(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】枢動連結された伸縮クレーンブーム
(51)【国際特許分類】
B66C 23/693 20060101AFI20231129BHJP
【FI】
B66C23/693 L
B66C23/693 B
(21)【出願番号】P 2020547000
(86)(22)【出願日】2019-03-12
(86)【国際出願番号】 US2019021810
(87)【国際公開番号】W WO2019178067
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-14
(32)【優先日】2018-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】スクーンメイカー, スティーヴン ジェイ.
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0071004(US,A1)
【文献】実開昭63-151494(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第19641191(DE,A1)
【文献】特開2004-051366(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 - 23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースセクション、及び前記ベースセクションに対して伸縮動作するようにされた1つ以上の伸縮セクション、を有する複数のブームセクションと、
前記ベースセクションに配置された細長い部材と、
前記細長い部材上で動作するようにされ、選択的に前記1つ以上の伸縮セクションのうちの1つの伸縮セクションに係合および該伸縮セクションから係合解除されるようにされたロッキングヘッドと、
前記細長い部材に沿って前記ロッキングヘッドを駆動するようにされたアクチュエータと、
前記ロッキングヘッドが前記アクチュエータの動作に応じて前記細長い部材に沿って動くように駆動されるように、前記アクチュエータと前記ロッキングヘッドとの間に相互接続されたケーブルアセンブリであって、ケーブル及び複数のシーブを備えるケーブルアセンブリと、
を備え
、
前記アクチュエータがロッド及びバレルを有するロッド-バレルアセンブリであり、前記ロッド-バレルアセンブリを伸長させる又は引き込むように、前記ロッドと前記バレルとのうちの一方が前記ロッドと前記バレルとのうちの他方に対して動作可能とされた、伸縮ブーム。
【請求項2】
前記ケーブルが前記複数のシーブの周りを延びていて、前記ロッド-バレルアセンブリの動きによって前記複数のシーブ上での前記ケーブルの動きがもたらされるようにされた、請求項
1に記載の伸縮ブーム。
【請求項3】
前記ロッド-バレルアセンブリの一定時間での第2の距離にわたる伸長又は引込に応じて、前記ロッキングヘッドが前記細長い部材上で第1の距離を動くようにされた、請求項
2に記載の伸縮ブーム。
【請求項4】
前記ケーブル及び前記複数のシーブが、前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きくなるように配置されている、請求項
3に記載の伸縮ブーム。
【請求項5】
前記ロッキングヘッドがロック装置によって選択的に前記伸縮セクションに係合および前記伸縮セクションから係合解除されるようにされ、前記ロッキングヘッドがさらに前記ロック装置を作動させるためのロックアクチュエータを備える、請求項1に記載の伸縮ブーム。
【請求項6】
前記ロッキングヘッドがさらに、前記伸縮セクションを隣接するブームセクションに対して連結及び連結解除するための連結装置を備え、前記ロックアクチュエータが前記連結装置を作動させるようにされた、請求項
5に記載の伸縮ブーム。
【請求項7】
前記ベースセクションが基端及び遠位端を有し、前記細長い部材が第1端及び第2端を有しており、前記第1端が前記基端に又は前記基端の近くに配置され、前記第2端が前記基端と前記遠位端との間に配置されている、請求項1に記載の伸縮ブーム。
【請求項8】
前記ベースセクションが基端及び遠位端を有し、前記ロッド-バレルアセンブリが前記遠位端に向かって前記基端と前記遠位端との間の完全伸長位置にまで伸長可能とされた、請求項
1に記載の伸縮ブーム。
【請求項9】
伸縮ブームのための駆動システムであって、
細長い部材と、
前記細長い部材上で駆動されるようにされたロッキングヘッドと、
前記細長い部材上で前記ロッキングヘッドを駆動するようにされたアクチュエータと、
前記ロッキングヘッドが前記アクチュエータの動作に応じて前記細長い部材上で駆動されるように、前記アクチュエータと前記ロッキングヘッドとの間に相互接続されたケーブルアセンブリであって、ケーブル及び複数のシーブを備えるケーブルアセンブリと、
を備え
、
前記アクチュエータがロッド及びバレルを有するロッド-バレルアセンブリであり、前記ロッド-バレルアセンブリを伸長させる又は引き込むように、前記ロッドと前記バレルとのうちの一方が前記ロッドと前記バレルとのうちの他方に対して動作可能とされた、駆動システム。
