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  • 特許-煙突内レンガ解体機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】煙突内レンガ解体機
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20231129BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20231129BHJP
   F23J 13/02 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
E04G23/02 Z
E04G23/08 B
F23J13/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020054823
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021155942
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古長 達廣
(72)【発明者】
【氏名】長尾 浩利
(72)【発明者】
【氏名】永森 淳史
(72)【発明者】
【氏名】力久 凌
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-265338(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108868194(CN,A)
【文献】特開2008-075295(JP,A)
【文献】特開2008-224063(JP,A)
【文献】米国特許第05386652(US,A)
【文献】登録実用新案第3000513(JP,U)
【文献】特開2004-176996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 23/02
E04G 23/08
F23J 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンガを積み重ねてなる内筒と、前記内筒との間に隙間を開けてコンクリートから形成された外筒からなる煙突の前記内筒を解体する解体機であって、
揚重機により前記煙突内に吊り下げられる本体と、
前記本体に上下方向に回動自在に設けられ、先端にツースを有する複数本のアーム体と、
前記本体の外側部と各前記アーム体との間にそれぞれ設けられ、各前記アーム体を前記本体に対して上下方向に回動させる複数の油圧シリンダと、
前記本体に設けられ、前記複数の油圧シリンダに油圧を供給する油圧供給手段と、
前記本体に設けられ、前記油圧供給手段によって供給される油を貯留する油貯留手段とを備えており、
各前記アーム体を前記本体に対して上下方向に回動させる前記複数の油圧シリンダは、各々、前記油圧供給手段を含む油圧ユニットにより独立して制御されて、前記複数本のアーム体における少なくとも1本のアーム体と他の1本のアーム体とを非同時に回動させることを特徴とする煙突内レンガ解体機。
【請求項2】
前記アーム体は、少なくも3本であり、平面視において前記本体の中心に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項3】
前記アーム体は、前記本体に上下方向に回転自在に設けられる基部と、前記ツースを先端に有するアーム本体部とが着脱自在に連結されて構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項4】
前記本体に設けられ、各前記油圧シリンダの外方をそれぞれ覆う複数の第1の保護カバーと、
前記アーム体に設けられ、各前記油圧シリンダの外方をそれぞれ覆う複数の第2の保護カバーとをさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項5】
各前記ツースは、前記アーム体の回動中心と当該ツースの基端部とを結ぶ線に対して、斜め上方外側に向かって先端が傾斜していることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項6】
各前記ツースは、前記アーム体の回動中心と当該ツースの基端部とを結ぶ線に対して、斜め上方外側に向かって30度から45度だけ先端の向かう方向が傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の煙突内レンガ解体機。
【請求項7】
前記本体に設けられ、前記煙突内を照明する照明手段と、
前記本体に設けられ、前記煙突内を撮像する撮像手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の煙突内レンガ解体機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙突内のレンガを解体する煙突内レンガ解体機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老朽化などのために、ごみ焼却場などの焼却施設を解体することが盛んに行われている。このような焼却施設には、コンクリート製の煙突が付設されているが、その内部は非常に高温になるので、耐火レンガからなる内筒とコンクリート製の外筒とに隙間を設けることにより空気層を形成して、断熱効果を得ている。
【0003】
