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特許7393373車両部品流通支援装置、車両部品流通支援方法及び車両部品流通支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】車両部品流通支援装置、車両部品流通支援方法及び車両部品流通支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20231129BHJP
【FI】
G06Q30/015
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021030813
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131718
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】510084297
【氏名又は名称】株式会社ブロードリーフ
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】柳 征爾
(72)【発明者】
【氏名】水間 俊丞
(72)【発明者】
【氏名】山本 智一
(72)【発明者】
【氏名】甲田 裕亮
(72)【発明者】
【氏名】武井 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】福井 靖和
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-132433(JP,A)
【文献】特開2003-150817(JP,A)
【文献】特開2000-099585(JP,A)
【文献】特許第5410642(JP,B1)
【文献】特開2007-219687(JP,A)
【文献】特開2012-014295(JP,A)
【文献】特開2009-265744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置であって、
前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データと、売買対象となる車両部品と該車両部品に対し代替可能な代替車両部品との関係を示す代替部品一覧データとを記憶する記憶部と、
部品提供者によって用いられる第1ユーザ端末から、新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記部品在庫データを更新する部品在庫更新部と、
部品利用者によって用いられる第2ユーザ端末から、購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索する対象部品検索部と、
前記対象部品検索部によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報を提示する対象部品提示部と、
前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する対象部品登録部と、
前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、前記対象部品登録部によって登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合する予約部品照合部と、
前記予約部品照合部によって照された場合、前記第2ユーザ端末に向けて前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を通知するユーザ通知部と、を備えていることを特徴とする車両部品流通支援装置。
【請求項2】
前記対象部品提示部によって表示画面に提示された前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とに対して所定のユーザ操作の入力を受け付けることで、前記購入対象となる車両部品と前記代替車両部品との選択画像を表示画面に提示する部品入力ガイド部を備え、
前記部品入力ガイド部は、選択画像として表示画面に提示された前記購入対象となる車両部品と前記代替車両部品との候補の中から、ユーザ操作による所定の車両部品の選択画像の選択を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の車両部品流通支援装置。
【請求項3】
前記車両部品は、中古車両部品であって、
前記対象部品登録部は、前記予約対象となる車両部品の情報として車両部品の識別情報と、車両部品の購入条件の情報とを含む予約情報を登録し、
前記予約部品照合部は、前記予約情報との照合を行い、
前記ユーザ通知部は、前記予約情報との照合が取れたときに、通知対象となる前記第2ユーザ端末が複数存在する場合には、全ての前記第2ユーザ端末に向けて通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両部品流通支援装置。
【請求項4】
前記ユーザ通知部は、
通知対象となる前記第2ユーザ端末が複数存在する場合には、所定の優先条件に基づいて優先順位の高い前記第2ユーザ端末に第1のタイミングで通知し、
前記優先順位の低い前記第2ユーザ端末には前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで通知することを特徴とする請求項に記載の車両部品流通支援装置。
【請求項5】
前記第1ユーザ端末から所定の閲覧要求を受け付けて、前記対象部品登録部によって登録された前記予約対象となる車両部品の情報を表示画面上に提示する部品提示部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両部品流通支援装置。
【請求項6】
両部品の流通を支援するコンピュータによって実行される車両部品流通支援方法であって、
前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データと、売買対象となる車両部品と該車両部品に対し代替可能な代替車両部品との関係を示す代替部品一覧データとを記憶する記憶部を備える前記コンピュータが、
新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記部品在庫データを更新することと、
購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索することと、
検索によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報を提示することと、
前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録することと、
前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合することと、
された場合前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報をユーザ通知することと、を実行することを特徴とする車両部品流通支援方法。
【請求項7】
車両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置としてのコンピュータに、
新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データを更新する処理と、
購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて売買対象となる車両部品及び該車両部品に対し代替可能な代替車両部品の関係を示す代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索する処理と、
検索によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報とを提示する処理と、
前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する処理と、
前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合する処理と、
