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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】メータユニット
(51)【国際特許分類】
   E03B 7/07 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
E03B7/07 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020087139
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021181695
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390006736
【氏名又は名称】株式会社日邦バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】林 晃彦
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-039163(JP,A)
【文献】特開2004-124569(JP,A)
【文献】特開平09-013439(JP,A)
【文献】特開2013-151789(JP,A)
【文献】特開2000-352083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 7/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側配管と二次側配管との間に配置され、水道メータを経由する主配管と、
前記主配管における前記水道メータの一方側から分岐する分岐管と、を有し、
前記主配管は、前記分岐管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁と、前記主配管における前記水道メータの他方側に配置された仕切弁と、を備え、
前記分岐管は、水吐き口と、前記水吐き口を開閉可能に封鎖する蓋部材と、を備えることを特徴とするメータユニット。
【請求項2】
前記主配管の前記流路切換弁の端は、前記一次側配管に接続され、
前記主配管の前記流路切換弁とは反対側の端は、前記二次側配管に接続され、
前記流路切換弁は、前記一次側配管から流入する水が前記水道メータを経由する第1流路、または、前記一次側配管から流入する水が分岐管を流れる第2流路に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のメータユニット。
【請求項3】
前記流路切換弁は、前記第1流路、前記第2流路、または前記一次側配管から流入する水が前記第1流路および前記第2流路を流れる第3流路に切り替えることを特徴とする請求項2に記載のメータユニット。
【請求項4】
前記主配管の前記流路切換弁の端は、前記二次側配管に接続され、
前記主配管の前記流路切換弁とは反対側の端は、前記一次側配管に接続され、
前記流路切換弁は、前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記二次側配管に流れる第4流路、前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記分岐管に流れる第5流路に切り換えることを特徴とする請求項1に記載のメータユニット。
【請求項5】
前記流路切換弁は、前記第4流路、前記第5流路、または前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記第4流路および前記第5流路に流れる第6流路に切り換えることを特徴とする請求項4に記載のメータユニット。
【請求項6】
前記水吐き口は、前記分岐管の前記分岐部分とは反対側の端に設けられていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載のメータユニット。
【請求項7】
前記分岐管は、前記分岐部分と前記水吐き口との間に、前記水吐き口の側に向かって上方に曲がる第1折れ曲がり部を備え、
前記水吐き口は、上方を向いていることを特徴とする請求項6に記載のメータユニット。
【請求項8】
前記分岐管は、前記分岐部分と前記第1折れ曲がり部との間に、前記主配管から離間する方向に向かって前記水道メータの側に曲がる第2折れ曲がり部を備えることを特徴とする請求項7に記載のメータユニット。
【請求項9】
前記分岐管は、前記第1折れ曲がり部と前記第2折れ曲がり部との間に、前記主配管の側に曲がる第3折れ曲がり部を備えることを特徴とする請求項8に記載のメータユニット。
【請求項10】
前記分岐管は、ドレン口と、前記ドレン口に着脱可能に装着されたドレンプラグと、を備えることを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか一項に記載のメータユニット。
