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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20231129BHJP
   B65F 1/12 20060101ALI20231129BHJP
   B65F 1/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B65F1/16
B65F1/12 102
B65F1/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019065121
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020164273
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋平
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-236602(JP,A)
【文献】登録実用新案第3048952(JP,U)
【文献】特開2009-208850(JP,A)
【文献】特開2015-100494(JP,A)
【文献】特開2020-037476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00-1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容口と、
その収容口の下方に通じる収容空間を有する装置内部と、
その装置内部をその側方に開口する側方開口部と、
その側方開口部を開閉し得、前記収容口を有しない開閉部を有し、
前記収容口から受容されて前記収容空間に収容された収容物を、前記開閉部を開いて開口した状態の前記側方開口部を通じて取り出すことができる収容装置であって、
所定の回動軸線のまわりに回動することにより、前記収容口を開口した回動位置と前記収容口を封鎖した回動位置をとり得る封鎖体を有し、
前記収容口が開口した状態である場合の前記封鎖体の回動位置が、その封鎖体の自重又は所定の維持機構により維持され得、
前記収容口が前記封鎖体により封鎖されている状態の解除が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得るものであって、
前記封鎖体が前記収容口を封鎖している状態である場合に、当該収容口の封鎖は、前記封鎖体が前記回動軸線のまわりに下方に回動することにより解除されるものであり、
前記開閉部を、前記側方開口部を閉じる位置に位置させることにより、当該開閉部自体が前記封鎖解除防止部を構成するものであることを特徴とする廃棄物又はその他の物を収容するための収容装置。
【請求項2】
上記封鎖体が収容口を封鎖している状態である場合に、その封鎖体が下方に回動して封鎖を解除することを防ぐように、前記封鎖体の所定箇所を、上記側方開口部を閉じる位置に位置した開閉部の所定部分により上向き又は斜め上向きに受止し得る請求項記載の収容装置。
【請求項3】
上記封鎖体は、収容口を開口した状態において、回動支持された部分に対し下方に吊下した状態をなすものである請求項記載の収容装置。
【請求項4】
上記収容口を封鎖している状態の上記封鎖体の回動位置が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動により封鎖解除が可能な状態で維持され得るものである請求項1乃至の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項5】
磁気的に封鎖状態が維持されるものである請求項記載の収容装置。
【請求項6】
上記収容口は、上方又は斜め上方に開口するものである請求項1乃至の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項7】
上記開閉部を閉じた状態で施錠して保持することができる開閉部保持機構を備える請求項1乃至の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項8】
上記封鎖体は、装置内部の側から収容口を封鎖し得るものである請求項1乃至の何れか1項に記載の収容装置。
【請求項9】
上記封鎖体が収容口の封鎖を解除する向きは、前記封鎖体が収容口を封鎖状態とするための回動の向きとは逆向きである請求項1乃至の何れか1項に記載の収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を収容するための収容口の封鎖及び封鎖解除を行い得る収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実用新案登録第3191342号公報に示されているゴミ箱は、上方が開口した投入物貯留容器50を収容可能な容器収容空間7aを画定し、前記投入物貯留容器の取り出し口6が設けられた箱状筐体2と、前記箱状筐体2に設けられ、前記取り出し口6を開閉する蓋部材3と、前記蓋部材3に設けられ前記容器収容空間7aに連通する投入口5を有するものである。前記蓋部材3は、前記蓋部材3の内面側に前記投入口5を封鎖するように封鎖部材11を固定する固定部材13を有する。
