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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】円形状ケーキのカット用補助具
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/20 20060101AFI20231129BHJP
   A47J 47/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
A47J43/20
A47J47/00 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020068040
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021164521
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】506374627
【氏名又は名称】川口 和枝
(74)【代理人】
【識別番号】100108280
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】川口 和枝
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-137338(JP,U)
【文献】特開昭60-210951(JP,A)
【文献】実公昭35-019698(JP,Y1)
【文献】実開昭55-037009(JP,U)
【文献】特開2017-100265(JP,A)
【文献】登録実用新案第3128838(JP,U)
【文献】特開平11-089690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/00-44/02、47/00
B26D 3/00-3/30
A23G 3/02
A21C 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状ケーキを載置する台部と、前記台部において前記ケーキの外周と同等或いはそれ以上の半径を備えて設けられたガイド部と、前記ガイド部に沿って前記ケーキを移動させることなく当該ケーキの外周を左右両方向に回転可能なスケール部材とを備え、前記スケール部材には、前記台部の中心からの角度で計ったときに、5等分、7等分及び10等分となるマークが互いに重なることなく設けられていることを特徴とする円形状ケーキのカット用補助具。
【請求項2】
前記ガイド部は、円形状に凹設された溝状に構成されている一方、前記スケール部材は、前記ガイド部の内側に嵌め込まれるドーナツ型またはドーナツ型の一部である請求項1に記載のカット用補助具。
【請求項3】
前記スケール部材には、前記ガイド部に沿った回転運動を補助する凹凸部が設けられている請求項1または2に記載のカット用補助具。
【請求項4】
前記ガイド部には、前記スケール部材に加えて、前記円形状ケーキの高さを整合させた状態で、切断用具が高さ方向に垂直な横方向へ移動するのを補助する第二補助具が設けられている請求項2または3に記載のカット用補助具。
【請求項5】
更に前記ケーキの中心を決める位置決め補助具が設けられており、当該位置決め補助具には、先端位置と、前記先端位置から所定の直径長さだけ離間して設けられた後端位置と、前記両端位置の中間にある中心位置とを備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のカット用補助具。
【請求項6】
前記先端位置は矢印状とし、前記後端位置は扇状とされている請求項5に記載のカット用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円形状ケーキのカット用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円形状のケーキを中心から放射状に等分割する際には、人が両手の間に糸を張り、その糸をケーキの上方から押し下げてカットするという作業を行うことが一般的であった。しかし、この方法は目分量であり、習熟した技能者でなければ良好な作業を行えなかった。例えば、相当の経験を有するパティシェであっても、完全に等分割することは非常に難しく、幾分かの誤差を生じることがあった。このため、パティシェの技能に頼ることなく、正確かつ簡単にケーキを分割する技術が望まれていた。
【0003】
