(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 29/02 20060101AFI20231129BHJP
F02D 23/00 20060101ALI20231129BHJP
F02D 43/00 20060101ALI20231129BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20231129BHJP
B60W 30/16 20200101ALI20231129BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20231129BHJP
【FI】
F02D29/02 301Z
F02D29/02 301D
F02D23/00 Z
F02D43/00 301R
F02D45/00 360E
B60W30/16
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2020081387
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 新
【審査官】藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151679(JP,A)
【文献】特開2008-239130(JP,A)
【文献】特開2018-127899(JP,A)
【文献】特開平11-132049(JP,A)
【文献】特開平4-176737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 29/00 - 29/06
F02D 13/00 - 28/00
F02D 43/00 - 45/00
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過給機付きのエンジンからの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される車両に対する車速制御を行う車両制御装置であって、
前記車速制御において算出される目標加速度と現在の実加速度とに基づいて加速度フィードバック量を算出する加速度フィードバック演算手段と、
前記目標加速度と前記加速度フィードバック量とに基づいて目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、
前記目標駆動力と前記変速機の変速比とに基づいて算出される目標トルクに基づき、前記エンジンに対する要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、
前記エンジンのエンジン回転数と気圧とに基づいて、前記過給機の作動の可否を判定するための過給判定トルクを算出する過給判定トルク算出手段と、
前記目標駆動力と実車速とに基づいて算出される目標回転数に基づき、前記変速機の入力側の要求回転数を算出する要求回転数算出手段と、
前記要求トルクと前記過給判定トルクとの比較結果に基づいて前記過給機の作動要否を判定する過給作動判定手段と、を備え、
前記加速度フィードバック演算手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記加速度フィードバック量の演算を禁止し、
前記要求回転数算出手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記目標回転数を標高に応じて補正して、前記標高が高くなるほど前記要求回転数を平地に比べて低い値とすることを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
過給機付きのエンジンからの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される車両に対する車速制御を行う車両制御装置であって、
前記車速制御において算出される目標加速度と現在の実加速度とに基づいて加速度フィードバック量を算出する加速度フィードバック演算手段と、
前記目標加速度と前記加速度フィードバック量とに基づいて目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、
前記目標駆動力と前記変速機の変速比とに基づいて算出される目標トルクに基づき、前記エンジンに対する要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、
前記エンジンのエンジン回転数と気圧とに基づいて、前記過給機の作動の可否を判定するための過給判定トルクを算出する過給判定トルク算出手段と、
前記要求トルクと前記過給判定トルクとの比較結果に基づいて前記過給機の作動要否を判定する過給作動判定手段と、を備え、
前記加速度フィードバック演算手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記加速度フィードバック量の演算を禁止し、
前記要求トルク算出手段は、前記目標トルクが前記過給判定トルク未満であるとき、標高に応じて減少する出力トルクの減少分を前記目標トルクに上乗せして、前記要求トルクを算出することを特徴とする車両制御装置。
【請求項3】
