(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 3/12 20060101AFI20231129BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F24C3/12 G
F24C3/12 E
A47J27/00 109L
(21)【出願番号】P 2019194572
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嵜山 美紀
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124194(JP,A)
【文献】特開平03-195516(JP,A)
【文献】国際公開第2015/056531(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0198883(US,A1)
【文献】特開平6-296552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 1/00-15/36
A47J 27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の作動圧力以下の圧力を内部で維持可能な圧力容器を加熱する加熱部と、
前記圧力容器の温度を検知する温度検知部と、
前記所定の作動圧力及び前記温度検知部での検知温度に基づいて、前記加熱部における加熱量及び加熱時間を制御する圧力調理モードを実行可能な制御部と、を備え、
前記制御部は、前記圧力調理モードにおいて、任意の前記圧力容器ごとに定まる前記所定の作動圧力に応じて、前記加熱時間を調節する
加熱調理器。
【請求項2】
記憶部を更に備え、
前記制御部は、更に作動温度記憶モードを実行可能であり、
前記制御部は、前記作動温度記憶モードにおいて、所定の条件を満たす前記圧力容器を前記加熱部により加熱させて、前記所定の作動圧力に到達した時の前記検知温度を作動温度として前記記憶部に記憶させる
請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記記憶部は、複数の前記作動温度を記憶可能である
請求項2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、圧力鍋(加圧調理容器)を加熱する加熱手段と、圧力鍋の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段によって検出される検出温度に基づいて、加熱手段を制御する制御手段と、を備えている。制御手段は、圧力鍋の所定の圧力状態における検出温度を、制御手段に設定温度として記憶させる記憶モードと、圧力鍋による加圧調理モードと、をそれぞれ実行可能である。
【0003】
圧力鍋は、圧力調整装置、安全弁等を備え、内部が密閉される圧力容器である。材料や水分を圧力鍋に入れ、圧力鍋を密閉して加熱すると、圧力鍋の中で蒸気が発生し、内圧が高くなって沸騰温度が高くなり、高温で短時間に調理することが出来る。圧力鍋の中の圧力は、圧力調整装置でバランスされる圧力である作動圧力に達するまで、蒸気加圧され、作動圧力に達すると、圧力調整装置により、蒸気を噴出して作動圧力を保つように設計されている。
【0004】
このような圧力鍋は、様々な製造メーカによって製造されており、製造メーカによって、更には同じ製造メーカであっても圧力鍋の種類によって、作動圧力は一般的に異なる。
【0005】
特許文献1に開示されている加熱調理器は、使用する圧力鍋の作動圧力の大小にかかわらず、加圧調理モードを安定して実行するべく、記憶モードを実行可能である。記憶モードでは、使用する圧力鍋の作動圧力に対応する沸騰温度を、圧力鍋の検出温度として検出し、その検出温度を、加圧調理モードにおける圧力鍋の温度制御の設定温度として予め記憶させる。
【0006】
制御手段は、加圧調理モードでは、記憶モードで予め記憶した設定温度に基づいて、加熱手段の加熱力を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されている加熱調理器は、加圧調理モードでは、設定温度に基づいて加熱手段の加熱力を制御するため、使用する圧力鍋の作動圧力を基準とする加圧調理が可能である。
【0009】
しかしながら、同じ加圧調理モードであっても、圧力鍋によって内部の温度及び圧力の条件は異なる。特に、圧力鍋の内部の圧力が圧力鍋によって異なることにより、圧力鍋の内部の食材に味の成分が浸透する速度が圧力鍋によって異なり、調理すべき時間も圧力鍋によって異なる。このため、加圧調理モードによる調理物の仕上がり具合が安定しにくかった。
【0010】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、圧力調理モードによる調理物の仕上がり具合が安定しやすい加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様に係る加熱調理器は、加熱部と、温度検知部と、制御部と、を備える。前記加熱部は、所定の作動圧力以下の圧力を内部で維持可能な圧力容器を加熱する。前記温度検知部は、前記圧力容器の温度を検知する。前記制御部は、前記所定の作動圧力及び前記温度検知部での検知温度に基づいて、前記加熱部における加熱量及び加熱時間を制御する圧力調理モードを実行可能である。前記制御部は、前記圧力調理モードにおいて、任意の前記圧力容器ごとに定まる前記所定の作動圧力に応じて、前記加熱時間を調節する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様に係る加熱調理器にあっては、圧力調理モードによる調理物の仕上がり具合が安定しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の加熱調理器における燃料ガスの供給系統を説明する図である。
