(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20231129BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20231129BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20231129BHJP
G11C 19/28 20060101ALI20231129BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 622E
G09G3/20 624B
G09G3/20 623H
G09G3/20 670E
G09G3/20 670J
G02F1/1368
G11C19/28 230
H01L29/78 614
H01L29/78 612B
(21)【出願番号】P 2022189379
(22)【出願日】2022-11-28
(62)【分割の表示】P 2021154049の分割
【原出願日】2009-06-04
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2008157400
(32)【優先日】2008-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】梅崎 敦司
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-089874(JP,A)
【文献】特開2006-024350(JP,A)
【文献】特開2008-112550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0164971(US,A1)
【文献】特開2008-003611(JP,A)
【文献】特開2007-114781(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0002571(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/13-1/141
G11C 19/00-19/38
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素部と、走査線駆動回路と、を有し、
前記画素部は、第1のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタのゲートは、第1の配線と
常に導通し、
前記走査線駆動回路は、第2乃至第12のトランジスタを有し、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1の配線と
常に導通し、
前記第2のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第2の配線と
常に導通し、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第1の配線と
常に導通し、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第5のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第3の配線と
常に導通し、
前記第4のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第2の配線と
常に導通し、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3の配線と
常に導通し、
前記第5のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第4の配線と
常に導通し、
前記第6のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第6のトランジスタのゲートは、第5の配線と常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第7のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第7のトランジスタのゲートは、前記第8のトランジスタのソース又はドレインの一方と
常に導通し、
前記第8のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第8のトランジスタのゲートは、第
6の配線と
常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第9のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第9のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第10のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第10のトランジスタのゲートは、前記第2のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第11のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第11のトランジスタのゲートは、前記第
6の配線と
常に導通し、
前記第12のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲートと
常に導通し、
前記第12のトランジスタのソース又はドレインの他方は、前記第4の配線と
常に導通し、
前記第12のトランジスタのゲートは、第
7の配線と
常に導通し、
前記第1の配線には、第1の出力信号が出力され、
前記第2の配線には、クロック信号が入力され、
前記第3の配線には、第2の出力信号が出力され、
前記第4の配線には、第1の電位が入力され、
前記第5の配線には、第1の信号が入力され、
前記第6の配線には、第2の信号が入力され、
前記第7の配線には、第3の信号が入力され、
前記第3のトランジスタは、前記第1のトランジスタのゲートの電位を制御する機能を有し、
前記第6のトランジスタは、前記第2のトランジスタのゲートの電位を制御する機能を有する表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記画素部は、容量素子と、液晶素子と、を有し、
前記容量素子は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と
常に導通し、
前記液晶素子は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方と
常に導通している表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
駆動回路に関する。また当該駆動回路を有する表示装置に関する。また当該表示装置を
表示部に有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置や発光装置などの表示装置は、液晶テレビなどの大型表示装置の増
加から、活発に開発が進められている。特に絶縁基板上に設けられた半導体層を有するト
ランジスタなどから構成される、画素回路、及びシフトレジスタ等を含む駆動回路(内部
回路ともいう)を同一基板上に一体形成する技術は、低消費電力化、低コスト化に大きく
貢献するため、活発に開発が進められている。絶縁基板上に形成された内部回路は、FP
C等を介して絶縁基板の外に配置されたコントローラIC等を含む外部回路に接続され、
その動作が制御される。
【0003】
内部回路の一つである駆動回路(ドライバともいう)は、例えば走査線駆動回路などが
あり、例えば特許文献1に示すような複数のフリップフロップ回路からなるシフトレジス
タにより構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すような従来の駆動回路は、フリップフロップ回路内のトランジスタの
スイッチング動作のタイミングにおいて、所望のタイミングとのずれが生じ、動作不良が
起こるといった問題がある。トランジスタのスイッチング動作のタイミングにずれが生じ
る原因としては、例えば非選択期間にシフトレジスタのフリップフロップ回路においてプ
ルアップトランジスタのゲート端子が浮遊状態になることにより、非選択期間に生じるノ
イズなどがプルアップトランジスタのゲート端子の電位に影響を及ぼす。
【0006】
また、トランジスタ自体の劣化もスイッチング動作のタイミングのずれの原因の一つと
される。トランジスタが劣化することによりトランジスタの閾値電圧の値が変化し、駆動
回路において動作不良が起こる。トランジスタとして、半導体層が非晶質半導体であるト
ランジスタを適用した場合には、半導体層が非晶質半導体であるトランジスタは劣化しや
すいため、特に動作不良が起きやすい。
【0007】
本発明の一態様では、シフトレジスタを用いた回路において、動作不良を抑制すること
を課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数のフリップフロップ回路を含むシフトレジスタを有し、複数の
フリップフロップ回路の少なくとも一つは、第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が
入力され、出力信号を出力するフリップフロップ回路であり、複数のフリップフロップ回
路の少なくとも一つは、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子
に第1の信号の電位である第1の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の一方に
第1の電位または第2の電位が与えられる第1のトランジスタと、ゲート端子、ソース端
子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子に第2の信号の電位である第3の電位が与えら
れ、ソース端子及びドレイン端子の一方が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン
端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与え
られる第2のトランジスタと、一方が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン端子
の他方の電位を第1の電位または第4の電位に設定するか否かを制御し、他方が第1のト
ランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方の電位を第4の電位に設定するか否かを
制御し、一方がオン状態のときに他方がオフ状態になり、他方がオン状態のときに一方が
オフ状態になる第3のトランジスタ及び第4のトランジスタと、ゲート端子、ソース端子
、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン
端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方に第3の信号の電位
である第5の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の他方の電位が出力信号の電
位となり、第3のトランジスタまたは第4のトランジスタがオン状態のときにオフ状態で
ある第5のトランジスタと、を有する駆動回路である。
【0009】
本発明の一態様は、複数のフリップフロップ回路を含むシフトレジスタを有し、フリッ
プフロップ回路は、第1の制御信号、第2の制御信号、第1のクロック信号、及び第2の
クロック信号が入力され、出力信号を出力するフリップフロップ回路であり、フリップフ
ロップ回路は、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子に第1の
制御信号の電位である第1の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の一方に第1
の電位または第2の電位が与えられる第1のトランジスタと、ゲート端子、ソース端子、
及びドレイン端子を有し、ゲート端子に第2の制御信号の電位である第3の電位が与えら
れ、ソース端子及びドレイン端子の一方が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン
端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与え
られる第2のトランジスタと、それぞれゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有
するトランジスタであり、それぞれのトランジスタのソース端子及びドレイン端子の一方
が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、一方の
トランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に第1の電位または第4の電位が与え
られ、他方のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与えられ
、一方のトランジスタがオン状態のときに他方のトランジスタがオフ状態になり、他方の
トランジスタがオン状態のときに一方のトランジスタがオフ状態になる第3のトランジス
タ及び第4のトランジスタと、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲー
ト端子が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、
ソース端子及びドレイン端子の一方に第1のクロック信号の電位である第5の電位が与え
られ、ソース端子及びドレイン端子の他方の電位が出力信号の電位となり、第3のトラン
ジスタまたは第4のトランジスタがオン状態のときにオフ状態である第5のトランジスタ
と、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第3のトランジス
タ及び第4のトランジスタの他方のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレ
イン端子の一方が第5のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接
続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与えられる第6のトランジス
タと、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子に第2のクロック
信号の電位である第6の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の一方が第5のト
ランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びド
レイン端子の他方に第4の電位が与えられる第7のトランジスタと、を有する駆動回路で
ある。
【0010】
なお、本発明の一態様において、フリップフロップ回路は少なくとも2つの端子を有し
、一方の端子に第5の電位が与えられ、他方の端子が第3のトランジスタ及び第4のトラ
ンジスタの他方のゲート端子に電気的に接続された第1の容量素子と、ゲート端子、ソー
ス端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第5のトランジスタのゲート端子に電気
的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が第3のトランジスタ及び第4のトラ
ンジスタの他方のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に
第4の電位が与えられる第8のトランジスタと、少なくとも2つの端子を有し、一方の端
子に第6の電位が与えられ、他方の端子が第3のトランジスタ及び第4のトランジスタの
一方のゲート端子に電気的に接続された第2の容量素子と、ゲート端子、ソース端子、及
びドレイン端子を有し、ゲート端子が第1のトランジスタのゲート端子に電気的に接続さ
れ、ソース端子及びドレイン端子の一方が第3のトランジスタ及び第4のトランジスタの
一方のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位
が与えられる第9のトランジスタと、を有する構成とすることもできる。
【0011】
また、本発明の一態様において、フリップフロップ回路は少なくとも2つの端子を有し
、一方の端子に第5の電位が与えられ、他方の端子が第3のトランジスタ及び第4のトラ
ンジスタの他方のゲート端子に電気的に接続された第1の容量素子と、ゲート端子、ソー
ス端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第5のトランジスタのゲート端子に電気
的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が第3のトランジスタ及び第4のトラ
ンジスタの他方のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に
第4の電位が与えられる第8のトランジスタと、を有する構成とすることもできる。
【0012】
また、本発明の一態様において、フリップフロップ回路はゲート端子、ソース端子、及
びドレイン端子を有し、ゲート端子に第1の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端
子の一方が第3のトランジスタ及び第4のトランジスタの他方のゲート端子に電気的に接
続され、ソース端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与えられる第10のトランジ
スタを有する構成とすることもできる。
【0013】
また、本発明の一態様において、フリップフロップ回路は第2の出力信号を出力する機
能を有し、フリップフロップ回路はゲート端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、
ゲート端子が第1のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の一方に電気的に接続さ
れ、ソース端子及びドレイン端子の一方に第5の電位が与えられ、ソース端子及びドレイ
ン端子の他方の電位が第2の出力信号の電位となる第11のトランジスタと、ゲート端子
、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第3のトランジスタ及び第4のト
ランジスタの他方のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方
が第11のトランジスタのソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、ソー
ス端子及びドレイン端子の他方に第4の電位が与えられる第12のトランジスタと、ゲー
ト端子、ソース端子、及びドレイン端子を有し、ゲート端子が第7のトランジスタのゲー
ト端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が第11のトランジスタ
のソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子
の他方に第4の電位が与えられる第13のトランジスタと、を有す構成とすることもでき
る。
【0014】
また、本発明の一態様において、第1の制御信号及び第2の制御信号をデジタル信号と
し、デジタル信号のハイ状態とロウ状態との電位差の絶対値をフリップフロップ回路内の
トランジスタの閾値電圧の絶対値より大きくすることもできる。
【0015】
また、本発明の一態様において、第4の電位を第1の制御信号若しくは第2の制御信号
、または第1のクロック信号若しくは第2のクロック信号のハイ状態またはロウ状態の電
位と同等の値とすることもできる。
【0016】
また、本発明の一態様において、第1のクロック信号及び第2のクロック信号を位相が
相反の関係とし、第1のクロック信号及び第2のクロック信号のハイ状態とロウ状態の電
位差の絶対値をフリップフロップ回路内のトランジスタの閾値電圧の絶対値より大きくす
ることもできる。
【0017】
また、本発明の一態様において、フリップフロップ回路内のトランジスタは、すべて同
一の導電型とすることもできる。
【0018】
また、本発明の一態様において、フリップフロップ回路内のトランジスタは、ゲート電
極と、ゲート電極を覆うように設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜を挟んでゲート
電極上に設けられた微結晶半導体層を含む第1の半導体層と、第1の半導体層上に設けら
れたバッファ層と、バッファ層上に設けられ、不純物元素を含む一対の第2の半導体層と
、一対の第2の半導体層の一方の上に設けられたソース電極と、一対の第2の半導体層の
他方の上に設けられたドレイン電極と、を有する構造とすることもできる。
【0019】
本発明の一態様は、上記記載の駆動回路をいずれかに含む走査線駆動回路及び信号線駆
動回路と、複数の走査線と、複数の信号線と、画素部と、を有し、画素部は、複数の走査
線のいずれかを介して走査線駆動回路に電気的に接続され、且つ複数の信号線のいずれか
を介して信号線駆動回路に電気的に接続された画素を複数有する表示装置である。
【0020】
本発明の一態様は、上記記載の表示装置を表示部に有する電子機器である。
【0021】
なお、本明細書において、トランジスタは、ゲート端子、ソース端子、及びドレイン端
子の少なくとも3つの端子を有し、ゲート端子とは、ゲート電極の部分(導電層、及び配
線などを含む)または、ゲート電極と電気的に接続されている部分の一部のことを言う。
また、ソース端子とは、ソース電極の部分(導電層、及び配線などを含む)や、ソース電
極と電気的に接続されている部分(半導体層などを含む)の一部のことを言う。また、ド
レイン端子とは、ドレイン電極の部分(導電層、及び配線などを含む)や、ドレイン電極
と電気的に接続されている部分(半導体層などを含む)の一部のことを言う。またトラン
ジスタは、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有し、ドレイン領域とチャネ
ル領域とソース領域とを介して電流を流すことができる。
【0022】
また、本明細書において、トランジスタのソース端子とドレイン端子は、トランジスタ
の構造や動作条件などによって変わるため、いずれがソース端子またはドレイン端子であ
るかを限定することが困難である。そこで、本書類(明細書、特許請求の範囲または図面
など)においては、ソース端子及びドレイン端子から任意に選択した一方の端子をソース
端子及びドレイン端子の一方と表記し、他方の端子をソース端子及びドレイン端子の他方
と表記する。
【0023】
なお、Aの上にBが形成されている、あるいは、A上にBが形成されている、と明示的
に記載する場合は、Aの上にBが直接接して形成されていることに限定されない。直接接
していない場合、つまり、AとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。こ
こで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、また
は層など)であるとする。
【0024】
従って例えば、層Aの上に(もしくは層A上に)、層Bが形成されている、と明示的に
記載されている場合は、層Aの上に直接接して層Bが形成されている場合と、層Aの上に
直接接して別の層(例えば層Cや層Dなど)が形成されていて、その上に直接接して層B
が形成されている場合とを含むものとする。なお、別の層(例えば層Cや層Dなど)は、
単層でもよいし、複層でもよい。
【0025】
なお、Aの上にBが形成されているまたはA上にBが形成されていると明示的に記載す
る場合、斜め上にBが形成される場合も含むこととする。
【0026】
また本明細書において、第1、第2などの序数を用いた用語は、構成要素の混同を避け
るために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様により、シフトレジスタを用いた回路において、動作不良を抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施の形態1における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図2】
図1に示す駆動回路の動作を示すタイミングチャート図である。
