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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】空調機
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/32 20060101AFI20231129BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20231129BHJP
   B62D 33/06 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B60H1/32 615
B60H1/00 102W
B60H1/32 614Z
B62D33/06 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019197795
(22)【出願日】2019-10-30
(65)【公開番号】P2021070395
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】596076986
【氏名又は名称】いすゞA&S株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519389177
【氏名又は名称】株式会社オズ・エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 祐一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 幸雄
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-120816(JP,A)
【文献】特開平11-115593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299292(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0311288(US,A1)
【文献】特開2016-078717(JP,A)
【文献】特開2011-041498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0203632(US,A1)
【文献】特開平07-025225(JP,A)
【文献】実開平01-005816(JP,U)
【文献】特開平10-138747(JP,A)
【文献】特開昭61-060314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00-3/06
B62D 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に膨出するハイルーフ部を上部に備えるキャブ内を空調する空調機であって、
前記ハイルーフ部よりも下側の前記キャブの後部の開口に嵌め付けられる室外機と、
前記ハイルーフ部内に設置される室内機と、を備え
前記室外機は、
前記室外機の後側の左部に形成された吸込口と、
前記室外機の後側の右部に形成された吹出口と、
後ろに向かうにつれて前記吹出口から離れるように、前記吸込口に斜めに設けられた整流板と、
後ろに向かうにつれて前記吸込口から離れるように、前記吹出口に斜めに設けられた整流板と、
を有する空調機。
【請求項2】
前記室内機が、前記キャブの側面に形成されたドア開口の上縁よりも上に配置されている
請求項1に記載の空調機。
【請求項3】
前記室内機が、前記ハイルーフ部の後ろ側内面に取り付けられている
請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項4】
前記室内機が、前記ハイルーフ部の後ろ側内面と天井面との間の角部に取り付けられている
請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項5】
前記室内機が、前記ハイルーフ部の天井面に取り付けられている
請求項1又は2に記載の空調機。
【請求項6】
前記室外機は前記キャブの後部から前記キャブ内に張り出しているとともに、前記キャブの後部から前記キャブ外に張り出し、
前記キャブ内への前記室外機の張り出し距離が前記キャブ外への前記室外機の張り出し距離よりも長い
請求項1から5の何れか一項に記載の空調機。
【請求項7】
