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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】時計用中留構造、時計用バンド及び時計
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/18 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
A44C5/18 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020020899
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021126165
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】502366745
【氏名又は名称】セイコーウオッチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】石田 正浩
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-327914(JP,A)
【文献】実開昭57-146520(JP,U)
【文献】特開2017-402(JP,A)
【文献】国際公開第2002/074124(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一バンドに設けられ、開閉動作する中留本体と、
前記中留本体を介して前記第一バンドの先端部に設けられ、前記第一バンドと第二バンドとを連結可能な係合部と
前記中留本体の解除を抑制するロックバーと、
を備え
前記ロックバーは、
前記中留本体及び前記係合部の軸部と同軸に設けられた回転軸と、
前記回転軸回りに回動する一対の側壁と、
一対の前記側壁を連結する上壁と、
前記側壁及び前記上壁に囲まれ、前記第二バンドが挿通される挿通口と、
を有し、
前記回転軸回りに回転することで、前記中留本体の解除を防止するロック状態と、前記中留本体を解除可能なアンロック状態と、の間を移動可能とされている時計用中留構造。
【請求項2】
前記中留本体は、前記開閉動作に伴い互いに離間及び近接する2個の前記軸部を有し、
前記ロックバーは、
前記2個の軸部のうち一方と同軸に設けられた前記回転軸と、
前記2個の軸部のうち他方に設けられたピンに係止する係止部と、
を有する請求項に記載の時計用中留構造。
【請求項3】
前記中留本体は、
前記第一バンドに連結される下板と、
前記第二バンドに連結され、前記下板に係止される上板と、
前記下板と前記上板との係止を解除する解除部と、
を有し、
前記ロックバーは、前記回転軸より前記解除部側に設けられた被係止部に係止される係止部を有し、
前記係止部が前記被係止部に係止された状態で、前記ロックバーは、前記解除部を覆う請求項に記載の時計用中留構造。
【請求項4】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の時計用中留構造と、
前記第一バンド及び前記第二バンドと、
を備える時計用バンド。
【請求項5】
請求項に記載の時計用バンドと、
ケース本体と、
前記ケース本体に収容されるムーブメントと、
を備える時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用中留構造、時計用バンド及び時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計用のバンド等に用いられる中留の構成が知られており、中留の係止を解除するための解除ボタン等を設けることにより、中留の開閉動作を容易に行うことができる中留の構成が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、第1のバンドの端部に取り付けられ、係止用突起が形成された下板と、バンドの幅方向の外側に向けて付勢される一対のプッシュボタンと、プッシュボタンの動作に応じて開閉する開閉部と、を有する中留の構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、プッシュボタンの操作によって、係止用突起を開閉部に係止させることができる。または、プッシュボタンの操作によって、開閉部に係止された係止用突起を解除することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、プッシュボタンが外側に突出しているので、例えば使用中にプッシュボタンに意図しない外力が作用した場合に、プッシュボタンが押され、中留の係止状態が解除されるおそれがあった。また、特にスポーツ時等、腕の動きが激しい場面で使用する場合に、衝撃等により中留の係止状態が解除されるおそれがあった。