(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】窓ステー
(51)【国際特許分類】
E05D 15/28 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
E05D15/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019100961
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-05-12
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】505138978
【氏名又は名称】エイエスエスエイ・アブロイ・ニュージーランド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】マグレガー,ダンカン・ダフ
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-221051(JP,A)
【文献】特開平11-343764(JP,A)
【文献】実開平06-082368(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0265957(US,A1)
【文献】米国特許第06442898(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/28-15/40
E06B 3/04- 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ステーであって、
枠板と、
前記枠板に枠板ピボットによって結合する少なくとも1つのアームと、
前記枠板と係合する支承板であって、前記支承板および前記枠板は共に窓枠に取り付けられるように構成される支承板と、
を備える窓ステーであって、
前記支承板は、前記少なくとも1つのアームの少なくとも一部を通じて前記支承板にかけられた荷重を分散するための強化挿入部を備え、
前記強化挿入部は、前記支承板の素材より強く、および/または剛性のある素材からなる、窓ステー。
【請求項2】
請求項1に記載の窓ステーであって、前記支承板はプラスチックからなる、窓ステー。
【請求項3】
請求項2に記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は、前記プラスチックよりも強く、および/または剛性のある素材からなる、窓ステー。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の窓ステーであって、前記強化挿入部はアルミニウム、鋼鉄またはステンレス鋼の1つからなる、窓ステー。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の窓ステーであって、使用時には、前記支承板は前記窓枠と前記枠板との間に配置され、前記支承板は長手方向に前記枠板の端部を越えて延在する第1の領域を有し、前記第1の領域は前記枠板と係合しない、窓ステー。
【請求項6】
請求項5に記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は前記窓枠と前記少なくとも1つのアームの少なくとも一部との間に配置される、窓ステー。
【請求項7】
請求項6に記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は前記第1の領域の少なくとも一部と係合するように、前記支承板に配置される、窓ステー。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の窓ステーであって、前記枠板は前記強化挿入部と協働して前記荷重を分散する、窓ステー。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の窓ステーであって、前記荷重は少なくとも部分的に窓のサッシの前記荷重である、窓ステー。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載の窓ステーであって、前記支承板は、前記強化挿入部を受容するための挿入部凹みを有する、窓ステー。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は、大部分が、または完全に前記支承板に囲まれる、窓ステー。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の窓ステーであって、前記支承板は、前記枠板を受容するための枠板の凹みを有する、窓ステー。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれかに記載の窓ステーであって、前記強化挿入部または前記枠板の少なくとも1つは、実質的に前記枠板の長手方向軸と位置合わせされる強化体を備える、窓ステー。
