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特許7393090バッテリー管理システム、バッテリー管理方法、バッテリーパック及び電気車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】バッテリー管理システム、バッテリー管理方法、バッテリーパック及び電気車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20231129BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231129BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20231129BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20231129BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20231129BHJP
【FI】
H02J7/04 A
H02J7/00 X
H02J7/02 B
H02J7/00 P
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L58/12
B60L53/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022570421
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 KR2021010980
(87)【国際公開番号】W WO2022039505
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0104883
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ギ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョン-ソク
(72)【発明者】
【氏名】ジョー、ウォン-テ
(72)【発明者】
【氏名】ファン、テ-ヒュン
【審査官】大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186316(JP,A)
【文献】国際公開第2012/127775(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0335034(US,A1)
【文献】特開2020-119658(JP,A)
【文献】特開平07-115733(JP,A)
【文献】特開平09-121462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0037438(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/04
H02J 7/00
H02J 7/02
B60L 3/00
B60L 50/60
B60L 58/12
B60L 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーのバッテリー電圧を示すセンシング信号を生成するセンシング部と、
前記バッテリーの多段定電流充電のための第1~第n基準電流と、第1~第n基準電圧範囲と、第1~第n基準SOCと、第1~第n基準電圧カーブとの対応関係が記録された充電マップを保存するメモリー部と、
前記センシング信号に基づいて前記バッテリーのSOCを決定する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記バッテリーに接続された充電回路に前記バッテリー電圧が属する第k基準電圧範囲に対応する第k基準電流を用いた定電流充電を命令し、
前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記定電流充電の充電期間にわたる前記バッテリー電圧と前記バッテリーのSOCとの対応関係を示す第k測定電圧カーブを前記充電マップの第k基準電圧カーブと比較して、前記充電マップをアップデートし、
nは、2以上の自然数であり、kは、n以下の自然数である、バッテリー管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの割合に基づき、前記第k基準電流をアップデートする、請求項1に記載のバッテリー管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第k測定電圧カーブの平均電圧に対する前記第k基準電圧カーブの平均電圧の割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートする、請求項1または2に記載のバッテリー管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの第1割合と、前記第k測定電圧カーブの平均電圧に対する前記第k基準電圧カーブの平均電圧の第2割合と、に基づいて前記第k基準電流をアップデートする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第k基準SOCに対する関心SOCの割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートし、
