(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/00 20060101AFI20231129BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20231129BHJP
【FI】
H01L25/00 B
H01L23/12 B
(21)【出願番号】P 2022079334
(22)【出願日】2022-05-13
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】202110533782.5
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521133551
【氏名又は名称】ズハイ アクセス セミコンダクター シーオー.,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai Access Semiconductor Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】チェン ケンメイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン レイ
(72)【発明者】
【氏名】フアン ベンキア
(72)【発明者】
【氏名】ホン イージェ
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-207940(JP,A)
【文献】特開2008-177552(JP,A)
【文献】特開2008-091377(JP,A)
【文献】特開2014-116548(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112103269(CN,A)
【文献】特開2014-099603(JP,A)
【文献】特表2007-535156(JP,A)
【文献】特開2016-111313(JP,A)
【文献】特開2010-157663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有機マトリックス基板を用意するステップであって、前記有機マトリックス基板は前記有機マトリックス基板を貫通する第1導電性銅ピラー層と第1リングストリップ状の銅ピラー層とを含み、前記第1リングストリップ状の銅ピラー層は少なくとも1つのリングストリップ状の銅ピラーを含むステップと、
(b)前記第1リングストリップ状の銅ピラー層内の1つのリングストリップ状の銅ピラーをエッチングしてその中の誘電体材料を除去し、第1部品配置枠を形成して、第1誘電体層を得るステップと、
(c)前記第1部品配置枠の底部に第1部品を実装し、前記第1誘電体層の上面及び前記第1部品と前記第1部品配置枠のギャップ内に第1パッケージング層を形成するステップと、
(d)前記第1パッケージング層に第1配線層を形成し、前記第1誘電体層に第2配線層を形成するステップであって、これによって前記第1配線層と前記第2配線層は前記第1導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第1部品の端子は前記第2配線層に導電的に接続され、前記第1部品の裏面は前記第1配線層に接続されるステップと、
(e)前記第1配線層に第2導電性銅ピラー層、放熱性銅
ブロック層、第2リングストリップ状の銅ピラー層を形成し、前記第2配線層に第3導電性銅ピラー層、第3リングストリップ状の銅ピラー層を形成するステップであって、これによって前記第1部品と前記放熱性銅ブロック層は前記第1配線層を介して接続され、前記第2リングストリップ状の銅ピラー層、前記第3リングストリップ状の銅ピラー層はそれぞれ前記第1リングストリップ状の銅ピラー層と縦方向に重なるステップと、
(f)前記第1誘電体層の上方と下方にそれぞれ誘電体材料をラミネートし、前記誘電体材料を薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅
ブロック層及び前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させて第2誘電体層を形成し、前記第3導電性銅ピラー層及び第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させて第3誘電体層を形成するステップと、
(g)前記第1リングストリップ状の銅ピラー層、前記第2リングストリップ状の銅ピラー層及び前記第3リングストリップ状の銅ピラー層の縦方向の同じ位置におけるリングストリップ状の銅ピラーを同時にエッチングし、その中の誘電体材料を除去して、第2部品配置枠を形成するステップと、
(h)前記第2部品配置枠の底部に第2部品を実装し、第2誘電体層の上面及び前記第2部品と前記第2部品配置枠のギャップ内に第2パッケージング層を形成するステップと、
(i)前記第2パッケージング層に第3配線層を形成し、前記第3誘電体層に第4配線層を形成するステップであって、これによって前記第1配線層と前記第3配線層は前記第2導電性銅ピラー層及び前記放熱性銅ブロック層を介して導電的に接続され、前記第2配線層と前記第4配線層は前記第3導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第2部品の端子は前記第4配線層に導電的に接続され、前記第2部品の裏面は前記第3配線層に接続されステップとを含む、複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1導電性銅ピラー層の端部、前記第1リングストリップ状の銅ピラー層の端部はそれぞれ前記有機マトリックス基板と同じ高さであり又は前記有機マトリックス基板より高い、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項3】
ステップ(c)は、
(c1)前記第1誘電体層の底部に第1接着層を設けるステップと、
(c2)前記第1部品を前記第1部品配置枠に入れるステップであって、前記第1部品の端子面は前記第1接着層に付着するステップと、
(c3)前記第1誘電体層の上面及び前記第1部品と前記第1部品配置枠のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートするステップと、
(c4)前記感光性パッケージング材料を露光・現像し、前記第1導電性銅ピラー層と前記第1リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第1部品の裏面を露出させて、第1パッケージング層を形成するステップと、
(c5)前記第1接着層を取り除くステップとを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項4】
ステップ(d)は、