【請求項11】
前記主配管に沿って延びる補強部材を有し、
前記主配管は、前記水道メータと当該水道メータの隣に位置する配管部材との間に設けられた管継手機構を有し、
前記管継手機構は、前記配管部材に接続された固定管と、前記固定管の管軸方向に移動可能な状態で当該固定管に支持された移動管と、前記移動管と前記水道メータとを締結する締結機構と、前記固定管に対する移動管の移動を不能とする移動規制機構と、を備え、
前記補強部材は、前記主配管における前記水道メータおよび前記管継手機構の一方側に設けられた第1固定部と、前記主配管における前記水道メータおよび前記管継手機構の他方側に設けられた第2固定部とに架け渡されて固定されていることを特徴とする請求項1から10のうちのいずれか一項に記載のメータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道メータを取り外すことなく取水が可能なメータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置されるメータユニットは特許文献1に記載されている。同文献のメータユニットは、水の流通方向に沿って、封鎖部材、水道メータ、逆止弁をこの順に備える。メータユニットは、開閉蓋を備えるメータボックスに収容される。メータボックスは、開閉蓋が地表に露出するようにして、地中に埋設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-141624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
災害時に水道管の本管から建物内に引き込まれる配管から取水できれば、被災者に飲料可能な水を供給できる。また、このような場合に、メータユニットから取水すれば、配管に水吐き口を形成するなどの施工を行うことなく、水を外部に供給できる。しかし、メータユニットから取水する場合には、メータユニットから水道メータを取り外して、そこに水吐管などを接続しなければならないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、水道メータを取り外すことなく取水が可能なメータユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のメータユニットは、一次側配管と二次側配管との間に配置され、水道メータを経由する主配管と、前記主配管における前記水道メータの一方側から分岐する分岐管と、を有し、前記主配管は、前記分岐管が分岐する分岐部分に配置された流路切換弁と、前記主配管における前記水道メータの他方側に配置された仕切弁と、を備え、前記分岐管は、水吐き口と、前記水吐き口を開閉可能に封鎖する蓋部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、メータユニットが、主配管から分岐する分岐管を備える。また、分岐管は、水吐き口を備える。従って、水を分岐管に流入させれば、水道メータを取り外すことなく、水吐き口から取水できる。また、本発明のメータユニットによれば、水がメータユニットを流れる流通方向を反転させた場合でも、水吐き口から取水できる。すなわち、流路切換弁を一次側配管に接続して流路切換弁の側から水を流通させた場合でも、流路切換弁を二次側配管に接続して仕切弁の側から水を流通させた場合でも、水吐き口からの取水が可能である。よって、同一のメータユニットを、使用の用途に応じて、複数の形態で使い分けることができる。
【0008】
本発明において、前記主配管の前記流路切換弁の端は、前記一次側配管に接続され、前記主配管の前記流路切換弁とは反対側の端は、前記二次側配管に接続され、前記流路切換弁は、前記一次側配管から流入する水が前記水道メータを経由する第1流路、または前記一次側配管から流入する水が分岐管を流れる第2流路に切り換えるものとすることができる。
【0009】
また、本発明において、前記流路切換弁は、前記第1流路、前記第2流路、または前記一次側配管から流入する水が前記第1流路および前記第2流路を流れる第3流路に切り替えるものとすることができる。
【0010】
本発明において、前記主配管の前記流路切換弁の端は、前記二次側配管に接続され、前記主配管の前記流路切換弁とは反対側の端は、前記一次側配管に接続され、前記流路切換弁は、前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記二次側配管に流れる第4流路、前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記分岐管に流れる第5流路に切り換えるものとすることができる。
【0011】
