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特許7393411モジュール式エアロゾル生成デバイスのための電力モジュール及びモジュール式エアロゾル生成デバイスのためのモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】モジュール式エアロゾル生成デバイスのための電力モジュール及びモジュール式エアロゾル生成デバイスのためのモジュール
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20231129BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231129BHJP
【FI】
A24F40/53
A24F40/40
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021502411
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2019069941
(87)【国際公開番号】W WO2020020956
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】1812062.6
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブリック, ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ブルートン, コナー
(72)【発明者】
【氏名】リース, ケリー
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー, アルフレッド ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ヘップワース, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シンプソン, マイケル
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/055584(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/011037(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/118553(WO,A1)
【文献】特表2012-513750(JP,A)
【文献】国際公開第2017/005471(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのモジュール式エアロゾル生成デバイスのための電力モジュールであって、前記電力モジュールは、ユーザーが、第1のモジュールタイプのモジュール又は第2のモジュールタイプのモジュールのいずれかである単一のモジュールを前記電力モジュールに選択的に接続することにより前記モジュール式エアロゾル生成デバイスを構成することができるように構成されており、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールが、非eリキッド材料を収容するためのものであり、及び、吸入可能なエアロゾルを生成するために前記非eリキッド材料を加熱するように作動されることができる加熱器を備え、前記第2のモジュールタイプの前記モジュールが、吸入可能な前記エアロゾルを生成するためのeリキッドを収容するためのものである、電力モジュール。
【請求項2】
前記電力モジュールが制御回路を備え、前記制御回路は、前記第1のモジュールタイプのモジュールが前記電力モジュールに接続された場合には前記第1のモジュールタイプのモジュールを制御するのに適した第1の制御スキームを適用するように、及び、前記第2のモジュールタイプのモジュールが前記電力モジュールに接続された場合には前記第2のモジュールタイプのモジュールを制御するのに適した第2の制御スキームを適用するように構成されている、請求項1に記載の電力モジュール。
【請求項3】
前記制御回路が、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールと前記第2のモジュールタイプの前記モジュールとのうちのどちらが前記電力モジュールに接続されたかを識別するように構成されている、請求項2に記載の電力モジュール。
【請求項4】
前記制御回路が、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールと前記第2のモジュールタイプの前記モジュールとのうちのどちらが前記電力モジュールに接続されたかを識別したことに応答して、前記第1の制御スキームと前記第2の制御スキームとのうちのどちらが適用されるかを選択するように構成されている、請求項3に記載の電力モジュール。
【請求項5】
