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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 697
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021115690
(22)【出願日】2021-07-13
(65)【公開番号】P2023012189
(43)【公開日】2023-01-25
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】位田 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
【審査官】木村 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-086348(JP,A)
【文献】特開2009-273513(JP,A)
【文献】特許第7060743(JP,B1)
【文献】特開2019-103773(JP,A)
【文献】特開2019-013348(JP,A)
【文献】特開2021-101762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段と、を備え、
前記リールは、ステッピングモータによって回転し、
前記試験用信号には、前記複数のリールの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、
前記停止操作に関する情報には、前記複数のリールのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、
前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定のビットによって示される情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となり、
前記試験用信号は、所定の基板を介して試験装置に送られ、
前記所定の基板は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、所定のビット数の情報として前記試験装置に送信し、
前記制御手段は、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合における前記リールの停止実行位置に関する情報を、前記所定のビット数よりも少ないビット数の情報として送り、
前記制御手段は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験に使用する第1試験用信号と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験に使用する第2試験用信号と、を出力可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。また、スロットマシン等の遊技機に対しては型式試験を行うことが知られている。また、型式試験においては、規定の試験装置を用いることが知られており、遊技機から出力される信号を試験装置に入力し、試験装置から遊技機へ送信される信号によって遊技機を操作することで試射試験等の所定の試験が行われる。そして、このような試験装置による試験を適正に行えるようにした遊技機などが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-140634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機においては、開発コストを低減させることが求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、開発コストを低減させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
複数のリールと、
試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段と、を備え、
前記リールは、ステッピングモータによって回転し、
前記試験用信号には、前記複数のリールの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、
前記停止操作に関する情報には、前記複数のリールのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、
前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定のビットによって示される情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、特定の位置でリールを停止させることを推奨することと、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせることとを、試験用信号のうちの特定のビットを利用して行うことができる。また、当該特定のビットによって示される情報が、ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる場合に、いずれの位置でリールを停止させてもよいことが知らされる。したがって、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせるために、特定のフラグ等を用意する必要が無い(専用のビットを確保する必要が無い)。したがって、試験用信号の出力に係る構成が簡易となり、どのような機種にも汎用的に採用できるので、開発コストを低減させることができる。
【0008】
また、本発明の前記構成において、
前記制御手段は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験に使用する第1試験用信号と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験に使用する第2試験用信号と、を出力可能であり、
前記制御手段は、前記第1試験用信号と前記第2試験用信号との両方を同一の契機で出力することとしてもよい。
【0009】
本構成においては、制御手段は、第1の遊技方法に関する試験を行うか第2の遊技方法に関する試験を行うかに関わらず、第1試験用信号と第2試験用信号との両方を同一の契機で出力する。したがって、いずれの試験を行うか(いずれの試験用信号を出力するか)を判定する処理等が不要となり試験用信号の出力に係る構成が簡易となるため、開発コストを低減させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開発コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、リールの図柄配列を示す図である。
図3】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図4】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図5】同、各当選エリアの当選時における停止操作の態様と入賞役との関係を説明するための図である。
図6】同、遊技状態の状態遷移図である。
図7】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図8】同、メイン制御基板と試験装置とのインターフェース基板を介した接続関係を説明するための図である。
図9】同、高試験用信号および低試験用信号に含まれる情報について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットRU(図3参照)と、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットRUが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの上段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
各リール20a~20cの外周面には、図2に示すように、特殊図柄A「SPA」、ブドウ図柄「GR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、特殊図柄B「SPB」、BAR図柄「BAR」、黒7図柄「黒7」、特殊図柄C「SPC」およびハート図柄「HE」の各図柄が配列されている。また、各リール20a~20cの各図柄には、図柄番号0~19が対応付けられている。