本発明において、前記流路切換弁は、前記第4流路、前記第5流路、または前記一次側配管から流入して前記水道メータを経由した水が前記第4流路および前記第5流路に流れる第6流路に切り換えるものとすることができる。
【0012】
本発明において、前記水吐き口は、前記分岐管の前記分岐部分とは反対側の端に設けられているものとすることができる。
【0013】
本発明において、前記分岐管は、前記分岐部分と前記水吐き口との間に、前記水吐き口の側に向かって上方に曲がる第1折れ曲がり部を備え、前記水吐き口は、上方を向いていることが望ましい。このようにすれば、水吐き口に外部の配管やホースなどを上方から接続することができる。
【0014】
本発明において、前記分岐管は、前記分岐部分と前記第1折れ曲がり部との間に、前記主配管から離間する方向に向かって前記水道メータの側に曲がる第2折れ曲がり部を備えるものとすることができる。このようにすれば、分岐管が主配管から離間する方向に直線上に延びる場合と比較して、メータユニットを幅方向で小さくすることができる。
【0015】
本発明において、前記分岐管は、前記第1折れ曲がり部と前記第2折れ曲がり部との間に、前記主配管の側に曲がる第3折れ曲がり部を備えるものとすることができる。このようにすれば、水吐き口を主配管に接近させることができるので、メータユニットを幅方向で小さくすることができる。
【0016】
本発明において、前記分岐管は、ドレン口と、前記ドレン口に着脱可能に装着されたドレンプラグと、を備えることが望ましい。このようにすれば、取水後などに、分岐管に残留した水を排出できる。
【0017】
本発明において、前記主配管に沿って延びる補強部材を有し、前記主配管は、前記水道メータと当該水道メータの隣に位置する配管部材との間に設けられた管継手機構を有し、前記管継手機構は、前記配管部材に接続された固定管と、前記固定管の管軸方向に移動可能な状態で当該固定管に支持された移動管と、前記移動管と前記水道メータとを締結する締結機構と、前記固定管に対する移動管の移動を不能とする移動規制機構と、を備え、前記補強部材は、前記主配管における前記水道メータおよび前記管継手機構の一方側に設けられた第1固定部と、前記主配管における前記水道メータおよび前記管継手機構の他方側に設けられた第2固定部とに架け渡されて固定されていることが望ましい。このような管継手機構を備えるメータユニットでは、主配管に水道メータを取り付ける際に、移動管を後退させておき、水道メータを配置した後に、移動管を前進させて水道メータに締結することができる。従って、水道メータの着脱が容易である。また、補強部材を備えれば、水道メータを着脱したときに、主配管が撓むことを防止、或いは抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のメータユニットでは、水道メータを取り外すことなく取水が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】メータユニットを上方から見た場合の平面図である。
図2】メータユニットを幅方向から見た場合の側面図である。
図3】メータユニットを主配管の管軸方向から見た場合の側面図である。
図4】主配管を構成する管継手機構の説明図である。
図5】配管部材を主配管の管軸方向から見た場合の側面図である。
図6】第1設置例のメータユニットの第1、第2形態の説明図である。
図7】第1設置例のメータユニットの第3形態の説明図である。
図8】第2設置例のメータユニットを上方から見た場合の平面図である。
図9】第2設置例のメータユニットの第1、第2形態の説明図である。
図10】第2設置例のメータユニットの第3形態の説明図である。
図11】変形例の分岐配管部材の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態であるメータユニットを説明する。
【0021】
(メータユニット)
図1は本例のメータユニットを上方から見た場合の平面図である。図2は、本例のメータユニットを幅方向から見た場合の側面図である。図2では、メータユニットを分岐管の側から見た場合である。図3は、本例のメータユニットを主配管の管軸方向から見た場合の側面図である。図1から図3では、ユニットボックスを鎖線で示す。図4は、主配管を構成する管継手機構の説明図である。図4では、管継手機構の一部分を断面で示す。
【0022】
本例のメータユニット1は、水道管の本管から建物内に引き込まれる配管の途中に設置される。図1図2に示すように、メータユニット1は、配管を構成する一次側配管2と二次側配管3との間に設置される。一次側配管2と二次側配管3とは地中に埋設されている。また、一次側配管2と二次側配管3とは、直線上に配置されている。本管から流入する水は、一次側配管2から二次側配管3に向かって流れる。
【0023】
