに通信ネットワーク3を介して接続される。
【0106】
この構成によれば、カメラC1で撮像された画像を画像処理装置120により画像処理を行い、第2道路R2への人の進入を検知したり、進入した人物の属性を特定したり、人物の特徴量を取得したりすることができる。
【0107】
上記実施形態では、表示システム1は、一つのディスプレイD1を備える構成について説明したが、これに限定されず、複数のディスプレイを備えてもよい。
【0108】
例えば、犯罪の発生を検出した場合に、追跡対象となる人物の移動方向を特定し、移動方向にあるディスプレイに当該人物を撮像しているカメラの画像を表示させる。犯罪の発生の検出方法は、画像処理装置120による画像処理により検出することができる。あるいは、所定の警報システムと連動させ、犯罪発生場所の情報を取得し、その位置情報からカメラとディスプレイを特定してもよい。
【0109】
この例では、表示制御部106は、犯罪の発生場所および、追跡対象となる人物が存在している場所を撮像するカメラの撮像画像をディスプレイに表示させるのが好ましい。
【0110】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0111】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 第1の道路に設置された表示手段と、
前記第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段と、を備え、
前記表示手段は、前記撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して表示する、表示システム。
2. 1.に記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、前記第1の道路と交差している前記第2の道路を撮像する、表示システム。
3. 1.または2.に記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、第3の道路を介して前記第1の道路とつながっている前記第2の道路を撮像する、表示システム。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の表示システムにおいて、
前記撮像手段は、
前記第2の道路の入口に設置された第1カメラと、
前記第2の道路の途中に設置された第2カメラと、を含み、
前記第1カメラの画像を処理し、前記第2の道路に人の侵入を検出した時に、前記第2カメラの画像を、前記表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備える、表示システム。
5. 4.に記載の表示システムにおいて、
前記第1カメラの画像を処理し、人の属性を特定する特定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記属性が基準を満たしたときに、前記第2カメラの画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、特定の時刻の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の表示システムにおいて、
前記表示制御手段は、周囲の明るさが基準以下の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示システム。
8. 1.から7.のいずれか一つに記載の表示システムにおいて、
一つの前記表示手段に複数の前記第2の道路が紐づいており、
前記撮像手段は、前記第2の道路の入口と出口にそれぞれ設置される複数のカメラを含み、
前記複数のカメラの画像を処理することにより、各前記第2の道路に滞在している人の人数を推定する推定手段と、
推定した前記人数を用いて、どの道路の画像を前記表示手段に表示するかを決定する決定手段と、を備える、表示システム。
【0112】
9. ディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得して前記ディスプレイに表示させる表示制御手段を備える、表示処理装置。
10. 9.に記載の表示処理装置において、
前記撮像手段は、前記第1の道路と交差している前記第2の道路を撮像する、表示処理装置。
11. 9.または10.に記載の表示処理装置において、
前記撮像手段は、第3の道路を介して前記第1の道路とつながっている前記第2の道路を撮像する、表示処理装置。
12. 9.から11.のいずれか一つに記載の表示処理装置において、
前記撮像手段は、
前記第2の道路の入口に設置された第1カメラと、
前記第2の道路の途中に設置された第2カメラと、を含み、
前記表示制御手段は、
前記第1カメラの画像を処理し、前記第2の道路に人の侵入を検出した時に、前記第2カメラの画像を、さらに、前記表示手段に表示させる、表示処理装置。
13. 12.に記載の表示処理装置において、
前記第1カメラの画像を処理し、人の属性を特定する特定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記属性が基準を満たしたときに、前記第2カメラの画像を前記表示手段に表示させる、表示処理装置。
14. 9.から13.のいずれか一つに記載の表示処理装置において、
前記表示制御手段は、特定の時刻の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示処理装置。
15. 9.から14.のいずれか一つに記載の表示処理装置において、
前記表示制御手段は、周囲の明るさが基準以下の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示処理装置。