このような煙突を解体する際には、解体後の資材を再利用するために耐火レンガとコンクリートとを分別する必要がある。作業者が煙突の狭い内部において内筒を構成する耐火レンガのみを解体することは困難であるので、煙突内に解体機を挿入して煙突外に位置する作業者が遠隔操作することによって解体を行うことが好ましい。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、伸縮棒状部材を伸張して楔部を耐火レンガの目地に食い込ませ、そのまま上方に引き上げて耐火レンガを階段状に解体する耐火レンガ解体方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、下部本体に備わる楔フレームをその先端の楔部分が内筒と外筒との隙間に挿入するように広げた状態で、同じく下部本体に備わるツースアームを開いて、その先端のツースを耐火レンガに当接させ、その衝撃で耐火レンガの目地を破断させる煙突解体機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-224063号公報
【文献】特開2005-265338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている耐火レンガ解体方法においては、伸縮棒状部材を伸張して楔部を耐火レンガの目地に食い込ませても、食い込みが十分ではなく、伸縮棒状部材を上方に引き上げても耐火レンガが解体されないことがあり、解体効率が劣るという問題があった。
【0008】
また、上記特許文献2に開示されている煙突解体機においては、先に楔フレームの先端の楔部分が内筒と外筒との隙間に挿入した状態で、ツースアームを開いてツースを目地に食い込ませることは困難である。そのため、解体効率が劣るという問題があった。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑み、解体効率の向上を図ることが可能な煙突内レンガ解体機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の煙突内レンガ解体機は、レンガを積み重ねてなる内筒と、前記内筒との間に隙間を開けてコンクリートから形成された外筒からなる煙突の前記内筒を解体する解体機であって、揚重機により前記煙突内に吊り下げられる本体と、前記本体に上下方向に回動自在に設けられ、先端にツースを有する複数本のアーム体と、前記本体の外側部と各前記アーム体との間にそれぞれ設けられ、各前記アーム体を前記本体に対して上下方向に回動させる複数の油圧シリンダと、前記本体に設けられ、前記複数の油圧シリンダに油圧を供給する油圧供給手段と、前記本体に設けられ、前記油圧供給手段によって供給される油を貯留する油貯留手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の煙突内レンガ解体機によれば、複数本のアーム体がそれぞれ油圧シリンダによって本体に対して独立して上下方向に回動させることが可能であるので、各アーム体の先端にそれぞれ設けられたツースをレンガの目地に食い込ませた状態でレンガを持ち上げることが可能となる。これにより、上記特許文献1,2に開示された技術と比較して内筒の解体効率の向上を図ることが可能となる。
【0012】
また、油圧供給手段及び油貯留手段が本体に設けられているので、油圧を地上などから油圧シリンダに供給する必要がないので、油圧ホースの短縮及び圧力損失の低減などを図ることが可能となる。
【0013】
本発明の煙突内レンガ解体機において、前記アーム体は、少なくも3本であり、平面視において前記本体の中心に対して対称に配置されていることが好ましい。
【0014】
この場合、各アーム体のツースを持ち上げてレンガを落下させる動作を均等に行うことが可能となる。さらに、アーム体が2本の場合と比較して、落下させるレンガの位置を変更するために行う、煙突内レンガ解体機を煙突内で回転させるなどの作業の削減を図ることが可能となる。
【0015】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記複数の油圧シリンダは、前記複数本のアーム体における少なくとも1本のアーム体と他の1本のアーム体とを非同時に回動させることが好ましい。
【0016】
この場合、アーム体の長さやツースの取り付け角度などが互いに相違する複数本のアーム体のうちの一方の群のアーム体のみを回動させることにより、当該群のアーム体によって好適にレンガを落下させることが内筒の部分を好適に解体することが可能となる。なお、全てのアーム体を同時に回動させてもよい。
【0017】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記アーム体は、前記本体に上下方向に回転自在に設けられる基部と、前記ツースを先端に有するアーム本体部とが着脱自在に連結されて構成されることが好ましい。
【0018】
この場合、アーム本体部の長さやツースの取り付け角度などが相違するアーム本体部を交換することによって、交換したアーム本体部によって好適にレンガを落下させることができ、解体効率のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0019】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記本体に設けられ、各前記油圧シリンダの外方をそれぞれ覆う複数の第1の保護カバーと、前記アーム体に設けられ、各前記油圧シリンダの外方をそれぞれ覆う複数の第2の保護カバーとをさらに備えることが好ましい。
【0020】
この場合、第1及び第2の保護カバーによって、落下するレンガや粉じんなどから油圧シリンダを保護することが可能となる。