前記関心SOCは、前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達した時点における前記バッテリーのSOCである、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第k基準電流に対する前記アップデートされた第k基準電流の割合に基づき、前記第k基準電流を除いた残りの各基準電流をアップデートする、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記充電回路に前記第k基準電圧範囲の上限を用いる定電圧充電を命令する、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリー管理システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の前記バッテリー管理システムを含む、バッテリーパック。
【請求項9】
請求項8に記載の前記バッテリーパックを含む、電気車両。
【請求項10】
バッテリーの多段定電流充電のための第1~第n基準電流と、第1~第n基準電圧範囲と、第1~第n基準SOCと、第1~第n基準電圧カーブとの対応関係が記録された充電マップを用いて、前記バッテリーに接続された充電回路に前記バッテリーのバッテリー電圧が属する第k基準電圧範囲に対応する第k基準電流を用いた定電流充電を命令する段階と、
前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記定電流充電の充電期間にわたる前記バッテリー電圧と前記バッテリーのSOCとの対応関係を示す第k測定電圧カーブを前記充電マップの第k基準電圧カーブと比較して前記充電マップをアップデートする段階と、を含み、
nは、2以上の自然数であり、kは、n以下の自然数である、バッテリー管理方法。
【請求項11】
前記充電マップをアップデートする段階は、
前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートする、請求項10に記載のバッテリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの充電を制御する技術に関する。
【0002】
本出願は、2020年8月20日出願の韓国特許出願第10-2020-0104883号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能バッテリーについての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化したバッテリーとしては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどがあり、このうち、リチウムバッテリーは、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリー効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーを定電流充電することにおいて、充電電流の電流レートが小さい場合には、バッテリーを満充電するまで非常に長い時間が要求される。一方、充電電流の電流レートが高すぎる場合、バッテリーが速く退化する副作用がある。
【0006】
上記のような問題を解決するために提案された充電プロトコールのうち一つは、充電中のバッテリーの充電状態や電圧に応じて充電電流の電流レートを段階的に調節する「多段定電流充電(multi-stage constant-current charging)」である。電流レートとは、充電電流をバッテリーの最大容量で割った値であって、「C-rate」と称することもあり、単位としては「C」を使用する。多段定電流充電マップは、複数の電圧範囲と複数の電流レートとの対応関係が記録された少なくとも一つのデータ配列を含む。多段定電流充電マップを用いた充電段階は、バッテリー電圧が各電圧範囲の上限に到達する度に、次の順序の電流レートの充電電流がバッテリーに供給される過程が繰り返されることで行われる。
【0007】
バッテリーが新品状態(BOL:Beginning Of Life)から退化していくほど、同じ電流レートによる退化が加速化し得る。例えば、特定の電圧範囲にわたって同じ電流レートを用いて定電流の充電を行う場合、バッテリーが退化するほどさらに多いリチウムの析出が誘発される。
【0008】
しかし、従来の多段定電流充電マップを用いた充電は、経時的に変化するバッテリーの動作状態(例えば、退化)を考慮していないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、多段定電流充電マップを用いた充電中にモニターされるバッテリーの電圧及び電流に基づいて、バッテリーの動作状態に合わせて多段定電流充電マップをアップデートするバッテリー管理システム、バッテリー管理方法、バッテリーパック及び電気車両を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、充電段階が複数の電圧範囲全体に対して行われていないままで終了するとしても、定電流充電が行われた少なくとも一つの電圧範囲に関わる電流レートに対するアップデート結果に基づき、定電流充電が行われていない残りの電圧範囲に関わる電流レートをアップデートするバッテリー管理システム、バッテリー管理方法、バッテリーパック及び電気車両を提供することを他の目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一面によるバッテリー管理システムは、バッテリーのバッテリー電圧及びバッテリー電流を示すセンシング信号を生成するように構成されるセンシング部と、前記バッテリーの多段定電流充電のための第1~第n基準電流と、第1~第n基準電圧範囲と、第1~第n基準SOCと、第1~第n基準電圧カーブとの対応関係が記録された充電マップを保存するメモリー部と、前記センシング信号に基づいて前記バッテリーのSOCを決定するように構成される制御部と、を含む。