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特許7392918センサレスブラシ付き直流モータ制御システムにおけるモータ位置、慣性、および静止位置を計算するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】センサレスブラシ付き直流モータ制御システムにおけるモータ位置、慣性、および静止位置を計算するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 7/29 20160101AFI20231129BHJP
   B60N 2/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H02P7/29 D
H02P7/29 E
H02P7/29 G
B60N2/02
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017074059
(22)【出願日】2017-04-03
(65)【公開番号】P2017189102
(43)【公開日】2017-10-12
【審査請求日】2019-11-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】62/317,048
(32)【優先日】2016-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/474,580
(32)【優先日】2017-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515024564
【氏名又は名称】ゲンサーム インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ジョルダン
(72)【発明者】
【氏名】デュスコ ペトロウスキ
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】五十嵐 康弘
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-205377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに供給される電流を測定するモータ駆動モジュールと、
前記モータへの電力供給が停止される第1の時刻における前記モータの第1位置を、前記第1の時刻の前の第1期間中に前記モータに供給される前記電流内のリップルに基づいて決定する段階と、
前記モータへの電力供給が停止された後に前記モータが回転を停止する第2の時刻における前記モータの第2位置を、前記モータの前記第1位置、および、前記第1の時刻および前記第2の時刻の間の第2期間中における、前記モータの回転速度に基づいて、決定する段階と、
前記第1の時刻における前記モータの前記回転速度、および、前記モータの前記回転速度の減衰係数に基づいて、前記第1の時刻および前記第2の時刻の間の第2期間中における、前記モータの前記回転速度を決定する段階と、
を実行する、モータ位置決定モジュールと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記モータ位置決定モジュールは、前記第1期間中に測定される前記モータのリップル周波数と、前記第1の時刻に前記モータへ供給される第1電圧での前記モータの基準リップル周波数との差に基づいて、前記減衰係数を決定し、前記モータに基準負荷がかかっているときの前記第1電圧における前記基準リップル周波数が予め定められている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
モータに供給される電流を測定するモータ駆動モジュールと、
前記モータへの電力供給が停止される予定の第1の時刻における前記モータの第1位置を決定する段階と、
前記第1の時刻における前記モータの第1位置と、前記第1の時刻における前記モータの回転速度と、前記モータの前記回転速度の減衰係数と、に基づいて、前記モータへの電力供給が停止した後に前記モータの回転が停止する第2の時刻における前記モータの第2位置を予測する段階であって、前記予測は、前記モータへの電力供給が停止される第1の時刻よりも早い第3の時刻に行われる段階と、
を実行する、モータ位置決定モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項4】
前記モータの前記第2位置、および、目標位置に基づいて、前記モータへの電力供給を前記第1の時刻に停止するか否かを決定する目標モータ停止位置モジュールを更に備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2位置が、前記目標位置に等しいこと、および、前記目標位置の所定範囲内にあることのうち1つを満たすとき、前記モータへの電力供給を前記第1の時刻に停止するモータ制御モジュールを更に備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記モータ位置決定モジュールは、
前記モータへの電力供給が停止される前記第1の時刻と、前記モータへの電力供給が停止された後に前記モータの回転が停止する前記第2の時刻との間の第2期間中に前記モータが回転する距離を決定する段階と、
前記第1の時刻における前記モータの前記位置、および、前記第1の時刻と前記第2の時刻との間の前記第2期間中の前記モータの回転距離に基づいて、前記第2の時刻における前記モータの前記第2位置を予測する段階と
を実行する、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記モータ位置決定モジュールは、前記第1の時刻および前記第2の時刻の間の前記第2期間における前記モータの前記回転距離を、前記第2期間中の前記モータの前記回転速度、および、前記第2期間の長さに基づいて決定する、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記モータ位置決定モジュールは、前記第1の時刻および前記第2の時刻の間の前記第2期間中の前記モータの前記回転速度を、前記第1の時刻より前の第1期間中に前記モータに供給される前記電流内のリップル周波数に基づいて決定する、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
システムであって、
第1スイッチを閉じて、電流がモータを第1流れ方向に流れることを可能にすることにより、前記モータを第1回転方向に回転させる段階と、
第2スイッチを閉じて、電流が前記モータを第2流れ方向に流れることを可能にすることにより、前記モータを第2回転方向に回転させる段階と、
を実行する、モータ制御モジュールと、
前記第1流れ方向を流れる第1電流量を制御する第1モータ駆動モジュールと、
前記第2流れ方向を流れる第2電流量を制御する第2モータ駆動モジュールと、
を備え、
前記モータ制御モジュールは、前記モータへの電力供給が停止された後に、前記モータが前記第1回転方向および前記第2回転方向のうちいずれか1つの方向に回転を続けるとき、電流が第1モータ駆動モジュールおよび第2モータ駆動モジュールの両方を循環するように、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを制御し、
前記第1および前記第2モータ駆動モジュールの少なくとも1つは、
前記モータに供給される電流を測定し、
前記モータへの電力供給が停止された後に前記モータによって誘導される電流を測定し、
前記システムは、
前記モータに供給される電流内のリップルに基づいて、前記モータに電力が供給されるときの前記モータの位置を決定し、
前記モータに誘導される電流内のリップルに基づいて、前記モータへの電力供給が停止された後の前記モータの位置を決定する、モータ位置決定モジュールをさらに備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年4月1日に申請された米国仮特許出願第62/317,048号の利益を主張するものである。上述の出願の開示全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、モータ制御システムに関し、より具体的には、センサレスブラシ付き直流モータ制御システムにおけるモータ位置、慣性、および、静止位置を計算するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に提供されている、背景技術についての記載は、開示の一般的な文脈を提示することを目的としている。この背景技術の項で説明される程度において、現在名を連ねている発明者らの研究は、および、申請時における従来技術として認定されないであろう説明の複数の態様は、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められるものではない。
【0004】
ブラシ付き直流モータは、自動車、航空機、または他の用途において、シート、ミラー、または他のコンポーネントの位置を調整することに使用されてきた。例えば、シートモータは、シートアセンブリを前後上下に動かすことに使用されている。シートモータはまた、シートアセンブリのシート部に対する、背もたれ部の角度位置または傾斜を調整することに使用されている。
【0005】
いくつかのシート位置調整システムは、車両の運転者および/または乗客のためのシート位置を保存する。保存済みシート位置の各々は、シートアセンブリ、ドア、または他の場所に配置されているリコールボタン(recall button)に関連付けられ得る。あるいは、シート位置は、キーフォブに関連付けられ得る。リコールボタンの1つが押されるとき、または、キーフォブが車両の近くにあるとき、シートアセンブリは、シートアセンブリを対応する保存済みシート位置へ自動的に動かす。シートアセンブリを正確な位置へ戻すべく、シート位置調整システムは、シートアセンブリに関連するモータ各々の現在位置および目標位置を知る必要がある。
【0006】
いくつかの用途において、モータの位置を検知するのにホール効果センサが使用されている。しかしながら、モータの各々は、対応するホール効果センサ、および配線を必要とする。一部のシートアセンブリは、最大14個のモータを有し得る。したがって、ホール効果センサおよび配線は、シートアセンブリのコンポーネントが比較的高価になることを意味し得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示による第1システムは、モータ駆動モジュールおよびモータ位置判定モジュールを有する。モータ駆動モジュールは、モータに供給される電流を測定するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、モータへの電力供給が初めて中断される第1の時間におけるモータの第1位置を、当該第1の時間の前の第1期間中にモータに供給される電流内のリップルに基づいて判定するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、モータへの電力供給が中断された後にモータの回転が停止する第2の時間におけるモータの第2位置を、モータの第1位置、および、第1の時間におけるモータの回転速度に基づいて判定するように構成されている。
