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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231129BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020037120
(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2021140427
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】奥寺 昇平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 学
(72)【発明者】
【氏名】前田 瑶介
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0301963(US,A1)
【文献】特開2009-048384(JP,A)
【文献】特開2002-316141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部が、
敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、前記水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットであって、前記水道管が稼働する地域の人口動態データを含む第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、
前記第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される前記水道管について、前記第2のデータセットに基づいて、前記水道管により利用者が水を利用する利用量を予測し、かつ、前記水道管が稼働する地域の人口密度を予測して前記水道管の水道料金単価を想定し、前記想定される水道料金単価と前記利用量の予測結果とに基づいて、前記水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、
を行う、情報処理装置。
【請求項2】
前記特定するステップにおいて、各地の人口動態を予測することにより、前記水道管により利用者が水を利用する利用量を予測する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2のデータセットには、各地の気象データの将来予測が含まれ、
前記特定するステップにおいて、前記気象データの将来予測に基づいて前記利用量を予測する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2のデータセットには、各地の宅地造成計画の情報が含まれ、
前記特定するステップにおいて、前記宅地造成計画に基づいて、前記利用量を予測する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
制御部を備えるコンピュータ装置を動作させる方法であって、制御部が、
敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、前記水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットであって、前記水道管が稼働する地域の人口動態データを含む第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、
前記第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される前記水道管について、前記第2のデータセットに基づいて、前記水道管により利用者が水を利用する利用量を予測し、かつ、前記水道管が稼働する地域の人口密度を予測して前記水道管の水道料金単価を想定し、前記想定される水道料金単価と前記利用量の予測結果とに基づいて、前記水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、
を行う、方法。
【請求項6】
制御部を備えるコンピュータ装置を動作させるためのプログラムであって、プログラムは、制御部に、
敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、前記水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットであって、前記水道管が稼働する地域の人口動態データを含む第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、
前記第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される前記水道管について、前記第2のデータセットに基づいて、前記水道管により利用者が水を利用する利用量を予測し、かつ、前記水道管が稼働する地域の人口密度を予測して前記水道管の水道料金単価を想定し、前記想定される水道料金単価と前記利用量の予測結果とに基づいて、前記水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、
を行わせる、プログラム。
【請求項7】
敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、前記水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットであって、前記水道管が稼働する地域の人口動態データを含む第2のデータセットの入力を受け付ける手段と、
前記第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される前記水道管について、前記第2のデータセットに基づいて、前記水道管により利用者が水を利用する利用量を予測し、かつ、前記水道管が稼働する地域の人口密度を予測して前記水道管の水道料金単価を想定し、前記想定される水道料金単価と前記利用量の予測結果とに基づいて、前記水道管の価値を評価した評価パラメータを特定する手段と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
国内の水道普及率は、高度経済成長期に急速に上昇しており、その時代に整備された水道設備は、敷設から40年あまりが経過した。水道設備の老朽化に伴い、管路の劣化及び漏水事故などが発生する確率が高まり、現在、大量の管路の更新時期が到来している。
【0003】
上記のような水道管の更新に関して、更新時期の決定は、水道事業体にとって関心の高い分野である。水道管の材質、水道管の埋設環境などの情報から、管路の劣化度合及び事故率を判定し、更新コストを最小化するように更新時期を決定する技術はある。
【0004】
例えば、特開2014-106146号公報(特許文献1)には、水道管などの配水管の更新時期を判断するために用いられる配水管の老朽化判定方法は記載されている。特許文献1には、水道管の流れ方向に離隔した箇所から水試料を採取し、かつ、水試料の懸濁態元素濃度の変化量に基づき水質解析を行うことにより、水道管の上流から下流に亘る全体の老朽化を判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-106146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、水道管の更新工程には、多額の資金投資が必要となる。水道管の更新計画を立案する際に、そもそも水道管を更新する必要があるか、また、水道管を更新する以外の代替手段を採用することができるかを検討できることが望ましい。
【0007】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、水道管の更新計画立案を支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態によると、制御部を備える情報処理装置が提供される。制御部が、敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される水道管について、第2のデータセットに基づいて、水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、を行う。
【0009】
一実施形態によると、制御部を備えるコンピュータ装置を動作させる方法が提供される。制御部が、敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される水道管について、第2のデータセットに基づいて、水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、を行う。
【0010】
一実施形態によると、制御部を備えるコンピュータ装置を動作させるためのプログラムが提供される。プログラムは、制御部に、敷設済みの水道管に関する第1のデータセット、及び、水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットの入力を受け付けるステップと、第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される水道管について、第2のデータセットに基づいて、水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップと、を行わせる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、水道管の価値を評価することにより、水道管の更新計画立案を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水処理システム1の概要を示す図である。
図2】水処理システム1の全体の構成を示す図である。
図3】水処理装置30の構成を示すブロック図である。
図4】水処理装置30において水処理モジュール40の設置を受け付けるための複数の設置機構の外観の例を示す図である。
図5】サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図6】端末装置10の構成を示すブロック図である。
図7】サーバ20が記憶する水処理モジュールデータベース281、水処理装置データベース282、ユーザ情報データベース283のデータ構造を示す図である。
図8】水処理装置30において水処理モジュール40によって水処理を行った実績をサーバ20に蓄積させる処理のフローを示す図である。
図9】ユーザが指定する水処理装置30の用途に応じて、サーバ20が水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
図10】サーバ20が、水処理装置30が設置される位置における水処理の需要を予測して水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
図11】サーバ20が、水処理装置30の水処理の実績に応じて水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
図12】各地の水処理の需要に応じて水処理装置30を移動させることをユーザに促す処理のフローを示す図である。
図13】端末装置10における画面例を示す図である。
図14】第2の実施形態にかかる水処理システム2の概要を示す図である。
図15】実施の形態2における外部環境情報284のデータ構造を示す図である。
図16】実施の形態2の水処理システム2を構成する各装置の動作を示す図である。
図17】水処理装置30の構成の他の例を示す図である。
図18】実施の形態3にかかる水道管価値評価システム3の概要を示す図である。
図19】実施の形態3におけるサーバ20Aの機能的な構成を示す図である。
図20】実施の形態3におけるデータ構造を示す図である。
図21】実施の形態3により水道管の価値を評価する処理のフローを示す図である。
図22】実施の形態3の端末装置10における画面例を示す図である。
図23】実施の形態3の端末装置10における画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
<概要>
以下の実施形態では、水源を提供するための水処理システム1について説明する。
【0015】
ユーザは、日常生活において、様々な用途で水を使用する。例えば、ユーザは、水分を補給するために、飲料水を摂取する。水の用途としては、この他に、物品に付着した汚物を洗浄するために用いられることがあり、例えばユーザは食事後に食器を洗浄する際に水を使用する。その他、ユーザは、手洗い、シャワー、風呂、洗濯、トイレ、ドリンクサーバー、部屋の加湿などの用途で水を使用する。
【0016】
<実施の形態1>
実施形態では、水処理機能を有することにより、水源を提供することが可能な水処理装置30について説明するとともに、各地に水処理装置30を設置することで実現される水処理システム1について説明する。
【0017】
図1は、水処理システム1の概要を示す図である。水処理システム1は、各地に設置される水処理装置30(図1の例では、水処理装置30A、30B、30Cを示している)と、これら水処理装置30と通信可能なサーバ(図1では図示しない)とから構成されている。図示する例では、水処理装置30Aと水処理装置30Cは、移動機構370を有している。移動機構370は、例えば車輪などを有しており、車輪を駆動する等により水処理装置30を走行可能にする。なお、水処理装置30Bは、移動機構370を有しておらず、自走する機能は有していない。
【0018】
水処理装置30は、各地に設置されている。例えば、水処理装置30Aは、屋外の土地5に設置される。屋外の土地5に水処理装置30Aを設置することにより、屋外において、飲用用途、シャワー用途、トイレ用途など様々な用途で水を利用できるようにする。例えば、水処理装置30Aが浄水機能を提供することにより、ユーザが飲用できるよう水を浄化することができる。
【0019】
例えば、水処理装置30Bは、建物6に対して水処理機能を提供するために設置される。水処理装置30Bは、建物6の内部または外部に設置される。
【0020】
例えば、水処理装置30Cは、自動車などの移動体7において水処理機能を提供するために設置される。水処理装置30Bは、移動体7の内部または外部に搭載される。例えば、移動体7として、キャンピングカーなど、料理のためのキッチン、トイレ等の、水を使用する様々な設備が搭載されるものがある。水処理装置30Cは、移動体7で使用される様々な水の用途に応じて、水処理機能を提供する。
【0021】
なお、図1の例では、水処理装置30が、1つの独立した装置として使用される例を示しているが、建物等の設備に水処理装置30の機能を組み込むことにより、水処理の機能を提供することとしてもよい。例えば、建物等にある洗濯機、シンク、浄水器、シャワールーム、バスルーム、トイレ、湯船、加湿器、除湿器、エアーコンディショナー等に、水処理装置30を組み込むこととしてもよい。後述するように、水処理装置30は、水処理モジュール40を備えることで水処理の機能を提供している。建物等の設備に水処理モジュール30の組み合わせを組み込むことにより、水処理の機能をユーザに提供することとしてもよい。
【0022】
各水処理装置30は、提供している水処理機能と、水処理を行った履歴とを、サーバへ送信する。これにより、サーバは、各水処理装置30が設置される環境における水処理の需要についての情報を蓄積することができる。
【0023】
<システム全体の構成図>