前記制御部は、充電開始命令に応じて、前記バッテリーに接続された充電回路に前記バッテリー電圧が属する第k基準電圧範囲に対応する第k基準電流を用いた定電流充電を命令するように構成される。前記制御部は、前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記定電流充電の充電期間にわたる前記バッテリー電圧と前記バッテリーのSOCとの対応関係を示す第k測定電圧カーブを前記充電マップの第k基準電圧カーブと比較して、前記充電マップをアップデートするように構成される。nは、2以上の自然数であり、kは、n以下の自然数である。
【0013】
前記制御部は、前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの割合に基づき、前記第k基準電流をアップデートするように構成され得る。
【0014】
前記制御部は、前記第k測定電圧カーブの平均電圧に対する前記第k基準電圧カーブの平均電圧の割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートするように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの第1割合と、前記第k測定電圧カーブの平均電圧に対する前記第k基準電圧カーブの平均電圧の第2割合と、に基づいて前記第k基準電流をアップデートするように構成され得る。
【0016】
前記制御部は、前記第k基準SOCに対する関心SOCの割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートするように構成され得る。前記関心SOCは、前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達した時点における前記バッテリーのSOCである。
【0017】
前記制御部は、前記第k基準電流に対する前記アップデートされた第k基準電流の割合に基づき、前記第k基準電流を除いた残りの各基準電流をアップデートするように構成され得る。
【0018】
前記制御部は、前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記充電回路に前記第k基準電圧範囲の上限を用いる定電圧充電を命令するように構成され得る。
【0019】
本発明の他面によるバッテリーパックは、前記バッテリー管理システムを含む。
【0020】
本発明のさらに他面による電気車両は、前記バッテリーパックを含む。
【0021】
本発明のさらに他面によるバッテリー管理方法は、充電開始命令に応じて、バッテリーの多段定電流充電のための第1~第n基準電流と、第1~第n基準電圧範囲と、第1~第n基準SOCと、第1~第n基準電圧カーブとの対応関係が記録された充電マップを用いて、前記バッテリーに接続された充電回路に前記バッテリーのバッテリー電圧が属する第k基準電圧範囲に対応する第k基準電流を用いた定電流充電を命令する段階と、前記バッテリー電圧が前記第k基準電圧範囲の上限に到達したことに応じて、前記定電流充電の充電期間にわたる前記バッテリー電圧と前記バッテリーのSOCとの対応関係を示す第k測定電圧カーブを前記充電マップの第k基準電圧カーブと比較して前記充電マップをアップデートする段階と、を含む。nは、2以上の自然数であり、kは、n以下の自然数である。
【0022】
前記充電マップをアップデートする段階は、前記第k基準電圧カーブの平均SOCに対する前記第k測定電圧カーブの平均SOCの割合に基づいて前記第k基準電流をアップデートし得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施例の少なくとも一つによると、多段定電流充電マップを用いた充電中にモニターされるバッテリーの電圧及び電流に基づいて、バッテリーの動作状態に合わせて多段定電流充電マップをアップデート可能である。
【0024】
また、本発明の実施例の少なくとも一つによると、充電段階が複数の電圧範囲全体に対して行われていないままで終了するとしても、定電流充電が行われた少なくとも一つの電圧範囲に関わる電流レートに対するアップデート結果に基づいて、定電流充電が行われていない残りの電圧範囲に関わる電流レートをアップデート可能である。
【0025】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0026】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による電気車両の構成を例示した図である。
図2】充電マップに記録された基準電流と基準電圧範囲との対応関係を例示した図である。
図3】充電マップに記録された基準電圧範囲と基準SOCとの対応関係を例示した図である。
図4】本発明の第1実施例によるバッテリー管理方法を例示するフローチャートである。