【0021】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、各前記ツースは、前記アーム体の回動中心と当該ツースの基端部とを結ぶ線に対して、斜め上方外側に向かって先端が傾斜していることが好ましい。
【0022】
この場合、内筒の内径が変化してもツースがレンガの目地に食い込み、さらにレンガを持ち上げることが可能となる。具体的には、例えば、各前記ツースは、前記アーム体の回動中心と当該ツースの基端部とを結ぶ線に対して、斜め上方外側に向かって30度から45度だけ先端の向かう方向が傾斜していることが好ましい。
【0023】
また、本発明の煙突内レンガ解体機において、前記本体に設けられ、前記煙突内を照明する照明手段と、前記本体に設けられ、前記煙突内を撮像する撮像手段とをさらに備えることが好ましい。
【0024】
この場合、照明手段及び撮像手段を用いて、煙突内レンガ解体機から離れて位置する作業者が、煙突内における状態を認識した状態で煙突内レンガ解体機を操作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る煙突内レンガ解体機を煙突内に挿入した状態を示す模式断面図。
図2】煙突内レンガ解体機を示す模式側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る煙突内レンガ解体機100(以下、単に解体機100ともいう)について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1及び図2は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
【0027】
解体機100は、耐火レンガを積み重ねてなる内筒Aと、内筒Aとの間に隙間Bを開けてコンクリートからなる外筒Cとから構成された煙突Dを解体する際に使用される。解体機100は煙突D外の地上などに設置された揚重機Eにより吊り下げられ、煙突Dの内部に挿入された状態で内筒Aのみを解体する作業が、煙突Dの外に位置する作業者(不図示)が操作する操作装置Fによって遠隔操作されることによって行わられる。
【0028】
解体機100は、揚重機Eにより吊り下げられる本体10、本体10に上下方向回動自在に設けられた複数本のアーム体20、本体10と各アーム体20との間に設けられ、本体10に対して各アーム体20を上下に回動させる複数の油圧シリンダ30などを備えている。
【0029】
本体10は、金属製の構成材から形成されてなる筐体となっており、上部に揚重機Eにより吊り下げるための被吊り下げ部11が設けられている。そして、本体10の筐体の内部には、油圧シリンダ30を作動させるための油圧ユニット12が内蔵されている。
【0030】
油圧ユニット12は、例えば、油圧シリンダ30にオイル(油)を供給する油圧ポンプ41、油圧ポンプ41が供給するオイルを貯留するオイルタンク42、油圧ポンプ41から油圧シリンダ30に供給されるオイルが何れのポートに供給されるかを制御する方向制御弁43などを備えた周知の構成である。このように油圧ユニット12が本体10に内蔵されているため、油圧を地上から供給する必要がないので、油圧ホースの短縮及び圧力損失の低減などを図ることが可能となる。なお、油圧ポンプ41は本発明の油圧供給手段に相当し、オイルタンク42は本発明の油貯留手段に相当する。
【0031】
また、本体10には、レンガ解体箇所、すなわち本体10の下方や外方などを作業者が認識するために、ライトなどの照明手段13及びビデオカメラなどの撮像手段14が設けられている。
【0032】
さらに、図示しないが、本体10には、油圧ポンプ41、方向制御弁43、照明手段13及び撮像手段14などに外部電源からの電力を供給するための電力線やこれらを制御するための信号線なども内蔵されている。そして、図示しないが、外部電源が煙突D外の地上に設置されている場合、電力線は地上まで伸びている。また、信号線は操作装置Fまで延びている。
【0033】
アーム体20は、少なくも3本以上設けられ、平面視(上面視)において、本体10の中心に対して対称(均等)に配置されていることが好ましい。ここでは、アーム体20は、6本設けられ、本体10の下部にて同じ高さに同じ長さのものが設けられている。なお、図1及び図2においては、アーム体20は2本しか示されていない。
【0034】
各アーム体20は、その基部21の基端部が本体10の外側下部に回動自在に取り付けられている。そして、各アーム体20は、基部21の中間部の外側にて油圧シリンダ30のロッド31の先端部と回動自在に連結されている。各アーム体20は、さらに、基部21から下方に延びる本体部22を有している。このような構成により、アーム体20の可動範囲を広範囲とすることが可能となる。
【0035】
本体部22の先端には、ツース23が取り付けられている。ツース23は、先端が尖った楔状の金属製などの硬質部材であり、ここでは、本体部22の先端に溶接などによって固定されているが、本体部22と一体的に形成されたものであってもよい。
【0036】
ツース23は、アーム体20の回動中心Oと当該ツース23の基端部Mとを結ぶ線Lに対して、斜め上方外側に向かって先端が傾斜している。具体的には、線Lに対して斜め上方外側に向かって30度から45度だけ先端の向かう方向が傾斜していることが好ましい。
【0037】
なお、基部21に対して本体部22がボルトなどを用いて着脱自在に連結されている。そして、本体部22を交換することにより、内筒Aの内径、深さ、耐火レンガの形状や積み上げ状態などに応じて、アーム体20の長さや形状、ツース23の取り付け角度や長さなどを相違させることが可能となる。
【0038】