【0008】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、モータの第1位置、および、第1の時間と第2の時間との間の第2期間中にモータが回転する距離に基づいて、モータの第2位置を判定するように構成されている。
【0009】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第2期間中のモータの回転速度および第2期間の長さに基づいて、第2期間中のモータの回転距離を判定するように構成されている。
【0010】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第1の時間におけるモータの回転速度および減衰係数に基づいて、第2期間中のモータの回転速度を判定するように構成されている。
【0011】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第1の時間にモータに供給される第1電圧に基づいて、減衰係数を判定するように構成されている。
【0012】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第1の時間にモータへ供給される第1電圧で、第1期間中に測定される、モータへ供給される電流内のリップルの周波数と、第1電圧に対応する、モータの基準リップル周波数との間の差に基づいて、減衰係数を判定するように構成されている。
【0013】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、モータの第1位置、および、モータへの電力供給が初めて中断されるときの第1の時間におけるモータの回転速度に基づいて、第3の時間におけるモータの第2位置を予測するように構成されている。第3の時間は、モータの回転が停止する第2の時間より早い。
【0014】
一態様において、第3の時間は、第1の時間に等しい。
【0015】
一態様において、第1システムは更に、第2位置および目標位置に基づいて、いつモータへの電力供給を中断するか判定するように構成されている、目標モータ停止位置モジュールを有する。
【0016】
一態様において、第1システムは更に、第2位置が、目標位置に等しいこと、および、目標位置の所定の範囲内にあることのうち、1つを満たすときに、モータへの電力供給を中断するように構成されているモータ制御モジュールを有する。
【0017】
本開示による第2システムは、モータ駆動モジュールおよびモータ位置判定モジュールを有する。モータ駆動モジュールは、モータへ供給される電流を測定し、モータへの電力供給が中断された後でモータによって誘導される電流を測定するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、モータに供給される電流内のリップルに基づいて、モータに電力が供給されるときの、モータの位置を判定するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、モータによって誘導される電流内のリップルに基づいて、モータへの電力供給が中断された後のモータの位置を判定するように構成されている。
【0018】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、モータへの電力供給が初めて中断される第1の時間における、モータの第1位置を、第1の時間の前の第1期間中にモータへ供給される電流内のリップルに基づいて判定するように構成されている。
【0019】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、モータへの電力供給が中断された後の第2の時間における、モータの第2位置を、第1の時間と第2の時間との間の第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルに基づいて判定するように構成されている。
【0020】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルに基づいて、第2の時間におけるモータの第2位置を判定するように構成されている。
【0021】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第2期間中にモータが回転する距離を判定することと、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第2期間中のモータの回転距離に基づいて、第2の時間におけるモータの第2位置を判定することとを行うように構成されている。
【0022】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第2期間中のモータの回転速度および第2期間の長さに基づいて、第2期間中のモータの回転距離を判定するように構成されている。
【0023】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルの周波数に基づいて、第2期間中のモータの回転速度を判定するように構成されている。
【0024】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、モータによって誘導される電流内のリップルの数に基づいて、モータへの電力供給が中断された後のモータの位置を判定するように構成されている。
【0025】
一態様において、第2システムは更に、第1スイッチを閉じて、電流がモータを第1流れ方向に流れることを可能にすることにより、第1回転方向にモータを回転させるように構成され、第2スイッチを閉じて、電流がモータを第2流れ方向に流れることを可能にすることにより、第2回転方向にモータを回転させるように構成されたモータ制御モジュールを有する。
【0026】
一態様において、第2システムは更に、第1流れ方向に流れる第1電流量を制御するように構成された第1モータ駆動モジュール、および、第2流れ方向に流れる第2電流量を制御するように構成された第2モータ駆動モジュールを有する。モータ制御モジュールは、モータへの電力供給が中断された後、モータが第1回転方向および第2回転方向のいずれか1つの方向に回転し続けるときに、電流が第1および第2モータ駆動モジュールの両方を通って循環するように、第1および第2スイッチを制御するように構成されている。第1および第2モータ駆動モジュールのうち少なくとも1つは、モータによって誘導される電流を測定するように構成されている。
【0027】
本開示の原理による第3システムは、モータ制御モジュール、モータ位置判定モジュール、および、目標モータ停止位置モジュールを有する。モータ制御モジュールは、モータを現在位置から目標位置へ回転させるべく、シートアセンブリのモータに電力を供給するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、モータへ供給される電流内のリップルに基づいて、モータの回転速度を判定するように、および、モータの回転速度およびシートアセンブリの質量に基づいて、シートアセンブリの慣性を判定するように構成されている。目標モータ停止位置モジュールは、モータの目標位置およびシートアセンブリの慣性に基づいて、モータへの電力供給をいつ中断するか判定するように構成されている。
【0028】
一態様において、目標モータ停止位置モジュールは、モータが回転する方向に基づいて、モータへの電力供給をいつ中断するか判定するように構成されている。
【0029】
一態様において、目標モータ停止位置モジュールは、シートアセンブリの慣性、および、モータが回転する方向に基づいて、目標位置の周囲のインポジション領域を判定するように構成され、モータ制御モジュールは、モータの現在位置がインポジション領域内となる前の第1の時間と、モータの現在位置が初めてインポジション領域内となる第2の時間のうちの1つの時間において、モータへの電力供給を中断するように構成されている。
【0030】
一態様において、目標モータ停止位置モジュールは、固定間隔でインポジション領域を判定するように構成され、間隔の間の第1期間は、モータに供給される電流内の連続するリップルの間の第2期間より大きい。
【0031】
一態様において、目標モータ停止位置モジュールは、シートアセンブリの慣性に基づいて、インポジション領域幅を判定し、モータが回転する方向に基づいてバンドバイアスを判定し、インポジション領域幅およびバンドバイアスに基づいて目標モータ停止位置を判定するように構成されている。モータ制御モジュールは、モータの現在位置が目標モータ停止位置に到達するときに、モータへの電力供給を中断するように構成されている。
【0032】
一態様において、モータ制御モジュールは、最小モータオン時間に等しいか、それより大きい第1期間にわたって、モータに電力を供給するように構成されている。
【0033】
一態様において、モータ制御モジュールは、モータに供給される電流の振幅、および、モータに供給される電流内のリップルの数のうち、少なくとも1つに基づいて、最小モータオン時間を判定するように構成されている。
【0034】
一態様において、モータ制御モジュールは、モータが第1位置にある第1の時間に、モータへの電力供給を中断するように構成されている。モータ位置判定モジュールは、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性に基づいて、モータへの電力供給が中断された後にモータの回転が停止する第2の時間におけるモータの第2位置を判定するように構成されている。
【0035】
一態様において、第3の時間におけるモータ位置判定モジュールは、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性に基づいて、モータの第2位置を予測するように構成されている。第3の時間は、モータが回転を停止する第2の時間より早い。
【0036】
