(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、車両、サーバ、時刻補正方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/10 20060101AFI20231129BHJP
H04L 7/00 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
G06F1/10 510
H04L7/00 990
(21)【出願番号】P 2021059880
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新谷 秀和
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-160976(JP,A)
【文献】特開2010-252150(JP,A)
【文献】特開2015-093477(JP,A)
【文献】国際公開第2015/093187(WO,A1)
【文献】特開2012-147186(JP,A)
【文献】特開2002-186166(JP,A)
【文献】特開2014-127993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/04-1/14
H04L 7/00-7/10
G06F 1/26-1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
自ら計った時間に基づく第1の時刻情報を計算するための時刻情報管理部と、
前記情報処理装置の外から取得した第2の時刻情報に基づいて、前記時刻情報管理部が管理する時刻情報を更新する時刻更新部と、
前記更新が行われる時点である第1の時点
よりも前の予め定められた第1の期間に前記時刻更新部が前記時刻情報管理部が管理する時刻情報の前記更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、前記時刻更新部が前記第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する時刻補正部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記時刻補正部は、前記時刻更新フラグが前記第1の期間に前記更新を行っていないことを示す場合に、前記第1の時点における前記第1の時刻情報と前記第2の時刻情報との差分を前記第1の時刻情報に加算することにより、前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記時刻補正部は、前記時刻更新フラグが前記第1の期間に前記更新を行っていないことを示す場合に、前記第1の時点で行った前記時刻更新量を前記第1の時刻情報に加算することにより、前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記時刻補正部は、前記時刻更新フラグが前記第1の期間に前記更新を行っていないことを示す場合に、前記第1の時点における前記第2の時刻情報から遡って順次、時間を逆算することにより、前記第1の時刻情報を補正する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記時刻補正部は、前記時刻更新フラグが前記第1の期間に前記更新を行ったことを示す場合に、前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正しない、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記時刻補正部は、前記時刻更新部が前記第1の時点で行った前記時刻更新量に基づいて、前記更新がされていない前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の基本機能が動作しているオンモード、前記情報処理装置の基本機能が停止しているオフモード、および前記情報処理装置の一部の機能が動作している省電力モードを有し、前記第1の期間は、前記情報処理装置が前記オフモードおよび前記省電力モードの少なくとも1つである期間のうちの少なくとも一部の期間である、請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記時刻更新フラグが前記第1の期間に前記更新を行っていないことを示す場合に、前記第1の期間における前記第1の時刻情報を破棄するデータ処理部をさらに有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記補正された前記第1の時刻情報と、情報処理装置の状態を示すデータとを関連付けて記憶する記憶部をさらに有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記時刻更新フラグ、前記時刻更新量、前記補正された前記第1の時刻情報、前記第2の時刻情報、および前記情報処理装置の状態を示すデータが関連付けられて入力されたテーブルを有する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置を有する、車両。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置を有する、サーバ。
【請求項13】
情報処理装置内において時刻情報管理部が管理する現在の時刻である第1の時刻情報を示す時刻補正方法であって、
前記情報処理装置外の第2の時刻情報に基づいて、前記時刻情報管理部が管理する時刻情報の時刻更新を行う時刻更新段階と、
前記更新が行われる時点である第1の時点よりも前の予め定められた第1の期間に前記時刻更新段階において前記時刻情報管理部が管理する時刻情報の前記更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、前記時刻更新段階において前記第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する時刻補正段階と、