【
図3】
図3は、同上の加熱調理器の制御系統を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、同上の加熱調理器の生姜煮モードにおける時間-検知温度の関係図である。
【
図5】
図5は、同上の加熱調理器のビーフシチューモードにおける時間-検知温度の関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る加熱調理器の第一実施形態について、
図1~
図5に基いて説明する。
図1に示すように、第一実施形態の加熱調理器1は、ケーシング10と、グリル装置11と、コンロバーナ121~123(
図2参照)を有する加熱部12と、加熱制御部30(
図3参照)と、天板13とを備えている。
【0015】
ケーシング10は、上方に開口した箱状に形成されている。ケーシング10の内部には、複数の加熱部12の下部が設置されている。天板13はケーシング10上に設置されている。天板13はケーシング10の上面を覆っている。複数の加熱部12の各々は、天板13を貫通して上方に突出している。第一実施形態では、加熱部12としてコンロバーナ121~123の計三個が設けられているが、コンロバーナの個数は限定されない。天板13の各加熱部12の周囲の部分には、鍋等の調理容器(圧力容器を含む)が載置される五徳120が配置されている。加熱部12は、五徳120に載置される調理容器を加熱する。
【0016】
加熱調理器1は、複数の加熱部12にそれぞれ対応する複数のコンロ用点消火操作部14を備えている。利用者は、コンロ用点消火操作部14を操作することで、対応する加熱部12の点火と消火の切換え及び火力の変更を行うことができる。
【0017】
グリル装置11は、加熱室110を有している。加熱室110は、前方に開口した箱状に形成されたグリル庫である。加熱室110は、ケーシング10と天板13とで囲まれた空間に配置されている。加熱空間には、肉又は魚等の調理対象物を加熱するグリルバーナ124(
図2参照)が配置される。
【0018】
図2に示すように、各コンロバーナ121~123及びグリルバーナ124に燃料ガスが供給される。さらに説明すると、元ガス供給路20が各ガス供給路221~224に分岐される。元ガス供給路20には元ガス電磁弁21が設けられ、各ガス供給路221~224には電磁弁からなる安全弁231~234がそれぞれ設けられ、その下流側にステッピングモータにより駆動される流量調節弁241~流量調節弁244がそれぞれ設けられる。このような弁を有するガス供給路221を介してコンロバーナ121に都市ガス等の燃料ガスが供給される。また、燃料ガスは、ガス供給路222を介してコンロバーナ122に、ガス供給路223を介してコンロバーナ123に、ガス供給路224を介してグリルバーナ124にそれぞれ供給される。
【0019】
また、ガス供給路224は、さらにガス供給路225とガス供給路226とに分岐しており、燃料ガスは、ガス供給路225を介してグリルバーナ124のうちの上バーナ125に、ガス供給路226を介してグリルバーナ124のうちの下バーナ126にそれぞれ供給される。また、ガス供給路225には電磁弁235が設けられている。
【0020】
制御部(加熱制御部30)は、元ガス電磁弁21を開き、対応するコンロバーナ121~123、グリルバーナ124のガス供給路221~224の安全弁231~234を開き、コンロバーナ121~123、グリルバーナ124に燃料ガスを流入させる。そして、対応するコンロバーナ121~123、グリルバーナ124の点火プラグ251~255でスパークさせて点火させる。コンロバーナ121~123、グリルバーナ124には、熱電対等からなる点火検知装置261~265が設けられている。点火検知装置261~265は、熱起電力を検知することによりコンロバーナ121~123、グリルバーナ124での点火(火炎)を検知するもので、点火を検知すると制御部は点火プラグ251~255でのスパークを停止する。
【0021】
また、コンロバーナ121~123、グリルバーナ124での燃焼中に点火検知装置261~265が点火(火炎)を検知しなくなると、制御部は元ガス電磁弁21及び安全弁231~234を閉じる。
【0022】
コンロバーナ121~123、グリルバーナ124には、図示しないが、都市ガス等の燃料ガスを供給するガス供給路を介してガスが供給される。ガス供給路には、安全弁、流量調節弁等が設けられる。コンロ用点消火操作部14を操作すると、対応する加熱部12,26のガス供給路の安全弁が開き、流量調節弁の開度が調節され、点火プラグによるスパークが行われる。
【0023】
ケーシング10の前面部のうち、左部の下部にグリル用操作部15が配置され、右部の下部にコンロ用操作部16が配置されている。グリル用操作部15及びコンロ用操作部16は、ケーシング10の前方に露出する使用位置と、
