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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】弁装置および冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/085 20060101AFI20231129BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20231129BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
F16K11/085 Z
F01P7/16 504A
F01P7/16 503
F01P7/16 504E
F16K31/04 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022066660
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2020139753の分割
【原出願日】2016-09-21
(65)【公開番号】P2022087263
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 猛
(72)【発明者】
【氏名】村上 信吾
(72)【発明者】
【氏名】申 振宇
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02295757(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/148126(WO,A1)
【文献】特開2015-059615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F16K 31/00-31/05
F01P 7/14- 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体収容部を有し、前記弁体収容部と外部とを連通する主連通口と副連通口とを有するハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に収容された弁体であって、前記主連通口に連通可能な主開口部と、前記副連通口に連通可能な副開口部と、前記主開口部と前記副開口部とを連通する内部空間と、を有する前記弁体と、
前記ハウジングに設けられ、前記弁体の回転を規制可能なストッパと、
前記弁体に設けられ、前記ストッパに当接可能な当接部と、
前記弁体と一体に回転可能な駆動軸と、
を備え、
前記弁体は、有底筒状に形成され、
前記主開口部は、前記弁体の回転軸に沿う方向の一方の端部に形成され、
前記副開口部は、前記弁体の外周部に形成され、
前記当接部は、前記弁体の前記回転軸に沿う方向の他方の端部である底部に凹状に形成された窪みと接続する2つの接続部であって、
前記ストッパは、前記ハウジングの前記底部に対向する部位に設けられている、
弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記窪みは、前記底部の前記駆動軸が位置する中心から径方向の外側に向かって深さが浅くなる、
弁装置。
【請求項3】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記ストッパは、前記ハウジングと一体に形成されている、
弁装置。
【請求項4】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記弁体は、合成樹脂からなる部材である、
弁装置。
【請求項5】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記ストッパは、前記ハウジングの前記底部に対向する面から前記弁体の側へ突出している、
弁装置。
【請求項6】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記2つの接続部は、前記駆動軸から見て径方向に延びる面をそれぞれ有する、
弁装置。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれか1項に記載の弁装置と、
前記弁装置を流れる冷却水が流れるラジエータと、
前記弁装置を流れる冷却水が流れるオイルクーラと、
前記弁装置を流れる冷却水が流れる暖房装置と、
を備える冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁装置および冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転する弁体を有する流量制御弁が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-76647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の流量制御弁において、弁体の回転を規制する当接部の耐久性を向上してほしいとのニーズがあった。
