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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20231129BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20231129BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20231129BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20231129BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20231129BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H10B12/00 801
H01L29/78 618B
H01L29/78 613Z
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H10B12/00 671Z
H01L21/28 301R
H01L21/28 301B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022080126
(22)【出願日】2022-05-16
(62)【分割の表示】P 2020170218の分割
【原出願日】2013-04-11
(65)【公開番号】P2022105599
(43)【公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2012091539
(32)【優先日】2012-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】松林 大介
(72)【発明者】
【氏名】村山 佳右
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-216177(JP,A)
【文献】特開2012-069932(JP,A)
【文献】特開2011-142316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 12/00
H01L 29/786
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンを含む第1のチャネル形成領域を有する第1のトランジスタと、
酸化物半導体を含む第2のチャネル形成領域を有する第2のトランジスタと、
容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのゲート電極と、前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方と、前記容量素子の一方の電極と、が電気的に接続された半導体装置であって、
前記第1のチャネル形成領域の上方に位置する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第1のトランジスタのゲート電極として機能する領域を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層の上方に位置する第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタの第1のゲート電極として機能する領域を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層の上面と接する領域を有する第3の絶縁層と、
前記第3の絶縁層の上面と接する領域を有する第4の絶縁層と、
前記第4の絶縁層の上面と接する領域を有し、前記第2のチャネル形成領域を有する酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の上方に位置する第5の絶縁層と、
前記第5の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタの第2のゲート電極として機能する領域を有する第3の導電層と、
前記酸化物半導体層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方として機能する領域を有する第4の導電層と、
前記酸化物半導体層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方として機能する領域を有する第5の導電層と、
前記第5の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第4の導電層との重なりを有する第6の導電層と、
前記第6の導電層の上方に位置し、前記第5の導電層と電気的に接続された第7の導電層と、
前記第2の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第4の導電層との重なりを有する第8の導電層と、を有し
記第7の導電層は、前記第2のチャネル形成領域と重なる領域と前記容量素子と重なる領域とを有し、
前記第2の導電層と、前記第8の導電層とは、同じ材料を有し、
前記第3の導電層と、前記第6の導電層とは、同じ材料を有する、半導体装置。
【請求項2】
シリコンを含む第1のチャネル形成領域を有する第1のトランジスタと、
酸化物半導体を含む第2のチャネル形成領域を有する第2のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタのゲート電極と、前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方と、が電気的に接続された半導体装置であって、
前記第1のチャネル形成領域の上方に位置する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第1のトランジスタのゲート電極として機能する領域を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層の上方に位置する第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタの第1のゲート電極として機能する領域を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層の上方に位置する第3の絶縁層と、
前記第3の絶縁層の上面と接する領域を有し、前記第2のチャネル形成領域を有する酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層の上方に位置する第4の絶縁層と、
前記第4の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタの第2のゲート電極として機能する領域を有する第3の導電層と、
前記酸化物半導体層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方として機能する領域を有する第4の導電層と、
前記酸化物半導体層の上面と接する領域を有し、かつ前記第2のトランジスタのソース電極及びドレイン電極の他方として機能する領域を有する第5の導電層と、
前記第4の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第4の導電層との重なりを有する第6の導電層と、
前記第2の絶縁層の上面と接する領域を有し、かつ前記第4の導電層との重なりを有する第7の導電層と、を有し、
前記第2の導電層と、前記第7の導電層とは、同じ材料を有し、
前記第3の導電層と、前記第6の導電層とは、同じ材料を有する、半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第4の絶縁層の膜厚は、前記第3の絶縁層の膜厚より大きい、半導体装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第7の導電層は、前記第1のチャネル形成領域と重なる領域を有する、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する発明は、半導体装置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置、発光表示装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置で
ある。
【背景技術】
【0003】
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタを構成する技術が
注目されている。該トランジスタは、集積回路(IC)や画像表示装置(単に表示装置と
も表記する)のような半導体電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可
能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として
酸化物半導体が注目されている。
【0004】
例えば、酸化物半導体として、酸化亜鉛、又はIn-Ga-Zn系酸化物を用いてトラン
ジスタを作製する技術が開示されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
半導体装置に適用されるトランジスタは、ゲート電圧が0Vにできるだけ近い正のしきい
値電圧(Vth)でチャネルが形成されることが望ましい。しきい値電圧の値が負である
トランジスタは、ゲート電圧が0Vでもソースとドレイン間に電流が流れる、所謂ノーマ
リオンのトランジスタとなりやすく、回路として制御することが困難であるため、しきい
値電圧の値が負であるトランジスタは半導体装置の集積回路への適用には不向きである。
【0007】
そこで、本発明の一態様では、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたnチャネル型の
トランジスタにおいて、正のしきい値電圧を有し、ノーマリオフのスイッチング素子を実
現するトランジスタ構造及びその作製方法を提供することを課題の一つとする。
【0008】
また、材料や作製条件によっては、作製されたトランジスタがノーマリオフとならない場
合であっても、ノーマリオフの特性に近づけることが重要であり、本発明の一態様では、
しきい値電圧の値が負である、ノーマリオンであっても、トランジスタのしきい値をゼロ
に近づける構成及びその作製方法を提供することも課題の一つとする。
【0009】
なお、本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一つを解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、第1のゲート電極層と第2のゲート電極層との間に、絶縁層を介し
て酸化物半導体積層を有し、該酸化物半導体積層において、チャネル形成領域の膜厚が、
その他の領域よりも小さいトランジスタを構成する。また、上記のトランジスタにおいて
、ゲート電極層の一方は、しきい値電圧を制御するための所謂バックゲートとして備えら
れている。該バックゲートに与える電位の高さを制御することで、トランジスタのしきい
値電圧を制御することができるため、トランジスタをノーマリオフに維持することが容易
となる。より具体的には、例えば以下の構成とすることができる。
【0011】
本発明の一態様は、絶縁表面上の第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層上の第1の
絶縁層と、第1の絶縁層を介して、第1のゲート電極層と重畳し、第1の酸化物半導体層
及び第2の酸化物半導体層を含む酸化物半導体積層と、第2の酸化物半導体層上に接する
ソース電極層及びドレイン電極層と、酸化物半導体積層の一部、ソース電極層及びドレイ
ン電極層上に接する第2の絶縁層と、第2の絶縁層を介して、酸化物半導体積層と重畳す
る第2のゲート電極層と、を有し、酸化物半導体積層において、第2の絶縁層と接する領
域の膜厚は、ソース電極層及びドレイン電極層と接する領域の膜厚よりも小さい半導体装
置である。
【0012】
また、本発明の一態様は、絶縁表面上の第1のゲート電極層と、第1のゲート電極層上の
第1の絶縁層と、第1の絶縁層を介して、第1のゲート電極層と重畳し、第1の酸化物半
導体層及び第2の酸化物半導体層とを含む酸化物半導体積層と、第2の酸化物半導体層上
に接するソース電極層及びドレイン電極層と、酸化物半導体積層の一部、ソース電極層及
びドレイン電極層上に接する第2の絶縁層と、第2の絶縁層を介して、酸化物半導体積層
と重畳する第2のゲート電極層と、を有し、第1の酸化物半導体層と、第2の酸化物半導
体層とは、構成元素が同一であって組成が異なり、酸化物半導体積層において、第2の絶
縁層と接する領域の膜厚は、ソース電極層及びドレイン電極層と接する領域の膜厚よりも
小さい半導体装置である。
【0013】
上記の半導体装置において、第1の酸化物半導体層は、少なくともインジウム及びガリウ
ムを含み、第1の酸化物半導体層において、インジウムの組成は、ガリウムの組成よりも
大きいことが好ましい。
【0014】
または、上記の半導体装置において、第2の酸化物半導体層は、少なくともインジウム及
びガリウムを含み、第2の酸化物半導体層において、インジウムの組成は、ガリウムの組
成以下であることが好ましい。
【0015】
また、上記の半導体装置において、第1のゲート電極層及び第2のゲート電極層の少なく
とも一方に、5電子ボルト以上の仕事関数を有する導電層を用いることが好ましく、例え
ば、窒素を含むIn-Ga-Zn-O膜を用いた導電層を設けることが好ましい。
【0016】
開示する発明の一態様である上述の構成の効果は、次のように説明することができる。但
し、以下の説明はあくまで一考察に過ぎないことを付記する。
【0017】
酸化物半導体を用いたトランジスタは、多数キャリアである電子を用いたNch蓄積型M
OSFETであると見なすことができる。シリコンを用いたNch反転型MOSFETで
は、ゲート電圧を印加させることで活性層(ここでは、シリコン)の表面近傍に反転層を
形成してチャネルを形成させる。一方、蓄積型MOSFETでは、オン状態において、活
性層(ここでは、酸化物半導体層)表面に多数キャリアである電子を蓄積させて電流の流
れるチャネルを形成する。また、オフ状態において、負のゲート電圧を印加させることに
より膜全体を完全に空乏化する。
【0018】
蓄積型MOSFETでは、オン電流として表面(蓄積)を流れる第1の電流の他に、活性
層の膜厚方向全体を流れる第2の電流が存在する点において、反転型MOSFETと大き
く相違する。ここで、第1の電流のしきい値電圧をVth_1、第2の電流のしきい値電
圧をVth_2とおくと、ゲート電圧Vgが第2の電流のしきい値電圧よりも低い電圧(
Vg<Vth_2)であると、活性層の膜厚方向全体が空乏化(完全空乏化)され、トラ
ンジスタはオフ状態となる。ゲート電圧Vgをあげて、ゲート電圧Vgが第2の電流のし
きい値電圧をVth_2より高く、第1の電流のしきい値電圧をVth_1より低い電圧
(Vth_2<Vg<Vth_1)となると、空乏層幅が狭くなり(部分空乏状態)、バ
ックチャネル側から第2の電流が流れ、トランジスタはオン状態となる。さらにゲート電
圧Vgをあげて、ゲート電圧Vgが第1の電流のしきい値電圧を超える電圧(Vth_1