図1に示すケーシング10内に収納される収納位置との間で移動可能となるように設けられている。グリル用操作部15及びコンロ用操作部16の使用位置と収納位置との間の移動は、いわゆるカンガルーポケット機構により可能となっている。なお、カンガルーポケット機構は、従来公知の様々なものが適宜利用可能であって、詳細な説明は省略する。
【0024】
コンロバーナ121~123は、温度検知部17を有している。温度検知部17は、五徳120に載置された鍋等の調理容器の底部の温度を検知する。温度検知部17は、上端部に検出部を有している。検出部は、上下方向に移動可能である。検出部には、例えば、ばね等の付勢部材により、上方に向かう力が加えられている。五徳120に鍋等の調理容器が載置されたとき、検出部は、調理容器の底部の下面に接触する。これにより、調理容器の温度が、温度検知部17によって検出可能になる。
【0025】
グリルバーナ124は、温度検知部18を有している。温度検知部18は、加熱室110に配置された調理対象物受け(不図示)の底部の温度を検出する。温度検知部18は、上端部に検出部を有している。検出部は、上下方向に移動可能である。検出部には、例えば、ばね等の付勢部材により、上方に向かう力が加えられている。加熱室110に調理対象物受けが配置されたとき、検出部は、調理対象物受けの底部の下面に接触する。これにより、調理対象物受けの温度が、温度検知部18によって検出可能になる。
【0026】
グリル用操作部15は、操作パネル(不図示)を有している。操作パネルは、グリル用操作部15がケーシング10から前方に突出した位置に配置されたときにのみ露出して、操作可能になる。操作パネルは、複数の操作部を有しており、利用者が複数の操作部を操作して、グリル装置11における様々な調理モードの選択を行うことができる。
【0027】
グリル用操作部15の操作パネルは、調理メニューを選択するための第1操作部と、選択された調理メニューにおける火加減を選択するための第2操作部とを有している。すなわち、第一実施形態の調理モードは、複数の調理メニューの中から選択された調理メニューと、調理メニュー毎に選択された火加減とを組み合わせたモードである。
【0028】
コンロ用操作部16は、操作パネル(不図示)を有している。操作パネルは、グリル用操作部15の操作パネルと同様に、コンロ用操作部16がケーシング10から前方に突出した位置に配置されたときにのみ露出して、操作可能になる。操作パネルは、複数の操作部を有しており、利用者が複数の操作部を操作して、加熱部12における様々な調理モードの選択を行うことができる。
【0029】
コンロ用操作部16の操作パネルは、グリル用操作部15と同様に、調理メニューを選択するための第1操作部と、選択された調理メニューにおける火加減を選択するための第2操作部とを有している。
【0030】
利用者は、コンロ用操作部16を操作して、例えば「揚げもの」の調理モード、「湯わかし」の調理モード、「炊飯」の調理モード又は「圧力調理」の調理モード(圧力調理モードとする)を選択することができる。なお、調理モードは上記の調理モードに限定されない。
【0031】
加熱調理器1は、
図3に示す加熱制御部30を備えている。加熱制御部30は、例えば、マイクロコンピューターを有する。加熱制御部30には、グリル用操作部15、コンロ用点消火操作部14及びコンロ用操作部16が電気的に接続される。また、加熱制御部30には、加熱部12の機器が電気的に接続される。具体的には、コンロバーナ121~123、グリルバーナ124に燃料ガスを供給するガス供給路221~226に設けられる安全弁231~234、電磁弁235、流量調節弁241~244、点火プラグ251~255、点火検知装置261~265が加熱制御部30、温度検知部17に電気的に接続される。
【0032】
加熱調理器1は、更に、例えば不揮発性メモリ(例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory))からなる記憶部31を備えている。第一実施形態においては、加熱調理器1には、加熱制御部30としての機能、記憶部31としての機能を有する、制御基板等からなる制御部3が設けられている。なお、制御部3は、制御基板等からなるものでなくてもよく、制御部3は限定されない。また、記憶部31は、不揮発性メモリからなるものでなくてもよく、記憶部31は限定されない。制御部3(特に加熱制御部30)は、各種の調理モードを実行可能である。
【0033】
以下に、圧力調理モードについて説明する。まず、圧力容器について概略説明する。圧力容器は、所定の作動圧力以下の圧力を内部で維持可能とする容器で、第一実施形態ではいわゆる圧力鍋である。圧力容器は、容器本体及び蓋を備え、容器本体及び蓋により内部を密閉することができる。圧力容器に食材及び水分を入れ、圧力容器を密閉して加熱すると、圧力容器の中で蒸気が発生し、内圧が高くなって沸騰温度が高くなり、高温で短時間に調理することが出来る。圧力容器は、更に圧力調整装置を備えており、圧力容器の中の圧力が所定の作動圧力に達するまでは、蒸気が圧力容器より噴出しない。圧力容器の中の圧力が所定の作動圧力に達すると、圧力調整装置により、蒸気を噴出して作動圧力を保つように設計されている。作動圧力は、一般的には圧力容器ごとに異なる。すなわち、任意の圧力容器ごとに所定の作動圧力が定まる。
