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特許7392978情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231129BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019221095
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021089700
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519436471
【氏名又は名称】株式会社カイクリエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】100218051
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 政允
(72)【発明者】
【氏名】水谷 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 隆
(72)【発明者】
【氏名】笠野 友和
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082810(JP,A)
【文献】特開2002-056112(JP,A)
【文献】特開2011-008153(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2015-0112370(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定する情報処理装置であって、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定部と、
端末装置から、設定された期間ごとに、前記玩具選定部により選定された玩具の提供を受けた子供の、該玩具の利用の程度を示す情報を受信する受信部と、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶部と、
前記受信部により受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶部に記憶されているその玩具の分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性の高さを示す適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定部と、
前記適性分野判定部により判定された適性分野を示す情報を含む情報を前記端末装置に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記玩具の利用の程度を示す情報は、各玩具の利用程度を示すスコア値を含み、
前記適性分野判定部は、
前記受信部により受信された各玩具のスコア値と前記記憶部に記憶されているその玩具の分野別スコアとを乗算することにより、判定対象である子供の分野ごとの前記適性スコアを求め、予め定められた期間において求めた前記適性スコアを積算して得られる累計値が最も高い分野を、前記適性分野であると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記適性分野判定部は、
前記累計値が最も高い分野の累計値と、前記累計値が最も高い分野の累計値と前記累計値が2番目に高い分野の累計値との差分とがそれぞれ予め定められた閾値以上の場合、前記累計値が最も高い分野を、前記適性分野であると判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受信部は、端末装置から、設定された期間ごとに、判定対象である子供の発育の程度を示す情報を受信し、
前記記憶部は、各玩具の対象年齢を示す対象年齢情報と、子供の生年月日を含む基本情報と、を記憶し、
前記受信部により受信された前記子供の発育の程度を示す情報に基づいて、子供の発達月齢を求める発達月齢解析部と、
現在の日時を計時するタイマと、
をさらに備え、
前記玩具選定部は、前記生年月日と前記タイマが計時する日時に基づいて、判定対象である子供の月齢を求め、求めた子供の月齢または前記発達月齢解析部により求められた判定対象である子供の発達月齢のいずれかが、前記記憶部に記憶されている前記対象年齢情報に含まれる玩具を選択する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、各玩具が前記複数の分野の能力と基礎能力のいずれの発達に寄与するかを示す玩具区分情報を記憶し、
前記子供の月齢は、前記基礎能力を発達させる期間である基礎能力発達期と、前記複数の分野の中から前記適性分野を判定する期間である適性分野判別期と、前記適性分野判別期に判定された適性分野の能力を発達させる期間である適性分野強化期と、の3つの区分に分類され、
前記玩具選定部は、
求めた判定対象である子供の月齢が前記基礎能力発達期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記基礎能力の発達に寄与すると分類される玩具を選定し、
求めた判定対象である子供の月齢が前記適性分野判別期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記複数の分野のうちの2つ以上の分野の能力の発達に寄与する玩具区分に属する複数の玩具を選定し、
求めた判定対象である子供の月齢が前記適性分野強化期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記適性分野判定部により判定された適性分野の能力の発達に寄与すると分類される玩具を選定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定するコンピュータが、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定ステップと、
前記玩具選定ステップにより選定された玩具の利用の程度を示す情報を複数回受信する受信ステップと、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶ステップと、
前記受信ステップにより受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶ステップにより記憶された各玩具の前記分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定ステップと、