【0016】
また、リールユニットRUは、各リール20a~20cに対応して設けられたステッピングモータ19a~19cと、各リール20a~20cに対応して設けられたインデックスセンサ21a~21cと、を有している。各ステッピングモータ19a~19cは、各リール20a~20cを回転させる。ステッピングモータ19a~19cは、4相のステッピングモータである。各ステッピングモータ19a~19cは、ロータと、第1相のコイル、第2相のコイル、第3相のコイルおよび第4相のコイルを有するステータとを備えている。各ステッピングモータ19a~19cは、一のコイルをオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一のコイルおよび隣接する他のコイルをオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを交互に繰り返す1-2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位し、504ステップ更新(252ステップ角の変位)で、各リール20a~20cを一回転させている。ステッピングモータ19a~19cは、1ステップ角が約1.43°、励磁パルスを1ステップ更新する割込み時間tが1.49msとなっている。また、各インデックスセンサ21a~21cは、各リール20a~20cの内側に取り付けられた半円帯状のインデックスのエッジを検知する。そして、このインデックスセンサ21a~21cによる検知情報に基づいて、リール20a~20cの回転および停止に係る制御等が行われる。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図3参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御手段)31と、サブ制御基板(副制御手段)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29およびインデックスセンサ21a~21c等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットRU(ステッピングモータ19a~19c)や、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、RBB内部中状態およびRBB作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図4に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0030】
図4に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役37が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」および「1枚役」が用意されている。また、小役1~小役6は入賞すると7枚のメダルが払い出される7枚役となっており、小役7は入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役となっており、小役8は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役9~小役37は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」をまとめて打順ベルと呼ぶこととする。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」をまとめて打順チャンス役と呼ぶこととする。
【0031】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役37)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「ベルALL」は、小役1~小役6および小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、小役9~小役32および小役35~小役37が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、7枚役のうちいずれか1種類と、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」は、15枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通ベル」は、小役1~小役6が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル1」は、7枚役(小役4)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「強ベル2」は、7枚役(小役5)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「チャンス目」は、3枚役(小役8)が単独で当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚役」は、複数種類の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ14が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「リプレイ3」が用意されている。
【0033】
当選エリア「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」は、それぞれ複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナスが用意されている。
また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、ビッグボーナスが単独で当選する当選エリア「RBB」が用意されていると共に、当選エリア「1枚役」はビッグボーナスが重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「1枚役」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選する一方、遊技状態がRBB内部中状態の場合には、ビッグボーナスが重複して当選しないようにとなっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
【0035】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0036】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
図4では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がRBB作動中状態の場合に当選し、一般中状態またはRBB内部中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」、「打順チャンス役1」~「打順チャンス役3」、「共通ベル」、「強ベル1」、「強ベル2」、「チャンス目」、「弱チャンリプ」、「上段ブドウリプ」、「中段ブドウリプ」、「上段ブドウチャンリプ」、「中段ブドウチャンリプ」、「ハート煽りチャンリプ1」、「ハート煽りチャンリプ2」、「ハート揃いリプ1」、「ハート揃いリプ2」、「リプレイ1」、「リプレイ2」および「1枚役」は、遊技状態が一般中状態またはRBB内部中状態の場合に当選し、RBB作動中状態では当選しないようになっている。
また、当選エリア「リプレイ3」は、RBB内部中状態の場合に当選し、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態の場合には当選しないようになっている。
また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、RBB内部中状態またはRBB作動中状態では当選しないようになっている。