図2は、水処理システム1の全体の構成を示す図である。
【0024】
図2に示すように、水処理システム1は、端末装置10(図示する例では、端末装置10Aおよび端末装置10Bを示している)と、サーバ20と、水処理装置30(図示する例では、水処理装置30Aと水処理装置30Bを示している)とを含む。端末装置10、サーバ20、水処理装置30は、ネットワーク80を介して通信接続する。図示するように、水処理装置30(水処理装置30B)は、端末装置10(端末装置10B)を介してサーバ20と通信することもある。
【0025】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。図2に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
【0027】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0028】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0029】
出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ、バイブレータ等)である。
【0030】
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0031】
記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0032】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0033】
サーバ20は、各水処理装置30における水処理の履歴を取得して、データベースとして保持する。サーバ20は、データベースに蓄積されるデータに基づいて、水処理の需要を予測する。
【0034】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0035】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0036】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0037】
ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0038】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0039】
次に、水処理システム1を構成する各装置について説明する。
【0040】
<水処理装置30の構成>
まず、水処理システム1を構成する水処理装置30について説明する。
【0041】
図3は、水処理装置30の構成を示すブロック図である。図3に示すように、水処理装置30は、水処理モジュール設置機構32を有する。水処理モジュール設置機構32は、複数の設置機構(設置機構32A、32B、33C、・・・)を有している。
【0042】
当該複数の設置機構は、水処理モジュール40の設置を受け付けるための機構である。図示する例では、水処理モジュール40として、水処理モジュール40A、40Bを示している。水処理装置30は、水処理モジュール設置機構32に対し、処理対象の水を供給する水受付部36と、水処理モジュール設置機構32に設置される各水処理モジュール40で処理された水を外部へ出力する処理水出力部37とを有する。水受付部36は、例えば、水処理装置30の外部から、ポンプ等により水の供給を受け付ける。処理水出力部37は、水処理装置30の外部へ、水処理モジュール40で処理した水を出力する。なお、出力した水をユーザが使用した後の排水を、水受付部36への入力とすることもできる。
【0043】
図4は、水処理装置30において水処理モジュール40の設置を受け付けるための複数の設置機構の外観の例を示す図である。図4(A)は、水処理装置30において水処理モジュール40の設置を受け付けるための挿入面31の正面を示す図である。図4(B)は、挿入面31の外観を斜め方向から見た場合を示す図である。図4(C)は、複数の設置機構に水処理モジュール40を設置するための別の例を示す図である。
【0044】
図4(A)に示すように、水処理装置30は、挿入面31において、複数の設置機構(設置機構32A、32B、32C、・・・)を有する。図示する例では、設置機構それぞれは、いずれも、水処理モジュール40を接続できるよう、同等の構造を有している。水処理モジュール40は、機能に応じて用意されるが、設置機構の構造に対応した大きさを有している。
【0045】
各設置機構は、一定の体積を有する水処理モジュール40を設置することで、水処理モジュール40の機能をユーザに提供する。例えば、各設置機構は、水処理モジュール40と接続するための接続部を有している。当該接続部は、例えば、水処理モジュール40に、処理対象の水を供給するためのポンプ機構、水処理モジュール40で処理された処理水を排出するための排出機構を有する。水処理モジュール40は、端部に、設置機構と接続するための接続部を有する。これにより、接続部で設置機構と水処理モジュール40とを接続することができ、水処理装置30に、各水処理モジュール40が有する機能を提供する。
【0046】
図4(B)に示すように、水処理装置30は、挿入面31を覆うための扉33を有している。水処理装置30は、水処理モジュール40Aの設置を、設置機構により受け付けようとしている。水処理モジュール40Aを、挿入面31に対して挿入することで、設置機構に水処理モジュール40を設置することができる。
【0047】
なお、図示する例では、水処理装置30は、挿入面31において、所定の大きさを有する水処理モジュール40を設置することができるよう、16個の設置機構(設置機構32A、32B、・・・32P)を有している。図4(B)に示すように、水処理モジュール40は、機能、性能に応じて、ユーザが識別可能な外観(例えば、水処理モジュール40の色)を有することとしてもよい。
【0048】
図4(B)の例では、水処理モジュール40の大きさが所定の単位と等しくなっているが、水処理モジュール40に要求される水処理の機能によっては、水処理モジュール40を、所定の単位よりも大きくすることが必要になり得る。
【0049】
図4(C)は、図4(B)の例よりも大きな水処理モジュール40を水処理装置30に設置可能としている。図4(C)に示すように、挿入面31に対し、単位を基準とした大きさが2倍の水処理モジュール40Bを示している。また、挿入面31に対し、単位を基準とした大きさが4倍の水処理システム40Cについても水処理装置30に設置可能としてもよい。
【0050】
各水処理モジュール40には、例えばフィルタなど、水処理用の機能を有するものが含まれる。また、各水処理モジュール40には、水処理用の機能の他に、電力を供給する機能など、水処理装置30を動作させるためのエネルギーを供給するものが含まれる。以上のように、水処理装置30は、各水処理モジュール40を搭載することにより、これら搭載される水処理モジュール40が有する機能を水処理装置30のユーザに提供する。
【0051】
以上のように、水処理装置30は、水処理モジュール40を設置可能な構成を有しているため、水処理モジュール40を収容可能なポッドと見立てることもできる。
【0052】
図3に戻り、水処理装置30の構成について説明を続ける。
【0053】
水処理装置30は、外部の装置と通信するための構成と、データ処理を行うための構成とを有している。水処理装置30は、複数のアンテナ(アンテナ311、アンテナ312)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)と、操作受付部330(タッチセンシティブデバイス331およびディスプレイ332を含む)と、音声処理部340と、マイク341と、スピーカ342と、位置情報センサ350と、カメラ360と、移動機構370と、記憶部380と、制御部390と、を含む。
【0054】
水処理装置30は、図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電源と接続して電力の供給を受けるための回路、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図3に示すように、水処理装置30に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0055】
なお、水処理装置30は、図3に示す全ての構成を有する必要はなく、一部の構成を有することとしてもよい。例えば、水処理装置30は、水処理装置30と通信可能な端末装置10が有する構成の一部については有さないこととしてもよい。例えば、水処理装置30は、音声処理部340、マイク341、スピーカ342などのように、ユーザに通知をするための構成を有さないこととしてもよい。また、水処理装置30は、位置情報センサ350、カメラ360など、端末装置10においてもセンシング可能な構成については有さないこととしてもよい。また、水処理装置30が、移動体通信システムまたは近距離無線通信のいずれかに対応すればよい等、複数の通信規格に応じてアンテナおよび無線通信部を有する必要がない場合もあり得る。
【0056】
アンテナ311は、水処理装置30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ311は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部321へ与える。
【0057】
アンテナ312は、水処理装置30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ312は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部322へ与える。
【0058】
第1無線通信部321は、水処理装置30が他の無線機器と通信するため、アンテナ311を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部322は、水処理装置30が他の無線機器と通信するため、アンテナ312を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、水処理装置30が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部390へ与える。
【0059】
操作受付部330は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部330は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス331と、ディスプレイ332とを含む。タッチセンシティブデバイス331は、水処理装置30のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス331は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス331は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部390へ出力する。なお、操作受付部330は、ボタンなど物理的に変形する機構により入力操作を受け付けることとしてもよい。
【0060】
ディスプレイ332は、制御部390の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ332は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、電子ペーパー等によって実現される。
【0061】
音声処理部340は、音声信号の変復調を行う。音声処理部340は、マイク341から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部390へ与える。また、音声処理部340は、音声信号をスピーカ342へ与える。音声処理部340は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク341は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部340へ与える。スピーカ342は、音声処理部340から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を水処理装置30の外部へ出力する。
【0062】
位置情報センサ350は、水処理装置30の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される水処理装置30の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、水処理装置30の位置情報をサーバ20に通知する際、等に利用され得る。
【0063】
カメラ360は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ360は、例えば、カメラ360から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
【0064】
記憶部380は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、水処理装置30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部380は、ユーザ情報381と、水処理履歴情報382とを記憶する。
【0065】
ユーザ情報381は、水処理装置30により水処理の機能の提供を受けるユーザの情報である。ユーザの情報としては、ユーザを識別する情報、ユーザが使用している水処理モジュール40の情報、ユーザが保有している水処理モジュール40の情報等が含まれる。
【0066】
水処理履歴情報382は、水処理装置30が備える各種センサによりセンシングされた結果を示す情報である。例えば、水処理履歴情報382は、水処理モジュール設置機構32に設置される各水処理モジュール40において、水処理を行った履歴を保持する。
【0067】
制御部390は、記憶部380に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、水処理装置30の動作を制御する。制御部390は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部390は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部391と、送受信部392と、データ処理部393と、通知制御部394としての機能を発揮する。
【0068】
入力操作受付部391は、タッチセンシティブデバイス331等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部391は、タッチセンシティブデバイス331に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判別する。また、入力操作受付部391は、ディスプレイ332に対してユーザがポインティングデバイス等により指定した位置等の情報を取得する。
【0069】
送受信部392は、水処理装置30が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0070】