実行する情報処理方法。
【請求項7】
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定するコンピュータに、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定処理と、
前記玩具選定処理により選定された玩具の利用の程度を示す情報を複数回受信する受信処理と、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶処理と、
前記受信処理により受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶処理により記憶された各玩具の前記分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供の適性を判定し、教育に生かすことが注目されている。例えば、特許文献1には、集団教育を受けている子供の適性を把握して、その子供の適性に合った指導をするための指導指針及び学習の進め方の情報を作成するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-64880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このシステムは、既に集団教育を受けている子供の適性を把握するものであり、乳幼児期など早い段階から子供の適性を判定することはできない。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、乳幼児期など早い段階から子供の適性を判定することのできる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る情報処理装置は、
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定する情報処理装置であって、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定部と、
端末装置から、設定された期間ごとに、前記玩具選定部により選定された玩具の提供を受けた子供の、該玩具の利用の程度を示す情報を受信する受信部と、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶部と、
前記受信部により受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶部に記憶されているその玩具の分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性の高さを示す適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定部と、
前記適性分野判定部により判定された適性分野を示す情報を含む情報を前記端末装置に送信する送信部と、
を備える。
【0007】
前記玩具の利用の程度を示す情報は、各玩具の利用程度を示すスコア値を含み、
前記適性分野判定部は、
前記受信部により受信された各玩具のスコア値と前記記憶部に記憶されているその玩具の分野別スコアとを乗算することにより、判定対象である子供の分野ごとの前記適性スコアを求め、予め定められた期間において求めた前記適性スコアを積算して得られる累計値が最も高い分野を、前記適性分野であると判定する、
ようにしてもよい。
【0008】
前記適性分野判定部は、
前記累計値が最も高い分野の累計値と、前記累計値が最も高い分野の累計値と前記累計値が2番目に高い分野の累計値との差分とがそれぞれ予め定められた閾値以上の場合、前記累計値が最も高い分野を、前記適性分野であると判定する、
ようにしてもよい。
【0009】
前記受信部は、端末装置から、設定された期間ごとに、判定対象である子供の発育の程度を示す情報を受信し、
前記記憶部は、各玩具の対象年齢を示す対象年齢情報と、子供の生年月日を含む基本情報と、を記憶し、
前記受信部により受信された前記子供の発育の程度を示す情報に基づいて、子供の発達月齢を求める発達月齢解析部と、
現在の日時を計時するタイマと、
をさらに備え、
前記玩具選定部は、前記生年月日と前記タイマが計時する日時に基づいて、判定対象である子供の月齢を求め、求めた子供の月齢または前記発達月齢解析部により求められた判定対象である子供の発達月齢のいずれかが、前記記憶部に記憶されている前記対象年齢情報に含まれる玩具を選択する、
ようにしてもよい。
【0010】
前記記憶部は、各玩具が前記複数の分野の能力と基礎能力のいずれの発達に寄与するかを示す玩具区分情報を記憶し、
前記子供の月齢は、前記基礎能力を発達させる期間である基礎能力発達期と、前記複数の分野の中から前記適性分野を判定する期間である適性分野判別期と、前記適性分野判別期に判定された適性分野の能力を発達させる期間である適性分野強化期と、の3つの区分に分類され、
前記玩具選定部は、
求めた判定対象である子供の月齢が前記基礎能力発達期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記基礎能力の発達に寄与すると分類される玩具を選定し、
求めた判定対象である子供の月齢が前記適性分野判別期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記複数の分野のうちの2つ以上の分野の能力の発達に寄与する玩具区分に属する複数の玩具を選定し、
求めた判定対象である子供の月齢が前記適性分野強化期に該当すると判断した子供に対して、前記記憶部に記憶されている前記玩具区分情報において、前記適性分野判定部により判定された適性分野の能力の発達に寄与すると分類される玩具を選定する、
ようにしてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る情報処理方法は、
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定するコンピュータが、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定ステップと、
前記玩具選定ステップにより選定された玩具の利用の程度を示す情報を複数回受信する受信ステップと、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶ステップと、
前記受信ステップにより受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶ステップにより記憶された各玩具の前記分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定ステップと、
実行する情報処理方法である
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
玩具の利用状況に応じて、該玩具を利用する子供が適性を有する分野を判定するコンピュータに、
判定対象である子供の発育状況に応じて、提供する玩具を選定する玩具選定処理と、
前記玩具選定処理により選定された玩具の利用の程度を示す情報を複数回受信する受信処理と、
各玩具が複数の分野のそれぞれの能力の発達に寄与する程度を示す分野別スコアを記憶する記憶処理と、
前記受信処理により受信された玩具の利用の程度を示す情報と前記記憶処理により記憶された各玩具の前記分野別スコアとに基づいて、判定対象である子供の分野ごとの適性スコアを求めることにより、前記子供が適正を有する適性分野を判定する適性分野判定処理と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、乳幼児期など早い段階から子供の適性を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る情報処理装置および端末の構成の一例を示すブロック図である。
図3図2に示す記憶部に記憶されている玩具リストの一例を示す図である。
図4図2に示す記憶部に記憶されている発達チェックシートの一例を示す図である。
図5図2に示す記憶部に記憶されている玩具利用頻度評価シートの一例を示す図である。
図6図2に示す記憶部に記憶されている適性評価シートの一例を示す図である。
図7図2に示す適性分野判定部が生成する評価レポートの一例を示す図である。
図8】実施の形態に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図9】実施の形態に係る情報処理装置の基礎能力発達期における処理の流れを示すフローチャートである。
図10】実施の形態に係る情報処理装置の適性分野判別期における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同じ符号を付す。
【0016】
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る情報処理装置100が適用される情報処理システム1について説明する。情報処理システム1は、ユーザから入力される子供の玩具の利用状況などに基づいて、アーティスト、エンジニア、リベラルアーツ、コミュニケータ、アスリートの5つの分野(以下、適性分野という。)から高い適正を有する適性分野を判定するシステムである。
【0017】
この情報処理システム1を用いたサービスを提供する管理者は、ユーザに対し、子供の月齢に応じた玩具の提供を行い、定期的(例えば3ヶ月毎)に異なる玩具に交換する。子供の月齢は、0~17ヶ月を子供の基礎能力(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など)を発達させる期間である基礎能力発達期、18ヶ月~47ヶ月を子供の適性分野を判定する期間である適性分野判別期、48ヶ月以降を、判定した適性分野を強化する適性分野強化期とする3つの区分に分類される。管理者は、基礎能力発達期の子供には、基礎能力の発達に寄与する玩具を提供し、適性分野判別期の子供には、上述した5つの適性分野のうちいずれかの適性分野の発達に寄与する玩具を提供し、適性分野強化期の子供には、判定した適性分野の発達に寄与する玩具を提供する。
【0018】
情報処理システム1は、子供の発育に関する入力情報と玩具の利用状況に関する入力情報とに基づいて、子供の適性を判定する情報処理装置100と、ユーザに操作されることにより、子供の発育に関する情報と玩具の利用状況に関する情報との入力を受け付け、情報処理装置100に入力された情報を送信する端末装置200と、を備える。情報処理装置100と端末装置200とはネットワーク300を介して通信可能に接続される。
【0019】
情報処理装置100は、子供の発育に関する入力情報に基づいて子供の発育状況を判定し、子供の月齢又は判定した発育状況に応じて子供に与える玩具の選定をして、玩具の利用状況に関する入力情報に基づいて、5つの適性分野に対してそれぞれの評価を行い、評価結果に基づいて子供の適性を判定する。情報処理装置100は、メインフレーム、ワークステーション、PC(Personal Computer)等の任意のコンピュータ装置である。
【0020】
端末装置200は、子供の保護者などのユーザにより使用される。端末装置200は、ユーザからの子供の発育に関する情報、玩具の利用状況に関する情報などの入力を受け付け、入力された情報を情報処理装置100に送信する。端末装置200は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PC等の情報端末である。
【0021】
次に、図2図6を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。図2に示す通り、情報処理装置100は、各種データとプログラムとを記憶する記憶部110と、プログラムに従った処理を実行する制御部120と、端末装置200と情報の送受信を行う通信部130と、データの入出力を行う入出力部140とを備え、これらが内部バス(図示省略)を介して接続されている。
【0022】
記憶部110は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備える。RAMは、制御部120が備えるCPU(Central Processing Unit)のワークエリアとして使用される。ROMは、制御部120のCPUが実行するプログラムを記憶し、プログラム実行の際に使用される各種データを記憶する。
【0023】
具体的に、記憶部110は、管理者が保有する玩具の特性に関する情報を含む玩具リスト111と、子供の発育の程度を判定するための項目を含む発達チェックシート112と、玩具の利用状況の情報を含む玩具利用頻度評価シート113と、子供の適性を評価するための情報を含む適性評価シート114と、ユーザから入力された情報を含むユーザDB(Database)115と、を記憶する。
【0024】