【請求項10】
前記ケーブルが前記複数のシーブの周りを延びていて、前記ロッド-バレルアセンブリの動きによって前記複数のシーブ上での前記ケーブルの動きがもたらされるようにされた、請求項
9に記載の駆動システム。
【請求項11】
前記ロッド-バレルアセンブリの一定時間での第2の距離にわたる伸長又は引込に応じて、前記ロッキングヘッドが前記細長い部材上で第1の距離を駆動されるようにされ、前記第1の距離が前記第2の距離よりも大きい、請求項
10に記載の駆動システム。
【請求項12】
前記第1の距離が前記第2の距離の2倍の長さである、請求項
11に記載の駆動システム。
【請求項13】
前記ロッキングヘッドがさらに、ロック装置、及び前記ロック装置を作動させるためのロックアクチュエータを備える、請求項
9に記載の駆動システム。
【請求項14】
前記ロッキングヘッドがさらに連結装置を備え、前記ロックアクチュエータが前記連結装置を作動させるようにされた、請求項
13に記載の駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して伸縮ブームに関し、特に伸縮ブームのセクションを伸長したり引き込んだりするための駆動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
伸縮ブームアセンブリは、通常、クレーンのような吊り上げ装置において使用される。伸縮ブームアセンブリは、アセンブリを伸長したり引き込んだりするように相互に伸縮動作するようにされた入れ子状に伸縮自在に配置された複数のセクションを含む。伸縮自在に配置されたセクションは、伸縮可能に固定されたベースセクション、及びベースセクションに対して外方に伸長可能でありベースセクションの中に引込可能である1つ以上の可動セクションを含む。
【0003】
従来から知られているアセンブリにおいては、可動セクションは伸縮シリンダーによって駆動される。伸縮シリンダーは、ベースセクション内に配置されていて、引込位置においてはベースセクションの長さに概して相当する長さを有する。伸縮シリンダーは、個々の可動セクションを選択的に係合したり係合解除したりするようにされたロックピンシステムを有する。ロックピンシステムはまた、伸縮ブームアセンブリの隣接するセクションを連結したり連結解除したりする。ロックピンシステムが第1の可動セクションに係合し、伸縮シリンダーが第1の可動セクションをベースセクションから外方に入れ子状に伸長するように伸長する。伸長位置においては、伸縮シリンダーは、ベースセクションと伸長した第1の可動セクションとを合わせた長さに概して相当する長さを有する。そして、第1の可動セクションは、ロックピンシステムによって、隣接する第2の可動セクションに連結される。ロックピンシステムは、その後に、第1の可動セクションから係合解除され、伸縮シリンダーはベースセクションの中に引き込まれる。この工程が追加の可動セクションを伸長するために繰り返される。例えば、伸縮シリンダーは、引込位置において第2の可動セクションに係合して伸長位置に移動し、第2の可動セクションをベースセクションから外方に駆動する。上述のように第2の可動セクションに連結されている第1の可動セクションは、第2の可動セクションとともに移動可能であり、ベースセクションからさらに離れて伸長される。そして第2の可動セクションは連結され、ロックピンシステムは係合解除されて、伸縮シリンダーは上述のようにして引き込まれる。
【0004】
反対に伸縮ブームアセンブリを引き込むために、伸縮シリンダーは、可動セクションから係合解除されたロックピンシステムとともに伸長位置にまで動かされる。伸長位置において、ロックピンシステムが、例えば、第2の可動セクションに係合し、第2の可動セクションが隣接するセクションから係合解除されて、伸縮シリンダーが第2の可動セクションをベースセクション内に引き込むために引き込まれる。第1の可動セクションは、第2の可動セクションとともに移動し、そして、ベースセクションに向かって動かされる。その後ロックピンシステムは第2の可動セクションを係合解除し、この工程が第1の可動セクションを引き込むために繰り返される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可動セクションは、伸縮シリンダーの伸長及び引込速度と同じ速度で伸長されまた引き込まれる。さらに、上述のとおり、伸縮シリンダーは、ベースセクションと可動セクションとを合わせた長さに概して相当する長さにまで伸長され、ベースセクションの長さに概して相当する長さにまで引き込まれる。よって、可動セクションから係合解除されているときに伸縮シリンダーを再配置するために、伸縮シリンダーは可動セクションの全体長さに概して等しい距離を伸長したり引き込まれたりしなければならない。両状況、すなわち、可動セクションを伸長するか又は引き込むこと、及び伸縮シリンダーを再配置することは、不要に時間がかかり、また一定時間内に実行されうる吊り上げの回数を制約する。また伸長位置においては、伸縮シリンダーはベースセクションから外方に伸長し、これにより伸縮シリンダーの重量が伸縮ブームアセンブリの支点から離れて分布される。これは、伸縮ブームアセンブリ上の荷重を増加させる結果となり、そして、伸縮ブームアセンブリによって吊り上げ可能な最大荷重を減少させる。