照合された場合、前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報をユーザ通知する処理と、を実行させることを特徴とする車両部品流通支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両部品流通支援装置車両部品流通支援方法及び車両部品流通支援プログラムに係り、特に、車両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置車両部品流通支援方法及び車両部品流通支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の中古部品の在庫情報をネットワークを通じて提供し、中古部品を提供したい部品提供者と、中古部品を購入したい部品利用者との間で売買を成立させることで、車両の中古部品の流通を支援する車両部品流通支援システムが知られている。
また、車両の中古部品の売買を促進させるために、例えば特許文献1のように、部品提供者と部品利用者の双方に対して商取引全般をサポートする中古部品流通システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-203998号公報
【文献】特開2017-16224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような車両部品(特に車両中古部品)を売買対象とする車両部品流通支援システムでは、例えば、部品利用者にとって希望する車両部品の在庫がない場合には、在庫状況を定期的に確認する必要があった。また部品提供者にとっては、購買需要の高い車両部品の情報を知ることができず、部品利用者が希望する車両部品を好適に提供することができず、販売機会を逃してしまうことがあった。
そこで、車両部品(車両中古部品)の売買を一層促進させるために、部品利用者による在庫部品の確認作業の手間を軽減するとともに、部品提供者による販売機会の損失を減らすことが可能な車両部品流通支援システムが求められていた。
【0005】
なお、車両部品(車両中古部品)を販売対象とするものではないが、特許文献2に記載の自動車売買サポートシステムでは、購入希望者による自動車の購入希望条件を登録処理し、追って希望の自動車の販売登録を販売者から受け付けた場合には、双方をマッチング処理することが一応開示されている。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、車両部品(車両中古部品)の売買を一層促進させることが可能な車両部品流通支援装置及び車両部品流通支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の車両部品流通支援装置によれば、両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置であって、前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データと、売買対象となる車両部品と該車両部品に対し代替可能な代替車両部品との関係を示す代替部品一覧データとを記憶する記憶部と、部品提供者によって用いられる第1ユーザ端末から、新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記部品在庫データを更新する部品在庫更新部と、部品利用者によって用いられる第2ユーザ端末から、購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索する対象部品検索部と、前記対象部品検索部によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報を提示する対象部品提示部と、前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する対象部品登録部と、前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、前記対象部品登録部によって登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合する予約部品照合部と、前記予約部品照合部によって照された場合、前記第2ユーザ端末に向けて前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を通知するユーザ通知部と、を備えていること、により解決される。
【0008】
上記のように、車両部品流通支援装置は、第2ユーザ端末からの要求を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する対象部品登録部と、部品在庫データが更新されたときに予約対象となる車両部品の情報を照合する予約部品照合部と、予約部品照合部によって予約対象となる車両部品の情報の照合が取れたときに、第2ユーザ端末に向けて通知するユーザ通知部と、を備えているため、車両部品の売買を一層促進させることが可能となる。
すなわち、部品利用者にとって在庫部品の確認作業の手間を軽減することができる。そして、部品提供者による販売機会の損失を減らすことにもつながる。
【0009】
また前記課題は、両部品の流通を支援するコンピュータによって実行される車両部品流通支援方法であって、前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データと、売買対象となる車両部品と該車両部品に対し代替可能な代替車両部品との関係を示す代替部品一覧データとを記憶する記憶部を備える前記コンピュータが、新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記部品在庫データを更新することと、購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索することと、検索によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報を提示することと、前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録することと、前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合することと、された場合前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報をユーザ通知することと、を実行する車両部品流通支援方法によっても解決される。
また前記課題は、車両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置としてのコンピュータに、新たな売買対象となる車両部品の情報を取得し、前記車両部品の在庫情報を示す部品在庫データを更新する処理と、購入対象となる車両部品の情報を要求する対象部品要求データを受け付けて、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて売買対象となる車両部品及び該車両部品に対し代替可能な代替車両部品の関係を示す代替部品一覧データを参照して前記購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を検索する処理と、検索によって前記購入対象となる車両部品の情報と、前記代替車両部品の情報とが抽出された場合に、前記購入対象となる車両部品の情報と、併せて前記代替車両部品の情報を提示する処理と、前記購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、前記購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する処理と、前記部品在庫データが更新されたときに又は更新された後に、登録された前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報を照合する処理と、照合された場合、前記予約対象となる車両部品の情報と、併せて前記予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報をユーザ通知する処理と、を実行させる車両部品流通支援プログラムによっても解決される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両部品流通支援装置及び車両部品流通支援方法によれば、車両部品の売買を一層促進させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の車両部品流通支援システム全体の構成図である。