を有する、時刻補正方法。
【請求項14】
システムであって、
自ら計った時間に基づく第1の時刻情報を計算するための時刻情報管理部と、
前記システムの外から取得した第2の時刻情報に基づいて、前記時刻情報管理部が管理する時刻情報を更新する時刻更新部と、
前記更新が行われる時点である第1の時点
よりも前の予め定められた第1の期間に前記時刻更新部が前記時刻情報管理部が管理する時刻情報の前記更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、前記時刻更新部が前記第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて前記第1の期間における前記第1の時刻情報を補正する時刻補正部と、
を有する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、車両、サーバ、時刻補正方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「CPUの通常動作モード用とは別個にスリープモード用のクロックを有するマイクロコンピュータ、およびそのクロックの補正方法」が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 国際公開2015-093187号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、自ら計った時間に基づく第1の時刻情報を計算するための時刻情報管理部を有する。情報処理装置は、情報処理装置の外から取得した第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部が管理する時刻情報を更新する時刻更新部を有する。情報処理装置は、更新が行われる時点である第1の時点までの予め定められた第1の期間に時刻更新部が時刻情報管理部が管理する時刻情報の更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、時刻更新部が第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する時刻補正部を有する。
【0004】
時刻補正部は、時刻更新フラグが第1の期間に更新を行っていないことを示す場合に、第1の時点における第1の時刻情報と第2の時刻情報との差分を第1の時刻情報に加算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正してよい。
【0005】
時刻補正部は、時刻更新フラグが第1の期間に更新を行っていないことを示す場合に、第1の時点で行った時刻更新量を第1の時刻情報に加算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正してよい。
【0006】
時刻補正部は、時刻更新フラグが第1の期間に更新を行っていないことを示す場合に、第1の時点における第2の時刻情報から遡って順次、時間を逆算することにより、第1の時刻情報を補正してよい。
【0007】
時刻補正部は、時刻更新フラグが第1の期間に更新を行ったことを示す場合に、第1の期間における第1の時刻情報を補正しなくてよい。
【0008】
時刻補正部は、時刻更新部が第1の時点で行った時刻更新量に基づいて、更新がされていない第1の期間における第1の時刻情報を補正してよい。
【0009】
情報処理装置は、情報処理装置の基本機能が動作しているオンモード、情報処理装置基本機能が停止しているオフモード、および情報処理装置の一部の機能が動作している省電力モードを有し、第1の期間は、情報処理装置がオフモードおよび省電力モードの少なくとも1つである期間のうちの少なくとも一部の期間であってよい。
【0010】
時刻更新フラグが第1の期間に更新を行っていないことを示す場合に、第1の期間における第1の時刻情報を破棄するデータ処理部をさらに有してよい。
【0011】
補正された第1の時刻情報と、情報処理装置の状態を示すデータとを関連付けて記憶する記憶部をさらに有してよい。
【0012】
記憶部は、時刻更新フラグ、時刻更新量、補正された第1の時刻情報、第2の時刻情報、および情報処理装置の状態を示すデータが関連付けられて入力されたテーブルを有してよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、車両が提供される。車両は、上記情報処理装置を有する。
【0014】
本発明の第3の態様においては、サーバが提供される。サーバは、上記情報処理装置を有する。
【0015】
本発明の第4の態様においては、時刻補正方法が提供される。時刻補正方法は、情報処理装置内において時刻情報管理部が管理する現在の時刻である第1の時刻情報を示す時刻補正方法である。時刻補正方法は、情報処理装置外の第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部が管理する時刻情報の時刻更新を行う時刻更新段階を有する。時刻補正方法は、時刻更新段階で予め定められた第1の期間に時刻情報管理部が管理する時刻情報の時刻更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、時刻更新段階が第1の期間の終了時点である第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する時刻補正段階を有する。
【0016】