【0006】
さらには、伸縮シリンダーは、アクチュエータ、バルブ、センサー、並びに伸長および引込操作中に可動セクションを係合及び連結するための制御ソフトウェアを有する電子モジュールを内蔵している。このため、トロンボーンチューブがロックピンシステムを操作するために伸縮シリンダー内に組み込まれる。トロンボーンチューブはロックピンシステムに圧力を提供する。しかしながら、トロンボーンチューブ内の圧力は、いくつかの例では、伸縮自在に配置されたセクションにおける1つのセクションに対して伸縮シリンダーの全体を移動させるのに十分に高い。よって、伸縮シリンダーはロックピンシステムの操作のための適切な位置を外れて動かされうる。その結果、伸縮シリンダーによる伸縮自在に配置されたセクションの係合、又は隣接するセクションの連結及び連結解除は、達成することが困難になる虞がある。
【0007】
したがって、改良された伸長速度、引込速度、再配置速度、改良された重量分布、及び独立したロックアクチュエータ、を有する伸縮ブームを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一形態にしたがって、伸縮ブームは、ベースセクション、及び前記ベースセクションに対して伸縮動作するようにされた1つ以上の伸縮セクション、を有する複数のブームセクションと、前記ベースセクションに配置された細長い部材と、前記細長い部材上で動作するようにされ、選択的に前記1つ以上の伸縮セクションのうちの1つの伸縮セクションに係合および該伸縮セクションから係合解除されるようにされたロッキングヘッドと、前記細長い部材に沿って前記ロッキングヘッドを駆動するようにされたアクチュエータと、前記ロッキングヘッドが前記アクチュエータの動作に応じて前記細長い部材に沿って駆動されるように、前記アクチュエータと前記ロッキングヘッドとの間に相互接続されたケーブルアセンブリと、を備える。ケーブルアセンブリはケーブル及び複数のシーブを備える。一実施形態においては、アクチュエータはロッド-バレルアセンブリである。別の実施形態においては、アクチュエータはケーブルドラムである。
【0009】
別の形態にしたがって、伸縮ブームのための駆動システムが提供され、該駆動システムは、細長い部材と、前記細長い部材上で駆動されるようにされたロッキングヘッドと、前記細長い部材上で前記ロッキングヘッドを駆動するようにされたアクチュエータと、前記ロッキングヘッドが前記アクチュエータの動作に応じて前記細長い部材上で駆動されるように、前記アクチュエータと前記ロッキングヘッドとの間に相互接続されたケーブルアセンブリと、を備える。ケーブルアセンブリはケーブル及び複数のシーブを備える。一実施形態においては、アクチュエータはロッド-バレルアセンブリである。別の実施形態においては、アクチュエータはケーブルドラムである。
【0010】
本発明のこれらの及び他の特徴及び効果は、添付の特許請求の範囲と併せて、後述する詳細な説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態にかかる伸縮ブームを有するクレーンの側面図である。
【0012】
【
図2】一実施形態にかかる伸縮ブームのための駆動システムの引込駆動位置における斜視図である。
【0013】
【
図3】一実施形態にかかる
図2の伸縮ブームのための駆動システムの伸長駆動位置における斜視図である。
【0014】
【
図4】一実施形態にかかる伸縮ブームのための駆動システムの引込駆動位置における側面を示す概略図である。
【0015】
【
図5】一実施形態にかかる
図4の伸縮ブームのための駆動システムの伸長駆動位置における側面を示す概略図である。
【0016】
【
図6】一実施形態にかかる、駆動システムと別のブームセクション内に引き込まれた伸縮セクションとを有する伸縮ブームの断面の概略図である。
【0017】
【
図7】一実施形態にかかる、伸縮ブームのための駆動アセンブリ内のロッキングヘッドの斜視図である。
【0018】
【
図8】一実施形態にかかる、伸縮ブーム内に設置された駆動システムを示す端面図である。
【0019】
【
図9】別の実施形態にかかる、伸縮ブームのための駆動システムの引込駆動位置における側面を示す概略図である。
【0020】
【
図10】一実施形態にかかる、
図9の伸縮ブームのための駆動システムの伸長駆動位置における側面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本装置は様々な形態での実施の余地があるとはいえ、現時点での好ましい実施形態が図面に示されており以下ではその実施形態を説明してゆくが、ついては本開示は単に装置の例示と見なされるべきであって説明されている特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解されたい。
【0022】
図1は、ここに記載の実施形態にかかるクレーン10の側面図である。クレーン10は、例えば、不整地用クレーン、全地形対応型クレーン、トラッククレーン、工業クレーン、又はブームトラックのような、可動クレーンである。クレーン10は、概して、移動台12と、移動台12上に搭載された上部構造体14とを含む。移動台12は、概して、フレーム16と、タイヤのような回転地面係合要素18とを含む。移動台12はまた、1つ以上のアウトリガーアセンブリ20を含む。