図2】車両部品流通支援システムのハードウェア構成を説明する図である。
図3】車両部品流通支援システムの機能を説明する図である。
図4A】部品検索画面(入力画面)の一例を示す図である。
図4B】部品検索画面(出力画面(抽出あり))の一例を示す図である。
図4C】部品検索画面(出力画面(抽出なし))の一例を示す図である。
図5A】部品予約画面(入力画面)の一例を示す図である。
図5B】ユーザ通知を受け取った画面の一例を示す図である。
図6A】部品予約画面(入力画面)の一例を示す図である。
図6B】高需要部品一覧画面(出力画面)の一例を示す図である。
図7A】部品検索画面(検索内容の入力画面)の一例を示す図である。
図7B】部品選択ガイド画面の一例を示す図である。
図8】車両部品流通支援方法(部品検索方法)を示す処理フロー図である。
図9】車両部品流通支援方法(部品予約方法)を示す処理フロー図である。
図10】車両部品流通支援方法(高需要部品提示方法)を示す処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図1図10を参照して説明する。
本実施形態の車両部品流通支援システムSは、図1に示すように、売買対象となる「車両部品」の在庫情報をネットワークを通じて提供し、車両部品の流通を支援する車両部品流通支援装置1と、車両部品流通支援装置1とネットワークを通じてそれぞれ接続され、「部品提供者」によって用いられる複数の第1ユーザ端末100と、「部品利用者(部品購入者)」によって用いられる複数の第2ユーザ端末200と、から主に構成されている。
【0013】
ここで「車両部品」とは、車両の中古部品に相当し、車両のリサイクル部品を含むものである。なお、中古部品に限定されることなく、新品部品を含むものとしても良い。
「部品提供者」とは、例えば、中古部品販売者(中古部品生産者)である。中古部品販売者は、入庫された中古車両を状態確認し、再販可能な中古部品が存在する場合には、リサイクル法に基づき解体処理する。解体処理中に中古部品を取り外し、品質確認を行い、検査記録簿を作成する。そして、車両部品流通支援装置1の在庫データベースに売買対象となる中古部品を商品登録する。なお、上記のように業者向け販売を行うほか、一般消費者向けの販売ウェブサイト上に商品登録し、一般消費者向けに販売する場合もある。
「部品利用者」とは、例えば、部品購入業者であって、整備工場、板金工場、ガソリンスタンド、リース・レンタカー等の業者や、部品商等の卸売業者である。部品購入業者は、車両部品流通支援装置1の在庫データベースにアクセスし、購入対象となる中古部品の在庫状況を確認し、希望の購入条件を満たす中古部品が存在すれば、中古部品の状態確認、購入条件に関する交渉を行い、当該中古部品を発注する。
【0014】
車両部品流通支援装置1は、ネットワークを介して接続される第1ユーザ端末100、第2ユーザ端末200に対し、ソフトウェアサービスを提供する装置である。
詳しく述べると、車両部品流通支援装置1は、車両部品の売買に関する支援業務全般のうち、特に車両部品の売買マーケットを運営、管理するソフトウェアサービスを第1ユーザ端末100(部品提供者)及び第2ユーザ端末200(部品利用者)に対して提供するものである。
【0015】
第1ユーザ端末100は、部品提供者によって操作される情報端末であって、具体的には、PC、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータである。
第1ユーザ端末100は、車両部品流通支援装置1とネットワークを介して接続され、車両部品流通支援装置1からソフトウェアサービスの提供を受けるものである。
例えば、表示画面(新規部品登録画面)上で、ユーザ操作による「車両部品の識別情報」、「車両部品の販売条件」等の入力又は選択を受け付けて、新規の車両部品の販売登録を行うことができる。言い換えれば、図2に示す「販売部品登録データ」を車両部品流通支援装置1に向けて送信し、当該車両部品の登録情報を適宜更新させることができる。
また、ユーザ操作の入力を受け付けて購買需要のある車両部品の一覧内容の閲覧を要求し、表示画面上に「高需要部品一覧画面」を表示することができる(図6B参照)。言い換えれば、図2に示す「閲覧要求データ」を車両部品流通支援装置1に向けて送信し、車両部品流通支援装置1から図2に示す「高需要部品一覧データ」を取得し、当該データを出力表示することができる。
【0016】
第2ユーザ端末200は、部品利用者によって操作される情報端末であって、第1ユーザ端末100と同様のコンピュータであって、車両部品流通支援装置1からソフトウェアサービスの提供を受けるものである。
例えば、図4Aに示す表示画面(部品検索画面)上で、ユーザ操作による「車両部品の識別情報」、「車両部品の購入条件」等の入力又は選択を受け付けて、購入対象となる車両部品の在庫状況を検索することができる。言い換えれば、図2に示す「対象部品要求データ」を車両部品流通支援装置1に向けて送信し、車両部品流通支援装置1から検索結果の内容を取得し、当該検索結果の内容を表示することができる。
また、図5Aに示す表示画面(部品予約画面)上で、ユーザ操作による「車両部品の識別情報」、「車両部品の購入条件」等の入力又は選択を受け付けて、予約対象となる車両部品を事前登録することで、追って予約部品の新規登録がなされた場合に「ユーザ通知」を受け取ることができる(図5B参照)。言い換えれば、図2に示す「予約部品要求データ」を車両部品流通支援装置1に向けて送信し、追って予約部品の新規登録がなされた場合に車両部品流通支援装置1から図2に示す「ユーザ通知データ」を受け取ることができる。
【0017】
なお、説明の便宜上、上記においては第1ユーザ端末100と、この第1ユーザ端末100とは異なる第2ユーザ端末200とを別々に設けた構成としているが、第1ユーザ端末100と第2ユーザ端末200とは同一の端末であってもよい。この場合、第1ユーザ端末100では、第2ユーザ端末200における機能・処理全てを実行することが可能であり、また、第2ユーザ端末200では、第1ユーザ端末100における機能・処理全てを実行することが可能であることを示す。
【0018】
<車両部品流通支援システムのハードウェア構成>
車両部品流通支援装置1は、図2に示すように、データの演算・制御処理装置としてのCPUと、記憶装置としてのROM、RAM、及びHDD(SSD)と、インターネットを通じて情報データの送受信を行う通信用IFと、を備えたコンピュータである。
車両部品流通支援装置1の記憶装置には、コンピュータとして必要な機能を果たすメインプログラムに加えて、車両部品流通支援プログラムが記憶されており、これらプログラムがCPUによって実行されることにより、車両部品流通支援装置1の機能が発揮されることになる。
なお、第1ユーザ端末100や第2ユーザ端末200についても同様のハードウェア構成を備えたコンピュータである。
【0019】
<車両部品流通支援システムの機能>
車両部品流通支援装置1は、図3に示すように、機能面から説明すると、「部品在庫データ」、「購入履歴データ」、「代替部品一覧データ」、「関連部品一覧データ」、「予約部品要求データ」等、各種プログラム及び各種データを記憶しておく記憶部10と、部品在庫更新部11と、対象部品検索部12と、対象部品提示部13と、対象部品登録部14と、予約部品照合部15と、ユーザ通知部16と、優先順位設定部17と、部品データ生成部18と、高需要部品提示部19(部品提示部)と、権限設定部20と、関連度算出部21と、関連部品データ生成部22と、部品入力ガイド部23と、を主な構成要素として備えている。
これらは、CPU、ROM、RAM、HDD、通信用インタフェース、及び各種プログラム等によって構成されている。
【0020】
第1ユーザ端末100、第2ユーザ端末200についても機能面から説明すると、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶部110、210と、車両部品流通支援装置1との間で各種データを送受信する通信部111、211と、車両部品流通支援装置1から提供される車両部品の売買に関するサービス内容を画面表示する表示部112、212と、ユーザ操作の入力を受け付けて操作処理を実行する操作実行部113、213と、を主な構成要素として備えている。
【0021】
以下、車両部品流通支援装置1の機能について詳しく説明する。なお、本実施形態では車両部品流通支援装置1が記憶部10を具備する構成としているが、あくまでも一例にすぎず、車両部品流通支援装置1の外部に設けられた外部記憶装置において記憶部10を実現することとしてもよい。この場合、車両部品流通支援装置1と外部記憶装置とは通信路を介して接続された構成からなると良い。