一態様において、モータ位置判定モジュールは、第1の時間の前の第1期間中に測定される、モータに供給される電流内のリップルの周波数の間の差と、第1の時間においてモータに供給される第1電圧と、第1電圧に対応するモータの基準リップル周波数とに基づいて、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性を判定するように構成されている。
【0037】
一態様において、第3システムは更に、モータの回転速度、モータの位置、モータへ供給される電圧、および、モータへ供給される電流内のリップルの数のうち少なくとも1つに基づいて、モータが失速するときを判定するように構成されたモータ失速検出モジュールを有する。モータ制御モジュールは、モータが失速するときにモータへの電力供給を中断するように構成されている。
【0038】
本開示による第4システムは、モータ制御モジュールおよび搭乗者重量区分モジュールを有する。モータ制御モジュールは、シートが非着席状態のとき、シートを第1位置から第2位置へ第1方向に動かすべく、モータに電力を供給するように、および、搭乗者がシートにいるときに、シートを第3位置から第4位置へ第2方向に動かすように、モータに電力を供給するように構成されている。搭乗者重量区分モジュールは、シートが第1位置から第2位置へ動かされるときに、モータに供給される電流内のリップルの第1周波数を測定し、シートが第3位置から第4位置へ動かされるときに、モータに供給される電流内のリップルの第2周波数を測定し、第1および第2周波数に基づいて、搭乗者の重量を判定するように構成されている。
【0039】
一態様において、第1位置および第2位置の間の第1距離は、第3位置および第4位置の間の第2距離に等しい。
【0040】
一態様において、第2方向は、第1方向と同一である。
【0041】
一態様において、第3位置は、第1位置と同一であり、第4位置は、第2位置と同一である。
【0042】
一態様において、第3位置は、第2位置と同一であり、第4位置は、第1位置と同一である。
【0043】
一態様において、搭乗者重量区分モジュールは、シートベルトラッチセンサ、ドアラッチセンサ、および、シートの画像を生成するように動作できるカメラのうち、少なくとも1つからの入力に基づいて、シートが着席状態かどうか判定するように構成されている。
【0044】
本開示による第5システムは、モータ制御モジュールおよび搭乗者重量区分モジュールを有する。モータ制御モジュールは、シートが非着席状態である第1期間にわたって、第1方向にシートを動かすべく、モータに電力を供給するように、および、搭乗者がシートにいる第2期間にわたって、第2方向にシートを動かすべく、モータに電力を供給するように構成されている。搭乗者重量区分モジュールは、第1期間中にモータに供給される電流内の第1リップル数を測定し、第2期間中にモータに供給される電流内の第2リップル数を測定し、第1リップル数および第2リップル数に基づいて、搭乗者の重量を判定するように構成されている。
【0045】
一態様において、第2期間は、第1期間に等しい。
【0046】
一態様において、第2方向は、第1方向と同一である。
【0047】
一態様において、搭乗者重量区分モジュールは、シートベルトラッチセンサ、ドアラッチセンサ、および、シートの画像を生成するように動作できるカメラのうち少なくとも1つからの入力に基づいて、シートが着席状態かどうか判定するように構成されている。
【0048】
本開示による第1の方法は、モータに供給される電流を測定する段階と、モータへの電力供給が初めて中断される第1の時間におけるモータの第1位置を、第1の時間の前の第1期間中にモータに供給される電流内のリップルに基づいて判定する段階とを含む。方法は更に、モータへの電力供給が中断された後にモータの回転が停止する第2の時間におけるモータの第2位置を、モータの第1位置および第1の時間におけるモータの回転速度に基づいて判定する段階を含む。
【0049】
一態様において、第1の方法は更に、モータの第1位置、および、第1の時間および第2の時間の間の第2期間中にモータが回転する距離に基づいて、モータの第2位置を判定する段階を含む。
【0050】
一態様において、第1の方法は更に、第2期間中のモータの回転速度、および、第2期間の長さに基づいて、第2期間のモータの回転距離を判定する段階を含む。
【0051】
一態様において、第1の方法は更に、第1の時間におけるモータの回転速度および減衰係数に基づいて、第2期間中のモータの回転速度を判定する段階を含む。
【0052】
一態様において、第1の方法は更に、第1の時間においてモータに供給される第1電圧に基づいて減衰係数を判定する段階を含む。
【0053】
一態様において、第1の方法は更に、第1期間中に測定される、モータに供給される電流内のリップルの周波数の間の差と、第1の時間においてモータに供給される第1電圧と、第1電圧に対応する、モータの基準リップル周波数とに基づいて、減衰係数を判定する段階を含む。
【0054】
一態様において、第1の方法は更に、モータの第1位置、および、モータへの電力供給が初めて中断される第1の時間におけるモータの回転速度に基づいて、第3の時間におけるモータの第2位置を予測する段階を含む。第3の時間は、モータの回転が停止する第2の時間より早い。
【0055】
一態様において、第3の時間は、第1の時間に等しい。
【0056】
一態様において、第1の方法は更に、第2位置および目標位置に基づいて、モータへの電力供給をいつ中断するか判定する段階を含む。
【0057】
一態様において、第1の方法は更に、第2位置が、目標位置に等しいこと、および、目標位置の所定範囲内にあることのうち1つを満たすときに、モータへの電力供給を中断する段階を含む。
【0058】
本開示による第2の方法は、モータに供給される電流を測定する段階と、電力がモータへ供給されるときのモータの位置を、モータに供給される電流内のリップルに基づいて判定する段階と、モータへの電力供給が中断された後でモータによって誘導される電流を測定する段階と、モータによって誘導される電流内のリップルに基づいて、モータへの電力供給が中断された後のモータの位置を判定する段階とを含む。
【0059】
一態様において、第2の方法は更に、モータへの電力供給が初めて中断される第1の時間におけるモータの第1位置を、第1の時間の前の第1期間中にモータに供給される電流内のリップルに基づいて判定する段階を含む。
【0060】
一態様において、第2の方法は更に、モータへの電力供給が中断された後の第2の時間におけるモータの第2位置を、第1の時間および第2の時間の間の第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルに基づいて判定する段階を含む。
【0061】
一態様において、第2の方法は更に、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルに基づいて、第2の時間におけるモータの第2位置を判定する段階を含む。
【0062】
一態様において、第2の方法は更に、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第2期間中のモータの回転距離に基づいて、第2期間中にモータが回転する距離を判定する段階と、第2の時間にけるモータの第2位置を判定する段階とを含む。
【0063】
一態様において、第2の方法は更に、第2期間中のモータの回転速度、および、第2期間の長さに基づいて、第2期間中のモータの回転距離を判定する段階を含む。
【0064】
一態様において、第2の方法は更に、第2期間中にモータによって誘導される電流内のリップルの周波数に基づいて、第2期間中のモータの回転速度を判定する段階を含む。
【0065】
一態様において、第2の方法は更に、モータによって誘導される電流内のリップルの数に基づいて、モータへの電力供給が中断された後のモータの位置を判定する段階を含む。
【0066】
一態様において、第2の方法は更に、第1スイッチを閉じて、電流がモータを第1流れ方向へ流れることを可能にすることにより、第1回転方向にモータを回転させる段階と、第2スイッチを閉じて、電流がモータを第2流れ方向に流れることを可能にすることにより、第2回転方向にモータを回転させる段階を含む。
【0067】
一態様において、第2の方法は更に、第1モータ駆動モジュールを使用して、第1流れ方向に流れる第1電流量を制御する段階と、第2モータ駆動モジュールを使用して、第2流れ方向に流れる第2電流量を制御する段階と、モータへの電力供給が中断した後に第1回転方向および第2回転方向のうちいずれか1つ方向にモータが回転を続けるときに、第1および第2モータ駆動モジュールの両方を電流が循環するように、第1および第2スイッチを制御する段階と、第1および第2モータ駆動モジュールのうち少なくとも1つを使用して、モータによって誘導される電流を測定する段階とを含む。
【0068】
本開示による第3の方法は、現在位置から目標位置へモータを回転させるべく、シートアセンブリのモータへ電力を供給する段階と、モータへ供給される電流内のリップルに基づいてモータの回転速度を判定する段階と、モータの回転速度およびシートアセンブリの質量に基づいてシートアセンブリの慣性を判定する段階と、モータの目標位置およびシートアセンブリの慣性に基づいてモータへの電力供給をいつ中断するか判定する段階とを含む。
【0069】
一態様において、第3の方法は更に、モータが回転する方向に基づいて、モータへの電力供給をいつ中断するか判定する段階を含む。
【0070】
一態様において、第3の方法は更に、シートアセンブリの慣性、および、モータが回転している方向に基づいて、目標位置の周囲のインポジション領域を判定する段階と、モータの現在位置がインポジション領域内となる前の第1の時間と、モータの現在位置が初めてインポジション領域内となる第2の時間のうちの1つの時間において、モータへの電力供給を中断する段階とを含む。
【0071】
一態様において、第3の方法は更に、固定間隔でインポジション領域を判定する段階を含む。間隔の間の第1期間は、モータに供給される電流内の連続するリップルの間の第2期間より大きい。
【0072】
一態様において、第3の方法は更に、シートアセンブリの慣性に基づいて、インポジション領域の幅を判定する段階と、モータが回転している方向に基づいて、バンドバイアスを判定する段階と、インポジション領域の幅およびバンドバイアスに基づいて、目標モータ停止位置を判定する段階と、モータの現在位置が目標モータ停止位置に到達したときにモータへの電力供給を中断する段階とを含む。
【0073】
一態様において、第3の方法は更に、最小モータオン時間に等しいか、それより大きい第1期間にわたって、モータに電力を供給する段階を含む。
【0074】
一態様において、第3の方法は更に、モータに供給される電流の振幅、および、モータに供給される電流内のリップル数のうち少なくとも1つに基づいて、最小モータオン時間を判定する段階を含む。
【0075】