【
図3】実施の形態1における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図4】実施の形態1における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図5】
図4に示す駆動回路の動作を示すタイミングチャート図である。
【
図6】実施の形態1における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図7】実施の形態2における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図8】
図7に示す駆動回路の動作を示すタイミングチャート図である。
【
図9】実施の形態2における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図10】実施の形態2における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図11】
図10に示す駆動回路の動作を示すタイミングチャート図である。
【
図12】実施の形態2における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図13】実施の形態3における表示装置の構成の一例を示す回路図である。
【
図14】
図13に示す走査線駆動回路702の動作を示すタイミングチャート図である。
【
図15】実施の形態3の液晶表示装置における画素の構成及び動作の一例を示す図である。
【
図16】実施の形態3の液晶表示装置における画素の構成及び動作の一例を示す図である。
【
図17】実施の形態4における駆動回路に適用可能なトランジスタの構成の一例を示す断面模式図である。
【
図18】実施の形態4における駆動回路に適用可能なトランジスタの構成の一例を示す断面模式図である。
【
図19】実施の形態4における駆動回路に適用可能なトランジスタの作製方法の一例を示す断面模式図である。
【
図20】実施の形態4における駆動回路に適用可能なトランジスタの作製方法の一例を示す断面模式図である。
【
図21】実施の形態4における駆動回路に適用可能なトランジスタの作製方法の一例を示す断面模式図である。
【
図22】実施の形態5における表示装置を表示部に適用可能な電子機器の一例を示す図である。
【
図23】実施の形態5における表示装置を表示部に適用可能な電子機器の一例を示す図である。
【
図24】実施の形態1における駆動回路の構成の一例を示す図である。
【
図25】実施の形態1における駆動回路の回路計算結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態の例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下
の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細
を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示
す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である駆動回路について説明する。
【0031】
本実施の形態における駆動回路は、複数のフリップフロップ回路を含むシフトレジスタ
を有する。
【0032】
さらにフリップフロップ回路の回路構成の一例について
図24を用いて説明する。
図2
4は、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路の回路構成の一例を示す回
路図である。
【0033】
複数のフリップフロップ回路の少なくとも一つは、
図24に示す回路構成のフリップフ
ロップ回路とすることができる。なお、
図24に示すフリップフロップ回路は、一例とし
て第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が入力され、出力信号を出力する機能を有す
るものとする。
【0034】
図24に示すフリップフロップ回路は、トランジスタ11と、トランジスタ12と、ト
ランジスタ13と、トランジスタ14、トランジスタ15と、を有する。
【0035】
トランジスタ11は、ゲート端子に第1の信号の電位である第1の電位が与えられ、ソ
ース端子及びドレイン端子の一方に第1の電位または第2の電位が与えられる。
【0036】
トランジスタ12は、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ11のソース
端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続される。また、トランジスタ12は、ゲート
端子に第2の信号の電位である第3の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の他
方に第4の電位が与えられる。
【0037】
トランジスタ13及びトランジスタ14は、一方がトランジスタ11のソース端子及び
ドレイン端子の他方の電位を第1の電位または第4の電位に設定するか否かを制御する機
能を有し、他方がトランジスタ11のソース端子及びドレイン端子の他方の電位を第4の
電位に設定するか否かを制御する機能を有する。
【0038】
また、トランジスタ13は、トランジスタ14がオン状態のときにオフ状態になる機能
を有し、また、トランジスタ14は、トランジスタ13がオン状態のときにオフ状態にな
る機能を有する。
【0039】
トランジスタ15は、ゲート端子がトランジスタ11のソース端子及びドレイン端子の
他方に電気的に接続される。また、トランジスタ15は、ソース端子及びドレイン端子の
一方に第3の信号の電位である第5の電位が与えられ、ソース端子及びドレイン端子の他
方の電位が出力信号の電位となる。なおトランジスタ11のソース端子及びドレイン端子
の他方とトランジスタ15のゲート端子との接続箇所をノードAともいう。
【0040】
また、トランジスタ15は、トランジスタ13またはトランジスタ14がオン状態のと
きオフ状態である。
【0041】
上記の構成により、トランジスタ13またはトランジスタ14がオン状態のときは、ノ
ードAの電位、すなわちトランジスタ15のゲート端子の電位が所定の値に設定され、ノ
ードAが浮遊状態にならないため、フリップフロップ回路の動作不良を抑制することがで
きる。
【0042】
さらに、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路の回路構成の一例につ
いて
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態におけるフリップフロップ回路の回路
構成の一例を示す回路図である。
【0043】
本実施の形態の駆動回路における複数のフリップフロップ回路のそれぞれは、
図1に示
す回路構成のフリップフロップ回路とすることができる。
図1に示すフリップフロップ回
路は、端子100と、端子101と、端子102と、端子103と、端子104と、端子
105と、トランジスタ106と、トランジスタ107と、容量素子108と、トランジ
スタ109と、トランジスタ110と、トランジスタ111と、容量素子112と、トラ
ンジスタ113と、トランジスタ114と、トランジスタ115と、トランジスタ116
と、を有する。
【0044】
なお
図1に示すフリップフロップ回路では、端子102として端子102A及び端子1
02Bを示しているが、これに限定されず、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフ
ロップ回路では、端子102A及び端子102Bを電気的に接続させ、一つの端子102
とすることもできる。また
図1に示すフリップフロップ回路では、端子103として端子
103A及び端子103Bを示しているが、これに限定されず、本実施の形態の駆動回路
におけるフリップフロップ回路では、端子103A及び端子103Bを電気的に接続させ
、一つの端子103とすることもできる。
【0045】
また、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路では、端子104として
端子104A乃至端子104Gを示しているが、これに限定されず、本実施の形態の駆動
回路におけるフリップフロップ回路では、端子104A乃至端子104Gを電気的に接続
させ、一つの端子104とすることもできる。
【0046】
トランジスタ106は、ゲート端子が端子100に電気的に接続され、ソース端子及び
ドレイン端子の一方がトランジスタ106のゲート端子に電気的に接続される。
【0047】
トランジスタ107は、ゲート端子が端子101に電気的に接続され、ソース端子及び
ドレイン端子の一方がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端子の他方に電気的
に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Aに電気的に接続される。
なお便宜のため図示しないが、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路に
おいて、トランジスタ107を設けない構成とすることもできる。トランジスタ107を
設けない構成とすることにより回路面積を小さくすることができる。
【0048】
容量素子108は少なくとも2つの端子を有し、一方の端子が端子102Aに電気的に
接続される。
【0049】
トランジスタ109は、ゲート端子がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端
子の一方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が容量素子108の他
方の端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Bに電気
的に接続される。
【0050】
トランジスタ110は、ゲート端子がトランジスタ109のソース端子及びドレイン端
子の一方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ106
のソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子
の他方が端子104Cに電気的に接続される。
【0051】
容量素子112は少なくとも2つの端子を有し、一方の端子が端子103Aに電気的に
接続される。
【0052】
トランジスタ111は、ゲート端子が容量素子112の他方の端子に電気的に接続され
、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端
子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Dに電気
的に接続される。
【0053】
トランジスタ113は、ゲート端子がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端
子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ111
のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Eに
電気的に接続される。
【0054】
トランジスタ114は、ゲート端子がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端
子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が端子103Bに電気
的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子105に電気的に接続され、ソ
ース端子及びドレイン端子の他方の電位が出力信号となり、端子105を介して出力され
る。なお本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路は、トランジスタ114
のゲート端子とソース端子及びドレイン端子の他方との間に別途容量素子を設ける構成と
することもできる。
【0055】
またトランジスタ115は、ゲート端子がトランジスタ111のゲート端子に電気的に
接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ114のソース端子及びド
レイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104
Fに電気的に接続される。
【0056】
また、トランジスタ116は、ゲート端子が端子102Bに電気的に接続され、ソース
端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ114のソース端子及びドレイン端子の他方
に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Gに電気的に接続
される。
【0057】
なお、トランジスタ109のソース端子及びドレイン端子の一方と、容量素子108の
他方の端子またはトランジスタ110のゲート端子との接続箇所をノード118ともいう
。またトランジスタ106のソース端子及びドレイン端子の他方と、トランジスタ107
のソース端子及びドレイン端子の一方、トランジスタ110ソース端子及びドレイン端子
の一方、トランジスタ111のソース端子及びドレイン端子の一方、トランジスタ113
のゲート端子、またはトランジスタ114のゲート端子との接続箇所をノード117とも
いう。またトランジスタ111のゲート端子と、容量素子112の他方の端子、トランジ
スタ113のソース端子及びドレイン端子の一方、またはトランジスタ115のゲート端
子との接続箇所をノード119ともいう。
【0058】
また、
図1に示すフリップフロップ回路は、端子100を介して第1の制御信号が入力
され、端子101を介して第2の制御信号が入力される。第1の制御信号及び第2の制御
信号は、例えばそれぞれハイ状態とロウ状態の2つの状態を有するデジタル信号を用いる
ことができる。デジタル信号を用いる場合、入力される第1の制御信号または第2の制御
信号がハイ状態のとき(ハイレベルともいう)には、端子100または端子101を介し
て第1の電位(V1ともいう)として所定の値の電位である第1の制御信号または第2の
制御信号が入力され、入力される第1の制御信号または第2の制御信号がロウ状態のとき
(ロウレベルともいう)には、端子100または端子101を介して第2の電位(V2と
もいう)として上記ハイ状態における所定の値の電位より低い値の電位である第1の制御
信号または第2の制御信号が入力される。ハイ状態及びロウ状態における電位の値は、例
えばトランジスタの閾値電圧の値などを考慮して適宜設定することができる。例えばハイ
状態とロウ状態との電位差がフリップフロップ回路内のトランジスタの閾値電圧の絶対値
より大きくなるように、ハイ状態及びロウ状態における電位の値を設定することが好まし
い。
【0059】
また、
図1に示すフリップフロップ回路は、端子102(端子102A及び端子102
Bともいう)を介して第1の位相であるクロック信号(第1のクロック信号、またはCK
信号ともいう)または第2の位相であるクロック信号(第2のクロック信号、CKB信号
、または第1のクロック信号の反転信号ともいう)が入力される。第1のクロック信号及
び第2のクロック信号は、ハイ状態とロウ状態の2つの電位の状態を有し、ハイ状態のと
き(ハイレベルともいう)には、クロック信号の電位が電位V1となり、ロウ状態のとき
(ロウレベルともいう)には、クロック信号の電位が電位V2となる。なおハイ状態のと
きの第1のクロック信号及び第2のクロック信号の電位は、ハイ状態のときの第1の制御
信号及び第2の制御信号の電位と同等の値であることが好ましく、ロウ状態のときの第1
のクロック信号及び第2のクロック信号の電位は、ロウ状態のときの第1の制御信号及び
第2の制御信号の電位と同等の値であることが好ましい。また、ハイ状態及びロウ状態に
おける電位の値は、例えばトランジスタの閾値電圧の値などを考慮して適宜設定すること
ができる。例えばハイ状態とロウ状態との電位差がフリップフロップ回路内のトランジス
タの閾値電圧の絶対値より大きくなるように、ハイ状態及びロウ状態における電位の値を
設定することが好ましい。
【0060】
第1のクロック信号と第2のクロック信号の2つのクロック信号は、位相が相反の関係
であり、例えば所定の期間において、第1のクロック信号がハイ状態のときには、第2の
クロック信号はロウ状態であり、第1のクロック信号がロウ状態のときには、第2のクロ
ック信号はハイ状態である。
【0061】
また、フリップフロップ回路は、端子103(端子103A及び端子103Bともいう
)を介して第1のクロック信号または第2のクロック信号が入力される。なお、端子10
2を介して入力されるクロック信号と端子103を介して入力されるクロック信号とは相
反の関係であり、例えば端子102を介して第1のクロック信号が入力される場合には、
端子103を介して第2のクロック信号が入力され、端子102を介して第2のクロック
信号が入力される場合には、端子103を介して第1のクロック信号が入力される。
【0062】
また、
図1に示すフリップフロップ回路は、端子104(端子104A乃至端子104
Gともいう)を介して所定の値の電位が与えられる。このとき所定の値の電位の値は、例
えばV1またはV2にすることができ、すなわちクロック信号または制御信号などのデジ
タル信号のハイ状態またはロウ状態における電位の値と同等の値にすることができる。
【0063】
なお、
図1に示すフリップフロップ回路において、トランジスタ106のソース端子及
びドレイン端子の一方が端子100に電気的に接続される構成について説明したが、これ
に限定されず、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路は、別途電源端子
に電気的に接続された構成とし、電位V1または電位V2が与えられる構成とすることも
できる。
【0064】
トランジスタ106は、端子100を介して入力される信号にしたがって、端子100
とノード117との導通を制御する機能を有する。
【0065】
トランジスタ107は、端子101を介して入力される信号にしたがって、端子104
Aとノード117との導通を制御する機能を有し、端子104Aとノード117とが導通
状態になることによって、ノード117の電位がV1またはV2に設定される。
【0066】
容量素子108は、端子102(端子102A)を介して入力される信号にしたがって
、容量結合によってノード118の電位を変動させる機能を有する。例えば、端子102
(端子102A)を介して入力される信号がロウ状態からハイ状態になった場合、容量素
子108は、容量結合によってノード118の電位を電位V1に設定する機能を有する。
一方、端子102を介して入力される信号がハイ状態からロウ状態になった場合、容量素
子108は、容量結合によってノード118の電位をV1またはV2に設定する機能を有
する。
【0067】
トランジスタ109は、端子100を介して入力される信号にしたがって、端子104
Bとノード118との導通を制御する機能を有し、端子104Bとノード118とが導通
状態になることによってノード118の電位がV1またはV2に設定される。
【0068】
トランジスタ110は、ノード118の電位にしたがって、端子104Cとノード11
7との導通を制御する機能を有し、端子104Cとノード117とが導通状態になること
によってノード117の電位がV1またはV2に設定される。またトランジスタ110は
、トランジスタ111がオン状態の時にオフ状態になる機能を有する。
【0069】
トランジスタ111は、ノード119の電位にしたがって、端子104Dとノード11
7との導通を制御する機能を有し、端子104Dとノード117とが導通状態になること
によってノード117の電位がV1またはV2に設定される。また、トランジスタ111
は、トランジスタ110がオン状態のときにオフ状態になる機能を有する。
【0070】
容量素子112は、端子103Aを介して入力される信号にしたがって、容量結合によ
ってノード119の電位を変動させる機能を有する。例えば、端子103Aを介して入力
される信号がロウ状態からハイ状態になった場合、容量素子112は、容量結合によって
ノード119の電位をV1に設定する。一方、端子103Aを介して入力される信号がハ
イ状態からロウ状態になった場合、容量素子112は、容量結合によってノード119の
電位をV2に設定する。
【0071】
トランジスタ113は、端子104Eとノード119との導通を制御する機能を有し、
端子104Eとノード119とが導通状態となることによってノード119の電位がV1
またはV2に設定される。
【0072】
トランジスタ114は、ノード117の電位にしたがって、端子103Bと端子105
との導通を制御し、端子103Bと端子105とが導通状態になることにより、端子10
3Bを介して入力される信号の電位と端子105を介して出力される信号の電位とを同等
の値にする機能を有する。
【0073】
また、トランジスタ114は、例えばN型トランジスタであってノード117の電位が
V1の場合に、端子103Bを介して入力される信号がロウ状態からハイ状態に変化する
と、端子105との接続箇所の電位の上昇にしたがってノード117の電位を上昇させる
機能を有する。いわゆる、ブートストラップである。ただし、ブートストラップは、トラ
ンジスタ114のゲート端子と、ソース端子及びドレイン端子の他方との間の寄生容量に
よって行われることが多い。
【0074】
トランジスタ115は、ノード119の電位にしたがって、端子104Fと端子105
との導通を制御する機能を有し、端子104Fと端子105とが導通状態になることによ
り、端子105を介して出力する信号の電位がV1またはV2に設定される。
【0075】
トランジスタ116は、端子102Bを介して入力される信号にしたがって、端子10
4Gと端子105との導通を制御する機能を有し、端子104Gと端子105とを導通状
態とし、端子105を介して出力される信号の電位をV1またはV2に設定する機能を有
する。
【0076】
なお、本実施の形態における駆動回路は、すべて同一の導電型のトランジスタにより構
成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。したがって、製造コス
トの削減や歩留まりの向上を図ることができる。さらに、大型の表示パネルなどの半導体
装置を作製することも容易となる。本実施の形態の駆動回路では、すべてのトランジスタ
をN型の導電型のトランジスタ(N型トランジスタともいう)またはP型の導電型のトラ
ンジスタ(P型トランジスタともいう)とすることもできる。なお本明細書において同一
とは実質的に同一であるものも含まれる。
【0077】
次に、
図1に示す駆動回路の動作について
図2を用いて説明する。
図2は、
図1に示す
駆動回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。なお、本実施の形態では、一例
として、端子102を介して第2のクロック信号が入力され、端子103を介して第1の
クロック信号が入力されるものとする。また、ここでは、
図1に示す駆動回路の動作の一
例としてフリップフロップ回路内のトランジスタがすべてN型トランジスタの場合につい
て説明する。
【0078】
図1に示す駆動回路の動作は、
図2に示すように、一定の期間における所定の動作が繰
り返し行われる。一定の期間は、主に選択期間と非選択期間とに分けられ、さらに選択期
間及び非選択期間は第1の期間、第2の期間、第3の期間、第4の期間、及び第5の期間
に分けられる。
図2において、第1の期間、第3の期間、第4の期間、及び第5の期間は
非選択期間であり、第2の期間は選択期間である。
【0079】
まず第1の期間では、端子100を介してハイ状態である第1の制御信号201が入力
され、端子101を介してロウ状態である第2の制御信号208が入力され、端子102
を介してハイ状態である第2のクロック信号203が入力され、端子103を介してロウ
状態である第1のクロック信号202が入力されることにより、トランジスタ106、ト
ランジスタ109、及びトランジスタ116がオン状態になり、トランジスタ107がオ
フ状態になる。
【0080】
トランジスタ106がオン状態になるとノード117の電位204が上昇し始める。こ
のときノード117の電位は、第1の制御信号201の電位V1からトランジスタ106
の閾値電圧(Vth106ともいう)を引いた値、すなわちV1-Vth106になるま
で上昇し、V1-Vth106になるとトランジスタ106はオフ状態になる。
【0081】