前記電力モジュールが、前記第1のモジュールタイプの前記モジュール又は前記第2のモジュールタイプの前記モジュールのいずれかに前記電力モジュールを接続することができる接続インターフェースを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の電力モジュール。
【請求項6】
前記接続インターフェースが、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールの、又は前記第2のモジュールタイプの前記モジュールの相補ねじ接続部に接続するためのねじ接続部を備える、請求項5に記載の電力モジュール。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記電力モジュールとともに使用するための第1のモジュールタイプのモジュールであって、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールが、非eリキッド材料を収容するためのハウジングと、吸入可能なエアロゾルを生成するために前記非eリキッド材料を加熱するように作動されることができる加熱器と、前記電力モジュールに前記モジュールを接続するための第1のモジュールタイプ接続インターフェースと、を備える、第1のモジュールタイプのモジュール。
【請求項8】
前記モジュールが、使用中に前記加熱器を制御するためのモジュール制御回路を更に備える、請求項7に記載のモジュール。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記電力モジュールとともに使用するための第2のモジュールタイプのモジュールであって、前記第2のモジュールタイプの前記モジュールが、eリキッドを収容するためのハウジングと、前記eリキッドから吸入可能なエアロゾルを生成するために作動されることができるエアロゾル生成構成体と、前記電力モジュールに前記モジュールを接続するための第2のモジュールタイプ接続インターフェースとを備える、第2のモジュールタイプのモジュール。
【請求項10】
前記エアロゾル生成構成体が、加熱器と圧電構成体とのうちの1つを備える、請求項9に記載のモジュール。
【請求項11】
前記モジュールが、使用中に前記加熱器又は前記圧電構成体を制御するためのモジュール制御回路を更に備える、請求項10に記載のモジュール。
【請求項12】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのモジュール式エアロゾル生成デバイスであって、前記モジュール式エアロゾル生成デバイスが、
請求項1~6のいずれか一項に記載の前記電力モジュール、
請求項7又は8に記載の前記第1のモジュールタイプのモジュール、又は、
請求項9~11のいずれか一項に記載の前記第2のモジュールタイプのモジュール、
を備える、モジュール式エアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
請求項12の前記モジュール式エアロゾル生成デバイスのための部品のキットであって、前記キットが、前記電力モジュールと、前記第1のモジュールタイプの前記モジュールと、前記第2のモジュールタイプの前記モジュールとを備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式エアロゾル生成デバイスのための電力モジュール、モジュール式エアロゾル生成デバイスのためのモジュール、及びモジュール式エアロゾル生成デバイスに関する。
【背景】
【0002】
喫煙品、例えば、シガレット、シガーなどは、使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を生成する。
【0003】
燃焼させることなく化合物を放出する製品を製造することにより、タバコを燃焼させるこれらの品の代替物を提供する試みがなされている。
【0004】
このような製品の例は、材料を加熱するが燃焼させないことにより化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えば、ニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよいタバコ、又は他の非タバコ製品であることができる。
【0005】
別の例として、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。これらのデバイスは、典型的には、液体を気化させて吸入可能な蒸気又はエアロゾルを生成するために、加熱されるeリキッドと呼ばれる液体を収容している。液体は、ニコチン及び/又は香料及び/又はエアロゾル生成物質、例えばグリセロールを含有することができる。eシガレットデバイスは、典型的には、タバコを含まず、及び使用しない。
【0006】
更に異なる別の例として、いわゆるハイブリッドデバイスが存在する。これらのハイブリッドデバイスは、典型的には、eリキッド及びタバコ又は他の香料材料を別々に収容する。香料が蒸気又はエアロゾルに提供されるようにタバコ又は他の香料材料を通る吸入可能な蒸気又はエアロゾルを生成するために液体を気化させるために、液体が加熱される。
【概要】
【0007】