このように、特許文献1に記載の技術では、中留の誤動作が発生するおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、中留の誤動作の発生を抑制した時計用中留構造、この時計用中留構造を有する時計用バンド及び時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一つの形態の時計用中留構造は、第一バンドに設けられ、開閉動作する中留本体と、前記中留本体を介して前記第一バンドの先端部に設けられ、前記第一バンドと第二バンドとを連結可能な係合部と、前記中留本体の解除を抑制するロックバーと、を備え、前記ロックバーは、前記中留本体及び前記係合部の軸部と同軸に設けられた回転軸と、前記回転軸回りに回動する一対の側壁と、一対の前記側壁を連結する上壁と、前記側壁及び前記上壁に囲まれ、前記第二バンドが挿通される挿通口と、を有し、前記回転軸回りに回転することで、前記中留本体の解除を防止するロック状態と、前記中留本体を解除可能なアンロック状態と、の間を移動可能とされている
【0008】
この構成によれば、係合部及び中留本体により第一バンドと第二バンドとを連結する構造において、中留本体の解除を防止するロックバーを備えるので、使用者の意図に反して不意に中留本体の係止状態が解除されるのを抑制できる。これにより、使用時において、安定的に装着状態を維持できる。
したがって、中留の係止状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用中留構造を提供できる。
また、ロック状態においてロックバーにより中留本体の解除を効果的に防止するとともに、中留本体を解除したいときには容易にアンロック状態に切り換えることができる。よって、安全性及び使用者の利便性を向上できる。
ロックバーは、側壁及び上壁に囲まれる挿通口を有し、挿通口に第二バンドが挿通される。これにより、ロックバーを定革として利用できる。ロックバーを定革として利用した場合、第二バンドのバタつきを抑制できるとともに、別途に定革を設ける必要が無いので、部品点数を削減できる。また、ロックバーを定革として利用した場合、従来のように定革にバンドを通すのではなく、ロックバーを押さえつけることにより第二バンドを保持する。このため、従来の定革を用いる場合と比較して、定革に第二バンドの端部を挿入する際に、バンドの革材に皺が寄るのを抑制できる。
【0011】
また、前記時計用中留構造は、前記中留本体は、前記開閉動作に伴い互いに離間及び近接する2個の前記軸部を有し、前記ロックバーは、前記2個の軸部のうち一方と同軸に設けられた前記回転軸と、前記2個の軸部のうち他方に設けられたピンに係止する係止部と、を有する。
【0012】
この構成によれば、ロックバーは、回転軸と係止部とにより中留本体の2個の軸部を機械的に拘束するので、2個の軸部が離間するのを抑制できる。これにより、中留本体の解除を防止できる。よって、中留本体の解除を機械的に防止したロック機構とすることができる。
【0013】
また、前記時計用中留構造は、前記中留本体は、前記第一バンドに連結される下板と、前記第二バンドに連結され、前記下板に係止される上板と、前記下板と前記上板との係止を解除する解除部と、を有し、前記ロックバーは、前記回転軸より前記解除部側に設けられた被係止部に係止される係止部を有し、前記係止部が前記被係止部に係止された状態で、前記ロックバーは、前記解除部を覆う。
【0014】
この構成によれば、ロックバーは、中留本体の解除部を覆うので、解除部に外力が作用するのを抑制できる。これにより、使用中に解除部が操作不能となるので、解除部が誤操作されるのを抑制し、中留本体が不意に解除されるのを防止できる。よって、解除部の誤操作を防止することで中留本体の解除を防止したロック機構とすることができる。
【0015】
本発明の一つの形態の時計用バンドは、上述の時計用中留構造と、前記第一バンド及び前記第二バンドと、を備える。
【0016】
この構成によれば、第一バンド及び第二バンドは、上述の時計用中留構造を介して互いに連結される。このため、中留本体が不意に解除されるのを抑制することにより、第一バンドと第二バンドとの連結状態が不意に解除されるのを抑制できる。よって、第一バンドと第二バンドとの連結状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用バンドを提供できる。
【0017】
本発明の一つの形態の時計は、上述の時計用バンドと、ケース本体と、前記ケース本体に収容されるムーブメントと、を備える。
【0018】
この構成によれば、ケース本体にムーブメントが収容されることにより、腕時計として利用することができる。時計は、上述の時計用バンドを備えているので、中留本体が不意に解除されるのを抑制しつつ、係合部により長さ調節が可能な、使い勝手の良い時計とすることができる。特に、中留本体が不意に解除されて時計が腕から脱落するのを抑制できるので、例えばダイバーが使用する場合等、安全性が要求される場面において好適な時計とすることができる。