一態様において、第3の方法は更に、モータが第1位置にある第1の時間においてモータへの電力供給を中断する段階と、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性に基づいて、モータへの電力供給が中断された後にモータが回転を停止する第2の時間におけるモータの第2位置を判定する段階とを含む。
【0076】
一態様において、第3の方法は更に、第1の時間におけるモータの第1位置、および、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性に基づいて、第3の時間におけるモータの第2位置を予測する段階を含む。第3の時間は、モータが回転を停止する第2の時間より早い。
【0077】
一態様において、第3の方法は更に、第1の時間の前の第1期間中に測定される、モータへ供給される電流内のリップルの周波数の間の差と、第1の時間においてモータに供給される第1電圧と、第1電圧に対応するモータの基準リップル周波数とに基づいて、第1の時間におけるシートアセンブリの慣性を判定する段階を含む。
【0078】
一態様において、第3の方法は更に、モータの回転速度、モータの位置、モータに供給される電圧、モータに供給される電流内のリップルの数のうち少なくとも1つに基づいて、モータがいつ失速するか判定する段階と、モータの失速時にモータへの電力供給を中断する段階とを含む。
【0079】
本開示による第4の方法は、シートが非着席状態のときにシートを第1位置から第2位置へ第1方向に動かすべく、モータに電力を供給する段階と、シートが第1位置から第2位置へ動かされるときに、モータに供給される電流内のリップルの第1周波数を測定する段階とを含む。第4の方法は更に、搭乗者がシートにいるときにシートを第3位置から第4位置へ第2方向に動かすべく、モータに電力を供給する段階と、シートが第3位置から第4位置へ動かされるときにモータに供給電流内のリップルの第2周波数を測定する段階とを含む。第4の方法は更に、第1および第2周波数に基づいて、搭乗者の重量を判定する段階を含む。
【0080】
一態様において、第1位置および第2位置の間の第1距離は、第3位置および第4位置の間の第2距離に等しい。
【0081】
一態様において、第2方向は、第1方向と同一である。
【0082】
一態様において、第3位置は、第1位置と同一であり、第4位置は、第2位置と同一である。
【0083】
一態様において、第3位置は、第2位置と同一であり、第4位置は、第1位置と同一である。
【0084】
一態様において、第4の方法は更に、シートベルトラッチセンサ、ドアラッチセンサ、および、シートの画像を生成するように動作できるカメラのうち少なくとも1つからの入力に基づいて、シートが着席状態かどうか判定する段階を含む。
【0085】
本開示による第5の方法は、シートが非着席状態のときに、第1期間にわたって第1方向にシートを動かすべく、モータに電力を供給する段階と、第1期間中にモータに供給される電流内の第1リップル数を測定する段階とを含む。第5の方法は更に、搭乗者がシートにいるときに、第2期間にわたって第2方向へシートを動かすべく、モータへの電力を供給する段階と、第2期間中にモータへ供給される電流内の第2リップル数を測定する段階とを含む。第5の方法は更に、第1リップル数および第2リップル数に基づいて、搭乗者の重量を判定する段階を含む。
【0086】
一態様において、第2期間は、第1期間に等しい。
【0087】
一態様において、第2方向は、第1方向と同一である。
【0088】
一態様において、第5の方法は更に、シートベルトラッチセンサ、ドアラッチセンサ、および、シートの画像を生成するように動作できるカメラのうち少なくとも1つからの入力に基づいて、シートが着席状態かどうか判定する段階を含む。
【0089】
本開示の更なる適用分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および添付図面から明らかになるであろう。詳細な説明および具体的な例は、専ら説明を意図しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
本開示は、詳細な説明、および、添付の図面より、完全に理解できるであろう。
【0091】
図1】本開示によるシートアセンブリの例の側面図である。
【0092】
図2】本開示によるシート位置調整システムの例の機能ブロック図である。
【0093】
図3A】本開示によるシート制御モジュールの例の機能ブロック図である。
図3B】本開示によるモータ位置判定モジュールの例の機能ブロック図である。
【0094】
図4】本開示によるモータ、モータ駆動モジュール、およびモータスイッチの例の機能ブロック図および電気回路図である。
【0095】
図5A】本開示による、第1方向に移動中の電流の流れを図示する。
図5B】本開示による、第2方向に移動中の電流の流れを図示する。
図5C】本開示による、停止フェーズの電流の流れを図示する。
【0096】
図5D】モータスイッチの切り替えのための制御信号の例を図示する。
【0097】
図6A】モータの始動期および稼働フェーズにおける、時間の関数としてのモータ電流の例を図示するグラフである。
【0098】
図6B】モータ電流におけるリップルの識別の例を図示するグラフである。
【0099】
図6C】モータの稼働フェーズおよび停止フェーズにおける、時間の関数としてのモータ電流の例を図示するグラフである。
【0100】
図6D】本開示による、モータの動作電圧範囲にわたる基準リップル周波数曲線の例を図示するグラフである。
【0101】
図7】本開示による、慣性を測定するための方法の例を図示するフローチャートである。
【0102】
図8】本開示による、慣性に起因するモータオーバーランに基づいてモータ静止位置を判定するための方法の例を図示するフローチャートである。
【0103】
図9A】本開示によるインポジション領域の例を図示する。
【0104】
図9B】本開示による、目標モータ停止位置モジュールの例の機能ブロック図である。
【0105】
図10】本開示による、目標モータ停止位置を判定するための方法の例を図示するフローチャートである。
【0106】
図11A】本開示による、失速検出モジュールの様々な例の機能ブロック図の1つである。
図11B】本開示による、失速検出モジュールの様々な例の機能ブロック図の1つである。
図11C】本開示による、失速検出モジュールの様々な例の機能ブロック図の1つである。
【0107】
図12】本開示による、失速検出方法の例を図示するフローチャートである。
図13】本開示による、失速検出方法の例を図示するフローチャートである。
【0108】
図14A】本開示による、スイッチデバウンス方法を図示するフローチャートである。
図14B】本開示による、スイッチデバウンス方法を図示するフローチャートである。
図15】本開示による、スイッチデバウンス方法を図示するフローチャートである。
【0109】
図16】本開示による、搭乗者重量区分モジュールの例の機能ブロック図である。
【0110】
図17】本開示による、搭乗者重量区分を判定するための方法の例を図示するフローチャートである。
【0111】
図面において、参照番号は、同様および/または同一の要素を識別するのに再使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0112】
ホール効果センサは、動作中のモータの絶対的位置を検出することに使用され得る。センサレスシステムにおいて、モータの位置は、モータの転流に対応する、モータ電流内のリップルを検知および計数することによって追跡され得る。しかしながら、モータがオフに切り替わり、慣性に起因して動き続けるとき、一般的にリップル電流は監視できない。更に、モータスイッチが非常に短い間隔で作動される場合、誤差が生じ得る。
【0113】
正確なシステムを実現するべく、センサレスシステムは、すべての状態におけるモータ位置を推定する必要がある。さもなければ、モータの検知位置は不正確となり、シートリコール機能は適切に働かなくなるであろう。換言すれば、実際のモータ位置は、推定モータ位置と異なり得る。
【0114】
本開示によるシステムおよび方法は、ホール効果センサなどのセンサを使用することなく、モータ動作中に、末端停止位置の間のモータ位置を推定する。当該システムおよび方法は、モータへの電力が中断されるとき、および/または、モータへの電力が中断される前の期間の間の、動作電圧および動作電流に基づいて、モータの慣性を推定する。本開示によるシステムおよび方法は、電力が中断されるときの、モータの回転位置、および、推定された慣性に基づいて、モータの静止位置を推定する。上記の方式で静止位置を判定することで、本明細書に記載のシステムおよび方法は、電力が中断された後の、モータの余分な回転(またはオーバーラン)を推定する。この手法を使用することで、モータの実際の静止位置の、より正確な判定を提供する。また、推定されたオーバーランは、保存済みシート位置など、目標停止位置に合わせて、電力をいつ停止するか判定することに使用される。
【0115】
上記の開示は、シート用途においてモータを制御するためのシステムおよび方法を記載しているが、当該開示は、他の用途に使用されるブラシレス直流モータの制御にも関連していると理解できる。
【0116】
ここで、図1において、シートアセンブリ10は、概して水平な位置で配置されているシート部12を有する。背もたれ部14は、概して垂直な位置で配置され、シート部12に対して旋回する。シートアセンブリ10、シート部12、および/または、背もたれ部14の相対的な位置を調整するシートモータを制御するべく、1つまたは複数のボタン16、または、他の入力デバイスが設けられ得る。例えば、ボタン16は、シートアセンブリの前後上下の動き、および、傾く動きを制御することに使用され得る。また、ボタン16は、シート位置を保存するための、メモリ保存およびリコール機能を実行し得て、シートアセンブリを保存済みシート位置へ自動的に動かし得る。モータの位置は、ホール効果センサなどの物理的な位置センサ、および、関連する配線を使用することなく、センサレス方式で推定される。
【0117】
ここで、図2において、シート位置調整システム50は、シートアセンブリ10、シート部12、および/または、背もたれ部14を調整するべく、車両の搭乗者によって作動させられる1つまたは複数のスイッチ入力部54を有する。シート位置調整システム50は、モータスイッチ制御信号および検知制御信号を生成するモータ制御モジュール58を更に有する。モータ制御モジュール58は、モータ駆動モジュールおよびスイッチ62から、直流電圧および直流電流などのフィードバック信号を受信する。モータ駆動モジュールおよびスイッチ62は、1つまたは複数のモータ66-1、66-2、・・・66‐N(モータ66と総称)を制御することに使用される。ここで、Nは0より大きい整数である。いくつかの例において、モータ66は、ブラシ付き直流モータである。