玩具リスト111は、管理者が保有する玩具の名称などの基礎的情報および各玩具が使用されることにより発達に寄与する要素を示す玩具特性情報などを含む。玩具リスト111の情報は、管理者により予め入力され、記憶部110に記憶される。玩具リスト111は、玩具選定部122が、ユーザに提供する玩具を選定するときに使用される。
【0025】
図3に玩具リスト111を例示する。玩具リスト111は、玩具の名称を示す「商品名」、玩具を識別するための情報を示す「商品ID」、玩具を使用する子供の対象年齢を示す「対象年齢」、玩具を使用する子供の性別を示す「対象性別」、玩具の使用により発達に寄与する要素を示す「玩具特性情報」、玩具が属する分野(属性)および上述した5つの適性分野ごとのスコアを含む「適性分野別スコア」等の情報を有する。「玩具特性情報」には、子供の基礎能力分野又は適性分野の発達の要素を示す「発達に寄与する要素」と、玩具が各要素の発達に寄与するか否かを示す「有無」等の項目を含む。「有無」には、玩具が「発達に寄与する要素」を有する場合は、「1」が入力され、玩具が「発達に寄与する要素」を有さない場合は、「0」が入力される。「適性分野別スコア」は、玩具の属性を示す「玩具区分」を含み、基礎能力、アーティスト、エンジニア、リベラルアーツ、コミュニケータ、アスリートのいずれか、又は複数の区分が入力される。また、「適性分野別スコア」は、「玩具特性情報」の「有無」に「1」が入力された「発達に寄与する要素」の数に応じて算出される適性分野ごとのスコアに関する情報を含む。
【0026】
図3における玩具リスト111の一例では、「商品名」は、「XYZ」であり、「商品ID」は、「1766」であり、「対象年齢」は、「生後36ヶ月~60ヶ月」であることを示す。さらに、この玩具は、「発達に寄与する要素」として、「立体空間認知力」の発達に寄与し、「玩具区分」は、「エンジニア」で、「適性分野別スコア」は、アーティストの適性分野は「0」で、エンジニアの適性分野は「1」で、リベラルアーツの適性分野は、「0」で、コミュニケータの適性分野は「0」で、アスリートの適性分野は「0」であることを示す。
【0027】
図2に示す発達チェックシート112は、子供の月齢に対応する運動機能および脳機能の発育状況に関する項目から構成される。発達チェックシート112は、端末装置200に表示され、ユーザにより子供の発育に関する情報の入力を受け付けるためのデータである。
【0028】
図4に発達チェックシート112の一例を示す。発達チェックシート112は、子供の月齢を示す「生後時期」と、月齢に対応する運動機能の発達行動の項目により構成される「運動機能発達行動」と、月齢に対応する脳機能の発達行動の項目により構成される「脳機能発達行動」と、ユーザがチェックした日付けを示す「チェック日」等の情報を有する。
【0029】
具体的に、ユーザは、定期的に(例えば1ヶ月毎に)、子供が達成した「運動機能発達行動」および「脳機能発達行動」の項目に対応する「チェック日」に日付けを入力して、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100に送信された発達チェックシート112は、ユーザDB115に記憶される。なお、チェックした日付けを入力するのではなく、達成したことを示す情報を入力することにしてもよい。ユーザにより日付けが入力された発達チェックシート112は、発達月齢解析部121が、子供の発育状況を示す発達月齢を算出するときに使用される。
【0030】
図2に示す玩具利用頻度評価シート113は、適性分野判別期において、提供された玩具に対する子供の利用状況に関する情報を含む。玩具利用頻度評価シート113は、端末装置200に表示され、ユーザにより提供された玩具に対する子供の利用状況に関する情報の入力を受け付けるためのデータである。
【0031】
図5に玩具利用頻度評価シート113の例を示す。玩具利用頻度評価シート113は、提供された玩具の名称を示す「名前」、玩具を識別するための情報を示す「商品ID」、玩具に対する子供の利用状況を示す「お気に入り度」等の情報を有する。「お気に入り度」は、所定期間内における子供の玩具の利用状況に応じてユーザにより入力される情報であって、1~5のいずれかの数値により表される。「1」は子供の利用頻度が最も低く、「5」は子供の利用頻度が最も高いことを示す情報である。
【0032】
具体的に、ユーザは、定期的に(例えば、玩具の交換時期に対応して3ヶ月毎に)、提供された玩具のお気に入り度を入力して、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100に送信された玩具利用頻度評価シート113は、ユーザDB115に記憶される。玩具利用頻度評価シート113は、適性分野判定部123が、子供の適性分野を評価するときに使用される。
【0033】
図5における玩具利用頻度評価シート113の一例では、2019年6月13日から2019年9月12日の期間において、「型あわせ」が最も利用され、次に「おもちゃのグランドピアノ木目」と「ABC三輪車」が利用され、次に「ままごとあそびトレイセット」が利用され、次に、「ルーピングおもちゃ」が利用されたことを示している。
【0034】
図2に示す適性評価シート114は、ユーザにより入力された玩具利用頻度評価シート113の情報に基づいて、子供の適性分野を評価するための情報を含む。適性評価シート114は、適性分野判定部123が子供の適性分野を判定するための適性スコアを算出するために使用される。
【0035】
図6に適性評価シート114の例を示す。適性評価シート114は、ユーザにより利用頻度が評価された玩具の適性分野別スコアを示す「適性分野別スコア」と、玩具利用頻度評価シート113にユーザにより入力された玩具ごとのお気に入り度を示す「お気に入り度」と、玩具の「適性分野別スコア」の値と「お気に入り度」に基づいて算出された適性分野ごとの適性の高さの程度を示す「適性スコア」を含む。
【0036】
図2に示すユーザDB115は、ユーザにより送信された発達チェックシート112と玩具利用頻度評価シート113の情報、および適性分野判定部123により生成されたユーザ毎の適性評価シート114の情報などを格納する。各データには、ユーザを識別するための識別番号が付されており、各データはユーザごとに管理される。また、ユーザDB115には、子供性別、生年月日などのユーザの基本情報が記憶される。
【0037】
