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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-28
(45)【発行日】2023-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231129BHJP
   G06Q 30/0201 20230101ALI20231129BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0201
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022121817
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】柳 良樹
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-503680(JP,A)
【文献】特開2021-048430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成されたユーザ総合情報であって前記ユーザ総合情報のみからは個個のユーザを特定することができない前記ユーザ総合情報を取得するユーザ総合情報取得部と、
前記複数のユーザと前記ユーザ総合情報とを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する管理部と、
前記ブロックチェーンを利用して記録された前記複数ユーザ関連付け情報で特定される前記ユーザ総合情報を取引先へ提供する情報提供部と、を備え、
前記複数ユーザ関連付け情報は、前記ブロックチェーンを利用して、前記取引先により閲覧可能に記録される、
情報処理装置であって、
前記ブロックチェーンには、前記複数ユーザ関連付け情報に関する非代替性トークンが記録され、
前記ブロックチェーンに記録される前記非代替性トークンの保有者は、前記情報処理装置の管理者であり、
前記ブロックチェーンサービスシステムは、前記非代替性トークンの購買を行うためのマーケットプレイスの機能を有し、
前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記管理者が保有者である前記非代替性トークンを取得済みの前記ユーザ総合情報であり、
前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記取引先が前記情報処理装置へ指定した前記ユーザ総合情報である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のユーザは、前記ブロックチェーンを利用して個個にユーザ登録されたブロックチェーン登録ユーザである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ブロックチェーンには、前記ブロックチェーン登録ユーザのユーザ登録情報に関する非代替性トークンである登録ユーザ非代替性トークンが記録される、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数ユーザ関連付け情報は、前記複数のユーザのそれぞれの前記登録ユーザ非代替性トークンのトークン識別情報のリストと前記ユーザ総合情報とを含む、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ総合情報が取引先へ提供されたことに応じて、前記登録ユーザ非代替性トークンで特定されるユーザに付与される特典を決定する特典決定部をさらに備える、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特典決定部は、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴を記録し、前記履歴に基づいて前記特典を決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特典決定部は、前記ユーザ総合情報の提供回数、提供対価及び取引先での利用回数のうち少なくとも一つに基づいて前記特典を決定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記管理部は、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴を前記ブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求を前記ブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ブロックチェーンには、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴に関する非代替性トークンが記録される、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記ユーザ総合情報は、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成された統計情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記ユーザ情報は、ユーザに関連付けられた情報であって、携帯端末の移動履歴、通信履歴、購買履歴、ユーザ属性及び資産情報のうち少なくとも一つを含む、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成されたユーザ総合情報であって前記ユーザ総合情報のみからは個個のユーザを特定することができない前記ユーザ総合情報を取得するユーザ総合情報取得ステップと、
前記複数のユーザと前記ユーザ総合情報とを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する管理ステップと、
前記ブロックチェーンを利用して記録された前記複数ユーザ関連付け情報で特定される前記ユーザ総合情報を取引先へ提供する情報提供ステップと、を含み、
前記複数ユーザ関連付け情報は、前記ブロックチェーンを利用して、前記取引先により閲覧可能に記録される、
情報処理方法であり、
前記ブロックチェーンには、前記複数ユーザ関連付け情報に関する非代替性トークンが記録され、
前記ブロックチェーンに記録される前記非代替性トークンの保有者は、前記情報処理装置の管理者であり、
前記ブロックチェーンサービスシステムは、前記非代替性トークンの購買を行うためのマーケットプレイスの機能を有し、
前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記管理者が保有者である前記非代替性トークンを取得済みの前記ユーザ総合情報であり、