(d1)前記第1パッケージング層に第1金属シード層を形成し、前記第1誘電体層に第2金属シード層を形成するステップと、
(d2)前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を付与し、前記第2金属シード層に第2フォトレジスト層を付与するステップと、
(d3)前記第1フォトレジスト層、前記第2フォトレジスト層を露光・現像して、第1特徴パターン、第2特徴パターンをそれぞれ形成するステップと、
(d4)前記第1特徴パターンにおいて電気めっきして第1配線層を形成し、前記第2特徴パターンにおいて電気めっきして第2配線層を形成するステップと、
(d5)前記第1フォトレジスト層、前記第2フォトレジスト層を取り除くステップとを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項5】
ステップ(e)は、
(e1)前記第1配線層に第3フォトレジスト層を付与し、前記第2配線層に第4フォトレジスト層を付与するステップと、
(e2)前記第3フォトレジスト層、前記第4フォトレジスト層を露光・現像して、第3特徴パターン、第4特徴パターンをそれぞれ形成するステップと、
(e3)前記第3特徴パターンにおいて電気めっきして第2導電性銅ピラー層、放熱性銅ブロック層、第2リングストリップ状の銅ピラー層を形成し、前記第4特徴パターンにおいて電気めっきして第3導電性銅ピラー層、第3リングストリップ状の銅ピラー層を形成するステップと、
(e4)前記第3フォトレジスト層、前記第4フォトレジスト層を取り除き、前記第1金属シード層、前記第2金属シード層をエッチングするステップとを含む、請求項
4に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項6】
ステップ(f)は、研削又はプラズマエッチングにより前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ全体的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅
ブロック層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項7】
ステップ(f)は、レーザー又は機械的穴あけにより前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ局所的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅
ブロック層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項8】
ステップ(f)は、露光・現像により前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ局所的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅
ブロック層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項9】
ステップ(h)は、
(h1)前記第3誘電体層の底部に第2接着層を設けるステップと、
(h2)前記第2部品を前記第2部品配置枠に入れるステップであって、前記第2部品の端子面は前記第2接着層に付着するステップと、
(h3)前記第2誘電体層の上面及び前記第2部品と前記第2部品配置枠のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートするステップと、
(h4)前記感光性パッケージング材料を露光・現像し、前記第2導電性銅ピラー層と前記放熱性銅ブロック層の端部及び前記第2部品の裏面を露出させて、第2パッケージング層を形成するステップと、
(h5)前記第2接着層を取り除くステップとを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項10】
ステップ(i)は、
(i1)前記第2パッケージング層に第3金属シード層を形成し、前記第3誘電体層に第4金属シード層を形成するステップと、
(i2)前記第3金属シード層に第5フォトレジスト層を付与し、前記第4金属シード層に第6フォトレジスト層を付与するステップと、
(i3)前記第5フォトレジスト層、前記第6フォトレジスト層を露光・現像して、第5特徴パターン、第6特徴パターンをそれぞれ形成するステップと、
(i4)前記第5特徴パターンにおいて電気めっきして第3配線層を形成し、前記第6特徴パターンにおいて電気めっきして第4配線層を形成するステップと、
(i5)前記第5フォトレジスト層、前記第6フォトレジスト層を取り除き、前記第3金属シード層、前記第4金属シード層をエッチングするステップとを含む、請求項
1に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項11】
化学めっき又はスパッタリングによる金属シード層の製作を含む、請求項
1又は
10に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【請求項12】
金属シード層はチタン、銅、チタン-タングステン合金又はそれらの組み合わせを含む、請求項
1又は
10に記載の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品のパッケージ構造に関し、具体的には、複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術がますます発展するにつれて、電子製品の高機能化、小型化が求められる一方である。チップの小型化は限界まで来ているため、複数のチップなどの部品を合理的にパッケージングして、高機能化、小型化を実現するのが、現在業界で重要な研究課題となっている。
また、コストと効率の観点から、パネルレベルのパッケージングがますます多用され、基板製作の段階でチップなどの部品を基板に埋め込むと、パッケージの体積を効果的に減らすとともに、生産効率が向上し、またウェハーレベルのパッケージングと比べて、コストが大幅に低減している。
継続的な発展と進化を経て、パネルレベルの埋め込み・パッケージング技術がますます多用されるようになり、半導体パッケージング分野でもますます大きな役割を果たしてきている。
これと同時に、パネルレベルの埋め込み・パッケージング技術にも発展が遂げられ、パネルレベルの埋め込み・パッケージング分野では、現在複数のチップなどの部品の埋め込み・パッケージングを実現できるが、制限がある。
【0003】
従来のパネルレベルの埋め込み・パッケージング技術案は複数のチップなどの部品の埋め込み・パッケージングを実現している。
例えば、従来技術CN109686669Aには集積回路のパッケージング方法及びパッケージ構造が開示されている。