メータユニット1は、ユニット本体5と、ユニット本体5を収容するユニットボックス6とを備える。ユニット本体5は、水道メータ7を備える主配管8と、主配管8における水道メータ7の一方側から分岐する分岐管9と、を備える。主配管8は、一次側配管2および二次側配管3と同軸に延びて一次側配管2および二次側配管3を接続する。分岐管9は、主配管8における水道メータ7の一方側からと、水道メータ7の他方側とを接続する。
【0024】
また、ユニット本体5は、主配管8における水道メータ7の両側に架け渡された補強部材10を有する。補強部材10は、主配管8を間に挟んで分岐管9とは反対側に位置する。さらに、ユニット本体5は、主配管8の下方に配置され、主配管8における水道メータ7の一方側と他方側とを支持するベース11を備える。
【0025】
図2図3に示すように、ユニットボックス6は、全体として、直方体形状をしている。ユニットボックス6は、箱型のボックス本体13と、ボックス本体13に着脱可能に被せられた天井板14と、を備える。天井板14は、ボックス本体13の上端開口を封鎖する。天井板14には、上方から見た場合に水道メータ7と重なる位置に開閉蓋15が設けられている。ベース11は、ユニットボックス6の底板16に沿って延びる。ユニットボックス6は天井板14が地表に露出するようにして、地中に埋設される。なお、メータユ
ニット1は、ユニットボックス6を備えておらず、ユニット本体5のみからなる場合もある。
【0026】
以下の説明では、主配管8の管軸Lに沿った方向を管軸方向Xとし、管軸Lと直交する2方向を幅方向Yおよび上下方向Zとする。上下方向Zでは、メータユニット1を設置した場合の上下を、それぞれ上方Z1、下方Z2とする。管軸方向Xにおいて、一次側配管2が位置する側を第1方向X1、二次側配管3が位置する側を第2方向X2とする。幅方向Yにおいて、分岐管9が位置する側を一方側Y1とし、その反対側を他方側Y2とする。
【0027】
図1に示すように、主配管8は、水道メータ7の第1方向X1で分岐管9が分岐する分岐部分8aに配置された流路切換弁21を有する。また、主配管8は、水道メータ7の第2方向に仕切弁22を有する。さらに、主配管8は、水道メータ7と当該水道メータ7の隣に位置する配管部材(流路切換弁21)との間に設けられて、水道メータ7を着脱可能とする管継手機構23を有する。また、主配管8は、水道メータ7と仕切弁22の間を接続する管継手部材24を備える。
【0028】
管継手機構23は、図4に示すように、流路切換弁21に固定された固定管25と、固定管25の管軸方向Xに移動可能な状態で固定管25に同軸に支持された移動管26と、を備える。移動管26は、水道メータ7の側から第1方向X1に向かって、小径部26aと、小径部26aよりも外径寸法が大きい大径部26bと、を備える。また、移動管26は、小径部26aの第2方向X2の端から外周側に広がる環状フランジ26cを備える。大径部26bは、固定管25に挿入されている。大径部26bには2本の環状溝が設けられており、各環状溝には、それぞれOリング27が取り付けられている。これにより、固定管25と移動管26との間には、2本のOリング27が介在する。また、管継手機構23は、移動管26と水道メータ7とを締結する締結機構28と、固定管25に対する移動管26の移動を不能とする移動規制機構29と、を備える。
【0029】
締結機構28は、移動管26と水道メータ7との間に配置されるパッキン55と、移動管26の環状フランジ26cと、環状フランジ26cに係止する袋部56aを有する袋ナット56と、を備える。ここで、袋ナット56を水道メータ7の管部に捩じ込むと、移動管26と水道メータ7とが締結される。袋ナット56を水道メータ7に捩じ込む際には、袋ナット56が捩じ込まれる分だけ移動管26が管軸方向Xに移動する。
【0030】
移動規制機構29は、固定管25の先端部分に捩じ込まれるジョイントナット57と、移動管26の小径部26aの外周面に支持されて固定管25の先端に当接するジョイントパッキン58と、ジョイントパッキン58に固定管25とは反対側から当接するジョイント座金59と、を備える。ジョイントナット57は、袋ナットであり、ジョイント座金59に固定管25とは反対側から当接する袋部57aを備える。ジョイントナット57が、固定管25に捩じ込まれると、袋部57aはジョイント座金59を固定管25の側に移動させる。これにより、ジョイントパッキン58は、移動管26の大径部26bおよび固定管25と、ジョイント座金59との間で管軸方向Xに圧縮され、ジョイントナット57と移動管26との間で径方向に弾性変形する。この結果、ジョイントナット57は、ジョイントパッキン58を介して、移動管26を内周側に押し付ける。従って、移動管26は、固定管25に対する管軸方向Xへの移動が不能とされる。
【0031】