【0034】
圧力調理モードは、所定の作動圧力及び温度検知部17での検知温度に基づいて、加熱部12における加熱量及び加熱時間を制御するモードであり、制御部3により実行される。
【0035】
第一実施形態では、圧力調理モードとして、魚を煮る「煮魚」の調理モード(煮魚モードとする)及びビーフシチューを作る「ビーフシチュー」の調理モード(ビーフシチューとする)が実行可能である。まず、煮魚モードについて
図4に基づいて説明する。
【0036】
煮魚モードでは、作動圧力が100kPa(ゲージ圧)の圧力容器が用いられると想定して、基準となる制御プログラムが組まれている。第一実施形態では、煮魚モードのうち、更にさんまを生姜とともに煮る「さんまの生姜煮」の調理モード(生姜煮モードとする)が実行可能であり、生姜煮モードについて説明する。
【0037】
生姜煮モードでは、さんま、生姜をはじめ、水分、調味料等の必要な材料が圧力容器の内部に入れられて内部が密閉された状態から、開始される。材料が入れられた圧力容器は、調理が実行される加熱部12の五徳120に載置される。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、生姜煮モードを選択し、生姜煮モードを開始する。
【0038】
生姜煮モードの開始後、昇温時間41の6分が経過する時点まで、昇温制御を実行する。昇温制御では、制御部3は、昇温時間41の6分が経過する時点で温度検知部17での検知温度が122℃に達するように、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。作動圧力が100kPaの圧力容器を用いた生姜煮モードの時間-温度関係図は、
図4における実線で示す。
【0039】
ここで、122℃というのは、生姜煮モードにおいて、基準となる制御プログラムで想定されている圧力容器の内部の圧力が、この圧力容器の作動圧力である100kPaにまで上昇する時の検知温度(作動圧力到達温度とする)である。圧力容器にあっては、内部の温度と内部の圧力との間には所定の相関関係があるという前提のもと、調理モードの制御プログラムが組まれている。すなわち、加熱調理器1においては、圧力容器の内部の圧力は直接的には検知不能であるため、検知可能な温度検知部17での検知温度が用いられる。
【0040】
圧力容器の内部の温度と、温度検知部17で検知される調理容器の底部の温度(検知温度)とは、同一ではないが相関関係がある。このため、検知温度から、圧力容器の内部の温度が間接的に検知(推測)可能であるとともに、圧力容器の内部の温度から、圧力容器の内部の圧力が間接的に検知(推測)可能である。
【0041】
以上のことから、圧力容器の作動圧力が100kPaである場合、作動圧力到達温度は122℃であり、作動圧力と作動圧力到達温度との関係は、作動圧力が高い程、作動圧力到達温度が高い。作動圧力と作動圧力到達温度との関係は、圧力が高い程、沸点が高くなることによるものであり、圧力容器にかかわらず、同様の関係が成り立つ。このため、圧力容器の作動圧力が80kPaである場合、この圧力容器における作動圧力到達温度は117℃であり、圧力容器の作動圧力が115kPaである場合、この圧力容器における作動圧力到達温度は128℃である。
【0042】
上述したように、生姜煮モード(圧力調理モード)は、所定の作動圧力及び温度検知部17での検知温度に基づいて、加熱部12における加熱量及び加熱時間を制御するモードである。このため、制御部3は、生姜煮モードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力に関する情報を取得しておく必要がある。制御部3は、用いられる圧力容器の作動圧力に関するデータを、圧力調理モードの制御プログラムに予め組み込んでおいてもよいし、コンロ用操作部16から入力されるようにしてもよいし、コンロ用操作部16からの入力や、その他の手段(例えば第二実施形態における作動温度記憶モード)により記憶部31に記憶させるようにしてもよい。いずれにせよ、制御部3は、圧力調理モードの制御プログラムを実行するにあたり、圧力容器の作動圧力に関するデータを利用することができる。
【0043】
加熱調理器1においては、上述したように圧力容器の内部の圧力は検知不能であるため、圧力容器の作動圧力に関するデータは、圧力調理モードの制御プログラムでは検知可能な温度検知部17での検知温度に換算される。この換算には、上述した作動圧力と作動圧力到達温度との関係(作動圧力100kPaに対しては作動圧力到達温度122℃等)が用いられる。
【0044】
以上の点を踏まえ、生姜煮モードの開始後、昇温時間41の6分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間41の6分が経過する時点で検知温度が122℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が100kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では、作動圧力より換算されてなる作動圧力到達温度の122℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0045】