前記室内機から前記室外機にかけて前記キャブの内面に沿って配管される冷媒管を更に備える請求項1から6の何れか一項に記載の空調機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車のキャブ内を空調する空調機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貨物自動車の車室内に設置される空調機が開示されている。この空調機の室外機はキャブの後部の窓開口に取り付けられており、室内機の下部が室外機の上部に前後方向に重なり合った状態で室内機が室外機に一体的に組み付けられている。
一方、ハイルーフ型のキャブを有した貨物自動車が知られており、キャブ内の空間が上方に拡大されているため、居住性及び快適性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5941976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載された技術では、室内機がキャブ内に大きく張り出しているため、室内機が乗員に圧迫感を与えてしまい、居住性及び快適性が損なわれてしまう。また、特許文献1に記載の室外機がハイルーフ型のキャブの後部の窓開口に取り付けられた場合、キャブ自体の居住性及び快適性が優れていても、室外機に一体化された室内機が居住性及び快適性を損ねてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、車室の居住性及び快適性が室外機及び室内機によって損なわないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、上方に膨出するハイルーフ部を上部に備えるキャブ内を空調する空調機が、前記ハイルーフ部よりも下側の前記キャブの後部の開口に嵌め付けられる室外機と、前記ハイルーフ部内に設置される室内機と、を備える。
【0007】
以上によれば、室外機がキャブの後部の開口に嵌め付けられているため、室外機が乗員に圧迫感を与えない。また、ハイルーフ部によってキャブ内の空間が上方に拡大されており、室内機がそのハイルーフ部内に設置されるため、室内機が乗員に圧迫感を与えない。よって、車室の居住性及び快適性が室外機及び室内機によって損なわない。
【0008】
好ましくは、前記室内機が、前記キャブの側面に形成されたドア開口の上縁よりも上方に配置されている。
【0009】
以上によれば、キャブ内の空間のうちドア開口よりも上の領域には熱が籠もりやすいところ、室内機がドア開口の上縁よりも上に配置されているため、キャブ内全体を効率的に冷房することができる。
【0010】
前記室内機が、前記ハイルーフ部の後ろ側内面に取り付けられてもよいし、前記ハイルーフ部の後ろ側内面と天井面との間の角部に取り付けられてもよいし、前記ハイルーフ部の天井面に取り付けられてもよい。
このような室内機の取付位置であると、室内機が乗員に圧迫感を与えず、車室の居住性及び快適性が室外機及び室内機によって損なわない。
【0011】
好ましくは、前記室外機は前記キャブの後部から前記キャブ内に張り出しているとともに、前記キャブの後部から前記キャブ外に張り出し、前記キャブ内への前記室外機の張り出し距離が前記キャブ外への前記室外機の張り出し距離よりも長い。
【0012】
以上によれば、キャブが振動しても、室外機がキャブの後方の荷台に接触しない。
【0013】
好ましくは、前記空調機が、前記室内機から前記室外機にかけて前記キャブの内面に沿って配管される冷媒管を更に備える。
【0014】
以上によれば、冷媒管が車室の居住性に悪影響を及ぼさない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車室の居住性及び快適性が室外機及び室内機によって損なわない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】貨物自動車のキャブを一部破断した状態で示した貨物自動車の側面図である。
図2】空調機のブロック図である。
図3】室内機の縦断面図である。
図4】室外機の横断面図である。
図5】室内機の設置位置の第1変形例を示した貨物自動車の側面図である。
図6】室内機の設置位置の第2変形例を示した貨物自動車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0018】
図1は貨物自動車1の側面図である。貨物自動車1はキャブ2、シャーシ3及び荷台4を備える。シャーシ3がキャブ2の後部に連結されているとともに、車長方向に延在している。荷台4はシャーシ3の上に搭載されている。荷台4はバンボディであるが、平ボディであってもよい。