さらにノード117の電位204がV1-Vth106になると、トランジスタ113
はオン状態になる。このときノード119の電位206は、端子104Eを介して与えら
れる電位V2と同等の値になる。
【0082】
さらにノード119の電位206がV2になると、トランジスタ111及びトランジス
タ115はオフ状態になる。
【0083】
また、トランジスタ109がオン状態になると、ノード118の電位205は、端子1
04Bを介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0084】
さらにノード118の電位205がV2になると、トランジスタ110がオフ状態にな
る。
【0085】
さらに上記のように、トランジスタ106、トランジスタ107、トランジスタ110
、及びトランジスタ111がオフ状態になると、ノード117は、電位がV1-Vth1
06に保たれたまま浮遊状態になる。
【0086】
また、ノード117の電位204がV1-Vth106になると、トランジスタ114
がオン状態になる。
【0087】
さらにこのとき端子105を介して出力される出力信号207の電位は、端子103B
を介して与えられる電位V2、または端子104Gを介して与えられる電位V2と同等の
値となる。以上が第1の期間における動作である。
【0088】
次に第2の期間では、端子100を介してロウ状態である第1の制御信号201が入力
され、端子101を介してロウ状態である第2の制御信号208が入力され、端子102
を介してロウ状態である第2のクロック信号203が入力され、端子103を介してハイ
状態である第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ106、トラ
ンジスタ109、及びトランジスタ116がオフ状態になり、トランジスタ107はオフ
状態のままである。
【0089】
なおトランジスタ109は、端子102Aを介して入力される第2のクロック信号20
3がロウ状態となった後にオフ状態となる場合が多い。なぜなら端子100を介して入力
される第1の制御信号201は第2のクロック信号203よりも遅延している場合が多い
からである。第2のクロック信号203がロウ状態になった後にトランジスタ109がオ
フ状態になることにより、ノード118は、電位V2に保たれたまま浮遊状態となり、ト
ランジスタ110はオフ状態のままである。
【0090】
また、容量素子108には、端子102Aを介して入力される第2のクロック信号20
3の電位とノード118の電位205との電位差、つまりロウ状態である第2のクロック
信号203の電位と、端子104Bを介して与えられる電位V2との電位差が保持される
。
【0091】
また、上記のようにトランジスタ106、トランジスタ107、及びトランジスタ11
0がオフ状態であるとき、ノード117の電位204がV1-Vth106のままである
。
【0092】
さらにノード117の電位204がV1-Vth106であるとき、トランジスタ11
3はオン状態のままであり、トランジスタ113がオン状態のままであるとき、ノード1
19の電位206はV2のままであり、トランジスタ111及びトランジスタ115はオ
フ状態のままである。
【0093】
ノード117の電位204がV1-Vth106のままであり、トランジスタ114の
ソース端子及びドレイン端子の一方の電位が第1のクロック信号202の電位V1になる
と、端子105を介して出力される出力信号207の電位が上昇する。するとノード11
7は浮遊状態であるため、ノード117の電位204は、トランジスタ114のゲート端
子と、ソース端子及びドレイン端子の他方との間の寄生容量による容量結合によって、出
力信号207の電位にあわせて上昇する。いわゆるブートストラップである。
【0094】
ノード117の電位204は、第1のクロック信号202の電位V1と、トランジスタ
114の閾値電圧(Vth114ともいう)との和よりもさらに大きい値、すなわちV1
+Vth114+Va(Vaは任意の正の値)まで上昇する。このときトランジスタ11
4はオン状態のままである。
【0095】
さらにこのとき端子105を介して出力される出力信号207の電位は、端子103B
を介して与えられる電位V1と同等の値になる。以上が第2の期間における動作である。
【0096】
次に第3の期間では、端子100を介してロウ状態である第1の制御信号201が入力
され、端子101を介してハイ状態である第2の制御信号208が入力され、端子102
を介してハイ状態である第2のクロック信号203が入力され、端子103を介してロウ
状態である第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ107及びト
ランジスタ116がオン状態になり、トランジスタ106及びトランジスタ109がオフ
状態のままである。
【0097】
トランジスタ107がオン状態となると、ノード117の電位204が端子104Aを
介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0098】
さらにノード118の電位205は、容量素子108の容量結合によってV2+Vbに
なる。Vbは、トランジスタ110の閾値電圧よりも大きいことが好ましく、V1-V2
よりも小さいことが好ましい。
【0099】
さらにノード118の電位205の電位がV2+Vbになるとトランジスタ110がオ
ン状態になる。さらにトランジスタ110がオン状態になるとノード117の電位204
が端子104Cを介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0100】
さらにノード117の電位204が電位V2となるとトランジスタ113及びトランジ
スタ114がオフ状態になる。なおトランジスタ113は、端子103Aを介して入力さ
れる第1のクロック信号202がロウ状態となった後にオフ状態となる場合が多い。なぜ
なら、ノード117の電位204は、第1のクロック信号202よりも遅延またはなまっ
ている場合が多いからである。第1のクロック信号202がロウ状態になった後にトラン
ジスタ113がオフ状態になると、端子104Eを介して与えられる電位V2と同等の値
が保持されたままノード119が浮遊状態になる。
【0101】
さらにノード119が浮遊状態であるとき、トランジスタ111及びトランジスタ11
5がオフ状態のままである。
【0102】
さらに容量素子112には、端子103Aを介して入力される第1のクロック信号20
2の電位と、ノード119の電位206との電位差、つまりロウ状態である第1のクロッ
ク信号202の電位と、端子104Eを介して与えられる電位V2との電位差が保持され
る。
【0103】
さらにこのとき端子105を介して出力される出力信号207の電位は、端子104G
を介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が第3の期間における動作である。
【0104】
次に第4の期間では、端子100を介してロウ状態である第1の制御信号201が入力
され、端子101を介してロウ状態である第2の制御信号208が入力され、端子102
を介してロウ状態である第2のクロック信号203が入力され、端子103を介してハイ
状態である第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ107及びト
ランジスタ116がオフ状態になり、トランジスタ106及びトランジスタ109はオフ
状態のままである。
【0105】
このときノード118の電位205は、容量素子108の容量結合によってV2となる
。したがって、トランジスタ110はオフ状態となる。
【0106】
また、ノード119の電位206は、容量素子112の容量結合によってV2+Vcと
なる。Vcはトランジスタ111の閾値電圧またはトランジスタ115の閾値電圧よりも
大きいことが好ましく、V1-V2よりも小さいことが好ましい。
【0107】
さらにノード119の電位206がV2+Vcになると、トランジスタ111及びトラ
ンジスタ115がオン状態になる。
【0108】
さらにトランジスタ111がオン状態になると、ノード117の電位204が端子10
4Dを介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0109】
さらにノード117の電位204がV2になると、トランジスタ113及びトランジス
タ114がオフ状態になる。
【0110】
また、トランジスタ115がオン状態になると、端子105を介して出力される出力信
号207の電位は、端子104Fを介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が
第4の期間における動作である。
【0111】
次に第5の期間では、端子100を介してロウ状態である第1の制御信号201が入力
され、端子101を介してロウ状態である第2の制御信号208が入力され、端子102
を介してハイ状態である第2のクロック信号203が入力され、端子103を介してロウ
状態である第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ116がオン
状態になり、トランジスタ106、トランジスタ107、及びトランジスタ109はオフ
状態のままである。
【0112】
このときノード118の電位は容量素子108の容量結合によってV2+Vbになる。
さらにノード118の電位がV2+Vbになると、トランジスタ110がオン状態になる
。さらにトランジスタ110がオン状態になると、ノード117の電位204が端子10
4Cを介して与えられる電位V2と同等の値となる。
【0113】
また、ノード119の電位206は、容量素子112の容量結合によってV2となる。
さらにノード119の電位206がV2になると、トランジスタ111及びトランジスタ
115はオフ状態になる。
【0114】
さらにノード117の電位204がV2になると、トランジスタ113及びトランジス
タ114がオフ状態になる。
【0115】
さらにこのとき端子105を介して出力される出力信号207の電位は、端子104G
を介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が第5の期間における動作である。
【0116】
以上のように、本実施の形態における駆動回路は、リセット期間(第3の期間)後の非
選択期間の間、第4の期間及び第5の期間の動作が複数回繰り返し行われる。これにより
非選択期間のいずれの期間においてもノード117に所定の値の電位が与えられるため、
ノード117が浮遊状態になるのを抑制することができる。よってノイズによる影響を低
減することができるため、動作不良を抑制することができる。
【0117】
また、本実施の形態における駆動回路の動作において、第4の期間と、第5の期間とで
異なるトランジスタをオン状態にすることでノード117に所定の値の電位を与えること
ができるため、例えば半導体層が非晶質半導体であるトランジスタなど、劣化しやすいト
ランジスタを適用した場合においても各トランジスタにおいての劣化を抑制することがで
きる。よって劣化によるトランジスタのスイッチング動作のタイミングのずれを低減する
ことができるため、動作不良を抑制することができる。
【0118】
ここで
図2に示す第4の期間と第5の期間において、トランジスタ110及びトランジ
スタ111の一方のトランジスタだけを設けてノード117の電位を制御する従来の駆動
回路の場合と、トランジスタ110及びトランジスタ111の両方のトランジスタを設け
てノード117の電位を制御する本発明の一態様である駆動回路の場合との回路計算結果
を
図25に示す。なお、計算はSPICE回路シミュレータを用いて行った。また、ここ
では一例としてフリップフロップ回路内のトランジスタを全てN型トランジスタとし、V
2=0Vとした。
【0119】
図25のうち、
図25(A)は、第4の期間と第5の期間において、トランジスタ11
0及びトランジスタ111の一方のトランジスタを用いてノード117を制御する場合に
おけるノード117の電位(電圧)の変化を示す図であり、
図25(B)は、第4の期間
と第5の期間において、トランジスタ110及びトランジスタ111の両方のトランジス
タを用いてノード117を制御する場合におけるノード117の電位(電圧)の変化を示
す図である。なお、
図25(A)及び
図25(B)において、電圧の単位は、任意単位(
A.U.:Arbitrary Unit)とする。
【0120】
リセット期間後の第4の期間及び第5の期間において発生するノイズは、主に
図1に示
すトランジスタ114の寄生容量によりノード117に影響を及ぼす。まず従来の駆動回
路では、一つのクロック信号に同期した信号を用いてトランジスタを制御するため、リセ
ット期間後、第4の期間及び第5の期間いずれか一方の期間で浮遊状態になる。浮遊状態
になると通常の電位にノイズが上乗せされ、
図25(A)に示すように、一定の期間(図
25(A)では第5の期間)毎にノード117の電位(電圧)が0.4程度変動してしま
う。
【0121】
一方、本発明の一態様である駆動回路では、位相が相反の関係である2つのクロック信
号のそれぞれに同期した信号を用いてトランジスタ110及びトランジスタ111を制御
するため、第4の期間及び第5の期間の両方の期間で浮遊状態とならずに所定の電位が与
えられるため、
図25(B)に示すように、ノード117の電位の変化が0.2以下と変
動が少ない、つまりノイズの影響が少ないことがわかる。以上のことからも複数のトラン
ジスタを用い、第4の期間及び第5の期間の各期間でトランジスタ110またはトランジ
スタ111をオン状態にすることでノード117に所定の値の電位を与えることによりノ
イズによる影響を低減することができることがわかる。
【0122】
さらに本実施の形態では、
図1と異なる構成を用いて本発明の一態様である駆動回路と
することもできる。本実施の形態における駆動回路の他の構成について
図3を用いて説明
する。
図3は、本実施の形態の駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【0123】
図3に示す本実施の形態における駆動回路の他の構成は、
図1に示す回路構成に加え、
トランジスタ120と、端子104Hと、を有する。
【0124】
図3について
図1と同一の符号が付されているものについては、
図1における駆動回路
と同一のものであるため、説明を省略する。
【0125】
トランジスタ120は、ゲート端子が端子100に電気的に接続され、ソース端子及び
ドレイン端子の一方がトランジスタ111のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子
及びドレイン端子の他方が端子104Hに電気的に接続される。
【0126】
端子104Hを介しては、
図1における端子104A乃至端子104Gと同じ電位が与
えられるため
図1における説明を援用する。また端子104A乃至端子104Hを電気的
に接続させて一つの端子104とすることもできる。
【0127】
トランジスタ120は、端子100を介して入力される信号に従って、端子104Hと
ノード119との導通を制御する機能を有し、端子104Hとノード119とを導通状態
にすることによってノード119の電位がV1またはV2に設定される。
【0128】
次に
図3に示す駆動回路の動作について説明する。なお、
図3における駆動回路の動作
についてはトランジスタ120の動作のみを説明し、
図1に示す駆動回路の素子の動作と
同一である部分は適宜
図1における説明を援用する。また、ここでは、
図3に示す駆動回
路の動作の一例としてフリップフロップ回路内のトランジスタがすべてN型トランジスタ
の場合について説明する。
【0129】
第1の期間では、端子100を介してハイ状態である第1の制御信号201が入力され
る。このときトランジスタ120はオン状態になる。
【0130】
トランジスタ120がオン状態になると、ノード119の電位が端子104Hを介して
与えられる電位V2と同等の値となる。従ってトランジスタ111及びトランジスタ11
5は、オフ状態となる。
【0131】
その後第2の期間乃至第5の期間では、端子100を介してロウ状態である第1の制御
信号201が入力される。このときトランジスタ120はオフ状態になる。
【0132】
上記のように
図3に示す駆動回路は、
図1における回路構成による効果に加え、第1の
期間において第1の制御信号201を直接トランジスタ120に入力し、トランジスタ1
20をオン状態にすることにより、第1の期間において、ノード119の電位をより確実
に電位V2に設定することができる。
【0133】
さらに本実施の形態では、
図1及び
図3とは異なる構成を用いて本発明の一態様である
駆動回路とすることもできる。本実施の形態における駆動回路の他の構成について
図4を
用いて説明する。
図4は本実施の形態における駆動回路の回路構成の一例を示す回路図で
ある。
【0134】
図4に示す駆動回路の構成は、
図1の回路構成に加え、端子103C、端子104I及
び端子104J、端子121、トランジスタ122、トランジスタ123、及びトランジ
スタ124を有する。
【0135】
なお、
図4において
図1と同一の符号が付されている素子については、
図1における駆
動回路の各素子と同一であるため、
図1における説明を援用する。
【0136】
トランジスタ122は、ゲート端子がトランジスタ106のソース端子及びドレイン端
子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が端子103Cに電気
的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子121に電気的に接続される。
【0137】
またトランジスタ123は、ゲート端子がトランジスタ111のゲート端子に電気的に
接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ122のソース端子及びド
レイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104
Iに電気的に接続される。
【0138】
またトランジスタ124は、ゲート端子が端子102Bに電気的に接続され、ソース端
子及びドレイン端子の一方がトランジスタ122のソース端子及びドレイン端子の他方に
電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子104Jに電気的に接続さ
れる。
【0139】
端子103Cを介しては、
図1における端子103A及び端子103Bと同じ信号が入
力されるため
図1における説明を援用する。また端子103A乃至端子103Cを電気的
に接続させ、一つの端子103とすることもできる。
【0140】
端子104I及び端子104Jを介しては、
図1における端子104A乃至端子104
Gを介して与えられる電位と同じ電位が与えられるため
図1における説明を援用する。ま
た端子104A乃至端子104G、並びに端子104I及び端子104Jを電気的に接続
させ、一つの端子104とすることもできる。
【0141】
また、フリップフロップ回路は、端子121を介してフリップフロップ回路において生
成された信号を出力する。
【0142】
トランジスタ122は、ノード117の電位にしたがって、端子103Cと端子121
とを導通状態とし、端子103Cを介して入力される信号の電位と端子121を介して出
力される信号の電位とを同等の値にする機能を有する。特に、ノード117の電位がV1
の場合に、端子103Cを介して入力される信号がロウ状態からハイ状態に変化すると、
トランジスタ122は、端子121を介して出力される信号の電位の上昇にしたがってノ
ード117の電位を上昇させる機能を有する。いわゆる、ブートストラップである。ただ
し、ブートストラップは、トランジスタ122のゲート端子と、ソース端子及びドレイン
端子の他方との間の寄生容量によって行われることが多い。
【0143】
トランジスタ123は、ノード119の電位にしたがって、端子104Iと端子121
との導通を制御する機能を有し、端子104Iと端子121とを導通状態にすることによ
り、端子121を介して出力される信号の電位がV1またはV2に設定される。
【0144】
トランジスタ124は、端子102Bを介して入力される信号にしたがって、端子10
4Jと端子121との導通を制御する機能を有し、端子104Jと端子121とを導通状
態にすることにより、端子121を介して出力される信号の電位がV1またはV2に設定
される。
【0145】
次に
図4における駆動回路の動作について
図5を用いて説明する。
図5は本実施の形態
における駆動回路の動作の一例を示すタイミングチャート図である。なお
図4における駆
動回路の動作についてはトランジスタ122、トランジスタ123、及びトランジスタ1
24の動作のみを説明し、
図1に示す駆動回路の素子の動作と同一である部分については
適宜
図1における駆動回路の動作の説明を援用する。なお、
図5における端子103Cに
は第1のクロック信号が入力されるとして説明する。また、ここでは、
図4に示す駆動回
路の動作の一例としてフリップフロップ回路内のトランジスタがすべてN型トランジスタ
の場合について説明する。
【0146】
第1の期間では、
図1に示す回路の動作に加え、端子103Cを介してロウ状態である
第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ124はオン状態になる
。
【0147】
このときノード117の電位204がV1-Vth106になり、トランジスタ113
がオン状態になる。さらにトランジスタ113がオン状態になるとトランジスタ123は
オフ状態になる。
【0148】
また、ノード117の電位204がV1-Vth106になるとトランジスタ122が
オン状態になる。
【0149】
さらにこのとき端子121を介して出力される出力信号209の電位は、端子103C
を介して与えられる第1のクロック信号の電位V2、または端子104Jを介して与えら
れる電位V2と同等の値になる。以上が第1の期間における動作である。
【0150】
次に第2の期間では、
図1に示す回路の動作に加え、端子103Cを介してハイ状態で
ある第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ124がオフ状態に
なる。
【0151】
このときノード117の電位204はV1-Vth106のままであり、トランジスタ
113はオン状態のままである。トランジスタ113がオン状態であるとき、トランジス
タ123はオフ状態のままである。
【0152】
さらにこのときノード117は浮遊状態のままであり、ノード117の電位204は、
V1-Vth106のままである。
【0153】
さらにノード117の電位204がV1-Vth106のままであり、トランジスタ1
22のソース端子及びドレイン端子の一方の電位が第1のクロック信号202の電位V1
になると、ノード117の電位204が、ブートストラップによりトランジスタ122の
ゲート端子と、ソース端子及びドレイン端子の他方との間の寄生容量による容量結合によ
って、出力信号209の電位にあわせて上昇する。このときノード117の電位204は
、第1のクロック信号202の電位V1と、トランジスタ114の閾値電圧との和、また
は第1のクロック信号202の電位V1と、トランジスタ122の閾値電圧(Vth12
2ともいう)との和よりもさらに大きい値、すなわちV1+Vth114+Va、または
V1+Vth122+Va(Vaは任意の正の値)まで上昇する。
【0154】
さらにノード117の電位204がV1+Vth114+Va、またはV1+Vth1
22+Vaであるとき、トランジスタ122はオン状態のままである。
【0155】
さらにこのとき端子121を介して出力される出力信号209の電位は端子103Cを
介して入力される第1のクロック信号202の電位V1と同等の値になる。以上が第2の
期間における動作である。
【0156】
次に第3の期間では、
図1に示す回路の動作に加え、端子103Cを介してロウ状態で
ある第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ124がオン状態に
なる。
【0157】
このときノード118の電位205がV2+Vbになり、トランジスタ110がオン状
態になり、ノード117の電位204が電位V2と同等の値になる。ノード117の電位
204が電位V2になるとトランジスタ122はオフ状態になる。
【0158】
さらにノード119の電位206は電位V2と同等の値のままである。ノード119の
電位206がV2であるとき、ノード119が浮遊状態になる。ノード119が浮遊状態
であるとき、トランジスタ123はオフ状態のままである。
【0159】