図5】本発明の第2実施例によるバッテリー管理方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素のうちいずれか一つを残りと区別する目的として使用され、このような用語によって構成要素が限定されることではない。
【0031】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御部」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0032】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0033】
図1は、本発明による電気車両1の構成を例示した図である。
【0034】
図1を参照すると、電気車両1は、バッテリーパック10、インバータ30、電気モーター40及び充電回路50を含む。
【0035】
バッテリーパック10は、バッテリーB、スイッチ20及びバッテリー管理システム100を含む。
【0036】
バッテリーBは、少なくとも一つのバッテリーセルを含む。各バッテリーセルは、例えば、リチウムイオンセルなどのように反復的な充放電が可能なものであれば、その種類は特に限定されない。バッテリーBは、バッテリーパック10に設けられた一対の電源端子を通じてインバータ30及び/または充電回路50に結合し得る。
【0037】
スイッチ20は、バッテリーBに直列で接続される。スイッチ20は、バッテリーBの充放電のための電流経路に設けられる。スイッチ20は、バッテリー管理システム100からのスイッチング信号に応じて、オンオフ制御される。スイッチ20は、コイルの磁気力によってオンオフされる機械式リレーであるか、またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect transistor)のような半導体スイッチであり得る。
【0038】
インバータ30は、バッテリー管理システム100からの命令に応じて、バッテリーBからの直流電流を交流電流に変換するように提供される。電気モーター40は、例えば、三相交流モーターであり得る。電気モーター40は、インバータ30からの交流電力を用いて駆動する。
【0039】
バッテリー管理システム100は、バッテリーBの充放電に関わる全般的な制御を担当し得る。
【0040】
バッテリー管理システム100は、センシング部110、メモリー部120及び制御部140を含む。バッテリー管理システム100は、インターフェース部130及びスイッチドライバー150のうち少なくとも一つをさらに含み得る。
【0041】
センシング部110は、電圧センサー111及び電流センサー112を含む。センシング部110は、温度センサー113をさらに含み得る。
【0042】
電圧センサー111は、バッテリーBに並列で接続され、バッテリーBの両端にかかったバッテリー電圧を検出し、検出されたバッテリー電圧を示す電圧信号を生成するように構成される。電流センサー112は、電流経路を通してバッテリーBに直列で接続される。電流センサー112は、バッテリーBを通じて流れるバッテリー電流を検出し、検出されたバッテリー電流を示す電流信号を生成するように構成される。温度センサー113は、バッテリーBの温度を検出し、検出された温度を示す温度信号を生成するように構成される。
【0043】
メモリー部120は、フラッシュメモリー(登録商標)タイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、SSDタイプ(Solid State Disk type,ソリッドステートディスクタイプ)、SDDタイプ(Silicon Disk Drive type,シリコンディスクドライブタイプ)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、RAM(random access memory,ランダムアクセスメモリー)、SRAM(static random access memory,スタティックランダムアクセスメモリー)、ROM(read‐only memory,リードオンリーメモリー)、EEPROM(electrically erasable programmable read‐only memory,エレクトリカリーイレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリー)、PROM(programmable read‐only memory,プログラマブルリードオンリーメモリー)の少なくとも一つのタイプの保存媒体を含み得る。メモリー部120は、制御部140による演算動作に要求されるデータ及びプログラムを保存し得る。メモリー部120は、制御部140による演算動作の結果を示すデータを保存し得る。
【0044】
メモリー部120は、充電マップを保存している。充電マップは、バッテリー管理システム100の出荷前にメモリー部120に予め保存されたものであるか、またはインターフェース部130を介して外部(例えば、バッテリー製造メーカー)や上位コントローラー2から受信されたものであり得る。充電マップに記録されるデータは、バッテリーBと同じ仕様のバッテリーサンプルに対するテスト及び/またはシミュレーション結果に基づいて予め決められたものであり得る。
【0045】
充電マップは、バッテリーBの多段定電流充電のための充電段階に用いられる。充電マップには、多段定電流充電のための(i)第1~第n基準電流と、(ii)第1~第n基準電圧範囲と、(iii)第1~第n基準SOCと、(iv)第1~第n基準電圧カーブとの対応関係が記録されている。nは2以上の自然数である。後順位の基準電流は、先順位の基準電流よりも小さくてもよい。各々の基準電圧範囲を「ステージ」と称し得る。