データ処理部393は、水処理装置30が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部393は、水処理装置30において、水処理モジュール40により水処理が行われた履歴を水処理履歴情報382に保持させる処理、水処理履歴情報382に保持される情報をサーバ20へ送信する処理等を行う。
【0071】
通知制御部394は、ユーザに情報を通知する処理を行う。通知制御部394は、例えば、表示画像をディスプレイ332に表示させる処理、音声をスピーカ342に出力させる処理、振動をカメラ360に発生させる処理を行う。
【0072】
<サーバ20の機能的な構成>
次に、サーバ20の構成について説明する。
【0073】
図5は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図5に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0074】
通信部201は、サーバ20が外部の装置(例えば、端末装置10、水処理装置30)と通信するための処理を行う。
【0075】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、水処理モジュールデータベース281と、水処理装置データベース282と、ユーザ情報データベース283と、外部環境情報284とを記憶する。
【0076】
水処理モジュールデータベース281は、水処理モジュール40の仕様についてのデータベースである。詳細は後述する。
【0077】
水処理装置データベース282は、水処理装置30の設定およびユーザが水処理装置30を仕様した履歴についてのデータベース。詳細は後述する。
【0078】
ユーザ情報データベース283は、水処理装置30を利用する各ユーザの情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0079】
外部環境情報284は、水処理装置30が設置される環境に関する情報である。例えば、サーバ20は、水処理装置30が設置される場所についての水の需要に影響するパラメータを取得して外部環境情報284に蓄積させる。例えば、水の需要に影響するパラメータとして、水処理装置30が設置される場所の周囲の気候条件に関するデータ(天候、気温、湿度、風速など)、水を利用する利用者に関するデータ(人の流入、流出など)、地域の水源に関するデータ(河川の流量、地下水の量など)、その他の情報の時系列データを含む。
【0080】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0081】
操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が、端末装置10等のユーザから情報の入力を受け付ける場合に、ユーザの操作内容を取得する。例えば、サーバ20が、端末装置10のブラウザにより画面を提示してユーザの操作を受け付ける場合に、操作内容取得モジュール2041は、ユーザの操作内容を取得する。
【0082】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0083】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0084】
水需要予測モジュール2044は、各地における水の需要を予測する。水需要予測モジュールは、水処理装置30が設置される位置において必要となる水の用途と、水の需要量とを、記憶部202に記憶される各データベースの記憶内容に基づいて予測する。
【0085】
例えば、水需要予測モジュール2044は、水処理装置データベース282に基づいて、各地に設置される水処理装置30において水処理が行われた実績に基づいて、各地における水の用途および需要量を予測する。例えば、水処理装置データベース282に蓄積される、水処理装置30の水処理の実績の時系列データに基づいて学習済みモデルを作成しておくことにより、水需要予測モジュール2044が当該学習済みモデルに基づき水の需要を予測することができる。
【0086】
例えば、水需要予測モジュール2044は、外部環境情報284に示される各地の環境の情報に基づいて、各地の水の需要を予測することとしてもよい。各地の環境の情報の時系列データと、各地に設置される水処理装置30において水処理が行われた実績に基づいて、学習済みモデルを作成しておくことにより、水需要予測モジュール2044が各地の環境の情報の予測結果と学習済みモデルとに基づき水の需要を予測することができる。
【0087】
組み合わせ特定モジュール2045は、水処理装置30に設置する水処理モジュール40の組み合わせを特定する。組み合わせ特定モジュール2045は、ユーザが指定した用途に応じて、用途に適合するよう水処理モジュール40の組み合わせを特定する。また、組み合わせ特定モジュール2045は、ユーザの指定によらず、水需要予測モジュール2044による水の需要の予測結果に応じて、当該需要に適合するよう水処理モジュール40の組み合わせを特定する。
【0088】
<端末装置10の構成>
続いて、端末装置10の構成について説明する。
【0089】
図6は、端末装置10の構成を示すブロック図である。図6に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。
【0090】
端末装置10の構成のうち、水処理装置30と同等の構成については、水処理装置30の各構成と同様であるため説明を繰り返さない、つまり、端末装置10のアンテナ(111,112)、無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)、操作受付部130、タッチセンシティブデバイス131、ディスプレイ132、音声処理部140、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160とは、水処理装置30のアンテナ(311,312)、無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)、操作受付部330、タッチセンシティブデバイス331、ディスプレイ332、音声処理部340、マイク341と、スピーカ342と、位置情報センサ350と、カメラ360とについて、機能の説明を繰り返さない。なお、位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサである。
【0091】
モーションセンサ170は、加速度センサ、角速度センサにより構成され、端末装置10の動きに関するセンシングデータを出力する。端末装置10は、これらセンシングデータに基づいて、端末装置10の傾き、端末装置10が振られていること等を検出する。
【0092】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、ユーザ情報181と、水処理履歴情報182とを記憶する。
【0093】
ユーザ情報181は、水処理装置30を使用するユーザの情報である。ユーザの情報としては、ユーザを識別する情報、ユーザが使用している水処理モジュール40の情報、ユーザが保有している水処理モジュール40の情報等が含まれる。
【0094】
水処理履歴情報182は、水処理装置30が備える各種センサによりセンシングされた結果を示す情報である。水処理履歴情報182は、水処理装置30が、水処理モジュール設置機構32に設置される各水処理モジュール40において、水処理を行った履歴を保持する。
【0095】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、表示制御部194としての機能を発揮する。
【0096】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0097】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0098】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部193は、水処理装置30において水処理が行われた実績(水処理装置30におけるセンシング結果)を水処理装置30から取得してサーバ20へ送信する処理、端末装置10のユーザに対し、水処理装置30に設置する水処理モジュール40の組み合わせをディスプレイ132等により提示する処理などを行う。
【0099】
通知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をカメラ160に発生させる処理を行う。
【0100】
<データ構造>
図7は、サーバ20が記憶する水処理モジュールデータベース281、水処理装置データベース282、ユーザ情報データベース283のデータ構造を示す図である。
【0101】
図7に示すように、水処理モジュールデータベース281のレコードのそれぞれは、項目「モジュール識別情報(ID)」と、項目「種類・機能」と、項目「大きさ・サイズ」と、項目「センシング可能なデータ」とを含む。
【0102】
項目「モジュール識別情報(ID)」は、複数種類ある水処理モジュール40それぞれを識別するための情報である。
【0103】
項目「種類・機能」は、水処理モジュール40が分類される種類と、水処理モジュール40が発揮する機能とを示す。
【0104】
(i)水処理モジュール40の種類として、流入する水に対して水処理を行う機能を有するものがある。例えば、水処理モジュール40として、フィルタにより所定サイズより大きい物質を除去する機能を提供するもの、光学的な手法(紫外線の照射等)または化学的な手法により微生物(バクテリア)を除去する機能を提供するもの等がある。
【0105】
(ii)水処理モジュール40の種類として、水処理装置30を動作させるためのエネルギー源を提供する機能を有するものも含まれる。例えば、水処理モジュール40が太陽電池等を備えることにより、水処理装置30を動作させるための電源機能を提供するものも含まれる。つまり、このような水処理モジュール40は、水処理装置30に電力を供給することで、水処理装置30に水処理機能を発揮させる。
【0106】
(iii)水処理モジュール40の種類として、ユーザが必要な性質の水を提供するものが含まれる。例えば、ユーザがシャワー用途、飲料用途に温水または冷水を使用する需要がある場合に給湯機能または冷却機能を提供するもの、空気中から水分を生成する機能を提供するものが水処理モジュール40に含まれる。
【0107】
項目「大きさ・サイズ」は、水処理モジュール40を水処理装置30に設置した際に占有する大きさを示す。本実施形態では、図4等で説明したように、水処理装置30が複数の設置機構を有している。図4の例のように、これら設置機構それぞれをスロットとして、項目「大きさ・サイズ」において、水処理モジュール40それぞれの大きさを規定してもよい。
【0108】
例えば、項目「モジュール識別情報(ID)」が「FL01」の水処理モジュールは、水処理装置30に設置する際に、水処理装置30が有するスロットのうち1スロットを占有する(図4の例における水処理モジュール40A)。
【0109】
また、例えば、項目「モジュール識別情報(ID)」が「FL02」の水処理モジュールは2スロットを占有する(図4の例における水処理モジュール40B)。
【0110】
項目「センシング可能なデータ」は、水処理モジュール40でセンシングできる対象を示す。
【0111】
(i)センシングの対象としては、水処理の前後で変化する項目が含まれる。例えば、水処理により浄化する性能を評価するためにセンシングする項目が含まれることとしてもよい。より具体的には、水処理モジュール40が、浄水を得る機能を提供するためにフィルタ等を有する場合、フィルタ等で処理する前の水における除去対象の物質または微生物の濃度またはフィルタにより処理した後の水における当該濃度をセンシング対象としてもよい。
【0112】
(ii)センシングの対象としては、水処理を行った量に関する項目が含まれる。例えば、水処理モジュール40に流入させる水の量をセンシングの対象としてもよい。
【0113】
(iii)センシングの対象としては、水処理モジュール40の機能を評価する項目が含まれる。例えば、水処理モジュール40が電源を提供する場合に、発電量をセンシングの対象としてもよい。また、水処理モジュール40が空気中から水分を生成する場合に、水を生成する量をセンシングの対象としてもよい。
【0114】
水処理装置データベース282のレコードのそれぞれは、項目「ポッド識別情報(ID)」と、項目「ユーザ識別情報(ID)」と、項目「ポッドの位置情報」と、項目「スロット使用状況」と、項目「指定された用途」と、項目「運用開始日」と、項目「センシングデータ」とを含む。
【0115】
項目「ポッド識別情報(ID)」は、水処理装置30それぞれを識別するための情報である。
【0116】
項目「ユーザ識別情報(ID)」は、水処理装置30を利用するユーザそれぞれを識別するための情報である。
【0117】
項目「ポッドの位置情報」は、水処理装置30を設置する位置(例えば、緯度及び経度により特定される情報、または住所により特定される情報)を示す。例えば、水処理装置30の位置情報センサ350が取得した情報、または、ユーザが端末装置10により取得した位置情報を、水処理装置30を設置する位置としてもよい。
【0118】
項目「スロット使用状況」は、図4に示すように、水処理装置30が有する複数の設置機構(複数のスロット)が、水処理モジュール40により使用されている状況を示す。項目「スロット使用状況」は、複数の設置機構それぞれの使用状況(各スロットの使用状況)の情報を含むこととしてもよい。項目「スロット使用状況」は、例えば、複数の設置機構それぞれを特定する情報と、当該設置機構に設置されている水処理モジュール40の種類を識別する情報(モジュールID)と、水処理装置30に備わる設置機構の数の情報とを保持することとしてもよい。項目「スロット使用状況」は、使用していない設置機構(空きスロット)の情報を含むこととしてもよい。
【0119】
項目「指定された用途」は、水処理装置30において、ユーザが指定した用途と、当該用途を実現するための各スロットの使用状況とを示す。例えば、図示する例では、水処理装置30が有する複数の設置機構(各スロット)のうち、用途「食洗」(つまり、用途として、水を、食事後の洗浄に使用する)の機能を発揮させるために、4つの設置機構(スロット「SL01」、「SL02」、「SL03」、「SL04」)を使用していることを示す。
【0120】
項目「運用開始日」は、水処理装置30による水処理機能の提供を開始したタイミングを示す。項目「運用開始日」は、水処理装置30において、項目「スロット使用状況」に示される水処理モジュール40の組み合わせによる水処理機能の提供を開始したタイミング(日付、日時など)の情報を含むこととしてもよい。
【0121】
項目「センシングデータ」は、水処理装置30に設置される各水処理モジュール40がセンシングしたセンシング結果を示す。項目「センシングデータ」において、各スロットでセンシングされたタイミングを示す情報と、センシング結果のデータとを対応付けて蓄積させることとしてもよい。
【0122】
ユーザ情報データベース283のレコードのそれぞれは、項目「ユーザ識別情報(ID)」と、項目「使用しているポッド識別情報(ID)」と、項目「保持しているモジュール」と、項目「利用中のモジュール」と、項目「スケジュール」とを含む。
【0123】
項目「ユーザ識別情報(ID)」は、水処理装置30を利用するユーザそれぞれを識別するための情報である。
【0124】
項目「使用しているポッド識別情報(ID)」は、ユーザが使用している水処理装置30を識別する情報(ポッドID)を示す。
【0125】