図1に示すように、当該パッケージ構造では複数の部品11を一度に基板の中間層のフレーム10に埋め込み、パッケージング後に片面ファンアウトを行い、その後、両面ビルドアップを行うものである。
しかし当該技術案には、すべての部品を一度に埋め込み、開始層にパッケージングしなければならないという制限があり、複数のチップなどの部品を異なるレベルに埋め込み、パッケージングしたい場合には、この技術案で実現できない。
また、チップなどの部品に厚さの差が大きく、両面にファンアウトを必要とするI/Oがある場合にも、この技術案は用いられない。
パネルレベルの埋め込み・パッケージング分野では、複数の部品を複数回で複数のレベルに埋め込み、パッケージングするというニーズに対し、今や効果的な解決案はまだない。
【0004】
従来のボードレベルの埋め込み・パッケージング基板は、複数のチップなどの部品の埋め込みに関して、すべての部品を水平に広げて一度に埋め込むのが最も一般的な形態で、制限のない設計により、チップなどの部品を最も合理的な基板レベルに埋め込み、パッケージングすることが難しい。
従来のボードレベルの埋め込み・パッケージング方法では、複数のチップなどの部品を一度に同じレベルに埋め込むものが殆どで、そうするためにはチップなどの部品に厚さの差が大きくないことが求められ、そうしないと埋め込み・パッケージングの質に影響が及ぶ。
特に、両面にファンアウトすべきI/Oを有する部品の場合は、厚さの差が大きいと、厚さの小さい部品のI/Oファンアウトを実現しにくいのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は上記の技術的課題を解決するために、複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板及びその製造方法を提供するものである。
本発明では、厚さの異なる部品を複数回で埋め込みパッケージングし、制限のない設計により、部品をそれぞれ最も合理的な基板レベルに埋め込むことにより、厚さの差の大きい複数の部品の埋め込み・パッケージングを実現し、しかも各部品の両面ファンアウトを実現しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上方にある第2誘電体層と、前記第1誘電体層の下方にある第3誘電体層とを含む、複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板に関し、
前記第1誘電体層は高さ方向に前記第1誘電体層を貫通する第1導電性銅ピラー層と第1部品配置枠とを含み、前記第2誘電体層は前記第2誘電体層の下面内に位置する第1配線層を含み、前記第1配線層には第2導電性銅ピラー層と放熱性銅ブロック層とが設けられ、前記第3誘電体層は前記第3誘電体層の上面内に位置する第2配線層を含み、前記第2配線層には第3導電性銅ピラー層が設けられ、前記第1配線層と前記第2配線層は前記第1導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、
ただし前記第1部品配置枠の底部に第1部品が実装されており、これによって前記第1部品の端子は前記第2配線層に導電的に接続され、前記第1部品と前記放熱性銅ブロック層は前記第1配線層を介して接続され、前記第1誘電体層、前記第2誘電体層及び前記第3誘電体層を貫通する第2部品配置枠をさらに含み、ただし前記第2部品配置枠の底部には第2部品が実装されており、前記第2部品は前記第1部品と厚さの差がある。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記第2誘電体層には第3配線層が設けられ、前記第3誘電体層には第4配線層が設けられ、前記第1配線層と前記第3配線層は前記第2導電性銅ピラー層及び前記放熱性銅ブロック層を介して導電的に接続され、前記第2配線層と前記第4配線層は前記第3導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第2部品の端子は前記第4配線層に導電的に接続され、前記第2部品の裏面は前記第3配線層に接続される。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層の上面及び前記第1部品と前記第1部品配置枠のギャップ内に第1パッケージング層がさらに設けられ、前記第2誘電体層の上面及び前記第2部品と前記第2部品配置枠のギャップ内に第2パッケージング層がさらに設けられる。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層、前記第2誘電体層、前記第3誘電体層は有機誘電体材料、無機誘電体材料又はそれらの組み合わせを含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記第1誘電体層、前記第2誘電体層、前記第3誘電体層はポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、セラミックフィラー、ガラス繊維又はそれらの組み合わせを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記第1部品、前記第2部品はそれぞれ両面端子を有する部品を含み、これによって前記第1部品の一方の側の端子は前記第2配線層に導電的に接続され、前記第1部品の他方の側の端子は前記放熱性銅ブロック層と前記第1配線層を介して導電的に接続され、前記第2部品の一方の側の端子は前記第4配線層に導電的に接続され、前記第2部品の他方の側の端子は前記第3配線層に導電的に接続される。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1部品、前記第2部品はそれぞれ片面端子を有する部品を含み、これによって前記第1部品の端子は前記第2配線層に導電的に接続され、前記第1部品の裏面は前記放熱性銅ブロック層と前記第1配線層を介して接続され、前記第2部品の端子は前記第4配線層に導電的に接続され、前記第2部品の裏面は前記第3配線層に接続される。
【0014】
好ましくは、前記第1部品、前記第2部品はそれぞれ少なくとも1つの部品を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記第1部品、前記第2部品はそれぞれチップ、コンデンサ、インダクタ、抵抗のうちの1種又は複数種を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記第1導電性銅ピラー層、前記第2導電性銅ピラー層、前記第3導電性銅ピラー層はそれぞれ少なくとも1つの銅ビアピラーを含む。
好ましくは、前記第1導電性銅ピラー層、前記第2導電性銅ピラー層、前記第3導電性銅ピラー層はそれぞれサイズの異なる銅ビアピラーを含む。
【0017】
本発明の第2の態様は、次のステップを含む、複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法を提供する。