16. 9.から15.のいずれか一つに記載の表示処理装置において、
一つの前記表示手段に複数の前記第2の道路が紐づいており、
前記撮像手段は、前記第2の道路の入口と出口にそれぞれ設置される複数のカメラを含み、
前記複数のカメラの画像を処理することにより、各前記第2の道路に滞在している人の人数を推定する推定手段と、
推定した前記人数を用いて、どの道路の画像を前記表示手段に表示させるかを決定する決定手段と、を備える、表示処理装置。
【0113】
17. 表示処理装置が、
ディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得し、
前記ディスプレイに表示させる、表示処理方法。
18. 17.に記載の表示処理方法において、
前記撮像手段は、前記第1の道路と交差している前記第2の道路を撮像する、表示処理方法。
19. 17.または18.に記載の表示処理方法において、
前記撮像手段は、第3の道路を介して前記第1の道路とつながっている前記第2の道路を撮像する、表示処理方法。
20. 17.から19.のいずれか一つに記載の表示処理方法において、
前記撮像手段は、
前記第2の道路の入口に設置された第1カメラと、
前記第2の道路の途中に設置された第2カメラと、を含み、
前記表示処理装置が
前記第1カメラの画像を処理し、前記第2の道路に人の侵入を検出した時に、前記第2カメラの画像を、さらに、前記表示手段に表示させる、表示処理方法。
21. 20.に記載の表示処理方法において、
前記表示処理装置が、
前記第1カメラの画像を処理し、人の属性を特定し、
前記属性が基準を満たしたときに、前記第2カメラの画像を前記表示手段に表示させる、表示処理方法。
22. 17.から21.のいずれか一つに記載の表示処理方法において、
前記表示処理装置が、
特定の時刻の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示処理方法。
23. 17.から22.のいずれか一つに記載の表示処理方法において、
前記表示処理装置が、
周囲の明るさが基準以下の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる、表示処理方法。
24. 17.から23.のいずれか一つに記載の表示処理方法において、
一つの前記表示手段に複数の前記第2の道路が紐づいており、
前記撮像手段は、前記第2の道路の入口と出口にそれぞれ設置される複数のカメラを含み、
前記表示処理装置が、
前記複数のカメラの画像を処理することにより、各前記第2の道路に滞在している人の人数を推定し、
推定した前記人数を用いて、どの道路の画像を前記表示手段に表示させるかを決定する、表示処理方法。
【0114】
25. コンピュータに、
ディスプレイが設置された第1の道路より狭い第2の道路を撮像する撮像手段が生成した画像、または当該画像を用いた表示データを取得する手順、
前記ディスプレイに表示させる手順、を実行させるためのプログラム。
26. 25.に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段に、前記第1の道路と交差している前記第2の道路を撮像させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
27. 25.または26.に記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段に、第3の道路を介して前記第1の道路とつながっている前記第2の道路を撮像させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
28. 25.から27.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記撮像手段は、
前記第2の道路の入口に設置された第1カメラと、
前記第2の道路の途中に設置された第2カメラと、を含み、
前記第1カメラの画像を処理し、前記第2の道路に人の侵入を検出した時に、前記第2カメラの画像を、さらに、前記表示手段に表示させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
29. 28.に記載のプログラムにおいて、
前記第1カメラの画像を処理し、人の属性を特定する手順、
前記属性が基準を満たしたときに、前記第2カメラの画像を前記表示手段に表示させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
30. 25.から29.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
特定の時刻の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
31. 25.から30.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
周囲の明るさが基準以下の場合に前記画像を前記表示手段に表示させる手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
32. 25.から31.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
一つの前記表示手段に複数の前記第2の道路が紐づいており、
前記撮像手段は、前記第2の道路の入口と出口にそれぞれ設置される複数のカメラを含み、
前記複数のカメラの画像を処理することにより、各前記第2の道路に滞在している人の人数を推定する手順、
推定した前記人数を用いて、どの道路の画像を前記表示手段に表示させるかを決定する手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。