項目「保持しているモジュール」は、水処理装置30に設置することができる水処理モジュール40のうち、ユーザが保持しているモジュールを識別する情報(モジュールID)を示す。つまり、ユーザが水処理装置30に設置可能な水処理モジュール40の候補を示す。例えば、ユーザが水処理モジュール40を入手するための操作(水処理モジュール40を購入する操作等)を行うことにより、サーバ20において、ユーザが保持している水処理モジュール40の情報を更新する。
【0126】
項目「利用中のモジュール」は、ユーザが水処理装置30に設置することで利用している水処理モジュール40を示す。項目「利用中のモジュール」は、サーバ20が、水処理装置30に設置される水処理モジュール40を識別する情報を取得することにより更新することとしてもよい。例えば、ユーザが端末装置10を操作して、水処理装置30に設置される水処理モジュール40を指定することとしてもよい。また、水処理装置30において、水処理モジュール設置機構32に水処理モジュール40を設置することにより、水処理モジュール40に保持される識別情報を水処理装置30が取得できることとしてもよい。
【0127】
項目「スケジュール」は、ユーザのスケジュールの情報を含む。例えば、サーバ20は、カレンダーアプリケーションを提供するサーバ装置から、ユーザのスケジュールの情報を取得する。スケジュールの情報は、例えば、件名と、場所と、日時と、スケジュールの内容の情報等を含む。
【0128】
例えば、サーバ20は、ユーザのスケジュールの情報に基づいて、水処理装置30における水処理の需要を予測することとしてもよい。例えば、スケジュールの情報の件名、場所等の情報に基づいて、ある日時において、水の需要があるか否か、水の需要の量を推測し得る。例えば、スケジュールの情報に、「調理」などの情報が件名、スケジュールの内容等に含まれる場合に、用途「食洗」での水の需要があると推測し得る。
【0129】
また、サーバ20は、ユーザのスケジュールの情報と、水処理装置30におけるセンシング結果(水処理装置データベース282における項目「センシングデータ」)の実績値とを比較して、スケジュールの情報に基づいて水処理の需要の予測結果を出力するための学習済みモデルを作成することができる。サーバ20は、当該学習済みモデルと、項目「スケジュール」に示されるユーザのスケジュールに基づいて、当該スケジュールに示される日時の前後における水処理の需要を推測することができる。
【0130】
<動作>
以下、水処理システム1の各装置の動作を説明する。
【0131】
具体的には、(i)水処理装置30において水処理モジュール40によって水処理を行った実績をサーバ20に蓄積させる処理を説明する。また、水処理装置30に設置する水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理として、(ii)ユーザが指定する用途に応じて水処理モジュール40の組み合わせを提示する処理、(iii)水処理装置30が設置される位置における水処理の需要を予測して水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理、(iv)水処理装置30の水処理の実績に応じて水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理を説明する。また、水処理装置30を移動させることができる場合に、(v)各地の水処理の需要に応じて水処理装置30を移動させることをユーザに促す処理について説明する。
【0132】
図8は、水処理装置30において水処理モジュール40によって水処理を行った実績をサーバ20に蓄積させる処理のフローを示す図である。
【0133】
ステップS801において、水処理装置30(制御部390)は、水処理モジュール設置機構32の各スロットに設置されている水処理モジュール40それぞれを識別することにより、水処理モジュール設置機構32に設置されている水処理モジュール40の組み合わせを特定する。水処理装置30は、特定した水処理モジュール40の組み合わせをサーバ20へ送信する。
【0134】
ステップS853において、サーバ20(制御部203)は、水処理装置30または水処理装置30のユーザの端末装置10から、水処理装置30を識別する情報、ユーザを識別する情報、水処理装置30の位置を示す情報、水処理装置30の各スロットに設置される水処理モジュール40の組み合わせ、水処理モジュール40の用途、当該水処理モジュール40の組み合わせにより水処理装置30が水処理を行うことを開始する運用開始日等の情報を、水処理装置データベース282に記録する。水処理モジュール40の用途について、例えば、ユーザが端末装置10または水処理装置30において水処理装置30の用途を指定する操作を行い、当該指定された用途を、端末装置10または水処理装置30がサーバ20へ送信することとしてもよい。また、運用開始日は、ユーザが指定することとしてもよいし、端末装置10または水処理装置30がサーバ20へ水処理モジュール40の組み合わせを送信したタイミング、または、サーバ20が当該水処理モジュール40の組み合わせを受信したタイミングによりサーバ20が特定することとしてもよい。
【0135】
ステップS805において、水処理装置30は、各種センサ装置により水処理モジュール40の処理についてのセンシング結果を取得して、逐次、サーバ20へセンシング結果を送信する。
【0136】
ステップS855において、サーバ20は、水処理装置30におけるセンシング結果を水処理装置30または端末装置10から受信して、水処理装置データベース282に蓄積させる。
【0137】
図9は、ユーザが指定する水処理装置30の用途に応じて、サーバ20が水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
【0138】
ステップS931において、端末装置10(制御部190)は、ユーザから、水処理装置30の用途について、1または複数の用途の指定を受け付ける。端末装置10は、指定された用途をサーバ20へ送信する。
【0139】
ステップS953において、サーバ20は、水処理装置30についてユーザから指定された用途に応じて、水処理モジュールデータベース281を参照することにより、必要な水処理モジュール40を特定する。例えば、サーバ20は、ユーザが指定することができる用途と、水処理モジュール40の識別情報とを対応付けた情報を保持することにより、用途に応じた水処理モジュール40を特定する。サーバ20は、端末装置10に対し、水処理モジュール40の組み合わせを応答する。また、サーバ20は、ユーザ情報データベース283を参照することにより、ユーザの用途に応じた水処理モジュール40の組み合わせのうち、ユーザが保持していない水処理モジュール40の情報を応答する。また、サーバ20は、特定した水処理モジュール40の組み合わせに必要なスロットの数を端末装置10へ応答する。
【0140】
ステップS935において、端末装置10は、サーバ20から受信した水処理モジュール40の組み合わせを示す情報を、ディスプレイ132に表示すること等によりユーザに提示する。端末装置10は、水処理モジュール40の組み合わせにおいて、ユーザが保持していない水処理モジュール40がある場合に、ユーザが指定した用途に必要な水処理モジュール40としてユーザに提示する。端末装置10は、水処理モジュール40の組み合わせに必要なスロットの数と、水処理モジュール40のスロットの空き状況とを判定する。例えば、ユーザが指定した用途を実現するうえで必要なスロット数の空きが水処理装置30にない場合、端末装置10は、ユーザにその旨を通知する。
【0141】
図10は、サーバ20が、水処理装置30が設置される位置における水処理の需要を予測して水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
【0142】
ステップS1053において、サーバ20は、外部環境情報284を参照することにより、水処理装置30が設置される位置における環境の情報(地域の気候条件の情報、地域の水源の情報等)を取得する。サーバ20は、環境の情報に基づいて、30が設置される位置における水処理の需要を予測する。
【0143】
ステップS1055において、サーバ20は、水需要の予測結果に基づいて、当該予測結果に応える水処理モジュール40の組み合わせの候補を特定し、特定した候補をユーザの端末装置10へ送信する。
【0144】
ステップS1035において、端末装置10は、サーバ20から、水処理モジュール40の組み合わせの候補の情報を受信し、受信した水処理モジュール40の組み合わせの候補をユーザに提示する。
【0145】
これにより、ユーザに対し、水需要の予測に応じて、水処理モジュール40の組み合わせを変更するよう促すことができる。
【0146】
図11は、サーバ20が、水処理装置30の水処理の実績に応じて水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示する処理のフローを示す図である。
【0147】
ステップS1153において、サーバ20は、水処理装置データベース282を参照することにより、水処理装置30のセンシング結果に基づいて、ユーザの水処理の用途を判定する。例えば、用途ごとに、想定される水処理の量(水処理モジュール40に流入させる水の量)を規定した情報をサーバ20が保持しており、水処理装置30のセンシング結果と、想定される水処理の量とを比較することで、当該用途の使用頻度を判定する。特定の用途について水処理の使用頻度が規定値よりも低い場合に、ユーザが当該用途で水処理装置30を使用していないと判定することができる。
【0148】
また、特定の用途についての水処理装置30の使用頻度が規定値よりも大きい場合に、ユーザが当該用途で水処理装置30を使用する機会が比較的多いと判定することができる。
【0149】
また、ユーザが指定した用途のうち、使用頻度が比較的多い用途がある場合に、当該用途に関連する用途についてもユーザが使用していると推定することもできる。例えば、用途「食洗」について使用するとユーザが指定して、水処理モジュール40がフィルタ等により水の浄化を行う場合に、用途「食洗」として想定される水処理の量よりも、実際に水処理モジュール40で水処理を行った量が大きい場合があるとする。この場合に、サーバ20は、用途「食洗」以外の用途についても水処理モジュール40が利用されていると推定し得る。
【0150】
ステップS1155において、サーバ20は、水処理モジュール40のセンシング結果に基づいて用途を判定した結果に基づいて、ユーザに提示する水処理モジュール40の組み合わせを特定し、特定した水処理モジュール40の組み合わせを端末装置10へ送信する。
【0151】
ステップS1135において、端末装置10は、サーバ20から受信した水処理モジュール40の組み合わせの候補をユーザに提示する。
【0152】
以上により、水処理装置30における水処理の実績に基づいて、ユーザに対し、水処理モジュール40の組み合わせを変更するよう促すことができる。
【0153】
図12は、各地の水処理の需要に応じて水処理装置30を移動させることをユーザに促す処理のフローを示す図である。
【0154】
ステップS1353において、サーバ20は、水処理装置データベース282、外部環境情報284を参照することにより、各地に設置される水処理装置30のセンシング結果、各地の環境の情報に基づいて、各地における水処理の需要を予測する。例えば、サーバ20は、ステップS1053、S1153において説明した処理を行うことにより、各地の水処理の需要、および、当該需要に応じるために必要な水処理装置30の需要(水処理装置30の数など)を予測する。
【0155】
ステップS1355において、サーバ20は、水処理装置データベース282を参照することにより、各地に水処理装置30が配置されている状況を取得する。サーバ20は、ステップS1353で予測した各地の水処理の需要の予測を満たすことができるよう、各地の水処理装置30の移動先を決定する。例えば、各地の水処理の需要の予測に対して、水処理装置30の数が少ない第1のエリアがある場合に、予測に対して水処理装置30の数に余剰がある複数のエリアのうち、第1のエリアまでの距離、移動時間、水処理装置30の移動に必要なエネルギー量に基づいて第2のエリアを特定する。
【0156】
例えば、当該複数のエリアのうち、第1のエリアまでの経路(距離、道路の混雑状況など)に基づいて、水処理装置30を移動させる移動時間が短い第2のエリアを特定する。例えば、災害発生時など、水需要に対して水道水等からの供給量の低下が想定される場合、いち早く水需要に応じて水処理装置30による水処理機能を提供する(排水を再利用できるようにする)ため、移動時間が短いエリアから水処理装置30を移動させることとしてもよい。
【0157】
また、季節の変化などにより各地の水処理の需要が変動すると想定される場合に、水処理装置30を移動させるのに必要なエネルギー量が小さくなるよう(輸送に必要なエネルギー量が小さくなるよう)、移動させる対象の水処理装置30を特定することとしてもよい。
【0158】
ステップS1357において、サーバ20は、各水処理装置30のユーザへ、水処理装置30の移動先の情報を通知する。
【0159】
ステップS1335において、端末装置10は、水処理装置30の移動先をユーザに提示する。
【0160】
なお、水処理装置30は、必ずしも利用者となるユーザの情報と関連付ける必要はない。例えば、公共の設備、公共性の高い場所(公園など)などに水処理装置30を設置して、ユーザの情報を関連付けないこととしてもよいし、管理者の情報を関連付けることとしてもよい。水処理装置30が、通信による遠隔制御により、または、水処理装置30が地図情報等に基づいて自動走行することにより、第1のエリアから第2のエリアへと自走させることとしてもよい。
【0161】
<画面例>
ユーザに情報を通知する局面等における画面例を説明する。上記のように、ユーザに対し端末装置10または水処理装置30が情報を提示するが、以下の画面例の説明では、ユーザの端末装置10により情報を提示する例を説明する。
【0162】
図13は、端末装置10における画面例を示す図である。
【0163】
図13(A)、図13(B)、図13(C)は、ユーザに対し、水処理装置30の用途に応じた水処理モジュール40の組み合わせを提示する局面の画面例である。
【0164】
図13(A)は、ステップS931、S935の処理に対応する。図13(A)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に、位置表示部132Aと、用途表示部132Bと、モジュール情報表示部132Gと、操作ボタン132Cとを表示する。サーバ20は、水処理装置データベース282を参照することにより、端末装置10に表示させる情報を端末装置10へ送信する。
【0165】
位置表示部132Aは、水処理装置30が設置される位置をユーザに提示するための領域である。
【0166】
用途表示部132Bは、水処理装置30に設定される用途(例えば、ユーザが指定した用途)をユーザに提示するための領域である。
【0167】
モジュール情報表示部132Gは、水処理装置30に設置する水処理モジュール40の組み合わせをユーザに提示するための領域である。モジュール情報表示部132Gに示すように、端末装置10は、用途「シャワー」の機能を水処理装置30に発揮させるために必要なモジュールの組み合わせ、および、ユーザが所有していない水処理モジュール40(ユーザが用途に応じた機能の提供を水処理装置30から受けるために必要な水処理モジュール40)を表示する。
【0168】