また図7に示されるゴミ箱21は、上が開口した容器状の箱状筐体22を有する。箱状筐体22の一側縁には、開閉蓋23の一側縁がヒンジ結合されており、その開閉蓋23が矢印91に示すように回動することにより箱形筐体2の上面の開口26を開閉できるように構成されている。 開閉蓋23には、投入口25が設けられており、開閉蓋23の裏面には、断面が鈎状の封鎖板固定部材27が設けられており、封鎖板28を開閉蓋23の左右方向からスライドさせることで、投入口25を封鎖するための封鎖板28が支持されて脱着自在に固定される。
【0003】
このように、実用新案登録第3191342号公報に示されているゴミ箱は、必要に応じ、別途用意した封鎖部材や封鎖板により投入口を封鎖することかできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3191342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、収容口の封鎖及び封鎖解除を、封鎖体の保管や装着等のスペースや手間を省いて効率よく行うことができる収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の収容装置は、次のように表すことができる。
【0007】
(1) 収容口と、
その収容口の下方に通じる収容空間を有する装置内部と、
その装置内部をその側方に開口する側方開口部と、
その側方開口部を開閉し得る開閉部を有し、
前記収容口から受容されて前記収容空間に収容された収容物を、前記開閉部を開いて開口した状態の前記側方開口部を通じて取り出すことができる収容装置であって、
所定の回動軸線のまわりに回動することにより、前記収容口を開口した回動位置と前記収容口を封鎖した回動位置をとり得る封鎖体を有し、
前記収容口が開口した状態である場合の前記封鎖体の回動位置が、その封鎖体の自重又は所定の維持機構により維持され得、
前記収容口が前記封鎖体により封鎖されている状態の解除が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得るものであることを特徴とする収容装置。
【0008】
所定の回動軸線のまわりに回動することにより、収容装置の収容口を開口した回動位置と収容口を封鎖した回動位置をとり得る封鎖体を有し、収容口が開口した状態である場合の封鎖体の回動位置が、その封鎖体の自重又は所定の維持機構により維持され得、収容口が封鎖体により封鎖されている状態の解除が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得るものであるため、収容口の封鎖及び封鎖解除を、封鎖体の保管や装着等のスペースや手間を省いて効率よく行うことができる。
【0009】
(2) 閉じた状態の上記開閉部が上記封鎖解除防止部を構成する上記(1)記載の収容装置。
【0010】
(3) 上記封鎖体が収容口を封鎖している状態である場合に、その封鎖体が収容口の封鎖を解除する向きに回動して封鎖を解除することを防ぐように前記封鎖体の所定箇所を上記開閉部の所定部分により上向き又は斜め上向きに受止し得る上記(2)記載の収容装置。
【0011】
(4) 上記封鎖解除防止部が、開閉部以外の箇所のうち、開閉部が閉じた状態において外部から操作できない箇所に位置し、上記収容口を封鎖した状態の封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することを防ぐ状態とそのような回動を可能とする状態をとり得るものである上記(1)記載の収容装置。
【0012】
(5) 上記収容口を封鎖している状態の上記封鎖体の回動位置が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動により封鎖解除が可能な状態で維持され得るものである上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の収容装置。
【0013】
(6) 磁気的に封鎖状態が維持されるものである上記(5)記載の収容装置。
【0014】
(7) 上記収容口は、上方又は斜め上方に開口するものである上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の収容装置。
【0015】
(8) 上記開閉部を閉じた状態で施錠して保持することができる開閉部保持機構を備える上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の収容装置。
【0016】
(9) 上記封鎖体は、装置内部の側から収容口を封鎖し得るものである上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載の収容装置。
【0017】
