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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】機能実行装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231129BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231129BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231129BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20231129BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20231129BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 838
H04N1/00 127B
B41J29/38 201
B41J29/38 401
B41J29/42 F
H04W84/10 110
H04W88/06
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022186511
(22)【出願日】2022-11-22
(62)【分割の表示】P 2019031548の分割
【原出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2023024456
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】河島 豪
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-135318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
H04W 84/10-84/16
H04W 88/00-88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信部と、
制御部と、
メモリと、
機能実行部と、
を備えた機能実行装置であって、
前記近距離無線通信部は、前記近距離無線通信部が通信可能な近距離位置する無線通信装置を検出することが可能であり
前記制御部は、複数のショートカット情報を前記メモリに記憶させることが可能であり、
前記複数のショートカット情報の各々はショートカット機能を示し、前記ショートカット機能は当該ショートカット機能の実行に用いられる設定値が予め設定されており、
前記制御部は、さらに、
前記ショートカット情報に示される前記ショートカット機能を当該ショートカット機能に設定されている前記設定値に従って前記機能実行部に実行させる第1のショートカット実行処理と
2のショートカット実行処理と、
を行うことが可能であり、
前記第2のショートカット実行処理は、
前記近距離無線通信部により前記無線通信装置が検出され、且つ、検出された前記無線通信装置が前記メモリに記憶されている前記複数のショートカット情報のいずれかに対応することに応じて
当該対応する前記ショートカット情報に示される前記ショートカット機能である無線対応ショートカット機能が特定のユーザに関連付けられていない場合は、当該無線対応ショートカット機能を、当該無線対応ショートカット機能に設定されている前記設定値に従って前記機能実行部に実行させ、
当該無線対応ショートカット機能が前記特定のユーザに関連付けられている場合は、当該無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させない
能実行装置。
【請求項2】
請求項1に記載の機能実行装置であって、
入力部と、
表示部と、
を備え、
前記制御部は、待機画面を前記表示部に表示させる待機画面表示処理を行うことが可能であり、
前記待機画面は、複数の画面の中から選択された1つの画面を含み、前記複数の画面の各々には複数の機能オブジェクトを配置可能であり、前記複数の機能オブジェクトの各々にはいずれかの前記ショートカット機能を対応付けることが可能であり、
前記第1のショートカット実行処理は、前記待機画面表示処理により前記表示部に表示された前記待機画面に配置されている、前記ショートカット機能が対応付けられた前記機能オブジェクトであるショートカットオブジェクトが、前記入力部を介して選択されたことに応じて、その選択された前記ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記ショートカット機能を、当該ショートカット機能に設定されている前記設定値に従って前記機能実行部に実行させることを含む、
機能実行装置。
【請求項3】
請求項2に記載の機能実行装置であって、
前記複数の画面の各々は、前記特定のユーザが関連付けられ得、
前記制御部は、前記第2のショートカット実行処理では、
前記無線対応ショートカット機能が対応付けられた前記ショートカットオブジェクトである無線対応ショートカットオブジェクトが、前記複数の画面のうち前記特定のユーザが関連付けられていない画面である共有画面に配置されている場合は、当該無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させ、
前記無線対応ショートカットオブジェクトが、前記複数の画面のうち前記特定のユーザが関連付けられている画面であるパーソナル画面に配置されている場合は、当該無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させない、
機能実行装置。
【請求項4】
請求項3に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、予め登録された登録ユーザのログインを受け付けるログイン処理を行うことが可能であり、
前記制御部は、前記第2のショートカット実行処理では、前記無線対応ショートカットオブジェクトが前記パーソナル画面に配置されている場合であっても、当該パーソナル画面に、前記ログイン処理によって前記ログインが受け付けられている前記登録ユーザが関連付けられている場合は、当該無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させる、
機能実行装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、前記第2のショートカット実行処理では、前記無線対応ショートカットオブジェクトが前記パーソナル画面に配置されている場合であっても、当該無線対応ショートカットオブジェクトが特定の実行可能条件を満たしている場合は、当該無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させる、
機能実行装置。
【請求項6】
請求項5に記載の機能実行装置であって、
前記実行可能条件は、前記無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能が、前記機能実行装置とは別の装置へ情報を送信する処理を含まないことである、
機能実行装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の機能実行装置であって、
各前記ショートカット機能は、当該ショートカット機能が実行される際に前記入力部を介した入力操作が要求される第1種、又は、当該ショートカット機能が実行される際に前記入力操作が要求されない第2種、のどちらか一方に設定されており、
前記実行可能条件は、前記無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能が前記第2種に設定されていることである、
機能実行装置。
【請求項8】
請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、前記第2のショートカット実行処理では、
前記無線対応ショートカットオブジェクトが前記パーソナル画面に配置されている場合であって、且つ、当該無線対応ショートカットオブジェクトが前記実行可能条件を満たしている場合は、当該無線対応ショートカットオブジェクトに対応付けられている前記無線対応ショートカット機能を実行するか否かを問う実行確認画面を前記表示部に表示させ、
前記実行確認画面の表示後、当該無線対応ショートカット機能を実行することを示す特定の実行指示が前記入力部を介して入力された場合に、当該無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させる、
機能実行装置。
【請求項9】
請求項3~請求項8のいずれか1項に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、さらに、
前記複数の画面をそれぞれ前記共有画面又は前記パーソナル画面に設定する設定処理と、
