(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】子宮内器具(IUD)挿入装置および関連する方法とそのためのキット
(51)【国際特許分類】
A61F 6/18 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A61F6/18
(21)【出願番号】P 2020550783
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(86)【国際出願番号】 US2019026318
(87)【国際公開番号】W WO2019199669
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514009605
【氏名又は名称】メディシンズ360
【氏名又は名称原語表記】MEDICINES360
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】デックマン, ロブ
(72)【発明者】
【氏名】シュポンセル, マーク, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ホブデ, ダン
(72)【発明者】
【氏名】ガイヤー, カート
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500061(JP,A)
【文献】特表2014-523780(JP,A)
【文献】実開平05-005105(JP,U)
【文献】国際公開第2010/031902(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 6/12-6/18,2/95-2/97
A61M 25/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮内器具(IUD)を挿入するための挿入装置であって、
近位端部および遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、前記挿入装置の動作のための軸線を規定し、前記IUDを前記細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、
近位端部および前記細長いシースの前記管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、前記細長い内側部材の前記遠位端部に隣接して前記IUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、
近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、前記近位側に配置されるユーザインターフェースが、
細長いチャネルと、
可動シーススライダであって、上面、下面、2つの側面、前記ユーザインターフェースの外部に面する前記可動シーススライダの前記上面の窪み、前記可動シーススライダの側面
に沿って延びる外部レール、および前記可動シーススライダの側面
に沿って延びる側方移動止めアームを有する、可動シーススライダと、
ストリング制御スライダであって、前記可動シーススライダの前記外部レールを受けるように動作可能な、内部に面する遠位側のスライダチャネルを有するストリング制御スライダと、
を備え、
前記可動シーススライダの前記外部レールが、前記ストリング制御スライダの前記内部に面するスライダチャネルに摺動可能に係合し、前記可動シーススライダが、前記ユーザインターフェースの前記細長いチャネル内および前記ストリング制御スライダの前記内部に面するスライダチャネル内で移動可能である、挿入装置。
【請求項2】
子宮内器具(IUD)を挿入するための挿入装置であって、
近位端部および遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、前記挿入装置の動作のための軸線を規定し、前記IUDを前記細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、
近位端部および前記細長いシースの前記管腔内
に配置可能
な遠位端部を有する細長い内側部材であって、前記細長い内側部材の前記遠位端部に隣接して前記IUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、
近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、前記近位側に配置されるユーザインターフェースが、
細長いチャネルと、
上面、下面および2つの側面を有し、前記細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、前記ユーザインターフェースの外部に面する前記可動シーススライダの
前記上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、
ストリング制御スライダであって、前記シーススライダが前記ストリング制御スライダに隣接しているときに前記可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、前記ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備える、ストリング制御スライダと、
を備える、挿入装置。
【請求項3】
子宮内器具(IUD)を挿入するための挿入装置であって、
近位端部および遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、前記挿入装置の動作のための軸線を規定し、前記IUDを前記細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、
近位端部および前記細長いシースの前記管腔内
に配置可能
な遠位端部を有する細長い内側部材であって、前記細長い内側部材の前記遠位端部に隣接して前記IUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、
近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、前記近位側に配置されるユーザインターフェースが、
細長いチャネルと、
上面、下面および2つの側面を有し、前記細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、前記ユーザインターフェースの外部に面する前記可動シーススライダの
前記上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、
ストリング制御スライダであって、前記シーススライダが前記ストリング制御スライダに隣接しているときに前記可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、前記ストリング制御スライダが、前記ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備える、ストリング制御スライダと、
を備える、挿入装置。
【請求項4】
前記近位側に配置されるユーザインターフェースおよび前記シーススライダが、1つまたは複数の位置合わせ面をさらに含み、前記ユーザインターフェースの前記1つまたは複数の位置合わせ面が、前記シース
スライダの前記1つまたは複数の位置合わせ面を機械的に補完するように適合され構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項5】
第1のシーススライダ位置合わせ面が、前記細長いチャネルの長さに沿った第1の位置で、第1のユーザインターフェース位置合わせ面と位置合わせする、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項6】
前記細長いチャネルが、前記細長いチャネルの近位端部および前記細長いチャネルの遠位端部のうちの1つまたは複数に1つまたは複数の空洞をさらに備え、前記1つまたは複数の空洞が、前記可動シーススライダの少なくとも一部を収容するように適合され構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項7】
前記ストリング制御スライダが、前記細長いチャネル内
で動くように適合可能かつ構成可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項8】
前記可動シーススライダ
が、前記ストリング制御スライダ
と同時
に、または前記ストリング制御スライダとは個別
に前記細長いチャネル内で動作するように適合され構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項9】
前記ストリング制御スライダが、前記シーススライダを部分的に取り囲む、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項10】
前記挿入装置が、前記細長いシースの前記管腔の遠位端部内に前記IUDを受けるように構成可能であり、前記挿入装置が、前記IUDの1つまたは複数のストリング構成要素を固定するように適合可能かつ構成可能である少なくとも1つのストリングロック特徴部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項11】
前記細長いシースの前記遠位端部が、丸い先端部および先細の先端部を含む群から選択される非外傷性先端部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項12】
前記可動シーススライダが、前記可動シーススライダの側面に沿ったレールと、側方移動止めアームと、をさらに備える、請求項2または3に記載の挿入装置。
【請求項13】
前記可動シーススライダが、前記可動シーススライダの第2の側面に沿った第2のレールと、第2の側方移動止めアームと、をさらに備える、請求項1または12に記載の挿入装置。
【請求項14】
前記可動シーススライダが、上半部および下半部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項15】
前記ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備える、請求項1に記載の挿入装置。
【請求項16】
前記ユーザインターフェースがハードストップをさらに含む、請求項3に記載の挿入装置。
【請求項17】
前記ユーザインターフェースが、前記ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備える、請求項1または2に記載の挿入装置。
【請求項18】
前記1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアームが、内側に撓むか、または外側に撓む、請求項16または17に記載の挿入装置。
【請求項19】
子宮内器具(IUD)を挿入するための挿入装置であって、
近位端部および遠位端部と、前記近位端部と前記遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、前記挿入装置の動作のための軸線を規定し、前記IUDを前記細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、