(a)有機マトリックス基板を用意し、前記有機マトリックス基板は前記有機マトリックス基板を貫通する第1導電性銅ピラー層と第1リングストリップ状の銅ピラー層とを含み、ただし前記第1リングストリップ状の銅ピラー層は少なくとも1つのリングストリップ状の銅ピラーを含む。
(b)前記第1リングストリップ状の銅ピラー層内の1つのリングストリップ状の銅ピラーをエッチングしてその中の誘電体材料を除去し、第1部品配置枠を形成して、第1誘電体層を得る。
(c)前記第1部品配置枠の底部に第1部品を実装し、前記第1誘電体層の上面及び前記第1部品と前記第1部品配置枠のギャップ内に第1パッケージング層を形成する。
(d)前記第1パッケージング層に第1配線層を形成し、前記第1誘電体層に第2配線層を形成し、これによって前記第1配線層と前記第2配線層は前記第1導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第1部品の端子は前記第2配線層に導電的に接続され、前記第1部品の裏面は前記第1配線層に接続される。
(e)前記第1配線層に第2導電性銅ピラー層、放熱性銅ピラー層、第2リングストリップ状の銅ピラー層を形成し、前記第2配線層に第3導電性銅ピラー層、第3リングストリップ状の銅ピラー層を形成し、これによって前記第1部品と前記放熱性銅ブロック層は前記第1配線層を介して接続され、前記第2リングストリップ状の銅ピラー層、前記第3リングストリップ状の銅ピラー層はそれぞれ前記第1リングストリップ状の銅ピラー層と縦方向に重なる。
(f)前記第1誘電体層の上方と下方にそれぞれ誘電体材料をラミネートし、前記誘電体材料を薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅ピラー層及び前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させて第2誘電体層を形成し、前記第3導電性銅ピラー層及び第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させて第3誘電体層を形成する。
(g)前記第1リングストリップ状の銅ピラー層、前記第2リングストリップ状の銅ピラー層及び前記第3リングストリップ状の銅ピラー層の縦方向の同じ位置におけるリングストリップ状の銅ピラーを同時にエッチングし、その中の誘電体材料を除去して、第2部品配置枠を形成する。
(h)前記第2部品配置枠の底部に第2部品を実装し、第2誘電体層の上面及び前記第2部品と前記第2部品配置枠のギャップ内に第2パッケージング層を形成する。
(i)前記第2パッケージング層に第3配線層を形成し、前記第3誘電体層に第4配線層を形成し、これによって前記第1配線層と前記第3配線層は前記第2導電性銅ピラー層及び前記放熱性銅ブロック層を介して導電的に接続され、前記第2配線層と前記第4配線層は前記第3導電性銅ピラー層を介して導電的に接続され、前記第2部品の端子は前記第4配線層に導電的に接続され、前記第2部品の裏面は前記第3配線層に接続され。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記第1導電性銅ピラー層の端部、前記第1リングストリップ状の銅ピラー層の端部はそれぞれ前記有機マトリックス基板と同じ高さであり又は前記有機マトリックス基板より高い。
【0019】
いくつかの実施形態において、ステップ(c)は次を含む。
(c1)前記第1誘電体層の底部に第1接着層を設ける。
(c2)前記第1部品を前記第1部品配置枠に入れ、ただし前記第1部品の端子面は前記第1接着層に付着する。
(c3)前記第1誘電体層の上面及び前記第1部品と前記第1部品配置枠のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートする。
(c4)前記感光性パッケージング材料を露光・現像し、前記第1導電性銅ピラー層と前記第1リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第1部品の裏面を露出させて、第1パッケージング層を形成する。
(c5)前記第1接着層を取り除く。
【0020】
いくつかの実施形態において、ステップ(d)は次を含む。
(d1)前記第1パッケージング層に第1金属シード層を形成し、前記第1誘電体層に第2金属シード層を形成する。
(d2)前記第1金属シード層に第1フォトレジスト層を付与し、前記第2金属シード層に第2フォトレジスト層を付与する。
(d3)前記第1フォトレジスト層、前記第2フォトレジスト層を露光・現像して、第1特徴パターン、第2特徴パターンをそれぞれ形成する。
(d4)前記第1特徴パターンにおいて電気めっきして第1配線層を形成し、前記第2特徴パターンにおいて電気めっきして第2配線層を形成する。
(d5)前記第1フォトレジスト層、前記第2フォトレジスト層を取り除く。
【0021】
いくつかの実施形態において、ステップ(e)は次を含む。
(e1)前記第1配線層に第3フォトレジスト層を付与し、前記第2配線層に第4フォトレジスト層を付与する。
(e2)前記第3フォトレジスト層、前記第4フォトレジスト層を露光・現像して、第3特徴パターン、第4特徴パターンをそれぞれ形成する。
(e3)前記第3特徴パターンにおいて電気めっきして第2導電性銅ピラー層、放熱性銅ブロック層、第2リングストリップ状の銅ピラー層を形成し、前記第4特徴パターンにおいて電気めっきして第3導電性銅ピラー層、第3リングストリップ状の銅ピラー層を形成する。
(e4)前記第3フォトレジスト層、前記第4フォトレジスト層を取り除き、前記第1金属シード層、前記第2金属シード層をエッチングする。
【0022】
いくつかの実施形態において、ステップ(f)は、研削又はプラズマエッチングにより前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ全体的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅ピラー層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、ステップ(f)は、レーザー又は機械的穴あけにより前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ局所的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅ピラー層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、ステップ(f)は、露光・現像により前記第1誘電体層の上方と下方の誘電体材料をそれぞれ局所的に薄めて、前記第2導電性銅ピラー層、前記放熱性銅ピラー層と前記第2リングストリップ状の銅ピラー層の端部及び前記第3導電性銅ピラー層と第3リングストリップ状の銅ピラー層の端部を露出させることを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、ステップ(h)は次を含む。