前記設定処理によって前記共有画面から前記パーソナル画面への変更が行われた場合であって、当該変更が行われた前記画面に、前記無線通信装置に対応付けられている前記ショートカット機能が対応付けられた前記ショートカットオブジェクトが含まれている場合、当該画面を前記共有画面に設定変更するか否かを問うための設定確認画面を前記表示部に表示させる設定確認表示処理と、
前記設定確認画面が表示されている状態において、当該画面を前記共有画面に設定変更することを要求する共有変更要求を前記入力部を介して受け付ける共有変更受付処理と、
前記共有変更受付処理によって前記共有変更要求が受け付けられた場合、当該画面を前記共有画面に設定変更する変更処理と、
を実行する機能実行装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、さらに、前記第2のショートカット実行処理において前記無線対応ショートカット機能を前記機能実行部に実行させない場合に、当該無線対応ショートカット機能を実行できないことを示す情報を報知する報知処理を実行する、
機能実行装置。
【請求項11】
請求項4に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、前記ログイン処理によって前記ログインが受け付けられている場合、前記待機画面表示処理では、前記ログインが受け付けられている前記登録ユーザが関連付けられた前記パーソナル画面を前記表示部に表示させることを許容する一方で、当該登録ユーザとは異なるユーザが関連付けられた前記パーソナル画面を前記表示部に表示させることを許容しない、
機能実行装置。
【請求項12】
請求項11に記載の機能実行装置であって、
前記制御部は、前記ログイン処理によって前記ログインが受け付けられている場合、前記待機画面表示処理では、前記共有画面を前記表示部に表示させることを許容する、
機能実行装置。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の機能実行装置であって、
前記無線通信装置は特定の装置IDを有し、
前記近距離無線通信部により検出された前記無線通信装置が前記ショートカット情報に対応することは、検出された前記無線通信装置が有する前記装置IDが当該ショートカット情報に対応付けられていることを含む、
機能実行装置。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の機能実行装置であって、
前記近距離無線通信部と前記無線通信装置とは、互いに、NFCの近距離無線通信規格に基づく近距離無線通信を行うことが可能に構成されている、
機能実行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示は、登録されている機能をユーザの操作に応じて実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ショートカットボタンに関連付けられた所定の処理(例えばスキャン処理)を、そのショートカットボタンの操作を行うことなく、カードをカードリーダに読み取らせるだけで実行させることが可能に構成された画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている画像処理装置は、複数のユーザによって共用される場合、例えば次のように構成されていると便利である。
即ち、複数のショートカットボタンの各々をタブ形式の複数のタブ画面のいずれかに配置する。表示部には、複数のタブ画面のうちの1つを選択的に表示する。複数のタブの各々は、共有属性又はパーソナル属性に設定される。そして、特定のユーザがログインしていないときはパーソナル属性のタブは表示せずに共有属性のタブのみ表示する。パーソナル属性のタブは、当該タブに対応した特定のユーザがログインしているときのみ表示する。
【0004】
画像処理装置をこのように構成することで、例えば、ある特定の処理が関連付けられたショートカットボタンの操作を特定のユーザにのみ許容することが可能となる。具体的には、特定のユーザにのみ操作を許容したいショートカットボタン(以下、「ユーザ限定ボタン」と称する)を、その特定のユーザに対応したパーソナル属性のタブに配置すること、あるいは、そのユーザ限定ボタンが配置されているタブをその特定のユーザに対応したパーソナル属性のタブに設定することによって、可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-010059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ユーザ限定ボタンに関連付けられた特定の処理が、前述のカードをカードリーダに読み取らせることによっても実行させることが可能にされている場合、次のような問題が生じる。
【0007】
即ち、例えば、カードによって実行させることが可能な特定の処理が関連付けられた1つのショートカットボタンをユーザ限定ボタンにするために、そのショートカットボタンが配置されているタブの属性を、その特定のユーザに対応したパーソナル属性に設定変更したことを想定する。この場合、そのユーザ限定ボタンは、その特定のユーザがログインしないと表示されなくなったため、その特定のユーザ以外の不特定のユーザにそのユーザ限定ボタンを操作されることを抑制できる。
【0008】
しかし、そのユーザ限定ボタンが表示されずに操作ができなくなっても、カードがあれば、不特定のユーザであってもそのカードを使ってそのユーザ限定ボタンに関連付けられた特定の処理を実行させることができてしまう。
【0009】
本開示上記課題に鑑みなされた、特定の機能を、ユーザが直接操作することに加えて外部との無線通信を介することによっても実行させることが可能に構成された機能実行装置において、その特定の機能の実行を適切に制限できるようにする構成を備えている
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明を実施するための形態による、第1の例示である機能実行装置は、表示部と、入力部と、通信部と、制御部とを備える。通信部は、通信可能エリア内に、特定の装置IDを有する無線通信装置が配置されることに応じて、無線通信装置と無線通信を実行可能である。
【0011】
制御部は、一般モード表示処理を実行する。一般モード表示処理は、一般モード待機画面を表示部に表示させる処理である。一般モード待機画面は、各々が共有属性又はパーソナル属性に設定された複数のタブのうち、共有属性に設定されたタブである共有タブを含み、パーソナル属性に設定されたタブであるパーソナルタブを含まない画面である。
【0012】
複数のタブの各々は、実行すべき機能が対応付けられた画像である機能オブジェクトが登録され得るように構成されている。機能オブジェクトは、特定のオブジェクトIDが登録され得るように構成されている。一般モード待機画面は、1つの共有タブが選択状態にされ、その選択状態にされた共有タブに登録されている機能オブジェクトを含む。
【0013】
制御部は、さらに、第1の機能実行処理と、装置ID取得処理と、第2の機能実行処理と、を実行する。
第1の機能実行処理は、表示部に表示されている機能オブジェクトが入力部を介して選択されることに応じて、その選択された機能オブジェクトに対応付けられている機能を実行する処理である。
【0014】
装置ID取得処理は、無線通信装置から、通信部による無線通信を通じて、装置IDを取得する処理である。
第2の機能実行処理は、装置ID取得処理により装置IDが取得されることに応じて実行する処理である。制御部は、第2の機能実行処理では、ID対応オブジェクトが共有タブに登録されている場合はそのID対応オブジェクトに対応付けられている機能を実行し、ID対応オブジェクトがパーソナルタブに登録されている場合はそのID対応オブジェクトに対応付けられている機能を実行しない。ID対応オブジェクトは、取得した装置IDと特定の対応関係にあるオブジェクトIDが登録された前記機能オブジェクトである。
【0015】
このように構成された機能実行装置では、ID対応オブジェクトに対応した装置IDが取得されても、そのID対応オブジェクトがパーソナルタブに登録されている場合は、そのID対応オブジェクトに対応した機能は実行されない。そのため、ID対応オブジェクトをパーソナルタブに登録することで、そのID対応オブジェクトに対応した機能の実行を適切に制限することが可能となる。
発明を実施するための形態による、第2の例示である機能実行装置は、近距離無線通信部と、制御部と、メモリと、機能実行部とを備える。
近距離無線通信部は、当該近距離無線通信部が通信可能な近距離に位置する無線通信装置を検出することが可能である。制御部は、複数のショートカット情報をメモリに記憶させることが可能である。前記複数のショートカット情報の各々はショートカット機能を示す。ショートカット機能は、当該ショートカット機能の実行に用いられる設定値が予め設定されている。