したがって、中留の係止状態が不意に解除されて第一バンドと第二バンドとの連結状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用バンドを備えた、高機能な時計を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中留の誤動作の発生を抑制した時計用中留構造、この時計用中留構造を有する時計用バンド及び時計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る時計の装着状態における側面図。
図2】第1実施形態に係る時計の正面図。
図3】第1実施形態に係る時計の半装着状態における側面図。
図4】第1実施形態に係る時計の中留解除状態における側面図。
図5】第1実施形態に係るロックバーの斜視図。
図6】中留解除状態におけるロックバー及び中留本体の側面図。
図7】第1実施形態に係るロックバーのアンロック状態を示す側面図。
図8】第1実施形態に係るロックバーのロック状態を示す側面図。
図9】第2実施形態に係るロックバーの斜視図。
図10】第2実施形態に係るロックバーの側面図。
図11】第2実施形態に係るロックバーを外側から見た背面図。
図12】第2実施形態の変形例に係る時計用中留構造の斜視図。
図13】他の実施形態に係る時計の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
(時計)
図1は、第1実施形態に係る時計1の装着状態における側面図である。図2は、第1実施形態に係る時計1の正面図である。図1では、時計1が使用者の腕に装着されているときの時計1の状態(装着状態)を表している。
図1に示すように、時計1は、腕(手首)に装着される腕時計である。時計1は、ケース本体4と、時計用バンド2と、ムーブメント3と、を備える。
【0023】
(ケース本体)
ケース本体4は、側面から見て、平板状に形成されている。図2に示すように、ケース本体4は、正面から見て、円形状に形成されている。ケース本体4の内部には、ムーブメント3が収容される空間が設けられている。平板状のケース本体4における一方の面は、例えばガラス等の透明な材料により形成され、内部の文字板(不図示)が視認可能な上面4aとなっている。平板状のケース本体4における他方の面は、時計1の装着時に使用者の腕側に位置する下面4b(図1参照)となっている。上面4aと下面4bとの間には、第一かん11及び第二かん12が設けられる胴部が配置されている。
【0024】
第一かん11は、正面から見て、ケース本体4における所定方向Dの一方の端部(一端部)4cに設けられている。第一かん11は、一対の第一かん足13と、第一ばね棒14(図1参照)と、を有する。
一対の第一かん足13は、正面から見て、ケース本体4の周方向に離間して設けられている(図2参照)。第一かん足13は、ケース本体4と一体形成されている。第一かん足13は、ケース本体4の一端部4cから、ケース本体4の径方向の外側に向かって延びている。図1に示すように、具体的に、第一かん足13は、ケース本体4の外周部から径方向に離間するにつれて、ケース本体4の厚み方向の中央部からケース本体4の下面4b側に傾斜している。
【0025】
第一ばね棒14は、第一かん足13の間に設けられている。第一ばね棒14の両端部は、第一かん足13の先端部に回転可能に取り付けられている。第一ばね棒14とケース本体4の一端部4cとの間は、第一通過口15となっている。第一通過口15には、後述のバンド本体5が挿通可能となっている。
【0026】
第二かん12は、ケース本体4の所定方向Dのうち、第一かん11と反対側に位置する他方の端部(他端部)4dに設けられている。第一かん11及び第二かん12は、所定方向Dにおけるケース本体4の中央部を通り、所定方向Dに直交する直線に対して、互いに対称形状に形成されている。すなわち、第二かん12は、一対の第二かん足16と、第二ばね棒17と、を有する。
図2に示すように、一対の第二かん足16は、正面から見て、ケース本体4の周方向に離間して設けられている。第二かん足16は、ケース本体4と一体形成されている。第二かん足16は、ケース本体4の外周部から径方向に離間するにつれて、ケース本体4の厚み方向の中央部からケース本体4の下面4b側に傾斜している。
【0027】
図1に示すように、第二ばね棒17は、第二かん足16の間に設けられている。第二ばね棒17の両端部は、第二かん足16の先端部に回転可能に取り付けられている。第二ばね棒17とケース本体4の他端部4dとの間は、第二通過口18となっている。第二通過口18には、後述のバンド本体5が挿通可能となっている。
【0028】
(時計用バンド)
時計用バンド2は、ケース本体4に連結されている。時計用バンド2は、ケース本体4を使用者の腕に装着するためのバンドである。時計用バンド2は、バンド本体5と、時計用中留構造9と、を備える。
【0029】
(バンド本体)