【0022】
記憶部10に記憶される「部品在庫データ」は、売買対象となる車両部品の在庫情報を示すデータである。この部品在庫データは、車両部品を識別する車両部品IDと、数量とを少なくとも対応付けて記憶されたものである。そのほか、車両部品を利用可能な若しくは車両部品が取り付けられていた車種を識別する車種ID(利用可能車種ID)、車両部品の登録日などを対応付けることも可能である。
部品在庫データは、第1ユーザ端末100から、新たな売買対象となる車両部品の情報(販売部品登録データ)を受信することで随時更新され、全ての車両部品の情報が一意に識別できる状態で一元管理されて記憶されている。
当該データを参照することで、例えば、車両部品流通支援装置1は、図4Bに示すように、第2ユーザ端末200に向けて所定の車両部品の在庫情報を提示する機能を実行することができる。
【0023】
「購入履歴データ」は、車両部品の売買が成立したときの、当該車両部品の購入履歴を示すデータである。この購入履歴データは、売買が成立した車両部品を識別する車両部品IDと、購入に係る情報(購入者ID、購入日時等)とを少なくとも対応付けて記憶されている。
上記「部品在庫データ」と、「購入履歴データ」とを参照することで、例えば、図6Bに示すように、第1ユーザ端末100に向けて購買需要の高い車両部品の情報(車両部品の売れ筋情報)を提示する機能を実行することができる。
【0024】
「代替部品一覧データ」は、売買対象となる車両部品と、当該車両部品に対し代替可能な代替車両部品との関係を示すデータである。この代替部品一覧データは、車両部品を識別する車両部品IDと、車両部品IDで識別される車両部品と類似し、代替(代用)することが可能な代替車両部品を識別する代替車両部品IDとを対応付けて記憶されている。
ここで「代替車両部品」とは、例えば所定の車両部品に対して機能的に互換性がある車両部品を意味し、類似車両部品とも呼ばれるものである。
当該データを参照することで、図4Bに示すように、第2ユーザ端末200に向けて希望する車両部品の在庫情報と、当該車両部品に対する代替車両部品の在庫情報とを同時に提示する機能等を実行することができる。
なお、図4Bの検索結果一覧を見ると、車両部品の例として車種「AA-ワゴン」、型式「AA-**」に用いられる部品名「フロントバンパAA」が示されており、代替車両部品の例として車種「BB-ワゴン」、型式「BB-**」に用いられる部品名「フロントバンパBB」が示されていることが分かる。
【0025】
「関連部品一覧データ」は、売買対象となる車両部品と、当該車両部品に関連する関連車両部品との関係を示すデータである。この関連部品一覧データは、車両部品を識別する車両部品IDと、その車両部品IDで識別される車両部品に関連する関連車両部品を識別する関連車両部品IDとを対応付けて記憶されている。
ここで「関連車両部品」とは、所定の車両部品と合わせて購入される車両部品を意味し、例えば部品交換の作業内容からセット購入される頻度の高いものが想定される。
当該データを参照することで、図6Bに示すように、第1ユーザ端末100に向けて購買需要の高い車両部品の情報と、当該車両部品に関連する関連車両部品の情報とを提示する機能を実行することができる。
なお、図6Bに示す高需要部品一覧画面を見ると、車両部品の例として車種名「AA-ワゴン」、型式「AA-**」に用いられる部品名「フロントバンパAA」が示されており、関連車両部品の例として車種名「AA-ワゴン」、型式「AA-**」に用いられる部品名「フロントスポイラAA」が示されていることが分かる。
【0026】
「予約部品要求データ」は、予約対象となる車両部品の情報を要求するデータであって、第2ユーザ端末200(部品利用者)から車両部品流通支援装置1が受信するものである。
「予約部品要求データ」には、予約する車両部品の「識別情報」と、車両部品の「購入条件の情報」とが含まれている。車両部品の「識別情報」としては、車両に関する車種名、型式、車台番号、年式、グレードの情報と、車両部品に関する部品名、品番、種別の情報とが含まれている。そして、車両部品の「購入条件の情報」としては、品質、価格(購入希望価格)、走行距離、年式、登録日の情報が含まれている。
なお、「購入条件の情報」には、購入先の場所(地区)の情報が含まれていても良い。また、代替車両部品の要否の情報が含まれていても良い。また、適宜変更されても良い。
【0027】
部品在庫更新部11は、第1ユーザ端末100から、新たな売買対象となる車両部品の情報として「販売部品登録データ」を取得し、「部品在庫データ」を更新するものである。
なお、「部品在庫データ」には、売買対象となる全ての車両部品の情報が含まれており、新たな車両部品の登録や、既存の車両部品の売買に伴ってリアルタイムで更新されるものである。
【0028】
<<部品検索機能>>
対象部品検索部12は、第2ユーザ端末200から、購入対象となる車両部品の情報を要求する「対象部品要求データ」を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報を検索するものである。このとき、「代替部品一覧データ」を参照することで、購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報も合わせて検索することができる。
詳しく述べると、対象部品検索部12は、「対象部品要求データ」の情報として車両部品の「識別情報」と、車両部品の「購入条件の情報」とを含む購入情報を受け付ける。そして、当該購入情報の条件を満たす車両部品を検索する。また、代替車両部品も合わせて検索する。
対象部品提示部13は、対象部品検索部12によって購入対象となる車両部品の情報が抽出された場合に、購入対象となる車両部品の情報を表示画面上に提示する。このとき、代替車両部品の情報があれば、代替車両部品の情報も合わせて表示画面上に提示する。
なお、対象部品提示部13は、購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合には、該当する車両部品が在庫登録されていないことを表示画面上に提示する。
【0029】
図4Aに示す部品検索画面(検索内容)では、車両部品の「識別情報」として、車種名「AA-ワゴン」、型式「AA-**」、車台番号「MH**」、年式「2002-2007」、グレード「**」、部品名「フロントバンパAA」等の情報が入力されている。また、車両部品の「購入条件」の情報として、価格「1万~1万5000円」、登録日「2014-2017」等の情報が入力されていることが分かる。
その他の車両部品の「識別情報」として、品番、種別等の情報を入力することもできる。また、その他の車両部品の「購入条件」の情報として、品質、走行距離、年式等の情報を入力することもできる。
なお、「グレード」とは、同一の車種における装備や性能の違いによる等級を示すものであって、同一車種の中で複数のグレードが用意されるものである。
「登録日」とは、車両部品流通支援装置1に車両部品を販売登録したときの日付である。
「品質」とは、商品状態に応じてランク付けされた指標を示すものであって、例えば、S、A、B、C、Dのランク付けがなされている。
「状態」とは、商品状態を示すものであって、例えば傷やひび割れ等の商品状態を具体的に入力するものである。
【0030】
図4Bに示す部品検索画面(検索結果)では、抽出された3件の車両部品及び代替車両部品の情報が表示画面上に提示されている。1件目の車両部品の情報としては、車種「AA-ワゴン」、型式「AA-**」、車台番号「MH**」、年式「2006」、グレード「**」、部品名「フロントバンパAA」、価格「1万2000円」、品質「B」、状態「一部傷あり」、登録日「2017」、事業所名「A事業者」、地区「北海道」等の情報が提示されていることが分かる。
また、3件目には、代替車両部品の情報が提示されている。具体的には、車種名「BB-ワゴン」、型式「BB-**」、車台番号「NH**」、年式「2007」、グレード「**」、部品名「フロントバンパBB」、品質「A」、状態「良好」、価格「1万円」、登録日「2019」、事業所名「B事業者」、地区「東京」等の情報が提示されていることが分かる。
【0031】
図4Cに示す部品検索画面(検索結果)では、該当する車両部品及び代替車両部品の情報がないことが表示画面上に提示されている。具体的には、「0件の検索結果がみつかりました」等と提示されていることが分かる。