制御部は、さらに、第1のショートカット実行処理と、第2のショートカット実行処理とを実行可能である。
第1のショートカット実行処理は、ショートカット情報に示されるショートカット機能を、当該ショートカット機能に設定されている設定値に従って機能実行部に実行させる。
第2のショートカット実行処理は、
近距離無線通信部により無線通信装置が検出され、且つ、検出された無線通信装置が、メモリに記憶されている前記複数のショートカット情報のいずれかに対応すること、に応じて、
当該対応するショートカット情報に示されるショートカット機能である無線対応ショートカット機能が特定のユーザに関連付けられていない場合は、当該無線対応ショートカット機能を、当該無線対応ショートカット機能に設定されている設定値に従って機能実行部に実行させ、
当該無線対応ショートカット機能が特定のユーザに関連付けられている場合は、当該無線対応ショートカット機能を機能実行部に実行させない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の情報処理システムの概略構成を示す説明図である。
図2】非ログイン時且つ全タブが共有属性に設定されている場合の待機画面の一例を示す説明図である。
図3】アイコンデータテーブルを示す説明図である。
図4】(a)はタブ設定テーブルを示す説明図、(b)はタブ属性設定画面を示す説明図である。
図5】ユーザ管理データテーブルを示す説明図である。
図6】(a)は一般モード時に、パーソナルタブに登録されているカード起動ショートカットをNFCカードから起動させることを試みた場合の画面遷移例を示す説明図、(b)は個人モード時に、パーソナルタブ(ただしログインユーザのホームタブ)に登録されているカード起動ショートカットをNFCカードから起動させることを試みた場合の画面遷移例を示す説明図である。
図7】一般モード時に、パーソナルタブに登録されていて外部アクセスを行わないカード起動ショートカットをNFCカードから起動させることを試みた場合の、画面遷移例を示す説明図である。
図8】カード起動ショートカットが登録されているタブの属性を共有からパーソナルに変更した場合の画面遷移例を示す説明図である。
図9】メイン処理を示すフローチャートである。
図10図9のメイン処理におけるS210のアクセス権無し対応処理を示すフローチャートである。
図11図9のメイン処理におけるS240のタブ設定変更確認処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1)情報処理システムの概要
図1に示す本実施形態の情報処理システム1は、画像処理装置10と、情報処理装置20とを備える。画像処理装置10と情報処理装置20とは、ネットワーク3を通じて相互にデータ通信可能である。ネットワーク3は、どのようなネットワークであってもよい。ネットワーク3は、例えば有線のネットワークであってもよいし、無線のネットワークであってもよい。また、有線及び無線のいずれにおいても、具体的な通信方式はどのような通信方式であってもよい。
【0018】
(2)画像処理装置の構成
画像処理装置10は、例えばスキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクス機能などの、複数の機能を備えている。スキャン機能は、原稿の画像を読み取ってその読み取った画像の画像データを生成する機能である。印刷機能は、シート状の記録用紙へ画像を印刷する機能である。コピー機能は、スキャン機能により読み取った画像を印刷機能により印刷する機能である。ファクス機能は、ファクシミリデータの送受信を行うである。
【0019】
図1に示すように、画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、読取部15と、印刷部16と、近距離無線通信部17と、第1通信部18と、第2通信部19とを備え、これらがバス5を介して相互に接続されている。
【0020】
制御部11は例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の画像処理装置10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0021】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0022】
記憶部12には、図2図6図8に示す各種画面のデータが記憶されている。また、記憶部12には、図3に示すアイコンデータテーブルのデータ、図4(a)に示すタブ設定テーブルのデータ、図5に示すユーザ管理データテーブルのデータ、図9図11に示すメイン処理のプログラム、なども記憶される。
【0023】
表示部13は、各種情報を表示するための表示デバイスを有する。本実施形態の表示部13は、表示デバイスとしてディスプレイ13aを有する。
入力部14は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。本実施形態の入力部14は、入力用デバイスとしてタッチパネル14aを有する。タッチパネル14aは、表示部13の表示デバイスにおける、画像が表示される画像表示領域に重畳配置される。
【0024】
表示部13の画像表示領域に重畳配置されたタッチパネル14aは、画像表示領域に対する、指示体による接触又は近接による指示操作を検出可能である。即ち、タッチパネル14aは、画像表示領域に対して指示体による指示操作が行われている場合に、その指示操作が行われている位置である指示位置を示す位置情報を出力可能に構成されている。本実施形態のタッチパネル14aは、指示体により指示操作が行われている間、位置情報を連続的又は周期的に出力するよう構成されている。
【0025】
なお、タッチパネル14aは、指示操作として接触のみ検出可能な構成であってもよいし、近接のみ検出可能な構成であってもよいし、接触及び近接の両方を検出可能な構成であってもよい。
【0026】
制御部11は、タッチパネル14aから出力される位置情報を取得し、その取得した位置情報に基づいて、指示体の指示操作の有無、指示操作が行われている場合における指示位置、指示操作が行われている場合における指示体による少なくとも一種類の特定の操作を検出することができる。
【0027】
制御部11が検出可能な特定の操作には、例えば、タップ操作、フリック操作、ドラッグ操作などが含まれる。タップ操作は、指示体により指示操作が行われた後、同じ位置で指示体が離れる操作である。指示操作を行うことが可能な指示体の具体的態様は種々考えられ、例えば指先であってもよいし、スタイラスペンなどの特定の指示用デバイスであってもよい。
【0028】
読取部15は、イメージセンサを備え、画像が記録された原稿におけるその画像を読み取り、読み取った画像の画像データを生成する。イメージセンサは、例えば、CCDイメージセンサであってもよいし、CMOSイメージセンサであってもよい。
【0029】
印刷部16は、インクジェット技術や電子写真技術の印刷機構を有し、シート状の記録用紙に画像を印刷することが可能である。
近距離無線通信部17は、画像処理装置10の近傍に存在している他の無線通信装置と特定の無線通信方式にて無線通信を行う。特定の無線通信方式はどのような無線通信方式であってもよく、本実施形態では例えばNFCの通信規格に基づく無線通信方式である。NFCは、Near Field Communicationの略称である。
【0030】
近距離無線通信部17は、制御部11により制御される。近距離無線通信部17は、近距離無線通信部17の通信可能エリア内に存在している他の無線通信装置と無線通信を行うことができる。通信可能エリアは、例えば、画像処理装置10の筐体の表面のうちの、近距離無線通信部17が搭載されている位置の近傍の所定範囲の近接面から、所定距離(例えば十数cm)以内の距離のエリアであってもよい。
【0031】
近距離無線通信部17が無線通信可能な他の無線通信装置には、図1に示すNFCカード7が含まれる。NFCカード7は、矩形薄板状のカードである。NFCカード7の内部には、アンテナ7aと、通信回路7bと、記憶部7cとが内蔵されている。通信回路7b
は、アンテナ7aを介して、NFCの通信規格に基づく無線通信を行う。記憶部7cには、NFCカード7の固有のカードIDが記憶されている。通信回路7bは、記憶部7cに記憶されているカードIDを外部へ無線送信可能に構成されている。
【0032】
NFCカード7が画像処理装置10における前述の通信可能エリア内に配置、即ちNFCカード7と画像処理装置10の近距離無線通信部17とが無線通信可能な位置関係にされると、近距離無線通信部17とNFCカード7(詳しくは通信回路7b)との間で特定の手順に沿った無線通信が実行される。この無線通信により、NFCカード7のカードIDが画像処理装置10に送信され、画像処理装置10の制御部11は、近距離無線通信部17を介してそのカードIDを取得する。なお、以下の説明で、NFCカード7を画像処理装置10に「かざす」とは、NFCカード7を画像処理装置10における前述の通信可能エリア内に配置することを意味する。