本発明の第5の態様においては、システムが提供される。システムは、自ら計った時間に基づく第1の時刻情報を計算するための時刻情報管理部を有する。システムは、システムの外から取得した第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部が管理する時刻情報を更新する時刻更新部を有する。システムは、更新が行われる時点である第1の時点までの予め定められた第1の期間に時刻更新部が時刻情報管理部が管理する時刻情報の更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、時刻更新部が第1の時点で行った時刻更新量と、の少なくとも1つに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する時刻補正部を有する。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る車両50の利用形態を模式的に示す図である。
【
図2】本実施形態における車両50の制御システムの実装例を示す図である。
【
図3】本実施形態における情報処理装置200の概略的な構成を示すブロック図である
【
図4】本実施形態における記憶部25が有するテーブル25aの概略的な構成を示す図である。
【
図5】本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第1の例を示す図である。
【
図6】本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第2の例を示す図である。
【
図7】本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第3の例を示す図である。
【
図8】本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第4の例を示す図である。
【
図9】本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第5の例を示す図である。
【
図10】本実施形態におけるタイミングチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る車両50の利用形態を模式的に示す図である。車両50は、例えば自動車である。車両50は、内燃機関を備える自動車、電気自動車、燃料電池自動車(FCV)等であってよい。車両50は、輸送機器の一例である。
【0021】
車両50は、情報処理装置200を備える。情報処理装置200は、外部装置30a及び外部装置30bとデータ通信を行う。なお、本実施形態において、外部装置30a及び外部装置30bのことを「外部装置30」と総称する場合がある。
【0022】
情報処理装置200は、通信ネットワーク90及び無線通信システム92を通じて、外部装置30と通信する。通信ネットワーク90は、インターネット等のIPネットワーク、P2Pネットワーク、VPNを含む専用回線、及び仮想ネットワーク等を含む。本実施形態において、無線通信システム92は、通信ネットワーク90に接続される移動体通信網である。例えば、無線通信システム92は、無線アクセスネットワーク及びコアネットワークを含む。
【0023】
外部装置30aは、例えば車両50の乗員にサービス提供するサーバを含む。例えば外部装置30aは、動画等のコンテンツデータを格納するサーバや、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を提供するサーバ等を含む。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、外部装置30aから動画データを受信する。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、SNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aから受信する。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、車両50の乗員からのSNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aに送信する。
【0024】
外部装置30bは、例えば車両50の制御係に関するサービス提供を行うサーバである。外部装置30bは、例えば車両50の制御系関連情報を収集するサーバを含んでよい。外部装置30が収集する制御関連情報は、車両50の自動運転に用いられたLIDARデータ等を例示することができる。外部装置30bは、例えば車両50に制御系関連情報を提供するサーバを含んでよい。外部装置30bが提供する制御系関連情報としては、車両50の自動運転に用いられる地図データ等を含んでよい。情報処理装置200は、自動運転制御のために取得したLIDARデータ等を外部装置30bに送信する。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に関係なく、地図データを外部装置30bから受信する。
【0025】
図2は、本実施形態における車両50の制御システムの実装例を示す図である。制御システム1000は、コアECU1010と、TCU1020と、AD/ADAS ECU1021と、情報系ECU1022と、エリアECU1023と、エリアECU1024と、センサ機器1040と、情報系機器1041と、駆動系機器1030と、快適系機器1031と、アラーム系機器1032と、視界系機器1033と、先進安全系機器1034と、防盗系機器1035と、灯体系機器1036と、ドア系機器1037と、ドライブポジション系機器1038と、開閉系機器1039と、通信ネットワーク1080と、通信ネットワーク1081と、通信ネットワーク1082と、通信ネットワーク1084と、通信ネットワーク1085とを備える。AD/ADAS ECU1021は、自動運転(AD)、先進運転支援システム(ADAS)に関する制御を行うECUである。
【0026】
TCU1020はテレマティクス制御ユニットである。TCU1020は、情報処理装置200の一例である。なお、TCU1020及びコアECU1010が協働して、上述した情報処理装置200として機能してもよい。AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、それぞれ上述した制御装置24の一実装例である。