【0118】
ここで、図3Aおよび図3Bにおいて、モータ制御モジュール58が更に詳細に示されている。モータ制御モジュール58は、モータ位置判定モジュール80およびモータスイッチ制御部94を有する。モータ位置判定モジュール80は、モータ電流および直流電圧などのフィードバック信号に基づいて、モータ66の位置を判定する。
【0119】
モータ位置判定モジュール80は、モータのHSドライブからフィードバック信号を受信する位置計算部82を有する。位置計算部82は、前の保存位置、および、(電流リップルなどのフィードバック信号に基づいて判定される)モータの回転に基づいて、モータ66の位置を計算する。モータ速度計算部83は、位置計算部82から位置データを受信し、時間の関数としての位置の差に基づいて、または、リップルの周波数に基づいて、モータ66の速度を計算する。質量推定部84は、モータ66からフィードバック信号を受信し、直流電圧、直流電流、位置、および/または、速度に基づいて、シートアセンブリおよび/または搭乗者の質量を計算する。
【0120】
慣性推定部86は、速度計算部81から速度パラメータを、質量推定部84から質量を受信する。慣性推定部86は、速度および質量データに基づいて、システムの慣性を推定する。モータ位置判定モジュール80は更に、慣性および質量に基づいて、電力が中断された後にモータのオーバーランを推定するオーバーラン推定部88を有する。詳細は後述するが、モータ位置判定モジュール80は更に、モータ静止位置計算部90、および、目標モータ停止位置計算部92を有する。
【0121】
モータ位置判定モジュール80は、モータスイッチ制御部94へ出力される位置データを生成する。モータスイッチ制御部94は、モータスイッチを使用することで、モータ66へ供給される電流を制御する。モータ失速検出モジュール96は、モータの失速を検出する。モータの失速は、モータ位置の誤差に起因して、モータが予期せず末端停止位置に到達することに起因して発生し得る。搭乗者重量区分モジュール100は、モータからフィードバック信号を受信し、それらに基づいて、搭乗者の重量を推定する。搭乗者重量区分モジュール100は、エアバッグ制御部104への車両バス102を介して、搭乗者重量および/または重量区分パラメータ(例えば、区分された重量範囲に関連するパラメータ)を選択的に出力する。詳細は後述するが、搭乗者重量区分モジュール100は、この計算を行うとき、前方/後方モータではなく、高さ調節モータを使用し得る。位置リコールモジュール104は、シート位置を保存し、それをメモリリコールボタンに関連付ける。リコールボタンが作動されると、位置リコールモジュール104は、作動されたメモリリコールボタンに対応する目標シート位置を出力する。
【0122】
スイッチ状態監視モジュール106は、スイッチ入力部54の状態を監視し、フィルタリングされたスイッチ状態をモータ制御モジュール58の他のコンポーネントへ提供する。スイッチ状態監視モジュール106は、詳細は後述するが、スイッチデバウンス方法を実行するスイッチデバウンスモジュール108を有し得る。スイッチのバウンスは、定常的なスイッチ状態が生じる前に、スイッチが状態を素早く変化させるときに生じ、位置の誤差および他の問題につながり得る。
【0123】
ここで、図4において、モータ駆動モジュールおよびスイッチ62が、モータ駆動モジュール110-1および110-2、ハイサイド(HS)スイッチSH1、SH2、および、ローサイド(LS)スイッチSL1、SL2、SL3を含むように、更に詳細に示されている。バッテリ電圧は、ハイサイドスイッチSH1、またはSH2を介して、モータ駆動モジュール110-1および110-2へそれぞれ選択的に接続されている。詳細は後述するが、モータ駆動モジュール110は、モータ66への電流出力を制御し、モータ66へ流れる電流を検知する。モータ駆動モジュール110-1は、モータの第1回転方向(前進など)について有効になっている。モータ駆動モジュール110-2は、モータの第2または逆の回転方向(後退など)について有効になっている。
【0124】
ここで、図5A図5Dにおいて、第1方向および第2方向の稼働フェーズ中、ならびに、停止フェーズ中の電流の流れおよびモータスイッチ動作の例が示されている。図5Aにおいて、電流は、ハイサイドスイッチSH1、モータ駆動モジュール110-1、モータ66を通って第1方向に流れ、ローサイドスイッチSL2およびSL3を通ってグランドまたは他の基準電位へ流れる。図5Bにおいて、電流は、ハイサイドスイッチSH2、モータ駆動モジュール110-2、モータ66を通って第2方向に流れ、ローサイドスイッチSL1およびSL3を通ってグランドまたは他の基準電位へ流れる。
【0125】
図5Cにおいて、供給電流は終了し、HSおよびLSスイッチは、オーバーラン中にモータ66によって誘導される電流を測定するように構成されている。モータ電流は、HSスイッチによって循環され(例えば、両方のHSスイッチが閉じる)、モータ駆動モジュール110の1つによって測定される。図5Dにおいて、短絡を防止するべく、稼働フェーズの後に(停止フェーズの間に電流を測定するようにHSスイッチを構成する前に)スイッチ遅延期間が設けられ得る。
【0126】
ここで、図6A図6Cにおいて、始動期、稼働フェーズ、および停止フェーズにおける電流波形の例が示されている。図6Aにおいて、電力が供給された後に電流が急速に増加し(突入電流と呼ぶ)、モータの回転が開始する。モータの極の転流中、電流内のリップルが生じる。モータ位置判定モジュール80は、前回の動作中にモータが停止したときのモータの位置を保存する。その後、当該モータの位置は、後の始動期および稼働フェーズ中の開始点として使用される。位置計算部84は、電流リップルを検出するべく電流を監視し、(検知された電流リップルに対応する)モータの転流、および、モータの歯車列のパラメータに基づいて、モータ位置を調整する。
【0127】
モータが始動されるとき、モータ駆動モジュール110は、最小モータオン時間より大きい、または、それに等しい期間にわたって、モータへ電力を供給し得る。最小モータオン時間は、図14Aおよび図14Bに関連して後述される突入電流の期間に等しくなり得て、モータ電流の振幅に基づいて判定され得る。追加的または代替的に、最小モータオン時間は、モータ電流内のリップルの数に基づいて判定され得る。例えば、少なくとも最小限の数(例えば、3)のリップルが生じるまでモータが動作し続けることを確実にするように、最小モータオン時間が設定され得る。最小モータオン時間は、モータの試験および特性に基づいて予め決定され得て、実際の動作中に読み出すべく、メモリ内に保存され得る。
【0128】
いくつかの例において、リップル電流は、モータ電流の勾配の変化を追跡することで検出される。図6Bの例において、リップルが生じるとき、電流の勾配は、負から0、正、(ピークで)0、そして再び負へ遷移する。他の例において、電流リップルを検出するべく、振幅の変化、平均振幅、ピーク間振幅などが監視され得る。更に他の例において、リップルを検出するべく、他の数学関数が使用される。図6Cにおいて、稼働フェーズの後に電力が中断されるとき、モータは停止フェーズ中に、慣性に起因して回転を続ける。モータの将来の動作のための正確な停止位置を知るべく、余分な回転(オーバーラン)が測定される必要がある。
【0129】
モータの慣性は、モータへの電力が中断されるときの(および/または、モータへの電力が中断されるときの直前の期間中の)動作電圧および動作電流、ならびに、システム質量に基づいて推定される。モータの静止位置は、電力が中断されたときの回転位置、および、推定された慣性に基づいて推定される。上記の方式で静止位置を判定することにより、モータ位置判定モジュール80は、電力が中断された後のモータの余分な回転を明らかにし、それにより、静止位置のより正確な判定を提供する。
【0130】
静止位置は、電力が中断されたときのモータ速度、および、モータに作用する減速力の関数である。電力が中断されたときのモータの減速は、モータおよび歯車列を含むシート移動機構によって発生する摩擦力(線形減衰成分)、モータ発電機内の磁場によって発生する回転力(指数減衰成分)、および、シートアセンブリの慣性の関数である。摩擦力および回転力は、モータ速度(またはリップル周波数)の関数である。
【0131】
モータ位置判定モジュール80は、モータ66への電力が最初に中断されたときのモータ66の位置、および、モータ66への電力が中断された後のモータ66の回転方向の移動(モータオーバーラン)に基づいて、モータ66の静止位置を判定し得る。一例において、オーバーラン推定部88は、以下の関係を使用して、モータ66への電力が中断された後のモータ66の回転距離を判定する。
(1)RDn=RD(n-1)+RSn×T1
ここで、RDnは、現在のn回目の反復時におけるモータ66の回転距離であり、RD(n-1)は、前回のn-1回目の反復時におけるモータ66の回転距離であり、T1は、前回のn-1回目の反復に対応する第1の時間と、現在のn回目の反復に対応する第2の時間との間の期間であり、RSnは、第2の時間におけるモータ66の回転速度である。
【0132】
速度計算部83は、以下の関係を使用して、第2の時間におけるモータ66の回転速度を判定し得る。
(2)RSn=[RSi×e^(-T2/E)]-(T2/L)
ここで、RSnは、第2の時間におけるモータ66の回転速度であり、RSiは、モータ66への電力が最初に中断されたときのモータ66の初期回転速度であり、T2は、モータ66への電力が最初に中断されたときから第2の時間までの期間であり、Eは指数減衰係数であり、Lは線形減衰係数である。モータ66の回転速度が0より大きい場合、モータ位置判定モジュール80は、n、T1、およびT2をインクリメントし得て、(1)および(2)の関係を使用して、モータ66の回転距離、および、モータ66の回転速度を再度判定する。モータ66の回転速度が、0に等しいか、または、0からの所定の範囲内にある場合、モータ位置判定モジュール80は、モータ66への電力が中断されたときのモータ66の位置と、前回判定されたモータ66の回転距離とに基づいて、モータ66の静止位置を判定し得る。
【0133】
指数減衰係数は、モータ66内の磁場によって発生する抗回転力を表す。線形減衰係数は、シートアセンブリ10のシート移動機構によって発生する摩擦力を表す。速度計算部83は、例えば、電圧を指数減衰係数に関連付ける関数(例えば方程式)またはマッピングを使用して、モータ66への電力が中断されるとき、または、その直前にモータ66に供給されている電圧に基づいて、指数減衰係数を判定し得る。速度計算部83は、モータ66の第1動作電圧における、モータ66の測定されたリップル周波数と、第1動作電圧におけるモータ66の基準リップル周波数との差に基づいて、線形減衰係数を判定し得る。一例において、速度計算部83は、以下の関係を使用して線形減衰係数を判定する。
