(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】ラインサーマルプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/36 20060101AFI20231129BHJP
B41J 2/505 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
B41J2/36 C
B41J2/505 101B
(21)【出願番号】P 2020056785
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 啓彬
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石戸谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】吉木 裕一
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-300742(JP,A)
【文献】特開平08-118703(JP,A)
【文献】米国特許第04262188(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/32 - 2/36
B41J 2/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷情報から、文字情報と非文字情報とを識別する識別部と、
印字データを記憶する
第1領域および第2領域を有する記憶部と、
前記識別部により識別された前記文字情報及び前記非文字情報に基づいた印字データを
前記第1領域に設定し、前記文字情報に基づいた印字データを
前記第2領域に設定する設定部と、
ラインサーマルヘッドによって1ラインの画像を印刷する際、印刷対象のラインについて前記第1領域に設定された印字データに基づいた第1通電パルスを設定し印刷部に出力させるとともに、
印刷対象のラインについて前記第2領域に記憶された印字データに基づいた第2通電パルスを設定し印刷部に出力させる印刷制御部と、を備え、
前記設定部は、前記識別部により識別された文字情報が予め定められた文字情報である場合は、前記第1領域に当該文字情報に基づいた印字データを設定するとともに、前記第2領域に当該文字情報に予め定められた補正用の印字データを設定することを特徴とするラインサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記設定部により前記印字データが前記第1領域と前記第2領域とに設定された後に当該印字データに基づいた前記第1通電パルスと前記第2通電パルスとを設定することを特徴とする請求項1に記載のラインサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記印刷制御部は、前記第1領域に設定された印字データに基づいた前記第1通電パルスを印刷部に出力後、第2領域に設定された印字データに基づいた前記第2通電パルスを印刷部に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載のラインサーマルプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインサーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーマルプリンタで印刷する際に、印字率の低い文字情報を印刷する際に合わせた高いエネルギー設定で印字率の高い画像情報を印刷すると、エネルギーが過剰となることに基づく白抜けが発生し、一方、印字率の高い画像情報を印刷する際に合わせた低いエネルギー設定で印字率の低い文字情報を印刷すると、エネルギーが足りず、文字がかすれてしまうという問題点があった。
【0003】
そこで、文書情報を印刷する際に、文字情報と画像情報とを判別し、文字情報を印刷する際の通電時間(加熱時間)と、画像情報を印刷する際の通電時間(加熱時間)とを変更して印刷するサーマルプリンタが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のサーマルプリンタは、シリアル型サーマルプリンタであり、サーマルヘッドを移動させながら、サーマルヘッドの1ドット毎の通電時間を変更しつつ印字することが可能であるが、ラインサーマルプリンタでは、文字情報と画像情報とが混在した複数ドットを同時に通電するため、文字情報を印刷するドットと、画像情報を印刷するドットとに通電時間を補正することが困難であった。
また、特許文献1のサーマルプリンタは、文字情報と画像情報との両方の通電時間を変更しているが、処理が複雑になり、又、これに伴い処理性能の高い高価なCPUが必要となるという問題点があった。
【0006】
そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、文字情報を印刷する際の通電時間と、画像情報を印刷する際の通電時間との差を補い、文字情報と画像情報との両方の印刷品質を向上させることが可能なラインサーマルプリンタを提供することを目的とする。