【請求項14】
請求項13に記載の窓ステーであって、前記強化体はリブである、窓ステー。
【請求項15】
さらにサッシ板を備える請求項1から請求項14のいずれかに記載の窓ステーであって、前記少なくとも1つのアームは、
ピボットによって、各端部で前記枠板および前記サッシ板に結合される短いアームと、
ピボットによって、各端部で前記枠板および前記サッシ板に結合される長いアームと、
を備える、窓ステー。
【請求項16】
請求項15に記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は前記窓枠と、前記短いアームの少なくとも一部との間に配置される、窓ステー。
【請求項17】
請求項16に記載の窓ステーであって、前記強化挿入部は前記窓枠と、前記短いアームを前記枠板に結合する前記ピボットの少なくとも一部との間に配置される、窓ステー。
【請求項18】
請求項17に記載の窓ステーであって、前記窓ステーの形状は、前記窓ステーの閉鎖位置においては、前記長いアームを前記サッシ板に結合する前記ピボットが、前記枠板を前記短いアームに結合する前記ピボットと、前記サッシ板を前記短いアームに結合する前記ピボットとの間に位置するように、形成される、窓ステー。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の窓ステーであって、前記窓ステーの形状は、前記窓ステーの完全開放位置において、前記サッシ板が前記枠板に対して実質的に90度となるように形成される、窓ステー。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれかに記載の窓ステーであって、前記窓ステーは開き窓ステーである、窓ステー。
【請求項21】
窓アセンブリであって、窓枠と、窓のサッシと、請求項1から請求項20のいずれかに記載の少なくとも1つの窓ステーとを備える、窓アセンブリ。
【請求項22】
請求項21に記載の窓アセンブリであって、前記窓枠は硬質ポリ塩化ビニル(uPVC)からなる、窓アセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載の窓アセンブリであって、前記強化挿入部は前記窓枠の少なくとも一部にかかる前記荷重を分散する、窓アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓ステーに関する。
【背景技術】
【0002】
大きな窓が流行であるが、それは窓がより大きく、より重くなってきたということを意味している。窓が重くなると、窓のサッシに適切なちょうつがい(窓ステーなど)によって接続されてもよい窓枠は窓のサッシの荷重を支えなければならず、および/またはちょうつがいは窓のサッシの荷重を支えなければならない。この荷重は、窓のサッシ自体の重さ、窓のサッシにかかる風力荷重またはサッシが開放位置および閉鎖位置から移動されるときに生じる荷重によることがある。荷重が大きすぎると、窓は落ちることもある。たとえば、ちょうつがいは部分的または完全に破損することもあり、または枠は部分的にせん断、たわみ、または完全に破損することもある。荷重が窓に影響する様式は、窓がオーニング窓であるか、開き窓であるか、またはその他の構成の窓であるかによって異なる。
【0003】
窓枠および窓のサッシは、アルミニウム、硬質ポリ塩化ビニル(uPVC)、木材またはその他適切な素材からなっていてもよい。その有利な特徴(断熱性または保守が簡単なことなど)からuPVCが一部の適用では望ましいこともあるが、uPVCは他の素材、たとえばアルミニウムと比較すると強度が低い。したがって、uPVC枠は、荷重が増えるとアルミニウムよりも頻繁に破損しやすく、大きな窓にはあまり適さない。枠の強度を増強する1つの方法は枠を厚くすることであるが、この方法は費用または美的観点から望ましくないこともある。
【0004】
窓ステーは様々な構成がある。一般に、窓ステーは、アーム構造によって連結される枠板とサッシ板とを含む。窓ステーの一例は4つのバー状の窓ステーを含む。4つのバー状の窓ステーは、1対のアームによって連結される枠板(または複数の枠板)およびサッシ板(または複数のサッシ板)を含む。一般に、1つのアームはもう1つのアームより顕著に短い。窓のサッシと窓枠との間に取り付けられるこのような1対の窓ステーによって、サッシの開放および閉鎖を制御する手段が得られる。費用を削減すること、寸法を小さくすること、および/または耐久性および重量積載能力を増加することによって、窓ステーの改良が実現され得る。