本発明の目的の一つは、当接部の耐久性を向上できる弁装置および冷却システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態における弁装置では、ハウジングに設けられ、弁体の回転を規制可能なストッパと、弁体に設けられ、ストッパに当接可能な当接部と、を備え、当接部は、弁体の回転軸に沿う方向の他方の端部である底部に凹状に形成された窪みであって、ストッパは、ハウジングの底部に対向する位置に設けられている。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、当接部の耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1の冷却システム1の概略図である。
図2】実施形態1のMCV9の斜視図である。
図3】実施形態1のMCV9の分解斜視図である。
図4】実施形態1のMCV9の平面図である。
図5図4のS5-S5線矢視断面斜視図である。
図6図4のS5-S5線矢視断面図である。
図7図4のS7-S7線矢視断面図である。
図8図4のS8-S8線矢視断面斜視図(ハウジングのみ)である。
図9】実施形態1のロータ12の斜視図である。
図10図9のロータ12を180度回転させたときの斜視図である。
図11】実施形態2における図4のS5-S5線矢視断面図である。
図12】実施形態3における図4のS5-S5線矢視断面図である。
図13】実施形態4の冷却システム100の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の冷却システム1の概略図である。
実施形態1の冷却システム1は、熱源であるエンジン2を冷却した冷却水(流体)を、複数の熱交換器(ラジエータ3、トランスミッションオイルウォーマ4、ヒータ5)を経由させた後、ウォータポンプ6を介してエンジン2へ還流させる回路7を有する。エンジン2は車両に搭載された、例えばガソリンエンジンである。ラジエータ3は、冷却水と走行風との熱交換により冷却水を冷却する。トランスミッションオイルウォーマ4は、冷却水と変速機オイルとの熱交換により冷却水を冷却する。トランスミッションオイルウォーマ4は、エンジン2の冷間時は変速機オイルの温度を高める一方、エンジン2の暖機終了後は変速機オイルを冷却するオイルクーラとして機能する。ヒータ5は、車室内の暖房時、冷却水と車室内への送風空気との熱交換により冷却水を冷却する。ウォータポンプ6は、エンジン2の駆動力により回転駆動され、ラジエータ3、トランスミッションオイルウォーマ4およびヒータ5からの冷却水をエンジン2へ供給する。回路7は、各熱交換器3,4,5を迂回して冷却水を常時循環させるための常時開水路7aを有する。常時開水路7aには、冷却水の温度(水温)を検出する水温センサ8が設置されている。メカニカルコントロールバルブ(以下、MCV)9は、エンジン2から各熱交換器3,4,5へ供給される冷却水の流量を調整する流量制御弁である。MCV9の詳細は後述する。エンジンコントロールユニット101は、水温センサ8により検出された水温やエンジン2からの情報(エンジン負圧、スロットル開度等)等に基づいてMCV9のバルブ回転角度を制御する。
【0009】
次に、MCV9の構成を説明する。
図2は実施形態1のMCV9の斜視図、図3はMCV9の分解斜視図、図4はMCV9の平面図、図5図4のS5-S5線矢視断面斜視図、図6図4のS5-S5線矢視断面図、図7図4のS7-S7線矢視断面図、図8図4のS8-S8線矢視断面斜視図(ハウジングのみ)、図9は実施形態1のロータ12の斜視図、図10図9のロータ12を180度回転させたときの斜視図である。
MCV9は、ハウジング10、駆動機構11、ロータ(弁体)12および駆動軸13を有する。以下、駆動軸13の回転軸線に沿う方向にx軸を設定し、x軸において駆動機構11からロータ12へ向かう方向をx軸正方向、反対方向をx軸負方向とする。また、x軸の放射方向を径方向、x軸周りの方向を周方向という。
【0010】
まず、ハウジング10の構成を説明する。
ハウジング10は、例えばアルミニウム合金材料を用いて、鋳造により形成されている。ハウジング10は、基部14、周壁15、主連通口(第1連通口)16、複数の副連通口(第2連通口)17および軸受部18を有する。基部14は、x軸方向と垂直な略円盤形状である。基部14の中心には、駆動軸13がx軸方向に貫通する。基部14のx軸正方向側の面には、x軸正方向側へ突出したストッパ14aが設けられている。周壁15は、基部14の外周からx軸正方向側へ延びる略円筒状である。周壁15は、x軸負方向側から正方向側へ向かって内径が大きくなるテーパ形状を有する。周壁15の内周側には、略円柱状の空間であって、ロータ12を収容する弁体収容部19が設けられている。主連通口16は、周壁15のx軸正方向端(ハウジング10のx軸正方向端)に形成された円形の開口部であって、弁体収容部19と連通する。主連通口16は、エンジン2からの水路と弁体収容部19とを接続する。複数の副連通口17は、周壁15に形成された円形の開口部であって、弁体収容部19と連通する。複数の副連通口17は、第1副連通口17a、第2副連通口17bおよび第3副連通口17cである。第1副連通口17aは開口面積が最も小さく、第3副連通口17cは開口面積が最も大きい。第2副連通口17bは第1副連通口17aよりもx軸負方向側に位置し、第3副連通口17cは第1副連通口17aよりもx軸正方向側に位置する。x軸負方向側から見たとき、第2副連通口17bは第1副連通口17aから右回りに90度ずれた位置にあり、第3副連通口17cは第1副連通口17aから右回りに180度ずれた位置にある。