(10) 上記封鎖体が収容口の封鎖を解除する向きは、前記封鎖体が収容口を封鎖状態とするための回動の向きとは逆向きである上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の収容装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明の収容装置によれば、所定の回動軸線のまわりに回動することにより、収容装置の収容口を開口した回動位置と収容口を封鎖した回動位置をとり得る封鎖体を有し、収容口が開口した状態である場合の封鎖体の回動位置が、その封鎖体の自重又は所定の維持機構により維持され得、収容口が封鎖体により封鎖されている状態の解除が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得る。
【0019】
そのため、収容口の封鎖及び封鎖解除を、封鎖体の保管や装着等のスペースや手間を省いて効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】封鎖解除状態のゴミ箱の中央部を封鎖蓋を除き縦断して左半部を表わした斜視図である。
図2】封鎖解除状態のゴミ箱の開閉扉を閉じた状態の斜視図である。
図3】封鎖解除状態のゴミ箱の開閉扉を開いた状態の斜視図である。
図4】封鎖蓋の斜視図である。
図5】封鎖状態のゴミ箱の封鎖蓋を除き中央部を縦断して左半部を表わした斜視図である。
図6】封鎖状態のゴミ箱の斜視図である。
図7図5の要部拡大図である。
図8】封鎖状態のゴミ箱の要部縦断面図である。
図9図8の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図面は何れも本発明の収容装置の実施の形態の一例としてのゴミ箱に関するものである。
【0023】
このゴミ箱Tは、ゴミ箱T内部における収容空間T1に通じる収容口T2と、その収容口T2を開口した状態又は封鎖した状態とすることができる封鎖蓋C(封鎖体)と、ゴミ箱Tの内部をその前方(側方の一例)に開口する前方開口部T3と、その前方開口部T3を開閉し得る開閉扉T4(開閉部)を有する。
【0024】
(1) ゴミ箱Tは独立した箱状体である。
【0025】
(2) ゴミ箱T内部の収容空間T1には、対象物(一般の可燃ゴミ、プラスチックゴミ、空き缶等)を収容し得るプラスチックフィルム製のゴミ袋(図示を略す)が装着される。
【0026】
(3) 収容口T2は、前方に向かって約10度の角度で下降傾斜する天板T5に設けられ、略方形状をなし、垂直方向に対し約10度前向きに傾斜した状態でゴミ箱Tの外部に向かって開口するものである。
【0027】
ゴミ箱T内部における収容空間T1は、収容口T2の下方に通じるものであり、収容口T2から投入等により受容された対象物は、収容空間T1のゴミ箱T内部に装着されたゴミ袋に収容される。
【0028】
(4) 前方開口部T3は、ゴミ箱T内部をその前方に開口する。
【0029】
(5) 開閉扉T4は、前方開口部T3を、ゴミ箱Tの正面に向かって右側に位置する垂直回動軸線のまわりに回動して開閉し得るものである。
【0030】
このゴミ箱Tは、開閉扉T4を閉じた状態で施錠して保持することができる開閉扉保持機構を備える。
【0031】
(6) 封鎖蓋Cは、略方形平板状をなし、後端部の両側部に、後方に延設された延設部C1を有し、封鎖蓋Cの両延設部C1が、ゴミ箱Tの背面板T6の内側部に固定された水平細板状の回動支持体Dの両端においてそれぞれ前方に立ち上げられた回動支持部D1により回動可能に支持されている。封鎖蓋Cの回動軸線は、ゴミ箱T内部における収容口T2の後方側(外周側の一例)に位置する。
【0032】
封鎖蓋Cの前端部には、全幅にわたり下向きに立ち上げられた下向立上部C2を有し、下向立上部C2の下端部には、全幅にわたる前方張出部C3を有する。
【0033】
ゴミ箱Tが、対象物の受容のために使用してよい通常の状態である場合は、後端部において回動支持部D1により支持された封鎖蓋Cが、ゴミ箱Tの背面板T6の内側部に沿って自重により垂下し、収容口T2が開口した状態で使用される。(図1、2)
【0034】
ゴミ箱Tが、例えば、テロ対策等の公共の安全上、又はその他の必要上、収容口T2を閉じて対象物の受容を禁ずる状態である場合は、開閉扉T4を開き、前方開口部T3を通じて垂下状態の封鎖蓋Cを前上方へ回動させ、ゴミ箱Tの天板T5の前端部下側に設けられた永久磁石からなる磁気吸着体Mの下側に封鎖蓋Cの前方張出部C3を磁気吸着させることにより収容口T2を封鎖蓋Cにより封鎖した状態とする。封鎖蓋Cの前方張出部C3は、磁気吸着体Mに対応する被吸着箇所を含めて、鉄系材料(強磁性材料)からなる。
【0035】
この状態で開閉扉T4を閉じて開閉扉保持機構を施錠することにより、開閉扉T4は閉じた状態が保持される。そのため、封鎖蓋Cが押下力を受けて磁気吸着体Mと前方張出部C3の磁気吸着が解除されても、封鎖解除防止部としての開閉扉T4の上端面T4aが封鎖蓋Cの下方回動を防ぎ、従って、収容口T2が封鎖蓋Cの上面部によりゴミ箱Tの内部側から封鎖されている状態の解除が防がれる。(図5乃至9)
【0036】
収容口T2を封鎖した状態を解除するには、開閉扉保持機構を解錠して開閉扉T4を開き、封鎖蓋Cを後下方へ回動させてゴミ箱Tの背面板T6の内側部に沿って自重により垂下した状態とする。その上で開閉扉T4を閉じ、必要に応じ開閉扉T4保持機構を施錠する。