本発明の第1の態様によると、吸入可能なエアロゾルを生成するためのモジュール式エアロゾル生成デバイスのための電力モジュールであって、電力モジュールが、ユーザーが第1のモジュールタイプのモジュール又は第2のモジュールタイプのモジュールのいずれかである単一のモジュールを電力モジュールに選択的に接続することにより、エアロゾル生成デバイスを構成することができるように構成されており、第1のモジュールタイプのモジュールが、非eリキッド材料を収容するためのものであり、吸入可能なエアロゾルを生成するために非eリキッド材料を加熱するように作動されることができる加熱器を備え、第2のモジュールタイプのモジュールが、吸入可能なエアロゾルを生成するためのeリキッドを収容するためのものである、電力モジュールが提供される。
【0008】
電力モジュールは制御回路を備えてもよく、制御回路は、第1のモジュールタイプのモジュールが電力モジュールに接続された場合には第1のモジュールタイプのモジュールを制御するのに適した第1の制御スキームを適用するように、及び、第2のモジュールタイプのモジュールが電力モジュールに接続された場合には第2のモジュールタイプのモジュールを制御するのに適した第2の制御スキームを適用するように構成される。
【0009】
制御回路は、第1のタイプのモジュールと第2のタイプのモジュールとのうちのどちらが電力モジュールに接続されたかを識別するように構成されてもよい。
【0010】
制御回路は、第1のタイプのモジュールと第2のタイプのモジュールとのうちのどちらが制御モジュールに接続されたかを識別したことに応答して、第1の制御スキームと第2の制御スキームとのうちのどちらが適用されるかを選択するように構成されている。
【0011】
本発明の第2の態様によると、第1の態様の電力モジュールとともに使用するための第1のモジュールタイプのモジュールであって、第1のモジュールタイプのモジュールが、非eリキッド材料を収容するためのハウジングと、吸入可能なエアロゾルを生成するために非eリキッド材料を加熱するように作動されることができる加熱器と、電力モジュールにモジュールを接続するための第1のモジュールタイプ接続インターフェースとを備える、第1のモジュールタイプのモジュールが提供される。
【0012】
本発明の第3の態様によると、第3の態様の電力モジュールとともに使用するための第2のモジュールタイプのモジュールであって、第2のモジュールタイプのモジュールが、eリキッドを収容するためのハウジングと、eリキッドから吸入可能なエアロゾルを生成するために作動されることができるエアロゾル生成構成体と、電力モジュールにモジュールを接続するための第2のモジュールタイプ接続インターフェースとを備える、第2のモジュールタイプのモジュールが提供される。
【0013】
本発明の第4の態様によると、吸入可能なエアロゾルを生成するためのモジュール式エアロゾル生成デバイスであって、デバイスが、第1の態様の電力モジュール、第2の態様の第1のモジュールタイプのモジュール、又は、第3の態様の第2のモジュールタイプのモジュールを備える、モジュール式エアロゾル生成デバイスが提供される。
本発明の更なる特徴及び利点が、添付図面を参照しながら説明される、単なる例示として与えられる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなる。図面のうちの異なる図面に現れる類似した特徴は、異なる図面において同じ参照符号を伴う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】モジュール式エアロゾル提供デバイスの概略図である。
図2】第1のモジュールタイプのモジュールの概略図である。
図3】第2のモジュールタイプのモジュールの概略図である。
図4】電力モジュールの概略図である。
図5】マウスピースの概略図である。
【詳細な説明】
【0015】
図1を参照すると、モジュール式エアロゾル提供デバイス100の例の概略図が示される。エアロゾル提供デバイス100は、吸入デバイスであり(すなわち、ユーザーはエアロゾル提供デバイス100を使用して、デバイス100により生成されたエアロゾルを吸入する)、デバイス100は手持ち式デバイスである。
【0016】
ごく大まかに述べると、ユーザーがデバイス100を吸ったとき、デバイス100は、デバイス100からユーザーの口内に通る蒸気又はエアロゾルを生成する。
【0017】
この点について、まず、概して、蒸気は、物質の臨界温度より低い温度において気相にある物質であることが言及されることができ、このことは、例えば温度を下げずに蒸気の圧力を高めることにより蒸気が液体に凝縮され得ることを意味する。また一方では、一般に、エアロゾルは空気又は別のガス中における微細固体粒子又は液滴のコロイドである。コロイドは、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質の至る所で浮遊している物質である。便宜上の理由から、本明細書において使用されるとき、エアロゾルという用語は、エアロゾル、蒸気、又はエアロゾルと蒸気との組み合わせを意味すると解釈されなければならない。