近位端部および前記細長いシースの前記管腔内
に配置可能
な遠位端部を有する細長い内側部材であって、前記細長い内側部材の前記遠位端部に隣接して前記IUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、
近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、前記近位側に配置されるユーザインターフェースが、
細長いチャネルと、
上面、下面および2つの側面を有し、前記細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、前記ユーザインターフェースの外部に面する前記可動シーススライダの上面の窪み、前記可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、
ストリング制御スライダであって、前記シーススライダが前記ストリング制御スライダに隣接しているときに前記可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、前記ストリング制御スライダが、前記ユーザインターフェースの内部にあるハードストップおよび1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、ならびにリブをさらに備える、ストリング制御スライダと、
を備える、挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この出願は、2019年4月5日に提出された米国実用新案特許出願第16/376,436号の優先権を主張し、上記出願は、2018年4月9日に提出された「IUD INSERTION DEVICES,AND RELATED METHODS AND KITS THEREFOR」という名称の米国仮出願第62/654,688号、および2018年9月11日に提出された「IUD INSERTION DEVICES,AND RELATED METHODS AND KITS THEREFOR」という名称の米国仮出願第62/729,793号の利益を主張し、上記仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0001]発明の分野:本開示は、子宮内システム(IUS)、子宮内器具(IUD)、挿入装置、使用方法、およびそれらのためのキットに関する。
【0003】
[0002]発明の背景:子宮内器具(IUD)は、女性の子宮内に配置されると、避妊器具として作用して妊娠を防止する対象物である。2種類のIUDが一般的に利用可能であり、銅含有器具とプロゲストゲンを放出するホルモン含有器具である。ホルモン含有器具は、避妊の別の形態であると考えられており、文献では子宮内システム(IUS)という用語で区別されている場合がある。
【0004】
[0003]銅IUDは、精子の移動に悪影響を及ぼし、精子が卵子と結合することを防止することによって機能する。さらに、子宮内に配置された銅の異物は、子宮の内壁と子宮壁を刺激し、精子によって卵子が受精した場合に胚を壁に植え付けることが困難になる。ホルモン性のIUD Mirena(登録商標)(バイエルが販売)などのIUS器具は、月経出血を軽減または防止する。Mirena(登録商標)器具は、レボノルゲストレル(プロゲストゲン)を放出する。
【0005】
[0004]IUDで使用される従来の挿入装置(IUSに使用される装置を含む)は、迷走反射反応の誘導の結果として、挿入処置中に患者に痛みをもたらし、意識を失うことさえある。
【0006】
[0005]当業者によって理解されるように、様々な形状およびサイズがIUD装置について以前に開示されてきた。さらに、IUDは通常、挿入装置または器具を使用して挿入される。
【0007】
[0006]したがって、使いやすく、片手で医療従事者がスムーズに操作できるIUDおよび関連する方法とキットでの使用に適合可能で構成可能な挿入装置が必要である。
【発明の概要】
【0008】
[0007]IUDと共に使用するための挿入装置が開示されている。挿入装置はハンドルと細長いシースを備える。一対のスライダのための空洞を形成する2つの湾曲した部材が、ハンドルの近位端部およびハンドルの遠位端部に配置される。シーススライダが遠位側に配置され、遠位の空洞の一部の中で近位側にスライドするように構成可能である。シーススライダが近位方向に移動すると、シーススライダはストリング制御スライダと係合する。シーススライダとストリング制御スライダは、さらに近位側に移動したときに係合して一体的に動作するように構成可能である。少量の力、例えば、0.25~0.75ポンド、より好ましくは、0.5~0.75ポンドが、シーススライダを初期位置から第2の位置に動かす。少量の力は、ユーザがIUDをロードし、IUDを保持している挿入装置を患者に挿入している間、さらなる安定性を提供することにより、IUDの不完全な挿入を回避または最小限にするのに役立つ。シーススライダは、ストリング制御スライダを通過しないように構成可能である。これにより、ストリング制御スライダが近位位置まで確実に移動し、IUDのストリングを解放できるようになる。挿入装置の構成は、シース内の遠位位置にある内側スリーブの必要性を排除する。ハードストップ特徴部が、ハンドルアセンブリの内部に配置されている。3対の移動止め特徴部が、ハウジングの長さに沿ってハウジングの内部に配置されている。3つのすべての移動止め特徴部は、ハンドルの超音波溶接の平面から90度の方向を向いた作用平面を有する。移動止め特徴部を超音波溶接の平面から90度に配置することにより、移動止め力の値に対する超音波溶接プロセスの影響を最小限にする。メインスライダは、チューブを固定し、メインスライダから外れるチューブの変化を最小限に抑えるための追加の引張り保持特徴部を有する。メインチューブがハンドルに固定され、メインスライダ内でチューブが回転する可能性を最小限に抑えるために、追加の捻り保持特徴部も設けられている。追加の強化材がハンドル内部の溶接領域の周囲に配置され、パッケージからの取り外し中にハンドルが外れるのを最小限に抑える。クレフトの鋭い縁部は、IUDストリングの破損を最小限に抑えるために丸みが付けられており、ストリング制御スライダとストリングガイドは単一の部品に成形されている。
【0009】
[0008]本開示の一態様は、IUDを挿入するための挿入装置を対象とする。挿入装置は、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にあるハードストップおよび1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、ならびにリブさらに備える、ストリング制御スライダと、を備える。
【0010】
[0009]本開示の別の態様は、挿入装置を用いてIUDを子宮内に挿入する方法を対象とする。適切な方法は、挿入装置を用意するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にあるハードストップおよび1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、ならびにリブをさらに備える、ストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、IUDの半径方向の径を自動的または半自動的に増加させるステップと、挿入装置からIUDを解放するステップと、を含む。
【0011】
[0010]本開示のさらに別の態様は、患者をホルモン治療する方法を対象とする。適切な方法は、活性剤を送達するIUDを用意するステップと、挿入装置を使用して患者の子宮に活性剤と共にIUDを挿入するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にあるハードストップおよび1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、ならびにリブをさらに備える、ストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを活性剤と共に子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを活性剤と共に遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、挿入装置からIUDを活性剤と共に解放するステップと、IUDから活性剤を患者に送達するステップと、を含む。
【0012】
[0011]本開示の別の態様は、IUDを挿入するための挿入装置を対象とし、挿入装置は、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、細長いシースは、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有するストリング制御スライダと、を備える。いくつかの構成では、近位側に配置されるユーザインターフェースおよびシーススライダが、1つまたは複数の位置合わせ面をさらに含み、ユーザインターフェースの1つまたは複数の位置合わせ面が、シースの1つまたは複数の位置合わせ面を機械的に補完するように適合され構成される。さらに、第1のシーススライダ位置合わせ面が、細長いチャネルの長さに沿った第1の位置で、第1のユーザインターフェース位置合わせ面と位置合わせすることができる。細長いチャネルが、細長いチャネルの近位端部および細長いチャネルの遠位端部のうちの1つまたは複数に1つまたは複数の空洞をさらに備えることができ、1つまたは複数の空洞は、可動シーススライダの少なくとも一部を収容するように適合され構成される。ストリング制御スライダは、細長いチャネル内を安全に移動するように適合可能かつ構成可能であるように構成することができる。少なくともいくつかの構成では、可動シーススライダおよびストリング制御スライダが、細長いチャネル内で同時および個別の少なくとも一方で動作するように適合され構成される。ストリング制御スライダは、シーススライダを部分的に取り囲むように構成することもできる。挿入装置が、細長いシースの管腔の遠位端部内にIUDを受けるように構成可能とすることができ、挿入装置が、IUDの1つまたは複数のストリング構成要素を固定するように適合可能かつ構成可能である少なくとも1つのストリングロック特徴部をさらに備える。さらに、細長いシースの遠位端部が、丸い先端部および先細の先端部を含む群から選択される非外傷性先端部を有することができる。可動シーススライダが、可動シーススライダの第2の側面に沿った第2のレールと、第2の側方移動止めアームと、をさらに備えることができる。さらに、少なくともいくつかの構成では、可動シーススライダは上半部および下半部をさらに備える。ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備えることができる。ユーザインターフェースが、ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備えることができる。いくつかの構成では、1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアームが、内側におよび/または外側に、すなわち中心軸線に向かって、または中心軸線から離れるように撓む。