【0011】
各副連通口17a,17b,17cの径方向外側には、管継手であるアウトレット(配管)20a,20b,20cが固定されている。第1アウトレット20aは、第1副連通口17aとヒータ5へ向かう水路とを接続する。第2アウトレット20bは、第2副連通口17bとトランスミッションオイルウォーマ4へ向かう水路とを接続する。第3アウトレット20cは、第3副連通口17cとラジエータ3へ向かう水路とを接続する。第1アウトレット20aおよび第2アウトレット20bの径方向内側端において、第1アウトレット20aおよび第2アウトレット20bの外周と、第1副連通口17aおよび第2副連通口17bの内周との間は、Oリング21a,21bでシールされている。ハウジング10には、第4副連通口17dが形成されている。第4副連通口17dは、ロータ12の回転角度に依らず常時主連通口16と連通する。第4副連通口17dの径方向外側には、管継手である第4アウトレット20dが固定されている。第4アウトレット20dは、第4副連通口17dと常時開水路7aとを接続する。また、ハウジング10には、第5副連通口17eが形成されている。第5副連通口17eは、第4副連通口17dと連通する。第3アウトレット20cには、第5副連通口17eと第1副連通口17aとを接続する図外の水路が形成されている。この水路には、サーモスタット22が収容されている。サーモスタット22は、水温が過度に高くなったとき(例えば100度以上)に水路を開いて水温冷却を促進するフェールセーフ機能を有する。ハウジング10のx軸正方向端には、MCV9をエンジン2にボルトで固定する際にボルトを差し込む3個の取り付け穴23を有する。
【0012】
軸受部18は、ハウジング10に対して駆動軸13を回転可能に支持する。軸受部18は、x軸方向に沿う略円筒状に形成され、そのx軸負方向端は基部14のx軸負方向端よりもx軸負方向側へ突出し、そのx軸正方向端は基部14のx正方向端よりもx軸正方向側へ突出する。軸受部18のx軸正方向端は、第2副連通口17bのx軸正方向端よりもx軸負方向側に位置する。軸受部18の中心には、駆動軸13が貫通する貫通孔18aが形成されている。軸受部18は、貫通孔18a内に、ラジアルスラスト軸受(第1ラジアル軸受)24、ダストシール25、液密シール26およびスラスト軸受27を有する。ラジアルスラスト軸受24は、軸受部18のx軸負方向端に位置し、駆動軸13からの径方向の力およびx軸方向の力を受ける。ダストシール25は、x軸方向においてラジアルスラスト軸受24と液密シール26との間に位置し、軸受部18内に流入した冷却水が駆動機構11に進入することを抑制する。液密シール26は、x軸方向においてダストシール25とスラスト軸受27との間に位置し、弁体収容部19からの冷却水の流出を抑制する。スラスト軸受27は、軸受部18のx軸正方向端に位置し、駆動軸13からのx軸方向の力を受ける。ハウジング10は、貫通孔18aと基部14のx軸負方向側の空間とを接続するリリーフ孔28を有する。リリーフ孔28は、ストッパ14aのx軸負方向側に位置する。リリーフ孔28は、軸受部18内(貫通孔18a)に流入した冷却水や空気をハウジング10の外部へ排出するためのもので、x軸に対して傾斜を有する。リリーフ孔28は、貫通孔18aからx軸負方向側かつ径方向外側へ延び、基部14のx軸負方向側に開口する。リリーフ孔28は、貫通孔18aからx軸負方向側かつ径方向外側へ延び、基部14のx軸負方向側に開口する。
【0013】
続いて、駆動機構11の構成を説明する。
駆動機構11は、基部14のx軸負方向側に位置し、駆動軸13を回転駆動する。駆動機構11は、電動モータ29、モータウォーム30、中間ギア31、中間ウォーム32およびロータギア33を有する。電動モータ29は、エンジンコントロールユニット101により制御される。電動モータ29は、出力軸29aがx軸負方向側を向いた状態でハウジング10に収容されている。モータウォーム30は、出力軸29aと一体に回転する。中間ギア31は、モータウォーム30と噛み合う。中間ウォーム32は、中間ギア31と一体である。中間ギア31および中間ウォーム32の中心には、中間シャフト34が貫通する。中間シャフト34の軸線はx軸と直交する。中間シャフト34は、基部14からx軸負方向側に延びる2本の軸支部35a,35bにより軸線周りを回転可能に支持されている。ロータギア33は、駆動軸13のx軸負方向端に固定され、駆動軸13と一体に回転する。駆動軸13のx軸負方向端には、マグネット36が取り付けられている。なお、マグネット36は図3のみに記載し、他の図では図示を省略している。モータウォーム30、中間ギア31、中間ウォーム32およびロータギア33は、ギアハウジング37内に収容されている。ギアハウジング37は、MRセンサ(不図示)を有する。MRセンサは、駆動軸13の回転に伴う磁界の変化に基づき、駆動軸13の回転角度、すなわちロータ12の回転角度を検出する。MRセンサにより検出された回転角度は、エンジンコントロールユニット101へ送信される。
【0014】
次に、ロータ12の構成を説明する。