【0032】
<<部品予約機能>>
対象部品登録部14は、購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合に、第2ユーザ端末200からの要求を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録するものである。詳しく述べると、第2ユーザ端末200から、新たに予約対象となる車両部品の情報を要求する「予約部品要求データ」を受け付けるのではなく、検索した車両部品の条件を「予約部品要求データ」と代替して受け付ける。
予約部品照合部15は、「部品在庫データ」が更新されたときに(更新された後に)、対象部品登録部14によって登録された予約対象となる車両部品の情報を照合するものである。言い換えれば、新たな車両部品の販売登録がなされたときに(販売登録がなされた後の所定のタイミングのときに)、当該新たな車両部品の情報と、予約対象となる車両部品の情報とを照合する。
このとき、予約部品照合部15は、「代替部品一覧データ」を参照することで、予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報も合わせて照合することができる。
ユーザ通知部16は、予約部品照合部15によって予約対象となる車両部品の情報の照合が取れたときに、第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知する。また、代替車両部品の情報の照合が取れた場合であっても、第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知することができる。
【0033】
詳しく述べると、対象部品登録部14は、図5Aに示す部品予約画面において、ユーザ操作による「予約情報」の入力と、表示ボタン「検索・予約」の実行とを受け付ける。
ここで、対象部品登録部14は、対象部品検索部12による検索の際に受け付けた車両部品の「購入情報(購入条件の情報)」をそのまま車両部品の「予約情報」として利用し、当該予約情報を登録することもできる。そうすれば、ユーザ操作による「予約情報」の入力の手間を省くことができる。すなわち、購入したい車両部品の在庫がなかった場合に、そのまま一連の流れで当該車両部品を予約することが可能となる。
言い換えれば、対象部品登録部14は、対象部品検索部12による検索の結果、購入希望の車両部品の在庫がない状態であることを検知し(在庫不足状態の検索結果を取得し)、当該検知したこと(当該検索結果の取得)をトリガーとして、車両部品の「購入情報」を車両部品の「予約情報」に変更し(代替し)、当該予約情報をそのまま又は加工して登録することができる。
なお、「車両部品の在庫がない場合」とは、既存の車両部品において残りがない場合(在庫が不足している状態)と、比較的新しい車両部品であって販売登録が一度もなされたことがない場合(未登録の状態又は登録が不足している状態)とが含まれる。
【0034】
その後、予約部品照合部15は、「部品在庫データ」が更新される毎に、すなわち、新たな売買対象となる車両部品(販売部品登録データ)が登録される毎に、「予約情報」との照合を行う。言い換えれば、「予約情報」を満たす車両部品(代替車両部品)が販売登録されたか否かを判断する。
そして、ユーザ通知部16は、「予約情報」との照合が取れたときに、図5Bに示すように、第2ユーザ端末200の表示画面上に所定のユーザ通知を行う。
【0035】
図5Aに示す部品予約画面(予約内容)では、車両部品の「識別情報」として、車種名「AA-ワゴン」、型式「AA-**」、車台番号「MH**」、年式「2002-2007」、グレード「**」、部品名「フロントバンパAA」等の情報が入力されている。また、車両部品の「購入条件」の情報として、価格「1万~1万5000円」、登録日「2014-2017」等の情報が入力されていることが分かる。
これは、図4A図4C)の部品検索画面において既に入力されている情報(購入情報)を、そのまま予約情報として利用しているものである。このように、購入情報をそのまま予約情報として利用しても良いし、購入情報の一部をアップデートさせて予約情報としても良い。
なお、図5Aの部品予約画面では、「検索」及び「予約」の両方のチェック項目がチェックされている。このとき、車両部品流通支援装置1が、ユーザ操作による表示ボタン「検索・予約」の実行を受け付けて、車両部品の検索及び予約を同時に実行することとしても良い。そうすれば、該当する車両部品の在庫がある場合には検索結果として在庫情報を抽出し、在庫がなかった場合にはそのまま予約対象として登録することができる。
【0036】
また、図5Bに示すユーザ通知画面では、新たな車両部品の販売登録に伴って、予約条件を満たす車両部品の情報が1件抽出されたことをお知らせする内容がポップアップ表示されていることが分かる。具体的には、タイトル「新しい通知」のポップアップウインドウ上において、表示項目「予約部品登録」が表示されており、当該表示項目欄において「新規在庫登録1件」が表示されていることが分かる。
【0037】
なお、ユーザ通知を受け取った第2ユーザ端末200(部品利用者)は、同じ購入条件で希望の車両部品の検索を実行することで、当該車両部品の販売情報を得ることができ、部品利用者は、当該車両部品を購入することができる。
なお、図5Bに示すユーザ通知画面において、ユーザ操作による表示内容「新規在庫登録1件」の選択がなされたときに、当該車両部品の販売情報を表示する画面へ切り替わっても良い。
【0038】
ユーザ通知部16は、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、全ての第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知する。
詳しく述べると、ユーザ通知部16は、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、「所定の条件」に基づいて優先順位の高い第2ユーザ端末200に第1のタイミングで通知し、優先順位の低い第2ユーザ端末200には第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで通知することとしている。
なお、ユーザ通知部16は、必ずしも全ての第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知しなくても良い。例えば、優先順位の高い第2ユーザ端末200に第1のタイミングで通知し、次に優先順位の高い第2ユーザ端末200には第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで通知し、最も優先順位の低い第2ユーザ端末200には通知しないこととしても良い。
【0039】
優先順位設定部17は、ユーザ通知部16の通知タイミングについて、第2ユーザ端末200のユーザアカウントに対し、所定の優先順位(優先条件)を設定するものである。
詳しく述べると、優先順位設定部17は、第2ユーザ端末200のユーザアカウントに対し、複数の優先レベル(具体的には、優先レベル1、2、3)の中から所定の優先レベルを設定する。そして、ユーザ通知部16は、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、第2ユーザ端末200の優先レベルに応じた通知タイミングでユーザ通知する。
具体的には、ユーザ通知部16は、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、優先レベル1(最優先フラグ)に設定された第2ユーザ端末200に第1のタイミングで通知し、優先レベル2(優先フラグ)に設定された第2ユーザ端末200に第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで通知し、優先レベル3(通常フラグ)に設定された第2ユーザ端末200に第2のタイミングよりも遅い第3のタイミングで通知する。
なお、車両部品によっては、優先レベル3に設定された第2ユーザ端末200に対し、敢えて通知しないこととしても良い。つまり、通知の有無を優先レベルによって設定することも可能である。
【0040】
上記構成により、部品利用者にとって希望する車両部品の在庫がない場合に(在庫不足状態又は未登録状態のときに)、予め希望する車両部品の予約を受け付けることができる。そして、希望する車両部品が新たに販売登録されたタイミングで部品利用者へ通知することができる。そのため、部品利用者による在庫部品の確認作業の手間を軽減することができる。