制御部120は、CPUを備え、記憶部110に記憶されたプログラムに従って動作し、プログラムに従った処理を実行する。制御部120は、プログラムにより提供される主要な機能部として、発達月齢解析部121と、玩具選定部122と、適性分野判定部123と、を備える。また、制御部120は、内部バスを介して現在の日時を計時するタイマと接続している。制御部120は、ユーザDB115に記憶される子供の生年月日と、タイマが計時する現在の日時情報から、子供の月齢を算出する。
【0038】
発達月齢解析部121は、ユーザにより入力された発達チェックシート112に基づいて、子供の発育状況を判定する処理を行う。発達月齢解析部121は、発達状況として、発達月齢を判定する。発達月齢は、実際の子供の月齢とは異なるものであって、発達チェックシート112に含まれる「運動機能発達行動」と「脳機能発達行動」の達成具合により決定される。
【0039】
具体的に、発達月齢解析部121は、ユーザにより送信される発達チェックシート112を取得すると、「運動機能発達行動」又は「脳機能発達行動」に対応する「チェック日」に日付けが入力されているか否かを判別する。発達月齢解析部121は、「生後時期」に対応する「運動機能発達行動」と「脳機能発達行動」の全てに日付けが入力されているもののうち、「生後時期」が最も遅いものを、発達月齢として算出する。
【0040】
玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、子供の月齢等の情報に応じて、提供する玩具の選定をする処理を行う。本実施の形態において、玩具選定部122は、5つの玩具を提供するものとするが、これに限られない。
【0041】
具体的に、玩具選定部122は、上述した子供の月齢に対応する基礎能力発達期、適性分野判別期、適性分野強化期において、それぞれ異なる方法により玩具を選定する。基礎能力発達期の子供に対して、玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、子供の月齢又は発達月齢解析部121により算出された発達月齢に基づいて、基礎能力発達向けの玩具を選定する。適性分野判別期の子供に対して、玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、5つの適性分野のいずれかに分類される玩具を、全ての適性分野が網羅されるように選定する。適性分野強化期の子供に対して、玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、適性分野判定部123により判定された適性分野に分類される玩具を選定する。
【0042】
玩具選定部122は、選定した玩具の商品名、商品ID、ユーザID、ユーザの住所、配送予定日などの情報を含む配送用ラベルを生成する。管理者は、配送用ラベルに基づいて、3ヶ月毎に選定された玩具をユーザに提供(配送)する。
【0043】
適性分野判定部123は、適性評価シート114を使用して、適性分野判別期において3ヶ月毎にユーザにより送信された玩具利用頻度評価シート113の情報に基づき、適性分野ごとの評価を行う。適性分野判定部123は、一定期間評価を行い、子供の持つ適性分野を判定する。
【0044】
適性分野判定部123は、玩具利用頻度評価シート113が入力されると、適性評価シート114を使用して、適性分野ごとの適性の高さの程度を示す適性スコアを算出する。具体的に、適性分野判定部123は、図5に示す玩具利用頻度評価シート113に入力された玩具ごとの「お気に入り度」の値と、図3に示す玩具リスト111に入力された玩具ごとの「適性分野別スコア」の値とを乗算することにより、適性分野ごとの適性スコアを算出する。図6に示す適性評価シート114の例において、適性分野判定部123は、子供に提供された玩具A~Eの「適性分野別スコア」と、「お気に入り度」の値を積算して、アーティストは「17」、エンジニアは「16」、リベラルアーツは「1」、コミュニケータは「7」、アスリートは「6」といった適性分野ごとの適性スコアを算出する。適性分野判定部123は、ユーザから玩具利用頻度評価シート113が送信されるごとにこの処理を実施し、算出した適性スコアと過去に算出した適性スコアとを適性分野ごとに加算し、適性分野ごとの累計値を算出する。
【0045】
適性分野判定部123は、適性分野ごとの累計値を算出すると、適性分野ごとの累計値が予め定められた閾値以上であるか否か、および、累計値が最も高い適性分野の累計値と2番目に累計値が高い適性分野の累計値との差分率が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。適性分野判定部123は、それぞれの閾値を満たす適性分野があると判断した場合は、条件を満たした適性分野を子供の適性分野であると判定する。さらに、適性分野判定部123は、適性分野判別期の最終月までに上記条件を満たす適性分野を判定しない場合、適性分野判別期の最終月までの累計値が最も高い適性分野を、子供の適性分野であると判定する。
【0046】
また、適性分野判定部123は、算出した適性分野ごとの適性スコアおよび累計値に基づき、それらのスコアをチャートなどで表す評価レポート116を生成する。図7に評価レポート116の例を示す。生成された評価レポート116は、通信部130を介して、端末装置200に送信される。
【0047】
通信部130は、ネットワーク300に接続する網終端装置又は無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェース又はLAN(Local Area Network)インタフェースであって、ネットワーク300を介して、端末装置200と情報の送受信を行う。なお、通信部130は、特許請求の範囲における受信部または送信部の一例である。
【0048】
入出力部140は、キーボード、マウス、カメラ、マイク、液晶ディスプレイ、有機EL(Electoro-Luminescence)ディスプレイ等から構成され、データの入出力を行うための装置である。入出力部140は、管理者による情報の入力を受け付ける。
【0049】
以上が、情報処理装置100の構成である。次に、端末装置200の構成について、図2を参照して説明する。端末装置200は、プログラムに従った処理を実行する制御部210と、各種データを記憶する記憶部220と、情報の入力を受け付ける入力部230と、情報を可視化して表示する表示部240と、情報処理装置100と情報の送受信を行う通信部250と、を備え、これらが内部バス(図示省略)を介して接続されている。
【0050】
制御部210は、CPUを備え、記憶部220に記憶されたプログラムに従って動作し、プログラムに従った処理を実行する。
【0051】