(h1)前記第3誘電体層の底部に第2接着層を設ける。
(h2)前記第2部品を前記第2部品配置枠に入れ、ただし前記第2部品の端子面は前記第2接着層に付着する。
(h3)前記第2誘電体層の上面及び前記第2部品と前記第2部品配置枠のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートする。
(h4)前記感光性パッケージング材料を露光・現像し、前記第2導電性銅ピラー層と前記放熱性銅ブロック層の端部及び前記第2部品の裏面を露出させて、第2パッケージング層を形成する。
(h5)前記第2接着層を取り除く。
【0026】
いくつかの実施形態において、ステップ(i)は次を含む。
(i1)前記第2パッケージング層に第3金属シード層を形成し、前記第3誘電体層に第4金属シード層を形成する。
(i2)前記第3金属シード層に第5フォトレジスト層を付与し、前記第4金属シード層に第6フォトレジスト層を付与する。
(i3)前記第5フォトレジスト層、前記第6フォトレジスト層を露光・現像して、第5特徴パターン、第6特徴パターンをそれぞれ形成する。
(i4)前記第5特徴パターンにおいて電気めっきして第3配線層を形成し、前記第6特徴パターンにおいて電気めっきして第4配線層を形成する。
(i5)前記第5フォトレジスト層、前記第6フォトレジスト層を取り除き、前記第3金属シード層、前記第4金属シード層をエッチングする。
【0027】
いくつかの実施形態において、化学めっき又はスパッタリングによる金属シード層の製作を含む。好ましくは、スパッタリングにより金属シード層を製作する。
【0028】
好ましくは、金属シード層はチタン、銅、チタン-タングステン合金又はそれらの組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、本発明の一層の理解、そして本発明の実施形態を示すために、例を挙げ図面を参照して説明する。
【0030】
図面の参照にあたっては、特定の図は例示的に、本発明の好ましい実施形態を説明するためのもので、本発明の原理と概念の説明に最も役立ち最も理解しやすいものとして提供されるということを知ってほしい。
そのために、本発明の構造の詳細を本発明の初歩的な理解以上に詳しく示していない。図面を参照する説明から当業者は本発明のいくつかの態様が実際にどのようなものであるかを知ることができる。
【0031】
【
図1】
図1は従来技術における集積回路パッケージング方法及びパッケージ構造の概略断面図である。
【0032】
【
図2】
図2は本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の概略断面図である。
【0033】
【
図3-1】
図3(a)~
図3(c)は本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【
図3-2】
図3(d)~
図3(h)は本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【
図3-3】
図3(i)~
図3(l)は本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【
図3-4】
図3(m)~
図3(o)は本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
埋め込み・パッケージング基板100の概略断面図を示す
図2を参照する。
パッケージング基板100は第1誘電体層101と、第1誘電体層101の上方にある第2誘電体層102と、第1誘電体層101の下方にある第3誘電体層103とを含む。 第1誘電体層101、第2誘電体層102、第3誘電体層103は同じ材料を含んでもよいし、異なる材料を含んでもよい。
有機誘電体材料、無機誘電体材料又はそれらの組み合わせを含んでもよく、好ましくは、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT)、セラミックフィラー、ガラス繊維又はそれらの組み合わせである。
誘電体材料は、機能要件によって、感光性材料、非感光性材料から選ぶことができる。
【0035】
第1誘電体層101は高さ方向に第1誘電体層101を貫通する第1導電性銅ピラー層1012と第1部品配置枠1016とを含み、第2誘電体層102は第2誘電体層102の下面内に位置する第1配線層1061を含み、第1配線層1061には第2導電性銅ピラー層1021と放熱性銅ブロック層1023とが設けられ、第3誘電体層103は第3誘電体層103の上面内に位置する第2配線層1062を含み、第2配線層1062には第3導電性銅ピラー層1031が設けられ、第1配線層1061と第2配線層1062は第1導電性銅ピラー層1012を介して導電的に接続される。
一般に、第1導電性銅ピラー層1012、第2導電性銅ピラー層1021、第3導電性銅ピラー層1031はそれぞれ移送IOチャネルとして複数の銅ビアピラーが設けられてもよく、その断面サイズは、同じでも異なっても構わない。
【0036】
第1部品配置枠1016の底部に第1部品1041が実装されており、第1部品1041の端子は第2配線層1062に導電的に接続され、第1部品1041の裏面は放熱性銅ブロック層1023と第1配線層1061を介して接続される。
第1誘電体層101、第2誘電体層102及び第3誘電体層103を貫通する第2部品配置枠1034をさらに含み、ただし第2部品配置枠1034の底部に第2部品1042が実装されており、第2部品1042は第1部品1041と厚さの差がある。
厚さの異なる第1部品1041と第2部品1042をそれぞれ異なる誘電体層に埋め込み、パッケージングすることにより、厚さの差の大きい複数の部品の埋め込み・パッケージングを実現し、しかも各部品の両面ファンアウトを実現しやすい。
【0037】
第2誘電体層102には第3配線層1063が設けられ、第3誘電体層103には第4配線層1064が設けられ、第1配線層と第3配線層は第2導電性銅ピラー層1021及び放熱性銅ブロック層1023を介して導電的に接続され、第2配線層1062と第4配線層1064は第3導電性銅ピラー層1031を介して導電的に接続され、第2部品1042の端子は第4配線層1064に導電的に接続され、第2部品1042の裏面は第3配線層1063に接続される。第2部品1042の両面ファンアウトを実現している。
【0038】
一般に、第1部品1041、第2部品1042はそれぞれ少なくとも1つの部品を含む。
第1部品1041、第2部品1042はそれぞれ、集積回路の駆動チップ(IC driver)、電界効果トランジスタ(FET)などのベアチップであってもよいし、コンデンサ、抵抗又はインダクタなどのパッシブ部品であってもよいし、ボールグリッドアレイ(BGA)/ランドグリッドアレイ(LGA)などの初歩的なパッケージング後の単一パッケージであってもよく、又はそれらの複数種の部品の組み合わせである。