また、文字情報についてのみ通電時間の差を補うため、処理が簡単になり、又、処理性能の低い安価なCPUであっても処理することが可能なラインサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラインサーマルプリンタは、印刷情報から、文字情報と非文字情報とを識別する識別部と、前記識別部により識別された前記文字情報及び前記非文字情報に基づいた印字データを第1領域に設定し、前記文字情報に基づいた印字データを第2領域に設定する設定部と、前記第1領域に設定された印字データに基づいた第1通電パルスを設定し印刷部に出力させるとともに、第2領域に記憶された印字データに基づいた第2通電パルスを設定し印刷部に出力させる印刷制御部と、を備える。
【0008】
本発明によれば、文字情報を印刷する際の通電時間と、画像情報を印刷する際の通電時間との差を補い、文字情報と画像情報との両方の印刷品質を向上させることが可能なラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
また、文字情報についてのみ通電時間の差を補うため、処理が簡単になり、又、処理性能の低い安価なCPUであっても処理することが可能なラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【0009】
また、本発明のラインサーマルプリンタは、前記印刷制御部は、前記設定部により前記印字データが前記第1領域と前記第2領域とに設定された後に当該印字データに基づいた前記第1通電パルスと前記第2通電パルスとを設定することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1通電パルスの印字データを設定する領域(第1領域)と、第2通電パルスの印字データを設定する領域(第2領域)とを別に用意することで、第1通電パルスの印字データと第2通電パルスの印字データとを同時に設定することができ、同じ領域を使用する場合に比べ、処理を簡素化することができるとともに、印刷を早くすることができるラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【0011】
また、本発明のラインサーマルプリンタは、前記印刷制御部は、前記第1領域に設定された印字データに基づいた前記第1通電パルスを印刷部に出力後、第2領域に設定された印字データに基づいた前記第2通電パルスを印刷部に出力することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、第1領域に設定された印字データで用いた印刷部の余熱を第2領域に設定された印字データで用いる印刷部の加熱に使用することができ、発熱素子の通電時間を短くすることができ、省エネルギー化や印刷時間を早くすることが可能となり、又、外気温に左右され難くすることができるラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【0013】
また、本発明のラインサーマルプリンタは、前記設定部は、前記識別部により識別された文字情報が予め定められた文字情報である場合は、前記第1領域に当該文字情報に基づいた印字データを設定するとともに、前記第2領域に当該文字情報に予め定められた補正用の印字データを設定することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、予め定められた文字情報を印刷する際に、文字情報に基づいた印字データの第1通電パルスで印刷するとともに、補正用の印字データの第2通電パルスで印刷することで、文字の印刷品質を向上させることができるラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、文字情報を印刷する際の通電時間と、画像情報を印刷する際の通電時間との差を補い、文字情報と画像情報との両方の印刷品質を向上させることが可能なラインサーマルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係るラインサーマルプリンタの概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る印字ユニットの概略斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るラインサーマルプリンタの概略ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るラインサーマルプリンタの機能構成の例を示す概略ブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るラインサーマルプリンタを用いて印刷する場合のタイミングチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態でのラインサーマルプリンタの印刷処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態の変形例を説明するための説明図であり、(a)は第1通電パルスで印刷される文字パターンを示す図であり、(b)は(a)の発熱素子が通電ドットであるか、非通電ドットであるかを示す情報を示す図であり、(c)は第2通電パルスで印刷される文字パターンを示す図であり、(d)は、(c)の発熱素子42が通電ドットであるか、非通電ドットであるかを示す情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0018】