バンド本体5は、例えば、革、布、又は樹脂、等の材料により帯状に形成されている。バンド本体5は、厚さ方向に弾性的に曲げ変形が可能である。本実施形態において、バンド本体5は、材料の異なる2枚の部材により形成されている。具体的に、バンド本体5は、強度部材21と、意匠部材22と、を有する。強度部材21は、例えば強化ナイロン等の樹脂、又は合成繊維、等の材料により形成されている。意匠部材22は、例えば革、又は樹脂、等の材料により形成されている。強度部材21の引張強度は、意匠部材22の引張強度よりも高い。強度部材21及び意匠部材22は、それぞれ帯状に形成されるとともに、互いに厚さ方向に重ねられている。
【0030】
図3は、実施形態に係る時計1の半装着状態における側面図である。図1では装着状態の時計1を表しているのに対して、図3では、第二バンド32の先端部32aを遊革19から外したときの時計1の状態(半装着状態)を表している。
バンド本体5は、強度部材21及び意匠部材22が重ねられて一体とされた状態で、第一通過口15及び第二通過口18にそれぞれ挿通されている。具体的に、バンド本体5は、装着状態において強度部材21が内側(腕側)に位置し、かつ意匠部材22が外側(外部に露出する側)に位置している。第一通過口15及び第二通過口18にバンド本体5が挿通された状態において、バンド本体5は、第一バンド31と、第二バンド32と、接続部33と、を有する。
【0031】
第一バンド31は、ケース本体4の所定方向Dの一方に設けられている。換言すれば、バンド本体5のうち、第一通過口15に挿通されて所定方向Dの一方に向けて延びている部分が第一バンド31となっている。
第一バンド31において、強度部材21は、意匠部材22より長い。第一バンド31の先端部31aには、内側に位置する強度部材21が外側に向けて折り返されることにより、ループ状の保持部35が設けられている。折り返された強度部材21の端部は、内側の強度部材21と重なった状態で、内側の強度部材21と連結されている。また、折り返された強度部材21の端部は、意匠部材22の対応する端部に連結されている。よって、第一バンド31の先端部31aにおいて、強度部材21の一部及び強度部材21と意匠部材22との連結部34は、外側に位置している。
【0032】
第一バンド31には、遊革19が設けられている。遊革19は、環状に形成されている。本実施形態において、遊革19は、2個設けられている。図1に示すように、遊革19には、装着状態において第二バンド32が挿入されている。
なお、2個の遊革19のうち一方又は両方を、第一バンド31に固定された定革としてもよい。
【0033】
第二バンド32は、ケース本体4の他方に設けられている。換言すれば、バンド本体5のうち、第二通過口18に挿通されて所定方向Dの他方に向けて延びている部分が第二バンド32となっている。
第二バンド32は、キャップ36と、環状部37と、小穴38と、を有する。
キャップ36は、第二バンド32の先端部32aに設けられている。キャップ36は、第二バンド32の先端部32aにおいて、強度部材21及び意匠部材22をともに覆っている。キャップ36は、第二バンド32の先端部32aを閉じている。キャップ36は、第二バンド32から取り外し可能となっている。
【0034】
環状部37は、環状に形成されている。本実施形態では、第二通過口18より所定方向Dの他方に延びる第二バンド32のほぼ全体が環状部37となっている。環状部37は、第二バンド32において、強度部材21及び意匠部材22の端部同士を連結することにより形成されている。具体的に、環状部37は、強度部材21及び意匠部材22の先端部がキャップ36で閉じられ、強度部材21及び意匠部材22の基端部が第二かん12で閉じられることにより、強度部材21と意匠部材22との間に空間を形成可能な環状となっている。
【0035】
小穴38は、環状部37のうち、内側に位置する強度部材21に設けられている。小穴38は、強度部材21の厚み方向に沿って強度部材21を貫通している。小穴38は、強度部材21の長手方向に沿って等間隔に複数設けられている。
【0036】
接続部33は、第一かん11と第二かん12との間に設けられている。接続部33は、所定方向Dに沿って延びている。接続部33は、ケース本体4の下面4bに沿って設けられている。接続部33の延在方向における第一かん11側の端部には、第一バンド31の基端部31bが連結されている。接続部33の延在方向における第二かん12側の端部には、第二バンド32の基端部32bが連結されている。よって、バンド本体5は、第一バンド31の基端部31bと、第二バンド32の基端部32bとが、接続部33を介して互いに接続されることにより、一体的に設けられている。このように形成されたバンド本体5は、第一かん11及び第二かん12の間をスライドすることにより、第一バンド31及び第二バンド32の長さが変更可能となっている。
【0037】
(時計用中留構造)
時計用中留構造9は、第一バンド31と第二バンド32とを連結している。時計用中留構造9は、中留本体6(以下、単に中留6という場合がある。)と、係合部7と、ロックバー8と、を備える。
【0038】
(中留)
図4は、実施形態に係る時計1の中留解除状態における側面図である。図5は、第1実施形態に係るロックバー8の斜視図である。