<Vg)となると空乏層がなくなり、活性層表面にキャリア(電子)が蓄積され第1の電
流が流れる。
【0019】
Nch蓄積型MOSFETにおける、第2の電流のしきい値電圧Vth_2、及び、第1
の電流のしきい値電圧をVth_1は、グラジュアルチャネル近似を用いて、以下式(1
)及び式(2)のように表すことができる。
【0020】
【数1】
【0021】
なお、VFBはフラットバンド電圧を示し、Cは活性層の容量を示し、Coxはゲート
絶縁層の容量を示し、Nはドナー密度を示し、tは活性層の膜厚を示す。
【0022】
上記の式(1)より、ドナー密度(N)及び活性層の膜厚(t)が大きくなることで
、第2の電流のしきい値電圧Vth_2がマイナス方向に変動(シフト)することがわか
る。また、式(1)及び式(2)より、フラットバンド電圧(VFB)を大きくする、即
ち、ゲート電極層の仕事関数を大きくすることが、Nch蓄積型MOSFETにおけるし
きい値電圧(Vth_1及びVth_2)のプラス方向へのシフトに重要であることがわ
かる。
【0023】
次いで、酸化物半導体を適用したトランジスタの電気特性における酸化物半導体層膜厚(
OS)及びドナー密度(N)依存性をデバイスシミュレーションによって計算した。
【0024】
計算で仮定したトランジスタの構造を図9に示す。また、計算に用いた条件を表1に示す
【0025】
図9に示すように、本計算においては、膜厚300nmの絶縁層302上に形成された酸
化物半導体層306と、酸化物半導体層306上のソース電極層308a及びドレイン電
極層308bと、ソース電極層308a及びドレイン電極層308bを覆い、酸化物半導
体層306と一部が接するゲート絶縁層310と、ゲート絶縁層310を介して酸化物半
導体層306と重畳するゲート電極層112と、を有するトランジスタ320を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】
計算で得られたIdVg特性(Vd=0.1V)を図10(A)乃至図10(C)に示す
図10(A)乃至図10(C)は、酸化物半導体層に含有されると仮定したドナー密度
(N)がそれぞれ1×1018cm-3図10(A))、1×1017cm-3(図
10(B))、1×1016cm-3図10(C))の場合のトランジスタ特性を示す
【0028】
図10(A)に示すように、ドナー密度(N)が高い場合には、酸化物半導体層の膜厚
が薄膜の場合(例えば、10nmの場合)には良好な電気特性が得られるが、酸化物半導
体層を厚膜化するにしたがってノーマリオン化が確認される。
【0029】
一方、図10(B)に示すように、ドナー密度(N)を1×1017cm-3へと低減
することで、酸化物半導体層の厚膜化に伴う特性のマイナス方向へのシフトが小さくなる
。また、オン電流(Ion)は、酸化物半導体層の膜厚に依存せず、ほぼ一定の結果が保
たれる。また、図10(C)に示すように、ドナー密度(N)を1×1016cm-3
へとさらに低減することで、酸化物半導体層の厚膜化に伴う特性のマイナス方向へのシフ
トは、ほとんど確認されない。
【0030】
以上の計算結果より、トランジスタのノーマリオフ化を達成するためには、酸化物半導体
層の薄膜化と、酸化物半導体層に含まれるドナー密度の低減が重要であることが確認でき
る。
【0031】
本発明の一態様で示すトランジスタは、チャネル形成領域の膜厚がその他の領域(例えば
、ソース電極層及びドレイン電極層と接する領域)よりも小さい酸化物半導体積層を含ん
で構成される。これによって、トランジスタのしきい値電圧のマイナス方向へのシフトを
抑制することができる。
【0032】
次いで、ノーマリオン化がみられるトランジスタについて、その原因を考察した。本考察
では、図10(A)に示す特徴を有する、酸化物半導体層の膜厚が50nmで、ドナー密
度が1×1018cm-3であるトランジスタを用いた。
【0033】
上述したように蓄積型MOSFETでは、オン電流として、活性層表面(蓄積)を流れる
第1の電流と、活性層の膜厚方向全体を流れる第2の電流とが存在している。また、Id
Vg特性の2階微分を行うことで、第1の電流と第2の電流との切り分けができることが
知られている。図11(A)に、酸化物半導体層の膜厚50nmで、ドナー密度が1×1
18cm-3であるトランジスタのIdVg特性(実線)と、その2階微分(太線)で
得られた値のグラフを示す。
【0034】
図11(A)に示すように、IdVg特性を2階微分して得られる線は2本のピークを有
する。ここから、ゲート電圧Vgを-3Vからプラス方向に掃引させて、Vgが1本目の
ピーク(Vg=-1.52(V))になると、第2の電流が流れ始め、2本目のピーク(
Vg=0.30(V))付近になると、第1の電流が流れ始めると推測できる。この数値
は、先に示したグラジュアルチャネル近似を用いた式(1)及び式(2)に、表1に示す
パラメータ数値を代入して計算した結果(Vth_2=-1.56V、Vth_1=0.
36V)とほぼ一致している。
【0035】
よって、トランジスタのノーマリオフ化のためには、第1の電流と第2の電流のうち、低
いゲート電圧で流れる第2の電流を抑制することが効果的である。
【0036】
図11(B)に、各ゲート電圧時の膜厚方向における電流密度分布を示す。ゲート電圧V
gに、-3Vを印加している場合は、トランジスタはオフ状態であり、チャネル領域は電
子が排斥されて完全空乏状態となる。ゲート電圧VgがVth_2より大きくなると、チ
ャネル領域は部分空乏状態となり、バックチャネル側を第2の電流が流れ始める。ゲート
電圧Vgが、Vth_2<Vg<Vth_1の時では、オン電流は第2の電流が支配的で
あるが、ゲート電圧VgがVth_1より大きくなると、第2の電流は増加せずに、ゲー
ト絶縁層界面の電流密度が増加しており、第1の電流の電流密度と比較して第2の電流の
電流密度は二桁程度小さい。即ち、トランジスタがオン状態では、第1の電流が支配的で
あることがわかる。
【0037】
本発明の一態様で示すトランジスタは、チャネル形成領域を含む酸化物半導体層を挟んで
第1のゲート電極層と第2のゲート電極層を有し、一方のゲート電極層にバイアス電圧を
印加することで、バックチャネル側の第2の電流の発生を抑制する。よって、トランジス
タのしきい値電圧をプラス方向に変動させることが可能となる。
【0038】
また、ゲート電極層として、仕事関数の大きい(例えば、5電子ボルト以上)導電層を用
いることで、しきい値電圧をよりプラス方向へ変動させることが可能となる。仕事関数の
大きい導電層として、例えば、少なくとも酸化物半導体層より高い濃度で窒素を含有する
In-Ga-Zn-O膜を用いることができる。
【0039】
なお、ゲート絶縁層(ゲート電極層と酸化物半導体層との間に設けられた絶縁層)に、ナ
トリウムのようなプラスイオンが含まれると、ゲート電極層にプラスのバイアス電圧を印
加した場合、プラスイオンがゲート絶縁層と酸化物半導体層の界面へ移動することになる
ため、トランジスタのしきい値電圧がマイナス方向へ変動する原因となる。しかしながら
、ゲート電極層に仕事関数の大きな材料を用いることで、酸化物半導体層とゲート絶縁層
の界面におけるプラスイオンを、ゲート電極層側に移動させることが可能となる。
【0040】
図12に、酸化物半導体層をIn-Ga-Zn-O膜とし、ゲート電極層を窒素を含むI
n-Ga-Zn-O膜としたOSFETモデルにおけるバンド構造の模式図の例を示す。
ここでは、酸化物半導体層(図12においてはOSと示す)であるIn-Ga-Zn-O
膜の電子親和力を4.6電子ボルト、バンドギャップを3.2電子ボルトとし、ゲート電
極層(図12においてはGEと示す)である窒素を含むIn-Ga-Zn-O膜の仕事関
数を5.6電子ボルト、バンドギャップを1.8電子ボルトとする。なお、図12におい
て、酸化物半導体層はn型であり、そのフェルミレベルEはバンドギャップ中央よりも
上側に位置する。
【0041】
図12に示すように、In-Ga-Zn-O膜のエネルギーバンドは、ゲート絶縁層(図
12においてはGIと示す)界面で上向きに曲がり、フラットバンド電圧がVFB>0と
なる。よって、ゲート絶縁層において酸化物半導体層との界面からゲート電極層との界面
に向かって電界が生じ、酸化物半導体層との界面はプラスに帯電し、ゲート電極層との界
面はマイナスに帯電する。従って、酸化物半導体層との界面におけるプラスイオンは、ゲ
ート電極層側へと移動する。
【0042】
以上のように、ゲート電極層に仕事関数の大きな材料(例えば、窒素を含むIn-Ga-
Zn-O膜等)を用いることで、酸化物半導体層界面におけるプラスイオンをゲート電極
層側に引き寄せる効果も奏する。
【発明の効果】
【0043】
本発明の一態様によって、ノーマリオフのトランジスタを実現することができる。又は、
トランジスタがノーマリオンであっても、トランジスタのしきい値電圧を0Vに近づける
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】半導体装置の一形態を示す平面図及び断面図。
図2】半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図3】半導体装置の一形態を示す断面図及び回路図。
図4】半導体装置の一形態を示す回路図及び斜視図。
図5】半導体装置の一態様を説明するブロック図及びその一部の回路図。
図6】電子機器を説明する図。
図7】電子機器を説明する図。
図8】電子機器を説明する図。
図9】計算に用いたトランジスタの構成を示す図。
図10】計算で得られたIdVg特性を示す図。
図11】(A)IdVg特性とその2階微分したグラフ(B)各ゲート電圧時の膜厚方向における電流密度分布。
図12】OSFETモデルにおけるバンド構造の模式図。
図13】半導体装置の一態様を示す断面図及び回路図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以
下の説明に限定されず、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容
易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈され
るものではない。
【0046】
なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には
、同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同
様の機能を有する部分を指す場合にはハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場
合がある。
【0047】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、膜の厚さ、又は領域は、明瞭
化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0048】
なお、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであ
り、工程順又は積層順を示すものではない。また、本明細書等において発明を特定するた
めの事項として固有の名称を示すものではない。
【0049】
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置さ
れている状態をいう。従って、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」と
は、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、
85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0050】
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す

(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置及び半導体装置の作製方法の一形態を、図1及び図2を用
いて説明する。本実施の形態では、半導体装置の一例として酸化物半導体積層を有するト
ランジスタを示す。
【0051】
図1(A)及び図1(B)に示すトランジスタ120の構成例を示す。図1(A)はトラ
ンジスタ120の平面図であり、図1(B)は、図1(A)中の鎖線X1-Y1における
断面図である。
【0052】
チャネル長方向の断面図である図1(B)に示すように、トランジスタ120は、絶縁表
面を有する基板100上に、ゲート電極層102と、絶縁層104と、酸化物半導体層1
06a及び酸化物半導体層106bを含む酸化物半導体積層106と、ソース電極層10
8aと、ドレイン電極層108bと、絶縁層110と、ゲート電極層112と、を含んで
構成される。
【0053】
トランジスタ120において、ゲート電極層102は、絶縁層104を介して酸化物半導
体積層106と重畳し、ゲート電極層112は、絶縁層110を介して酸化物半導体積層
106と重畳する。また、酸化物半導体層106bは、酸化物半導体層106a上に接し
て設けられ、ソース電極層108a及びドレイン電極層108bは、酸化物半導体層10
6bにおいて酸化物半導体積層106と接する。また、絶縁層110は、酸化物半導体積
層106の一部、ソース電極層108a及びドレイン電極層108b上に接して設けられ
、且つ、酸化物半導体積層106において、絶縁層110と接する領域の膜厚は、ソース
電極層108a及びドレイン電極層108bと接する領域の膜厚よりも小さい。
【0054】
酸化物半導体積層106において、膜厚の小さい領域は、ソース電極層108a及びドレ
イン電極層108bとなる導電膜の加工の際に一部がエッチングされることによって、又
はソース電極層108a及びドレイン電極層108bを形成後に酸化物半導体積層106
の露出した領域にエッチング処理を行うことによって、形成される。当該領域は、トラン
ジスタ120のチャネル形成領域として機能する領域である。酸化物半導体積層106は
、チャネル形成領域の膜厚が小さいため、当該領域に含有しうる酸素欠損をその他の領域
と比較して低減することができるため、膜厚を小さくすることで、チャネル形成領域にお
けるドナー密度を低減することも可能となる。
【0055】
また、酸化物半導体積層106において、チャネル形成領域の膜厚を小さくすることで、
ソース電極層108a及びドレイン電極層108bと接する領域の抵抗をチャネル形成領
域と比較して低減することができる。よって、ソース電極層108a及びドレイン電極層
108bとのコンタクト抵抗を低減することが可能となる。
【0056】
上述したように、酸化物半導体層を適用するトランジスタにおいて、活性層の酸化物半導
体層の薄膜化と、含有されるドナー密度の低減は、トランジスタのノーマリオフ化を達成
するために重要である。本実施の形態で示すトランジスタ120は、チャネル形成領域の
膜厚が小さい酸化物半導体積層106を含んで構成されるため、トランジスタのしきい値
電圧のマイナス方向への変動を抑制することができる。
【0057】
なお、本実施の形態においては、酸化物半導体積層106中の酸化物半導体層106bの
一部の領域がエッチングされることで、酸化物半導体積層106において膜厚が小さい領
域が形成される場合を例に示す。ただし、本発明の実施の形態はこれに限られず、酸化物
半導体層106aの一部の領域がエッチングされることで、膜厚の小さい領域が形成され