上記課題を達成するために、複数の技術開発が行われている(特許文献1~3)。例えば、特許文献1には、2等分から10等分までの各等分の分割位置を表示したケーキの敷紙が開示されている。特許文献2には、円形状のホールケーキを載置する台部と、該ケーキを多分度に線で切り分ける切断部と、該ケーキ全体を上から覆う蓋部と、前記各部の各センター位置が共通となるように着脱可能とする着脱手段とから成るケーキカッターが開示されている。特許文献3には、回転させることで分割数の異なる等分割位置を割り出す同心円上に開けられた穴を有する回転盤と、穴に係合して等分割位置を決定・保持する割り出し装置とを備え、回転盤支持ベースより垂直、且つカッターが回転盤の中心を通るように設置した円形状ケーキの高さ以上のカッターガイドレールと、円形状ケーキと同寸程度のまな板を回転盤の中心に合わせて設置し、目視と指触により、円形状ケーキの中心と回転盤の中心を合致させることで等分割するケーキカット補助具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-210951号公報
【文献】特開2012-166307号公報
【文献】特開2018-038773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のケーキカット用治具は、いずれも初めから等分割合を決めておき、それに合わせてホールケーキを等分にカットするための工夫であった(例えば、パーティの参加人数(例えば8名)に合わせて、全体を均等に8等分するという使い方)。このため、初めは6等分の一片としておき、その後に10等分の一片に切り分けるなどのように、途中から等分割合を変化させることは難しかった。そのような使い方として、例えば飲食店において、ランチのデザートとしては10等分に切り分けられたもの提供し、ティータイムのケーキとしては6等分に切り分けられたものを提供する場合があり得る。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、円形状ケーキから一片毎のケーキを切り分ける場合に、そのカット操作毎に適当な等分割合で切断できるカット用補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための発明に係る円形状ケーキのカット用補助具は、円形状ケーキを載置する台部と、前記台部において前記ケーキの外周と同等或いはそれ以上の半径を備えて設けられたガイド部と、前記ガイド部に沿って前記ケーキを移動させることなく当該ケーキの外周を左右両方向に回転可能なスケール部材とを備え、前記スケール部材には、前記台部の中心からの角度で計ったときに、5等分、7等分及び10等分となるマークが互いに重なることなく設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、まず円形状ケーキを台部に載置し、中心から径方向外側に向かってカットする。次に、スケール部材をガイド部に沿って回転させ、カットされた位置と、所望の等分マーク(例えば10等分のマーク)の一端とを合わせることで、カット用の他端位置が示されるので、その位置をカットすれば、所望の大きさに等分(例えば10等分)された一片のケーキが切り出される。この操作を順に繰り返すことで、ケーキ全体をその等分(例えば10等分)に切り分けることができる。
【0007】
また、例えば10等分に切り出していた残りの扇形のケーキについて、途中から等分マークを変更し(例えば7等分のマーク)、その変更した等分マークに合わせてスケール部材を回転させることで、最初とは異なる等分(例えば7等分)にケーキを切り出すことができる。なお、5等分、7等分及び10等分は、特に切り分けるのが難しいものであり、これに6等分のマークを付加することで、更に使い出の良いカット用補助具とできる。
また、本発明によれば、台部の上面に載置した円形状ケーキは、台部に載置したまま別の場所に移動させることなく切り分け作業を行えるので、ケーキが崩れるおそれがない。
上記発明において、前記ガイド部は、円形状に凹設された溝状に構成されている一方、前記スケール部材は、前記ガイド部の内側に嵌め込まれるドーナツ型またはドーナツ型の一部であることが好ましい。
このようにすれば、ガイド部の内側に嵌め込まれたスケール部材を溝に沿って左右に回転させることで、適当な等分位置を決められる。
【0008】
また、前記スケール部材には、前記ガイド部に沿った回転運動を補助する凹凸部が設けられていることが好ましい。凹凸部を設けることで、スケール部材の回転運動を円滑とできる。また、このとき凹部とすることが好ましい。凸部とした場合には、台部の表面から、この凸部が飛び出すことがあるため、ケーキを傷つけたり、操作の邪魔になるおそれがあるためである。