【0033】
第1通信部18は、画像処理装置10をネットワーク3に接続するための通信インタフェースである。画像処理装置10は、第1通信部18を介して、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの各種情報処理装置と有線又は無線にてデータ通信可能であってもよい。また、画像処理装置10は、第1通信部18を介してインターネットに接続し、インターネットを介して他の各種サーバや各種情報処理装置などとデータ通信可能であってもよい。
【0034】
第2通信部19は、通信回線150を通じて外部機器と通信を行うためのインタフェース部である。第2通信部19に接続される通信回線150は、本実施形態では例えば公衆電話網である。ファクス機能におけるファクシミリデータの送受信は、基本的には、第2通信部19を介して行われる。
【0035】
なお、図示は省略したが、画像処理装置10は、メディアインタフェースを備えている。メディアインタフェースは、例えばUSBフラッシュメモリなどの、各種の記憶メディアが、離脱可能に装着される。メディアインタフェースは、装着された記憶メディアに対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。
【0036】
(3)情報処理装置の構成
情報処理装置20は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの、各種の情報処理端末である。情報処理装置20は、図1に示すように、制御部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、通信部25とを備える。
【0037】
制御部21は、例えばCPUを有する。記憶部22は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の情報処理装置20は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部22には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。
【0038】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
入力部23は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力部23が有する入力用デバイスには、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが含まれる。タッチパネルは、表示部24が有する表示デバイスにおける画像の表示領域に重畳配置される。
【0039】
通信部25は、ネットワーク3を通じて外部の装置と通信を行うための通信インタフェースである。情報処理装置20は、通信部25を介して画像処理装置10とデータ通信を行うことができる。
【0040】
(4)待機画面の説明
次に、画像処理装置10の表示部13に表示される各種画面のうち特に待機画面40について、図2を参照して説明する。画像処理装置10の制御部11は、起動すると、所定の初期処理を行った後、図2に示す待機画面40を表示部13に表示する。
【0041】
待機画面40は、1つ又は複数のタブを有するタブ形式の画面である。待機画面40に表示されるタブの数や種類は、後述するユーザモードに応じて、或いはログインユーザに応じて、異なり得る。図2は、ユーザモードが一般モードに設定されている場合の待機画面40の一例を示している。また、図2は、複数のタブのうち、第1タブ31、第2タブ32、第3タブ33及び第4タブ34が表示されている例を示している。
【0042】
複数のタブの各々には、個別のタブ画面が対応付けられている。待機画面40には、表示されているタブのうち選択状態にされている1つのタブに対応したタブ画面が表示される。選択状態にされているタブは、他のタブとは異なる態様で表示される。
【0043】
図2の左に示す待機画面40は、タブ名が「基本1」の第1タブ31が選択状態にされていて、その第1タブ31が他のタブとは異なる態様(例えば異なる色、異なる大きさなど)で表示されている例を示している。図2の右に示す待機画面40は、タブ名が「カスタム1」の第3タブ33が選択状態にされていて、その第3タブ33が他のタブとは異なる態様で表示されている例を示している。
【0044】
待機画面40における各タブの配列方向は、本実施形態では右方向である。即ち、各タブは右方向に順次配列される。上記配列方向への各タブの配列順序は、基本的には、後述する規定順序に応じた順序、即ち規定順序における昇順である。
【0045】
本実施形態では、待機画面40には、最大で例えば4つのタブを同時に表示可能である。タブの総数Ntはいくつであってもよいが、本実施形態では、タブの総数Ntは、待機画面40に同時に表示可能なタブの最大数である4よりも多い。
【0046】
待機画面40における、タブが表示される領域の両端近傍には、左ボタン38及び右ボタン39が表示される。タブが5つ以上あってそのうち4つが表示されている場合は、左ボタン38又は右ボタン39を選択操作することによって、表示対象のタブを左又は右へスクロールさせることで、表示されていないタブを表示させることができる。なお、選択操作は、どのような操作であってもよく、本実施形態では例えばタップ操作である。
【0047】
現在選択状態にされているタブのタブ画面から、他のタブのタブ画面に切り替えたい場合は、例えば、切り替え先のタブを選択操作すればよい。現在選択状態のタブ以外のタブを選択操作すると、その選択操作したタブが選択状態にされて、待機画面40には、その新たに選択状態にされたタブに対応したタブ画面が表示される。例えば図2の左に示すように第1タブ31が選択状態にされている場合に、第3タブ33を選択操作すると、図2の右に示すように、第3タブ33が選択状態にされて、待機画面40には、第3タブ33に対応した第3タブ画面60が表示される。逆に、図2の右に示す待機画面40において、第1タブ31を選択操作ると、図2の左に示すように、第1タブ31が選択状態にされて、待機画面40には、第1タブ31に対応した第1タブ画面50が表示される。
【0048】
待機画面40を表示させるために必要な各種情報や、待機画面40に対して入力部14を介して各種入力操作が行われた場合に実行すべき処理の内容に関する情報などは、記憶部12に記憶されている。
【0049】
各タブには、複数のアイコンが登録されており、各タブ画面は、対応するタブに登録されている複数のアイコンが配置された画像である。本実施形態では、1つのタブに例えば8個のアイコンが登録されており、各タブ画面には対応する8個のアイコンが配置される。
【0050】
即ち、図2の左に示すように、第1タブ31に対応した第1タブ画面50には、第1タブ31に登録されている第1アイコン51~第8アイコン58が配置される。図2の右に示すように、第3タブ33に対応した第3タブ画面60には、第3タブ33に登録されている第17アイコン61~第24アイコン68が配置される。各アイコンには、アイコンの名称が含まれる。各アイコンの具体的種類は変更することができる。
【0051】
各アイコンには、それぞれ、特定の機能が対応付けられている。ユーザによりいずれかのアイコンが選択操作されると、そのアイコンに対応付けられている特定の機能が実行される。
【0052】
図2の左に例示する第1タブ画面50においては、例えば、第1アイコン51にはファクス機能における特定の機能が対応付けられており、第2アイコン52にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第3アイコン53にはスキャン機能における特定の機能が対応付けられている。第4アイコン54及び第8アイコン58は、特定の機能が対応付けられていない未登録アイコンである。ユーザは、これらの未登録アイコンに特定の機能を登録することによりその特定の機能を対応付けることができる。第5アイコン55~第7アイコン57については説明を省略する。
【0053】
図2の右に例示する第3タブ画面60においては、例えば、第17アイコン61にはコピー機能における特定の機能が対応付けられており、第18アイコン62及び第19アイコン63にはファクス機能における特定の機能が対応付けられており、第20アイコン64及び第21アイコン65にはスキャン機能における特定の機能が対応付けられている。第22アイコン66~第24アイコン68は未登録アイコンである。
【0054】