てもよいし、酸化物半導体層106a及び酸化物半導体層106bの一部の領域がエッチ
ングされることで、膜厚の小さい領域が形成されてもよい。
【0058】
酸化物半導体積層106に含まれる酸化物半導体層106bとしては、インジウム(In
)とガリウム(Ga)とを少なくとも含み、その含有率がIn≦Gaである酸化物半導体
を用いることが好ましい。GaはInと比較して酸素欠損の形成エネルギーが大きく酸素
欠損を生じにくいため、In≦Gaの組成となる酸化物は、In>Gaの組成となる酸化
物と比較して安定した特性を備える。このような酸化物半導体材料を適用することで、ト
ランジスタの信頼性を高めることができる。
【0059】
また、酸化物半導体積層106に含まれる酸化物半導体層106aとしては、InとGa
とを少なくとも含み、その含有率がIn>Gaである酸化物半導体を用いることが好まし
い。酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含
有率を多くすることによりs軌道のオーバーラップが多くなる傾向があるため、In>G
aの組成となる酸化物はIn≦Gaの組成となる酸化物と比較して高い移動度を備える。
よって、酸化物半導体層106aにチャネルが形成された場合に、トランジスタの移動度
を向上させることができる。
【0060】
酸化物半導体層106aの膜厚は、3nm以上15nm以下とすることが好ましく、7n
m以上12nm以下とすることがより好ましい。また、ソース電極層108a及びドレイ
ン電極層108bと接する領域の酸化物半導体層106bの膜厚は、3nm以上15nm
以下とすることが好ましく、5nm以上12nm以下とすることがより好ましい。なお、
酸化物半導体積層106において、チャネル形成領域として機能する領域(ソース電極層
108a及びドレイン電極層108bの間の領域)の膜厚は、3nm以上20nm未満と
することが好ましく、5nm以上15nm未満とすることがより好ましい。
【0061】
酸化物半導体層106aと接する絶縁層104は、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含
む領域(以下、酸素過剰領域とも表記する)を含むことが好ましい。酸化物半導体層10
6aと接する絶縁層104が酸素過剰領域を含むことで、酸化物半導体層106aへ酸素
を供給することが可能となる。よって、酸化物半導体層106aからの酸素の脱離を防止
するとともに酸素欠損を補填することが可能となる。同様に、酸化物半導体層106bと
接する絶縁層110も酸素過剰領域を含むことが好ましい。
【0062】
ゲート電極層102は、少なくとも絶縁層104と接する面側を、酸化物半導体層106
aの仕事関数よりも大きな仕事関数を有する材料、より好ましくは1電子ボルト以上大き
な仕事関数を有する材料を用いることが望ましい。同様に、ゲート電極層112は、少な
くとも絶縁層110と接する面側を、酸化物半導体層106bの仕事関数よりも大きな仕
事関数を有する材料、より好ましくは1電子ボルト以上大きな仕事関数を有する材料を用
いることが望ましい。当該材料としては、例えば、窒素を含むIn-Ga-Zn-O膜、
窒素を含むIn-Sn-O膜、窒素を含むIn-Ga-O膜、窒素を含むIn-Zn-O
膜、窒素を含むSn-O膜、窒素を含むIn-O膜、金属窒化物膜(窒化インジウム膜、
窒化亜鉛膜、窒化タンタル膜、窒化タングステン膜など)を用いることができる。これら
の膜は、5電子ボルト以上の仕事関数を有し、トランジスタのしきい値電圧をプラスにす
ることができ、ノーマリオフのスイッチングトランジスタを実現できる。例えば、窒素を
含むIn-Ga-Zn-O膜を用いる場合、少なくとも酸化物半導体層106a及び酸化
物半導体層106bより高い濃度で窒素を含有するIn-Ga-Zn-O膜を用いればよ
い。
【0063】
本実施の形態において、ゲート電極層102はバックゲートとして機能する電極層であり
、その電位は、固定電位又はGND等、適宜設定することができる。バックゲートに印加
するゲート電圧を制御することによって、トランジスタ120のしきい値電圧を制御する
ことができる。このため、トランジスタ120をノーマリオフ型とすることができる。
【0064】
また、ゲート電極層102にマイナスのバイアス電圧を印加した場合、絶縁層104に不
純物として含まれうるプラスイオン(例えば、Na等)をゲート電極層102側に移動
させることができる。
【0065】
以下に、図2を用いて、トランジスタ120の作製方法の一例を示す。
【0066】
まず、絶縁表面を有する基板100上に、ゲート電極層102を形成する。
【0067】
絶縁表面を有する基板100に使用することができる基板に大きな制約はないが、少なく
とも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有することが必要となる。例えば、バリウム
ホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラス等のガラス基板、セラミック基板、石英基
板、サファイヤ基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコン等の単結
晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI
基板等を適用することができ、これらの基板に半導体素子が設けられたものを基板100
として用いてもよい。
【0068】
ゲート電極層102の材料は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニ
ウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金
材料を用いて形成することができる。また、ゲート電極層102としてリン等の不純物元
素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイド等のシ
リサイド膜を用いてもよい。ゲート電極層102は単層構造としてもよいし、積層構造と
してもよい。ゲート電極層102はテーパ形状としてもよく、例えばテーパ角を30°以
上70°以下とすればよい。ここで、テーパ角とは、テーパ形状を有する層の側面と、当
該層の底面との間の角度を指す。
【0069】
また、ゲート電極層102の材料は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含む
インジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むイ
ンジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウムスズ酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸
化ケイ素を添加したインジウムスズ酸化物等の導電性材料を適用することもできる。
【0070】
なお、ゲート電極層102は、少なくとも後に形成する絶縁層104と接する面側を、絶
縁層104上に接して設けられる酸化物半導体層の仕事関数よりも大きな仕事関数を有す
る材料、より好ましくは1電子ボルト以上大きな仕事関数を有する材料を用いることが望
ましい。仕事関数の大きな導電性材料としては、例えば窒素を含む金属酸化物を適用する
ことができる。
【0071】
次いで、ゲート電極層102を覆うようにゲート電極層102上に絶縁層103を形成す
る。絶縁層103としては、プラズマCVD法、スパッタリング法等により、酸化シリコ
ン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸
化ガリウム、酸化亜鉛ガリウム、又はこれらの混合材料を含む膜の単層又は積層構造を設
けることができる。
【0072】
絶縁層103は、後に加工され、酸化物半導体積層106と接する絶縁層104となる層
である。よって、絶縁層103は酸素過剰領域を有することが好ましい。絶縁層103に
酸素過剰領域を設けるには、例えば、酸素雰囲気下にて絶縁層103を形成すればよい。
又は、成膜後の絶縁層103に酸素を導入して、絶縁層103に酸素過剰領域を形成して
もよい。
【0073】
本実施の形態においては、絶縁層103に酸素400(少なくとも、酸素ラジカル、酸素
原子、酸素イオンのいずれかを含む)を導入して酸素過剰領域402を形成する(図2
A)参照)。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイ
マージョンイオン注入法、プラズマ処理等を用いることができる。
【0074】
図2(A)では、絶縁層103に導入された酸素のピーク位置を明示的に点線で示し、当
該領域を酸素過剰領域402として図示している。なお、酸素の導入深さや導入された酸
素の分布は図2(A)に示す構造に限られない。
【0075】
次いで、絶縁層103の表面の平坦化処理を行い、絶縁層104を形成する(図2(B)
参照)。平坦化処理としては、特に限定されないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨
法)、ドライエッチング処理、プラズマ処理等を用いることができ、これらを、組み合わ
せて行ってもよい。
【0076】
なお、絶縁層103の平坦化処理においては、酸素過剰領域402を除去することないよ
う、酸素400の導入深さ及び絶縁層103の除去膜厚等を適宜設定するものとする。
【0077】
また、絶縁層を水素(水や水酸基なども含む)などの不純物が低減され、且つ酸素過剰な
状態とするために、絶縁層104(又は平坦化処理前の絶縁層103)に水素又は水素化
合物を除去(脱水化又は脱水素化)するための加熱処理を行ってもよい。
【0078】
次いで、絶縁層104上に、酸化物半導体層106aとなる酸化物半導体膜及び酸化物半
導体層106bとなる酸化物半導体膜を積層し、島状に加工して酸化物半導体層106a
及び酸化物半導体層106bを含む酸化物半導体積層106を形成する(図2(C)参照
)。
【0079】
酸化物半導体層106a及び酸化物半導体層106bはそれぞれ、非晶質構造であっても
よいし、結晶構造を有していてもよい。酸化物半導体層106a又は106bを非晶質構
造とする場合には、後の作製工程において、酸化物半導体積層106に熱処理を行うこと
によって、結晶性酸化物半導体層としてもよい。非晶質酸化物半導体層を結晶化させる熱
処理の温度は、250℃以上700℃以下、好ましくは、400℃以上、より好ましくは
500℃以上、さらに好ましくは550℃以上とする。なお、当該熱処理は、作製工程に
おける他の熱処理を兼ねることも可能である。
【0080】
酸化物半導体層106a及び酸化物半導体層106bとなる酸化物半導体膜の成膜方法は
、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、C
VD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Depositio
n)法等を適宜用いることができる。
【0081】
酸化物半導体膜を成膜する際、できる限り酸化物半導体膜に含まれる水素濃度を低減させ
ることが好ましい。水素濃度を低減させるには、例えば、スパッタリング法を用いて成膜
を行う場合には、スパッタリング装置の成膜室内に供給する雰囲気ガスとして、水素、水
、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度の希ガス(代表的にはアルゴン)
、酸素、及び希ガスと酸素との混合ガスを適宜用いる。
【0082】
また、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し
て成膜を行うことで、成膜された酸化物半導体膜の水素濃度を低減させることができる。
成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ
、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、ターボ
分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプは、例えば
、水素分子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化
合物も)等の排気能力が高いため、クライオポンプを用いて排気した成膜室で成膜した酸
化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0083】
また、酸化物半導体膜をスパッタリング法で成膜する場合、成膜に用いる金属酸化物ター
ゲットの相対密度(充填率)は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9
%以下とする。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化
物半導体層を緻密な膜とすることができる。
【0084】
また、基板100を高温に保持した状態で酸化物半導体膜を形成することも、酸化物半導
体膜中に含まれうる不純物濃度を低減するのに有効である。基板100を加熱する温度と
しては、150℃以上450℃以下とすればよく、好ましくは基板温度が200℃以上3
50℃以下とすればよい。また、成膜時に基板を高温で加熱することで、結晶性酸化物半
導体膜を形成することができる。
【0085】
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
【0086】
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非
単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化
物半導体膜、CAAC-OS(C Axis Aligned Crystalline
Oxide Semiconductor)膜などをいう。
【0087】
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸
化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の
酸化物半導体膜が典型である。
【0088】
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶
ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原
子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜より
も欠陥準位密度が低いという特徴がある。
【0089】
CAAC-OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結
晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC-O
S膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内
に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC-OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠
陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC-OS膜について詳細な説明を行う
【0090】
CAAC-OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Elect
ron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結
晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CA
AC-OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
【0091】
CAAC-OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察
)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子
の各層は、CAAC-OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸
を反映した形状であり、CAAC-OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
【0092】
一方、CAAC-OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TE
M観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列しているこ
とを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られな
い。
【0093】
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC-OS膜の結晶部は配向性を有して
いることがわかる。
【0094】
CAAC-OS膜に対し、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜
のout-of-plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC-OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概
略垂直な方向を向いていることが確認できる。
【0095】
一方、CAAC-OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin-pl
ane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは
、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化
物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)と
して試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に
帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC-OS膜の場合は、2θを5
6°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
【0096】
以上のことから、CAAC-OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不
規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行
な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配
列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
【0097】
なお、結晶部は、CAAC-OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行
った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC-OS膜の被形成面また
は上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC-OS膜の形
状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC-OS膜の被形成面
または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
【0098】
また、CAAC-OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC-OS膜
の結晶部が、CAAC-OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面
近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAA
C-OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分
的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
【0099】
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC-OS膜のout-of-plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC-OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC-OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
【0100】
CAAC-OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動
が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0101】
なお、酸化物半導体層106a及び酸化物半導体層106bはそれぞれ、非晶質酸化物半
導体膜、微結晶酸化物半導体膜、又はCAAC-OS膜のいずれの構造であってもよく、
二種以上の混合膜であってもよい。また、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物
半導体膜、CAAC-OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
【0102】
酸化物半導体層106a及び/又は酸化物半導体層106bとしてCAAC-OS膜を適
用する場合、該CAAC-OS膜を得る方法としては、例えば、成膜温度を200℃以上
450℃以下として酸化物半導体膜の成膜を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法
がある。または、酸化物半導体膜を薄い膜厚で成膜した後、200℃以上700℃以下の
熱処理を行い、表面に概略垂直にc軸配向させてもよい。または、一層目として薄い膜厚
で成膜した後、200℃以上700℃以下の熱処理を行い、二層目の成膜を行い、表面に
概略垂直にc軸配向させてもよい。
【0103】
酸化物半導体層106a及び酸化物半導体層106bには、少なくともインジウム(In
)を含む酸化物半導体を用いる。特に、インジウムと亜鉛(Zn)を含む酸化物半導体を
用いることが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつ
きを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有すること
が好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニ
ウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を有することが好まし
い。
【0104】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(
Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム
(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ル
テチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
【0105】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化
物であるIn-Zn系酸化物、In-Mg系酸化物、In-Ga系酸化物、三元系金属の
酸化物であるIn-Ga-Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In-Al-Zn系
酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、In-Hf-Zn系酸化物、In-La-Zn系酸
化物、In-Ce-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In-Nd-Zn系酸化
物、In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-Gd-Zn系酸化物
、In-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-Ho-Zn系酸化物、
In-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb-Zn系酸化物、I
n-Lu-Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn-Sn-Ga-Zn系酸化物、
In-Hf-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Al
-Zn系酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物を
用いることができる。
【0106】
例えば、In-Ga-Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物
という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の
金属元素が入っていてもよい。
【0107】
また、酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0、且つ、mは整数でない)
で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれ
た一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、InSnO
(ZnO)(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
【0108】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Ga:Z
n=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)、あるいはIn:Ga:Zn=3:1:2
(=1/2:1/6:1/3)の原子数比のIn-Ga-Zn系酸化物やその組成の近傍
の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:
1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるい
はIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子数比のIn-Sn
-Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0109】
しかし、インジウムを含む酸化物半導体を用いたトランジスタは、これらに限られず、必
要とする電気的特性(電界効果移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のも
のを用いればよい。また、必要とする電気的特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃
度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすること
が好ましい。
【0110】
例えば、In-Sn-Zn系酸化物半導体を用いたトランジスタでは比較的容易に高い電
界効果移動度が得られる。しかしながら、In-Ga-Zn系酸化物半導体を用いたトラ
ンジスタでも、バルク内欠陥密度を低くすることにより電界効果移動度を上げることがで
きる。
【0111】
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+
c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C
=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a-A)+(b-B)
(c-C)≦rを満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。
他の酸化物でも同様である。
【0112】
なお、酸化物半導体層106aと酸化物半導体層106bに、結晶性の異なる酸化物半導
体を適用してもよい。すなわち、単結晶酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化
物半導体、非晶質酸化物半導体、またはCAAC-OSを適宜組み合わせた構成としても
よい。
【0113】
また、酸化物半導体積層106に、当該酸化物半導体積層106に含まれる過剰な水素(
水や水酸基を含む)を除去(脱水化又は脱水素化)するための熱処理を行うことが好まし
い。熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、又は基板の歪み点未満とする。熱処理
は減圧下又は窒素雰囲気下などで行うことができる。この熱処理によって、n型の導電性
を付与する不純物である水素を酸化物半導体から除去することができる。
【0114】
なお、脱水化又は脱水素化のための熱処理は、酸化物半導体層の成膜後であればトランジ
スタ120の作製工程においてどのタイミングで行ってもよい。また、脱水化又は脱水素
化のための熱処理は、複数回行ってもよく、他の熱処理と兼ねてもよい。
【0115】
なお、脱水化又は脱水素化のための熱処理を、酸化物半導体膜を島状に加工する前に行う
と、絶縁層104に含まれる酸素が熱処理によって放出されるのを防止することができる
ため好ましい。
【0116】
熱処理においては、窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素など
が含まれないことが好ましい。又は、熱処理装置に導入する窒素、又はヘリウム、ネオン
、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.