【0027】
通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084、及び通信ネットワーク1085は、車両内ネットワーク29の一実装例である。通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、イーサネット(登録商標)ワークを備えてよい。TCU1020、コアECU1010、AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085を介してIP通信可能であってよい。なお、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、CANを備えてよい。
【0028】
センサ機器1040は、カメラ、レータ及びLIDARを含むセンサを備える。AD/ADAS ECU1021は、バスを通じてセンサ機器1040が備える各センサに接続され、センサ機器1040が備える各センサを制御するとともに、各センサが検出した情報を取得する。
【0029】
情報系機器1041は、メータ機器、ディプレイ機器、チューナ、プレーヤ、DSRC(狭域通信)システム、無線充電器及びUSBポートを含む機器を備える。情報系ECU1022は、バスを通じて情報系機器1041が備える各機器に接続され、情報系機器1041が備える各機器を制御する。情報系機器1041は、情報通信機器、マルチメディア関連機器、ユーザインタフェース機器を含む。
【0030】
駆動系機器1030は、電動パーキングブレーキ(EPB)、電動パワーステアリングシステム(EPS)、車両挙動安定化制御システム(VSA)、シフター(SHIFTER)、パワー・ドライブ・ユニット(PDU)、インテリジェントパワーユニット(IPU)、及び燃料噴射装置(FI)を含む機器を備える。駆動系機器1030は、バスを通じて駆動系機器1030が備える各機器に接続され、駆動系機器1030が備える各機器を制御する。
【0031】
エリアECU1024は、バスを通じて、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続され、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が備える機器を制御する。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続される。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、主として車両50の補機を含む。
【0032】
駆動系機器1030、センサ機器1040、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、車両50の制御系の機器である。情報系機器1041は非制御系の機器である。
【0033】
センサ機器1040、駆動系機器1030、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が含む機器に関するデータ通信は、情報系機器1041が含む機器に関するデータ通信と比べて、優先度が低くてよい。
【0034】
なお、車両50は、移動体の一例である。移動体としては、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、航空機、船舶等の輸送機器を含む。移動体は、輸送機器に限らず、移動可能な任意の機器であってよい。
【0035】
車両50の情報処理装置200は、オンモード、オフモード、および省電力モードを有する。オンモードは、車両50の情報処理装置200の基本機能が動作しているモードであり、オフモードは、車両50の情報処理装置200の基本機能が停止しているモードであり、省電力モードは、車両50の情報処理装置200の基本機能の内の一部の機能が動作しているモードである。省電力モードは停止する機能の範囲に応じて複数の形態を持っていてもよく、第1の時刻情報を計算するための時刻情報管理部(計算に使用する時刻情報管理部を発振する発振子)を切り替えても良い。この時刻情報管理部によって十分な精度の時刻情報が得られる場合、時刻情報を補正しなくても良い。
【0036】
図3は、本実施形態における情報処理装置200の概略的な構成を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置200は、時刻情報管理部22と、時刻更新部23と、時刻補正部24と、記憶部25と、データ処理部26と、クロック27と、を有する。記憶部25は、テーブル25aを有する。
【0037】
時刻情報管理部22は、車両50の情報処理装置200における時刻情報を管理する。時刻情報管理部22は、クロック27を参照して、情報処理装置200内部の時刻情報である第1の時刻情報を管理する。ここで、時刻情報管理部22の第1の時刻情報は、情報処理装置200内部の時刻情報であるため、情報処理装置200の工場出荷状態からから起動して時刻更新されるまでの間、作動電源が得られない間、外部の電波からを受信できない間などの場合に、世界標準時刻からずれることがある。
【0038】
クロック27は、時刻情報を保持する時計である。クロック27は、発振子の精度が良い高精度クロックと発振子の精度が悪い省電力クロックの2つを有する。オンモードの場合および省電力モードの場合、発振子の精度が良い高精度クロックを用いるのでクロック27の時刻情報はほぼずれないことが期待される。一方で、オフモードの場合には省電力クロックによって間欠動作させるので、省電力だが、精度が悪く、ずれが発生することがある。
【0039】