【0037】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0038】
本発明の収容装置は、装置内部における収容空間に通じる収容口と、その収容口を開口した状態又は封鎖した状態とすることができる封鎖体と、装置内部をその側方に開口する側方開口部と、その側方開口部を開閉し得る開閉部を有する。
【0039】
(1) 収容装置は、例えば、独立した箱状体とすることができる他、家具、建築物、構築物、車両、航空機、船舶、その他の物の一部とすることもできる。
【0040】
(2) 収容装置の装置内部には、対象物(一般の可燃ゴミ、プラスチックゴミ、空き缶若しくはその他の廃棄物又はその他の物)を収容する収容空間を有する。
【0041】
例えば、取り出し可能な収容容器(例えば箱状又は袋状の収容容器)を装置内部に収容し、その収容容器に対象物が収容されるものとすることもできる。
【0042】
(3) 収容口は、収容装置の外部に向かって開口するものとすることができる。
【0043】
装置内部における収容空間は、収容口の下方に通じるものであり、収容口から投入等により受容された対象物は、収容空間に収容される。
【0044】
収容口の形状は、例えば長方形、正方形若しくはその他の多角形、角部に丸みを有する多角形、円形、楕円形等とすることができるが、これらに限るものではない。平面に沿うものに限らず、例えば曲面に沿って収容口を形成することもできる。
【0045】
収容口は、上方又は斜め上方に開口するものであることが望ましい。収容口は、例えば、垂直上方に開口するもの、垂直方向に対し例えば60度以下の角度で開口するもの、45度以下の角度で開口するもの、又は、30度以下の角度で開口するものとすることができるが、これに限るものではない。
【0046】
(4) 側方開口部は、装置内部をその側方に開口する。ここに言う側方は、装置内部に対し前方、後方、左方、右方等の何れであってもよい。
【0047】
(5) 開閉部は、側方開口部を開閉し得るものであり、例えば、扉、引戸等とすることができる。一部又は全部を透明に構成して装置内部の収容物等を外部から視認し得るようにすることもできる。扉、引戸等の本体部に結合した他の部分を開閉部の一部として有するものとすることもできる。
【0048】
本発明の収容装置は、開閉部を閉じた状態に保持するための開閉部保持機構、例えば開閉部を閉じた状態で施錠して保持することができる開閉部保持機構を備えるものであることが望ましい。
【0049】
(6) 封鎖体は、所定の回動軸線のまわりに回動することにより、前記収容口を開口した回動位置と前記収容口を封鎖した回動位置をとり得るものであり、例えば、所定の回動軸線のまわりに回動し得る回動蓋状体、例えば、略方形板状の回動蓋状体とすることができる。回動蓋状体等の本体部に他の部分を封鎖体の一部として有するものとすることもできる。
【0050】
(6-1) 封鎖体は、装置内部の側から収容口を封鎖し得るものであることが、封鎖体の回動のために外部空間を可及的に用いない点で及び封鎖状態維持の上で望ましい。また、封鎖体は、装置内部に位置するものであること、又は、収容口を封鎖した状態を除き装置内部に位置するものであることが望ましい。
【0051】
収容口が上方又は斜め上方(例えば垂直方向に対し0乃至45度)に開口するものである場合は、装置内部の側から収容口を封鎖する封鎖体は、所定の回動軸線のまわりに上向きに回動して収容口を封鎖し、封鎖状態において水平状又は傾斜状(例えば垂直方向に対し0乃至45度)をなすものとすることができる。
【0052】
(6-2) 所定の回動軸線は、収容口の(好ましくは装置内部における)外周側に有するものであることが望ましい。
【0053】
(6-3) 所定の回動軸線は、封鎖体の何れかの端部付近に位置することが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。
【0054】
(6-4) 封鎖体は、装置内部に位置するものとすることができる。
【0055】
(6-5) 収容口を開口した状態において、対象物を収容する妨げとならないようにすると共に、対象物による汚れや損傷を防ぐ上で、封鎖体の全部又は一部が収容口の垂直下方部に位置しないことが好ましい。
【0056】
(7) 収容口が開口した状態である場合の封鎖体の回動位置は、その封鎖体の自重又は所定の維持機構により維持され得る。
【0057】
(7-1) 収容装置が、例えば対象物を受容し得る状態(例えば対象物の受容のために使用し得る又は使用してよい通常の状態)である場合は、封鎖体は、収容口を開口状態とする回動位置が自重又は所定の維持機構により維持され得るものとすることができる。
【0058】
収容口が開口状態である場合における封鎖体の通常の位置は、装置内部における何れかの外周部(例えば、後壁面部)に沿う位置であることが望ましいが、これに限るものではない。
【0059】