第3タブ画面60における第17アイコン61~第21アイコン65に対応付けられている特定の機能は、いずれも、ショートカット機能である。ショートカット機能は、ユーザにより任意に登録される機能である。ショートカット機能は、特定の機能を予め設定された設定値に従って実行するように設定されている。ユーザは、未登録アイコンに対して所定のショートカット登録操作を行うことにより、その未登録アイコンにショートカット機能を登録することができる。その際、当該ショートカット機能の名称も任意に設定することができる。また、ユーザは、既に登録されているショートカット機能の内容を変更したり、登録を解除して未登録アイコンにしたりすることもできる。なお、ショートカット機能が対応付けられたアイコンを、以下、ショートカットアイコンとも称する。
【0055】
ショートカット機能は、本実施形態では、さらに、通常ショートカット機能と、ワンタッチショートカット機能との二種類に分類される。通常ショートカット機能は、対応するショートカットアイコンが選択操作された場合に、登録されているショートカット機能がすぐに開始されるのではなく、ユーザによるさらに少なくとも1回の入力操作が要求されるように構成されている。
【0056】
本実施形態では、通常ショートカット機能に対応したショートカットアイコンが選択操作されると、所定の確認画面が表示される。ユーザは、その確認画面を介してショートカット機能の設定値を確認したり変更したりすることができる。確認画面が表示された後、ユーザにより特定の実行開始操作が行われると、登録されているショートカット機能が開始される。
【0057】
一方、ワンタッチショートカット機能は、対応するショートカットアイコンが選択操作された場合に、ユーザによるさらなる入力操作を要することなく、登録されているショートカット機能が開始され完了するように構成されている。
【0058】
図2の右に示すように、待機画面40において、ショートカットアイコンには、通常マーク46又はワンタッチマーク47が付加されている。通常マーク46が付加された第17アイコン61,第19アイコン63及び第20アイコン64は、通常ショートカット機能が対応付けられたショートカットアイコンである。ワンタッチマーク47が付加された第18アイコン62及び第21アイコン65は、ワンタッチショートカット機能が対応付けられたショートカットアイコンである。
【0059】
ユーザは、タブ画面中のアイコンにショートカット機能を登録する際、通常ショートカット機能及びワンタッチショートカット機能のどちらとして登録するかを任意に選択することができる。
【0060】
さらに、ユーザは、特定のカード登録操作を行うことで、任意のショートカットアイコンにカードIDを登録、即ち当該ショートカットアイコンに対応したショートカット機能にカードIDを登録することができる。カードIDが登録されているショートカット機能を、以下、カード起動ショートカットと称する。
【0061】
カード登録操作はどのような操作であってもよい。例えば、ユーザ自ら入力部14を介してカードIDを入力することによりカードIDが登録されてもよい。また例えば、NFCカード7を画像処理装置10にかざすことによって無線通信によりカードIDが自動的に読み取られて登録されてもよい。
【0062】
ショートカット機能にカードIDが登録されると、そのカード起動ショートカットに対応したショートカットアイコンには、カードIDが登録されていることを示す情報が表示される。カードIDが登録されていることを示す情報はどのような情報であってもよく、本実施形態では例えば「(NFCカード)」というテキストである。図2の右に示す待機画面40においては、第17アイコン61及び第19アイコン63に対応したショートカット機能が、カード起動ショートカットである。
【0063】
各アイコンの情報は、図3に示すアイコンデータテーブルに登録されている。アイコンデータテーブルには、アイコン毎に、登録されているカードID、当該アイコンに対応した機能(即ち当該アイコンが選択操作された場合に実行される主機能)、カード起動許可フラグ、及び所属タブを含む複数の情報が登録されている。
【0064】
図3の例では、第3タブ33の第17アイコン61にカードID「87654321」が登録され、第3タブ33の第19アイコン63にカードID「12345678」が登録されている。カード起動許可フラグは、後述するS200で参照される。
【0065】
待機画面40に表示されるタブは、図4(a)に示すタブ設定テーブルにおいて管理されている。タブ設定テーブルには、Nt個(本実施形態では例えば8個)のタブが規定順序でリストアップされている。本実施形態における規定順序は、例えば、図4(a)に示されているように、第1タブ~第8タブの順序である。
【0066】
各タブには、属性が設定される。本実施形態では、共有又はパーソナルの属性が設定される。タブの属性は、タブ毎に任意に変更することができる。図4(a)は、第1タブ31の属性が共有であり、その他のタブの属性がパーソナルに設定されている例を示してい
る。
【0067】
また、各タブには、タブ名が設定される。タブ名は、タブが待機画面40に表示される際に各タブに表示される。タブ名は、タブ毎に任意に変更することができる。
タブ設定テーブル、前述のアイコンデータテーブル(図3参照)及び後述するユーザ管理データテーブル(図5参照)は、例えば、画像処理装置10の記憶部12に予め記憶されていてもよい。この場合、画像処理装置10において、記憶部12に記憶されている各テーブルをユーザが任意にカスタマイズできてもよい。
【0068】
また、各テーブルは、例えば、情報処理装置20などの他の装置から特定の取得タイミングで取得して記憶部12に記憶されてもよい。具体的には、例えば、情報処理装置20において各テーブルを任意にカスタマイズできるように構成されていてもよい。そして、画像処理装置10の制御部11は、起動すると、情報処理装置20からネットワーク3を介して各テーブルを取得して記憶部12に記憶し、その記憶した各テーブルに基づいて、待機画面40を表示させるなどの各種処理を行ってもよい。制御部11は、起動後に各テーブルを取得及び記憶した後も、特定のタイミングで情報処理装置20から各テーブルを取得して、記憶部12に記憶されている各テーブルを更新するようにしてもよい。
【0069】
タブ属性を変更する方法の一例を、図4(b)を参照して説明する。情報処理装置20において、タブ属性を変更するための特定の操作が行われると、情報処理装置20の表示部24に、図4(b)に示すタブ属性設定画面8が表示される。タブ属性設定画面8には、各タブがリストアップされ、タブ毎に、共有及びパーソナルのラジオボタンが表示される。ユーザは、何れかのラジオボタンを選択することで、タブの属性を任意に変更することができる。なお、図4(b)のタブ属性設定画面8またはこれに類する画面を画像処理装置10に表示させて画像処理装置10においてタブの属性を変更できるようにしてもよい。
【0070】
なお、図2に示す待機画面40は、第1タブ31~第4タブ34が全て共有属性である例を示している。一方、図6及び図7に示す待機画面40は、図4(a)のタブ設定テーブルに基づく待機画面、即ち、第1タブ31が共有属性であってそれ以外のタブは全てパーソナル属性である例を示している。図8の左に示す待機画面40は、第1タブ31及び第3タブ33が共有属性で他のタブは全てパーソナル属性である例を示している。図8の右下に示す待機画面40は、第1タブ31が共有属性であって他のタブは全てパーソナル属性である例を示している。
【0071】
また、画像処理装置10においては、ユーザモードが、一般モード又は個人モードに設定される。個人モードは、予め登録されているユーザ(以下、「登録ユーザ」と称する)のいずれかが所定のユーザ認証操作を行ってログインすることにより設定される。即ち、いずれかの登録ユーザがログインすることにより、その登録ユーザに対応した個人モードに設定される。一般モードは、いずれの登録ユーザもログインしていないユーザモードである。つまり、一般モードは、パスワード入力などの認証処理を要することなく全てのユーザが設定可能なユーザモードである。
【0072】
登録ユーザは、画像処理装置10において直接、或いは情報処理装置20などの外部の装置を介して間接的に、登録することができる。例えば、情報処理装置20には、図5に示すユーザ管理データテーブルが管理されている。ユーザ管理データテーブルには、登録ユーザが登録される。また、ユーザ管理データテーブルには、登録ユーザ毎に、個人ホームタブを登録することが可能である。情報処理装置20において登録ユーザの登録処理が行われると、その登録ユーザがユーザ管理データテーブルに追加される。さらに、その登録ユーザに対して個人ホームタブを任意に登録することができる。
【0073】
図5に示すユーザ管理データテーブルは、ユーザ01~ユーザ08の8ユーザが登録ユーザとして登録されていることを例示している。また、ユーザ01の個人ホームタブとして第1タブが登録され、ユーザ02の個人ホームタブとして第2タブが登録され、ユーザ03の個人ホームタブとして第3タブが登録され、ユーザ04の個人ホームタブとして第4タブが登録され、ユーザ05~ユーザ08の4ユーザはいずれも個人ホームタブが登録されていない例を示している。個人ホームタブは、共有及びパーソナルのいずれの属性のタブも登録可能である。