【発明の概要】
【0005】
一例示実施形態によると、窓ステーが提供される。窓ステーは、枠板と、枠板に枠板ピボットによって結合する少なくとも1つのアームと、枠板と係合する支承板とを備える。支承板および枠板は共に窓枠に取り付けられるように構成される。支承板は少なくとも1つのアームの少なくとも一部を通じて支承板にかけられた荷重を分散するための強化挿入部を含む。強化挿入部は支承板の素材より強く、および/または剛性のある素材からなる。
【0006】
第2の例示実施形態によると、窓ステーが提供される。窓ステーは、枠板と、枠板に枠板ピボットによって結合する少なくとも1つのアームと、枠板と係合する支承板とを備える。支承板および枠板は共に、枠通路を有する窓枠に取り付けられるように構成される。支承板は、枠通路の上に支承板を支持するための支持部材を備える。支持部材は支承板下部から延在する突起である。
【0007】
別の例示実施形態によると、窓枠と、窓のサッシと、前述のいずれかの段落に記載の少なくとも1つの窓ステーとを含む窓アセンブリが提供される。
【0008】
「備える」および「備えている」という用語は、様々な管区において、排他的または包括的な意味のいずれかの属性が与えられえることを理解されたい。本明細書の目的として、および別段記載のない限り、これらの用語は包括的な意味を持つものと意図される。つまり、「備える」という用語は、使用が直接言及される列挙した部品、および場合によっては特定されていない他の部品または要素の含有をも意味するものと解釈される。
【0009】
本明細書における任意の文書への言及は、当該文書が先行技術であると認めること、他の文書と有効に組み合わせ可能なことを認めること、または当該文書が共通の一般知識の一部を形成することを認めることのいずれをも構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれ、およびその一部を構成する添付図は、本発明の実施形態を例示し、前述の本発明の概要および下記の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0011】
【
図1】一実施形態による窓ステーの分解組立斜視図である。
【
図3a】部分的開放位置における
図1の窓ステーの上面図である。
【
図3b】完全開放位置における
図1の窓ステーの上面図である。
【
図3c】閉鎖位置における
図1の窓ステーの上面図である。
【
図4a】一実施形態による枠板の上端部の斜視図である。
【
図5a】一実施形態による支承板の斜視図の上端部である。
【
図6】支承板と係合する
図4bの枠板のA-Aの断面図である。
【
図7a】一実施形態による、強化挿入部を含む支承板の底部の斜視図である。
【
図8a】一実施形態による、支持部材を含む支承板の斜視図を示す。
【
図9a】強化挿入部または支持部材を備えないが、窓枠の一部を含む
図3bの窓ステーのB-Bの断面図を示す。
【
図9b】強化挿入部を備えないが、窓枠の一部を含む
図3bの窓ステーのB-Bの断面図を示す。
【
図9c】支持部材を備えないが、窓枠の一部を含む
図3bの窓ステーのB-Bの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
窓ステーの構造および部品
本発明ではいわゆる4つのバー状の窓ステーについて説明するが、窓ステーのその他の構成も適切でありえる。
図1は、例示する実施形態による窓ステーの分解組立斜視図である。
図2aから2bは
図1の窓ステーの斜視図である。
図3aから3cは、部分的開放位置、完全開放位置および閉鎖位置それぞれにおける
図1から2bの窓ステーの上面図である。完全開放位置において、サッシ板11は、枠板10に対して実質的に90度である。別の実施形態では、窓ステー1は、もっと大きくまたはもっと小さく開口してもよい。
【0013】
図1から3cを参照すると、窓ステー1は、枠板10と、サッシ板11と、短いアーム12と、長いアーム13とを含む。枠板10は支承板24と係合する。枠板10および支承板24は共に、窓枠(不図示)に取り付けられる。サッシ板11は直接窓のサッシ(不図示)に取り付けられる。
図2bに示すように、支承板24は、強化挿入部400を含んでいてもよい。部品は適切な強化リブ、凹み、形態などを含んでいてもよい。枠板、アーム12、13およびサッシ板11は、アルミニウム、鋼鉄またはステンレス鋼からなっていてもよい。支承板はプラスチックからなっていてもよい。強化挿入部はアルミニウム、鋼鉄またはステンレス鋼からなっていてもよい。
【0014】