【0013】
[0012]本開示のさらに別の態様は、挿入装置を用いてIUDを子宮内に挿入する方法を対象とし、本方法は、挿入装置を用意するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有するストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、IUDの半径方向の径を自動的または半自動的に増加させるステップと、挿入装置からIUDを解放するステップと、を含む。本方法は、細長いチャネル内でストリング制御スライダを移動させるステップをさらに含むことができる。さらに、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で同時に起こり得る。いくつかの実施形態では、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で個別に起こり得る。挿入装置のシーススライダおよびストリング制御スライダはまた、細長いチャネルの少なくとも第1の部分に沿って伸縮可能に動かされ得る。IUDは挿入されると活性剤を送達することができる。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0014】
[0013]本開示のさらに別の態様は、患者をホルモン治療する方法を対象とし、本方法は、活性剤を送達するIUDを用意するステップと、挿入装置を使用して患者の子宮に活性剤と共にIUDを挿入するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪み、可動シーススライダの側面に沿ったレール、および側方移動止めアームをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有するストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを活性剤と共に子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを活性剤と共に遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、挿入装置からIUDを活性剤と共に解放するステップと、IUDから活性剤を患者に送達するステップと、を含む。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0015】
[0014]本開示の別の態様は、IUDを挿入するための挿入装置を対象とし、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、細長いシースは、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備える、ストリング制御スライダと、を備える。近位側に配置されるユーザインターフェースおよびシーススライダが、1つまたは複数の位置合わせ面をさらに含むことができ、ユーザインターフェースの1つまたは複数の位置合わせ面が、シースの1つまたは複数の位置合わせ面を機械的に補完するように適合され構成される。いくつかの構成では、第1のシーススライダ位置合わせ面が、細長いチャネルの長さに沿った第1の位置で、第1のユーザインターフェース位置合わせ面と位置合わせする。細長いチャネルが、細長いチャネルの近位端部および細長いチャネルの遠位端部のうちの1つまたは複数に1つまたは複数の空洞をさらに備え、1つまたは複数の空洞は、可動シーススライダの少なくとも一部を収容するように適合され構成される。いくつかの構成では、ストリング制御スライダは、細長いチャネル内を安全に移動するように適合可能かつ構成可能である。さらに、少なくともいくつかの構成では、可動シーススライダおよびストリング制御スライダが、細長いチャネル内で同時および個別の少なくとも一方で動作するように適合され構成される。ストリング制御スライダは、いくつかの構成ではシーススライダを部分的に取り囲むように構成され得る。挿入装置が、細長いシースの管腔の遠位端部内にIUDを受けるように構成可能とすることができ、IUDの1つまたは複数のストリング構成要素を固定するように適合可能かつ構成可能である少なくとも1つのストリングロック特徴部をさらに備える。細長いシースの遠位端部が、丸い先端部および先細の先端部を含む群から選択される非外傷性先端部を有するように構成可能であり得る。いくつかの構成では、可動シーススライダが、可動シーススライダの側面に沿ったレールと、側方移動止めアームと、をさらに備える。可動シーススライダが、可動シーススライダの第2の側面に沿った第2のレールと、第2の側方移動止めアームと、をさらに備えることができる。可動シーススライダは、いくつかの構成では、上半部および下半部をさらに備えることができる。さらに、ユーザインターフェースが、ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備えることができる。1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアームはまた、内側に撓み、かつ/または外側に撓むように構成され得る。
【0016】
[0015]本開示のさらに別の態様は、挿入装置を用いてIUDを子宮内に挿入する方法を対象とし、本方法は、挿入装置を用意するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備える、ストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、IUDの半径方向の径を自動的または半自動的に増加させるステップと、挿入装置からIUDを解放するステップと、を含む。本方法は、細長いチャネル内でストリング制御スライダを移動させるステップをさらに含むことができる。さらに、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で同時に起こり得る。いくつかの実施形態では、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で個別に起こり得る。挿入装置のシーススライダおよびストリング制御スライダはまた、細長いチャネルの少なくとも第1の部分に沿って伸縮可能に動かされ得る。IUDは挿入されると活性剤を送達することができる。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0017】
[0016]本開示の別の態様は、患者をホルモン治療する方法を対象とし、本方法は、活性剤を送達するIUDを用意するステップと、挿入装置を使用して患者の子宮に活性剤と共にIUDを挿入するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、内部に配置されたハードストップをさらに備える、ストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを活性剤と共に子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを活性剤と共に遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、挿入装置からIUDを活性剤と共に解放するステップと、IUDから活性剤を患者に送達するステップと、を含む。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0018】
[0017]本開示の別の態様は、IUDを挿入するための挿入装置を対象とし、挿入装置は、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、細長いシースは、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備えるストリング制御スライダと、を備える。近位側に配置されるユーザインターフェースおよびシーススライダが、1つまたは複数の位置合わせ面をさらに含むことができ、ユーザインターフェースの1つまたは複数の位置合わせ面が、シースの1つまたは複数の位置合わせ面を機械的に補完するように適合され構成される。さらに、第1のシーススライダ位置合わせ面が、細長いチャネルの長さに沿った第1の位置で、第1のユーザインターフェース位置合わせ面と位置合わせすることができる。細長いチャネルが、細長いチャネルの近位端部および細長いチャネルの遠位端部のうちの1つまたは複数に1つまたは複数の空洞をさらに備えることができ、1つまたは複数の空洞は、可動シーススライダの少なくとも一部を収容するように適合され構成される。ストリング制御スライダは、いくつかの構成では、細長いチャネル内を安全に移動するように適合可能かつ構成可能である。可動シーススライダおよびストリング制御スライダはまた、細長いチャネル内で同時および個別の少なくとも一方で動作するように適合可能かつ構成可能である。ストリング制御スライダは、シーススライダを部分的に取り囲むように構成することもできる。いくつかの構成では、挿入装置が、細長いシースの管腔の遠位端部内にIUDを受けるように構成可能であり、挿入装置が、IUDの1つまたは複数のストリング構成要素を固定するように適合可能かつ構成可能である少なくとも1つのストリングロック特徴部をさらに備える。細長いシースの遠位端部が、丸い先端部および先細の先端部を含む群から選択される非外傷性先端部を有することができる。さらに、可動シーススライダが、可動シーススライダの第2の側面に沿った第2のレールと、第2の側方移動止めアームと、をさらに備えることができる。いくつかの構成では、可動シーススライダは上半部および下半部をさらに備える。可動シーススライダは、可動シーススライダの側面に沿ったレールと、側方移動止めアームと、をさらに備える。ユーザインターフェースは、ハードストップをさらに備えることができる。さらに、1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアームはまた、内側に撓み、かつ/または外側に撓むことができる。
【0019】
[0018]本開示のさらに別の態様は、挿入装置を用いて子宮内にIUDを挿入する方法を対象とし、本方法は、挿入装置を用意するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備える、ストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、IUDの半径方向の径を自動的または半自動的に増加させるステップと、挿入装置からIUDを解放するステップと、を含む。本方法は、細長いチャネル内でストリング制御スライダを移動させるステップをさらに含むことができる。さらに、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で同時に起こり得る。いくつかの実施形態では、挿入装置の可動シーススライダとストリング制御スライダを動かすステップは、細長いチャネル内で個別に起こり得る。挿入装置のシーススライダおよびストリング制御スライダはまた、細長いチャネルの少なくとも第1の部分に沿って伸縮可能に動かされ得る。IUDは挿入されると活性剤を送達することができる。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0020】