【0074】
登録ユーザのログインは、例えば、登録ユーザ固有のユーザ認証情報(例えばパスワード)が入力部14を介して入力されることを含む所定の認証処理が実行されることによって行われる。
【0075】
ユーザモードが一般モードか個人モードかによって、待機画面40に表示されるタブが異なる。さらに、個人モード時においても、どの登録ユーザがログインしているかによって、待機画面40に表示されるタブが異なる。
【0076】
待機画面40には、図2に示すように、ユーザ切替インタフェース45が表示される。ユーザ切替インタフェース45は、ユーザモードを切り替えるためにユーザに選択操作(例えばタップ操作)される画像である。
【0077】
ユーザ切替インタフェース45には、現在のユーザモードを示す情報が表示される。本実施形態では、ユーザモードが一般モードに設定されている場合は、ユーザ切替インタフェース45には、図2図6(a),図7図8に示すように、一般モードであることを示す「一般」というテキストが表示される。ユーザモードが個人モードに設定されている場合は、ユーザ切替インタフェース45には、図6(b)に例示するように、ログインユーザを示すテキストが表示される。
【0078】
ユーザ切替インタフェース45が選択操作されると、表示部13に、ユーザモードを選択するための不図示のユーザモード選択画面が表示される。ユーザモード選択画面には、選択肢として、一般モードと、各登録ユーザが表示される。そして、一般モードが選択されると、ユーザモードが一般モードに設定される。
【0079】
一般モードにおいては、待機画面40には、属性が共有のタブが表示され、そのうちいずれか1つのタブが選択状態にされる。一般モードにおいては、属性がパーソナルのタブは表示されない。
【0080】
そのため、例えば全てのタブの属性が共有である場合は、一般モード時の待機画面40には、図2に示すように、全てのタブ(但し同時に表示可能なタブは最大4つ)が表示される。また例えば、第1タブ31のみが共有属性である場合は、一般モード時の待機画面40には、図6(a)及び図7等に例示するように、第1タブ31が表示される。
【0081】
一方、ユーザモード選択画面において、いずれかの登録ユーザが選択されると、認証処理を行うための不図示の認証画面が表示される。この認証画面を介して、選択された登録ユーザに対応した正規のユーザ認証情報が入力されると、認証が成功、即ちログインし、ユーザモードが、選択された登録ユーザの個人モードに設定される。
【0082】
個人モードにおいては、ユーザ管理データテーブル(図5参照)から、対応する登録ユーザの個人ホームタブが取得され、その個人ホームタブが待機画面40に表示される。例えばユーザ03がログインした場合、待機画面40には、図6(b)に示すように、ユー
ザ03の個人ホームタブである第3タブ33が表示される。本実施形態では、個人モードにおいては、ログインユーザの個人ホームタブ以外のパーソナル属性のタブは表示されず、属性が共有のタブも、ログインユーザの個人ホームタブである場合を除き、表示されない。ただし、個人モード時において、ログインユーザの個人ホームタブに加えて、共有属性のタブも表示されてもよい。
【0083】
(5)NFCカードによる機能実行
次に、NFCカード7をかざしてカード起動ショートカットを実行させる場合の画面遷移例について説明する。
【0084】
各タブの属性が図4(a)のように設定されている場合において、ユーザモードが一般モードに設定されている場合、表示部13には、図6(a)に示す待機画面40が表示される。この場合、カード起動ショートカットが登録されている第3タブ33は表示されない。
【0085】
ここで、例えばカードIDが「12345678」のNFCカード7がかざされたことを想定する。この場合、このカードIDに対応したカード起動ショートカットは、一般モードで表示され得るいずれのタブにも登録されていない。即ち、このカードIDに対応したカード起動ショートカットは、現在表示されていない第3タブ33に登録されている、第19アイコン63に対応したショートカット機能である。そのため、このカードIDに対応したカード起動ショートカットは実行されず、表示部13に、図6(a)に示すアクセス権無し通知画面70が表示される。アクセス権無し通知画面70には、一般モード時に表示され得るタブにはNFCカード7に対応したカード起動ショートカットが登録されていないこと、換言すれば、該当するカード起動ショートカットへのアクセス権がなく実行させることができないこと、を示すメッセージ71が表示される。
【0086】
一方、例えばユーザ03がログインしてユーザモードが個人モードに設定されている場合、表示部13には、図6(b)に示す待機画面40が表示される。この場合、ユーザ03の個人ホームタブは第3タブ33であるため(図5参照)、待機画面40には、第3タブ33が表示され、他のタブは表示されない。そして、第3タブ33には、カードID「12345678」に対応したカード起動ショートカットが登録され、そのカード起動ショートカットに対応した第19アイコン63が含まれている。
【0087】
そのため、カードIDが「12345678」のNFCカード7がかざされると、対応するカード起動ショートカット、即ち第19アイコン63に対応したショートカット機能が、実行される。そして、そのカード起動ショートカットの実行中は、表示部13に、図6(b)に示す実行中画面73が表示される。実行中画面73は、ショートカット機能の実行中であることを示すメッセージを含む。
【0088】
このように、画像処理装置10にかざされたNFCカード7のカードIDに対応したカード起動ショートカットが一般属性のタブに登録されていない場合は、基本的には、そのカード起動ショートカットが登録されているタブを個人ホームタブとする登録ユーザがログインしている場合を除き、そのカード起動ショートカットは実行されない。
【0089】
ただし、本実施形態では、NFCカード7がかざされた場合に、対応するカード起動ショートカットがパーソナル属性のタブに登録されていて且つその登録されているタブを個人ホームタブとする登録ユーザがログインしていない場合であっても、特定の実行可能条件を満たしている場合は、そのカード起動ショートカットが実行される場合がある。
【0090】
特定の実行可能条件は、本実施形態では、例えば条件A及び条件Bが設定されている。
そして、条件A及び条件Bのうちの少なくとも一方を満たしていれば、特定の実行可能条件が成立していると判断される。
【0091】
条件Aは、カード起動ショートカットが、画像処理装置10とは別の装置へ情報を有線又は無線にて送信する処理を含まない機能であること、である。したがって、例えば第19アイコン63に対応したカード起動ショートカットのような、ファクス機能を含むカード起動ショートカットは、条件Aを満たさない。一方、例えば第17アイコン61に対応したカード起動ショートカットは、画像処理装置10において読み取った原稿の画像を画像処理装置10で印刷する機能であって、画像処理装置10の外部へ情報を送信する処理を含まないため、条件Aを満たす。
【0092】
条件Bは、カード起動ショートカットが、ワンタッチショートカット機能であること、である。したがって、第17アイコン61及び第19アイコン63に対応した各カード起動ショートカットは、いずれも通常ショートカット機能であるため、条件Bを満たさない。なお、第18アイコン62に対応したショートカット機能が仮にカード起動ショートカットである場合は、条件Bを満たすことになる。
【0093】
例えば図7に示すように、ユーザモードが一般モードに設定されていて、表示部13に、第1タブ31のみ表示されている場合に、カードIDが「87654321」のNFCカード7がかざされたとする。この場合、一般モード時に表示されるタブには当該カードIDが登録されたカード起動ショートカットが含まれていないため、基本的には、そのカードIDに対応したカード起動ショートカットは実行されない。しかし、そのカードIDに対応したカード起動ショートカット、即ち第17アイコン61に対応したカード起動ショートカットは、条件Aを満たす。そのため、表示部13に、図7に示すNFCカード起動確認画面75が表示される。
【0094】
NFCカード起動確認画面75は、カード起動ショートカットを実行してもよいか否かをユーザに問う画面である。NFCカード起動確認画面75には、確認メッセージ76と、OKボタン77と、NOボタン78とが表示される。
【0095】
確認メッセージ76の内容は、条件A及び条件Bのどちらを満たしたかに応じて異なる。つまり、確認メッセージ76の内容は、成立した条件に応じた内容となる。図7は、条件Aが成立したことに応じて、条件Aに対応した確認メッセージ76が表示されている例を示している。
【0096】