時刻情報管理部22の第1の時刻情報が世界標準時刻からずれると、例えば、以下の問題が生じる。情報処理装置200における、車両50の状態を示すデータや車両50に関連するデータをデータ取得時刻と一緒に表示するサービスにおいて、不正確な時刻情報が表示される恐れがある。上記データの解析において、正確な相対時刻が計算できないため、時系列情報として解析できない、もしくは解析結果に悪影響を与える恐れがある。上記データが複数のファイルに分割されて記録されている場合、第1の時刻情報を用いたファイル間のデータの時刻情報による紐づけができない、もしくは誤って紐づけてしまう恐れがある。
【0040】
時刻更新部23は、予め定められた時間間隔で情報処理装置200の外部から取得した第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部22が管理する時刻情報を更新する。時刻更新部23は、例えば、NTP(Network Time Protocol)サーバと時刻同期を行ったり、GNSS(global navigation satellite system)やキャリアなどの各種電波から得られる情報を元に同期することで第1の時刻情報を更新し、第1の時刻情報が世界標準時刻からずれることを防ぐ。
【0041】
時刻補正部24は、時刻情報管理部22の第1の時刻情報が世界標準時刻からずれないように、第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、例えば、工場出荷状態から起動して時刻更新部23による時刻更新される以前の第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、時刻更新部23による時刻更新が行われる時点である第1の時点までの予め定められた第1の期間に時刻更新部23が時刻情報管理部22の時刻更新を行ったかを示す時刻更新フラグ23aと、時刻更新部23が第1の時点で行った時刻更新量23bと、の少なくとも1つに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する。第1の期間は、情報処理装置200がオフモードおよび省電力モードの少なくとも1つである期間のうちの少なくとも一部の期間であってよい。
【0042】
時刻更新フラグ23aは、情報処理装置200がオフモードからオンモードに復帰した後に、時刻更新部23が外部から取得した第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部22の時刻を更新したことを示すフラグである。時刻更新フラグ23aは、時刻更新部23が時刻情報管理部22の第1の時刻情報を更新したことを示す「1」、または時刻情報管理部22の第1の時刻情報を更新していないことを示す「0」で表される。
【0043】
時刻更新フラグ23aは、情報処理装置200がオフモードからオンモードに移行した時点で「0」となり、情報処理装置200がオフモードからオンモードに移行した後に、時刻更新部23が時刻情報管理部22の第1の時刻情報を更新した時点で「1」となる。その後、情報処理装置200がオンモードや省電力モードである間、時刻更新フラグ23aは、「1」の状態を保持する。
【0044】
時刻更新量23bは、時刻更新部23が情報処理装置200の外部から取得した第2の時刻情報に基づいて、時刻情報管理部22の時刻を更新した際における時刻更新量である。例えば、情報処理装置200の第1の時刻情報が、外部の第2の時刻情報から「55秒」進んでいた場合に、時刻更新部23は第1の時刻情報を「55秒」遅らせる時刻更新を行うが、その際の時刻更新量23bは、「55秒」である。本実施形態では、時刻更新部23bは1秒単位で更新を行うが、より細かい単位(ミリ秒やマイクロ秒)で第1の時刻情報と時刻更新量23bを管理、記録しても良いし、その単位の精度で補正しても良い。
【0045】
記憶部25は、時刻更新フラグ23a、時刻更新量23b、第1の時刻情報、第2の時刻情報が関連付けられて入力されたテーブル25aを有する。テーブル25aには、上記情報と、情報処理装置200の状態を示すデータとが関連付けられて入力されていてもよい。
【0046】
図4は、本実施形態における記憶部25が有するテーブル25aの概略的な構成を示す図である。
図4に示すように、テーブル25aは、シークエンスナンバーと、座標と、情報処理装置200の時刻としての第1の時刻情報と、時刻更新フラグ23aと、時刻更新量23bと、本来の時刻としての第2の時刻情報の欄を有する。図示していないが、テーブル25aは、第1の時刻情報と関連付けて車両50の状態を示すデータの欄を有してもよい。
【0047】
図4において、シークエンスナンバー「101」「102」の行では時刻更新は行われておらず(未更新)、シークエンスナンバー「103」における座標「30」の行で時刻更新が行われている。したがって、シークエンスナンバー「101」における座標「0」の行から、シークエンスナンバー「103」における座標「29」の行までの、時刻未更新である行では、第1の時刻情報と第2の時刻情報がずれている。具体的には、第1の時刻情報が第2の時刻情報から「55秒」進んでいる。時刻更新部23による時刻更新が行われるまでの期間を、第1の期間と称する。
【0048】
図4に示すように、第1の期間において、時刻更新フラグ23aは、時刻情報管理部22の時刻が更新されていないことを示す「0」である。一方で、シークエンスナンバー「103」における座標「30」の行以降では、時刻更新フラグ23aは、時刻情報管理部22の時刻が更新されたことを示す「1」である。シークエンスナンバー「103」における座標「30」の行以降において、時刻更新量23bには「55秒」が入力されており、第1の時刻情報と第2の時刻情報とが一致しているため、情報処理装置200の時刻情報が、世界標準時刻と一致していることを示している。
【0049】
しかしながら、第1の期間における第1の時刻情報は時刻更新部23による更新以前の時刻情報であり、時刻更新部23による更新の対象とはならないため、第1の期間における第1の時刻情報と第2の時刻情報とは、依然として不一致である。この不一致を解消すべく、時刻補正部24は、テーブル25aの第1の期間における第1の時刻情報を補正する。