【0019】
キャブ2はハイルーフ型のキャブである。つまり、キャブ2は、下部のキャブ本体21と、上部のハイルーフ部22とを備える。ハイルーフ22は、キャブ本体21の上端から上方に膨出するようにキャブ本体21の上に設けられている。ハイルーフ部22の内部空間とキャブ本体21の内部空間が一体的な車室となっており、ハイルーフ部22がキャブ本体21の上に設けられることによってキャブ2内の車室が上方に拡大されている。
【0020】
キャブ本体21は、フロント部21Fと、左右のサイド部21Sと、リア部21Rと、ボトム部21Bとを備える。フロント部21Fは、上下左右に延びるとともに、キャブ本体21の前方を区画する。左右のサイド部21Sは、フロント部21Fの左右の端部のそれぞれから後方に延びるとともに、キャブ本体21の左方及び右方をそれぞれ区画する。リア部21Rは、左のサイド部21Sの後端から右のサイド部21Sの後端にかけて左右に延びるとともに、キャブ本体21の後方を区画する。ボトム部21Bは、フロント部21F、左右のサイド部21S及びリア部21Rの下端によって囲われた領域に設けられるとともに、キャブ本体21の下方を区画する。
【0021】
ハイルーフ部22は、上部フロント部22Fと、左右の上部サイド部22Sと、上部リ
ア部22Rと、トップ部22Tとを備える。上部フロント部22Fは、フロント部21Fから上に延びるとともにとともに、ハイルーフ部22の前方を区画する。左右の上部サイド部22Sは、左右のフロント部21Fのそれぞれから上に延びるとともに、ハイルーフ部22の左方及び右方をそれぞれ区画する。上部リア部22Rは、リア部21Rから上に延びるとともに、ハイルーフ部22の後方を区画する。トップ部22Tは、上部フロント部22F、左右の上部サイド部22S及び上部リア部22Rの上端によって囲われた領域に設けられるとともに、ハイルーフ部22の上方を区画する。ハイルーフ部22の上部フロント部22Fが後ろ上りに傾斜しているため、荷台4に対する空気抵抗が小さく、燃費向上が図られている。
【0022】
ハイルーフ部22がキャブ本体21の上に設けられることによって、車室が高くなる。そのため、車室内の乗員が開放感及び快適性を得る。
【0023】
キャブ本体21内の前側には、シート218が取り付けられ、シート218の後方にベッド219が取り付けられている。キャブ本体21のフロント部21Fには、フロントウィンドウ211が設けられている。各サイド部21Sの前部にはドア開口212が形成されており、そのドア開口212にはドア213が開閉可能に取り付けられている。
【0024】
キャブ2内、特に上部のハイルーフ部22内には、熱が籠もりやすい。ドア213或いはドアウィンドウが開けられても、外気がハイルーフ部22にまで流れにくく、ハイルーフ部22内の熱が車室外に排出されづらい。そうした場合でも、空調機の室内機50の配置が以下のように工夫されているため、キャブ2内全体を効率的に冷房することができる。
【0025】
ハイルーフ部22の上部リア部22Rの内面には、空調機の室内機50が取り付けられている。この室内機50はドア開口212の上縁よりも上に配置されている。このように室内機50が高い位置に設置されているため、車室の上部の開放性が損なわない。特に、乗員がベッド219に横たわっていても、乗員から室内機50までの距離が長く、室内機50が乗員に圧迫感を与えない。
【0026】
キャブ本体21のリア部21Rには、取付開口214が形成されている。通常であれば、リアウィンドウパネルが取付開口が取り付けられるところ、本実施形態では、空調機の室外機60が取付開口214に嵌め付けられている。室外機60は室内機50から下方に離れた位置に配置されている。
【0027】
室外機60は大部分がリア部21Rから車室内に張り出しているとともに、僅かにリア部21Rから車室外に張り出している。リア部21Rの内面からキャブ本体21内への室外機60の張り出し距離がリア部21Rの外面からキャブ本体21外への室外機60の張り出し距離よりも長い。そのため、キャブ2が振動しても、室外機60が荷台4に接触しない。
【0028】
キャブ2内において、冷媒管71,72が室内機50から室外機60にかけてリア部21R及び上部リア部22Rの内面に沿って上下方向に配管されている。そのため、冷媒管71,72が車室内の居住性、つまり車室の空間の大きさに大きな影響を及ぼさない。
【0029】
以上のような空調機の室内機50、室外機60及び冷媒管71,72がハイルーフ部22のトップ部22Tよりも低い位置に配置されているため、貨物自動車1の車高を法令に適合するように低く抑えることができる。