(7-2) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置が維持され得る場合としては、例えば次のような場合を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0060】
(a) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置が封鎖体の自重により維持され得る場合として、例えば、所定の回動軸線に対し封鎖体が自重により垂直状に吊り下がった状態や、封鎖体の形状や例えば重り部を設けることによる重量配分等により傾斜状又は一定の向きに偏った形態で吊り下がった状態が維持され、封鎖体の自重に抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて収容口を封鎖状態とする回動位置に位置させることができる場合を挙げることができる。
【0061】
(b) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置がバネ等による付勢機構により維持される場合として、例えば、引っ張りばね、圧縮ばね、ねじりコイルばね等の弾性材等による付勢によって封鎖体の回動位置が維持され、付勢に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて収容口を封鎖状態とする回動位置に位置させることができる場合を挙げることができる。
【0062】
(c) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置がおもり等の自重を利用した引張機構により維持される場合として、例えば、滑車等の方向転換部を経て紐等の条体を介しておもり等の自重による引張力によって封鎖体の回動位置が維持され、おもり等の自重による引張力に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて収容口を封鎖状態とする回動位置に位置させることができる場合を挙げることができる。
【0063】
(d) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置が解除可能な固定機構により維持される場合としては、例えば、封鎖体の回動位置が装置内部等に設けた掛止機構に封鎖体が掛止されること(又はその他の固定機構に封鎖体が固定されること)により維持され、掛止機構による掛止(又はその他の固定機構による固定)を解除することにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて収容口を封鎖状態とする回動位置に位置させることができる場合を挙げることができる。
【0064】
(e) 封鎖体が収容口を開口状態とする回動位置が永久磁石や強磁性材料等を用いて磁気的に維持され得るものとすることもできる。
【0065】
(8) 収容口が前記封鎖体により封鎖されている状態の解除は、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得る。
【0066】
(8-1) 収容装置が、例えば対象物を受容し得ない状態(例えば、テロ対策等の公共の安全上、又はその他の必要上、収容口を閉じて対象物の受容を禁ずる状態)である場合は、収容口が封鎖体により封鎖された状態とすることができ、その封鎖状態の解除は、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動を防ぐ封鎖解除防止部により防がれ得る。
【0067】
通常は、収容口を封鎖状態とするために封鎖体を回動させることにより装置内部側における収容口付近(例えば収容口の周縁部等)又はその他の位置で封鎖体の回動が受止されて封鎖状態となるので、封鎖体が収容口の封鎖を解除する向きは封鎖体が収容口を封鎖状態とするための回動の向きとは逆向きである。
【0068】
例えば、収容口が上方又は斜め上方に開口し、封鎖体が所定の回動軸線のまわりに上向きに回動して(例えば収容口付近又はその他の位置で封鎖体の上向き回動が受止されて)収容口を装置内部の側から封鎖するものである場合、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動は、下向きの回動であり、封鎖体の所定箇所を上向き又は斜め上向きに受止する封鎖解除防止部により、封鎖状態の解除が防がれ得る。この場合の封鎖状態の封鎖体は水平状又は傾斜状(例えば垂直方向に対し0乃至45度をなすもの)であるものとすることができる。
【0069】
なお、封鎖解除防止部は、封鎖体を回動させて封鎖状態とする妨げにならず、また、封鎖体が収容口を封鎖している状態において開閉部を閉じる妨げにならないことが望ましい。
【0070】
(8-2) 封鎖解除防止部については、例えば、閉じた状態の開閉部が封鎖解除防止部を構成するものとすること、すなわち、収容口を封鎖している状態の封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することが、閉じた状態の開閉部により防がれ得るものとすることができる。
【0071】