【0041】
また上記構成により、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、優先レベルに応じた通知タイミングでユーザ通知を行うことができる。例えば、本システムの売買頻度に応じて第2ユーザ端末200に対して会員のランク付けを行い、会員ランクに応じて差を付けることができる。例えば、お得意様などの会員ランクの高い部品利用者に対しては、他の会員ランクの部品利用者に通知するタイミングよりも早いタイミングで新しい車両部品の販売登録があったことを通知することができる。
【0042】
<<高需要部品提示機能>>
部品データ生成部18は、「予約部品要求データ」に基づいて、購買需要のある車両部品の一覧内容を示す「高需要部品一覧データ」を生成するものである(図6B参照)。
詳しく述べると、部品データ生成部18は、「予約部品要求データ」と、「部品在庫データ」とに基づいて、売買対象となる全ての車両部品の中から購買需要の高い車両部品の情報を抽出し、「高需要部品一覧データ」を生成する。
【0043】
具体的には、部品データ生成部18は、各車両部品に対する予約件数(予約部品要求データを受信している件数)と、その車両部品に対する在庫数と、在庫の更新日時との情報を用いて、一定期間における予約件数と在庫数との差が一定値以上である車両部品を抽出して、「高需要部品一覧データ」を生成する。例えば、予約件数が在庫数を超過する場合、すなわち「在庫待ち」である場合に「高需要部品一覧データ」を生成する。また例えば、予約件数が在庫数を上回っている場合であって、かつ、予約件数と在庫数との差が一定値以上であるときに「高需要部品一覧データ」を生成する。
なお、購買需要の高い車両部品の情報を抽出するにあたっては、「購買履歴データ」も参照しながら分析することとしても良い。
【0044】
また、部品データ生成部18は、「関連部品一覧データ」を参照することで、購買需要の高い車両部品に関連する関連車両部品の情報も合わせて抽出することができる。この購買需要の高い関連車両部品の情報についても、上記の部品情報と同様に抽出することが可能である。
【0045】
高需要部品提示部19は、第1ユーザ端末100から、所定の「閲覧要求データ」を受け付けて、「高需要部品一覧データ」を参照し、購買需要の高い車両部品の一覧内容を表示画面に提示する。このとき、関連車両部品の情報があれば、関連車両部品の一覧内容も合わせて表示画面上に提示する。
【0046】
より詳しく述べると、高需要部品提示部19は、図6Aの部品検索画面において、ユーザ操作による表示ボタン「閲覧」の実行を受け付ける。そして、別ウインドウに図6Bに示す高需要部品一覧画面を表示し、ユーザ操作による「車両」及び「車両部品」のキーワード入力と、表示ボタン「絞り込み」の実行とを受け付ける。そして、「高需要部品一覧データ」を参照し、キーワードに基づいて購買需要の高い車両部品の一覧内容と、関連車両部品の一覧内容とを表示画面上に提示する。
【0047】
図6Bに示す高需要部品一覧画面では、購買需要の高い車両部品の情報として、部品名「フロントバンパAA」、価格「1万~1万5000円」、登録日「2014-2017」の情報が提示されていることが分かる。また、代替車両部品の情報として、部品名「フロントバンパBB」、価格「8000~1万円」、登録日「2000-2014」の情報が提示されていることが分かる。
また、関連車両部品の情報として、部品名「フロントスポイラAA」、価格「3000~6000円」、登録日「2015-2016」の情報が1件目に提示されていることが分かる。
【0048】
権限設定部20は、第1ユーザ端末100のユーザアカウントに対し、購買需要の高い車両部品の一覧内容を閲覧する権限を設定するものである。
詳しく述べると、権限設定部20は、上記ユーザアカウントに対し、複数の権限レベル(具体的には権限レベル1、2、3)の中から所定の権限レベルを設定する。
これにより、高需要部品提示部19は、第1ユーザ端末100の権限レベルに応じて、購買需要の高い車両部品に関する情報の閲覧を制限することができる。
【0049】
例えば、高需要部品提示部19は、権限レベル1(最優先フラグ)の第1ユーザ端末100に対しては、「購買需要の高い車両部品の一覧内容」と、「関連車両部品の一覧内容」とを表示画面上に提示する(全て閲覧可能とする)。
そして、権限レベル2(優先フラグ)の第1ユーザ端末100に対しては、「購買需要の高い車両部品の一覧内容」のみを表示画面上に提示する(一部閲覧可能とする)。
そして、権限レベル3(通常フラグ)の第1ユーザ端末100に対しては、「購買需要の高い車両部品の一覧内容」をも提示しないこととする(閲覧不可とする)。
なお、権限レベルに応じた閲覧制限の内容は、上記制限内容に限定されることなく、適宜変更することが可能である。
【0050】
上記構成により、部品提供者が車両部品を新たに提供するにあたって、予め購買需要の高い車両部品の情報(車両部品の売れ筋情報)を把握することができる。具体的には、部品提供者が、部品利用者からの車両部品の予約情報(オーダー待ち情報)を把握することができる。そして、部品提供者が中古車両を解体するときに、購買需要の高い中古車両部品を優先して用意することができる。その結果、部品提供者による販売機会の損失を減らすことができる。
また、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、優先レベルに応じた通知タイミングでユーザ通知を行うことができる。例えば、本システムの売買頻度に応じて第2ユーザ端末200に対して会員のランク付けを行うことができる。すなわち、お得意様の会員ランクの部品利用者に対しては、より有益な相場情報を提供することができる。
【0051】
<<人工知能を用いた関連部品の抽出機能>>
関連度算出部21は、複数の「購入履歴データ」に基づいて所定の車両部品と、その他の車両部品との「関連度」を算出するものである。
ここで「関連度」とは、第2ユーザ端末200毎の購入履歴情報に基づいて、所定の車両部品と、その他の商品との関連の度合いを数値化したものであって、例えば0~1の数値に正規化されて求められる。関連度の数値が大きいほど車両部品間の関連性が強くなる。
例えば、所定の車両部品と頻繁にセット購入されている車両部品であれば、当該車両部品の関連度の数値は大きくなる。
【0052】
なお、上記「関連度」は、所定の偏り(重み付け)に基づいて補正されても良い。すなわち、車両部品流通支援装置1が、上記偏りを数値化したときの偏差値が所定の閾値以上であるか否かを判定する偏り判定部と、所定の閾値以上であると判定された場合には、関連度を補正する関連度補正部と、を備えていても良い。
例えば、所定の車両部品の組み合わせで購入する第2ユーザ端末200(部品購入者)の業種や作業内容に偏りがある場合には、同じ業種や作業内容を営む別の第2ユーザ端末200が部品購入するときに、当該所定の車両部品の組み合わせによる関連度を高くするように補正しても良い。
また例えば、所定の車両部品の組み合わせで購入する第2ユーザ端末200(部品購入者)の購入時期(例えば、春の時期)に偏りがある場合には、当該購入時期のときに関連度を高くするように補正しても良い。
【0053】
関連部品データ生成部22は、上記関連度の大きさに基づいて所定の車両部品に関連する関連車両部品を抽出し、「関連部品一覧データ」を生成するものである。
当該関連部品一覧データは、上述した「部品検索機能」や「部品予約機能」、「高需要部品提示機能」において、対象となった車両部品に関連する関連車両部品を特定するときに用いられる参照データとなっている。
詳しく述べると、関連部品データ生成部22は、第1の車両部品と、第2の車両部品との関連度(補正後の関連度)が所定の閾値以上であるときには、第2の車両部品を第1の車両部品の関連車両部品であると特定する。
【0054】
上記構成により、より精度の高い関連車両部品を合わせて提示することができる。また、ユーザ毎にカスタマイズされた関連車両部品を提示することもできる。
【0055】
<<部品入力ガイド機能>>
部品入力ガイド部23は、第2ユーザ端末200から、購入対象となる車両部品の情報を要求する「対象部品要求データ」を受け付けるときに、当該車両部品の情報を入力するユーザ操作を補助(ガイド)するものである。