次に、制御部3は、生姜煮モード(昇温制御)を開始して昇温時間41の6分が経過し、検知温度が122℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の100kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0046】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間51の18分が経過する時点まで、検知温度が122℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0047】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間51の18分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間61の6分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0048】
作動圧力100kPaの圧力容器で生姜煮モードを実行する場合、昇温時間41の6分、定温時間51の18分及び降温時間61の6分の計30分で、調理が完了する。
【0049】
次に、作動圧力が115kPaの圧力容器で生姜煮モードを実行する場合について説明する。作動圧力が115kPaの圧力容器を用いた生姜煮モードの時間-温度関係図は、
図4における一点鎖線で示す。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、生姜煮モードを選択し、生姜煮モードを開始する。また、利用者がコンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、生姜煮モードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力が115kPaであるという情報を取得する。
【0050】
生姜煮モードの開始後、昇温時間42の4.5分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間42の4.5分が経過する時点で検知温度が128℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が115kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では作動圧力到達温度の128℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0051】
次に、制御部3は、生姜煮モード(昇温制御)を開始して昇温時間42の4.5分が経過し、検知温度が128℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の115kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0052】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間52の13.5分が経過する時点まで、検知温度が128℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0053】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間52の13.5分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間62の4.5分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0054】
作動圧力115kPaの圧力容器で生姜煮モードを実行する場合、昇温時間42の4.5分、定温時間52の13.5分及び降温時間62の4.5分の計22.5分で、調理が完了する。
【0055】
次に、作動圧力が80kPaの圧力容器で生姜煮モードを実行する場合について説明する。作動圧力が80kPaの圧力容器を用いた生姜煮モードの時間-温度関係図は、
図4における二点鎖線で示す。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、生姜煮モードを選択し、生姜煮モードを開始する。また、利用者は、コンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、生姜煮モードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力が80kPaであるという情報を取得する。
【0056】
生姜煮モードの開始後、昇温時間43の7.5分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間43の7.5分が経過する時点で検知温度が117℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が80kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では作動圧力到達温度の117℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0057】