99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)と
することが好ましい。
【0117】
また、熱処理で酸化物半導体積層106(又は、島状に加工前の酸化物半導体膜)を加熱
した後、加熱温度を維持、又はその加熱温度から徐冷しながら同じ炉に高純度の酸素ガス
、高純度の一酸化二窒素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレー
ザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で-5
5℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入し
てもよい。酸素ガス又は一酸化二窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい
。又は、熱処理装置に導入する酸素ガス又は一酸化二窒素ガスの純度を、6N以上好まし
くは7N以上(即ち、酸素ガス又は一酸化二窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好
ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又は一酸化二窒素ガスの作
用により、脱水化又は脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしま
った酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導
体層を高純度化及びi型(真性)化することができる。
【0118】
また、脱水化又は脱水素化処理によって、酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素
が同時に脱離して減少してしまうおそれがあるため、脱水化又は脱水素化処理を行った酸
化物半導体層に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれか
を含む)を導入して膜中に酸素を供給してもよい。
【0119】
脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体層に、酸素を導入して膜中に酸素を供給す
ることによって、酸化物半導体層を高純度化、及びi型(真性)化することができる。高
純度化し、i型(真性)化した酸化物半導体を有するトランジスタは、電気特性変動が抑
制されており、電気的に安定である。
【0120】
酸化物半導体層に酸素導入する場合、酸化物半導体層に直接導入してもよいし、後に形成
される絶縁層110などの他の膜を通過して酸化物半導体層へ導入してもよい。酸素を他
の膜を通過して導入する場合は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージ
ョンイオンインプランテーション法などを用いればよい。露出された酸化物半導体層へ直
接酸素を導入する場合は、上記の方法に加えてプラズマ処理なども用いることができる。
【0121】
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、Oガス、N
ガス、COガス、COガス、NOガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガ
スに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
【0122】
例えば、イオン注入法で酸化物半導体層へ酸素イオンの注入を行う場合、ドーズ量を1×
1013ions/cm以上5×1016ions/cm以下とすればよい。
【0123】
または、酸化物半導体層と接する絶縁層(絶縁層104又は絶縁層110)を、酸素過剰
領域を含む層とし、該絶縁層と酸化物半導体層とが接した状態で熱処理を行うことにより
、絶縁層に過剰に含まれる酸素を酸化物半導体層へ拡散させ、酸化物半導体層へ酸素を供
給してもよい。該熱処理は、トランジスタ120の作製工程における他の熱処理と兼ねる
こともできる。
【0124】
酸化物半導体層への酸素の供給は酸化物半導体層の成膜後であれば、そのタイミングは特
に限定されない。また、酸化物半導体層への酸素の導入は複数回行ってもよい。また、脱
水化又は脱水素化のための熱処理及び/又は酸素の供給は、各酸化物半導体層に対して別
々に行ってもよいし、積層構造を形成した後の酸化物半導体積層106に対して行っても
よい。
【0125】
絶縁層104と酸化物半導体層106aとなる酸化物半導体膜とは、大気に曝露せずに連
続的に形成することが好ましい。絶縁層104と該酸化物半導体膜とを連続的に形成する
と、絶縁層104表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる
【0126】
次いで、酸化物半導体積層106上にソース電極層108a及びドレイン電極層108b
となる導電膜108を形成する(図2(D)参照)。導電膜108としては、例えば、A
l、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した
元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜
)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または
双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、
窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としてもよい。また、ソース
電極層108a及びドレイン電極層108bに用いる導電膜としては、導電性の金属酸化
物で形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化
スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In-SnO
)、酸化インジウム酸化亜鉛(In-ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に
酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0127】
また、導電膜108として窒素を含むIn-Ga-Zn-O膜、窒素を含むIn-Sn-
O膜、窒素を含むIn-Ga-O膜、窒素を含むIn-Zn-O膜、窒素を含むSn-O
膜、窒素を含むIn-O膜等の金属窒化物膜を用いることができる。これらの膜は、酸化
物半導体層106bと同じ構成元素を含むため、酸化物半導体層106bとの界面を安定
化させることができる。例えば、導電膜108として、酸化物半導体層106bに接する
側から窒素を含むIn-Ga-Zn-O膜とタングステン膜の積層構造を適用することが
できる。
【0128】
次いで、導電膜108を選択的にエッチング処理して、ソース電極層108a及びドレイ
ン電極層108bを形成する(図2(E)参照)。ソース電極層108a及びドレイン電
極層108bはテーパ形状としてもよい。ソース電極層108a及びドレイン電極層10
8bがテーパ形状であると、ソースとドレイン間の電界集中を緩和することが可能である
ため好ましい。
【0129】
また、このエッチング処理によって、酸化物半導体層106bの一部が同時にエッチング
され、ソース電極層108aとドレイン電極層108bとの間に膜厚の小さい領域が形成
される。または、ソース電極層108a及びドレイン電極層108bを形成後、露出した
酸化物半導体層106bにエッチング処理(例えば、ウェットエッチング処理)を行うこ
とによって、膜厚の小さい領域を形成してもよい。ソース電極層108a及びドレイン電
極層108bの加工処理によって、及び/又は、その後のエッチング処理によって薄膜化
した領域における酸化物半導体層106bの膜厚は、1nm以上2nm以下とすることが
好ましい。
【0130】
その後、露出した酸化物半導体層106b、ソース電極層108a及びドレイン電極層1
08bを覆うように、絶縁層110を形成する。絶縁層110は、ゲート絶縁層として機
能する絶縁層である。絶縁層110上にゲート電極層112(同じ層で形成される配線を
含む)となる導電膜を形成し、選択的にエッチング処理して、ゲート電極層112を形成
する(図2(F)参照)。
【0131】
絶縁層110としては、絶縁層104と同様の材料、同様の成膜方法を適用することがで
きる。なお、絶縁層110の膜厚は、5nm以上30nm以下とすることが好ましく、9
nm以上22nm以下とすることがより好ましい。
【0132】
ゲート電極層112としては、ゲート電極層102と同様の材料、同様の成膜方法を適用
することができる。なお、ゲート電極層112として、少なくとも絶縁層110と接する
面側を、酸化物半導体層106bの仕事関数よりも大きな仕事関数を有する材料、より好
ましくは1電子ボルト以上大きな仕事関数を有する材料を用いることが望ましい。
【0133】
以上によって、本実施の形態のトランジスタ120を形成することができる。
【0134】
本実施の形態で示すトランジスタ120は、チャネル形成領域の膜厚がその他の領域(例
えば、ソース電極層108a及びドレイン電極層108bと接する領域、但し、酸化物半
導体層端部のテーパ部は除く)よりも小さい酸化物半導体積層106を含んで構成される
。これによって、トランジスタ120のしきい値電圧のマイナス方向へのシフトを抑制す
ることができる。
【0135】
また、本実施の形態で示すトランジスタ120は、チャネル形成領域を含む酸化物半導体
積層106を挟んでゲート電極層102とゲート電極層112を有し、ゲート電極層10
2にマイナスのバイアス電圧を印加することで、バックチャネル側の第2の電流の発生を
抑制する。よって、トランジスタ120のしきい値電圧をプラス方向に変動させることが
可能となる。
【0136】
以上、本実施の形態で示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることが可能である。
【0137】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示すトランジスタを適用した半導体装置の一例として
、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が
無い半導体装置を、図面を用いて説明する。
【0138】
図3は、半導体装置の構成の一例である。図3(A)に、半導体装置の断面図を、図3
B)に半導体装置の回路図をそれぞれ示す。
【0139】
図3(A)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ160を
有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ162を有するものである。トラン
ジスタ162としては、実施の形態1で示した本発明の一態様のトランジスタを適用する
ことができる。
【0140】
ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なるバンドギャップを持つ材料とする
ことが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン
など)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の
材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたト
ランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。
【0141】
なお、上記トランジスタは、いずれもnチャネル型トランジスタであるものとして説明す
るが、pチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。また、情報
を保持するために酸化物半導体を用いた実施の形態1に示すようなトランジスタをトラン
ジスタ162として用いる他、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半
導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
【0142】
図3(A)におけるトランジスタ160は、半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む
基板200に設けられたチャネル形成領域216と、チャネル形成領域216を挟むよう
に設けられた不純物領域214及び高濃度不純物領域220(これらを合わせて単に不純
物領域とも呼ぶ)と、高濃度不純物領域220に接する金属間化合物領域224と、チャ
ネル形成領域216上に設けられたゲート絶縁層208と、ゲート絶縁層208上に設け
られたゲート電極層210と、ゲート電極層210の側面に設けられたサイドウォール絶
縁層218と、電極層212aと、電極層212bと、を有する。
【0143】
なお、電極層212a及び電極層212bは、ソース電極層又はドレイン電極層として機
能する電極層であり、ゲート電極層210上の絶縁層228に設けられたコンタクトホー
ルを介して、金属間化合物領域224と電気的に接続している。絶縁層228は単層構造
としても積層構造としてもよく、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウ
ム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコ
ン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0144】
基板200上にはトランジスタ160を囲むように素子分離絶縁層206が設けられてい
る。
【0145】
単結晶半導体基板を用いたトランジスタ160は、高速動作が可能である。このため、当
該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報の読み出しを高速
に行うことができる。
【0146】
図3(A)に示すトランジスタ162は、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトラ
ンジスタである。酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、極めて小さ
いオフ特性を実現することができる。なお、トランジスタ162に含まれる酸化物半導体
層は、高純度化されたものであることが望ましい。高純度化された酸化物半導体を用いる
ことで、より優れたオフ特性のトランジスタ162を得ることができる。
【0147】
トランジスタ162は、オフ電流が小さいため、これを用いることにより長期にわたり記
憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、或いは
、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ない半導体記憶装置とすることが可能となるため、
消費電力を十分に低減することができる。
【0148】
トランジスタ162は、酸化物半導体層244aと、酸化物半導体層244bとを含み、
チャネル形成領域における膜厚がその他(例えば、電極層268a又は電極層268bと
接する領域)よりも小さい酸化物半導体積層244を有する。従って、トランジスタ16
2に含まれる酸化物半導体積層244は、チャネル形成領域が薄膜化されており、しきい
値電圧のマイナス方向へのシフトを抑制することができる。また、トランジスタ162は
、ゲート絶縁層260を介して酸化物半導体積層244と重畳するゲート電極層262に
加えて、絶縁層203及び絶縁層204を介して酸化物半導体積層244と重畳するゲー
ト電極層202bを有する。ゲート電極層202bはバックゲート電極として用いること
ができ、ゲート電極層202bにマイナスのバイアス電圧を印加することで、バックチャ
ネル側で第2の電流が流れることを抑制し、トランジスタ162のしきい値電圧をプラス
方向に変動させることが可能となる。これらによって、トランジスタ162をノーマリオ
フのトランジスタとすることができる。
【0149】
絶縁層203及び絶縁層204としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミ
ニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛ガリウム、又
はこれらの混合材料を含む膜を適用することができる。なお、酸化物半導体積層244(
具体的には、酸化物半導体層244a)と接する絶縁層204は、酸素過剰領域を有する
ことが好ましい。
【0150】
なお、絶縁層203として、酸素に対するバリア性を有する膜を適用すると、絶縁層20
4からの酸素の脱離を防止することができるため好ましい。酸素に対するバリア性を有す
る膜としては、酸素に対する透過性が少なくとも絶縁層204よりも低い膜を用いればよ
く、具体的には、例えば、アルミニウム、マグネシウムを添加したアルミニウム、チタン
を添加したアルミニウム、マグネシウム、又はチタン等の酸化物膜若しくは窒化物膜を、
単層で、又は積層で用いることができる。また、絶縁層203として、酸素に対するバリ
ア性に加えて、水素、水分などの不純物に対する透過性の低い膜を用いることがより好ま
しい。このような膜として、酸化アルミニウム膜を好適に用いることができる。絶縁層2
03として酸化アルミニウム膜を用いることで、酸素の脱離を防止するだけでなく、トラ
ンジスタ162の電気的特性の変動要因となる水素、水分などの不純物の混入を抑制する
ことができる。
【0151】
なお、ゲート電極層202b、及び電極層202aがテーパ形状を有していると、絶縁層
203の被覆性を良好とすることができるため、好ましい。テーパ角は、30°以上70
°以下とすることが好ましい。
【0152】
トランジスタ162上には、絶縁層232、絶縁層236が単層または積層で設けられて
いる。絶縁層232又は絶縁層236としては、絶縁層203及び絶縁層204と同様の