詳しく述べると、部品入力ガイド部23は、ユーザ操作による車両部品の識別情報(識別情報の一部)の入力を受け付けて、車両部品の識別情報から導き出される複数の車両部品の「選択画像」を表示画面上に提示する。そして、複数の車両部品の候補の中から、ユーザ操作による所定の車両部品の「選択画像」の選択を受け付ける。
【0056】
具体的には、部品入力ガイド部23は、図7Aに示す「部品検索画面」において、ユーザ操作による「車両部品の識別情報」の入力と、表示ボタン「ガイド」の実行とを受け付ける。図7Aを見ると、ユーザ操作によって項目欄「部品名」に対して「バンパAA」が入力されていることが分かる。
そして、別ウインドウに図7Bに示す部品選択ガイド画面を表示し、車両部品の識別情報「バンパAA」から導き出される複数の車両部品の「選択画像」を表示画面上に提示する。図7Bを見ると、品番「AA-**1」、車両部品「フロントバンパ」の選択画像等が提示されていることが分かる。
そして、複数の車両部品の候補の中から、ユーザ操作による所定の車両部品の「選択画像」の選択を受け付ける。図7Bを見ると、車両部品「フロントバンパ」と車両部品「フロントバンパSホースメント」の選択画像が選択されていることが分かる(異なる色の表示態様となっている)。
そして、ユーザ操作による表示ボタン「決定」の実行を受け付けて、図7Aの表示画面に戻り、選択された車両部品のユーザ入力を完了させる。
【0057】
上記構成により、部品利用者が、車両部品の車両部品IDを知らなくとも、部品検索画面(部品予約画面)上で希望の車両部品を選択することができ、希望の車両部品の在庫確認を効率良く行うことができる。あるいは、希望の車両部品の予約を効率良く行うことができる。
【0058】
<車両部品流通支援方法>
次に、車両部品流通支援システムSで実行される車両部品流通支援プログラム(車両部品流通支援方法)の処理について、図8図10に基づいて説明する。
本実施形態に係る上記プログラムは、記憶部10を備えた車両部品流通支援装置1の機能的な構成要素として、上述した部品在庫更新部11と、対象部品検索部12と、対象部品提示部13と、対象部品登録部14と、予約部品照合部15と、ユーザ通知部16と、優先順位設定部17と、部品データ生成部18と、高需要部品提示部19と、権限設定部20と、関連度算出部21と、関連部品データ生成部22と、部品入力ガイド部23とを実現させるためのプログラムであって、車両部品流通支援装置1のCPUがこの車両部品流通支援プログラムを実行する。
なお、車両部品流通支援装置1の記憶部10には、「部品在庫データ」、「購入履歴データ」、「代替部品一覧データ」、「関連部品一覧データ」、「予約部品要求データ」がそれぞれ記憶されている。
【0059】
図8に示すフローは「部品検索方法」の処理フローを示し、図9に示すフローは「部品予約方法」の処理フローを示し、図10に示すフローは「高需要部品提示方法」の処理フローを示す。
【0060】
図8に示す部品検索方法の処理フローでは、まず、部品在庫更新部11が、第1ユーザ端末100から、新たな売買対象となる車両部品の販売情報(販売部品登録データ)を受け付けるステップS1から始まる。
販売部品登録データには、車両部品の「識別情報」や「販売条件の情報」、部品提供者の「識別情報」が含まれている。
【0061】
そして、ステップS2で、部品在庫更新部11が、上記新たな車両部品の販売情報を登録し、部品在庫情報(部品在庫データ)を更新する。
部品在庫データには、売買対象となる全ての車両部品の情報が含まれており、新たな車両部品の登録や、既存の車両部品の売買に伴って更新される。
【0062】
そして、ステップS3で、対象部品検索部12が、第2ユーザ端末200から、購入対象となる車両部品の情報の要求(対象部品要求データ)を受け付ける。
対象部品要求データには、図4Aに示すように、車両部品の「識別情報」及び「購入条件の情報」が含まれている。
【0063】
そして、ステップS4で、対象部品検索部12が、上記要求を満たす車両部品の情報を検索する。このとき、「代替部品一覧データ」を参照することで、購入対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報も合わせて検索することができる。
【0064】
そして、ステップS5で、対象部品提示部13が、ステップS4で購入対象となる車両部品の情報が抽出されたときに、当該車両部品の情報を第2ユーザ端末200に向けて提示する。このとき、代替車両部品の情報があれば、代替車両部品の情報も合わせて提示する。
すなわち、第2ユーザ端末200は、車両部品流通支援装置1から購入対象となる車両部品(代替車両部品)の情報を受信し、表示画面上に表示する(図4B参照)。
【0065】
ステップS5について、対象部品提示部13は、ステップS4で購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかったときには、第2ユーザ端末200に向けてその旨を提示する。すなわち、部品検索画面において「0件の検索結果がみつかりました」等と表示画面上に提示する(図4C参照)。
なお、対象部品提示部13は、個々の第2ユーザ端末200(ユーザアカウント)に対して設定される優先レベルに基づいて、抽出された車両部品の情報の提示内容を変更しても良い。例えば、第2ユーザ端末200が優先レベル3(通常フラグ)に設定されている場合には、対象となる車両部品の販売登録日から所定の期間が経過するまでの間は、敢えて当該車両部品を提示しないこととしても良い。
【0066】
上記ステップS1からステップS5を経て、図8のプロセスを終了する。
【0067】
次に、図9に示す部品予約方法の処理フローでは、まず、対象部品検索部12が、第2ユーザ端末200から、購入対象となる車両部品の情報の要求(対象部品要求データ)を受け付けるステップS101から始まる。
そして、ステップS102で、対象部品検索部12が、上記要求を満たす車両部品の情報を検索する。
【0068】
そして、ステップS103で、購入対象となる車両部品の情報が抽出されなかった場合には(ステップS103:Nо)、ステップS104に進み、対象部品提示部13が、第2ユーザ端末200に向けてその旨(例えば「抽出なし」)を提示する。
なお、購入対象となる車両部品の情報が抽出された場合には(ステップS103:Yes)、ステップS111に進み、対象部品提示部13が、購入対象となる車両部品の情報を第2ユーザ端末200に向けて提示する。この場合には、車両部品を予約する必要はなく、図9のプロセスを終了する。
【0069】
そして、ステップS105で、対象部品登録部14が、第2ユーザ端末200からの要求(予約部品要求データ)を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する。
予約部品要求データには、図5Aに示すように、車両部品の「識別情報(部品名)」及び「購入条件の情報(価格、登録日)」が含まれている。
なお、予約部品要求データは、記憶部10に記憶され、第2ユーザ端末200(ユーザアカウント)毎に、また車両部品毎に一元管理される。
ステップS105について詳しく説明すると、対象部品登録部14は、ステップS102での対象部品検索部12による検索の結果、購入対象となる車両部品の在庫がない状態であることを検知し(ステップS103:Nо)、当該検知したこと(当該検索結果の取得)をトリガーとして、車両部品の「購入条件の情報」を車両部品の「予約条件の情報」に変更し(代替し)、当該予約条件の情報をそのまま又は加工して登録する。
【0070】
そして、ステップS106で、部品在庫更新部11が、第1ユーザ端末100から、新たな売買対象となる車両部品の販売情報(販売部品登録データ)を受け付ける。
そして、ステップS107で、部品在庫更新部11が、上記新たな車両部品の販売情報を登録し、部品在庫情報(部品在庫データ)を更新する。
【0071】
そして、ステップS108で、予約部品照合部15が、部品在庫情報が更新されたときに、当該新たな車両部品の情報と、予約対象となる車両部品の情報とを照合する。
このとき、予約部品照合部15は、「代替部品一覧データ」を参照することで、予約対象となる車両部品に対する代替車両部品の情報も合わせて照合する。
【0072】
そして、ステップS109で、予約対象となる車両部品の情報の照合が取れた場合には(ステップS109:Yes)、ステップS110に進み、ユーザ通知部16が第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知する。また、代替車両部品の情報の照合が取れた場合であっても、第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知する。