[0019]本開示のさらに別の態様は、患者をホルモン治療する方法を対象とし、本方法は、活性剤を送達するIUDを用意するステップと、挿入装置を使用して患者の子宮に活性剤と共にIUDを挿入するステップであって、挿入装置が、近位端部および遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を有する細長いシースであって、挿入装置の動作のための軸線を規定し、IUDを細長いシース内に配置可能である、細長いシースと、近位端部および細長いシースの管腔内に配置可能な遠位端部を有する細長い内側部材であって、細長い内側部材の遠位端部に隣接してIUDの近位端部を配置可能である、細長い内側部材と、近位側に配置されるユーザインターフェースと、を備え、近位側に配置されるユーザインターフェースが、細長いチャネルと、上面、下面および2つの側面を有し、細長いチャネル内で移動可能である可動シーススライダであって、ユーザインターフェースの外部に面する可動シーススライダの上面の窪みをさらに有する、可動シーススライダと、ストリング制御スライダであって、シーススライダがストリング制御スライダに隣接しているときに可動シーススライダの曲面に当接するための湾曲した遠位面を有し、ストリング制御スライダが、ユーザインターフェースの内部にある1つまたは複数のストリング制御スライダ移動止めアーム、およびリブをさらに備えるストリング制御スライダと、をさらに備える、ステップと、挿入装置およびIUDを活性剤と共に子宮内に前進させるステップと、挿入装置のシーススライダを作動させるステップと、細長いシースを近位側に移動させるステップおよびIUDを活性剤と共に遠位側に前進させるステップの少なくとも一方と、挿入装置からIUDを活性剤と共に解放するステップと、IUDから活性剤を患者に送達するステップと、を含む。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンであり得る。
【0021】
[参照による組み込み]
[0020]本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および特許出願は、あたかも各個々の出版物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
[0021]1968年10月29日に発行された、Hulkaらによる「Contraceptive Intra-Uterine Devices」という名称の米国特許第3,407,806号明細書、
[0022]1974年1月8日に発行された、Abramsonによる「Inserter for Intrauterine Devices」という名称の米国特許第3,783,861号明細書、
[0023]1974年2月26日に発行された、Lernerによる「Intrauterine Device Saddle Inserter」という名称の米国特許第3,794,025号明細書、
[0024]1975年9月2日に発行された、Placeらによる「Intrauterine Device with Locator Means for Indicating Uterine Position of Device」という名称の米国特許第3,902,483号明細書、
[0025]1976年2月10日に発行された、Kosonenによる「Intrauterine Contraceptive Device」という名称の米国特許第3,937,217号明細書、
[0026]1982年10月12日に発行された、Quesadaによる「Intrauterine Spermicide」という名称の米国特許第4,353,363号明細書、
[0027]1982年11月16日に発行された、Shaw Jr.による、「IUD Arrangement」という名称の米国特許第4,359,046号明細書、
[0028]1983年2月8日に発行された、Akerlundによる「Instrument for Retrieval of Retracted Threads of Intrauterine Contraceptive Devices」という名称の米国特許第4,372,302号明細書、
[0029]1983年4月26日に発行された、Shaw Jr.による「IUD Arrangement」という名称の米国特許第4,381,001号明細書、
[0030]1985年1月29日に発行された、Shaw Jr.による「IUD Arrangement」という名称の米国特許第4,495,934号明細書、
[0031]1989年5月16日に発行された、Gainutdinovaらによる「Intrauterine Contraceptive Device」という名称の米国特許第4,830,025号明細書、
[0032]1990年5月1日に発行された、Ristimakiらによる「Cassette System and Apparatus for Manufacturing an Active Agent Liberating Capsule for Subcutnaeous Use」という名称の米国特許第4,920,727号明細書、
[0033]1990年8月21日に発行された、Spoonらによる「Apparatus for Insertion and Fixation of an Intra Uterine Contraceptive Device to the Uterine Fundus」という名称の米国特許第4,949,732号明細書、
[0034]1990年9月18日に発行された、de Nijsによる「Contraceptive Implant」という名称の米国特許第4,957,119号明細書、
[0035]1992年1月28日に発行された、Ranouxによる「Process for Intra-Uterine Fertilization in Mammals and Device for Implementation Thereof」という名称の米国特許第5,084,004号明細書、
[0036]1992年2月18日に発行された、de Nijsによる「Contraceptive Implant」という名称の米国特許第5,088,505号明細書、
[0037]1994年12月6日に発行された、Diazらによる「IUD Inserting Apparatus」という名称の米国特許第5,370,129号明細書、
[0038]1995年3月28日に発行された、Helleらによる「Method and Equipment for Installing a Medicine Capsule on a Support」という名称の米国特許第5,400,804号明細書、
[0039]1998年7月28日に発行された、Macandrewらによる「Inserter for the Positioning of an Intrauterine Device」という名称の米国特許第5,785,053号明細書、
[0040]2000年3月21日に発行された、Nabahiによる「Intravaginal Drug Delivery Device」という名称の米国特許第6,039,968号明細書、
[0041]2000年5月2日に発行された、Markkulaらによる「Elastomer,Its Preparation and Use」という名称の米国特許第6,056,976号明細書、
[0042]2000年5月16日に発行された、Markkulaらによる「Drug Delivery Device Especially for the Delivery of Progestins and Estrogens」という名称の米国特許第6,063,395号明細書、
[0043]2000年8月15日に発行された、Nabahiによる「Intravaginal Drug Delivery Device」という名称の米国特許第6,103,256号明細書、
[0044]2000年9月12日に発行された、Markkulaらによる「Drug Delivery Device,Especially for the Delivery of Androgens」という名称の米国特許第6,117,442号明細書、
[0045]2011年1月4日に発行された、McIntyreらによる「Medical Devices for Treating Urological and Uterine Conditions」という名称の米国特許第7,862,552号明細書、
[0046]2018年7月24日に発行された、Deckmanらによる「Intrauterine Systems,IUD Insertion Devices,and Related Methods and Kits Therefor」という名称の米国特許第10,028,858号明細書、
[0047]2005年3月3日に発行された、Callisterらによる「Methods and Devices for Occluding Body Lumens and/or for Delivering Therapeutic Agents」という名称の米国特許出願公開第2005/0045183号明細書、
[0048]2008年4月24日に公開された、LaFontによる「Method for Making a Reservoir Containing an Active Substance Diffused Through the Reservoir and Installation Therefor」という名称の米国特許出願公開第2008/0095825号明細書。
【0022】
[0049]本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】従来の両手IUD挿入装置を示す図である。
【
図1B】従来の両手IUD挿入装置を示す図である。
【
図1C】従来の両手IUD挿入装置を示す図である。
【
図3A】IUD挿入の第1段階中のIUDの配置であって、子宮頸管に対応する部分内に配置されたIUDを備えたデモンストレータ(女性の解剖学的構造の一部を表す)を示す図である。
【
図3B】IUD挿入の第1段階中のIUDの配置であって、シースの遠位端部内に配置されたIUDを示す図である。
【
図3C】IUD挿入の第1段階中のIUDの配置であって、シースの遠位端部内に配置されたIUDの別の断面を示す図である。
【
図3D】IUD挿入の第1段階中のIUDの配置であって、IUDおよびシースの遠位端部からバレルを見下ろした図である。
【
図4A】IUD挿入プロセスの第1段階からの移行中の挿入装置内のIUDの配置であって、IUDアームがシースの遠位端部内に完全に配置されているところを示す図である。
【
図4B】IUD挿入プロセスの第1段階からの移行中の挿入装置内のIUDの配置であって、シースの遠位端部から延び始めたところを示す図である。
【
図4C】IUD挿入プロセスの第1段階からの移行中の挿入装置内のIUDの配置であって、シースの遠位端部を超えて完全に延びたところを示す図である。
【
