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特許7393378空気共振キャビティを有する埋め込みパッケージ構造の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】空気共振キャビティを有する埋め込みパッケージ構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20231129BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20231129BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L21/56 R
H05K1/03 650
H05K1/03 630H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021056508
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022002296
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】202010567865.1
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】フェン ジンドン
(72)【発明者】
【氏名】ホン イエジー
【審査官】梅本 達雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106449554(CN,A)
【文献】特開2003-037471(JP,A)
【文献】特開2018-074566(JP,A)
【文献】特開2015-082535(JP,A)
【文献】特開2015-201620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0236742(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 23/12 - 23/15
H03H 3/08 - 3/10
H03H 9/145
H03H 9/25
H03H 9/42 - 9/44
H03H 9/64
H03H 9/68
H03H 9/72
H03H 9/76
H05K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気共振キャビティ体を有する埋め込みパッケージ構造の製造方法であって、
(a)第1の絶縁層と、前記絶縁層に埋め込まれたチップと、第1の基板のチップの端子面の上の、チップの端子面を露出した開口を有する配線層と、を含む第1の基板を製造するステップと、
(b)第2の絶縁層を含む第2の基板を製造するステップであって、
ステップ(b)は、
(b1)片面に2層銅箔を有する銅張積層板の銅箔面に第2の絶縁材料を施し第2の絶縁層を形成するステップと、
(b2)前記第2の絶縁層に第2の特徴層を形成するステップと、
(b3)前記2層銅箔を分離して前記銅張積層板を除去することによって、前記第2の絶縁層の底面に1層の銅箔を保留させるステップであり、第2の基板を取得するステップと、を含み、
(c)チップの端子面を露出した開口が被覆されないように前記配線層上に部分的に第1の接着層を施し、前記第2の基板の前記第2の特徴層上に第2の接着層を施すステップであって、前記第1の接着層及び前記第2の接着層が、粘度範囲が1Pa・s~100Pa・sである熱硬化型樹脂材料である、ステップと、
(d)前記第1の基板の第1の接着層と前記第2の基板の第2の接着層とを貼着して硬化させ、チップの端子面に空気共振キャビティが形成された埋め込みパッケージ構造を取得するステップであって、前記配線層、前記第1の接着層、前記第2の接着層及び前記第2の特徴層の厚みにより前記空気共振キャビティの深さが調整される、ステップと、を含む、空気共振キャビティ体を有する埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項2】
ステップ(a)は、
(a1)フレームを貫通する第1の銅柱およびフレームによって囲まれたチップソケットと、を有する、ポリマーマトリックスからなる前記フレームを用意するステップと、
(a2)前記フレームの底面にテープを貼着するとともにチップを前記チップソケット内に入れ、チップの端子面がテープに付着されるステップと、
(a3)第1の絶縁材料でチップソケットを充填し、チップが埋め込まれた第1の絶縁層を形成するステップと、
(a4)前記テープを除去するステップと、
(a5)前記フレームの底面に、チップの端子面を露出した開口が形成された配線層を形成するステップと、をさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a5)は、