【0037】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0038】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とRBB内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、RBB作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびRBB内部中状態では、RBB作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0039】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0040】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0041】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0042】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0043】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0044】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0045】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0047】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0048】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0049】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0050】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0051】
図5に示すように、打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。なお、図5は、RBB内部中状態において各当選エリアが当選した場合の、停止操作の態様と入賞する役との関係を示したものである。
打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると7枚役が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると1枚役が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~6を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役9~小役32を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
【0053】
なお、図5における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。例えば、「1枚(1/2)」という表記は、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、「1枚(1/4)」という表記は、1/4の確率で1枚役が入賞し、3/4の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。
【0054】
当選エリア「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、正解打順で操作がされると、7枚役が入賞するようになっている。また、「打順ベルA1」~「打順ベルA6」および「打順ベルB1」~「打順ベルB6」は、不正解打順で操作がされると、1枚役が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
【0055】
当選エリア「打順チャンス役1」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順3、打順4、打順5または打順6のいずれかの打順で停止操作がされると15枚役が入賞し、打順1または打順2のいずれかの打順で停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役2」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順5または打順6のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順3または打順4のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
当選エリア「打順チャンス役3」は、RBB内部中状態において当選した場合に、打順1、打順2、打順3または打順4のうちのいずれかで停止操作がされると15枚役が入賞し、打順5または打順6のいずれかで停止操作がされると、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
なお、打順チャンス役の各当選エリアは、一般中状態において当選した場合、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する打順で停止操作がされたとしても、2種類の1枚役が重複して入賞(同時入賞)するようになっている。
【0056】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0057】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0058】
本実施形態の遊技機では、小役1~小役6に入賞すると7枚のメダルが払い出され、小役7に入賞すると15枚のメダルが払い出され、小役8に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役9~小役37に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0059】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0060】
遊技状態制御手段49は、図6に示すように、一般中状態、RBB内部中状態(ボーナス成立状態)およびRBB作動中状態(ボーナス状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0061】
また前述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、RBB作動中状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0062】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。一般中状態においては、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「リプレイ3」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態からはRBB内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をRBB内部中状態へ移行させる。
【0063】
RBB内部中状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。RBB内部中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」、「1枚ALL」および「RBB」を除く全ての当選エリアが抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB内部中状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態からRBB作動中状態へ移行させる。
【0064】
RBB作動中状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RBB作動中状態では、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「ベルALL」および「1枚ALL」が抽選対象に設定された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、RBB作動中状態では、RBB作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数(例えば22枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またRBB作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0065】