材料を含む膜を適用することができる。なお、必要であれば、絶縁層236を形成後、C
MP処理等の平坦化処理を施すことで、絶縁層236の表面を平坦化してもよい。または
、絶縁層236として、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形
成してもよく、無機絶縁膜と平坦化絶縁膜を積層させてもよい。平坦化絶縁膜としては、
ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料と用いるこ
とができる。又は、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low-k材料)等を用いるこ
とができる。
【0153】
絶縁層236上には配線層256が設けられている。配線層256は、トランジスタ16
2と、他のトランジスタを接続するための配線である。配線層256は、絶縁層236、
絶縁層232、及びゲート絶縁層260などに形成されたコンタクトホールを介して電極
層268bと電気的に接続される。なお、コンタクトホールに別途電極層を形成し、該電
極層を介して、配線層256と電極層268bとを電気的に接続してもよい。
【0154】
また、ゲート絶縁層260を介して、トランジスタ162の電極層268aと重畳する領
域には、導電層253が設けられており、電極層268aと、ゲート絶縁層260と、導
電層253とによって、容量素子164が構成される。すなわち、トランジスタ162の
電極層268aは、容量素子164の一方の電極として機能し、導電層253は、容量素
子164の他方の電極として機能する。なお、容量が不要の場合には、容量素子164を
設けない構成とすることもできる。また、容量素子164は、別途、トランジスタ162
の上方に設けてもよい。
【0155】
本実施の形態において、導電層253は、トランジスタ162のゲート電極層262と同
一の作製工程によって形成することができる。
【0156】
電極層268aは、ゲート電極層202bと同じ層に形成された電極層202aと電気的
に接続している。また、電極層202aは、絶縁層234に設けられたコンタクトホール
を介して電極層222aと電気的に接続している。図3(A)では図示しないが、電極層
222aは、トランジスタ160のゲート電極層210と電気的に接続している。よって
、トランジスタ162の電極層268aは、トランジスタ160のゲート電極層210と
電気的に接続している。
【0157】
絶縁層230及び絶縁層234の構成は、絶縁層228と同様とすることができる。なお
、絶縁層228、絶縁層230、絶縁層234は、必要であれば平坦化処理を施してもよ
い。また、トランジスタ162の電極層268aと、トランジスタ160のゲート電極層
210との電気的な接続は、図3(A)に示す構成に限られず、間に介する電極層(又は
配線層)、絶縁層の構成は適宜設定することが可能である。例えば、電極層202aと電
極層222aとの間に別途電極層を設けてもよいし、電極層268aとゲート電極層21
0とを直接接続してもよい。
【0158】
なお、絶縁層204が酸素過剰領域を有する場合、絶縁層204に含まれる過剰な酸素が
、コンタクトホールを開口する際に放出される場合があるため、該コンタクトホールは、
酸化物半導体積層244と重畳しない領域に設けることが好ましい。図3(A)では、絶
縁層204において、酸化物半導体積層244と重畳しない領域に設けられたコンタクト
ホールを介して電極層202aと電極層268aが電気的に接続している。但し、絶縁層
204よりも下側(トランジスタ160側)に設けられるコンタクトホールは、酸化物半
導体積層244と重畳してもよい。図3(A)においては、トランジスタ162のゲート
電極層202bと、電極層222aと同じ層に設けられた配線層222bとが電気的に接
続する例を示す。
【0159】
図3(A)において、トランジスタ160と、トランジスタ162とは、少なくとも一部
が重畳するように設けられている。また、トランジスタ162及び容量素子164が、ト
ランジスタ160の少なくとも一部と重畳するように設けられていることが好ましい。例
えば、容量素子164の導電層253は、トランジスタ160のゲート電極層210と少
なくとも一部が重畳して設けられている。このような平面レイアウトを採用することによ
り、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図ることができる
【0160】
次に、図3(A)に対応する回路構成の一例を図3(B)に示す。
【0161】
図3(B)において、第1の配線(1st Line)とトランジスタ160のソース電
極層とは、電気的に接続され、第2の配線(2nd Line)とトランジスタ160の
ドレイン電極層とは、電気的に接続されている。また、第3の配線(3rd Line)
とトランジスタ162のソース電極層またはドレイン電極層の一方とは、電気的に接続さ
れ、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ162のゲート電極層とは、電気
的に接続されている。そして、トランジスタ160のゲート電極層と、トランジスタ16
2のソース電極層またはドレイン電極層の他方は、容量素子164の電極の一方と電気的
に接続され、第5の配線(5th Line)と、容量素子164の電極の他方は電気的
に接続されている。
【0162】
図3(B)に示す半導体装置では、トランジスタ160のゲート電極層の電位が保持可能
という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である
【0163】
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線の電位を、トランジスタ
162がオン状態となる電位にして、トランジスタ162をオン状態とする。これにより
、第3の配線の電位が、トランジスタ160のゲート電極層、および容量素子164に与
えられる。すなわち、トランジスタ160のゲート電極層には、所定の電荷が与えられる
(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lowレベル電荷
、Highレベル電荷という)のいずれかが与えられるものとする。その後、第4の配線
の電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位にして、トランジスタ162をオフ
状態とすることにより、トランジスタ160のゲート電極層に与えられた電荷が保持され
る(保持)。
【0164】
トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ160のゲート電極層
の電荷は長時間にわたって保持される。
【0165】
次に情報の読み出しについて説明する。第1の配線に所定の電位(定電位)を与えた状態
で、第5の配線に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ160のゲート
電極層に保持された電荷量に応じて、第2の配線は異なる電位をとる。一般に、トランジ
スタ160をnチャネル型とすると、トランジスタ160のゲート電極層にHighレベ
ル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ160のゲ
ート電極層にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより
低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ160を「オン
状態」とするために必要な第5の配線の電位をいうものとする。したがって、第5の配線
の電位をVth_HとVth_Lの間の電位Vとすることにより、トランジスタ160
のゲート電極層に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレ
ベル電荷が与えられていた場合には、第5の配線の電位がV(>Vth_H)となれば
、トランジスタ160は「オン状態」となる。Lowレベル電荷が与えられていた場合に
は、第5の配線の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ160は「オフ
状態」のままである。このため、第2の配線の電位を見ることで、保持されている情報を
読み出すことができる。
【0166】
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み
出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、ゲート電極層の状態
にかかわらずトランジスタ160が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_H
より小さい電位を第5の配線に与えればよい。または、ゲート電極層の状態にかかわらず
トランジスタ160が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電
位を第5の配線に与えればよい。
【0167】
本実施の形態に示す半導体装置では、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたオフ電流
の極めて小さいトランジスタを適用することで、極めて長期にわたり記憶内容を保持する
ことが可能である。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動
作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができ
る。また、電力の供給がない場合(ただし、電位は固定されていることが望ましい)であ
っても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。ここで、トランジスタ1
62をノーマリオフのトランジスタとすることで、電力の供給がない場合において、トラ
ンジスタ162のゲート(ゲート電極層262)には接地電位が入力される構成とするこ
とができる。こうして、電力の供給が無い場合において、トランジスタ162はオフ状態
を維持することができ、記憶内容を保持し続けることができる。
【0168】
また、本実施の形態に示す半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素
子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、フローティングゲート
への電子の注入や、フローティングゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、
ゲート絶縁層の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、開示する発明の一様態に係
る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限は
なく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタのオン状態、オフ状態によって
、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。
【0169】
以上のように、微細化及び高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体装
置、及び該半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0170】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0171】
(実施の形態3)
本実施の形態においては、実施の形態1に示すトランジスタを使用し、電力が供給されな
い状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置につ
いて、実施の形態2に示した構成と異なる構成について、図4を用いて説明を行う。
【0172】
図4(A)は、半導体装置の回路構成の一例を示し、図4(B)は半導体装置の一例を示
す概念図である。まず、図4(A)に示す半導体装置について説明を行い、続けて図4
B)に示す半導体装置について、以下説明を行う。
【0173】
図4(A)に示す半導体装置において、ビット線BLとトランジスタ162のソース電極
層又はドレイン電極層とは電気的に接続され、ワード線WLとトランジスタ162のゲー
ト電極層とは電気的に接続され、トランジスタ162のソース電極層又はドレイン電極層
と容量素子254の第1の端子とは電気的に接続されている。
【0174】
次に、図4(A)に示す半導体装置(メモリセル250)に、情報の書き込みおよび保持
を行う場合について説明する。
【0175】
まず、ワード線WLの電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位として、トラン
ジスタ162をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が、容量素子254の
第1の端子に与えられる(書き込み)。その後、ワード線WLの電位を、トランジスタ1
62がオフ状態となる電位として、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、容
量素子254の第1の端子の電位が保持される(保持)。
【0176】
酸化物半導体を用いたトランジスタ162は、オフ電流が極めて小さいという特徴を有し
ている。このため、トランジスタ162をオフ状態とすることで、容量素子254の第1
の端子の電位(あるいは、容量素子254に蓄積された電荷)を極めて長時間にわたって
保持することが可能である。また、トランジスタ162をノーマリオフのトランジスタと
することで、電力の供給がない場合において、トランジスタ162のゲートには接地電位
が入力される構成とすることができる。こうして、電力の供給が無い場合において、トラ
ンジスタ162はオフ状態を維持することができ、記憶内容を保持し続けることができる
【0177】
次に、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ162がオン状態となると、浮遊
状態であるビット線BLと容量素子254とが導通し、ビット線BLと容量素子254の
間で電荷が再分配される。その結果、ビット線BLの電位が変化する。ビット線BLの電
位の変化量は、容量素子254の第1の端子の電位(あるいは容量素子254に蓄積され
た電荷)によって、異なる値をとる。
【0178】
例えば、容量素子254の第1の端子の電位をV、容量素子254の容量をC、ビット線
BLが有する容量成分(以下、ビット線容量とも呼ぶ)をCB、電荷が再分配される前の
ビット線BLの電位をVB0とすると、電荷が再分配された後のビット線BLの電位は、
(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。従って、メモリセル250の状態とし
て、容量素子254の第1の端子の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとす
ると、電位V1を保持している場合のビット線BLの電位(=(CB×VB0+C×V1
)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合のビット線BLの電位(=(CB×
VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
【0179】
そして、ビット線BLの電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができ
る。
【0180】
このように、図4(A)に示す半導体装置は、トランジスタ162のオフ電流が極めて小
さいという特徴から、容量素子254に蓄積された電荷は長時間にわたって保持すること
ができる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度
を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また
、電力の供給がない場合であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能であ
る。
【0181】
次に、図4(B)に示す半導体装置について、説明を行う。
【0182】
図4(B)に示す半導体装置は、上部に記憶回路として図4(A)に示したメモリセル2
50を複数有するメモリセルアレイ251a及び251bを有し、下部に、メモリセルア
レイ251(メモリセルアレイ251a及び251b)を動作させるために必要な周辺回
路258を有する。なお、周辺回路258は、メモリセルアレイ251と電気的に接続さ
れている。
【0183】
図4(B)に示した構成とすることにより、周辺回路258をメモリセルアレイ251(
メモリセルアレイ251a及び251b)の直下に設けることができるため半導体装置の
小型化を図ることができる。
【0184】
周辺回路258に設けられるトランジスタは、トランジスタ162とは異なる半導体材料
を用いるのがより好ましい。例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、
炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いることが
好ましい。他に、有機半導体材料などを用いてもよい。このような半導体材料を用いたト
ランジスタは、十分な高速動作が可能である。したがって、該トランジスタにより、高速
動作が要求される各種回路(論理回路、駆動回路など)を好適に実現することが可能であ
る。
【0185】
なお、図4(B)に示した半導体装置では、2つのメモリセルアレイ251(メモリセル
アレイ251aと、メモリセルアレイ251b)が積層された構成を例示したが、積層す
るメモリセルアレイの数はこれに限定されない。3つ以上のメモリセルアレイを積層する
構成としても良い。
【0186】
以上のように、微細化及び高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体装