(ラインサーマルプリンタ)
図1は、ラインサーマルプリンタの斜視図である。
図1に示すように、ラインサーマルプリンタ1は、記録紙Pを印刷可能に構成されたものである。記録紙Pは、熱を加えると発色する感熱紙であり、各種ラベルやレシート、チケット等の印刷等に好適に使用される。記録紙Pは、中空孔を有するように巻回されたロール紙Rの状態でラインサーマルプリンタ1にセットされ、ロール紙Rから引き出された部分に対して印刷が行われる。
【0019】
ラインサーマルプリンタ1は、ケーシング3と、表示部4と、制御部5と、印字ユニット10と、を有する。
ケーシング3は、ABSやABSとポリカーボネートとの複合材等のプラスチックや金属材料により中空箱状に形成されている。ケーシング3は、直方体状の本体部6と、本体部6の長手方向の一端部において、本体部6の厚み方向の一方側に屈曲するロール紙収容部7と、を有する。本体部6の長手方向の一端部には、印字ユニット10が収容されている。本体部6の長手方向の一端面には、排出口3aが形成されている。排出口3aは、印字ユニット10を通って印刷された記録紙Pが排出される。本体部6の厚み方向の他方側に面する主面には、表示部4が配置されている。表示部4は、例えば液晶パネルであって、制御部5に接続されて各種の情報を表示する。ロール紙収容部7には、ロール紙Rが収容される。
【0020】
(印字ユニット)
図2は、印字ユニットの斜視図である。
図2に示すように、印字ユニット10は、プラテンローラ51とサーマルヘッド41との間を通った記録紙Pを矢印Aの指向する方向に向かって排出する。以下、主に印字ユニット10の説明では、矢印Aに沿う方向を上下方向L1と定義し、矢印Aが指向する方向を上方と定義する。また、プラテンローラ51の回転軸Oに沿う方向を軸方向L2と定義する。さらに、上下方向L1および軸方向L2に直交する方向を前後方向L3と定義し、前後方向L3においてサーマルヘッド41に対するプラテンローラ51側を前方と定義する。
【0021】
本体フレーム11は、例えばガラス繊維を含むポリカーボネート樹脂等の板材により形成されている。本体フレーム11は、上下方向L1から見て前方に向けて開放された略U字状に形成されている。具体的に、本体フレーム11は、軸方向L2に延在する背板部12と、背板部12の軸方向L2における一方側の端部から前方に向けて立設された第1側壁部13と、背板部12の軸方向L2における他方側の端部から前方および下方に向けて立設された第2側壁部14と、第1側壁部13と第2側壁部14との間に設けられた支持部15と、を有する。
【0022】
背板部12は、前後方向L3に厚みを有する板状に形成されている。
第1側壁部13は、軸方向L2に厚みを有する板状に形成されている。第1側壁部13は、背板部12の軸方向L2における一方側の端部から前方に向かって延び、さらに下方に向かって延びている。第1側壁部13の上端縁には、下方に向けて切り込まれた第1ローラ挿入溝16Aが形成されている。
【0023】
第2側壁部14は、軸方向L2に厚みを有する板状に形成されている。第2側壁部14は、背板部12の軸方向L2における他方側の端部から前方に向かって延び、さらに下方に向かって延びている。第2側壁部14の上端縁には、下方に向けて切り込まれた第2ローラ挿入溝16Bが形成されている。第2ローラ挿入溝16Bは、軸方向L2から見た形状および形成位置が第1ローラ挿入溝16Aと一致するように形成されている。第1ローラ挿入溝16Aおよび第2ローラ挿入溝16B(以下、「各ローラ挿入溝16A,16B」という。)には、プラテンローラ51が着脱可能に挿入される。
【0024】
第2側壁部14のうち、第2側壁部14と背板部12との接続部よりも下側には、モータ61が取り付けられている。モータ61は、第2側壁部14に対して内側から取り付けられるとともに、モータ61の出力軸が第2側壁部14を貫通して第2側壁部14の外側に突出している。モータ61は、図示しない配線パターンがプリント配線されたフレキシブル基板71を介して、制御部5に接続されている。モータ61は、制御部5からの信号に基づいて駆動する。
【0025】
第2側壁部14の外側には、ギヤボックス部17が形成されている。ギヤボックス部17は、第2側壁部14の周縁から外側に向かって立設された周壁部18を有する。周壁部18は、軸方向L2から見て上方に向けて開放された略U字状に形成されている。ギヤボックス部17は、外側に向かって開口している。
【0026】
周壁部18の前側の上端縁、および後側の上端縁には、下方に向かって凹む凹部19がそれぞれ形成されている。一対の凹部19は、前後方向L3から見て互いに形状および位置が一致するように形成されている。各凹部19は、前後方向L3から見て、上方に向かって開口が広がるように形成されている。
