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特許7392955調和コード・マップを使用してオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】調和コード・マップを使用してオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/36 20060101AFI20231129BHJP
   G10H 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G10H1/36
G10H1/00 102Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020572612
(86)(22)【出願日】2019-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019056175
(87)【国際公開番号】W WO2019175183
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】15/922,188
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520355611
【氏名又は名称】スコア ミュージック プロダクションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】キエリー,マイケル,ジョン
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-537180(JP,A)
【文献】特表2016-522426(JP,A)
【文献】特開昭63-080299(JP,A)
【文献】特開2002-352317(JP,A)
【文献】特開2002-169552(JP,A)
【文献】特開2008-233493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00-7/02
G10H 1/00-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するためのコンピュータ実施される方法であって、前記方法は、
以上の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを事前に録音し、事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶手段に記憶するステップと、
ボーカル・メロディ含む入力ファイルを受け取るステップと、
前記入力ファイルに関するコード構造およびテンポを含む調和コード・マップを判定するステップと、
前記入力ファイルに関する伴奏に含まれることになる少なくとも1つの楽器を自動的に判定するためにコンテンツ・ブロック選択手段を動作させるステップであって、前記コンテンツ・ブロック選択手段は、前記入力ファイルに関するコード構造およびテンポを調和的にサポートする、前記少なくとも1つの楽器に関する記憶されて事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックのサブセットを自動的に選択するように構成されるステップと、
前記事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックのサブセットおよび前記入力ファイルを組み合わせることによって前記オーディオ出力ファイルまたは前記MIDI出力ファイルを生成するステップと
を実行するのに1つ以上のプロセッサを使用することを含み、
前記方法は、前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを事前に録音するステップが、
演奏からの特定の調和キーでのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取るステップと、
前記特定の調和キーを判定し、短調および長調を含むすべての調和キーに、および複数の異なるテンポに対応するように前記演奏を適合させるステップと、
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを生成するために、前記複数の調和キーおよび前記複数のテンポで適合された演奏を録音するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットを選択するステップは、
前記調和コード・マップ内の小節ごとに、調和キーおよびテンポを判定するステップと、
前記調和コード・マップ内の各小節の調和キーおよびテンポに従って前記各小節の1つ以上の楽器に対応するコンテンツ・ブロックを選択するステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、
少なくとも1つの演奏からの調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取るステップと、
前記演奏の調和キーを判定するステップと、
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックとして前記オーディオ・ファイルまたは前記MIDIファイルを記憶するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットを選択するのに前記入力ファイルの調和コード・マップを使用するステップは、
1つ以上の楽器タイプを選択するステップと、
前記1つ以上の楽器タイプの各楽器タイプについて、
前記調和コード・マップ内の音楽の各小節のテンポと一致する、前記各楽器タイプのコンテンツ・ブロックのセットを識別するステップと、
前記調和コード・マップ内の音楽の小節ごとに、前記コンテンツ・ブロックのセットから、同一の調和キーであるか、前記音楽の小節と同一の調和キーである部分またはセクションを有するコンテンツ・ブロックを自動的に選択するステップと
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記調和コード・マップの音楽の小節と同一の調和キーではない前記コンテンツ・ブロックのセクションを除去するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを所望のインターバルおよび/または長さにカットするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記調和コード・マップは、自動的に、またはユーザが前記入力ファイルに関するコード構造およびテンポを手作業で入力することによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記調和コード・マップの各小節は、音楽コードの線形タイム・スロットを定義し、前記サブセット内の各コンテンツ・ブロックは、前記調和コード・マップのタイム・スロットに割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記サブセットの選択は、雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つ以上に従ってさらに洗練され、これによって、雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つ以上に従ってコンテンツ・ブロックを洗練するステップは、前記オーディオ出力ファイルまたは前記MIDI出力ファイルの生成の前および/または後に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのそれぞれに一意識別子を割り当て、前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのユニークな組合せを選択するのに前記一意識別子を使用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
生成されたMIDI出力ファイルのオーディオのオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックのサブセットの一意識別子のユニークな組合せのレコードを記憶デバイスに記憶するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットの一部を保持し、ユーザ・プリファレンス入力に従い、前記調和コード・マップに一致して、前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットの他のサブセットを代替のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックに置換するために保持および置換モジュールを動作させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットの一部を自動的に保持し、前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックのサブセットの他のサブセットを、前記調和コード・マップと一致する代替のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックに置換するためにシャッフル・モジュールを動作させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