前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記取引先が前記情報処理装置へ指定した前記ユーザ総合情報である、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯通信端末がGPS(Global Positioning System)により取得した現在位置情報が外部の装置へ送信されて活用される際に、当該携帯通信端末のユーザのプライバシーを保護するための技術が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された技術は、位置情報の公開範囲をユーザの意思により段階的に設定できるようにすることで、個人情報保護の機能性を備えつつ、位置情報サービスの利用促進を達成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-057870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、携帯通信端末がGPSにより取得した現在位置情報等の個人情報を広く収集して個人を特定できないデータに加工し活用する情報提供サービスが提供されている。この情報提供サービスにおいては、個人情報を提供したユーザが自分の情報がどのように利用されているのかを把握したいという要望がある。しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、ユーザの情報がどのように利用されているのかを検証することまではできない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザの情報がどのように利用されているのかを検証することを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成されたユーザ総合情報であって前記ユーザ総合情報のみからは個個のユーザを特定することができない前記ユーザ総合情報を取得するユーザ総合情報取得部と、前記複数のユーザと前記ユーザ総合情報とを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する管理部と、前記ブロックチェーンを利用して記録された前記複数ユーザ関連付け情報で特定される前記ユーザ総合情報を取引先へ提供する情報提供部と、を備え、前記複数ユーザ関連付け情報は、前記ブロックチェーンを利用して、前記取引先により閲覧可能に記録される、情報処理装置であって、前記ブロックチェーンには、前記複数ユーザ関連付け情報に関する非代替性トークンが記録され、前記ブロックチェーンに記録される前記非代替性トークンの保有者は、前記情報処理装置の管理者であり、前記ブロックチェーンサービスシステムは、前記非代替性トークンの購買を行うためのマーケットプレイスの機能を有し、前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記管理者が保有者である前記非代替性トークンを取得済みの前記ユーザ総合情報であり、前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記取引先が前記情報処理装置へ指定した前記ユーザ総合情報である、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記複数のユーザは、前記ブロックチェーンを利用して個個にユーザ登録されたブロックチェーン登録ユーザである。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ブロックチェーンには、前記ブロックチェーン登録ユーザのユーザ登録情報に関する非代替性トークンである登録ユーザ非代替性トークンが記録される。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記複数ユーザ関連付け情報は、前記複数のユーザのそれぞれの前記登録ユーザ非代替性トークンのトークン識別情報のリストと前記ユーザ総合情報とを含む。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ総合情報が取引先へ提供されたことに応じて、前記登録ユーザ非代替性トークンで特定されるユーザに付与される特典を決定する特典決定部をさらに備える。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特典決定部は、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴を記録し、前記履歴に基づいて前記特典を決定する。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記特典決定部は、前記ユーザ総合情報の提供回数、提供対価及び取引先での利用回数のうち少なくとも一つに基づいて前記特典を決定する。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記管理部は、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴を前記ブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求を前記ブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ブロックチェーンには、取引先へ提供された前記ユーザ総合情報の履歴に関する非代替性トークンが記録される。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ総合情報は、前記複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成された統計情報である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記ユーザ情報は、ユーザに関連付けられた情報であって、携帯端末の移動履歴、通信履歴、購買履歴、ユーザ属性及び資産情報のうち少なくとも一つを含む。