図4に示すように、中留本体6は、第一バンド31の先端部31aに設けられている。中留本体6は、例えばアルミニウム合金、ステンレス鋼、等の金属材料で形成されている。中留本体6は、下板41と、下板41に対して回動可能に連結された上板42と、を有する、いわゆる三つ折れ方式の中留6である。中留本体6は、詳しくは後述する美錠50及びつく棒51と、第一バンド31と、の間に設けられ、開閉動作することにより時計1を使用者の腕から着脱可能にしている。
【0039】
下板41は、腕回りの湾曲に沿って外側に凸となるように湾曲した帯状に形成されている。下板41の一端部には、バンド固定軸43(請求項の他方の軸部)が設けられている。バンド固定軸43の両端部は、下板41の幅方向両側に設けられた一対の支持壁56(図5参照)に支持されている。バンド固定軸43は、第一バンド31の保持部35に挿通されている。これにより、下板41は、第一バンド31に対してバンド固定軸43回りに回動可能に連結されている。図5に示すように、バンド固定軸43の両端部には、ピン55が設けられている。ピン55は、バンド固定軸43と同軸上に配置されている。ピン55は、一対の支持壁56より幅方向の外側に突出している。
【0040】
図4に戻って、下板41の他端部には、回動軸44が設けられている。回動軸44の軸方向は、バンド固定軸43の軸方向とほぼ平行となっている。
下板41の長手方向において、バンド固定軸43と回動軸44との間には、係止用突起45が設けられている。係止用突起45は、外側に向かって突出している。係止用突起45は、下板41の長手方向の中央部よりバンド固定軸43側に配置されている。係止用突起45は、下板41の幅方向の中央部に配置されている。
【0041】
上板42は、下板41と同等の曲率で湾曲した帯状に形成されている。上板42の一端部は、下板41の回動軸44に回動可能に連結されている。上板42は、係止穴46と、固定軸47(請求項の一方の軸部)と、解除ボタン48(請求項の解除部)と、を有する。
係止穴46は、上板42の内側(腕側)を向く表面から上板42の厚み方向に凹んでいる。係止穴46は、上板42が下板41に対して回動して折りたたまれた状態(三つ折れ状態。図3参照)において、下板41の係止用突起45と対応する位置に形成されている。係止穴46には、係止用突起45が係止される。
【0042】
固定軸47は、上板42の他端部に設けられている。固定軸47の軸方向は、回動軸44の軸方向とほぼ平行となっている。固定軸47は、係止穴46と係止用突起45とが係止又は係止状態が解除されることによる中留本体6の開閉動作に伴って、下板41のバンド固定軸43に対して近接又は離間する。
解除ボタン48は、上板42の幅方向の両端部に設けられている。解除ボタン48は、幅方向の内側に向かって押圧されることにより、係止穴46と係止用突起45との係止状態を解除する。
【0043】
(係合部)
係合部7は、中留本体6を介して第一バンド31の先端部31aに設けられている。本実施形態において、係合部7は、例えば金属材料により形成された係合金具である。係合部7は、美錠50と、つく棒51と、を有する。
美錠50は、上板42の他端部に設けられた固定軸47に対して回動可能に連結されている。美錠50は、固定軸47の両端部に連結されるU字状の金属部材である。美錠50と固定軸47とで構成される環状の空間内には、第二バンド32の環状部37の一部が挿通されている。具体的に、美錠50と固定軸47とで構成される環状の空間内には、第二バンド32の環状部37のうち内側に位置する強度部材21が挿通されている。美錠50は、固定軸47に対して回動することにより、環状部37における強度部材21の長手方向に沿って移動可能となっている。
【0044】
つく棒51は、固定軸47に対して回動可能に連結されている。つく棒51は、美錠50における幅方向の中央部に設けられている。つく棒51は、第二バンド32の強度部材21に形成された複数の小穴38のいずれかに挿入される。このように、第二バンド32の環状部37が美錠50に挿入され、つく棒51が第二バンド32の小穴38に挿入され、この挿入されたつく棒51の先端部が美錠50に当接することにより、第一バンド31と第二バンド32とが連結されるように構成されている。これにより、美錠50及びつく棒51は、第二バンド32の長手方向に位置決めされている。さらに、美錠50及びつく棒51は、第二バンド32の環状部37を形成する強度部材21に取り付けられている。
【0045】
(ロックバー)
図6は、中留解除状態におけるロックバー8及び中留本体6の側面図である。図7は、第1実施形態に係るロックバー8のアンロック状態を示す側面図である。図8は、第1実施形態に係るロックバー8のロック状態を示す側面図である。
図5及び図6に示すように、ロックバー8は、中留本体6における上板42の他端部に設けられている。ロックバー8は、上板42に対して、固定軸47回りに回転可能に連結されている。ロックバー8は、中留本体6の解除を防止している。ロックバー8は、側壁61と、上壁62と、係止部63と、を有する。