コンテンツ・ブロックおよび/または前記オーディオ出力ファイルもしくは前記MIDI出力ファイルのオーディオ特性またはMIDI特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させるためにオーディオ編集およびミキシング・モジュールを動作させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記オーディオ出力ファイルまたは前記MIDI出力ファイルへの組込みのために外部ソースから他の楽器演奏および/または音声をインポートするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記オーディオ出力ファイルまたは前記MIDI出力ファイルをオーディオ・ファイルもしくはMIDIファイル、ビデオ・ファイル、静止画ファイル、および/またはテキスト・ファイルと同期化するために同期化モジュールを動作させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
生成された各出力ファイルを取出しおよび再利用のために記憶デバイス内に記憶し、再利用のためにさらなるコンテンツ・ブロックを作成するためにコンテンツ・ブロックとオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルとの拡張記憶ライブラリを提供するために複数の記憶デバイスをリンクするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
1つ以上のプロセッサによって実行される時に、前記1つ以上のプロセッサに請求項1に記載のステップを実行させる命令を含む非一時的機械可読媒体。
【請求項19】
オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するためのコンピュータ実施されるシステムであって、前記システムは、
以上の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを事前に録音するための手段と、
事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶するための記憶手段と、
ボーカル・メロディ含む入力ファイルを受け取るための手段と、
前記入力ファイルに関するコード構造およびテンポを含む調和コード・マップを判定するための手段と、
前記入力ファイルに関する伴奏に含まれることになる少なくとも1つの楽器を自動的に判定するように動作可能なコンテンツ・ブロック選択手段であって、前記コンテンツ・ブロック選択手段は、前記入力ファイルに関するコード構造およびテンポを調和的にサポートする、前記少なくとも1つの楽器に関する記憶されて事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックのサブセットを自動的に選択するように構成される、コンテンツ・ブロック選択手段と、
前記事前に録音されたオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックのサブセットおよび前記入力ファイルを組み合わせることによって前記オーディオ出力ファイルまたは前記MIDI出力ファイルを生成するための手段と
を含み、
前記システムは、前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを事前に録音するための手段が、
演奏からの特定の調和キーでのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取るための手段と、
前記特定の調和キーを判定し、短調および長調を含むすべての調和キーに、および複数の異なるテンポに対応するように前記演奏を適合させるための手段と、
前記オーディオ・コンテンツ・ブロックまたは前記MIDIコンテンツ・ブロックを生成するために、前記複数の調和キーおよび前記複数のテンポで適合された演奏を録音するための手段と、
を含むことを特徴とする、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ・ファイルまたはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)ファイルを生成する方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、調和コード・マップを使用してオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
音楽産業では、レコーディング・アーティスト、バンド、またはレコード会社によって以前に製作された音楽作品の膨大なバック・カタログが、すべてのまたはほとんどの主要なレコード・レーベルで使用されていない。多くの曲は、しばしば非常によく知られているが、主として使い尽くされ、ライタ、レコード・レーベル、およびパブリッシャにほとんどまたは全く収益を提供しない。
【0003】
しかし、映画、予告編、ゲーム、広告その他などの製作産業での使用のために曲の新バージョンまたは代替バージョンの再レコーディングを介してこれらの周知の曲の一部を再利用することに関する強い需要がある。しかし、そのような再利用は、古い曲の新バージョンの再レコーディングに伴う時間および出費の結果としての使用に対する重大な問題および障壁を提示する。
【0004】
さらに、多くのバンドおよびアーティストは、数年、時には数十年にわたる以前の作品からの未使用アウトテイクの非常に大きいバック・カタログを蓄積してきた。そのようなアウトテイクは、一度もアルバム・リリースされなかった曲または曲の一部である。これらのアウトテイクは、しばしばオーディオ・ファイル・フォーマットであるが、MIDIフォーマットをも含む可能性がある。これらのファイルは、しばしば、見つけにくいか、使用または再利用が実際に困難になる、隠された宝石と考えることのできる部分を含む。
【0005】
したがって、本発明の目的は、オーディオ・コンテンツまたはMIDIコンテンツのそのようなバック・カタログおよび/またはアウトテイクから導出された音楽コンテンツを使用してオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するシステムおよび方法を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる態様は、例としてのみ与えられる次の説明から明白になる。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するコンピュータ実施される方法であって、方法は、
1つまたは複数の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップと、
オーディオ音楽コンテンツまたはMIDI音楽コンテンツを有する入力ファイルを受け取るステップと、
入力ファイルのコード構造およびテンポを判定するステップと、
入力ファイルのコード構造およびテンポから調和コード・マップを生成するステップと、
コンテンツ・ブロックを自動的に選択するのに調和コード・マップを使用するステップと、
選択されたコンテンツ・ブロックおよび入力ファイルを組み合わせることによって出力ファイルを生成するステップと
を実行するのに1つまたは複数のプロセッサを使用することを含む、方法が提供される。
【0008】
好ましくは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、
演奏からの調和キー(harmonic key)のコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取るステップと、
調和キーを判定し、少なくとも1つの代替の調和キーに対応するように演奏を適合させるステップと、
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために前記代替の調和キーの前記適合された演奏を録音するステップと
を含む。
【0009】
好ましくは、 のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、
短調および長調を含むすべての調和キーおよび複数の異なるテンポに対応するように演奏を適合させるステップと、
複数のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために、前記調和キーおよびテンポのすべてで前記適合された演奏を録音するステップと
をさらに含む。
【0010】
代替案では、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、
少なくとも1つの演奏からの調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取るステップと、
演奏の調和キーを判定するステップと、
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックとして各受け取られたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを記憶するステップと
を含む。
【0011】
好ましくは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックは、演奏の楽器タイプ、テンポ、および/または調和キーに従って記憶され、ストレージから取出し可能である。
【0012】
代替案では、コンテンツ・ブロックを選択するのに入力ファイルの調和コード・マップを使用するステップは、
少なくとも1つの楽器タイプを選択するステップと、
調和コード・マップ内の音楽の各小節のテンポと一致する、楽器タイプまたは各楽器タイプのコンテンツ・ブロックを識別するステップと、