図4D】IUD挿入の第2段階による挿入装置内でのIUDの配置であって、IUDアームが、子宮を表すデモンストレータの側壁に係合したところを示す図である。
【
図4E】IUD挿入の第2段階による挿入装置内でのIUDの配置であって、IUDが、基底部を表すデモンストレータの遠い壁に向かって延長されたところを示す図である。
【
図5A】IUDアームがデモンストレータの側壁に係合しているIUDの配置を示す図である。
【
図5B】子宮の内部の挿入装置から配備されたIUDを示す図である。
【
図6A】伸縮式スライダを備えた挿入装置の上面図である。
【
図6B】伸縮式スライダを備えた挿入装置の側面図である。
【
図6C】挿入装置のハンドルの従来の内面図である。
【
図6E】代替の典型的な挿入装置の内部を示す図である。
【
図7B】シーススライダの第2の実施形態を示す図である。
【
図7C】第1の構成の挿入装置ハンドルの内部に配置されたシーススライドの第1の実施形態を示す図である。
【
図7D】第2の構成の挿入装置ハンドルの内部に配置されたシーススライドの第1の実施形態を示す図である。
【
図8】ストリング制御スライダの一部および挿入装置ハンドルを示す図である。
【
図9】ストリング制御スライダの下に配置されたシーススライダを有する挿入装置ハンドルの一部を示す図である。
【
図10】内部にIUDが配置された細長いシースの断面の一部を示す図である。
【
図11】挿入装置ハンドルの遠位端部の一部の内部を示す図である。
【
図12A】第1の位置にある第1の構成において、シーススライダ移動止めが移動止めと係合する、挿入装置の遠位端部の内部を示す図である。
【
図12B】第1の位置にある第2の構成においてシーススライダ移動止めおよび移動止めを有する、挿入装置の遠位端部の内部を示す図である。
【
図12C】第2の位置においてリブが移動止めと係合する、挿入装置の内部を示す図である。
【
図12D】第3の位置にあるストリング制御スライダ移動止めを有する挿入装置の内部を示す図である。
【
図12E】第3の位置にあるストリング制御スライダ移動止めを有する挿入装置の内部を示す図である。
【
図13A】シーススライダの第1の構成の内面図である。
【
図13B】シーススライダの第2の構成の内面図である。
【
図13C】シーススライダの第3の構成の内面図である。
【
図14】上半部と下半部との間の接合面を示す挿入装置ハンドルの一部を示す図である。
【
図15】ストリング制御表面を有する挿入装置ハンドルの切り欠き部分を示す図である。
【
図17A】挿入プロセスの段階1における挿入装置の近位端部および遠位端部を示す図である。
【
図17B】挿入プロセスの段階2における挿入装置の近位端部および遠位端部を示す図である。
【
図17C】挿入プロセスの段階3における挿入装置の近位端部および遠位端部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0079]I.挿入手順
子宮内挿入装置の1つのタイプは、両手挿入装置100または
図1A~
図1Cに示す両手挿入装置100などの挿入器である。両手挿入装置100は、近位端部10および遠位端部20を有するシース132と、IUDを収容するための近位端部と遠位端部との間に延びる管腔と、を含む。プランジャ134は、患者の子宮内にIUDを展開するときにシースを介してIUDを押すために設けられる。両手挿入装置100を保持するために、ハンドル135などのユーザインターフェースが設けられる。使用中、操作者(医療提供者)は、片手で
図1A~
図1Cに示す両手挿入装置のハンドル135を持ち、もう一方の手でシース132を持つ。挿入装置が患者の子宮内に配置されると、ハンドル135が遠位側に移動して、シース132内に配置されたIUDをシース132の遠位端部から押し出す。IUDがシースの遠位端部から押し出されると、IUDは患者の子宮内に展開される。
【0025】
[0080]以下でより詳細に説明するように、
図1A~
図1Cに示すような両手挿入装置とは対照的に、本開示の挿入装置は、挿入手順中にIUDを収容するように構成され、さらに、挿入手順中にIUDを配置し、挿入装置から患者の子宮内にIUDを前進させるのを支援するように構成される。挿入装置は、様々なIUD構成の挿入に適合可能かつ構成可能である。さらに、挿入装置は片手で操作することができる。挿入装置はまた、挿入ステップ中にユーザに触覚フィードバックを提供する。
【0026】
[0081]挿入装置は、例えば、
図2に示すようにIUDなどの、t字型IUD202と共に使用され得る。IUDが完全に展開された位置にあるとき、IUDは通常、長さが約31.90mm~約32.22mmであり、幅が約31.81mm~約32.13mmである。当業者によって理解されるように、長さは、IUDに付随し得る結び目またはストリングを含まない。t字型IUDは、近位端部10および遠位端部20を有する細長い本体204を含む。細長い本体204は、徐放性薬物またはホルモンなどのコーティングを含むことができる。細長い本体204は、プラスチックまたは銅を含むがこれらに限定されない任意の適切な材料から形成され得る。IUDの遠位端部20(すなわち、医師の手から離れて配置された端部)では、IUDアーム206a、206bは、細長い本体204に取り付けられるか、またはそれと一体に形成される。IUDアーム206a、206bは、上向きuまたは下向きdに折り畳むように構成可能であり、IUDが子宮頸管を通って子宮内に挿入するための挿入装置シースまたはチューブに適合するように、IUD断面を最小化する。さらに、IUDアーム206a、206bのいずれかまたは両方は、例えば、湾曲した、球形または半球形の形状を有することができる拡大されたまたは球根状先端部208a、208bを含むように構成可能である。IUDアーム206a、206bの球根状先端部208a、208bは、IUDアームが上向きに折り畳まれ、一緒に押されると、例えば、
図3B~
図3Cに示され、以下に説明するように、滑らかで丸い遠位先端部を形成するように形成され得る。t字型IUD202の近位端部において、IUDは、IUDに取り付けられた1つまたは複数のストリング210a、210bをさらに含むことができる。ストリングは、接続点211でIUDに接続可能であり、例えば、図示するように結び目で結ばれている。
【0027】
[0082]挿入装置は、
図2に示すIUDなどのt字型IUDに関して本明細書で一般的に説明されるが、当業者によって認識されるように、本開示の挿入装置は、他のIUD構成の挿入を容易にするように適合可能であることに留意されたい。さらに、挿入装置の操作およびIUD挿入手順は、所望のIUD位置に対応する任意の数のステップを含むことができる。以下に記載される特徴に加えて、本開示の挿入装置は、様々な構成を有するIUDの挿入に有効であり得るIUD位置制御特徴部を含む。例えば、以下で説明するIUD挿入手順は、3つの異なるIUD位置に対応する3段階の手順を参照するが、挿入装置の操作手順には、3つ未満または3つを超えるステップを含めることができる。したがって、挿入装置は、所望のIUD位置に対応する任意の数の位置制御特徴部を含むことができる。本開示の挿入装置は、Bayer(登録商標)によってMirena(登録商標)として販売されているTフレームLNg-20 IUDならびにMona-Lisa(商標)から入手できるNeo-Safe CuT 380A(登録商標)などの器具を含む、市場で入手可能な様々な従来のIUDと共に使用することができる。
【0028】
[0083]本明細書に開示する挿入装置は、一般にIUD挿入のための一般に知られており使用される手順に概ね類似する手順ステップに従って動作するように構成可能である。しかしながら、本開示の挿入装置は、挿入装置の構造および操作における改善を含む。開示される挿入装置の別の態様では、IUD挿入の手順ステップは、(i)挿入前に発生する挿入装置準備手順、(ii)IUD挿入の第1段階(本明細書では段階1、位置1、またはステップ1とも呼ばれる)、(iii)IUD挿入の第2段階(本明細書では段階2、位置2、またはステップ2とも呼ばれる)、(iv)IUD挿入の第3段階(本明細書では段階3、位置3、またはステップ3とも呼ばれる)、(v)挿入後の手順を含む。第1段階から第3段階の間の挿入装置の配置および動作は、
図17A~
図17Cに関して以下でより詳細に説明される。
【0029】
[0084]挿入前に発生する挿入装置準備手順は、例えば、
図2に示すIUDなどのt字型IUD202を挿入装置に装填すること、患者と面内でt字型IUD202を位置合わせすること、挿入装置のシースの長さに沿って正しい長手方向位置にt字型IUD202を配置すること、およびIUDを挿入するための位置にロックすることを含む。当業者には理解されるように、IUDを挿入装置に装填することは、そのような挿入装置の準備手順の一部として以下でさらに詳細に説明するように行うことができる。
【0030】
[0085]
図3A~
図3Cは、患者の解剖学的構造を表すためにデモンストレータ333を使用する本開示の態様によるIUD挿入の第1段階中の挿入装置300の遠位先端部の配置を示す。デモンストレータ333は、子宮頸管321領域および子宮314領域を有する。
【0031】
[0086]
図3Aでは、挿入装置300は、子宮内に配置するようにサイズ設定され構成され、15cm~25cmの管長(または作業長)、および3mm~約5mmの直径を有する。近位端部および遠位端部、ならびに近位端部と遠位端部との間に延びるシース管腔を有するシース332の遠位端部20は、シース332が子宮(デモンストレータ333の子宮314領域)にわずかに突出するように、子宮頸管を通って前進させられる。t字型IUD202はまだ展開されておらず、シース332内に留まっている。t字型IUD202の球根状先端部208a、208bは、
図3Bに示されるように、挿入装置300の遠位端部20に丸い形状を作成するために部分的に展開され得、一方、t字型IUD202の細長い本体204は、シース332の細長い管腔内に配置されたままである。あるいは、挿入装置300のシース332または他の特徴部が丸い遠位先端部を提供する態様では、
図3Bの線BBに沿って取られた断面に示されるように、および
図3Cに示されるように、IUDアーム206a、206bはシース332によって包み込まれる。第1の次元では、IUDがシース332内に完全に配置されたときのIUDの直径は、IUDがシース332の先端部を越えて遠位側に前進するときの第2のより大きい直径よりも小さく、その結果、IUDアーム206a、206bはt字型IUD202の中心軸線から離れる方向に延びる。リザーバ220は、活性剤を収容するために設けられ得る。
【0032】
[0087]
図3Dは、本開示の一態様による、IUD挿入の第1段階中の、挿入装置300の
図3BのD-Dのビューから見た装置のバレルを下にした図を示す。開口部331は、シース332の直径d2よりも小さい直径d1を有する。IUDアーム206a、206b、またはIUDの同様の特徴部が患者の卵管のそれぞれの開口部とインラインで展開するように、t字型IUD202は、
図3Dに示すように長手方向軸線xの周りで面内で回転可能である。
【0033】