なお、水道メータ7を主配管8から取り外す際には、まず、移動規制機構29のジョイントナット57を緩めて、移動管26を固定管25に対して移動可能とする。次に、締結機構28の袋ナット56を緩めて、移動管26と水道メータ7との締結を解除する。しかる後に、水道メータ7を管軸Lと交差する方向に取り出す。
【0032】
分岐管9は、主配管8の分岐部分8a(流路切換弁21)とは反対側の端に水吐き口31を備える。また、分岐管9は、水吐き口31を開閉可能に封鎖する蓋部材32を備える。さらに、分岐管9は、ドレン口34と、ドレン口34に着脱可能に装着されたドレンプラグ35と、を備える。
【0033】
また、分岐管9は、図3に示すように、分岐部分8aと水吐き口31との間に、水吐き口31の側に向かって上方Z1に曲がる第1折れ曲がり部9aを備える。これにより、水吐き口31は、上方Z1を向いている。さらに、分岐管9は、図1に示すように、分岐部分8aと第1折れ曲がり部9aとの間に、幅方向Yの一方側Y1(主配管8から離間する方向)に向かって第2方向X2(水道メータ7の側)に曲がる第2折れ曲がり部9bを備える。また、分岐管9は、図3に示すように、第1折れ曲がり部9aと第2折れ曲がり部9bとの間に、幅方向Yの他方側Y2(主配管8の側)に曲がる第3折れ曲がり部9cを備える。
【0034】
より、具体的には、分岐管9は、流路切換弁21の側から、主配管8から離間する方向に向かって第2方向X2(水道メータ7の側)に曲がるエルボ33と、エルボ33と封鎖部材30との間に配置された分岐配管部材36を備える。水吐き口31は、分岐配管部材36に設けられている。エルボ33は、分岐管9の第2折れ曲がり部9bであり、分岐部分8aから幅方向Yの一方側Y1に向かって突出して第2方向X2(水道メータ7の側)に湾曲する。
【0035】
図5は、分岐配管部材36を管軸方向Xから見た場合の側面図である。図1図2図5に示すように、分岐配管部材36は、エルボ33に連通する配管本体部37と、配管本体部37から分岐する分岐管部38と、を備える。配管本体部37におけるエルボ33とは反対側の端は、封鎖部材30により封鎖されている。配管本体部37には、ドレン口34が設けられており、ドレン口34にはドレンプラグ35が取り付けられている。
【0036】
分岐管部38は、配管本体部37から幅方向Yの他方側Y2(主配管8の側)に向かって突出して上方Z1に曲がる湾曲部38aを備える。水吐き口31は分岐管部38の上端開口である。分岐管部38の湾曲部38aは、分岐管9の第3折れ曲がり部9cおよび第1折れ曲がり部9aである。分岐管9が第1折れ曲がり部9aを備えるので、水吐き口31は上方Z1に開口する。また、分岐管9が第3折れ曲がり部9cを備えるので、図3図5に示すように、水吐き口31の中心31aは、配管本体部37の管軸37aよりも、幅方向Yの他方側Y2(主配管8の側)に位置する。
【0037】
補強部材10は、金属製であり、主配管8に沿って延びる。図1に示すように、補強部材10は、主配管8における水道メータ7および管継手機構23の一方側に設けられた第1固定部41と、主配管8における水道メータ7および管継手機構23の他方側に設けられた第2固定部42とに架け渡されて固定されている。本例では、第1固定部41は、流路切換弁21に設けられている。すなわち、流路切換弁21には、幅方向Yの他方側Y2に突出する第1固定部41が設けられている。主配管8において、仕切弁22の水道メータ7とは反対側には第2管部材43が接続されており、第2固定部42は第2管部材43に設けられている。すなわち、第2管部材43には、幅方向Yの他方側Y2に突出する第2固定部42が設けられている。補強部材10は、管軸方向Xの両端部分が、それぞれ第1固定部41と第2固定部42とに固定されている。
【0038】
ベース11は、主配管8の下方Z2を管軸方向Xに延びる。図2に示すように、ベース11の第1方向X1の端部分には、上方Z1に突出する第1支持部45が設けられている。ベース11の第2方向X2の端部分には、上方Z1に突出する第2支持部46が設けら
れている。第1支持部45には、上方Z1から流路切換弁21が固定されている。第2支持部46には、上方Z1から仕切弁22が取り付けられている。また、第2支持部46には、第2管部材43が載せられている。図3に示すように、本例では、ベース11と補強部材10とは、一体に形成されている。なお、ベース11と補強部材10とは、別体としてもよい。また、ベース11、および補強部材10は省略してもよい。
【0039】
(第1設置例)
図6は、第1設置例のメータユニット1の第1、第2形態の説明図である。図7は、第1設置例のメータユニット1の第3形態の説明図である。以下の図では、ユニットボックス6を省略して示す。第1設置例では、主配管8の流路切換弁21の側の端が、一次側配管2に接続される。主配管8における流路切換弁21とは反対側の端が、二次側配管3に接続される。従って、一次側配管2からメータユニット1に流入して主配管8を流通する水は、流路切換弁21、水道メータ7、および仕切弁22をこの順に経由して、二次側配管3に流れる。水道メータ7は、一次側配管2の側に流入口を向け、二次側配管3の側に流出口を向けて配置されている。