【0027】
ギヤボックス部17には、減速ギヤ(図示せず)が組み付けられている。
【0028】
支持部15は、軸方向L2に沿って延びる柱状に形成されている。支持部15は、軸方向L2の一方側の端部が第1側壁部13の内側面に接続するとともに、軸方向L2の他方側の端部が第2側壁部14の内側面に接続している。支持部15には、前後方向L3から見て下方に向かって凹む一対の取付部15aが形成されている。一対の取付部15aは、軸方向L2に間隔をあけて形成されている。各取付部15aの底部には、取付部15aの底部を上下方向に貫通する貫通孔15bが設けられている。本体フレーム11は、支持部15の貫通孔15bにボルト等の締結部材を挿通させて、ケーシング3に対して取り付けられる。
【0029】
サーマルヘッド41は、記録紙Pに対して印刷を行うものである。サーマルヘッド41は、前後方向L3から見て軸方向L2を長手方向とした矩形状に形成されている。サーマルヘッド41は、その長手方向と記録紙Pの幅方向とが一致した状態で配置されている。サーマルヘッド41のヘッド面には、軸方向L2に沿って多数、例えば384個の発熱素子42が配列されている。ヘッド面は、記録紙Pの印字面と対向しており、プラテンローラ51の外周面との間で記録紙Pを挟持し得るようになっている。サーマルヘッド41は、フレキシブル基板71を介して、制御部5に接続され、サーマルヘッド41上に搭載されたドライバーIC(図示せず)が、制御部5からの信号に基づいて、発熱素子42の発熱を制御している。サーマルヘッド41は、発熱素子42の発熱が制御されて、各種の文字や図形等を記録紙Pの印字面へ印刷する。
【0030】
サーマルヘッド41は、本体フレーム11に支持されたヘッド支持体45に貼り付け固定されている。ヘッド支持体45は、軸方向L2を長手方向とした板状の部材であり、前面にサーマルヘッド41が貼り付け固定されている。ヘッド支持体45は、第1側壁部13と第2側壁部14との間に配置されているとともに、背板部12と支持部15との間に配置されている。
【0031】
ヘッド支持体45と背板部12との間には、ヘッド支持体45と背板部12とを互いに離間させる方向に向けて付勢する弾性部材が介装されている。すわなち、弾性部材は、ヘッド支持体45を前方に向けて常に押圧するように構成されている。弾性部材は、軸方向L2に間隔をあけて複数配列されている。
【0032】
ヘッド支持体45の上端部には、ヘッド支持体45の前後方向への移動範囲を規制するための一対のストッパ45aが形成されている。ストッパ45aは、ヘッド支持体45における軸方向L2の外側に向けて延出するものであり、本体フレーム11の第1側壁部13の上部に形成された孔部13a、および第2側壁部14の上部に形成された孔部(図示せず)内を臨んでいる。ストッパ45aは、ヘッド支持体45の回動に伴って第1側壁部13の上部に形成された孔部13a,第2側壁部14の上部に形成された孔部内を移動し、第1側壁部13の上部に形成された孔部13aと第2側壁部14の上部に形成された孔部の端面に接触可能に構成されている。ストッパ45aは、第1側壁部13の上部に形成された孔部13aと第2側壁部14の上部に形成された孔部の端面に接触することにより、ヘッド支持体45の回動量を規制している。
【0033】
プラテンローラ51は、サーマルヘッド41に対向配置され、サーマルヘッド41との間に記録紙Pを挟んだ状態で回転軸O周りに回転することで、記録紙Pを矢印Aの指向する方向に送り出す。プラテンローラ51は、ローラシャフト52と、ローラシャフト52に外装されたローラ本体53と、ローラシャフト52の両端に装着された一対の軸受54と、を有する。ローラシャフト52は、本体フレーム11の第1側壁部13と第2側壁部14との離間距離よりやや長く形成されている。ローラ本体53は、例えばゴム等により形成され、軸方向L2に沿って、ローラシャフト52の両端を除く全体に亘って一様に配置されている。
【0034】
プラテンローラ51は、両端に装着された一対の軸受54が本体フレーム11の各ローラ挿入溝16A,16Bに挿入される。これによりプラテンローラ51は、本体フレーム11に対して回転軸O周りに回転可能に、かつ着脱可能に保持される。プラテンローラ51は、各ローラ挿入溝16A,16Bに挿入された状態において、ロール紙R(
図1参照)から引き出された記録紙Pを間に挟んだ状態で、ローラ本体53がサーマルヘッド41に対して接触するように設けられている。
【0035】
プラテンローラ51の軸方向L2における他方側の端部には、従動ギヤ56が固定されている。従動ギヤ56は、プラテンローラ51が第1側壁部13および第2側壁部14に保持されたときに、ギヤボックス部17の上部に組み付けられる。プラテンローラ51は、第1側壁部13および第2側壁部14に保持された状態で回転し、記録紙Pを送り出すことができる。
【0036】
ギヤボックス部17の開口には、軸方向L2から見てギヤボックス部17の開口全体を閉塞するギヤカバー20が取り付けられる。ギヤカバー20は、本体フレーム11よりも靱性の高い材料により形成されることが好ましく、例えばABS樹脂等により形成されている。
【0037】