図3に示すように、指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82と、を備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、例えば打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51が打順ナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0066】
遊技区間制御手段80は、図7に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0067】
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果(所定の役(当選エリア)の当選)に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0068】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に1回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0069】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0070】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0071】
演出状態制御手段81は、図7に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0072】
(非有利区間演出状態)
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、前述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選に当選し有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態へ移行させる。
【0073】
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。通常演出状態は、CZ演出状態およびAT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。換言すると、通常演出状態は、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0074】
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態に移行させる。例えば、通常演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行い、CZ抽選に当選した場合に演出状態制御手段81が演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。また、例えば、通常演出状態における遊技の回数に上限(いわゆる天井)を設定し、通常演出状態において所定回数(例えば、500回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81が、演出状態をCZ演出状態へ移行させることとしてもよい。
【0075】
(CZ演出状態)
CZ演出状態は、通常演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。なお、CZ演出状態は、AT演出状態に比べて、打順ナビ演出が実行される頻度が低くなっている(メダルの増加に関する期待値が低くなっている)。
【0076】
CZ演出状態において、所定の条件が達成されると、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の権利を付与するようになっている。そして、AT演出状態への移行の権利が付与されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。すなわち、演出状態制御手段81は、CZ演出状態における所定の契機で演出状態をAT演出状態に移行させる。具体的には、例えば、CZ演出状態において、特典付与手段82が、内部抽選の結果に応じて(例えば所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行い、AT抽選に当選した場合にAT演出状態への移行の権利を付与することとしてもよい。
【0077】
(AT演出状態)
AT演出状態においては、演出制御手段100は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して7枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、打順ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず7枚役が入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0078】
本実施形態では、AT演出状態の継続をAT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理している。特典付与手段82は、AT演出状態が開始されると、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ66の記憶値に所定の差枚数に相当する値を設定する。なお、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値は固定値に限らず、抽選等により決定されるものであってもよい。また、このときAT終了判定カウンタ66に設定される値を決める遊技は、複数回にわたって行われることとしてもよい。
【0079】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT終了判定カウンタ66の記憶値から、当該遊技の差枚数に相当する値を減算する処理を行う。当該遊技(1回の遊技)の差枚数は、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から、遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して求められる。AT終了判定カウンタ66の記憶値がしきい値「0」に達すると、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させ、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、AT演出状態の終了時に有利区間の終了条件が成立していない場合に、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させずに通常演出状態へと移行させ、有利区間が継続される(非有利区間へ移行させない)ことがあってもよい。
【0080】
なお、本実施形態では、AT演出状態の継続を、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数により管理するものとしたが、AT演出状態の継続を、AT演出状態における遊技回数(AT演出状態のセット数)、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づき管理してもよい。
【0081】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、差枚数カウンタ64、有利区間遊技数カウンタ65およびAT終了判定カウンタ66等の記憶値や、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようにされている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う前述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0082】