ロータ12は、弁体収容部19内に収容されている。ロータ12は、例えば合成樹脂材料を用いて形成されている。ロータ12は、底部38、外周部39、主開口部40、複数の副開口部41および延在部42を有する。底部38は、ロータ12のx軸負方向端に位置し、x軸方向と垂直である。底部38は、x軸負方向側から見たとき、ドーナツ形状における180度強の範囲が外周部分のみを残して切り欠かれた形状を有する。外周部39は、底部38の外周からx軸正方向側へ延びる略円筒状である。外周部39は、x軸負方向側から正方向側へ向かって内径が大きくなるテーパ形状を有する。外周部39は、外周部39のx軸正方向端から径方向外側へ延びるフランジ部39aを有する。周壁15のx軸正方向端付近であって、フランジ部39aよりもx軸負方向側には、滑り軸受(第2ラジアル軸受)44が設けられている。滑り軸受44は、ハウジング10に対してロータ12を回転可能に支持する。滑り軸受44は、ロータ12からの径方向の力を受ける。主開口部40は、外周部39のx軸正方向端(ロータ12のx軸正方向端)に形成された円形の開口部であって、主連通口16と連通する。複数の副開口部41は、外周部39に形成された開口部であって、ロータ12がそれぞれ所定の回転角度範囲にあるときに対応する複数の副連通口17a,17b,17cと連通する。複数の開口部41は、第1副開口部41a、第2副開口部41bおよび第3副開口部41cである。第1副開口部41aは第1副連通口17aと対応する。第2副開口部41bは第2副連通口17bと対応する。第3副開口部41cは第3副連通口17cと対応する。第2副開口部41bは第1副開口部41aよりもx軸負方向側に位置し、第3副開口部41cは第1副開口部41aよりもx軸正方向側に位置する。第2副開口部41bは周方向に延びる長穴形状であり、第1副開口部41aおよび第3副開口部41cは円形形状である。第2副開口部41bのx軸方向長さは、第1副開口部41aのx軸方向長さよりも短い。第3副開口部41cの開口面積は、第2副開口部41bの開口面積よりも大きい。第1副開口部41aは、2つの開口部41a1,41a2を有する。開口部41a1は夏季用、開口部41a2は冬季用である。第3副開口部41cも同様に2つの開口部41c1,41c2を有する。開口部41c1は夏季用、開口部41c2は冬季用である。第1副開口部41a(41a1,41a2)は、第1ガイド部43とx軸方向にオーバーラップする。
【0015】
延在部42は、底部38の外周からx軸正方向側へ延び、駆動軸13のx軸正方向端と連結されている。延在部42は、先端部42a、円筒部(筒状部)42bおよび第2ガイド部42cを有する。先端部42aは、延在部42のx軸正方向端に設けられている。先端部42aは、ハウジング10の軸受部18のx軸正方向側に位置し、駆動軸13と固定されている。先端部42aの中心であって、駆動軸13との結合部分には、強度確保を目的とした金属製のインサート42dが埋設されている。ロータ12は、インサート42dをインサート品としてインサート成型されている。先端部42aのx軸正方向側は、ハウジング10の第1副連通口17aとx軸方向にオーバーラップする。先端部42aのx軸正方向端は、第1副連通口17aのx軸正方向端よりもx軸負方向側、かつ第1副連通口17aのx軸負方向端よりもx軸正方向側に位置する。先端部42aの外周面には、第1ガイド部43が設けられている。第1ガイド部43は、x軸正方向側から負方向側へ向かって径方向が大きくなるテーパ形状を有する。円筒部42bは、第1ガイド部43からx軸負方向側へ延びる円筒状に形成されている。円筒部42bの内径は軸受部18の外径よりも大きい。円筒部42bは、x軸方向において軸受部18とオーバーラップする。円筒部42bのx軸方向端は、周方向において底部38の前記切り欠かれた範囲では第2ガイド部42cと接続し、それ以外の範囲では底部38と接続する。第2ガイド部42cは、周方向において底部38の前記切り欠かれた範囲に設けられ、円筒部42bと底部38の外周とを接続する。第2ガイド部42cは、第2副開口部41bのx軸負方向側の開口周縁と接続する。第2ガイド部42cは、x軸正方向側から負方向側へ向かって径方向の外形が大きくなるテーパ形状を有する。底部38は、第2ガイド部42cと接続する2つの接続部38a,38bを有する。両接続部38a,38bは、x軸方向に沿って延びる。両接続部38a,38bは、ロータ12がそれぞれ所定の回転角度のとき、基部14のストッパ14aと周方向に係合する。ロータ12は、接続部38aが基部14のストッパ14aと当接した状態からx軸負方向側から見て右回りに回転し、接続部38bがストッパ14aと当接するまでの180度弱の角度範囲を回転可能である。
【0016】
次に、各副連通口17a,17b,17cに設けられた各シール部45,46,47について説明する。