置、及び該半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0187】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0188】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本明細書に示すトランジスタを使用した半導体装置の他の例として、
論理回路であるNOR型回路、及びNAND型回路を図13(A)乃至(C)に示す。図
13(B)はNOR型回路であり、図13(C)はNAND型回路である。図13(A)
図13(B)のNOR型回路におけるトランジスタ802及びトランジスタ803の構
造を示す断面図である。
【0189】
図13(B)及び(C)に示すNOR型回路及びNAND型回路では、pチャネル型トラ
ンジスタであるトランジスタ801、802、811、814は、実施の形態2で示した
トランジスタ160と同様の構成とすることができる。本実施の形態では、n型の導電型
を有する半導体材料を用いた基板800(例えば、n型単結晶シリコン基板)に、p型を
付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)
等を導入してp型不純物領域を有するpチャネル型トランジスタを形成する。
【0190】
また、nチャネル型トランジスタであるトランジスタ803、804、812、813は
、実施の形態1で示すトランジスタ120と同様な構造を有するチャネル形成領域に酸化
物半導体膜を用いたトランジスタを適用する。
【0191】
なお、図13(A)乃至(C)に示すNOR型回路及びNAND型回路においては、トラ
ンジスタ803、804、812、813は、酸化物半導体積層のチャネル形成領域が薄
膜化されているため、該トランジスタのしきい値電圧のマイナス方向へのシフトを抑制す
ることができる。また、絶縁層を介して酸化物半導体積層を挟むように第1のゲート電極
層及び第2のゲート電極層が設けられており、一方のゲート電極層をバックゲートとして
用いて、適宜電位を制御し、例えばGNDとすることでトランジスタ803、804、8
12、813のしきい値電圧をよりプラスとし、ノーマリオフのトランジスタとすること
ができる。
【0192】
なお、本実施の形態は、NOR型回路において、トランジスタ803及びトランジスタ8
04に設けられ、バックゲートとして機能できるゲート電極層同士は電気的に接続し、N
AND型回路において、トランジスタ812及びトランジスタ813に設けられ、バック
ゲートとして機能するゲート電極層同士は電気的に接続する例を示す。但し、これに限定
されず、上記バックゲートとして機能するゲート電極層はそれぞれ独立して電気的に制御
される構造であってもよい。
【0193】
図13(A)に示す半導体装置は、基板800に単結晶シリコン基板を用いて、該単結晶
シリコン基板にトランジスタ802を形成し、トランジスタ802上に、酸化物半導体積
層をチャネル形成領域に用いたトランジスタ803を積層する例である。基板800上に
はトランジスタ802を囲むように素子分離絶縁層806が設けられている。
【0194】
トランジスタ803のゲート電極層841aと電気的に接続された電極層841bは、ゲ
ート絶縁層843及び絶縁層839に設けられたコンタクトホールを介して、ゲート電極
層840と同じ層に設けられた電極層である電極層835と電気的に接続している。電極
層835は、絶縁層836及び絶縁層833に設けられたコンタクトホールを介して、配
線層832と電気的に接続している。図13(A)には明示的に図示しないが、配線層8
32は、絶縁層830及び絶縁層826に設けられたコンタクトホールを介して、トラン
ジスタ802のゲート電極層821と電気的に接続している。従って、トランジスタ80
3のゲート電極層841aは、トランジスタ802のゲート電極層821と電気的に接続
している。
【0195】
また、図13(A)には明示的に図示しないが、トランジスタ802の電極層825は、
配線層834と電気的に接続しており、配線層834は、電極層831を介してトランジ
スタ803の電極層845と電気的に接続している。よって、トランジスタ802の電極
層825と、トランジスタ803の電極層845とは、電気的に接続している。
【0196】
なお、トランジスタ802の電極層(又はゲート電極層)と、トランジスタ803の電極
層(又はゲート電極層)との電気的な接続は、図13(A)に示す構成に限られず、間に
介する電極層(又は配線層)、絶縁層の構成は適宜設定することが可能である。
【0197】
図13(A)に示すように、トランジスタ802と、トランジスタ803とを積層しても
設けることより、半導体装置の占有面積の低減を図ることができるため、高集積化を図る
ことができる。また、トランジスタ802はノーマリオフを実現可能なトランジスタであ
るため、論理回路の制御を正確に行うことができる。
【0198】
以上のように、微細化及び高集積化を実現し、かつ高い電気的特性を付与された半導体装
置、及び該半導体装置の作製方法を提供することができる。
【0199】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0200】
(実施の形態5)
本実施の形態では、半導体装置の一例として、上記実施の形態1に開示したトランジスタ
を少なくとも一部に用いたCPU(Central Processing Unit)
について説明する。
【0201】
図5(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図5(A)に示すCPU
は、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic
unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ11
93、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ
1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I
/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM
I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを
用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよ
い。もちろん、図5(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、
実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
【0202】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクション
デコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタ
ラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ
1195に入力される。
【0203】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロー
ラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制
御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御する
ための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラ
ム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク
状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアド
レスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
【0204】
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ119
2、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレ
ジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイ
ミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号C
LK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各
種回路に供給する。
【0205】
図5(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジ
スタ1196のメモリセルには、上記実施の形態2又は3に開示したメモリセルを用いて
もよい。
【0206】
図5(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191か
らの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ
1196が有するメモリセルにおいて、論理(値)を反転させる論理素子によるデータの
保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。論理(値)を反転さ
せる論理素子によるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセ
ルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場
合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源
電圧の供給を停止することができる。
【0207】
電源停止に関しては、図5(B)または図5(C)に示すように、メモリセル群と、電源
電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け
ることにより行うことができる。以下に図5(B)及び図5(C)の回路の説明を行う。
【0208】
図5(B)及び図5(C)では、メモリセルへの電源電位の供給を制御するスイッチング
素子に、上記実施の形態1に開示したトランジスタを含む記憶回路の構成の一例を示す。
【0209】
図5(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、メモリセル1142を複数
有するメモリセル群1143とを有している。具体的に、各メモリセル1142には、実
施の形態2又は3に記載されているメモリセルを用いることができる。メモリセル群11
43が有する各メモリセル1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベ
ルの電源電位VDDが供給されている。さらに、メモリセル群1143が有する各メモリ
セル1142には、信号INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられて
いる。
【0210】
図5(B)では、スイッチング素子1141として、上記実施の形態1に開示したトラン
ジスタを用いており、該トランジスタは、そのゲート電極層に与えられる信号SigAに
よりスイッチングが制御される。
【0211】
なお、図5(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成
を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチング
素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、
上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよい
し、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
【0212】
また、図5(B)では、スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有す
る各メモリセル1142への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが、
スイッチング素子1141により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されていて
もよい。
【0213】
また、図5(C)には、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142に、スイッ
チング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装置
の一例を示す。スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモ
リセル1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
【0214】
メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、ス
イッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合
においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具
体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置へ
の情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消
費電力を低減することができる。
【0215】
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal P
rocessor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmabl
e Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
【0216】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0217】
また、スピントロニクスデバイスとして知られるスピンMRAM(スピン注入磁化反転型
MRAM)と、酸化物半導体を用いたメモリの比較表を表2に示す。
【0218】
【表2】
【0219】
酸化物半導体を用いたトランジスタとシリコンを用いたトランジスタを組み合わせるメモ
リは、表2に示したように、スピントロニクスデバイスと比べて、駆動方式、書き込み原
理、材料などが大きく異なっている。
【0220】
また、酸化物半導体を用いたトランジスタとシリコンを用いたトランジスタを組み合わせ
るメモリは、表2に示したように、スピントロニクスデバイスに比べて、耐熱性、3D化
(3層以上の積層構造化)、磁界耐性など多くの点で有利である。なお、表2にあるオー
バーヘッドとは、プロセッサ内のメモリ部などに書きこむ電力など、所謂オーバーヘッド
に消費される電力のことである。
【0221】
このように、スピントロニクスデバイスに比べて有利な点の多い酸化物半導体を用いたメ
モリを利用することで、CPUの省電力化が実現可能となる。
【0222】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【0223】
(実施の形態6)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用すること
ができる。電子機器としては、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型
或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital
Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生す
る画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレ
オ、ステレオ、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯無線機、携帯電話、自動車電話
、携帯型ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、音声入力機
器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波加熱装
置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、エアコンディショナーなどの空調設備、食器
洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵
庫、DNA保存用冷凍庫、煙感知器、放射線測定器、透析装置等の医療機器、などが挙げ
られる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用
ロボット、電力貯蔵システム等の産業機器も挙げられる。また、石油を用いたエンジンや
、非水系二次電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電気機器の範
疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と
電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)
、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電動アシスト自転車を含む原動機付
自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小型又は大型船舶、潜水艦、ヘリコ