第1部品1041、第2部品1042はそれぞれ片面端子有する部品であってもよいし、両面導電のために両面端子を有する部品であってもよい。
本実施形態において、第1部品1041、第2部品1042がそれぞれ片面端子を有する部品であるものを例に説明し、第1部品1041の端子は第2配線層1062に導電的に接続され、第1部品1041の裏面は放熱性銅ブロック層1023と第1配線層1061を介して接続され、第2部品1042の端子は第4配線層1064に導電的に接続され、第2部品1042の裏面は第3配線層1063に接続される。
第1部品1041、第2部品1042がそれぞれ両面端子を有する部品である場合に、第1部品1041の一方の側の端子は第2配線層1062に導電的に接続され、第1部品1041の他方の側の端子は放熱性銅ブロック層1023と第1配線層1061を介して導電的に接続され、第2部品1042の一方の側の端子は第4配線層1064に導電的に接続され、第2部品1042の他方の側の端子は第3配線層1063に導電的に接続される。
【0039】
第1誘電体層101の上面及び第1部品1041と第1部品配置枠1016のギャップ内に第1パッケージング層1018がさらに設けられ、これによって第1部品1041をパッケージング・固定しやすい。
第2誘電体層102の上面及び第2部品1042と第2部品配置枠1034のギャップ内に第2パッケージング層1026がさらに設けられ、これによって第2部品1042をパッケージング・固定しやすい。
【0040】
本発明の一実施形態の複数の部品を複数回で埋め込みパッケージングした基板の製造方法の各ステップの中間構造の概略断面図を示す
図3(a)~
図3(o)を参照する。
【0041】
前記製造方法は次のステップを含む。
図3(a)に示すように、ステップ(a)で、有機マトリックス基板1011を用意する。
有機マトリックス基板1011は有機マトリックス基板1011を貫通する第1導電性銅ピラー層1012と第1リングストリップ状の銅ピラー層1013とを含み、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013は少なくとも1つのリングストリップ状の銅ピラーを含む。
一般に、第1導電性銅ピラー層1012の端部は有機マトリックス基板1011と同じ高さでもよいし、有機マトリックス基板1011より高くてもよい。
第1導電性銅ピラー層1012は移送IOチャネルとして複数の銅ビアピラーが設けられてもよく、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
第1リングストリップ状の銅ピラー層1013の端部は有機マトリックス基板1011と同じ高さでもよいし、有機マトリックス基板1011より高くてもよい。
第1リングストリップ状の銅ピラー層1013は後の部品配置枠の製作のために、複数のリングストリップ状の銅ピラーが設けられてもよく、埋め込むべき部品の数量に基づいて決定し、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
本実施形態において、次は2つのリングストリップ状の銅ピラーを含むものだけを示すが、リングストリップ状の銅ピラー層が2つのリングストリップ状の銅ピラーを含む場合に限って後の操作をするように限定するものではない。
【0042】
一般に、有機マトリックス基板1011の製造方法は次のサブステップを含む。
犠牲キャリアを得る。
犠牲キャリアに銅シード層を付与する。
犠牲キャリアにレジスト層を付与する。
もう1つの銅シード層を付与する。
フォトレジスト層を付与する。
フォトレジストを、銅ビアとリングストリップ状のビアを有するパターンにパターン化する。
パターンにおいて銅を電気めっきして第1導電性銅ピラー層1012、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013を形成する。
フォトレジスト層を剥がす。
誘電体材料を採用して第1導電性銅ピラー層1012、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013をラミネートする。
誘電体材料を薄め平坦化して、第1導電性銅ピラー層1012及び第1リングストリップ状の銅ピラー層1013の端部を露出させる。
犠牲キャリアを取り除く。
レジスト層をエッチングして、有機マトリックス基板1011を形成する。
【0043】
次に、
図3(b)に示すように、ステップ(b)で、有機マトリックス基板1011の上面と下面にそれぞれ第7フォトレジスト層1014、第8フォトレジスト層1015を付与し、第7フォトレジスト層1014、第8フォトレジスト層1015を露光・現像して、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013内の1つのリングストリップ状の銅ピラーを露出させる。
【0044】
その後、
図3(c)に示すように、ステップ(c)で、リングストリップ状の銅ピラーをエッチングし、その中の誘電体材料を除去して、第1部品配置枠1016を形成し、第7フォトレジスト層1014、第8フォトレジスト層1015を除去して、第1誘電体層101を得る。
【0045】
次に、
図3(d)に示すように、ステップ(d)で、第1誘電体層101の底部に第1接着層1017を設け、第1部品1041を第1部品配置枠1016に入れ、ただし第1部品1041の端子面は第1接着層1017に付着する。
一般に、第1接着層1017は接着テープであってもよく、一般に接着テープは市販の熱分解性又は紫外線の照射下で分解する透明フィルムである。
第1部品1041を第1部品配置枠1016に入れて第1部品1041の端子面を露出した第1接着層1017に張り合わせて、第1部品1041を支持して一時的に固定する。
【0046】
第1部品1041は、集積回路の駆動チップ(IC driver)、電界効果トランジスタ(FET)などのベアチップであってもよく、コンデンサ、抵抗又はインダクタなどのパッシブ部品であってもよいし、ボールグリッドアレイ(BGA)/ランドグリッドアレイ(LGA)などの初歩的なパッケージング後の単一パッケージであってもよく、又はそれらの複数種の部品の組み合わせである。
第1部品1041は片面端子を有する部品であってもよいし、両面導電のために両面端子を有する部品であってもよく、本実施形態において、次は片面端子を有する部品だけを示すが、片面端子を有する部品に限って後の操作をするように限定するものではない。
【0047】
その後、