【0040】
第1設置例では、流路切換弁21は、一次側配管2から流入する水が水道メータ7を経由する第1流路S1、一次側配管2から流入する水が分岐管9を流れる第2流路S2、または、一次側配管2から流入する水が第1流路S1および第2流路S2を流れる第3流路S3に切り替える。
【0041】
図6(a)は、流路切換弁21により第1流路S1を選択し、主配管8の仕切弁22を開状態(O)とした第1形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、流路切換弁21、水道メータ7、仕切弁22をこの順に経由して二次側配管3に流入する。従って、メータユニット1を、一次側配管2から流入する水を水道メータ7により計量して二次側配管3に供給する通常のメータユニットとして用いることができる。
【0042】
図6(b)は、流路切換弁21により第2流路S2を選択し、主配管8の仕切弁22を閉状態(X)とし、かつ、蓋部材32による水吐き口31の封鎖を解除した第2形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、流路切換弁21を介して分岐管9を流れ、水吐き口31から吐き出される。従って、メータユニット1からの取水が可能となる。また、この場合には、二次側配管3への水の供給を停止して、水吐き口31から水を供給できる。
【0043】
図6(b)に示す第2形態では、水は水道メータ7を流通しない。ここで、水吐き口31を開放せず、蓋部材32により水吐き口31を封鎖した状態を維持すれば、水吐き口31から水が吐出しない。従って、水道メータ7を交換することが容易となる。
【0044】
図7は、流路切換弁21により第3流路S3を選択し、主配管8の仕切弁22を開状態(O)とし、かつ、蓋部材32による水吐き口31の封鎖を解除した第3形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、流路切換弁21、水道メータ7、仕切弁22をこの順に経由して流れ、二次側配管3に流入する。また、一次側配管2から流入する水は、流路切換弁21を介して、分岐管9に流入して、水吐き口31より吐き出される。従って、主配管8を介して二次側配管3に水を供給しながら、取水が可能となる。また、この場合には、主配管8から二次側配管3に流入する水を計量できる。
【0045】
(第2設置例)
図8は、第2設置例のメータユニット1を上方Z1から見た場合の平面図である。図9は、第2設置例のメータユニット1の第1、第2形態の説明図である。図10は、第2設置例のメータユニット1の第3形態の説明図である。第2設置例では、主配管8を流通す
る水の流通方向が第1設置例と反転している。
【0046】
すなわち、図8に示すように、第2設置例では、主配管8の流路切換弁21の側の端が、二次側配管3に接続される。主配管8における流路切換弁21とは反対側の端が、一次側配管2に接続される。従って、一次側配管2からメータユニット1に流入して主配管8を流通する水は、仕切弁22、水道メータ7、流路切換弁21(分岐部分8a)をこの順に経由して、二次側配管3に流れる。水道メータ7は、一次側配管2の側に流入口を向け、二次側配管3の側に流出口を向けて配置されている。従って、第2設置例では、水道メータ7の向きが、第1設置例の水道メータ7の向きと反対となる。
【0047】
第2設置例では、流路切換弁21は、一次側配管2から流入して水道メータ7を経由した水が二次側配管3に流れる第4流路S4、一次側配管2から流入して水道メータ7を経由した水が分岐管9に流れる第5流路S5、または、一次側配管2から流入して水道メータ7を経由した水が、第4流路S4および第5流路S5に流れる第6流路S6に切り換える。
【0048】
図9(a)は、主配管8の仕切弁22を開状態(O)とし、流路切換弁21により第4流路S4を選択した第1形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、仕切弁22、水道メータ7、流路切換弁21を、この順に経由して二次側配管3に流入する。従って、メータユニット1を、一次側配管2から流入する水を水道メータ7により計量して二次側配管3に供給する通常のメータユニットとして用いることができる。
【0049】
図9(b)は、主配管8の仕切弁22を開状態(O)とし、蓋部材32による水吐き口31の封鎖を解除して、流路切換弁21により第5流路S5を選択した第2形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、仕切弁22、水道メータ7、流路切換弁21を経由して分岐管9に流入して、水吐き口31からから吐き出される。従って、メータユニット1からの取水が可能となる。また、この場合には、二次側配管3への水の供給を停止した状態で、水吐き口31からの取水が可能となる。さらに、この場合には、水吐き口31から吐き出される水を計量できる。