[0088]市販されている、レボノルゲストレルを放出する避妊器具は、細長い本体204の周囲に調整されたリザーバ220を備え、例えばホルモンレボノルゲストレルを含むポリエチレンで製造された細長い本体204を有するt字型IUD202からなる。したがって、IUDは、活性剤を含むジャケット状のポリマーリザーバがその周りに取り付けられているコア部分を含むように構成可能である。活性剤は、更年期障害の治療または避妊に使用されるホルモンを含む。IUDは、保護チューブ内にプランジャが含まれている挿入器と一緒に滅菌パッケージで販売されている。ホルモン含有の細長い部材がシース132によって保護された状態で、t字型IUD202をプランジャの前端部(遠位端部)に配置することができる。一方、横断部材のIUDアーム206a、206bは、疲労を防ぐために拡張される。除去中にt字型IUD202が(例えば、近位側に引っ張られて)患者の外側に向かって引っ込められるストリング210a、210bは、プランジャ134とシース132(例えば、保護チューブ)との間を走り、ハンドル135の端部で終わる。
【0034】
[0089]
図4A~
図4Cは、
図3Bの線4~4に沿って取られた、挿入装置400の遠位端部20に配置されたt字型IUD202の断面を表す。最初に、t字型IUD202は、挿入装置のシース432内に完全に配置されている(段階1中の
図4A)。挿入装置が子宮内に配置されると、IUDアームIU206a、206bが挿入装置400のシース432から出始めるように、t字型IUD202が遠位側に前進する(段階1中の
図4B)。
【0035】
[0090]IUDが遠位側に前進させられると、IUDアーム206a、206bが挿入プロセスの段階2の間にシースの遠位端部から離れると、t字型IUD202のIUDアーム206a、206bは中心軸線xから離れて半径方向に広がる。
【0036】
[0091]
図4D~
図4Eは、患者の解剖学的構造を表すためにデモンストレータ433を使用するIUD挿入手順の段階2中の挿入装置400の配置を示す。t字型IUD202は部分的に展開され(
図4Cと同様)、t字型IUD202の細長い本体204はシース432内に配置されたままであり、t字型IUDのIUDアーム206a、206bはシース432から完全に解放され、t字型IUD202の細長い本体204から外向きに延びるように展開する。
図4Dに示すように、挿入装置400は、フランジ434が子宮頸部420の外部オリフィス422から設定距離に達し、IUDが挿入装置400のシース432から子宮内に部分的に展開されるまで、デモンストレータ433によって表される子宮内に遠位側に延ばされる。挿入装置400を操作する臨床医は、使用中に、
図4Dに示す位置を一定期間、例えば、10~25秒、より頻繁には15秒間維持して、t字型IUDのIUDアーム206a、206bが完全に展開されるか、または所望の位置または構成に拡張されることを確実にすることができる。続いて、
図4Eに示すように、挿入装置400は、フランジ434が子宮頸部420の外部オリフィスに到達するまで遠位側に前進させられ、その時点で、t字型IUD202のIUDアーム206a、206bは、子宮の基底部416に接触する。
【0037】
[0092]
図5A~
図5Bは、挿入手順の段階3中のt字型IUD202の配置を示している。t字型IUD202は、挿入装置から子宮内に完全に展開される(
図5Aにデモンストレータ433として示される)。
【0038】
[0093]
図5Bは、子宮514、基底部516、卵管518a、518bの開口部、子宮頸部520、子宮頸管521、子宮頸部520の外部オリフィス522、および子宮頸部520の内部オリフィス523を含む、関連する女性の解剖学的構造の詳細図を示す平面図を提供する。挿入されると、IUDストリング210は、
図5Bに示すように、子宮514から子宮頸部520を通って膣524内に延びる。
【0039】
[0094]IUD挿入段階が完了すると、挿入装置のシースを患者から取り外したり、IUDストリングを特定の患者に適した長さにトリミングしたりするなど、挿入後の手順を実行することができる。
【0040】
[0095]本開示の挿入装置は、改善された装置構造および操作技術、ならびにユーザの操作性の向上を実証する。本開示の挿入装置は、IUD挿入手順中に患者が被る痛みおよび外傷を軽減するように構成される。ほとんどの女性は、開口部の直径が約1ミリメートルから約3ミリメートルまで変化する子宮頸部を有する。子宮頸部のサイズと形状は、患者の年齢、患者のホルモン状態、および患者が膣から出産したかどうかによって大きく異なる。しかしながら、IUDおよび挿入装置は、典型的には、特に子宮頸部または子宮の外部オリフィスおよび内部オリフィスにおいて、子宮頸管の直径よりも大きい直径を有する。子宮頸部と挿入装置の直径間のこのような不一致は、IUD挿入の抵抗経路を作成し、IUDの適切な挿入を妨げ、患者に外傷性挿入をもたらす可能性がある。IUDの直径と従来の挿入装置は、IUD挿入プロセス中にIUDとアプリケータが挿入される典型的な女性の子宮頸管に比べて大きくなっている。当業者に理解されるように、外傷性IUD挿入手順は、出血、激しい痛み、および失神または発作をもたらし得る有害な血管迷走神経応答を含むがこれらに限定されない様々な有害な副作用を引き起こし得る。
【0041】
[0096]IUD挿入手順中の痛みは、挿入装置の構造と操作、および挿入装置の操作の容易さによって軽減される。外傷性挿入は、IUD挿入ツールの操作の困難さ、挿入装置の誤動作、挿入中のIUDの不適切な配置、操作者のエラー、および挿入装置自体の固有の設計特徴が原因で発生する可能性がある。本開示の挿入装置は、IUD挿入プロセス中の抵抗および摩擦を低減するように構成される。挿入装置は、スムーズに、素早く、着実に、簡単に、高度に制御された一貫した方法で動作するように構成可能であり、それにより、IUDの挿入および展開中の患者への外傷を軽減する。
【0042】
[0097]本開示は、挿入手順の様々な段階中にIUDの位置を制御する挿入装置構造および動作を提供する。従来の挿入装置は、IUDを配置し、挿入手順全体を通して適切なIUD配置を維持するための信頼できるメカニズムを提供していない。挿入の複数の段階でIUDを適切な場所に固定することは、適切で痛みのない挿入にとって重要である。IUDの調整不良や時期尚早または遅い展開などの不適切なIUD配置は、挿入の失敗と痛みを引き起こす可能性がある。本開示は、挿入手順中にIUDの面内および長手方向の両方の位置合わせを制御するための位置制御特徴部を使用することにより、改善された位置制御を提供する。開示された装置の一態様では、挿入装置は、適切なIUD配置の検証および保証を提供するための位置制御フィードバックまたは信号特徴部をさらに含む。
【0043】
[0098]II.IUDの位置と位置合わせの制御
本開示の挿入装置は、片手を使用するIUD挿入手順中にIUDの位置の高度な制御および正確さを示すように構成可能である。挿入装置は、シーススライダが遠位空洞を越えて遠位方向に前進するのを防ぐように構成されている。
【0044】
[0099]当業者には理解されるように、IUD挿入手順中にIUDの配置および位置合わせを高度な精度で制御することが重要である。例えば、
図3~
図5に示され、上記で説明されたIUD挿入手順では、IUDの長手方向の位置、IUDの面内位置合わせ、ならびにt字型IUD202および挿入装置シースの断面を制御することが重要である。
【0045】
[0100]上述したように、t字型IUD202は、
図3Dに示すように、長手方向軸線xを中心に面内で回転可能であり、IUDアームまたはIUDの同様の特徴部は、患者の卵管518a、518bのそれぞれの開口部とインラインで展開して、
図5Bに示すように、面内位置合わせを達成する。一般的に言えば、IUDが面内位置合わせされているとき、IUDは、卵管518a、518bおよび子宮頸管521の開口部によって規定される平面内で、
図5Bのx-yで示される冠状面などの、平坦または実質的に平坦に置かれる。IUDが配備されるとき、IUDアーム206a、206b、または非t字型IUDのための同様の機能的特徴部は、卵管518a、518bの開口部の近くに配置される。t字型IUDの細長い本体204の近位端部は、子宮頸部の内部オリフィス523に近接しており、IUDストリング210は、t字型IUD202から膣524内に近位側に延びる。
【0046】
[0101]挿入手順の段階1中に、
図4A~
図4Bに示すように、t字型IUD202は、時期尚早に配備されないが挿入手順の段階2への移行中に容易に配備されるように挿入装置400内に配置される(
図4C)。挿入装置400の遠位端部20の断面は、患者の子宮頸部および子宮に挿入される挿入装置の長手方向部分に沿って最小直径を呈するように構成可能であり、挿入装置400の遠位端部20は、丸みを帯びたまたは湾曲した、滑らかであって、鈍いまたは急峻な特徴のない遠位端部を呈するようにさらに構成可能である。鈍いまたは急峻な特徴のない丸みを帯びた遠位先端部の使用は、患者への危害または外傷を低減または排除し、子宮頸管を通って子宮への挿入装置のスムーズな挿入の障害を低減する。t字型IUD202は、好ましくは、展開されたIUDが、例えば、上述のように冠状面に実質的にあるように、面内位置合わせして子宮内に展開される。
【0047】
[0102]III.IUDおよびホルモン
市販されており、レボノルゲストレルを放出する避妊器具は、細長い本体204の周りに調整されたジャケット状のポリマーリザーバ220を備えたポリエチレンで製造された細長い本体204を有するt字型IUD202からなる。リザーバ220は、活性剤を収容する。活性剤は、更年期障害の治療または避妊のために使用されるホルモン、例えばレボノルゲストレルを含む。IUDは、IUDが保護チューブ内に配置された挿入装置と一緒に滅菌パッケージで販売される。t字型IUD202は、ホルモン含有の細長い部材がシースまたはチューブによって保護された状態で、前端部(遠位端部)に配置されている。一方、横断部材のIUDアーム206a、206bは、疲労を防ぐために拡張される。t字型装置を外側に引き込むストリングは、プランジャと保護チューブとの間を走り、ハンドルの端部で終わる。
【0048】
[0103]IV.IUD挿入装置
図6A~
図6Eは、挿入装置600を示す。
図6A~
図6Bは、挿入装置600の上面図および側面図である。
図6Cは、挿入装置600の従来のバージョンの断面図である。
図6Dは、挿入装置600の実施形態の断面図である。
図6Eは、挿入装置600の代替的な実施形態の断面図である。
図6Fは、
図6A-Bの挿入装置600の分解図である。
図6Gは、
図6Eの挿入装置600の分解図である。
【0049】
[0104]挿入装置600は、展開前にIUDを収容するように構成された内部管腔を有する細長いシース632またはチューブと、細長いシース632内に適合する細長い内部部材またはプランジャと、ハンドル635またはハウジングと、細長いチャネル638と、細長いシース632および細長い内側部材の、細長いチャネル638の対応する長手方向軸線に沿った互いに対する並進運動を制御するための、第1のシーススライダ表面642Aおよび第1のシーススライダ表面642Aの反対側の第2のシーススライダ表面642Bを備えた窪みを有するシーススライダ642である第1のスライダと、IUDに取り付けられた1つまたは複数のストリングを制御するための第1のストリング制御スライダ表面646Aを有するストリング制御スライダ646である第2のスライダと、を含む。細長いチャネル638は、シーススライダ642およびストリング制御スライダ646の動きを、長手方向軸に沿って近位方向および遠位方向に案内する。