選択された楽器タイプごとに、調和コード・マップ内の音楽の小節ごとに、識別されたコンテンツ・ブロックから、同一の調和キーであるか、音楽の小節と同一の調和キーである部分またはセクションを有するコンテンツ・ブロックを自動的に選択するステップと
を含む。
【0013】
好ましくは、この方法は、調和コード・マップの音楽の小節と同一の調和キーではない選択されたコンテンツ・ブロックのセクションを除去するステップをさらに含む。
【0014】
好ましくは、調和コード・マップは、自動的に生成される。代替案では、調和コード・マップは、ユーザが入力ファイルのコード構造およびテンポを手作業で入力することによって生成される。
【0015】
好ましくは、生成される出力ファイルは、オーディオ・ファイル・フォーマットまたはMIDIファイル・フォーマットである。
【0016】
好ましくは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、複数の演奏に対して実行され、各演奏は、異なる楽器からの音楽コンテンツを含む。
【0017】
好ましくは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って演奏を適合させるさらなるステップを含む。
【0018】
好ましくは、この方法は、12個の調和キーのすべてで、長調と短調との両方(すなわち、24個の調和キー)で、複数の異なるテンポで、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って、複数の演奏のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップを含む。
【0019】
好ましくは、この方法は、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを所望のインターバル/またはおよび長さにカットするステップを含む。
【0020】
好ましくは、この方法は、記憶手段にオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶することを含む。
【0021】
好ましくは、コンテンツ・ブロックを選択するのに入力ファイルの調和コード・マップを使用することを使用するステップは、
調和コード・マップ内の少なくとも1つの小節の調和キーおよびテンポを判定するステップと、
判定された調和キーおよびテンポに従って少なくとも1つの小節の楽器に対応するかこれと一致するコンテンツ・ブロックを選択するステップと
を含む。
【0022】
この形で、コンテンツ・ブロックは、調和コード・マップに従って配置され、同一のテンポおよび調和マップを有するオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを作成するのに使用され、これは、生成される出力ファイルの調和的完全性を保証する。
【0023】
好ましくは、コンテンツ・ブロックを選択するのに入力ファイルの調和コード・マップを使用することを使用するステップは、
調和コード・マップ内の各小節の調和キーおよびテンポを判定するステップと、
判定された調和キーおよびテンポに従って各小節の複数の選択された楽器に対応するコンテンツ・ブロックを選択するステップと
を含む。
【0024】
好ましくは、調和コード・マップの各小節は、線形タイム・スロットを定義し、選択された各コンテンツ・ブロックは、調和コード・マップのタイム・スロットに割り当てられる。
【0025】
好ましくは、コンテンツ・ブロックを選択するのに入力ファイルの調和コード・マップを使用することを使用するステップは、自動的にまたはユーザによって手動で実行される。
【0026】
好ましくは、コンテンツ・ブロック選択は、雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従ってさらに洗練される。そのような音楽ジャンル、音楽スタイル、および雰囲気の選択は、ドロップ・ダウン・メニュー、アイコン・ベースのメニュー、あるいは、必要もしくは望みに応じて音楽ジャンル、スタイル、および/もしくは雰囲気データまたは他のユーザ・プリファレンスに関する複数のオプションを見、これから選択する能力をユーザに与える任意の他の適切な手段などのメニューを介するユーザ・インターフェース手段に、ユーザによって入力として供給される。
【0027】
好ましくは、雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従ってコンテンツ・ブロックを洗練するステップは、代替の雰囲気スタイルおよび/またはジャンルの間のオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイル内での推移を提供するために、出力ファイルの生成の前および/または後に実行される。
【0028】
好ましくは、この方法は、各コンテンツ・ブロックに一意識別子を割り当て、コンテンツ・ブロックのユニークな組合せを選択するのに一意識別子を使用するステップを含む。
【0029】
選択されたコンテンツ・ブロックの一意識別子は、記憶デバイス内のレコードと比較され、一意識別子の組合せのレコードが突き止められる場合には、選択されたブロックの組合せに基づく出力ファイルは、生成されない。しかし、選択されたブロックの一意識別子の組合せのレコードが突き止められない場合には、これは、選択がユニークであり、以前に生成されていないことを示し、したがって、選択されたコンテンツ・ブロックは、オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するために組み合わされる。
【0030】
好ましくは、この方法は、生成されたMIDI出力ファイルのオーディオの選択されたブロックの一意識別子の組合せのレコードを記憶デバイスに記憶するステップを含む。
【0031】
本発明の別の実施形態では、この方法は、選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を保持し、ユーザ・プリファレンス入力に従い、調和コード・マップに一致して、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを代替のコンテンツ・ブロックに置換するために保持および置換モジュールを動作させるステップを含む。
【0032】
好ましくは、この方法は、選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を自動的に保持し、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを、調和コード・マップと一致する代替のコンテンツ・ブロックに置換するためにシャッフル・モジュールを動作させるステップを含む。
【0033】
本発明の別の実施形態では、この方法は、生成された出力ファイルのオーディオ特性またはMIDI特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させるためにオーディオ編集およびミキシング・モジュールを動作させるステップを含む。
【0034】
本発明の別の実施形態では、この方法は、コンテンツ・ブロックの特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させるために編集およびミキシング・モジュールを動作させるステップを含む。
【0035】
本発明の別の実施形態では、この方法は、コンテンツ・ブロックのテンポを調整し、かつ/または調和キーをシフトするためにオーディオ編集およびミキシング・モジュールを動作させるステップを含む。そのような編集手段およびミキシング手段は、生成される出力ファイルおよび出力ファイルを形成するのに使用されるコンテンツ・ブロックを望み通りに変更するために、ミックス・パラメータおよび他のパラメータに対する完全な創作的制御をユーザに与える。
【0036】
好ましくは、この方法は、出力ファイルへの組込みのために外部ソースから他の楽器演奏および/または音声をインポートするステップを含む。
【0037】
好ましくは、この方法は、出力ファイルをオーディオ・ファイルもしくはMIDIファイル、ビデオ・ファイル、静止画ファイル、および/またはテキスト・ファイルと同期化するために同期化モジュールを動作させるステップを含む。
【0038】
本発明の別の実施形態では、この方法は、生成された各出力ファイルを取出しおよび再利用のために記憶デバイス内に記憶するステップを含む。
【0039】
好ましくは、この方法は、再利用のためにさらなるコンテンツ・ブロックを作成するためにコンテンツ・ブロックとオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルとの拡張記憶ライブラリを提供するために複数の記憶デバイスをリンクするステップを含む。
【0040】
本発明は、音楽のバック・カタログ(ボーカル・メロディ部分および/または楽器部分を含む)からなど、曲のオーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルを受け取り、曲構造の調和コード・マップを判定し、その後、事前に録音されたコンテンツ・ブロックをオリジナル曲の入力ファイル・レコーディングと組み合わせることによってオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するように動作可能である。コンテンツ・ブロックは、オリジナル曲の入力ファイル・レコーディングを調和的にサポートするように選択され、プロセスは、自動的にリアル・タイムで実行される。
【0041】