第1シール部45は、第1副連通口17aに設けられている。第1シール部45は、第1副連通口17aと第1副開口部41aとの連通時において、第1副連通口17aから周壁15と外周部39との径方向間の隙間への冷却水の漏れを抑制する。第1シール部45は、ロータシール45a、Oリング45bおよびコイルスプリング45cを有する。ロータシール45aは、円筒形状を有し、第1副連通口17aに挿入されている。ロータシール45aの径方向内側端は、外周部39と当接する。Oリング45bは、第1副連通口17aの内周面とロータシール45aの外周面との間をシールする。コイルスプリング45cは、ロータシール45aと第1アウトレット20aとの径方向間に圧縮状態で介装され、ロータシール45aを径方向内側へ付勢する。第2シール部46は、第2副連通口17bに設けられている。第2シール部46は、第2副連通口17bと第2副開口部41bとの連通時において、第2副連通口17bから周壁15と外周部39との径方向間の隙間への冷却水の漏れを抑制する。第2シール部46は、ロータシール46a、Oリング46bおよびコイルスプリング46cを有する。ロータシール46aは、円筒形状を有し、第2副連通口17bに挿入されている。ロータシール46aの径方向内側端は、外周部39と当接する。Oリング46bは、第2副連通口17bの内周面とロータシール46aの外周面との間をシールする。コイルスプリング46cは、ロータシール46aと第2アウトレット20bとの径方向間に圧縮状態で介装され、ロータシール46aを径方向内側へ付勢する。第3シール部47は、第3副連通口17cに設けられている。第3シール部47は、第3副連通口17cと第3副開口部41cとの連通時において、第3副連通口17cから周壁15と外周部39との径方向間の隙間への冷却水の漏れを抑制する。第3シール部47は、ロータシール47a、Oリング47bおよびコイルスプリング47cを有する。ロータシール47aは、円筒形状を有し、第3副連通口17cに挿入されている。ロータシール47aの径方向内側端は、外周部39と当接する。Oリング47bは、第3副連通口17cの内周面とロータシール47aの外周面との間をシールする。コイルスプリング47cは、ロータシール47aと第3アウトレット20cとの径方向間に圧縮状態で介装され、ロータシール47aを径方向内側へ付勢する。
【0017】
次に、実施形態1のMCV9の作用効果を説明する。
実施形態1のMCV9において、ロータ12内の空間には延在部42が突出しているため、主開口部40からx軸負方向側へ向かう冷却水の流れが延在部42に衝突してよどみが生じ、冷却水の圧力損失が懸念される。ここで、第1副開口部41aおよび第2副開口部41bを延在部42よりもx軸正方向側に設けることにより、冷却水の圧力損失を低減できるものの、ロータ12のx軸方向寸法が長くなるため、MCV9の大型化を招く。
そこで、実施形態1のロータ12は、延在部42の外周側に、x軸正方向側から負方向側へ向かって径方向の外形が大きくなる第1ガイド部43を備える。これにより、第1ガイド部43の形状に沿って径方向外側へ向かう冷却水の流れが形成され、主開口部40から第1副開口部41aおよび第2副開口部41bへスムーズに冷却水が流れる。また、延在部42への流れの衝突が抑制され、延在部42付近でのよどみが抑制される。この結果、MCV9の圧力損失を低減できる。また、ロータ12のx軸方向寸法を長くする必要が無いため、MCV9の大型化を抑制できる。
延在部42は、第1ガイド部43からx軸負方向側へ延びる円筒部42bを有する。これにより、軸受部18の一部を円筒部42b内に収容して軸受部18を円筒部42bとx軸方向にオーバーラップさせることができ、MCV9のx軸方向寸法を短くできる。
延在部42は、円筒部42bと底部38の外周とを接続しx軸正方向側から負方向側へ向かって径方向の外径が大きくなる第2ガイド部42cを有する。第2ガイド部42cは、第2副開口部41bのx軸負方向側の開口周縁と接続する。これにより、第2ガイド部42cの形状に沿って主開口部40から第2副開口部41bへ向かう冷却水の流れが形成され、主開口部40から第2副開口部41bによりスムーズに冷却水が流れるため、圧力損失をさらに低減できる。
ロータ12は、x軸方向へ延び、底部38と第2ガイド部42cとを接続する接続部38a,38bを有する。これにより、ハウジング10側のストッパ14aでロータ12の回転角度範囲を所定の回転角度範囲に規制できる。
【0018】
第1副開口部41aは、第1ガイド部43とx軸方向にオーバーラップする。これにより、主開口部40から第1副開口部41aへよりスムーズに冷却水が流れるため、圧力損失をさらに低減できる。
MCV9は、各副開口部41a,41b,41cからハウジング10と外周部39との径方向間の隙間への冷却水の漏れを抑制するシール部45,46,47を有する。これにより、MCV9の内部リークを抑制でき、冷却水の流量低下が抑えられる。
第3副開口部41cは、第1副開口部41aよりもx軸正方向側に設けられ、かつ第1副開口部41aおよび第2副開口部41bよりも開口面積が大きい。つまり、第3副開口部41aは各副開口部41a,41b,41cのうち主開口部40に最も近く、かつ開口面積が最大であるため、各副開口部41a,41b,41cの中で最も多くの冷却水を流せる。よって、第3副開口部41aに対応する第3副連通口17cは、車両に搭載された各熱交換器3,4,5のうち最も多くの冷却水を必要とするラジエータ3との接続に好適である。
第1副開口部41aは夏季用開口部41a1および冬季用開口部41a2を有する。これにより、外気温に応じた冷却水の流量制御を実現できる。第3副開口部41cについても同様の効果を奏する。