油圧シリンダ30は、本体10の外側上部とアーム体20の基部21の基端部の間に設けられ、本体10に対してアーム体20を上下方向に回動させるように構成されている。各油圧シリンダ30の上部は本体10の上部に回動自在に取り付けられている。各油圧シリンダ30は、油圧ユニット12により独立して制御することが可能となっている。
【0039】
油圧シリンダ30のロッド31を伸長させると、図2に実線で示すように、アーム体20が下方に向かって回動し、閉じた状態となる。一方、油圧シリンダ30のロッド31を縮小させると、図2に2点鎖線で示すように、アーム体20が上方に向かって回動し、本体10から外方に向かって広がった状態となる。このように、油圧シリンダ30のロッド31の伸縮によって、アーム体20は本体10の下方に向かう方向と本体10の水平方向外方に向かう方向との間を開閉するように動作する。
【0040】
各油圧シリンダ30は、その外方がそれぞれ、本体10の外側下部に下端部が取り付けられた第1の保護カバー32によって覆われているとともに、アーム体20の基部21のロッド31の先端部の取り付け部の付近に下端部が取り付けられた第2の保護カバー33によって覆われている。このような第1及び第2の保護カバー32,33によって、落下する耐火レンガや粉じんなどから油圧シリンダ30を保護することを図っている。
【0041】
以下、解体機100を用いて煙突Dの内筒Aを解体する方法について説明する。なお、この方法における各工程は、揚重機E及び操作装置Fを操作する作業者の操作によって行われる。
【0042】
まず、揚重機Eによって解体機100を吊り下げ、解体機100を煙突Dの内部に挿入する。このとき、全てのアーム体20は閉じた状態となっている。そして、揚重機Eによって解体機100を適宜な高さまで下降させて、平面視で解体機100の中心が煙突Dの中心に一致させる。ただし、中心を完全に一致させる必要はない。
【0043】
この状態で、全てのアーム体20を同時に広げて、各アーム体20の先端のツース23が耐火レンガの間の目地を食い込ませる。ただし、全てのツース23を目地に食い込ませる必要はない。そして、さらに、全てのアーム体20をさらに広げて、又は、解体機100を上昇させて、目地に食い込ませたツース23によって耐火レンガを上方に持ち上げる。これにより、持ち上げた耐火レンガ及びこれより上に積み上げられている耐火レンガが落下する。
【0044】
その後、全てのアーム体20を閉じ、さらに解体機100を下方に移動させる。そして、アーム体20を広げて耐火レンガを落下させる作業を繰り返す。
【0045】
なお、煙突Dの下方ほど、内筒Aの内径が大きいことが一般的であるので、ツース23が目地に食い込む際にアーム体20を広げる程度が大きくなる。そこで、解体機100においては、油圧シリンダ30のロッド31の伸縮可能な範囲が、内筒Aの内径の大小に関わらずツース23が目地に食い込み、さらに耐火レンガを持ち上げ可能となるように設定されている。
【0046】
また、ツース23は、その先端が前述した方向に向かって傾斜しているので、内筒Aの内径が変化してもツース23が目地に食い込み、さらに耐火レンガを持ち上げることが可能となっている。さらに、内筒Aの内径に応じて、アーム体20の基部21をアーム長さやツース23の先端の角度が相違するものなどに交換してもよい。
【0047】
また、解体機100において、6本のアーム体20は平面視において本体10の中心に対して対称に配置されているので、各アーム体20のツース23を持ち上げて耐火レンガを落下させる動作を均等に行うことができる。さらに、アーム体20が2本の場合、落下させることが可能な耐火レンガの位置が限定されるので、解体機100を煙突D内で回転させるなどの操作が必要となるが、解体機100の場合、このような操作を必要としない。
【0048】
なお、本発明は、上述した解体機100に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、解体機100においては、全てのアーム体20は、アーム長さが同じであり、同じ高さにて本体10に取り付けられており、さらに同時に開閉させているが、これに限定されない。
【0049】
例えば、アーム体20のアーム長さを長短2種類として、内筒Aの内径が小さい箇所ではアーム長さの短いアーム体20のみを開閉することによって解体作業を行い、内筒Aの内径が大きい箇所ではアーム長さの長いアーム体20のみを開閉することによって解体作業を行ってもよい。
【0050】
また、内筒Aの内径の高さによる変化に応じて、アーム長さの短いアーム体20がアーム長さの長いアーム体20よりも上方に位置するように設け、これらアーム体20を同時に開くことにより、上下位置の異なる位置でレンガの解体を行ってもよい。
【0051】
さらに、ツースが目地に食い込んだアーム体20を停止させた状態で、まだ内筒Aの内面にツースが当接していないアーム本体のみをさらに広げてもよい。この場合、解体機100が内筒Aの中心に位置しない場合であっても、解体作業を良好に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10…本体、 11…被吊り下げ部、 12…油圧ユニット、 13…照明手段、 14…撮像手段、 20…アーム体、 21…基部、 22…本体部、 23…ツース、 30…油圧シリンダ、 31…ロッド、 32…第1の保護カバー、 33…第2の保護カバー、 41…油圧ポンプ(油圧供給手段)、 42…オイルタンク(油貯留手段)、 43…方向制御弁、 100…煙突内レンガ解体機、 A…内筒、 B…隙間、 C…外筒、 D…煙突、 E…揚重機、 F…操作装置。
図1
図2