【0046】
インターフェース部130は、制御部140と上位コントローラー2(例えば、ECU:Electronic Control Unit)との間の有線通信または無線通信を支援するように構成される通信回路を含み得る。有線通信は、例えば、CAN(contoller area network)通信であり、無線通信は、例えば、ジグビー(登録商標)やブルートゥース(登録商標)通信であり得る。勿論、制御部140と上位コントローラ2との間の有無線通信を支援するものであれば、通信プロトコールの種類は特に限定されない。インターフェース部130は、制御部140及び/または上位コントローラー2から受信された情報を使用者が認識可能な形態で提供する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー)を含み得る。上位コントローラー2は、バッテリー管理システム100との通信によって収集されるバッテリー情報(例えば、電圧、電流、温度、SOC)に基づき、インバータ30を制御し得る。上位コントローラー2は、車両使用者の入力に応じてバッテリー管理システム100へ充電開始命令や充電中断命令を伝送し得る。
【0047】
制御部140は、上位コントローラー2、スイッチ20、充電回路50、センシング部110、メモリー部120、インターフェース部130及び/またはスイッチドライバー150に動作可能に結合し得る。二つの構成が動作可能に結合するということは、単方向または双方向に信号を送受信可能に二つの構成が直・間接的に接続されていることを意味する。
【0048】
スイッチドライバー150は、制御部140及びスイッチ20に電気的に結合する。スイッチドライバー150は、制御部140からの命令に応じて、スイッチ20を選択的にオンオフするように構成される。制御部140は、充電段階の進行中に、スイッチ20をターンオンすることをスイッチドライバー150に命令し得る。
【0049】
制御部140は、センシング信号をセンシング部110から収集し得る。センシング信号は、同期検出された電圧信号、電流信号及び/または温度信号を指す。
【0050】
制御部140は、「バッテリーコントローラ」とも呼び、ハードウェア的に、ASIC(application specific integrated circuit,特定用途向け集積回路 )、DSP(digital signal processor,デジタルシグナルプロセッサ)、DSPD(digital signal processing device,デジタル信号処理デバイス)、PLD(programmable logic device,プログラマブルロジックデバイス)、FPGA(field programmable gate array,フィールドプログラマブルゲートアレイ)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、その他の機能遂行のための電気的ユニットの少なくとも一つを用いて具現され得る。
【0051】
インターフェース部130は、制御部140と充電回路50との双方向通信及び制御部140と上位コントローラー2との双方向通信を中継し得る。充電回路50は、バッテリー管理システム100から要請される電流レートの充電電流をバッテリーBに供給するように構成される。充電回路50は、バッテリー管理システム100から要請される電圧レベルを有する充電電圧をバッテリーBに供給するように構成され得る。制御部140は、インターフェース部130を介して充電開始命令を受信したことに応じて、充電マップを用いた充電段階を開始するように構成される。制御部140は、インターフェース部130を介して充電中断命令を受信したことに応じて、充電マップを用いた充電段階を終了し得る。
【0052】
制御部140は、センシング信号に基づいてバッテリーBの残存容量を示すSOC(State Of Charge)を決定し得る。SOCを決定することにおいて、アンペアカウンティング、OCV(open circuit voltage)-SOC曲線、カルマンフィルターなどのような公知のアルゴリズムが用いられ得る。バッテリーBのSOCを「バッテリーSOC」と称し得る。
【0053】
図2は、充電マップに記録された基準電流と基準電圧範囲との対応関係を例示した図であり、図3は、充電マップに記録された基準電圧範囲と基準SOCとの対応関係を例示した図である。説明の便宜のために、図2及び図3においては、n=4、即ち、充電マップが、4個の基準電流と、4個の基準電圧範囲と、4個の基準SOCとの対応関係を定義することに示した。
【0054】
図2に示した電流プロファイル210は、新品状態のバッテリーBのための、第1~第4基準電流I~Iと第1~第4基準電圧範囲ΔV~ΔVとの対応関係を示す。電流プロファイル210は、データテーブルなどのフォーマットで充電マップに記録され得る。k(「充電インデックス」と称し得る。)がn以下の自然数とするとき、Vk-1とVは各々第k基準電圧範囲ΔVの下限及び上限である。
【0055】
第1~第4基準電圧範囲ΔV~ΔVは、順次に連続する。これによって、iがn-1以下の自然数とするとき、Vは、第i基準電圧範囲ΔVの上限である共に、第i+1基準電圧範囲ΔVi+1の下限でもある。例えば、ΔVの上限とΔVの下限は各々Vで同一である。以下では、Vを「第k基準電圧」と称し得る。