操作ボタン132Cは、ユーザに、水処理モジュール40を水処理装置30に設置する方法を案内するための情報を表示するための領域である。例えば、端末装置10は、操作ボタン132Cを指定するユーザの操作に応答して、モジュール情報表示部132Gに表示される各水処理モジュール40を水処理装置30に設置するスロットの位置等を表示する。
【0169】
図13(B)は、ステップS1035の処理に対応する。図13(B)に示すように、端末装置10は、モジュール情報表示部132Gに示すように、各地の水需要の予測結果に応じて、水処理装置30が設置される位置における水需要の予測結果と、当該予測結果により水需要に適合し得る水処理モジュール40の組み合わせとを表示する。例えば、サーバ20は、水の需要に対して供給量の不足が予測される場合に、当該不足を解消できるよう水処理モジュール40の組み合わせを端末装置10に表示させる。
【0170】
図13(C)は、ステップS1135の処理に対応する。図13(C)に示すように、端末装置10は、モジュール情報表示部132Gに示すように、ユーザが水処理装置30を利用した履歴に基づいて、ユーザの用途を推定した結果を表示する。モジュール情報表示部132Gにおいて、端末装置10は、推定したユーザの用途に対応する水処理モジュール40の組み合わせを表示する。
【0171】
端末装置10は、当該画面(ユーザが所有していない水処理モジュール40を表示する画面)において、当該ユーザが所有していない水処理モジュール40を、ユーザが購入する等により利用できるようにするための画面(または当該画面に遷移するボタン)を表示してもよい。
【0172】
図13(D)は、各地の水の需要に応じて水処理装置30を移動させる案内をユーザに提示する局面を示す。
【0173】
図13(D)は、ステップS1335の処理に対応する。図13(D)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に、案内表示部132Jと、ルート表示部132Kとを表示する。
【0174】
なお、水処理装置30をユーザの所有物とせず、各地に設置する水処理装置30を、水処理の需要の予測結果に応じて、自動走行または輸送により移動させることとしてもよい。
【0175】
または、図13(D)は、水処理装置30を管理する管理者に提示する画面であるとしてもよい。
【0176】
案内表示部132Jは、各地の水処理の需要の予測結果に応じて、水処理装置30を移動させる場合に、移動先を表示するための領域である。案内表示部132Jにおいて、水処理装置30を移動させるのに要する時間、水処理装置30を移動させるべき時期についての情報を表示してもよい。
【0177】
ルート表示部132Kは、水処理装置30を現在値から移動先へと移動させる方法、移動ルートをユーザに閲覧させるための領域である。例えば、ルート表示部132Kへのユーザの操作に応答して、移動させる方法等を表示させる画面に遷移してもよいし、ルート表示部132Kに、移動ルート等の情報を表示させることとしてもよい。
【0178】
以上のように、水処理システム1は、各地に設置した水処理装置30において、用途に応じて水処理モジュール40を組み替えられるよう構成されており、大規模な水処理設備のようなインフラコストを要することなく、多種多様な水の需要に応えることができる。
【0179】
<実施の形態2>
別の実施形態にかかる水処理システムについて説明する。なお、実施の形態2の説明において「水処理装置」という記載は、実施の形態1で説明した「水処理装置30」を含み、環境に対して供給される水、または、使用された水に対してフィルタにより異物を除去する等の水処理を行う装置をいう。つまり、「水処理装置」には、水処理装置30以外の、水処理を行う装置が含まれる。また、実施の形態2の説明において「水利用設備」とは、利用者が水を利用する局面に対応して設置される設備をいう。
【0180】
実施の形態2の説明では、家屋、集合住宅、移動体(キャンピングカー、飛行体など)など、各環境で様々な水利用設備および水処理装置(実施の形態1で説明した水処理装置30を含む。つまり、水処理装置30以外の水処理装置も、家屋などに設置される)を利用可能とする場合に、各環境での水の需要、水の利用状況を予測するための学習済みモデルを作成する方法を説明する。水が使用される環境としては、実施の形態1で説明したように、屋外の土地5、屋内を有する建物6、移動体7などがある。
【0181】
また、実施の形態2では、作成された学習済みモデルを水処理装置またはユーザの端末(実施の形態1で説明した端末装置10を含む)へ配布することにより、ユーザへの情報の通知、水処理装置の保守管理など様々な処理を可能にすることについて説明する。
【0182】
図14は、第2の実施形態にかかる水処理システム2の概要を示す図である。水処理システム2として示すように、サーバ20は、各環境に配置される水処理装置(水処理装置30を含む)、水利用設備、端末装置10等の様々な機器から、水処理に伴い出力されるデータ群である水処理データセットを受信して蓄積する。例えば、サーバ20は、水処理装置(水処理装置30以外の水処理装置も含む)が稼働する環境(60A、60B)に設置される水利用設備(61A、61B、・・・)でセンシングされるセンシングデータ、また、水処理装置(例えば、水処理装置30A、30B)の稼働に伴いセンシングされる各種データなどを、水処理データセットとして受信する。水利用設備とは、利用者が水を利用するための設備であり、例えば、シャワールーム、キッチン、洗濯など、利用者が水を利用する局面に応じて様々な水利用設備が用意されている。例えば、水処理装置30に設置される各種水処理モジュールに、各種センサが備え付けられることとしてもよい。
【0183】
ここで、水処理データセットとしては、例えば、以下を含む。
【0184】
(ア)水処理システム2を構成する各種ハードウェアを駆動させるためのパラメータ
・水利用設備、水処理装置のポンプの駆動に関するパラメータ
(1)ポンプの駆動値(電圧、電流)、積算駆動時間、ポンプのメンテナンス記録
(2)ポンプの耐用年数
【0185】
・タンクの動作制御に関するパラメータ
(1)タンクの容量、材質、耐用年数
(2)タンクの容量の変動
(3)タンクの積算駆動時間、メンテナンス記録
【0186】
・バルブの動作制御に関するパラメータ
(1)バルブの駆動値(電圧、電流)、積算駆動時間、動作時間/タイミング
(2)バルブの耐用年数
【0187】
(イ)センシング結果
・水中をセンシング可能な各種センサのセンシング結果(例えば、以下の各項目がセンサによりセンシング可能)
(1)流量、圧力、水位、温度
(2)pH、電気伝導度、酸化還元電位、アルカリ度、イオン濃度
(3)濁度、色度、粘度、溶存酸素
(4)臭気、アンモニア態窒素・硝酸態窒素・亜硝酸態窒素・全窒素・残留塩素・全リン・全有機炭素・全無機炭素・全トリハロメタン
(5)微生物センサの検知結果、化学的酸素要求量、生物学的酸素要求量、
(6)シアン、水銀、油分、界面活性剤
(7)光学センサの検知結果、TDS(Total Dissolved Solids)センサの検知結果
(8)質量分析結果、微粒子、ゼータ電位、表面電位
【0188】
・ガスセンサのセンシング結果(例えば、以下の各項目がセンサによりセンシング可能)
(1)一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、プロパン、プロパンアルコール、VOC(Volatile Organic Compounds)、有機溶剤、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、酸素、窒素、塩素、可燃性ガス
【0189】
・画像データ
(1)生物処理槽の監視画像データ
(2)タンクの監視画像データ
(3)フィルタの監視画像データ
(4)配管の監視画像データ
【0190】
・水質データ
(1)水道水質基準の水質基準項目(51項目、厚生労働省)のデータ
(2)下水処理のデータ
【0191】
(ウ)その他の情報
・環境の情報
(1)大気圧、温度、湿度
(2)環境の位置を示す情報
【0192】
・利用者のデータ
(1)利用者の属性(性別、国籍、居住地)
(2)利用者の利用態様(洗浄用途、飲料用途)
【0193】
サーバ20は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)から収集した水処理データセットに基づいて、学習済みモデルを生成する。例えば、サーバ20は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)のそれぞれでセンシングされることにより蓄積される水処理データセットに基づいて機械学習を行うことにより、学習済みモデルを生成する。サーバ20は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)のそれぞれを特定する情報と関連付けて、学習済みモデルを記憶することとしてもよい。
【0194】
サーバ20は、生成した学習済みモデルを、水処理装置30、端末装置10等のコンピュータへ送信する。サーバ20は、水処理装置が稼働する環境を特定する情報に基づいて、当該環境でセンシングすることにより得られた水処理データセットに基づく学習済みモデルを、当該環境を特定する情報に関連付けられる水処理装置30またはユーザの端末装置10へ送信する。これにより、サーバ20は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)のそれぞれについて、学習済みモデルを、水処理装置30または端末装置10へ配布することができる。
【0195】
ここで、水利用設備、水処理装置は、設置の態様として、一軒家に1または複数設置されることもあれば、集合住宅に設置されることもある。また、キャンプ場、旅先、一時的に滞在する場所等に、水利用設備、水処理装置が設置されることもある。この他に、レストラン等の商業設備において、水利用設備、水処理装置が設置されることもある。水利用設備は、利用者が水を利用する局面に対応して設置されており、例えば以下のような局面があり得る。
【0196】
利用者が水を利用する局面として、(ア)利用者が体洗浄用機器を使用することがある。体洗浄用機器が配置される場所としては、シャワールーム、バスルーム、手洗い場、足洗い場、動物の体の洗浄場などがある。
【0197】
利用者が水を利用する局面として、(イ)利用者が衣服洗浄用器具を使用することがある。衣服洗浄用器具としては、洗濯機等がある。
【0198】
利用者が水を利用する局面として、(ウ)利用者が食材および食器の洗浄機器を使用することがあり、例えばキッチンで当該洗浄機器を使用する。
【0199】
利用者が水を利用する局面として、(エ)利用者が給水機器を使用することがある。例えば、利用者は、飲料水または料理用水を得るための浄水器を使用する。
【0200】
これら水利用設備は、水を供給および排水するための配管、蛇口などを有しており、水の使用量などが記録される。また、水利用設備は、自然で採取される採取水(川、沼、湖、海水、井戸水、雨水)を使用するものであるとしてもよく、水処理装置で処理された処理水を利用するものであるとしてもよい。
【0201】
水処理装置は、フィルタを備えることにより、所定の大きさ以上の異物、所定の長さ以上の異物を除去することができる。例えば、水処理装置は、ゴミ、石、土、砂、髪の毛、垢、排泄物、食物等を、フィルタにより除去する。
【0202】
水処理装置は、逆浸透膜を備えることにより、金属分子、農薬分子を除去することができる。
【0203】
これら水処理装置(水処理装置30を含む)は、コンピュータ制御により動作することで、水処理装置で処理させる水の流量と、水に対して処理する内容(どのフィルタを通過させるか)とを制御することができる。
【0204】
例えば、水処理装置のバルブの動作をコンピュータにより制御することにより、処理対象の水に対し、水処理装置が備えるどのフィルタを通すかを制御することができる。例えば、バルブの制御により、処理対象の水を、1つのフィルタを通過させるようにすることもでき、複数のフィルタを通過させるようにすることもでき、いずれのフィルタも通過させないようにすることもできる。
【0205】
例えば、水処理装置のポンプの動作をコンピュータにより制御することにより、ポンプにより送り出される水の量、水の圧力を制御することができる。
【0206】
また、水処理設備、水処理装置は、各種センサを有することにより、水の圧力変化、水量をセンシングすることができる。例えば、センサとして、圧力センサ、流量センサ、電気伝導度センサ、臭いセンサ等がある。水処理設備または水処理装置に用いられる配管に圧力センサを設けることにより、配管中の水の圧力をセンシングすることができる。また、水処理装置によって処理された後の処理後水を流す配管等において、流量センサ、臭いセンサを設けることにより、水処理装置で処理された水量、および、臭いの強度をセンシングすることができる。例えば、電気伝導度センサにより、水処理装置で処理される前の処理前水の電気伝導度をセンシングすることができる。
【0207】
このようなセンサは、例えば、配管、蛇口等に設置される。
【0208】
<データ構造>
図15は、実施の形態2における外部環境情報284のデータ構造を示す図である。
【0209】
図15に示すように、外部環境情報284のレコードのそれぞれは、項目「環境識別情報(ID)」と、項目「環境における水の需要に影響するパラメータ」と、項目「水処理設備のセンシングデータ」等の各項目の情報を含む。
【0210】
項目「環境識別情報(ID)」は、水処理装置が稼働する環境それぞれを識別するための情報である。水処理装置が稼働する環境とは、例えば、1または複数の世帯が入居する住宅、事業所として使用される建物、複数の住居または事業所が集積する施設等をいう。項目「環境識別情報(ID)」は、水処理装置が稼働する環境の位置の情報を含むこととしてもよい。
【0211】
項目「環境における水の需要に影響するパラメータ」は、環境における水の供給量、水の需要量にかかわるパラメータである。
【0212】
例えば、水の供給量、水の需要量にかかわるパラメータについて、環境に基づく要因としては、水を使用する場所、位置、水を使用する状況、温度、湿度、振動、気圧等の要因がある。また、当該パラメータについて、使用態様に基づく要因としては、水を使用する方法、用途等がある。また、当該パラメータについて、時間的な要因としては、利用者が水を使用する頻度、1回の利用について水を使用する時間等がある。具体的には、以下を含むこととしてもよい。
【0213】
(i)需要者が水を使用する動機付けに影響を及ぼすパラメータとして、例えば、気候条件のパラメータを含む。気候条件のパラメータには、水処理装置が設置される環境(位置)における天候、気温、湿度、風速等が含まれる。
【0214】
(ii)水の需要量に影響を及ぼすパラメータとして、例えば、環境で水を利用する利用者の情報を含む。例えば、水の需要量に影響を与えるパラメータとして、環境において水を利用する利用者の数の情報を含み、人が単位時間に流入する人数、流出する人数の情報を含む。また、水の需要量に影響を及ぼすパラメータとして、住宅などにおいて、人が滞在する時間帯の情報を含むこととしてもよい。
【0215】
(iii)環境に水が供給される供給量に関するパラメータとして、例えば、環境で利用できる水源の情報を含む。例えば、水源の情報として、河川の流量、地下水の量、水質等の情報を含むこととしてもよい。
【0216】
項目「水利用設備のセンシングデータ」は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)においてセンシング可能なデータを含む。例えば、環境において各種センサ(ガスセンサ等)が設置される場合、当該センサのセンシング結果を含む。また、環境(60A、60B)に設置される水利用設備(タンクなど)のコンピュータ制御による動作状況の情報を含む。また、水利用設備、水処理装置が有する各種センサによりセンシングされる水質の情報を含む。