さらにこのとき端子121を介して出力される出力信号209の電位は、端子104J
を介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第3の期間における動作である。
【0160】
次に第4の期間では、
図1に示す回路の動作に加え、端子103Cを介してハイ状態であ
る第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ116はオフ状態にな
る。
【0161】
このときノード119の電位206がV2+Vcとなり、ノード119の電位206が
V2+Vcになるとトランジスタ123がオン状態になる。
【0162】
さらにノード117の電位204は端子104Dを介して与えられる電位V2となる。
ノード117の電位がV2になるとトランジスタ122がオフ状態になる。
【0163】
さらにこのとき端子121を介して出力される出力信号209の電位は、端子104I
を介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第4の期間における動作である。
【0164】
次に第5の期間では、
図1に示す回路の動作に加え、端子103Cを介してロウ状態で
ある第1のクロック信号202が入力される。このときトランジスタ124がオン状態に
なる。
【0165】
このときノード118の電位がV2+Vbになり、トランジスタ110がオン状態にな
る。トランジスタ110がオン状態になるとノード117の電位204が端子104Cを
介して与えられる電位V2と同等の値となる。
【0166】
さらにノード117の電位204がV2になるとトランジスタ122がオフ状態になる
。
【0167】
また、ノード119の電位206がV2になり、トランジスタ123はオフ状態になる
。
【0168】
さらにこのとき端子121を介して出力される出力信号209の電位は、端子104J
を介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第5の期間における動作である。
【0169】
上記のように、
図4における駆動回路は、
図1に示す回路構成による効果に加え、出力
信号を複数にすることにより、一方の出力信号を次の段のフリップフロップ回路に出力し
、他方の出力信号を画素のトランジスタのゲート端子に出力することにより、フリップフ
ロップ回路にずれの小さい出力信号を出力することができ、動作不良を抑制することがで
きる。
【0170】
さらに本実施の形態では、
図3における構成と
図4における構成を組み合わせた構成と
することもできる。本実施の形態における駆動回路の他の構成について
図6を用いて説明
する。
図6は、本実施の形態の駆動回路の他の構成を示す回路図である。
【0171】
図6に示す本実施の形態における駆動回路の他の構成は、
図1に示す回路構成に加え、
端子103D、端子104K、端子104L、端子104M、端子125、トランジスタ
126、トランジスタ127、トランジスタ128、及びトランジスタ129を有する。
【0172】
図6において、
図1と同一の符号が付されている素子については、
図1における駆動回
路と同一の素子であるため、
図1における各素子の説明を援用する。
【0173】
また
図6において、端子103Dは
図4における端子103Cに相当し、端子104K
は
図3における端子104Hに相当し、端子104Lは
図4における端子104Iに相当
し、端子104Mは
図4における端子104Jに相当し、端子125は、
図4における端
子121に相当し、トランジスタ126は
図3におけるトランジスタ120に相当し、ト
ランジスタ127は
図4におけるトランジスタ122に相当し、トランジスタ128は図
4におけるトランジスタ123に相当し、トランジスタ129は
図4におけるトランジス
タ124に相当する。それぞれの素子の説明については
図3及び
図4における各素子の説
明を援用する。
【0174】
また
図6における駆動回路の動作については、
図3及び
図4における駆動回路の動作を
組み合わせたものであるため、
図3及び
図4における駆動回路の動作の説明を援用する。
【0175】
図6に示す構成とすることにより、
図3及び
図4に示す構成の駆動回路のそれぞれの効
果と同じ効果が得られる。
【0176】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1と異なる構成の駆動回路について説明する。
【0177】
本実施の形態における駆動回路は、複数のフリップフロップ回路からなるシフトレジス
タを有する。
【0178】
さらに本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路の回路構成の一例につい
て
図7を用いて説明する。
図7は本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路
の回路構成の一例を示す回路図である。
【0179】
図7に示すフリップフロップ回路は、端子500と、端子501と、端子502と、端
子503と、端子504と、端子505と、トランジスタ506と、トランジスタ507
と、トランジスタ508と、トランジスタ509と、容量素子510と、トランジスタ5
11と、トランジスタ512と、トランジスタ513と、トランジスタ514と、を有す
る。
【0180】
なお本実施の形態において、端子502として端子502A及び端子502Bを示して
いるが、これに限定されず、端子502A及び端子502Bを電気的に接続させ、一つの
端子502とすることもできる。また本実施の形態において、端子503として端子50
3A及び端子503Bを示しているが、これに限定されず、端子503A及び端子503
Bを電気的に接続させ、一つの端子503とすることもできる。
【0181】
また、本実施の形態において、端子504として端子504A乃至端子504Eを示し
ているが、これに限定されず、端子504A乃至端子504Eを電気的に接続させ、一つ
の端子504とすることもできる。
【0182】
トランジスタ506は、ゲート端子が端子502Aに電気的に接続され、ソース端子及
びドレイン端子の一方が端子500に電気的に接続される。
【0183】
またトランジスタ507は、ゲート端子が端子500に電気的に接続され、ソース端子
及びドレイン端子の一方がトランジスタ507のゲート端子に電気的に接続され、ソース
端子及びドレイン端子の他方がトランジスタ506のソース端子及びドレイン端子の他方
に電気的に接続される。なお便宜のため図示しないが、本実施の形態においてトランジス
タ507を設けない構成とすることにより回路面積を小さくすることもできる。
【0184】
またトランジスタ508は、ゲート端子が端子501に電気的に接続され、ソース端子
及びドレイン端子の一方がトランジスタ507のソース端子及びドレイン端子の他方に電
気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504Aに電気的に接続され
る。なお便宜のため図示しないが、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回
路において、トランジスタ508を設けない構成とすることにより回路面積を小さくする
こともできる。
【0185】
容量素子510は少なくとも2つの端子を有し、一方の端子が端子503Aに電気的に
接続される。
【0186】
またトランジスタ509は、ゲート端子が容量素子510の他方の端子に電気的に接続
され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ506のソース端子及びドレイ
ン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504Bに
電気的に接続される。
【0187】
またトランジスタ511は、ゲート端子がトランジスタ506のソース端子及びドレイ
ン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ5
09のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504
Cに電気的に接続される。
【0188】
またトランジスタ512は、ゲート端子がトランジスタ506のソース端子及びドレイ
ン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が端子503Bに
電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子505に電気的に接続され
る。なお便宜のため図示しないが、本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回
路は、トランジスタ512のゲート端子とソース端子及びドレイン端子の他方との間に別
途容量素子を設ける構成とすることもできる。
【0189】
またトランジスタ513は、ゲート端子がトランジスタ509のゲート端子に電気的に
接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ512のソース端子及びド
レイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504
Dに電気的に接続される。
【0190】
またトランジスタ514は、ゲート端子が端子502Bに電気的に接続され、ソース端
子及びドレイン端子の一方がトランジスタ512のソース端子及びドレイン端子の他方に
電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504Eに電気的に接続さ
れる。
【0191】
なお、トランジスタ506のソース端子及びドレイン端子の他方と、トランジスタ50
7、トランジスタ508、トランジスタ509、トランジスタ511、及びトランジスタ
512との接続箇所をノード515という。また容量素子510の端子と、トランジスタ
509、トランジスタ511、及びトランジスタ513との接続箇所をノード516とい
う。
【0192】
またフリップフロップ回路には、端子500を介して第1の制御信号が入力され、端子
501を介して第2の制御信号が入力される。第1の制御信号及び第2の制御信号は、そ
れぞれハイ状態とロウ状態の2つの電位の状態を有するデジタル信号を用いることができ
る。デジタル信号を用いる場合、入力される第1の制御信号または第2の制御信号がハイ
状態のとき(ハイレベルともいう)には、端子500または端子501を介して第1の電
位(V1ともいう)として所定の値の電位である第1の制御信号または第2の制御信号が
入力され、入力される第1の制御信号または第2の制御信号がロウ状態のとき(ロウレベ
ルともいう)には、端子500または端子501を介して第2の電位(V2ともいう)と
して上記ハイ状態における所定の値の電位より低い値の電位である第1の制御信号または
第2の制御信号が入力される。ハイ状態及びロウ状態における電位の値は、例えばトラン
ジスタの閾値電圧の値などを考慮して適宜設定することができる。例えばハイ状態とロウ
状態との電位差がフリップフロップ回路内のトランジスタの閾値電圧の絶対値より大きく
なるように、ハイ状態及びロウ状態における電位の値を設定することが好ましい。
【0193】
また、
図7に示すフリップフロップ回路は、端子502(端子502A及び端子502
Bともいう)を介して第1の位相であるクロック信号(第1のクロック信号、またはCK
信号ともいう)または第2の位相であるクロック信号(第2のクロック信号、またはCK
B信号ともいう)が入力される。第1のクロック信号及び第2のクロック信号はそれぞれ
ハイ状態とロウ状態の2つの電位の値を有し、ハイ状態のとき(ハイレベルともいう)は
、第1の電位(V1ともいう)であるクロック信号が入力され、ロウ状態のとき(ロウレ
ベルともいう)には、第2の電位(V2ともいう)であるクロック信号が入力される。な
おハイ状態のときの第1のクロック信号及び第2のクロック信号の電位は、ハイ状態のと
きの第1の制御信号及び第2の制御信号の電位と同等の値であることが好ましく、ロウ状
態のときの第1のクロック信号及び第2のクロック信号の電位は、ロウ状態のときの第1
の制御信号及び第2の制御信号の電位と同等の値であることが好ましい。また、ハイ状態
及びロウ状態における電位の値は、例えばトランジスタの閾値電圧の値などを考慮して適
宜設定することができる。例えばハイ状態とロウ状態との電位差がフリップフロップ回路
内のトランジスタの閾値電圧の絶対値より大きくなるように、ハイ状態及びロウ状態にお
ける電位の値を設定することが好ましい。
【0194】
また、第1のクロック信号と第2のクロック信号とは、位相が異なる。具体的には位相
が相反の関係であり、例えば所定の期間において第1のクロック信号がハイ状態のときに
は、第2のクロック信号はロウ状態であり、第1のクロック信号がロウ状態のときには、
第2のクロック信号はハイ状態である。
【0195】
また、フリップフロップ回路は、端子503(端子503A及び端子503Bともいう
)を介して第1のクロック信号または第2のクロック信号が入力される。なお、端子50
2を介して入力されるクロック信号と、端子503を介して入力されるクロック信号とは
相反の関係であり、例えば端子502を介して第1のクロック信号が入力される場合には
端子503を介して第2のクロック信号が入力され、端子502を介して第2のクロック
信号が入力される場合には端子503を介して第1のクロック信号が入力される。
【0196】
また、フリップフロップ回路には、端子504(端子504A乃至端子504Eともい
う)を介して所定の値の電位が与えられる。このとき所定の値の電位は、例えばV1また
はV2にすることができ、すなわちクロック信号または制御信号などのデジタル信号のハ
イ状態またはロウ状態における電位の値と同等の値にすることができる。
【0197】
トランジスタ506は、端子502Aを介して入力される信号にしたがって、端子50
0と、ノード515との導通を制御する機能を有し、端子500と、ノード515とを導
通状態にすることによって、端子500を介して入力される信号の電位と、ノード515
の電位とが同等の値に設定される。また、トランジスタ506は、トランジスタ509が
オン状態の時にオフ状態になる機能を有する。
【0198】
トランジスタ507は、端子500を介して入力される信号にしたがって、端子500
と、ノード515との導通を制御する機能を有し、端子500と、ノード515とを導通
状態にすることによって、ノード515の電位がV1またはV2に設定され、その後非導
通状態になることによって、ノード515が浮遊状態になる。
【0199】
トランジスタ508は、端子501を介して入力される信号にしたがって、端子504
Aとノード515との導通を制御する機能を有し、端子504Aとノード515とを導通
状態にすることによって、ノード515の電位がV1またはV2に設定される。
【0200】
トランジスタ509は、ノード516の電位にしたがって、端子504Bとノード51
5との導通を制御する機能を有し、端子504Bとノード515とを導通状態とすること
によってノード515の電位がV1またはV2に設定される。また、トランジスタ509
は、トランジスタ506がオン状態の時にオフ状態になる機能を有する。
【0201】
容量素子510は、端子503Aを介して入力される信号にしたがって、容量結合によ
ってノード516の電位を変動させる機能を有する。例えば、端子503Aを介して入力
される信号がロウ状態からハイ状態になった場合、容量素子510は、容量結合によって
ノード516の電位をV1に設定する。一方、端子503Aを介して入力される信号がハ
イ状態からロウ状態になった場合、容量素子510は、容量結合によってノード516の
電位をV1またはV2に設定する。
【0202】
トランジスタ511は、ノード515の電位にしたがって、端子504Cとノード51
6との導通を制御する機能を有し、端子504Cとノード516とを導通状態とすること
によってノード516の電位がV1またはV2に設定される。
【0203】
トランジスタ512は、ノード515の電位にしたがって、端子503Bと端子505
との導通を制御する機能を有し、端子503Bと端子505とを導通状態とすることによ
って、端子503Bを介して入力される信号の電位と端子505を介して出力される信号
の電位とが同等の値に設定される。また、トランジスタ512は、例えばN型トランジス
タであってノード515の電位がV1の場合に、端子503Bを介して入力される信号が
ロウ状態からハイ状態に変化すると、端子505を介して出力される信号の電位の上昇に
したがってノード515の電位を上昇させる機能を有する。いわゆる、ブートストラップ
である。ただし、ブートストラップは、トランジスタ512のゲート端子と、ソース端子
及びドレイン端子の他方との間の寄生容量によって行われることが多い。
【0204】
トランジスタ513は、ノード516の電位にしたがって、端子504Dと端子505
との導通を制御する機能を有し、端子504Dと端子505とを導通状態とすることによ
って、端子505を介して出力される信号の電位がV1またはV2に設定される。
【0205】
トランジスタ514は、端子502Bを介して入力される信号にしたがって、端子50
4Eと端子505との導通を制御する機能を有し、端子504Eと端子505とを導通状
態にすることによって、端子505を介して出力される信号の電位がV1またはV2に設
定される。
【0206】
なお、本実施の形態における駆動回路は、すべて同一の導電型のトランジスタにより構
成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、製造コストの
削減や歩留まりの向上を図ることができる。さらに大型の表示パネルなどの半導体装置を
作製することも容易となる。
図7における本実施の形態における駆動回路では、すべての
トランジスタをN型トランジスタまたはP型トランジスタとすることもできる。
【0207】
次に
図7に示す駆動回路の動作について
図8を用いて説明する。
図8は、
図7に示す駆
動回路の動作を示すタイミングチャート図である。なお、ここでは、一例として端子50
3を介して第1のクロック信号が入力され、端子502を介して第2のクロック信号が入
力されるとして説明する。また、ここでは、
図7に示す駆動回路の動作の一例としてフリ
ップフロップ回路内のトランジスタがすべてN型トランジスタである場合について説明す
る。
【0208】
図8に示すように、
図7における駆動回路の動作は、一定の期間における所定の動作が
繰り返し行われる。一定の期間は、主に選択期間と非選択期間とに分けられ、さらに選択
期間及び非選択期間は第1の期間、第2の期間、第3の期間、第4の期間、及び第5の期
間に分けられる。
図8において、第1の期間、第3の期間、第4の期間、及び第5の期間
は非選択期間であり、第2の期間は選択期間である。
【0209】
まず第1の期間では、端子500を介してハイ状態である第1の制御信号601が入力
され、端子501を介してロウ状態である第2の制御信号607が入力され、端子502
を介してハイ状態である第2のクロック信号603が入力され、端子503を介してロウ
状態である第1のクロック信号602が入力されることにより、トランジスタ506、ト
ランジスタ507、及びトランジスタ514がオン状態になり、トランジスタ508がオ
フ状態になる。
【0210】
トランジスタ506及びトランジスタ507がオン状態になるとノード515の電位6
04が端子502Aを介して入力された第2のクロック信号603の電位V1からトラン
ジスタ506の閾値電圧(Vth
506ともいう)を引いた値、すなわちV1-Vth
5
06、または端子500を介して入力された第1の制御信号601の電位V1からトラン
ジスタ507の閾値電圧(Vth
507ともいう)を引いた値、すなわちV1-Vth
5
07になるまで上昇する。ノード515の電位がV1-Vth
506またはV1-Vth
507になるとトランジスタ507はオフ状態となる。このときトランジスタ506の閾
値電圧と、トランジスタ507の閾値電圧は同等の値であることが好ましい。
図8では一
例として第2の期間におけるノード515の電位がV1-Vth
507になるとして説明
する。
【0211】
さらにノード515の電位604がV1-Vth507になると、トランジスタ511
及びトランジスタ512がオン状態になる。
【0212】
さらにトランジスタ511がオン状態になるとノード516の電位605が端子504
Cを介して与えられる電位V2と同等の値になる。さらにノード516の電位がV2にな
るとトランジスタ509及びトランジスタ513がオフ状態になる。
【0213】
さらにこのとき端子505を介して出力される出力信号606の電位は、端子503B
を介して入力される第1のクロック信号602の電位V2または端子504Eを介して与
えられる電位V2と同等の値になる。以上が、第1の期間における動作である。
【0214】
次に第2の期間では、端子500を介してロウ状態である第1の制御信号601が入力
され、端子501を介してロウ状態である第2の制御信号607が入力され、端子502
を介してロウ状態である第2のクロック信号603が入力され、端子503A及び端子5
03Bを介してハイ状態である第1のクロック信号602が入力される。このときトラン
ジスタ506、トランジスタ507、及びトランジスタ514がオフ状態になり、トラン
ジスタ508はオフ状態のままである。
【0215】
このときノード515の電位604はV1-Vth507のままであり、トランジスタ
511はオン状態のままである。さらにノード515の電位604がV1-Vth507
のままであるとき、ノード516の電位605は端子504Cを介して与えられる電位V
2のままであり、トランジスタ509及びトランジスタ513はオフ状態のままである。
【0216】
さらに上記のように、トランジスタ506、トランジスタ507、トランジスタ508
、トランジスタ509、及びトランジスタ513がオフ状態であるとき、ノード515は
浮遊状態のままであり、ノード515の電位604は、V1-Vth507のままである
。
【0217】
さらにノード515の電位604がV1-Vth507のままであり、トランジスタ5
12のソース端子及びドレイン端子の一方の電位が第1のクロック信号602の電位V1
になると、端子505を介して出力される出力信号606の電位が上昇する。すると、ノ
ード515は浮遊状態であるため、ブートストラップによりノード515の電位604は
、トランジスタ512のゲート端子と、ソース端子とドレイン端子との他方との間の寄生
容量による容量結合によって、出力信号606の電位にあわせて上昇する。
【0218】
ノード515の電位604は、第1のクロック信号602の電位V1と、トランジスタ
512の閾値電圧(Vth512ともいう)との和よりもさらに大きい値、すなわちV1
+Vth512+Va(Vaは任意の正の値)まで上昇する。このときトランジスタ51
2はオン状態のままである。
【0219】
さらにこのとき端子505を介して出力される出力信号606の電位は端子503Bを
介して入力される電位V1と同等の値になる。以上が第2の期間における動作である。
【0220】
次に第3の期間では、端子500を介してロウ状態である第1の制御信号601が入力
され、端子501を介してハイ状態である第2の制御信号607が入力され、端子502
A及び端子502Bを介してハイ状態である第2のクロック信号603が入力され、端子
503A及び端子503Bを介してロウ状態である第1のクロック信号602が入力され
る。このときトランジスタ506、トランジスタ508、トランジスタ514がオン状態
になり、トランジスタ507はオフ状態のままである。
【0221】
トランジスタ506及びトランジスタ508がオン状態になると、ノード515の電位
が端子500を介して入力される第1の制御信号601の電位V2または端子504Aを
介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0222】
さらにノード515の電位604がV2になると、トランジスタ511及びトランジス
タ512はオフ状態になる。なおトランジスタ511は、端子502Bを介して入力され
る第1のクロック信号602がロウ状態になった後にオフ状態になる場合が多い。なぜな
ら、ノード515の電位604は、第1のクロック信号602よりも遅延またはなまって
いる場合が多いからである。第1のクロック信号602がロウ状態になった後にトランジ
スタ511がオフ状態になると、端子504Cを介して与えられる電位V2と同等の値が
保持されたままノード516が浮遊状態になる。
【0223】
さらにノード516が浮遊状態であるとき、トランジスタ509及びトランジスタ51
3はオフ状態のままである。