前記要求トルク算出手段は、前記目標トルクが前記過給判定トルク未満であるとき、標高によって減少する出力トルクの減少分を前記目標トルクに上乗せして、前記要求トルクを算出することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機付きのエンジンを原動機として備えた車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両においては、運転者の負担を軽減し、快適且つ安全に運転できるようにする運転支援のための技術が種々提案され、実用化されている。
【0003】
この種の運転支援は、追従車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)機能と車線維持制御(Lane Keeping)機能とを備えることにより、先行車との車間を維持しつつ走行車線に沿って車両を自動走行させることができる。さらに、ロケータ機能を備えることにより、自車両を目的地まで自動走行させることもできる。
【0004】
ACC制御では、例えば、車両に搭載されている車載カメラや各種レーダセンサ、或いはそれらの組合せからなる前方認識装置により、先行車の認識が行われる。そして、ACC制御では、先行車が捕捉されている場合には、先行車の車速及び先行車との車間距離等に基づいて目標車速が設定され、先行車に対する追従走行制御が行われる。また、ACC制御では、先行車が停車した場合は所定車間距離を隔てて自車両を追従停車させ、先行車の発進に従って自車両を追従発進させる制御が行われる。一方、ACC制御では、前方認識装置により先行車が捕捉されていない場合には、運転者等が設定したセット車速を目標車速とした定速走行制御が行われる。
【0005】
このようなACC制御に付随するエンジン制御では、例えば、目標車速と自車速とに基づいて目標加速度が算出され、この目標加速度を発生させるための要求トルクが算出される。そして、算出された要求トルクに応じた電子制御スロットル弁の制御が行われる。この場合の要求トルクは、手動運転時にドライバがアクセル操作を通じて要求するトルクに比べて極力変化が小さく押さえられることが一般的である。従って、ACC制御時に過給機付きのエンジンに対して制御を行う場合、短時間に過給状態と非過給状態とが繰り返される制御ハンチングが発生する場合がある。そこで、例えば、特許文献1には、吸入空気量-回転数比Q/Nに基づいて過給機の作動及び作動停止を制御する内燃機関の過給圧制御装置において、定速走行装置がONの場合(すなわち、ACC制御がONの場合)に過給機の作動停止を判断するための設定値(閾値)を、定速走行装置がOFFの場合の設定値よりも大きく設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術のように、ACC制御のON-OFF状態に応じて閾値を変更した場合であっても、自車両が高地を走行している場合には、依然として制御ハンチングが発生する虞がある。
【0008】
すなわち、高地では空気中の酸素濃度が低いため、非過給状態にある間は、要求トルク通りの(すなわち、吸入空気量に応じた)出力トルクを平地と同様に発生することができない。その一方で、高地であっても、過給機がONされると、要求トルク通りの出力トルクを平地と同様に発生することができる。従って、高地走行中においては、過給機が非過給状態と過給状態との間で切り換えられた際に、出力トルクに段差(急変)が発生する。
【0009】
このため、高地走行中に、過給機が非過給状態から過給状態へと切り替わると、出力トルクが急激に増加して加速過多となってしまい、すぐさま非過給状態へと戻される。すると、再び出力トルクが不足して非過給状態から過給状態へと切り換えられる。このようにACC制御に付随するエンジン制御では、高地走行中に過給状態と非過給状態との切り換えが繰り返されることによる制御ハンチングが発生して走行フィーリングが悪化しやすい傾向にある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、標高が高く空気密度が低い場合であっても、過給機に対する制御ハンチングを発生させることなく車速制御を行うことができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様による車両制御装置は、過給機付きのエンジンからの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される車両に対する車速制御を行う車両制御装置であって、前記車速制御において算出される目標加速度と現在の実加速度とに基づいて加速度フィードバック量を算出する加速度フィードバック演算手段と、前記目標加速度と前記加速度フィードバック量とに基づいて目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力と前記変速機の変速比とに基づいて算出される目標トルクに基づき、前記エンジンに対する要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、前記エンジンのエンジン回転数と気圧とに基づいて、前記過給機の作動の可否を判定するための過給判定トルクを算出する過給判定トルク算出手段と、前記目標駆動力と実車速とに基づいて算出される目標回転数に基づき、前記変速機の入力側の要求回転数を算出する要求回転数算出手段と、前記要求トルクと前記過給判定トルクとの比較結果に基づいて前記過給機の作動要否を判定する過給作動判定手段と、を備え、前記加速度フィードバック演算手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記加速度フィードバックの演算を禁止し、前記要求回転数算出手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記目標回転数を標高に応じて補正して、前記標高が高くなるほど前記要求回転数を平地に比べて低い値とするものである。