プター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船が挙げられる。
これらの電子機器の具体例を図6に示す。
【0224】
図6(A)は、表示部を有するテーブル9000を示している。テーブル9000は、筐
体9001に表示部9003が組み込まれており、表示部9003により映像を表示する
ことが可能である。なお、4本の脚部9002により筐体9001を支持した構成を示し
ている。また、電力供給のための電源コード9005を筐体9001に有している。
【0225】
実施の形態1に示すトランジスタは、表示部9003に用いることが可能であり、電子機
器に高い信頼性を付与することができる。
【0226】
表示部9003は、タッチ入力機能を有しており、テーブル9000の表示部9003に
表示された表示ボタン9004を指などで触れることで、画面操作や、情報を入力するこ
とができ、また他の家電製品との通信を可能とする、又は制御を可能とすることで、画面
操作により他の家電製品をコントロールする制御装置としてもよい。例えば、イメージセ
ンサ機能を有する半導体装置を用いれば、表示部9003にタッチ入力機能を持たせるこ
とができる。
【0227】
また、筐体9001に設けられたヒンジによって、表示部9003の画面を床に対して垂
直に立てることもでき、テレビジョン装置としても利用できる。狭い部屋においては、大
きな画面のテレビジョン装置は設置すると自由な空間が狭くなってしまうが、テーブルに
表示部が内蔵されていれば、部屋の空間を有効に利用することができる。
【0228】
図6(B)は、携帯音楽プレーヤであり、本体3021には表示部3023と、耳に装着
するための固定部3022と、操作ボタン3024、外部接続ポート3025等が設けら
れている。また、スピーカを有していてもよい。実施の形態1のトランジスタ、または実
施の形態2乃至4に示したメモリや論理回路を本体3021に内蔵されているメモリやC
PUなどに適用することにより、より省電力化された携帯音楽プレイヤー(PDA)とす
ることができる。
【0229】
さらに、図6(B)に示す携帯音楽プレーヤにアンテナやマイク機能や無線機能を持たせ
、携帯電話と連携させれば、乗用車などを運転しながらワイヤレスによるハンズフリーで
の会話も可能である。
【0230】
図6(C)はコンピュータであり、CPUを含む本体9201、筐体9202、表示部9
203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス920
6等を含む。コンピュータは、本発明の一態様を用いて作製される半導体装置をその表示
部9203に用いることにより作製される。実施の形態5に示したCPUを利用すれば、
省電力化されたコンピュータとすることが可能となる。
【0231】
図7(A)及び図7(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図7(A)は、開
いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部963
1b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り
替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
【0232】
図7(A)及び図7(B)に示すような携帯機器においては、画像データの一時記憶など
にメモリとしてSRAMまたはDRAMが使用されている。例えば、実施の形態2又は3
に説明した半導体装置をメモリとして使用することができる。先の実施の形態で説明した
半導体装置をメモリに採用することによって、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、
長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減することができる。
【0233】
また、表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表
示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部
9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分
の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部
9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示
部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631b
を表示画面として用いることができる。
【0234】
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部
をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード
表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで
表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
【0235】
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタ
ッチ入力することもできる。
【0236】
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切
り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイ
ッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の
光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサ
だけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内
蔵させてもよい。
【0237】
また、図7(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示して
いるが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の
品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルと
してもよい。
【0238】
図7(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池963
3、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有す
る。なお、図7(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、D
CDCコンバータ9636を有する構成について示している。
【0239】
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態に
することができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐
久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
【0240】
また、この他にも図7(A)及び図7(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(
静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表
示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機
能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することが
できる。
【0241】
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、
表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐
体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行
う構成とすることができる。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用
いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0242】
また、図7(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図7(C)に
ブロック図を示し説明する。図7(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、
DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部
9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636、コン
バータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図7(B)に示す充放電制御回路963
4に対応する箇所となる。
【0243】
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDCD
Cコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽
電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ96
37で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部96
31での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー96
35の充電を行う構成とすればよい。
【0244】
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧
電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受
信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成
としてもよい。
【0245】
図8(A)において、テレビジョン装置8000は、筐体8001に表示部8002が組
み込まれており、表示部8002により映像を表示し、スピーカ部8003から音声を出
力することが可能である。実施の形態1に示すトランジスタを用いて表示部8002に用
いることが可能である。
【0246】
表示部8002は、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光装
置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Devic
e)、PDP(Plasma Display Panel)などの、半導体表示装置を
用いることができる。
【0247】
テレビジョン装置8000は、受信機やモデムなどを備えていてもよい。テレビジョン装
置8000は、受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを
介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から
受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行う
ことも可能である。
【0248】
また、テレビジョン装置8000は、情報通信を行うためのCPUや、メモリを備えてい
てもよい。テレビジョン装置8000は、実施の形態2乃至5のいずれかに示すメモリ、
論理回路、CPUを用いることが可能である。
【0249】
図8(A)において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナー
は、実施の形態5のCPUを用いた電気機器の一例である。具体的に、室内機8200は
、筐体8201、送風口8202、CPU8203等を有する。図8(A)において、C
PU8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、CPU820
3は室外機8204に設けられていてもよい。或いは、室内機8200と室外機8204
の両方に、CPU8203が設けられていてもよい。実施の形態5に示したCPUは、酸
化物半導体を用いたCPUであるため、耐熱性に優れており、信頼性の高いエアコンディ
ショナーを実現できる。
【0250】
図8(A)において、電気冷凍冷蔵庫8300は、酸化物半導体を用いたCPUを備える
電気機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用
扉8302、冷凍室用扉8303、CPU8304等を有する。図8(A)では、CPU
8304が、筐体8301の内部に設けられている。実施の形態5に示したCPUを電気
冷凍冷蔵庫8300のCPU8304に用いることによって省電力化が図れる。
【0251】
図8(B)及び図8(C)において、電気機器の一例である電気自動車の例を示す。電気
自動車9700には、二次電池9701が搭載されている。二次電池9701の電力は、
制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9
702は、図示しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によって制御
される。実施の形態5に示したCPUを電気自動車9700のCPUに用いることによっ
て省電力化が図れる。
【0252】
駆動装置9703は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を
組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報
(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負
荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9
702は、処理装置9704の制御信号により、二次電池9701から供給される電気エ
ネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場合
は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
【0253】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0254】
100 基板
102 ゲート電極層
103 絶縁層
104 絶縁層
106 酸化物半導体積層
106a 酸化物半導体層
106b 酸化物半導体層
108 導電膜
108a ソース電極層
108b ドレイン電極層
110 絶縁層
112 ゲート電極層
120 トランジスタ
160 トランジスタ
162 トランジスタ
164 容量素子
200 基板
202a 電極層
202b ゲート電極層
203 絶縁層
204 絶縁層
206 素子分離絶縁層
208 ゲート絶縁層
210 ゲート電極層
212a 電極層
212b 電極層
214 不純物領域
216 チャネル形成領域
218 サイドウォール絶縁層
220 高濃度不純物領域
222a 電極層
222b 配線層
224 金属間化合物領域
228 絶縁層
230 絶縁層
232 絶縁層
234 絶縁層
236 絶縁層
244 酸化物半導体積層
244a 酸化物半導体層
244b 酸化物半導体層
250 メモリセル
251 メモリセルアレイ
251a メモリセルアレイ
251b メモリセルアレイ
253 導電層
254 容量素子
256 配線層
258 周辺回路
260 ゲート絶縁層
262 ゲート電極層
268a 電極層
268b 電極層
302 絶縁層
306 酸化物半導体層
308a ソース電極層
308b ドレイン電極層
310 ゲート絶縁層
320 トランジスタ
402 酸素過剰領域
400 酸素
800 基板
801 トランジスタ
802 トランジスタ
803 トランジスタ
804 トランジスタ
806 素子分離絶縁層
811 トランジスタ
812 トランジスタ
813 トランジスタ
814 トランジスタ
821 ゲート電極層
825 電極層
826 絶縁層
830 絶縁層
831 電極層
832 配線層
833 絶縁層
834 配線層
835 電極層
836 絶縁層
839 絶縁層
840 ゲート電極層
841a ゲート電極層
841b 電極層
843 ゲート絶縁層
845 電極層
1141 スイッチング素子
1142 メモリセル
1143 メモリセル群
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
3021 本体
3022 固定部
3023 表示部
3024 操作ボタン
3025 外部接続ポート
8000 テレビジョン装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカ部
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 CPU
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 CPU
9000 テーブル
9001 筐体
9002 脚部
9003 表示部
9004 表示ボタン
9005 電源コード
9033 留め具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9038 操作スイッチ
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9700 電気自動車
9701 二次電池
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13