一方で、予約対象となる車両部品の情報の照合が取れない場合には(ステップS109:Nо)、ステップS106に戻り、部品在庫情報が更新されたときに、また新たな車両部品の情報と、予約対象となる車両部品の情報とを照合することになる。
【0073】
ステップS110について、ユーザ通知部16は、通知対象となる第2ユーザ端末200が複数存在する場合には、全ての第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知する。
このとき、ユーザ通知部16は、個々の第2ユーザ端末200(ユーザアカウント)に対して設定される優先レベルに基づいて、異なるタイミングでユーザ通知を行う。
具体的には、優先レベル1(最優先フラグ)に設定された第2ユーザ端末200に第1のタイミングで通知し、優先レベル2(優先フラグ)に設定された第2ユーザ端末200に第2のタイミングで通知する。
【0074】
上記ステップS101からステップS110を経て、図9のプロセスを終了する。
上記部品予約方法であれば、部品利用者による在庫部品の確認作業の手間を軽減し、部品提供者による販売機会の損失を減らすことが可能となる。
【0075】
次に、図10に示す高需要部品提示方法の処理フローでは、まず、対象部品登録部14が、第2ユーザ端末200からの要求(予約部品要求データ)を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録するステップS201から始まる。
そして、ステップS202で、対象部品登録部14が、異なる第2ユーザ端末200からの要求(予約部品要求データ)を受け付けて、購入対象となる車両部品の情報を予約対象として登録する。
すなわち、複数の予約部品要求データが、記憶部10に記憶されている。
【0076】
そして、ステップS203で、部品データ生成部18が、「予約部品要求データ」と、「部品在庫データ」とに基づいて、売買対象となる全ての車両部品の中から購買需要の高い車両部品の情報を抽出する。そして、購買需要の高い車両部品の一覧内容(高需要部品一覧データ)を生成する。
高需要部品一覧データには、購買需要の高い車両部品の情報と、代替車両部品の情報と、関連車両部品の情報とが含まれている。
【0077】
そして、ステップS204で、高需要部品提示部19が、第1ユーザ端末100から、購買需要の高い車両部品の閲覧の要求(閲覧要求データ)を受け付ける。
具体的には、図6A、Bの表示画面においてユーザ操作による「車両」及び「車両部品」のキーワード入力を受け付ける。
【0078】
そして、ステップS205で、高需要部品提示部19は、「高需要部品一覧データ」を参照し、上記キーワードに基づいて購買需要の高い車両部品の一覧内容(例えばフロントバンパAA等)と、代替車両部品の一覧内容(例えばフロントバンパBB等)と、関連車両部品の一覧内容(例えばフロントスポイラ等)とを提示する。
すなわち、第1ユーザ端末100は、キーワードから絞り込まれた、購買需要の高い車両部位品の一覧内容を車両部品流通支援装置1から受信し、表示画面上に表示する。
【0079】
ステップS205について、高需要部品提示部19は、個々の第1ユーザ端末100(ユーザアカウント)に対して設定される権限レベルに応じて、購買需要の高い車両部品に関する情報を閲覧制限しても良い。例えば、第1ユーザ端末100が権限レベル1(最優先フラグ)に設定されている場合には「全て閲覧可能」となるように提示し、権限レベル3(通常フラグ)に設定されている場合には「閲覧不可」となるように提示しても良い。
【0080】
上記ステップS201からステップS205を経て、図10のプロセスを終了する。
上記高需要部品提示方法であれば、部品提供者が、予め車両部品の売れ筋情報を把握することができ、販売機会の損失を減らすことができる。
【0081】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、予約部品照合部15が、部品在庫データが更新されたときに、新規の車両部品の情報と、予約対象となる車両部品の情報とを照合している。
このとき、照合が取れない(完全一致しない)場合であっても、予約情報の一部のみが条件を満たさない場合ならば、ユーザ通知部16が、第2ユーザ端末200に向けて所定のユーザ通知を行うこととしても良い。
例えば、予約情報のうち「価格」のみが条件を満たさない場合には、第2ユーザ端末200に対して「価格を再設定することで、希望の車両部品を購入できます。」等とユーザ通知しても良い。あるいは、予約情報のうち「商品状態」のみが条件を満たさない場合には、第2ユーザ端末200に対して「一部傷がありますが、希望の車両部品が販売されています。」等とユーザ通知しても良い。
【0082】
上記実施形態では、ユーザ通知部16が、通知対象となる第2ユーザ端末200(購入希望者)が複数存在する場合には、全ての第2ユーザ端末200に向けてユーザ通知しているが、特に限定されることなく変更可能である。
例えば、通知対象となる第2ユーザ端末200(購入希望者)が複数存在する場合には、最も高い購入価格を提示した第2ユーザ端末200に対して最初にユーザ通知し、最初に購入する権利(交渉する権利)を与えても良い。
また例えば、競売(オークション)のように全ての第2ユーザ端末200(購入希望者)に対して購入条件を競わせても良い。すなわち、第1ユーザ端末100(部品販売者)にとって最も良い購入条件を提示した第2ユーザ端末200に対して最初にユーザ通知し、最初に購入する権利を与えても良い。
【0083】
上記実施形態では、高需要部品提示部19(部品提示部)が、第1ユーザ端末100から所定の閲覧要求を受け付けて、「高需要部品一覧データ」を参照し、特定のカテゴリにおいて購買需要のある(購買需要の高い)車両部品の一覧内容を提示している。
このとき、高需要部品提示部19によって提示される内容は、特に限定されることなく適宜変更可能である。
例えば、シンプルな内容とするならば、第2ユーザ端末200から受け付けた「予約部品要求データ」に含まれる車両部品の予約情報のみを提示しても良い。この場合には、「部品在庫データ」や「購入履歴データ」を分析することなく、シンプルに車両部品の予約情報をそのまま又は加工して一覧表示することができる。なお、車両部品の予約情報の一覧内容を閲覧することで、部品提供者は購買需要のある車両部品を把握することができる。
一方で、より精度の高い内容とするならば、例えば「予約部品要求データ」と、「部品在庫データ」と、「購入履歴データ」とを分析対象としてデータ分析し、分析結果に基づいて購買需要の高い車両部品の一覧内容を表示することもできる。この場合には、部品提供者にとって新たな車両部品を仕入れる際の検討材料になるだけでなく、経営判断につながる有益な情報(相場情報)として利用することができる。
【0084】
上記実施形態では、車両部品流通支援装置1が読み取り可能な記録媒体に車両部品流通支援プログラムが記憶されており、車両部品流通支援装置1が当該プログラムを読み出して実行することによって処理が実行される。ここで車両部品流通支援装置1が読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。
そのほか、車両部品流通支援装置1となる端末(携帯端末)を利用して専用ウェブアプリを起動させて、ウェブブラウザ上で車両部品流通支援プログラムが実行されることとしても良い。
【0085】
上記実施形態では、主として本発明に係る車両部品流通支援装置及び車両部品流通支援方法に関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
S 車両部品流通支援システム
1 車両部品流通支援装置
10 記憶部
11 部品在庫更新部
12 対象部品検索部
13 対象部品提示部
14 対象部品登録部
15 予約部品照合部
16 ユーザ通知部
17 優先順位設定部
18 部品データ生成部
19 高需要部品提示部(部品提示部)
20 権限設定部
21 関連度算出部
22 関連部品データ生成部
23 部品入力ガイド部
100 第1ユーザ端末
110 記憶部
111 通信部
112 表示部
113 操作実行部
200 第2ユーザ端末
210 記憶部
211 通信部
212 表示部
213 操作実行部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10