(a51)前記フレームの底面に第1のシード層を施すステップと、
(a52)前記第1のシード層に第1のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、
(a53)パターンに銅を電気めっきして配線層を形成するステップと、
(a54)前記第1のフォトレジスト層を除去するステップと、
(a55)露出したシード層を除去して、チップの端子面を露出した開口を形成するステップと、をさらに含む
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a5)は、
(a50)前記第1の銅柱の端部を露出させるように前記第1の絶縁層を薄くするステップをさらに含む
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a1)は、
犠牲キャリアを用意するステップと、
前記犠牲キャリアに第2のフォトレジスト層を配設するステップと、
前記第2のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、
パターンに銅を電気めっきして第1の銅柱を形成するステップと、
第2のフォトレジスト層を剥がすステップと、
ポリマーマトリックスで前記第1の銅柱をラミネートするステップと、
前記第1の銅柱の端部を露出させるように、前記ポリマーマトリックスを薄くし平坦化するステップと、
前記犠牲キャリアを除去するステップと、
前記ポリマーマトリックスでチップソケットを機械加工して前記フレームを形成するステップと、をさらに含む
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(c)は、
選択性のあるインクジェット、スクリーンコーティングおよび部分的なタッピングペーストの少なくとも1つの方式により第1の接着層を部分的に施すステップをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の接着層と第2の接着層は熱硬化型樹脂材料を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の接着層と第2の接着層は同一または異なる材料を含む
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(e)前記第1の絶縁層と第2の絶縁層の外側に外特徴層を形成するステップをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップ(e)は、
前記第1の絶縁層に第2のシード層を施すステップと、
前記第2のシード層に第2のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、
パターンに銅を電気めっきし、第1の外特徴層を形成するステップと、
第2のフォトレジスト層を除去し第2のシード層をエッチング除去するステップと、をさらに含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップ(e)は、
前記配線層を露出させるように、前記第2の絶縁層の底面に非貫通穴を形成するステップと、
前記第2の絶縁層の底面および前記非貫通穴内に第2のシード層を施すステップと、
前記第2のシード層に第3のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、
パターンと非貫通穴に銅を電気めっきし、第2の外特徴層と第2の銅柱を形成するステップと、
第3のフォトレジスト層を除去し第2のシード層をエッチング除去するステップと、をさらに含む
請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気共振キャビティを有する埋め込みパッケージ構造を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタリングは信号処理における基本的かつ重要な技術であり、フィルタリングはフィルタリング技術を利用して各種信号から必要な信号を供給するとともに、不要な干渉信号をフィルタリングする。フィルターは信号周波数領域分析における重要なデバイスであり、フィルター処理後に必要な信号はさらに強化(増幅)され、不要な信号はフィルター除去され、必要な信号の増幅と不要な信号のフィルター除去に用いられる原理は、信号の媒体での共振(共振)を利用して実現されることである。
【0003】
弾性表面波フィルターを例にすると、圧電材料の基体に送信側と受信側の2つのトランスデューサがあり、入力信号が送信側のトランスデューサに印加され、基体の圧電効果によって電気信号が基体表面を伝播する音響信号である弾性表面波に変換され、受信側のトランスデューサに音波が伝達された後、音響信号が電気信号に変換されて負荷に出力され、電気-音響-電気変換と音響伝達の過程で、1つの広帯域信号をN個の狭帯域信号に変換する、またはその逆の過程のフィルター動作が実現される。