これらの部品は、ピボット(摩擦型のリベットであってもよい)によって連結されてもよく、窓ステー1を窓のサッシおよび/または窓枠に取り付けるための開口を含んでいてもよい。前述の実施形態では、ピボットはびょう留めされ、対応するワッシャ300と関連している。リベットは、アルミニウム、鋼鉄またはステンレス鋼からなっていてもよく、ワッシャはプラスチックからなっていてもよい。
【0015】
枠板10およびサッシ板11は、開口18、19および234をそれぞれ備えていてもよく、これらの開口をファスナ(不図示)が貫通して、枠板10およびサッシ板11を窓枠および窓のサッシそれぞれに取り付けてもよい。ファスナ(不図示)はまた、枢支点を貫通して、窓ステー1を窓のサッシおよび窓枠に取り付けてもよい。図中、枢支点は以下の通りである。
-ピボット14は短いアーム12が枠板10に接続する箇所である。
-ピボット15は短いアーム12がサッシ板11に接続する箇所である。
-ピボット16は長いアーム13がサッシ板11に接続する箇所である。
-ピボット17は長いアーム13が枠板10に接続する箇所である。
【0016】
枠板
枠板10は、リベット14を受容するための開口226を含む。リベット14上では、短いアーム12が枠板10に対して旋回する。枠板10はまた、隆起部分218を含み、隆起部分218は、開口224を囲む中空の突起33を含む。開口224は、リベットまたはねじを受容するように構成される。以下で詳細に説明するが、突起33は、窓が開いているとき、短いアーム12の停止部として作用する。
【0017】
枠板10はさらに、強化体202を含んでいてもよい。枠板を支承板24および/または窓枠(不図示)に係合させるために、追加の開口18、234が設けられていてもよい。追加の開口18、234は、支承板24の対応する開口230および232それぞれと位置合わせされてもよい。枠板10は、約1.4から1.6mmの厚さを有していてもよい。
【0018】
枠板10は支承板24と係合するように構成される。枠板は、支承板24の対応するスタッド35を受容する開口204を含んでいてもよい。以下で説明するように、支承板24はまた、枠板10に対応する凹み25を含んでいてもよい。さらに、支承板24は、隙間のために、窓ステーのリベット14、17と位置合わせされる開口39および38を含んでいてもよい。
【0019】
窓のサッシの荷重は枠板にアームを通じて加えられる。4つのバー状の設計では、荷重の大半は枠板に短いアーム12を通じて加えられてもよく、具体的には短いアームが枠板に取り付けられる点、つまりリベット14に加えられる。ただし、荷重の一部はアーム自体によって加えられてもよい。具体的には、荷重の一部は窓ステーが閉鎖位置から完全開放位置まで移動するときに、アームが枠板上を摺動する際、アーム自体によって加えられてもよい。
【0020】
窓ステーが設置されるとき、ファスナ(不図示)は枠板を支承板と共に窓枠に取り付ける。枠板および支承板は、ファスナが枠板および支承板を窓枠に取り付けられるような対応する開口(たとえば、開口18および230)を含んでいてもよい。窓ステーが設置されるとき、支承板は窓枠と枠板との間に位置する。このように、(前述したように)枠板に加えられた窓のサッシの荷重は、窓枠に支承板を通じて加えられる。
【0021】
図4aから4cに示される枠板の実施形態において、強化体700が設けられる。
図4bに示すように、強化体700は実質的に枠の長手方向軸702と位置合わせされる。
図4cは
図4bのA-Aの断面図を示す。この図から、枠板10が2つの位置、つまり、第1の傾斜部802と第2の傾斜部806で曲がることが分かる。第1の傾斜部802と第2の傾斜部806の間には、平坦部218があり、合わせて強化体700となる。第1の傾斜部802は、高さ約0.5mmであってもよい。平坦部218は、幅約3mmであってもよい。第2の傾斜部806は高さ約2mmであってもよい。具体的な寸法は与えられているが、様々な大きさの窓ステーは、様々な寸法を使用しえることを理解されたい。
【0022】
強化体700は、枠板10の高荷重領域に配置されてもよい(つまり、使用時に比較的大きな応力量を受ける枠板10の領域である)。強化体700は、枠板10の剛性を増加するリブを提供することによって枠板10を強化する。強化体700は、比較的高荷重領域である枠板の縁で大きな高さの違いを提供することによって、枠板10を強化する。枠板10の断面全体の高さは、約2.5~3.5mmであってもよい。
【0023】
枠板10の平面に対する第1の傾斜部802および第2の傾斜部806の角度は、45度から90度の間であってもよい。
図4cに示す例示実施形態において、枠板の平面に対する第2の傾斜部806の角度は約55度である。
【0024】
強化体700によって配置されてもよい枠板10の最も外側の縁808は、枠板10の平面に対して下げられてもよい。最も外側の縁は幅約2mmであってもよい。