図3(e)に示すように、ステップ(e)で、第1誘電体層101の上面及び第1部品1041と第1部品配置枠1016のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートし、感光性パッケージング材料を露光・現像して、第1導電性銅ピラー層1012と第1リングストリップ状の銅ピラー層1013の端部及び第1部品1041の裏面を露出させ、第1接着層1017を取り除いて、第1パッケージング層1018を形成する。一般に、紫外線照射又は熱分解により第1接着層1017を取り除くことができる。
【0048】
次に、
図3(f)に示すように、ステップ(f)で、第1パッケージング層1018に第1配線層1061を形成し、第1誘電体層101に第2配線層1062を形成する。一般に、次のステップを含む。
第1パッケージング層1018に第1金属シード層1051を形成し、第1誘電体層101に第2金属シード層1052を形成する。
第1金属シード層1051に第1フォトレジスト層を付与し、第2金属シード層1052に第2フォトレジスト層を付与する。
第1フォトレジスト層、第2フォトレジスト層を露光・現像して、第1特徴パターン、第2特徴パターンをそれぞれ形成する。
第1特徴パターンにおいて電気めっきして第1配線層1061を形成し、第2特徴パターンにおいて電気めっきして第2配線層1062を形成する。
第1フォトレジスト層、第2フォトレジスト層を取り除く。
【0049】
一般に、化学めっき又はスパッタリングにより第1パッケージング層1018、第1誘電体層101にそれぞれ第1金属シード層1051、第2金属シード層1052を形成することができ、第1金属シード層1051、第2金属シード層1052はそれぞれチタン、銅、チタン-タングステン合金又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
好ましくは、チタンと銅へのスパッタリングにより第1金属シード層1051、第2金属シード層1052を製作する。第1特徴パターン、第2特徴パターンにおいてそれぞれ銅を電気めっきして第1配線層1061、第2配線層1062を形成し、第1配線層1061及び第2配線層1062の厚さは実際のニーズにより決定することができる。
【0050】
第1フォトレジスト層、第2フォトレジスト層を露光・現像することにより、第1パッケージング層1018と第1誘電体層101における回路パターン及び第1部品1041の裏面の放熱性銅ブロックを設ける領域を露出させると同時に、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013を遮蔽して、1回の露光で位置合わせのためのリングの幅要件が緩和され、空間利用率をある程度高めることができ、高密度の集積に役立つ。
【0051】
その後、
図3(g)に示すように、ステップ(g)で、第1配線層1061に第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022を形成し、第2配線層1062に第3導電性銅ピラー層1031、第3リングストリップ状の銅ピラー層1032を形成する。一般に、次のステップを含む。
第1配線層1061に第3フォトレジスト層1024を付与し、第2配線層1062に第4フォトレジスト層1033を付与する。
第3フォトレジスト層1024、第4フォトレジスト層1033を露光・現像して、第3特徴パターン、第4特徴パターンをそれぞれ形成する。
第3特徴パターンにおいて電気めっきして第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022を形成し、第4特徴パターンにおいて電気めっきして第3導電性銅ピラー層1031、第3リングストリップ状の銅ピラー層1032を形成する。
【0052】
一般に、第2導電性銅ピラー層1021は移送IOチャネルとして複数の銅ビアピラーが設けられてもよく、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
第2リングストリップ状の銅ピラー層1022は後の部品配置枠の製作のために、複数のリングストリップ状の銅ピラーが設けられてもよく、埋め込むべき部品の数量に基づいて決定し、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
第3導電性銅ピラー層1031は移送IOチャネルとして複数の銅ビアピラーが設けられてもよく、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
第3リングストリップ状の銅ピラー層1032は後の部品配置枠の製作のために、複数のリングストリップ状の銅ピラーが設けられてもよく、埋め込むべき部品の数量に基づいて決定し、そのサイズは、同じでも異なっても構わない。
第2リングストリップ状の銅ピラー層1022、第3リングストリップ状の銅ピラー層1032はそれぞれ第1リングストリップ状の銅ピラー層1013と縦方向に重なり、これは後の工程で複数の誘電体層を貫通する部品配置枠を形成するために役立つ。
【0053】
次に、
図3(h)に示すように、ステップ(h)で、第3フォトレジスト層1024、第4フォトレジスト層1033を取り除き、第1金属シード層1051、第2金属シード層1052をエッチングする。
【0054】
その後、
図3(i)に示すように、ステップ(i)で、第1誘電体層101の上方と下方にそれぞれ誘電体材料をラミネートし、誘電体材料を薄めて、第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023及び第2リングストリップ状の銅ピラー層1022の端部を露出させて第2誘電体層102を形成し、第3導電性銅ピラー層1031及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の端部を露出させて第3誘電体層103を形成する。
一般に、誘電体材料を全体的に薄めることができ、例えば、研削又はプラズマエッチングにより誘電体材料を全体的に薄める。誘電体材料を局所的に薄めることもでき、例えば、レーザー又は機械的穴あけにより第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022、第3導電性銅ピラー層1031及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032における誘電体材料を局所的に薄めて第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022、第3導電性銅ピラー層1031及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の端部を露出させる。
又は、誘電体材料が感光性媒体材料である場合に、露光・現像により誘電体材料を局所的に薄めて第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022、第3導電性銅ピラー層1031及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の端部を露出させることができる。