記憶部220は、RAMとROMとを備える。RAMは制御部210のCPUのワークエリアとして使用され、ROMは、制御部210のCPUが実行するプログラムを記憶し、プログラム実行の際に使用される各種データを記憶する。
【0052】
入力部230は、端末装置200を操作するためのキーボード、マウス等を備えるユーザインターフェースである。入力部230は、ユーザによる発達チェックシート112、玩具利用頻度評価シート113への入力を受け付ける。具体的に、ユーザは、発達チェックシート112に、日付けの情報を入力し、玩具利用頻度評価シート113に、お気に入り度を入力する。
【0053】
表示部240は、情報を可視化して表示する液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を備える。ユーザは、表示部240に表示される発達チェックシート112、玩具利用頻度評価シート113に情報を入力する。また、表示部240は、ユーザに操作されることによって、適性評価シート114により生成された評価レポート116を表示する。
【0054】
通信部250は、ネットワークに接続する網終端装置又は無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェース又はLAN(Local Area Network)インタフェースであって、ネットワーク300を介して、情報処理装置100と情報の送受信を行う。
【0055】
以上が、端末装置200の構成である。続いて、情報処理システム1の動作について、図8~10を参照して説明する。なお、初めてサービスを利用するユーザの子供の月齢が17ヶ月未満の場合を例に説明する。まず、図8を参照して、情報処理装置100の全体的な処理について説明する。
【0056】
情報処理装置100は、サービスを利用するユーザの氏名、住所、ユーザID、パスワード、子供の性別、子供の生年月日などの基本情報を登録するユーザ登録処理を行う(ステップS101)。具体的に、ユーザは、ユーザの端末装置200に表示される基本情報を入力するためのユーザ登録画面に基本情報を入力する。ユーザにより入力され、情報処理装置100に送信される情報は、ユーザDB115に記憶され、ユーザごとに管理される。
【0057】
次に、玩具選定部122は、ユーザにより登録された基本情報に基づいて、初回にユーザに提供する玩具を選定する(ステップS102)。具体的に、玩具選定部122は、ユーザDB115から子供の性別、生年月日などの情報を取得する。玩具選定部122は、顧客の生年月情報と、タイマが計時する現在の日時情報から、子供の月齢を算出する。玩具選定部122は、取得した子供の性別、算出した子供の月齢に応じて、玩具区分が基礎能力に分類される玩具を5つ選定する。玩具選定部122は、選定した玩具の商品名、商品ID、ユーザID、ユーザの住所、配送予定日などの情報を含む配送用ラベルを生成し、記憶部110に記憶させる。管理者は、配送用ラベルに基づいて、玩具をユーザに配送する。
【0058】
次に、情報処理装置100は、基礎能力発達期の処理を行う(ステップS103)。発達月齢解析部121は、毎月ユーザにより送信される発達チェックシート112に基づいて、子供の発育状況を示す発達月齢を判定する。玩具選定部122は、3ヶ月毎に、玩具リスト111を参照し、子供の月齢又は発達月齢解析部121により算出された発達月齢に基づいて、基礎能力発達向けの玩具を5つ選定し、配送用ラベルを生成する。これらの処理は、子供の月齢が0~17ヶ月を満了するまでの間、繰り返し実行される。ステップS103の詳細は後述する。
【0059】
次に、情報処理装置100は、子供の月齢が18ヶ月以上であると判断すると、適性分野判別期の処理を行う(ステップS104)。まず、玩具選定部122は、適性分野判別期における初回に提供される玩具の選定を行う。具体的に、玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、5つの適性分野のいずれかに分類される5つの玩具を、全ての適性分野が網羅されるように選定する。その後、玩具選定部122は、3ヶ月毎に、5つの適性分野のいずれかに分類される5つの玩具を、全ての適性分野が網羅されるように選定する処理を行う。適性分野判定部123は、適性評価シート114を使用して、3ヶ月毎にユーザにより送信される玩具利用頻度評価シート113の情報に基づき、適性分野ごとの評価を行う。適性分野判定部123は、一定期間評価を行い、子供の持つ適性分野を判定する。これらの処理は、原則、子供の月齢が18~47ヶ月を満了するまでの間、繰り返し実行される。ステップS104の詳細は後述する。
【0060】
情報処理装置100は、ステップS104の適性分野判別期の処理にて、子供の適性分野を判定したと判断すると、適性分野判別期の処理を行う(ステップS105)。玩具選定部122は、3ヶ月毎に、玩具リスト111を参照し、ステップS104の処理により判定された適性分野に分類される玩具の中から5つの玩具を選定する。具体的に、玩具選定部122は、ユーザDB115から、子供の性別、月齢、過去に提供された玩具の情報を取得する。玩具選定部122は、玩具リスト111の中から、「対象性別」、「対象年齢」などの情報を読み込み、ユーザDB115から取得した情報と条件を満たす玩具を選定する。選定された玩具の情報は、記憶部110に記憶される。管理者は、玩具選定部122により選定された玩具を、ユーザに提供する。この処理は、原則、子供の月齢が48ヶ月から59ヶ月を満了するまでの間実行され、59ヶ月が満了すると、処理を終了する。
【0061】
次に、図9を参照して、基礎能力発達期の処理について説明する。
【0062】
(基礎能力発達期の処理)
基礎能力発達期の子供には、基礎能力に分類される5つの玩具が提供され、3ヶ月毎に交換される。ユーザは、端末装置200を操作することにより、発達チェックシート112に記載された運動機能発達行動と脳機能発達行動の中から、子供が達成した行動に対応する「チェック日」の項目に日付けを入力し、毎月1度、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、ユーザからの発達チェックシート112の送信期限が近づいてきたと判断すると(例えば送信期限の3日前など)、処理を開始する。
【0063】