図4cから理解されるように、第2の傾斜部806の高さが第1の傾斜部802の高さよりも高い結果として、最も外側の縁は低くてもよい。最も外側の縁808は、支承板24の対応するスロットと係合するように構成されてもよく、それによって枠板10は支承板24と係合可能となる。最も外側の縁808がスロットと協働することによって、枠板10は支承板24によって保持され、2つの部品が確実に適切に位置合わせされることになる。スロットはまた、穴であってもよい。
【0025】
図4aから4cに示す強化体700を備える実施形態では、枠板10の素材の厚さは、1.2mmまで薄くなってもよい。この厚さは、別の窓の設備製品の厚さと一致するため、原料を統一することができ、皿穴および別の特徴のために既存/標準プレス成形を用いることができる。
【0026】
短いアーム
図1から3cを再び参照すると、短いアーム12は、中心部分29aと、隆起部分29bおよび29cを中心部分29aの両側に含む。中心部分29aと隆起部分29bおよび29cの間の隆起は、短いアーム12の端部に向かって(サッシ板11にピボット15を通じて接続する端部に向かって)減少する。中心部分29aは、サッシ板に接続する短いアーム12の端部まで、隆起部分の高さまで上方に傾斜する。隆起部分29bおよび29cは実質的に、平面上に位置合わせされ、短いアームの支持部となる。
【0027】
短いアーム12は、2段階の折り線または段差20(隆起部分29bに対応する段差20)を含む。この折り線20は、ピボット14および15が通る開口21および22の中心の間に延在する線(不図示)に角度を付けて配置される。このように折り線20は、アームの対向側との平行を維持するために曲がる前に、短いアーム12の幅にわたって対角線上に通過すると説明することができる。開口22から凹み34に向かって、(隆起部分29cに対応する)第2の折り線23が延在する。この折り線23は、折り線20の第2の段の鏡像となり、凹み34に向かって延在するにつれて(折り線23は折り線20と同じように方向を変えないため)次第に消える。
【0028】
短いアームはさらに、D停止部102を含む。D停止部102は追加の停止部として機能し、リベット14上の力を低減する。短いアームの凹み34は枠板10の突起33と係合するように構成される。
【0029】
サッシ板
開口19が提供される。開口19を通じて、ファスナ(不図示)を用いてサッシ板11を窓のサッシに取り付けることができる。ファスナはまた、ピボット15および16の穴から挿入することができる。
【0030】
二重停止部
窓ステー1が開放されるときは、窓ステー1の座屈は2つの個別の停止部を異なる場所に配置することで防御される。
【0031】
短いアーム12上のD停止部102は、屈曲した通路212の端部214で枠板10に到達するまで、支承板24の屈曲した通路212内部を移動するように構成される。窓ステーが完全に開放され、したがって窓が完全に開放されると(
図3bに示すように)、D停止部102は枠板10の隆起部分218に屈曲した通路212の端部214で当接する。隆起部分218はD停止部を動荷重下で補完する。隆起部分218は、停止表面を形成する枠板を持ち上げる。停止表面上では、短いアーム12のD停止部102が作動可能である。この補正により、短いアーム12と枠板10の間のプラスチックワッシャ(たとえばプラスチックのトップハットワッシャ)の厚さを補うことによって最大停止接触が得られる。この隆起部分218の厚さは、ワッシャの厚さと同じであってもよい。他の適切な類似する停止部構成をD停止部102の代わりに用いてもよい。副表面D停止部102および屈曲した通路212はステーの動作中に別の部品の摩耗を防止する。
【0032】
第2の停止部は枠板10からの突起33によって提供される。短いアーム12の凹み34は、窓が開放されているとき(
図3bに示すように)突起33に当接する。凹み34は突起33を補完する形状である。
【0033】
長いアーム
図1から4を再度参照すると、長いアーム13は、流線形の強化特徴を含んでいてもよい。強化特徴は長いアームの全長にほぼ沿って曲線の形をとってもよい。長いアーム13の曲線は、サッシ板11に取り付けられるように構成される長いアーム13の端部233に向かって減少する。それによって、窓ステー1が閉鎖されているとき、長いアーム13は、サッシ板11および短いアーム12下で摺動することができる。
【0034】
長いアーム13は、長いアームの実質的な長さに沿って中心部分210と、隆起部分236aおよび236bとを中心部分210の両側に含む。中心部分210と隆起部分236a、236bとの間の隆起はアームの端部233に向かって減少する。隆起部分236a、236bの上端部は実質的に、平面上に位置合わせされ、サッシ板11の支持部となる。
【0035】