【0012】
本発明の他態様による車両制御装置は、過給機付きのエンジンからの駆動力が変速機を介して駆動輪に伝達される車両に対する車速制御を行う車両制御装置であって、前記車速制御において算出される目標加速度と現在の実加速度とに基づいて加速度フィードバック量を算出する加速度フィードバック演算手段と、前記目標加速度と前記加速度フィードバック量とに基づいて目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力と前記変速機の変速比とに基づいて算出される目標トルクに基づき、前記エンジンに対する要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、前記エンジンのエンジン回転数と気圧とに基づいて、前記過給機の作動の可否を判定するための過給判定トルクを算出する過給判定トルク算出手段と、前記要求トルクと前記過給判定トルクとの比較結果に基づいて前記過給機の作動要否を判定する過給作動判定手段と、を備え、前記加速度フィードバック演算手段は、前記要求トルクが前記過給判定トルクの付近にあるとき、前記加速度フィードバックの演算を禁止し、前記要求トルク算出手段は、前記目標トルクが前記過給判定トルク未満であるとき、標高によって減少する出力トルクの減少分を前記目標トルクに上乗せして、前記要求トルクを算出するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両制御装置によれば、標高が高く空気密度が低い場合であっても、過給機に対する制御ハンチングを発生させることなく車速制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】自動運転システムに設けられた車両制御装置の概略構成図
【
図5】気圧による目標トルク補正率マップの一例を示す説明図
【
図7】気圧による目標回転数補正率のマップの一例を示す説明図
【
図9】加速度フィードバック禁止判定ルーチンを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、
図1は自動運転システムの概略構成図、
図2は自動運転システムに設けられた車両制御装置の概略構成図である。
【0016】
ここで、本実施形態の自動運転システム1の構成の説明に先立ち、自動運転システム1の車両制御装置によって制御される車両(自車両)の駆動系100について、
図2を参照して簡単に説明する。
【0017】
本実施形態における車両の駆動系100は、過給機付原動機としてのターボ過給機付エンジン(以下、単に「エンジン」と称する)101と、変速比を連続的に変更可能な変速機としての無段変速機(CVT)102と、を有して構成されている。
【0018】
エンジン101は、吸気側に吸気管105が連通され、排気側に排気管106が連通されている。また、吸気管105の中途に、電子制御スロットルのスロットル弁110が介装され、そのさらに上流側にターボ過給機111のコンプレッサ111aが介装されている。
【0019】
一方、排気管106の中途にターボ過給機111のタービン111bが介装されている。また、排気管106には、タービン111bをバイパスするバイパス通路112が設けられている。バイパス通路112には、ウエイストゲートバルブ113が介装されている。このウエイストゲートバルブ113の開度が制御されることにより、ターボ過給機111に対する過給制御を行うことが可能となっている。
【0020】
無段変速機102は、エンジン101の出力軸101aに連設されたトルクコンバータ120と、トルクコンバータ120に前後切替装置121を介して連設された変速機構122と、を有する。
【0021】
変速機構122は、前後切替装置121に連結するプーリ入力軸123aと、このプーリ入力軸123aに平行なプーリ出力軸124aと、を有する。プーリ入力軸123aにはプライマリプーリ123が設けられ、プーリ出力軸124aにはセカンダリプーリ124が設けられている。さらに、これらの両プーリ123,124間が、スチールベルトやチェーンベルト等の巻き掛け式の伝達ベルト125を介して連設されている。変速機構122は、各プーリ123,124に対する伝達ベルト125の巻掛半径を相対的に変化させることにより、変速比を連続的に設定することができる。
【0022】
また、プーリ出力軸124aには、第1の出力ギヤ126が設けられている。この第1の出力ギヤ126に噛合する第1の入力ギヤ127は、前輪出力軸128に設けられている。
【0023】
前輪出力軸128には、第2の出力ギヤ129が設けられている。この第2の出力ギヤ129に噛合する第2の入力ギヤ130は、トランスファ軸131に設けられている。トランスファ軸131は、トランスファクラッチ132を介して、後輪出力軸133に連設されている。
【0024】
図1に示すように、自動運転システム1は、ロケータユニット11と、走行環境取得部としてのカメラユニット21と、自動運転制御ユニット26と、を備えている。