【0030】
この貨物自動車1には、車両用のバッテリーが搭載されており、貨物自動車1のエンジ
ンが停止した状態であっても、バッテリーから空調機に電力が供給されて、空調機が動作する。
【0031】
図2は空調機のブロック図である。図2に示すように、室内機50は室内機筐体51、室内熱交換器52及び室内ファン53を有する。室内熱交換器52及び室内ファン53は室内機筐体51内に収容された状態に取り付けられている。室内ファン53は、キャブ2内の空気を取り込むとともに、その空気を室内熱交換器52に送風して、キャブ2内に送り出す。
【0032】
室外機60は室外機筐体61、室外熱交換器62、室外ファン63、圧縮機64、四方弁65及び膨張弁66を備える。室外熱交換器62、室外ファン63、圧縮機64、四方弁65及び膨張弁66は室外機筐体61内に収容された状態に取り付けられている。室外ファン63は、キャブ2外の空気を取り込むとともに、その空気を室外熱交換器62に送風して、キャブ2外に送り出す。
【0033】
圧縮機64がパイプを介して四方弁65に接続され、四方弁65がパイプを介して室外熱交換器62に接続され、室外熱交換器62がパイプを介して膨張弁66に接続されている。膨張弁66は冷媒管71を介して室内熱交換器52に接続され、室内熱交換器52が冷媒管71を介して四方弁65に接続されている。
【0034】
四方弁65は空調機の動作モードに応じて、室内熱交換器52及び室外熱交換器62と圧縮機64との間における冷媒の進行方向を切り替えるものである。具体的には、空調機が冷房モードで動作する場合には、四方弁65が冷媒の進行方向を室外熱交換器62から圧縮機64を経由して室内熱交換器52に向かう方向に切り替える。一方、空調機が冷房モードで動作する場合には、四方弁65が冷媒の進行方向を室内熱交換器52から圧縮機64を経由して室外熱交換器62に向かう方向に切り替える。
【0035】
空調機が冷房モードで動作する場合、冷媒が圧縮機64によって高温高圧に圧縮された後、四方弁65を介して室外熱交換器62に送られる。この高温高圧な冷媒は、コンデンサとして機能する室外熱交換器62における熱交換によって液化される。液化された冷媒は膨張弁66により急激に膨張されて低温低圧にされる。この低温冷媒は冷媒管71を介して室内熱交換器52に送られる。低温冷媒は、エバポレータとして機能する室内熱交換器52における熱交換によって気化される。低温低圧な気体状の冷媒は、順に冷媒管72及び四方弁65を介して圧縮機64に戻される。以後、冷媒の循環が繰り返される。
【0036】
空調機が暖房モードで動作する場合、冷媒が圧縮機64によって高温高圧に圧縮された後、順に四方弁65及び冷媒管72を介して室内熱交換器52に送られる。この高温高圧な冷媒は、コンデンサとして機能する室内熱交換器52における熱交換によって液化される。液化された冷媒は、冷媒管71を介して膨張弁66送られて、膨張弁66により急激に膨張されて低温低圧にされる。この低温冷媒は室外熱交換器62に送られる。低温冷媒は、エバポレータとして機能する室外熱交換器62における熱交換によって気化される。低温低圧な気体状の冷媒は、四方弁65を介して圧縮機64に戻される。以後、冷媒の循環が繰り返される。
【0037】
なお、四方弁65が設けられずに、空調機が冷房機として機能してもよい。
【0038】
図3は、貨物自動車1の上方から見て示した室内機50の縦断面図である。
図3に示すように、室内機筐体51がキャブ2内において上部リア部22Rの内面に取り付けられている。室内機筐体51のフロント部の上部51aが下部51bよりも前に張り出している。フロント部の上部51aには、吹出口51cが形成されており、フロント
部の下部51bには、吸込口51dが形成されている。
【0039】
吹出口51cには、複数の整流板51eが上下多段になって設置されている。これら整流板51eは、前下りに傾斜しているとともに、互いに平行に設けられている。吸込口51dには、複数の整流板51fが上下多段になって設置されている。これら整流板51fは水平に設けられている。
【0040】
室内機筐体51内の吸込口51dの後方には、室内熱交換器52が取り付けられている。室内機筐体51内の室内熱交換器52の上方には、室内ファン53が取り付けられている。室内ファン53は室内機筐体51内の吹出口51cの後方に配置されている。
【0041】