【0217】
以上、説明したように、サーバ20は、水処理装置が稼働する環境(60A、60B)で取得される水処理データセットを外部環境情報284等において蓄積し、水処理データセットに基づき機械学習を行うことにより、学習済みモデルを生成することができる。なお、機械学習の方法については、深層学習など様々な手法を用いることができる。
【0218】
図16は、実施の形態2の水処理システム2を構成する各装置の動作を示す図である。なお、水処理装置の例として、実施の形態1で説明した水処理装置30を例示しているが、これに限られない。
【0219】
ステップS1601において、水処理装置30は、水処理装置30の動作を制御するパラメータ(水処理装置30のバルブ制御の駆動値、ポンプ制御の駆動値など)、水処理装置30の各種センサ(水中センサなど)のセンシングデータを、水処理データセットとしてサーバ20へ送信する。
【0220】
ステップS1653において、サーバ20は、各環境における水処理装置30について、水処理装置30から、水処理データセットを受信する。サーバ20は、受信した水処理データセットを、各水処理装置30を特定する情報と関連付けて水処理装置データベース282に蓄積する。
【0221】
ステップS1611において、端末装置10は、各環境において取得されるデータを、水処理データセットとしてサーバ20へ送信する。端末装置10は、例えば、各環境における水の需要に影響するパラメータ、水利用設備のセンシングデータ等をサーバ20へ送信する。
【0222】
ステップS1655において、サーバ20は、各環境において取得されるデータを、端末装置10(または環境にある端末装置10以外のコンピュータ)から取得して、水処理データセットとしてデータベース(外部環境情報284等)に蓄積させる。サーバ20は、水処理装置が稼働する環境を特定する情報(例えば、環境を利用するユーザを識別する情報、水処理装置30の識別情報、水処理装置30が配置される位置情報など)と関連付けて、水処理データセットをデータベースとして蓄積する。
【0223】
ステップS1657において、サーバ20は、各環境で取得される水処理データセットに基づいて、環境それぞれについて学習済みモデルを生成する。サーバ20は、水処理装置30が稼働する環境を特定する情報と関連付けて、各種水処理データセットに基づいて学習済みモデルを生成する。
【0224】
ステップS1659において、サーバ20は、各環境のコンピュータに、学習済みモデルを送信する。サーバ20は、各環境を特定する情報に基づいて、各環境の端末装置10または水処理装置30に、環境それぞれについて生成された学習済みモデルを配布する。
【0225】
ステップS1603において、水処理装置30は、サーバ20から、学習済みモデルを受信する。
【0226】
ステップS1605において、水処理装置30は、学習済みモデルを利用した処理結果をユーザに提示する。
【0227】
ステップS1613において、端末装置10は、学習済みモデルを受信する。
【0228】
ステップS1615において、端末装置10は、学習済みモデルを利用した処理結果をユーザに提示する。
【0229】
上記の実施の形態2の説明では、サーバ20が生成した学習済みモデルを、端末装置10または水処理装置30へ配布し、端末装置10または水処理装置30が、学習済みモデルを受信して、学習済みモデルに基づく処理結果をユーザに提示する(S1605、S1615)例を説明した。
【0230】
この他に、サーバ20において、各環境について生成した学習済みモデルを保持しておき、各環境の端末装置10または水処理装置30からのアクセスに応答して、学習済みモデルに基づく処理を行い、処理結果を端末装置10または水処理装置30へ送信することとしてもよい。つまり、ステップS1605、S1615の処理を、サーバ20が担うこととし、サーバ20が、水処理装置30または端末装置10のアクセスに応答して、学習済みモデルに基づく処理結果を、水処理装置30または端末装置10へ送信することとしてもよい。
【0231】
以上のように水処理システム2の各装置が処理を行うことにより、例えば、各家庭を単位として、学習済みモデルを配布することができる。これにより、水の需要予測に基づく処理を行って、処理結果をユーザに提示することができる。
【0232】
例えば、学習済みモデルを利用した処理結果をユーザに提示することとして(S1605、S1615)、以下を含む。
【0233】
(1)水の供給に関する処理
例えば、環境に対して供給される水の量が変動し得る場合に、各環境における水の使用量、および、水処理装置で水処理を行う方法を調整することを促すことができる。水源の水を複数人で共有する場合に、各環境(例えば、各家庭)で水を使用する時間、水を使用する量が異なることがあり得る。気象条件の変動、人の流入および流出量(観光地の場合に、空港を利用する利用者数、ホテルの予約数などに基づき推定される)に応じて水の需要を予測しつつ、各環境について生成された学習済みモデルに基づいて、水源からの水の供給量では不足しないように、各環境の水処理装置において処理した水を再利用する等の制御を行うことができる。
【0234】
(2)水処理に必要な機能を推定
例えば、端末装置10は、学習済みモデルを利用して、ポンプ駆動値の情報と、他の情報(例えば、気象情報など)とに基づいて、当該他の情報が変動した際の水処理装置のポンプの動作状況を予測する。例えば、端末装置10は、学習済みモデルを利用することにより、温度、湿度、風速等の気象情報の予報を取得して、予報に示される気象情報の場合の水の需要を、ポンプの動作状況の予測に基づき推定する。端末装置10は、学習済みモデルを利用することにより、水の需要を推定して、水の需要に応じて、水処理装置30に要求される機能(例えば、水処理装置30に搭載すべき水処理モジュール40の組み合わせ。予測される水処理の量に対応できるフィルタ、ポンプ性能、配管の仕様など)を推定することができる。
【0235】
また、ポンプにより、水処理装置に備わるフィルタを通過させる水処理の流量、水圧が制御されるため、端末装置10は、学習済みモデルを利用することにより、電気料金の予測結果をユーザに提示すること、フィルタの交換時期を提示すること、フィルタを交換するためにフィルタの在庫状況に基づいて発注する処理を行うこと等ができる。
【0236】
(3)処理後の水の取り扱い方法
端末装置10は、学習済みモデルを利用することにより、水処理装置により処理された処理後の水の性質を予測し、予測結果に応じてユーザに通知する内容を決定する。例えば、端末装置10は、水処理装置に流入させる処理前水についてのセンシング結果が変動した際の、水処理装置により処理された処理後水の各種センサのセンシング結果を予測することにより、水処理装置で処理した後の水の性質を予測する。例えば、処理後の水を、そのまま河川や土壌などに流入させてよいかどうかを、水の性質(汚染物質の除去の程度など)に基づいて、端末装置10等が判定することができる。
【0237】
<水処理装置30の構成の他の例>
以上の実施の形態1と実施の形態2で説明した水処理装置30は、図4で説明したように、所定の形状を有する水処理モジュール40を、水処理モジュール設置機構32(設置機構32A、32B、・・・)に挿入する(はめこむ)ものとして説明した。
【0238】
この他に、複数の水処理モジュール40を互いに接続する方法、また、水処理モジュール40に対して処理対象の水を供給するための機構と接続する方法、および、処理後の水を排出するための排出機構と水処理モジュール40とを接続する方法としては、例えば以下のようにしてもよい。
【0239】
図17は、水処理装置30の構成の他の例を示す図である。図示するように、複数の水処理モジュール40を並べて、配管42により接続してもよい。また、水処理モジュール40の外観の所定箇所に他の水処理モジュール40と接続するための接続機構43を有することにより、複数の水処理モジュール40を並べる、積み上げる等により互いに接続できることとしてもよい。
【0240】
図17(A)は、複数の水処理モジュール40を水平に並べて、配管42により接続する例を示す。例えば、床面に水処理モジュール40を並べて、水処理モジュール40に配管42を接続する。図示するように、水処理モジュール40A-01と、水処理モジュール40A-02とが配管42により接続されている。また、水処理モジュール40A-02と水処理モジュール40A-03とが配管42により接続されている。
【0241】
なお、配管42は、処理対象の水を分岐させて流す構造を有してバルブにより分岐方向を制御することとしてもよい。
【0242】
図17(B)は、水処理モジュール40に備わる機構により、水処理モジュール40同士を接続する例を示す。例えば、水処理モジュール40の側面など任意の面に、他の水処理モジュール40と接続するための機構を有している。例えば、水処理モジュール40は、任意の箇所に凹部と凸部とを有しており、凹凸をはめこむことにより水処理モジュール40同士を組み合わせることができることとしてもよい。
【0243】
図17(B)の例では、複数の水処理モジュール40を積み上げることにより、各水処理モジュール40を接続している。図17(B)の例では、水処理モジュール40A-01と水処理モジュール40A-02とを、接続機構43(点線で示す)により互いに接続している。同様に、水処理モジュール40A-02と水処理モジュール40A-03、また、水処理モジュール40A-03と水処理モジュール40A-04とを、接続機構43により接続している。
【0244】
以上のように、図4に示す水処理モジュール設置機構32に水処理モジュール40を挿入する場合も、図17に示すように複数の水処理モジュール40同士をつなげる場合も、水処理モジュール設置機構32、配管42、接続機構43、水処理モジュール40に備わるフィルタ等を通過する水に対し、各種センサ装置によりセンシングすることができる。サーバ20は、水処理装置30のセンシング結果に基づいて、水処理装置データベース282を更新する。
【0245】
<実施の形態3>
実施の形態3では、水道管の将来の水需要を予測して水道管の価値を評価する技術について説明する。水道事業者が水道管を整備するにあたり、水道管の老朽化に伴い水道管を更新するか否かを検討する必要がある。
【0246】
このとき、水道管を更新する必要があるか、また、水道管を更新する以外の他の選択肢も、水道事業者が検討できるようにすることが望ましい。例えば、水道管を更新することの他に、水道管を更新することに代えて、水処理を行うことができる水処理装置を設置することも考えられる。例えば、水道管の水需要量によっては、水道管を更新し運用するコストよりも、実施の形態1で説明したような水処理装置30を設置することが有利になることがあり得る。例えば、水道管の水需要量が著しく減少していくと予測される場所において、当該場所の水道管を更新したとしても、水需要量によっては当該更新のコストをまかなえないことがあり得る。この場合、この場所に水処理装置30を設置して、水処理装置30で処理した水を使用できるようにし、使用された水を再び水処理装置30で処理するようにすることで、当該場所での水の需要を賄えることがあり得る。
【0247】
水道事業者が、水道管を更新するか否かを検討するにあたり、水道管の老朽化状況を判定するだけではなく、当該水道管の将来の水需要量を予測して水道管の価値を評価することも重要である。例えば、更新時期を迎える水道管が稼働する地域で、人口が大幅に減少する傾向にある場合、これに伴い将来の水需要量の減少及び水道管の収益減少が想定される。
【0248】
そこで、以下、水道管の将来の水需要を予測して、水道管の価値を評価する実施形態について説明する。水道事業者は、各水道管の価値の評価結果を参照して、水道管を更新するか、代替手段を採用するかを容易に検討することができる。ここでいう水道管とは、水道事業者が水を供給するために用いる敷設済みの水道管のことである。
【0249】
<システム全体の構成図>
図18は、実施の形態3にかかる水道管価値評価システム3の概要を示す図である。
【0250】
図18に示すように、水道管価値評価システム3は、端末装置10(端末装置10Cおよび端末装置10Dを示している)と、サーバ20Aとを含む。端末装置10及びサーバ20Aは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0251】
端末装置10は、各ユーザ(例えば、水道管を管理している水道事業体)が操作する装置である。端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。この他に、端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。サーバ20Aは、各水道管に関するデータと、水道管が稼働する環境に関するデータとを取得して、データベースとして保持する。サーバ20Aは、データベースに蓄積されるデータに基づいて、水道管の価値を評価する。
【0252】
端末装置10及びサーバ20Aのハードウェア構成は、図2に示す端末装置10及びサーバ20と同様であるので、繰り返して説明しない。以下、実施の形態1に係るサーバ20Aの機能的な構成について説明する。
【0253】
<サーバ20Aの機能的な構成>
次に、サーバ20Aの構成について説明する。
【0254】
図19は、サーバ20Aの機能的な構成を示す図である。図19に示すように、サーバ20Aは、通信部201Aと、記憶部202Aと、制御部203Aとしての機能を発揮する。
【0255】
通信部201Aは、サーバ20Aが外部の装置(例えば、端末装置10)と通信するための処理を行う。
【0256】
記憶部202Aは、サーバ20Aが使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202Aは、第1のデータセットDB285と、第2のデータセットDB286とを記憶する。
【0257】
第1のデータセットDB285は、各水道管に関するデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0258】
第2のデータセットDB286は、各水道管が稼働する環境に関するデータを保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0259】
制御部203Aは、サーバ20Aのプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0260】
操作内容取得モジュール2041Aは、サーバ20Aが、端末装置10から情報の入力を受け付ける場合に、ユーザの操作内容を取得する。例えば、サーバ20Aが、端末装置10のブラウザにより水道管の敷設地図をユーザに提示し、所定の水道管を指定するユーザの操作を端末装置10から受け付ける場合に、操作内容取得モジュール2041Aは、ユーザの操作内容を取得する。
【0261】
受信制御モジュール2042Aは、サーバ20Aが外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0262】
送信制御モジュール2043Aは、サーバ20Aが外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0263】