次に、制御部3は、生姜煮モード(昇温制御)を開始して昇温時間43の7.5分が経過し、検知温度が117℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の80kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0058】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間53の22.5分が経過する時点まで、検知温度が117℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0059】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間53の22.5分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間63の7.5分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0060】
作動圧力80kPaの圧力容器で生姜煮モードを実行する場合、昇温時間43の7.5分、定温時間53の22.5分及び降温時間63の7.5分の計37.5分で、調理が完了する。
【0061】
制御部3は、生姜煮モード(圧力調理モード)において、圧力容器ごとに定まる所定の作動圧力に応じて、加熱時間を調節する。すなわち、昇温時間41~43は、作動圧力が100kPaの場合には6分、作動圧力が115kPaの場合には4.5分、作動圧力が80kPaの場合には7.5分としている。作動圧力が高い程、圧力容器の内部の食材に味の成分が浸透する速度が速いため、このような加熱時間の調節が行われる。定温時間51~53及び降温時間61~63も同様に、作動圧力に応じて加熱時間の調節が行われる。
【0062】
第一実施形態の生姜煮モードにあっては、昇温時間41~43、定温時間51~53、降温時間61~63及び合計の調理時間は、作動圧力が115kPaの場合には作動圧力が100kPaの場合の0.75倍、作動圧力が80kPaの場合には作動圧力が100kPaの場合の1.25倍となっている。このような加熱時間の調節により、圧力容器による食材への味の成分の浸透速度の違いによる、食材への味の成分の浸透度の違いが相殺されて、用いられる圧力容器の作動圧力にかかわらず、調理物の仕上がり具合が安定しやすくなる。
【0063】
次に、ビーフシチューモードについて
図5に基づいて説明する。まず、作動圧力が100kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合について説明する。作動圧力が100kPaの圧力容器を用いたビーフシチューモードの時間-温度関係図は、
図5における実線で示す。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、ビーフシチューモードを選択し、ビーフシチューモードを開始する。また、利用者は、コンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、ビーフシチューモードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力が100kPaであるという情報を取得する。
【0064】
ビーフシチューモードの開始後、昇温時間41の12分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間41の12分が経過する時点で検知温度が122℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が100kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では作動圧力到達温度の122℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0065】
次に、制御部3は、ビーフシチューモード(昇温制御)を開始して昇温時間41の12分が経過し、検知温度が122℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の100kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0066】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間51の16分が経過する時点まで、検知温度が122℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0067】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間51の16分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間61の12分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0068】
作動圧力100kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合、昇温時間41の12分、定温時間51の16分及び降温時間61の12分の計40分で、調理が完了する。