【0050】
[0105]以下でさらに詳細に説明するように、ストリング制御スライダ646は、IUDに取り付けられた1つまたは複数のストリングのロックおよびロック解除を制御することができる。
【0051】
[0106]挿入装置600のハンドル635は、細長いシース632、プランジャ、およびシーススライダ642およびストリング制御スライダ646などの挿入装置パーツ用のハウジングを提供するように適合可能かつ構成可能であり、動作中に操作者が挿入装置600を保持するためのハンドルを提供する。
【0052】
[0107]ハンドル635は、挿入手順のステップに関連する単一の隆起線などのマーキング639、例えば、シーススライダ642上の対応するマーキングを伴う手順の段階1に対応する「1」を有することができる。ストリング制御スライダ646およびハンドル635は、挿入手順のステップに関連する、例えば「2」などの2つの隆起線などのマーキング639’を有することができる。ハンドル635は、別のマーキング639’’、また、挿入手順のステップに関連する2つの隆起線、例えば「3」を有することができる。
【0053】
[0108]ハンドル635はさらに、ユーザがシーススライダ642およびストリング制御スライダ646にアクセスすることを可能にする細長いチャネル638を含むように適合可能かつ構成可能である。当業者によって理解されるように、細長いチャネル638の長さに沿ったスライダの動きは、手順の間の任意の所与の時間において、同時にまたは個別にの1つまたは複数であり得る。
【0054】
[0109]図示するように、シーススライダ642は、細長いシース632に取り付け可能なシーススライダであり、細長いチャネル638内を移動する際に、細長い内側部材およびIUDに対する細長いシース632の長手方向位置および並進運動を直接制御する。ストリング制御スライダ646は、IUDのストリングをアンロックまたは解放する。挿入手順中、操作者の親指を使用して、シーススライダ642とストリング制御スライダ646の両方を細長いチャネル638に沿って近位方向(つまり、近位端部10に向かって)および遠位方向(つまり、遠位端部20に向かって)に動かして、細長いシース632およびIUDストリングをそれぞれ制御する。当業者には理解されるように、日常的な挿入の間、ユーザはスライダを近位方向に動かすだけでよい。IUDを再装填する必要がある場合のみ、ユーザは遠位方向に移動する。
【0055】
[0110]シーススライダ642およびストリング制御スライダ646はそれぞれ、長手方向軸線に沿って近位方向または遠位方向に細長いチャネル638内を移動する。細長いチャネル638の遠位端部20には、ハンドル635内の空洞645があり、その中に、シーススライダ642の遠位端部の少なくとも一部を前進させることができる。ハンドル635およびシーススライダ642の内部特徴部は、シーススライダ642が、指の窪み660の遠位表面が第1の空洞645aの縁部と面一になる点まで遠位側に前進することを防ぐ。
【0056】
[0111]シーススライダ642およびストリング制御スライダ646は伸縮式構成を有し、それにより、少なくとも1つのスライダは、長手方向軸線に沿って他の1つのスライダの少なくとも一部の中またはそれを通ってスライドする。例えば、
図6A~
図6Bに示すように、シーススライダ642は、ストリング制御スライダ646の一部の下でスライドすることができる。
【0057】
[0112]第1の空洞645aは、細長いチャネル638の第1の端部に配置され、第2の空洞645Bは、細長いチャネル638の第2の端部に配置される。挿入手順の段階3の間、シーススライダ642およびストリング制御スライダ646は、細長いチャネル638の長手方向軸線に沿って完全な近位位置にあり、第2の空洞645Bによって少なくとも部分的に囲まれている。
【0058】
[0113]追加の視覚表示特徴部および/または触覚特徴部を設けることができる。視覚表示特徴部は、細長いシース632、ハンドル635、またはその両方に設けることができる。ハンドルの近位端部は、ストリング制御表面648を有する。ストリング制御表面648はまた、挿入プロセス中にIUDのストリングが解放されたことをユーザに視覚的に示す。上述のように、挿入装置構成要素の番号1、2、および3は、挿入手順の複数の段階の間の挿入装置構成要素の適切な位置をユーザに視覚的に示す。数字などの視覚的表示は、印刷、エッチング、成形、彫刻などを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法で適用することができる。さらに、視覚的表示は、それらが手順の特定の局面の間のみ目に見えるように配置され得、そして手順の他の局面の間は見えないように配置され得る。さらに、視覚的表示は、視覚と触覚の両方を使用することができる。
【0059】
[0114]
図6Cに示すように、挿入装置600の従来のバージョンの内部は、ハンドル半体の超音波溶接の平面内で撓むストリング制御スライダ646の移動止めリブ641、641’を含んでいた。ハンドル635の半体の超音波溶接の平面内の移動止めリブ641、641’は、移動止め力の変動をもたらした。
【0060】
[0115]
図6Dに示すように、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673は、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673がハンドル半体の超音波溶接面に対して90度撓むように再構成されている。1つの構成では、
図7Aにより詳細に示すように、シーススライダ642は、シーススライダ642の上半部および下半部の両方のいずれかの側に、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673を有する。
【0061】
[0116]
図6Eは、シーススライダ642の各半体が1つの移動止めアームを有する代替的構成である。シーススライダ642の2つの半体が合わさると、
図7Bにより詳細に示すように、移動止めアームがシーススライダ642の各側に配置される。遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673は、シーススライダの2つの部品が組み立てられたときに、シーススライダ642のいずれかの側に配置される。遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673は、シーススライダ642の各半体の両側、シーススライダ642の1つの半体の両側、またはシーススライダ642の各半体の反対側に配置することができる。
【0062】
[0117]
図6Fは、
図6Dの挿入装置600の分解図である。
図6Gは、
図6Eの挿入装置600の分解図である。挿入装置600は、2つの部分で示されるハンドル635を含む。ハンドルは、細長いチャネル638またはガイドと、遠位空洞または第1の空洞645Aと、細長いチャネル638の反対側で第1の空洞645Aに面する近位空洞または第2の空洞645Bと、を有する。シーススライダ642は、ストリング制御スライダ646に対して遠位側に配置される。細長いシース632、プランジャ634およびフランジ633が設けられている。
【0063】
[0118]
図7Aは、
図6Eに示すシーススライダ642のさらなる詳細を示す。シーススライダ642の上半部は、シーススライダ642の両側の一対の側方レール670、670’を有する。側方レール670、670’は、ハウジング(
図9に示す)のいずれかの側のチャネル内に嵌合する。1対の遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673は、側方レール670に対して遠位側に設けられる。遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672s672、673は、横方向に撓む移動止めアームである。
【0064】
[0119]
図7Bは、
図6Eに示すシーススライダ642のさらなる詳細を示す。シーススライダ642の上半部は、シーススライダ642の両側の一対の側方レール670、670’を有する。一対の側方レール670、670’は、ハウジング(
図9に示す)内のチャネル内に嵌合する。遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム673は、側方レール670に対して遠位側に設けられる。遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム673は、横方向に撓む移動止めアームである。1つの構成では、シーススライダ642の下半部は、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム673の反対側に遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアームを有することができ、その結果、シーススライダ642の上部と底部が嵌合されると、シーススライダ移動止めアームは、シーススライダ642のいずれかの側から延びる。
【0065】
[0120]
図7Cは、ハンドル635用のハウジングの一部内に配置された、
図7Aに示すシーススライダ642を示す。ハンドル635のハウジングの内面から延びる一対の側方リブ674、675は、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673と係合する。シーススライダ642は、遠位端部20で細長いシース632と係合し、近位端部10でストリング制御スライダ646と係合する。シーススライダ642は、凹状の上面に「1」などの視覚表示を有する。凹状の上面は、IUD挿入装置を片手で使用するときにユーザの指にフィットするように設計されている。
【0066】
[0121]
図7Dは、ハンドル635のハウジングの一部内に配置された、
図7Bに示すシーススライダ642を示す。側方リブ675は、ハンドル635のハウジングの下半部の内面から延びて、側方リブ675の近位面に係合する。シーススライダ642は、遠位端部20で細長いシース632と係合し、近位端部10でストリング制御スライダ646と係合する。
【0067】
[0122]
図8は、ストリング制御スライダ646内に形成された空洞内に部分的に配置されたシーススライダ642を示し、ストリング制御スライダ646の内面に第1のシースハードストップ表面690を有する。第1のシースハードストップ表面690は、使用中にシーススライダ642がストリング制御スライダ646を越えて近位側に移動することを防止する。
【0068】
[0123]
図9は、ストリング制御スライダ646に形成された空洞内に部分的に入れ子状に配置されたシーススライダ642の別の図を示し、ストリング制御スライダ646の内面に第1のシースハードストップ表面690を有する。側方レール670のうちの1つが内部に嵌合するチャネル686は、この図から理解することができる。
【0069】