【0007】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成されたユーザ総合情報であって前記ユーザ総合情報のみからは個個のユーザを特定することができない前記ユーザ総合情報を取得するユーザ総合情報取得ステップと、前記複数のユーザと前記ユーザ総合情報とを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答を前記ブロックチェーンサービスシステムから受信する管理ステップと、前記ブロックチェーンを利用して記録された前記複数ユーザ関連付け情報で特定される前記ユーザ総合情報を取引先へ提供する情報提供ステップと、を含み、前記複数ユーザ関連付け情報は、前記ブロックチェーンを利用して、前記取引先により閲覧可能に記録される、情報処理方法であり、前記ブロックチェーンには、前記複数ユーザ関連付け情報に関する非代替性トークンが記録され、前記ブロックチェーンに記録される前記非代替性トークンの保有者は、前記情報処理装置の管理者であり、前記ブロックチェーンサービスシステムは、前記非代替性トークンの購買を行うためのマーケットプレイスの機能を有し、前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記管理者が保有者である前記非代替性トークンを取得済みの前記ユーザ総合情報であり、前記取引先へ提供される前記ユーザ総合情報は、前記取引先が前記情報処理装置へ指定した前記ユーザ総合情報である、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの情報がどのように利用されているのかを検証することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る情報提供管理サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るユーザ管理情報の構成例を示す図である。
図4】一実施形態に係るユーザ総合情報管理情報の構成例を示す図である。
図5】一実施形態に係るブロックチェーンに記録されるNFTを説明するための説明図である。
図6】一実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報登録段階の手順の例を示すシーケンス図である。
図7】一実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報提供段階の手順の例を示すシーケンス図である。
図8】一実施形態に係る情報処理方法の特典決定段階の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図1において、情報提供管理サーバ(情報処理装置)1は、ユーザ総合情報の情報提供先への提供及び管理を行うための情報処理を実行する。
【0011】
ユーザ総合情報は、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成された情報であって当該情報のみからは個個のユーザを特定することができない情報である。ユーザ情報は、ユーザに関連付けられた情報(例えば、ユーザを識別するユーザ識別情報(ユーザID)に関連付けられた情報)である。ユーザ情報は、例えば、携帯端末の移動履歴や、通信履歴や、購買履歴や、ユーザ属性や、資産情報などのユーザに関する情報である。ユーザ情報は、携帯端末の移動履歴、通信履歴、購買履歴、ユーザ属性及び資産情報のうち少なくとも一つを含むものであってもよい。ユーザ総合情報は、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成された例えば統計情報である。複数のユーザのそれぞれのユーザ情報が統計的手法を用いて加工されることによって、個個のユーザを特定することができない統計情報が生成される。統計情報は、例えば、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報が平均化された情報や度数分布などである。
【0012】
情報提供管理サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用する携帯端末装置(ユーザ端末)2との間でデータを送受する。ユーザ端末2として、スマートフォン等の携帯通信端末装置や、タブレット型のコンピュータ装置(タブレットPC)などを利用してもよい。ユーザ端末2は、GPS等の位置情報取得機能を備え、現在位置を示す現在位置情報情報を取得する。
【0013】
情報提供管理サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、取引先端末3との間でデータを送受する。取引先端末3は、情報提供システムが提供する情報提供サービスの取引相手である企業等の取引先が使用する端末装置である。
【0014】
情報提供管理サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、ブロックチェーンサービスシステム4との間でデータを送受する。ブロックチェーンサービスシステム4は、ブロックチェーン5を利用するサービスを提供する。ブロックチェーンサービスシステム4は、例えば、ブロックチェーン5を利用して各種の情報の管理を行う。例えば、ブロックチェーンサービスシステム4は、ブロックチェーン5を利用してNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)の管理を行う。
【0015】
ブロックチェーン5には、NFTに関するメタデータが記録される。NFTに関するメタデータは、当該NFTについての、識別子(NFTID)や作成日時や保有者を特定する保有者アドレス(保有者識別情報(保有者ID))や対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが唯一性や保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが唯一性や保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々な情報である。
【0016】
なお、ブロックチェーンサービスシステム4は、NFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)の機能を有し、NFTの購買を行ってもよい。
【0017】
情報提供管理サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、ユーザ総合情報データベース6との間でデータを送受する。ユーザ総合情報データベース6は、様々なユーザ総合情報を格納するデータベースである。ユーザ総合情報データベース6は、通信ネットワークNWを介して、外部の装置からアクセスされる。
【0018】
情報提供管理サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、ユーザ総合情報生成サーバ7との間でデータを送受する。ユーザ総合情報生成サーバ7は、ユーザ総合情報を生成する。ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を広く収集する。ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザ端末2から、直接的に又は間接的に、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザIDに関連付けられている。ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用してユーザ総合情報を生成する。ユーザ総合情報は、当該情報のみからは個個のユーザを特定することができない情報である。