なお、本実施形態では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態である場合には、指示機能に係る抽選(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行に関する抽選)や、指示演出に関する特典(例えば、CZ演出状態やAT演出状態への移行確率を上昇させる特典)の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態またはRBB作動中状態である場合には、指示機能に係る抽選や、指示演出に関する特典の付与や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。また、本実施形態では、基本的に遊技者はRBB内部中状態において遊技を行うようにされている。
【0083】
図8に示すように、主制御手段(メイン制御基板)31は、試射試験時に用いる第1インターフェース基板301を介して規定の試験装置300と接続可能となっている。また、主制御手段31は、試射試験時に用いる第2インターフェース基板302を介して規定の試験装置300と接続可能となっている。換言すると、主制御手段31は、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との接続を可能とするコネクタを有しており、当該コネクタを介して、第1インターフェース基板301や第2インターフェース基板302との間での信号の送信あるいは受信が可能となっている。
【0084】
第1インターフェース基板301は、主制御手段31から出力される各リール20a~20cの回転および停止に関する信号等を試験装置300に送信する。具体的には、各インデックスセンサ21a~21cからのリールインデックス信号、内部抽選で当選した役を識別可能とする信号(抽選で決定した条件装置の番号または当選エリア番号に対応した信号等)、遊技状態を識別可能とする信号、各ステッピングモータ19a~19cの励磁パルス信号等の、主制御手段31で検知しまたは決定する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、主制御手段31から試験装置300に送られる。ここで、リールインデックス信号は、インデックスセンサ21a~21cの検知信号であり、第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cそれぞれの基準位置の通過を特定可能とする信号である。また、励磁パルス信号は、ステッピングモータ19a~19cの駆動信号であり、各リール20a~20cの駆動状況を特定可能とする信号である。そして、試験装置300では、第1インターフェース基板301を介して送られるリールインデックス信号や励磁パルス信号等に基づいて、回転中の各ステッピングモータ19a~19c(各リール20a~20c)の現在のステップ数等を把握することが可能となっている。
【0085】
また、第1インターフェース基板301は、試験装置300から出力される各リール20a~20cの回転および停止を実行させる信号等を主制御手段31に送信する。具体的には、メダルの投入操作に代替させる投入スイッチ信号、スタートレバー24に対する遊技開始操作に代替させるリールスタートスイッチ信号、各ストップボタン26a~26cに対する停止操作に代替させる左、中、右に対応した各ストップスイッチ信号等の、遊技機に対する操作に関する各種信号が、第1インターフェース基板301を介して、試験装置300から主制御手段31に送られる。なお、試験装置300から主制御手段31への投入スイッチ信号の送信は、メダル投入口22へのメダルの投入やベットボタン23に対する押下操作と同様に、メダルの投入操作に該当する。また、試験装置300から主制御手段31へのリールスタートスイッチ信号の送信は、スタートレバー24に対する押下操作と同様に、遊技開始操作に該当する。また、試験装置300から主制御手段31への各ストップスイッチ信号の送信は、各ストップボタン26a~26cに対する押下操作と同様に、停止操作に該当する。
【0086】
なお、本実施形態において、「信号が、所定の装置(手段)から所定の基板を介して所定の装置(手段)に送られる」とは、送信元の装置(手段)から出力された信号がそのままの形式で送信先の装置(手段)に入力される場合と、送信元の装置(手段)から出力された信号の一部または全体が基板等において変換されて送信先の装置(手段)に入力される場合との両方を含む。換言すると、送信元の装置(手段)から出力される信号によって伝達したい内容(情報)が送信先の装置(手段)に伝達されるものであればよい。
【0087】
また、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力される所定の試験を行うための試験用信号を試験装置300に送信する。換言すると、試験用信号制御手段としての主制御手段31から出力された試験用信号が、第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送られる。
【0088】
主制御手段31は、試験用信号として、高試験用信号と低試験用信号とを出力可能となっている。ここで、高試験用信号は、出玉率の期待値が高い遊技方法に関する試験としての高試験を行うための信号である。また、低試験用信号は、出玉率の期待値が低い遊技方法に関する試験としての低試験を行うための信号である。すなわち、高試験に係る遊技方法は、低試験に係る遊技方法に比べ、出玉率の期待値が高くなっている。また、試験用信号は、遊技開始操作を契機として主制御手段31から出力される。
【0089】
高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法は、例えば以下のようにしてもよい。すなわち、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、例えば、打順ナビ演出が実行される遊技においては、打順ナビ演出に従った打順で遊技を行う。また、遊技機によっては、特定の打順(例えば打順1および打順2)で操作を行った場合に指示機能に係る所定の処理(AT抽選等の指示機能に係る抽選等)を行い、それ以外の打順で操作を行った場合には指示機能に係る所定の処理を行わない状況(遊技区間、遊技状態または演出状態等が所定の状態となっている状況:いわゆるペナルティが発生する状況)が設けられているが、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、当該状況においては、当該特定の打順で遊技を行う。また、高試験に係る遊技方法および低試験に係る遊技方法では、いずれの打順で停止操作を行うべきか遊技者が判別できない状況(打順ナビ演出が行われずペナルティも発生しない(ペナルティに係る情報が遊技者に提供されない)所定の状況)においては、所定の打順で遊技を行う。また、高試験に係る遊技方法では、所定のタイミングで(所定のリールの所定の図柄が所定の表示位置に位置しているタイミングで)所定の停止操作を行うことで出玉率の期待値を高められる状況(かつこのことを遊技者が認識可能な状況)においては、当該所定のタイミングで所定の停止操作をするように遊技を行う。一方、低試験に係る遊技方法では、所定のタイミングで所定の停止操作を行うことで出玉率の期待値を高められる状況においても、任意(無作為)のタイミングで所定の停止操作をするように遊技を行う。換言すると、本実施形態における低試験に係る遊技方法は、特定のタイミングで(特定の図柄(ステップ数)を狙って)所定の停止操作を行う場合が無いようにされているが、特定のタイミングで(特定の図柄を狙って)所定の停止操作を行う場合があってもよい。
【0090】
本実施形態では、高試験用信号は、遊技者が最大の出玉率を得ることができるリール20a~20cの停止順序(打順)および停止実行位置(停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。換言すると、高試験用信号は、出玉率の期待値を最大化できる遊技方法となる停止操作の態様として、当該遊技(高試験用信号の出力契機となる遊技開始操作によって開始される遊技)において推奨する停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。
【0091】