【0046】
側壁61は、固定軸47の両側に一対設けられている。側壁61は、固定軸47回りに回転可能に連結されている。側壁61は、美錠50より幅方向の外側に位置している。図6に示すように、側壁61は、時計1の側方から見て、固定軸47に連結された基端部から先端部に向かうにつれて幅寸法が減少する先細り形状となっている。
図5に示すように、上壁62は、一対の側壁61間に設けられている。上壁62は、一対の側壁61の先端部同士を連結している。
固定軸47、一対の側壁61及び上壁62により囲まれた環状の空間は、挿通口64となっている。挿通口64には、第二バンド32が挿通される。
【0047】
係止部63は、側壁61に設けられている。係止部63は、側壁61を幅方向に貫通している。係止部63は、側壁61の長手方向におけるほぼ中央部に設けられている。係止部63は、下板41のピン55(請求項の被係止部)に係止する。係止部63と下板41のピン55とが係止されると、中留本体6におけるバンド固定軸43と固定軸47との離間動作が抑制される。これにより、中留本体6の解除が防止される。
【0048】
このように形成されたロックバー8は、固定軸47回りに回動することで、図7に示す中留本体6を解除可能なアンロック状態と、図8に示す中留本体6の解除を防止するロック状態と、の間を移動可能となっている。特に、図8に示すロック状態において、ロックバー8は、挿通口64に第二バンド32を通した状態で係止部63がピン55に係止されることにより、第二バンド32のバタつきを抑制する定革として機能する。
【0049】
(ムーブメント)
図2に示すように、ムーブメント3は、ケース本体4に収容されている。ムーブメント3は、例えば時刻等の情報を表示する文字板、秒針、分針、時針、これらを駆動する歯車、バネ、等(いずれも不図示)を含む、機械式時計用のムーブメント3である。なお、ムーブメント3は、例えば液晶パネルや駆動ユニット、バッテリ等を含む、電子時計用のムーブメント3であってもよい。
【0050】
(時計の装着工程)
次に、上述の時計1を腕に装着する装着工程について説明する。
装着工程の準備段階として、まず、図4に示すように、中留本体6の係止状態を解除して中留解除状態とするとともに、つく棒51を小穴38から抜去させておく。この状態で、使用者は、時計1の内側に腕を通す。腕を通したら、次に、図3に示すように、中留本体6の上板42と下板41とが近接するように互いに回動させて、上板42と下板41とを係止させることにより、半装着状態とする。半装着状態において、さらに、バンド本体5の長さが腕回りの太さと合うように、バンド本体5の長さを調節する。具体的には、つく棒51を所定の小穴38に挿入することにより、バンド本体5を腕にフィットさせる。
【0051】
バンド本体5の長さ調節が完了したら、次に、図8に示すように、ロックバー8を回動させ、ロックバー8の係止部63と下板41のピン55とを係止させる。このとき、ロックバー8の挿通口64に第二バンド32を通しておく。最後に、図1に示すように、美錠50より第二バンド32の先端部32a側に位置する第二バンド32の余剰部分を遊革19に通す。これにより、装着工程が完了する。装着工程が完了した状態において、第一バンド31の先端部31aにおける強度部材21が外側に露出した部分及び連結部34は、意匠部材22により隠されている。
時計1を腕から取り外す際は、上述の装着工程と逆の手順でバンド本体5を緩めることにより、時計1を腕から外す。よって、ここでは、時計1を腕から取り外す工程についての説明を省略する。
【0052】
(作用、効果)
次に、上述の時計用中留構造9、時計用バンド2及び時計1の作用、効果について説明する。
本実施形態の時計用中留構造9によれば、美錠50、つく棒51及び中留本体6を有する時計用中留構造9において、中留本体6の解除を防止するロックバー8を備えるので、使用者の意図に反して不意に中留本体6の係止状態が解除されることを抑制できる。これにより、使用時において、安定的に装着状態を維持できる。
したがって、中留6の係止状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用中留構造9を提供できる。
【0053】
ロックバー8は、固定軸47回りに回転することで、ロック状態とアンロック状態との間を移動可能となっている。これにより、ロック状態においてロックバー8により中留本体6の解除を効果的に防止するとともに、中留本体6を解除したいときには容易にアンロック状態に切り換えることができる。よって、安全性及び使用者の利便性を向上した時計用バンド2とすることができる。
ロックバー8は、側壁61及び上壁62に囲まれる挿通口64を有し、挿通口64に第二バンド32が挿通される。これにより、ロックバー8を定革として利用できる。ロックバー8を定革として利用した場合、第二バンド32のバタつきを抑制できるとともに、別途に定革を設ける必要が無いので、部品点数を削減できる。また、ロックバー8を定革として利用した場合、従来のように定革にバンドを通すのではなく、ロックバー8を押さえつけることにより第二バンド32を保持する。このため、従来の定革を用いる場合と比較して、定革に第二バンド32の端部を挿入する際に、バンドの革材に皺が寄るのを抑制できる。