この場合は、例えば、封鎖体が(例えば上方又は斜め上方に開口する)収容口を、(好ましくは装置内部の側から、例えば上向きに回動して)封鎖している状態である場合に、その封鎖体が収容口の封鎖を解除する向き(例えば下向き)に回動して封鎖を解除することを防ぐように封鎖体の所定箇所を開閉部(例えば扉若しくは引戸等又はそれらに結合した物)の所定部分により上向き又は斜め上向きに受止し得るものとすることができる。
【0072】
(a) 開閉部の所定部分としては、例えば、開閉部の上端面部やその他の部分の上面部を挙げることができる。封鎖体が、例えば、水平状の回動軸線のまわりに回動し、収容口を(例えば装置内部の側から)封鎖状態とする回動位置において封鎖を解除する向きの回動により下方(垂直方向)又は斜め下方(例えば水平方向に対し45度以上、好ましくは60度又は70度以上、より好ましくは80度以上の傾斜方向)に移動する所定箇所を有する場合に、その所定箇所(好ましくは封鎖体の回動軸線からできるだけ離隔した箇所、例えば開閉部に対し装置内部の奥側に回動軸線を有する場合に、その回動軸線に対し封鎖体の外端の箇所)の下方側を、開閉部の所定部分としての上端面部やその他の部分の上面部により受止することにより、封鎖体が収容口を封鎖している状態の解除が防がれるものとすることができる。
【0073】
この場合の開閉部としては、封鎖体を回動させて封鎖状態とする妨げに可及的にならないようにする上で、扉、特に装置外部側へ開く扉や、引戸等が望ましい。
【0074】
例えば、扉又は引戸が開いている状態において、封鎖体を回動させて収容口を封鎖状態とし、扉又は引戸を閉じることにより、扉又は引戸における所定部分としての上端面部やその他の部分の上面部により、封鎖体の所定箇所の下方移動が受止されて封鎖解除が防がれるものを挙げることができる。
【0075】
(b) また、封鎖体が、例えば、水平状の回動軸線のまわりに回動し、収容口を封鎖状態とする回動位置において封鎖を解除する向きの回動により水平方向又は傾斜方向(例えば水平方向に対し45度以下、好ましくは30度又は20度以下、より好ましくは10度以下の傾斜方向)における装置内部側に移動する所定箇所を有する場合に、その所定箇所の装置内部側を、所定部分としての開閉部(例えば、引戸、扉、特に装置内部側へ開く扉等)の上方突起部(例えば開閉部の装置内部側に形成された上方突起部)又はその他の部分により受止することにより、封鎖体が収容口を装置内部の側から封鎖している状態の解除が防がれるものとすることができる。
【0076】
この場合の開閉部としては、封鎖体が収容口を封鎖している状態において、封鎖体のうち、装置内部側に移動する所定箇所を受止する上方突起部又はその他の部分が開閉部を閉じる上で妨げにならないようにする上で、引戸や装置内部側へ開く扉が望ましい。
【0077】
例えば、引戸が開いている状態において、封鎖体を回動させて収容口を封鎖状態とし、引戸を引いて閉じる際に、引戸における所定部分としての上方突起部又はその他の部分が、封鎖体の所定箇所に対し装置内部側を移動し、引戸が閉じられた状態においては、封鎖体の所定箇所の装置内部側移動が所定部分としての上方突起部又はその他の部分により受止されて封鎖解除が防がれるものを挙げることができる。
【0078】
また例えば、扉が装置内部側へ開いている状態において、封鎖体を回動させて収容口を封鎖状態とし、扉を装置内部側と逆向きに回動させて閉じる際に、扉における所定部分としての上方突起部又はその他の部分が、封鎖体の所定箇所に対し装置内部側において回動し、扉が閉じられた状態においては、封鎖体の所定箇所の装置内部側移動が所定部分としての上方突起部又はその他の部分により受止されて封鎖解除が防がれるものを挙げることができる。
【0079】
(8-3) 封鎖解除防止部は、例えば、開閉部以外の箇所のうち、開閉部が閉じた状態において外部から操作できない箇所(例えば装置内部)に位置し、収容口を封鎖した状態の封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することを防ぐ状態とそのような回動を可能とする状態をとり得るものとすることができる。
【0080】
このような封鎖解除防止部としては、収容口を封鎖した状態の封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することを阻止し得る阻止体であって装置内部に設けたものが、その封鎖解除回動を阻止し得る位置と阻止し得ない位置を取り得るもの(例えば、所定軸線まわりに回動することにより封鎖体の封鎖解除回動側の所要箇所[例えば裏側の左右]に回動阻止突起部が位置する状態と位置しない状態をとり得るもの)や、その封鎖解除回動を阻止し得るように封鎖体に係合又は掛止し得る(その係合又は掛止を解除することもできる)ものを例示することができる。
【0081】
(8-4) また封鎖解除防止部は、例えば、開閉部を閉じた状態に保持するための開閉部保持機構に連動して、開閉部を閉じた状態に保持する場合は収容口を封鎖した状態の封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することを突起や係合等により防ぎ得るようにし、開閉部を閉じた状態の保持を解除した場合は突起や係合しない状態等として封鎖体が封鎖を解除する向きに回動することを防ぎ得ないようにするものとすることができる。