オリジナル入力ファイルの伴奏またはオフ・ボーカルを提供する際に使用されるコンテンツ・ブロックを生成するために、本発明は、短調および長調を含むすべての調和キーと複数の異なるテンポおよび雰囲気とに対応するように演奏を適合させる。コンテンツ・ブロックは、生楽器演奏から導出され、またはMIDI生成された音楽コンテンツのコンテンツ・ブロックとすることができる。このプロセスを繰り返すことによって、コンテンツ・ブロックを、複数の異なる楽器について、楽器ごとの複数の演奏について、複数のジャンルで、異なる雰囲気およびスタイルで、12個のキー(メジャーおよびマイナー)で録音される複数のテンポで、作成することができる。
【0042】
代替案では、以前の作品から導出されたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルのアウトテイクを、コンテンツ・ブロックとして記憶し、取り出すことができる。
【0043】
その後、コンテンツ・ブロックは、オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを提供するために、コンテンツ・ブロックによって提供される音楽がその曲のオリジナル・レコーディングに存在しない場合であっても、ボーカル・メロディから導出されたオリジナル入力ファイルが選択されたコンテンツ・ブロックによって伴奏されるように、自動的に選択され、必要な場合には、オリジナル入力ファイルの伴奏を提供するのに必要な倍音で、必要なインターバルでタイム・スライスまたはスロットにカットされ得る。
【0044】
本発明は、新しい曲のオーディオ・ボーカル・ファイルまたはMIDIファイルとして入力される基本フォーマットでバンドまたはアーティストが新しい曲を書くことを可能にするように適合される。本発明は、任意のまたは複数の異なる楽器の関連するオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを一緒に組み合わせ、これによって、そのバンドまたはアーティストのパーソナル・コンテンツ・アーカイブ内の以前に使用されなかった録音されたコンテンツから新しい曲の新しいオフ・ボーカルのオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを作成するために、入力ファイルを受け取る時に、そのようなアウトテイクのアーカイブされたファイルを検索し、多数の異なる関連しないレコーディングから関連する使用可能な選択物をカットするように構成される。
【0045】
本発明は、曲のオーディオ・ファイルまたはMIDIファイル(ボーカル・メロディ部分および/または楽器部分を含む)を含む任意の入力ファイルのユニークな新しい伴奏を成功裡に生成することを可能にする。新しい編曲は、任意のまたは複数の音楽スタイル、ジャンル、または感情的雰囲気であるものとすることができ、生楽器演奏から事前に録音されたものおよび/またはMIDI生成された音楽コンテンツのいずれかとすることのできる複数の楽器からの演奏を含むことができる。
【0046】
生成されるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルは、選択されたコンテンツ・ブロックと、オリジナル曲のオーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルとの組合せを含む。出力ファイル内で使用されるコンテンツ・ブロックは、コンテンツ・ブロックの選択物の編曲がユニークであることを保証するために、一意にタグ付けされる。
【0047】
本発明は、プロセス全体が、完全にオーディオ・フォーマット・ファイル・タイプを介し、MIDIフォーマット・ファイル・タイプを介して達成されることをも可能にし、完成した演奏は、楽器サウンドをDAW(デジタル-オーディオ-ワークステーション)または同様のサード・パーティ・ソフトウェア・アプリケーションの外部で変更できまたは適用できるようにするために、オーディオ・ファイルまたはMIDIファイルとして送達されるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを含む。外部で作成されたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルをインポートし、これらのオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを12個の基本調和キー メジャーとマイナーとの両方 に適合させ、拡張させることも可能である。その後、インポートされたMIDIファイルは、自動再作曲を介して適合され、任意の選択された曲またはメロディのテンプレート・マップと一致するようにエクスポートされる。
【0048】
本発明のさらなる実施形態では、1つまたは複数のプロセッサによって実行される時に、1つまたは複数のプロセッサに説明された方法によるステップを実行させる命令を含む非一時的機械可読媒体が提供される。
【0049】
本発明によれば、オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する、コンピュータ実施されるシステムであって、
1つまたは複数の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成する手段と、
オーディオ音楽コンテンツまたはMIDI音楽コンテンツを有する入力ファイルを受け取る手段と、
入力ファイルのコード構造およびテンポを判定する手段と、
入力ファイルのコード構造およびテンポから調和コード・マップを生成する手段と、
コンテンツ・ブロックを自動的に選択するのに調和コード・マップを使用する手段と、
選択されたコンテンツ・ブロックおよび入力ファイルを組み合わせることによって出力ファイルを生成する手段と
を含むシステムが提供される。
【0050】
好ましくは、このシステムは、
演奏からの特定の調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取る手段と、
調和キーを判定し、少なくとも1つの代替の調和キーに対応するように演奏を適合させる手段と、
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために前記代替の調和キーの前記適合された演奏を録音する手段と
をさらに含む。
【0051】
好ましくは、このシステムは、短調および長調を含むすべての調和キーと複数の異なるテンポとに対応するように演奏を適合させる手段と、複数のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために前記調和キーおよびテンポのすべてで前記適合された演奏を録音する手段とを含む。
【0052】
好ましくは、このシステムは、複数の演奏からオーディオ・コンテンツまたはMIDIコンテンツを生成する手段をさらに含み、各演奏は、異なる楽器からの音楽コンテンツを含む。
【0053】
好ましくは、 のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成する手段は、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って演奏を適合させる手段を含む。
【0054】
好ましくは、このシステムは、12個の調和キーのすべてで、長調と短調との両方(すなわち、24個の調和キー)で、複数の異なるテンポで、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って、演奏ごとにオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成する手段を含む。
【0055】
好ましくは、このシステムは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを所望のインターバル/またはおよび長さにカットする手段を含む。
【0056】
好ましくは、このシステムは、記憶手段にオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶する手段を含む。
【0057】
好ましくは、このシステムは、調和コード・マップ内の少なくとも1つの小節の調和キーおよびテンポを判定する手段と、判定された調和キーおよびテンポに従って少なくとも1つの小節の楽器に対応するコンテンツ・ブロックを選択する手段とを含む。
【0058】
好ましくは、このシステムは、調和コード・マップ内の各小節の調和キーおよびテンポを判定する手段と、判定された調和キーおよびテンポに従って小節ごとの複数の選択された楽器に対応するコンテンツ・ブロックを選択する手段とを含む。
【0059】
好ましくは、このシステムは、
少なくとも1つの演奏からの調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取る手段と、
演奏の調和キーを判定する手段と、
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックとして各受け取られたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを記憶する手段と
を含む。
【0060】
好ましくは、このシステムは、楽器タイプ、楽器演奏のテンポ、および/または調和キーに従ってオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶し、取り出す手段を含む。
【0061】
好ましくは、このシステムは、
少なくとも1つの楽器タイプを選択する手段と、
調和コード・マップ内の音楽の各小節のテンポと一致する、楽器タイプまたは各楽器タイプのコンテンツ・ブロックを識別する手段と、