(3)L=m×Δf+b
ここで、Lは線形減衰係数であり、Δfは、測定されたリップル周波数と、基準リップル周波数との間の差であり、mおよびbは、所定の定数である。
【0134】
測定されたリップル周波数と基準リップル周波数との間の差は、シートアセンブリ10の搭乗者の質量を、および、リップル周波数と組み合わせることで、シートアセンブリ10の慣性を示すか、または、その推定値である。したがって、慣性推定部86は、例えば、リップル周波数の差をシステム慣性に関連付ける関数またはマッピングを使用して、測定されたリップル周波数と基準リップル周波数との間の差に基づいてシートアセンブリ10の慣性を推定し得る。測定されたリップル周波数は、モータ66への電力が最初に中断されたとき、または、その時間の直前の期間中に測定された、モータ66のリップル周波数である。一例において、測定されたリップル周波数は、モータ66への電力が中断される直前の所定の期間中に測定されたモータ66のリップル周波数の平均値である。第1動作電圧は、モータ66への電力が最初に中断されたときに測定されたモータ66の動作電圧である。
【0135】
速度計算部83は、第1動作電圧と、モータ66の最小動作電圧における第1基準周波数と、最大動作電圧における第2基準周波数とに基づいて、基準リップル周波数を判定するべく、線形補間を使用し得る。第1基準周波数、最小動作電圧、第2基準周波数、および、最大動作電圧は、モータ66およびシートアセンブリ10が非着席状態のときに予め決定され得る。一例において、速度計算部83は、以下の関係を使用して基準リップル周波数を判定する。
(4)fref=f1+(V1-Vmin)×[(f2-f1)/(Vmax-Vmin)]
ここで、frefは、基準リップル周波数であり、f1は、第1基準周波数であり、Vminは、最小動作電圧であり、f2は、第2基準周波数であり、Vmaxは、最大動作電圧である。
【0136】
モータ位置判定モジュール80は、モータ66への電力が中断された後モータ66の回転が停止する前に、モータ66の回転距離、モータ66の回転速度、線形減衰係数、および/または、基準リップル周波数を予測するべく、関係(1)、(2)、(3)、および/または(4)をそれぞれ使用し得る。このようにして、モータ位置判定モジュール80は、モータ66への電力が中断された後モータ66の回転が停止する前に、モータ66の静止位置を予測するべく、関係(1)、(2)、(3)、および/または(4)を使用し得る。一例において、モータ位置判定モジュール80は、モータ66への電力供給が中断されるとき、または、その前に、モータ66の静止位置を予測するべく、関係(1)、(2)、(3)、および/または(4)を使用し得る。このようにして、モータ位置判定モジュール80は、モータへの電力供給が中断される前に、モータ66の静止位置を予測し得て、目標モータ停止位置モジュール92は、静止位置および目標位置に基づいて、モータ66への電力供給をいつ中断するか判定(例えば、目標モータ停止位置を判定)し得て、および/または、モータスイッチ制御部94は、静止位置が目標位置に等しいか、目標位置の所定範囲内にあるときに、モータへの電力供給を中断し得る。
【0137】
ここで、図6Dにおいて、基準リップル周波数fref、第1基準周波数f1、最小動作電圧Vmin、第2基準周波数f2、および、最大動作電圧Vmaxの例が図示されている。また、図6Dは、f(measured)の符号で示される、測定されたリップル周波数、および、f(diff)の符号で示される、測定されたリップル周波数と基準リップル周波数との間の差の例を図示する。第1基準周波数f1および最小動作電圧Vminは、基準リップル周波数曲線150上の第1地点に対応し、第2基準周波数f2および最大動作電圧Vmaxは、基準リップル周波数曲線150上の第2地点に対応する。基準周波数曲線150は、最小動作電圧Vminをモータ66に供給し、最大動作電圧Vmaxをモータ66に供給し、最小動作電圧Vminから最大動作電圧Vmaxまでの間の複数の電圧をモータ66に供給することによって、モータ66およびシートアセンブリ10が非着席状態のときに予め決定され得る。本発明の例など、様々な例において、基準リップル周波数曲線150は線形であり得る。
【0138】
ここで、図7において、慣性を測定するための方法200が示されている。210で、直流電圧、直流電流、および/または、速度などのモータパラメータが測定される。214において、モータ電流が処理される。例えば、モータの回転を追跡するべく、モータ電流内のリップルが計数され得る。
【0139】
218で、測定されたモータの電圧、電流、および/または、リップル周波数に基づいて、システム質量が判定される。いくつかの例において、当該システムには、シートアセンブリ単独のもの(非着席状態である場合)、または、シートおよび搭乗者が含まれる。222で、システム質量、および、測定されたモータ速度に基づいて、システム慣性が推定される。226で、システム慣性が保存される。
【0140】
ここで、図8において、モータオーバーランに基づいてモータ静止位置を判定するための方法250が示されている。260で、モータ回転位置が測定される。264で、方法は、モータ動作(シートの前方または後方への傾斜、シートアセンブリの前進方向または後退方向への移動など)が中断されているかどうか判定する。264が偽である場合、方法は最初に戻る。264が真である場合、モータ位置が読み出される。当該モータ位置は、前の動作が中断された時点で、または、前の動作が中断される前の前回のサンプルで判定され得る。
【0141】
272において、動作が中断されるときのシステム慣性が読み出される。276において、システム慣性に基づいて、モータオーバーランが判定される。280において、測定されたモータ位置、および、動作が中断された後のモータオーバーランに基づいて、モータ静止位置が判定される。284において、モータ静止位置は、次のモータオンサイクルのための基準として保存される。
【0142】
測定されたモータ電流信号は処理され、処理された電流は、シートシステム慣性を判定するのに使用される。一例において、モータ電流は、無限インパルス応答(IIR)フィルタを使用して処理される。シートシステムの線形速度は、モータ速度、および、モータの回転運動をシートの線形運動へ変換する歯車列によって決まる。シートシステム慣性は、シートシステムの線形速度によって決まる。モータおよび歯車列の回転慣性は通常、質量の差に起因する、シートおよび搭乗者の組み合わせの線形慣性と比較して無視できる。モータオーバーランは、回転運動を示す。
【0143】
ここで、図9Aにおいて、目標モータ位置の周囲のインポジション領域が示されている。一方向(前進方向など)から目標モータ位置へ移動するとき、モータの慣性およびモータ方向がオーバーランを発生させる。その結果、目標モータ位置の周囲のインポジション領域内でシートを停止させるべく、インポジション領域に到達する前に(または、到達する時点で)、モータが停止する必要がある。当然ながら、逆方向のモータオーバーランは同一でも、同一でないこともあり得る。したがって、モータは、インポジション領域に対して、異なるモータ位置で停止する必要があり得る。この影響は、バンドバイアス(band bias)と呼ばれる。
【0144】
モータ位置判定モジュールは、インポジション領域を判定し、モータがインポジション領域に十分近づくときを判定し、インポジション領域内の望ましい静止位置でモータを停止させるべく所定の方式でモータへの電力を中断する。
【0145】
図9Bにおいて、目標位置と、モータの現在位置とに基づいてモータの方向を判定する方向判定部290を含むように、目標モータ停止位置モジュール92が更に詳細に示されている。方向判定部290は、バンドバイアス選択部294へ方向を出力する。バンドバイアス選択部294は、モータの方向に基づいて、バンドバイアスを判定する。インポジション領域計算部292は、バンドバイアスおよび慣性に基づいて、インポジション領域を判定する。システム質量、システム慣性、モータ速度、および/または、インポジション領域は、固定間隔で判定され得る。当該間隔は、停止位置モジュール92の計算性能の限界、および/または、制御ループ期間により、制約を受け得る。様々な実装において、当該間隔の間の期間は、モータ電流内の連続的なリップルの間の期間より大きいことがあり得、インポジション領域は、望ましい静止位置のモータオーバーランを防止することに使用され得る。例えば、当該間隔の間の期間が5ミリ秒である場合と比較して、間隔の間の期間が20ミリ秒である場合、インポジション領域を使用することは、より有利であり得る。目標モータ停止位置計算部296は、バンドバイアスおよびインポジション領域に基づいて、目標モータ停止位置を計算する。
【0146】
ここで、図10において、目標モータ停止位置を判定するための方法300が示されている。310で、方法は、移動要求が生じたかどうか判定する。310が真である場合、方法は、314で現在のモータ位置を読み出す。318で、現在のモータ位置および目標位置に基づいて、モータ方向が判定される。322で、モータは、モータ方向に駆動される。324で、現在のシステム慣性が判定される。328で、現在のシステム慣性に基づいて、インポジション領域の幅が判定される。332で、モータ方向に基づいて、バンドバイアスが判定される。334で、バンドバイアス、および、インポジション領域の幅に基づいて、目標モータ停止位置が判定される。338で、方法は、モータ位置が目標モータ停止位置に到達したかどうか判定する。その結果が偽である場合、340で、モータへの電力供給が継続する。338が真である場合、342で、方法は、ソフト停止処理を開始する。
【0147】
運動の方向は、機械的な許容差および慣性に起因して、停止位置に影響し得る。もっとも正確な位置決めは、望ましい停止地点の前(すなわち、インポジション領域に入るとき、またはその前)に停止を開始することによって達成され得る。オーバーランは、慣性の関数であるので、インポジション領域は、計算された慣性に基づいて、動的に変化する。
【0148】
目標位置は、保存された記憶シート位置、または、他の目標位置であり得る。特定のシートシステム質量およびモータ力について、シート移動の速度が逆のモータ方向において異なる場合、目標位置に対する、インポジション領域の位置は、非対称であり得る。歯車列、および、他のシートシステム設計の特徴も、他の非対称性を生じさせることがあり得る。
【0149】