【0050】
図5は、本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第1の例を示す図である。
図5に示すように、第1の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、時刻更新フラグ23aが第1の期間に更新を行っていない「0」である場合に、時刻更新時点における第1の時刻情報と第2の時刻情報との差分を第1の時刻情報に加算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻更新時点における第1の時刻情報と第2の時刻情報との差分は「55秒」であるから、時刻補正部24は、第1の時刻情報から「55秒」遅らせることにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。一方で、時刻補正部24は、時刻更新フラグ23aが第1の期間に更新を行っている「1」である場合には、第1の時刻情報を補正しない。
【0051】
第1の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正するため、時刻更新量23bの項目は使用しない。これにより、第1の時刻情報を補正するためのデータ量を削減することができる。
【0052】
図6は、本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第2の例を示す図である。
図6に示すように、第2の例では、時刻補正部24は時刻更新量23bに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、第1の時点における時刻更新量23bを第1の時刻情報に加算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。第1の時点における時刻更新量23bは「-55秒」であるから、時刻補正部24は、第1の時刻情報から「55秒」遅らせることにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。
【0053】
第2の例では、時刻補正部24は時刻更新量23bに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正するため、時刻更新フラグ23aの項目は使用しない。これにより、第1の時刻情報を補正するためのデータ量を削減することができる。
【0054】
図7は、本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第3の例を示す図である。
図7に示すように、第3の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、時刻更新フラグ23aが第1の期間に更新を行っていない「0」である場合に、時刻更新時点における第2の時刻情報から遡って順次、時間を逆算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻更新時点における第2の時刻情報は「10(時):02(分):30(秒)」を示している。時刻補正部24は、座標ごとに一秒ずつ第2の時刻情報から遡らせることにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。
【0055】
第3の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正するため、時刻更新量23bの項目は使用しない。これにより、第1の時刻情報を補正するためのデータ量を削減することができる。
【0056】
図8は、本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第4の例を示す図である。
図8に示すように、第4の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aおよび時刻更新量23bに基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻補正部24は、時刻更新フラグ23aが第1の期間に更新を行っていない「0」である場合に、時刻更新時点における時刻更新量23bを第1の時刻情報に加算することにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。時刻更新時点における時刻更新量23bは「55秒」であるから、時刻補正部24は、第1の時刻情報から「55秒」遅らせることにより、第1の期間における第1の時刻情報を補正する。
【0057】
第4の例では、時刻補正部24は時刻更新フラグ23aおよび時刻更新量23bの双方に基づいて第1の期間における第1の時刻情報を補正するため、第1の時刻情報を補正するためにテーブル25aにおいて使用しない項目はない。
【0058】
図9は、本実施形態における時刻補正部24による時刻補正の第5の例を示す図である。
図9に示すように、第5の例では、時刻更新フラグ23aが第1の期間に更新を行っていないことを示す場合に、データ処理部26は、時刻更新前の第1の期間における情報を破棄する。これにより、記憶部25が保持するデータ量を削減することができる。この処理は、第1の期間における第1の時刻情報が重要ではない場合などに行われる。
【0059】
図10は、本実施形態におけるタイミングチャートの例を示す図である。車両50の情報処理装置200を起動するためのイグニッションスイッチがオン(ON)されると、動作モードがオンモードとなり、イグニッションスイッチがオフ(OFF)されると、動作モードが省電力モードとなる。本実施形態において、動作モードがオンモードであるときは、時刻更新が可能な状態であり、動作モードが省電力モードまたはオフモードであるときは、時刻更新が不可な状態である。なお、動作モードが省電力モードのときに時刻更新が可能な状態としてもよい。