【0056】
制御部140は、バッテリーBのバッテリー電圧が第i基準電圧範囲ΔV内である場合、第i基準電流Iを用いた定電流充電を充電回路50に命令し得る。
【0057】
制御部140は、第i基準電流Iを用いた定電流充電中に、バッテリーBの SOCが第i基準電圧範囲ΔVの上限Vに到達する場合、第i+1基準電流Ii+1を用いた定電流充電を充電回路50に命令し得る。即ち、制御部140は、第i基準電流Iを用いた定電流充電から第i+1基準電流Ii+1を用いた定電流充電へ切り換え得る。
【0058】
制御部140は、第n基準電流Iを用いた定電流充電中に、バッテリーBのSOCが第n基準電圧範囲ΔVの上限Vに到達する場合、充電マップを用いた多段定電流充電を終了し、上限Vを用いた定電圧充電を充電回路50に命令し得る。即ち、制御部140は、第n基準電流Iを用いた定電流充電から上限Vを用いた定電圧充電に切り換え得る。
【0059】
図3に示した第1電圧プロファイル310は、新品状態のバッテリーBのための、第1~第4基準SOC S~Sと第1~第4基準電圧範囲ΔV~ΔVとの対応関係を示す。第1電圧プロファイル310は、データテーブルなどのフォーマットで充電マップに記録され得る。第1電圧プロファイル310は、第1~第4基準電圧カーブを含む。第k基準電圧カーブは、第1電圧プロファイル310において第k基準電圧範囲ΔVに対応する部分である。
【0060】
は、新品状態のバッテリーBのバッテリー電圧が第k基準電流Iを用いた定電流充電によって第k基準電圧Vに到達時のバッテリーBのSOCを示す。
【0061】
一方、バッテリーBが次第に退化していくことにつれ、バッテリーBの容量損失が増加するため、新品状態に比べて同じ充電容量による電圧上昇量が増加する。これによって、充電マップの第k基準電流Iを用いた定電流の充電中に、SOCが第k基準SOC Sに到達する前にバッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したことは、バッテリーBが新品状態に比べて退化したことを示す。図3に示した第2電圧プロファイル320は、本発明によるバッテリー管理方法(図4参照)を適用することなく、第1~第4基準電圧範囲ΔV~ΔVに対して第1~第4基準電流I~Iを順次に用いて、退化したバッテリーBを定電流充電する過程を通じてモニターされた、バッテリー電圧の変化履歴とSOCの変化履歴との対応関係を示す。第2電圧プロファイル320を参照すると、Zは、退化したバッテリーBのバッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したときのバッテリーSOCであって、第k基準SOC Sより小さいことを確認することができる。即ち、S>Z、S>Z、S>Z、S>Zである。
【0062】
第k基準電流Iを用いた定電流充電中に、バッテリーBのSOCが第k基準SOC Sに到達する前にバッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したことは、次回の多段定電流充電段階で第k基準電流Iを減少させる必要があることを示す。第k基準電流Iによる充電中にモニターされる電圧履歴及び/またはSOC履歴を考慮して第k基準電流Iの減少程度が決定され得る。
【0063】
図3に示した第3電圧プロファイル330は、本発明によるバッテリー管理方法(図4参照)を適用し、退化したバッテリーBを充電する過程を通じてモニターされたバッテリー電圧の変化履歴とSOCの変化履歴との対応関係を示す。第3電圧プロファイル330は、第1~第4測定電圧カーブを含む。第k測定電圧カーブは、第3電圧プロファイル330において第k基準電圧範囲ΔVに対応する部分である。
【0064】
第3電圧プロファイル330を参照すると、制御部140は、第k基準電流Iを用いた定電流充電中に、設定時間(例えば、0.001秒)毎に、バッテリー電圧、バッテリー電流及びSOCをモニターする。制御部140は、バッテリーBのSOCが第k基準SOC Sに到達する前にバッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したことに応じて、第k基準電流Iを用いた定電流充電から第k基準電圧Vを用いた定電圧充電へ切り換え得る。これによって、バッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したときからバッテリーBのSOCが第k基準SOC Sに到達するまで、バッテリーBは、第k基準電圧Vで定電圧充電される。例えば、V~Vの電圧範囲にわたって第2基準電流Iを用いた定電流充電が行われた後、バッテリーBのSOCが第2基準SOC Sに到達するまで第k基準電圧Vと同じ充電電圧でバッテリーBが定電圧充電される。第k基準電圧範囲ΔVを用いた定電圧充電の間に、バッテリー電圧が次第に増加することによってバッテリー電流は次第に減少する。制御部140は、第k基準電圧範囲ΔVを用いた定電圧充電の間に、設定時間毎にバッテリー電圧、バッテリー電流及びSOCをモニターし得る。
【0065】
制御部140は、第k基準電圧範囲ΔVにわたる充電の間にモニターされた、バッテリー電圧、バッテリー電流及びSOCに基づいて、図2の電流プロファイル210及び図3の第1電圧プロファイル310を含む充電マップの第k基準電流Iをアップデートし得る。図2の電流プロファイル230の電流I11~I14は各々、充電マップの基準電流I~Iをアップデートした結果であり得る。