識別されたコンテンツ・ブロックのセットから、同一の調和キーであるか、各選択された楽器タイプの調和コード・マップ内の音楽の小節と同一の調和キーである部分またはセクションを有するコンテンツ・ブロックを自動的に選択する手段と
を含む。
【0062】
好ましくは、このシステムは、調和コード・マップの音楽の小節と同一の調和キーではない選択されたコンテンツ・ブロックのセクションを除去する手段を含む。
【0063】
好ましくは、このシステムは、各コンテンツ・ブロックに一意識別子またはタグを割り当て、コンテンツ・ブロックのユニークな組合せを選択するのに一意識別子を使用する手段を含む。
【0064】
登録番号としての組合せの一意識別子の使用は、組合せまたは近いすべてのものが回帰することを制限し、したがって、生成される伴奏ファイルがユニークであり、オリジナルであることを保証する。記憶デバイス内で生成されるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイル内の選択されたコンテンツ・ブロックの一意識別子の組合せのレコード。生成された各出力ファイルは、取出しおよび再利用のために記憶デバイス内に記憶され、複数の記憶デバイスが、再利用のためにさらなるコンテンツ・ブロックを作成するためのコンテンツ・ブロックとオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルとの拡張ストレージ・ライブラリを提供するためにリンクされ得る。
【0065】
好ましくは、このシステムは、生成されたMIDI出力ファイルのオーディオの選択されたコンテンツ・ブロックの一意識別子の組合せのレコードを記憶デバイスに記憶する記憶手段を含む。
【0066】
好ましくは、このシステムは、選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を保持し、ユーザ・プリファレンス入力に従い、調和コード・マップに一致して、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを代替のコンテンツ・ブロックに置換するための保持および置換モジュールを含む。
【0067】
好ましくは、このシステムは、選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を自動的に保持し、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを、調和コード・マップと一致する代替のコンテンツ・ブロックに置換するためのシャッフル・モジュールを含む。
【0068】
好ましくは、このシステムは、生成された出力ファイルのオーディオ特性またはMIDI特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させるように動作可能であるオーディオ編集およびミキシング・モジュールを含む。
【0069】
好ましくは、編集およびミキシング・モジュールは、コンテンツ・ブロックの特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させるようにさらに動作可能である。
【0070】
好ましくは、編集およびミキシング・モジュールは、テンポを調整し、かつ/またはコンテンツ・ブロックの調和キーをシフトするように動作可能である。
【0071】
そのような編集およびミキシング手段は、生成された出力ファイルおよび出力ファイルを形成するのに使用されるコンテンツ・ブロックを望み通りに変更するためにミックス・パラメータおよび他のパラメータに対する完全な創作的制御をユーザに提供する。
【0072】
好ましくは、このシステムは、出力ファイルへの組込みのために外部ソースから他の楽器演奏および/または音声をインポートする手段を含む。
【0073】
好ましくは、このシステムは、出力ファイルを別のオーディオ・ファイルもしくはMIDIファイル、ビデオ・ファイル、静止画ファイル、および/またはテキスト・ファイルと同期化するための同期化モジュールを含む。
【0074】
好ましくは、このシステムは、再利用のためにさらなるコンテンツ・ブロックを作成するためにコンテンツ・ブロックとオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルとの拡張記憶ライブラリを提供するために複数の記憶デバイスをリンクする手段を含む。
【0075】
1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、および説明された特徴を有する対話型ユーザ・インターフェースを表示するように動作可能なディスプレイ手段を有するコンピューティング・デバイスおよび/またはコンピューティング・デバイスの配置も提供される。
【0076】
本発明の別の実施形態では、添付図面および/または例を参照して説明され、図示される、実質的に本明細書で説明される、オーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルを適合させるためのオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するシステムが提供される。
【0077】
本発明の別の実施形態では、添付図面および/または例を参照して説明され、図示される、実質的に本明細書で説明される、オーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルを適合させるためのオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する方法が提供される。
【0078】
本発明は、添付図面を参照して、例としてのみ与えられるそのいくつかの実施形態の以下の説明から、より明瞭に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1-2】本発明によるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する方法のステップを示す様式化された概略図である。
図3】本発明による調和キーのセット内のピアノ演奏のレコーディングを示すブロック図である。
図4-8】オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する際に使用される本発明の例を示す流れ図である。
図9】外部で作成されたMIDIファイルで使用される際の本発明による方法のステップを示す流れ図である。
図10-14】オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する際に使用される本発明のさらなる例を示す流れ図である。
図15】本発明による出力ファイルを生成する際に使用されるオーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルを適合させるシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
本発明による方法およびシステムは、1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサと1つまたは複数のコンピュータ・プロセッサによって実行可能なコンピュータ・ソフトウェア・プログラム命令を含むメモリとによって実施される。コンピュータ・プロセッサを、コンピュータ・サーバまたは接続されたコンピュータおよび/もしくは分散コンピュータのネットワークによって提供することができる。
【0081】
本発明のオーディオおよび/またはMIDIの入力ファイルおよび出力ファイルは、オーディオ・プレイヤまたはMIDIプレイヤによって処理された時にサウンド出力を作るオーディオまたはMIDIのデータまたはコンテンツを含む受け取られたファイル、記憶されたファイル、または録音されたファイルと理解される。オーディオ・ファイルは、オーディオWAVフォーマット、MP3フォーマット、advanced audio coding(AAC)フォーマット、Oggフォーマット、または必要に応じてアナログ、デジタル、もしくは他の形の任意の他のフォーマットを含むがこれに限定されないオーディオ・ファイル・フォーマットで受け取られまたは録音され得る。所望のオーディオ・フォーマットまたはMIDIフォーマットを、オプションでユーザが指定することができる。
【0082】
調和コード・マップは、テンポと、音楽作品の連続する音楽コードまたは調和キーの進行との表現であるコード進行マップまたは調和進行マップと理解される。
【0083】
図面、当初は図3を参照すると、本方法は、1つまたは複数の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成する初期ステップ10を含む。ステップ10は、演奏を含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取ることと、演奏の調和キーを判定することと、複数の異なるテンポですべての調和キーに対応するように演奏を適合させることとを含む。
【0084】
図3に示されているように、例としてのみ、ピアノ演奏「ピアノP1」12に対応するファイルが受け取られ、100ビート毎分(bpm)のテンポでCマイナー調和キーであるものと判定されている。調和キーおよびテンポの組合せは、音楽演奏ファイル12の調和コード・マップを定義する。
【0085】
しかし、演奏が、複数の部分または小節を有する場合があり、各順次の小節が、同一のまたは異なる調和キーおよびテンポを有することを理解されたい。また、音楽がその上で作曲され、録音され得る12個の基本的な調和キーがあることを理解されたい。これらの調和キーは、メジャー/マイナーなど、考えられる他の調和要因をも有する。