【0019】
図2は、本実施形態に係る情報提供管理サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。図2において、情報提供管理サーバ1は、ユーザ総合情報取得部10と、管理部11と、情報提供部12と、特典決定部13と、記憶部20と、を備える。
【0020】
情報提供管理サーバ1の各機能は、情報提供管理サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報提供管理サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報提供管理サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報提供管理サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報提供管理サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は情報提供管理サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、情報提供管理サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0021】
ユーザ総合情報取得部10は、通信ネットワークNWを介して、ユーザ総合情報生成サーバ7からユーザ総合情報を取得する。管理部11は、ユーザ総合情報を管理するための処理を実行する。情報提供部12は、取引先へユーザ総合情報を提供するための処理を実行する。特典決定部13は、ユーザ総合情報が取引先へ提供されたことに応じてユーザに付与される特典を決定する。
【0022】
記憶部20は、ユーザ管理情報201やユーザ総合情報管理情報202等の各種の情報を記憶する。
【0023】
図3は、本実施形態に係るユーザ管理情報201の構成例を示す図である。図3の例では、ユーザ毎に、ユーザIDと、登録ユーザNFTデータ及び会員証トークンIDと、ユーザ総合情報IDと、特典付与情報とがユーザ管理情報201に格納される。
【0024】
ユーザIDは、ユーザを識別するユーザ識別情報であって、例えば、ユーザ端末2の識別情報(例えば携帯電話番号など)や、ユーザが加入する携帯電話サービスで付与された携帯電話サービス加入者識別情報などである。
【0025】
登録ユーザNFTデータは、ブロックチェーン5を利用してユーザ登録されたユーザ(ブロックチェーン登録ユーザ)を対象にして発行されたNFT(登録ユーザNFT)を示すNFTデータである。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。登録ユーザNFTが唯一性や保有者を証明する対象物は、ブロックチェーン登録ユーザのユーザ登録情報である。登録ユーザNFTの保有者は、予め定められている。本実施形態における一例として、登録ユーザNFTの保有者は、情報提供管理サーバ1の管理者(情報管理者)である。
【0026】
各ユーザは、予め、ブロックチェーン登録ユーザとしてユーザ登録される。ブロックチェーン5には、ブロックチェーン登録ユーザ毎に、登録ユーザNFTが記録される。以下、登録ユーザNFTを、会員証トークンと称する場合がある。会員証トークンIDは、会員証トークン(登録ユーザNFT)の識別子(NFTID)である。会員証トークンIDは、ユーザがブロックチェーン登録ユーザとしてユーザ登録された際に、ユーザ端末2に保持される。
【0027】
ユーザ総合情報IDは、ユーザ総合情報を識別する識別子である。あるユーザ(会員証トークンID)には、当該ユーザのユーザ情報が使用されたユーザ総合情報のユーザ総合情報IDが関連付けられる。図3の例では、会員証トークンID「会員証トークンid_A」のユーザは、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報と、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_333」のユーザ総合情報とに、ユーザ情報が使用されている。
【0028】
特典付与情報は、ユーザに付与される特典であって、特典決定部13が決定した特典を示す情報である。図3の例では、会員証トークンID「会員証トークンid_A」のユーザは、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報については、取引先へ提供されたことにより、付与される特典が決定され、当該特典を示す特典付与情報が関連付けられている。一方、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_333」のユーザ総合情報については、取引先へ提供されていないために、当該ユーザに付与される特典が決定されていないことから、特典付与情報がない。
【0029】
図4は、本実施形態に係るユーザ総合情報管理情報202の構成例を示す図である。図4の例では、ユーザ総合情報毎に、ユーザ総合情報IDと、ユーザ総合情報URLと、会員証トークンIDリストと、複数ユーザ関連付けNFTデータと、提供先情報と、ユーザ総合情報の履歴データと、ユーザ総合情報の履歴NFTデータとがユーザ総合情報管理情報202に格納される。
【0030】
ユーザ総合情報URLは、ユーザ総合情報の所在を示すURLである。
【0031】
会員証トークンIDリストは、ユーザ総合情報にユーザ情報が使用された全ユーザの会員証トークンIDのリストである。図4の例では、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報には、会員証トークンIDリスト「会員証トークンIDリスト_111」に含まれる全ての会員証トークンIDのユーザのユーザ情報が使用されている。
【0032】
複数ユーザ関連付けNFTデータは、ユーザ総合情報と、当該ユーザ総合情報にユーザ情報が使用された全ユーザとを関連付ける複数ユーザ関連付け情報を対象にして発行されたNFT(複数ユーザ関連付けNFT)を示すNFTデータである。本実施形態においては、複数ユーザ関連付け情報の一例として、会員証トークンIDリストを用いる。複数ユーザ関連付けNFTが唯一性や保有者を証明する対象物は、ユーザ総合情報および会員証トークンIDリストである。複数ユーザ関連付けNFTの保有者は、予め定められている。本実施形態における一例として、複数ユーザ関連付けNFTの保有者は、情報提供管理サーバ1の管理者(情報管理者)である。