軸受部18は、駆動軸13を回転可能に支持するラジアルスラスト軸受24を有し、周壁15は、x軸正方向端に設けられ、外周部39のx軸正方向端を回転可能に支持する滑り軸受44を有する。つまり、ロータ12のx軸方向両端に径方向(ラジアル方向)からの力を受けるラジアル軸受を配置したため、ロータ12を安定して支持でき、ロータ12の回転がスムーズとなる。
【0019】
ハウジング10は、軸受部18から車両上方側(x軸負方向側)へ延びてハウジング10外と接続しx軸に対して傾斜したリリーフ孔28を有する。これにより、軸受部18に流入した空気をハウジング10外に排出できる。また、リリーフ孔28はx軸に対して傾斜しているため、ハウジング10のx軸方向寸法が長くなるのを抑制できる。
軸受部18は、駆動軸13を支持するスラスト軸受27を有する。ロータ12は、主開口部40へ導入された冷却水からx軸負方向側に力を受ける。ロータ12をスラスト軸受27で支持することにより、ロータ12に作用するx軸方向(スラスト方向)の力を支持できる。
外周部39は、x軸負方向側から正方向側へ向かって内径が大きくなるテーパ形状を有する。これにより、インサート成型後のロータ12が樹脂成形金型から抜きやすいため、ロータ12の製造工程を容易化できる。
外周部39は、x軸正方向端にフランジ部39aを有する。これにより、外周部39のx軸正方向端において、周壁15の内周面と外周部39の外周面との径方向間の隙間への冷却水の漏れを抑制できる。よって、MCV9の内部リークを抑制でき、冷却水の流量低下が抑えられる。
実施形態1の冷却システム1は、複数の熱交換器3,4,5と、各熱交換器3,4,5を経由し各熱交換器3,4,5で冷却された冷却水を循環させることでエンジン2を冷却する回路7と、回路7内を循環する冷却水の流量を制御するMCV9と、を有する。これにより、冷却システム1の小型化および圧力損失の低減が図れる。
MCV9は、エンジン2から各熱交換器3,4,5へ向かう冷却水の流量を制御し、主連通口16はエンジン2側と接続し、各副連通口17a,17b,17cは各熱交換器3,4,5側と接続する。これにより、エンジン2から各熱交換器3,4,5へ向かう冷却水の圧力損失を抑制できる。
【0020】
〔実施形態2〕
図11は、実施形態2における図4のS5-S5線矢視断面図である。
実施形態2のMCV90は、第2ガイド部42cの形状が実施形態1と相違する。実施形態2では、第1副開口部41aおよび第3副開口部41cが1つである。また、実施形態2では、軸受部18と円筒部42bとがx軸方向にオーバーラップしていない。実施形態2の第2ガイド部42cは、図7に示した第2副開口部41bのx軸負方向側の開口周縁と接続する第2副開口部対応第2ガイド部42c2に加え、第1副開口部41aのx軸負方向側の開口周縁と接続する第1副開口部対応第2ガイド部42c1と、第3副開口部41cのx軸負方向側の開口周縁と接続する第3副開口部対応第2ガイド部42c3とを有する。第1副開口部対応第2ガイド部42c1は、円筒部42bと外周部39とを接続する。第1副開口部対応第2ガイド部42c1は、x軸正方向側から負方向側へ向かって径方向の外径が大きくなるテーパ形状を有する。第3副開口部対応第2ガイド部42c3は、先端部42aと外周部39とを接続する。第3副開口部対応第2ガイド部42c3は、x軸正方向側から負方向側へ向かって径方向の外径が大きくなるテーパ形状を有する。他の構成は実施形態1と同じであるため説明は省略する。
実施形態2のMCV90では、第1副開口部41aのx軸負方向側の開口周縁と接続する第1副開口部対応第2ガイド部42c1を有する。これにより、第1副開口部対応第2ガイド部42c1の形状に沿って主開口部40から第1副開口部41aへ向かう冷却水の流れが形成され、主開口部40から第1副開口部41aによりスムーズに冷却水が流れるため、圧力損失をさらに低減できる。第3副開口部対応第2ガイド部42c3についても同様の効果を奏する。
【0021】
〔実施形態3〕
図12は、実施形態3における図4のS5-S5線矢視断面図である。
実施形態3のMCV91は、各副連通口17a,17b,17cに接続されるアウトレット20a,20b,20cの形状が実施形態2と相違する。各アウトレット20a,20b,20cの各副連通口17a,17b,17c側(径方向内側)端部の内径は、径方向内側から外側へ向かって開口面積が徐々に大きくなるテーパ形状を有する。また、各副連通口17a,17b,17cについても同様に、径方向内側から外側へ向かって開口面積が徐々に大きくなるテーパ形状を有する。他の構成は実施形態2と同じであるため説明は省略する。
実施形態3のMCV91では、各副連通口17a,17b,17cが径方向内側から外側へ向かって開口面積が大きくなる各アウトレット20a,20b,20cと接続するため、冷却水の圧力損失をより低減できる。
【0022】
〔実施形態4〕
図13は、実施形態4の冷却システム100の概略図である。
実施形態4の冷却システム100において、MCV9は、各熱交換器3,4,5からウォータポンプ6へ供給される冷却水の流量を調整する。MCV9の主連通口16は、弁体収容部19とウォータポンプ6へ向かう水路とを接続する。第1アウトレット20aは、ヒータ5からの水路と第1副連通口17aとを接続する。第2アウトレット20bは、トランスミッションオイルウォーマ4からの水路と第2副連通口17bとを接続する。第3アウトレット20cは、ラジエータ3からの水路と第3副連通口17cとを接続する。他の構成は実施形態1と同じであるため説明は省略する。