【0023】
上部構造体14は、伸縮ブーム22を含む。上部構造体14はまた、例えば、運転室24、カウンターウェイトアセンブリ26、及びロープやケーブルのような可撓性部材28の巻き込み及び巻き戻しのためのホイスト(図示せず)を含む。可撓性部材28は、伸縮ブーム22に概して沿って延びていて、伸縮ブーム22から吊された自由端部を有する。可撓性部材28の自由端部には、積み荷(図示せず)を係合するためのフックブロックのような吊り上げ器具30が取り付けられる。上部構造体14はまた、移動台12上に上部構造体14を回転可能に搭載するための回転ベッド32を含む。
【0024】
引き続き
図1を参照して、伸縮ブーム22は、複数のブームセクション34、36、38、40によって形成されている。複数のブームセクション34、36、38、40は、ベースセクション34と、ベースセクション34に対して移動可能な1つ以上の伸縮セクション36、38、40とを含む。一実施形態においては、1つ以上の伸縮セクション36、38、40は、例えば、第1の伸縮セクション36、第2の伸縮セクション38、及び第3の伸縮セクション40を含む。しかしながら、第1、第2、及び第3の伸縮セクション36、38、40の参照、及びそれらを描写している図面は、理解を助ける目的で与えられているのであり、本開示を3つの伸縮セクションだけを有する伸縮ブームに限定するものではないことを理解されたい。例えば、異なる実施形態にかかる伸縮ブーム22は、
図6に示され後述されるように、ただ1つの伸縮セクション36を有していても良い。代わりに、伸縮ブーム22は、2つの伸縮セクション又は3つより多い伸縮セクションを含んでいてもよい。
【0025】
各ブームセクション34、36、38、40は、基端42と遠位端44とを有する。ベースセクション34の基端42及び遠位端44だけが
図1で付番されているが、各伸縮セクション36、38、40も基端と遠位端とを有していることを理解されたい。例えば、
図6に示されるように、第1の伸縮セクション36は基端142と遠位端144とを有する。各ブームセクション34、36、38、40の長さは、それぞれのブームセクションの基端と遠位端との間に画定される。一実施形態においては、ベースセクション34の基端42が、回転ベッド32、又は上部構造体14の他の部分に連結されて、ベースセクション34が伸縮動作に対して固定される。
【0026】
伸縮ブーム22は、ブーム引込位置(
図1)とブーム伸長位置(図示せず)との間で移動可能である。ブーム引込位置においては、1つ以上の伸縮セクション36、38、40は、入れ子形態でベースセクション34の中に実質的に引き込まれている。例えば、引込位置においては、第1の伸縮セクション36は第2の伸縮セクション38の中に受け入れられ、第2の伸縮セクション38は第3の伸縮セクション40の中に受け入れられ、第3の伸縮セクション40はベースセクション34の中に受け入れられる。
【0027】
ブーム伸長位置において、第1の伸縮セクション36は、第2の伸縮セクション38の遠位端から外側に伸長するように第2の伸縮セクション38に対して外方に入れ子状に伸縮自在に動かされることは、当業者にとって明らかであろう。同様に、第2の伸縮セクション38は第3の伸縮セクション40に対して入れ子状に伸縮自在に外方に動かされ、第3の伸縮セクション40はベースセクション34に対して入れ子状に伸縮自在に外方に動かされる。中間のブーム位置は、1つ以上の伸縮セクション36、38、40の部分的な伸長によって達成されることを理解されたい。
【0028】
図2-6を参照して、伸縮ブーム22は、ベースセクション34に対して移動するように1つ以上の伸縮セクション36、38、40を駆動し、そして伸縮ブーム22をブーム引込位置とブーム伸長位置との間で動かすための駆動システム46を含む。
図2及び3は、一実施形態にかかる駆動システム46の引込駆動位置(
図2)及び伸長駆動位置(
図3)における斜視図である。
図4及び5は、一実施形態にかかる駆動システム46の引込駆動位置(
図4)及び伸長駆動位置(
図5)における側面の概略図である。
図6は、一実施形態にかかる伸縮ブーム22内に配置された駆動システム46の断面側面図である。上述のように、また
図6に示されるように、一実施形態においては、1つ以上の伸縮セクションはベースセクション34に対して伸縮動作するようにされた第1の伸縮セクション36のみを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態においては、追加の伸縮セクションを
図6に示す実施形態におけるベースセクション34と第1の伸縮セクション36との間に入れるようにしてもよい。
【0029】