また、本実施形態では、低試験用信号は、遊技者に最も不利な遊技方法となるリール20a~20cの停止順序(打順)および停止実行位置(停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。換言すると、低試験用信号は、最も不利な遊技方法となる停止操作の態様として、当該遊技(低試験用信号の出力契機となる遊技開始操作によって開始される遊技)において推奨する停止操作の態様(打順および停止操作のタイミング)を知らせる信号となっている。
【0092】
そして、試験装置300が、高試験用信号に基づいて、第1インターフェース基板301を介した各ストップスイッチ信号の送信等を行うことで、高試験に係る遊技方法での遊技を実行することができる。換言すると、高試験を行う際には、試験装置300は、高試験用信号の推奨する停止操作の態様での遊技が行われるように、第1インターフェース基板301を介した各種信号の送信を行う。また、試験装置300が、低試験用信号に基づいて、第1インターフェース基板301を介した各ストップスイッチ信号の送信等を行うことで、低試験に係る遊技方法での遊技を実行することができる。換言すると、低試験を行う際には、試験装置300は、低試験用信号の推奨する停止操作の態様での遊技が行われるように、第1インターフェース基板301を介した各種信号の送信を行う。すなわち、高試験および低試験においては、試験装置300は、主制御手段31から第1インターフェース基板301を介して試験装置300に送信される各種信号に基づいて遊技機の状態を把握するとともに、主制御手段31から第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送信される試験用信号に基づいて高試験または低試験を実現するための停止操作の態様を把握し、把握した遊技機の状態および停止操作の態様に基づいて主制御手段31への信号の送信を行うようになっており、これにより高試験および低試験が実現される。換言すると、高試験または低試験は、試験装置300が、試験用信号による指示に基づいて停止操作等を行うことにより実現される。
【0093】
高試験用信号および低試験用信号の詳細について、図9を参照しながら説明する。
高試験用信号には、高試験の第1停止操作に係る情報と、高試験の第2停止操作に係る情報と、高試験の第3停止操作に係る情報とが含まれる。また、低試験用信号には、低試験の第1停止操作に係る情報と、低試験の第2停止操作に係る情報と、低試験の第3停止操作に係る情報とが含まれる。また、高試験および低試験の各停止操作に係る情報は、3バイトの情報となっている。換言すると、高試験および低試験の各停止操作に係る情報は、当該遊技の内容(内部抽選の結果、遊技状態および演出状態等)に関わらず、必ず3バイトの情報となっている。以下では、当該3バイトの情報を、「コマンド」とも呼ぶ。
【0094】
高試験の各停止操作に係る情報(コマンド)には、コマンドの種類を示す第1識別情報と、何番目の停止操作(何番目に停止させるリール)に関する情報であるかを示す第2識別情報と、リール20a~20cのうちのどのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報を送ることを示す第3識別情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報としての停止実行位置情報とが含まれる。
【0095】
また、低試験の各停止操作に係る情報(コマンド)には、コマンドの種類を示す第1識別情報と、何番目の停止操作(何番目に停止させるリール)に関する情報であるかを示す第2識別情報と、リール20a~20cのうちのどのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報を送ることを示す第3識別情報と、リール20a~20cの停止実行位置に関する情報としての停止実行位置情報とが含まれる。すなわち、高試験の各停止操作に係る情報と低試験の各停止操作に係る情報とは、信号の形式が同一となっている。
【0096】
第1識別情報は、1バイトの情報である。第1識別情報が「80H」の場合、当該第1識別情報を含むコマンドが、高試験の停止操作に関するコマンドであることを示す。また、第1識別情報が「81H」の場合、当該第1識別情報を含むコマンドが、低試験の停止操作に関するコマンドであることを示す。また、第1識別情報は、試験用信号のうちどの箇所が3バイトで構成されるコマンドのうちの1バイト目に該当するかを識別可能とする情報ともいえる。換言すると、主制御手段31から出力される信号(コマンド)における所定の1バイトの情報が、「80H」または「81H」である場合に、当該1バイトの情報とともに送られる情報(当該1バイトの情報に続く情報)が、高試験の停止操作に係る情報であることまたは低試験の停止操作に係る情報であることが識別可能となる。
なお、本実施形態では、基本的に、試験用信号に係る情報について、数値の末尾に「H」を付した場合16進表記であることを示し、数値の末尾に何も付していない場合10進表記であることを示す。
【0097】
第2識別情報は、4ビットの情報である。第2識別情報が「BH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第1停止操作(最初に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。また、第2識別情報が「CH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第2停止操作(2番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。第2識別情報が「DH」の場合、当該第2識別情報を含むコマンドが、第3停止操作(3番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示す。また、第2識別情報は、試験用信号のうちどの箇所が3バイトで構成されるコマンドのうちの2バイト目に該当するかを識別可能とする情報ともいえる。
【0098】
対象回胴情報は、2ビットの情報である。対象回胴情報が「0」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第1リール20aに関するコマンドであることを示す。また、対象回胴情報が「1」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第2リール20bに関するコマンドであることを示す。対象回胴情報が「2」の場合、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第3リール20cに関するコマンドであることを示す。
【0099】
停止実行位置情報は、9ビットの情報である。停止実行位置情報は、推奨する停止実行位置(停止操作のタイミング)を示す。具体的には、停止実行位置情報が「0」~「503」のいずれかの値の場合、ステッピングモータ19a~19c(リール20a~20c)のステップ数が停止実行位置情報で示される値のときに停止操作を行うべきことを示す。また、停止実行位置情報が「0」~「503」以外の所定の値の場合、ステッピングモータ19a~19c(リール20a~20c)のステップ数がいずれの値のときにリール20a~20cの停止を行ってもよいことを示す。本実施形態では、当該所定の値は、「511」(「503」を超える特定の値)となっている。
【0100】
第3識別情報は、1ビットの情報である。また、当該第3識別情報は、試験用信号(コマンド)のうち、どの箇所が停止実行位置情報に係る箇所なのかを判別可能とする情報となっている。第3識別情報が「0」の場合、当該第3識別情報で始まる1バイトの情報が、停止実行位置情報に係る情報であることを示す。換言すると、1バイトの情報の先頭のビットが「0」の場合、当該1バイトの情報が、停止実行位置情報に係る情報であることを示す。また、第3識別情報は、3バイトで構成されるコマンドのうちの3バイト目に該当することを識別可能とする情報ともいえる。
【0101】
そして、本実施形態では、3バイトのコマンドのうち、先頭の1バイトが第1識別情報となっている。また、続く1バイトのうち、先頭の4ビットが第2識別情報、続く2ビットが対象回胴情報、さらに続く2ビットが、9ビットの停止実行位置情報のうちの先頭の2ビットの情報となっている。また、続く1バイトのうち、先頭の1ビットが第3識別情報、続く7ビットが、9ビットの停止実行位置情報のうちの残りの7ビットの情報となっている。
【0102】