データセット取得モジュール2047は、各水道管にかかる第1のデータセット及び第2のデータセットを取得する。例えば、サーバ20Aは、端末装置10から、所定の水道管を指定するユーザの操作を受け付けた場合、データセット取得モジュール2047は、記憶部202Aから、当該水道管にかかる第1のデータセット及び第2のデータセットを取得する。
【0264】
給水需要量予測モジュール2048は、各水道管により利用者が水を利用する利用量を予測する。給水需要量予測モジュール2048は、各水道管が稼働する環境に関する第2のデータセットDB286に基づき、将来の給水需要量を予測する。給水需要量予測モジュール2048が給水需要量を予測する処理については詳しくは後述するが、例えば以下がある。
【0265】
例えば、第2のデータセットDB286は、各水道管が稼働する地域の給水人口の人口動態データを記憶している。給水需要量予測モジュール2048は、複数の地域の給水人口について、過去の一定期間における人口動態データに基づき学習済みモデルを生成する。例えば、給水需要量予測モジュール2048は、後述する第2のデータセットDB286(各水道管が稼働する環境に関するデータセット)を参照して、各地域を複数のグループにグルーピングする。例えば、人口密度、人の流入、各地域の緯度経度、各地域の気象データ等の、第2のデータセットDB286に含まれるデータの項目に基づいて、各地域をグルーピングする(つまり、各地域に所定のタグを付するともいえる)。給水需要量予測モジュール2048は、グルーピングされる各地域と、当該地域の人口動態データとに基づいて学習済みモデルを生成する。給水需要量予測モジュール2048は、生成した学習済みモデルにより、所定の地域の将来の給水人口を予測する。また、給水需要量予測モジュール2048は、当該人口動態データに示される人口の増減に基づき、将来の給水人口を予測することとしてもよい。例えば、給水需要量予測モジュール2048は、人口が減少傾向にある場合、当該減少傾向の度合い(減少のペース)に基づき、現在から一定期間後(例えば、現在から3年後)の給水人口を予測する。そして、給水需要量予測モジュール2048は、予測した給水人口及び1人当たりの平均給水量に基づき、3年後に当該水道管が給水すべき給水需要量を予測する。
【0266】
水道価値評価モジュール2049は、各水道管の価値を評価する。水道価値評価モジュール2049は、給水需要量予測モジュール2048によって予測した給水需要量に基づき、水道管の価値を評価した評価パラメータを特定する。
【0267】
例えば、給水需要量予測モジュール2048は、人口動態データに基づき、3年後に給水人口が現時点より大幅に減少し、給水需要量も大幅に減少すると予測した場合、水道価値評価モジュール2049は、3年後の水道管の価値が、現時点の水道管の価値より下がると評価して、A、B又はCのようなパラメータで水道の価値を特定する。なお、評価パラメータを特定するためには、これに限らず、将来の水需要に基づいて評価する手法であればよい。例えば、評価パラメータを数値形式としてもよい。つまり、水道価値評価モジュール2049は、各水道管の価値をスコアリングして、評価パラメータとしてもよい。
【0268】
<データ構造>
図20は、サーバ20Aが記憶する第1のデータセットDB285、第2のデータセットDB286のデータ構造を示す図である。
【0269】
図20に示すように、第1のデータセットDB285のレコードのそれぞれは、項目「水道管ID」、項目「長さ」、項目「口径」、項目「材質」、項目「位置」、項目「供用年数」、項目「法定耐用年数」、項目「用途」、項目「形状」、項目「管路内画像」、項目「接続数」、項目「管理費」、項目「土壌性質」、項目「井戸位置」、項目「浄水場からの距離」、項目「終末処理場からの距離」、項目「維持管理費」等の各項目を含む。
【0270】
項目「水道管ID」は、それぞれの水道管を識別するための情報である。
【0271】
項目「長さ」は、それぞれの水道管の長さを示す情報である。
【0272】
項目「口径」は、それぞれの水道管の内径を示す情報である。
【0273】
項目「材質」は、それぞれの水道管を構成する素材の種類を示す情報である。
【0274】
項目「位置」は、それぞれの水道管が敷設されている位置情報を示す情報である。位置情報として、水道管の始点及び終点の座標情報と、水道管が所在している地域の地域IDを含むとしてよい。
【0275】
項目「供用年数」は、それぞれの水道管が使用されている年数を示す情報である。項目「併用年数」において、水道管が設置された時期の情報を含むことにより、水道管が使用されている期間(年数)が規定される。
【0276】
項目「法定耐用年数」は、それぞれの水道管が法令に定められた基準である耐用年数であり、水道管の更新時期の目安として用いられる。
【0277】
項目「用途」は、それぞれの水道管の用途を示す。水道管の用途としては、例えば、雨水用、導水用、送水用、配水用、給水用、排水用などがある。
【0278】
項目「形状」は、水道管の形状を示す。水道管の形状としては、管継手などにより規定される配管の形状などがある。
【0279】
項目「管路内画像」は、管路内の調査により撮影される画像、または、管路内に設置されるセンサにより得られる画像を示す。例えば、管路内において、カメラを搭載した機器を移動させることにより、管路内画像を得ることができる。管路内画像により管路の損傷を検知することができる。
【0280】
項目「接続数」は、水道管に対して継手などにより接続される他の水道管の数を示す。
【0281】
項目「管理費」は、水道管を管理するためのコストを示す。水道管を維持管理するためのコストは、水道管の口径、水道管が設置される範囲、人件費等によって規定される。
【0282】
項目「土壌性質」は、水道管が設置される土壌の性質を示す。土壌の性質によっては、水道管を腐食させることがある。つまり、水道管の材質(防食)と、土壌性質(腐食)とにより、水道管が維持できる期間が影響され得る。
【0283】
項目「井戸位置」は、水道管と、井戸との位置関係を示す。井戸のポンプを稼働させることにより、所定の位置にある水道管に、ポンプにより組み上げられた水を流すことがある。
【0284】
また、井戸について、施設能力(万立方メートル/日)、経過年数、井戸の種類(浅井戸、深井戸など井戸の深さに基づく種類がある。この他に、井戸の種類として、竪井戸と横井戸、被圧井戸と重力井戸、掘井戸と掘抜井戸などといった種類の分け方もある)、供給水質などを記憶することとしてもよい。
また、図示していないが、第1のデータセットDB285において、項目「ポンプ場」として、雨水を汲み上げるポンプ場と、水道管との位置関係を保持することとしてもよい。ポンプ場は、雨水を汲み上げて川などに放流する。
【0285】
項目「浄水場からの距離」は、水道管と、浄水場との位置関係を示し、浄水場からの距離を示す。例えば、浄水場から水道管までの直線距離、または、浄水場からの管路の距離である。水道管の水道中に、消毒を目的として塩素を注入する場合、浄水場から離れた位置にあるほど、残留塩素濃度が減少していく。浄水場から離れた位置においても残留塩素濃度を一定以上に保つ場合、給水所において塩素を注入する設備を設けることが必要になり得るため、水道管を管理するためのコストの要因になり得る。
【0286】
また、浄水場について、施設能力(万立方メートル/日)、経過年数、水源(河川水、湖沼水など)、浄水処理方法(緩速ろ過、急速ろ過、膜ろ過、高度浄水処理など)、供給水質などを記憶することとしてもよい。
【0287】
項目「終末処理場からの距離」は、水道管と、終末処理場との位置関係を示し、水道管から終末処理場までの距離(直線距離、管路の距離)を示す。「終末処理場」は、「下水処理場」とも呼称され、下水を最終的に処理して、河川、海域などに放流するために設けられる。下水を終末処理場まで流す下水道管の場合、終末処理場からの距離が近いほど、汚水が含まれている程度が大きい可能性があり、水道管の維持管理コストに影響し得る。
【0288】
また、終末処理場について、施設能力(万立方メートル/日)、下水処理方法(一次処理、二次処理、高度処理など)、処理水質などを記憶することとしてもよい。
【0289】
項目「維持管理費」は、水道管を維持管理するための費用(維持管理費)の履歴または見積額を示す。
【0290】
第2のデータセットDB286のレコードのそれぞれは、項目「地域ID」、項目「人口動態データ」、項目「気象データ」、項目「宅地造成計画データ」、項目「災害履歴」、項目「用途地域」、項目「都市計画」、項目「家屋数」等の各項目を含む。
【0291】
項目「地域ID」は、それぞれの地域を識別するための情報である。ここでいう地域は、例えば市町村など、水道管の位置と関連付けられた情報である。
【0292】
項目「人口動態データ」は、それぞれの地域における人口の推移を示す情報である。具体的に、人口動態データは、各年度の人口、世帯数、人口密度、人の流入、流出、出生率、死亡率などを含む。人口動態データは、より具体的には、住所を単位とした人口の推移のデータを含むこととしてもよい。つまり、人口動態データにおいて、住所の情報と関連付けて、各世帯が居住し始めた時期の情報、居住している期間の情報、各世帯の人数の情報等を含むこととしてもよい。サーバ20Aは、将来の各地の人口の推移を予測した結果に基づいて、各地に設置される水道管の価値を評価する。
【0293】
項目「気象データ」は、それぞれの地域の気象を示す情報である。具体的に、気象データは、各年度の気温、湿度、風速、降水量など、水の使用量を影響する情報を含む。
【0294】
項目「宅地造成計画データ」は、それぞれの地域における宅地造成計画を示す情報である。具体的に、宅地造成計画データは、過去に行った宅地造成計画に関する情報と、将来の宅地造成計画に関する情報を含む。宅地造成計画データは、各宅地造成計画の工事年表、供給戸数、入居世帯の年齢などを含む。宅地造成計画において、一定の居住範囲について所定の時期にそろって入居がなされることとなる。例えば、子育て世帯向けの宅地造成計画であれば、同時期に同年齢層の複数の世帯が新たに居住を始めることとなる。よって、所定の年数(例えば、数十年)が経過することにより、当該居住範囲において、複数の世帯が、高年齢化することに伴って転居等を検討することがある。そのため、サーバ20Aは、宅地造成計画データに基づいて、当該一定の居住範囲において設置される各水道管の価値を評価することができる。
【0295】
項目「災害履歴」は、それぞれの地域における災害の履歴を示す情報である。具体的には、地域における災害の履歴は、自然災害の履歴として、集中豪雨、台風、火山噴火、自信などの履歴が含まれる。水道管路の種類によっては、災害時に、水道管が故障して給水ができなくなることがあり得る。このとき、水道管の復旧作業がなされ、水道管の耐震化など災害対策が施されることがある。サーバ20Aは、地域の災害履歴に基づいて、水道管が給水を安定して行うことができる程度を評価し得る。
【0296】
項目「用途地域」は、それぞれの地域の用途を示す。都市計画法により、用途の混在を防ぐことを目的として、用途地域(住居地区、商業地区、工業地区など)が定められていることがある。用途地域により、水道水の使用の態様が異なり得る。例えば、住居地区における水道水の使用態様と比較すると、商業地区、工業地区における水道水の使用量、仕様用途が異なることがあり、使用した後の水の汚染の程度などが異なり得る。そのためサーバ20Aは、用途地域に基づいて、一定の地域の範囲において設置される各水道管の価値を評価することができる。
【0297】
項目「都市計画」は、それぞれの地域における都市計画を示す情報である。例えば、都市計画法に基づき、開発行為の規模(面積など)に応じて、配水管等の工事及び給水施設の工事計画が策定されることがある。サーバ20Aは、開発行為により建設された建築物の価値に応じて、それぞれの地域の水需要量を予測して、予測結果に基づき水道管の価値を評価する。
【0298】
項目「家屋数」は、それぞれの地域における家屋数の履歴を示す。具体的には、サーバ20Aは、各地域における家屋数の増減に基づき、それぞれの地域の水需要量を予測して、各水道管の価値を評価することができる。
【0299】
なお、第1のデータセット又は第2のデータセットは、ユーザの入力により取得するとしてよいし、外部のデータベースに接続して自動的に取得するとしてもよい。
【0300】
<動作>
以下、水道価値評価システム3の各装置の動作を説明する。具体的に、ユーザが水道管を指定する操作に応答して、指定された水道管の価値を評価する処理について説明する。
【0301】
図21は、水道価値評価システム3によって水道管の価値を評価する処理の流れを示す図である。なお、以下に説明する処理の流れでは、まずユーザが水道管を指定し、指定された水道管についてサーバ20Aが水道価値評価モジュール2049によって評価パラメータを特定し、特定された評価パラメータをユーザの端末装置10に応答する例を説明する。この他に、予め、サーバ20Aが、水道価値評価モジュール2049により、各地の各水道管について評価パラメータを特定し、各水道管と関連付けて評価パラメータを予め保持しておくこととしてもよい。この場合、端末装置10が、ユーザから水道管の指定を受け付けることにより、当該指定された水道管についての評価パラメータを端末装置10からサーバ20Aに問い合わせる。端末装置10は、サーバ20Aから評価パラメータの応答を受けて、端末装置10のユーザに対し、ユーザが指定した水道管の評価パラメータを提示する。
【0302】
ステップS2111において、端末装置10は、ユーザから、水道管を指定する操作を受け付ける。端末装置10には、複数の水道管が表示され、ユーザはこれらの水道管から、任意の水道管を指定する。
【0303】
ステップS2121において、サーバ20Aは、水道管を指定するユーザの操作に応答して、指定された水道管にかかる第1のデータセット及び第2のデータセットを取得する。ここで、第1のデータセット又は第2のデータセットは、ユーザの入力により取得するとしてよいし、外部のデータベースに接続して自動的に取得するとしてもよい。例えば、サーバ20AはAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース、Application Programming Interface)により外部のデータベースに接続し、指定された水道管の位置に対応する市町村の人口動態データを取得する。
【0304】
ステップS2122において、サーバ20Aは、第2のデータセットに基づき、指定された水道管の将来の給水需要量を予測する。ここでいう給水需要量は、所定の水道管により利用者が水を利用する利用量である。具体的には、以下の手法で給水需要量を予測するとしてよい。サーバ20Aは、以下の手法を組み合わせて、給水需要量を予測して、水道管の価値を示すパラメータを特定してもよい。
【0305】
(i)第2のデータセットは、各地の人口動態データを含み、サーバ20Aは、各地の人口動態を予測することにより、指定された水道管の将来給水需要量を予測する。
【0306】
サーバ20Aは、ユーザが指定した水道管が稼働する地域の人口動態データに基づき、将来の所定時点における給水人口を予測する。そして、サーバ20Aは、予測した給水人口及び1人当たりの平均給水量に基づき、将来の所定時点において、当該水道管が給水すべき給水需要量を予測する。例えば、サーバ20Aは、現在から3年後に、水道管が稼働する地域内の人口が現在より0.2%減少すると予測した場合、1人当たりの平均給水量が変化しないとすると、3年後の給水需要量を、現在の給水量より0.2%小さくなると予測する。
【0307】
(ii)第2のデータセットは、各地の気象データの将来予測を含み、サーバ20Aは、気象データの将来予測に基づいて、指定された水道管の将来給水需要量を予測する。
【0308】