まず、発達月齢解析部121は、発達チェックシート112の送信期限が近づいてきた旨を端末装置200に通知する(ステップS11)。次に、ユーザにより、発達チェックシート112が送信されると、発達月齢解析部121は、ユーザDB115に発達チェックシート112を記憶させ、発達チェックシート112の情報を読み込む(ステップS12)。発達月齢解析部121は、発達チェックシート112内の、ユーザにより「チェック日」の項目が入力された運動機能発達行動と脳機能発達行動とを特定し、子供の発達月齢を算出する(ステップS13)。具体的に、発達月齢解析部121は、発達チェックシート112の各「生後時期」に対応する「運動機能発達行動」と「脳機能発達行動」の全ての「チェック日」の項目に日付けが入力されていると特定した場合、子供の発達月齢はその「生後時期」に達していると判定する。達していると判定された「生後時期」が複数存在する場合、発達月齢解析部121は、最も遅い「生後時期」を発達月齢として特定する。発達月齢解析部121により特定された発達月齢は、ユーザDB115に記憶される。
【0064】
次に、制御部120は、ユーザDB115から前回玩具を配送した日付けを取得して、今月が玩具を交換する月か否かを判定する(ステップS14)。制御部120は、玩具を交換する月であると判定すると(ステップS14;Yes)、玩具選定部122に通知を行う。
【0065】
玩具選定部122は、制御部120から通知を受けると、ユーザに提供する玩具の選定を行う(ステップS15)。玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、「玩具区分」が基礎能力に分類される玩具の中から5つの玩具を選定する。玩具選定部122は、ユーザDB115から、子供の性別、月齢、過去に提供された玩具の情報を取得し、発達月齢解析部121により特定された子供の発達月齢を取得する。玩具選定部122は、玩具リスト111の中から、「対象性別」、「対象年齢」などの情報を読み込み、ユーザDB115から取得した情報と照合して玩具を選定する。例えば、玩具選定部122は、玩具の対象性別と子供の性別が一致し、子供の月齢と発達月齢のいずれか、もしくはいずれもが玩具の「対象年齢」に含まれる玩具を選定してもよいし、発達月齢のみが玩具の「対象年齢」に含まれる玩具を選定してもよい。また、発達チェックシート112内の未達成の行動に関する能力を発達させるための玩具を選定しても良い。さらに、これら複数の基準により5つの玩具を選定してもよい。選定された玩具の情報は、記憶部110に記憶され、端末装置200に通知される。管理者は、玩具選定部122により選定された玩具を、ユーザに提供する。
【0066】
ステップS14において、制御部120は、今月が玩具を交換する月でないと判定すると(ステップS14;No)、処理を終了する。
【0067】
以上説明した基礎能力発達期における情報処理装置100の処理は、子供の月齢が0ヶ月から17ヶ月を満了するまでの間実行される。子供の月齢が17ヶ月を満了すると、次に説明する適性分野判別期の処理を行う。次に、適性分野判別期の処理について、図10を参照して説明する。なお、適性分野判別期の初回に提供される玩具は、既にユーザに配送されているものとして説明する。
【0068】
(適性分野判別期の処理)
適性分野判別期の子供には、5つの適性分野のいずれかに分類される5つの玩具が、全ての適性分野を網羅するよう提供され、3ヶ月毎に交換される。ユーザは、端末装置200を操作することにより、3ヶ月毎に、玩具利用頻度評価シート113に子供が玩具を利用した頻度を示す「お気に入り度」を入力し、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、ユーザからの玩具利用頻度評価シート113の送信期限が近づいてきたと判断すると、処理を開始する。
【0069】
まず、適性分野判定部123は、玩具利用頻度評価シート113の送信期限が近づいてきた旨を端末装置200に通知する(ステップS21)。次に、ユーザにより、玩具利用頻度評価シート113が送信されると、適性分野判定部123は、ユーザDB115に玩具利用頻度評価シート113を記憶させ、玩具利用頻度評価シート113の情報を読み込む(ステップS22)。
【0070】
次に、適性分野判定部123は、取得した玩具利用頻度評価シート113と、玩具リスト111とを参照し、適性分野ごとの子供の適性の程度を示す適性スコアを算出する(ステップS23)。具体的に、適性分野判定部123は、図6に示す適性評価シート114を使用して、適性スコアを算出する。適性分野判定部123は、玩具リスト111を参照し、適性評価シート114の「適性分野別スコア」に、玩具利用頻度評価シート113に含まれる5つの玩具の名前と適性分野別スコアの値とを入力する。次に、適性分野判定部123は、適性評価シート114の「お気に入り度」に、玩具利用頻度評価シート113に入力された5つの玩具のお気に入り度を入力する。適性分野判定部123は、「適性分野別スコア」と「お気に入り度」とを積算し、適性分野ごとに加算して、適性分野ごとに適性スコアを算出する。
【0071】
次に、適性分野判定部123は、ステップS23で算出した適性スコアを、それ以前までの適性スコアの累計である累計値に加算することにより、累計値を更新する(ステップS24)。
【0072】
次に、適性分野判定部123は、ユーザDB115から子供の月齢の情報を取得して、月齢が47ヶ月未満か否かを判定する(ステップS25)。適性分野判定部123は、月齢が47ヶ月未満であると判定すると(ステップS25;Yes)、各適性分野の累計値と、累計値が最も高い適性分野と2番目に高い適性分野との累計値の差分率とが、予め定められたそれぞれに対する閾値以上か否かを判定することにより、適性分野を判定したか否かを判定する(ステップS26)。適性分野判定部123は、各適性分野の累計値と差分率のいずれか、もしくは両方が閾値以上でない場合、適性分野を判定していないと判定し(ステップS26;No)、その旨を玩具選定部122に通知する。
【0073】
次に、玩具選定部122は、ユーザに提供する玩具の選定を行う(ステップS27)。玩具選定部122は、玩具リスト111を参照し、適性分野のいずれかに分類される玩具の中から5つの玩具を選定する。玩具選定部122は、ユーザDB115から、子供の性別、月齢、過去に提供された玩具の情報を取得する。玩具選定部122は、玩具リスト111の中から、「対象性別」、「対象年齢」などの情報を読み込み、ユーザDB115から取得した情報と条件を満たす玩具を選定する。さらに、玩具選定部122は、全ての適性分野の玩具が含まれるように、玩具を選定する。選定された玩具の情報は、記憶部110に記憶され、処理を終了する。管理者は、玩具選定部122により選定された玩具を、ユーザに提供する。