また、前記ガイド部には、前記スケール部材に加えて、前記円形状ケーキの高さを整合させた状態で、切断用具が高さ方向に垂直な横方向へ移動するのを補助する第二補助具が設けられていることが好ましい。そのような第二補助具として、本願出願人の先願(実用新案登録第3128838号)に係る考案を用いることができる。
前記カット用補助具には更に前記ケーキの中心を決める位置決め補助具が設けられており、当該位置決め補助具には、先端位置と、前記先端位置から所定の直径長さだけ離間して設けられた後端位置と、前記両端位置の中間にある中心位置とを備えたことを特徴とする。
台部に載置した円形状ケーキの上方空間において、位置決め補助具の先端位置とケーキの一側端を合わせながら、後端位置を左右に移動させる整合操作を行いながら、ケーキの他側端と位置決め補助具の後端位置とが整合する位置を見つける。こうして、ケーキの直径と、位置決め補助具の位置とが整合させられた整合位置に至るので、位置決め補助具の中心位置が、ケーキの中心として特定される。
【0009】
上記発明において、前記中心位置には、前記ケーキ側に突設する棒状体が設けられることが好ましい。そのようにすれば、整合位置において、棒状体をケーキに押し付けることで、ケーキの中心をマーキングできる。
また上記発明において、前記先端位置は矢印状とし、前記後端位置は扇状とすることが好ましい。そのようにすれば、整合操作が行いやすくなる。
また上記発明において、前記後端位置及び中心位置は、少なくとも2種類の大きさの円形状ケーキに合わせて設けられていることが好ましい。そのようにすれば、一セットのカット用補助具と位置決め補助具を用いて、2種類以上の大きさの円形状ケーキの等分カット操作を行える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、円形状ケーキから一片毎のケーキを切断する場合に、そのカット操作毎に適当な等分割合で切断できるカット用補助具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】カット用補助具と保存用蓋体の側面図(一部断面)である。
図2】台部の平面図である。
図3】スケール部材の平面図である。
図4】台部にスケール部材を組み合わせたときの平面図である。
図5】カット用補助具に円形状ケーキを載置したときの側面図である。
図6】カット用補助具に円形状ケーキを載置したときの平面図である。
図7】ケーキの一片を切り出す操作を説明する平面図である。
図8】ケーキの一片を切り出す操作を説明する平面図である。
図9】ケーキの一片を切り出したときの平面図である。
図10】次のケーキの一片を切り出す操作を説明する平面図である。
図11】次のケーキの一片を切り出したときの平面図である。
図12】位置決め補助具の平面図である。
図13】位置決め補助具を用いて円形状ケーキの中心を決めるときの操作を説明する平面図である。
図14】第二補助具を用いるときの台部にスケール部材を組み合わせたときの平面図である。
図15】第二補助具を用いて、カット用補助具に円形状ケーキを載置したときの側面図である。
図16】第二補助具を用いて円形状ケーキの高さを揃えながら切断するときの様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
<カット用補助具>
図1には、本実施形態のカット用補助具1と保存用の蓋体30を示した。カット用補助具1は、円形状のケーキ20(以下、単に「ケーキ20」という)を載置する円形状の台部2と、この台部2の上面側に凹設されたガイド部3と、このガイド部3の内側に嵌め込まれるスケール部材4とが設けられている。ガイド部3は、図2に示すように、台部2の中心と同心状に全周に沿って溝状に形成されている。ガイド部3の内周の半径は、ケーキ20の半径と同等か、それよりも少し大きく構成されている。また、台部2の上面の外縁には、全周に沿って一段低く形成された蓋体置き部5が設けられている。この蓋体置き部5は、蓋体30を台部2に置いたときに、ちょうど蓋体30の内側が嵌り込んで、蓋体30の横方向への意図しない位置ズレを規制する。
スケール部材4は、図3に示すように、ガイド部3に嵌り込むドーナツ状(より詳細には、一対の自由端を備えたドーナツ状)とされている。スケール部材4の厚みは、ガイド部3の深さよりも浅くなっており、ガイド部3にスケール部材4を装着したときには、台部2の上面からスケール部材4が飛び出さないようになっている。
【0013】