隆起した強化リブ220、222は、中心ストリップ210の両側にあり、長いアーム13の長さのほとんどにわたって延在する。リブ220、222は、閉鎖から完全に開放するまでの操作範囲中に、窓ステー1の別の部品を妨害せずに長いアーム13に剛性を与えるように最適化される。
【0036】
強化リブ220、222が長いアームの長さから延在する角度は、長いアーム13が閉鎖位置で短いアーム12を横切れるようにしながら、中心部分210が長いアーム/サッシ板ピボット16のできるだけ近くで、支承板と接触できるように構成される。一実施形態では、角度は実質的に45度(40度から50度の間)である。支持部がピボット16に近いほど、支持部が偏向せずに負うことができる荷重は高くなる。長いアーム13の平面(平面は長いアーム13の長手方向軸に平行)に沿って、中心ストリップ210が隆起すると、リブ220、222は端部233付近でよじれ、実質的に長いアーム13の平面と平行な平坦部236a、236bとなる。平坦部236a、236bは、支承板24をへこませないように幅が広くてもよいが、隆起ストリップの高さに影響が出て、長いアームの剛性が減少するほど広くてはならない。
【0037】
長いアーム13の端部233は、窓ステー1が閉鎖する際に短いアーム12下部で摺動するように残りの長いアームから補正されていてもよい。補正高さは窓のサッシと窓枠との間の空洞の幅によって決定される。
【0038】
長いアームは平行なスリットストリップのコイルから形成される。形成された長いアームの幅は、リブ220、222が曲げられる角度によって決定される。
【0039】
支承板
図1から3cを参照すると、支承板24が示される。前述した通り、支承板24は枠板10と係合し、それによって、設置されると支承板は枠板と窓枠との間に配置される。支承板24は、枠板10の荷重を窓枠に移転してもよい。支承板はまた、少なくとも窓のサッシの荷重の一部を直接(つまり、枠板を通じずに)支えてもよい。これは特に、窓ステーが閉鎖位置まで動くときに窓ステーのアームが支承板にわたって直接摺動するときに起こる。
【0040】
支承板24はプラスチックなどの低費用素材からなっていてもよい。支承板の素材は、自己潤滑性であってもよい。支承板は美観のために磨かれてもよい。
【0041】
支承板24は枠板10を正しく配置するための手段を備える。この手段は、様々な形状を取ることができるが、
図1から3cに示す実施形態では、凹み25である。凹み25の深さは、枠板10の厚さと実質的に等しくてもよい。凹み25の形状は枠板10の形状と補完的であってもよく、それによって枠板10を凹み内に正確な様式で配置する。
【0042】
凹み25の床36と一体化してスタッド35が形成される。スタッド35は、枠板10の開口204と位置合わせされる。床36はまた、開口38、39を含んでいてもよい。開口38、39はそれぞれ、リベット14および17の突出部分と位置合わせされ、リベット14および17の突出部分を受容する。
【0043】
窓ステー1を様々な厚さの空洞に安価で適応できるようにするために、様々な厚さの支承板が提供されてもよい。さらに、支承板は枠板背後に支承板の伸長を含めることによって深さが異なっていてもよく、それによって、窓ステー1を様々な幅の空洞に安価で適応することができる。窓枠と相互作用可能な様々な追加の特徴もまた支承板に追加し、たとえば窓ステー1の位置下部で窓枠上のスロット内部にある下部伸長のための位置を支持してもよい。
【0044】
支承板24は、枠板の端部を越えて長手方向に延在する領域404を有していてもよい。これは
図5aで、一般に点線403で囲まれる領域として表示される。この領域は枠板と係合せず、下記で詳細に説明するが、強化挿入部が位置する領域に対応してもよい。
【0045】
支承板24の一端は、停止部を提供する増大した厚さ26の領域を備える。窓ステー1が閉鎖位置にあるとき、停止部に対して短いアーム12は(好ましくは折り線20による段差で)係合し、部分的に重なる。
【0046】
長いアーム13の下部への支持および短いアーム12の支持を提供するために、支承板は長いアーム13および短いアーム12下に、窓のサッシの閉鎖を妨げずにできるだけ大きい表面区域を持っていてもよい。窓のサッシが閉鎖する際に支承板24は窓のサッシと係合可能であり、それによって窓のサッシの重量を直接支え、窓ステー1が閉鎖すると窓のサッシを配置する。
【0047】
支承板24はこのように、枠板10を窓枠に設置時に正しく配置するために便利なだけではなく、窓ステー1の正確な操作と窓のサッシの配置に関係する別の有益な特徴も提供する。
【0048】
最下部の縁808によって、枠板10は、プラスチック支承板24のスロット901(別の変形では穴であってもよい)内に挿入することができる。
図5aは、一実施形態による、