ここで、図11A図11Cにおいて、失速検出モジュールの様々な例が示されている。モータの失速時、電力は中断される。失速が、末端停止位置(第1または第2方向への最大移動距離に対応)の1つにモータが到達したことに起因する場合、末端停止位置が更新される。図11Aにおいて、失速検出モジュール96は、モータ電流またはモータ速度に基づいて、失速状態を検出する。失速検出モジュール96は、電流ベース失速検出部370および速度ベース失速検出部372を有する。電流ベース失速検出部370は、モータの電圧および電流を監視し、失速状態を選択的に検出する。いくつかの例において、失速状態は、モータの電圧および電流と、所定のモータの電圧および電流の範囲または値との比較に基づいて検出される。
【0150】
速度ベース失速検出部372は、モータの電圧およびモータの速度を監視し、失速状態を選択的に検出する。いくつかの例において、失速検出は、モータの電圧および速度と、所定のモータの電圧および速度の範囲または値との比較に基づいて検出される。停止モジュール374は、電流ベース失速検出部370および速度ベース失速検出部372からの失速信号と、現在位置と、末端停止位置とを受信し、それらに基づいて停止を発生させる。
【0151】
図11Bにおいて、他の失速検出モジュール96'は、モータ電流内のリップルを計数し、リップルの計数に基づいて失速状態を検出する。カウンタ382は、タイマー384によって判定される期間中の連続するリップルを計数する。比較部387は、その期間の後に計数結果を受信し、計数結果を所定閾値386と比較する。計数結果が所定閾値より小さい場合、比較部387は失速状態を検出する。停止モジュール389は、比較部387からの失速信号と、現在のモータ位置と、末端停止位置とを受信し、それらに基づいて停止を発生させる。
【0152】
ここで、図11Cにおいて、モータ速度計算部390を含むように、他の失速検出モジュール96"が示されている。これは、モータ電流内のリップルを監視し、それらに基づいて、モータ速度を判定する。モータ速度計算部390は、タイマー392によって判定された期間に応じて、比較部394へ速度を周期的に出力する。比較部394は、現在の速度を(遅延要素395により出力される)前の速度と比較する。現在の速度が前の速度より小さい場合、比較部394は、第2比較部398を有効にする。加算器396は、現在の速度と前の速度との間の差を生成し、その差を比較部398へ出力する。比較部398は、その差を所定閾値397と比較して、その差が閾値より大きいとき、失速状態を識別する。停止モジュール399は、比較部398からの失速信号と、現在位置と、末端停止位置とを受信し、それらに基づいて、停止を識別する。
【0153】
ここで、図12図13において、失速検出は、突入電流の遅延期間後に実行され得る。図12において、方法400が示されている。410で、方法は、モータが稼働しているかどうか判定する。モータが稼働しているとき、方法は414で、モータが突入電流の期間を過ぎたかどうか判定する。モータが突入電流の期間を過ぎた場合、418で失速検出が開始する。この期間は、固定期間であり得、または、モータ電流の振幅を監視することで判定され得る。
【0154】
図13において、失速検出方法450が示されている。460で、直流電圧、直流電流、および速度などのモータパラメータが測定される。464で、モータ電流および速度の予想範囲が、モータ電圧に基づいて判定される。予想範囲は、メモリに保存されメモリから読み出される所定の値であり得るか、または、公式に基づいて計算される。モータ電流の予想範囲は、単一のモータ電流測定、または、移動平均などの統計的モータ電流について判定され得る。
【0155】
468で、方法は、モータ電流および速度が予想範囲内にあるかどうか判定する。468が真である場合、モータ動作は470に続く。468が偽である場合、方法は472に続き、モータ動作を中断する。474で、方法は、モータ静止位置を判定する。476で、方法は、シート位置が末端停止位置に近いかどうか判定する。末端停止位置は、第1方向および第2方向の最大移動位置に対応する。
【0156】
476が真である場合、モータ静止位置は、484で新しい末端停止位置として保存される。方法は、484または476(偽である場合)から486へ続き、ここで、モータ静止位置は、次のモータオンサイクルのための基準として保存される。
【0157】
ここで、図14A図14B、および図15において、スイッチ状態監視モジュール106およびスイッチデバウンスモジュール108によって実行されるスイッチデバウンス方法が示されている。図14Aにおいて、スイッチがオンに切り替えられたときのスイッチのバウンスを検出するための方法500が示されている。510において、方法は、スイッチがオンであるかどうか判定する。510が真である場合、方法は、514に続き、デバウンスオンカウンタを始動する。518で、方法は、カウンタ閾値に到達したかどうか判定する。518で、デバウンスオンカウンタ閾値に到達したとき、方法は520で、スイッチがまだオンかどうか判定する。520で、スイッチがまだオンであるという状態が続いていない場合、方法は510へ戻る。520が真である場合、方法は524で、スイッチ状態をアクティブに設定する。この方法は、断続的なスイッチ動作に起因する誤差を防止する。
【0158】
図14Bにおいて、スイッチがオフに切り替えられるときのスイッチのバウンスを検出する方法550が示されている。560で、方法は、スイッチがオフかどうか判定する。560が真である場合、方法は564へ続き、デバウンスオフカウンタを始動させる。568で、方法は、カウンタ閾値に到達したかどうか判定する。568でデバウンスカウンタ閾値に到達したとき、方法は570で、スイッチがまだオフかどうか判定する。570で、スイッチがまだオフであるという状態が続いていない場合、方法は560へ戻る。570が真である場合、方法は564で、スイッチ状態を非アクティブに設定する。この方法は、断続的なスイッチ動作に起因する誤差を防止する。
【0159】
ここで、図15において、図14Aおよび14Bのデバウンス方法によって判定された、アクティブおよび非アクティブのスイッチ状態に基づいてモータを制御するための方法600が示されている。610で、方法は、スイッチがアクティブ状態かどうか判定する。610が真である場合、方法は620で、モータオン処理/シーケンスを始動する。624で、始動期が、決められたように完了しない場合、方法は624へ戻る。624が真である場合、方法は628で、スイッチが非アクティブ状態かどうか判定する。628が偽である場合、630で、電力はモータへ供給され続け、方法は628へ戻る。628が真である場合、方法は634で、ソフト停止/制御されたモータオフ処理/シーケンスを実行する。638で、方法は、停止フェーズが完了したかどうか判定する。638が真である場合、方法は終了する。
【0160】
ここで、図16において、較正部646と、着席状態判定部648と、モータ位置調節部650と、重量推定部652とを含むように、搭乗者重量区分モジュール96が更に詳細に示されている。較正部646は、シートの位置を調節し、移動中のモータトルクおよび/またはモータリップル周波数を測定し、モータトルクおよび/またはモータリップル周波数に基づいて重量を推定することによって、シートアセンブリの非着席状態の間のシートアセンブリの重量を較正する。
【0161】
着席状態判定部648は、較正が生じた後に、搭乗者がいつ車両に入るか判定する。ドアのロック/ロック解除イベント、または、ドアの開閉イベントなど、車両バスから受信されたデータは、着席状態を判定するのに使用され得る。着席状態判定部648は、シートのシートベルトラッチに関連するシートベルトラッチセンサ、シートの搭乗者のためのドアに関連するドアラッチセンサ、および、シートの画像を生成するように動作できるカメラのうち少なくとも1つからの入力など、搭乗者が立ち去ることに関連する、1つまたは複数の入力に基づいて、シートが着席状態かどうか判定し得る。一例において、シートベルトバックルが掛止されていることを示す状態から、シートベルトバックルが掛止解除されていることを示す状態へと、シートベルトラッチセンサによって発生される信号が遷移するときに、着席状態判定部648は、シートが非着席状態であることを判定する。他の例において、ドアが掛止されていることを示す状態から、ドアが掛止解除されていることを示す状態へと、ドアラッチセンサによって発生される信号が遷移するときに、着席状態判定部648は、シートが非着席状態であることを判定し、次に、ドアが掛止されていることを再度示す。他の例において、シートの搭乗者が既にシートに存在しないことを、カメラによって発生される信号が示すときに、着席状態判定部648は、シートが非着席状態であることを判定する。
【0162】
モータ位置調節部650は、シートの位置を調整し、重量推定部652は、シートの移動中にモータトルクおよび/またはモータリップル周波数を測定し、搭乗者重量を推定する。様々な例において、重量推定部652は、上述したように、測定されたリップル周波数f(measured)と、基準リップル周波数との間の差f(diff)に基づいて、搭乗者重量を推定する。重量推定部652は、エアバッグ制御部104への車両バス102を介して、重量または重量区分を出力する。エアバッグ制御部104は、重量区分に基づいて、エアバッグを有効化または無効化し得る。
【0163】
ここで、図17において、搭乗者の重量区分を判定するための方法660が示されている。662で、方法は、搭乗者が車両から降りたかどうか判定する。662が真である場合、方法は664で、ロック状態が検出されたかどうか判定する。668で、シートアセンブリが、元の位置から第1所定距離へ上昇する。代替的に、シートアセンブリは、第1所定期間中、上昇し得る。672で、シートアセンブリの重量を判定するべく、シートアセンブリの非着席状態が較正される。例えば、重量推定部652は、シートが第1所定距離だけ、または、第1所定期間にわたって動かされるときの、第1モータトルクおよび/または第1モータリップル周波数を測定し得る。
【0164】
676で、シートアセンブリは、元の位置から第2所定距離だけ下へ下降する。第2所定距離は、第1距離に等しくても、異なっていてもよい。シートアセンブリが完全に下降する場合、シートは元の位置から上昇し得て、次に、再び元の位置へ下降し得る。680で、方法は、搭乗者が車両に入ったかどうか判定する。680が真である場合、方法は682に続き、イグニッションがオンにされたかどうか判定する。682が真である場合、方法は、(例えば搭乗者が、異なるシート位置に関連するリコールボタンを選択するときに)シートアセンブリを元の位置または新しい位置へ上昇させる。代替的に、方法は、第2所定期間にわたってシートアセンブリを上昇させ得る。第2所定期間は、第1所定期間に等しくても、異なっていてもよい。688で、重量推定部652は、シートが第2所定距離だけ、または、第2所定期間にわたって動かされるときの、第2モータトルクおよび/または第2モータリップル周波数を測定する。692で、重量推定部652は、搭乗者重量を推定する。一例において、重量推定部652は、例えば、リップル周波数の差を搭乗者重量に関連付ける関数またはマッピングを使用することで、第1モータリップル周波数と第2モータリップル周波数との間の差に基づいて、搭乗者重量を推定する。