【0004】
従来の技術で、空気キャビティを形成する方法は、現在、主に例えば図1図4に示すように、ウエハレベル操作とパネルレベル操作の2種がある。
【0005】
1、ウエハレベル-1について、図1に示すように、電極21-誘電体層23-電極22構造の下方のシリコンまたはシリカ層11、12をエッチングの方法でくりぬいて空気キャビティ3を形成する。このような空気キャビティ構造のくりぬき難さは非常に高いことに加え、電極21-誘電体層23-電極22構造の厚さが薄く(数十ナノメートルから数百ナノメートルオーダー)、工程の強度が高くなく、エッチング中に槽内のエッチング液の重力やエアナイフの圧力によって構造が破壊され、歩留まりが低く、空気キャビティの深さを調節するには難しさが大きい可能性が高い。
【0006】
2、ウエハレベル-2について、図2に示すように、ウエハ基板30とキャップ31にはそれぞれフィルターの2つの電極が形成され、キャップとウエハ基板は高温金属結合の方式によって内部に空気を有する空気キャビティ32構造が形成されている。このような結合の方式はコストが極めて高く、まだパネルレベル生産に適用できない。
【0007】
3、ウエハレベル-3について、図3に示すように、シリコンやシリカ、ガラスなどのウエハキャリア51に、ある深さの溝61、62を深さ制御にエッチングした後、犠牲層52で溝を埋めてから、電極56-絶縁層53-電極57を順次形成し、絶縁層54で覆った後、犠牲層52をエッチングの方法で除去する。この方法は空気キャビティの上方の工程の難しさが大きいという問題と深さ制御という問題を解決したが、犠牲層をエッチングする過程で上方が遮られるため、エッチング液やエッチングガスが排出されにくく残留するとともに、出入液口や気孔の存在は、空気キャビティの気密性にリスクを招いてしまう。
【0008】
4、パネルレベルについて、図4に示すように、SMT(表面実装)プロセスでは、チップ73を半田ボール74を介して基板72に実装した後、高粘度、低流動性のモールド材71でチップ73をパッケージし、モールド材71がチップ73の下方領域に流れ込むことを阻止し、空気キャビティ75を形成する。このような方法はプロセスの難しさが大きく、しかも空気キャビティは後工程を経る必要があり、ガス漏れが発生しやすく、しかも空気キャビティの深さを調節し難く、歩留まりが低い。
【0009】
そのため、従来の技術では、パッケージ構造に空気キャビティを形成する方法は、作業装置の要求精度が高く、安定性が厳しく、設計に規制が多く、単位時間当たりの生産率が低く、コストが高く、歩留まりが低いなどの問題があった。
本発明の実施形態はこれらの問題を解決した。
【発明の概要】
【0010】
本発明は空気共振キャビティを有する埋め込みパッケージ構造の製造方法に関するものであり、
(a)第1の絶縁層と、前記絶縁層に埋め込まれたチップと、第1の基板のチップの端子面の上の、チップの端子面を露出した開口を有する配線層と、を含む第1の基板を製造するステップと、
(b)第2の絶縁層を含む第2の基板を製造するステップと、
(c)チップの端子面を露出した開口が被覆されないように前記配線層上に部分的に第1の接着層を施し、第2の基板に第2の接着層を施すステップと、
(d)前記第1の基板の第1の接着層と前記第2の基板の第2の接着層とを貼着して硬化させ、チップの端子面に空気共振キャビティが形成された埋め込みパッケージ構造を取得するステップと、を含む。
【0011】
ある実施形態において、ステップ(a)は、
(a1)フレームを貫通する第1の銅柱およびフレームによって囲まれたチップソケットを有する、ポリマーマトリックスからなるフレームを用意するステップと、
(a2)前記フレームの底面にテープを貼着するとともにチップを前記チップソケット内に入れ、チップの端子面がテープに付着されるステップと、
(a3)第1の絶縁材料でチップソケットを充填し、チップが埋め込まれた第1の絶縁層を形成するステップと、
(a4)前記テープを除去するステップと、
(a5)前記フレームの底面に、チップの端子面を露出した開口が形成された配線層を形成するステップと、をさらに含む。
【0012】
ある実施形態において、ステップ(a5)は、
(a51)前記フレームの底面に第1のシード層を施すステップと、
(a52)前記第1のシード層に第1のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、
(a53)パターンに銅を電気めっきして配線層を形成するステップと、
(a54)前記第1のフォトレジスト層を除去するステップと、
(a55)露出したシード層を除去して、チップの端子面を露出した開口を形成するステップと、をさらに含む。
【0013】
ある実施形態において、ステップ(a5)は、
(a50)前記第1の銅柱の端部を露出させるように前記第1の絶縁層を薄くするステップをさらに含む。
【0014】