実施形態4の冷却システム100では、MCV9が各熱交換器3,4,5からエンジン2(ウォータポンプ6の吸入側)へ向かう冷却水の流量を制御し、主連通口16はエンジン2側と接続し、各副連通口17a,17b,17cは各熱交換器3,4,5側と接続する。これにより、各熱交換器3,4,5からエンジン2へ向かう冷却水の圧力損失を抑制できる。
【0023】
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
冷却システムの熱源は、エンジン以外の内燃機関や燃料電池等でもよい。
軸受部のラジアルスラスト軸受はラジアル軸受でもよい。
副連通口および副開口部をそれぞれ2個または4個以上としてもよい。
【0024】
以上説明した実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
流量制御弁は、その一つの態様において、駆動軸と、前記駆動軸が貫通する基部と、前記駆動軸の軸線に沿う方向を軸方向としたとき前記基部の外周から前記軸方向一方側へ延び内周側に弁体収容部が設けられた周壁と、前記周壁の前記軸方向一方側の端部に設けられ前記弁体収容部と連通する主連通口と、前記周壁に形成され前記弁体収容部と連通する複数の副連通口と、前記基部から前記軸方向一方側へ向かって突設され前記駆動軸を回転可能に支持する軸受部と、を有するハウジングと、前記基部の前記軸方向他方側に設けられ前記駆動軸を回転駆動する駆動機構と、前記弁体収容部に収容された弁体であって、底部と、前記底部の外周から前記軸方向一方側へ延びる外周部と、前記外周部の前記軸方向一方側の端部に設けられ前記主連通口と連通する主開口部と、前記外周部に形成され前記弁体が所定の回転角度範囲にあるときに前記複数の副連通口のうち対応する副連通口と連通する複数の副開口部と、前記底部または前記外周部から前記軸方向一方側へ延び前記駆動軸の一方側の端部と固定された延在部と、前記延在部の外周側に設けられ前記軸線の放射方向を径方向としたとき前記軸方向一方側から他方側へ向かって前記径方向の外形が大きくなる第1ガイド部と、を有する弁体と、を備える。
より好ましい態様では、上記態様において、前記延在部は、前記第1ガイド部から前記軸方向他方側へ延びる筒状部を有する。
別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記延在部は、前記円筒部と前記底部の外周または前記外周部とを接続し前記軸方向一方側から他方側へ向かって径方向の外形が大きくなる第2ガイド部を有する。
【0025】
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記弁体は、前記軸方向へ延び、前記底部と前記第2ガイド部とを接続する接続部を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記複数の副開口部のうちの少なくとも1つは、前記第1ガイド部と前記軸方向にオーバーラップする。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記複数の副連通口および前記複数の副開口部のうち対応する二者の一方から前記ハウジングと前記外周部との前記径方向間の隙間への流体の漏れを抑制するシール部を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記複数の副連通口は、第1副連通口および前記第1副連通口よりも前記軸方向他方側に設けられた第2副連通口を有し、前記複数の副開口部は、前記第1副連通口と対応し前記第1ガイド部と前記軸方向にオーバーラップする第1副開口部および前記第2副連通口と対応する第2副開口部を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記弁体は、前記第2副開口部の前記軸方向他方側の開口周縁と接続し、前記軸方向一方側から他方側へ向かって径方向の外形が大きくなる第2ガイド部を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記複数の副連通口は、前記第1副連通口よりも前記軸方向一方側に設けられた第3副連通口を有し、前記複数の副開口部は、前記第3副連通口と対応し前記第1副開口部よりも開口面積が大きな第3副開口部を有する。
【0026】
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記第1副連通口および第2副連通口の少なくとも一方を複数個とした。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記軸受部は、前記駆動軸を回転可能に支持する第1ラジアル軸受を有し、前記周壁は、前記軸方向一方側の端部に設けられ、前記外周部の前記軸方向一方側の端部を回転可能に支持する第2ラジアル軸受を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記ハウジングは、軸受部と前記ハウジングの外部とを接続し前記軸線に対して傾斜したリリーフ孔を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記軸受部は、前記駆動軸を支持するスラスト軸受を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記複数の副連通口のうち少なくとも1つは、前記径方向内側から外側へ向かって開口面積が大きくなる配管と接続する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記外周部は、前記軸方向他端側から一方側へ向かって内径が大きくなる。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記外周部は、その前記軸方向一方側の端部にフランジ部を有する。