【0018】
図1に戻ると、デバイス100は、電力モジュール200、エアロゾルを生成するための物質を収容するためのモジュール300、及び、この例ではマウスピース600を備える。以下で更に詳細に説明されるように、ユーザーが、電力モジュール200に接続するためのモジュール300のタイプを選択することによりデバイス100を構成することができることが有益である。この例において、モジュール300は、第1のモジュールタイプのモジュール又は第2のモジュールタイプのモジュールである。第1のモジュールタイプのモジュールは、非eリキッド材料を収容するためのものであり、吸入可能なエアロゾルを生成するために非eリキッド材料を加熱するように作動されることができる加熱器を備え、第2のモジュールタイプのモジュールは吸入可能なエアロゾルを生成するためのeリキッドを収容するためのものである。
【0019】
ここで図2を参照すると、第1のモジュールタイプのモジュール300aの例が示されている。第1のモジュールタイプのモジュール300aは、ハウジング402を通って延びた円筒経路部403を備えるハウジング402を備える。円筒経路部403は、モジュール300aの近位端である一端部407に出口406を備え、モジュール300aの遠位端である他端部409において閉じている。モジュール300aは、非eリキッド材料である材料408を経路部403に収容するためのものである。幾つかの例において、材料408は、経路部403内に収容された結合の緩い材料である。それらの例において、ハウジング402は、材料が出口406から外に通過することを防ぐための出口スクリーン412を備えてもよい。出口スクリーン412は、ユーザーが経路部403内に材料408を補充することを可能にするために、取り外し可能であってもよい。出口スクリーン412は、エアロゾルが通ることを可能にするために、多孔質である。
【0020】
幾つかの例において、材料408は、例えば自体が経路部403内にある、開放端をもつ管といった、材料408自体の容器(図示されていない)内に保持されていてもよい。管は、適切な材料、例えば酢酸セルロースラッピング又はプラスチックから形成されることができる。
【0021】
第1のモジュールタイプのモジュール300aは、材料408を加熱するための加熱構成体414を更に備える。加熱構成体414は、抵抗加熱構成体、誘導加熱構成体、及び放射加熱構成体を包含する任意の適切なタイプのものであることができる。
材料408は、典型的にはタバコを含むが、何らかの他の植物性の又は香味料の作用剤が使用されてもよい。
【0022】
幾つかの例において、材料408により提供される香料の量を最大化するために材料の有効表面積を大きくするように、材料408は、粒子、例えば、粉末、微小体、粒子、ファイバーなどの形態をとるように、粉末にされているか又は別様に処置されている。
第1のモジュールタイプのモジュール300aは、端部409における第1のモジュールタイプの第1の接続インターフェース418と、出口406における第1のモジュールタイプの第2の接続インターフェース420とを更に備える。
【0023】
第1の接続インターフェース418は、電力モジュール200に第1のモジュールタイプのモジュール300aを解除可能に接続する。第1の接続インターフェース418は、電力モジュール200に第1のモジュールタイプのモジュール300aを機械的に、及び電気的に接続する。
【0024】
第1の接続インターフェース418は、例えば、2つの間の単純な標準化された機械的接続を提供するための、電力モジュール200の相補(コンプリメンタリー)ねじ接続部に接続するためのねじ接続部を備えていてもよい。
【0025】
第2の接続インターフェース420は、マウスピース600に第1のモジュールタイプのモジュール300aを解除可能に接続するためのものである。
【0026】
ハウジング400は、空気が経路部403内に流れることを可能にするための空気流入口422を更に備える。
【0027】
ここで図3を参照すると、第2のモジュールタイプのモジュール300bの例が概略的に示されている。第2のモジュールタイプのモジュール300bは、eシガレット液体508を収容するための液体容器506を収容するハウジング502を備える。
【0028】
この例において、液体容器506は、第2のモジュールタイプのモジュール300bのおおむね中心に提供されるが、他の構成も可能である。液体容器506は円柱形であるが、例えば錐形、円筒などの異なる形状をもっていてもよい。液体容器506は環状であり、液体容器506を通って延びた円筒経路部507を規定している。円筒経路部507はモジュールの一端部513に出口512を備え、モジュールの他端部515において閉じている。液体容器506は、硬質な水密及び気密材料例えば、金属、適切なプラスチックなどから形成されることができる。
【0029】
この例において、第2のモジュールタイプのモジュール300bは、加熱器514と、加熱器514に熱的に接触したウィック516とを備える。この例において、加熱器514及びウィック516は、「アトマイザー」としても知られる単一のユニットとして提供される。第2のモジュールタイプのモジュール300bがアトマイザーを含むこの場合において、このようなモジュールは、多くの場合、「カートマイザー」と呼ばれる。