ある実施形態において、ステップ(a)は、犠牲キャリアを用意するステップと、前記犠牲キャリアに第2のフォトレジスト層を配設するステップと、前記第2のフォトレジスト層をパターニング化するステップと、パターンに銅を電気めっきして第1の銅柱を形成するステップと、第2のフォトレジスト層を剥がすステップと、ポリマーマトリックスで前記第1の銅柱をラミネートするステップと、前記第1の銅柱の端部を露出させるように、前記ポリマーマトリックスを薄くし平坦化するステップと、前記犠牲キャリアを除去するステップと、前記ポリマーマトリックスでチップソケットを機械加工して前記フレームを形成するステップと、をさらに含む。
【0015】
ある実施形態において、ステップ(b)は、
(b1)犠牲キャリアに第2の絶縁材料を施し第2の絶縁層を形成するステップと、
(b2)前記第2の絶縁層に第2の特徴層を形成するステップと、
(b3)前記犠牲キャリアを除去し、第2の基板を取得するステップと、をさらに含む。
ある実施形態において、前記犠牲キャリアは銅箔または少なくとも一方の面に2層銅箔を有する銅張積層板から選択される。
【0016】
ある実施形態において、ステップ(b)は、片面に2層銅箔を有する銅張積層板の銅箔面に第2の絶縁材料を施し第2の絶縁層を形成するステップと、前記第2の絶縁層に第1の特徴層を形成するステップと、前記2層銅箔を分離して前記銅張積層板を除去することによって、前記第2の絶縁層の底面に1層の銅箔を保留させるステップと、をさらに含む。
ある実施形態において、ステップ(c)は、選択性のあるインクジェット、スクリーンコーティングおよび部分的なタッピングペーストの少なくとも1つの方式により第1の接着層を部分的に施すステップをさらに含む。
【0017】
ある実施形態において、第1の接着層と第2の接着層は熱硬化型樹脂材料を含む。
【0018】
ある実施形態において、第1の接着層と第2の接着層は同一または異なる材料を含む。
【0019】
ある実施形態において、
(e)前記第1の絶縁層と第2の絶縁層の外側に外特徴層を形成するステップをさらに含む。
【0020】
ある実施形態において、前記ステップ(e)は、前記第1の絶縁層に第2のシード層を施すステップと、前記第2のシード層に第2のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、パターンに銅を電気めっきし、第1の外特徴層を形成するステップと、第2のフォトレジスト層を除去し第2のシード層をエッチング除去するステップと、をさらに含む。
【0021】
ある実施形態において、前記ステップ(e)は、前記配線層を露出させるように、前記第2の絶縁層の底面に非貫通穴を形成するステップと、前記第2の絶縁層の底面および前記非貫通穴内に第2のシード層を施すステップと、前記第2のシード層に第3のフォトレジスト層を施すとともにパターニング化するステップと、パターンと非貫通穴に銅を電気めっきし、第2の外特徴層と第2の銅柱を形成するステップと、第3のフォトレジスト層を除去し第2のシード層をエッチング除去するステップと、をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明をよく理解し、本発明の実施の形態を示すために、以下、単に例を挙げて図面を参照する。
【0023】
具体的に図面を参照して、強調しなければならないのは、特定の図面が単なる例示であり、本発明の好ましい実施の形態を模式的に検討する目的であり、かつ、本発明の原理と概念を説明するには、最も役に立つとともに、最も理解しやすい図面と思われるという理由で図面を提供するものである。これについては、本発明の構造の詳細を、本発明の基本的な理解に必要な詳細レベルを超えて図示しようとはしなかった。図面の簡単な説明を参照して、当業者が本発明のいくつかの形態をどのように実際に実施するかを意識する。図面において、
図1】従来の技術における第1の種類に基づいた空気キャビティを有する構造の断面模式図である。
図2】従来の技術における第2の種類に基づいた空気キャビティを有する構造の断面模式図である。
図3】従来の技術における第3の種類に基づいた空気キャビティを有する構造の断面模式図である。
図4】従来の技術における第4の種類に基づいた空気キャビティを有する構造の断面模式図である。
図5-1】5(a)~5(q):本発明に係る方法により取得した中間構造の断面模式図を示す。
図5-2】同上
図5-3】同上
図5-4】同上
図5-5】同上
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、誘電体マトリックス中の金属スルーホールからなる支持構造に関するものであり、特にポリマーマトリックス中の銅スルーホール柱に関するものであり、前記ポリマーマトリックスは、例えばガラス繊維強化のポリイミド、エポキシ樹脂やBT(ビスマレイミド/トリアジン樹脂)、ポリフェニレンエーテル(PPEまたはPPO)またはそれらのブレンド物である。