【0082】
(8-5) 収容口を封鎖している状態の封鎖体の回動位置は、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動により封鎖解除が可能な状態で維持され得るものとすることができる。但し、封鎖解除が可能なのは、封鎖解除防止部により封鎖状態解除が防がれていない場合である。
【0083】
このような、収容口を封鎖している状態の封鎖体の回動位置の維持は、次のような例を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
【0084】
(a) 封鎖体の自重により封鎖状態が維持され得る場合、例えば、所定の回動軸線に対し封鎖体が自重により垂直状に吊り下がった封鎖状態や、封鎖体の形状や例えば重り部を設けることによる重量配分等により傾斜状又は一定の向きに偏った形態で吊り下がった封鎖状態が維持され、封鎖体の自重に抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて封鎖を解除させることが可能な場合。
【0085】
(b) バネ等による付勢機構により封鎖状態が維持される場合、例えば、引っ張りばね、圧縮ばね、ねじりコイルばね等の弾性材等による付勢によって封鎖状態が維持され、付勢に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて封鎖を解除させることが可能な場合。
【0086】
(c) おもり等の自重を利用した引張機構により封鎖状態が維持される場合、例えば、滑車等の方向転換部を経て紐等の条体を介しておもり等の自重による引張力によって封鎖状態が維持され、おもり等の自重による引張力に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて封鎖を解除させることが可能な場合。
【0087】
(d) 永久磁石や強磁性材料等を用いて磁気的に封鎖状態が維持される場合、例えば、永久磁石や強磁性材料等を用いた磁力によって封鎖状態が維持され、封鎖状態を維持するための磁力に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて封鎖を解除させることが可能な場合。
【0088】
(e) 面ファスナ又はその他の保持手段を用いて封鎖状態が維持される場合、例えば、面ファスナ又はその他の保持手段の保持力によって封鎖状態が維持され、封鎖状態を維持するための保持力に対抗する力を加えることにより、封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて封鎖を解除させることが可能な場合。
【0089】
(8-6) 収容口が開口した状態から封鎖体を所定の回動軸線のまわりに回動させて前記収容口を(例えば装置内部の側から)封鎖した状態とする操作は、開閉部を開いた状態で(例えば、開口した状態の前記側方開口部を通じて、又はその他の開閉可能な部分を通じて若しくはその他の手段により)行うことができるものとすることができる。
【0090】
(8-7) 閉じた状態の開閉部が封鎖解除防止部を構成するものであって、収容口を封鎖している状態の封鎖体の回動位置が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動により封鎖解除が可能な状態で(例えば磁力等により)維持され得る場合は、収容口を封鎖している状態の封鎖体の回動位置が位置されている状態において開閉部を開いた状態から閉じた状態にすることにより、閉じた状態の開閉部が構成する封鎖解除防止部により封鎖状態解除が防がれ得る。
【0091】
(8-8) 閉じた状態の開閉部が封鎖解除防止部を構成するものであって、収容口を封鎖している状態の封鎖体の回動位置が、封鎖を解除する向きの封鎖体の回動により封鎖解除が可能な状態で維持され得ない場合は、例えば、封鎖体の一部を操作者が支持して収容口を封鎖している状態に維持しつつ、例えば扉状の開閉部又は引戸状の開閉部を、開いた状態から閉じた状態にする過程において操作者による支持に代えて開閉部の一部等(例えば扉状の開閉部の回動軸線近傍部等や、引戸状の開閉部の先頭部等)により封鎖体を封鎖状態に支持しつつ閉じることにより、全閉した状態の開閉部が構成する封鎖解除防止部により封鎖状態解除が防がれ得るものとすることや、例えば、封鎖体の一部に外部へ突起する部分を設けてそれを操作者が支持して収容口を封鎖している状態に維持しつつ開閉部を閉じることにより、閉じた状態の開閉部が構成する封鎖解除防止部により封鎖状態解除が防がれ得るものとすることができる。
【符号の説明】
【0092】
C 封鎖蓋
C1 延設部
C2 下向立上部
C3 前方張出部
D 回動支持体
D1 回動支持部
M 磁気吸着体
T ゴミ箱
T1 収容空間
T2 収容口
T3 前方開口部
T4 開閉扉
T4a 上端面
T5 天板
T6 背面板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9