【0050】
なお、図9(b)に示す第2形態において、主配管8の仕切弁22を閉状態(X)とすれば、水は水道メータ7を流通しない。また、二次側配管3から水道メータ7に向かって水が逆流することもない。さらに、水吐き口31を開放せず、蓋部材32により水吐き口31を封鎖した状態を維持すれば、水吐き口31から水が吐出しない。従って、水道メータ7を交換することが容易となる。
【0051】
図10は、主配管8の仕切弁22を開状態(O)とし、蓋部材32による水吐き口31の封鎖を解除して、流路切換弁21により第6流路S6を選択した第3形態である。この場合、一次側配管2から流入する水は、仕切弁22、水道メータ7、流路切換弁21を、この順に経由して二次側配管3に流入する。また、一次側配管2から流入する水は、流路切換弁21を介して分岐管9に流れ込み、水吐き口31からから吐き出される。従って、主配管8を介して二次側配管3に水を供給しながら、取水が可能となる。また、この場合には、二次側配管3に流入する水および水吐き口31から吐き出される水の総量を計量できる。
【0052】
(作用効果)
本例によれば、メータユニット1が、水道メータ7を備える主配管8から分岐する分岐管9を備える。また、分岐管9には、水吐き口31が設けられている。従って、水を分岐管9に流入させれば、水道メータ7を取り外すことなく、水吐き口31から取水できる。
【0053】
また、本例のメータユニット1によれば、流路切換弁21を一次側配管2に接続して流路切換弁21の側から水を流通させた場合でも、流路切換弁21を二次側配管3に接続して仕切弁22の側から水を流通させた場合でも、メータユニット1を介して二次側配管3へ流入する水を計量が可能であり、かつ、水吐き口31からの取水が可能である。よって、同一のメータユニット1を、使用の用途に応じて、複数の形態で使い分けることができる。
【0054】
また、本例では、分岐管9は、分岐部分8aと水吐き口31との間に、水吐き口31の側に向かって上方Z1に曲がる第1折れ曲がり部9aを備える。これにより、水吐き口31は、上方Z1を向いている。従って、従って、ユニットボックス6の天井板14を取り外すなどすれば、水吐き口31に上方Z1から外部の配管やホースなどを接続できる。
【0055】
さらに、分岐管9は、分岐部分8aと第1折れ曲がり部9aとの間に、幅方向Yの一方側Y1に向かって第2方向X2に曲がる第2折れ曲がり部9bを備える。従って、分岐管9が主配管8から離間する方向に直線上に延びる場合と比較して、メータユニット1を幅方向Yで小さくすることができる。
【0056】
また、分岐管9は、第1折れ曲がり部9aと第2折れ曲がり部9bとの間に、幅方向Yの他方側Y2に曲がる第3折れ曲がり部9cを備える。これにより、水吐き口31の中心31aを、配管本体部37の管軸37aよりも、主配管8の側に位置させることができる。従って、水吐き口31の中心31aが配管本体部37の管軸37aよりも主配管8から離間している場合と比較して、メータユニット1を幅方向Yで小さくすることができる。
【0057】
また、本例では、主配管8における流路切換弁21と水道メータ7との間には、管継手機構23が配置されている。管継手機構23は、流路切換弁21に固定された固定管25と、固定管25の管軸方向Xに移動可能な状態で固定管25に同軸に支持された移動管26と、移動管26と水道メータ7とを締結する締結機構28と、固定管25に対する移動管26の移動を不能とする移動規制機構29と、を備える。従って、主配管8に水道メータ7を取り付ける取付け作業、および、主配管8から水道メータ7を取り外す取り外し作業が容易である。
【0058】
さらに、本例は、主配管8における水道メータ7および管継手機構23の一方側に設けられた第1固定部41と、主配管8における水道メータ7および管継手機構23の他方側に設けられた第2固定部42とに架け渡されて固定された補強部材10を備える。従って、水道メータ7を着脱したときに、主配管8が撓むことを防止、或いは抑制できる。
【0059】
なお、管継手部材24に代えて、水道メータ7と仕切弁22の間に管継手機構23を設けてもよい。すなわち、管継手機構23は、水道メータ7と当該水道メータ7の隣に位置する配管部材(仕切弁22)との間に設けてもよい。この場合には、水道メータ7と流路切換弁21とを管継手部材24で接続することができる。
【0060】
(分岐配管部材の別の例)