NFCカード起動確認画面75において、NOボタン78が選択操作されると、カード起動ショートカットは実行されない。一方、OKボタン77が選択操作されると、カード起動許可フラグがオンに設定され、表示部13に再び待機画面40が表示される。なお、カード起動許可フラグは、デフォルトでは全てオフに設定されており、実行可能条件が成立した場合にオンに設定される。
【0097】
その後、同じNFCカード7を再びかざすと、対応するカード起動ショートカットのカード起動許可フラグがオンに設定されていることによって、そのカード起動ショートカットが実行される。そして、実行中は、図7に示すように実行中画面80が表示される。
【0098】
カード起動許可フラグは、特定のタイミングで再びオフに設定されてもよいし、一度オンに設定されたら特定のフラグ初期化処理が行われない限り永続的にオンに維持されてもよい。カード起動許可フラグが特定のタイミングで再びオフに設定される場合、特定のタイミングはどのようなタイミングであってもよい。例えば、カード起動ショートカットが所定回数実行されるとオフに設定されてもよい。また例えば、オンに設定された後、一定
時間が経過した場合にオフに設定されてもよい。
【0099】
次に、カード起動ショートカットが登録されているタブの属性を共有からパーソナルに変更した場合の画面遷移例について、図8を参照して説明する。
まず、第1タブ31及び第3タブ33が共有属性に設定されていて、ユーザモードが一般モードに設定されている場合を想定する。この場合、図8の左に示すような、第1タブ31及び第3タブ33を含み、そのうちいずれか(図8では例えば第1タブ31)が選択状態にされた待機画面40が表示される。ここで、第3タブ33には、図3及び図6(b)に示すように、カード起動ショートカットが登録されている。
【0100】
この状態で、第3タブ33の属性が共有からパーソナルに変更された場合、その変更後、表示部13には、図8に示すパーソナル解除確認画面85が表示される。パーソナル解除確認画面85は、パーソナル属性に変更されたタブを再び共有属性に戻すか否かをユーザに問うための画面である。パーソナル解除確認画面85には、確認メッセージ86と、OKボタン87と、NOボタン88とが表示される。確認メッセージ86は、パーソナル属性に変更されたタブにカード起動ショートカットが登録されていることをユーザに知らせ、且つそのタブを再び共有属性に設定するか否かをユーザに問うためのメッセージである。
【0101】
パーソナル解除確認画面85において、NOボタン88が選択操作されると、パーソナル属性に変更されたタブがそのままパーソナル属性に維持される。そして、表示部13には、図8に右下に示す待機画面40、即ちただ1つの共有タブである第1タブ31のみが表示された待機画面40が表示される。一方、OKボタン87が選択操作されると、パーソナル属性に変更されたタブが共有属性に変更される。そして、表示部13には、図8の左に示すように、共有属性の2つのタブ31,33を含む待機画面40が表示される。
【0102】
(6)メイン処理
次に、制御部11が実行するメイン処理について、図9図11を参照して説明する。制御部11は(詳しくはCPUは)、起動後、所定の初期処理を実行した後、記憶部12に記憶されている図9図11のメイン処理のプログラムに従い、そのメイン処理を実行する。上述した各種の画面遷移は、制御部11がメイン処理を実行することによって実現される。
【0103】
制御部11は、メイン処理を開始すると、S110で、表示部13に待機画面40を表示させる。制御部11は、起動後、ユーザモードを一般モードに設定する。そのため、S110では、タブ設定テーブル(図4(a)参照)に基づき、一般モードに対応した待機画面40(例えば図6(a)参照)を表示させる。
【0104】
S120では、NFCカード7がかざされたか否かを判断する。NFCカード7がかざされると、NFCカード7と近距離無線通信部17との前述の無線通信が実行されることにより、制御部11は、NFCカード7がかざされたことを検出でき、且つNFCカード7からカードIDを取得することができる。
【0105】
NFCカード7がかざされていない場合は、S220に移行する。S220では、NFCカード7がかざされること以外の他のイベントが発生したか否か判断する。他のイベントには、例えば、アイコンが選択操作されること、タブが選択操作されること、未登録アイコンに対するショートカット機能の新規登録の要求操作が行われること、アイコンにカードIDを登録する要求操作が行われること、タブの属性を変更する要求操作が行われること、ユーザによるログイン又はログアウトの要求操作が行われること、各種設定値の変更要求操作が行われること、などが含まれる。
【0106】
他のイベントが発生していない場合は、S110に移行する。他のイベントが発生した場合は、S230で、その発生したイベントに応じた処理を実行する。例えば、アイコンが選択操作された場合は、そのアイコンに対応した機能を実行する。
【0107】
S240では、タブ設定変更確認処理を実行する。タブ設定変更確認処理の詳細は、図11に示す通りである。タブ設定変更確認処理に移行すると、S410で、S230の処理によって、タブ設定が変更されたか否か、換言すれば図4(a)に示すタブ設定変更テーブルの内容が変更されるような処理が行われたか否かを判断する。タブ設定が変更されていない場合は、S110(図9)に移行する。タブ設定が変更された場合は、S420に移行する。
【0108】
S420では、アイコンデータテーブル(図3参照)から、カード起動ショートカットを検索する。S430では、カード起動ショートカットが存在しているか否か判断する。カード起動ショートカットが存在していない場合は、S110(図9)に移行する。カード起動ショートカットが存在している場合は、S440に移行する。
【0109】
S440では、カード起動ショートカットが登録されているタブの属性が共有であるか否か判断し、共有である場合はS110(図9)に移行し、パーソナルである場合はS450に移行する。
【0110】
S450では、パーソナル警告処理を行う。具体的には、図8に例示したパーソナル解除確認画面85を表示させる。S460では、OKボタン87が選択操作されたか否か判断する。OKボタン87が選択操作されていない場合は、S480で、NOボタン88が選択操作されたか否か判断し、選択操作されていない場合はS450に移行し、選択操作された場合はS110(図9)に移行する。S460で、OKボタン87が選択操作された場合は、S470で、共有復帰処理を行う。具体的には、カード起動ショートカットが登録されているパーソナル属性のタブを、共有属性に設定する。S470の処理後は、S110(図9)に移行する。
【0111】
図9に戻り、S120で、NFCカード7がかざされたと判断した場合は、S130に移行する。S130では、かざされたNFCカード7のカードIDを、近距離無線通信部17を介して取得する。S140では、アイコンデータテーブルを参照して、取得したカードIDが登録されているカード起動ショートカットを検索する。
【0112】
S150では、該当するカード起動ショートカット、即ち取得したカードIDが登録されているショートカット機能が存在しているか否か判断する。該当するカード起動ショートカットが存在していない場合は、S160で、不図示の該当ショートカット無し通知画面を一定時間表示させた後、S110に移行する。該当ショートカット無し通知画面は、かざされたNFCカード7のカードIDに対応したカード起動ショートカットが存在していないことをユーザに認識させるための画面である。
【0113】
S150で、該当するカード起動ショートカットが存在している場合は、S170に移行する。S170では、該当するカード起動ショートカットの所属タブ、即ち該当するカード起動ショートカットが登録されているタブの属性、が共有であるか否か判断する。共有である場合は、S180で、そのカード起動ショートカットを実行する。実行中は、実行中画面(図6図7等参照)を表示させる。
【0114】
該当するカード起動ショートカットの所属タブがパーソナルである場合は、S190に移行する。S190では、該当するカード起動ショートカットの所属タブが、現在ログイ
ンしているログインユーザの個人ホームタブであるか否か判断する。ログインユーザの個人ホームタブである場合は、S180で、そのカード起動ショートカットを実行する。ログインユーザのホームタブではない場合は、S200に移行する。
【0115】
S200では、該当するカード起動ショートカットのカード起動許可フラグがオンに設定されているか否か判断する。カード起動許可フラグがオンに設定されている場合は、S180で、そのカード起動ショートカットを実行する。なお、カード起動許可フラグがオンに設定されていることによってカード起動ショートカットを実行した後の、そのカード起動許可フラグをオフに設定するタイミングについては、前述の通り、様々なタイミングが考えられる。
【0116】