【0027】
また、他の観点から、流量制御弁は、駆動軸と、前記駆動軸の軸線に沿う方向を軸方向としたとき前記駆動軸の前記軸方向一方側に設けられた弁体収容部と、前記弁体収容部の前記軸方向一方側に設けられ前記弁体収容部と連通する主連通口と、前記軸線の放射方向を径方向としたとき前記弁体収容部に前記径方向から連通する複数の副連通口と、を有するハウジングと、前記駆動軸の前記軸方向他方側に設けられ前記駆動軸を回転駆動する駆動機構と、前記弁体収容部に収容され、底部と、前記底部の外周から前記軸方向一方側へ延びる外周部と、前記底部よりも前記軸方向一方側に設けられ前記駆動軸の回転力を受ける軸支部と、前記外周部の前記軸方向一方側の端部に設けられ前記主連通口と連通する主開口部と、前記外周部に形成され前記軸線の放射方向を径方向としたとき前記弁体が所定の回転角度範囲にあるときに前記複数の副連通口のうち対応する副連通口と前記径方向にオーバーラップする複数の副開口部と、前記底部の外周または前記外周部から前記軸方向一方側かつ前記径方向内側へ向かって延び前記軸支部と接続するガイド部と、を有する弁体と、を備える。
【0028】
さらに、他の観点から、冷却システムは、流入した流体を冷却する複数の熱交換器と、前記複数の熱交換器を経由し、前記熱交換器で冷却された流体を循環させることで熱源を冷却する回路と、前記回路内を循環する前記流体の流量を制御する流量制御弁と、を有し、前記流量制御弁は、駆動軸と、前記駆動軸が貫通する基部と、前記駆動軸の軸線に沿う方向を軸方向としたとき前記基部の外周から前記軸方向一方側へ延び内周側に弁体収容部が設けられた周壁と、前記周壁の前記軸方向一方側の端部に設けられ前記弁体収容部と連通する主連通口と、前記周壁に形成され前記弁体収容部と連通する複数の副連通口と、前記基部から前記軸方向一方側へ向かって突設され前記駆動軸を回転可能に支持する軸受部と、を有するハウジングと、前記基部の前記軸方向他方側に設けられ前記駆動軸を回転駆動する駆動機構と、前記弁体収容部に収容され、底部と、前記底部の外周から前記軸方向一方側へ延びる外周部と、前記外周部の前記軸方向一方側の端部に設けられ前記主連通口と連通する主開口部と、前記外周部に形成され前記弁体が所定の回転角度範囲にあるときに前記複数の副連通口のうち対応する副連通口と連通する複数の副開口部と、前記底部または前記外周部から前記軸方向一方側へ延び前記駆動軸の一方側の端部と固定された延在部と、前記延在部の外周側に設けられ前記軸線の放射方向を径方向としたとき前記軸方向一方側から他方側へ向かって前記径方向の外形が大きくなる第1ガイド部と、を有する弁体と、を備える。
好ましくは、上記態様において、前記流量制御弁は、前記熱源から前記複数の熱交換器へ向かう前記流体の流量を制御し、前記主連通口は前記熱源側と接続し、前記複数の副連通口は前記複数の熱交換器側と接続する。
別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記流量制御弁は、前記複数の熱交換器から前記熱源へ向かう前記流体の流量を制御し、前記主連通口は前記熱源側と接続し、前記複数の副連通口は前記複数の熱交換器側と接続する。
【符号の説明】
【0029】
1 冷却システム
2 エンジン(熱源)
3 ラジエータ(熱交換器)
4 トランスミッションオイルウォーマ(熱交換器)
5 ヒータ(熱交換器)
7 回路
9 メカニカルコントロールバルブ(流量制御弁)
10 ハウジング
11 駆動機構
12 ロータ(弁体)
13 駆動軸
14 基部
15 周壁
16 主連通口
17 副連通口
17a 第1副連通口
17b 第2副連通口
17c 第3副連通口
18 軸受部
19 弁体収容部
20a 第1アウトレット(配管)
20b 第2アウトレット(配管)
20c 第3アウトレット(配管)
24 ラジアルスラスト軸受(第1ラジアル軸受)
27 スラスト軸受
28 リリーフ孔
38 底部
38a 接続部(当接部)
38b 接続部(当接部)
39 外周部
39a フランジ部
40 主開口部(第1連通口)
41 副開口部(第2連通口)
41a 第1副開口部
41b 第2副開口部
41c 第3副開口部
42 延在部
42b 円筒部(筒状部)
42c 第2ガイド部
43 第1ガイド部
44 滑り軸受(第2ラジアル軸受)
45 第1シール部(シール部)
46 第2シール部(シール部)
47 第3シール部(シール部)
100 冷却システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13