図2-6をさらに参照して、一実施形態においては、駆動システム46は、細長い部材48、細長い部材48上で動くようにされたロッキングヘッド50、ロッキングヘッド50を細長い部材48に沿って駆動するようにされたアクチュエータ52、及びアクチュエータ52とロッキングヘッド50との間に相互接続されたケーブルアセンブリ54とを含み、アクチュエータ52がケーブルアセンブリ54を介してロッキングヘッド50を駆動するようになっている。一実施形態においては、アクチュエータ52は、ロッド-バレルアセンブリ(rod-barrel assembly)のようなリニアアクチュエータである。したがって、一実施形態においては、アクチュエータ52はロッド56とバレル58とを含む。ロッド56とバレル58とのうちの一方が、ロッド56とバレル58とのうちの他方に対して移動可能すなわち伸長可能である。一実施形態においては、ロッド56とバレル58とのうちの他方は固定されているか又は動かない。一実施形態においては、ロッド56はバレル58内に摺動可能に受け入れられる。ロッド-バレルアセンブリ52は、例えば、当該技術分野において理解されるように、空気圧又は油圧により駆動されるようにできる。他の適したリニアアクチュエータも同様に想定され得る。
【0030】
図2-6を参照し、特に
図4及び5を参照して、一実施形態においては、駆動システム46が引込駆動位置(
図4)から伸長駆動位置(
図5)に動かされたときに、ロッキングヘッド50は細長い部材48に沿って第1の距離D1を移動する。同様に、駆動システム46が引込駆動位置から伸長駆動位置に動かされたときに、ロッド-バレルアセンブリ52は、ロッド56とバレル58とのうちの一方のその他方に対する移動により、第1の距離D1よりも小さい第2の距離D2に亘って伸長する。
【0031】
一実施形態においては、駆動システム46は、ベースセクション34内に配置されている。また、一実施形態においては、駆動システム46は、引込駆動位置と伸長駆動位置との両方においてベースセクション34内に配置されている。すなわち、一実施形態においては、駆動システム46は、引込駆動位置と伸長駆動位置とのいずれにおいてもベースセクション34の遠位端44を超えて伸長しない。例えば、一実施形態においては、ロッド-バレルアセンブリ52は、引込位置から、ベースセクション34の遠位端44を超えて伸長しない完全伸長位置にまで動かされる。すなわち、一実施形態においては、ロッド-バレルアセンブリ52は、遠位端44に向かって、ベースセクションの基端42と遠位端44との間の完全伸長位置にまで伸長する。一実施形態においては、駆動システム46は完全にベースセクション34内に配置される。
【0032】
細長い部材48は、実質的に剛体である部材であり、ロッキングヘッド50がその上で動くことができる、例えば、ロッド、チューブ、レール、又は他の適した構造体として形成することができる。細長い部材48は長さが固定されている。一実施形態においては、細長い部材48は、ベースセクション34の遠位端44を超えて延びていない。例えば、一実施形態においては、細長い部材48は、ベースセクション34の基端42に又はその近くに配置された第1端60と、ベースセクション34内に配置された第2端62とを有する。細長い部材48はまた、ベースセクション34の長さよりも小さい長さを有する。
【0033】
図4及び5に最も良く示されるように、ケーブルアセンブリ54は、ケーブル64と、ケーブル64がその周りを延びる複数のシーブ66、68とを含む。一実施形態においては、複数のシーブ66、68は、ロッド-バレルアセンブリ52の動き、すなわち伸長又は引込によって、ロッキングヘッド50がロッド-バレルアセンブリ52の伸長又は引込と実質的に同じ方向に動くように配置される。一実施形態においては、複数のシーブ66、68は、2つ以上の固定シーブ66、すなわち駆動システム46に対して固定された位置に取り付けられたシーブと、ロッド-バレルアセンブリ52上に取り付けられてロッド-バレルアセンブリ52と共に可動である可動シーブ68とを含む。一実施形態においては、固定シーブ66は、ベースセクション34内で、例えば、細長い部材48上または細長い部材48に接続されたブロック上に直接的に又は間接的に取り付けられている。一実施形態においては、ケーブル64は、ロッド-バレルアセンブリ52の動きによってシーブ66、68上でのケーブル64が生じるように、ロッキングヘッド50に固定して取り付けられている。ケーブル64の動きは、次いで、ロッキングヘッド50に牽引力を加えて、ロッキングヘッド50を細長い部材48上で動かす。一実施形態においては、複数のシーブ66、68のうちの1つ以上のシーブがケーブル64の動きに伴って回転するようにされている。一実施形態においては、ケーブル64は適切な金属ケーブルである。代わりに、ケーブル64はロープまたは合繊ロープとすることもできる。
【0034】
したがって、上述の
図1-6に示された実施形態において、ロッキングヘッド50は、アクチュエータ52によって駆動され、細長い部材48に沿って動く。
図4及び5に示されるように、駆動システム46が引込駆動位置から伸長駆動位置に動いたときに、ロッキングヘッド50はロッド-バレルアセンブリ52よりも長い距離、すなわち第1の操作距離D1を動き、ロッド-バレルアセンブリ52はロッキングヘッド50が第1の操作距離D1にわたって動くのと同じ時間で第2の操作距離D2にわたって伸長する。よって、ロッキングヘッド50はロッド-バレルアセンブリ52よりも速い速度で動く。一実施形態においては、第1の操作距離D1は第2の操作距離D2のおよそ2倍の長さである。したがって、ロッキングヘッド50は、ロッド-バレルアセンブリ52が伸長したり引き込まれたりする速度のおよそ2倍の速度で細長い部材48に沿って動かされる。