図3は、本実施の形態に係るラインサーマルプリンタ1のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
ここで、ホスト端末2は、パソコン、タブレット端末、スマートフォン、その他の携帯端末などの電子機器である。そして、後述するように、ラインサーマルプリンタ1の制御部5へ印刷情報を送信するデータ送信部21を備える。
【0038】
また、ラインサーマルプリンタ1の制御部5には、CPU510、記憶部511、通信部512、ヘッド出力部514、モータ出力部515とを備え、各部は、バス520を介して接続されている。また、制御部5は、ヘッド出力部514を介してサーマルヘッド41に接続され、モータ出力部515を介してモータ61に接続されている。
【0039】
CPU510は、中央処理演算装置(Central Processing Unit)を備え、各種プログラムを実行したり、ラインサーマルプリンタ1の各部を制御したりする。すなわち、CPU510は、記憶部511に記録されているプログラムに基づいて、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。例えば、CPU510は、ヘッド出力部514を介して接続され、記録紙Pに印刷を行うサーマルヘッド41の駆動を制御したり、モータ出力部515を介して接続されているモータ61を駆動してプラテンローラ51を回転させ、記録紙Pを所定ピッチ(具体的には、1ドットライン毎)で搬送させたりする。
【0040】
記憶部511は、記録媒体として、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成される。なお、記憶部511は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等を含んで構成されても良い。記憶部511は、CPU510が実行するオペレーティングシステムを含む各種プログラム、CPU510が当該プログラムを実行する際に必要となる各種のデータ・情報を記憶する。また、記憶部511は、ラインサーマルプリンタ1が備える各種のセンサ(図示せず)の検出結果等を記憶する。
【0041】
通信部512は、ホスト端末2と通信接続されるものであり、無線LANなどを介してホスト端末2からの入力データを受信し、入力データに含まれる制御命令や各種データをCPU510に出力する。
【0042】
その他、図示しないが、ラインサーマルプリンタ1の設定を変更するデータ等の各種の入力を行うキーボードやテンキー等の入力部を備えても良い。
【0043】
上記のプログラムを実行する際に、ラインサーマルプリンタ1は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
ラインサーマルプリンタ1が実現する機能構成について説明する。
図4は、ラインサーマルプリンタ1の制御部5の機能構成の例を示すブロック図である。
【0044】
図4に示すように、制御部5は、機能構成として、データ受信部110と、識別部120と、保存部130(記憶部511)と、設定部140と、転送データ保存部150(記憶部511)と、印刷制御部160とを備える。各機能構成は、制御部5が記憶部511に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0045】
(データ受信部110)
データ受信部110は、ホスト端末2のデータ送信部21から送信される入力データを受信する。データ受信部110は、受信した入力データを識別部120に提供する。データ受信部110が受信する入力データとは、サーマルヘッド41が印刷する印字データや、ラインサーマルプリンタ1の設定を変更する設定変更コマンド等である。
【0046】
(識別部120)
識別部120は、データ受信部110から入力データを取得する。識別部120は、取得した入力データのコマンド解析をする。そして、識別部120は、取得した情報が印刷情報であった場合、取得した印刷情報から文字情報と非文字情報とを識別する。かかる識別は、印刷情報に文字コードが含まれているか否かで行われる。
【0047】
識別の結果、文字情報であると判定されたデータは、記憶部511の保存部130の文字格納部131に保存され、文字コードが含まれていないため非文字情報であると判定されたデータは、保存部130の非文字格納部132に保存される。
【0048】
(設定部140)
設定部140は、識別部120により識別された文字情報と非文字情報とに基づいた印字データを転送データ保存部150(記憶部511)の第1領域151に設定し、文字情報に基づいた印字データを転送データ保存部150(記憶部511)の第2領域152に設定する。
すなわち、設定部140は、文字格納部131に保存された印字データを展開して第1領域151と第2領域152に展開し、非文字格納部132に保存された印字データを展開して第1領域151のみに展開する。
【0049】
また、かかる印字データには、サーマルヘッド41が備えるそれぞれの発熱素子42が通電ドットであるか、非通電ドットであるかを示す情報が含まれる。すなわち、発熱素子42が通電ドットである場合は「1」、非通電ドットである場合は「0」を、発熱素子42の順番に、例えば、「00001110011100・・・」等という情報にしてサーマルヘッド41に出力される。