【0025】
ロケータユニット11は、地図ロケータ演算部12と、記憶部としての高精度道路地図データベース16と、を有している。
【0026】
地図ロケータ演算部12の入力側に、自車位置取得部としてのGNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)受信機13、運転状態取得部としての自律走行センサ14、及びルート情報入力装置15が接続されている。GNSS受信機13は複数の測位衛星から発信される測位信号を受信する。又、自律走行センサ14は、トンネル内走行等GNSS衛生からの受信感度が低く測位信号を有効に受信することのできない環境において、自律走行を可能にするもので、車速センサ、ヨーレートセンサ、及び前後加速度センサ等を備えて構成されている。すなわち、地図ロケータ演算部12は、車速センサで検出した車速、ヨーレートセンサで検出したヨーレート(ヨー角速度)、及び前後加速度センサで検出した前後加速度等に基づき移動距離と方位からローカライゼーションを行う。
【0027】
ルート情報入力装置15は、搭乗者(主に運転者)が操作する端末装置である。すなわち、このルート情報入力装置15は、目的地や経由地(高速道路のサービスエリア等)の設定等、地図ロケータ演算部12において走行ルートを設定する際に必要とする一連の情報を集約して入力することができる。
【0028】
このルート情報入力装置15は、具体的には、カーナビゲーションシステムの入力部(例えば、モニタのタッチパネル)、スマートフォン等の携帯端末、パーソナルコンピュータ等であり、地図ロケータ演算部12に対して、有線、或いは無線で接続されている。
【0029】
搭乗者がルート情報入力装置15を操作して、目的地や経由地の情報(施設名、住所、電話番号等)の入力を行うと、この入力情報が地図ロケータ演算部12で読込まれる。
【0030】
地図ロケータ演算部12は、目的地や経由地が入力された場合、その位置座標(緯度、経度)を設定する。地図ロケータ演算部12は、自車位置を推定する自車位置推定部としての自車位置推定演算部12a、自車位置から目的地(及び経由地)までの走行ルートを設定する走行ルート設定演算部12bを備えている。
【0031】
高精度道路地図データベース16はHDD等の大容量記憶媒体であり、高精度な周知の道路地図情報(ローカルダイナミックマップ)が記憶されている。この高精度道路地図情報は、基盤とする最下層の静的情報階層上に、自動走行をサポートするために必要な付加的地図情報が重畳された階層構造をなしている。付加的地図情報としては、道路の種別(一般道路、高速道路等)、道路形状、左右区画線、高速道路やバイパス道路等の出口、ジャンクションやサービスエリアに繋がる分岐車線の入口長さ(開始位置と終了位置)、道路の緯度、経度、標高等の静的な位置情報、及び、渋滞情報や事故或いは工事による通行規制等の動的な位置情報が含まれている。
【0032】
自車位置推定演算部12aは、GNSS受信機13で受信した測位信号に基づき自車両の現在の位置座標(緯度、経度)を取得し、この位置座標を地図情報上にマップマッチングして、道路地図上の自車位置(現在位置)を推定する。又、自車位置推定演算部12aは、自車走行車線を特定し、地図情報に記憶されている当該走行車線の道路形状を取得し、逐次記憶させる。更に、自車位置推定演算部12aは、トンネル内走行等のようにGNSS受信機13の感度低下により測位衛星からの有効な測位信号を受信することができない環境では、自律航法に切換え、自律走行センサ14によりローカライゼーションを行う。
【0033】
走行ルート設定演算部12bは、自車位置推定演算部12aで推定した自車位置の位置情報(緯度、経度)と、入力された目的地(及び経由地)の位置情報(緯度、経度)とに基づき、高精度道路地図データベース16に格納されているローカルダイナミックマップを参照する。そして、走行ルート設定演算部12bは、ローカルダイナミックマップ上で、自車位置と目的地(経由地が設定されている場合は、経由地を経由した目的地)とを結ぶ走行ルートを、予め設定されているルート条件(推奨ルート、最速ルート等)に従って構築する。
【0034】
一方、カメラユニット21は、自車両の車室内前部の上部中央に固定されており、車幅方向中央を挟んで左右対称な位置に配設されているメインカメラ21a及びサブカメラ21bからなる車載カメラ(ステレオカメラ)と、画像処理ユニット(IPU)21cと、前方走行環境認識部21dと、を有している。カメラユニット21は、メインカメラ21aで基準画像データを撮像し、サブカメラ21bで比較画像データを撮像する。
【0035】
そして、この両画像データをIPU21cにて所定に画像処理する。前方走行環境認識部21dは、IPU21cで画像処理された基準画像データと比較画像データとを読込み、その視差に基づいて両画像中の同一対象物を認識すると共に、その距離データ(自車両から対象物までの距離)を、三角測量の原理を利用して算出して、前方走行環境情報を認識する。
【0036】
この前方走行環境情報には、自車両が走行する車線(走行車線)の道路形状(左右を区画する区画線、区画線間中央の道路曲率[1/m]、及び左右区画線間の幅(車線幅))、高速道路やバイパス道路等の出口、ジャンクションに繋がる分岐車線側の区画線間の車線幅、交差点、横断歩道、信号機、道路標識、道路上に存在する車両等の立体物、及び路側障害物(電柱、電信柱、駐車車両等)が含まれている。