図4aの枠板10を保持するように構成される支承板24の斜視図を示す。
図5bは、
図5aの支承板24の底部の斜視図を示す。支承板24の底部は強化板凹み402を含んでいてもよい。
【0049】
図6は、
図5bの支承板24内に配置される枠板10の断面図を示す。枠板10の外側の縁808は、支承板の隆線902下部の支承板のスロット901に入る。別の実施形態では、枠板は、支承板のスロットに入るのではなく、支承板の穴内に位置する。
【0050】
強化挿入部
ここで
図7aから7dを参照すると、支承板24は強化挿入部400を含んでいてもよい。
【0051】
支承板24は強化挿入部400を正しく配置するための手段を備える。この手段は、様々な形状を取ることができるが、
図7cに示す実施形態では、挿入部凹み402である。挿入部凹み402の深さは、強化挿入部400の厚さと等しくてもよい。挿入部凹み402の形状は強化挿入部400の形状と補完的であってもよく、それによって強化挿入部400を挿入部凹み402内に正確な様式で配置する。
【0052】
図7aから7dの強化挿入部は、支承板の表面とまだ係合していることが示されるが、一部の実施形態では、強化挿入部は支承板によって、部分的に、大部分は、または完全に囲まれてもよい。たとえば、強化挿入部は支承板内に一体化して形成されてもよい。
【0053】
強化挿入部400は支承板の素材よりも強度があり、および/または剛性がある素材からなる。たとえば、支承板24がプラスチックからなる実施形態では、強化挿入部400はアルミニウム、鋼鉄またはステンレス鋼の1つからなる。
【0054】
使用時には、強化挿入部400は支承板24にかかる荷重を窓ステー1のアームの少なくとも一部を通じて分散する。たとえば、強化挿入部400を用いないと、短いアームピボットによって枠板10にかかる荷重(たとえば、窓のサッシの荷重)は枠板10から支承板24に移転される。支承板24の剛性が低いため、荷重は大部分が枠板10から窓枠に移転される。これによって、窓枠が破損することもある。ただし、強化挿入部400を用いると、枠板10から支承板24にかかる荷重は分散され、窓枠にかかる点荷重は最小化される。
【0055】
強化挿入部400は、支承板24内の窓枠と少なくともアームの一部との間に配置されてもよい。たとえば、
図2bに示すように、強化挿入部400は、強化挿入部の一部(一般に矢印406で示す)が枠板(不図示)に接続される短いアーム12のピボットと、窓枠があるはずの場所(不図示)との間になるように、支承板24内に配置される。
【0056】
強化挿入部400は、枠板10と重なっていてもよい。このように、枠板にかかる荷重は強化挿入部400に(支承板24によって)移転される。このようにして、強化挿入部400および枠板は、最終的に窓枠にかかる窓のサッシからの荷重を分散するために協働する。
【0057】
強化挿入部400は、前述した領域404の少なくとも一部と係合するように配置されてもよい。この領域404は枠板を含まないため、この領域では強化挿入部が支承板24を強化するように作用する。効率を高めるために強化挿入部は枠板10と重なるように配置される。
【0058】
強化挿入部は、強化体を含んでいてもよい。強化体は強化挿入部の強度または剛性を改良してもよい。強化体は、実質的に枠板の長手方向軸と位置合わせされてもよい。たとえば、強化体は、強化挿入部に押圧される折り線によってリブから構成されてもよく、または追加の素材を強化挿入部に追加することによって形成されるリブから構成されてもよい。
【0059】
支持部材
図8aから8cを参照すると、支承板24は支持部材800を含んでいてもよい。
【0060】
図8aおよび8bに示すように、支持部材800は支承板24下部から延在する突起である。
図8cに示すように、支持部材800は、支承板24の長さに沿って提供されてもよい。支承板は窓枠内の通路に対応するように適切な大きさにされ、配置されてもよい(
図9cに関連して以下で詳細に説明する)。支持部材は支承板と一体化して形成されてもよい。したがって、支承板24がプラスチックからなる場合は、支持部材800もプラスチックからなる。支持部材が個別に形成される場合は、支持部材はアルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼またはプラスチックからなっていてもよく、支承板に(たとえば、適切なラグによって)取り付けられるように構成されてもよい。
【0061】
図8bに示すように、支持部材は凹み802を有していてもよい(
図8aから8cに示す実施形態では半円)。凹み802によって、流体が枠通路に沿って流れることを支持部材が妨害しないことが確保される。
【0062】
支持部材は特に、窓が部分的開放位置または完全開放位置にあるとき、支承板(および窓ステーの残り部分)の支持を補助する。支持部材は支承板の荷重を枠通路の底部に移転する(支承板は