【0033】
図4の例では、複数ユーザ関連付けNFTデータ「複数ユーザ関連付けNFTデータ_111」が示す複数ユーザ関連付けNFTは、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報と、会員証トークンIDリスト「会員証トークンIDリスト_111」とを、唯一性や保有者を証明する対象物にしている。ブロックチェーン5には、ユーザ総合情報毎に、複数ユーザ関連付けNFTが記録される。
【0034】
提供先情報は、ユーザ総合情報が提供された取引先を示す情報であって、当該取引先の識別子(取引先ID)である。図4の例では、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報は、取引先ID「取引先id_x」の取引先と、取引先ID「取引先id_y」の取引先とに提供されている。
【0035】
ユーザ総合情報の履歴データは、取引先へ提供されたユーザ総合情報の履歴を示すデータである。ユーザ総合情報の履歴データは、例えば、ユーザ総合情報の取引先への提供によって取引先から情報管理者が受け取る対価(提供対価)や、取引先での利用回数などを示す。取引先での利用回数は、取引先の内部での利用のみでなく、さらには、取引先から他企業等の他者へのユーザ総合情報の再提供も含んでもよい。
【0036】
ユーザ総合情報の履歴データは、ユーザ総合情報の提供先毎に、ユーザ総合情報管理情報202に格納される。図4の例では、ユーザ総合情報ID「ユーザ総合情報id_111」のユーザ総合情報について、取引先ID「取引先id_x」の取引先に関するユーザ総合情報の履歴データ「ユーザ総合情報履歴データ_111x」と、取引先ID「取引先id_y」の取引先に関するユーザ総合情報の履歴データ「ユーザ総合情報履歴データ_111y」とがユーザ総合情報管理情報202に格納されている。
【0037】
ユーザ総合情報の履歴NFTデータは、取引先へ提供されたユーザ総合情報の履歴を対象にして発行されたNFT(ユーザ総合情報履歴NFT)を示すNFTデータである。本実施形態においては、ユーザ総合情報履歴NFTが唯一性や保有者を証明する対象物は、ユーザ総合情報の履歴データである。複数ユーザ関連付けNFTの保有者は、予め定められている。本実施形態における一例として、ユーザ総合情報履歴NFTの保有者は、情報提供管理サーバ1の管理者(情報管理者)である。
【0038】
図4の例では、ユーザ総合情報の履歴NFTデータ「ユーザ総合情報履歴NFTデータ_111x」が示すユーザ総合情報履歴NFTは、ユーザ総合情報の履歴データ「ユーザ総合情報履歴データ_111x」を、唯一性や保有者を証明する対象物にしている。ユーザ総合情報の履歴NFTデータ「ユーザ総合情報履歴NFTデータ_111y」が示すユーザ総合情報履歴NFTは、ユーザ総合情報の履歴データ「ユーザ総合情報履歴データ_111y」を、唯一性や保有者を証明する対象物にしている。ブロックチェーン5には、ユーザ総合情報の履歴データ毎に、ユーザ総合情報履歴NFTが記録される。
【0039】
図5は、本実施形態に係るブロックチェーンに記録されるNFTを説明するための説明図である。ブロックチェーン5には、ブロックチェーン登録ユーザ毎に、会員証トークン(登録ユーザNFT)が記録される。会員証トークンが唯一性や保有者を証明する対象物は、ブロックチェーン登録ユーザのユーザ登録情報である。会員証トークンの保有者は、情報管理者である。
【0040】
ブロックチェーン5には、ユーザ総合情報毎に、複数ユーザ関連付けNFTが記録される。複数ユーザ関連付けNFTが唯一性や保有者を証明する対象物は、ユーザ総合情報および会員証トークンIDリストである。複数ユーザ関連付けNFTの保有者は、情報管理者である。
【0041】
ブロックチェーン5には、ユーザ総合情報の履歴データ毎に、ユーザ総合情報履歴NFTが記録される。ユーザ総合情報履歴NFTが唯一性や保有者を証明する対象物は、ユーザ総合情報の履歴データである。ユーザ総合情報履歴NFTの保有者は、情報管理者である。
【0042】
次に図6図8を参照して本実施形態に係る情報処理方法について説明する。
【0043】
[ユーザ総合情報登録段階]
図6を参照して本実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報登録段階を説明する。図6は、本実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報登録段階の手順の例を示すシーケンス図である。
【0044】
各ユーザは、予め、ブロックチェーン登録ユーザとしてユーザ登録されている。ブロックチェーン5には、ブロックチェーン登録ユーザ毎に、会員証トークンが記録されている。各ユーザのユーザ端末2は、ユーザがブロックチェーン登録ユーザとしてユーザ登録された際に、会員証トークンIDを保持している。
【0045】
ここでは、ユーザ情報の一例としてユーザ端末2の移動履歴を挙げて説明する。なお、ユーザ端末2の移動履歴以外の他のユーザ情報についても、同様に適用可能である。
【0046】
(ステップS101) ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザ端末2のそれぞれの位置を示す位置情報を広く収集する。ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザ端末2から、直接的に又は間接的に、位置情報及び会員証トークンIDを取得する。ユーザ総合情報生成サーバ7が収集した各ユーザ端末2の位置情報は、各ユーザ(会員証トークンID)のユーザ端末2の移動履歴を示す情報である。
【0047】
(ステップS102) ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザ(会員証トークンID)のそれぞれの移動履歴を使用してユーザ総合情報を生成する。ユーザ総合情報は、当該情報のみからは個個のユーザを特定することができない情報である。例えば、ユーザ総合情報生成サーバ7は、複数のユーザ(会員証トークンID)のそれぞれの移動履歴に対して、統計的手法を用いて加工することによって、個個のユーザを特定することができない統計情報を生成する。当該統計情報は、例えば、複数のユーザのそれぞれの移動履歴が平均化された情報や度数分布などである。
【0048】
(ステップS103) ユーザ総合情報生成サーバ7は、ユーザ総合情報と会員証トークンIDリストとを情報提供管理サーバ1へ送信する。当該会員証トークンIDリストは、当該ユーザ総合情報にユーザ情報が使用された全ユーザの会員証トークンIDのリストである。情報提供管理サーバ1は、ユーザ総合情報生成サーバ7から送信されたユーザ総合情報と会員証トークンIDリストとを受信する。情報提供管理サーバ1においてユーザ総合情報取得部10は、ユーザ総合情報生成サーバ7から送信されたユーザ総合情報と会員証トークンIDリストとを取得する。