【0030】
ウィック516は、液体508と流体的に接触する。ウィック516はおおむね吸収性であり、毛細管現象により液体容器506から液体508を引き込むように機能する。ウィック516は、不織布であることが好ましく、例えば綿又はウール材料など、又は、例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリプロピレンなどを包含する合成材料、又は、セラミック材料であってもよい。使用中、加熱器514は、ウィック516における液体を加熱して、エアロゾルを生成する。
【0031】
代替的な例において、第2のモジュールタイプのモジュール300bは、エアロゾルを生成するために液体を加熱するための加熱器を備えないが、代替的なエアロゾル生成構成体、例えば圧電構成体を備える。知られているように、このような構成体において、使用中に印加された制御電流/電圧に応答してメッシュが振動することをもたらす圧電構成体に、メッシュが直接的に、又は間接的に装着されてもよい。液体はメッシュの下方に位置し、メッシュが振動したとき、液体がメッシュを通して押されて、エアロゾルを形成する。
【0032】
第2のモジュールタイプのモジュール300bは、端部515に第2のモジュールタイプの第1の接続インターフェース518を更に備え、出口512に第2のモジュールの第2の接続インターフェース520を更に備える。
【0033】
第1の接続インターフェース518は、電力モジュール200に第2のモジュールタイプのモジュール300bを解除可能に接続するためのものである。第1の接続インターフェース518は、電力モジュール200に第2のモジュールタイプのモジュール300bを機械的に接続することと、電気的に接続することとの両方をする。
【0034】
第1の接続インターフェース518は、例えば、2つの間の単純な標準化された機械的接続を提供するために、電力モジュール200の相補ねじ接続部に接続するための、(第1のモジュールタイプのモジュールのものと同一であることができる)ねじ接続部を備えてもよい。
【0035】
第2の接続インターフェース520は、マウスピース600に第2のモジュールタイプのモジュール300bを解除可能に接続するためのものである。
【0036】
ハウジング502は、空気が経路部507内に流れることを可能にするための空気流入口522を更に備える。
【0037】
ここで図4を参照すると、電力モジュール200の概略図が示されている。
【0038】
電力モジュール200は、エアロゾル提供デバイス100の様々な構成部品に給電するための、例えばバッテリーといった電源202を備える。バッテリー202は、充電式バッテリー又は使い捨てバッテリーであってもよい。この例において、制御回路204が、デバイス100の様々な構成部品の動作を制御するために更に提供される。
【0039】
例えば、制御回路204は、第1のモジュールタイプのモジュール300aが電力モジュール200に接続された場合、(例えば、加熱器414のワット数、温度、加熱時間、又はそれらの組み合わせの観点から)第1のモジュールタイプ300aのモジュールを制御するのに適した第1の制御スキームを適用するように、及び、第2のモジュールタイプのモジュール300bが電力モジュール200に接続された場合(例えば、加熱器514のワット数、温度、加熱時間、又はそれらの組み合わせの観点から)第2のモジュールタイプ300bのモジュールを制御するのに適した第2の制御スキームを適用するように構成されてもよい。
【0040】
制御回路204は、第1のタイプのモジュール300bと第2のタイプのモジュール300bとのうちのどちらが電力モジュールに接続されたかを識別するように構成されてもよく、更に、第1のタイプのモジュール300aと第2のタイプのモジュール300bとのうちのどちらが電力モジュールに接続されたかを識別したことに応答して、第1の制御スキームと第2の制御スキームとのうちのどちらが適用されるかを選択するように構成されてもよい。
【0041】
一例において、制御回路204は、制御回路204に接続されたモジュールのタイプを特定するために電気的測定を行う。例えば、第1のモジュールタイプのモジュールは、第1のモジュールタイプのモジュールに関連した第1の電気抵抗(単なる例示にすぎないが1.2オーム~1.3オーム)をもつことができ、第2のモジュールタイプのモジュールは、第2のモジュールタイプのモジュールに関係した第2の異なる電気抵抗(単なる例示にすぎないが1.7オーム~1.8オーム)をもつことができる。第1のタイプのモジュールは、1オーム~3オームの間の抵抗値をもっていてもよいのに対し、第2のタイプのモジュールは、0.5オーム~4オームの間の抵抗値をもっていてもよい。第1のタイプのモジュール及び第2のタイプのモジュールは、上述の抵抗値とは異なる抵抗値をもっていてもよい。制御回路204は、どのモジュールが制御回路204に接続されたかを識別するために、1回又は複数回の抵抗測定を行ってもよい。これは、特に、第1のモジュールタイプの抵抗値と第2のモジュールタイプの抵抗値とが十分に異なる(すなわち、差が制御回路204により信頼性高く検出され得る)場合に該当するものであってもよい。