S200で、カード起動許可フラグがオフに設定されている場合は、S210で、アクセス権無し対応処理を実行する。S210のアクセス権無し対応処理の詳細は、図10に示す通りである。アクセス権無し対応処理に移行すると、S310で、該当するカード起動ショートカットは特定の実行可能条件を満たすか否か判断する。具体的には、前述の条件A及び条件Bのうちの少なくとも一方を満たしているか否か判断する。特定の実行可能条件を満たしていない場合は、S320で、アクセス権無し通知画面70(図6参照)を一定時間表示させた後、S110に移行する。
【0117】
S310で、特定の実行可能条件を満たしている場合は、S330に移行する。S330では、NFCカード起動確認画面75(図7参照)を表示させる。S340では、OKボタン77が選択操作されたか否か判断する。OKボタン77が選択操作されていない場合は、S360で、NOボタン78が選択操作されたか否か判断し、選択操作されていない場合はS330に移行し、選択操作された場合はS110に移行する。
【0118】
S340で、OKボタン77が選択操作された場合は、S350で、該当するカード起動ショートカットのカード起動許可フラグをオンに変更し、S110に移行する。このフラグ変更により、次に再び同じNFCカード7がかざされたときは、S200で肯定判定されてカード起動ショートカットが実行される。
【0119】
(7)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
即ち、本実施形態の画像処理装置10では、登録されているカード起動ショートカットに対応したカードIDを有するNFCカード7がかざされても、そのカード起動ショートカットがパーソナル属性のタブに登録されている場合は、そのカード起動ショートカットは実行されない。そのため、カード起動ショートカットの実行を適切に制限することが可能となる。
【0120】
例えば、共有属性のタブにカード起動ショートカットが登録されている場合において、そのカード起動ショートカットの使用を制限するために、そのカード起動ショートカットが登録されているタブの属性をパーソナルに変更することによって、そのカード起動ショートカットの実行を、アイコン操作による実行及びNFCカード7による実行の双方で制限することが可能となる。
【0121】
また、本実施形態では、カード起動ショートカットがパーソナル属性のタブに登録されていても、そのタブが、ログイン中のユーザの個人ホームタブである場合は、そのカード起動ショートカットをNFCカード7をかざして実行させることができる。
【0122】
さらに、本実施形態では、カード起動ショートカットがパーソナル属性のタブに登録されていても、特定の実行可能条件を満たしている場合は実行される。そのため、カード起
動ショートカットを、そのカード起動ショートカットの内容に応じて適切に制限することができる。
【0123】
なお、本実施形態において、画像処理装置10は機能実行装置の一例に相当する。近距離無線通信部17は通信部の一例に相当する。NFCカード7は無線通信装置の一例に相当する。カードIDは装置ID及びオブジェクトIDの一例に相当する。NFCカード7から取得したカードIDとカード起動ショートカットに登録されているカードIDとが一致することは、特定の対応関係にあることの一例に相当する。各ショートカット機能に対応した各ショートカットアイコンは機能オブジェクトの一例に相当する。通常ショートカット機能に対応したショートカットアイコンは第1種オブジェクトの一例に相当し、ワンタッチショートカット機能に対応したショートカットアイコンは第2種オブジェクトの一例に相当する。NFCカード起動確認画面75(図7)は実行確認画面の一例に相当する。パーソナル解除確認画面85(図8)は設定確認画面の一例に相当する。パーソナル解除確認画面85においてOKボタン87を選択操作することは共有変更要求の一例に相当する。
【0124】
また、S110の処理は一般モード表示処理及び個人モード表示処理の一例に相当する。S130の処理は装置ID取得処理の一例に相当する。S180の処理は第2の機能実行処理の一例に相当する。S230の処理は、第1の機能実行処理、ログイン受付処理、個人ホームタブ設定処理及び属性設定処理の一例に相当する。S320の処理は報知処理の一例に相当する。S450の処理は設定確認表示処理の一例に相当する。S460の処理は共有変更受付処理の一例に相当する。S470の処理は属性変更処理の一例に相当する。
【0125】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0126】
(1)上記実施形態では、ショートカット機能に対してカードIDを登録可能であったが、ショートカット機能以外の他の機能に対してもカードIDを登録してNFCカード7から起動させることができるようにしてもよい。
【0127】
(2)メイン処理において、カード起動許可フラグを使用した処理を省いても良い。具体的には、図10のアクセス権無し対応処理において、S340でOKボタン77が選択操作された場合は、S180に移行してカード起動ショートカットを実行してもよい。
【0128】
また、S310で、該当するカード起動ショートカットが特定の実行可能条件を満たすと判断された場合は、S330移行の処理を行うことなくS180でカード起動ショートカットを実行してもよい。
【0129】
(3)S240のタブ設定変更確認処理に類する処理を、タブの設定変更が行われた後ではなく、タブの設定変更の操作が行われている過程で実行するようにしてもよい。例えば、タブの属性を共有からパーソナルに変更する操作が行われた場合、実際に属性を変更する前に、属性をパーソナルに変更してもよいか否かをユーザに問う画面を表示してもよい。その際、属性をパーソナルに変更しようとしているタブにはカード起動ショートカットが登録されていること、及びそのカード起動ショートカットに関する情報を表示してもよい。そしてその画面に対してパーソナルに変更してもよいことを示す操作が行われた場合に、属性をパーソナルに変更するようにしてもよい。
【0130】
(4)図11のS440で、カード起動ショートカットが登録されているタブの属性が
共有ではない(即ちパーソナルである)と判断された場合、例えば次のような処理を行っても良い。即ち、パーソナル属性のタブにカード起動ショートカットが登録されていることを示す情報を表示すると共に、そのカード起動ショートカットを削除してよいか否かをユーザに問う画面を表示してもよい。そして、削除してよいことを示す操作が行われた場合、そのカード起動ショートカットの登録を削除してもよい。
【0131】
(5)上記実施形態では、NFCカード7がかざされたとき、NFCカード7から取得したカードIDと一致するカードIDが登録されているカード起動ショートカットが実行されたが、NFCカード7からの起動を可能とするためにカード起動ショートカットに登録される情報は、カードIDそのものでなくてもよい。例えば、ショートカット機能に固有のオブジェクトIDを登録すると共に、そのオブジェクトIDと特定のカードIDとを紐付けておいてもよい。そして、NFCカード7がかざされた場合、そのNFCカード7から取得したカードIDが、オブジェクトIDに紐付けられたカードIDである場合に、そのオブジェクトIDが登録されているカード起動ショートカットを実行してもよい。
【0132】
(6)本開示は、図1に示した画像処理装置10への適用に限定されない。本開示は、無線通信機能を備え、種々の機能を実行可能に構成されたあらゆる機能実行装置において適用可能である。
【0133】
また、本開示の機能実行装置が無線通信可能な無線通信装置は、上記実施形態に示したNFCカード7に限定されない。本開示の機能実行装置は、特定の装置IDを有する各種の無線通信装置と無線通信可能であってもよい。また、無線通信装置との通信方式はNFCに限定されない。
【0134】
(7)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…情報処理システム、7…NFCカード、7a…アンテナ、7b…通信回路、7c…記憶部、10…画像処理装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…入力部、17…近距離無線通信部、20…情報処理装置、31…第1タブ、32…第2タブ、33…第3タブ、34…第4タブ、40…待機画面、50…第1タブ画面、51…第1アイコン、52…第2アイコン、53…第3アイコン、54…第4アイコン、55…第5アイコン、56…第6アイコン、57…第7アイコン、58…第8アイコン、60…第3タブ画面、61…第17アイコン、62…第18アイコン、63…第19アイコン、64…第20アイコン、65…第21アイコン、66…第22アイコン、67…第23アイコン、68…第24アイコン、70…アクセス権無し通知画面、75…NFCカード起動確認画面、85…パーソナル解除確認画面。
図1
図2
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図10
図11