スケール部材4には、台部2の中心からの角度で計ったときに、5等分、6等分、7等分、8等分、9等分及び10等分となるマーク6A~6Fが、互いに重なることなく連続的に隣接するように設けられている。より詳細には、各マーク6A~6Fは、台部2の中心から計った角度で、5等分マーク6Aが72°、6等分マーク6Bが60°、7等分マーク6Cが約52°、8等分マーク6Dが45°、9等分マーク6Eが40°、10等分マーク6Fが36°となるように形成されている。なお、図には示せないが、各マーク6A~6Fは、互いに異なる色で識別されていると共に、マークの中央には、等分するときの数値(5~10)が記載されている。なお、5等分マーク6Aの一端側と、10等分マーク6Fの一端側は、自由端とされており、両端の間は台部2の中心から計った角度で約55°だけ離間している。このため、この離間部分を利用して、更に11等分マーク(約33°)または12等分マーク(30°)を設けることもできる。
図4に示すように、スケール部材4をガイド部3に装着した状態では、スケール部材4は溝状のガイド部3に沿って左右両方向S,Tに回転させられるようになっている。
【0014】
次に、上記構成を備えた本実施形態の作用および効果について説明する。なお、説明の便宜上、以下にはケーキ20を7等分する方法について説明する。
まず、図5および図6に示すように、円形状のケーキ20を台部2の上面に載置する。
次に、図7に示すように、ケーキ20の中心から径方向外側に向かってカットしたときのカットラインL1と、7等分マーク6Cの一端9A(8等分マーク6D側の端部)の位置とを整合させる。そのようにカットラインL1と一端9Aとを整合させる方法としては、例えば、(1)ケーキ20の中心から7等分マーク6Cの一端9Aの方向に向かって径方向外側にカットする方法や、(2)ケーキ20の中心から径方向外側に向かって適当な位置でカットしておき、そのカットラインL1が、7等分マーク6Cの一端9Aに位置するように、スケール部材4をガイド部3に沿って回転させる方法がある。
【0015】
図7では、7等分マーク6Cの他端9B(6等分マーク6B側の端部)が、次のカット用の位置として示される。そこで、図8に示すように、ケーキ20の中心から他端9Bまでをカットする。このように、二つのカットラインL1,L2で切り分けられた部分を取り出すことで、図9に示すように、7等分された一片のケーキ(図示せず)が切り出される。
更に、7等分されたケーキを切り出すには、スケール部材4を左方向に回転させて、ケーキの切り出し端縁8が、7等分マーク6Cの一端9Aに至るようにする。このようにすれば、他端9Bが次にカットすべき位置となるので、図10に示すように、ケーキ20の中心から他端9Bに向かってカットすればよい。こうして、切り出し端縁8とカットラインL3との間が、7等分されたケーキの一片となるので、図11に示すように、7等分された一片のケーキ(図示せず)が切り出される。
このように、スケール部材4の適当な回転と、ケーキ20の切断、一片のケーキの切り出し操作を繰り返すことで、ケーキ20全体を7等分に切り分けることができる。つまり、溝状のガイド部3の内側に嵌め込まれたスケール部材4を左右に回転させることで、適当な等分位置を決められるので、切り分け操作が簡単とできる。
【0016】
なお、7等分に切り出していたケーキ20の残り(扇形)について、途中から等分マークを変更し(例えば5等分マーク6A)、切り出し端縁8が等分マーク6Aの一端に合うように、スケール部材4を回転させることで、その等分(例えば5等分)にケーキ20を切り出すことができる。
また、扇状に残されたケーキ20については、蓋体30を台部2に被せ付けて、冷温域に置いておくことで、次にカットが必要な時間まで保存できる。
本実施形態によれば、台部2の上面に載置したケーキ20自体を別の場所に移動させることなく、スケール部材4のみをガイド部3に沿って適当に回転させることで、切り分け作業を行える。このため、従来のように、ケーキ自体を保管場所から切り分け場所に移動させる方法に比べれば、ケーキ20が崩れるおそれがない。
【0017】
本実施形態では、ガイド部3は、円形状に凹設された溝状に構成されていたが、本発明によれば、これに限られず、(1)台部の上面に突設させたガイド部の内周または外周に沿ってスケール部材が回転できるような構成、または(2)台部の外縁(例えば、本実施形態の蓋体置き部のような構成)に、ドーナツ型(またはドーナツ型の一部)のスケール部材が回転できるような構成としても良い。
【0018】
<位置決め補助具>