【0050】
(印刷制御部160)
印刷制御部160は、第1領域151に設定された印字データに基づいた第1通電パルスを設定し印刷部(サーマルヘッド41)に出力させるとともに、第2領域152に記憶された印字データに基づいた第2通電パルスを設定し印刷部の一例であるサーマルヘッド41に出力させる。
【0051】
ここで、第1通電パルスと第2通電パルスとは、予め定められた通電時間、第1通電パルスはT時間、第2通電パルスはt時間(
図5参照)となるように設定されている。そして、第2通電パルスの通電時間(t)は、第1通電パルスの通電時間(T)よりも短く、例えば50%~80%、となるように設定されている。
【0052】
また、印刷制御部160は、設定部140により印字データが第1領域151と第2領域152とに設定された後に当該印字データに基づいた第1通電パルスと第2通電パルスとを出力するようにすることが好適である。
すなわち、第1通電パルスの印字データを設定する領域(第1領域151)と、第2通電パルスの印字データを設定する領域(第2領域152)とを別に用意することで、第1通電パルスの印字データと第2通電パルスの印字データとを同時に設定することができ、第1通電パルスの印字データを設定後消去して同じ領域に第2通電パルスの印字データを設定する場合に比べ、処理を簡素化することができるとともに、印刷を早くすることが可能となる。
【0053】
また、印刷制御部160は、第1領域151に設定された印字データと第2領域152に設定された印字データとの印刷部(サーマルヘッド41)への出力は、第1領域151に設定された印字データに基づいた出力後、第2領域152に設定された印字データに基づいた印刷を行うように出力することが好適である。
このように構成することで、第1領域151に設定された印字データで用いたサーマルヘッド41の余熱を第2領域152に設定された印字データで用いるサーマルヘッド41の加熱に使用することができ、発熱素子42の通電時間を短くすることができ、省エネルギー化や印刷時間を早くすることが可能となり、又、外気温に左右され難くすることが可能となる。
【0054】
また、印刷制御部160は、印刷部(サーマルヘッド41)による印刷とともに、モータ61の駆動を制御して、1ドットライン毎に記録紙Pを搬送させる。
【0055】
ここで、一般に、ラインサーマルプリンタ1では、印字濃度の選択等のため、エネルギー設定として、発熱素子42の発熱温度の高いエネルギー設定と、発熱素子42の発熱温度の低いエネルギー設定とが可能であるが、本発明では、発熱素子42の発熱温度の低いエネルギー設定を用いることが好適である。
【0056】
つぎに、サーマルヘッド41の発熱素子42への通電を制御する作用を、
図5に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0057】
まず、CPU510のクロック信号(CLK)に同期して第1領域151に設定された印字データ(文字情報と非文字情報とに基づいた印字データ)の1ドットライン分のデータ信号(DI)が、シフトレジスタ(図示せず)に格納される。シフトレジスタに格納された印字データがラッチ信号(LAT)で出力段に転送され、第1通電パルスとしてストローブ信号(STB)が出力され、ストローブ信号が有効(High)である間、電流が流れ発熱素子42が発熱する。
【0058】
つぎに、クロック信号(CLK)に同期して第2領域152に設定された印字データ(文字情報に基づいた印字データ)の1ドットライン分のデータ信号(DI)が、シフトレジスタ(図示せず)に格納される。シフトレジスタに格納された印字データがラッチ信号(LAT)で出力段に転送され、第2通電パルスとしてストローブ信号(STB)が出力され、ストローブ信号が有効(High)である間、電流が流れ発熱素子42が発熱する。
【0059】
かかる処理を1ドットライン分毎に繰り返すことにより、印刷情報に基づいた印刷が行われる。
【0060】
ここで、第1通電パルスのストローブ信号が出力されている時間(T)と、第2通電パルスのストローブ信号が出力されている時間(t)とは、第2通電パルスのストローブ信号が出力されている時間(t)の方が、第1通電パルスのストローブ信号が出力されている時間(T)よりも短く、例えば50%~80%、となるように設定されている。
このように構成することで、印字される文字部分に対応する発熱素子42について、十分な加熱を行うとともに、加熱し過ぎによる白抜けを防止するようにしている。
【0061】
なお、
図5に示すストローブ信号は、1回で出力しているが、これに限定されず、発熱素子42を、所定個数、例えば6個のブロックに分け、当該ブロック毎に順次出力するようにしても良いし、又、発熱素子42を、予め定められた同時に発熱させる発熱素子42の数に合わせた個数のブロックに分け、当該ブロック毎に順次出力するようにしても良い。このように発熱素子42をブロックに分けた場合は、同時に発熱させる発熱素子42の数を少なくすることができ、大容量の電源を必要とせず、容量の小さい電源でラインサーマルプリンタ1を駆動することが可能となる。