【0042】
更なる例において、各モジュールタイプは、送信器、例えば、モジュールを識別する識別信号を送信するRF送信器(例えばRFIDタグ)とともに提供されてもよい。制御回路204は、識別信号を受信するための受信器を備えてもよい。
【0043】
電力モジュール200は、第1のモジュールタイプのモジュール300a又は第2のモジュールタイプのモジュール300bに電力モジュール200を解除可能に接続するための電力モジュール接続インターフェース206を更に備える。
【0044】
接続インターフェース206は、どちらのモジュールタイプが電力モジュール200に接続されたかに応じて、第1のモジュールタイプのモジュール300aの第1の接続インターフェース418、又は、第2のモジュールタイプ300bのモジュールの第1の接続インターフェース518との機械的接続を実現する。
【0045】
接続インターフェース206は、第1のタイプのモジュールの、又は第2のタイプのモジュールの相補ねじ接続部に接続するためのねじ接続部を備えていてもよい。
【0046】
接続インターフェース206は、更に、場合に応じて、電源202から第1のモジュールタイプのモジュール300a又は第2のモジュールタイプのモジュール300bに給電するために、第1のモジュールタイプのモジュール300aの第1の接続インターフェース418、又は、第2のモジュールタイプ300bのモジュールの第1の接続インターフェース518との電気的接続を実現する。
【0047】
ここで図5を参照すると、マウスピース600が示されている。マウスピース600は、ユーザーの口において受け止められるためのボディ602を備える。ボディ602は、マウスピース入口606からマウスピース出口608までマウスピース600の長さ方向に沿って延びた経路部604を備える。
【0048】
マウスピース600の入口端部606は、第1のモジュールタイプのモジュール300aの出口端部、又は、第2のモジュールタイプのモジュール300bの出口端部に接続するためのものである。
【0049】
再度図1を参照すると、デバイス100がTHPデバイスとして構成されている場合、モジュール300は第1のモジュールタイプのモジュール300aである。
【0050】
第1のモジュールタイプのモジュール300aは、第1のモジュールタイプのモジュール300aに適した制御スキームに従って、第1のモジュールタイプのモジュール300aにおける加熱器構成体414が給電されることを可能にするために、制御回路204を介して電力モジュール200における電源202に電気的に接続されている。
【0051】
加熱器構成体414が給電されたとき(給電は、例えば、当然に知られているように、ユーザーが電力モジュール200のボタン(図示されていない)を操作することにより、又は、デバイス100全体のパフディテクター(図示されていない)により引き起こされてもよい)、エアロゾルを生成するために、タバコを含んでいてもよい材料408が加熱器414により(燃焼させられるのではなく)加熱される。
【0052】
ユーザーがマウスピース600を吸ったとき、空気がハウジング402の外部から空気流入口422を通して経路部403内に引き込まれ、加熱器構成体415によりボラタイズされた、又は気化させられた材料408が空気流と混合して、エアロゾルの流れを生成する。エアロゾルの流れは、ユーザーによる吸入のために、経路部403を通して、及び、マウスピース600における経路部604を通して引き込まれる。
【0053】
再度図1を参照すると、デバイス100がeシガレットデバイスとして構成されている場合、モジュール300は第2のモジュールタイプのモジュール300bである。
【0054】
第2のモジュールタイプのモジュール300bにおける加熱器514が第2のモジュールタイプのモジュール300bに適した制御スキームに従って給電されることを可能にするために、第2のモジュールタイプのモジュール300bが制御回路204を介して電力モジュール200における電源202に電気的に接続される。
【0055】
加熱器514が給電されているとき(給電は、同様に、例えば、当然に知られているように、ユーザーが電力モジュール200のボタン(図示されていない)を操作することにより、又は、デバイス100全体のパフディテクター(図示されていない)により引き起こされてもよい)、ウィック516により液体容器506から引き込まれた液体508は、加熱器514により加熱されてエアロゾルを生成する。
【0056】
使用中、液体508は、約70~300℃以上、特に約150℃~250℃の間の温度まで加熱されることができる。液体508は、ニコチンを含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0057】