【0037】
自動運転制御ユニット26は、入力側にカメラユニット21の前方走行環境認識部21dが接続されていると共に、地図ロケータ演算部12と車内通信回線(例えばCAN:Controller Area Network)を通じて双方向通信自在に接続されている。更に、この自動運転制御ユニット26には、例えば、自車両を走行ルートに沿って走行させる操舵制御ユニット31、強制ブレーキにより自車両を減速させるブレーキ制御ユニット32、自車両に対する加速度制御を通じて車速を制御するエンジン制御ユニット33及びトランスミッション制御ユニット34、並びに、モニタ、スピーカ等の警報ユニット35が接続されている。
【0038】
自動運転制御ユニット26は、走行ルート設定演算部12bで設定した走行ルートに、自動運転制御が許可された自動運転区間が設定されている場合、当該自動運転区間において自動運転を行うための目標進行路を設定する。そして、自動運転区間においては、操舵制御ユニット31、ブレーキ制御ユニット32、エンジン制御ユニット33、及び、トランスミッション制御ユニット34を所定に制御して、GNSS受信機13で受信した自車位置を示す測位信号に基づき、自車両を目標進行路に沿って自動走行させる。
【0039】
その際、前方走行環境認識部21dで認識した前方走行環境に基づき、周知の追従車間距離制御(ACC制御)、及び車線維持(ALK)制御により、先行車が検出された場合は先行車に追従し、先行車が検出されない場合は制限速度内のセット車速で自車両を走行させる。
【0040】
なお、地図ロケータ演算部12、前方走行環境認識部21d、自動運転制御ユニット26、操舵制御ユニット31、ブレーキ制御ユニット32、エンジン制御ユニット33、及び、トランスミッション制御ユニット34は、例えば、CPU,RAM,ROM、不揮発性記憶部等を備える周知のマイクロコンピュータ、及びその周辺機器で構成されており、ROMにはCPUで実行するプログラムやデータテーブル等の固定データ等が予め記憶されている。
【0041】
次に、このような構成による自動運転システム1が自車両の車速の制御を行う際の駆動系100に対する制御について、エンジン101に対する過給制御を中心として説明する。この過給制御は、例えば、自動運転システム1に包含される車両制御装置30によって行われる。
図2に示すように、車両制御装置30は、自動運転制御ユニット26、エンジン制御ユニット33、及び、トランスミッション制御ユニット34を有して構成されている。
【0042】
自動運転制御ユニット26は、主として自車両の駆動系100に対する制御系について機能的に示すと、目標加速度算出手段としての目標加速度算出部26aと、加速度フィードバック演算手段としての加速度フィードバック演算部26bと、目標駆動力算出手段としての目標駆動力算出部26cと、目標トルク算出手段としての目標トルク算出部26dと、要求トルク算出手段としての要求トルク算出部26eと、目標回転数算出手段としての目標回転数算出部26fと、要求回転数算出手段としての要求回転数算出部26gと、を有して構成されている。
【0043】
目標加速度算出部26aは、例えば、前方走行環境認識部21dにより先行車が捕捉されている場合(すなわち、先行車に対する追従走行時)においては、自車速、先行車の車速、及び、自車両と先行車との車間距離等に基づき、予め設定されたマップ等を参照してACC制御(車速制御)に用いる目標加速度を算出する。一方、目標加速度算出部26aは、例えば、前方走行環境認識部21により先行車が捕捉されていない場合(すなわち、セット車速による定速走行時)においては、自車速、及び、セット車速等に基づき、予め設定されたマップ等を参照してACC制御(車速制御)に用いる目標加速度を算出する。
【0044】
加速度フィードバック演算部26bには、目標加速度算出部26aにより算出された目標加速度と、現在の自車両の加速度(実加速度)と、が入力される。そして、加速度フィードバック演算部26bは、目標加速度と実加速度との偏差に基づき、加速度フィードバックオフセット量を演算する。
【0045】
ここで、後述するように、エンジンに対する要求トルクと、過給機111の作動を判定するための閾値である過給判定トルクと、の関係が予め設定された条件を満たすとき、加速度フィードバック演算部26bによる加速度フィードバックオフセット量の演算は禁止される。すなわち、加速度フィードバックオフセット量の値が保持される。
【0046】
目標駆動力算出部26cには、目標加速度算出部26aにより算出された目標加速度と、加速度フィードバック演算部26bにより演算された加速度フィードバックオフセット量と、が入力される。目標駆動力算出部26cは、例えば、
図3に示すように、目標加速度と加速度フィードバックオフセット量の和に自車両の車重を乗算することにより、目標駆動力を算出する。
【0047】
目標トルク算出部26dは、目標駆動力算出部26cにより算出された目標駆動力と、トランスミッション制御ユニット34において制御される無段変速機102の変速比と、が入力される。目標トルク算出部26dは、例えば、予め設定されたマップ等を参照し、目標駆動力と変速比とに基づいて目標トルクを算出する。
【0048】