【0224】
さらに容量素子510には、端子503Aを介して入力される第1のクロック信号60
2の電位と、ノード516との電位との電位差、つまりロウ状態である第1のクロック信
号602の電位と、端子504Cを介して与えられる電位V2との電位差が保持される。
【0225】
さらにこのとき端子505を介して出力される出力信号606の電位は、端子504E
を介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が第3の期間における動作である。
【0226】
次に第4の期間では、端子500を介してロウ状態である第1の制御信号601が入力
され、端子501を介してロウ状態である第2の制御信号607が入力され、端子502
A及び端子502Bを介してロウ状態である第2のクロック信号603が入力され、端子
503A及び端子503Bを介してハイ状態である第1のクロック信号602が入力され
る。このときトランジスタ506、トランジスタ508、及びトランジスタ514がオフ
状態になり、トランジスタ507はオフ状態のままである。
【0227】
このときノード516の電位605は、容量素子510の容量結合によってV2+Vb
になる。Vbはトランジスタ509の閾値電圧またはトランジスタ513の閾値電圧より
も大きいことが好ましく、V1-V2よりも小さいことが好ましい。
【0228】
さらにノード516の電位605がV2+Vcになるとトランジスタ509及びトラン
ジスタ513がオン状態になり、トランジスタ509及びトランジスタ513がオン状態
になると、ノード515の電位604が端子504Bを介して与えられる電位V2、また
は端子504Dを介して与えられる電位V2と同等の値になる。
【0229】
さらにノード515の電位604がV2になるとトランジスタ511及びトランジスタ
512がオフ状態になる。
【0230】
さらにこのとき端子505を介して出力される出力信号606の電位は、端子504D
を介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が第4の期間における動作である。
【0231】
次に第5の期間では、端子500を介してロウ状態である第1の制御信号601が入力
され、端子501を介してロウ状態である第2の制御信号607が入力され、端子502
A及び端子502Bを介してハイ状態である第2のクロック信号603が入力され、端子
503A及び端子503Bを介してハイ状態である第1のクロック信号602が入力され
る。このときトランジスタ506及びトランジスタ514がオン状態になり、トランジス
タ507及びトランジスタ508はオフ状態のままである。
【0232】
このときノード516の電位605は、容量素子510の容量結合によってV2になる
。さらにノード516の電位605がV2になるとトランジスタ509及びトランジスタ
513がオフ状態になる。
【0233】
さらにノード515の電位604がV2になると、トランジスタ511及びトランジス
タ512がオフ状態になる。
【0234】
さらにこのとき端子505を介して出力される出力信号606の電位は、端子504D
を介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第5の期間における動作である。
【0235】
なお、本実施の形態における駆動回路の動作において、第4の期間及び第5の期間は、
第3の期間の後の非選択期間の間、複数回繰り返し行われる。これにより非選択期間のい
ずれの期間においてもノード515に所定の値の電位が与えられるため、ノード515が
浮遊状態になるのを抑制することができる。よってノイズによる影響を低減することがで
きるため、動作不良を抑制することができる。
【0236】
また、本実施の形態における駆動回路の動作において、第4の期間と、第5の期間とで
異なるトランジスタ(本実施の形態ではトランジスタ506及びトランジスタ509)を
オン状態にすることでノード515に所定の値の電位を与えることができるため、例えば
半導体層が非晶質半導体であるトランジスタを適用した場合においても各トランジスタの
劣化を抑制することができる。よって劣化によるトランジスタの動作タイミングのずれを
低減することができるため、動作不良を抑制することができる。
【0237】
また、本実施の形態における駆動回路は、上記実施の形態の構成と比べて少ない素子で
構成することができるため、回路面積を小さくすることができる。
【0238】
さらに本実施の形態では、
図7と異なる構成を用いて本発明の一態様である駆動回路と
することもできる。本実施の形態における駆動回路の他の構成について
図9を用いて説明
する。
図9は、本実施の形態における駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【0239】
図9に示す駆動回路は、
図7に示す駆動回路の回路構成に加え、端子504F及びトラ
ンジスタ517を有する。
【0240】
なお
図9に示す駆動回路において、
図7に示す駆動回路と同一の符号が付されているも
のについては、
図7に示す駆動回路と同一のものであるため、説明を省略する。
【0241】
トランジスタ517は、ゲート端子が端子500に電気的に接続され、ソース端子及び
ドレイン端子の一方がトランジスタ509のゲート端子に電気的に接続され、ソース端子
及びドレイン端子の他方が端子504Fに電気的に接続される。
【0242】
図9に示す駆動回路では、端子504Fを介しては、
図7に示す端子504A乃至端子
504Eと同等の電位が与えられる。また端子504A乃至端子504Fを電気的に接続
させ、一つの端子504とすることもできる。
【0243】
トランジスタ517は、端子500を介して入力される信号に従って端子504Fとノ
ード516との導通を制御する機能を有し、端子504Fとノード516とを導通状態に
することによってノード516の電位がV1またはV2に設定される。
【0244】
次に
図9に示す駆動回路の動作について説明する。なお、
図9における駆動回路の動作
についてはトランジスタ517の動作のみを説明し、トランジスタ517以外の素子の動
作は
図7に示す駆動回路の動作と同一であるため、説明を省略する。また、ここでは、図
9に示す駆動回路の動作の一例としてフリップフロップ回路内のトランジスタがすべてN
型トランジスタの場合について説明する。
【0245】
第1の期間では、端子500を介してハイ状態である第1の制御信号601が入力され
る。このときトランジスタ517はオン状態になる。
【0246】
トランジスタ517がオン状態になるとノード516の電位が端子504Fを介して与
えられる電位V2と同等の値になる。
【0247】
その後第2の期間乃至第5の期間では、端子500を介してロウ状態である第1の制御
信号601が入力され、トランジスタ517はオフ状態になる。
【0248】
以上のように、
図9に示す駆動回路は、上記
図7に示す回路構成による効果に加え、第
1の期間において第1の制御信号601を直接トランジスタ517に入力し、トランジス
タ517をオン状態にすることにより、第1の期間においてノード516の電位をより確
実に電位V2に設定することができる。
【0249】
さらに本実施の形態では、
図7及び
図9とは異なる構成を用いて本発明の一態様である
駆動回路とすることもできる。本実施の形態における駆動回路の他の構成について
図10
を用いて説明する。
図10は本実施の形態における駆動回路の回路構成の一例を示す回路
図である。
【0250】
図10に示す駆動回路の構成は、
図7に示す回路構成に加え、端子503C、端子50
4G、端子504H、端子518、トランジスタ519、トランジスタ520、及びトラ
ンジスタ521を有する。
【0251】
なお
図10について
図7と同一の符号が付されている素子については、
図7における駆
動回路と同一の素子であるため、
図7における各素子の説明を援用する。
【0252】
トランジスタ519は、ゲート端子がトランジスタ506のソース端子及びドレイン端
子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方が端子503Cに電気
的に接続される。
【0253】
またトランジスタ520は、ゲート端子がトランジスタ509のゲート端子に電気的に
接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ519のソース端子及びド
レイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504
Gに電気的に接続される。
【0254】
またトランジスタ521は、ゲート端子がトランジスタ514のゲート端子に電気的に
接続され、ソース端子及びドレイン端子の一方がトランジスタ519のソース端子及びド
レイン端子の他方に電気的に接続され、ソース端子及びドレイン端子の他方が端子504
Hに電気的に接続される。
【0255】
トランジスタ519は、ノード515の電位にしたがって、端子503Cと端子518
とを導通状態にし、端子503Cを介して入力される信号の電位と端子518を介して出
力される信号の電位とを同等の値にする機能を有する。特に、ノード515の電位がV1
の場合に、端子503Cを介して入力される信号の電位がロウ状態からハイ状態に変化す
ると、トランジスタ519は、トランジスタ519のソース端子及びドレイン端子の他方
の電位の上昇にしたがってノード515の電位を上昇させる機能を有する。いわゆる、ブ
ートストラップである。ブートストラップは、トランジスタ519のゲート端子と、ソー
ス端子及びドレイン端子の他方との間の寄生容量によって行われることが多い。
【0256】
トランジスタ520は、ノード516の電位にしたがって、端子504Gと端子518
とを導通状態とし、端子518を介して出力する信号の電位をV1またはV2に設定する
機能を有する。
【0257】
トランジスタ521は、端子502Bを介して入力される信号にしたがって、端子50
4Hと端子518とを導通状態にし、端子518を介して出力する信号の電位をV1また
はV2に設定する機能を有する。
【0258】
次に
図10における駆動回路の動作について
図11を用いて説明する。
図11は本実施
の形態における駆動回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。なお
図10にお
ける駆動回路の動作については、トランジスタ519、トランジスタ520、及びトラン
ジスタ521の動作のみを説明し、
図7に示す駆動回路の素子の動作と同一である部分に
ついては適宜
図7における駆動回路の動作の説明を援用する。なお、
図10における端子
503Cには、第1のクロック信号が入力されるとして説明する。ここでは、
図10に示
す駆動回路の動作の一例としてフリップフロップ回路内のトランジスタがすべてN型トラ
ンジスタの場合について説明する。
【0259】
第1の期間では、
図7に示す回路の動作に加え、端子503Cを介してロウ状態である
第1のクロック信号602が入力される。このときトランジスタ521がオン状態になる
。
【0260】
このときノード515の電位604がV1-Vth507になり、トランジスタ511
がオン状態になる。さらにトランジスタ511がオン状態になるとトランジスタ520が
オフ状態になる。
【0261】
また、ノード515の電位604がV1-Vth507になると、トランジスタ512
はオン状態になる。
【0262】
さらにこのとき端子518を介して出力する出力信号608の電位は、端子503Cを
介して入力される第1のクロック信号の電位V2、または端子504Hを介して与えられ
る電位V2と同等の値になる。以上が第1の期間における動作である。
【0263】
次に第2の期間では、
図7に示す回路の動作に加え、端子503Cを介してハイ状態で
ある第1のクロック信号602が入力される。このときトランジスタ521がオフ状態に
なる。
【0264】
このときノード515の電位604はV1-Vth507のままであり、トランジスタ
511はオン状態のままである。さらにトランジスタ511がオン状態のままであるとき
、トランジスタ520はオフ状態のままである。
【0265】
さらにこのときノード515は浮遊状態のままであり、ノード515の電位604は、
V1-Vth507のままである。
【0266】
さらにノード515の電位604がV1-Vth507のままであり、ソース端子及び
ドレイン端子の一方の電位が第1のクロック信号602の電位V1になるとトランジスタ
519のゲート端子と、ソース端子及びドレイン端子の他方との間の寄生容量による容量
結合によって、ノード515の電位604が出力信号608の電位に合わせて上昇する。
このときノード515の電位604は、第1のクロック信号602の電位V1と、トラン
ジスタ512の閾値電圧(Vth512ともいう)との和、または第1のクロック信号6
02の電位V1と、トランジスタ519の閾値電圧(Vth519ともいう)との和より
もさらに大きな値、すなわちV1+Vth512+Va、またはV1+Vth519+V
a(Vaは任意の正の値)まで上昇する。
【0267】
さらにノード515の電位604がV1+Vth512+VaまたはV1+Vth51
9+Vaであるとき、トランジスタ519はオン状態のままである。
【0268】
さらにこのとき端子518を介して出力する出力信号608の値は、端子503Cを介
して入力される第1のクロック信号602の電位V1と同等の値となる。以上が第2の期
間における動作である。
【0269】
次に第3の期間では、
図7に示す回路の動作に加え、端子503Cを介してロウ状態で
ある第1のクロック信号602が入力される。このときトランジスタ521がオン状態に
なる。
【0270】
このときノード516の電位605は電位V2と同等の値のままである。ノード516
の電位605がV2であるとき、ノード516が浮遊状態になる。ノード516が浮遊状
態であるとき、トランジスタ520はオフ状態のままである。
【0271】
さらにこのとき端子518を介して出力する出力信号608の電位は、端子504Hを
介して与えられる電位V2と同等の値となる。以上が第3の期間における動作である。
【0272】
次に第4の期間では、
図7に示す回路の動作に加え、端子503Cを介してハイ状態で
ある第1のクロック信号602が入力される。このときトランジスタ521がオフ状態に
なる。
【0273】
このときノード516の電位605がV2+Vbとなり、ノード516の電位605が
V2+Vbとなるとトランジスタ520がオン状態になる。
【0274】
さらにノード515の電位604は端子504Bを介して与えられる電位V2と同等の
値になる。ノード515の電位604がV2になるとトランジスタ519がオフ状態にな
る。
【0275】
さらにこのとき端子518を介して出力する出力信号608の電位は、端子504Gを
介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第4の期間における動作である。
【0276】
次に第5の期間では、
図7に示す回路の動作に加え、端子503Cを介してロウ状態で
ある第1のクロック信号602が入力される。このときトランジスタ521がオン状態に
なる。
【0277】
このときノード515の電位604がV2になるとトランジスタ519がオフ状態にな
る。
【0278】
また、ノード516の電位605がV2になるとトランジスタ520がオフ状態になる
。
【0279】
さらにこのとき端子518を介して出力する出力信号608の電位は、端子504Hを
介して与えられる電位V2と同等の値になる。以上が第5の期間における動作である。
【0280】
以上のように、
図10に示す駆動回路におけるフリップフロップ回路は、出力信号を複
数にすることにより、一方の出力信号を次の段のフリップフロップ回路に出力し、他方の
出力信号を画素のトランジスタのゲート端子に出力することにより、フリップフロップ回
路にずれの小さい出力信号を出力することができ、動作不良を抑制することができる。
【0281】
さらに本実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路は、
図7における構成と
図10における構成を組み合わせた構成とすることもできる。本実施の形態の駆動回路に
おけるフリップフロップ回路の他の構成について
図12を用いて説明する。
図12は、本
実施の形態の駆動回路におけるフリップフロップ回路の他の構成を示す回路図である。
【0282】
図12に示す本実施の形態におけるフリップフロップ回路の駆動回路の他の構成は、図
7に示す回路構成に加え、端子503D、端子504I、端子504J、端子504K、
端子522、トランジスタ523、トランジスタ524、トランジスタ525、及びトラ
ンジスタ526を有する。
【0283】
図12において、
図7と同一の符号が付されている素子については、
図7における駆動
回路と同一の素子であるため、適宜
図7における各素子の説明を援用する。
【0284】
また
図12において、端子503Dは、
図10における端子503Cに相当し、端子5
04Iは
図9における端子504Fに相当し、端子504Jは
図10における端子504
Gに相当し、端子504Kは
図10における端子504Hに相当し、端子522は
図10
における端子518に相当し、トランジスタ523は
図9におけるトランジスタ517に
相当し、トランジスタ524は
図10におけるトランジスタ519に相当し、トランジス
タ525は
図10におけるトランジスタ520に相当し、トランジスタ526は
図10に
おけるトランジスタ521に相当する。それぞれの素子の説明については適宜
図9及び図
10における各素子の説明を援用する。
【0285】
また
図12における駆動回路の動作については、
図9及び
図10における駆動回路の動
作を組み合わせたものであるため、適宜
図9及び
図10における駆動回路の動作の説明を
援用する。
【0286】
以上のように
図12に示す構成とすることにより、
図9及び
図10示す駆動回路のそれ
ぞれの効果が得られる。
【0287】
また本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0288】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である駆動回路を用いた表示装置の構成について説
明する。
【0289】
まず本実施の形態の表示装置の構成について
図13を用いて説明する。
図13は、本実
施の形態の表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0290】
図13に示す表示装置は、画素部700と、信号線駆動回路701と、走査線駆動回路
702と、制御回路703と、クロック信号生成回路704と、信号線705Aと、信号
線705Bと、走査線706Aと、走査線706Bと、走査線706Cと、走査線706
Dと、クロック信号線707と、クロック信号線708と、を有する。なお
図13に示す
表示装置において、走査線706A、走査線706B、走査線706C、または走査線7
06Dを単に走査線706ともいう。なお
図13に示す表示装置において、信号線705
Aまたは信号線705Bを単に信号線705ともいう。また
図13では、2つの信号線及
び4つの走査線を図示しているが、本実施の形態の表示装置では、信号線及び走査線の数
は特に限定されず、他の数の信号線及び走査線を有する構成することもできる。信号線及
び走査線の数を多くすることにより、画素数を増加させた場合においても表示動作を行う
ことができる。
【0291】
さらに画素部700は、複数の画素709を有する。なお
図13では、画素709を8
つのみ図示しているが、これに限定されず、本実施の形態の表示装置では、他の数で構成
することもできる。例えば同じ面積の画素部であれば、画素の数を増やすことにより鮮明
に表示を行うことができる。
【0292】
また画素部700における画素709は、複数の信号線705のうち、いずれか一つの
信号線705を介して信号線駆動回路701に電気的に接続され、且つ複数の走査線70
6のうち、いずれか一つの走査線706を介して走査線駆動回路702に電気的に接続さ
れる。
【0293】
さらに走査線駆動回路702は、シフトレジスタを有し、シフトレジスタは、第1のフ
リップフロップ回路(1段目のフリップフロップ回路ともいう)となるフリップフロップ
回路710Aと、第2のフリップフロップ回路(2段目のフリップフロップ回路ともいう
)となるフリップフロップ回路710Bと、第3のフリップフロップ回路(3段目のフリ
ップフロップ回路ともいう)となるフリップフロップ回路710Cと、第4のフリップフ
ロップ回路(4段目のフリップフロップ回路ともいう)となるフリップフロップ回路71
0Dと、を有する。なお、フリップフロップ回路710A、フリップフロップ回路710
B、フリップフロップ回路710C、またはフリップフロップ回路710Dを単にフリッ
プフロップ回路710ともいう。なお、本実施の形態の表示装置において、フリップフロ
ップ回路の数は、
図13に示すフリップフロップ回路の数に限定されず、他の数(N段(
Nは自然数))で構成することもできる。例えばフリップフロップ回路の数を増やすこと
で、より多くの信号線を制御することができるため、画素部の面積を大きくする場合に有
効である。
【0294】
また、本実施の形態の表示装置において、フリップフロップ回路710に上記実施の形態
1乃至実施の形態3のいずれかのフリップフロップ回路の構成を適用することができる。
図13に示す表示装置では、一例として
図1の構成のフリップフロップ回路を適用した場
合について説明する。なお、
図13に示す表示装置では、走査線駆動回路に本発明の一態
様である駆動回路を適用した例について説明するが、これに限定されず、本実施の形態の
表示装置では、信号線駆動回路においても本発明の一態様である駆動回路を適用すること
ができる。
【0295】
例えばN段(Nは2以上の自然数)のフリップフロップ回路710を有する構成の場合
、1段目のフリップフロップ回路は、
図1に示す端子100が制御回路703に電気的に
接続され、
図1に示す端子105が第1の走査線706を介して画素709に電気的に接
続される。
【0296】
N段目のフリップフロップ回路710は、
図1に示す端子100がN-1段目における
フリップフロップ回路710の端子105に電気的に接続され、
図1に示す端子105が
N-1段目におけるフリップフロップ回路710の
図1に示す端子101に電気的に接続
され、且つ第Kの走査線706を介して画素709に電気的に接続される。
【0297】
また、奇数段目のフリップフロップ回路710は、
図1に示す端子102がクロック信
号線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示す端子1
03がクロック信号線707を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続される
。
【0298】
また、偶数段目のフリップフロップ回路710は、
図1に示す端子102がクロック信
号線707を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示す端子1
03がクロック信号線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続される
。
【0299】
さらに
図13に示す走査線駆動回路702の構成について詳しく説明する。
【0300】
さらに
図13に示す走査線駆動回路702において、フリップフロップ回路710Aは
、
図1に示す端子100が制御回路703に電気的に接続され、
図1に示す端子102が
クロック信号線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に
示す端子103がクロック信号線707を介してクロック信号生成回路704に電気的に
接続され、
図1に示す端子105が走査線706Aを介して画素709に電気的に接続さ
れる。
【0301】
またフリップフロップ回路710Bは、
図1に示す端子100がフリップフロップ回路
710Aの端子105に電気的に接続され、
図1に示す端子102がクロック信号線70
7を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示す端子103がク
ロック信号線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示
す端子105がフリップフロップ回路710Aの
図1に示す端子101に電気的に接続さ
れ、且つ走査線706Bを介して画素709に電気的に接続される。
【0302】
またフリップフロップ回路710Cは、
図1に示す端子100がフリップフロップ回路