【0049】
(ステップS104) 情報提供管理サーバ1においてユーザ総合情報取得部10は、ユーザ総合情報生成サーバ7から取得したユーザ総合情報をユーザ総合情報データベース6へ送信し、当該ユーザ総合情報の格納を要求する。
【0050】
(ステップS105) ユーザ総合情報データベース6は、情報提供管理サーバ1からの要求に応じて、受信したユーザ総合情報にユーザ総合情報IDを付与すると共に、自己の格納領域に当該ユーザ総合情報を格納する。
【0051】
(ステップS106) ユーザ総合情報データベース6は、当該ユーザ総合情報の所在を示すユーザ総合情報URLとユーザ総合情報IDとを情報提供管理サーバ1へ応答する。情報提供管理サーバ1においてユーザ総合情報取得部10は、ユーザ総合情報データベース6から応答されたユーザ総合情報ID及びユーザ総合情報URLと、ユーザ総合情報生成サーバ7から当該ユーザ総合情報と共に取得した会員証トークンIDリストとを関連付けて、ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に新規登録(格納)する。また、ユーザ総合情報取得部10は、当該会員証トークンIDリストに含まれる全ての会員証トークンIDを対象にして、当該ユーザ総合情報IDを会員証トークンIDに関連付けてユーザ管理情報201(図3参照)に格納する。
【0052】
(ステップS107) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、ユーザ総合情報管理情報202に新規登録されたユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)に関するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステム4に送信する。当該ブロックチェーン利用要求は、当該ユーザ総合情報と当該ユーザ総合情報にユーザ情報が使用された全ユーザとを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録する要求である。具体的には、管理部11は、ブロックチェーン利用要求において、ユーザ総合情報管理情報202に新規登録されたユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)に関連付けられた会員証トークンIDリスト及びユーザ総合情報URLと、情報管理者の識別子(情報管理者ID)とをブロックチェーンサービスシステム4へ送信し、NFT(複数ユーザ関連付けNFT)の取得を要求する。当該会員証トークンIDリスト及びユーザ総合情報URLが複数ユーザ関連付け情報に対応する。
【0053】
(ステップS108) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1からのブロックチェーン利用要求に応じて、情報提供管理サーバ1から受信した会員証トークンIDリストと同じく受信したユーザ総合情報URLに所在するユーザ総合情報とを唯一性や保有者を証明する対象物とし、NFTの保有者を情報管理者(情報管理者ID)とした複数ユーザ関連付けNFTを取得する。この複数ユーザ関連付けNFTの取得処理では、ブロックチェーン5上に、当該複数ユーザ関連付けNFTに関するメタデータが記録される。当該メタデータは、複数ユーザ関連付けNFTの識別子、作成日時、情報管理者ID(保有者ID)、ユーザ総合情報URL(対象物URL)及び会員証トークンIDリストURL(対象物URL)を有する。会員証トークンIDリストURLは、会員証トークンIDリストの所在を示すURLであって、ブロックチェーンサービスシステム4に備わるデータベース内の格納領域を示す。
【0054】
(ステップS109) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1に対して、複数ユーザ関連付けNFTに関するNFTデータ(複数ユーザ関連付けNFTデータ)を応答する(ブロックチェーン利用応答)。複数ユーザ関連付けNFTデータは、複数ユーザ関連付けNFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からのブロックチェーン利用応答により複数ユーザ関連付けNFTデータを受信する。
【0055】
(ステップS110) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からブロックチェーン利用応答により受信した複数ユーザ関連付けNFTデータを、当該ブロックチェーン利用応答に該当するユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)に関連付けて、ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に格納する。
【0056】
[ユーザ総合情報提供段階]
図7を参照して本実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報提供段階を説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理方法のユーザ総合情報提供段階の手順の例を示すシーケンス図である。
【0057】
ユーザ総合情報提供段階で取引先に提供可能なユーザ総合情報は、上述したユーザ総合情報登録段階でブロックチェーン5を利用して複数ユーザ関連付けNFTを取得済みのユーザ総合情報(ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に複数ユーザ関連付けNFTデータが格納済みのユーザ総合情報)である。当該ユーザ総合情報は、ブロックチェーン5を利用して記録された複数ユーザ関連付け情報(会員証トークンIDリスト及びユーザ総合情報URL)で特定されるユーザ総合情報である。
【0058】
情報管理者とユーザ総合情報の取引先との間では、ユーザ総合情報の提供対価や利用上の制約等の取引条件が予め取り決められている。
【0059】
(ステップS201) 取引先端末3は、情報提供管理サーバ1に対して、ユーザ総合情報を指定し、指定したユーザ総合情報の提供を要求する(情報提供要求)。
【0060】
(ステップS202) 情報提供管理サーバ1において情報提供部12は、取引先端末3からの情報提供要求に応じて、指定されたユーザ総合情報のユーザ総合情報URLをユーザ総合情報管理情報202から取得する。情報提供部12は、取得したユーザ総合情報URLを取引先端末3へ応答する(情報提供応答)。
【0061】