【0066】
具体的には、制御部140は、第k基準電圧カーブの平均電圧及び平均SOCのうち少なくとも一つを決定し得る。第k基準電圧カーブの平均電圧は、第1電圧プロファイル310において第k基準電圧範囲ΔVにわたるバッテリー電圧の平均である。第k基準電圧カーブの平均SOCは、第1電圧プロファイル310において第k基準電圧範囲ΔVにわたるSOCの平均である。
【0067】
制御部140は、第k測定電圧カーブの平均電圧及び平均SOCのうち少なくとも一つを決定し得る。第k測定電圧カーブの平均電圧は、第3電圧プロファイル330において第k基準電圧範囲ΔVにわたるバッテリー電圧の平均である。第k測定電圧カーブの平均SOCは、第3電圧プロファイル330において第k基準電圧範囲ΔVにわたるSOCの平均である。
【0068】
その後、制御部140は、第k基準電圧カーブの平均電圧及び平均SOCのうち少なくとも一つと、第k測定電圧カーブの平均電圧及び平均SOCのうち少なくとも一つと、に基づいて、充電マップの第k基準電流Iをアップデートし得る。
【0069】
制御部140は、第k基準電圧カーブの平均SOCに対する第k測定電圧カーブの平均SOCの第1割合(1未満)に基づいて第k基準電流Iをアップデートし得る。例えば、制御部140は、第1割合と第k基準電流Iとの積と同一に第k基準電流Iをアップデートし得る。
【0070】
または、制御部140は、第k測定電圧カーブの平均電圧に対する第k基準電圧カーブの平均電圧の第2割合(1未満である。)に基づき、第k基準電流Iをアップデートし得る。例えば、制御部140は、第2割合と第k基準電流Iとの積と同一に第k基準電流Iをアップデートし得る。
【0071】
または、制御部140は、第1割合及び第2割合に基づいて第k基準電流Iをアップデートし得る。例えば、制御部140は、第1割合と第2割合と第k基準電流Iとの積と同一に第k基準電流Iをアップデートし得る。
【0072】
または、制御部140は、第k基準SOC Sに対する関心SOCの第3割合(1未満である。)に基づいて第k基準電流Iをアップデートし得る。例えば、制御部140は、第3割合と第k基準電流Iの積と同一に第k基準電流Iをアップデートし得る。関心SOCは、バッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達した時点におけるバッテリーBのSOC Uと同一であり得る。
【0073】
一方、前述したバッテリー管理方法による充電段階は、基準電圧範囲ΔV~ΔVのうち一部に対しては行われない場合が頻繁である。例えば、図2及び図3を参照すると、バッテリー電圧がVより高いときに充電マップを用いた充電段階が開始される場合、第1基準電圧範囲ΔV全体にわたる第1測定電圧カーブが取得できないため、前述した方式では第1基準電流Iのアップデートが不可能である。他の例で、バッテリー電圧がVに到達する前に車両使用者が充電ケーブルを電気車両1から分離する場合、第4基準電圧範囲ΔV全体にわたる第4測定電圧カーブが取得できないため、第4基準電流Iのアップデートが不可能である。
【0074】
前記問題点を解決するために、制御部140は、バッテリー電圧がVより大きいときから充電が開始されるか、またはバッテリー電圧がVより小さいときに充電が終了する場合、全ての基準電圧範囲ΔV~ΔVのうち測定電圧カーブが取得された少なくとも一つの基準電圧範囲に対するアップデート情報に基づいて、残りの各基準電圧範囲に関わる基準電流をアップデートし得る。
【0075】
第k基準電圧範囲ΔVに対応する第k基準電流Iのみが前述したバッテリー管理方法によってI1kにアップデートされたと仮定する。制御部140は、Iに対するI1kの割合を決定した後、決定された割合に基づいて残りの各基準電流をアップデートし得る。例えば、制御部140は、第2基準電流Iが120Aから100Aにアップデートされた場合、第1基準電流I、第3基準電流I及び第4基準電流Iに各々100/120=5/6を掛け、第1基準電流I、第3基準電流I及び第4基準電流Iをアップデートし得る。
【0076】
i及びjが各々自然数であり、i≦jであり、iが2以上であり、jはn=4未満であると仮定する。第i~第j基準電圧範囲ΔV~ΔVに対応する第i~第j基準電流I~Iのみがバッテリー管理方法(図4参照)によってI1i~I1jに各々アップデートされたままで充電段階が終了し得る。そうすると、制御部140は、下記の数式を用いて残りの各基準電流をアップデートできる。
<数式>
【数1】
【0077】
前記数式において、xは、i~jを除いたn以下の自然数であり、Iは、アップデート前の基準電流であり、I1xは、アップデートされた基準電流である。μavgは、第i~第j基準電流I~Iに対する第i~第jアップデートされた基準電流I1i~I1jの平均の割合である。
【0078】
一例で、i=2、j=3、n=4、i=150A、i=120A、i=110A、i=90A、i12=100A、i13=95Aである場合、i11=i×1/(3-2+1)×{i12/i+i13/i}A=i×1/2×{100/120+95/110}A≒127Aであり、i14=i×1/(3-2+1)×{i12/i+i13/i}A=i×1/2×{100/120+95/110}A≒76A。
【0079】
図4は、本発明の第1実施例によるバッテリー管理方法を例示するフローチャートである。図4の方法は、車両使用者からの充電開始命令に応じて開始され得る。
【0080】