また、本実施形態では、高試験用信号と低試験用信号とが主制御手段31から連続して出力される。具体的には、遊技開始操作が行われると、高試験の第1停止操作に係る情報、高試験の第2停止操作に係る情報、高試験の第3停止操作に係る情報、低試験の第1停止操作に係る情報、低試験の第2停止操作に係る情報、低試験の第3停止操作に係る情報の順で、これらの情報が連続して送られるようになっている。具体例を示すと、例えば、遊技開始操作が行われると、「80H」、「B0H」、「05H」、「80H」、「C4H」、「1EH」、「80H」、「D8H」、「38H」、「81H」、「B3H」、「3FH」、「81H」、「C7H」、「3FH」、「81H」、「DBH」、「3FH」といった連続するビット列情報が主制御手段31から出力される。この場合、高試験については、第1停止操作として、ステッピングモータ19aのステップ数が5のときに第1リール20aを停止させる停止操作を行い(「80H」、「B0H」、「05H」)、第2停止操作として、ステッピングモータ19bのステップ数が30のときに第2リール20bを停止させる停止操作を行い(「80H」、「C4H」、「1EH」)、第3停止操作として、ステッピングモータ19cのステップ数が56のときに第3リール20cを停止させる停止操作を行う(「80H」、「D8H」、「38H」)ことが推奨(指示)されていることとなる。また、この場合、低試験については、第1停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第1リール20aを停止させる停止操作を行い(「81H」、「B3H」、「3FH」)、第2停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第2リール20bを停止させる停止操作を行い(「81H」、「C7H」、「3FH」)、第3停止操作として、任意(無作為)のタイミングで第3リール20cを停止させる停止操作を行う(「81H」、「DBH」、「3FH」)ことが推奨(指示)されていることとなる。
【0103】
なお、本実施形態においては、低試験用信号(低試験の各停止操作に係る情報)については、停止実行位置情報は常に「511」であり、低試験用信号の停止実行位置情報について「0」~「503」の値が使用されることは無いが、「0」~「503」の値が使用されることがあってもよい。
【0104】
前述のように、主制御手段31から出力された高試験用信号および低試験用信号は、第2インターフェース基板302を介して試験装置300に送られる。
【0105】
本実施形態の第2インターフェース基板302は、主制御手段31から受信した試験用信号を、試験装置300が認識可能な形式に変換して試験装置300に送信する。換言すると、第2インターフェース基板302は、図示しないCPU(制御部)を有しており、当該CPUが当該変換を行う。例えば、試験用信号(高試験用信号または低試験用信号)に含まれる9ビットの停止実行位置情報が「511」、すなわち任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示すものである場合、第2インターフェース基板302は、停止実行位置情報を「1023(3FFH)」という数値に変換し、このように変換された停止実行位置情報を含む試験用信号を試験装置300に送信する。換言すると、第2インターフェース基板302は、9ビットの停止実行位置情報を、10ビットの停止実行位置情報に変換して試験装置300に送信する。すなわち、本実施形態においては、各ステッピングモータ19a~19cのステップ数は「0」~「503」であり、9ビットあればステップ数(停止実行位置)を指定することが可能となっている。これに対し、試験装置300が、停止実行位置(例えば、任意のタイミングで停止操作を行ってよいこと)を知らせる場合に10ビット(ステップ数の最大値を指定するのに必要なビット数よりも多いビット数)の情報を要求する場合を想定する。このような場合、第2インターフェース基板302での停止実行位置情報の変換を行わないとすると、主制御手段31から出力される停止実行位置情報を10ビットの情報とする必要があり、停止実行位置情報の送信にあたり、主制御手段31において多くの記憶領域を確保する必要等が生じてしまう。本実施形態では、第2インターフェース基板302から試験装置300へは、停止実行位置情報(任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す情報)を10ビットの情報として送る一方で、主制御手段31から第2インターフェース基板302へは、停止実行位置情報(任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す情報)を9ビット(ステップ数の最大値を指定するのに(2進数で表現するのに)必要な最低限のビット数)の情報として送るようにしたことで、試験用信号の送信にあたり主制御手段31において確保すべき記憶領域を減らすことができる。
【0106】
また、第2インターフェース基板302は、図8に示すようにスイッチ310を有している。また、スイッチ310は、第1状態と第2状態との間で状態を切り替えることが可能となっている。スイッチ310が第1状態となっている場合、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力された高試験用信号と低試験用信号とのうち、高試験用信号を試験装置300に送信し、低試験用信号は試験装置300に送信しない。また、スイッチ310が第2状態となっている場合、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から出力された高試験用信号と低試験用信号とのうち、低試験用信号を試験装置300に送信し、高試験用信号は試験装置300に送信しない。すなわち、スイッチ310は、高試験用信号と低試験用信号とのどちらを試験装置300に送信するかを設定(切り替え)可能とするスイッチとなっている。
【0107】
換言すると、第2インターフェース基板302は、主制御手段31から受信した高試験用信号に基づく情報と、主制御手段31から受信した低試験用信号に基づく情報と、のいずれを試験装置300に送るかが、スイッチ310の状態に応じて(第2インターフェース基板302の設定状態に応じて)変わるようになっている。例えば、前述の具体例と同様に、遊技開始操作を契機に試験用信号として、「80H」、「B0H」、「05H」、「80H」、「C4H」、「1EH」、「80H」、「D8H」、「38H」、「81H」、「B3H」、「3FH」、「81H」、「C7H」、「3FH」、「81H」、「DBH」、「3FH」といった連続するビット列情報が主制御手段31から出力されたとする。このとき、スイッチ310が第1状態であった場合には、第2インターフェース基板302は、当該遊技において推奨する停止操作の態様が、ステッピングモータ19aのステップ数が5のときに第1リール20aを停止させる第1停止操作を行い、ステッピングモータ19bのステップ数が30のときに第2リール20bを停止させる第2停止操作を行い、ステッピングモータ19cのステップ数が56のときに第3リール20cを停止させる第3停止操作を行うものであることを示す情報(高試験用信号)を試験装置300に送る。換言すると、第2インターフェース基板302は、当該推奨する停止操作の態様に従って停止操作を行うことを指示する信号を試験装置300に送る。また、スイッチ310が第2状態であった場合には、第2インターフェース基板302は、当該遊技において推奨する停止操作の態様が、任意のタイミングで第1リール20aを停止させる第1停止操作を行い、任意のタイミングで第2リール20bを停止させる第2停止操作を行い、任意のタイミングで第3リール20cを停止させる第3停止操作を行うものであることを示す情報(低試験用信号)を試験装置300に送る。換言すると、第2インターフェース基板302は、当該推奨する停止操作の態様に従って停止操作を行うことを指示する信号を試験装置300に送る。
【0108】
本実施形態の遊技機は、複数のリール20a~20cと、試験用信号を外部に向けて出力可能な制御手段31と、を備え、前記リール20a~20cは、ステッピングモータ19a~19cによって回転し、前記試験用信号には、前記複数のリール20a~20cの停止に係る停止操作に関する情報が含まれ、前記停止操作に関する情報には、前記複数のリール20a~20cのうちのいずれのリールに関する情報であるかを示す対象回胴情報と、前記リールの停止実行位置に関する情報と、が含まれ、前記リールの停止実行位置に関する情報は、前記試験用信号のうちの特定箇所によって示される複数ビットの情報であって、特定の位置で前記リールを停止させることを推奨する場合には、当該特定の位置に対応する前記ステッピングモータのステップ数の情報となり、いずれの位置で前記リールを停止させてもよいことを示す場合には、前記ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる。