要求トルク算出部26eには、目標トルク算出部26dにより算出された目標トルクと、後述する過給判定トルク算出部33bにより算出された過給判定トルクと、気圧センサ41によって検出された気圧(外気圧)と、が入力される。要求トルク算出部26eは、例えば、
図4,5に示すように、目標トルクを過給判定トルクによって除算した商(以下、目標-過給判定トルク比と称する)と気圧とに基づき、予め設定された目標トルク補正率マップ等を参照して、目標トルク補正率を算出する。
【0049】
ここで、目標トルク補正率は、トルク発生率によって表される。トルク発生率は、平地(気圧760[mmhg])と同一の要求トルク(吸入空気量)によってエンジン101を駆動させた際の出力トルクを基準として、現在の標高の気圧下においてどの程度の出力トルクが発生するかを示す値(%)である。なお、マップからも明らかなように、エンジン101の過給機が作動した後のトルク発生率は、100%となる。
【0050】
そして、要求トルク算出部26eは、目標トルクを目標トルク補正率によって除算した商に100を乗算した値を、エンジン101に対する要求トルクとして算出する。すなわち、要求トルク算出部26eは、目標トルクが過給判定トルク未満であるとき、標高に応じて減少する出力トルクの減少分を目標トルクに上乗せした値を、要求トルクとして算出する。
【0051】
このように算出された要求トルクは、エンジン制御ユニット33に出力される。このエンジン制御ユニット33には、要求トルクの他に、気圧センサ41により検出された気圧、エンジン回転数センサ40により検出されたエンジン回転数、及び、吸気温度センサ42により検出された吸気温度が入力される。
【0052】
エンジン制御ユニット33は、機能的に表すと、目標スロットル開度算出手段としての目標スロットル開度算出部33aと、過給判定トルク算出手段としての過給判定トルク算出部33bと、過給作動判定手段としての過給作動判定部33cと、を有して構成されている。
【0053】
目標スロットル開度算出部33aには、要求トルク算出部26eにより算出された要求トルクと、エンジン回転数センサ40により検出されたエンジン回転数と、が入力される。目標スロットル開度算出部33aは、要求トルクとエンジン回転数とに基づき、予め設定されたマップ等を参照して目標スロットル開度を算出する。そして、目標スロットル開度算出部33aは、目標スロットル開度に基づいて、電子制御スロットルのスロットル弁110の開度を制御する。
【0054】
この場合において、上述のように、要求トルクは、目標トルクに対し、標高に応じて低下することが想定されるトルク分を補った値である。従って、このような要求トルクに基づいてエンジン101のスロットル弁110を制御することにより、非過給状態においても目標トルクに応じたエンジン101の出力トルクが発生する。
【0055】
過給判定トルク算出部33bには、気圧センサ41により検出された気圧と、エンジン回転数センサ40により検出されたエンジン回転数と、吸気温度センサ42により検出された吸気温度と、が入力される。過給判定トルク算出部33bは、気圧とエンジン回転数とに基づき、予め設定されたマップ等を参照して過給判定トルクを算出する。さらに、過給判定トルク算出部33bは、吸気温度に基づいて過給判定トルクを補正する。
【0056】
ここで、過給判定トルクとは、過給機111の作動状態と非作動状態との切換判定を行う際に用いられる閾値であり、例えば、現在のエンジン回転数及び車外環境(吸気温度及び気圧)等において、スロットル開度を全開した際に発生し得るトルクである。なお、過給判定トルクの算出においては、吸気温度に基づく補正を適宜省略することも可能である。また、過給判定トルク算出部33bは、自動運転制御ユニット26に設けることも可能である。
【0057】
過給作動判定部33cには、要求トルク算出部26eにより算出された要求トルクと、過給判定トルク算出部33bにより算出された過給判定トルクと、が入力される。過給作動判定部33cは、例えば、
図8に示す過給制御判定ルーチンのフローチャートに従って実行される。このルーチンは設定時間毎に繰り返し実行されるものである。ルーチンがスタートすると、過給作動判定部33cは、先ず、ステップS101において、現在、過給制御中であるか否か、すなわち、過給機111が過給状態にあるか否かを調べる。
【0058】
そして、ステップS101において、現在、過給制御中でなく、過給機111が非過給状態にあると判定した場合、過給作動判定部33cは、ステップS102に進み、要求トルクが過給判定トルクよりも大きいか否かを調べる。
【0059】
そして、過給作動判定部33cは、ステップS102において、要求トルクが過給判定トルクよりも大きいと判定した場合にはステップS104に進み、要求トルクが過給判定トルク以下であると判定した場合にはステップS103に進む。
【0060】
一方、ステップS101において現在過給制御中であり、過給機111が過給状態にあると判定した場合、過給作動判定部33cは、要求トルクが過給判定トルクから定数を減算した値未満であるか否かを調べる。ここで、定数は、過給機111の作動と非作動との間にヒステリシスを持たせるための値である。
【0061】
そして、過給作動判定部33cは、ステップS103において、要求トルクが過給判定トルクから定数を減算した値未満であると判定した場合にはステップS104に進み、要求トルクが過給判定トルクから定数を減算した値以上であると判定した場合にはステップS105に進む。
【0062】