710Bにおける端子105に電気的に接続され、
図1に示す端子102がクロック信号
線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示す端子10
3がクロック信号線707を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、図
1に示す端子105がフリップフロップ回路710Bにおける
図1に示す端子101に電
気的に接続され、且つ走査線706Cを介して画素709に電気的に接続される。
【0303】
またフリップフロップ回路710Dは、
図1に示す端子100がフリップフロップ回路
710Cにおける端子105に電気的に接続され、
図1に示す端子102がクロック信号
線707を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、
図1に示す端子10
3がクロック信号線708を介してクロック信号生成回路704に電気的に接続され、図
1に示す端子105がフリップフロップ回路710Cにおける
図1に示す端子101に電
気的に接続され、且つ走査線706Dを介して画素709に電気的に接続される。
【0304】
クロック信号生成回路704は、クロック信号線707を介して第1のクロック信号を
出力し、且つクロック信号線708を介して第2のクロック信号を出力する。なお第1の
クロック信号及び第2のクロック信号については、それぞれ上記実施の形態1における第
1のクロック信号及び第2のクロック信号と同じであるため、適宜実施の形態1の説明を
援用する。
【0305】
制御回路703からは、フリップフロップ回路の動作が開始となる第1の制御信号とし
て開始信号を出力する。なお開始信号については、上記実施の形態1における第1の制御
信号と同じであるため、実施の形態1における第1の制御信号の説明を援用する。また制
御回路703は信号線駆動回路701に電気的に接続された構成とすることもできる。制
御回路703と信号線駆動回路701とが電気的に接続された構成とすることにより、信
号線駆動回路701においても制御信号を用いて所望の動作を行うことができる。
【0306】
【0307】
まず走査線駆動回路702の動作について
図14を用いて説明する。
図14は、
図13
に示す表示装置における走査線駆動回路の動作の一例を示すタイミングチャート図である
。ここでは、一例としてN型のトランジスタでフリップフロップ回路を構成した場合につ
いて説明する。
【0308】
図13に示す走査線駆動回路702の動作は、フリップフロップ回路の段数Nに応じて
T(Tは自然数)個の期間に分けられる。ここでは、一例としてT=8とし、
図13に図
示しているフリップフロップ回路710A乃至フリップフロップ回路710Dの4つのフ
リップ回路における動作について説明する。
【0309】
まず第1の期間では、フリップフロップ回路710Aに制御回路703からフリップフ
ロップ回路710Aにおける端子100を介してハイ状態である開始信号801が入力さ
れ、端子102を介してハイ状態である第2のクロック信号803が入力され、端子10
3を介してロウ状態である第1のクロック信号802が入力される。ここでの第1の期間
の動作は、上記実施の形態1における
図2に示すタイミングチャートの第1の期間の動作
に相当する。
【0310】
次に第2の期間では、フリップフロップ回路710Aに制御回路703からフリップフ
ロップ回路710Aにおける端子100を介してロウ状態である開始信号801が入力さ
れ、端子102を介してロウ状態である第2のクロック803信号が入力され、端子10
3を介してハイ状態である第1のクロック信号802が入力される。このとき端子105
を介してフリップフロップ回路710Bの端子100、及び走査線706Aにハイ状態で
ある出力信号804を出力する。
【0311】
また第2の期間では、フリップフロップ回路710Bに端子100を介してフリップフ
ロップ回路710Aの出力信号804が入力され、端子102を介してハイ状態である第
1のクロック信号802が入力され、端子103を介してロウ状態である第2のクロック
信号803が入力される。
【0312】
次に第3の期間では、フリップフロップ回路710Bに端子100を介してロウ状態で
ある出力信号804が入力され、端子102を介してロウ状態である第1のクロック信号
802が入力され、端子103を介してハイ状態である第2のクロック信号803が入力
される。このとき端子105を介してフリップフロップ回路710Cの端子100、フリ
ップフロップ回路710Aの端子101、及び走査線706Bにハイ状態である出力信号
805を出力する。
【0313】
また第3の期間では、フリップフロップ回路710Cに端子100を介してハイ状態で
ある出力信号805が入力され、端子102を介してハイ状態である第2のクロック信号
803が入力され、端子103を介してロウ状態である第1のクロック信号802が入力
される。
【0314】
次に第4の期間では、フリップフロップ回路710Cに端子100を介してロウ状態で
ある出力信号805が入力され、端子102を介してロウ状態である第2のクロック信号
803が入力され、端子103を介してハイ状態である第1のクロック信号802が入力
される。このとき端子105を介してフリップフロップ回路710Dの端子100、フリ
ップフロップ回路710Bの端子101、及び走査線706Cに出力信号806を出力す
る。
【0315】
また第4の期間では、フリップフロップ回路710Dに端子100を介してハイ状態で
ある出力信号806が第1の制御信号として入力され、端子102を介してハイ状態であ
る第1のクロック信号802が入力され、端子103を介してロウ状態である第2のクロ
ック信号803が入力される。
【0316】
次に第5の期間では、フリップフロップ回路710Dに端子100を介してロウ状態で
ある出力信号806が第1の制御信号として入力され、端子102を介してロウ状態であ
る第1のクロック信号が入力され、端子103を介してハイ状態である第2のクロック信
号が入力される。このとき端子105を介して次の段のフリップフロップ回路の端子10
0、フリップフロップ回路710Cの端子101、及び走査線706Dに出力信号807
を出力する。以上が走査線駆動回路における動作である。
【0317】
次に画素部における動作について説明する。
【0318】
まず走査線駆動回路702により複数の走査線706のいずれかが選択される。選択さ
れた走査線706に電気的に接続された画素709は、信号線駆動回路701により信号
線705を介して信号が入力され、表示素子に所定の値の電位が与えられ、表示動作を行
う。さらに別の走査線706が順次選択されることで他の画素も同様に表示動作を行う。
以上が画素部における動作である。
【0319】
以上のように、本実施の形態における表示装置は、本発明の一態様である駆動回路を走
査線駆動回路として用いることにより、フリップフロップ回路がリセットされた後におい
て、信号の値が変化することを抑制することができるため、動作不良を抑制することがで
きる。また各走査線において所望の電位を保持することができるため、信頼性を向上させ
ることができる。
【0320】
また、本実施の形態の表示装置としては、例えば液晶表示装置を適用することができる
。以下に液晶表示装置に適用した場合について説明する。
【0321】
本実施の形態における液晶表示装置に適用可能な液晶素子の動作モードとしては、TN
(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switch
ing)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、M
VA(Multi-domain Vertical Alignment)モード、P
VA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(
Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード
、OCB(Optical Compensated Birefringence)モ
ード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、
AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モー
ドなどを用いることができる。
【0322】
次に本実施の形態における液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作につい
て説明する。
【0323】
まず本実施の形態における液晶表示装置に適用可能な画素の構成について
図15(A)
を用いて説明する。
図15(A)は、本実施の形態における液晶表示装置の画素部の構成
の一例を示す回路図である。
【0324】
図15(A)に示す画素部は、画素750、配線754、配線755、配線756、及
び配線757を有し、画素750は、トランジスタ751、液晶素子752、及び容量素
子753を有する。
【0325】
トランジスタ751は、ゲート端子が配線755に電気的に接続され、ソース端子及び
ドレイン端子の一方が配線754と電気的に接続される。
【0326】
液晶素子752は、第1端子、第2端子、及び液晶層を有し、第1端子がトランジスタ
751のソース端子及びドレイン端子の他方に電気的に接続され、第2端子が配線757
に電気的に接続される。
【0327】
容量素子753は、少なくとも2つの端子を有し、一方の端子が液晶素子752の第1
端子に電気的に接続され、他方の端子が配線756に電気的に接続される。
【0328】
配線754は、例えば信号線として機能させることができる。信号線は、画素の外部か
ら入力された所定の電位であるデータ信号を画素750に伝達するための配線である。
【0329】
配線755は走査線として機能させることができる。走査線は、トランジスタ751の
オン状態及びオフ状態を制御するための配線である。
【0330】
配線756は容量線として機能させることができる。容量線は、容量素子753の端子
に所定の電圧を加えるための配線である。
【0331】
トランジスタ751はスイッチとして機能させることができる。
【0332】
容量素子753は保持容量として機能させることができる。容量素子753は、トラン
ジスタ751がオフ状態のときに、液晶素子752に印加される電圧を一定期間維持する
ための容量素子である。
【0333】
配線757は、液晶素子752の対向電極として機能させることができる。対向電極は
、液晶素子752に所定の電圧を加えるための配線である。
【0334】
なお、それぞれの配線の機能はこれに限定されず、様々な機能を付加することが出来る
。例えば、容量線として機能する配線に加える電位を変化させることで、液晶素子752
に与えられる電圧を調整することもできる。
【0335】
また、トランジスタ751はスイッチとして機能すればよいため、トランジスタ751
の極性はP型でもよいし、N型でもよい。
【0336】
また本実施の形態における液晶表示装置に適用可能な画素の他の構成について
図15(
B)を用いて説明する。
図15(B)は、本実施の形態における液晶表示装置の画素部の
他の構成の一例を示す回路図である。
【0337】
図15(B)に示す画素部の構成は、
図15(A)に示す画素部の構成と比較して、配
線757が省略され、かつ、液晶素子752の端子と容量素子753の端子とが電気的に
接続されている点が異なっている以外は、
図15(A)に示す画素部と同様の構成である
。
図15(B)に示す画素部は、特に、液晶素子が横電界モード(IPSモード、FFS
モードを含む)である場合に適用することが好ましい。なぜならば、液晶素子が横電界モ
ードである場合、液晶素子752の端子の一部となる電極および容量素子753の端子の
一部となる電極を同一な基板上に形成させることができるため、液晶素子752の電極と
容量素子753の電極とを電気的に接続させることが容易であるからである。また、
図1
5(B)に示す画素部の構成とすることで、配線757を省略できるので、製造工程を簡
略にすることができ、製造コストを低減できる。
【0338】
なお、
図15(A)または
図15(B)に示す画素部は、マトリクス状に画素を複数配
置する構成とすることができる。こうすることで、液晶表示装置の表示部が形成され、様
々な画像を表示することができる。
【0339】
複数の画素を有する画素部の構成について、
図15(C)を用いて説明する。
図15(
C)は、本実施の形態における液晶表示装置の画素部の構成の一例を示す回路図である。
【0340】
図15(C)に示す画素部は、
図15(A)に示す画素750がマトリクス状に複数配
置された構成である。
図15(C)では、画素部が有する複数の画素のうち、4つの画素
を抜き出して示し、i列j行(i,jは自然数)に位置する画素を、画素750_i,j
と表記する。
図15(C)に示す画素部において、画素750_i,jは、配線754_
i、配線755_j、配線756_jと電気的に接続され、画素750_i+1,jは、
配線754_i+1、配線755_j、配線756_jと電気的に接続され、画素750
_i,j+1は、配線754_i、配線755_j+1、配線756_j+1と電気的に
接続され、画素750_i+1,j+1は、配線754_i+1、配線755_j+1、
配線756_j+1と電気的に接続される。なお、
図15(C)に示す画素部において、
各配線を同じ列または行に属する複数の画素で共有することもできる。なお、
図15(C
)に示す画素部において、配線757は対向電極であり、対向電極は全ての画素において
共通であることから、配線757については自然数iまたはjによって表記しないことと
する。なお、本実施の形態の液晶表示装置では、
図15(B)に示す画素部の構成を用い
ることも可能であるため、配線757が記載されている構成であっても配線757は必須
ではなく、他の配線と共有すること等によって省略することもできる。
【0341】
なお、
図15(C)に示す画素部の画素は、様々な方法によって駆動させることができ
る。特に、交流駆動と呼ばれる方法によって駆動させることによって、液晶素子の劣化(
焼き付き)を抑制することができる。
図15(C)に示す画素部の画素を交流駆動によっ
て駆動させる場合の動作について
図15(D)を用いて説明する。
図15(D)は、
図1
5(C)に示す画素部の画素の動作を示すタイミングチャート図である。なお、ここでは
、
図15(C)に示す画素部の画素の動作として交流駆動の一つであるドット反転駆動を
用いた動作について説明する。ドット反転駆動を用いることにより、交流駆動の場合に生
じるフリッカ(ちらつき)を抑制することができる。
【0342】
図15(C)に示す画素部の画素において、配線755_jと電気的に接続されている
画素におけるスイッチは、1フレーム期間中の第jゲート選択期間において選択状態(オ
ン状態)となり、それ以外の期間では非選択状態(オフ状態)となる。そして、第jゲー
ト選択期間の後に、第j+1ゲート選択期間が設けられる。このように順次走査が行なわ
れることで、1フレーム期間内に全ての画素が順番に選択状態となる。
図15Dに示すタ
イミングチャートでは、一例として電位が高い状態(ハイ状態)となることで、当該画素
におけるスイッチが選択状態となり、電位が低い状態(ロウ状態)となることで非選択状
態となるものとする。なお、これは各画素におけるトランジスタがN型の場合であり、P
型のトランジスタが用いられる場合、電圧と選択状態の関係は、N型の場合とは逆となる
。
【0343】
図15(D)に示すタイミングチャートでは、第kフレーム(kは自然数)における第
jゲート選択期間において、信号線として用いる配線754_iに正の電位が与えられ、
配線754_i+1に負の電位が与えられる。そして、第kフレームにおける第j+1ゲ
ート選択期間において、配線754_iに負の電位が与えられ、配線754_i+1に正
の電位が与えられる。その後も、それぞれの信号線は、ゲート選択期間ごとに極性が反転
した信号が交互に与えられる。その結果、第kフレームにおいては、画素750_i,j
には正の電位、画素750_i+1,jには負の電位、画素750_i,j+1には負の
電位、画素750_i+1,j+1には正の電位が、それぞれ与えられることとなる。そ
して、第k+1フレームにおいては、それぞれの画素において、第kフレームにおいて書
き込まれた電位とは逆の極性の電位がデータとして書き込まれる。その結果、第k+1フ
レームにおいては、画素750_i,jには負の電位、画素750_i+1,jには正の
電位、画素750_i,j+1には正の電位、画素750_i+1,j+1には負の電位
が、それぞれ与えられることとなる。このように、同じフレームにおいては隣接する画素
同士で異なる極性の電位が与えられ、さらに、それぞれの画素においては1フレームごと
に電位の極性が反転される駆動方法が、ドット反転駆動である。ドット反転駆動によって
、液晶素子の劣化を抑制しつつ、表示される画像全体または一部が均一である場合に視認
されるフリッカを低減することができる。なお、配線756_j、配線756_j+1を
含む全ての配線756に与えられる電圧は、一定の電圧とすることができる。なお、配線
754のタイミングチャートにおける電位の表記は極性のみとなっているが、実際は、表
示された極性において様々な電位の値をとり得る。なお、ここでは1ドット(1画素)毎
に極性を反転させる場合について述べたが、これに限定されず、複数の画素毎に極性を反
転させることもできる。例えば、2ゲート選択期間毎に書き込む電位の極性を反転させる
ことで、電位の書き込みにかかる消費電力を低減させることができる。他にも、1列毎に
極性を反転させること(ソースライン反転)もでき、また、1行ごとに極性を反転させる
こと(ゲートライン反転)もできる。
【0344】
なお、画素750における容量素子753には、1フレーム期間において一定の電圧が
与えられていれば良い。ここで、走査線として用いる配線755に与えられる信号は1フ
レーム期間の大半においてロウ状態であり、ほぼ一定の電圧が与えられていることから、
画素750における容量素子753の他方の端子の接続先は、配線755でも良い。容量
素子753の他方の端子と配線755が電気的に接続された構成について
図15(E)に
示す。
【0345】
図15(E)に示す画素部の画素構成は、
図15(C)に示す画素部の画素構成と比較
すると、配線756が省略され、かつ、画素750内の容量素子753の端子と、一つ前
の行における配線755とが電気的に接続されている。具体的には、画素750_i,j
+1および画素750_i+1,j+1における容量素子753の端子は、配線755_
jと電気的に接続される。このように、画素750内の容量素子753の端子と、一つ前
の行における配線755とを電気的に接続させることで、配線756を省略することがで
きるので、配線の数が減った分、画素の開口率を向上することができる。なお、容量素子
753の端子の接続先は、一つ前の行における配線755ではなく、他の行における配線
755でも良い。なお、
図15(E)に示す画素部の画素の駆動方法は、
図15(C)に
示す画素部の画素の駆動方法と同様のものを用いることができる。
【0346】
なお、容量素子753および容量素子753の他方の端子に電気的に接続される配線を
用いて、信号線として用いる配線754に加える電圧を小さくすることができる。このと
きの画素部の構成および駆動方法について、
図15(F)および
図15(G)を用いて説
明する。
【0347】
図15(F)に示す画素部の構成は、
図15(A)に示す画素部の構成と比較し、配線
756を1画素列あたり2本とし、かつ、画素750における容量素子753の端子との
電気的な接続を、隣接する画素で交互に行なうことを特徴としている。なお、2本とした
配線756は、それぞれ配線756-1および配線756-2と呼ぶこととする。具体的
には、
図15(F)に表記されている範囲においては、画素750_i,jにおける容量
素子753の端子は、配線756-1_jと電気的に接続され、画素750_i+1,j
における容量素子753の端子は、配線756-2_jと電気的に接続され、画素750
_i,j+1における容量素子753の端子は、配線756-2_j+1と電気的に接続
され、画素750_i+1,j+1における容量素子753の端子は、配線756-1_
j+1と電気的に接続される。
【0348】
また、例えば
図15(G)に示すように、第kフレームにおいて画素750_i,jに
正の極性の電位が書き込まれる場合、第jゲート選択期間において配線756-1_jを
ロウ状態とさせ、第jゲート選択期間の終了後、ハイ状態に変化させる。そして、1フレ
ーム期間中はそのままハイ状態を維持し、第k+1フレームにおける第jゲート選択期間
に負の極性の電位が書き込まれた後、配線756-1_jをロウ状態に変化させる。この
ように、正の極性の電位が画素に書き込まれた後に、容量素子753の他方の端子に電気
的に接続される配線の電位を正の方向に変化させることで、液晶素子に与えられる電位を
正の方向に所定の量だけ変化させることができる。すなわち、その分画素に書き込む電圧
を小さくすることができるため、信号書き込みにかかる消費電力を低減させることができ
る。なお、第jゲート選択期間に負の極性の電圧が書き込まれる場合は、負の極性の電圧
が画素に書き込まれた後に、容量素子753の他方の端子に電気的に接続される配線の電
位を負の方向に変化させることで、液晶素子に与えられる電位を負の方向に所定の量だけ
変化させることができるので、正の極性の場合と同様に、画素に書き込む電圧を小さくす
ることができる。つまり、容量素子753の他方の端子に電気的に接続される配線は、同
じフレームの同じ行において、正の極性の電位が与えられる画素と、負の極性の電位が与
えられる画素とで、それぞれ異なる配線であることが好ましい。
【0349】
図15(F)に示す画素部は、第kフレームにおいて正の極性の電位が書き込まれる画
素には配線756-1が電気的に接続され、第kフレームにおいて負の極性の電位が書き
込まれる画素には配線756-2が電気的に接続される例である。ただし、これは一例で
あり、例えば、正の極性の電位が書き込まれる画素と負の極性の電位が書き込まれる画素
が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線756-1および配線756-2の電
気的接続も2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素
で同じ極性の電位が書き込まれる場合(ゲートライン反転)もあるが、その場合は、配線
756は1行あたり1本でよい。つまり、
図15(C)に示す画素部の画素構成において
も、
図15(F)および
図15(G)を用いて説明したような、画素に書き込む電圧を小
さくする駆動方法を用いることができる。
【0350】
次に液晶素子がMVAモードまたはPVAモード等に代表される、垂直配向(VA)モ
ードである場合に特に好ましい画素構成およびその駆動方法について説明する。VAモー
ドは、製造時にラビング工程が不要、黒表示時の光漏れが少ない、駆動電圧が低い等の優
れた特徴を有するが、画面を斜めから見たときに画質が劣化してしまう(視野角が狭い)
という問題点も有する。VAモードの視野角を広くするには、1画素に複数の副画素(サ
ブピクセル)を有する画素構成とすることが有効である。1画素に複数の副画素を有する
画素構成について
図16(A)及び
図16(B)を用いて説明する。
図16(A)及び図
16(B)は、本実施の形態における液晶表示装置に適用可能な画素の構成の一例を示す
回路図である。
【0351】
図16(A)および
図16(B)に示す液晶表示装置における画素部の画素750は、
2つの副画素(副画素750-1,副画素750-2)を含む場合の一例を表すものであ
る。なお、1つの画素における副画素の数は2つに限定されず、様々な数の副画素を用い
ることができる。副画素の数が大きいほど、より視野角を広くすることができる。複数の
副画素は互いに同一の回路構成とすることができ、ここでは、全ての副画素が
図15(A
)に示す回路構成と同様であるとして説明する。なお、第1の副画素750-1は、トラ
ンジスタ751-1、液晶素子752-1、容量素子753-1を有するものとし、それ
ぞれの接続関係は
図15(A)に示す回路構成に準じることとする。同様に、第2の副画
素750-2は、トランジスタ751-2、液晶素子752-2、容量素子753-2を
有するものとし、それぞれの接続関係は
図15(A)に示す回路構成に準じることとする
。
【0352】
図16(A)に示す画素部は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用い
る配線755を2本(配線755-1,配線755-2)有し、信号線として用いる配線