[0124]
図10は、
図6Aの挿入装置600の遠位端部20を示す。t字型IUD202は、細長いシース632の遠位端部20に配置される。プランジャ634は、追加のチューブセグメントを使用することなく、t字型IUD202の近位端部10と係合する。
【0070】
[0125]
図11は、
図6Cに示す細長いシース632に隣接するハンドル635の遠位部分の内面図である。細長いシース632のさらなる移動を防止するために細長いシース632の内側に内側スリーブを設ける必要をなくす、細長いシースハードストップ表面692が設けられている。
【0071】
[0126]
図12A~
図12Cは、挿入プロセスの様々なステップ中の挿入装置600の要素を示している。
図12Aは、
図6Aのシーススライダ642が遠位位置にあるときの挿入手順の開始時(段階1)の位置1にある挿入装置の内部を示している。切り取り図に示すように、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673は、ハンドル635の下半部の側方リブ674、675に係合する。
【0072】
[0127]
図12Bは、シーススライダ642が遠位位置にあるときの挿入手順の開始時(段階1)の代替的な実施形態の位置1を示す。切り取り図に示すように、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672のうちの1つがシーススライダ642の下側部分に配置され、ハンドル(図示せず)の上半部内に配置された側方リブに係合する。ハンドル635の下半部の反対側に側方リブ675が示されており、これは、シーススライダの上側部分内に配置された側方リブと係合する。
【0073】
[0128]
図12Cは、手順(段階2)の途中の位置2にある挿入装置の内部を示す。内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681は、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673に対して近位側に配置される。内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681は一対のリブ684、685と係合し、一対のリブ684、685は、一方の側でプランジャ634と係合し、他方の側で内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681と係合する。位置2(段階2)の内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681は、それらが第2の位置に到達したという触覚フィードバックをユーザに提供する。このフィードバックが発生すると、ユーザはIUDアームが下がるのを15秒待つ。次に、ユーザは、シーススライダ642をストリング制御スライダ646と共に位置2から近位側に位置3に動かす。
【0074】
[0129]
図12Dは、位置3の間のハンドル635の内部の近位端部10を示し、ストリング制御スライダ646の近位端部を示している。一対の外向きストリング制御スライダ移動止めアーム682、683。位置3にある外向きストリング制御スライダ移動止めアーム682、683は、再度、ユーザに触覚フィードバックおよび可聴クリックを提供して、ユーザに位置3に到達したことを知らせる。
図12Dは、位置3にあるストリング制御スライダを示し、外向きストリング制御スライダ移動止めアーム682、683が近位ハンドルリブ687、688と係合している。
図12Eに示す追加の位置決め特徴部693、694が設けられ、これらは、超音波溶接の前に2つのハンドルの適切な位置合わせおよび迅速な位置決めを達成することを支援する。位置決め特徴部は、ハンドル635の第1の側の第1の位置決め特徴部と、ハンドルの第1の側と反対のハンドル635の第2の側の第2の位置決め特徴部と、を区別するために「O」および「+」として示されている。
【0075】
[0130]
図13A~
図13Cに目を向けると、内面を示すシーススライダ642の下半部は、内部湾曲リブ695のうちの1つまたは複数の上面に一対の引張りホルダ696、696 ’を備えた、複数の内部湾曲リブ695(3つのリブとして示されている)を有する。一対の引張りホルダ696、696’は、使用中にシーススライダ642に追加の引張り保持強度を提供する。したがって、
図13Aでは、3つの内部湾曲リブ695があり、3つの内部湾曲リブの各々は、合計6つの引張りホルダのために、2つの引張りホルダをそれぞれ有する。
図13Bは、引張りホルダから90度の角度で引張りホルダ696および捻りホルダ697を交互に使用することを示し、これは、使用中に追加の捻り強度を提供する。したがって、
図13Bでは、3つの内部湾曲リブ695もある。この構成では、2つの内部湾曲リブに2つの引張りホルダがあり、合計4つの引張りホルダがあり、第3のリブ(中央のリブ)には捻りホルダ697がある。
【0076】
[0131]
図13Aのシーススライダ642の下半部は、一対の遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673を有する。
図13Bに示す構成は、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672のうちの1つのみを有するシーススライダ642の底部を示す。当業者には理解されるように、遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673の2つを有する
図13Aの構成は、単一の移動止めアームを有することができ、かつ/あるいは内部湾曲リブ695のうちの1つもしくは複数に引張りホルダ696を有することができ、または引張りホルダ696と捻りホルダ697の組み合わせを有することができる。同様に、
図13Bに示す構成は、2つの移動止めアームを有することができる。
図13Cは、前面湾曲面に捻りホルダ697を備えたシーススライダ642の底部および内面を示している。
【0077】
[0132]
図14は、ハンドル635を形成するハウジングの切り欠きを示す。ハンドルの溶接強度を向上させるために、溝形接合面698が設けられている。さらに、レール699を設けて、ハンドル635の剛性を高めることができる。
【0078】
[0133]
図15は、ハンドル635の近位端部10と、鋭いエッジの代わりに丸みを帯びた縁部を有するストリング制御表面648と、を示す。丸みを帯びた縁部を使用すると、挿入プロセス中に装置によってストリングが損傷または切断されるのを防ぐことができる。
【0079】
[0134]
図16は、単一の成形部品であるストリング制御スライダ646を示す。ストリング制御スライダ646は、近位端部10および遠位端部20を有する。内部に面するチャネル686は、シーススライダの側方レールが移動する遠位端部の長さの一部に沿って形成される。ストリング制御スライダ646は、二対の移動止めを有する。内部で係合する第1の対のストリング制御スライダ移動止めアーム680、681は、一対の外向きストリング制御スライダ移動止めアーム682、683に対して近位側に配置される。一対の可撓性アーム649は、ストリング制御スライダ646の近位端部10の周りに配置され、内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681および外向きストリング制御スライダ移動止めアーム682、683が配置される平面に垂直な平面に配置される。
【0080】
[0135]
図17A~
図17Cは、挿入プロセスの段階1(
図17A)、挿入プロセスの段階2(
図17B)、および挿入プロセスの段階3(
図17C)での挿入装置の近位端部および遠位端部を示す。プロセスの各段階で、上で説明および示した内部構成要素が係合されているときに、触覚フィードバックをユーザに提供することができる。
【0081】
[0136]
図17Aでは、段階1の間に、IUDストリング210を引っ張ることにより、t字型IUD202が細長いシースに装填され、シーススライダ642がハンドル635の細長いチャネル内の最も遠位の位置に配置されたときに、細長いシース632の内部に配置されることが示されている。シーススライダ642の遠位表面は、第1の空洞645aの縁部と位置合わせする。さらに、ハンドル635の外面上のマーキング639のスタイルは、(単一の隆起したリブとして示される)シーススライダ642の表面上のマーキングと位置合わせすることができる。
【0082】
[0137]
図17Bに示す段階2の間、シーススライダ642は、近位側に(ユーザに向かって)移動し、ストリング制御スライダ646の一部の下でスライドし、その時点で、細長いシース632内に配置されたプランジャが、t字型IUDを細長いシース632の遠位端部から部分的に押し出す。
図6Dに示す遠位側に配置されたシーススライダ移動止めアーム672、673が側方リブ674、675を通過するときに、ユーザはクリックを感じるであろう。IUDアームは、中心軸線から離れて横方向に延び、一方、細長い本体は、細長いシース632の内部に留まる。この段階の間、ハンドル635上のマーキング639は、ストリング制御スライダ646上のマーキング(2つの隣接する隆起したリブとして示される)と位置合わせすることができる。シーススライダ642がストリング制御スライダ646に対して最適に配置されると、シーススライダ642の近位表面は、ストリング制御スライダ646aの表面と位置合わせする。さらに、内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681は一対のリブ684、685と係合し、一対のリブ684、685は、一方の側でプランジャ634と係合し、他方の側で内部で係合するストリング制御スライダ移動止めアーム680、681と係合する。
【0083】
[0138]
図17Cに示すように、段階3の間、シーススライダ642およびストリング制御スライダ646は、チャネル内でさらに引き戻され、その時点で、t字型IUD全体が細長いシース632の遠位端部から解放される。ユーザは、シーススライダ642およびストリング制御スライダ646が一緒に動かされるときにクリックを感じ、完全な近位位置に到達するときにさらにクリックを感じる。シーススライダ642およびストリング制御スライダ646は、細長いチャネル638の長手方向軸線に沿って完全な近位位置にあり、第2の空洞645Bによって少なくとも部分的に囲まれている。
【0084】
[0139]本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、説明してきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは当業者には明らかであろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、数多くの変形、変更、および置換を思いつくであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替例が、本発明を実施する際に使用されてもよいことが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図されている。