ステップS102或いはステップS103からステップS104に進むと、過給作動判定部33cは、過給制御をONして作動状態とした後、ルーチンを抜ける。
【0063】
一方、ステップS102或いはステップS103からステップS104に進むと、過給作動判定部33cは、過給制御をOFFして非作動状態とした後、ルーチンを抜ける。
【0064】
このように、目標駆動力と変速器102の変速比に基づいて直接的に求められる目標トルクではなく、目標トルク補正率を用いて目標トルクを補填した要求トルクに基づいてエンジン101に対する制御が行われるため、過給制御のON/OFFが判定される付近において、過給状態での出力トルクと非過給状態での出力トルクとの間の差を縮小することができ、過給制御のON/OFFが切り替わる際に発生する所謂トルクの段差が緩和される。
【0065】
自動運転制御ユニット26において、目標回転数算出部26fには、目標駆動力算出部26cにおいて算出された目標駆動力と、自車両の車速(実車速)と、が入力される。目標回転数算出部26fは、例えば、目標駆動力と実車速とに基づき、予め設定されたマップ(適合マップ)等を参照して、プライマリプーリ123の目標回転数(目標プライマリ回転数)を算出する。
【0066】
要求回転数算出部26gには、目標回転数算出部26fにおいて算出された目標回転数と、過給判定トルク算出部33bにより算出された過給判定トルクと、気圧センサ41によって検出された気圧と、が入力される。要求回転数算出部26gは、例えば、
図6,7に示すように、要求トルクを過給判定トルクによって除算した商(以下、要求-過給判定トルク比と称する)と気圧とに基づき、予め設定された目標回転数補正率マップ等を参照して、要求回転数補正率を算出する。
【0067】
そして、要求回転数算出部26gは、目標回転数を目標回転数補正率によって除算した商に100を乗算した値を無段変速機102に対する要求回転数として算出する。
【0068】
ここで、
図7からも明らかなように、目標回転数補正率は、プライマリプーリ123の目標回転数を、標高に応じて補正するためのものである。従って、平地では目標回転数を補正する必要がなく、目標回転数補正率は、要求-過給判定トルク比にかかわらず、全て100(%)に設定される。一方、標高の高い高地になるほど、エンジン101の過給機111が非過給状態と過給状態とで切り替わる付近(すなわち、要求-過給判定トルク比が1.00付近)の目標回転数補正率が100(%)よりも大きな値に設定される。従って、高地においては、要求-過給判定トルク比が1.00付近での無段変速機102に対する要求回転数が平地よりも低い値に算出される。なお、急激な要求回転数の変動を防止するため、目標回転数補正率は、要求-過給判定トルク比が1.00を超えた付近を最大値として、その前後で徐々に変化するように設定されている。
【0069】
このように、自車両が高地を走行している際には、要求-過給判定トルク比が1.00の付近において、無段変速機102に対する要求回転数が平地よりも低い値に算出されることにより、減速比が小さくなることで、目標トルク算出部26dにおいて算出される目標トルクは、平地よりも高い値が算出される。さらに、要求回転数が低い値に算出され、エンジン回転数が低く制御されると、その分、過給判定トルクも低い値が算出される。
【0070】
従って、過給機111が非過給状態にあるとき、高地では、要求-過給判定トルク比が1.00付近に近づくと、過給制御がONされやすくなる。さらに、一旦、過給機111が過給状態となると、高地では、平地よりも過給制御がOFFされにくくなる。これにより、高地では、過給制御ON/OFFの境界付近で制御し続けることなく、過給制御ONの状態で安定しやすくなる。
【0071】
このように算出された要求回転数は、トランスミッション制御ユニット34に出力される。このトランスミッション制御ユニット34には、要求回転数の他に、プライマリ回転数センサ43により検出されたプライマリプーリ123の回転数(プライマリ回転数)と、セカンダリ回転数センサ44により検出されたセカンダリプーリ124の回転数(セカンダリ回転数)と、が入力される。
【0072】
トランスミッション制御ユニット34は、変速制御手段としての変速比制御部34aを有して構成されている。この変速比制御部34aは、例えば、要求回転数とプライマリ回転数とセカンダリ回転数とに基づいて、変速機構122の変速比を制御する。
【0073】
ところで、上述の自動運転制御ユニット26の目標駆動力算出部26cにおける目標駆動力の算出においては、過給機111の作動状態と非作動状態とが切り替わる付近に要求トルクがあるとき、目標駆動力に対する加速度フィードバック量による補正が禁止される。すなわち、加速度フィードバック演算部26bは、過給機111の作動状態と非作動状態とが切り替わる付近に要求トルクがあるとき、加速度フィードバック補正量を保持することにより、加速度フィードバック補正を禁止する。
【0074】
このような加速度フィードバック禁止のための判定は、例えば、
図9に示す加速度フィードバック禁止判定ルーチンのフローチャートに従って行われる。このルーチンは設定時間毎に繰り返し実行されるものであり、ルーチンがスタートすると、加速度フィードバック演算部26bは、先ず、ステップS201において、要求トルクの前回値が、過給判定トルクから定数を減算した値よりも大きいか否かを調べる。
【0075】