【0086】
演奏「ピアノP1」12の調和コード・マップは、Cマイナーかつ100bpmであるものと判定された後に、100bpmでの12個すべての短調セットすなわち、
Cm-Cマイナー、C#m-Cシャープ・マイナー、Dm-Dマイナー、D#m-Dシャープ・マイナー、Em-Eマイナー、E#m-Eシャープ・マイナー、Fm-Fマイナー、F#m-Fシャープ・マイナー、Gm-Gマイナー、G#m-Gシャープ・マイナー、Am-Aマイナー、A#m-Aシャープ・マイナー、およびBm-Bマイナーと、
100bpmでの12個すべての長調セットすなわち、
CMaj-Cメジャー、C#Maj-Cシャープ・メジャー、DMaj-Dメジャー、D#Maj-Dシャープ・メジャー、E Maj-Eメジャー、E# Maj-Eシャープ・メジャー、F Maj-Fメジャー、F# Maj-Fシャープ・メジャー、G Maj-Gメジャー、G# Maj-Gシャープ・メジャー、A Maj-Aメジャー、A# Maj-Aシャープ・メジャー、およびB Maj-Bメジャーと
で録音される。
【0087】
参照番号14によって全般的に示される、100bpmでのこれらの14個のピアノ演奏レコーディングは、110bpm、115bpm、120bpm、125bpm、…、160bpmなど、事前定義の最大テンポ限界までの複数の異なるテンポで録音される。
【0088】
ピアノ演奏などの音楽演奏を作成することと、12個すべてのキー(メジャーおよびマイナーを含む)で複数のテンポで同一の演奏を録音することとによって、その演奏「ピアノP1」の音楽スペクトル全体が提供される。図3に示されているように複数のコンテンツ・ブロック16を生成するのに使用されるのは、受け取られた演奏の音楽スペクトル全体のこれらのレコーディングである。
【0089】
必要に応じてまたは望み通りに、ドラム、ベース、ギター、ストリングス、および他の楽器などの異なる楽器からの音楽コンテンツを各演奏が含む多数の異なる演奏について、ステップを繰り返すことができる。コンテンツ・ブロック16を、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従ってさらに適合させることができる。
【0090】
したがって、本方法は、12個すべての調和キーで、短調と長調との両方(すなわち、24個の調和キー)で、複数の異なるテンポで、1つの異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルに従って、多数の異なる演奏10のそれぞれについてオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロック16を生成することと、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶手段に記憶することとを含む。
【0091】
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを、オプションで、必要に応じて所望のインターバルおよび長さにフォーマットすることができ、また、一意識別子が、録音された各コンテンツ・ブロックに割り当てられる。
【0092】
ここで図1および図2に移ると、方法1は、オーディオ音楽コンテンツまたはMIDI音楽コンテンツを有する入力ファイル(曲Aとして図示)を受け取るステップ20を含む。入力ファイルは、ボーカル・メロディとすることができ、事前に録音された音楽および/または生音楽のバック・カタログからのボーカル演奏および/または音楽演奏の両方を含むことができる。
【0093】
ステップ22では、入力ファイルのコード構造(すなわち、演奏を構成する調和キー)およびそのテンポが、判定され、調和コード・マップが生成される。図1に示された例では、調和コード・マップ24は、順次順序で、100bpmのテンポで、次の6つの調和キーまたは小節すなわち、Cメジャー-Aマイナー-Cメジャー-Aマイナー-Gメジャー-Fメジャーを含むと判定される。
【0094】
ステップ26では、コンテンツ・ブロック選択手段が、入力ファイル曲Aの伴奏に含まれるべき1つまたは複数の楽器を自動的にまたはユーザ入力によって判定し、入力ファイルがピアの伴奏を必要とすることが判定されており、ステップ28では、そのようなピアの伴奏の調和コード・マップ24と一致する、記憶手段固有またはドナー・データベース固有のコンテンツ・ブロックから識別する。
【0095】
ステップ30では、楽器「ピアノP1」に対応し、調和コード・マップの判定された調和キーおよびテンポを有するコンテンツ・ブロックが、コンテンツ・ブロック選択手段によって選択される。コンテンツ・ブロック選択手段は、選択される各コンテンツ・ブロックが入力ファイル「曲A」のコード構造およびテンポと一致するように、選択された楽器の記憶されたコンテンツ・ブロックのデータベースまたはライブラリからコンテンツ・ブロックを選択する。
【0096】
含めるべき1つまたは複数の楽器の選択を、コンテンツ・ブロック選択手段によって自動的に実行することができ、かつ/またはユーザ・プリファレンスに従ってユーザが指定することができる。そのような選択は、一致に関して特定の楽器の関連するキーおよびテンポからのすべてのコンテンツ・ブロックを当初に分析することと、入力ファイルの小節Cメジャー-Aマイナー-Cメジャー-Aマイナー-Gメジャー-Fメジャーごとにそのような一致するコンテンツ・ブロックを選択することとによって実行される。
【0097】
ステップ32では、選択されたコンテンツ・ブロックが、小節におさめるために所望の長さにタイム・スライスされまたはカットされ、入力ファイルの調和マップに沿って配置される。したがって、調和コード・マップの各小節は、線形タイム・スロットを定義し、選択される各コンテンツ・ブロックは、調和コード・マップのタイム・スロットに割り当てられる。
【0098】
したがって、100bpmでオリジナル・コード構造Cメジャー-Aマイナー-Cメジャー-Aマイナー-Gメジャー-Fメジャーを有する入力ファイルに関して図示されているように、たとえばピアノ伴奏に関して選択されるコンテンツ・ブロックも、100bpmでコード構造Cメジャー-Aマイナー-Cメジャー-Aマイナー-Gメジャー-Fメジャーを有する。楽器に関する関連し受け入れ可能なコンテンツ・ブロックは、テンポ時間小節マーカーおよびビート・マーカーを有する調和コード・マーキングの正しい順序で調和コード・マップに沿って配置される。
【0099】
その後、このプロセスが繰り返され、したがって、必要に応じて他の選択された楽器コンテンツ・ブロックを適合させる。たとえば、このプロセスは、ドラム、ベース、ギター、ストリングスなどを選択し、オリジナル入力ファイルの調和コード・マップに関してこれらの楽器のコンテンツ・ブロックを適合させることができる。コンテンツ・ブロックを、雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従ってさらに選択しまたは洗練することができ、そのような選択は、ユーザによる入力要求として提供される。コンテンツ・ブロックを洗練するそのようなステップは、代替の雰囲気スタイルおよび/またはジャンルの間のオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイル内の推移を提供するために、出力ファイルの生成の前および/または後に実行され得る。
【0100】
したがって、入力ファイルの調和マップに沿った選択されたコンテンツ・ブロックの組合せおよび配置は、オリジナル入力ファイル曲の楽器伴奏またはオフ・ボーカルを形成する。選択されたコンテンツ・ブロックの一意識別子は、選択されたコンテンツ・ブロックの組合せがユニークであることを保証するために、記憶デバイス内のレコードと比較される。
【0101】
ステップ34では、オリジナル入力ファイルが、選択されたコンテンツ・ブロックを含む楽器伴奏またはオフ・ボーカルとの再生に関する正しい配置を保証するために、コード構造調和マーキングおよび時間マップ・マーキングに整列される。
【0102】
ステップ36では、選択されたコンテンツ・ブロックおよびオリジナル入力ファイル曲を含むオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルが、再生用のボーカル・メロディの適合されたバージョンを提供するために生成される。
【0103】
本発明は、生成されるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルおよび出力ファイルを形成するのに使用されるコンテンツ・ブロックを望み通りに変更するためにミックス・パラメータおよび他のパラメータに対する完全な創作的制御をユーザに提供するためのツールのスイートを提供し、このツールのスイートは、以下を含む。
【0104】
ユーザが、選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を保持しまたは保有し、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを、ユーザ・プリファレンス入力に従い、調和コード・マップに一致する代替コンテンツ・ブロックに置換することを可能にする、保持および置換モジュール。
【0105】
選択された組合せのコンテンツ・ブロックの一部を自動的に保持し、選択された組合せの他のコンテンツ・ブロックを、調和コード・マップに一致する代替コンテンツ・ブロックに置換するシャッフル・モジュール。
【0106】