ユーザーがマウスピース500を吸ったとき、空気がハウジング502の外部から空気流入口522を通して経路部507内に引き込まれ、加熱器514によりボラタイズされた、又は気化させられた液体508が空気流と混合して、エアロゾルの流れを生成する。エアロゾルの流れは、ユーザーによる吸入のために、経路部507を通して、及びマウスピース600における経路部604を通して引き込まれる。
【0058】
したがって、ユーザーは、電力モジュール200に接続されたモジュールのタイプを切り替えることにより、THPデバイスとしてデバイス100を構成すること、又はeシガレットデバイスとしてデバイス100を構成することの間を非常に簡単に切り替え得ることが理解される。これは非常に利便性が高く、ユーザーがTHPデバイスとeシガレットデバイスとの両方のタイプのデバイスを使用したい場合、ユーザーが独立したTHPデバイス及びeシガレットデバイスを身に付けて運ぶ必要がないことを意味する。
【0059】
図1図5を参照した上述の例において、どちらが電力モジュール200に接続されているかに応じて、第1のモジュールタイプのモジュール300a又は第2のタイプのモジュール300bに対する適切な制御スキームを適用するための制御回路204は、電力モジュール200自体の一部として提供される。代替的な例では、電力モジュール200において提供されるのではなく、適切な制御回路が、第1のモジュールタイプのモジュール300aと第2のタイプのモジュール300bとの各々において提供される。これらの例において、第1のモジュールタイプのモジュール300a又は第2のタイプのモジュール300bが電力モジュール200に接続されたとき、接続されたモジュールにおける制御回路が、電力モジュール200における電源202に電気的に接続され、接続されたモジュールに適した制御スキームを適用する。これらの例において、第1のモジュールタイプのモジュール300a又は第2のタイプのモジュール300bは、特注の制御回路を備えるものだけでなく、モジュールに機械的に、及び電気的に接続可能に構成された任意の適切な電力モジュール200とともに使用されてもよい。
【0060】
上述の例では、マウスピース600は、第1のモジュールタイプのモジュール300a及び第2のタイプのモジュール300bから独立しており、第1のモジュールタイプのモジュール300a及び第2のタイプのモジュール300bに解除可能に装着可能である。代替的な例において、マウスピース600は、第1のモジュールタイプのモジュール300aの一部及び/又は第2のタイプのモジュール300bの一部であってもよい。
【0061】
本明細書において使用されるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、現地の規制が許可する場合、大人の消費者のための製品において所望の味又は香りを生成するために使用されることができる材料を指すことがある。それらは、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ジャパニーズミント、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、りんご、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又は、ハッカ属の任意の種からのハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激物質、糖類、及び/又は、代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及び他の添加物例えば、チャコール、葉緑素、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を包含することができる。香料及び香味料は、模倣品、合成品、若しくは天然成分、又はブレンドそれらの混合物であることができる。香料及び香味料は、例えば、油、液体、固体、又は粉末といった任意の適切な形態であることができる。例えば、液体、油、又は他のこのような流体香味料は、香料及び/又は他の特徴を多孔質固体材料に与えるために、その多孔質固体材料に浸透させられたものであってもよい。したがって、液体又は油は、液体又は油が浸透させられる材料の構成要素である。
【0062】
上述の実施形態は、本発明の説明のための例と理解される。任意の一実施形態に関連して説明されている任意の特徴は、単独で使用されてもよく、又は、説明されている他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、実施形態のうちの任意の他の実施形態、又は、実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用されてもよいことが理解される。更に、添付の特許請求の範囲において規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、ここまでに説明されていない均等なもの及び変形例が使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5