754を1本有し、容量線として用いる配線756を1本有する構成である。このように
、信号線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させることが
でき、さらに、信号線駆動回路を簡単なものとすることができるので製造コストが低減で
き、かつ、液晶パネルと駆動回路の接続部の数を低減できるので、歩留まりを向上できる
。
【0353】
図16(B)に示す画素部は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用
いる配線755を1本有し、信号線として用いる配線754を2本(配線754-1,配
線754-2)有し、容量線として用いる配線756を1本有する構成である。このよう
に、走査線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させること
ができ、さらに、全体の走査線本数を低減できるので、高精細な液晶パネルにおいても1
つあたりのゲート線選択期間を十分に長くすることができ、それぞれの画素に適切な電圧
を書き込むことができる。
【0354】
次に
図16(B)に示す画素部における液晶素子752を液晶素子752の画素電極の
みで表し、各素子の電気的接続状態を模式的に表した例について
図16(C)および
図1
6(D)を用いて説明する。
【0355】
図16(C)および
図16(D)において、電極758-1は第1の画素電極を表し、
電極758-2は第2の画素電極を表すものとする。
図16(C)において、電極758
-1は、
図16(B)における液晶素子752-1の第2端子に相当し、電極758-2
は、
図16(B)における液晶素子752-2の端子に相当する。すなわち、電極758
-1は、トランジスタ751-1のソース端子またはドレイン端子の一方と電気的に接続
され、電極758-2は、トランジスタ751-2のソース端子またはドレイン端子の一
方と電気的に接続される。一方、
図16(D)においては、画素電極とトランジスタの接
続関係を逆にする。すなわち、電極758-1は、トランジスタ751-2のソース端子
またはドレイン端子の一方と電気的に接続され、電極758-2は、トランジスタ751
-1のソース端子またはドレイン端子の一方と電気的に接続されるものとする。
【0356】
また、マトリクス状に
図16(C)および
図16(D)で示す画素をそれぞれ交互に配
置することで、特別な効果を得ることができる。このときの画素部の構成およびその駆動
方法の一例を、
図16(E)および
図16(F)を用いて説明する。なお
図16(F)に
示すタイミングチャートでは、一例として電位が高い状態(ハイ状態)となることで、当
該画素におけるスイッチが選択状態となり、電位が低い状態(ロウ状態)となることで非
選択状態となるものとする
【0357】
図16(E)に示す画素部の構成は、画素750_i,jおよび画素750_i+1,
j+1に相当する部分を
図16(C)に示す構成とし、画素750_i+1,jおよび画
素750_i,j+1に相当する部分を
図16(D)に示す構成としたものである。この
構成において、
図16(F)に示すタイミングチャートのように駆動すると、第kフレー
ムの第jゲート選択期間において、画素750_i,jの第1の画素電極および画素75
0_i+1,jの第2の画素電極に正の極性の電位が書き込まれ、画素750_i,jの
第2の画素電極および画素750_i+1,jの第1の画素電極に負の極性の電位が与え
られる。さらに、第kフレームの第j+1ゲート選択期間において、画素750_i,j
+1の第2の画素電極および画素750_i+1,j+1の第1の画素電極に正の極性の
電位が与えられ、画素750_i,j+1の第1の画素電極および画素750_i+1,
j+1の第2の画素電極に負の極性の電位が与えられる。第k+1フレームにおいては、
各画素において電圧の極性が反転される。こうすることによって、副画素を含む画素構成
においてドット反転駆動に相当する駆動を実現しつつ、信号線に与えられる電位の極性を
1フレーム期間内で同一なものとすることができるので、画素へのデータ書込みにかかる
消費電力を大幅に低減することができる。なお、配線756_j、配線756_j+1を
含む全ての配線756に与えられる電位は、一定の電位とすることができる。
【0358】
さらに、
図16(G)および
図16(H)に示す画素部の構成およびその駆動方法によ
って、画素に書き込まれる電位の大きさを小さくすることができる。これは、それぞれの
画素が有する複数の副画素に電気的に接続される容量線を、副画素毎に異ならせるもので
ある。すなわち、
図16(G)および
図16(H)に示す画素部の構成およびその駆動方
法によって、同一のフレーム内で同一の極性が書き込まれる副画素については、同一行内
で容量線を共通とし、同一のフレーム内で異なる極性が書き込まれる副画素については、
同一行内で容量線を異ならせる。そして、各行の書き込みが終了した時点で、それぞれの
容量線の電位を、正の極性の電圧が書き込まれた副画素では正の方向、負の極性の電圧が
書き込まれた副画素では負の方向に変化させることで、画素に書き込まれる電圧の大きさ
を小さくすることができる。具体的には、容量線として用いる配線756を各行で2本(
配線756-1,配線756-2)とし、画素750_i,jの第1の画素電極と、配線
756-1_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素750_i,jの第2の
画素電極と、配線756-2_jとが、容量素子を介して電気的に接続され、画素750
_i+1,jの第1の画素電極と、配線756-1_jとが、容量素子を介して電気的に
接続され、画素750_i+1,jの第2の画素電極と、配線756-2_jとが、容量
素子を介して電気的に接続され、画素750_i,j+1の第1の画素電極と、配線75
6-2_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素750_i,j+1の第
2の画素電極と、配線756-1_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続され、画
素750_i+1,j+1の第1の画素電極と、配線756-2_j+1とが、容量素子
を介して電気的に接続され、画素750_i+1,j+1の第2の画素電極と、配線75
6-1_j+1とが、容量素子を介して電気的に接続される。ただし、これは一例であり
、例えば、正の極性の電圧が書き込まれる画素と負の極性の電圧が書き込まれる画素が2
画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線756-1および配線756-2の電気的
接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1
行全ての画素で同じ極性の電位が書き込まれる場合(ゲートライン反転)もあるが、その
場合は、配線756は1行あたり1本でよい。つまり、
図16(E)に示す画素部の構成
においても、
図16(G)および
図16(H)を用いて説明したような、画素に書き込む
電圧を小さくする駆動方法を用いることができる。
【0359】
なお、本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0360】
(実施の形態4)
本実施の形態では本発明の一態様である駆動回路を構成するトランジスタに適用可能な
トランジスタの構成について説明する。
【0361】
まず本実施の形態の駆動回路を構成するトランジスタに適用可能なトランジスタの構成
について
図17を用いて説明する。
図17は、本実施の形態の駆動回路に適用可能なトラ
ンジスタの構成を示す断面模式図であり、
図17(A)は、トップゲート型のトランジス
タの構成の一例を示し、
図17(B)はボトムゲート型のトランジスタの構成の一例を示
す。
【0362】
図17(A)に示すトランジスタの構成は、基板900と、基板900上に設けられ、
不純物領域901を有する半導体層902と、半導体層902を覆うように設けられたゲ
ート絶縁膜903と、ゲート絶縁膜903を挟んで半導体層902の一部の上に設けられ
たゲート電極904と、ゲート電極904及びゲート絶縁膜903上に設けられ、開口部
を有する層間絶縁膜906と、開口部を介して不純物領域901に接するように設けられ
た一対の電極である電極905a及び電極905bと、を有する。
【0363】
また
図17(B)に示すトランジスタの構成は、基板907と、基板907上に設けら
れたゲート電極908と、ゲート電極908を覆うように設けられたゲート絶縁膜910
と、ゲート絶縁膜910上のゲート電極908が設けられていない部分に設けられた半導
体層911と、半導体層911上に設けられたn型の導電型を有する一対の半導体層であ
る半導体層912a及び半導体層912bと、一対の半導体層の一方、すなわち半導体層
912aの上に設けられた電極913aと、一対の半導体層の他方、すなわち半導体層9
12bの上に設けられた電極913bと、を有する。
【0364】
基板900及び基板907としては、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、金
属基板、またはステンレス基板などを用いることができる。また、上記基板以外にも可撓
性基板を用いることもできる。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル
である)基板のことであり、例えばポリカーボネート、ポリアリレート、またポリエーテ
ルスルフォンなどからなるプラスチック基板などが挙げられる。また、基板900及び基
板907としては、例えば貼り合わせフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル
、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維状な材料からなる紙、基材フィル
ム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)などを用いることもできる
。
【0365】
半導体層902及び半導体層911としては、例えば非晶質半導体膜、単結晶半導体膜
、多結晶半導体膜、または微結晶(マイクロクリスタル、またはセミアモルファスともい
う)半導体膜などを用いて形成することができ、またそれらの半導体膜を積層させて形成
することもできる。また半導体層としては酸化物半導体(例えばIGZO(InGaZn
O)など)を用いることができる。また半導体層は、例えばスパッタリング法、LPCV
D法、またはプラズマCVD法などにより形成することができる。また非晶質半導体膜を
公知の技術(固相成長法、レーザ結晶化方法、触媒金属を用いた結晶化方法など)により
結晶化させて形成された結晶構造を有する半導体膜(結晶性半導体膜)、例えば多結晶珪
素膜を用いることもできる。
【0366】
ゲート絶縁膜903及びゲート絶縁膜910としては、例えば窒化絶縁膜、酸化絶縁膜
、窒素を含む酸化絶縁膜などを適用することができる。例えば酸化窒化珪素膜、または窒
化酸化珪素膜などが挙げられる。なお、酸化窒化珪素膜とは、その組成として、窒素より
も酸素の含有量が多いものであって、濃度範囲として酸素が55~65原子%、窒素が1
~20原子%、シリコンが25~35原子%、水素が0.1~10原子%の範囲で含まれ
るものをいう。また、窒化酸化珪素膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が
多いものであって、濃度範囲として酸素が15~30原子%、窒素が20~35原子%、
シリコンが25~35原子%、水素が15~25原子%の範囲で含まれるものをいう。
【0367】
半導体層912a及び半導体層912bとしては、n型の導電型を有し、不純物元素と
してリンなどを含む半導体層を用いることができる。
【0368】
ゲート電極904及びゲート電極908としては、例えば、金、銀、白金、ニッケル、
シリコン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、炭素、
アルミニウム、マンガン、チタン、及びタンタルなどから選ばれた一種の元素または当該
元素を複数含む合金からなる材料を用いることができ、また、それらを単層または積層し
て形成することができる。上記元素を複数含んだ合金としては、例えばアルミニウム及び
チタンを含んだ合金、アルミニウム、チタン、及び炭素を含んだ合金、アルミニウム及び
ニッケルを含んだ合金、アルミニウム及び炭素を含んだ合金、アルミニウム、ニッケル、
及び炭素を含んだ合金、またはアルミニウム及びモリブデンを含んだ合金などを適用する
ことができる。またインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物
(ITSO)、または酸化インジウム酸化亜鉛(IZO)などの透光性材料を用いること
ができる。ゲート電極904及びゲート電極908としては、蒸着法、スパッタ法、CV
D法、印刷法、または液滴吐出法を用いて形成することができる。
【0369】
層間絶縁膜906としては、例えば窒化絶縁膜、酸化絶縁膜、窒素を含む酸化絶縁膜な
どを適用することができる。
【0370】
電極905a及び電極905b、並びに電極913a及び電極913bは、ソース電極
またはドレイン電極として機能する。電極905a及び電極905b、並びに電極913
a及び電極913bとしては、例えば金、銀、白金、ニッケル、シリコン、タングステン
、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、炭素、アルミニウム、マンガン
、チタン、及びタンタルなどから選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金から
なる材料を用いることができ、また、それらを単層または積層して形成することができる
。上記元素を複数含んだ合金としては、例えばアルミニウム及びチタンを含んだ合金、ア
ルミニウム、チタン、及び炭素を含んだ合金、アルミニウム及びニッケルを含んだ合金、
アルミニウム及び炭素を含んだ合金、アルミニウム、ニッケル、及び炭素を含んだ合金、
またはアルミニウム及びモリブデンを含んだ合金などを適用することができる。またイン
ジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、または酸
化インジウム酸化亜鉛(IZO)などの透光性材料を用いることができる。電極905a
及び電極905b、並びに電極913a及び電極913bは、それぞれ異なる材料を用い
て形成することもできる。また電極905a及び電極905b、並びに電極913a及び
電極913bは、蒸着法、スパッタ法、CVD法、印刷法、または液滴吐出法を用いて形
成することができる。
【0371】
以上のように、上記構成のトランジスタのいずれかを適用することにより本発明の一態
様である駆動回路を構成することができる。
【0372】
次に本発明の一態様である駆動回路に適用可能なトランジスタとしてボトムゲート型ト
ランジスタの他の構成について
図18を用いて説明する。
図18は本実施の形態における
駆動回路を構成するトランジスタに適用可能なトランジスタの構造の一例を示す断面模式
図である。
【0373】
図18に示すトランジスタの構成は、基板1000と、基板1000上に設けられたゲ
ート電極1001と、ゲート電極1001を覆うように設けられたゲート絶縁膜1002
と、ゲート絶縁膜1002を挟んでゲート電極1001上に設けられた微結晶半導体層1
003と、微結晶半導体層1003上に設けられたバッファ層1004と、バッファ層1
004上に設けられた一対の半導体層である半導体層1005a及び半導体層1005b
と、一対の半導体層の一方、すなわち半導体層1005aの上に設けられた電極1006
aと、一対の半導体層の他方、すなわち半導体層1005bの上に設けられた電極100
6bと、を有する。
【0374】
基板1000としては、上記
図17における基板900及び基板907に適用可能な基
板を用いることができる。
【0375】
ゲート電極1001としては、上記
図17におけるゲート電極904及びゲート電極9
08に適用可能な材料及び構成を適用することができる。
【0376】
ゲート絶縁膜1002としては、上記
図17におけるゲート絶縁膜903及びゲート絶
縁膜910に適用可能な材料を適用することができる。
【0377】
微結晶半導体層1003は、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構
造の半導体の層である。この半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半
導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、粒径が0.5~
50nm、好ましくは1nm~20nmの柱状または針状結晶が基板表面に対して法線方
向に成長している構成である。微結晶半導体層1003としては、例えば微結晶シリコン
などを適用することができる。
【0378】
また、微結晶半導体層1003は、価電子制御を目的とした不純物元素を意図的に添加
しないときに弱いn型の電気伝導性を示すので、薄膜トランジスタのチャネル形成領域と
して機能する微結晶半導体膜には、p型を付与する不純物元素を、成膜と同時、または成
膜後に添加することで、閾値電圧Vthを制御することが好ましい。p型を付与する不純
物元素としては、代表的にはボロンがあり、B2H6、BF3等の不純物気体を1ppm
~1000ppm、好ましくは1~100ppmの割合で水素化珪素に混入させることで
形成することが好ましい。そしてボロンの濃度を、例えば1×1014~6×1016a
toms/cm3とすることが好ましい。
【0379】
また、微結晶半導体層1003の酸素濃度は、1×1019cm-3以下、好ましくは
5×1018cm-3以下、窒素及び炭素の濃度を5×1018cm-3以下、好ましく
は1×1018cm-3以下とすることが好ましい。微結晶半導体層1003に混入しう
る酸素、窒素及び炭素の濃度を低減することで、微結晶半導体層1003のチャネル形成
領域がn型半導体になることを防止することができる。また、これらが混入する濃度が素
子間でばらつくと、閾値電圧Vthにばらつきが生じる。そのため、これらの濃度を低減
することで、基板内における閾値電圧Vthのばらつきを少なくすることができる。
【0380】
また、微結晶半導体層1003はバッファ層1004と比較して、キャリアの移動度が
高い。このため、表示装置の駆動回路におけるトランジスタとして、チャネル形成領域が
微結晶半導体で構成される薄膜トランジスタを用いると、チャネル形成領域の面積、即ち
薄膜トランジスタの面積を小さくすることが可能である。そのため、回路の面積を小さく
することができ、額縁を狭くすることができる。
【0381】
バッファ層1004は、微結晶半導体層1003上に設けることにより、トランジスタ
のオフ電流の値を微結晶半導体層1003単層構造の場合よりも低くさせることができる
。バッファ層1004としては、例えば非晶質シリコンなどを適用することができる。
【0382】
半導体層1005a及び半導体層1005bは、n型またはp型の導電型を有する不純
物元素を含む半導体層により構成される。不純物元素を含む半導体層としては例えば非晶
質シリコンなどが挙げられる。また不純物元素としては、例えばn型の場合にはリンを添
加し、p型の場合にはボロンを添加すれば良い。また半導体層1005a及び半導体層1
005bは、微結晶半導体材料または非晶質半導体材料を用いて形成することができる。
半導体層1005a及び半導体層1005bは2nm以上50nm以下の厚さで形成する
ことが好ましい。半導体層1005a及び半導体層1005bの膜厚を薄く成膜すること
でスループットを向上させることができる。
【0383】
電極1006a及び電極1006bは、ソース電極またはドレイン電極として機能し、
電極1006a及び電極1006bとしては、上記
図17における電極905a及び電極
905b、並びに電極913a及び電極913bに適用可能な材料を適用することができ
る。
【0384】
次に
図18に示すトランジスタの作製方法について
図19乃至
図21を用いて説明する
。
図19乃至
図21は、本実施の形態のトランジスタの作製方法を示す断面模式図である
。なお、微結晶半導体膜を有する薄膜トランジスタはp型よりもn型の方が、移動度が高
い。同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑
えることができ、好ましい。そのため、本実施の形態では、n型トランジスタの作製方法
について説明する。
【0385】
まず
図19(A)に示すように、基板1000上に導電膜1007を形成する。本実施
の形態では、導電膜1007として、アルミニウム膜とモリブデン膜の積層膜を形成する
。なお導電膜1007は、例えばスパッタリング法や真空蒸着法により形成することがで
きる。
【0386】
次に
図19(B)に示すように、導電膜1007の一部をエッチングし、ゲート電極1
001を形成する。ゲート電極1001は、より具体的には導電膜1007上にフォトリ
ソグラフィ技術又はインクジェット法によりレジストを形成し、レジストをマスクとして
導電膜1007を選択的にエッチングすることにより形成することができる。なおこの工
程で例えば走査線(
図13における走査線706など)も同時に形成することができる。
またレジストは、エッチング後除去されることが好ましい。
【0387】
また、エッチングすることにより形成されるゲート電極1001の端部はテーパー形状
であることが好ましい。テーパー形状とすることにより、後の工程にてこれらの上に形成
される層の被覆性を向上させることができる。
【0388】
次に
図19(C)に示すように、ゲート電極1001を覆うようにゲート絶縁膜100
2を形成する。ゲート絶縁膜1002は、例えばCVD法又はスパッタリング法などを用
いて形成することができる。本実施の形態では、一例として窒化膜又は窒化酸化膜と、酸
化膜又は酸化窒化膜の積層膜を形成することによりゲート絶縁膜1002を形成する。
【0389】
さらにゲート絶縁膜1002の上に微結晶半導体膜1008を形成する。微結晶半導体
膜1008は、例えば周波数が数十MHz乃至数百MHzの高周波プラズマCVD法、ま
たは周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成することができ
る。周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD装置で生成されたプラズマは電子
密度が高く、原料ガスから多くのラジカルが生成されて基板1000へ供給されるため、
基板表面でのラジカル反応が促進され、微結晶半導体膜1008の成膜速度を高めること
ができる。更に、複数のマイクロ波発生装置及び複数の誘電体板で構成されるマイクロ波
プラズマCVD装置は、大面積のプラズマを安定して生成することができる。このため、
大面積基板上においても、膜質について高い均一性を有する膜を成膜することが可能であ
ると共に、量産性(生産性)を高めることができる。本実施の形態では、一例として微結
晶半導体膜として微結晶シリコンを作製する場合について説明する。以下に微結晶半導体
膜1008の具体的な作製方法について説明する。
【0390】
微結晶半導体膜1008は、例えばSiH4、Si2H6等の水素化珪素を水素で希釈
、または水素化珪素及び水素に加え、ヘリウム、アルゴン、クリプトン及びネオンから選
ばれた一種又は複数種の希ガス元素で希釈して形成することができる。希釈は、水素化珪
素に対して水素の流量比を5倍以上200倍以下、好ましくは50倍以上150倍以下、
更に好ましくは100倍とする。なお、水素化珪素の代わりに、SiH2Cl2、SiH
Cl3、SiCl4又はSiF4等を用いることができる。
【0391】
なお微結晶半導体膜1008を形成する場合、膜の下方から上方に向かって結晶成長し
、針状結晶が形成される。これは結晶面が大きくなるように結晶が成長するためである。
しかし、このように結晶成長する場合であっても、微結晶半導体層が成膜される速度は、
非晶質半導体層が成膜される速度の1%以上10%以下程度である。
【0392】
さらに本実施の形態において、微結晶半導体膜1008を形成した後に微結晶半導体膜
1008の表面側からレーザ光を照射する処理(LP(Laser process)処
理ともいう)を行うことが好ましい。以下にLP処理について具体的に説明する。
【0393】
LP処理において、レーザ光は微結晶半導体膜1008が溶融しないエネルギー密度で
照射されることが好ましい。すなわち、LP処理は輻射加熱により微結晶半導体膜100