コンテンツ・ブロックおよび/または生成された出力ファイルのオーディオ特性またはMIDI特性を修正し、洗練し、調整し、変更し、かつ/または変化させ、テンポを調整し、かつ/あるいはコンテンツ・ブロックの調和キーをシフトする編集およびミキシング・モジュール。
【0107】
生のまたは録音された楽器演奏および/または音声を、出力ファイルへの組込みのために外部ソースからインポートすることを可能にするインポート・モジュール。
【0108】
出力ファイルをオーディオ・ファイル、MIDIファイル、ビデオ・ファイル、静止画ファイル、および/またはテキスト・ファイルと同期化する同期化モジュール。
【0109】
本発明は、完全にオーディオ・フォーマット・ファイル・タイプおよびMIDIフォーマット・ファイル・タイプを介してプロセス全体を達成することをも可能にし、完成した演奏は、楽器サウンドをDAW(デジタル-オーディオ-ワークステーション)または他のソフトウェア・アプリケーションを使用して変更しまたは適用できるようにするために、オーディオ・ファイルまたはMIDIファイルとして送達されるオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを含む。外部で作成されたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルをインポートし、これらのオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを12個の基本調和キー メジャーとマイナーとの両方 に適合させ、拡張させることも可能である。その後、インポートされたMIDIファイルは、自動再作曲を介して適合され、任意の選択された曲またはメロディのテンプレート・マップと一致するようにエクスポートされる。
【0110】
入力ファイルを適合させる際の使用に関する本発明の例を、図4から図9を参照して説明する。
【0111】
図4に示されているように、ステップ40では、バンドThe Beatlesによる周知の曲である、題名「Let it Be」を有する入力ファイルが、入力として受け取られる。ステップ42では、この曲の調和コード・マップが、曲の各小節のさまざまな調和キーおよびテンポに基づいて判定される。図6は、曲「Let it Be」の調和コード・マップ60が、調和キーC、G、およびAメジャーを有する小節を含み、すべてが110bpmのテンポであるものとして判定されることを示す。
【0112】
ステップ44では、この調和コード・マップが、調和コード・マップに従って曲「Let it Be」の音楽オフ・ボーカルまたは伴奏を生成する際に、使用されるコンテンツ・ブロックの選択のためにコンテンツ・ブロック選択手段への入力として提供される。
【0113】
図5に示されているように、ステップ46では、コンテンツ・ブロック選択手段が、自動的にまたはユーザ駆動入力によって、入力フィー曲「Let it Be」のオフ・ボーカルまたは伴奏が、ピアノ楽器部分を含まなければならないと判定し、したがって、すべての記憶されたピアノ・コンテンツ・ブロックP1を調べ、ステップ48では、調和コード・マップの調和マップおよびテンポと一致するピアノP1コンテンツ・ブロックからのコンテンツ・ブロックを選択する。したがって、図6のステップ62に示されているように、「Let it Be」のオリジナル入力ファイルの調和コード・マップと一致する、調和キーC、G、およびAメジャーで110bpmのテンポで録音されたリポジトリ「ピアノP1」からのコンテンツ・ブロックが選択される。図5に示されているように、ステップ50では、これらの選択されたコンテンツ・ブロックが、適用され、オリジナル入力ファイル曲「Let it Be」の調和コード・マップに一致させられる。この形で、オリジナル入力ファイルを調和的にサポートする楽器伴奏の受け入れられるコンテンツ・ブロックが、テンポ時間小節マーカーおよびビート・マーカーを有する調和コード・マーキングの正しい順序で、入力ファイルの調和コード・マップに沿って配置されて選択される。
【0114】
図7に示されているように、このプロセスが繰り返され、したがって、必要に応じて異なる楽器の他のコンテンツ・ブロックを選択する。たとえば、このプロセスは、ドラム伴奏52、ベース54、ギター56、ストリングス58のコンテンツ・ブロックをさらに選択し、40で受け取られたオリジナル入力ファイルの調和コード・マップに関してこれらの楽器のコンテンツ・ブロックを選択することができる。図示されているように、オリジナル入力ファイル40は、選択されたコンテンツ・ブロック50、52、54、56、58を含む楽器伴奏またはオフ・ボーカルと共に再生するための正しい配置を保証するために、コード構造調和マーキングおよび時間マップ・マーキングに整列される。
【0115】
図8に示されているように、ステップ64では、選択されたコンテンツ・ブロックの組合せがコンテンツ・ブロック50、52、54、56、58の選択された編曲内にある はユニークであることを保証するために、選択されたコンテンツ・ブロックの一意識別子が、記憶デバイス内のレコードと比較され、ステップ66では、コンテンツ・ブロック50、52、54、56、58の編曲とオリジナル入力ファイル曲40とを含むオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルが、再生用のオリジナル入力ファイルの適合されたユニーク・バージョンを提供するために生成される。
【0116】
図9は、外部で作成されたMIDIファイルにおける本発明による方法のステップを示す流れ図である。図示されているように、ステップ70では、外部で作成されたメロディは、Cメジャーの音楽キーであり、たとえば、入力ファイルとして受け取られた曲の調和コード・マップと調和して働くためにAマイナーの音楽キーに適合される必要がある。ステップ72では、外部MIDIファイルが、本発明のシステムによってインポートされまたは受け取られ、このシステムで適合される。ステップ74に示されているように、適合は、Aマイナーの音楽キーではない表記を自動選択することと、これらをAマイナーのキーに正しい最も近い音符位置に移動することとによって達成される。音楽キーCメジャーとAマイナーとの両方に共通する他のすべての表記は、未変更のまま残される。ステップ76では、適合されたMIDIファイルを出力する。
【0117】
図10から図14は、コンテンツ・ブロックを生成するプロセスが図4から図9を参照して説明したものとは異なる、オーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成する際に使用される本発明のさらなる例を示す。
【0118】
図10に示されているように、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するステップは、少なくとも1つの音楽演奏からの調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイル78を受け取り、音楽演奏の調和キーを判定する初期ステップを含む。判定された後に、各受け取られたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイル78は、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックとして記憶手段80に記憶される。したがって、複数のミュージシャン、作曲家、その他は、コンテンツ・ブロックとしてのローカル・ストレージまたはクラウド・ベースのストレージのいずれかでの記憶のために、集合的データ・バンクに、変化する長さと変化するテンポおよび調和構造との関連しない単一楽器演奏レコーディングを提供する。
【0119】
オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックは、楽器タイプ、テンポ、および/または演奏の調和キーに従って記憶され、記憶手段80から取出し可能である。図11に示されているように、ステップ82では、オーディオ音楽コンテンツまたはMIDI音楽コンテンツを有する入力ファイルが、ユーザ・インターフェース手段を介するなど、受け取られる。この形で、歌手またはソングライタなどのユーザは、曲メロディおよび または曲もしくは音句の測定された調和コード構造を入力することができる。ステップ84では、入力ファイルまたは曲メロディが分析され、調和コード・マップおよびテンポ86が、その曲メロディに関して自動的に生成される。代替案では、ユーザは、曲のコード構造を手作業で入力することができる。
【0120】
図12では、コンテンツ・ブロックを選択するのに入力ファイル82の調和コード・マップを使用する際に用いられるステップが示されている。当初に、ユーザは、ユーザ・インターフェースから、選択メニューから楽器タイプ(ギター、ベース、ピアノ、その他など)を選択する。そのような選択を、雰囲気および/または音楽スタイルに基づくものとすることもできる。
【0121】
ステップ88では、調和コード・マップの音楽のテンポと一致するコンテンツ・ブロック90が識別される。図示の例では、テンポは、調和コード・マップ内で表される音楽に関して120bpmと判定され、したがって、120bpmのテンポを有するコンテンツ・ブロックが識別される。しかし、調和コード・マップの異なる部分でのテンポ変化が、これらの異なるテンポのコンテンツ・ブロックの識別をもたらすことを理解されたい。
【0122】
図13に示されているように、ステップ92では、調和コード・マップに関して120bpmの判定されたテンポで図示の例ではギターとしての選択された楽器タイプに関するコンテンツ・ブロック94が、識別される。次に、選択された楽器タイプおよび調和コード・マップ内の各小節に関して、ステップ96で、同一の調和キーであるか、楽器の音楽の小節と同一の調和キーの部分またはセクションを有するコンテンツ・ブロックが、識別されたコンテンツ・ブロックから自動的に選択される。