【0025】
図5(a)~5(q)は本発明に係る方法により取得した中間構造の断面模式図を示す。空気共振キャビティを有する埋め込みパッケージ構造の製造方法は以下のステップを含む。ステップ(a):図5(a)に示すように、第1の銅柱1011およびチップソケット1012を有するフレーム101を製造する。該ステップは以下のサブステップを含んでもよく、即ち、
通常銅キャリアである犠牲キャリアを用意するステップと、
犠牲キャリアにフォトレジスト層を配設するステップと、
前記フォトレジスト層をパターニング化するステップと、
パターンに銅を電気めっきして第1の銅柱1011を形成するステップと、
フォトレジストを剥がすステップと、
ポリマーマトリックスで第1の銅柱1011をラミネートするステップと、
第1の銅柱1011の端部を露出させるように、ポリマーマトリックスを薄くし平坦化するステップと、
溶解、研削とプラズマエッチングの少なくとも1種を採用することによって犠牲キャリアを除去できるステップと、
フレーム101を形成するように、ポリマー誘電体にチップソケット1012を機械加工し、機械加工の方法がプレスとCNCの少なくとも1種でもよいステップと、を含んでもよい。
【0026】
次に、ステップ(b):図5(b)に示すように、フレーム101の底面にテープ102を貼着する。通常、テープは、市販の熱分解可能または紫外線照射下で分解可能な透明膜である。
【0027】
その後、ステップ(c):図5(c)に示すように、チップ103をチップソケット1012内に設けるとともに、チップの端子面1031をテープ102に貼着する。通常、チップの端子面1031を下向きにチップソケット1012内に設け、テープ102を透過して結像することによってアライメントすることができ、チップの端子面1031がテープ102に貼着されることで、後工程でチップ103が位置ずれることを防止するためにチップ103を固定できる。
【0028】
次に、ステップ(d):図5(d)に示すように、第1の絶縁材料でチップソケット1012を充填し、チップ103が埋め込まれた第1の絶縁層104を形成する。
第1の絶縁材料は、熱硬化型または光硬化型の樹脂材料でもよく、それぞれ加熱または光照射により硬化することができる。
【0029】
その後、ステップ(e):図5(e)に示すように、テープ102を除去する。通常、フレーム101の底部を露出させるようにテープ102を除去するには、熱分解と紫外線照射の少なくとも1種の方法でテープ102を除去できる。
【0030】
次に、ステップ(f):図5(f)に示すように、フレーム101の底面に第1のシード層105を施す。通常、第1のシード層105はスパッタリングの方式で形成することができ、第1のシード層105はチタン、ニッケル、バナジゥム、銅、アルミニウム、タングステン、クロム、銀および金から選ばれる少なくとも1種でもよい。
【0031】
その後、ステップ(g):図5(g)に示すように、前記第1のシード層105に第1のフォトレジスト層106を施すとともにパターニング化する。通常、製品ラインの設計に応じて第1のフォトレジスト層106をパターニング化することができる。
【0032】
次に、ステップ(h):図5(h)に示すように、パターンに銅を電気めっきして配線層107を形成する。配線層107にチップの端子面1031を露出した開口が形成されており、後工程でこの開口で空気共振キャビティを形成しやすくする。また、空気共振キャビティの高さの要求に応じて配線層107の厚さを設定できることによって、空気キャビティの高さを調節可能にする。
【0033】
その後、ステップ(i):図5(i)に示すように、第1のフォトレジスト層106を除去する。通常、剥がしとエッチングの少なくとも1種を採用できる。
【0034】
次に、ステップ(j):図5(j)に示すように、第1のシード層105を除去する。通常、第1のシード層105を除去する方式は、溶解、研削とプラズマエッチングの少なくとも1種を採用できる。
【0035】
その後、ステップ(k):図5(k)に示すように、第1の銅柱1011の端部を露出させるように第1の絶縁層104を薄くすることによって第1の基板100を取得する。通常、薄くする方式は研磨とプラズマエッチングの少なくとも1種を採用できる。
【0036】
次に、ステップ(l):図5(l)に示すように、第2の基板200を製造する。通常、該ステップは、以下のサブステップを含んでもよく、
【0037】
犠牲キャリアに第2の絶縁材料を施し第2の絶縁層201を形成するステップと、
第2の絶縁層201に第2の特徴層202を形成するステップと、を含んでもよい。
【0038】
第2の絶縁層201の第2の特徴層202に対向する他方の面に例えば、銅箔203を犠牲キャリアにする方式で銅箔203を有してもよい。少なくとも一方の面に2層銅箔を有する銅張積層板を犠牲キャリアとして、2層銅箔が分層することによって第2の基板200で銅箔203を保留することを採用してもよい。銅箔203を保留することで第2の基板200を後工程で平らに保つことができる。