(ステップS203) 取引先端末3は、情報提供管理サーバ1から受信したユーザ総合情報URLにアクセスし、ユーザ総合情報データベース6からユーザ総合情報を取得する。取引先は、取得したユーザ総合情報(例えば統計情報など)を、例えば広告配信先の選別や商品開発ターゲットの選別等の事業戦略に利用することができる。
【0062】
(ステップS204) 情報提供管理サーバ1において特典決定部13は、取引先端末3へ送信されたユーザ総合情報URLに所在するユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)の履歴データを作成する。このユーザ総合情報の履歴データには、ユーザ総合情報ID、提供先情報(取引先の取引先ID)、提供日時、提供対価等の取引情報が含められる。特典決定部13は、作成したユーザ総合情報の履歴データを、当該ユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)及び当該ユーザ総合情報の提供先情報(取引先の取引先ID)に関連付けて、ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に格納する。
【0063】
(ステップS205) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、取引先へ提供されたユーザ総合情報の履歴をブロックチェーン5を利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステム4に送信する。具体的には、管理部11は、ブロックチェーン利用要求において、ユーザ総合情報管理情報202に格納されたユーザ総合情報の履歴データと、情報管理者の識別子(情報管理者ID)とをブロックチェーンサービスシステム4へ送信し、NFT(ユーザ総合情報履歴NFT)の取得を要求する。
【0064】
(ステップS206) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1からのブロックチェーン利用要求に応じて、情報提供管理サーバ1から受信したユーザ総合情報の履歴データを唯一性や保有者を証明する対象物とし、NFTの保有者を情報管理者(情報管理者ID)としたユーザ総合情報履歴NFTを取得する。このユーザ総合情報履歴NFTの取得処理では、ブロックチェーン5上に、当該ユーザ総合情報履歴NFTに関するメタデータが記録される。当該メタデータは、ユーザ総合情報履歴NFTの識別子、作成日時、情報管理者ID(保有者ID)及びユーザ総合情報の履歴データURL(対象物URL)を有する。ユーザ総合情報の履歴データURLは、ユーザ総合情報の履歴データの所在を示すURLであって、ブロックチェーンサービスシステム4に備わるデータベース内の格納領域を示す。
【0065】
(ステップS207) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1に対して、ユーザ総合情報履歴NFTに関するNFTデータ(ユーザ総合情報の履歴NFTデータ)を応答する(ブロックチェーン利用応答)。ユーザ総合情報の履歴NFTデータは、ユーザ総合情報履歴NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からのブロックチェーン利用応答によりユーザ総合情報の履歴NFTデータを受信する。
【0066】
(ステップS208) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からブロックチェーン利用応答により受信したユーザ総合情報の履歴NFTデータを、当該ブロックチェーン利用応答に該当するユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)及び当該ユーザ総合情報の提供先情報(取引先の取引先ID)に関連付けて、ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に格納する。
【0067】
(ステップS209) 取引先端末3は、情報提供管理サーバ1から提供されたユーザ総合情報に関する利用情報を、情報提供管理サーバ1へ送信する。当該利用情報は、ユーザ総合情報を取引先で利用した利用回数等のユーザ総合情報の利用実績を示す。取引先での利用回数は、取引先の内部での利用のみでなく、さらには、取引先から他企業等の他者へのユーザ総合情報の再提供も含んでもよい。
【0068】
(ステップS210) 情報提供管理サーバ1において特典決定部13は、取引先端末3から受信したユーザ総合情報に関する利用情報に基づいて、ユーザ総合情報管理情報202において、当該ユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)及び当該ユーザ総合情報の提供先情報(取引先の取引先ID)に関連付けられているユーザ総合情報の履歴データを更新する。ユーザ総合情報の履歴データの更新では、更新前のユーザ総合情報の履歴データに対して、取引先端末3から受信したユーザ総合情報に関する利用情報の内容が追加される。
【0069】
(ステップS211) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、ユーザ総合情報管理情報202において更新されたユーザ総合情報の履歴をブロックチェーン5を利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステム4に送信する。具体的には、管理部11は、ブロックチェーン利用要求において、ユーザ総合情報管理情報202において更新されたユーザ総合情報の履歴データと、情報管理者の識別子(情報管理者ID)とをブロックチェーンサービスシステム4へ送信し、NFT(ユーザ総合情報履歴NFT)の取得を要求する。
【0070】
(ステップS212) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1からのブロックチェーン利用要求に応じて、情報提供管理サーバ1から受信したユーザ総合情報の履歴データを唯一性や保有者を証明する対象物とし、NFTの保有者を情報管理者(情報管理者ID)としたユーザ総合情報履歴NFTを取得する。このユーザ総合情報履歴NFTの取得処理では、ブロックチェーン5上に、当該ユーザ総合情報履歴NFTに関するメタデータが記録される。当該メタデータは、ユーザ総合情報履歴NFTの識別子、作成日時、情報管理者ID(保有者ID)及びユーザ総合情報の履歴データURL(対象物URL)を有する。ユーザ総合情報の履歴データURLは、ユーザ総合情報の履歴データの所在を示すURLであって、ブロックチェーンサービスシステム4に備わるデータベース内の格納領域を示す。
【0071】