気象データとしては、各地の気温、湿度、風速、降水量などを含むとしてよい。例えば、第2のデータセットは、将来1年間の各地の気温の予測値を含む。サーバ20Aは、第2のデータセットから、ユーザが指定した水道管が稼働する地域の気温予測データを抽出して、当該気温の予測値に基づき、1年後に当該水道管が給水すべき給水需要量を予測する。予測の手法としては、例えば、サーバ20Aは、給水量及び気温の相関関係により、1年後の気温予測値に対応する給水需要量を予測する。
【0309】
(iii)第2のデータセットは、各地の宅地造成計画の情報を含み、サーバ20Aは、宅地造成計画に基づいて、指定された水道管の将来給水需要量を予測する。
【0310】
第2のデータセットは、過去及び将来数年間の各地の宅地造成計画データを含み、宅地造成計画データは、各宅地造成計画の工事年表、供給戸数、入居世帯の年齢などを含む。サーバ20Aは、第2のデータセットから、ユーザが指定した水道管が稼働する地域の宅地造成計画データを抽出して、当該宅地造成計画データに基づき、将来の所定時点に当該水道管が給水すべき給水需要量を予測する。予測の手法としては、例えば、サーバ20Aは、3年後に新たな宅地造成計画が完了するというデータに基づき、3年後に人口の一斉流入を予測し、給水需要量の増加を予測するとしてよい。
【0311】
ステップS2123において、サーバ20Aは、ステップS2122に予測した給水需要量に基づき、指定された水道管の価値を評価した評価パラメータを特定する。例えば、A、B、Cのようなパラメータで、水道管の価値を段階的に評価する手法を用いて、給水需要量が増加した場合に、Aと評価し、給水需要量の変動がほとんどない場合に、Bと評価し、給水需要量が減少した場合に、Cと評価するとしてよい。
【0312】
なお、ステップS2123において、サーバ20Aは、水道管の水道料金単価を想定し、当該水道料金単価と、ステップS2122に予測した給水需要量に基づき、評価パラメータを特定するとしてもよい。水道料金は、(ア)地域の水質、地域の地形といった地理的要因によって規定され得る。例えば、水源の水質、地形により、各世帯へ水を供給するための浄水処理の手順、浄水処理の設備(ダム、ポンプなど)、当該設備の運営コストが異なり得る。また、水道料金は、(イ)水道管を敷設した時期、水利権の設定状況といった歴史的要因によって規定され得る。例えば、事業所での水の使用(工場での水の利用)など、需要者の特性によって水道料金が異なり得る。また、水道料金は、(ウ)人口密度などの社会的要因によって規定され得る。水道管の水道料金単価を想定するためには、例えば、第2のデータセットにおける各地の人口動態データに基づき、各地の人口密度を予測して水道管の水道料金単価を想定するとしてよい。例えば、サーバ20Aは、人口密度及び水道料金単価の相関関係により、1年後の人口密度に対応する水道料金単価を想定する。
【0313】
上記一連の処理により、ユーザが指定した個別な水道管について、将来の水需要量を予測して水道管の価値を評価することができるので、水道管の更新計画立案を支援することができる。
【0314】
また、水道料金は、水道管を運営する水道事業体にとって主たる財源であり、水道料金に基づき水道管の価値を評価することにより、水道管の更新計画立案を支援することができる。例えば、サーバ20Aは、想定される水道料金と、各水道管の給水の需要量とに応じて、各水道管の価値を評価することとしてもよい。
【0315】
<画面例>
以下、水道管を指定するユーザの操作に応答して、当該水道管の価値を評価する画面例について説明する。端末装置10は、図22に示すように、ユーザに対し水道管の価値の評価結果を提示する方法として、水道管単位で評価結果を提示する。端末装置10は、図23に示すように、一定範囲内にある水道管の価値の評価結果を提示する。
【0316】
図22は、端末装置10における画面例を示す図である。
【0317】
図22(A)は、端末装置10の初期画面であり、ステップS2111の処理に対応する。図22(A)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ133に、水道管地図133Aと、水道管指定部133Bとを表示する。水道管地図133Aにおいて、水道管P1、P2、P3、P4は、地図と重ねて表示されている。端末装置10は、ユーザから、水道管地図133Aに表示される任意の水道管(水道管P1、P2、P3、P4)の指定を受け付ける。端末装置10は、水道管指定部133Bにおいて、水道管を指定する操作を待機している旨を表示する。
【0318】
これにより、水道管が地図上に一目瞭然に表示され、ユーザが個別な水道管を指定してその価値を確認することができる。
【0319】
図22(A)において任意の水道管を指定すると、端末装置10の画面は、図22(B)に示す画面例に遷移する。図22(B)は、ステップS2122、S2123の処理に対応する。図22(B)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ133に、水道価値提示部133Cと、戻るボタン133Dとを表示する。水道価値提示部133Cにおいて、指定された水道管の評価パラメータ、及び評価の根拠(将来の給水需要量の予測結果)は表示されている。
【0320】
これにより、ユーザが指定した個別な水道管について、水道管の価値を評価するとともに、当該水道管の価値をユーザに提示することができ、水道管の更新計画立案を支援することができる。
【0321】
また、端末装置10は、水道管を指定するユーザの操作に応答して、当該水道管に関する情報を示すようにしてもよい。端末装置10は、地図と重ね合わせて水道管を表示し、当該水道管をユーザが指定する操作を受け付けることにより、地図とともに、当該指定した水道管の価値を表示してもよい。この場合、図22(A)において水道管P1を指定すると、端末装置10の画面は、図22(C)に示す画面例に遷移する。図22(C)は、ステップS2121の処理に対応する。図22(C)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ133に、水道管地図133Aと、水道管指定部133Bと、水道情報提示部133Eとを表示する。水道管地図133Aは、指定された水道管P1を地図の中央部に表示するようにレイアウトしている。端末装置10は、水道情報提示部133Eにおいて、第1のデータセットDB285から取得した水道管P1に関する情報と、当該水道管P1について水道価値評価モジュール2049によって評価された評価値とを表示する。つまり、端末装置10は、画面において、水道管の地理的な分布を示す情報(水道管地図133A)と、特定の水道管についての評価値とをあわせて表示する。図22(C)の例では、端末装置10は、水道情報提示部133Eにおいて、水道管IDとともに、水道管の価値(図示する例では「価値:C」)を表示している。
【0322】
これにより、水道管が地図上に一目瞭然に表示され、ユーザが指定した個別な水道管に関する情報を、水道管地図と同一な画面上に表示することができる。また、ユーザが指定した水道管は常に地図の中央部に表示されているので、ユーザが確認したい水道管を見やすいように表示することができる。また、ユーザは、水道管地図133Aにおいて各水道管を指定することにより、水道管の地理的な分布を参照しながら、水道価値評価モジュール2049によって評価された各水道管の価値を容易に確認することができる。
【0323】
また、図22(C)において水道管P3を指定すると、端末装置10の画面は、図22(D)に示す画面例に遷移する。図22(D)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ133に、水道管地図133Aと、水道管指定部133Bと、水道情報提示部133Eとを表示する。図22(C)と同様に、図22(D)の水道管地図133Aは、指定された水道管P3を地図の中央部に表示するようにレイアウトしており、水道情報提示部133Eは、水道管P3に関する情報を表示する。
【0324】
なお、水道管P3を地図の中央部に表示することに伴い、図22(D)における水道地図の表示範囲は変化し(水道管地図が上へ移動し)、図22(C)に表示されていない水道管P5は、図22(D)に表示される。
【0325】
これにより、ユーザが確認したい水道管を見やすいように表示することができる。また、ユーザが指定した水道管を常に地図の中央部に表示することに伴い、水道地図の表示範囲は変化するので、ユーザの操作により、地域内の全ての水道管を少しずつ表示することができる。
【0326】
なお、上記の図22の例では、端末装置10は、ユーザから一の水道管の指定を受け付けて、当該一の水道管の評価パラメータをユーザに提示することとしている。この他に、端末装置10は、ユーザから複数の水道管の指定を受け付けて、当該複数の水道管の評価パラメータそれぞれに関する情報を表示することとしてもよい。例えば、端末装置10は、水道管地図133Aにおいて、複数の水道管の指定をユーザから受け付ける。図22(A)の例では、端末装置10は、水道管地図133Aにおいて、ドラッグアンドドロップ等により、地図における一定範囲を指定する操作を受け付けることにより、当該一定範囲に含まれる複数の水道管をユーザが選択したものとする。端末装置10は、選択された複数の水道管について、それぞれの評価パラメータ、また、各評価パラメータの平均等をユーザに提示することとしてもよい。これにより、ユーザは、一定範囲における水道管の価値を容易に把握することができる。
【0327】
また、例えば、水処理装置30が移動可能で一定範囲をカバーしうる場合に、端末装置10は、当該水処理装置30がカバーし得る一定範囲の大きさを固定したうえで、水道管地図133Aにおいて当該一定範囲に含まれる複数の水道管をユーザが選択できるようにしてもよい。これにより、水道事業者は、地図において一定範囲に含まれる複数の水道管の価値を参照しつつ、代替手段を採用するかを容易に検討することができる。
【0328】
図23は、端末装置10における画面例を示す図である。図23に示すように、端末装置10は、水道管が設置される地域を所定の規則に従って分割し、各地域の水道管の価値を比較可能な態様でユーザに提示することとしてもよい。例えば、端末装置10は、地域をメッシュ状に一定範囲ごとに区切り、各区域に含まれる1または複数の水道管の価値に基づいて、各区域の評価結果を出力する。例えば、各区域に含まれる1または複数の水道管それぞれの評価結果の平均、中央値、分散などに基づいて、各区域の水道管の価値を評価する。
【0329】
図23に示すように、端末装置10は、一定範囲の地域について、メッシュ状に区切ったうえで、各区域(区域MS11、MS12、MS21、MS22、MS23、MS24、MS25、MS31、MS32、MS33、MS34、MS35、MS36)の水道管の価値に応じた態様で表示する。例えば、端末装置10は、水道管の価値を複数段階で表示する場合、価値が高いものと価値が低いものとを区別して表示する。図示する例では、区域MS22、MS24、MS25は、第1の価値と評価される区域であり、端末装置10は、これら区域を第1の態様(図示する例では、濃い色)で表示する。また、区域MS21、MS23、MS31、MS32、MS33、MS34、MS35、MS36は、第1の価値より低い第2の価値と評価される区域であり、端末装置10は、これら区域を第2の態様(第1の態様よりは薄い色)で表示する。また、区域MS11、MS12は、第2の価値より低い第3の価値と評価される区域であり、端末装置10は、これら区域を第3の態様(第2の態様よりは薄い色)で表示する。
【0330】
これにより、端末装置10のユーザは、各地域の水道管の価値を、容易に比較することができる。例えば、端末装置10は、水道管の価値の評価結果に応じて、下水道を縮小するエリアの候補を特定したり、浄水設備を更新するエリアの候補を特定したりする。また、メッシュで区切られる各区域の水道管を維持するためのコストを、各区域の現在または将来の人口推移予測に基づき演算することで、各区域の一人当たりのコストが算出される。端末装置10は、各区域における一人当たりのコストの大小が区別できる態様で、各区域を表示してもよい。例えば、一人当たりのコストが高い区域と、低い区域とを、異なる色で表示することにより、どの区域について、水道管を更新するか、または、水処理のための代替手段を利用するかを容易に検討することができる。また、端末装置10は、各区域の居住者数の予測に基づいて、水道管のコストを各区域について時系列で表示してもよい。
【0331】
<変形例>
上記の実施の形態3において、各地の水道管の価値を評価するにあたり、水道管における水需要量を予測するため、各地の給水人口を予測することとしている。ここで、水道価値評価モジュール2049が各地の給水人口の予測結果に基づき各水道管の価値を評価するにあたり、各地の雇用の変動量に関するデータセットを参照してもよい。雇用の変動量に関するパラメータとしては、各地の雇用者数の推移、各地で設立される事業所の数、各地にある企業の企業価値(例えば、売上などの会計指標に基づき企業価値を特定してもよく、発行済み株数及び株価(推定される株価も含まれる)の乗算により企業価値を特定してもよい)の総計等が含まれる。つまり、雇用が増加し、事業所の数が増えるにつれて、水の需要が変動し得る。
<付記>
【0332】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
制御部(203)を備える情報処理装置(20A)であって、制御部が、敷設済みの水道管に関する第1のデータセット(285)、及び、水道管が稼働する環境に関する第2のデータセット(286)の入力を受け付けるステップ(S2121)と、第1のデータセットに含まれる、各地に敷設される水道管について、第2のデータセットに基づいて、水道管の価値を評価した評価パラメータを特定するステップ(S2123)と、を行う、情報処理装置。
【0333】
(付記2)
特定するステップ(S2123)において、第2のデータセット(286)に基づいて、水道管により利用者が水を利用する利用量を予測し(S2122)、予測結果に基づいて、評価パラメータを特定する、(付記1)に記載の情報処理装置。
【0334】
(付記3)
第2のデータセット(286)には、各地の人口動態データが含まれ、特定するステップ(S2123)において、各地の人口密度を予測して水道管の水道料金単価を想定し、想定される水道料金単価と利用量の予測結果とに基づいて評価パラメータを特定する、(付記2)に記載の情報処理装置。
【0335】
(付記4)
第2のデータセット(286)には、各地の人口動態データが含まれ、特定するステップ(S2123)において、各地の人口動態を予測することにより、水道管により利用者が水を利用する利用量を予測する、(付記2)に記載の情報処理装置。
【0336】
(付記5)
第2のデータセット(286)には、各地の気象データの将来予測が含まれ、特定するステップ(S2123)において、気象データの将来予測に基づいて利用量を予測する、(付記2)に記載の情報処理装置。
【0337】
(付記6)
第2のデータセット(286)には、各地の宅地造成計画の情報が含まれ、特定するステップ(S2123)において、宅地造成計画に基づいて、利用量を予測する、(付記2)に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0338】
1 水処理システム、2 水処理システム、10 端末装置、20 サーバ、30 水処理装置、32 水処理モジュール設置機構、40 水処理モジュール。

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