好ましくは、研削により誘電体材料を全体的に薄めて第2導電性銅ピラー層1021、放熱性銅ブロック層1023、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022、第3導電性銅ピラー層1031及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の端部を露出させる。
【0055】
次に、
図3(j)に示すように、ステップ(j)で、第2誘電体層102、第3誘電体層103にそれぞれ第9フォトレジスト層1025、第10フォトレジスト層1033を付与し、第9フォトレジスト層1025、第10フォトレジスト層1033を露光・現像して、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の縦方向の同じ位置におけるリングストリップ状の銅ピラーを露出させる。
【0056】
その後、
図3(k)に示すように、ステップ(k)で、第1リングストリップ状の銅ピラー層1013、第2リングストリップ状の銅ピラー層1022及び第3リングストリップ状の銅ピラー層1032の縦方向の同じ位置におけるリングストリップ状の銅ピラーを同時にエッチングし、その中の誘電体材料を除去して、第2部品配置枠1034を形成し、第9フォトレジスト層1025、第10フォトレジスト層1033を取り除く。
【0057】
次に、
図3(l)に示すように、ステップ(l)で、第3誘電体層103の底部に第2接着層1035を設け、第2部品1042を第2部品配置枠1034に入れ、ただし第2部品1042の端子面は第2接着層1035に付着する。
一般に、第2接着層1035は接着テープであってもよく、一般に接着テープは市販の熱分解性又は紫外線の照射下で分解する透明フィルムである。
第2部品1042を第2部品配置枠1034に入れて第2部品1042の端子面を露出した第2接着層1035に張り合わせて、第2部品1042を支持して一時的に固定する。
【0058】
第2部品1042は、集積回路の駆動チップ(IC driver)、電界効果トランジスタ(FET)などのベアチップであってもよいし、コンデンサ、抵抗又はインダクタなどのパッシブ部品であってもよいし、ボールグリッドアレイ(BGA)/ランドグリッドアレイ(LGA)などの初歩的なパッケージング後の単一パッケージであってもよく、又はそれらの複数種の部品の組み合わせである。
第2部品1042は片面端子を有する部品であってもよいし、両面導電のために両面端子を有する部品であってもよい。本実施形態において、次は片面端子を有する部品だけを示すが、片面端子を有する部品に限って後の操作をするように限定するものではない。
【0059】
その後、
図3(m)に示すように、ステップ(m)で、第2誘電体層102の上面及び第2部品1042と第2部品配置枠1034のギャップに感光性パッケージング材料をラミネートし、感光性パッケージング材料を露光・現像して、第2導電性銅ピラー層1021と放熱性銅ブロック層1023の端部及び第2部品1042の裏面を露出させ、第2接着層1035を取り除いて、第2パッケージング層1026を形成する。一般に、紫外線照射又は熱分解により第2接着層1035を取り除くことができる。
【0060】
次に、
図3(n)に示すように、ステップ(n)で、第2パッケージング層1026に第3配線層1063を形成し、第3誘電体層103に第4配線層1064を形成する。一般に、当該ステップは次のステップを含む。
第2パッケージング層1026に第3金属シード層1053を形成し、第3誘電体層103に第4金属シード層1054を形成する。
第3金属シード層1053に第5フォトレジスト層1027を付与し、第4金属シード層1054に第6フォトレジスト層1036を付与する。
第5フォトレジスト層1027、第6フォトレジスト層1036を露光・現像して、第5特徴パターン、第6特徴パターンをそれぞれ形成する。
第5特徴パターンにおいて電気めっきして第3配線層1063を形成し、第6特徴パターンにおいて電気めっきして第4配線層1064を形成する。
【0061】
一般に、化学めっき又はスパッタリングにより第2パッケージング層1026、第3誘電体層103にそれぞれ第3金属シード層1053、第4金属シード層1054を形成することができ、第3金属シード層1053、第4金属シード層1054はそれぞれチタン、銅、チタン-タングステン合金又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
好ましくは、チタンと銅へのスパッタリングにより第3金属シード層1053、第4金属シード層1054を製作する。第5特徴パターン、第6特徴パターンにおいてそれぞれ銅を電気めっきして第3配線層1063、第4配線層1064を形成し、第3配線層1063及び第4配線層1064の厚さは実際のニーズにより決定することができる。
【0062】
最後に、
図3(o)に示すように、ステップ(o)で、第5フォトレジスト層1027、第6フォトレジスト層1036を取り除き、第3金属シード層1053、第4金属シード層1054をエッチングする。
【0063】
当業者は、本発明が上記の各図面とその説明内容に限定されないことを理解できるだろう。
また、本発明の範囲は特許請求の範囲から限定され、上述した各技術特徴の組み合わせと組み合わせの一部及びその変化と改善を含み、当業者が上記の説明を読み終えるとこのような組み合わせ、変化と改善に思いつくことができるだろう。
【0064】
特許請求の範囲において、用語「含む」、及び似たような用語、例えば「有する」などは列挙された要素を含み、ただし他の要素を排除しないことを意味する。
【符号の説明】
【0065】
100:埋め込み・パッケージング基板
101:第1誘電体層
1011:有機マトリックス基板
1012:第1導電性銅ピラー層
1013:第1リングストリップ状の銅ピラー層
1014:第7フォトレジスト層
1015:第8フォトレジスト層
1016:第1部品配置枠
1017:第1接着層
1018:第1パッケージング層
102:第2誘電体層
1021:第2導電性銅ピラー層
1022:銅ピラー層
1023:放熱性銅ブロック層
1024:第3フォトレジスト層
1025:第9フォトレジスト層
1026:第2パッケージング層
1027:第5フォトレジスト層
103:第3誘電体層
1031:第3導電性銅ピラー層
1032:銅ピラー層
1033:第10フォトレジスト層
1033:第4フォトレジスト層
1034:第2部品配置枠
1035:第2接着層
1036:第6フォトレジスト層
1041;第1部品
1042:第2部品
1051:第1金属シード層
1052:第2金属シード層
1053:第3金属シード層
1054:第4金属シード層
1061:第1配線層
1062:第2配線層
1063:第3配線層
1064:第4配線層