(ステップS213) ブロックチェーンサービスシステム4は、情報提供管理サーバ1に対して、ユーザ総合情報履歴NFTに関するNFTデータ(ユーザ総合情報の履歴NFTデータ)を応答する(ブロックチェーン利用応答)。ユーザ総合情報の履歴NFTデータは、ユーザ総合情報履歴NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からのブロックチェーン利用応答によりユーザ総合情報の履歴NFTデータを受信する。
【0072】
(ステップS214) 情報提供管理サーバ1において管理部11は、ブロックチェーンサービスシステム4からブロックチェーン利用応答により受信したユーザ総合情報の履歴NFTデータを、当該ブロックチェーン利用応答に該当するユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)及び当該ユーザ総合情報の提供先情報(取引先の取引先ID)に関連付けて、ユーザ総合情報管理情報202(図4参照)に格納する。なお、ユーザ総合情報管理情報202において、更新前のユーザ総合情報の履歴データに対応するユーザ総合情報の履歴NFTデータは、そのまま保持されてもよく、又は削除されてもよい。
【0073】
[特典決定段階]
図8を参照して本実施形態に係る情報処理方法の特典決定段階を説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理方法の特典決定段階の手順の例を示すフローチャートである。
【0074】
(ステップS301) 情報提供管理サーバ1において特典決定部13は、所定の特典決定タイミングを判定する。特典決定タイミングは、一定の周期であってもよく、又は所定イベントの発生時であってもよい。当該イベントは、例えば、ユーザ総合情報の提供の発生や、取引先端末3からのユーザ総合情報に関する利用情報の受信などである。特典決定タイミングである場合にはステップS302に進む。特典決定タイミングではない場合にはステップS301を継続する。
【0075】
(ステップS302) 特典決定部13は、ユーザ総合情報管理情報202に格納されているユーザ総合情報の履歴データに基づいて、当該ユーザ総合情報にユーザ情報が使用されたユーザ(特典対象ユーザ)に付与される特典を決定する。特典対象ユーザは、ユーザ管理情報201(図3参照)において、当該ユーザ総合情報のユーザ総合情報IDが関連付けられた会員証トークンIDのユーザである。
【0076】
特典決定部13は、ユーザ総合情報(ユーザ総合情報ID)毎に、ユーザ総合情報の履歴データに含まれるユーザ総合情報の提供回数や提供対価や取引先での利用回数などに基づいて、特典対象ユーザに付与される特典を決定する。例えば、特典決定部13は、ユーザ総合情報の提供回数、提供対価及び取引先での利用回数のうち少なくとも一つに基づいて、特典対象ユーザに付与される特典を決定してもよい。例えば、ユーザ総合情報の提供回数が所定回数以上である場合に、所定の特典が特典対象ユーザに付与されてもよい。例えば、ユーザ総合情報の提供対価が所定の額以上である場合に、所定の特典が特典対象ユーザに付与されてもよい。例えば、取引先での利用回数が所定回数以上である場合に、所定の特典が特典対象ユーザに付与されてもよい。また、それらユーザ総合情報の提供回数、提供対価及び取引先での利用回数のうち複数の条件が組み合わされてもよい。特典は、例えば、提供対価の分配であってもよい。
【0077】
特典決定部13は、特典対象ユーザ毎に、決定した特典を示す特典付与情報を、会員証トークンID及び該当のユーザ総合情報IDに関連付けてユーザ管理情報201(図3参照)に格納する。
【0078】
(ステップS303) 特典決定部13は、ユーザ管理情報201に格納された特典付与情報に基づいて、特典対象ユーザに付与される特典を通知する特典付与通知を当該特典対象ユーザのユーザ端末2へ送信する。
【0079】
上述した実施形態によれば、ユーザ総合情報と、当該ユーザ総合情報にユーザ情報が使用された全ユーザとを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーン5を利用して記録することができる。これにより、ブロックチェーン5を利用して記録された複数ユーザ関連付け情報によって、ユーザ総合情報に使用されたユーザのユーザ情報がどのように利用されているのかを検証することができるという効果が得られる。
【0080】
なお、各ユーザの位置情報(例えば、携帯端末の移動履歴)についてもブロックチェーン5を利用して記録してもよい。これにより、各ユーザの位置情報をブロックチェーン5上で管理することができる。また、ブロックチェーン5上で管理されているユーザの位置情報が所定の特典付与条件に合致する場合に、当該ユーザに所定の特典を付与するようにしてもよい。例えば、特典付与条件として一又は複数のスタンプ付与拠点を予め定めておき、ブロックチェーン5上で管理されているユーザの位置情報が当該スタンプ付与拠点に合致する場合に、当該ユーザに所定の特典を付与する。これにより、例えば複数のスタンプ付与拠点を巡るスタンプラリーにおいて、ブロックチェーン5を利用して参加ユーザの位置情報を管理することができる。
【0081】
なお、これにより、例えば情報提供サービスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0083】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0084】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…情報提供管理サーバ(情報処理装置)、2…ユーザ端末、3…取引先端末、4…ブロックチェーンサービスシステム、5…ブロックチェーン、6…ユーザ総合情報データベース、7…ユーザ総合情報生成サーバ、10…ユーザ総合情報取得部、11…管理部、12…情報提供部、13…特典決定部、20…記憶部、NW…通信ネットワーク
【要約】
【課題】ユーザの情報がどのように利用されているのかを検証することを図る。
【解決手段】複数のユーザのそれぞれのユーザ情報を使用して生成されたユーザ総合情報であってユーザ総合情報のみからは個個のユーザを特定することができないユーザ総合情報を取得するユーザ総合情報取得部と、複数のユーザとユーザ総合情報とを関連付ける複数ユーザ関連付け情報をブロックチェーンを利用して記録するブロックチェーン利用要求をブロックチェーンサービスシステムに送信し、当該ブロックチェーン利用要求に対する応答をブロックチェーンサービスシステムから受信する管理部と、ブロックチェーンを利用して記録された複数ユーザ関連付け情報で特定されるユーザ総合情報を取引先へ提供する情報提供部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8