図11は、変形例の分岐配管部材の説明図である。変形例の分岐配管部材36Aは、上記の分岐配管部材36の替わりに用いることができる。図11(a)は、変形例の分岐配管部材を主配管8の側から見た場合であり、図11(b)は、変形例の分岐配管部材を管軸方向Xから見た場合である。図11(b)では、変形例の分岐配管部材の一部分を断面で示す。なお、変形例の分岐配管部材36Aは、上記の分岐配管部材36と対応する構成を備えるので、対応する構成には同一の符号を付す。
【0061】
図11に示すように、分岐配管部材36Aは、配管本体部37と、配管本体部37から
分岐する分岐管部38と、を備える。図11(a)に示すように、配管本体部37の管軸37aは、主配管8の軸線と平行である。配管本体部37には、ドレン口34が設けられており、ドレン口34にはドレンプラグ35が取り付けられている。分岐管部38は、配管本体部37から幅方向Yの他方側Y2(主配管8の側)に向かって突出する突出部38bと、突出部の先端から上方に曲がる屈曲部38cと、を備える。分岐管部38の上端開口は、水吐き口31である。水吐き口31は、蓋部材32により封鎖されている。
【0062】
分岐配管部材36Aがエルボ33に接続されたときに、分岐管部38の突出部38bは、分岐管9の第3折れ曲がり部9cとなる。また、分岐管部38の屈曲部38cは、分岐管9の第1折れ曲がり部9aとなる。
【0063】
ここで、図11(b)に示すように、分岐配管部材36Aは、配管本体部37を備える第1管部材61と、屈曲部38cおよび水吐き口31を備える第2管部材62との2部材から構成されている。第1管部材61は、配管本体部37を構成する本管部分61aと、本管部分61aの途中から本管部分61aと直交する方向に突出する接続管部分61bと、を備える。本管部分61aには、ドレン口34が設けられている。接続管部分61bには2本の環状溝が設けられており、各環状溝には、Oリング63が取り付けられている。接続管部分61bは、本管部分61aとの境界にフランジ61cを備える。また、第1管部材61は、分岐配管部材36Aをユニットボックス6の底板16に固定するための、第1ボルト締結部分61dを備える。第1ボルト締結部分61dは、本管部分61aから下方Z2に延びる。
【0064】
第2管部材62は、上下方向Zに延びる。第2管部材62は、下端部分に開口62aを備える。また、第2管部材62は、下端部分における開口62aとは反対側に、屈曲部38cを備える。さらに、第2管部材62は、開口62aの開口縁から当該第2管部材62の内側に延びる筒部分62bを備える。また、第2管部材62は、分岐配管部材36Aをユニットボックス6の底板16に固定するための、第2ボルト締結部分62cを備える。第2ボルト締結部分62cは、屈曲部38cの下端部分から下方Z2に延びる。
【0065】
ここで、第1管部材61は、接続管部分61bが開口62aを介して第2管部材62の筒部分62bに挿入され、フランジ61cが開口62aの開口縁に当接した状態で、第2管部材62と一体とされる。これにより、第1管部材61の接続管部分61bおよび第2管部材62の筒部分62bは、分岐管9の第3折れ曲がり部9cとなり、第2管部材62の屈曲部38cは、分岐管9の第1折れ曲がり部9aとなる。第1管部材61の接続管部分61bと第2管部材62の筒部分62bとの間には、2本のOリング63が介在する。本例の分岐配管部材36Aは、2部材から構成されるので、その製造が容易である。
【符号の説明】
【0066】
1…メータユニット、2…一次側配管、3…二次側配管、5…ユニット本体、6…ユニットボックス、7…水道メータ、8…主配管、8a…分岐部分、9…分岐管、9a…第1折れ曲がり部、9b…第2折れ曲がり部、9c…第3折れ曲がり部、10…補強部材、11…ベース、13…ボックス本体、14…天井板、15…開閉蓋、16…底板、21…流路切換弁、22…仕切弁、23…管継手機構、24…管継手部材、25…固定管、26…移動管、26a…小径部、26b…大径部、26c…環状フランジ、27…Oリング、28…締結機構、29…移動規制機構、30…封鎖部材、31…水吐き口、31a…水吐き口中心、32…蓋部材、33…エルボ、34…ドレン口、35…ドレンプラグ、36,36A…分岐配管部材、37…配管本体部、37a…管軸、38…分岐管部、38a…湾曲部、38b…突出部、38c…屈曲部、41…第1固定部、42…第2固定部、43…第2管部材、45…第1支持部、46…第2支持部、55…パッキン、56…袋ナット、56a…袋部、57…ジョイントナット、57a…袋部、58…ジョイントパッキン、59…
ジョイント座金、61…第1管部材、61…第1管部材、61a…本管部分、61b…接続管部分、61c…フランジ、61d…第1ボルト締結部分、62…第2管部材、62a…開口、62b…筒部分、62c…第2ボルト締結部分、63…Oリング、S1…第1流路、S2…第2流路、S3…第3流路、S4…第4流路、S5…第5流路、S6…第6流路、X…主配管の管軸方向、Y…幅方向、Z…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11