【0062】
つぎに、本実施の形態におけるラインサーマルプリンタ1の作用について説明する。
図6は、ラインサーマルプリンタ1による印刷処理の流れを示すフローチャートである。CPU510が記憶部511からプログラムを読み出して、展開して実行することにより、当該処理が行なわれる。
【0063】
図6を用いて、ラインサーマルプリンタ1の制御部5による印刷処理の流れの一例を説明する。
まず、ステップS100において、ホスト端末2のデータ送信部21から送信された印刷情報をデータ受信部110が受信する。そして、次のステップS110に進む。
【0064】
ステップS110において、制御部5のCPU510(識別部120)により、ステップS100で受信した印刷情報を解析し、文字情報と文字情報以外の非文字情報とが識別される。そして、次のステップS120に進む。
【0065】
ステップS120において、制御部5のCPU510(識別部120)により、ステップS110において識別された結果が保存部130(記憶部511)、すなわち、文字情報が文字格納部131に、非文字情報が非文字格納部132に保存される。そして、次のステップS130に進む。
【0066】
ステップS130において、制御部5のCPU510により、文字格納部131に文字情報が含まれるか、すなわち、印刷情報に文字情報が含まれているか否かが判定される。文字情報が含まれると判定された場合は、次のステップS140に進む。
【0067】
ステップS140において、制御部5のCPU510(設定部140)により、第1領域151に文字格納部131から文字情報が展開され、第2領域152に文字格納部131から文字情報が展開される。そして、次のステップS150に進む。
【0068】
一方、上述したステップS130において、文字格納部131に文字情報が含まれていないと判定された場合は、次のステップS150に進む。
【0069】
ステップS150において、制御部5のCPU510(設定部140)により、非文字格納部132に非文字情報が含まれている、すなわち、印刷情報に非文字情報が含まれているか否かが判定される。非文字情報が含まれていると判定された場合は、次のステップS160に進む。
【0070】
ステップS160において、制御部5のCPU510(設定部140)により、第1領域151に非文字格納部132から非文字情報が展開される。そして、次のステップS170に進む。
【0071】
一方、上述したステップS150において、非文字格納部に非文字情報が含まれていない、すなわち、印刷情報が文字情報のみであると判定された場合は、次のステップS170に進む。
【0072】
ステップS170において、制御部5のCPU510(設定部140)により、サーマルヘッド41に出力される印字データが成立したか否か、すなわち、ホスト端末2から受信した印刷情報のレイアウト構成(文字をどこに配置するかなど)が完成したか否かが判定される。印字データが成立したと判定されない場合は、再度、ステップS130となり、印字データが成立したと判定された場合は、次のステップS180に進む。
【0073】
ステップS180において、制御部5のCPU510(印刷制御部160)により、ステップS140とステップS160において第1領域151に展開された印字データ(文字情報と非文字情報)に基づいた第1通電パルスが設定される。そして、次のステップS190に進む。
【0074】
ステップS190において、制御部5のCPU510(印刷制御部160)により、ステップS180において設定された第1通電パルスが印刷部(サーマルヘッド41)に出力され、発熱素子42が発熱し、感熱紙である記録紙Pに印刷が行われる(
図5参照)。そして、次のステップS200に進む。
【0075】
ステップS200において、第2領域152に文字情報が展開されているか否かが判定され、第2領域152に文字情報が展開されていると判定されない場合は、処理を終了する。一方、第2領域152に文字情報が展開されていると判定された場合は、次のステップS210に進む。
【0076】
ステップS210において、制御部5のCPU510(印刷制御部160)により、ステップS140において第2領域152に展開された印字データ(文字情報)に基づいた第2通電パルスが設定される。そして、次のステップS220に進む。
【0077】
ステップS220において、制御部5のCPU510(印刷制御部160)により、ステップS210において設定された第2通電パルスが印刷部(サーマルヘッド41)に出力され、発熱素子42が発熱し、感熱紙である記録紙Pに印刷が行われる(
図5参照)。そして、処理を終了する。
【0078】
(変形例)
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0079】
上述した実施の形態は、第1通電パルスを文字情報と非文字情報について出力し、第2通電パルスを文字情報について出力しているが、これに限定されず、次に説明する変形例のように構成しても良い。
【0080】
変形例について、
図7を用いて説明する。
図7(a)は、第1通電パルスで印刷される文字パターンを示す図であり、