【0035】
図7は一実施形態にかかるロッキングヘッド50の拡大斜視図である。
図8は、伸縮セクション36、38、40のうちの1つに配置されたロッキングヘッド50の斜視図である。例えば、
図8に示された伸縮セクションは第3の伸縮セクション40である。上述のように、第3の伸縮セクション40は、ベースセクション34(明確にするために
図8からは省略されている)の中に配置されていて、ベースセクション34に対して入れ子状に伸縮自在に可動である。加えて、第1及び第2の伸縮セクション36、38(明確にするために
図8からは省略されている)は第3の伸縮セクション40内において入れ子状とされ、第3の伸縮セクション40に対して伸縮動作するようにされている。
図8においては第3の伸縮セクション40に付番されているが、
図8に描画された伸縮セクションはここに記載の何れの他の伸縮セクションでもあり得る。一実施形態においては、ロッキングヘッド50は、選択的に、第3の伸縮ブームセクション40のような伸縮セクションに係合又はそれから係合解除するようにされている。第3の伸縮セクション40(例えば)に係合したときには、ロッキングヘッド50の細長い部材48上での動きによってベースセクション34に対する第3の伸縮セクション40の伸縮動作が引き起こされる。ロッキングヘッド50は、第3の伸縮セクション40から係合解除したときには、第3の伸縮セクション40に対して細長い部材48に沿って動く。一実施形態においては、細長い部材48及びアクチュエータ52は取付ブロック70の一端に固定されている。取付ブロック70は、上部構造体14に、例えばベースセクション34において固定されている。
【0036】
さらに、ロッキングヘッド50は、1つ以上の伸縮セクション36、38、40のうちの1つの伸縮セクションを隣接するブームセクション34、36、38に連結して、伸縮セクション36、38、40が連結されている隣接するブームセクション34、36、38に対する伸縮動作に対して伸縮セクション36、38、40を実質的に固定する。例えば、第1の伸縮セクション36は、第2の伸縮セクション38に連結されて、第1の伸縮セクション36を第2の伸縮セクション38に対する伸長位置に保持する。ロッキングヘッド50はまた、1つ以上の伸縮セクション36、38、40のうちの1つの伸縮セクションを隣接するブームセクション34、36、38から連結解除して、隣接するブームセクション34、36、38に対する伸縮セクション36、38、40の伸縮動作を可能とする。例えば、第1の伸縮セクション36は第2の伸縮セクション38から連結解除されて、第1の伸縮セクション36を第2の伸縮セクション38内に引き込むことが可能となる。
【0037】
図7及び8を参照して、一実施形態においては、ロッキングヘッド50は、当業者に理解される、1つ以上の伸縮セクション36、38、40のうちの1つの伸縮セクションに対して選択的に係合及び係合解除するための1つ以上のロックピンのような適切なロック装置を含む。さらに、一実施形態においては、ロッキングヘッド50は、当業者に理解される、1つ以上の伸縮セクション36、38、40のうちの1つの伸縮セクションを隣接するブームセクション34、36、38に連結し、またそれから連結解除するように作用する、ブームセクション上の連結機構を作動させるようにされた1つ以上の連結アームのような適切な連結装置を含む。そのような適切なロック装置及び適切な連結装置の例は、カウパート(Kaupert)らによる米国特許出願2015/0041422号公報に示されて記載されており、その全体が参照によりここに組み入れられる。
【0038】
図7及び8を引き続き参照して、一実施形態においては、ロッキングヘッド50のロック装置は1つ以上の作動可能なロックピン72を含む。1つ以上のロックピン72は、ロッキングヘッド50の本体74から延びて伸縮セクション36、38、40のうちの1つに係合し、また本体に向かって又はその中に引き込まれて伸縮セクション36、38、40を係合解除する。また、一実施形態においては、連結装置は、伸縮セクション36、38、40と隣接するブームセクション34、36、38とを連結及び連結解除するために1つ以上の連結部材78を操作するように作動する1つ以上の枢動連結アーム76である。
図7及び8において、ケーブル64は明確にするために省略されている。
【0039】
一実施形態においては、ロッキングヘッド50はロックアクチュエータ80を含む。例えば、ロックアクチュエータ80はロッキングヘッド50の本体74に搭載されている。ロックアクチュエータ80はロック装置と連結装置との1つ以上に動作可能に連結されている。したがって、一実施形態においては、ロックアクチュエータ80は、ロックピン72を駆動すなわち引き込むか、又は連結アーム76を駆動すなわち枢動させる。ロックアクチュエータ80は、例えば、空気圧式、油圧式、電気式、磁気式、又は他の既知の、適切なアクチュエータとすることができる。別の実施形態においては、ロックアクチュエータ80は、ロッキングヘッド50から離れて配置され、ロッキングヘッド50に動作可能に接続されて、ロック装置及び連結装置を操作する。一実施形態においては、分離したロックアクチュエータがロック装置及び連結装置を作動させるために設けられる。