【0165】
いくつかの例において、搭乗者およびシートアセンブリの合計に対応する重量が推定され、次に、シートアセンブリの較正された重量が減算される。696で、搭乗者区分および/または重量がエアバッグ制御システムへ送信される。エアバッグ制御システムは、エアバッグシステムを較正し得て、ならびに/または、搭乗者区分および/もしくは重量に基づいて、エアバッグシステムを有効にするかどうか判定し得る。
【0166】
本明細書に記載されたモータ位置判定システムは、高価なホール効果センサおよび関連する配線を使用することなく、高精度のシート位置メモリリコールを確実に使用できるようにする。配線を減らすことにより、機能の内容を追加したり、フットプリントを減らしたりできる。この手法は、幅広いモータに対応し、任意の自動車用ブラシ付き直流モータおよびモータサプライヤで較正および使用できる。メモリリコール中に、複数のモータが同時に動作できる。
【0167】
上記説明は本質的に例示にすぎず、いかなる場合であっても、本開示、その用途、または使用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実装可能である。したがって、本開示は具体例を含むが、添付図面、明細書および以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正形態が自明となるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきでない。方法の中の1つまたは複数の段階が、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてよいことを理解されたい。更に、実施形態の各々は、特定機能を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関連して記載されている機能のうち、任意の1つまたは複数は、他の実施形態のいずれかの機能の中に実装され得るか、および/または、明示的な組み合わせの記載が無い場合でも、それと組み合わせて実装され得る。換言すれば、記載されている実施形態は、相互排他的なものではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えたものは、本開示の範囲内に留まる。
【0168】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素、半導体層など)の空間的および機能的関係は、「接続」、「係合」、「連結」、「隣接」、「隣」、「上部」、「上」、「下」、「配置」を含む様々な用語を使用して記載されている。「直接」と明示的に記載されている場合を除き、上の開示において第1要素と第2要素との間の関係が記載されている場合、当該関係は、第1要素と第2要素との間に他の要素が介在して存在しない直接的な関係であり得るが、第1要素と第2要素との間に1つまたは複数の要素が(空間的または機能的に)介在して存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書において使用されるように、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他論理ORを使用する論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、Cの少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるべきではない。
【0169】
下の定義を含む本出願において、「モジュール」という用語または「制御部」という用語は、「回路」という用語で置き換えられ得る。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)と、デジタル、アナログ、もしくは、アナログ/デジタル混在ディスクリート回路と、デジタル、アナログ、もしくは、アナログ/デジタル混在集積回路と、組合せ論理回路と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ)と、プロセッサ回路によって実行されるコードを格納するメモリ回路(共有、専用、またはグループ)と、記載された機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネントと、または、システムオンチップなど、上述したものの一部または全部の組み合わせとのうち、何れかの一部であること、または、それを含むことを指し得る。
【0170】
モジュールは1つまたは複数のインタフェース回路を含んでよい。いくつかの例において、インタフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続される有線インタフェースまたは無線インタフェースを含んでよい。本開示の任意の特定のモジュールの機能は、インタフェース回路を介して接続される複数のモジュール間で分散されてよい。例えば、複数のモジュールは負荷分散を可能にしてよい。更なる例において、サーバ(また、リモートまたはクラウドとして知られる)モジュールは、クライアントモジュールに代わって何らかの機能を実現してよい。
【0171】
用語コードは上記で使用されるように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含んでよく、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指してよい。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからの一部のコードまたは全部のコードを実行するシングルプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、複数の追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからの一部のコードまたは全部のコードを実行するプロセッサ回路を包含する。マルチプロセッサ回路という言及は、ディスクリートダイ上のマルチプロセッサ回路、シングルダイ上のマルチプロセッサ回路、シングルプロセッサ回路のマルチコア、シングルプロセッサ回路のマルチスレッド、または上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからの一部のコードまたは全部のコードを格納する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのコードの一部または全部を格納するメモリ回路を包含する。
【0172】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体(搬送波上など)を介して伝播される一時的な電気信号または電磁信号を包含しない。コンピュータ可読媒体という用語はしたがって、有形および非一時的なものとみなされてよい。非一時的で有形なコンピュータ可読媒体の非限定的な例としては、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ回路、またはマスクリードオンリメモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログ若しくはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光記憶媒体(CD、DVD、またはブルーレイディスクなど)である。
【0173】
本出願に記載の装置および方法は、コンピュータプログラムで具現される1つまたは複数の特定の機能を実行するよう汎用コンピュータを構成することによって作成される専用コンピュータによって部分的または完全に実装されてよい。上述の機能ブロック、フローチャートコンポーネント、および他の要素は、熟練技術者またはプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムに変換可能なソフトウェア仕様として機能する。
【0174】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体上に格納されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含んでよく、または格納されたデータに依存してよい。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアとやり取りする基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスとやり取りするデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを包含してよい。
【0175】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)またはXML(拡張マークアップ言語)等の解析されるべき記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによって実行されるソースコード、(v)実行時コンパイラなどによってコンパイルおよび実行されるソースコードを含んでよい。例示にすぎないが、ソースコードはC、C++、C#、Objective C、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5、Ada、ASP(active server pages)、PHP、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、およびPython(登録商標)を含む言語の構文を使用して記述されてよい。
【0176】
特許請求の範囲内で列挙されている、いかなる要素も、要素が「手段」という語句を使用して、または、方法クレームの場合、「操作」または「段階」という語句を使用して明示的に列挙されていない限り、35U.S.C.§112(f)の意味の中のミーンズ・プラス・ファンクション要素であることを意図するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17