【0074】
ステップS25において、適性分野判定部123は、月齢が47ヶ月以上であると判定すると(ステップS25;No)、ステップS23で更新した累計値が最も高い適性分野を、子供の適性分野として判定する(ステップS28)。次に、適性分野判定部123は、適性分野を判定した旨を通知し(ステップS29)、処理を終了する。
【0075】
ステップS26において、適性分野判定部123は、適性分野の累計値と差分率のいずれもがそれぞれの閾値以上である場合、適性分野を判定したと判定する(ステップS26;Yes)。次に、適性分野判定部123は、適性分野を判定した旨を通知し(ステップS28)、処理を終了する。
【0076】
以上説明した適性分野判別期における情報処理装置100の処理は、原則、子供の月齢が18ヶ月から47ヶ月を満了するまでの間実行される。子供の月齢が47ヶ月を満了すると、次に説明する適性分野強化期の処理を行う。47ヶ月を満了する前に、ステップS26において適性分野を判定したと判定された場合、それ以降の処理は、適性分野強化期の処理となる。
【0077】
以上説明したように、情報処理装置100は、子供の月齢に応じて、提供する玩具の選定を行う。基礎能力発達期の子供には、子供の月齢と発達チェックシート112に基づいて算出される発達月齢とを考慮して、基礎能力発達に寄与する玩具が提供される。さらに適性分野判別期の子供には、5つの適性分野のいずれかに分類される5つの玩具が、全ての適性分野を網羅するよう提供され、適性分野強化期の子供には、適性分野判別期で判定された適性分野の玩具が提供される。情報処理装置100は、適性分野判別期において、玩具の利用頻度が入力された玩具利用頻度評価シート113に基づいて、子供の適性分野を判定する。
【0078】
なお、上記では、初めてサービスを利用する子供の月齢が17ヶ月未満の場合を例に説明したが、初めてサービスを利用する子供の月齢が18ヶ月~47ヶ月未満の子供の場合、ステップS102において、玩具選定部122は、初回に提供する玩具として、適性分野のいずれかに分類される5つの玩具を、全ての適性分野が網羅されるように選定すればよく、その後、ステップS103を実行せずに、ステップS104の処理を実行すればよい。
【0079】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形例及び応用が可能である。上記実施の形態では、情報処理装置100の入出力部140が、管理者による入力を受け付けることとしたが、これに限られない。管理者用の端末装置200が、管理者による入力を受け付けて、情報を情報処理装置100に送信してもよい。
【0080】
上記実施の形態では、玩具選定部122が提供する玩具を選定することとしたが、玩具選定部122が玩具の候補を選定し、選定された候補の中からユーザが玩具を決定してもよい。
【0081】
上記実施の形態では、適性分野判定部123は、アーティスト、エンジニア、リベラルアーツ、コミュニケータ、アスリートの5つの適性分野から、子供の適性を判定することとしたが、これに限られない。これら以外の適性分野を含めてもよいし、適性分野の名称が異なっていてもよい。
【0082】
上記実施の形態では、適性分野判定部123は、適性分野ごとの累計値を算出し、適性分野ごとの累計値が予め定められた閾値以上であるか否か、および、累計値が最も高い適性分野の累計値と2番目に累計値が高い適性分野の累計値との差分率が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、それぞれの閾値を満たす適性分野があると判断した場合は、条件を満たした適性分野を子供の適性分野であると判定することとしたが、これに限られない。例えば、適性分野ごとの累計値と、他の適性分野の累計値の平均値との差分率(乖離度)とを算出し、それらが予め定められた閾値以上であるかを判定し、それぞれの閾値を満たす適性分野があると判断した場合は、条件を満たす1以上の適性分野を子供の適性分野であると判定してもよい。また、ある時点の累計値における伸び率が、適性分野を有するか否かの判断に用いられてもよい。さらに、それぞれの閾値は、月齢ごとに異なる値であってもよい。
【0083】
上記実施の形態では、発達月齢解析部121は、発達チェックシート112の各「生後時期」に対応する「運動機能発達行動」および「脳機能発達行動」の全てにチェック日が入力されていると特定した場合に、発達月齢は該当する「生後時期」に達していると判定することとしたが、これに限られない。例えば、発達月齢解析部121は、「運動機能発達行動」と「脳機能発達行動」のいずれかにチェック日が入力されていると特定した場合に、子供の発達月齢は該当する「生後時期」に達していると判定してもよい。また、発達月齢は、例えば生後3ヶ月~5ヶ月などのように、幅のあるものであってもよい。
【0084】
なお、情報処理装置100及び端末装置200は、専用の装置によらず、通常のコンピュータを用いて実現可能である。例えば、コンピュータに上述のいずれかを実行するためのプログラムを格納した記録媒体から該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する情報処理装置100及び端末装置200を構成してもよい。また、複数のコンピュータが協働して動作することによって、1つの情報処理装置100又は端末装置200を構成しても良い。
【0085】
また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションとの分担、又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0086】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、オペレーティングシステムの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 情報処理システム、100 情報処理装置、200 端末装置、300 ネットワーク、110 記憶部、111 玩具リスト、112 発達チェックシート、113 玩具利用頻度評価シート、114 適性評価シート、115 ユーザDB、120 制御部、121 発達月齢解析部、122 玩具選定部、123 適性分野判定部、130 通信部、140 入出力部、210 制御部、220 記憶部、230 入力部、240 表示部、250 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10