図9aに関連して記載したように、さもなければ支持されないこともありえる)有利には、支持部材800は枠通路に対応するような寸法および配置をされているため、支持部材は窓ステーと窓枠との位置合わせを支援する。
【0063】
窓枠
図9aから9cは、
図3bの窓ステー1のB-Bの断面図を示し、それぞれ強化挿入部または支持部材を備えない場合、強化挿入部を備える場合、および支持部材を備える場合を示す。
図9aから9cは窓枠の一部の断面図を含み、例示窓枠の側面図を示す。窓枠は押し出しによって形成されてもよく、アルミニウム、uPVCまたは別の適切な素材からなっていてもよい。窓枠500は枠通路502を含む。枠通路502は、取り付け領域506(つまり、窓ステーがファスナで取り付けられる枠の一部)の正面フランジ504および後部フランジ505の間にある。枠通路502は排水のために設けられ、たとえばウィンドウオペレータなどの別の製品を取り付けられる凹みも設けられる。
【0064】
図9aを参照すると、窓ステー1は強化挿入部も支持部材も有さない。設置されるときは、窓ステーは取り付け領域506に適切なファスナ(不図示)によって取り付けられる。支承板24は枠板10と取り付け領域506との間にある。支承板はまた、正面フランジ504と係合し、それによって枠通路502に広がる。荷重が窓のサッシ(不図示)にかかると、荷重は短いアーム12にかけられる。これらの荷重は次に支承板に枠板10およびピボット14によって移転される。荷重が非常に大きい場合は、支承板24は曲がることもあり、または枠のフランジ504、505は曲がることもある。
【0065】
図9bを参照すると、窓ステー1は前述の強化挿入部400を有する。
図9bから分かるように、強化挿入部400は支承板24内に配置され、窓枠500と、短いアーム12の一部と、枠板10の一部との間に位置する。強化挿入部は枠通路502にわたって延在する。図示する実施形態では、強化挿入部は正面フランジ504と係合しない。荷重が窓のサッシ(不図示)にかかると、強化挿入部400は支承板に伝達される荷重を分散する(特に、枠板10およびピボット14における荷重)。したがって、窓ステーおよび窓枠が曲がる可能性は低くなる。強化挿入部が正面フランジ504と係合しないため、通路にわたる荷重は取り付け領域506に再配分され、正面フランジにかかる荷重は最小限となる。
【0066】
図9cを参照すると、窓ステー1は前述した支持部材800を有する。
図9cから分かるように、支持部材800は支承板と一体化して形成され、枠通路502の底部まで延在する。荷重が窓のサッシ(不図示)にかかると、支持部材は支承板24を枠通路502上部に支持する。したがって、窓ステーおよび窓枠が曲がる可能性は低くなる。
【0067】
本発明を実施形態の説明によって例示し、実施形態を詳細に説明してきたが、添付請求項の範囲をそのような詳細に制限またはいかなる意味においても制限することは本出願者の意図するところではない。追加の有利点および修正点は当業者には容易に理解されるであろう。このように、本発明はその広範な態様において、特定の詳細、代表的機器および方法、図示し記載した例示実施例に限定されない。したがって、出願者の全般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱せずに、そのような詳細から逸脱が行われることもある。
【符号の説明】
【0068】
1 :ステー
10 :枠板
11 :サッシ板
12 :短いアーム
13 :長いアーム
14 :リベット
15 :ピボット
16 :ピボット
17 :リベット
18 :開口
19 :開口
20 :折り線
21 :開口
22 :開口
23 :折り線
24 :支承板
25 :凹み
29a :中心部分
29b :隆起部分
29c :隆起部分
33 :突起
34 :凹み
35 :スタッド
36 :床
38 :開口
39 :開口
102 :D停止部
202 :強化体
204 :開口
210 :中心ストリップ
212 :通路
214 :端部
218 :隆起部分
218 :平坦部
220 :リブ
222 :リブ
224 :開口
226 :開口
230 :開口
233 :端部
234 :開口
236A :隆起部分
236a :平坦部
236b :平坦部
236b :隆起部分
300 :ワッシャ
400 :強化挿入部
402 :挿入部凹み
403 :点線
404 :領域
406 :矢印
500 :窓枠
502 :枠通路
504 :正面フランジ
505 :後部フランジ
506 :取り付け領域
700 :強化体
702 :長手方向軸
800 :支持部材
802 :傾斜部
806 :傾斜部
808 :縁
901 :スロット