本構成によれば、特定の位置でリールを停止させることを推奨することと、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせることとを、試験用信号のうちの特定のビットを利用して行うことができる。また、当該特定のビットによって示される情報が、ステッピングモータのステップ数として取り得ない数値を示す情報となる場合に、いずれの位置でリールを停止させてもよいことが知らされる。したがって、いずれの位置でリールを停止させてもよいことを知らせるために、特定のフラグ等を用意する必要が無い(専用のビットを確保する必要が無い)。したがって、試験用信号の出力に係る構成が簡易となり、どのような機種にも汎用的に採用できるので、開発コストを低減させることができる。
【0109】
また、本実施形態の遊技機では、制御手段31は、前記試験用信号として、出玉率の期待値が高い第1の遊技方法に関する試験(高試験)に使用する第1試験用信号(高試験用信号)と、前記第1の遊技方法よりも出玉率の期待値が低い第2の遊技方法に関する試験(低試験)に使用する第2試験用信号(低試験用信号)と、を出力可能であり、前記試験用信号は、前記第1試験用信号に基づく情報と、前記第2試験用信号に基づく情報と、のいずれを試験装置300に送信するかが設定状態に応じて変わる第2インターフェース基板302に対して送られるものであり、前記制御手段31は、前記第2インターフェース基板302の前記設定状態に関わらず、前記第1試験用信号と前記第2試験用信号との両方を同一の契機で(遊技開始操作を契機として)出力する。
本構成においては、制御手段31は、第1の遊技方法に関する試験を行うか第2の遊技方法に関する試験を行うかに関わらず、第1試験用信号と第2試験用信号との両方を同一の契機で出力する。したがって、いずれの試験を行うか(いずれの試験用信号を出力するか)を判定する処理等が不要となり試験用信号の出力に係る構成が簡易となるため、開発コストを低減させることができる。
【0110】
なお、高試験用信号および低試験用信号の他にも、第2インターフェース基板302を介して主制御手段31から試験装置300に送られる信号があってもよい。例えば、遊技の中断を推奨(指示)する信号として、遊技中断信号が送信されてもよい。従来、特定の遊技において、遊技者の操作に基づいて、所定の期待値(例えば、所定の期間における出玉率の期待値や、AT演出状態の継続に関する期待値(いわゆる上乗せ数の期待値)等)が異なる複数のモードの中からモードを選択可能な遊技機が知られている。このような遊技機において、当該特定の遊技において主制御手段31から試験装置300に遊技中断信号を送信することとしてもよい。そして、試験装置300が、遊技中断信号に基づいて遊技の進行を中断するようにする(モードの選択に係る操作がされるまで各ストップスイッチ信号の送信を行わないようにする)ことで、試験におけるモード選択を可能とすることができる。
【0111】
ここで、遊技中断信号には、遊技中断信号であることを示す情報と、遊技の中断に係る指示内容を示す情報とが含まれ、これらの情報が連続して送られる。遊技中断信号であることを示す情報は、例えば、1バイトの情報(例えば、「93H」)とすることができる。この場合、主制御手段31から出力される信号の中に、「93H」という1バイトの情報が含まれる場合、当該信号が遊技中断信号であることが認識できる。すなわち、主制御手段31から出力される信号(コマンド)における所定の1バイトの情報が、「93H」である場合に、当該1バイトの情報とともに送られる情報(当該1バイトの情報に続く情報)が、遊技の中断に関する情報(遊技の中断に係る指示内容を示す情報)であることが識別可能となる。また、遊技の中断に係る指示内容を示す情報は、例えば、1バイトの情報とすることができ、「00H」の場合、遊技の中断をしないことを指示し、「01H」の場合、無条件で遊技の中断をすることを指示し、「02H」の場合、所定の条件が成立している場合に遊技の中断をすることを指示するものとなっていてもよい。なお、当該所定の条件について、第2インターフェース基板302に設けられた所定のスイッチが第1状態のときに当該所定の条件が成立とし、当該スイッチが第2状態のときに当該所定の条件が不成立としてもよい。
なお、遊技中断信号は、高試験用信号および低試験用信号とともに毎遊技出力されることとしてもよく、前述の特定の遊技等においてのみ出力されることとしてもよい。また、遊技中断信号は、遊技開始操作を契機として、高試験用信号および低試験用信号とともに出力されるようにしてもよい。また、特定の遊技等においてのみ遊技中断信号が出力される場合、遊技中断信号が送られるタイミングでは、高試験用信号および低試験用信号が出力されないようにしてもよい。また、遊技中断信号は、高試験および低試験の各停止操作に係る情報と同様、3バイトの情報としてもよく、2バイトの情報としてもよい。
【0112】
なお、本実施形態においては、遊技機が3個のリールを有する場合を例に説明したが、リールの数は3個に限らず、例えば4個以上のリールを有していてもよい。例えば、遊技機が4個のリールを有することとした場合、第2識別情報が「EH」の場合に、当該第2識別情報を含むコマンドが、第4停止操作(4番目に停止させるリール)に関するコマンドであることを示すこととしてもよい。また、対象回胴情報が「3」の場合に、当該対象回胴情報を含むコマンドが、第4リールに関するコマンドであることを示すこととしてもよい。そして、遊技開始操作が行われると、高試験の第1停止操作に係る情報、高試験の第2停止操作に係る情報、高試験の第3停止操作に係る情報、高試験の第4停止操作に係る情報、低試験の第1停止操作に係る情報、低試験の第2停止操作に係る情報、低試験の第3停止操作に係る情報、低試験の第4停止操作に係る情報の順で、これらの情報が連続して送られるようにしてもよい。
【0113】
なお、高試験の各停止操作に係る情報および低試験の各停止操作に係る情報には、第3識別情報が含まれないこととしてもよい。また、この場合に、停止実行位置情報を10ビットの情報としてもよい。また、3バイトのコマンドのうちの3バイト目には、10ビットの停止実行位置情報のうちの8ビットの情報が含まれるようにしてもよい。なお、第3識別情報を削除する場合、3バイトで構成されるコマンドのうちの3バイト目に該当することの識別(試験用信号(コマンド)のうち、どの箇所が停止実行位置情報に係る箇所なのかの判別)は、当該3バイト目の情報(当該1バイトの情報)が、第1識別情報(第1識別情報を含む1バイトの情報)および第2識別情報、対象回胴情報(第2識別情報、対象回胴情報を含む1バイトの情報)の後に続けて送られていることに基づいて識別してもよい。換言すると、第1識別情報、第2識別情報および対象回胴情報が送られる場合に、これらの情報に続けて送られる情報を、停止実行位置情報と判別することとしてもよい。このように、停止実行位置情報を10ビットの情報とすることで、任意のタイミングで停止操作を行ってよいことを示す場合に、10ビットの停止実行位置情報を「1023(3FFH)」とした試験用信号(高試験用信号または低試験用信号)を、主制御手段31から出力させることができる。このような構成によれば、第2インターフェース基板302での、停止実行位置情報の変換(「511」から「1023(3FFH)」への変換)を不要とすることができる。
【0114】
なお、前述した実施形態では、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(いわゆるメダルレスであってもよい)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。
【0115】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0116】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0117】
19a,19b,19c ステッピングモータ
20a,20b,20c リール
31 制御手段
300 試験装置
302 第2インターフェース基板
図1
図2
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図9