8を溶融させないで行う固相結晶成長によるものである。すなわち、堆積された微結晶半
導体膜1008が液相にならない臨界領域を利用するものであり、その意味において「臨
界成長」ともいうことができる。
【0394】
上記のレーザ光は微結晶半導体膜1008とゲート絶縁膜1002との界面にまで作用
させることができる。これにより、微結晶半導体膜1008の表面側における結晶を種と
して、該表面からゲート絶縁膜1002の界面に向けて固相結晶成長が進み、略柱状の結
晶が成長する。LP処理による固相結晶成長は、結晶粒径を拡大させるものではなく、膜
の厚さ方向における結晶性を改善する。
【0395】
また上記のLP処理は矩形長尺状に集光(線状レーザビームに成形)することで、例え
ば730mm×920mmのガラス基板上の微結晶半導体膜1008を1回のレーザビー
ムスキャンで処理することにより、行うことができる。この場合、線状レーザビームを重
ね合わせる割合(オーバーラップ率)を0~90%、好ましくは0~67%として行う。
これにより、基板1枚当たりの処理時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
ただし、レーザビームの形状は線状に限定されるものでなく面状としても同様に処理する
ことができる。また、LP処理はガラス基板のサイズに限定されず、様々なサイズの基板
を用いることができる。LP処理を行うことで、微結晶半導体膜1008とゲート絶縁膜
1002との界面領域の結晶性が改善され、ボトムゲート構造を有するトランジスタの電
気的特性を向上させることができる。
【0396】
このような「臨界成長」によれば、従来の低温ポリシリコンに生じていた表面の凹凸(
リッジと呼ばれる凸状体)が形成されず、LP処理後の半導体膜表面は平滑性が保たれる
。
【0397】
従って、成膜後に直接的にレーザ光を作用させて得られる微結晶半導体膜1008は、
従来における堆積されたのみの微結晶半導体膜及び堆積後に伝導加熱により改質された微
結晶半導体膜とは、その成長メカニズム及び形成される膜の膜質が明らかに異なることに
なる。
【0398】
次に
図20(D)に示すように、微結晶半導体膜1008上に非晶質半導体膜1009
を形成する。
【0399】
非晶質半導体膜1009は、SiH4、Si2H6などの水素化珪素により、プラズマ
CVD法を用いて形成することができる。また、上記の水素化珪素に、ヘリウム、アルゴ
ン、クリプトン及びネオンから選ばれた一種又は複数種の希ガス元素で希釈して用いるこ
とにより形成することができる。水素化珪素の流量の1倍以上20倍以下、好ましくは1
倍以上10倍以下、更に好ましくは1倍以上5倍以下の流量の水素を用いて、水素を含む
非晶質半導体膜1009を形成することができる。また、上記の水素化珪素と、窒素又は
アンモニアと、を用いることで、窒素を含む非晶質半導体膜1009を形成することがで
きる。また、上記の水素化珪素と、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む気体(F2、C
l2、Br2、I2、HF、HCl、HBr、HI等)を用いることで、フッ素、塩素、
臭素、またはヨウ素を含む非晶質半導体膜1009を形成することができる。なお、水素
化珪素の代わりに、SiH2Cl2、SiHCl2、SiCl2、SiF2等を用いるこ
とができる。なお、この非晶質半導体膜1009の膜厚は、100nm以上500nm以
下とし、好ましくは150nm以上400nmとし、更に好ましくは200nm以上30
0nm以下とする。なお、このとき微結晶半導体膜1008には水素が供給される。すな
わち、微結晶半導体膜1008上に非晶質半導体膜1009を堆積することにより、微結
晶半導体膜1008に水素を拡散させてダングリングボンドを終端させることができる。
【0400】
また、非晶質半導体膜1009は、ターゲットとして非晶質半導体を用いて、水素又は
希ガス中でスパッタリングすることにより形成することもできる。このとき、アンモニア
、窒素又はN2Oを雰囲気中に含ませることにより、窒素を含む非晶質半導体膜を形成す
ることができる。また、雰囲気中にフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含む気体(F2、C
l2、Br2、I2、HF、HCl、HBr、HI等)を含ませることにより、フッ素、
塩素、臭素又はヨウ素を含む非晶質半導体膜を形成することができる。
【0401】
また、非晶質半導体膜1009を形成した後、非晶質半導体膜1009の表面を水素プ
ラズマ、窒素プラズマ又はハロゲンプラズマにより処理して、非晶質半導体膜1009の
表面を水素化、窒素化又はハロゲン化してもよい。または、非晶質半導体膜1009の表
面を、ヘリウムプラズマ、ネオンプラズマ、アルゴンプラズマ又はクリプトンプラズマ等
で処理してもよい。
【0402】
また、非晶質半導体膜1009は結晶粒を含まないことが好ましい。このため、周波数
が数十MHz~数百MHzの高周波プラズマCVD法又はマイクロ波プラズマCVD法に
より形成する場合は、結晶粒を含まない非晶質半導体膜1009となるように、成膜条件
を制御することが好ましい。
【0403】
なお、非晶質半導体膜1009にはリンやボロン等の一導電型を付与する不純物が含ま
れないように形成する。特に、閾値を制御するために微結晶半導体膜1008に添加され
たボロン、またはリンが非晶質半導体膜1009に混入しないことが好ましい。例えば、
非晶質半導体膜1009がリンを含む場合には、微結晶半導体層1003と、非晶質半導
体膜1009との間にPN接合が形成される。また、非晶質半導体膜1009がボロンを
含む場合には、非晶質半導体膜1009と、半導体層1005a及び半導体層1005b
との間にPN接合が形成される。または、ボロンとリンの双方が混入することで、再結合
中心が生じ、リーク電流を生じる原因となる。非晶質半導体膜1009が一導電型を付与
するこれらの不純物を含まないことで、リーク電流の発生領域をなくし、リーク電流の低
減を図ることができる。また、半導体層1005a及び半導体層1005bと、微結晶半
導体層1003との間に、リンやボロン等の一導電型を付与する不純物が添加されていな
い非晶質半導体膜1009を有することで、チャネル形成領域となる微結晶半導体層10
03、ソース領域及びドレイン領域の一部となる半導体層1005a及び半導体層100
5bのそれぞれに含まれる不純物の拡散を防止することができる。
【0404】
さらに、非晶質半導体膜1009上に半導体膜1010を形成する。n型の導電型を付
与させる場合には、不純物元素として例えばリンなどを添加する。リンを添加する場合に
は水素化珪素にPH3などの気体を加えることによりリンを添加することができる。また
p型の導電型付与させる場合には、不純物元素として例えばボロンなどを添加する。ボロ
ンを添加する場合には、水素化珪素にB2H6等の不純物気体を加えることによりボロン
を添加することができる。
【0405】
なお本実施の形態において、ゲート絶縁膜1002、微結晶半導体膜1008、及び非
晶質半導体膜1009を連続的に成膜することが好ましい。より好ましくは、ゲート絶縁
膜1002、微結晶半導体膜1008、非晶質半導体膜1009、及び半導体膜1010
を連続的に成膜することが好ましい。連続的に成膜することにより、各膜が大気に触れな
いため、大気成分や大気中に浮遊する不純物元素に汚染されることなく、各積層界面を形
成することができるため、各膜を用いて形成される薄膜トランジスタの電気的特性のばら
つきを低減することができ、信頼性の高い駆動回路を歩留まりよく作製することができる
。
【0406】
次に微結晶半導体膜1008、非晶質半導体膜1009、半導体膜1010を選択的に
エッチングする。
【0407】
具体的には、まず半導体膜1010の一部にレジストを形成する。レジストは、例えば
フォトリソグラフィ技術またはインクジェット法などを用いて形成する。
【0408】
次に、レジストをマスクとして微結晶半導体膜1008、非晶質半導体膜1009、及
び半導体膜1010を選択的にエッチングする。このときエッチングにより
図20(E)
に示すように微結晶半導体層1003を形成する。なおレジストはエッチング後除去され
ることが好ましい。
【0409】
なお、このエッチング処理では、微結晶半導体膜、非晶質半導体膜及び不純物半導体膜
が積層された層の端部がテーパー形状を有するようにエッチングを行うことが好ましい。
テーパー角としては30°以上90°以下、好ましくは40°以上80°以下の範囲に制
御することが好ましい。端部がテーパー形状を有するようにエッチングを行うことで、半
導体膜1010と、微結晶半導体膜1008とが直接接することを防止することができる
ばかりでなく、端部におけるこれらの層の距離を十分にとることができ、端部におけるリ
ーク電流を小さくすることができる。
【0410】
また、端部をテーパー形状とすることで、後の工程にてこれらの上に形成される層の被
覆性を向上させることができる。
【0411】
次に
図20(F)に示すように、半導体膜1010上に導電膜1011を形成する。
【0412】
導電膜1011は、例えばスパッタリング法または真空蒸着法などを用いて形成するこ
とができる。また、導電膜1011は、銀、金、または銅等の導電性ナノペーストを用い
てスクリーン印刷法又はインクジェット法等を用いて吐出し、焼成して形成することもで
きる。
【0413】
次に導電膜1011をエッチングする。具体的にはまず導電膜1011上に選択的にレ
ジストを形成する。次にレジストをマスクとして導電膜1011をエッチングする。この
とき
図21(G)に示すように一対の電極1006a及び電極1006bが形成される。
【0414】
次に、半導体膜1010及び非晶質半導体膜1009をエッチングする。エッチングに
より
図21(H)に示すように、バッファ層1004及び一対の半導体層1005a及び
半導体層1005bが形成される。
【0415】
このとき、形成されたバッファ層1004は、一部がエッチングされて窪みが形成され
るが、窪みと重畳する非晶質半導体膜1009の一部が残存する厚さで形成することが好
ましい。エッチングされて残存する部分(窪みと重畳する部分)のエッチング後の膜厚は
、エッチング前の膜厚の半分程度とすることが好ましい。なお、エッチング前の膜厚とは
、上記のように、100nm以上500nm以下であり、好ましくは150nm以上40
0nmであり、更に好ましくは200nm以上300nm以下である。バッファ層100
4は、微結晶半導体層1003のエッチングストッパーとして機能する。
【0416】
また本実施の形態において電極1006a及び電極1006bの端部と、半導体層10
05a及び半導体層1005bの端部とが一致しない形状とすることもできる。これによ
り、電極1006a及び電極1006bの端部の距離が大きくなり、ソース電極又はドレ
イン電極の一方とソース電極又はドレイン電極の他方との間の距離が十分に大きくなるこ
とで、リーク電流を小さくし、ショート(短絡)を防止することができる。また、電極1
006a及び電極1006bの端部と、半導体層1005a及び半導体層1005bの端
部とが一致しない形状であるため、電極1006a及び電極1006bの端部及び半導体
層1005a及び半導体層1005bの端部において、電界集中が起こりにくい。このた
め、信頼性が高く、オフ電流が小さく、絶縁耐圧の高い薄膜トランジスタを作製すること
ができる。
【0417】
以上の工程により、
図18に示す薄膜トランジスタを作製することができる。
【0418】
また
図18に一例として挙げたように、微結晶半導体層を含むトランジスタは、非晶質
半導体層のみを用いたトランジスタと比べて信頼性が高いため、本発明の一態様である駆
動回路に適用することにより、動作不良を抑制することができる。
【0419】
なお、本実施の形態は他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0420】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置を表示部に用いた電子機器について
説明する。
【0421】
本発明の一態様である表示装置は様々な電子機器の表示部に用いることができる。本発
明の一態様である表示装置を適用することが可能な電子機器の例として、ビデオカメラ、
デジタルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)
、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポなど)、
ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯電話、携帯型情報端末(モバイルコ
ンピュータ、携帯型音楽プレーヤー、携帯型ゲーム機、電子書籍、またはコンピュータを
内蔵し、複数のデータ処理を行うことにより、複数の機能を有するものも含む)、または
記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Di
sc(DVD)などの記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装
置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例について
図22及び
図23を用いて説明
する。
図22及び
図23は、本実施の形態における電子機器の構成の一例を示す図である
。
【0422】
図22(A)はディスプレイ装置であり、筐体1101、支持台1102、表示部11
03、スピーカー部1104、ビデオ入力端子1105などを含む。本発明の一態様であ
る表示装置は、表示部1103に用いることができる。なお、ディスプレイ装置は、パー
ソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全てのディスプレイ装置が含
まれる。
【0423】
図22(B)はデジタルスチルカメラであり、本体1111、表示部1112、受像部
1113、操作キー1114、外部接続ポート1115、シャッターボタン1116など
を含む。本発明の一態様である表示装置は、表示部1112に用いることができる。
【0424】
図22(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体1121、筐体1122
、表示部1123、キーボード1124、外部接続ポート1125、ポインティングデバ
イス1126などを含む。本発明の一態様である表示装置は、表示部1123に用いるこ
とができる。
【0425】
図22(D)はモバイルコンピュータであり、本体1131、表示部1132、スイッ
チ1133、操作キー1134、赤外線ポート1135などを含む。本発明の一態様であ
る表示装置は、表示部1132に用いることができる。
【0426】
図22(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)
であり、本体1141、筐体1142、表示部A1143、表示部B1144、記録媒体
(DVDなど)読込部1145、操作キー1146、スピーカー部1147などを含む。
表示部A1143は主として画像情報を表示し、表示部B1144は主として文字情報を
表示するが、本発明の一態様である表示装置は、これら表示部A1143、表示部B11
44に用いることができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器
なども含まれる。
【0427】
図22(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体
1151、表示部1152、アーム部1153を含む。本発明の一態様である表示装置は
、表示部1152に用いることができる。
【0428】
図22(G)はビデオカメラであり、本体1161、表示部1162、筐体1163、
外部接続ポート1164、リモコン受信部1165、受像部1166、バッテリー116
7、音声入力部1168、操作キー1169、接眼部1170などを含む。本発明の一態
様である表示装置は、表示部1162に用いることができる。
【0429】
図22(H)は携帯電話であり、本体1171、筐体1172、表示部1173、音声
入力部1174、音声出力部1175、操作キー1176、外部接続ポート1177、ア
ンテナ1178などを含む。本発明の一態様である表示装置は、表示部1173に用いる
ことができる。なお、表示部1173は黒色の背景に白色の文字を表示することにより携
帯電話の消費電流を抑えることができる。
【0430】
図23は、複数の機能を有する携帯型情報端末の一例であり、
図23(A)が携帯型情
報端末の正面図、
図23(B)が携帯型情報端末の背面図、
図23(C)が携帯情報端末
の展開図である。
図23を一例とした携帯型情報端末は、複数の機能を備えることができ
る。例えば電話機能に加えて、コンピュータを内蔵し、様々なデータ処理機能を備えるこ
ともできる。
【0431】
図23に示す携帯型情報端末は、筐体1180及び筐体1181の二つの筐体で構成さ
れている。筐体1180には、表示部1182、スピーカー1183、マイクロフォン1
184、操作キー1185、ポインティングデバイス1186、カメラ用レンズ1187
、外部接続端子1188、イヤホン端子1189などを備え、筐体1181には、キーボ
ード1190、外部メモリスロット1191、カメラ用レンズ1192、ライト1193
などを備えている。また、アンテナは筐体1181内部に内蔵されている。
【0432】
また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置などを内蔵していてもよい
。
【0433】
本発明の一態様である表示装置は、表示部1182に用いることができ、使用形態に応
じて表示の方向が適宜変化する。また、表示部1182と同一面上にカメラ用レンズ11
87を備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部1182をファインダー
としカメラ用レンズ1192及びライト1193で静止画及び動画の撮影が可能である。
スピーカー1183及びマイクロフォン1184は音声通話に限らず、テレビ電話、録音
、再生などが可能である。操作キー1185では、電話の発着信、電子メールなどの簡単
な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動などが可能である。さらに、重なり合った
筐体1180と筐体1181(
図23(A))はスライドし、
図23(C)のように展開
し、携帯情報端末として使用できる。この場合、キーボード1190、ポインティングデ
バイス1186を用いて円滑な操作が可能である。外部接続端子1188はACアダプタ
及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュ
ータなどとのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット1191に記録媒体を
挿入し、より大量のデータ保存及び移動に対応できる。
【0434】
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであって
もよい。
【0435】
以上のように、本発明の一態様である表示装置は、上記のような様々な電子機器の表示
部として適用することができる。
【0436】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0437】
11 トランジスタ
12 トランジスタ
13 トランジスタ
14 トランジスタ
15 トランジスタ
100 端子
101 端子
102 端子
102A 端子
102B 端子
103 端子
103A 端子
103B 端子
103C 端子
103D 端子
104 端子
104A 端子
104B 端子
104C 端子
104D 端子
104E 端子
104F 端子
104G 端子
104H 端子
104I 端子
104J 端子
104K 端子
104L 端子
104M 端子
105 端子
106 トランジスタ
107 トランジスタ
108 容量素子
109 トランジスタ
110 トランジスタ
111 トランジスタ
112 容量素子
113 トランジスタ
114 トランジスタ
115 トランジスタ
116 トランジスタ
117 ノード
118 ノード
119 ノード
120 トランジスタ
121 端子
122 トランジスタ
123 トランジスタ
124 トランジスタ
125 端子
126 トランジスタ
127 トランジスタ
128 トランジスタ
129 トランジスタ
201 制御信号
202 クロック信号
203 クロック信号
204 電位
205 電位
206 電位
207 出力信号
208 制御信号
209 出力信号
500 端子
501 端子
502 端子
502A 端子
502B 端子
503 端子
503A 端子
503B 端子
503C 端子
503D 端子
504 端子
504A 端子
504B 端子
504C 端子
504D 端子
504E 端子
504F 端子
504G 端子
504H 端子
504I 端子
504J 端子
504K 端子
505 端子
506 トランジスタ
507 トランジスタ
508 トランジスタ
509 トランジスタ
510 容量素子
511 トランジスタ
512 トランジスタ
513 トランジスタ
514 トランジスタ
515 ノード
516 ノード
517 トランジスタ
518 端子
519 トランジスタ
520 トランジスタ
521 トランジスタ
522 端子
523 トランジスタ
524 トランジスタ
525 トランジスタ
526 トランジスタ
601 制御信号
602 クロック信号
603 クロック信号
604 電位
605 電位
606 出力信号
607 制御信号
608 出力信号
700 画素部
701 信号線駆動回路
702 走査線駆動回路
703 制御回路
704 クロック信号生成回路
705 信号線
705A 信号線
705B 信号線
706 走査線
706A 走査線
706B 走査線
706C 走査線
706D 走査線
707 クロック信号線
708 クロック信号線
709 画素
710 フリップフロップ回路
710A フリップフロップ回路
710B フリップフロップ回路
710C フリップフロップ回路
710D フリップフロップ回路
750 画素
751 トランジスタ
752 液晶素子
753 容量素子
754 配線
755 配線
756 配線
757 配線
758 電極
801 開始信号
802 クロック信号
803 クロック信号
804 出力信号
805 出力信号
806 出力信号
807 出力信号
900 基板
901 不純物領域
902 半導体層
903 ゲート絶縁膜
904 ゲート電極
905a 電極
905b 電極
906 層間絶縁膜
907 基板
908 ゲート電極
910 ゲート絶縁膜
911 半導体層
912 半導体層
912a 半導体層
912b 半導体層
913a 電極
913b 電極
1000 基板
1001 ゲート電極
1002 ゲート絶縁膜
1003 微結晶半導体層
1004 バッファ層
1005a 半導体層
1005b 半導体層
1006a 電極
1006b 電極
1007 導電膜
1008 微結晶半導体膜
1009 非晶質半導体膜
1010 半導体膜
1011 導電膜
1101 筐体
1102 支持台
1103 表示部
1104 スピーカー部
1105 ビデオ入力端子
1111 本体
1112 表示部
1113 受像部
1114 操作キー
1115 外部接続ポート
1116 シャッターボタン
1121 本体
1122 筐体
1123 表示部
1124 キーボード
1125 外部接続ポート
1126 ポインティングデバイス
1131 本体
1132 表示部
1133 スイッチ
1134 操作キー
1135 赤外線ポート
1141 本体
1142 筐体
1143 表示部A
1144 表示部B
1145 読込部
1146 操作キー
1147 スピーカー部
1151 本体
1152 表示部
1153 アーム部
1161 本体
1162 表示部
1163 筐体
1164 外部接続ポート
1165 リモコン受信部
1166 受像部
1167 バッテリー
1168 音声入力部
1169 操作キー
1170 接眼部
1171 本体
1172 筐体
1173 表示部
1174 音声入力部
1175 音声出力部
1176 操作キー
1177 外部接続ポート
1178 アンテナ
1180 筐体
1181 筐体
1182 表示部
1183 スピーカー
1184 マイクロフォン
1185 操作キー
1186 ポインティングデバイス
1187 カメラ用レンズ
1188 外部接続端子
1189 イヤホン端子
1190 キーボード
1191 外部メモリスロット
1192 カメラ用レンズ
1193 ライト