【0039】
その後、ステップ(m):図5(m)に示すように、第1の基板100の配線層107および第2の基板200の第2の特徴層202にそれぞれ接着層300を塗布する。通常、接着層300は熱硬化型樹脂材料でもよく、例えば、Sumitomo LAZ-7761があり、常温での粘度は1Pa.s~100Pa.sとなることができる。第1の基板100と第2の基板200上の接着層300は同一または異なる材料を含んでもよい。
【0040】
第1の基板100の配線層107に接着層300を塗布することは、通常、開口が閉塞されないように部分的な塗布を採用し、チップの端子面1031に接着層300を塗布しない。部分的な塗布は、選択性のあるインクジェット、スクリーンコーティングおよび部分的なタッピングペーストの少なくとも1種を採用できる。
【0041】
次に、ステップ(n):図5(n)に示すように、第1の基板100と第2の基板200との接着層300を互いにアライメントさせ接着するとともに硬化させる。通常、第1の基板100上のターゲットと第2の基板200上のターゲットに基づいてパネルレベルの位置合わせを行い、圧力と温度の協働で接着層300を硬化させることにより、チップの端子面1031の下方に空気キャビティ108を形成することができる。
【0042】
接着層300の室温での粘度特性により、ほとんどの空気が空気キャビティ108内に保留されて真空にならないと同時に、保留された空気は、接着層300により空気キャビティ108を充填することを避けることができる。空気キャビティ108の深さは、配線層107、第2の特徴層202および接着層300の厚さを調整することにより調整できる。空気キャビティ108の深さは通常10~50μmであり、チップ103のフィルタ設計パラメータ、例えばインターディジタルの幅、インターディジタル対数などに応じて、対応する空気キャビティ108の深さを合わせて形成することによって、異なる共振周波数の目的に達する。
【0043】
その後、ステップ(o):図5(o)に示すように、銅箔203を除去する。通常、銅箔203を除去するには、溶解、研削とプラズマエッチングの少なくとも1種を採用できる。
【0044】
次に、ステップ(p):図5(p)に示すように、第2の基板200を貫通して配線層107と導通する第2の銅柱204を作製する。機械またはレーザで穴を開けてから、電気めっきして第2の銅柱204を形成できる。
【0045】
最後に、ステップ(q):図5(q)に示すように、第1の基板100の上面および第2の基板200の下面に外特徴層109を形成する。
【0046】
該ステップは、第1の基板100の上面および第2の基板200の下面にシード層を施すことと、シード層にフォトレジスト層を施すステップと、露光現像してパターンを形成し、パターンに銅を電気めっきして外特徴層109を形成するステップと、フォトレジスト層を除去し露出したシード層をエッチングするステップと、を含んでもよい。
【0047】
また、さらに続けて、外特徴層109に増層工程をして追加層を形成してもよい。
【0048】
本発明に係る方法は、半パッケージ体を閉塞して空気キャビティを形成することで、空気キャビティを形成した後、高温高圧の後工程を繰り返し経る必要がなくなり、空気キャビティが漏れないようにして、空気キャビティを有するパッケージ基板の歩留まりが著しく向上した。また、本発明に係る方法は、配線層、接着層及び第2の特徴層の厚さによって空気キャビティの深さを容易に調節することができ、従来の技術に存在していた空気キャビティの深さ調節が難しいという技術問題を解決した。
【0049】
当業者は、本発明が上記の具体的な図示と説明の内容に限らないことを意識する。そして、本発明の範囲は別紙の特許請求の範囲によって限定され、上記の各技術的特徴の組み合わせとサブ組み合わせ、およびその変化と改善を含めて、当業者は上記の説明を読んだ後、このような組み合わせ、変化と改善を予見し得る。
【0050】
特許請求の範囲において、「含む」という用語および「包含」、「含有」のようなその変体とは、列挙される部材が含まれているが、他の部材を一般的に除外しないことを指す。
【符号の説明】
【0051】
100:第1の基板
101:フレーム
1011:第1の銅柱
1012:チップソケット
102:テープ
103:チップ
1031:チップの端子面
1031:チップの端子面
104:第1の絶縁層
105:第1のシード層
106:第1のフォトレジスト層
107:配線層
108:空気キャビティ
109:外特徴層
200:第2の基板
201:第2の絶縁層201
202:第2の特徴層
203:銅箔
204:第2の銅柱
300:接着層
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図5-4】
図5-5】