図1図4を参照すると、段階S410で、制御部140は、バッテリーBのバッテリー電圧が属する第k基準電圧範囲ΔVに対応する第k基準電流Iを充電マップから選択する。例えば、バッテリー電圧がV以上V未満である場合、第2基準電流Iが選択される。
【0081】
段階S420で、制御部140は、第k基準電流Iを用いた定電流充電を充電回路50に命令する。これによって、充電回路50は、第k基準電流Iを充電電流としてバッテリーBに供給することで、第k基準電流Iを用いた定電流充電を開始する。
【0082】
段階S430で、制御部140は、バッテリーSOCが第k基準SOC Sに到達する前にバッテリー電圧が第k基準電圧Vに到達したか否かを判定する。段階S440の値が「はい」である場合、段階S450へ進む。段階S430の値が「いいえ」である場合、所定の時間後、段階S430がさらに行われる。
【0083】
段階S440で、制御部140は、充電回路50に第k基準電圧Vを用いた定電圧充電を命令する。これによって、充電回路50は、第k基準電流Iを用いて定電流充電を終了すると共に、第k基準電圧Vと同一の充電電圧をバッテリーBに供給する。
【0084】
段階S450で、制御部140は、バッテリーSOCが第k基準SOC Sに到達したか否かを判定する。段階S450の値が「はい」である場合、段階S460へ進む。段階S450の値が「いいえ」である場合、所定の時間後に段階 S450がさらに行われる。
【0085】
段階S460で、制御部140は、第k測定電圧カーブを決定する。第k測定電圧カーブは、第k基準電流Iを用いた定電流充電の充電期間にわたるバッテリー電圧とバッテリーSOCとの対応関係を示す。
【0086】
段階S470で、制御部140は、第k測定電圧カーブの電圧範囲が第k基準電圧範囲ΔVと同一であるか否かを判定する。段階S470の値が「はい」である場合、段階S480へ進む。段階S470の値が「いいえ」である場合、段階S490へ進む。例えば、バッテリー電圧がVより大きく、かつVより小さかったときから第1基準電流Iで定電流充電された場合、段階S470の値は「いいえ」になる。
【0087】
段階S480で、制御部140は、第k基準電圧カーブ及び第k測定電圧カーブに基づいて充電マップをアップデートする。
【0088】
段階S490で、制御部140は、充電インデックスkがnと同一であるか否かを判定する。即ち、制御部140は、充電マップが規定する最後の基準電圧範囲ΔVに対する充電が完了したか否かを判定する。段階S490の値が「いいえ」である場合、段階S492で充電インデックスkを1だけ増加させた後、段階S430に戻る。段階S490の値が「はい」である場合、図4の方法は終了する。
【0089】
図4の方法は、所定のアップデート条件が満たされた状態で、充電開始命令に応じて開始され得る。アップデート条件は、充電マップ210、310のアップデートが無駄に頻繁に施されないようにするためである。バッテリーBの退化度が一定の水準以上に増加したことを示すこととして、例えば、バッテリーBの累積容量(accumulated capacity)が前回のアップデート時点における累積容量よりも第1臨界値(例えば、100Ah[ampere-hour])以上増加、バッテリーBのサイクル回数が前回のアップデート時点におけるサイクル回数よりも第2臨界値(例えば、50回)以上増加、バッテリーBの容量維持率が前回のアップデート時点における容量維持率(capacity retention rate)よりも第3臨界値(例えば、5%)以上減少、前回のアップデート時点から臨界時間(例えば、一ヶ月)以上の結果などであり得る。
【0090】
図5は、本発明の第2実施例によるバッテリー管理方法を例示するフローチャートである。図5の方法は、第1~第n基準電流I~Iのうち第i~j基準電流I~Iのみが図4の方法によってアップデートされた場合、残りの各基準電流をアップデートするのに用いられ得る。即ち、図5の方法は、バッテリーBが第4の方法によってV~Vの電圧範囲のうち一部のみに対して充電された場合に行われ得る。前述したように、i及びjは各々自然数であり、i<jであり、iは2以上であるか、jはn(例えば、4)未満である。
【0091】
段階S510で、制御部140は、第i~第j基準電流I~Iに対する第i~第jアップデートされた基準電流I1i~I1jの平均割合を演算する(上記数式のμavg参照)。
【0092】
段階S520で、制御部140は、第1~第n基準電流I~Iのうち、第i~第j基準電流I~Iを除いた残りの基準電流に各々平均割合を掛け、残りの基準電流を各々アップデートする。
【0093】
以上で説明した本発明の実施例は、必ずしも装置及び方法を通じて具現されることではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現され得、このような具現は、本発明が属する技術分野における専門家であれば、前述した実施例の記載から容易に具現できるはずである。
【0094】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0095】
また、上述の本発明は、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想から脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であるため、上述の実施例及び添付された図面によって限定されず、多様な変形が行われるように各実施例の全部または一部を選択的に組み合わせて構成可能である。
図1
図2
図3
図4
図5