【0069】
次に、作動圧力が115kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合について説明する。作動圧力が115kPaの圧力容器を用いたビーフシチューモードの時間-温度関係図は、
図5における一点鎖線で示す。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、ビーフシチューモードを選択し、ビーフシチューモードを開始する。また、利用者は、コンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、ビーフシチューモードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力が115kPaであるという情報を取得する。
【0070】
ビーフシチューモードの開始後、昇温時間42の9分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間42の9分が経過する時点で検知温度が128℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が115kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では作動圧力到達温度の128℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0071】
次に、制御部3は、ビーフシチューモード(昇温制御)を開始して昇温時間42の9分が経過し、検知温度が128℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の115kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0072】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間52の12分が経過する時点まで、検知温度が128℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0073】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間52の12分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間62の9分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0074】
作動圧力115kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合、昇温時間42の9分、定温時間52の12分及び降温時間62の9分の計30分で、調理が完了する。
【0075】
次に、作動圧力が80kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合について説明する。作動圧力が80kPaの圧力容器を用いたビーフシチューモードの時間-温度関係図は、
図5における二点鎖線で示す。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、ビーフシチューモードを選択し、ビーフシチューモードを開始する。また、利用者は、コンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、ビーフシチューモードの開始に先立って、用いられる圧力容器の作動圧力が80kPaであるという情報を取得する。
【0076】
ビーフシチューモードの開始後、昇温時間43の15分が経過する時点まで昇温制御を実行し、昇温時間43の15分が経過する時点で検知温度が117℃にまで上昇するように、すなわち、作動圧力が80kPaに到達するように、作動圧力(制御プログラム上では作動圧力到達温度の117℃)及び検知温度に基づいて、コンロバーナ121~123の加熱量が制御される。
【0077】
次に、制御部3は、ビーフシチューモード(昇温制御)を開始して昇温時間43の15分が経過し、検知温度が117℃にまで上昇するとともに圧力容器の内部の圧力が作動圧力の80kPaに到達した後、定温制御を実行する。
【0078】
定温制御では、制御部3は、定温制御が開始した後、定温時間53の20分が経過する時点まで、検知温度が117℃を維持するように制御する。定温制御では、制御部3は、温度検知部17での検知温度に基づいてコンロバーナ121~123の加熱量を制御する。定温制御における加熱量は、昇温制御における加熱量よりも小さい。
【0079】
次に、制御部3は、定温制御を開始して定温時間53の20分が経過した後、降温制御を実行する。降温制御では、制御部3は、降温制御が開始した後、降温時間63の15分が経過する時点まで、コンロバーナ121~123による圧力容器の加熱を停止する。
【0080】
作動圧力80kPaの圧力容器でビーフシチューモードを実行する場合、昇温時間43の15分、定温時間53の20分及び降温時間63の15分の計50分で、調理が完了する。
【0081】
ビーフシチューモードにあっても、圧力容器による食材への味の成分の浸透速度の違いによる、食材への味の成分の浸透度の違いが相殺されて、用いられる圧力容器の作動圧力にかかわらず、調理物の仕上がり具合が安定しやすくなる。