【0123】
したがって、選択された楽器の異なる演奏から導出された異なるコンテンツ・ブロックの異なる部分が、有効にカットされ、入力ファイルのアンサンブル・オフ・ボーカルを提供するために、入力ファイルの調和コード・マップに沿って集められる。調和コード・マップの音楽の小節と同一の調和キーではない選択されたコンテンツ・ブロックのセクションまたは部分を、基礎になる調和コード・マップとの調和的完全性を保証するために除去することができる。
【0124】
したがって、本発明は、調和コード互換性に関して各コンテンツ・ブロック・ステムを分析する。コンテンツ・ブロックが、全体的なまたは部分的な調和互換性を有することがわかる時に、これらの部分は、カットされ、一致と思われる入力された曲の構造の調和コード・マップの部分またはセクションに適用される。
【0125】
図14に示されているように、ステップ97では、このプロセスが、ユーザがオリジナル入力曲の伴奏するオフ・ボーカルに含めるために選択したすべての所望の楽器について繰り返される。図示の例では、コンテンツ・ブロック98は、ギター、ベース、ピアノ、バンジョー、オルガン、およびドラムを含む楽器タイプに関して選択されているが、楽器の代替のまたは追加の組合せを、必要に応じてまたは望みに応じて使用できることを理解されたい。
【0126】
ステップ99に示されているように、コンテンツ・ブロック98の編曲およびオリジナル入力ファイル曲82を含むオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルが、再生用のオリジナル入力ファイルの適合されたユニーク・バージョンを提供するために生成される。
【0127】
したがって、本発明は、バンドまたはアーティストが、新しい曲のオーディオ・ボーカル・ファイルまたはMIDIファイルとして入力される基本的なフォーマットで新しい曲を書くことを可能にするようにさらに適合される。本発明は、アーカイブされたファイルを検索し、多数の異なる関連しないレコーディングから関連する使用可能なセクションをカットして、任意のまたは複数の異なる楽器に関して関連するオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを一緒に組み合わせ、これによって、そのバンドまたはアーティストの職員コンテンツ・アーカイブ内の以前に使用されなかった録音されたコンテンツから新しい曲のための新しいオフ・ボーカルのオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを作成するように構成される。
【0128】
楽器をシャッフルし、したがって好みの演奏に関して楽器を置換することも可能であり、この点で、本システムは、その選択された楽器に関してプロセス全体を繰り返す。
【0129】
さらに、編集、ミキシング、および楽器のシャッフルをさらに機能強化するために、本プラットフォームおよびアーキテクチャを適用することができる。同一の曲構造およびボーカル・パフォーマンス内で、あるものから別のものへの複数の雰囲気、音楽スタイル、およびジャンルの推移を有することも可能である。言い換えると、曲は、最後まで演奏する時に、同一のトラック内で、カントリー・ソングとして開始し、任意の点でヒップホップ、ラテン、ロック、オーケストラなどに推移することができる。上のプロセスを使用して説明したように、本発明は、すべての出力ファイルが完全にユニークであり、したがって、入力され受け取られた同一のまたは任意の他の曲またはボーカル・メロディに関して絶対に複製されないことを保証するために、生成されるすべての出力ファイルに一意識別子をも適用する。
【0130】
図15は、本発明による、オーディオ入力ファイルまたはMIDI入力ファイルを適合させるためにオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルを生成するシステム100を示す。システム100は、1つまたは複数の演奏からオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成する手段110と、オーディオ音楽コンテンツまたはMIDI音楽コンテンツを有する入力ファイルを受け取る手段120と、入力ファイルのコード構造およびテンポを判定する手段130と、入力ファイルのコード構造およびテンポから調和コード・マップを生成する手段140と、コンテンツ・ブロックを自動的に選択するのに調和コード・マップを使用するコンテンツ・ブロック選択手段150と、選択されたコンテンツ・ブロックおよび入力ファイルを組み合わせることによって出力ファイルを生成する手段160と、を含む。
【0131】
コンテンツ・ブロック選択手段150は、入力ファイルの調和コード・マップ内の小節ごとに調和キーおよびテンポを判定し、判定された調和キーおよびテンポに従って小節ごとに複数の選択された楽器に対応するコンテンツ・ブロックを選択するようにさらに構成される。
【0132】
コンテンツ・ブロック選択手段150は、調和コード・マップ内の音楽の各小節のテンポと一致する、楽器タイプまたは各楽器タイプのコンテンツ・ブロックを識別し、同一の調和キーであるか、各選択された楽器タイプの調和コード・マップ内の音楽の小節と同一の調和キーである部分またはセクションを有するコンテンツ・ブロックを識別されたコンテンツ・ブロックから自動的に選択するようにも構成される。
【0133】
本システムは、コンテンツ・ブロックを生成する際に使用される、演奏からの調和キーのコンテンツを含むオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルを受け取る手段170と、調和キーを判定し、少なくとも1つの代替の調和キーに対応するように演奏を適合させる手段180と、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために前記代替の調和キーの前記適合された演奏を録音する手段190とをも含む。
【0134】
手段190は、各受け取られたオーディオ・ファイルまたはMIDIファイルをオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックとして記憶し、演奏の楽器タイプ、テンポ、および/または調和キーに従ってオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを取り出すようにさらに動作可能である。
【0135】
手段190は、短調および長調を含むすべての調和キーおよび複数の異なるテンポに対応するように演奏を適合させ、複数のオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するために前記調和キーおよびテンポのすべてで前記適合された演奏を録音するようにさらに構成される。手段190は、複数の演奏からオーディオ・コンテンツまたはMIDIコンテンツを生成するようにも構成され、ここで、各演奏は、異なる楽器からの音楽コンテンツを含む。手段190は、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って生成されたコンテンツ・ブロックおよび/または出力ファイルを適合させるようにさらに構成される。
【0136】
したがって、手段190は、12個すべての調和キーで、長調と短調との両方(すなわち、24個の調和キー)で、複数の異なるテンポで、異なる雰囲気、スタイル、および/またはジャンルのうちの1つまたは複数に従って、演奏ごとにオーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを生成するように構成される。
【0137】
本システムは、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを所望のインターバル/または および長さにカットする手段200と、オーディオ・コンテンツ・ブロックまたはMIDIコンテンツ・ブロックを記憶手段に記憶する手段210とを含む。やはり図示されているのが、コンテンツ・ブロックと、再利用のためにさらなるコンテンツ・ブロックを作成するためのオーディオ出力ファイルまたはMIDI出力ファイルとの拡張記憶ライブラリを提供するために複数の記憶デバイス210をリンクする手段290である。
【0138】
本システムは、コンテンツ・ブロック選択手段150がコンテンツ・ブロックのユニークな組合せを選択するのに一意識別子を使用することを可能にするために一意識別子またはタグを各コンテンツ・ブロックに割り当てる手段220をさらに含む。
【0139】
本システムは、生成されたMIDI出力ファイルのオーディオの選択されたブロックの一意識別子の組合せのレコードを記憶デバイスに記憶する記憶手段230を含む。
【0140】
本システムは、保持および置換モジュール240、シャッフル・モジュール250、オーディオ編集およびミキシング・モジュール260、同期化モジュール270、ならびに出力ファイルへの組込みのための外部ソースから他の楽器演奏および/または音声をインポートする手段280を含む、生成される出力ファイルに対する完全な創作的制御を提供するためにユーザによって使用されるさまざまなツールおよびコンテンツ・ブロックに関するさまざまなツールをも含む。
【0141】
本発明の諸態様が、例のみとして説明され、添付の特許請求の範囲で定義される範囲から逸脱せずに、これに対して追加および/または変更を行うことができることを了解されたい。
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