【0054】
ロックバー8は、中留本体6の開閉動作に伴い互いに近接又は離間する2個の軸部のうち一方(固定軸47)に回転可能に連結され、係止部63は、2個の軸部のうち他方(バンド固定軸43)のピン55に係止される。このように、ロックバー8は、固定軸47と係止部63とにより中留本体6の2個の軸部43,47を機械的に拘束するので、2個の軸部43,47が離間するのを抑制できる。これにより、中留本体6の解除を防止できる。よって、中留本体6の解除を機械的に防止したロック機構とすることができる。
【0055】
本実施形態の時計用バンド2によれば、第一バンド31及び第二バンド32は、上述の時計用中留構造9を介して互いに連結される。このため、中留本体6が不意に解除されるのを抑制することにより、第一バンド31と第二バンド32との連結状態が不意に解除されるのを抑制できる。よって、第一バンド31と第二バンド32との連結状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用バンド2を提供できる。
【0056】
本実施形態の時計1によれば、ケース本体4にムーブメント3が収容されることにより、腕時計として利用することができる。時計1は、上述の時計用バンド2を備えているので、中留本体6が不意に解除されるのを抑制しつつ、係合部7(美錠50及びつく棒51)により長さ調節が可能な、使い勝手の良い時計1とすることができる。特に、中留本体6が不意に解除されて時計1が腕から脱落するのを抑制できるので、例えばダイバーが使用する場合等、安全性が要求される場面において好適な時計1とすることができる。
したがって、中留6の係止状態が不意に解除されて第一バンド31と第二バンド32との連結状態が不意に解除される誤動作の発生を抑制した時計用バンド2を備えた、高機能な時計1を提供できる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る時計用中留構造29は、第1実施形態に係る時計用中留構造9と比較して、ロックバーの構成が異なっている。以下、第2実施形態に係る時計用中留構造29のロックバー208について説明する。
図9は、第2実施形態に係るロックバー208の斜視図である。図10は、第2実施形態に係るロックバー208の側面図である。図11は、第2実施形態に係るロックバー208を外側(腕と反対側)から見た背面図である。本実施形態では、ロックバー208が解除ボタン48を操作不能とすることにより中留本体6の解除を防止することができる。
【0058】
図9に示すように、本実施形態のロックバー208は、上述の第1実施形態と同様、中留本体6の上板42の他端部に設けられ、固定軸47回りに回転可能に連結されている。本実施形態におけるロックバー208は、上述の第1実施形態におけるロックバー8と同様に、側壁261、上壁262、係止部263、及び挿通口264を備える。
本実施形態において、ロックバー208の係止部263は、側壁261の先端部に設けられている。このため、係止部263に係止されるピン255(請求項の被係止部)は、バンド固定軸43と同軸上(図3参照)ではなく、中留本体6の上板42に、上板42の幅方向の両側面から幅方向の外側に向かって突出するように設けられている。
【0059】
図10に示すように、側壁261の長手方向の中央部より先端部側には、凹部266が設けられている。凹部266は、側方から見て、内側(腕側)から外側に向かって凹んでいる。ロックバー208を固定軸47回りに回転させる際には、この凹部266に指を引き掛ける。これにより、ロックバー208を容易に回転させることができる。係止部263がピン255に係止された状態において、側壁261のうち、長手方向における凹部266と固定軸47との間に位置する部分は、中留本体6の解除ボタン48を幅方向の外側から覆っている。
図11に示すように、このように形成されたロックバー208は、挿通口264に第二バンド32を通した状態で係止部263がピン255に係止されることにより、第二バンド32のバタつきを抑制する定革として機能する。
【0060】
本実施形態によれば、ロックバー208は、中留本体6の解除ボタン48を幅方向の外側から覆うので、解除ボタン48に外力が作用するのを抑制できる。これにより、使用中に解除ボタン48が操作不能となるので、解除ボタン48が誤操作されるのを抑制し、中留本体6が不意に解除されるのを防止できる。よって、解除ボタン48の誤操作を防止することで中留本体6の解除を防止したロック機構とすることができる。
【0061】
(第2実施形態の変形例)
次に、本発明に係る第2実施形態の変形例について説明する。図12は、第2実施形態の変形例に係る時計用中留構造39の斜視図である。本変形例では、第2実施形態の美錠50が削除され、ロックバー208が美錠としての機能を兼ねている点で上述した第2実施形態と相違している。したがって、本変形例において、係合部307は、ロックバー208及びつく棒351によって構成される。