【0082】
第一実施形態のビーフシチューモードにあっては、昇温時間41~43、定温時間51~53、降温時間61~63及び合計の調理時間は、作動圧力が115kPaの場合には作動圧力が100kPaの場合の0.75倍、作動圧力が80kPaの場合には作動圧力が100kPaの場合の1.25倍となっている。この倍率は、生姜煮モードにおける倍率と同じであるが、圧力調理モードにより異なってもよい。また、昇温時間41~43と定温時間51~53と降温時間61~63の比率も、圧力調理モードにより異なってもよい。
【0083】
次に、第二実施形態の加熱調理器1について説明する。なお、第二実施形態の加熱調理器1は、第一実施形態の加熱調理器1と大部分において同じであるため、第一実施形態と重複する説明については省略し、主に異なる部分について説明する。
【0084】
第一実施形態では、圧力調理モードの開始に先立って、利用者がコンロ用操作部16を操作することにより、制御部3は、用いられる圧力容器の作動圧力に関する情報を取得していた。これに対して、第二実施形態では、制御部3は、更に作動温度記憶モードを実行することにより、用いられる圧力容器の作動圧力に関する情報を取得する。
【0085】
作動温度記憶モードにおいて、制御部3は、所定の条件を満たす圧力容器を加熱部12により加熱させて、所定の作動圧力に到達した時の検知温度を作動温度として記憶部31に記憶させる。用いられる圧力容器の作動圧力に関する情報として、制御プログラム上では、作動圧力到達温度が用いられる点は、第二実施形態も第一実施形態と同じである。
【0086】
次に、作動温度記憶モードを実行する場合について説明する。利用者は、コンロ用操作部16を操作して、作動温度記憶モードを選択し、作動温度記憶モードを開始する。
【0087】
圧力容器には、所定量の水が内部に入れられて、内部が密閉される。内部に所定量の水が入れられることが、所定の条件である。なお、所定の条件としては、圧力容器の内部に所定量の水が入れられることに限定されない。
【0088】
次に、制御部3は、加熱部12(コンロバーナ121~123)により圧力容器を加熱して、検知温度を上昇させる。
【0089】
利用者は、圧力容器から蒸気を噴出したところで、圧力容器の内部の圧力が作動圧力に到達したと判断して、コンロ用点消火操作部14を操作して、加熱部12による圧力容器の加熱を停止する。
【0090】
制御部3は、加熱部12による圧力容器の加熱が停止した時点の検知温度を、作動圧力到達温度として記憶部31に記憶させる。なお、検知温度を作動圧力到達温度として記憶部31に記憶させるための操作は、加熱部12による圧力容器の加熱の停止のための操作でなくてもよく、コンロ用操作部16における専用の操作部であってもよい。また、作動温度記憶モードにおいて検知温度が平衡状態に達したと判定された時点の検知温度を作動圧力到達温度として記憶部31に記憶させてもよい。
【0091】
第二実施形態では、実際に作動圧力に達した時点の検知温度を作動圧力到達温度として記憶部31に記憶させるため、より現実に即した制御が可能である。
【0092】
また、記憶部31は、複数の作動温度を記憶可能であることが好ましい。これにより、複数の圧力容器の作動圧力について一旦記憶部31に記憶されると、圧力調理モードの度に作動温度記憶モードを実行する必要がない。
【0093】
以上、述べた第一実施形態、第二実施形態から明らかなように、第1の態様の加熱調理器1は、加熱部12と、温度検知部17と、制御部3と、を備える。加熱部12は、所定の作動圧力以下の圧力を内部で維持可能な圧力容器を加熱する。温度検知部17は、圧力容器の温度を検知する。制御部3は、所定の作動圧力及び温度検知部17での検知温度に基づいて、加熱部12における加熱量及び加熱時間を制御する圧力調理モードを実行可能である。制御部3は、圧力調理モードにおいて、任意の圧力容器ごとに定まる所定の作動圧力に応じて、加熱時間を調節する。
【0094】
第1の態様によれば、圧力調理モードにおける加熱時間の調節により、圧力容器による食材への味の成分の浸透度の違いが相殺されて、用いられる圧力容器の作動圧力にかかわらず、調理物の仕上がり具合が安定しやすくなる。
【0095】
第2の態様では、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、加熱調理器1は、記憶部31を更に備える。制御部3は、更に作動温度記憶モードを実行可能である。制御部3は、作動温度記憶モードにおいて、所定の条件を満たす圧力容器を加熱部12により加熱させて、所定の作動圧力に到達した時の検知温度を作動温度として記憶部31に記憶させる。
【0096】
第2の態様によれば、実際に作動圧力に達した時点の検知温度を記憶部31に記憶させて制御に用いるため、より現実に即した制御が可能である。
【0097】
第3の態様では、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、記憶部31は、複数の作動温度を記憶可能である。
【0098】
第3の態様によれば、複数の圧力容器の作動圧力について一旦記憶部31に記憶されると、圧力調理モードの度に作動温度記憶モードを実行する必要がない。
【符号の説明】
【0099】
1 加熱調理器
12 加熱部
17 温度検知部
3 制御部
31 記憶部