次に、図12を参照しつつ、本実施形態の位置決め補助具11の構成について説明する。位置決め補助具11は、円形状のケーキ20の中心を決めるために使用することができる。なお、ケーキ20が小さかったり(例えば、直径が16センチメートル以下)、厳密にカットしなくても良い場合(例えば、ファミリーパーティなどで使用する場合)には、位置決め補助具11を用いることなく、台部2の中心とケーキ20の中心とを大体の位置で整合させて、目分量でケーキ20の中心を決めることもできる。
位置決め補助具11には、矢印の先端形状に形成された先端位置12と、この先端位置12から所定の直径長さ(例えば、16センチメートルと20センチメートルの2カ所)だけ離間して設けられた扇状の後端位置13A(16センチメートル),13B(20センチメートル)と、両端位置(12~13A,12~13B)の中間にある中心位置14A(16センチメートルの中心),14B(20センチメートルの中心)とが備えられている。両中心位置14A,14Bには、ケーキ20の側に突設させられる棒状体15(例えば、爪楊枝のようなもの)を設けることができる。
また、後端位置13Aの後方(径方向外方)には、長方形状の操作部16が設けられている。
【0019】
上記の位置決め補助具11を用いて、ケーキ20の中心を決めるためには、次のような手順による。ケーキ20の直径が20センチメートルの場合には、図13に示すように、台部2に載置した円形状のケーキ20の上方空間において、位置決め補助具11の先端位置12とケーキ20の側縁を合わせながら、操作部16を保持しつつ、後端位置13Bを左右XYに移動させる整合操作を行いながら、ケーキ20の他側端と後端位置13Bとが整合する位置を見つける。こうして、図13に示すように、ケーキ20の直径と、位置決め補助具11の位置とが整合した整合位置に至るので、位置決め補助具11の中心位置14Bがケーキ20の中心として特定される。ここで、中心位置14Bに設けられた棒状体15をケーキ20に押し付けることにより、ケーキ20の中心が(それほど目立たない程度に)マーキングされる。ケーキ20の切り分け操作においては、この中心に基づき、上記した操作を行えば良い。
【0020】
このように、本実施形態の位置決め補助具11によれば、先端位置12が矢印状とされ、後端位置13A,13Bが扇状とされているので、ケーキ20の中心位置を特定する際の整合操作が行いやすい。
また、後端位置13A,13B及び中心位置14A,14Bは、2種類の大きさのケーキ20に合わせて設けられているので、一セットのカット用補助具1と位置決め補助具11を用いて、2種類以上の大きさの円形状ケーキ20の等分カット操作を行える。
【0021】
<第二補助具>
次に、図14図16を参照しつつ、第二補助具30について説明する。なお、図中において、上記説明と同様の作用を奏する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第二補助具30は、同心円状の円筒形状の複数個の枠体31,32として構成されており、円形状ケーキ20の外方に位置させることで、その高さ方向について所定の高さに整合させた状態で切断用具(例えばナイフ)の移動を補助することで、円形状ケーキ20の高さ方向を揃えて切断する操作を補助するものである。この第二補助具30としては、例えば本願発明者の先願(実用新案登録第3128838号)に開示されたものを用いることができる。
第二補助具30は、円形状ケーキ20よりも大きな円形状の枠として構成されており、高さ方向に複数個のもの(本実施形態では、3個の枠体31、32として示すが、3個以上のものを構成することもできる)に分割して形成されている。枠体31,32の上下方向には、各枠体31,32を同心円状に重ねたときに、外縁部分が嵌り込むことで位置決めしつつ、組付可能な組合せ凹凸部31A,31B,32A,32Bが設けられている。
ガイド部3’は、スケール部材4の内側に枠体31の組合せ凹凸部31Aを嵌め込めるように、スケール部材4の幅長よりも広い幅を備えて形成されている。
円形状ケーキ20を所定の高さ分だけ切断する場合には、図16に示すように、枠体31の凹凸部31Bの上端縁に沿って、ナイフ50をスライド移動させる。
このように、第二補助具30を用いることにより、円形状ケーキ20の高さを整合させつつ、切断できる。
【符号の説明】
【0022】
1…カット用補助具
2…台部
3…ガイド部
4…スケール部材
6A~6F…等分マーク
11…位置決め補助具
12…先端位置
13A,13B…後端位置
14A,14B…中心位置
15…棒状体
20…円形状ケーキ
30…第二補助具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16