【0040】
再び
図7を参照して、一実施形態においては、ロッキングヘッド50は細長い部材48上で摺動するようにされている。例えば、ロッキングヘッド50は、細長い部材48に対して摺動係合するように細長い部材48を少なくとも部分的に受け入れるようにされた、チャネル、溝、穴82、又は同様なものを含む。別の実施形態においては、ロッキングヘッド50は細長い部材48上で回転動作するようにされる。例えば、ロッキングヘッド50は、細長い部材48に対して回転係合するようにされた、ローラーベアリング、ボールベアリング、ホイールなどのような回転要素を含むことができる。別の実施形態においては、細長い部材48上でのロッキングヘッド50の動きを可能とする、ロッキングヘッド50と細長い部材48との間の既知の適切な係合部材を使用することができる。
【0041】
上述の実施形態においては、ロックアクチュエータ80は、ロックピン72を作動させて伸縮セクションに係合させる。次に、駆動システムのアクチュエータ例えばロッド-バレルアセンブリ52は、伸長されて、ケーブルアセンブリ54を介してロッキングヘッド50を駆動する。一実施形態においては、ロッキングヘッド50は細長い部材48上を第2端62に向かって第1の距離に沿って駆動され、アクチュエータ52は第1の距離よりも小さい第2の距離を伸長し、伸縮セクション例えば第1のセクション36をベースセクション34及び他の引き込まれた第2及び第3のセクション38、40のような伸縮セクションから外方に伸長させる。第1の距離は伸長されている伸縮セクションの距離に概して一致する。伸縮セクションが伸長された状態で、ロックアクチュエータ80は、連結アーム76を駆動して伸縮セクションを隣接するブームセクションに連結し、伸縮セクションを隣接するブームセクションに対して伸長位置に保持する。次にロックアクチュエータ80は、ロックピン72を作動させて伸縮セクションから係合解除する。次にアクチュエータ52は、第2の距離にわたって引き込まれて、ロッキングヘッド50を細長い部材48に沿って第1端60に向かって第1の距離にわたり駆動する。ロッキングヘッド50は、伸縮セクションから係合解除されたときに、伸縮セクションに対して移動可能となっている。上述の工程が繰り返されて追加の伸縮セクションを伸長するようにする。
【0042】
ブームの伸縮セクションを引き込むために、ロッキングヘッド50は、ロックピン72が伸縮セクションから係合解除された状態で、細長い部材48の第1端60に又はその近くに配置されている。アクチュエータ52は、第2の距離にわたって伸長されて、ロッキングヘッド50をケーブルアセンブリ54を介して第1の距離にわたって駆動する。ロッキングヘッド50は細長い部材48の第2端62に向かって駆動される。ロックアクチュエータ80はロックピン72を作動させて伸縮セクションに係合させる。ロックアクチュエータ80はまた、連結アーム76を作動させて、伸縮セクションを隣接するブームセクションから連結解除する。次にアクチュエータ52は、第2の距離にわたって引き込まれて、ロッキングヘッド50を細長い部材48に沿って第1の距離にわたって駆動する。伸縮セクションは、ロックピンの係合によってロッキングヘッド50とともに動き、隣接するブームセクション及びベースセクション34の中に引き込まれる。ロックアクチュエータ80は、連結アームを作動させてそのときに引き込まれた伸縮セクションを隣接する引き込まれた伸縮セクション又はベースセクションのような直接隣接するブームセクションに連結し、そのときに引き込まれた伸縮セクションを引込位置に保持する。次にロックアクチュエータ80は、ロックピン72を作動させて伸縮セクションから係合解除する。上記工程が繰り返されて追加の伸縮セクションを引き込むようにする。
【0043】
よって、上記実施形態においては、ロッキングヘッド50は、一定時間での第2の距離にわたるアクチュエータ52の伸長に応じて、第1の距離を動く。第1の距離は、第2の距離よりも大きく、一実施形態においては第2の距離のおよそ2倍の長さである。よって、ロッキングヘッド50は、アクチュエータ52の伸長速度または引込速度よりも大きな速度で動く。アクチュエータ52の伸長速度または引込速度は、一実施形態においては、ロッドとバレルとのうちの一方の、ロッドとバレルとの他方に対する速度を参照している。したがって、ロッキングヘッド50は、伸縮セクションに係合しているときには、伸縮セクションをアクチュエータ52の伸長速度または引込速度よりも大きな速度で伸長または引き込むように駆動する。そのため、上記実施形態においては、伸縮セクションは、伸縮シリンダーによって駆動される従来の伸縮ブームアセンブリに比べてより大きな速度で伸長又は引き込まれるように駆動される。さらに、ここ開示の実施形態においては、第2の距離に相当するアクチュエータ52の伸長長さは、従来の伸縮ブームアセンブリにおける伸縮シリンダーに比べて低減される。したがって、ここに記載のアクチュエータを伸長及び引込又は再配置するために要する時間は、同じ速度で操作されたときに、従来の伸縮シリンダーに比べて低減される。そのため、伸縮セクションを伸長又は引き込むのに要する時間が、従来の伸縮ブームアセンブリに比べて低減される。