図7(b)は、
図7(a)の発熱素子42が通電ドットであるか、非通電ドットであるかを示す情報を示す図であり、
図7(c)は、第2通電パルスで印刷される文字パターンを示す図であり、
図7(d)は、
図7(c)の発熱素子42が通電ドットであるか、非通電ドットであるかを示す情報を示す図である。本発明のサーマルヘッド41のヘッド面には、軸方向L2に沿って、例えば384個の発熱素子42が配列されており、かかる発熱素子42が1ドットラインを構成している。
【0081】
本変形例における設定部140は、識別部120により識別された文字情報が予め定められた文字情報である場合は、第1領域151に当該文字情報に基づいた印字データを設定するとともに、第2領域152に当該文字情報に予め定められた補正用の印字データを設定しておく。
【0082】
すなわち、本変形例では、予め定められた文字情報について、記憶部511に補正用の文字情報を記憶させておき、予め定められた文字情報を印刷情報としてホスト端末2から受信した場合は、かかる文字情報に基づいた第1通電パルスを設定し、更に、かかる文字情報に予め定められた補正用の文字情報を呼び出し、補正用の文字情報に基づいた第2通電パルスを設定して、サーマルヘッド41に出力するものである。
【0083】
ここで、予め定められた文字情報は、発熱素子42が想定よりも加熱し過ぎとなる可能性のある文字情報であって、例えば、記録紙Pの搬送方向に連続(例えば3回以上)して、印字するドットがある文字の情報である。
例えば、
図7に示すように、カタカナの「ロ」の文字情報などがある。
かかる「ロ」の文字部分を印刷する際は、文字部分に係る1回目の第1通電パルスで2C~2Lのドットに対応する発熱素子42を発熱させ(「0011111111110000・・・」の印字データ)、2回目の第1通電パルスで3C~3Lのドットに対応する発熱素子42を発熱させ(「0011111111110000・・・」の印字データ)、3回目の第1通電パルスで4C,4Dと4K,4Lのドットに対応する発熱素子42を発熱させていくこととなる(「0011000000110000」の印字データ)。かかる「ロ」の場合は、C,D,K,Lの列のドットは、搬送方向に7ドット(7ライン)連続して印字されることとなり(印字データが搬送方向に7ドット連続して「1」となっている)、3回以上連続して印字するドット(4行目以降のドット)は、発熱素子42を冷却するタイミングが無く、1度の通電で印刷しようとすると、エネルギーが過剰となることに基づく白抜けが発生しかねない。
そのため、発熱素子42の発熱温度の低いエネルギー設定を用い、1回目の通電(第1通電パルス)では文字全体(
図7(a))を印刷し、加熱の足りない部分のみ(
図7(c)の部分)を2回目の通電(第2通電パルス)で補正するようにするものである。
【0084】
本実施の形態によれば、文字情報を印刷する際の通電時間と、画像情報を印刷する際の通電時間との差を補い、文字情報と画像情報との両方の印刷品質を向上させることが可能なラインサーマルプリンタ1を提供することが可能となる。
また、文字情報についてのみ通電時間の差を補うため、処理が簡単になり、又、処理性能の低い安価なCPUであっても処理することが可能なラインサーマルプリンタ1を提供することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、第1通電パルスの印字データを設定する領域(第1領域151)と、第2通電パルスの印字データを設定する領域(第2領域152)とを別に用意することで、第1通電パルスの印字データと第2通電パルスの印字データとを同時に設定することができ、同じ領域を使用する場合に比べ、処理を簡素化することができるとともに、印刷を早くすることができるラインサーマルプリンタ1を提供することが可能となる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、第1領域151に設定された印字データで用いたサーマルヘッド41の発熱素子42の余熱を第2領域152に設定された印字データで用いるサーマルヘッド41の発熱素子42の加熱に使用することができ、発熱素子42の通電時間を短くすることができ、省エネルギー化や印刷時間を早くすることが可能となり、又、外気温に左右され難くすることができるラインサーマルプリンタ1を提供することが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、予め定められた文字情報を印刷する際に、文字情報に基づいた印字データの第1通電パルスで印刷するとともに、補正用の印字データの第2通電パルスで印刷することで、文字の印刷品質を向上させることができるラインサーマルプリンタを提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 ラインサーマルプリンタ
2 ホスト端末
5 制御部
41 サーマルヘッド
110 データ受信部
120 識別部
130 保存部
131 文字格納部
132 非文字格納部
140 設定部
150 転送データ保存部
151 第1領域
152 第2領域
160 印刷制御部
510 CPU
511 記憶部
512 通信部