【0060】
動作モードが省電力モードから、オフモードに切り替わった時刻t1において、車両50の情報処理装置200の基本機能が停止するため、第1の時刻情報が第2の時刻情報からずれ始める。
図9において、第1の時刻情報は実線で示されており、第2の時刻情報は第1の時刻情報に続く破線で示される。
【0061】
時刻t2において、イグニッションスイッチが再びオン(ON)され、動作モードがオンモードになると、時刻更新フラグ23aが「1」から「0」となる。時刻t1からt2の期間では、時刻更新部23によって時刻が更新されない更新不可状態である。時刻t3において、時刻更新部23によって時刻が更新される(更新可)と、時刻更新フラグ23aが「0」から「1」となる。
【0062】
上記実施形態における情報処理装置200によれば、時刻補正部24が第1の期間における第1の時刻情報を補正する。これにより、例えば、車両50の状態を示すデータや車両50に関連するデータをデータ取得時刻と一緒に表示するサービスにおいて、不正確な時刻情報がユーザに対して表示されることを防止することができる。また、取得時刻がずれている可能性があるデータを解析・学習対象から除けるようにすることで、解析・学習データの品質を向上させることができる。
【0063】
上記実施形態における情報処理装置200によれば、時刻更新フラグ23aと時刻更新量23bを別々に管理する。これにより、時刻更新フラグ23aと時刻更新量23bのいずれかの情報のみを用いて第1の時刻情報を補正することができ、使用しない情報は破棄することができ、記憶部25に保持されるデータ量を削減できる。
【0064】
上記実施形態では、
図3に示す構成は、車両50の情報処理装置200内の構成として記載した。しかしながら、
図3に示す構成は他の装置またはシステムに搭載されてよく、
図4以降の処理は他の装置またはシステムによって実行されてもよい。例えば、上記構成がスマートフォンに搭載され、上記処理がスマートフォンにおける時刻情報管理部の補正方法として実行されてもよい。上記構成の一部がサーバである外部装置30a及び外部装置30bに搭載され、上記処理がサーバにおける時刻情報管理部の補正方法として実行されてもよい。この場合、第1の時刻情報、時刻更新フラグ23a、および時刻更新量23bのすべてもしくは一部をファイルに書き込み、それをサーバやスマホに送信して補正してサーバやスマホ側で第1の時刻情報を補正して第2の時刻情報を得て扱っても良い。もしくは、アップロードの即時性を求められるわけではなく、TCU1020に演算能力の余裕があり、サーバやスマホの負荷を下げたい場合、TCU1020側で第2の時刻情報を計算してからファイルに書き込み、サーバやスマホ側に送信しても良い。
【0065】
上記実施形態において、情報処理装置200が管理している時刻情報がきりの良い時間(1秒間隔など)に変化した瞬間に、情報処理装置200が管理している時刻情報および時刻更新段階で予め定められた第1の期間に情報処理装置200が管理している時刻情報の時刻更新を行ったかを示す時刻更新フラグと、時刻更新部が第1の期間の終了時点である第1の時点で行った時刻更新量を一緒に送信し、他のECU内の時刻管理に用いたり、他のECUが管理する内部イベント情報と一緒に管理し、後で取り出せるようにしてもよい。これにより、時刻補正機能を持たない(コスト的に時刻更新機能を持てない)ECUであっても時刻情報を管理できる。例えば、故障情報と共に、発生時の時刻を保持できるようになる。また、補正関係の情報を一緒に保持しておけば、改正時、補正したり破棄したりすることが可能となる。
【0066】
図11は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0067】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0068】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0069】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0070】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0071】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0072】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0073】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0074】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0075】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0077】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0078】
22 時刻情報管理部
23 時刻更新部
24 時刻補正部
25 記憶部
25a テーブル
26 データ処理部
27 クロック
30a、30b 外部装置
50 車両
90 通信ネットワーク
92 無線通信システム
200 情報処理装置
1010 コアECU
1020 TCU
1021 AD/ADAS ECU
1022 情報系ECU
1023 エリアECU
1024 エリアECU
1030 駆動系機器
1031 快適系機器
1032 アラーム系機器
1033 視界系機器
1034 先進安全系機器
1035 防盗系機器
1036 灯体系機器
1037 ドア系機器
1038 ドライブポジション系機器
1039 開閉系機器
1040 センサ機器
1041 情報系機器
1080 通信ネットワーク
1081 通信ネットワーク
1082 通信ネットワーク
1084 通信ネットワーク
1085 通信ネットワーク