【0044】
また、駆動アセンブリ46はベースセクション34内に配置されてベースセクション34の遠位端44を超えて伸長しないため、駆動アセンブリ46の重量配分はベースセクション34に限定される。よって、伸縮ブーム上の荷重は、ベースセクションを超えて伸長する伸縮シリンダーを有する従来の伸縮ブームアセンブリと比べて、低減される。さらに、上述の実施形態に記載されているようにロッキングヘッド50をアクチュエータ52から分離することによって、ロックピンシステム及び/又は連結システムを駆動するための伸縮シリンダーにおける従来のトロンボーンチューブの必要性がなくなる。むしろ、分離したロックアクチュエータ80は、上記実施形態に記載されているように、ロッキングヘッド50に設けられるか又はロッキングヘッド50に動作可能に接続される。
【0045】
図9及び10は、別の実施形態にかかる伸縮ブームのための駆動アセンブリ146の側面図である。
図9及び10を参照して、一実施形態においては、駆動アセンブリ146は、実質的に上述のような、ロッキングヘッド50及び細長い部材48を含む。しかしながら、アクチュエータはケーブルドラム152である。ケーブルドラム152は、ケーブル164と、ケーブル164がその周りに延びる1つ以上のシーブ166と、を有するケーブルアセンブリ154に接続されている。ケーブル164はロッキングヘッド50に固定して取り付けられている。シーブ166は、例えば、ケーブルドラム152及び/又は細長い部材48に対して固定されている。シーブ166はケーブル164の動きに応じて軸上で回転する。ケーブルドラム152は上部構造体14に適宜搭載されている。ケーブル164は金属ケーブル、ロープ、又は合繊ロープとすることができる。
【0046】
したがって、第1の方向へのケーブルドラム152の回転によって、ケーブル164がシーブ166を通って動くように駆動されて、ロッキングヘッド50が細長い部材48に沿って動くように駆動される。よって、ロッキングヘッド50は、細長い部材48の第1端60の位置またはその近くの位置(
図9)から、細長い部材48の第2端62の位置またはその近くの位置(
図10)にまで動かされる。一実施形態においては、ロック部材50が第1端60の位置又はその近くの位置にある状態で、駆動システム146は引込駆動位置(
図9)となる。ロック部材が第2端62の位置又はその近くの位置にある状態で、駆動システムは伸長駆動位置(
図10)となる。第2の方向へのケーブルドラム152の回転によって、シーブ166を通るケーブル164の動きが生じて、ロッキングヘッド50は第1端60に向かって駆動される。
【0047】
図9及び10の実施形態においては、ロッキングヘッド50の動き及び速度は、ケーブルドラム152の回転速度を制御することにより厳密に制御される。また、ロッキングヘッド50の速度、そしてロッキングヘッド50が係合されている伸縮セクションの速度は、従来の伸縮ブームにおいて伸縮シリンダーが伸長する速度又は引き込まれる速度を超える。例えば、一実施形態においては、ケーブルドラム152は、モータによって駆動されて、ケーブルアセンブリ154を介して直線運動に変換されたときに従来の伸縮シリンダーが伸長する速度又は引き込まれる速度を超える速度で、回転する。
【0048】
いくつかの実施形態においては、駆動システム46、146はさらに、ケーブルアセンブリ54、154における遅延を低減するためにケーブルテンショナーを含むことができる。したがって、アクチュエータ52、152の動きは、ロッキングヘッド50にケーブルアセンブリ54、154を介してより直接的に伝達される。また、長さセンサーがクローズドループフィードバックで使用されて、例えば細長い部材48上でのロッキングヘッド50の位置を求めて、ロッキングヘッド50の位置に基づいてアクチュエータ52、152の操作を制御するようにすることができる。
【0049】
何れの上述の実施形態からの様々な特徴は、ここに記載の他の実施形態において一緒に利用できることを理解されたい。また、上述の異なる実施形態にまたがって使用された同じか又は類似の用語は、記載された又は図面に示された相違を除き、同じか又は類似の構成要素を参照する。
【0050】
ここに引用した全ての特許文献は、本開示の記載の中で明確に組み込まれているか否かに関わらず、引用によりここに組み込まれる。
【0051】
本開示における、単数形は単数および複数の両方を含むと解釈される。その逆に、複数アイテムとしての如何なる参照も、必要に応じて、単数を含む。加えて、「上方」「下方」のような方向を参照するための用語は、例示を目的としてのみ使用されており、本開示の主題を特定の方向に限定しないことを理解されたい。
【0052】
上記より数の修正や変更が、本開示の新規概念の真の精神及び範囲から離れることなく、なされうる。例示された特定の実施形態に関する如何なる限定も、意図されておらずまた示唆されない。本開示は、特許請求の範囲内にある全てのそのような変更を包含することを意図している。