そして、加速度フィードバック演算部26bは、ステップS201において、要求トルクの前回値が、過給判定トルクから定数を減算した値よりも大きいと判定した場合には、ステップS202に進む。一方、加速度フィードバック演算部26bは、ステップS201において、要求トルクの前回値が、過給判定トルクから定数を減算した値以下であると判定した場合には、ステップS204に進む。
【0076】
ステップS201からステップS202に進むと、加速度フィードバック演算部26bは、要求トルクの前回値が、過給判定トルクに定数を加算した値よりも小さいか否かを調べる。
【0077】
そして、加速度フィードバック演算部26bは、要求トルクの前回値が、過給判定トルクに定数を加算した値よりも小さいと判定した場合には、ステップS203に進む。一方、加速度フィードバック演算部26bは、要求トルクの前回値が、過給判定トルクに定数を加算した値以上であると判定した場合には、ステップS204に進む。
【0078】
ステップS202からステップS203に進むと、加速度フィードバック演算部26bは、加速度フィードバックを禁止した後、ルーチンを抜ける。
【0079】
また、ステップS201或いはステップS202からステップS204に進むと、加速度フィードバック演算部26bは、加速度フィードバックを許可した後、ルーチンを抜ける。
【0080】
このように、要求トルクが加給判定トルクの付近にあるとき、すなわち、要求トルクが過給のON/OFF状態が切り替わる付近にあるときには、実加速度に基づくフィードバックが禁止される。これにより、目標駆動力算出部26cにおいて算出される目標駆動力の変動が抑制される。従って、過給機111のON/OFF状態が切り替わる付近において算出される要求トルクの変動が抑制され、当該要求トルクと過給判定トルクとの比較に基づいて切り換えられる過給機111のON/OFF状態がより安定する。
【0081】
このような実施形態によれば、標高が高く空気密度が低い場合であっても、過給機111に対する制御ハンチングを発生させることなく車速制御を行うことができる。
【0082】
なお、上述の実施形態においては、地図ロケータ演算部12、前方走行環境認識部21d、自動運転制御ユニット26、操舵制御ユニット31、ブレーキ制御ユニット32、エンジン制御ユニット33、及び、トランスミッション制御ユニット34等を、CPU等を備えたマイクロコンピュータ及びその周辺機器によって構成した一例について説明したが、これらの全部若しくは一部の機能は、論理回路あるいはアナログ回路で構成してもよく、また各種プログラムの処理を、FPGAなどの電子回路により実現するようにしてもよい。
【0083】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0084】
例えば、上述の実施形態においては、要求トルク算出部26eにおいて目標トルクを目標トルク補正率によって補正して要求トルクを算出するとともに、要求回転数算出部26gにおいて目標回転数を目標回転数補正率によって補正して要求回転数を算出する一例について説明したが、例えば、これらの処理の何れか一方のみを行う構成であっても良い。すなわち、上述の実施形態においては、要求トルク算出部26eにおいて目標トルクを目標トルク補正率によって補正して要求トルクを算出する処理のみを行い、要求回転数算出部26gにおいて目標回転数をそのまま要求回転数として算出することも可能である。或いは、要求回転数算出部26gにおいて目標回転数を目標回転数補正率によって補正して要求回転数を算出する処理のみを行い、要求トルク算出部26eにおいて目標トルクをそのまま要求トルクとして算出することも可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 … 自動運転システム
21 … カメラユニット
21 … 前方走行環境認識部
21a … メインカメラ
21b … サブカメラ
21d … 前方走行環境認識部
26 … 自動運転制御ユニット
26a … 目標加速度算出部
26b … 加速度フィードバック演算部
26c … 目標駆動力算出部
26d … 目標トルク算出部
26e … 要求トルク算出部
26f … 目標回転数算出部
26g … 要求回転数算出部
26g … 要求トルク算出部
30 … 車両制御装置
31 … 操舵制御ユニット
32 … ブレーキ制御ユニット
33 … エンジン制御ユニット
33a … 目標スロットル開度算出部
33b … 過給判定トルク算出部
33c … 過給作動判定部
34 … トランスミッション制御ユニット
34a … 変速比制御部
35 … 警報ユニット
40 … エンジン回転数センサ
41 … 気圧センサ
42 … 吸気温度センサ
43 … プライマリ回転数センサ
44 … セカンダリ回転数センサ
100 … 駆動系
101 … エンジン
101a … 出力軸
102 … 無段変速機
102 … 変速機
105 … 吸気管
106 … 排気管
110 … スロットル弁
111 … ターボ過給機
111a … コンプレッサ
111b … タービン
112 … バイパス通路
113 … ウエイストゲートバルブ
120 … トルクコンバータ
121 … 前後切替装置
122 … 変速機構
123 … プライマリプーリ
123a … プーリ入力軸
124 … セカンダリプーリ
124a … プーリ出力軸
125 … 伝達ベルト