【0062】
上述したように、本変形例において、ロックバー208は美錠としての機能を兼ねる。したがって、ロックバー208の側壁261及び上壁262は、美錠と同様に機能する。そして、つく棒351は、ロックバー208の上壁262に当接する。なお、つく棒351は、上壁262のうち、外側表面262aに当接してもよい(図12)し、外側表面262aに対向する内側表面に当接してもよい。
【0063】
第2実施形態の変形例によれば、ロックバー208が美錠としての機能を備えるので、美錠は不要となり、部品点数を削減しつつ、上述の第2実施形態と同等の作用効果を奏することができる。すなわち、ロックバー208の係止部263と中留本体6のピン255とを係合させることにより、中留本体6の解除ボタン48が誤操作されるのを抑制し、中留本体6が不意に解除されるのを抑制できる。
【0064】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1実施形態において、固定軸47をロックバー8の回転軸として使用したが、バンド固定軸43をロックバー8の回転軸として使用してもよい。この場合、ロックバー8の係止部63は、固定軸47に係止されることが望ましい。
また、第2実施形態において、固定軸47をロックバー208の回転軸として使用したが、バンド固定軸43をロックバー208の回転軸として使用してもよい。この場合、ロックバー208の側壁61により解除ボタン48を覆うとともに、係止部63とピン255とが係止されることにより、下板41と上板42とが離間するのを抑制できる。よって、二重のロック機能を備えることができる。
【0065】
第2実施形態及び第2実施形態の変形例において、係止部263は、凹部266に対して固定軸47と反対側の端部に設けられる構成について説明したが、係止部の位置は上述の実施形態に限られない。係止部は、例えば凹部266よりも固定軸47側に設けられてもよい。
また、第2実施形態及び第2実施形態の変形例において、ロックバー208の係止部として凸部が設けられてもよい。この場合、中留本体6には、ピン255の代わりに、凸条の係止部が係合可能な凹部又は孔部が設けられる。
【0066】
本実施形態では、三つ折れ式の中留6に適用した例について説明したが、これに限られない。上述のロックバー8,208は、例えば観音開き式(両開き式)の中留に適用してもよい。
第一バンド31と、第二バンド32と、は別体で形成されてもよい。すなわち、第一バンド31の基端部31bは、第一かん11に取り付けられ、第二バンド32の基端部32bは、第二かん12に取り付けられてもよい。
ケースの形状は、正面から見て矩形状や楕円形状、多角形状等、円形状以外の形状に形成されてもよい。
強度部材21及び意匠部材22の材料は、上述した実施形態の材料に限定されない。
【0067】
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、バンド本体5が強度部材21と意匠部材22との二重構造とされた構成について説明したが、時計におけるバンド本体の構成はこれに限られない。図13は、他の実施形態に係る時計1の側面図である。例えば図13に示すように、バンド本体405は、先端部431aが時計用中留構造9に接続されるとともに、基端部431bがケース本体4に接続され、一枚のバンド部材により形成された第一バンド431、及び基端部432bがケース本体4に接続され、一枚のバンド部材により形成された第二バンド432、によって構成されてもよい。換言すれば、一重構造の時計用バンド402を有する時計401において、上述の時計用中留構造9を適用してもよい。なお、図示は省略するが、一重構造の時計用バンド402を有する時計において、上述の時計用中留構造29,39を適用してもよい。
【0068】
本実施形態において、係合部7,307は、金属材料により形成された係合金具である構成について説明したが、これに限らない。すなわち、係合部7,307は、金属材料以外の材料により形成された部材であってもよい。
【0069】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,401 時計
2,402 時計用バンド
3 ムーブメント
4 ケース本体
6 中留本体
7,307 係合部
8,208 ロックバー
9,29,39 時計用中留構造
31,431 第一バンド
31a 第一バンドの先端部(端部)
32,432 第二バンド
41 下板
42 上板
43 バンド固定軸(他方の軸部)
47 固定軸(一方の軸部)
48 解除ボタン(解除部)
50 美錠
51,351 つく棒
55,255 ピン(被係止部)
61,261 側壁
62,262 上壁
63,263 係止部
64,264 挿通口
D 所定方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13