室内ファン53が作動すると、車室内の空気が吸込口51dを通って室内機筐体51内に吸い込まれる。その空気が室内熱交換器52を後方へ通過することによって、室内熱交換器52内の冷媒と空気との間で熱が交換される。熱交換された空気が上方に流れた後に前方へ流れて、吹出口51cを通って室内機筐体51の外に吹き出る。
【0042】
整流板51eが前下りに傾斜しているため、吹出口51cから吹き出る気流の向きは前斜め下である。室内機50がハイルーフ部22の上部リア部22Rに取り付けられているため、吹出口51cから吹き出る気流がキャブ2内全体に行き渡りやすい。
【0043】
また、吹出口51cが形成された上部51aが吸込口51dが形成された下部51bよりも前に張り出しているため、吹出口51cから吹き出る気流が吸込口51dに戻りにくい。よって、吹出口51cから吹き出る気流がキャブ2内全体に行き渡りやく、キャブ2内の空調効率が向上する。
【0044】
図4は、貨物自動車1の左側方から見て示した室外機60の横断面図である。
室外機筐体61がリア部21Rの取付開口214に嵌め付けられており、室外機筐体61の後面が車室外に露出している。室外機筐体61は大部分がリア部21Rから車室内に張り出しているとともに、僅かにリア部21Rから車室外に張り出している。
【0045】
室外機筐体61の後面の左部には、吸込口61dが形成されており、室外機筐体61の後面の右部には、吹出口61cが形成されている。
吸込口61dには、複数の整流板61eが左右に配列された状態で設置されている。これら整流板61eは、後ろに向かうにつれて吹出口61cから離れるように斜めに設けられている。つまり、整流板61eは、後ろに向かって左に傾斜している。
【0046】
室外機筐体61内における吹出口61cの左右両側部には、整流板61fが設置されている。これら整流板61fは、後ろに向かうにつれて吸込口61dから離れるように斜めに設けられている。整流板61fは、後ろに向かって右に傾斜している。
【0047】
室外機筐体61内の吸込口61dの前方には、圧縮機64が取り付けられている。室外機筐体61内の圧縮機64の右方には、室外熱交換器62及び室外ファン63が取り付けられている。室外熱交換器62及び室外ファン63は室外機筐体61内の吹出口61cの前方に配置されている。室外ファン63は室外熱交換器62よりも吹出口61c側に位置した状態で室外熱交換器62に取り付けられている。また、室外ファン63は室外ファン63によって生成される気流の向きが右斜め後ろ向きになるように設置されており、室外ファン63に合わせて室外熱交換器62も室外機筐体61の後面及び前面に対して斜めに設置されている。
【0048】
室外ファン63が作動すると、車室外の空気が吸込口61dを通って室外機筐体61内
に吸い込まれる。その空気が圧縮機64を右前方へ通過することによって、圧縮機64が空冷される。その後、その空気が室外熱交換器62を右後方に通過することによって、室外熱交換器62内の冷媒と空気との間で熱が交換される。熱交換された空気が吹出口61cを通って室外機筐体61の外に吹き出る。
【0049】
整流板61fが左に傾斜しているため、室外機60の左から新鮮な空気が室外熱交換器62内に吸い込まれやすく、吹出口61cから吹き出た空気が室外熱交換器62内に吸い込まれにくい。また、整流板61eが右に傾斜しているため、吹出口61cから吹き出る気流が吸込口61dに戻りにくく、吸込口61dから離れるよう右方へ流動する。
【0050】
上記実施形態では、室内機50が上部リア部22Rの内面に取り付けられていたが、室内機50の設置箇所はハイルーフ部22内であれば、他の位置であってもよい。例えば、図5に示すように、室内機50が、上部リア部22Rの内面とトップ部22Tの内面(つまり天井面)との間の角部に取り付けられていてもよい。また、図6に示すように、室内機50が、トップ部22Tの内面(つまり天井面)に取り付けられていてもよい。図5の場合、冷媒管71,72はリア部21R及び上部リア部22Rの内面に沿って上下方向に配管されている。図6の場合、冷媒管71,72はリア部21R及び上部リア部22Rの内面に沿って上下方向に配管され、上部リア部22Rの内面とトップ部22Tの内面との間の角部に沿って屈曲され、更にトップ部22Tの内面に沿って前後方向に配管されている。
【0051】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0052】
1…貨物自動車
2…キャブ
21…キャブ本体
22…ハイルーフ部
50…室内機
60…室外機
71…冷媒管
72…冷媒管
214…取付開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6